2010年5月11日火曜日

糖尿病・メタボ予防に効果?桑の葉成分研究へ

(読売 5月1日)

東北大大学院農学研究科と宮城県丸森町は、
桑の葉に含まれる糖尿病やメタボリックシンドロームの
予防効果がある成分の研究を進める協定を結んだ。

養蚕が盛んだった同町と共同で、健康食品の開発などに
役立つ研究に取り組む。

同科の堀雅敏准教授によると、桑の葉には
「デオキシノジリマイシン(DNJ)」と呼ばれる血糖値の上昇を
抑える成分が含まれ、品種によって含有量が異なる。

桑の葉を食べる蚕には、より高濃度のDNJが含まれ、
含有量の高い桑を突きとめ、蚕も調べることで、
より高濃度のDNJを抽出し、健康食品などの開発に役立てる。

協定では、町内の農家らがボランティアで協力し、
同町が養蚕を請け負い、代わりに同科が研究結果を提供。

同大の農場でも、桑を栽培しているが、面積や技術に限りがあり、
栽培を同町に委託、研究材料を安定的に確保できる体制。
今年度は、約800平方メートルの畑に、
56種類計168本の桑を栽培。

同町では、かつて養蚕が盛んで、
1946年に養蚕農家は約2000戸あったが、現在は10戸に減少。
繭細工やシルク和紙など、付加価値の高い商品の開発を
考えていた同町が、桑の研究をしていた同科に持ちかけた。

堀准教授は、「2、3年でDNJを多く含む桑を見つけたい」
佐藤一郎副町長は、「研究結果を生かし、
養蚕を新たな商品化につなげたい」

http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20100430-OYT1T00006.htm

インサイド:次代の針路 第1部 多様化するU18の現場/5止

(毎日 4月25日)

今年8月、シンガポールで新たな「五輪」が産声を上げる。
14~18歳を対象にした「ユース五輪」。
3年前、創設を宣言したIOCのジャック・ロゲ会長は、
「オリンピックムーブメント(五輪の精神を広める運動)にとって、

歴史的瞬間だ」

若者のスポーツ離れは、世界共通の悩みであり、
商業主義や勝利至上主義が、ドーピングのまん延など
スポーツ界にゆがみをもたらしている。
そんな時代に、ロゲ会長はくさびを打とうとした。
勝負偏重ではなく、教育重視。ユース五輪の思想。

選手には、大会期間中に文化・教育プログラムへの参加を促す。
五輪の精神や歴史的経緯、反ドーピングの啓発を含めた
健康教育などをテーマに、50種類の活動を予定。
選手には、競技を終えた後も、大会終了までシンガポールに滞在、
活動に参加するよう求めている。

だが、課題もある。
長期間の拘束に不満を持つ国もあり、米国や中国の反発が強い。
大会は8月14~26日、日本も8月に中学、高校の全国大会や
国体予選があり、日本オリンピック委員会の西村賢二強化部長は、
「ずっと現地に滞在するのは難しい。期間短縮を要望している」
ユースとはいえ、各国を代表するトップ選手。
海外ツアーなど、さまざまな大会出場に忙しいという現実。

シンガポール・ユース五輪組織委員会のフランシス・チョン副会長は、
「一部の国から、IOCに『短期滞在でも可能か』との問い合わせが。
選手にスポーツ、文化、教育を融合させた総体的な学びの場を提供。
義務ではないが、大会の成功には不可欠な要素。
友愛、尊重という五輪の価値を表現し、
忘れられない体験になる

日本卓球協会は、男子史上最年少の日本代表となった
丹羽孝希(15)、女子のシニア大会でも活躍する
谷岡あゆか(15)のトップ選手2人を派遣したい。
例年8月、プロツアーを転戦して世界ランキングを上げる時期だが、
日本代表男子の宮崎義仁監督は、
「プロツアーの転戦は、短期的には選手のためになる。
一生を考えれば、ユース五輪で経験を積むべきだ」

日本陸上競技連盟の原田康弘・ジュニア育成部長も、
「国際的な視野を広げる機会にしたい」と評価。
代表選手の決定はまだ先だが、出場資格を得ている谷岡は、
「積極的に外国選手と話し、経験を積みたい」と前向き。

4月21日、五輪の商業化やプロ選手の参加を積極推進した
IOC前会長のフアン・アントニオ・サマランチ氏が、
89歳で亡くなった。
ユース五輪は、サマランチ会長時代に表面化した
数々の問題を反面教師にしているかのように見える。

競技団体も選手も、「すべてが手探り」と声をそろえる新設大会。
教育を重視した理念が揺るがなければ、
スポーツの原点回帰を促す貴重な一歩になるかもしれない。
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◆ユース五輪

第1回夏季大会には、205カ国・地域から約3600人が参加予定。
12年ロンドン五輪と同じ26競技を実施、
種目数は08年北京五輪の302より少ない201種目。
各国・地域の選手派遣枠は、個人競技が70人以内、
団体競技は2チームまで、肥大化した五輪の反省を踏まえ、
規模を抑えている。
成長途上の若者への肉体的負担を考慮し、マラソンは実施しない。
バスケットボールを、半面のコートで3対3で行うなど独自色も。
第1回冬季大会は、12年にインスブルック(オーストリア)で開催。
夏冬とも、4年に1回行う。

http://mainichi.jp/enta/sports/general/archive/news/2010/04/25/20100425ddm035050057000c.html

フロンティア:世界を変える研究者/3 大阪大大学院特任教授・柳田敏雄さん

(毎日 5月4日)

「実験が甘い。これで証明できたと言えるの?」
73年ごろ。
柳田さんは、ノーベル賞受賞者が書いた1本の論文に、
強い疑いを持った。
論文は、生体の筋肉収縮の謎を解明したとの内容。
民間企業のエンジニアから転身、大学院博士課程で
生物物理学を学び始めた柳田さんは、
「生き物が、人工機械と同じ仕組みであるはずがない」

大学院修士課程で学んだ電気工学の知識と技術を生かし、
レーザーを使った顕微鏡を手作りした。
筋肉を収縮させるたんぱく質に目印をつけ、光らせる技術を開発。
たんぱく質を生きたまま観察した結果、筋肉収縮は
論文が示す仕組みでは起きていないことを明らかに。
成果は、世界的な反響を呼び、たんぱく質の最小単位である
1分子を観測する「分子イメージング」技術の開発に。

生体内では、規則性のない「ゆらぎ」が重要な役割。
筋肉のたんぱく質分子。
まわりの水分子がぶつかってふらふらしているが、
収縮する時、水分子を選び、その動きを利用。
ロボットなら、エネルギーを使って余計な動き(ノイズ)を排除し、
正確に部品を動かす。
生体は、このノイズを上手に取り入れ、最小限のエネルギーで
動かす仕組みを持っていた。

研究を進めるにつれ、従来のアプローチの限界も見えてきた。
「生命科学者は、たんぱく質や遺伝子など生体を構成する
個々の『役者』の振る舞いを調べてきた。
『役者』は、機械のように中央制御で動いているのではなかった」

近年、脳が見たものを把握する「視覚認知」の研究に取り組む。
神経細胞は、エネルギーをさほど使わず、複雑な情報を処理。
「人間の創造性やひらめきなど、脳の一番ミステリアスな部分にも、
『ゆらぎ』が使われている可能性がある」

