2010年5月1日土曜日

スポーツ立国 第1部 支援(2)選手強化 企業依存の限界

(読売 4月23日)

2月のバンクーバー五輪スピードスケート男子500m、
銀の長島圭一郎と銅の加藤条治が表彰台に。
その2人を支え続けたのは、長野県下諏訪町にある
「日本電産サンキョー」。

「欲しいものがあったら、何でも言え」
廃部の危機に立たされた7年前、会長に就任した永守重信
スケート部の存続を決め、世界で勝つための
環境整備に乗り出した。
専属トレーナーを雇い、コーチも増員。
トリノ五輪の時、移動用にビジネスクラスの航空券を用意。
五輪メダルの報奨金制度も設けた。
バンクーバーの銀は1000万円、銅は600万円。
半額は会社が負担、残りは永守のポケットマネーで賄った。

そこまでして支援するのはなぜか?
永守は言い切る。
「このままでは、日本の冬季競技はダメになる。
誰かがこだわらんといかん」

こんな恵まれた環境は、今の日本スポーツ界では例外。
長引く不況は、スポーツ界を支える企業の力を奪っている。
昨年12月、社会人野球の日産自動車が50年の歴史に幕を下ろした。
日本一を決める都市対抗を2度も制し、
多くのプロ選手を輩出した名門も、休部に。
野球部員26人は、全員が正社員。
14人がユニホームを脱ぎ、スーツ姿の生活を選んだ。

選手の強化を企業が担う――
日本の特長である、「実業団」の仕組みは崩れつつある。
「景気が良くなり、野球部が復活する日が来ると信じている」
最後の監督となった久保恭久は願う。

企業チームの休・廃部は、野球だけではない。
スポーツマーケティング企業のアイシーティースポーツによると、
1992年~2009年の間、約320の企業チームが消滅。
野村総合研究所上級コンサルタントの三崎冨査雄は、
「企業は、コストのかかる団体競技から撤退する傾向にある」

企業の支援形態も変わった。
選手の雇用を、正社員から契約社員の扱いに変更したり、
チームを持たずに大会の運営に資金を提供するだけになったり。

文部科学省は昨年、実業団のような形でスポーツを支援する
企業の税制優遇を検討。
「文化や芸術もあるのに、なぜスポーツだけか」という
論議がネックとなり、実現は難しい。
日本スポーツ界は土台から、大きく揺れ始めている。

http://www.yomiuri.co.jp/sports/feature/rikkoku/ri20100423_01.htm

親と向き合う・2(4)すれ違い 減らす工夫

(読売 4月22日)

連載に寄せられた読者の声に、
保護者と教師を隔てる溝の正体が見えてくる。

先生は、聖職という座にあぐらをかいている」と批判、
石川県の小学生の母親(38)。
長女が4年生だった昨年、学校で男子からちょっかいを出され、
何度かあざを作ってきた。
心配して、連絡帳でベテランの担任に相談したら、
「たまたまです」、「気にし過ぎです」との返事ばかり。
母親は、「もっと愛情を持って接してほしい」と訴えた。

昨年4月、小学4年になった長男の担任が新人だったという
長野県内の母親(45)。
熱心な先生だったが、保護者から厳しい要求を受けていた。
子どもを教える難しい職業に、大学卒業直後から
一人前であることを求めるのは間違っていると思った」

教師の置かれた状況に、理解を示す声も。
10年前、小学校のPTA会長を務めた宇都宮市の
長谷川道夫さん(57)は、親から担任に強い要望があった場合、
その内容をPTA総会で紹介。
多数の支持があれば、学校の課題とした。
問題が起きた時、『担任―保護者』の図式に持っていかない。
そうすることで、担任に考えるゆとりが生まれた

保護者は、なぜ、自分たちと教師との間に意識のずれを感じるのか。
その疑問に、切り込む研究がある。

親の意識について、親の苦情を四つに分類する
日本大学の佐藤晴雄教授(社会教育学)は、
モンスター・ペアレントの要求のように、実現性も正当性も低い
要求を、「イチャモン系」と定義。
この要望を当然とする親の行動を分析したところ、
「あまり学校を訪問せず、学校のことを理解していない傾向が強い」
という姿が浮かんだ。

教員の意識面から、保護者との関係づくりを探る大阪大学の
小野田正利教授(教育制度学)が、
「先生と呼ばれて、尊敬されていると思う意識が大きいほど、
自らの非を認めたがらず、トラブルに動揺しやすい」と分析。

小野田教授は、学校そのものにも改善の余地はあると指摘。
教科指導や学級運営など、膨大な仕事を日常的にさばきながら、
1年目にする初任者研修。
「子どもと向き合う中で、問題は見えてくる。
2年目からの方がいいのでは」と提案。

すれ違いを減らすためのカギが、少しずつ明らかになっている。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100422-OYT8T00198.htm

脳内ホルモン「オキシトシン」重度知的障害の自閉症に効果 金沢大発表

(2010年4月24日 毎日新聞社)

脳内ホルモンの一種「オキシトシン」の投与で、
重度の知的障害のある自閉症患者の症状が改善したと、
金沢大・子どものこころ発達研究センターが発表。
主治医の棟居俊夫・特任准教授は、
「知的障害のある患者で、効果が確認された例は初めて」

