(2010年12月8日 共同通信社)
排便を促すため、小腸などの消化管が伸び縮みするメカニズムを
マウス実験で解明したと、自然科学研究機構生理学研究所の
富永真琴教授らが、8日付米科学誌
ジャーナル・オブ・ニューロサイエンス電子版に発表。
便通を良くする医薬品の開発や、消化不良感をもたらす機能性胃腸症の
原因解明などに役立つ可能性がある。
食べた物は、消化管が伸縮を繰り返すことで、
肛門へ押しやられ排便される。
消化管はもともと縮む性質があり、一酸化窒素(NO)が増えると、
筋肉が緩んで伸びることが分かっていたが、詳しいメカニズムは謎。
富永教授らは、小腸などの神経細胞内にあり、温度感知センサーとして
働くタンパク質「TRPV2(トリップブイツー)」の働きを解明。
食べた物が腸に入ってくると働きが活性化し、
細胞の外にあるカルシウムを取り込んで、
NOを合成する酵素の活動を強めることが分かった。
TRPV2の働きを薬で抑えると、消化管は伸びることができなくなった。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/12/8/129495/
2010年12月14日火曜日
インサイド:大河流れて 総集編 アジア大会で見えたもの/5止
(毎日 12月4日)
「高気圧酸素カプセルなどでリラックスできた。
時間があればもっと行きたかった」
広州アジア大会のフェンシング女子エペ団体で、
史上初の金メダルを獲得した中野希望(大垣共立銀行)の感想。
今回のアジア大会から、文部科学省のマルチサポート事業による
強化が本格的に始まった。
目玉の一つが、選手村近くに設置されたマルチサポート・ハウス。
国立スポーツ科学センター(JISS)が高級ホテルを借り切り、
約30人の職員が常駐、選手たちの心身のリフレッシュなどに当たった。
サポートハウスは、日本とほぼ同じ環境を作り出すことが目的。
おにぎりやみそ汁などの和食を提供する食堂や、
マシンを使ったトレーニング施設、1人で思考することのできる
「個室」などが用意。
柔道やレスリングなどは減量に活用し、柔道女子の園田隆二監督は、
「これまでアパートを借りて減量メニューを作っていたが、
カロリー計算までしてくれるので助かる」
JISSによると、期間中、42競技のうち選手村に入った
39競技すべてがサポートハウスを利用し、延べ人数は2552人。
最も多かったのは、肉じゃがやレトルト食品など、
選手村では食べられない日本食を提供する「リカバリーミール」で
2066人が利用。
炭酸浴などのプール、高気圧酸素カプセルも1386人が利用するなど、
「疲労回復」が人気だった。
JISSの河村弘之・研究協力課長は、
「昼から夜まで過ごす選手もおり、ロンドン五輪に向けて
いいトライアルができた」
◆戦略基地の効果低く
ただ、課題も残った。
設置費用は2億~3億円と見込まれ、どこまでが本当に必要な
サポートだったのか、費用に見合った成果があったのかは、
明確に結びつけられない。
リラックスすることが主な利用目的であり、ある選手は
「選手村が街から離れていたため、気分転換ができなかった。
サポートハウスに行けば、時間がつぶせると口コミみたいに広がった」
一方で、勝つために重要な映像分析の利用は216件、
情報関連サービスの活用も59件と低く、
戦略基地としての機能は低かった。
マルチサポート事業で、五輪でのメダル獲得が有望視される
「ターゲット競技」に指定されているのは、夏季は13競技・種目。
今大会では、トライアスロンが男女とも金銀を占め、
セーリングとカヌーでもそれぞれ3個の金を獲得。
陸上や競泳などは、ターゲット競技とされながらも多くの選手が苦戦。
◆五輪へ向けて検証
マルチサポート事業の来年度予算は、
概算段階で今年度の約19億円から大幅に増加、27億円。
一方で、日本オリンピック委員会(JOC)の強化の補助金は
今年度並みにとどまる見込み。
日本選手団長を務めた市原則之・JOC専務理事は、
「どれだけ活用できたのか、競技団体と協議していかなければならない」と
検証するつもり。
日本は、ロンドン五輪の金メダル獲得数で世界5位という目標。
今大会の金メダル争いでは、中国、韓国に前回以上の差をつけられた。
マルチサポートによる強化は本筋ではない、という見方もあるが、
事業は始まっている。
五輪本番まで1年7カ月余りしか残っていない。
http://mainichi.jp/enta/sports/general/news/20101204ddm035050011000c.html
「高気圧酸素カプセルなどでリラックスできた。
時間があればもっと行きたかった」
広州アジア大会のフェンシング女子エペ団体で、
史上初の金メダルを獲得した中野希望(大垣共立銀行)の感想。
今回のアジア大会から、文部科学省のマルチサポート事業による
強化が本格的に始まった。
目玉の一つが、選手村近くに設置されたマルチサポート・ハウス。
国立スポーツ科学センター(JISS)が高級ホテルを借り切り、
約30人の職員が常駐、選手たちの心身のリフレッシュなどに当たった。
サポートハウスは、日本とほぼ同じ環境を作り出すことが目的。
おにぎりやみそ汁などの和食を提供する食堂や、
マシンを使ったトレーニング施設、1人で思考することのできる
「個室」などが用意。
柔道やレスリングなどは減量に活用し、柔道女子の園田隆二監督は、
「これまでアパートを借りて減量メニューを作っていたが、
カロリー計算までしてくれるので助かる」
JISSによると、期間中、42競技のうち選手村に入った
39競技すべてがサポートハウスを利用し、延べ人数は2552人。
最も多かったのは、肉じゃがやレトルト食品など、
選手村では食べられない日本食を提供する「リカバリーミール」で
2066人が利用。
炭酸浴などのプール、高気圧酸素カプセルも1386人が利用するなど、
「疲労回復」が人気だった。
JISSの河村弘之・研究協力課長は、
「昼から夜まで過ごす選手もおり、ロンドン五輪に向けて
いいトライアルができた」
◆戦略基地の効果低く
ただ、課題も残った。
設置費用は2億~3億円と見込まれ、どこまでが本当に必要な
サポートだったのか、費用に見合った成果があったのかは、
明確に結びつけられない。
リラックスすることが主な利用目的であり、ある選手は
「選手村が街から離れていたため、気分転換ができなかった。
サポートハウスに行けば、時間がつぶせると口コミみたいに広がった」
一方で、勝つために重要な映像分析の利用は216件、
情報関連サービスの活用も59件と低く、
戦略基地としての機能は低かった。
マルチサポート事業で、五輪でのメダル獲得が有望視される
「ターゲット競技」に指定されているのは、夏季は13競技・種目。
今大会では、トライアスロンが男女とも金銀を占め、
セーリングとカヌーでもそれぞれ3個の金を獲得。
陸上や競泳などは、ターゲット競技とされながらも多くの選手が苦戦。
◆五輪へ向けて検証
マルチサポート事業の来年度予算は、
概算段階で今年度の約19億円から大幅に増加、27億円。
一方で、日本オリンピック委員会(JOC)の強化の補助金は
今年度並みにとどまる見込み。
日本選手団長を務めた市原則之・JOC専務理事は、
「どれだけ活用できたのか、競技団体と協議していかなければならない」と
検証するつもり。
日本は、ロンドン五輪の金メダル獲得数で世界5位という目標。
今大会の金メダル争いでは、中国、韓国に前回以上の差をつけられた。
マルチサポートによる強化は本筋ではない、という見方もあるが、
事業は始まっている。
五輪本番まで1年7カ月余りしか残っていない。
http://mainichi.jp/enta/sports/general/news/20101204ddm035050011000c.html
2010年12月13日月曜日
ワクワク感に伝達物質関与 PETで脳内の受容体研究
(2010年12月8日 共同通信社)
宝くじに当せんするような、低い確率を主観的に高く見積もってしまう
「ワクワク感」や、逆に高い確率を低く見積もる「ハラハラ感」の強さに、
脳内の神経伝達物質ドーパミンが関与していることが、
放射線医学総合研究所などのチームの研究で分かった。
8日付の米科学誌THE JOURNAL OF NEUROSCIENCE電子版に掲載。
確率を、ゆがんだ形で見積もる度合いが強すぎると、
ギャンブルへの依存症などにつながる恐れがある。
チームは、「研究を進め、依存症の客観的な診断や原因の解明、
治療につなげたい」
20~30代の男性を対象、宝くじの当せん確率をどのように
見積もるか検証。
多くの人は、経済理論などで提唱されている通り、
低い当せん確率は高く、高い確率は低く見積もる傾向。
この際、陽電子放射断層撮影装置(PET)を使って、
脳内のドーパミン受容体を調べたところ、
大脳の線条体という部位にある特定の受容体の密度が低い人ほど、
低い確率を高く見積もったり、高い確率を低く見積もったりする
傾向の強さが見られた。
受容体の密度が低い理由は解明されていないが、
遺伝的な原因のほか、生活習慣が影響している可能性も。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/12/8/129494/
宝くじに当せんするような、低い確率を主観的に高く見積もってしまう
「ワクワク感」や、逆に高い確率を低く見積もる「ハラハラ感」の強さに、
脳内の神経伝達物質ドーパミンが関与していることが、
放射線医学総合研究所などのチームの研究で分かった。
8日付の米科学誌THE JOURNAL OF NEUROSCIENCE電子版に掲載。
確率を、ゆがんだ形で見積もる度合いが強すぎると、
ギャンブルへの依存症などにつながる恐れがある。
チームは、「研究を進め、依存症の客観的な診断や原因の解明、
治療につなげたい」
20~30代の男性を対象、宝くじの当せん確率をどのように
見積もるか検証。
多くの人は、経済理論などで提唱されている通り、
低い当せん確率は高く、高い確率は低く見積もる傾向。
この際、陽電子放射断層撮影装置(PET)を使って、
脳内のドーパミン受容体を調べたところ、
大脳の線条体という部位にある特定の受容体の密度が低い人ほど、
低い確率を高く見積もったり、高い確率を低く見積もったりする
傾向の強さが見られた。
受容体の密度が低い理由は解明されていないが、
遺伝的な原因のほか、生活習慣が影響している可能性も。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/12/8/129494/
伝統医学に"共通言語" WHOが作成へ
(2010年12月7日 共同通信社)
世界保健機関(WHO)は、漢方やはりなどの伝統医学で使われる
病名や施術名などの用語をまとめた「伝統医学国際分類」作成に着手。
伝統医学に関する統計や研究、政策の基礎となる
世界の"共通言語"を作る初の試み。
都内で記者会見した計画の中心メンバーの1人、
慶応大の渡辺賢治漢方医学センター長によると、
伝統医学は世界で多くの人に利用されているが、
どんな治療にどの程度の効果があるかといったデータ収集や評価、
国際的な情報交換が進んでいない。
日中韓を中心とした東アジア起源の伝統医学について、
各国で使われている用語の共通点や相違点を整理。
2014年までに作業を終える見通し。
WHOは、西洋医学について「国際疾病分類(ICD)」という体系を
まとめており、現在は第10版。
15年までに改訂する見込み、伝統医学は第11版に組み入れることを目標。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/12/7/129406/
世界保健機関(WHO)は、漢方やはりなどの伝統医学で使われる
病名や施術名などの用語をまとめた「伝統医学国際分類」作成に着手。
伝統医学に関する統計や研究、政策の基礎となる
世界の"共通言語"を作る初の試み。
都内で記者会見した計画の中心メンバーの1人、
慶応大の渡辺賢治漢方医学センター長によると、
伝統医学は世界で多くの人に利用されているが、
どんな治療にどの程度の効果があるかといったデータ収集や評価、
国際的な情報交換が進んでいない。
日中韓を中心とした東アジア起源の伝統医学について、
各国で使われている用語の共通点や相違点を整理。
2014年までに作業を終える見通し。
WHOは、西洋医学について「国際疾病分類(ICD)」という体系を
まとめており、現在は第10版。
15年までに改訂する見込み、伝統医学は第11版に組み入れることを目標。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/12/7/129406/
総合学習を生かす(12)児童の成長 信じて32年
(読売 12月9日)
11月下旬。
ぬかるんだ広場で、子どもたちが長靴を泥だらけにしながら、
子豚の「さな」の体重を量っている。
教室に戻ると、壁に時間割はなく、あるのは
「さなちゃんのたいじゅう」の棒グラフや、カタカナの勉強用に
張り出された「ブタ」、「エサ」、「ワラ」の文字。
長野県伊那市立伊那小学校の1年夏組では、
子豚との生活がすべて教材に。
32年前から、全校で取り組む総合学習の先駆者。
3年間クラス替えをせず、子どもたちが選んだテーマを
時間をかけて発展。