07年、同僚の審良静男教授(免疫学)に請われ、
新設の「免疫学フロンティア研究センター」の副拠点長に就いた。
分子イメージングの手法で、免疫反応の全体像を
明らかにしようという取り組み。
「免疫反応は、強すぎても弱すぎても病気になる。
さじ加減しているのは誰なのか?
まずはきちっと計測する技術を開発し、
免疫システム全体をモデル化して理解したい」

この春定年を迎えたが、容姿も探求心も衰える気配はない。
「大阪人の大好きな『ええかげんさ』が、生体にはある。
それを定量的に解明したい」
イグザクト(正確な)サイエンスと、「ゆらぎ」の概念を武器
立ち向かえば、分かるはずだと信じている。
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◇やなぎだ・としお

46年兵庫県生まれ。76年工学博士。
88年大阪大基礎工学部教授、96年同医学部教授、
02年生命機能研究科教授。
今年3月に定年退職、4月から現職。

http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2010/05/04/20100504ddm016040032000c.html

慶大SFC20年(6)アジアへ存在アピール

(読売 5月5日)

米国独立宣言の署名者、ベンジャミン・フランクリンのドル紙幣、
エリザベス女王のポンド紙幣、1万円札の福沢諭吉が大写しに。

慶応大学湘南藤沢キャンパス(SFC)を紹介する
中国語のプロモーションビデオは、
慶応義塾の創立者の偉大さにこだわった。

最も出演時間が長いのは、インターネットの分野で
世界的に著名な村井純・環境情報学部長(55)。
ネット大国にもアピールできる。
橋本竜太郎元首相の次男、橋本岳・元衆院議員(36)も、
SFC三田会(OB会)代表幹事として出演。
内容は、当時、SFC研究所上席訪問所員だった
中国・上海の実業家、陸楽さん(4期生)の意見を聞きながら決めた。

SFCは、諸外国の日本研究の拠点をめざす組織を作った。
最新の国際化の試みの一つ。
代表の加茂具樹総合政策学部准教授(37)(2期生)が、
中国研究者であるため、手始めに中国語圏で、
高校生の保護者世代に幅広くSFCの存在を知ってもらおうと企画。
同時に作ったパンフレットも同様。

SFCも、韓国や中国の大学と二つの学位が取れる
ダブル・ディグリー制度を5年前に始め、
インドネシアの公務員向けプログラムや英語だけで
修士、博士が取れるコースに取り組むなど、
大学院レベルの国際化は進んでいる。
留学生は、昨秋時点で158人。
6年前の約3倍に増えた。

慶大のアジアでの知名度は、戦前、アジアからの留学生が
母国に帰って指導者層になった早稲田大に比べ、高くない。
学部段階の国際化を進める上で、
アジアでの存在感アップが欠かせない。

環境情報学部は来秋、文部科学省の国際化拠点整備事業
(グローバル30)の一つとして、英語による授業だけで
学部を卒業できるコース(定員約15)を設ける。
5年で修士まで取れる一貫教育の仕組みも検討中。

SFCでは開設当初から、英語を第1外国語とせず、
アラビア語やインドネシア語など、様々な言語の中から学ばせる
多言語主義を取ってきた。
アジアなどの発展途上国で活躍する卒業生も多い。
この人脈は、キャンパスの国際化を後押しする。

「卒業生は、個人か、大学とは別組織で活動している。
大学の名前を海外で刻むには、大学主導で、
現役の教員や学生が行動を起こす必要がある。
それなりの予算と規模が求められる」、
レバノン在住の佐野光子さん(8期生)。
地元大学の学術交流日本センター副所長で、
アラブ映画を日本に紹介。

学内には、「留学生を迎える、送り出すだけでなく、
留学生が日本人学生に刺激を与えることも国際化だ」という声。
国際化をどう進めるか?
日本の大学が直面する大きな課題だ。

◆グローバル30

日本への留学生増を図る留学生30万人計画に基づき、
初年度の2009年度は13大学を採択。
英語だけで学位取得できるコースの設置など、厳しい条件がある。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100505-OYT8T00274.htm

2010年5月10日月曜日

慶大SFC20年(5)若い力 地方で生かす

(読売 5月1日)

岐阜県飛騨市の旧古川町にある市役所の会議室で、
慶応大学総合政策学部の女子学生3人が
「飛騨市PRプロジェクト」の最終報告会を開いた。

慶大湘南藤沢キャンパス(SFC)が、3年前から
全国で展開するスタディツアーの一つ。
学生が、教員と共に現地に出向いて地域の課題を知り、
政策立案過程を学ぶ。

古川は、NHKの連続テレビ小説「さくら」の舞台として話題、
飛騨市の観光客は、近年減少傾向。
3人は、「飛騨市の観光振興、地域ブランド活性化に取り組む」
というテーマで昨夏、1週間にわたって市内を調査。

8月末、東京の麻布十番納涼祭で、特産の和ろうそくと
飛騨市の魅力を紹介するミニ新聞を配った。
ミニ新聞には、3人が「都会で頑張る若い女性たち」を
呼び込む記事を書いた。
最終報告会は、これまでの取り組みを地元の人に伝えて
意見を聞くのが目的。

質疑の時間には、「祭りの場で、配布物をもらった人に
思いが伝わったかどうか気になった」という声。
指導教官の古谷知之・准教授(37)(3期生)から、
「目標設定が甘い」と指摘、隣の高山市出身という3人は
「至らない面も多かったが、地元のよさを見直した」

古谷さんも、「活動を通して、地方の良さを大都市に発信する力を
身につけることができるはず」

スタディツアーは、受け入れ先で、卒業生が協力してくれる点が強み。
飛騨市で調整役として動いたのは、コンサルタント会社
「美ら地球(ちゅらぼし)」の山田拓さん(35)、慈芳さん(35)夫妻。
慈芳さんがSFCの4期生。
企業研修から、外国人向け旅行手配や古民家調査まで手がける。

2人は、外資系コンサルタント会社勤務を経て、
世界を回る旅を2年近く続け、2008年、全く縁のない
飛騨市に住み着いて起業。
定住のきっかけは、SFCの友人のつてで紹介された
前飛騨市観光協会長と意気投合したこと。
「地方と都市のかけはし」の担い手を目指し、
SFCで地域活性化について講義をしたことも。

スタディツアーは、岐阜、宮古島(沖縄)、酒田(山形)、
南阿蘇(熊本)、長崎などで開かれた。
参加者の中には今春、ツアー先で就職を決めた学生も。

山田夫妻は、「学生の関心が、地方に向いている。
地方という選択肢があることを教えてあげたい」、
「地方には、若いエネルギーが欠けている。
それを埋め合わせるのも我々の役割」

東京への一極集中と地方の疲弊が問題になる中、
地方を活性化するために、大学と学生が持つ役割は小さくない。

◆スタディツアー

訪問先での体験や交流を通した学びが、目的の旅行。
民間活動団体(NGO)や旅行会社が企画する例も多い。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100501-OYT8T00278.htm

「お茶しながら科学聞こ」商店街で阪大の講座

(読売 4月29日)