オキシトシンは、出産時に大量に分泌され、
子宮や乳腺の収縮などに作用、陣痛促進剤などとして使わている。
他者を認識したり、愛着を感じる機能に関係するとの
研究結果も最近出され、知能の高い自閉症の
アスペルガー症候群で、効果が実証。

同センターに通院する20代の男性患者の両親が、
08年、オキシトシンの点鼻薬を輸入し、数カ月服用したところ、
(1)主治医の目を見て話す、
(2)対話で笑顔を浮かべる、
(3)IQテストが受けられるようになる--など症状が改善。
10カ月間投与し、改善状態の持続も確認。

男性は、3歳で自閉症と診断、服用前は他者と目を合わせず、
質問におうむ返しの反応しかできなかった。

これまで、重度の知的障害がある自閉症患者への
オキシトシン投与例がなく、今後、どのような患者に
効果があるかを見極め、必要な投与期間や量、対象年齢などを
突き止めるのが課題。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/4/26/119440/

花巻で大規模和牛肥育 宮城の農業生産法人

(岩手日報 4月27日)

花巻市と宮城県石巻市の農業生産法人うしちゃんファーム
(資本金1千万円、佐藤賀一社長)は、
同社が花巻市東和町で、大規模な和牛肥育事業を本格展開。

今秋、同町東晴山に畜舎を増築し、県内有数の肥育規模となる
計1150頭の飼養を計画。
県産子牛を積極導入、将来的に最大50人規模の新規採用を見込む。
地域の農業振興や畜産分野の就職先が少ない中での
雇用効果が期待。

大石満雄市長、佐藤社長らが記者会見。
同社は昨年12月、同町東晴山地内の民間の遊休畜舎(3棟)、
草地など計15万8千平方メートルを取得。
「岩手新花巻楽園」の事業所名で、
肥育事業(250頭規模)を始めている。

今回、規模を拡大して本格的に事業展開するため、
計900頭を飼養する畜舎2棟(計6615平方メートル)を増築。
新畜舎は、10月の完成、来春の全面稼働を予定、
肥育規模は計1150頭まで増強。
総事業費は約5億円。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20100427_3

2010年4月30日金曜日

スポーツ立国 第1部 支援(1)選手環境 世界に見劣り

(読売 4月21日)

日本スポーツ界が、変革を迫られている。
長引く不況の影響で、企業のスポーツ離れが進み、
野球など一部の競技を除き、国際競技力は低迷。
バンクーバー五輪では、メダル争いでライバルの韓国に
大きく水をあけられた。
再び世界で輝くため、民間から国による強化へと進む日本スポーツ界。
その針路を探る。

“韓国ショック”――
バンクーバー五輪で、韓国が14個のメダルを獲得したのに対し、
日本は約3分の1の5個。
国の手厚い支援を受けて躍進したライバルの姿に、
五輪選手団長を務めた橋本聖子は、危機感を口にした。
「このままでは世界で取り残される」

スポーツ大国の支援を見ると、選手への強化費支給と
練習環境の整備、という2本柱が整っている。
日本は、両方とも心細い。
2008年北京五輪陸上男子400メートルリレーで、
銅メダルを獲得した朝原宣治は、
「日本には、一貫したスポーツ政策がない」

学校のクラブ活動の中で走り始めた朝原。
高校で陸上部に入り、大学3年の時に100mの日本新記録。
その後、選手としての自分を支えたのは、国ではなく、企業。
大阪ガスに入社後、5年間のドイツ留学を許された。

外国人指導者の下で競技力を磨いた朝原は、
スポーツが置かれた環境の違いを感じた。
練習拠点のスポーツクラブには、天然芝のグラウンドが広がり、
国や州の資格を持ったプロのコーチやスタッフがそろっていた。
「選手が、簡単に指導者を交代できるのに驚いた」
恵まれているのは、トップ選手だけではない。
「小学生から80歳代のお年寄りまで、
誰もがスポーツを楽しむ環境があった」と訴える。

朝原がトップ選手へと成長する過程で、国の支援は少なかった。
JOC強化指定選手になった時、年間で約200万~300万円を
受け取るぐらい、大学や企業のグラウンドを走り続けるしかなかった。

朝原が引退する約1年前、トップ選手の練習拠点がようやく誕生。
文部科学省が、370億円をかけて整備した、
ナショナルトレーニングセンター(NTC)。
屋根付きのトラックが完備され、栄養士などサポート体制も充実。

橋本は、「利用料がかかるなど、まだまだ使い勝手が悪い」
日本でNTCを使う場合、利用料は競技団体が負担するが、
韓国では代表選手の使用は無料。
1日数千円の手当が支給されるなど、
日本よりも「選手に優しい」環境が整っている。

「スポーツを文化として根付かせたい」との思いから、
橋本は政治家に転身。
以来15年。
その願いは、まだ実現していない。
悔しいのは、16年東京五輪招致の失敗。
東京の基本理念は素晴らしかったが、世論の支持率は56%止まり。
招致失敗の知らせを聞いた瞬間、
「国民の理解が得られなかった」と無念で涙があふれた。

昨年行われた政府の事業仕分けでは、財政難に苦しむ中、
税金を投入してまで五輪のメダルが必要なのか、と問われた。
結局、メダル獲得数が伸び悩むJOCへの補助金は、4%も削減。