テーマは、低学年は動物の飼育が多く、高学年になると
熱気球作りや五平餅作りなど様々になる。
1年夏組では、いろいろな家畜に親しんだ後、子豚を選んだ。
2学期から飼い始めたが、たびたび脱走し、校舎内で大暴れ。
そこで、子どもたちは、慣れないノコギリやトンカチを握り、
丈夫な柵を作りあげた。
同小では、子どもたちの中から意見や解決策が出てくるのを、
教師がねばり強く待つ。
動物の名前をつけるのに、話し合いが1か月かかったクラスも。
チャボを育てるクラスでは、チャボを怖がった子が
抱けるようになるのを、2か月間見守った。
「先生たちは、祈るような気持ちで子どもを見ている」と武田育夫校長(52)。
根底には、「子どもたちが、自ら成長する力を信じる」という
揺るぎない理念がある。
既成のノウハウが通用しない授業だけに、先生も悩みの連続。
学習指導要領の順番を飛び越えたり、欠けたりするのを補う必要も。
短期的な視点で成果を判断しないのは、
子どもたちが夢中になった活動の達成感の大きさを実感しているから。
2年前、「総合学習30年」を記念して行った卒業生へのアンケートでは、
約70%が、「総合の経験が生き方や進路に影響を与えた」と答えた。
総合学習を経験した卒業生が親になり、
地域全体がよき理解者なのも強み。
毎年2月に開く公開研究会には、全国から約600人もの先生が集まる。
実践をまねるより、子どもと一緒に奮闘し、成長する教師の姿に、
「教師を志した原点に立ち返る」と何度も訪れる人が多い。
「マニュアルでは、人は育たない。
先生同士が、子どもを語り合う大切さを発信しつづけることが、
伊那小の使命」と武田校長。
「総合の火をともし続ける」という覚悟と喜びが、学校全体に漂っていた。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20101209-OYT8T00193.htm
11月下旬。
ぬかるんだ広場で、子どもたちが長靴を泥だらけにしながら、
子豚の「さな」の体重を量っている。
教室に戻ると、壁に時間割はなく、あるのは
「さなちゃんのたいじゅう」の棒グラフや、カタカナの勉強用に
張り出された「ブタ」、「エサ」、「ワラ」の文字。
長野県伊那市立伊那小学校の1年夏組では、
子豚との生活がすべて教材に。
32年前から、全校で取り組む総合学習の先駆者。
3年間クラス替えをせず、子どもたちが選んだテーマを
時間をかけて発展。
テーマは、低学年は動物の飼育が多く、高学年になると
熱気球作りや五平餅作りなど様々になる。
1年夏組では、いろいろな家畜に親しんだ後、子豚を選んだ。
2学期から飼い始めたが、たびたび脱走し、校舎内で大暴れ。
そこで、子どもたちは、慣れないノコギリやトンカチを握り、
丈夫な柵を作りあげた。
同小では、子どもたちの中から意見や解決策が出てくるのを、
教師がねばり強く待つ。
動物の名前をつけるのに、話し合いが1か月かかったクラスも。
チャボを育てるクラスでは、チャボを怖がった子が
抱けるようになるのを、2か月間見守った。
「先生たちは、祈るような気持ちで子どもを見ている」と武田育夫校長(52)。
根底には、「子どもたちが、自ら成長する力を信じる」という
揺るぎない理念がある。
既成のノウハウが通用しない授業だけに、先生も悩みの連続。
学習指導要領の順番を飛び越えたり、欠けたりするのを補う必要も。
短期的な視点で成果を判断しないのは、
子どもたちが夢中になった活動の達成感の大きさを実感しているから。
2年前、「総合学習30年」を記念して行った卒業生へのアンケートでは、
約70%が、「総合の経験が生き方や進路に影響を与えた」と答えた。
総合学習を経験した卒業生が親になり、
地域全体がよき理解者なのも強み。
毎年2月に開く公開研究会には、全国から約600人もの先生が集まる。
実践をまねるより、子どもと一緒に奮闘し、成長する教師の姿に、
「教師を志した原点に立ち返る」と何度も訪れる人が多い。
「マニュアルでは、人は育たない。
先生同士が、子どもを語り合う大切さを発信しつづけることが、
伊那小の使命」と武田校長。
「総合の火をともし続ける」という覚悟と喜びが、学校全体に漂っていた。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20101209-OYT8T00193.htm
インサイド:大河流れて 総集編 アジア大会で見えたもの/4
(毎日 12月3日)
水色のユニホーム姿の選手たちは、
何度も先頭でフィニッシュラインを駆け抜けた。
陸上競技が行われた広州・奥体スタジアムに吹き荒れたインド旋風。
大会終盤の女子1600mリレーで3連覇を果たし、
陸上だけで五つの金メダルを獲得。
象徴的だったのは、女子長距離の躍進。
日本が、過去全6大会でメダルを獲得してきた女子10000mで、
2連覇を狙った国内第一人者の福士加代子(ワコール)は、
インド勢のラストスパートに屈した。
優勝したプリージャ・スリードハランは、5000mでも銀メダル。
10000m銀のカビタ・ラウトも、5000mで3位と、実力は本物。
日本は、中国やアフリカ出身選手が国籍を取得した中東勢を
警戒していたが、インドの強さは全くの想定外。
日本陸連長距離・ロード特別対策委員会の河野匡副委員長は、
「インドの実力は未知数で、正直驚いた。
アジアの経済が発展する中、どの国のレベルも上がっている」と
現実を受け止めた。
スリードハランらを指導するベラルーシ人コーチは、
「インドには、才能豊かな選手があふれている」と自信。
外国人コーチを招いた強化も実ったようだ。
◆政府が多額報奨金
競技別にみると、陸上で11個、ボクシングで9個、射撃で8個の
メダルを獲得、テニス男子ではソムデブ・デブバルマンが
シングルスで初優勝、ダブルスと合わせて2冠。
ゴルフでも、男子団体で銀メダルを手にするなど、
プロスポーツでも実績を残した。
全体では金14、銀17、銅33と、メダル総数は過去最多の計64個。
金メダル数の順位では、前回ドーハ大会の8位(10個)から6位に上昇。
政府は多額の報奨金も用意し、インドメディアによると、
スリードハランは10000mの金メダル獲得で、
12万5000ドル(約1050万円)を得る。
躍進の背景には、10月に初めて自国開催した英連邦大会の存在。
4年に1度のビッグイベントに向けた強化が実り、
金メダル38個を含む、計101個のメダルを獲得。
金メダル数は、オーストラリアに次ぐ2位で、
イングランドやカナダなどを上回った。
◆躍進大国化「手段」に
インドは、伝統的に肉体より精神を重視、
スポーツよりも勉強を優先する価値観が根強い。
インドの社会事情に詳しい亜細亜大非常勤講師の関口真理さんは、
「経済的な成功に見合うように、スポーツも強化すべきだという
意識が強くなった。
スポーツの強さを、一流国の証しととらえている」
昨年10月、インドの国際オリンピック委員会委員が、
ニューデリーで24年夏季五輪を開催したい意向を表明。
インドには、主要新興4カ国(BRICs)の中で、ブラジル、ロシア、中国に
五輪開催実績(予定を含む)で取り残された危機感があり、
英連邦大会は、成功をステップに、将来の五輪招致へつなげる思惑も。
大会をめぐっては、巨額の準備資金が不正に使われたとの
汚職疑惑が浮上。
大会経費は、当初見積もりの20倍の約70億ドル(約5880億円)で、
過去最高に膨れあがったとの批判もあり、混乱が続いている。
約12億の人口を背景に、経済的発展を続けるインド。
政府は先月30日、7~9月期の実質国内総生産(GDP)は
前年同期比8・9%増と発表、経済の好調さに陰りはない。
スポーツを大国化の手段として位置づければ、
ひずみが生じる危険性も否定できない。
http://mainichi.jp/enta/sports/general/news/20101203ddm035050126000c.html
水色のユニホーム姿の選手たちは、
何度も先頭でフィニッシュラインを駆け抜けた。
陸上競技が行われた広州・奥体スタジアムに吹き荒れたインド旋風。
大会終盤の女子1600mリレーで3連覇を果たし、
陸上だけで五つの金メダルを獲得。
象徴的だったのは、女子長距離の躍進。
日本が、過去全6大会でメダルを獲得してきた女子10000mで、
2連覇を狙った国内第一人者の福士加代子(ワコール)は、
インド勢のラストスパートに屈した。
優勝したプリージャ・スリードハランは、5000mでも銀メダル。
10000m銀のカビタ・ラウトも、5000mで3位と、実力は本物。
日本は、中国やアフリカ出身選手が国籍を取得した中東勢を
警戒していたが、インドの強さは全くの想定外。
日本陸連長距離・ロード特別対策委員会の河野匡副委員長は、
「インドの実力は未知数で、正直驚いた。
アジアの経済が発展する中、どの国のレベルも上がっている」と
現実を受け止めた。
スリードハランらを指導するベラルーシ人コーチは、
「インドには、才能豊かな選手があふれている」と自信。
外国人コーチを招いた強化も実ったようだ。
◆政府が多額報奨金
競技別にみると、陸上で11個、ボクシングで9個、射撃で8個の
メダルを獲得、テニス男子ではソムデブ・デブバルマンが
シングルスで初優勝、ダブルスと合わせて2冠。
ゴルフでも、男子団体で銀メダルを手にするなど、
プロスポーツでも実績を残した。
全体では金14、銀17、銅33と、メダル総数は過去最多の計64個。
金メダル数の順位では、前回ドーハ大会の8位(10個)から6位に上昇。
政府は多額の報奨金も用意し、インドメディアによると、
スリードハランは10000mの金メダル獲得で、
12万5000ドル(約1050万円)を得る。
躍進の背景には、10月に初めて自国開催した英連邦大会の存在。
4年に1度のビッグイベントに向けた強化が実り、
金メダル38個を含む、計101個のメダルを獲得。
金メダル数は、オーストラリアに次ぐ2位で、
イングランドやカナダなどを上回った。
◆躍進大国化「手段」に
インドは、伝統的に肉体より精神を重視、
スポーツよりも勉強を優先する価値観が根強い。
インドの社会事情に詳しい亜細亜大非常勤講師の関口真理さんは、
「経済的な成功に見合うように、スポーツも強化すべきだという
意識が強くなった。
スポーツの強さを、一流国の証しととらえている」
昨年10月、インドの国際オリンピック委員会委員が、
ニューデリーで24年夏季五輪を開催したい意向を表明。
インドには、主要新興4カ国(BRICs)の中で、ブラジル、ロシア、中国に
五輪開催実績(予定を含む)で取り残された危機感があり、
英連邦大会は、成功をステップに、将来の五輪招致へつなげる思惑も。
大会をめぐっては、巨額の準備資金が不正に使われたとの
汚職疑惑が浮上。
大会経費は、当初見積もりの20倍の約70億ドル(約5880億円)で、
過去最高に膨れあがったとの批判もあり、混乱が続いている。
約12億の人口を背景に、経済的発展を続けるインド。
政府は先月30日、7~9月期の実質国内総生産(GDP)は
前年同期比8・9%増と発表、経済の好調さに陰りはない。
スポーツを大国化の手段として位置づければ、
ひずみが生じる危険性も否定できない。
http://mainichi.jp/enta/sports/general/news/20101203ddm035050126000c.html
2010年12月12日日曜日
破壊抑え骨粗しょう症治療 阪大、原因細胞遠ざける
(2010年12月7日 共同通信社)
骨を壊す破骨細胞を、骨に近づけないようにして骨の破壊を抑え、
骨粗しょう症を治療することに、大阪大と米国立衛生研究所(NIH)の
チームがマウスで成功。
6日付の米医学誌ジャーナル・オブ・エクスペリメンタル・メディシン
(電子版)に掲載。
国内患者が推計1千万人以上とされる骨粗しょう症のほか、
関節リウマチやがんの骨転移など、骨が壊れていく病気の
治療法開発に役立つとして、ヒトへの臨床応用の準備を進めている。
チームは、破骨細胞のもとになる前駆細胞が、
血管から骨へ移動する過程に着目。
「スフィンゴシン1リン酸(S1P)」という脂質が、
この移動を制御することを発見。
S1Pを感知する前駆細胞表面のタンパク質「S1PR2」の働きを抑える
阻害剤をマウスに投与すると、前駆細胞が骨へ移動しないことを、
生きたまま骨の中を観察できる顕微鏡で確かめた。
阻害剤を投与した骨粗しょう症マウスは、
骨の密度が約1・5倍に改善。
現在の主な治療法では、破骨細胞を殺す薬を投与するが、
正常な骨で繰り返されている、古い骨を壊し新しい骨を作る
サイクルのバランスが崩れ、壊死するなどの副作用が問題。
大阪大の石井優准教授は、
「今回の治療法は、無理やり細胞を殺さないので安全で、効果も大きい」
※骨粗しょう症
骨がもろく、折れやすくなる病気。
背中が曲がる原因となり、寝たきりにもつながる。
更年期に、女性ホルモンの一種「エストロゲン」が急激に減少するのが一因、
高齢女性に多い。
65歳以上の約3割、75歳以上では約半数が患っている。
2050年、高齢化がさらに進んで、患者が5千万人を超える可能性、
対策が求められている。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/12/7/129404/
骨を壊す破骨細胞を、骨に近づけないようにして骨の破壊を抑え、
