2009年7月10日金曜日

シベリア発祥の「塩セラピー」、呼吸器症状に効果

(CNN 6月28日)

ロンドン郊外の通り沿いに建つ、教会を改築した建物。
一歩足を踏み入れると、そこには一面、塩の世界。
シベリアの岩塩坑を再現したこの部屋では、
ぜんそくなどの呼吸器症状に効果があるとされる「塩セラピー」。

塩セラピーは、「ハロセラピー」とも呼ばれる民間療法。
19世紀後半、シベリアで岩塩を採掘する作業員らに
呼吸器の病気が非常に少ないことが分かったのをきっかけに、
ロシアや東欧諸国に普及。

塩に含まれるカリウムやマグネシウムなどのミネラルを
吸い込むことで、たんなどの粘液を除去し、
アレルギーによる炎症を抑える効果。
患者は、地下にある岩塩の洞くつで1日2―3時間過ごすのが一般的。

ロシアでは95年、岩塩坑を医療目的で利用することを
当局が正式に認可。
米医学専門誌NEJMでは06年、呼吸障害などを起こす遺伝的な病気
「のう胞性線維症」の患者を対象に、塩セラピーを48週間続け、
「安全で効果的な追加療法である」と結論。
最近では米国内でも、各地のスパなどに導入。

ロンドン郊外に設けられた治療院では、
床と壁を分厚い塩の層で覆った部屋に、
岩塩の粒を含んだ空気が送り込まれる。
波の音が聞こえる静かな室内に、ゆったりと座ること1時間。
これを、1―2週間続けることで、ぜんそくなどの症状が軽くなり、
その効果は約1年間続く。

設立者のソフィア・ベンクさん(30)は、ハンガリー出身。
2年前、英国に住み、塩セラピーを受けられる場所がないことに驚いた。
「私自身が鼻炎に悩んでいたので、母国でなじみのある岩塩抗を
ここに再現してしまおうと思い立った」
来院した人々から、「アレルギーの薬がいらなくなった」などの声。

英国では、塩セラピーは保健当局に認可された治療法ではない。
ぜんそく治療の専門医らは、「主治医と相談しながら、
あくまで補完的な治療法として扱うべき。
服薬を勝手に中止するのは、危険な場合もある」と警告。

http://www.cnn.co.jp/science/CNN200906280002.html

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