(nature medicine 2月号Vol.14 No.1 / P. 162 - 169)
β-カテニンは、Wnt経路の重要な分子。
in vitroでは、CD4+CD25+調節性T(Treg)細胞での
安定型β-カテニンの発現によって、これらの細胞の生存が著しく促進。
in vivoでは、安定型β-カテニンを発現するCD4+CD25+Treg細胞は、
対照のTreg細胞との競合に打ち勝ち、
安定型β-カテニンを発現するCD4+CD25+Treg細胞を用いると、
炎症性腸疾患の防御に必要なTreg細胞の数を大幅に減らす。
疾患発症の原因となる可能性があるCD4+CD25-T細胞上に、
安定型β-カテニンを発現させると、アネルギー状態が生じた。
β-カテニンを介したアネルギー誘導は、Foxp3欠損T細胞でも起こった。
β-カテニンの安定化は、既存の調節性T細胞の生存促進と
エフェクターT細胞前駆細胞での非反応性誘導によって、
炎症性疾患の防止に強力な影響を及ぼす。
[原文]
Beta-catenin stabilization extends regulatory T cell survival and induces anergy in nonregulatory T cells
Yi Ding1,2, Shiqian Shen1, Andreia C Lino1, Maria A Curotto de Lafaille1,3 & Juan J Lafaille1,3
1 Molecular Pathogenesis Program and Skirball Institute for Biomolecular Medicine, New York University School of Medicine, 540 First Avenue, New York, New York 10016, USA.
2 Sackler Institute of Graduate Biomedical Sciences, New York University School of Medicine, 540 First Avenue, New York, New York 10016, USA.
3 Department of Pathology, New York University School of Medicine, 540 First Avenue, New York, New York 10016, USA.
β-catenin is a central molecule in the Wnt pathway. Expression of a stable form of β-catenin on CD4+CD25+ regulatory T (Treg) cells resulted in a marked enhancement of survival of these cells in vitro. Furthermore, stable β-catenin-expressing CD4+CD25+ Treg cells outcompeted control Treg cells in vivo, and the number of Treg cells necessary for protection against inflammatory bowel disease could be substantially reduced when stable β-catenin-expressing CD4+CD25+Treg cells were used instead of control Treg cells. Expression of stable β-catenin on potentially pathogenicCD4+CD25-T cells rendered these cells anergic, and the β-catenin-mediated induction of anergy occurred even in Foxp3-deficient T cells. Thus, through enhanced survival of existing regulatory T cells, and through induction of unresponsiveness in precursors of T effector cells, β-catenin stabilization has a powerful effect on the prevention of inflammatory disease.
http://www.m3.com/tools/MedicalLibrary/nature/200802/nature_medicine/05.html
2008年3月11日火曜日
「先生はJリーガー」膨らむ夢 協会の事業、NPOに
(朝日 2008年03月10日)
現役のJリーガーや元選手らが「夢先生」として小学校を訪れて語る、
日本サッカー協会の事業「こころのプロジェクト」が、
NPO法人として独立し、全国の教育委員会などと連携して拡大。
昨年1月、サッカー元日本代表の北沢豪さんが東京都内の小学校で
初めての試験授業を行った。
その後、様々な分野の「夢先生」が子どもたちに夢を語っている。
この事業は昨年4月に本格的に始まり、今年2月までの11カ月間で
首都圏を中心に224回開かれた。
NPO発足を見越して来年度の事業として予算化した自治体もあり、
人気を集めている。
背景には、将来の目標を立て、実現に向けて行動する能力を
身につける「キャリア教育」が導入。
04年「キャリア教育の推進に関する総合的調査研究協力者会議」
の最終報告書をもとに、文部科学省が推進。
プロジェクトは、これまでは同協会が年間1億円をかけて運営。
学校側の金銭的負担はほとんどない。
夢先生は自己推薦で募っており、知名度は様々。
サッカー以外にプロ野球、陸上、水泳、バレーボール、
ラクロスからの夢先生も教壇に立っている。
http://www.asahi.com/sports/fb/TKY200803090187.html
現役のJリーガーや元選手らが「夢先生」として小学校を訪れて語る、
日本サッカー協会の事業「こころのプロジェクト」が、
NPO法人として独立し、全国の教育委員会などと連携して拡大。
昨年1月、サッカー元日本代表の北沢豪さんが東京都内の小学校で