骨粗しょう症を治療することに、大阪大と米国立衛生研究所(NIH)の
チームがマウスで成功。
6日付の米医学誌ジャーナル・オブ・エクスペリメンタル・メディシン
(電子版)に掲載。
国内患者が推計1千万人以上とされる骨粗しょう症のほか、
関節リウマチやがんの骨転移など、骨が壊れていく病気の
治療法開発に役立つとして、ヒトへの臨床応用の準備を進めている。
チームは、破骨細胞のもとになる前駆細胞が、
血管から骨へ移動する過程に着目。
「スフィンゴシン1リン酸(S1P)」という脂質が、
この移動を制御することを発見。
S1Pを感知する前駆細胞表面のタンパク質「S1PR2」の働きを抑える
阻害剤をマウスに投与すると、前駆細胞が骨へ移動しないことを、
生きたまま骨の中を観察できる顕微鏡で確かめた。
阻害剤を投与した骨粗しょう症マウスは、
骨の密度が約1・5倍に改善。
現在の主な治療法では、破骨細胞を殺す薬を投与するが、
正常な骨で繰り返されている、古い骨を壊し新しい骨を作る
サイクルのバランスが崩れ、壊死するなどの副作用が問題。
大阪大の石井優准教授は、
「今回の治療法は、無理やり細胞を殺さないので安全で、効果も大きい」
※骨粗しょう症
骨がもろく、折れやすくなる病気。
背中が曲がる原因となり、寝たきりにもつながる。
更年期に、女性ホルモンの一種「エストロゲン」が急激に減少するのが一因、
高齢女性に多い。
65歳以上の約3割、75歳以上では約半数が患っている。
2050年、高齢化がさらに進んで、患者が5千万人を超える可能性、
対策が求められている。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/12/7/129404/
総合学習を生かす(11)郷土の先人に学ぶ志
(読売 12月8日)
盛岡市は朝から激しい雨。
市立厨川小学校の6年生は、計画していた「先人ウォーク」を
泣く泣く延期し、掲げて歩くはずだった「立志隊」と書かれたのぼりを囲んだ。
「天気のいい日に改めて行きましょう。
立志の丘で何を叫ぶか、を心の中で考えておいてね」、
千葉美保教諭(43)が子どもたちに語りかけた。
2007年に始まった「先人ウォーク」は、郷土の偉人について学ぶ
6年の総合学習の総仕上げで、今ではすっかり同小の名物行事に。
先人の足跡をたどりながら、盛岡市内を約5km歩き、
最後に先人記念館の脇にある「立志の丘」で、自分の夢や目標を叫ぶ。
太平洋戦争の終結に力を注いだ元首相、米内光政が少年のころ、
岩手山に向かって大声で叫び、自らを鼓舞したという逸話にちなむ。
盛岡は、歴史的に偉人を多く輩出した土地柄。
米内のほか、「平民宰相」と呼ばれた原敬、
「武士道」を著した新渡戸稲造、歌人の石川啄木、
アイヌの「ユーカラ」研究に半生を注いだ金田一京助が代表的な「先人」。
市は、小中学校向けの副読本やカレンダーを作って、
「先人教育」に力を入れている。
厨川小では、子どもたちが人生について考える機会につなげている。
「先人」にも、若き日の失敗や葛藤が必ずある。
「単に、聖人君子として受け止めたのでは、子どもたちの心に残りにくい」
と考えた千葉教諭は、調べ学習が進んだ段階で、
「何かマイナスポイントなかった?」と問いかけた。
石川啄木のカンニング事件など、失敗談が次々にあがった。
「最初は成績が悪かった」、「甘えん坊だった」。
子どもたちは、遠い存在だった先人をぐっと身近に感じた上で、
「人一倍努力した」、「強い意志を持っていた」などと、
現状に安住しない志の尊さに気付いた。
最後の振り返りでは、自分の調べた先人への思い入れを
グループで語り合った。
振り返り用のワークシートには、あえて「生き方」という言葉は
使わなかったが、子どもたちは先人から学んだ姿勢を自分に引き寄せ、
自然に、「自分はこんな生き方をしたい」という言葉が出てきた。
「人を幸せにできる人間になりたい!」、
「悔いの残らない生き方をするぞ!」。
シートの最後に力強く記されていた子どもたちの誓いは、
先人の背中をしっかりと見据えていた。
◎先人に学んだこと(振り返りシートから)
▼原敬
努力し、最後まであきらめなかった。人に信用される生き方をしたい。
▼石川啄木
他人を思う心、貧しさに負けない強い心があった。
純粋な心を持って、信頼されるようになりたい。
▼新渡戸稲造
勉強は楽しんでやればいいのだと思った。
▼金田一京助
自分もいろいろなことに挑戦して、みんなを勇気づけたい。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20101208-OYT8T00215.htm
盛岡市は朝から激しい雨。
市立厨川小学校の6年生は、計画していた「先人ウォーク」を
泣く泣く延期し、掲げて歩くはずだった「立志隊」と書かれたのぼりを囲んだ。
「天気のいい日に改めて行きましょう。
立志の丘で何を叫ぶか、を心の中で考えておいてね」、
千葉美保教諭(43)が子どもたちに語りかけた。
2007年に始まった「先人ウォーク」は、郷土の偉人について学ぶ
6年の総合学習の総仕上げで、今ではすっかり同小の名物行事に。
先人の足跡をたどりながら、盛岡市内を約5km歩き、
最後に先人記念館の脇にある「立志の丘」で、自分の夢や目標を叫ぶ。
太平洋戦争の終結に力を注いだ元首相、米内光政が少年のころ、
岩手山に向かって大声で叫び、自らを鼓舞したという逸話にちなむ。
盛岡は、歴史的に偉人を多く輩出した土地柄。
米内のほか、「平民宰相」と呼ばれた原敬、
「武士道」を著した新渡戸稲造、歌人の石川啄木、
アイヌの「ユーカラ」研究に半生を注いだ金田一京助が代表的な「先人」。
市は、小中学校向けの副読本やカレンダーを作って、
「先人教育」に力を入れている。
厨川小では、子どもたちが人生について考える機会につなげている。
「先人」にも、若き日の失敗や葛藤が必ずある。
「単に、聖人君子として受け止めたのでは、子どもたちの心に残りにくい」
と考えた千葉教諭は、調べ学習が進んだ段階で、
「何かマイナスポイントなかった?」と問いかけた。
石川啄木のカンニング事件など、失敗談が次々にあがった。
「最初は成績が悪かった」、「甘えん坊だった」。
子どもたちは、遠い存在だった先人をぐっと身近に感じた上で、
「人一倍努力した」、「強い意志を持っていた」などと、
現状に安住しない志の尊さに気付いた。
最後の振り返りでは、自分の調べた先人への思い入れを
グループで語り合った。
振り返り用のワークシートには、あえて「生き方」という言葉は
使わなかったが、子どもたちは先人から学んだ姿勢を自分に引き寄せ、
自然に、「自分はこんな生き方をしたい」という言葉が出てきた。
「人を幸せにできる人間になりたい!」、
「悔いの残らない生き方をするぞ!」。
シートの最後に力強く記されていた子どもたちの誓いは、
先人の背中をしっかりと見据えていた。
◎先人に学んだこと(振り返りシートから)
▼原敬
努力し、最後まであきらめなかった。人に信用される生き方をしたい。
▼石川啄木
他人を思う心、貧しさに負けない強い心があった。
純粋な心を持って、信頼されるようになりたい。
▼新渡戸稲造
勉強は楽しんでやればいいのだと思った。
▼金田一京助
自分もいろいろなことに挑戦して、みんなを勇気づけたい。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20101208-OYT8T00215.htm
インサイド:大河流れて 総集編 アジア大会で見えたもの/3
(毎日 12月2日)
9対24と、あやうくトリプルスコアの大差がつくところだった。
今大会、日本と中国の競泳チームが取った金メダルの数。
前回ドーハ大会は、16対16の「引き分け」。
4年で激変した勢力図の背景には、外国人コーチの存在が透けて見える。
「海外の経験あるコーチに育てられると、正直に言って脅威だ」
日本代表の平井伯昌コーチは、そう言って危機感を募らせる。
今大会に登録された競泳の中国代表コーチ陣に、外国人の名前はないが、
選手たち約20人は定期的に2組に分かれて渡豪し、
オーストラリア人コーチの指導を受けている。
中国だけではない。
男子自由形で、2大会連続3冠を達成した韓国の英雄、
朴泰桓(パク・テファン)のコーチもオーストラリアのマイケル・ポール氏。
他を圧倒する朴の泳ぎは、ポール氏の存在なくしては語れない。
「日本以外のほとんどの国は、欧米などから外国人コーチを招請している」
国境を超えた指導は、今や常識となりつつある。
◆流動化の波アジアに
国同士の争いの様相が濃い国際スポーツ界で、
外国人コーチが増え始めたのは、旧東側諸国が崩壊後の90年代前半。
社会主義国家では、国威発揚につながるスポーツ選手やコーチに、
国家による手厚い支援があったが、体制崩壊とともに彼らは
生活の糧や活躍の場を求めて、西側諸国へ移った。
プロとして雇われた指導者が、欧米各国を渡り歩くようになり、
コーチの流動化が進んだ。
その波は、ついにアジア諸国にも到達。
中国選手団は今大会、全競技で計20人の外国人コーチをエントリー。
その中には、日本のシンクロナイズドスイミング指導の第一人者、
井村雅代さんの名前も。
数年前まで中国のシンクロは発展途上だったが、
井村さんが指揮した北京五輪のチームで、銅メダルを獲得。
今大会は、全3種目で金メダルを手にした。
かつて、日本の「お家芸」ともいえたシンクロで、
日中の立場は完全に逆転した。
その中国ですら、コーチが外国に流出している。
今大会の飛び込みで、銀と銅合わせて9個のメダルを獲得し、
中国に次ぐ2位につけたのはマレーシア。
同国の飛び込みコーチの大半が中国人。
それだけの人材が流出しても、中国の競技レベルには変化がない。
指導者の層の厚さもうかがえる。
◆育成との両立を
一方の日本。
外国人コーチの招請は、競技団体によって温度差があるのが実情。
ある競技団体のコーチが、「外国人コーチに育ててもらうと、
中(自国)のコーチが育たなくなるのではないか」と言う通り、
国内での指導者育成に重きを置く意見は根強い。
コーチ陣4人を外国人で固めたフェンシングは、目覚ましい実績を残した。
オレクサンダー・ゴルバチュク氏(ウクライナ)が専属コーチを務める
女子エペは、団体で大会史上初の優勝を果たした。
北京五輪では、フルーレで同じウクライナ人の
オレグ・マツェイチュク氏がコーチとなり、
太田雄貴(森永製菓)が銀メダルを獲得。
その後、エペとサーブルにも外国人コーチを招請した強化策が結実した形。
自前のコーチ育成と、レベルの高い外国人コーチの活用。
その両立ができなければ、世界の潮流にのまれかねないことを、
今大会の成績は雄弁に物語っている。
http://mainichi.jp/enta/sports/general/news/20101202ddm035050092000c.html
9対24と、あやうくトリプルスコアの大差がつくところだった。
今大会、日本と中国の競泳チームが取った金メダルの数。
前回ドーハ大会は、16対16の「引き分け」。
4年で激変した勢力図の背景には、外国人コーチの存在が透けて見える。
「海外の経験あるコーチに育てられると、正直に言って脅威だ」
日本代表の平井伯昌コーチは、そう言って危機感を募らせる。
今大会に登録された競泳の中国代表コーチ陣に、外国人の名前はないが、
選手たち約20人は定期的に2組に分かれて渡豪し、
オーストラリア人コーチの指導を受けている。
中国だけではない。
男子自由形で、2大会連続3冠を達成した韓国の英雄、
朴泰桓(パク・テファン)のコーチもオーストラリアのマイケル・ポール氏。
他を圧倒する朴の泳ぎは、ポール氏の存在なくしては語れない。
「日本以外のほとんどの国は、欧米などから外国人コーチを招請している」
国境を超えた指導は、今や常識となりつつある。
◆流動化の波アジアに
国同士の争いの様相が濃い国際スポーツ界で、
外国人コーチが増え始めたのは、旧東側諸国が崩壊後の90年代前半。
社会主義国家では、国威発揚につながるスポーツ選手やコーチに、
国家による手厚い支援があったが、体制崩壊とともに彼らは
生活の糧や活躍の場を求めて、西側諸国へ移った。
プロとして雇われた指導者が、欧米各国を渡り歩くようになり、
コーチの流動化が進んだ。
その波は、ついにアジア諸国にも到達。
中国選手団は今大会、全競技で計20人の外国人コーチをエントリー。
その中には、日本のシンクロナイズドスイミング指導の第一人者、
井村雅代さんの名前も。
数年前まで中国のシンクロは発展途上だったが、
井村さんが指揮した北京五輪のチームで、銅メダルを獲得。
今大会は、全3種目で金メダルを手にした。
かつて、日本の「お家芸」ともいえたシンクロで、
日中の立場は完全に逆転した。
その中国ですら、コーチが外国に流出している。
今大会の飛び込みで、銀と銅合わせて9個のメダルを獲得し、
中国に次ぐ2位につけたのはマレーシア。
同国の飛び込みコーチの大半が中国人。
それだけの人材が流出しても、中国の競技レベルには変化がない。
指導者の層の厚さもうかがえる。
◆育成との両立を
一方の日本。
外国人コーチの招請は、競技団体によって温度差があるのが実情。
ある競技団体のコーチが、「外国人コーチに育ててもらうと、
中(自国)のコーチが育たなくなるのではないか」と言う通り、
国内での指導者育成に重きを置く意見は根強い。
コーチ陣4人を外国人で固めたフェンシングは、目覚ましい実績を残した。