国から競技団体に渡される金額をみると、
今年度の国の予算約92兆円のうち、JOCへの補助金は約26億円。
わずか0・003%。
「日本人は、五輪で日本選手の活躍を期待するが、
それを支える環境にはあまりにも無関心」と橋本。
国民の理解が深まった時、スポーツ立国への道が見えてくる。

http://www.yomiuri.co.jp/sports/feature/rikkoku/ri20100421_01.htm

親と向き合う・2(3)「苦情は宝」若手育てる

(読売 4月21日)

始業前の午前8時過ぎ、東京都東村山市立大岱小学校
職員室内に、教員たちの声が響きわたる。
「集金袋は教卓に置かない」、
「集金は、その場で中を確認する」――。

毎週水曜日に開く、若手向けの研修会。
教職6年目までの教員が朝の5分間、仕事の基本を点検。
春先は、集金の機会が多く、回収のトラブルを防ぐことを確認。

この研修に活用するのが、同校がまとめたOJT(職場内訓練)ノート。
作成を指揮した西留安雄校長(60)は、OJTのアルファベットの
頭文字から、「大岱常識手帳」と名付けた。
教員が身につけるべき常識について、「社会人・学校人」、「学級経営」など
11章に分けて、全736項目を掲載。

同校は、「苦情は宝」を合言葉に教員を育てる。
2月に掲載したシリーズ「親と向き合う」では、
保護者からの指摘を列記し、職員室に張り出す実践を紹介。
手帳には、これらの内容も盛り込んだ。

例えば、運動会。
「アンカーには、ゼッケン・たすきを掛けさせる」とある。
リレーの最終走者が目印をつけていないと、観戦する保護者や
地域住民の多くにとって、勝敗の結果が分かりづらい。
そんな苦情がベースにある。

「手帳にある項目の半分ぐらいは、保護者から指摘されたこと。
意外と、学校が気づいていないことが多く、それらを視覚化し、
共有するのが大事」と西留校長。

校長自身、過去に苦い経験がある。
別の学校で校長だった10年ほど前、保護者から苦情が。
あまり言い分を聞かず、部下の教員を守ろうとする気持ちから、
「学校としてはこうですよ」と答えていた。
やがて気づいた。
「理にかなった指摘もあるかもしれないのに、学校優位の考えで、
保護者に責任を押しつけていたのでは」

4月に教職に就いた永井佑樹教諭(22)は、
「常識手帳を活用し、社会人のマナーや謙虚さを身につけていきたい」
西留校長は、「過去の失敗を、若い教員にはさせたくない。
誰からも信頼される、プロフェッショナルな教師を育てていきます」
手帳に載せる項目は、必要に応じて追加する。

「学校の常識は、世間の非常識」と言われる。
その言葉を打ち消そうと、現場が一丸となって変わろうとしている。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100421-OYT8T00347.htm

自殺対策で連携強化 仙台弁護士会と医師会

(2010年4月22日 共同通信社)

多重債務やリストラなどが理由とみられる自殺が増えている
ことを受け、仙台弁護士会は宮城県医師会と連携して、
防止対策に乗り出した。

弁護士が医師から、自殺との関連が深いうつ病など
精神疾患の基礎知識を学ぶほか、共同で自治体に提言。

宮城県の2009年の自殺者数は658人(暫定値)。
弁護士の間では、「債務整理の相談に来た会社経営者の
様子がおかしいと思ったが何もできず、自殺してしまった」、
「法廷で尋問した相手が自殺し、後でうつだったと聞いた。
どう聞けばよかったか」など、切実な悩みが広がり、
医療の専門家である医師に協力を求める声。

3月中旬、東北大大学院医学科の教授が、
うつの基本知識などを伝える講演会を開き、
同弁護士会所属の弁護士約330人中、100人近くが参加。

教授が、「最初から、精神科を受診するように言うのは難しい。
うつには不眠など、必ず別の身体症状があるので、
まずはそちらを治そうと通院を勧めて」とアドバイス。

今後、弁護士会と医師会はシンポジウムや相談会を共同して
開催することも検討、情報交換をさらに進めていく。
弁護士会で連携を担当する土井浩之弁護士は、
「弁護士と医師は専門家同士、通じるものがあるはず。
弁護士と医師が、気軽に"つなげ合う"関係になれば」と期待。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/4/22/119358/

採掘スタートは「未定」国内需要減の影響濃く 太平洋セの袰下山開発環境アセスは年度内完了へ

(東海新報 4月24日)

住田町上有住の袰下山(ほろしやま587)への新規鉱山開発
計画している太平洋セメント㈱大船渡工場(相良安廣工場長)は、
環境アセスメント評価書の前段階となる準備書の縦覧を、
5月中旬から始め、周辺4地域での住民説明会を開始。
手続きが順調に進めば、本年度内にアセスメントが完了する見通し。
計画公表当初は、平成年度ごろとしていた採掘開始時期について、
近年の国内セメント需要激減などから、「現時点では未定」。

同工場では現在、大船渡市2カ所と住田町1カ所の計3カ所に
鉱山を設けている。
近年のセメント原料採掘は、年220万トン、
残鉱量はおよそ10年程度との見通し、
100年規模の採掘ができ、鉱量が見込まれる袰下山開発を計画。

国内セメント需要が、平成2年のピーク時8628万トンに比べ、
昨年はほぼ半減の4470万トン、落ち込みが顕著に。
同社は、3工場の閉鎖や738人の人員削減などを展開中。

