(日経 6月30日)
新世代エコカーが、本格普及期を迎えようとしている。
量販開始で先陣を切るのが、7月下旬に三菱自動車が発売する
電気自動車「i—MiEV(アイ・ミーブ)」。
深刻な需要不振が続く国内市場だが、相次ぎ登場する新型環境車は
販売活性化の起爆剤となるか?
三菱自の本社ショールーム館長を務める金子律子氏に、展望を聞いた。
——国内の新車需要は低迷が続いている。来館客の反応は?
「最近特に感じるのは、実際に新車を購入するまで、
時間をかけて細かに検討するお客様が増えている。
ショールームに何回も足を運んで、じっくり候補の車種を探す。
経済状況や社会の変化にあわせ、車を買うという消費行動のプロセスが
大きく変わってきている」
——若者のクルマ離れが著しい。
「1番多い来客層は40~50代の男性と、外国人の方。
20~30代の若い方の来館は非常に少ない。
最近は人の声や動きに反応する(三菱重工業製の)人型ロボットを
使ったイベントを開くなど、女性や小さなお子様連れの家族客でも
入りやすいよう、集客面で工夫。
若い世代にクルマに触れてもらう機会を増やしていく。
それが市場活性化の近道」
——7月に発売するアイ・ミーブの展示を始めた。
「お客様の関心は非常に高い。
ショールーム内では、実際にキーを回して走行可能状態になった時の
クルマの静けさを試してもらったり、充電プラグを接続してもらったり、
実車を使った体験型の接客が好評。
配布用に、アイミーブのカタログも置いてあるが、
1日当たり70~80部のペースで減っている。
通常の新型車以上に注目度は高い」
「7月下旬から、一般向けの予約受け付けも始まる。
実際の購入を検討されているお客様も多く、
日常の走行可能距離や必要になる電気代、充電の方法など
具体的な質問を受けるケースも増えている。
今後は、本社ショールームでも定期的に試乗会を開催し、
アイミーブという新世代のクルマを試せる機会を増やしていきたい」
——電気自動車は、走行中のCO2排出量がゼロ。
これまでのクルマにはない特性をどうアピールしていくか?
「電気自動車は、静かでCO2も出さない。
室内で運転できる唯一のクルマ。
こうした特長を生かし、ショールーム内に未来の家を再現し、
ソファやテレビと一緒に展示するなど、様々な工夫ができる。
自動車だけではなく、生活スタイルも提案。
新しい見せ方が可能になる」
——電気自動車などの新世代エコカーは、市場を活性化できるか?
「可能性を秘めた自動車だと思う。
自分の家で充電するのが当たり前になれば、
クルマは携帯電話やペットのように身近な存在になっていく。
本社ショールームを、電気自動車の情報発信拠点として、
いろいろな企画を検討していきたい」
http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/interview/int090629.html
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