オレクサンダー・ゴルバチュク氏(ウクライナ)が専属コーチを務める
女子エペは、団体で大会史上初の優勝を果たした。
北京五輪では、フルーレで同じウクライナ人の
オレグ・マツェイチュク氏がコーチとなり、
太田雄貴(森永製菓)が銀メダルを獲得。
その後、エペとサーブルにも外国人コーチを招請した強化策が結実した形。
自前のコーチ育成と、レベルの高い外国人コーチの活用。
その両立ができなければ、世界の潮流にのまれかねないことを、
今大会の成績は雄弁に物語っている。
http://mainichi.jp/enta/sports/general/news/20101202ddm035050092000c.html
還元型コエンザイムQ10がインフルエンザウイルスの感染を予防
(日経ヘルス 12月7日)
カネカは、還元型コエンザイムQ10が、インフルエンザウイルスの
感染に対し、予防効果を発揮すると発表。
コエンザイムQ10で、インフルエンザに対する有用性が
示唆されたのは初めて。
コエンザイムQ10は、抗酸化作用やエネルギー産生を促進する
作用で知られる成分。
日本では、もともと医薬品成分だったが、2001年から食品に、
2004年には化粧品への使用が可能、
サプリメントや化粧品など様々な製品に配合されてきた。
従来は、酸化型のコエンザイムQ10が一般的だったが、
体内では大部分が還元された形で存在することから、
同社が、「還元型コエンザイムQ10」を開発、
2006年から原材料供給を開始。
今回は、富山大学大学院医学薬学研究部の林利光教授との共同研究。
還元型コエンザイムQ10を経口投与したマウスに、
A型インフルエンザウイルス(H1N1亜型)を鼻から感染させ、
気道と肺のウイルス量、ウイルスに対する抗体産生量を測定。
マウスは、
(1)普通に飼育した群(対照群)、
(2)還元型コエンザイムQ10低用量を投与した群、
(3)還元型コエンザイムQ10高用量を投与した群、
(4)感染してから抗インフルエンザウイルス薬オセルタミビルを
投与した群で、各10匹ずつ飼育。
還元型コエンザイムQ10を投与した群は、ウイルス感染7日前から
還元型コエンザイムQ10を投与し、感染後も7日間投与を続けた。
その結果、還元型コエンザイムQ10を投与した群は、
対照群に比べ、3日後の気道、肺中のウイルス量がともに
有意に抑えられていた。
抗インフルエンザウイルス薬を投与した群では、
抗体をほとんど作らないのに比べ、還元型コエンザイムQ10を
投与したマウス群で、14日目に抗体産生量を確認し、
抗体は十分に産生され、対照群とほぼ同等。
同社QOL事業部技術統括部開発グループ学術・知財チームの
細江和典氏は、「コエンザイムQ10には、直接的な抗ウイルス作用が
ないことは、もともと知られていた」
乳酸菌のように、体内で免疫機能を動かす働きをしているかというと、
「作用機序はまだ不明、コエンザイムQ10のエネルギー産生を高める
作用が関与している可能性がある。
現在、富山大学で作用機序解明のための研究を進めている」
インフルエンザに関して別途実施した動物試験では、
還元型コエンザイムQ10と乳酸菌を一緒に付加したところ、
さらに高い効果が見られた。
酸化型との比較では、酸化型の低用量では効果が
確認できなかったのに比べ、還元型では低用量でも効果が確認。
これらの内容について、今後、論文や学会などで発表していく。
http://nhpro.nikkeibp.co.jp/article/nhpro/20101207/109503/
カネカは、還元型コエンザイムQ10が、インフルエンザウイルスの
感染に対し、予防効果を発揮すると発表。
コエンザイムQ10で、インフルエンザに対する有用性が
示唆されたのは初めて。
コエンザイムQ10は、抗酸化作用やエネルギー産生を促進する
作用で知られる成分。
日本では、もともと医薬品成分だったが、2001年から食品に、
2004年には化粧品への使用が可能、
サプリメントや化粧品など様々な製品に配合されてきた。
従来は、酸化型のコエンザイムQ10が一般的だったが、
体内では大部分が還元された形で存在することから、
同社が、「還元型コエンザイムQ10」を開発、
2006年から原材料供給を開始。
今回は、富山大学大学院医学薬学研究部の林利光教授との共同研究。
還元型コエンザイムQ10を経口投与したマウスに、
A型インフルエンザウイルス(H1N1亜型)を鼻から感染させ、
気道と肺のウイルス量、ウイルスに対する抗体産生量を測定。
マウスは、
(1)普通に飼育した群(対照群)、
(2)還元型コエンザイムQ10低用量を投与した群、
(3)還元型コエンザイムQ10高用量を投与した群、
(4)感染してから抗インフルエンザウイルス薬オセルタミビルを
投与した群で、各10匹ずつ飼育。
還元型コエンザイムQ10を投与した群は、ウイルス感染7日前から
還元型コエンザイムQ10を投与し、感染後も7日間投与を続けた。
その結果、還元型コエンザイムQ10を投与した群は、
対照群に比べ、3日後の気道、肺中のウイルス量がともに
有意に抑えられていた。
抗インフルエンザウイルス薬を投与した群では、
抗体をほとんど作らないのに比べ、還元型コエンザイムQ10を
投与したマウス群で、14日目に抗体産生量を確認し、
抗体は十分に産生され、対照群とほぼ同等。
同社QOL事業部技術統括部開発グループ学術・知財チームの
細江和典氏は、「コエンザイムQ10には、直接的な抗ウイルス作用が
ないことは、もともと知られていた」
乳酸菌のように、体内で免疫機能を動かす働きをしているかというと、
「作用機序はまだ不明、コエンザイムQ10のエネルギー産生を高める
作用が関与している可能性がある。
現在、富山大学で作用機序解明のための研究を進めている」
インフルエンザに関して別途実施した動物試験では、
還元型コエンザイムQ10と乳酸菌を一緒に付加したところ、
さらに高い効果が見られた。
酸化型との比較では、酸化型の低用量では効果が
確認できなかったのに比べ、還元型では低用量でも効果が確認。
これらの内容について、今後、論文や学会などで発表していく。
http://nhpro.nikkeibp.co.jp/article/nhpro/20101207/109503/
2010年12月11日土曜日
インサイド:大河流れて 総集編 アジア大会で見えたもの/2
(毎日 12月1日)
大会の視察を終えたスポーツマーケティング会社
「UFAスポーツアジア」(本社・シンガポール)のジェフ・チュー常務は、
声を弾ませた。
「アジアには、まだまだ可能性を秘めた競技があると感じさせてくれた」
アジア大会最大の特徴は、広いアジアのさまざまな民族の間で
親しまれている競技を多く取り入れていること。
今大会でもドラゴンボート、クリケットのほか、チェスの一種目となった
囲碁などが新設、過去最高となる42競技476種目が行われた。
「民族スポーツ」を取り込む傾向は、86年ソウル大会で
韓国の国技・テコンドーが採用されたのを皮切りに、
90年北京大会で東南アジアのセパタクロー、インドの国技・カバディ、
中国に由来する武術、94年広島大会で沖縄発祥とされる空手と、
年々強まってきた。
テコンドーは、88年ソウル五輪で公開競技となり、
00年シドニー五輪から正式競技に採用、今や国際的競技に成長。
カバディも、04年に第1回ワールドカップをインドで開催、
今年4月、円形のコートで行う「サークルスタイルカバディ」の
ワールドカップを初めて行うなど、世界戦略に乗り出している。
民族スポーツにとってアジア大会は、いまや「国際化への登竜門」。
セパタクローは、今大会期間中に国際サーキットの大会創設を表明。
プランを作成したのは、欧州最大のメディアグループ
「RTLグループ」傘下の「UFAスポーツアジア」。
チュー常務は、セパタクローに目をつけた理由について、
「テレビを含め、観戦する人にわかりやすいように『再梱包』すれば、
必ず人気が出ると思った」
個人的な見解とした上で、「カバディや、中央アジア、中東からの参加が
増えた武術には大変魅力を感じたし、アジア大会未実施の競技でも、
(ビジネスの対象として)興味を持っているものがある」
人口が世界の6割を占めるとも言われる巨大なアジアには、
まだ掘り起こされていない“商品”と“市場”が眠っている。
◆本質失われる恐れも
国際化には弊害もある。
テコンドー女子49キロ級で、台湾選手が失格となった件を巡って、
台湾で韓国への反感が高まる騒ぎが起きた。
台湾選手の相手はベトナムの選手だったが、一部で、
世界テコンドー連盟が本部を韓国に置くことなどから、
韓国関係者が今回の判定にかかわったという報道が。
台湾では韓国国旗が燃やされ、韓国外交通商省が憂慮を表明するなど、
国際問題に発展しかねない状態に。
あってはならない「事件」ではあったが、それだけ競技が世界で認知され、
人気が高まったことの証左とも言えた。
クリケットは、五輪に不可欠なテレビ放映に対応するため、
最近の国際試合では「20オーバー(1チームの投球数が120球)制」を採用。
伝統的なものでは、テストマッチ(国代表試合)で5日間もかかっていた
試合を、約3時間に短縮。
「(20オーバー制は)五輪でやれば完ぺきだ。
今がクリケットにとって大きなチャンス」と選手の中には歓迎する声がある
一方で、専門家は「(競技が持つ)本来の良さが失われつつある」
いかに競技の本質を守りながら、国際化の波に乗るか。
残された課題は大きい。
http://mainichi.jp/enta/sports/general/news/20101201ddm035050053000c.html
大会の視察を終えたスポーツマーケティング会社
「UFAスポーツアジア」(本社・シンガポール)のジェフ・チュー常務は、
声を弾ませた。
「アジアには、まだまだ可能性を秘めた競技があると感じさせてくれた」
アジア大会最大の特徴は、広いアジアのさまざまな民族の間で
親しまれている競技を多く取り入れていること。
今大会でもドラゴンボート、クリケットのほか、チェスの一種目となった
囲碁などが新設、過去最高となる42競技476種目が行われた。
「民族スポーツ」を取り込む傾向は、86年ソウル大会で
韓国の国技・テコンドーが採用されたのを皮切りに、
90年北京大会で東南アジアのセパタクロー、インドの国技・カバディ、
中国に由来する武術、94年広島大会で沖縄発祥とされる空手と、
年々強まってきた。
テコンドーは、88年ソウル五輪で公開競技となり、
00年シドニー五輪から正式競技に採用、今や国際的競技に成長。
カバディも、04年に第1回ワールドカップをインドで開催、
今年4月、円形のコートで行う「サークルスタイルカバディ」の
ワールドカップを初めて行うなど、世界戦略に乗り出している。
民族スポーツにとってアジア大会は、いまや「国際化への登竜門」。
セパタクローは、今大会期間中に国際サーキットの大会創設を表明。
プランを作成したのは、欧州最大のメディアグループ
「RTLグループ」傘下の「UFAスポーツアジア」。
チュー常務は、セパタクローに目をつけた理由について、
「テレビを含め、観戦する人にわかりやすいように『再梱包』すれば、
必ず人気が出ると思った」
個人的な見解とした上で、「カバディや、中央アジア、中東からの参加が
増えた武術には大変魅力を感じたし、アジア大会未実施の競技でも、
(ビジネスの対象として)興味を持っているものがある」
人口が世界の6割を占めるとも言われる巨大なアジアには、
まだ掘り起こされていない“商品”と“市場”が眠っている。
◆本質失われる恐れも
国際化には弊害もある。
テコンドー女子49キロ級で、台湾選手が失格となった件を巡って、
台湾で韓国への反感が高まる騒ぎが起きた。
台湾選手の相手はベトナムの選手だったが、一部で、
世界テコンドー連盟が本部を韓国に置くことなどから、
韓国関係者が今回の判定にかかわったという報道が。
台湾では韓国国旗が燃やされ、韓国外交通商省が憂慮を表明するなど、
国際問題に発展しかねない状態に。
あってはならない「事件」ではあったが、それだけ競技が世界で認知され、
人気が高まったことの証左とも言えた。
クリケットは、五輪に不可欠なテレビ放映に対応するため、
最近の国際試合では「20オーバー(1チームの投球数が120球)制」を採用。
伝統的なものでは、テストマッチ(国代表試合)で5日間もかかっていた
試合を、約3時間に短縮。
「(20オーバー制は)五輪でやれば完ぺきだ。
今がクリケットにとって大きなチャンス」と選手の中には歓迎する声がある
一方で、専門家は「(競技が持つ)本来の良さが失われつつある」
いかに競技の本質を守りながら、国際化の波に乗るか。
残された課題は大きい。
http://mainichi.jp/enta/sports/general/news/20101201ddm035050053000c.html
インタビュー・環境戦略を語る:住友生命保険・佐藤義雄社長
(毎日 12月6日)
メーカーや小売りと異なり、保険という形のない商品を扱う生命保険業界。
住友生命保険は、06年「スミセイ環境方針」を策定し、
環境負荷低減に向け、自然保護活動の支援やボランティア活動などを
積極的に行っている。
佐藤義雄社長に、具体的な取り組みについて聞いた。
--スミセイ環境方針の理念は?