袰下山の出鉱開始は計画公表当初、26年度ごろとの見通し。
開始時期は不透明な状況となったものの、環境アセスメントについては
本年度内完了を目指して進めている。

初回の説明会は、坂本自治公民館で開かれ、住民20人が出席。
あいさつに立った藤井茂樹大船渡工場業務部長は、
「環境アセスメントは年度内完了予定だが、
セメント需要減に対応する見直しを全社的に進め、
以降のスケジュールは現時点では未定としかいえず、心苦しい状況」

環境アセスメントは、県環境影響評価条例に基づくもので、
事業者が環境に及ぼす影響を事前に調査、予測、評価し、
その結果を公表して意見を聴き、
環境に配慮した事業計画を作成する仕組み。

同工場では、第1段階となる環境影響評価方法書縦覧を
一昨年に終え、今回の準備書では、この環境影響評価結果に
基づく水質や生態系、景観の保全騒音粉じん対策などについての
考え方をまとめた。

出席住民から、「狭い沢があるので、洪水調整池からの放流量に
気を配ってほしい」、「井戸水への影響はどの程度になるか」など、
開発期や操業後の水質についての意見や質問が聞かれた。

住民説明会は、大型連休明けにかけて下有住新切、上有住両向、
同恵山の3地域でも開催。
準備書縦覧は、5月中旬から1カ月間大船渡工場などで予定、
同月中の説明会開催も計画。

http://www.tohkaishimpo.com/

2010年4月29日木曜日

食物アレルギー、幼児の14% 10年前から倍増 「食生活の変化一因」

(2010年4月23日 毎日新聞社)

東京都が、3歳児を対象に実施しているアレルギー疾患に
関する調査で、食物アレルギーに罹患したことのある
子どもの割合が、09年は14・4%、99年の7・1%から倍増。
厚生労働省によると、未就学児の大規模な定点調査で、
食物アレルギーの増加傾向が裏付けられたのは初めて。

調査は、99年から5年ごとに行い、10月の3歳児健診で
保護者に調査票を配布。
昨年は、7247人を対象に、ぜんそくや食物アレルギー、
アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎などの症状について尋ね、
2912人(40・2%)から回答。

3歳までに、何らかのアレルギー疾患と診断された子どもは、
99年36・8%、04年36・7%、09年38・8%--と横ばい。
食物アレルギーと診断された子どもは、99年が7・1%、
04年は8・5%、この5年で急増。
原因食物は、卵が83・9%で最多。
牛乳36・3%、小麦12・9%が続いた。

今回は、都内の認可・認証保育所と幼稚園を対象にした
調査も初めて実施。
配慮が必要な食物アレルギーの子どもがいる施設は、68・1%に。
過去3年に急性のアレルギー反応を起こした
子どもがいた施設も、12%に。

東京都アレルギー性疾患対策検討委員の
松井猛彦・荏原病院小児科部長は、「原因は単純ではないが、
添加物や加工食品の増加など、食生活の変化も一因。
昔は食べなかった食品が食べられるようになったことや、
離乳食の開始の早期化なども考えられる」

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/4/23/119400/

W杯でエイズ拡大懸念 売春合法化求める声も

(2010年4月21日 共同通信社)

サッカーのW杯が開幕する南アフリカは、
世界で最もエイズウイルス(HIV)感染率が高い国の一つ。
W杯期間中、推定約45万人の外国人が訪れると見込まれ、
無防備な売春が横行し、エイズ感染が外国人訪問客らに
広がる懸念が指摘。

地元の非政府組織(NGO)は、「売春婦に対する感染防止の
啓発活動を徹底させるため、売春を合法化し、
地下に潜らせないようにすべきだ」と主張。

南アのHIV感染者数は、推定約570万人、世界最多。
国連合同エイズ計画(UNAIDS)によると、感染率(15~49歳)は
約18%に達し、売春婦に限れば、感染率は約50%。

W杯期間中、近隣諸国や東欧などからも、
約4万人の売春婦がやって来ると予測。

売春婦の権利向上や教育支援を行うNGO「SWEAT」
(本部・ケープタウン)のダイアン・マサウェさんは、
「売春が違法のため、売春婦はこっそり仕事をしなければならないし、
エイズ感染防止に向けた教育や治療も受けられない」
売春を合法化すれば、感染防止の取り組みが可能だと主張。

SWEATは、合法化に向け国会議員へのロビー活動を展開中。
宗教団体などからの反対も根強く、W杯までの合法化は
簡単ではなさそう。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/4/21/119296/

がん転移させる酵素、脳の成長担う…大阪バイオサイエンス研が解明

(2010年4月21日 読売新聞)

がんの転移にかかわる酵素が、脳を成長させたり
修復したりする働きを担っていることを、
大阪バイオサイエンス研究所の榎本和生・研究部長らが
ショウジョウバエを使った研究で明らかに。
20日付の米科学誌ディベロップメンタル・セルに発表。

幼児期の脳は、音や光に反応して神経回路の再編を繰り返し、
複雑なネットワークを作り上げる。

榎本さんらは、この再編が起こらない突然変異の
ショウジョウバエを発見。
細胞を取り巻く物質を溶かす「Mmp」という
酵素を作れないことを突き止めた。
この酵素は、神経線維が通るべき場所を作り、
ネットワークを完成させていた。