市民が気軽に科学を学べるようにと、
大阪大は授業の一環で、大阪市北区の天五中崎通商店街に
「サイエンスカフェ」をオープン。

空き店舗や通り沿いを利用し、毎月第3土曜日に開催。
誰でも自由に参加でき、お茶を飲んだりお菓子を食べたりしながら、
科学者や元大学教授らから講義を聞く。

担当する同大学講師の長野八久さん(53)は、
「商店街の活性化にもつなげたい」

「なぜニュートンは、錬金術にこれほどこだわったのでしょうか」
約10人の住民や高校生らに向かって、
講師の小森田精子・日本科学者会議代表幹事が問いかけた。
今月17日、サイエンスカフェの一こま。

同商店街の一角に、イスと机を並べて始まった
科学講座のテーマは「錬金術」。
錬金術の研究が広まった各国の文化、思想、時代背景などを
交えながら、化学式や表を用いて当時の実験の様子などが紹介。
参加者は、ノートにメモをしたり、資料に目を通したり。

薬剤師中村真悠子さん(28)は、「興味があったので、聞きに来た。
気軽に立ち寄れるし、おもしろいテーマがあればまた来たい」

同商店街で、サイエンスカフェが初めて開かれたのは昨年10月。
同商店街内の黒崎東商店会の青山隆一会長(53)が、
まちづくりの勉強会で、長野さんから
「商店街でサイエンスカフェをやりたい」と、
相談されたのがきっかけ。

昨年度は、同商店街が講師を招いて、
「遺伝子組み換え作物」、「地球温暖化」、「睡眠」などを
テーマにした講座などを12回開催。
4月から、同大学の学生らが企画、
商店街の人たちと協力して運営。

長野さんは、「広く最新の科学的知識を伝えることも、科学者の役目。
いずれは学生にも、研究成果を発表させたい。
カフェに参加した人の中から、科学者を目指す人が
出てきたらうれしい」、
青山さんも、「商店街に訪れる人が楽しめるようなカフェを目指したい

次回は、5月15日午後2時30分から、
「家庭と住まい」をテーマに開催予定。
問い合わせは、黒崎東商店会(06・6371・6100)。

http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20100429-OYT1T00440.htm

インサイド:次代の針路 第1部 多様化するU18の現場/4

(毎日 4月24日)

甲子園で歴代1位の春夏11回優勝を誇る
高校野球の古豪、中京大中京高は最近、
フィギュアスケートへの人材輩出でも名をとどろかせている。

バンクーバー五輪銀メダリストの浅田真央をはじめ、
安藤美姫や小塚崇彦も卒業生。
今月、世界ジュニア選手権優勝の村上佳菜子が入学。

運営母体は、学校法人梅村学園。
梅村清弘理事長が、安藤が中学生の時に成功させた
4回転ジャンプを見て、「地元愛知の才能を、
学校を挙げて伸ばしたい」とフィギュアにも力点を置いた。
高校から約20キロ離れた愛知県豊田市内の中京大に
専用リンクができ、国内屈指の練習環境が整っている。

フィギュアのトップ選手が、一般の高校生と一緒に
学校生活を送るのは難しい。
安藤も、2年生までは早朝練習後に登校し、
授業後に練習に行くなどしたが、3年生になった
トリノ五輪の前年は、拠点が米国。
インターネットをフル活用し、卒業まで学校とリポートを
メールでやり取りした。

翌年度、浅田が入学。
直後から、拠点は米国に移ったが、「安藤の経験が生きた」と、
安藤のサポートを担当していた法人の鈴木綱男理事。
浅田に対し、英語科では国際大会に出場した感想を
英作文で書かせた。
社会科では、大会の開催都市に関する歴史的背景や
地勢などのリポートが課題。
国内にいる時、「教員が実際に会う方がいい」との
伊神勝彦校長の考えもあり、浅田のもとに教師が赴く「出張授業」も。

「真央ちゃんが通っていた」という理由で、村上が入学。
「今は、まだ名古屋で練習したい」と話すが、
4年後のソチ五輪を目指し、今後は海外を転戦する生活が。
伊神校長は、「どこにいても、学業と両立しながら競技を
向上させるノウハウはある」と胸を張る。

このようなケースは増えてきた。
青森山田高は、卓球女子の中国リーグに参戦した福原愛を
卒業まで支えた。
後輩の水谷隼(明大)も、日本代表強化選手になり、
在学中からドイツリーグへ。
木村隆文校長は、「勉強は日本に戻ってからでいい」、
帰国後、通常の6時限に2時限増やして補った。

プロゴルフの石川遼が通った東京・杉並学院高は、
学習指導要領で認められている「学校設定教科」を導入。
学校独自の判断で、指導要領以外の教科を決め、
単位にできる制度。

石川がプロ転向した2年時、欠席分を集中講義で補い、
単位や出席日数を満たしたが、3年から出席できなくなった。
学校は、石川の競技活動に学校設定教科の制度を適用。
文部科学省初等中等教育局へ出向経験がある
吉野弘一校長は、「世界大会出場が、学業に有意義な面も。
若い才能の芽は伸ばさなければ」、
海外コンクールに出る合唱部にも、この制度をあてはめた。

こうした風潮を疑問視する見方も。
「義務教育が終わっているとはいえ、望ましいとは思えない。
(授業以外の活動を単位に認める)このような制度が
学校のネームバリューを上げるのに利用されると問題だ」、
スポーツ選手の学力低下を指摘し続けている
愛知医科大の馬場礼三准教授。

トップ選手の低年齢化が進み、学業との両立がますます困難な時代。
学校も知恵を絞っている。

http://mainichi.jp/enta/sports/general/archive/news/2010/04/24/20100424ddm035050155000c.html

IT利活用で先進的な産業といえば?

(CNN 5月6日)

アップルが「iPad」を発売した数日後、世界最大規模の
アダルトコンテンツ企業が、アップルストアを介さず、
iPad端末にビデオコンテンツを配信すると発表。

テクノロジーの世界では、新しいコンテンツ基盤を
いち早く取り入れるのは、アダルト産業だと考えられ、
そうした暗黙の了解を裏付ける出来事。

テキサスA&M大学で技術史を教える
ジョナサン・クーパースミス教授は、
「(新技術に関する)アイデア自体は、必ずしもアダルト産業から
生まれるわけではないが、アイデアが実用面でうまくいくには
長い道のりがある」

アダルト産業の実態を把握するのは難しいが、
推計ではオンラインビジネスで、年間10億ドル以上を売り上げ。

初めて映画が登場したのは、1895年。
クーパースミス教授によれば、その2年後、アダルト映画が公開。
ビデオデッキが登場した当時、ハリウッドは海賊版の横行を警戒、
アダルト産業は積極的に商機を見いだしたと、
オーストラリアの研究機関でシニアフェローを務める
オリバー・マーク・ハートウィッチ氏。

常に、新しい技術を積極的に取り入れてきたのは、
既存の領域では自由に活動できないことが多いためで、
コンテンツを利用者に提供するため、新たな方法を模索する
必要がある、とコンテンツ提供者は指摘。

アダルトコンテンツは、製品1点あたりの収益性が高く、
資金力を生かして、新技術への投資を進めることができる特徴。

iPad向け配信を発表した事業者では、人工知能を使った
コンテンツ開発に関心を寄せている。
将来的に、コンテンツ視聴者と登場人物が、
双方向でやり取りをする方法を考えたい。

http://www.cnn.co.jp/business/AIC201005060029.html

2010年5月9日日曜日

女性の体、50代で寸胴に ヒップは個人差、バスト下垂早く

(2010年4月29日 毎日新聞社)

年を重ねるにつれ、起こる体形の変化は、
誰もが気になるところ。
大手下着メーカー「ワコール」(京都市)が、
日本人女性の人体計測データを45年にわたり収集、分析した結果、
加齢による変化には法則があることが分かった。
その傾向と対策は?