◆住生は、「豊かで明るい長寿社会の実現」を目指す。
本業である生保事業の公共性や社会的責任を踏まえ、
事業活動を通じて、地球環境問題への対策にも
積極的に取り組もうという姿勢。
--具体的な取り組みは?
◆08年から、石垣島とフィジーで、サンゴ礁保全プロジェクトを始めた。
サンゴ礁は、数多くの生物の貴重なすみか。
石垣島では、サンゴの生育に悪影響を及ぼす赤土の流出を
防ぐための植栽、子供たちへの環境教育、
フィジーでは、サンゴの植え付けをそれぞれ行っている団体に、
社内の基金から毎年寄付。
フィジーでは、今年3月末までに1万5000本以上の植え付けに成功。
--保険の分厚い約款などは紙資源を大量に使う。
◆商品内容を丁寧に説明すると、どうしてもページ数が増える。
住生では、08年から約款をCD-ROM化し、
紙の使用量を年間約400トン削減。
紙の約款も選べるが、CDを選んでもらうと、
契約1件につき10円がサンゴ礁保全プロジェクトに寄付される。
同プロジェクトへの支援額は、基金からの寄付も合わせ、
今年度末で累計約8500万円となる見込み。
お客様への連絡を、封書でなく電子メールで行うサービスも以前から実施、
今年4月から、新規利用1件につき10円を自然保護団体に寄付。
--全国の営業職員による活動は?
◆営業職員や内勤職員らによる地域ボランティア活動を92年度に始め、
09年度は植林や里山保全、竹林整備など239活動に
延べ2万7267人が参加。
日常的な訪問活動の中、お客様から応援したい
環境・社会貢献活動に投票してもらい、票数に応じ住生が寄付する
キャンペーンも行っている。
サンゴ礁保全プロジェクトには、08~09年度で10万票以上が集まり、
50万円を超す寄付を上乗せした。
--今後の環境対策の方向性は?
◆既存の活動を息長く続けることが大切。
住友のルーツである別子銅山(愛媛県)では、製錬に使う燃料用に
多くの木を伐採し、煙害や洪水の被害が広がった反省から、
積極的な植林に努めた経緯も。
環境を大事にし、地域と共生しようという伝統を引き継いでいきたい。
==============
◇さとう・よしお
九大卒。73年住友生命保険入社。株式運用部長、証券投資部長、
総合法人本部長などを経て、07年7月から現職。福岡県出身。61歳。
http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2010/12/06/20101206ddm008020054000c.html
メーカーや小売りと異なり、保険という形のない商品を扱う生命保険業界。
住友生命保険は、06年「スミセイ環境方針」を策定し、
環境負荷低減に向け、自然保護活動の支援やボランティア活動などを
積極的に行っている。
佐藤義雄社長に、具体的な取り組みについて聞いた。
--スミセイ環境方針の理念は?
◆住生は、「豊かで明るい長寿社会の実現」を目指す。
本業である生保事業の公共性や社会的責任を踏まえ、
事業活動を通じて、地球環境問題への対策にも
積極的に取り組もうという姿勢。
--具体的な取り組みは?
◆08年から、石垣島とフィジーで、サンゴ礁保全プロジェクトを始めた。
サンゴ礁は、数多くの生物の貴重なすみか。
石垣島では、サンゴの生育に悪影響を及ぼす赤土の流出を
防ぐための植栽、子供たちへの環境教育、
フィジーでは、サンゴの植え付けをそれぞれ行っている団体に、
社内の基金から毎年寄付。
フィジーでは、今年3月末までに1万5000本以上の植え付けに成功。
--保険の分厚い約款などは紙資源を大量に使う。
◆商品内容を丁寧に説明すると、どうしてもページ数が増える。
住生では、08年から約款をCD-ROM化し、
紙の使用量を年間約400トン削減。
紙の約款も選べるが、CDを選んでもらうと、
契約1件につき10円がサンゴ礁保全プロジェクトに寄付される。
同プロジェクトへの支援額は、基金からの寄付も合わせ、
今年度末で累計約8500万円となる見込み。
お客様への連絡を、封書でなく電子メールで行うサービスも以前から実施、
今年4月から、新規利用1件につき10円を自然保護団体に寄付。
--全国の営業職員による活動は?
◆営業職員や内勤職員らによる地域ボランティア活動を92年度に始め、
09年度は植林や里山保全、竹林整備など239活動に
延べ2万7267人が参加。
日常的な訪問活動の中、お客様から応援したい
環境・社会貢献活動に投票してもらい、票数に応じ住生が寄付する
キャンペーンも行っている。
サンゴ礁保全プロジェクトには、08~09年度で10万票以上が集まり、
50万円を超す寄付を上乗せした。
--今後の環境対策の方向性は?
◆既存の活動を息長く続けることが大切。
住友のルーツである別子銅山(愛媛県)では、製錬に使う燃料用に
多くの木を伐採し、煙害や洪水の被害が広がった反省から、
積極的な植林に努めた経緯も。
環境を大事にし、地域と共生しようという伝統を引き継いでいきたい。
==============
◇さとう・よしお
九大卒。73年住友生命保険入社。株式運用部長、証券投資部長、
総合法人本部長などを経て、07年7月から現職。福岡県出身。61歳。
http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2010/12/06/20101206ddm008020054000c.html
総合学習を生かす(10)下級生指導 統率力育む
(読売 12月4日)
四国山地にある高知県大豊町立大豊町中学校。
体育館では、1~3年生の男女15人が、人気アイドルグループ
「AKB48」の曲に合わせて、振り付けの練習中。
「顔も手と一緒に上げて」、「もう一度やるよ」と、
リーダーの3年女子生徒2人が指示を出す。
総合学習の授業で、全校生徒が「演劇」、「アート」、「ダンス」班に分かれ、
1か月先の発表会に向けて、練習や制作活動に励んでいた。
同中の総合学習は、1~3年を混成させた縦割り班で学ぶ。
狙いは、リーダーシップの育成。
リーダーは3年生に限り、なるべく部活動の部長などの
経験者以外の生徒に担当。
どの班もリーダーは複数おり、話し合いや練習など
活動すべてのまとめ役を担う。
ダンス班は、AKBを含めて2チーム、リーダーは各2人いるが、
2チーム合同で踊る「ソーラン」や、全体を統括するリーダーも計3人いる。
矢部喜久校長(56)は、「人を束ねて、一つのものを作り上げるのは大変。
その苦労と達成感を、多くの生徒に学んでほしい」
総合学習の授業時間は、学年ごとに年間50または70時間と違うが、
全学年が発表会前に計31時間を集中させたカリキュラムを組む。
リーダーたちに、スケジュールの見通しを持った運営も経験させる。
ダンスの練習後、リーダーたちが、
「いつから『ソーラン』を始めたらいいですか」と質問、
担当の福留雅子教諭(36)は、「それは自分たちで考えないと」と答えた。
リーダーは、練習日程など考えて班を引っ張り、教師はあくまで相談役。
AKBでリーダーを務めた3年松本結里さん(15)と関口凛さん(14)は、
「去年は、先輩の指示に従えば良いだけで楽だった」と、
「踊りを覚えるより、人に教える方が難しい」、
「人をまとめるのは大変」
同中は町内唯一の中学校で、各学年約30人の1クラスずつしかない。
小さな頃から同じ顔ぶれに囲まれ、クラス替えもないので、
新しい人間関係を作る経験も乏しい。
リーダーシップ育成に取り組む背景には、こうした事情も。
卒業生の多くは、高校の部活や体育祭などで、
まとめ役を買って出て活躍している。
矢部校長は、「上級生の自覚が芽生えるだけでなく、
様々な人と作り上げていく力が養われている」と力を込める。
今後の人生の出会いを生かす素地が、総合学習で培われている。
◆縦割り学習
異なる学年の子どもたちが一緒のグループで活動する学習。
異年齢の人間関係を学べる効果がある。
上学年は、下学年の子どもを気遣い、責任を持って活動できるようになり、
下学年が上学年の先輩に対し、あこがれや目標を見いだす機会に。
体育祭や掃除、給食などの活動で行われている。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20101204-OYT8T00199.htm
四国山地にある高知県大豊町立大豊町中学校。
体育館では、1~3年生の男女15人が、人気アイドルグループ
「AKB48」の曲に合わせて、振り付けの練習中。
「顔も手と一緒に上げて」、「もう一度やるよ」と、
リーダーの3年女子生徒2人が指示を出す。
総合学習の授業で、全校生徒が「演劇」、「アート」、「ダンス」班に分かれ、
1か月先の発表会に向けて、練習や制作活動に励んでいた。
同中の総合学習は、1~3年を混成させた縦割り班で学ぶ。
狙いは、リーダーシップの育成。
リーダーは3年生に限り、なるべく部活動の部長などの
経験者以外の生徒に担当。
どの班もリーダーは複数おり、話し合いや練習など
活動すべてのまとめ役を担う。
ダンス班は、AKBを含めて2チーム、リーダーは各2人いるが、
2チーム合同で踊る「ソーラン」や、全体を統括するリーダーも計3人いる。
矢部喜久校長(56)は、「人を束ねて、一つのものを作り上げるのは大変。
その苦労と達成感を、多くの生徒に学んでほしい」
総合学習の授業時間は、学年ごとに年間50または70時間と違うが、
全学年が発表会前に計31時間を集中させたカリキュラムを組む。
リーダーたちに、スケジュールの見通しを持った運営も経験させる。
ダンスの練習後、リーダーたちが、
「いつから『ソーラン』を始めたらいいですか」と質問、
担当の福留雅子教諭(36)は、「それは自分たちで考えないと」と答えた。
リーダーは、練習日程など考えて班を引っ張り、教師はあくまで相談役。
AKBでリーダーを務めた3年松本結里さん(15)と関口凛さん(14)は、
「去年は、先輩の指示に従えば良いだけで楽だった」と、
「踊りを覚えるより、人に教える方が難しい」、
「人をまとめるのは大変」
同中は町内唯一の中学校で、各学年約30人の1クラスずつしかない。
小さな頃から同じ顔ぶれに囲まれ、クラス替えもないので、
新しい人間関係を作る経験も乏しい。
リーダーシップ育成に取り組む背景には、こうした事情も。
卒業生の多くは、高校の部活や体育祭などで、
まとめ役を買って出て活躍している。
矢部校長は、「上級生の自覚が芽生えるだけでなく、
様々な人と作り上げていく力が養われている」と力を込める。
今後の人生の出会いを生かす素地が、総合学習で培われている。
◆縦割り学習
異なる学年の子どもたちが一緒のグループで活動する学習。
異年齢の人間関係を学べる効果がある。
上学年は、下学年の子どもを気遣い、責任を持って活動できるようになり、
下学年が上学年の先輩に対し、あこがれや目標を見いだす機会に。
体育祭や掃除、給食などの活動で行われている。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20101204-OYT8T00199.htm
ケータイ写真を送るだけでカロリー判定 NTTコミュニケーションズらが「健康増進アシストサービス」の実証実験開始
(日経ヘルス 12月7日)
携帯電話機で撮影した写真を送ると、自動でカロリーを推定して
食事のバランスを判定、記録し、運動量などの情報と合わせて、
食事や運動についてアドバイスする実証実験が、
2011年1月から始まる。
実験を行うのは、携帯電話機向けのアプリケーション開発などを
担当するNTTコミュニケーションズと、インターネット上での
ダイエット・コミュニティ「gooからだログ」を運営しているNTTレゾナント、
写真を使った食事記録サービスを提供している