人間のMmpは、がん細胞が病巣から飛び出して、
別の場所へ転移する際に働く。
てんかん発作や血流の低下で、脳がダメージを受けた時にも、
Mmpが検出されていたが、役割は不明。
榎本さんは、「脳のMmpの異常は、精神疾患などにつながると
考えられ、詳しく調べれば診断や予防に役立つ」

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/4/21/119307/

経験や知識、学校に新風 特別選考の3高校教員

(岩手日報 4月23日)

スポーツ分野で、優れた実績のある人や社会人経験者らを
対象にした、県教委の「特別選考枠」で採用された3人の高校教員は、
4月から新たな教師人生のスタート。
豊かな経験や高度な専門知識を生かした指導を行い、
学校現場に清新な風を吹き込んでいる。

◆楽しい物理伝える 藤井教諭(盛岡一)

盛岡一高で物理を教える藤井俊介教諭(33)=兵庫県出身=は、
東京工業大大学院理工学研究科で、宇宙物理学を専門に学び、
2009年に博士号を取得。
芝浦工業大の特別任用講師を1年間務め、
「専門の物理を生かした仕事をしたい」と制度を利用。

「生徒は、苦しいだけじゃ伸びない。
物理の授業を楽しむには、『なぜ』と問い続けること」、
藤井教諭は授業中、生徒たちに何度も「なんでや」と問いかける。

千葉研二校長は、「医師を志望する生徒が多いが、
人類の平和のためには学問を追究する人も必要。
最先端の学問の面白さを伝えてほしい」

◆船員養成情熱注ぐ 千野教諭(宮古水産)

千野和史教諭(32)=山梨県出身=は、三重県の実習船「しろちどり」の
指導教官を8年間務め、宮古水産高に赴任。
前任地では、高校生と共にカツオの一本釣り実習で、
2カ月間マリアナ沖へ航海し、船員の心構えを教えた。

宮古水産高は、日本でも一番の伝統校。
あこがれの学校で、船員養成にチャレンジしてみたい」、
新天地での意気込みを語る。

同校では、船舶のエンジン関係の指導に当たり、
担任する学年が実習船に乗船する際、共に航海に赴く。
「自分が培った経験を基に、船での仕事がいかに素晴らしいかを
分かってもらいたい」と船員養成へ情熱を燃やす。

◆母校で陸上部指導 高橋教諭(盛岡南)

盛岡南高に赴任した高橋徳江教諭(33)は、同校卒業生。
在学時、陸上競技・やり投げで国体2連覇、
高総体優勝を果たした実績を持つ。
いろいろな人との縁のおかげで、母校で指導ができる。
感謝の気持ちを持って、生徒たちと歩みたい

横浜市の中学教員として、特別支援学級などを担当したが、
「岩手と陸上部指導への思いが、頭から離れなかった」、
固い決意で試験を受けた。

教科は保健体育で、1年5組の担任、陸上競技部顧問を務める。
「生徒が夢に向かって、本気を出すきっかけをつくりたい」と初志を貫く。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20100423_14

2010年4月28日水曜日

柔道整復師:誰もが悩む慢性的な痛み 治癒力、高めよ /兵庫

(2010年4月20日 毎日新聞社)

人類共通の悩みの一つが、慢性的な痛み。
肩こり、腰痛、手足などの痛みやむくみ……。
その痛みは、何年も続くことが多い。
こうした痛みに立ち向かう柔道整復師の覚野寛也さん(31)は、
「人間には本来、自然に治癒する能力がある。
治癒力を高めれば、痛みから解放される」と力説。
治癒力を高める術とは----。

覚野さんが柔道整復師を志したのは、高校時代。
中学、高校で柔道に熱中。
高校時代、山梨県で開かれた高校総体に県代表として
柔道60キロ級に出場した実力の持ち主、
「手に職をつけ、痛みに悩んでいる人を助けたい」と
高校卒業と同時に、柔道整復師を養成する3年制の専門学校へ。

柔道整復師の国家資格を得て、山口県で修業を5年半積み、
1日に40-50人の体と心をほぐしてきた。
この間も柔道を続け、山口県代表に選ばれ、富山国体に出場。
その語り口はソフトで、柔道の猛者というイメージからほど遠い。

覚野さんは、「慢性的な肩こり、腰痛などはリンパ、血液の流れが
低下し、代謝が落ちたサイン。
リンパや血液の流れを統括しているのが、筋肉。
全身の筋肉が硬くなると、血液などの流れが低下。
全身の筋肉をほぐすと、流れが戻る」

肩こりなどの痛みは、病気になる一歩手前を知らせる未病の状態。
それを痛みとして伝えている。
慢性的な痛みを、治らない持病と思い込んであきらめてしまう。
そんな人が多い。
私は、そんな方を一人でも助けたい」

慢性的な痛みを抱える人の多くが、何年も同じ症状を訴える。
例えば、肩こり。
肩のマッサージを受けると、その場では、痛みは緩和されるが、
後日、再び肩こりが再発。そしてマッサージ……。

覚野さんは、「痛みと緩和を繰り返す人は、
マッサージなどの受け方に問題。
人間には、治癒力がある。
全身の血行が良くなれば、治癒力も高まり、肩こりも緩んでくる。
肩こりは、深い部分と関連している。体全体を見なければ」

