2009年7月7日火曜日

産学官共同研究拠点費695億円を生かすには

(サイエンスポータル 2009年6月22日)

総額2,700億円の研究支援基金とともに、補正予算で大きな関心を
集めている695億円の地域産学官共同研究拠点整備事業費を、
どのように地域発イノベーション創出に生かすか?

事業推進方策を検討する
「産学官イノベーション創出拠点推進委員会」の初会合。
新たに始まる「地域産学官拠点整備事業」の基本方針のほか、
最大で都道府県各1カ所ずつ新たに設けられる、
産学官イノベーション創出拠点の公募要領を、
7月末までにまとめる役目。

有馬朗人委員長をはじめ25人の委員会メンバーは、
知事、地方の大学の現・前学長、企業経営者、
地方に多くの出先機関を持つ独立行政法人役員、ブロック・地方紙幹部など。
広範囲の意見を取り入れたいという事業実施機関、
科学技術振興機構の思惑とともに、地方の関心の深さを示す。

委員から出された意見、質問はさまざま。
産学官イノベーション創出拠点各地域の活性化に、
予算をいかに効果的に使うかは、明確な構想を持ち得ていない。

機構は、建物・研究設備の建設・製作を担い、建物の所有者となる。
地域は、拠点整備事業の構想・計画の立案、
土地の提供と拠点の運用責任を持つ。

「既存の施設がいろいろある。これらを統合する形は可能か?」
「施設については増築も可能」との答え。
既存の施設の活用も、事業の目的、条件を満たせば認められる。

「地域活性化は、多様な価値観を取り入れてほしい」との要望。
地元にこれぞという企業がなく、地域の産学連携が進んでいない事情。

施設・設備をつくるだけでなく、その後の負担も支援してほしいと要望。
「運用経費に地域の負担。
建物・設備を作ってから何をするかは、地域に任せている」
北澤宏一・科学技術振興機構理事長は、
「地域からの提案によっては、機構として応援も考える」

運用費負担の問題は、この先も地方から強い要望として出されそう。
運用費に加え、地域には人がいないという発言。
産学官をとりまとめる人材の育成や確保という課題が、
拠点の運用費確保とともに、この事業を機にあらためて大きな問題。

科学技術振興機構が示した拠点整備のスケジュール案によると、
今年度に各県1件、数億円から最大30億円の提案を公募、審査を経て、
年内に設計を完了、来年度遅くても再来年度までに拠点を建設、
2011年度以降に運営開始。

http://www.scienceportal.jp/news/review/0906/0906221.html

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