2009年7月9日木曜日

「傷口につば→早く治る」メカニズムの一端解明…松本歯大

(毎日 6月27日)

口の中に傷ができると、唾液に含まれるたんぱく質の一種
「ヒスタチン」が別のたんぱく質と結合して、
歯肉細胞を増殖させて傷をふさぐことが、
松本歯科大の王宝禮教授(歯科薬理学)と
今村泰弘講師のグループの研究でわかった。

「傷口につばをつけると治りが早い」という言い伝えの
メカニズムの一端を解き明かすもので、
米科学誌「ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー」電子版に掲載。

ヒスタチンに、歯肉細胞を増殖させる作用があることは
知られていたが、その原理は分かっていなかった。

研究グループは、歯肉細胞にヒスタチンを加え、観察を継続。
その結果、歯肉細胞内にあって、熱などのストレスにさらされた際、
歯肉細胞を保護する働きをする「熱ショックたんぱく質」と、
ヒスタチンが結合し、歯肉細胞が増殖することが確認。
熱ショックたんぱく質は、全身の細胞にある。

王教授らは1991年、ヒスタチンが歯周病菌の活性を抑える
働きをすることを発見。
以来、ヒスタチンには抗菌だけでなく、傷の治りを早める働きが
あるのではないか、との仮説に基づいて研究。
王教授は、「この研究を発展させれば、口腔内の傷の治療薬製造
だけでなく、再生医療分野の研究にも広がる可能性がある」

http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20090626-OYT1T01192.htm

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