覚野さんは、興味深い例を話す。
「心身とも健康ならば、老化は穏やかに進む。
同じ70歳でも、若く見えたり、年齢以上に見えたりする。
理由は、血液の健康状態。
血液は、健康の土台で、細胞に元気を与える。
血液の流れをマッサージなどで促し、本来の状態にすることで、
老化現象を遅らせることができる」

問い合わせは、ロイヤルマイスター(078・331・5075)。
プロ、アマのスポーツ選手のコンディションづくり、
ケアなどの相談にも応じている。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/4/20/119257/

鈴木寛・文科副大臣 「高度な看護師」の必要性を訴える

(2010年4月21日 Japan Medicine(じほう))

再来年度、亀田医療大学(仮称)の開学を目指す
千葉県鴨川市の学校法人鉄蕉館(亀田省吾理事長)は、
「地域における医療者育成」をテーマとしたシンポジウムを開いた。

同大学は、看護学部単独でスタートを切る予定、
講演した鈴木寛・文部科学副大臣は、
高度な看護師を養成することは、「国家的命題」だと強調。
メディカルツーリズムの観点から、鴨川市が海外の患者を
受け入れる上で、最適の地であるとの認識を示した。

鈴木副大臣は、国内の医師や看護師が不足しているとの考えを示し、
「(医師が足りない中で)医者に言われた通り、
的確に処置をする高度な看護師が必要。
(現在の)看護師と医者の間ぐらいの、技だけで言えば
医者を凌駕するような『スーパー看護師』を養成するのが、
この国の国家的命題」

学校法人鉄蕉館を支える亀田メディカルセンターには、
看護師を育成する能力や教育人材がそろっているとし、
「モデルケースをやってもらいたい」と期待感。

鈴木副大臣は、亀田メディカルセンターが国際的な病院品質基準
JCIを取得したことや、成田空港からのアクセスの利便さを挙げ、
鴨川市が、メディカルツーリズムの最適な受け入れ地になる。

亀田医療大学は、2012年4月の開設を目指している。
統合される市立鴨川中学校の跡地が、市から無償貸与され、
定員80人の看護学部を設置する予定。
総工費は、16億円程度を見込む。
すでに運営している亀田医療技術専門学校は、そのまま存続。

亀田理事長は、「亀田メディカルセンターにとっても、
看護師の充足は最重要課題。
地域が幸せであるためにも、医療者の育成は欠かせない。
(新設大学では)幅広い形での医療者育成を考えている」と抱負。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/4/21/119287/

脳トレ、効果に疑問…英で1万人実験

(2010年4月21日 読売新聞)

コンピューターを利用した脳トレーニング(脳トレ)は、
健康な人の思考力や記憶などの認知機能を高める効果は
期待できないことが、ロンドン大学などの1万人以上を
対象にした実験で分かった。

脳トレは、世界的ブームになっているが、
大規模な検証はほとんどなかった。
英科学誌ネイチャーで21日発表。

18~60歳の健康な1万1430人を、三グループに分け、
英国で販売しているコンピューターゲームをもとにした脳トレを、
1日10分、週3日以上、6週間続けてもらい効果を調べた。

最初のグループは、積み木崩しなどを使った論理的思考力や
問題解決能力を高めるゲーム、
もう一つのグループは、ジグソーパズルなどを使った
短期記憶や視空間認知力を高めるゲームをした。
残り一つは、脳トレとは無関係のゲームを行った。

その結果、脳トレを続けたグループでは、ゲームの成績は向上したが、
論理的思考力や短期記憶を調べた認知テストの成績は
ほとんど向上せず、3グループ間で差がなかった。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/4/21/119313/

初挑戦で最高位に 大船渡高出身の西村さん、ブルクハルト国際音楽コンピアノ部門で第1位

(東海新報 4月24日)

有能な演奏家の発掘をめざす
「第7回ブルクハルト国際音楽コンクール」のピアノ部門で、
大船渡高校出身の西村元希さん(23)が最高位の第1位に。

昨年、東京の音大を卒業した西村さんは、各種オーディションや
ピアノコンクールで、多数の入賞歴を誇る新進気鋭のピアニスト。
現在、東京を拠点に活動、夏には県内で開かれるコンサートに
〝凱旋出演〟する予定。

同コンクールは、ピアノ、声楽、歌劇、室内楽、管弦楽の作品を
作曲し、クラシック音楽界に貢献したスイスの作曲家、
ウィリー・ブルクハルトの功績を記念し、平成18年から開催。
有能な演奏家を発掘・育成し、音楽文化の発展向上に
寄与することを目的に、ピアノ・弦楽器・管楽器・声楽・室内楽の
5部門で実施。

第7回コンクールのピアノ部門には、全国から43人が出場。
8分以内の自由曲演奏による予選を経て、32人が
昨年10月30、31日に行われた本選に進み、
12分以内の自由曲で演奏技術や表現力を競った。

ピアノ部門は、過去6回のコンクールで2回しか第1位受賞者が
出ていないというレベルの高さ。
今回も第2位、第5位が「該当者なし」となるなど、
出場者の実力が厳しく審査。

西村さんは本選で、リストの「ハンガリー狂詩曲第12番嬰ハ短調」を演奏。
前打音を強調した力強い主題やテンポの遅い即興風の主題などで
構成された楽曲を、緩急自在の巧みな鍵盤さばきで華麗に弾きこなし、
同コンクール初挑戦で、見事第1位を獲得。