同社は、約4万人分のデータを集め、今回の調査ではその中から
1950年代生まれ(現在50~60歳)の女性約1800人分を抽出。
10代後半から50代前半までの計測結果の平均値を、年代別にグラフ化。

体重やヒップ、ウエスト、太もも回りなどの数値は、
いずれも20代後半が最も少なく、その後は次第に太くなる。
ウエストとおなか回りの変化が最も大きく、
50代前半では20代後半よりウエストが10cm太く、
おなか回りはバストと同じに。

30年間の計測結果がある100人分のシルエット(輪郭線)を使い、
加齢に伴い、体形がどのように変わっていくかを調べた。
同社人間科学研究所の上家倫子研究員は、
「変化が始まる年齢は、個人差がみられるが、
すべての人が同じ順序で変わっていた」

一定の法則とはこうだ。
ヒップの場合、若い時は横から見て半円形だったのが、
(1)下部がたわむ→(2)頂点が下がり、後ろから見ると
全体的に四角くなる→(3)外側の肉が落ちて中央部分に流れる。

バストは、(1)脇側上部の肉が落ちる→
(2)下部がたわみ乳頭が下向きになる→
(3)全体的に外側に流れて下がる。

共通するのは、いったん変化が進むと、元には戻らない。
「ヒップは、40代でも変化しない人がいた。
バストは、20代で下垂が始まっている人もいて、
ヒップより変化しやすい傾向」
この法則は、他の年代の人にも当てはまる。

京都府立医科大の河田光博教授(解剖学・神経内分泌学)によると、
乳房が下がる仕組みは、乳房をつるように支えている
「乳腺提靱帯」と呼ばれる組織が、外からの刺激を受け続けて
伸びてしまったり、脂肪が増えて柔らかくなり下垂する。

河田教授は、「乳腺提靱帯は、筋肉のように鍛えて強化することは難しい。
乳房の揺れなどによる長期間の刺激が、ダメージを与える可能性も」
間壁治子・共立女子大名誉教授(被服人間科学)は、
「乳房にストレスをかけないため、試着をして自分にあった
下着を選ぶことが大切」

◇若さ保つコツは健康的生活

では、体形の変化を少しでも抑えるには、どうしたらよいか?
今回の調査結果では、50代になっても20代のころの体形を
維持している人が4分の1いた。
体形を維持した人のグループ(12人)と、平均的な体形変化が
あった人のグループ(16人)に分け、
血液検査、体力測定、生活習慣などを調べた。

その結果、若いころの体形を維持している人の方が
体脂肪が少なく、筋力や持久力があった。
睡眠も十分で、生活習慣病やその恐れがある人もいなかった。
聞き取りしたところ、「体重を毎日チェックしている」、
「なるべく階段を利用し、歩く姿勢や歩き方に気をつけている」
規則正しく、バランスのよい食事を心がけている点も共通。

上家さんは、「特別な運動をしているという印象はなく、
日常生活でよく動くように意識している。
若々しさを維持するうえで参考になる」

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/4/30/119657/

時差ぼけを予防したい

(2010年4月30日 毎日新聞社)

「日本の真夜中だし、眠くて眠くてしょうがない」
出張で欧州滞在中の2月中旬、夕方になると
耐え切れない睡魔に連日襲われた。
8時間の時差に慣れたころに帰国。
しばらくは、眠気とだるさの「時差ぼけ」に悩まされた。

国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所の
白川修一郎客員研究員(睡眠学)は、
「海外旅行など、5時間以上の時差がある地域に
短時間で移動すると、時差ぼけが起こりやすい」

日本から、ハワイ以遠の地域が該当し、
欧米への旅行ではまず避けられない。
ゆっくりと移動する船旅では、時差ぼけは起きにくい。

人間の生活は、約24時間周期の「生体リズム」の影響下に。
代表的なのが、睡眠や目覚め、心拍数、血圧、体温など
自律神経が支配しているリズムで、時差が大きいと
現地のリズムにはすぐに同調できず、
日本の時間帯で動こうとしてしまう。
これが、時差ぼけといわれる睡眠障害や
自律神経障害が起きる仕組み。

時差ぼけの軽い症状では、単に眠い程度で済むこともあるが、
頭痛や食欲不振、胃腸病などの症状が同時に起きることもあり、
大切な仕事や楽しい観光が台無しになることも。

「時差ぼけへの抜本的な対策はない。
症状を軽くする対策はある。
基本は、『西向きは遅らせる』、『東向きは前倒し』。
無理をせず、余裕のある旅行プランを」と白川さん。

●旅行前

まずは十分、睡眠をとって万全の体調で臨みたい。
北米など東向きへの旅行では、生活パターンを
出発の約1週間前から、1時間でもいいから前倒し。
欧州など西向きなら、生活時間を後ろに遅らせる。
リズムが現地時間に同調しやすくなる。
到着日の夜、十分な睡眠を取れるような計画にすることが大切。
持病で投薬治療中ならば、現地で薬を飲む時間について、
主治医と相談しておくといい。
睡眠について心配な人も、事前に医師と相談するべき。

●機内では

なるべく現地の時間のリズムに合わせることが大切。
現地が夜の時間なら、少しでも仮眠をとるように心掛け、
朝ならコーヒーなどカフェインをとってみるのもいい。
仮眠には、アイマスクや耳栓も役に立つ。
機内は乾燥しているので、水分を十分に取ることで
体調を整えることも大切。

●現地では

米国や欧州などへの旅行では、日本とは昼夜逆転した
早朝に到着することも。
ホテルに入っても、眠るのを我慢し、ホテルの周辺を散歩し、
太陽を浴びるのもいい。
食事は必ずとり、特に朝食は明るい場所でとることが、
生体リズムを整えるのに有効。

団体旅行では、現地でバスを利用するのなら、
日本の真夜中にあたる時間帯に仮眠をとるのも効果的。
帰国後の時差ぼけを防いだり、軽減するためにも、
帰国前には日本の時間に合わせて行動を始めることが大切。

◇持病の薬は日程プラス1週間分を

アイスランドの火山噴火で、欧州の空の便が乱れ、
日本人旅行客も現地に足止めに。
予期せぬトラブルに見舞われるのは、旅行につきもの。

日本旅行医学会の篠塚規・専務理事は、
「自然災害や事故、テロなど交通機関がストップすることはよくある」、
持病がある人は、旅行日程プラス1週間分の薬を持参。

同医学会は、書き込み式の「自己記入式 安全カルテ 
海外旅行を安全に楽しむためのもうひとつのパスポート」
(1500円)を販売。
一般的な旅行の注意が記載、持病について自分や主治医が
書き込めるスペースがあり、海外で緊急時に医師に提示すれば、
適切な対処を受けることができる。
………………………………………………………………………
■日本と主な都市(国)との時差(時間)
 時差 都市(国)
 +3 ウェリントン(ニュージーランド)
 +1 シドニー(豪)、グアム(米)
 ±0 日本、ソウル(韓国)
 -1 北京(中国)、シンガポール
 -2 バンコク(タイ)、ハノイ(ベトナム)
 -4 モルディブ
 -5 モーリシャス
 -6 ナイロビ(ケニア)
 -7 アテネ(ギリシャ)
 -8 パリ(仏)、ローマ(伊)
 -9 ロンドン(英)、リスボン(ポルトガル)
-14 ニューヨーク(米)
-17 ロサンゼルス(米)
-19 ハワイ(米)
 ※夏時間は考慮していません