東京大学発ベンチャーfoo.log(フードットログ)の三社。
今回の実証実験の目玉の一つが、携帯電話機で写真を撮影して
メールで送信すると、カロリーや主食、主菜、副菜といった
食事のバランスを推定する「自動カロリー推定」サービス。
センター側は、送られた画像から食事領域を切り抜いて
色や質感(テクスチャー)、料理区分などの特徴情報を抽出、
データベースに登録された過去のデータと比較。
カロリーや料理区分に対するバランスを推定。
料理の種類を推定してから標準のカロリーを呼び出すのではなく、
個々の写真から直接カロリーなどを推定するので、
柔軟性が高く推定の誤差が少ない。
カロリーの推定は、東京大学大学院情報学環・工学部の
相澤 清晴教授が開発した食事画像解析技術を用いる。
今回の実証実験は、カロリー推定の精度向上やデータの蓄積を
目的とし、「カレーライス」などの食事の名称はユーザーが手入力、
将来的には、自動で判定しユーザーが複数候補から選択するなど、
入力の手間も軽減する予定。
もう一つの特徴が、従来個別の機器やパソコンを使って実現していた
複数のサービスについて、携帯電話機を使って一元管理できるようにし、
利便性を高める点。
「自動運動量測定」サービスは、携帯電話機から得られる位置情報や
加速度情報をもとに、ウオーキングなどによるカロリー消費量を算出、
データを自動で保存。
「食事/運動コンシェルジュ」サービスでは、
記録した食事や運動量、位置情報などから、その時点でユーザーに
適したレシピやエクササイズを提案する。
レシピはエルネット、エクササイズはティップネスといったように、
協力企業のコンテンツを利用して提供。
仲間の達成度や食事、運動内容を閲覧して参考にできる
「ソーシャル機能」や、歩数計や体重計といった別の機器とも連携する
「健康機器連携」なども盛り込む。
今回の実験は、1万人程度で行う予定、
まずは2011年1~3月に行うが、様子を見つつ期間は延長する見込み。
今後、モニター登録サイトを開設し、モニターには無償で
専用アプリケーションを提供。
このアプリケーションは、Google社の開発したOS「Android」を搭載した、
アンドロイドケータイ向けのもの。
Apple社の「iPhone」向けにも対応する予定、
一般的な携帯電話機への対応は未定。
http://nhpro.nikkeibp.co.jp/article/nhpro/20101129/109381/
携帯電話機で撮影した写真を送ると、自動でカロリーを推定して
食事のバランスを判定、記録し、運動量などの情報と合わせて、
食事や運動についてアドバイスする実証実験が、
2011年1月から始まる。
実験を行うのは、携帯電話機向けのアプリケーション開発などを
担当するNTTコミュニケーションズと、インターネット上での
ダイエット・コミュニティ「gooからだログ」を運営しているNTTレゾナント、
写真を使った食事記録サービスを提供している
東京大学発ベンチャーfoo.log(フードットログ)の三社。
今回の実証実験の目玉の一つが、携帯電話機で写真を撮影して
メールで送信すると、カロリーや主食、主菜、副菜といった
食事のバランスを推定する「自動カロリー推定」サービス。
センター側は、送られた画像から食事領域を切り抜いて
色や質感(テクスチャー)、料理区分などの特徴情報を抽出、
データベースに登録された過去のデータと比較。
カロリーや料理区分に対するバランスを推定。
料理の種類を推定してから標準のカロリーを呼び出すのではなく、
個々の写真から直接カロリーなどを推定するので、
柔軟性が高く推定の誤差が少ない。
カロリーの推定は、東京大学大学院情報学環・工学部の
相澤 清晴教授が開発した食事画像解析技術を用いる。
今回の実証実験は、カロリー推定の精度向上やデータの蓄積を
目的とし、「カレーライス」などの食事の名称はユーザーが手入力、
将来的には、自動で判定しユーザーが複数候補から選択するなど、
入力の手間も軽減する予定。
もう一つの特徴が、従来個別の機器やパソコンを使って実現していた
複数のサービスについて、携帯電話機を使って一元管理できるようにし、
利便性を高める点。
「自動運動量測定」サービスは、携帯電話機から得られる位置情報や
加速度情報をもとに、ウオーキングなどによるカロリー消費量を算出、
データを自動で保存。
「食事/運動コンシェルジュ」サービスでは、
記録した食事や運動量、位置情報などから、その時点でユーザーに
適したレシピやエクササイズを提案する。
レシピはエルネット、エクササイズはティップネスといったように、
協力企業のコンテンツを利用して提供。
仲間の達成度や食事、運動内容を閲覧して参考にできる
「ソーシャル機能」や、歩数計や体重計といった別の機器とも連携する
「健康機器連携」なども盛り込む。
今回の実験は、1万人程度で行う予定、
まずは2011年1~3月に行うが、様子を見つつ期間は延長する見込み。
今後、モニター登録サイトを開設し、モニターには無償で
専用アプリケーションを提供。
このアプリケーションは、Google社の開発したOS「Android」を搭載した、
アンドロイドケータイ向けのもの。
Apple社の「iPhone」向けにも対応する予定、
一般的な携帯電話機への対応は未定。
http://nhpro.nikkeibp.co.jp/article/nhpro/20101129/109381/
2010年12月10日金曜日
読解力回復 数学、科学上位維持 PISA結果で判明
(サイエンスポータル 2010年12月8日)
国際的に見劣るとされていた15歳生徒の読解力が
3年前より向上、9年前のレベルに回復していることが、
経済協力開発機構(OECD)が公表した
国際学習到達度調査(PISA)結果から明らかに。
PISAは、OECD加盟国と調査実施基準を満たす参加希望国・地域を
対象に、2000年から3年おきに実施。
文章を理解、利用、熟考する能力を問う読解力、数学的根拠に
基づいて、判断できる能力を問う数学リテラシー、
科学的知識を使用し、証拠に基づく結論を導き出す能力を問う
科学リテラシーの3分野について、15歳を対象に抽出試験を行う。
各回3つの試験のうち、1つが重点分野とされ、
今回は読解力が他の2分野に比べ、倍の試験問題が受験者に課された。
前回、読解力が重点分野だったのは2000年で、
この年との比較が最も重視。
今回の調査は、09年に実施。
日本の15歳生徒の読解力平均得点は、統計的有意差を考慮すると
上海、韓国、フィンランド、香港より下だが、
シンガポール、カナダ、ニュージーランド、オーストラリア、
オランダとほぼ同じ、上位4カ国・地域の次に位置。
3年前06年の調査結果では韓国、フィンランド、香港、カナダ、
ニュージーランド、アイルランド、オーストラリア、リヒテンシュタイン、
ポーランド9カ国・地域より下位、
グリアOECD事務総長から、「文章情報を取得し、処理し、統合し、
評価することが最大の課題」と評された。
今回の調査結果は3年前に比べ、明らかに読解力の向上を示しているが、
読解力が重要分野とされた2000年の調査結果に比べ、
「統計的有意差はない」。
2000年の調査では、「1位のフィンランドとは統計的に有意差が認められるが、
上位2位グループに位置する」という結果、このレベルに回復。
数学リテラシーの平均得点は上海、シンガポール、香港、韓国、台北、
フィンランドに次ぐグループで、科学リテラシーは上海、香港、
フィンランドにつぐグループに入っている。
いずれも前回、重点分野だった調査年(数学は03年、理科は06年)に比べ、
調査結果に「統計的有意差はない」とされた。
数学リテラシーは03、06年とも高いレベルを維持していると評価。
科学リテラシーについて、「科学的知識を再現し、科学的証拠を
解釈することにより、結論を導く能力は高い」と評価、
「科学的に探ることができる問題を認識し、科学的探求に必要な要素を
見つけ出すのは苦手」とOECDから指摘。
数学、科学リテラシーとも明確な経年比較は、
それぞれが重点分野となる次の調査結果(数学2012年、科学2015年)を
見ないと分からない。
http://www.scienceportal.jp/news/daily/1012/1012082.html
国際的に見劣るとされていた15歳生徒の読解力が
3年前より向上、9年前のレベルに回復していることが、
経済協力開発機構(OECD)が公表した
国際学習到達度調査(PISA)結果から明らかに。
PISAは、OECD加盟国と調査実施基準を満たす参加希望国・地域を
対象に、2000年から3年おきに実施。
文章を理解、利用、熟考する能力を問う読解力、数学的根拠に
基づいて、判断できる能力を問う数学リテラシー、
科学的知識を使用し、証拠に基づく結論を導き出す能力を問う
科学リテラシーの3分野について、15歳を対象に抽出試験を行う。
各回3つの試験のうち、1つが重点分野とされ、
今回は読解力が他の2分野に比べ、倍の試験問題が受験者に課された。
前回、読解力が重点分野だったのは2000年で、
この年との比較が最も重視。
今回の調査は、09年に実施。
日本の15歳生徒の読解力平均得点は、統計的有意差を考慮すると
上海、韓国、フィンランド、香港より下だが、
シンガポール、カナダ、ニュージーランド、オーストラリア、
オランダとほぼ同じ、上位4カ国・地域の次に位置。
3年前06年の調査結果では韓国、フィンランド、香港、カナダ、
ニュージーランド、アイルランド、オーストラリア、リヒテンシュタイン、
ポーランド9カ国・地域より下位、
グリアOECD事務総長から、「文章情報を取得し、処理し、統合し、
評価することが最大の課題」と評された。
今回の調査結果は3年前に比べ、明らかに読解力の向上を示しているが、
読解力が重要分野とされた2000年の調査結果に比べ、
「統計的有意差はない」。
2000年の調査では、「1位のフィンランドとは統計的に有意差が認められるが、
上位2位グループに位置する」という結果、このレベルに回復。
数学リテラシーの平均得点は上海、シンガポール、香港、韓国、台北、
フィンランドに次ぐグループで、科学リテラシーは上海、香港、
フィンランドにつぐグループに入っている。
いずれも前回、重点分野だった調査年(数学は03年、理科は06年)に比べ、
調査結果に「統計的有意差はない」とされた。
数学リテラシーは03、06年とも高いレベルを維持していると評価。
科学リテラシーについて、「科学的知識を再現し、科学的証拠を
解釈することにより、結論を導く能力は高い」と評価、
「科学的に探ることができる問題を認識し、科学的探求に必要な要素を
見つけ出すのは苦手」とOECDから指摘。
数学、科学リテラシーとも明確な経年比較は、
それぞれが重点分野となる次の調査結果(数学2012年、科学2015年)を
見ないと分からない。
http://www.scienceportal.jp/news/daily/1012/1012082.html
インサイド:大河流れて 総集編 アジア大会で見えたもの/1
(毎日 11月30日)
中国・広州で開かれた第16回アジア大会は、27日に幕を閉じた。
大会規模は過去最大に膨れあがり、競技では中国が200個に
あと一つに迫る金メダルを獲得。
インドなど新興国の台頭や、国境を越えて流動化する指導者たち、
ビジネス化を図って五輪入りを狙う競技など、新しい動きもある。
中国や韓国に押され、成績不振が目についた日本の今後は--。
大会中に連載した「大河流れて」の総集編として、
今大会を通じて見えてきたアジアスポーツの姿に迫る。
◇ジャイアント・チャイナ
「メダル数で、中国の国力の強さを示した。
独占しているわけではなく、韓国やインドもスピードを持って成長」