今月10日、東京都のムーブ町屋コンサートホールで、
表彰式と入賞者による演奏会が行われ、西村さんはショパンの
「英雄ポロネーズ」など2曲を披露。

西村さんは、花巻市生まれ。
音楽好きの母親の勧めもあり、同市内の自宅近くにあった
ヤマハ音楽教室で、6歳からピアノを始めた。

小学5年生の時、父親の実家のある三陸町越喜来に転居し、
以後、大船渡高校を卒業するまでの間、同市の教室に通い続けた。
この間、ショパン国際コンクールで最優秀演奏賞を受賞、
小澤征爾氏ら著名指揮者との協演を重ねている
有森博氏(東京芸大准教授)、末松茂敏氏(フェリス女学院講師)らに
師事し、個人レッスンを受け、腕を磨いた。

高校卒業後、東京音楽大学ピアノ科に入学、
鈴木恭代さんに師事。
在学中、専攻実技選抜演奏会や卒業試験上位者による
ピアノ卒業演奏会に出演、岩手県芸術祭ピアノ部門で
第60回記念賞(特別賞)を受賞するなど、才能を開花。

卒業後、東京芸術国際協会主催の第45回新人オーディションで、
奨励賞を受賞。
昨年行われた第10回ローゼンストック国際ピアノコンクールでは
審査員賞を受けている。

岩手県内各地で開催されたヤマハ音楽教室などの発表会に、
ゲストとして多数出演。
現在、東京を拠点に活動中、楽器店などのコンサートに
ソロ、ジョイントで出演。

今回の第1位獲得について西村さんは、
「非常に光栄なこと。1位の栄誉に恥じないよう今後も精進し、
岩手にもクラシック音楽を広げていきたい」

西村さんが〝凱旋出演〟する東京音楽大学岩手支部
第8回コンサートは、7月16日(金)に盛岡市民文化ホールで。
8月22日(日)、奥州市文化会館Zホールで有森氏と共演する
コンサートも予定、県内クラシックファンの注目を集めそう。

http://www.tohkaishimpo.com/

2010年4月27日火曜日

「医療は連携」実践教育

(2010年4月20日 読売新聞)

医療の高度化に伴い、様々な専門職が連携して診療にあたる
「チーム医療」の必要性が高まっている。
医学生のうちから、チームで医療を行う大切さや技術を学ぶ
取り組みを見た。

「ヤバいよ……。どんどん患者が重症化してる!」
「看護師役の俺たちじゃ診察できないし、医師役はどこに行ったんだ?」
日本医科大の大教室。
感染防御用のマスクやガウンに身を包んだ医学生二十数人が
走り回っていた。

この日行われたのは、学生が医師役1人、看護師役2人、
看護助手役1人の計4人でチームを作り、病棟を担当する体験型授業。
強毒性の新型インフルエンザが、世界的に大流行する
「パンデミック」が起きたと想定。
同大医療管理学教室の秋山健一助教を中心に、
米 ピッツバーグ大で感染症危機管理教育として導入された
演習をもとに、日本の事情に合ったプログラムを開発、
今年初めて実施。

「感染症への対応という、医療の基本を身につけるとともに、
チーム医療の大切さを理解してもらうのが狙い。
体験型授業では、学生が身をもってその重要性を学ぶことができる」

授業の仕組みはこうだ。
大教室を病院に見立て、「病棟」、「集中治療室」、
「ナースステー ション」、「霊安室」などのスペースに区切る。
病棟スペースには、幾つもイスを並べ、
その上に人の上半身を描いた厚紙を置く。
胸ポケットの部分に、教員が「医師の診察」、「食事」など
患者の状態や必要な処置を記した札を入れていく。
学生は、患者と同じ札をナースステーションに取りに行き、
胸にある札に重ねると、処置が終了。
すると、新たな札が入れられて、患者の状態は刻々と変化していく。

この日は、「点滴」が足りなくなったり、「集中治療室」が満床と、
学生は大苦戦。
死亡診断など、医師にしかできない処置が多いため、
他職種の手が空いていても対応できない患者がたまり、
重症化させる例が目立った。

15分間の演習後、各チームが対策を検討。
「医師は、医師にしかできないことに専念する」、
「『嘔吐』など、看護助手にできる札が出たら声掛けをする」など、
役割分担やコミュニケーションに工夫が図られ、
後半はスムーズに対応できるチームが増えた。
授業後のアンケート(2、3年生約200人)でも、
「他職種とのチームワークの重要性を実感した」と回答する
学生が最も多かった。

チーム医療の教育に取り組む動きは、他にもある。
文部科学省、「がんプロフェッショナル養成プラン」事業では、
全国94の医療系大学が参加。
がんの専門医や専門看護師などの養成を目指し、
大学院で、多職種連携の実践型教育を始めている。

「日本ではスローガンばかりで、教育手法の開発が不十分」、
各国の医学教育に詳しい長谷川敏彦・同大教授は指摘。
米国ではここ数年、膨大な知識を詰め込むだけでは
実地医療に役立たないとして、学生が主体的に参加し、
考えられる模擬訓練型の教育プログラムの開発・導入が盛ん。

