(2009年6月26日 共同通信社)
自閉症の人の一部でみられる染色体異常を再現した
遺伝子操作マウスをつくるのに、
広島大の内匠透教授(神経科学)らのチームが成功、
26日付の米医学誌セルに発表。
実験で、通常のマウスとは少し違った行動を示すのを確認。
内匠教授は、「まだ初歩段階だが、人の自閉症の仕組みを
解明するための"動物モデル"として役立ちそう。
原因遺伝子を調べたり、自閉症の行動を検証したりできる」
自閉症は脳の発達障害の一種で、社会性や対人関係に
問題が出るのが特徴。
複数の遺伝子が関係するとみられるが、まだ未解明な点が多い。
チームは、自閉症の人でみられる遺伝子異常で数%と、
最も頻度が高い15番染色体の一部領域の重複に着目。
同種の染色体重複を持つマウスを作製し、
通常のマウスとの行動の違いを調べた。
その結果、父親から染色体異常を受け継いだマウスは、
近くにいる別のマウスに対する反応が少し鈍い一方で、
学習した反復行動を繰り返すなどの違いがみられた。
内匠教授は、「自閉症の特徴と似ている」
母親から受け継いだ場合は差がなかった。
一部の遺伝子を操作した自閉症マウスの報告例はあるが、
今回は染色体単位で多くの遺伝子を含む。
チームは、より人に近いモデルができたとしている。
大阪バイオサイエンス研究所、京都大、藤田保健衛生大、
理化学研究所、英サンガー研究所などとの共同研究。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/6/26/102977/
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