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/4/30/119713/

インサイド:次代の針路 第1部 多様化するU18の現場/3

(毎日 4月23日)

人影まばらな平日の愛知・半田球場。
デザインの違うユニホーム姿の5人が、ノックを受けていた。
今春結成された硬式野球チーム「ルーキーズ」の練習。
「今のグラブさばきはいいぞ」、
ユニホーム姿の山田豪理事長(41)がほめると、
選手から「よーし」と威勢のいい返事。

弱小高校の野球部が、甲子園を目指すテレビドラマや映画が
大ヒットした「ルーキーズ」。
その名にあやかって発足したチームは、
高校野球をあきらめた若者に、再挑戦の機会を提供することを目的。

運営組織は、非営利のNPO法人として申請中。
山田理事長は、かつて社会人野球でプレーし、
愛知・緑丘商高の監督を務めたこともある。
社会人の日本プロスポーツ専門学校野球部のスタートにも携わった。
通信制高校とも連携し、高校卒業資格の取得を奨励、
将来はクラブとして、都市対抗への出場を目指している。

ルーキーズに入った須藤慎太郎(18)には、苦い経験が。
高校で野球部に入ったが、部内のトラブルで退部し、
学校もやめてしまった。
友人が甲子園を目指し、プレーしている姿を見て、
再び野球がやりたくなった。
今は、神奈川県の通信制高校に籍を置きながら、
愛知県内に下宿。
「このチームで、自分の限界まで野球をやってみたい」

山田理事長が、中途退部者に注目したのは、
知人らを通じ、親からの相談を何度も受けたから。
「子どもが、高校の野球部も学校もやめた。受け皿はないか」
インターネットのホームページでも募集、約1カ月半。
問い合わせは、東北から九州まで40件、
甲子園常連校の中退者からもある。

日本高校野球連盟の09年度調査によると、
全国の高校野球部員数は約17万人(硬式)。
入部して3年生まで続けた「継続率」をみると、
2割弱が退部という結果。

ルーキーズの会費は年間20万円、通信制高校に入学すれば、
さらに60万円が必要な中、発足時に集まったのは5人。
3人が高校中退者、2人は中学卒業後、
高校に進むことをあきらめた少年たち。

ルーキーズは、そんな彼らの「再チャレンジ」を
後押ししようと意気盛ん。
社会人を統括する日本野球連盟から、
「年間日程をこなすには、部員が30人程度必要」とアドバイス、
理想と現実にはまだ開きがある。

監督は、愛知大野球部副部長の桜井智章さん(52)が務め、
「野球だけで生きていける人は一握り。
大事なのは、高校卒業の資格を取ること」
まずは野球の場だけでなく、社会に出ていけるような
環境を作ってあげようという姿勢。

神奈川県二宮町には、サッカーの横浜FC会長の
奥寺康彦さんが校長を務める「奥寺スポーツアカデミー」
01年に開校、学校教育法に基づく「技能教育施設」として、
サッカー専修コースを設置。
寮を併設し、他校からの転・編入生も受け入れ、
通信制高校と連携しながら、高校卒業資格を得られる。
ルーキーズは、このシステムを参考。

スポーツに、希望と夢を抱く若者たち。
すべてが思い通りに実現するわけではない。
夢破れた後、どんなセカンドチャンスが待っているのか?
山田理事長は、「もう一度努力する大切さを教えたい」

http://mainichi.jp/enta/sports/general/archive/news/2010/04/23/20100423ddm035050073000c.html

マンUが6年連続首位、サッカークラブの資産価値ランキング

(CNN 4月24日)

米経済誌フォーブスは、世界のサッカークラブの
「資産価値ランキング」の最新版を発表、
イングランド・プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッド(マンU)が
約18億4000万米ドルで首位。6年連続のトップ。

2位は、スペインのレアル・マドリードで約13億2000万ドル、
3位は、プレミアのアーセナルで約11億8000万ドル。
4位から10位までは、バルセロナ(スペイン)、
バイエルン・ミュンヘン(ドイツ)、プレミアのリバプール、
ACミラン(イタリア・セリエA)、ユベントス(同)、
チェルシー(プレミア)、インテル(セリエA)。

試合の放映権料、スポンサー企業からの収入や
チケット売り上げ額などを基に、ランキングを作った。

同誌によると、上位20クラブの資産価値の平均数字は、
前年の6億9100万ドルから6億3200万ドルに落ち込んだ。
15クラブが減少を記録。

マンUのオーナーは、米国の富豪のグレーザー一族。
米保険大手エーオンが、来季から4年間同クラブの
主要スポンサーとなるが、契約金は年間3400万ドル。
現在のスポンサーである米保険大手
アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)の
契約金の50%増し。

マンUは現在、多額の借金を抱え、富裕層のサポーターらが
最近、グレーザー一族からのクラブの買い戻し運動を始めている。

http://www.cnn.co.jp/business/AIC201004240010.html

2010年5月8日土曜日

慶大SFC20年(4)「出るくい」も伸ばす気風

(読売 4月30日)

起業家を次々と生む、慶応大学湘南藤沢キャンパス(SFC)。
高校生向けキャリア教育プログラムを提供する
NPO「カタリバ」代表の今村久美さん(30)(9期生)は、
「在学中、起業家教育は受けていない」

昨夏、日本社会を変革する若者として、
米タイム誌アジア版の表紙を飾った社会起業家。
「ただ、SFCには仕掛けがある」
問題発見解決型の人材を育てるという徹底した教育方針、
学生に課題解決策を考えさせる授業スタイル、
様々なプロジェクトを通した先輩や学外者との
コミュニケーションの三つ。

1年時、プロジェクト型授業で、ドラマ「北の国から」の
ドキュメンタリーを作ろうとした。
主演の田中邦衛さんや脚本の倉本聰さんにも取材したのに、
完成できなかった。
「今も、申し訳ない気持ちでいっぱい。
でも、失敗体験が勉強になった。
学生に何でも挑戦させよう、という敷居の低さがある。
SFCには、居場所と出番がある

高校までは、「出るくいは打たれる世界。
普通の試験では、入試を突破できない学力だった」
面接重視で、複数回受験機会のあるAO入試に、
2度目の挑戦で合格。
SFCでは、出るくいにたくさん出会えた。
他大学に進んだ友人が、『大学はつまらない』と言うのが
信じられなかった。
SFCのような場を、ほかの人にも経験してほしい」
そんな思いが、高校生が大学生と語り合う場づくりに向かわせた。