長谷川教授は、「チーム医療を推進するには、
多職種の医療スタッフが連携し、患者と一緒に問題を考え、
解決していくという医療の姿を明確にする必要もある

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/4/20/119261/

採血せずに尿素測定…岡山理大教授ら開発

(2010年4月20日 読売新聞)

医療機器メーカー・協和ファインテック(岡山市東区、橋本明典社長)
は、透析治療を受けている患者の排液中にある尿素を、
リアルタイムに測定する装置を、
岡山理科大の中川益生教授らと共同で開発。

透析治療では、効果を確認するため、一般的に患者から
透析前と透析後に採血を行うが、同装置を使えば、
採血なしでも効果が分かり、患者の負担軽減にもつながる。

中川教授らと、3年前から共同研究を始めた。
尿素が、塩素や臭素などからできた特殊な試薬で化学発光する
原理を応用し、装置を透析機に接続。
排液と試薬を反応させ、発する光を電気信号に変換し、
尿素の濃度を測定する。

透析治療中に尿素濃度が下がったことが分かり、
治療の効果が確認できる。
透析時間を短縮することも可能。
測定は、最小2分間隔。
同社は、薬事法による医療機器としての承認を受け、
3年後をめどに製品化する方針。

尿素が試薬に反応しての発光は、50分の1秒という短時間で終わり、
装置が光を正確にとらえるためにも、安定して発光させる
技術の開発が課題。
中川教授は、試薬をタイミング良く排液に混ぜるシステムを
開発することで、課題を解決した。

同社は、「透析機も作っており、今後、測定装置を広めて、
医療機器事業を拡充したい」

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/4/20/119258/

街に活気、市日幕開け 奥州・江刺の蔵町モール

(岩手日報 4月22日)

奥州市江刺区の「えさし蔵まち水曜市」
(奥州商工会議所江刺支所主催)は、同区中町と南大通りの間の
歩行者専用道路「蔵町モール」(約100m)で始まった。
新鮮な野菜や総菜などが店頭に並び、
多くの来場者で活気にあふれた。

水曜市には農家をはじめ、沿岸の海産物販売、衣類、日用品などの
販売業者ら32個人・業者が登録。
初日は、約30店が出店、オープニングイベントとして
ティッシュペーパーの先着プレゼントや、
もちの無料振る舞いが行われ、盛り上がった。

同区岩谷堂の菊地クリさん(85)は、「野菜、もち米、花など購入した。
みんなの顔を見ながら、会話するのが楽しい」と
今年の幕開けを喜んだ。

水曜市は、2002年にスタート。
今年は、11月24日まで計32回を予定。
時間は、4~9月が午後1時から同5時まで、
10、11月が午後1時から同4時まで。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20100422_7

宇宙に「声」届いた!吉浜小児童が参加 野口飛行士との交信イベント

(東海新報 4月24日)

国際宇宙ステーションに長期滞在している
宇宙飛行士・野口聡一さんとの交信イベントが22日夜、
大船渡市民文化会館・リアスホールで行われた。

JAXA(宇宙航空研究開発機構)の施設があった
吉浜小学校の5、6年生18人が、テレビ会議システムを使って会話。
多くの市民らが見学に訪れ、宇宙を身近に感じていた。

交信イベントに参加したのは、「銀河連邦共和国」に加盟している
大船渡市をはじめ、北海道大樹町、秋田県能代市、
神奈川県相模原市、長野県佐久市、鹿児島県肝付町の
計6市町の子どもたちと各首長。
今回のイベントは、新たに気球観測所が整備された
大樹町の加盟を記念し、JAXAなどが主催。

JAXAは一昨年まで、三陸町吉浜にあった気球観測所で
各種実験を行ってきた。
閉所後も、宇宙科学の普及活動などについて
大船渡市と連携を進めることにしており、同市は、
「サンリクオオフナト共和国」として、現在も銀河連邦に加盟。

国際宇宙ステーションに滞在している野口宇宙飛行士と6共和国は、
専用回線で結ばれた。
リアスホールでは、吉浜小学校の5、6年生児童18人と
甘竹勝郎市長らが参加。
大ホールは、一般住民の見学用にも開放、
親子連れら約100人が詰めかけた。

テレビ会議システムのカメラを前に、吉浜小の子どもたちは
やや緊張した表情を見せていたが、宇宙ステーションにいる
野口さんの姿がスクリーンに映され、6会場全員による
あいさつの声が野口さんに届くと、歓声が上がった。

交信中は、各会場の子どもたちが順番に質問。
吉浜小を代表し、6年生の赤坂亜美さんは、
「宇宙に行って、素晴らしいと感じたことは何ですか」と問いかけ、
野口さんは、「本当に地球は美しい。
地球は、毎日生きている素晴らしい生命体だな、と感じました

6年生の東玲人君は、「宇宙に絶対に持っていってはいけない
飲食物はありますか」と質問。
野口さんは、国際宇宙ステーションに持ち込んだ刺身や
お好み焼きなどを見せた上で、「炭酸飲料は広がっちゃうのでダメ」

野口さんは、「あと1カ月ほど滞在します。
地上に帰ったら、何らかの形で皆さんとお話ししたいですね」、
再会に期待を寄せた。
野口さんとの親近感を深めた児童は、交信が終わるまで
手を振り続け、国際宇宙ステーションでの任務にエールを送っていた。

http://www.tohkaishimpo.com/