アジア大会最終日の27日、大会で史上最多の199個の金メダルを
獲得した中国選手団の段世傑団長は、総括会見で誇らしげに。
同じ時刻、隣の会見場では、前回よりも金メダルを減らした
日本の選手団も会見。
ロイター通信の記者から、「アジア大会は、中国の国内大会
みたいではなかったか」という質問に対し、日本の市原則之団長は、
「中国は非常に強くて、我々は脅威を感じている」と、
率直な意見を述べるしかなかった。
中国は、08年の北京五輪で金メダル51個を獲得、
米国や旧ソ連などに代わって、世界一のスポーツ大国にのし上がった。
全国の体育技術学校を軸に、優秀な選手を集める有名な強化策に加え、
経済の急速な発展を背景に、北京五輪後も外国人指導者の数を
増やすなど、強化への意気込みはまったく弱まっていない。
◆施設規模でも力量
2年前と異なるのは、五輪や世界選手権に出場する
「競技スポーツ」に加え、市民へのスポーツの普及を強調したこと。
中国の新しいスポーツ振興策の一つとされ、
一部のエリート競技者のものでしかなかったスポーツを、
国民に広く普及させようとしている。
段団長は、「さまざまな種目でメダルを取ることは、
国内スポーツの多様性に寄与する。
これまでは、中国のスポーツ文化は低かったが、
若者のスポーツ志向は高まっている」
史上最大規模になった今大会。
施設の規模も、中国のパワーを見せつけるものだった。
バスケットボール会場となった広州国際スポーツアリーナは、
3階までで1万7000人の観客席。
中心地近くにある陸上会場の奥体スタジアムは、
中国の英雄、劉翔が出場した110m障害決勝の時は8万人を収容。
五輪をしのぐような巨大施設の数々に、日本オリンピック委員会の関係者は、
「これを見たら、もう日本でアジア大会を開こう、という都市は
ないんじゃないか」と、冗談とも本気ともとれる口調で話した。
◆仁川も拡大路線か
今大会中、アジア大会の開催をめぐっては、競技を削減したい
アジア・オリンピック評議会(OCA)と開催地の間で、対立が起きた。
OCAは、今大会から実施競技数を減らす方針、
それも広州の意向で実現せず、今大会中に協議した次回の
14年仁川大会でも決定は先送り。
オイルマネーが支えになった前回のドーハ大会に続いて、
広州が巨大市場という資金力をバックに拡大路線を貫いたため、
OCAのアーマド会長は、「(実施競技の)プログラムは、
開催都市が関心を持っているものを入れていけばいい。
開催地が資金を出すのは、その後のインフラ投資にもなる」と、
拡大容認ともとれる発言まで飛び出した。
運営規模、競技力ともに世界トップの力を見せたアジアの巨人、中国。
2年後のロンドン五輪、その後は何に向かおうとしているのか。
段団長は、気になる発言をしている。
「北京五輪で、中国はスポーツ大国になったが、
ロンドン五輪ではスポーツ強国を目指す。
中国のスポーツ力をアピールすることによって、
中国人が持っている素晴らしさを見習ってもらえるからだ」
まるで、スポーツで世界を支配しようというようなコメント。
http://mainichi.jp/enta/sports/general/general/archive/news/2010/11/30/20101130ddm035050051000c.html
中国・広州で開かれた第16回アジア大会は、27日に幕を閉じた。
大会規模は過去最大に膨れあがり、競技では中国が200個に
あと一つに迫る金メダルを獲得。
インドなど新興国の台頭や、国境を越えて流動化する指導者たち、
ビジネス化を図って五輪入りを狙う競技など、新しい動きもある。
中国や韓国に押され、成績不振が目についた日本の今後は--。
大会中に連載した「大河流れて」の総集編として、
今大会を通じて見えてきたアジアスポーツの姿に迫る。
◇ジャイアント・チャイナ
「メダル数で、中国の国力の強さを示した。
独占しているわけではなく、韓国やインドもスピードを持って成長」
アジア大会最終日の27日、大会で史上最多の199個の金メダルを
獲得した中国選手団の段世傑団長は、総括会見で誇らしげに。
同じ時刻、隣の会見場では、前回よりも金メダルを減らした
日本の選手団も会見。
ロイター通信の記者から、「アジア大会は、中国の国内大会
みたいではなかったか」という質問に対し、日本の市原則之団長は、
「中国は非常に強くて、我々は脅威を感じている」と、
率直な意見を述べるしかなかった。
中国は、08年の北京五輪で金メダル51個を獲得、
米国や旧ソ連などに代わって、世界一のスポーツ大国にのし上がった。
全国の体育技術学校を軸に、優秀な選手を集める有名な強化策に加え、
経済の急速な発展を背景に、北京五輪後も外国人指導者の数を
増やすなど、強化への意気込みはまったく弱まっていない。
◆施設規模でも力量
2年前と異なるのは、五輪や世界選手権に出場する
「競技スポーツ」に加え、市民へのスポーツの普及を強調したこと。
中国の新しいスポーツ振興策の一つとされ、
一部のエリート競技者のものでしかなかったスポーツを、
国民に広く普及させようとしている。
段団長は、「さまざまな種目でメダルを取ることは、
国内スポーツの多様性に寄与する。
これまでは、中国のスポーツ文化は低かったが、
若者のスポーツ志向は高まっている」
史上最大規模になった今大会。
施設の規模も、中国のパワーを見せつけるものだった。
バスケットボール会場となった広州国際スポーツアリーナは、
3階までで1万7000人の観客席。
中心地近くにある陸上会場の奥体スタジアムは、
中国の英雄、劉翔が出場した110m障害決勝の時は8万人を収容。
五輪をしのぐような巨大施設の数々に、日本オリンピック委員会の関係者は、
「これを見たら、もう日本でアジア大会を開こう、という都市は
ないんじゃないか」と、冗談とも本気ともとれる口調で話した。
◆仁川も拡大路線か
今大会中、アジア大会の開催をめぐっては、競技を削減したい
アジア・オリンピック評議会(OCA)と開催地の間で、対立が起きた。
OCAは、今大会から実施競技数を減らす方針、
それも広州の意向で実現せず、今大会中に協議した次回の
14年仁川大会でも決定は先送り。
オイルマネーが支えになった前回のドーハ大会に続いて、
広州が巨大市場という資金力をバックに拡大路線を貫いたため、
OCAのアーマド会長は、「(実施競技の)プログラムは、
開催都市が関心を持っているものを入れていけばいい。
開催地が資金を出すのは、その後のインフラ投資にもなる」と、
拡大容認ともとれる発言まで飛び出した。
運営規模、競技力ともに世界トップの力を見せたアジアの巨人、中国。
2年後のロンドン五輪、その後は何に向かおうとしているのか。
段団長は、気になる発言をしている。
「北京五輪で、中国はスポーツ大国になったが、
ロンドン五輪ではスポーツ強国を目指す。
中国のスポーツ力をアピールすることによって、
中国人が持っている素晴らしさを見習ってもらえるからだ」
まるで、スポーツで世界を支配しようというようなコメント。
http://mainichi.jp/enta/sports/general/general/archive/news/2010/11/30/20101130ddm035050051000c.html
4期16年、甘竹大船渡市長が退任 和やかに見送り
(岩手日報 12月3日)大船渡市の甘竹勝郎市長(67)の退任行事は2日、
同市役所で行われた。
職員や市民約300人から、4期16年のねぎらいを受け、
庁舎を後にした。
甘竹市長は、退任記者会見で、
▽旧三陸町との合併
▽重点港湾指定
▽リアスホール整備
▽全国海フェスタ開催
▽財政改革―
を成果として挙げ、「職員と市民の協力でやろうとしていたことは
ほぼ達成できた。日々全力投球で、充実感でいっぱい」と心境。
最も緊迫したのは、今年2月のチリ大地震に伴う大津波警報の発令。
今後は、晴耕雨読の生活を送ると言い、
「市民は大船渡に自信を持ち、羽ばたいてほしい」と願った。
見送りセレモニーは、甘竹市長のおはこで、
見送りセレモニーは、甘竹市長のおはこで、
同市出身の歌手新沼謙治さんの「三陸・大船渡」が流れる中、
職員が胴上げするなど、和やかな雰囲気。
総合学習を生かす(9)就業体験 学ぶ意欲に
(読売 12月3日)
さいたま市内の美容室。
緊張した様子で洗髪しながら、「力加減はどうですか」と聞くのは、
埼玉県立蓮田松韻高校(蓮田市)1年の古川亜依さん(15)。
見守る美容師の坂巻裕美さん(39)から、
「左右の手の力加減を同じにするため、両ひじは突き出して」、
「耳に水が入らないよう手で押さえて」など細かい注意。
同高の1年生は全員、総合学習で就業体験に臨む。
古川さんは、やはり美容に興味のある同級生の中谷馨さん(15)と
2人で5日間、美容室に通った。
仕事は掃除などの雑用だが、洗髪なども教えてもらい、
最終日のこの日は、佐藤智明教頭(47)を実験台に成果を試していた。
「髪を洗うのが、こんなに大変と思わなかった。腰も痛い」、
「タオルの巻き方も、細かい配慮があった」と苦労を語る2人。
坂巻さんは、「華やかさややりがいの一方で、厳しさもあることを
学んでもらえたのでは」
就業体験は、前身の旧県立蓮田高校時代の4年前、
中途退学者の減少を目指して始まった。
柿岡文彦校長(59)は、「働く厳しさを知り、自分の将来を
具体的に見つめ、高校で学ぶ自覚を持ってもらうため」と狙い。
生徒の大半が、就職や専門学校進学を希望していることもあり、
受け入れ先には、「見学ではなく、就労させてほしい。
厳しい指導も結構です」と依頼。
当初12%を超えた退学率は半減したが、目的意識がないまま
入学する生徒は依然多く、就業体験も一筋縄には行かない。
「あいさつができない」、「働く意識が低い」などと、
その後の受け入れを拒否されたことも。
今年は、1年生234人がスーパーや農家など74か所に行ったが、
福祉施設に行ったある生徒は、休憩するよう指示され、
職員に声をかけられるまで、2時間も部屋から出てこなかった。
仕事に戻るよう指示がなかったからだと。
とはいえ、効果は少しずつ表れている。
佐藤教頭は、「社会の厳しさを知り、生徒の多くが
高校はきちんと卒業しようと考えるようになる。
将来のことを、親子で話すきっかけにもなっている」
修理工場で、計器の修理をした横山勇斗さん(16)は、
「ずっと同じ作業でつらかったが、どの仕事も責任を持って
やらなければいけないということが分かった」
働く尊さを知ることが、意欲ある高校生活につながっている。
◆就業体験
学生が在学中に、民間企業などで就業を体験すること。
インターンシップともいう。
国立教育政策研究所の調査によると、2009年度は
全国の公立中学校の約95%、高校(全日制・定時制)の約71%が実施。
中学校は、「原則として全員参加」だが、体験した高校生の割合は
全体の約29%にとどまっている。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20101203-OYT8T00195.htm
さいたま市内の美容室。
緊張した様子で洗髪しながら、「力加減はどうですか」と聞くのは、
埼玉県立蓮田松韻高校(蓮田市)1年の古川亜依さん(15)。
見守る美容師の坂巻裕美さん(39)から、
「左右の手の力加減を同じにするため、両ひじは突き出して」、
「耳に水が入らないよう手で押さえて」など細かい注意。
同高の1年生は全員、総合学習で就業体験に臨む。
古川さんは、やはり美容に興味のある同級生の中谷馨さん(15)と
2人で5日間、美容室に通った。
仕事は掃除などの雑用だが、洗髪なども教えてもらい、
最終日のこの日は、佐藤智明教頭(47)を実験台に成果を試していた。