「キャンパスでは、『いま何してる?』が合言葉。
答えられないと、『つまらないやつ』と言われる環境でした」
病児保育の事業モデルを作ったNPOフローレンス代表の
駒崎弘樹さん(30)(10期生)は、米ニューズウィーク誌の
「世界を変える社会起業家100人」に紹介。

2年時の就業体験で、経営の面白さに目覚め、
3年時、学生たちが起業したIT会社の社長に。
ベビーシッターをしている母親から、子どもが熱を出して
仕事を休んで解雇された利用者の話を聞き、病児保育に転身。

「SFCと出会わなかったたら、ITベンチャー経営もあり得なかったし、
NPOで生きていくなんて、考えもしなかった。
自分のやりたいことをやっているやつが一番強い、
という価値観を支えてもらった

「楽天を作った本城慎之介さんを見て、
ITベンチャーをやろうと思ったし、
彼が中学校の校長になったのを見て、
人生に多様なチャンスがあると勇気づけられた。
そんな挑戦の連鎖と挑戦をたたえる空気が、SFCのDNA

ともに、「生まれ変わっても、SFCに進学する」
卒業生からの評価は、大学の確かな評価だろう。

◆社会起業家

社会の課題解決を目的に事業を起こし、
社会貢献とビジネスの両立を目指す人。
業態は、株式会社やNPO法人など様々。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100430-OYT8T00218.htm

動脈硬化発症は免疫の働き原因…帝京大など調査

(2010年4月29日 読売新聞)

動脈硬化の原因となる、悪玉コレステロールの血管への蓄積は、
体を守る免疫細胞の働きによって起きていることを、
米マサチューセッツ大学と帝京大学の河野肇講師らの
グループが突き止めた。

患者の増加は、長寿命化や食生活の変化に、
免疫の仕組みが追いついていないため。
29日付の英科学誌ネイチャー。

動脈硬化は、血管の壁に悪玉コレステロールがたまり、
血管が詰まって、脳梗塞や心筋梗塞の原因になる生活習慣病。
なぜ、コレステロールが蓄積するかは不明。

河野講師らは、脂質を代謝しにくいマウスに、
高カロリーの餌を食べさせ、血管の変化を観察。
2週間後、細菌やウイルスを処理する免疫細胞の
マクロファージが、血管の内側に集まり、
血液中のコレステロールを異物とみなして食べ始めた。

マクロファージは、コレステロールをほとんど分解できず、
死んでしまい、コレステロールの結晶が残留。
マクロファージには、仲間を呼び寄せる性質があり、
血管の壁がマクロファージの「墓場」となって、
コレステロール結晶が雪だるま式に蓄積することがわかった。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/4/30/119681/

インサイド:次代の針路 第1部 多様化するU18の現場/2

(毎日 4月21日)

ラグビーの全国高校選抜大会、初めて合同チームが出場。
部員不足でチームを組めない岡山県西部の倉敷工、鴨方、
興譲館、倉敷南の4校による「岡山合同」。
県予選で準優勝した実績が認められ、大会実行委員会に推薦。

昨年12月、チームを組んでから週1回の合同練習。
興譲館から1人で加わった佐々木達也(2年)は、
合同練習以外は自校のサッカー部で体を鍛え、
同じく1人で倉敷南からメンバー入りした川合一也(3年)は、
走り込みを積んできた。
コミュニケーションを深めるため、ミーティングも増やし、
一つのチームになった。

全国の強豪に3戦全敗、予選リーグで姿を消したが、
鴨方の西本達郎(3年)は感慨深げ。
「全国大会は、テレビの中の世界だった。
この体験を、新入部員に伝えたい」

高校ラガーマンのあこがれである冬の全国高校大会、
「花園」への道はまだ開かれていない。
花園は、全国高校総体(インターハイ)の中の一競技と位置づけ、
主催する全国高校体育連盟は、「学校対抗が原則」、
学校統廃合が決まった場合を除く、
合同チームの参加を認めていない。
合同チームで県予選に出場できるが、勝ち進んでも
花園の舞台には立てない規定。

15人で戦うラグビーは、少子化の影響を大きく受けてきた。
花園予選の参加校数は、91年度の1490校をピークに減少が続き、
99年度には部員不足など、大会に参加できない学校が
過去最多の426校(参加は869校)。
00年度から、合同チームの予選出場を認めることに。

合同チームは増え続け、00年度の13チーム(32校で構成)に対し、
09年度は7倍の91チーム(280校で構成)。
不参加校も、107校にまで減少。
日本ラグビー協会の前田嘉昭・高校委員会担当理事は、
「全国を目指す夢、可能性は平等にあるべき」

ソフトボールも、部員不足に悩む状況は同じ。
05年度から、合同チームの高校選抜大会出場を認めている。
日本ソフトボール協会の鈴木征・広報委員長は、
「規律やコミュニケーションの大切さなど、
チーム競技だから学べるものもある。
人数不足で、大会に出られないような悲しい思いはさせたくない」

高校スポーツは、教育的視点に立つ学校部活動を基礎に発展。
全国高体連が、学校単位での参加を原則にしているのも、
合同チームを認めれば、勝利至上主義的発想から
強化目的のチームが編成されかねないとの懸念。
日本高校野球連盟も、公式戦参加は統廃合のケースに限っている。

部員不足に陥る高校が増す今、大会に出場する
権利の保障がより重要課題。
文部科学省も、スポーツ振興基本計画で、
「複数校合同の運動部活動の円滑な運営を促進することや、
その全国大会への参加の道を広げていくことなど、
環境の整備が必要」

全国高体連の梅村和伸専務理事は、
「関係者の間では、『高校総体は、学校対抗だからこそ魅力がある』
という声が多い」、
合同チームだけでなく、地域クラブが増えていく状況も想定、
「複数校の生徒が加入するクラブチームの参加を認めようという
動きが出てくる可能性もある」

http://mainichi.jp/enta/sports/general/archive/news/2010/04/21/20100421ddm035050054000c.html

イオン環境財団:「万里の長城」植樹100万本達成

(毎日 4月25日)

北京市八達嶺の「万里の長城」周辺で、
森をよみがえらせようと、イオン環境財団が市政府と共同で
進めてきた植樹が、目標の100万本に達し、
現地で記念式典が開かれた。

植樹は、98年から始め、昨年までに約98万本を植えた。
日本から約1400人、中国から約700人のボランティアが参加、
モウコナラやアブラマツなど、約2万本の苗木を植えた。

式典には、郭金竜市長や海部俊樹元首相らが出席。
同財団の岡田卓也理事長(イオン名誉会長相談役)は、
これまで、約1万5000人のボランティアが参加。
八達嶺での植樹は、本年で最後だが、
今後も国内外で植樹を続けていきたい」とあいさつ。

岡田理事長は、北京市内で中国共産主義青年団トップの
陸昊・第1書記を表敬訪問。
北京市副市長も務めた陸氏は、岡田理事長に対し、
植樹プロジェクトは、環境保全の大切さを伝えている。
中日両国の交流と環境保護への努力に、敬意を表したい」

http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2010/04/25/20100425ddm041040120000c.html

2010年5月7日金曜日

スポーツ立国第1部 支援(6)変革迫られる“怪物”国体

(読売 5月1日)

国の支援を受ける側も、課題を抱えている。

日本体育協会で、開かれた国体委員会。
国体の今後のあり方を考えるプロジェクトチーム責任者の
杉山茂は会議後、報道陣に囲まれ苦笑。

杉山は、元NHKプロデューサーで、
五輪などスポーツイベントにも詳しい。
「競技者に敬遠され、開催地になんだかんだと(文句を)言われ、
メディアが遠巻きにしているイベントって、そうざらにはないよ」

冬季国体はここ数年、開催地がなかなか決まらない。
開催まで1年余に迫った段階で、辛うじて来年の開催地が
スキーは秋田、スケートは青森で固まった。
昨年に続いての開催となる青森は、東北新幹線全線開通という
「大義名分」がなければ、開催を受け入れたかどうか分からない。

バンクーバー五輪期間中の今年2月、札幌市で開幕した
スキー国体は、簡素な大会。
皇族の出席はなく、名称も開会式ではなく「開始式」。
五輪出場を逃したジャンプの湯本史寿(東京美装)が、選手宣誓。
五輪と同時期に開催せざるを得ない、国体の厳しい立場を象徴。

杉山は、私案と前置きしながら、
「成年の部の隔年開催」や、一流選手が国際試合とぶつからないよう
「フィギュアスケートだけの秋開催」など、斬新な改革案を披露。

実行は、簡単ではない。
すでに夏季開催地は2017年まで固まり、各自治体は開催に向けて
予算を確保し、施設の増改築などを進めている。
施設整備費などを含めた国体の総費用は、年間500億円超。
国全体のスポーツ予算の数倍の数字。
関係団体の利害が絡む国体という“怪物”を、
抜本的に改革するのは、難しい。

JOCが分離、独立して以降、体協は主にスポーツの普及、
振興に力を入れてきた。
「その部分は、成果が表に出にくい」という
体協専務理事の岡崎助一の言葉通り、昨年の事業仕分けでは、
「体協の有り様は要検討。組織は陳腐だ」と厳しい意見、
今年度予算は、国からの補助金が昨年度より7%も削減。

体協には、全国に支部がある。
そのネットワークを活用し、目に見える普及をどう図るか――。
スポーツ立国に向けた議論がスタートした今、国体とともに、
体協も改革が求められている。

http://www.yomiuri.co.jp/sports/feature/rikkoku/ri20100501_01.htm

米国にもあった熱血指導、“ラソーダ流”育成法

(日経 4月30日)

ドジャース傘下のマイナーチームのコーチを務める
元横浜ベイスターズ監督、山下大輔氏(58)が、
2年目のシーズンを米・アリゾナで迎えた。

キャンプで認められ、順調にアメリカンドリームの階段を
上っていく者があれば、失意のまま去る者も。
それぞれの人生が交錯するメジャーの“支度部屋”で、
山下氏が見たものは……。

「You gotta work!」(『ユー ガラ ワーク』と聞こえる)
あちらと思えばまたこちら、砂漠の中に広がる
ドジャースキャンプ場に、しわがれた声が響く。
超意訳すれば、「おまえたちは、一日中練習してりゃいいんだ」

1996年まで20年間にも渡ってドジャースを率いた
トム・ラソーダ元監督、今年9月に83歳。

「私の体には、ドジャーブルーの血が流れている」といって
はばからない名伯楽の新しいシーズンが、また始まった。
野茂英雄が、かつてメジャーに移籍した当時の監督として、
日本にもなじみが深いだろうラソーダ。

その信条は、「修行の身である若手に、休みなど要らない」
このラソーダ精神は、チームに脈々と受け継がれて、
3月は1日も休日がなく、宿舎に帰って「バタンキュー」の日々。
去年は1日だけとはいえ、休みがあったはず……。

◆厳しいサバイバルレース

投手の球数制限に象徴されるように、
アメリカは故障を抑えるべく、極力体をいたわりながらやっていると
思われがちだが、ここにあるのはもう1つのアメリカ。

3月に始まるマイナーのキャンプは、シーズンに向けて
選手を3A、2A、1Aに振り分ける“仕分け”の期間。
マイナーリーグの中でも、一番下のランクである
1Aのチームからもお呼びがかからず、
「もう帰っていいよ」といわれる選手も。

マイナーのキャンプは、一番多いときで170人ぐらい、
とにかくアメリカは見切りが早く、出入りが激しい。
顔ぶれも、毎日のように変わる。
それほど厳しいサバイバルレースを、何十年と見てきたラソーダ。
「おまえたちに休みはない」は、親心と思って間違いない。

◆情熱とエネルギー注ぎ込む

ラソーダの熱血伝説には、枚挙にいとまがない。
野茂と同時期にいた、ラウル・モンデシーという選手。
野茂の1年前のナ・リーグ新人王、
最初はカーブが全然打てなかった。

ラソーダは、自ら打撃投手を務めて、1時間以上も投げた。
アメリカではコーチ、監督が投げるのは当たり前、
当時すでにご老体だったことを思えば、
やはり尋常ではない情熱とエネルギー。

今でも見込みがありそうな選手をつかまえては、
「ちょっと打ってみろ」と身を乗り出す。
さすがに、もう本人は投げられない。
現場にたまたまいたのが、ドジャースのコーチを務めて
34年というジョン・シューメーカー。

練習メニューやスケジュールを管理するシューメーカーが、
この日のラソーダの“犠牲者”。
打撃練習は、延々1時間10分ほど続いたろうか。
シューメーカーもさすがにぐったりで、
「まったく。投げるのはオレなんだからなあ」

当のラソーダ本人はといえば、球場が何面もある広大な敷地を
移動するためのゴルフ用カートで、うとうと居眠り。
何とうらやましい人生……。

今のラソーダで驚いてはいけないよ、と教えられたエピソードも。
彼がもっと血気盛んだったころ、
「足が痛い」と訴えた若い投手にこう言った。
「泡風呂にでも足を突っ込んどけ」
「我々の宿舎に、そんなものはありません」
「それなら、便器にでも足を入れとくんだな」
「トイレの水は冷たいです」
「そんなら、小便して温めろ!」
ウーン、である。

◆結局は肉体勝負の世界

ラソーダ式のハードワークで、つぶれた選手も少なくない、と聞いた。
人生の勝負どころで、適当に骨休めなんてことをしていたら、
置いてけぼりを食うだけだぞ、というラソーダの考え方も分かる。

結局、肉体勝負の世界だから、これしきの練習でつぶれるような
選手はしょせん無理、という経験則もあながち的外れではない。
コーチたちと、投手交代のタイミングが話題に。
「ノーヒットノーランがかかっていても、100球で交代するのか?
球数で交代するなら、監督なんか要らん。
投手の状態をみて、行けるようなら120球でも130球でも
投げさせればいいし、80球で見切りをつけなきゃいけない
ときだってある。それが、監督の仕事だろ」