「髪を洗うのが、こんなに大変と思わなかった。腰も痛い」、
「タオルの巻き方も、細かい配慮があった」と苦労を語る2人。
坂巻さんは、「華やかさややりがいの一方で、厳しさもあることを
学んでもらえたのでは」
就業体験は、前身の旧県立蓮田高校時代の4年前、
中途退学者の減少を目指して始まった。
柿岡文彦校長(59)は、「働く厳しさを知り、自分の将来を
具体的に見つめ、高校で学ぶ自覚を持ってもらうため」と狙い。
生徒の大半が、就職や専門学校進学を希望していることもあり、
受け入れ先には、「見学ではなく、就労させてほしい。
厳しい指導も結構です」と依頼。
当初12%を超えた退学率は半減したが、目的意識がないまま
入学する生徒は依然多く、就業体験も一筋縄には行かない。
「あいさつができない」、「働く意識が低い」などと、
その後の受け入れを拒否されたことも。
今年は、1年生234人がスーパーや農家など74か所に行ったが、
福祉施設に行ったある生徒は、休憩するよう指示され、
職員に声をかけられるまで、2時間も部屋から出てこなかった。
仕事に戻るよう指示がなかったからだと。
とはいえ、効果は少しずつ表れている。
佐藤教頭は、「社会の厳しさを知り、生徒の多くが
高校はきちんと卒業しようと考えるようになる。
将来のことを、親子で話すきっかけにもなっている」
修理工場で、計器の修理をした横山勇斗さん(16)は、
「ずっと同じ作業でつらかったが、どの仕事も責任を持って
やらなければいけないということが分かった」
働く尊さを知ることが、意欲ある高校生活につながっている。
◆就業体験
学生が在学中に、民間企業などで就業を体験すること。
インターンシップともいう。
国立教育政策研究所の調査によると、2009年度は
全国の公立中学校の約95%、高校(全日制・定時制)の約71%が実施。
中学校は、「原則として全員参加」だが、体験した高校生の割合は
全体の約29%にとどまっている。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20101203-OYT8T00195.htm
2010年12月9日木曜日
日立がHDDやエアコンからレアアース回収技術開発
(サイエンスポータル 2010年12月7日)
使用済みのハードディスクドライブ(HDD)のモータやエアコンなどの
コンプレッサーから、レアアース磁石をリサイクルする技術を、
日立製作所が開発。
コストや回収率を試算した上で、2013年をめどに
リサイクルの本格稼動を目指す。
レアアース磁石は、強い磁力を持たせるためネオジムを、
耐熱性能向上のため、ジスプロシウムを鉄に加えた合金。
ネオジム、ジスプロシウムはレアアースと呼ばれ、
産出量の約97%を中国が占め、
資源確保の観点からにわかに大きな問題。
日立が開発した技術は、レアアース磁石の分離・回収の効率が
HDDの場合、現在の手作業より約8倍高く、従来、分解が困難だった
コンプレッサーについても、新たに切断装置や脱磁装置などを開発し、
高効率で安全な分離・回収を可能。
HDDの分解装置は、振動を与えてネジをゆるませる方法を採用。
コンプレッサーは、切断装置と抜き取り装置で、
レアアース磁石を含むローター(回転子)を分離、
その後振動を与えてレアアース磁石だけを分離・回収する。
レアアース磁石からのネオジムとジスプロシウムの抽出は、
岡部徹・東京大学生産技術研究所教授との共同研究で、
酸などの化学薬品を使わない、新たなレアアース抽出技術の実験に成功。
ネオジムやジスプロシウムと親和性の高い特定の抽出媒体を用い、
最終的に加熱して抽出媒体を蒸留させることで、
レアアースの合金だけを取り出すことができる。
この技術開発成果は、経済産業省の
「平成21年度新資源循環推進事業費補助金
(都市資源循環推進事業-高性能磁石モータ等からの
レアアースリサイクル技術開発)」を受け、
昨年10月から開発を始めた結果、得られた。
http://www.scienceportal.jp/news/daily/1012/1012071.html
使用済みのハードディスクドライブ(HDD)のモータやエアコンなどの
コンプレッサーから、レアアース磁石をリサイクルする技術を、
日立製作所が開発。
コストや回収率を試算した上で、2013年をめどに
リサイクルの本格稼動を目指す。
レアアース磁石は、強い磁力を持たせるためネオジムを、
耐熱性能向上のため、ジスプロシウムを鉄に加えた合金。
ネオジム、ジスプロシウムはレアアースと呼ばれ、
産出量の約97%を中国が占め、
資源確保の観点からにわかに大きな問題。
日立が開発した技術は、レアアース磁石の分離・回収の効率が
HDDの場合、現在の手作業より約8倍高く、従来、分解が困難だった
コンプレッサーについても、新たに切断装置や脱磁装置などを開発し、
高効率で安全な分離・回収を可能。
HDDの分解装置は、振動を与えてネジをゆるませる方法を採用。
コンプレッサーは、切断装置と抜き取り装置で、
レアアース磁石を含むローター(回転子)を分離、
その後振動を与えてレアアース磁石だけを分離・回収する。
レアアース磁石からのネオジムとジスプロシウムの抽出は、
岡部徹・東京大学生産技術研究所教授との共同研究で、
酸などの化学薬品を使わない、新たなレアアース抽出技術の実験に成功。
ネオジムやジスプロシウムと親和性の高い特定の抽出媒体を用い、
最終的に加熱して抽出媒体を蒸留させることで、
レアアースの合金だけを取り出すことができる。
この技術開発成果は、経済産業省の
「平成21年度新資源循環推進事業費補助金
(都市資源循環推進事業-高性能磁石モータ等からの
レアアースリサイクル技術開発)」を受け、
昨年10月から開発を始めた結果、得られた。
http://www.scienceportal.jp/news/daily/1012/1012071.html
インタビュー・環境戦略を語る:キリンビール・松沢幸一社長
(毎日 11月29日)
キリンビールは今年、自然環境保護のため、
12年のCO2排出量を、90年比で60%削減する目標。
食品メーカーにとって、環境保護活動は、消費者の環境志向に
応えるとともに、原料の天然資源の保全にもつながる。
計画の旗振り役である松沢幸一社長に聞いた。
-意欲的な目標を掲げている。
◆環境に対する社会の意識が変化し、企業は商品を販売して
利益を得るだけでは通用しない時代に。
環境保護活動は、「経営課題の一つ」との認識のもと、
ビール製造などと同じ「事業」として取り組むことにした。
環境保護のための設備更新など投資も必要になるので、
経営陣でリーダーシップをとっている。
-具体的な取り組みは?
◆製造、物流などそれぞれの段階で、CO2排出削減に取り組んでいる。
製造部門では、仕込み工程などで使用するボイラーを、
効率の良い小型のものに変え、燃料も重油からCO2排出量の少ない
天然ガスへの転換を進めている。
今年1月、約200億円を投資して最新設備を導入した
滋賀工場(滋賀県多賀町)は、使用するエネルギーも従来の約3分の1。
各工場で節水にも取り組んでおり、以前はビール1Lを作るのに
15L必要だった水が、現在は6Lで済む。
-配送、物流面では?
◆今年6月から、仙台工場から青森、秋田県の卸業者への
出荷は、トラックから貨物列車を使うモーダルシフトに切り替えた。
今年から一部の地域で製缶メーカーと協力し、製品を詰める前の空缶を
運んできたトラックに製品を積んで帰ってもらうようにした。
トラック輸送を、なるべく減らすように努力。
-自然保護にも取り組んでいる。
◆99年から、ビールの水源となる森林を保全するため、
工場の上流や周辺の森林の計17カ所で、植林活動に取り組んでいる。
社員だけでなく、地域の方々にも協力してもらい、
植林や樹木の枝打ちなどを行っている。
この活動は、参加した社員のエコ意識向上にも役立っている。
-今後取り組みたい活動は?
◆環境省が、環境保全に積極的に取り組む企業を認定する
「エコ・ファースト企業」に、08年に製造業として初めて選ばれた。
現在、エコ・ファースト企業で作る「エコ・ファースト推進協議会」の
議長を務めている。
協議会には、ビックカメラやユニーなど、さまざまな業種の企業が
参加し、加盟企業で業界を超えたキャンペーンなど、
共同事業を展開できればと考えている。
==============
◇まつざわ・こういち
北海道大大学院農学研究科修士課程修了、73年キリンビール入社。
常務生産本部生産統轄部長、キリンホールディングス常務などを経て、
09年3月から現職。61歳。
http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2010/11/29/20101129ddm008020006000c.html
キリンビールは今年、自然環境保護のため、
12年のCO2排出量を、90年比で60%削減する目標。
食品メーカーにとって、環境保護活動は、消費者の環境志向に
応えるとともに、原料の天然資源の保全にもつながる。
計画の旗振り役である松沢幸一社長に聞いた。
-意欲的な目標を掲げている。
◆環境に対する社会の意識が変化し、企業は商品を販売して
利益を得るだけでは通用しない時代に。
環境保護活動は、「経営課題の一つ」との認識のもと、
ビール製造などと同じ「事業」として取り組むことにした。
環境保護のための設備更新など投資も必要になるので、
経営陣でリーダーシップをとっている。
-具体的な取り組みは?
◆製造、物流などそれぞれの段階で、CO2排出削減に取り組んでいる。
製造部門では、仕込み工程などで使用するボイラーを、
効率の良い小型のものに変え、燃料も重油からCO2排出量の少ない
天然ガスへの転換を進めている。
今年1月、約200億円を投資して最新設備を導入した
滋賀工場(滋賀県多賀町)は、使用するエネルギーも従来の約3分の1。
各工場で節水にも取り組んでおり、以前はビール1Lを作るのに
15L必要だった水が、現在は6Lで済む。
-配送、物流面では?
◆今年6月から、仙台工場から青森、秋田県の卸業者への
出荷は、トラックから貨物列車を使うモーダルシフトに切り替えた。
今年から一部の地域で製缶メーカーと協力し、製品を詰める前の空缶を
運んできたトラックに製品を積んで帰ってもらうようにした。
トラック輸送を、なるべく減らすように努力。
-自然保護にも取り組んでいる。
◆99年から、ビールの水源となる森林を保全するため、
工場の上流や周辺の森林の計17カ所で、植林活動に取り組んでいる。
社員だけでなく、地域の方々にも協力してもらい、
植林や樹木の枝打ちなどを行っている。
この活動は、参加した社員のエコ意識向上にも役立っている。
-今後取り組みたい活動は?
◆環境省が、環境保全に積極的に取り組む企業を認定する
「エコ・ファースト企業」に、08年に製造業として初めて選ばれた。
現在、エコ・ファースト企業で作る「エコ・ファースト推進協議会」の
議長を務めている。
協議会には、ビックカメラやユニーなど、さまざまな業種の企業が
参加し、加盟企業で業界を超えたキャンペーンなど、
共同事業を展開できればと考えている。
==============
◇まつざわ・こういち
北海道大大学院農学研究科修士課程修了、73年キリンビール入社。
常務生産本部生産統轄部長、キリンホールディングス常務などを経て、
09年3月から現職。61歳。
http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2010/11/29/20101129ddm008020006000c.html
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