◆「毎朝、鏡を見ろ」

夢と希望を胸に、大リーグの門をたたく若者たち。
彼らを集めて、ラソーダは毎年語る。
「朝起きたら毎日、鏡を見ろ。

そして、鏡のなかの自分に語りかけるんだ。
『おまえはやる。絶対できるんだ』ってな」

フィジカルを完ぺきにし、メンタルを100パーセント野球に
集中できる状態に保ち、ファンダメンタル(基本)を大事にする。
そして自分を信じること――。

大きなジェスチャーを交え、口角泡を飛ばして語りかける
ラソーダの熱弁に押されて、人生の一歩を踏み出す
若者たちは幸せかもしれない。

合理精神と功利主義に染まったかにみえるアメリカ野球だが、
その陰ではラソーダのような人たちが、
「人生は気合いだぁー」という精神主義の火をともし続けている。

アメリカンドリームのため、馬車馬のように走り続けてきた人々。
古き良き時代をしのばせる、もう1つのアメリカが
ここ、マイナーリーグに残っている。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
◆やました・だいすけ

1952年3月5日生まれ、静岡県出身。
慶大、東京六大学の首位打者、74年大洋(現横浜)に入団。
華麗かつ堅実な名遊撃手として、
8年連続ゴールデングラブ賞受賞。
98年、横浜の優勝時はヘッドコーチ。
2003年から2年間、監督。
守備の技術の伝授を請われ、09年からドジャースで若手の指導。

http://www.nikkei.com/sports/column/article/g=96958A88889DE2E4E7E2E1E2E5E2E0EAE2E6E0E2E3E2E2E2E2E2E2E2;p=9694E0EAE2E6E0E2E3E2E2E4E2E5

HIV差別はね返し生きる ルーマニア、就職にも壁

(2010年4月28日 共同通信社)

1989年まで続いたチャウシェスク独裁政権末期、
輸血や注射針の使い回しで、7千人とも1万人ともいわれる
多数の乳幼児が、HIVに感染したルーマニア。

長く生きられないと思われた子供らは、
治療方法の発達で健康を取り戻し、多くが成人。
社会の偏見は根強く、今もほとんどが職に就けない。
「ふつうに暮らしているのに...」
若者らは、やり場のない思いを抱えている。

ルーマニア東部のコンスタンツァ郊外、「明日の家」。
日本の民間団体の援助で、HIVに感染した20~23歳の
男女12人が、寮母の世話を受けて暮らす一軒家。

「みんなが家族のようなもの」
アシカ・アイシェさん(23)が居間を見渡す。
好きな音楽を聴いたり、携帯電話でメールをしたり、
仲間は思い思いにくつろぎ、笑顔が絶えない。

アイシェさんには、大切な日課がある。
毎朝夕、仲間への治療薬配布。
自らは母親に捨てられ、幼少期に病院でHIVに感染。
「あの子はエイズ」。
そんな言葉を投げ掛けられた。
「人々は、私たちを怖がっているの」

チャウシェスク政権は、「人口こそ国力」との発想から、
女性1人につき5人の子供を産むよう政令で命じ、
後に「チャウシェスクの子供たち」と呼ばれる捨て子が続出。

多くが栄養失調だったのに、食料は慢性的に不足。
栄養補給と称して輸血が行われたが、
HIV感染者の血液も混ざり、感染が爆発的に拡大。

「当時、病院は瀕死の子供であふれ、
多くがその後の20年を生き延びた」
コンスタンツァで、エイズ治療に携わってきた
ロディカ・マトゥーシャ医師(67)。
同国では96年、複数の治療薬を服用するカクテル療法が
始まって、状況が大幅に改善、
HIVに感染した乳幼児のうち、3分の2が無事に成人。

入社時、血液検査を求める企業もあるなど、
「就職時の差別が最大の問題」(マトゥーシャ医師)。
コンスタンツァでは、感染者の若者の9割が職に就けず、
月約700レイ(約2万1千円)の社会保障が頼り。

「明日の家」では、職のない若者に野菜栽培などの仕事を
割り当てている。
ダニエル・ストヤンさん(22)もその一人。
物心ついた時から、小児病院で育った。
成人し、街で車を洗う仕事を始めたが、
ある日「もう来ないでくれ」と。

「どこかで僕の話を聞いたんだろう。
でも、過去を振り返っても悲しいだけ。
家を見つけ、家庭を築くのが夢なんだ」

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/4/28/119622/

The病院力/2010DPC改定1 大学病院、専門病院など新機能評価係数に苦戦

(2010年4月28日 Japan Medicine(じほう))

2010年度診療報酬改定は、DPCにとって大きなエポック。

DPCの見直しでは、調整係数の段階的廃止がスタート。
4~7月の機能評価係数(II)で、DPC対象病院1334病院の
トップに立ったのは、済生会熊本病院、
次いで国立病院機構熊本医療センター、徳島赤十字病院。

改定前、機能評価係数(II)は大学病院有利な項目が多いとされたが、
実際には救急医療係数が全般的に低く、大学病院のトップの
東海大付属病院が全国で24番目。
調整係数では、全般的にまだまだ高い大学病院だが、
新たな機能評価係数の評価では苦戦。

専門病院において、専門領域によっては十分評価されていないとの声、
今後さらに新機能評価係数の精緻化が求められている。

今回の診療報酬改定での機能評価係数(II)は、
<1>データ提出指数に基づく係数
<2>効率性指数に基づく係数
<3>複雑性指数に基づく係数
<4>カバー率指数に基づく係数
<5>地域医療指数に基づく係数
<6>救急医療係数-の6項目で評価。

地域医療指数に基づく係数は、5月上旬から申請を受け付ける予定、
8月から設定。
告示の調整係数は、4~7月の調整係数、8月以降の調整係数の
2段階設定。

具体的には、新たに導入した機能評価係数(II)に割り当てる
診療報酬のDPC対象病院全体の総額が、
従来の調整係数による上積み相当部分の25%と等しくなるよう計算。

今回の機能評価係数(II)のランキングでは、
済生会熊本病院、国立病院機構熊本医療センター、
徳島赤十字病院、全国トップ10に熊本県から2病院が入っている。
沖縄県も、沖縄県立中部病院と浦添総合病院。
神奈川県から、済生会横浜市東部病院と湘南鎌倉総合病院が入った。

全国トップ20まで広げると、熊本県は熊本赤十字病院。
済生会、国病機構、日赤が入った。
熊本市自体が、医療連携に関する先進都市で、
市民・患者に徹底。
医療機関の機能が明確なため、急性期病院を後方支援する

病院群、連携先の診療所など、それぞれの医療機関が
それぞれの立場で役割を果たしている。
結果的に、急性期病院の機能が発揮できる医療環境がつくられる。
その一端が、今回の機能評価係数(II)に現れた。

東京都では、聖路加国際病院が全国で12番目、都内ではトップ。
東京都立墨東病院、武蔵野赤十字病院がトップ20。

大学病院は、トップ20にはエントリーできなかった。
大学病院でトップは、東海大付属病院、全国24番目。
済生会熊本病院の機能評価係数(II)は0.0340、
東海大付属病院は0.0281。

両病院の差の大きな要因は、救急医療指数。
済生会熊本病院が0.0124、東海大付属病院が0.0064。
両者の個別項目を比較すると、東海大付属病院は、
カバー率指数0.0064、済生会熊本病院の0.0055を上回った。
大学病院が高いと見られた複雑性指数も、済生会熊本病院が上。

救急医療指数は、救命救急センターを装備する大学病院より、
2次救急病院で多くの救急車搬送を受け入れている
病院が高い傾向。
7月、地域医療指数に基づく係数を含めた再告示が行われる。
同時に、DPC評価分科会で検証論議も開始。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/4/28/119632/