初めての試験授業を行った。
その後、様々な分野の「夢先生」が子どもたちに夢を語っている。
この事業は昨年4月に本格的に始まり、今年2月までの11カ月間で
首都圏を中心に224回開かれた。
NPO発足を見越して来年度の事業として予算化した自治体もあり、
人気を集めている。
背景には、将来の目標を立て、実現に向けて行動する能力を
身につける「キャリア教育」が導入。
04年「キャリア教育の推進に関する総合的調査研究協力者会議」
の最終報告書をもとに、文部科学省が推進。
プロジェクトは、これまでは同協会が年間1億円をかけて運営。
学校側の金銭的負担はほとんどない。
夢先生は自己推薦で募っており、知名度は様々。
サッカー以外にプロ野球、陸上、水泳、バレーボール、
ラクロスからの夢先生も教壇に立っている。
http://www.asahi.com/sports/fb/TKY200803090187.html
2008年3月10日月曜日
分化中の胚性幹細胞からの機能を備えた骨格筋の再生
(nature medicine 2月号Vol.14 No.2 / P.134 - 143)
骨格筋前駆細胞の研究やその単離への胚性幹(ES)細胞の使用は、
ほとんど進歩していない。
これは、胚様体(EB)のin vitro分化の際、沿軸中胚葉の形成が少ないこと、
骨格筋前駆細胞を同定および単離するための信頼できる基準がない。
本論文では、胚様体分化過程で転写因子であるPax3を発現させると、
沿軸中胚葉形成およびこの集団内の細胞の筋肉形成能の
両方が高まることを示す。
しかし、Pax3で誘導した細胞の移植からは奇形腫が生じるので、
この細胞集団内には未分化細胞がまだ残存していることが示される。
沿軸中胚葉マーカーであるPDGF-α受容体の存在、
側板中胚葉マーカーであるFlk-1の非存在によって細胞を選別、
分化中の培養ES細胞から、かなりの筋肉再生能をもつ細胞集団が得られる。
こうした細胞を、ジストロフィーマウスの筋肉内および全身に移植すると、
収縮機能の高まった成体筋繊維が広範囲に生着、
奇形腫が形成されることはない。
筋ジストロフィー症治療に、ES細胞療法が有効であることを実証。
[原文]
Functional skeletal muscle regeneration from differentiating embryonic stem cells
Radbod Darabi1, Kimberly Gehlbach1, Robert M Bachoo2, Shwetha Kamath1, Mitsujiro Osawa1, Kristine E Kamm3, Michael Kyba1 & Rita C R Perlingeiro1
1 Department of Developmental Biology, University of Texas Southwestern Medical Center, 5323 Harry Hines Boulevard, Dallas, Texas 75390-9133, USA.
2 Department of Neurology, University of Texas Southwestern Medical Center, 5323 Harry Hines Boulevard, Dallas, Texas 75390-9133, USA.
3 Department of Physiology, University of Texas Southwestern Medical Center, 5323 Harry Hines Boulevard, Dallas, Texas 75390-9133, USA.
Little progress has been made toward the use of embryonic stem (ES) cells to study and isolate skeletal muscle progenitors. This is due to the paucity of paraxial mesoderm formation during embryoid body (EB) in vitro differentiation and to the lack of reliable identification and isolation criteria for skeletal muscle precursors. Here we show that expression of the transcription factor Pax3 during embryoid body differentiation enhances both paraxial mesoderm formation and the myogenic potential of the cells within this population. Transplantation of Pax3-induced cells results in teratomas, however, indicating the presence of residual undifferentiated cells. By sorting for the PDGF-α receptor, a marker of paraxial mesoderm, and for the absence of Flk-1, a marker of lateral plate mesoderm, we derive a cell population from differentiating ES cell cultures that has substantial muscle regeneration potential. Intramuscular and systemic transplantation of these cells into dystrophic mice results in extensive engraftment of adult myofibers with enhanced contractile function without the formation of teratomas. These data demonstrate the therapeutic potential of ES cells in muscular dystrophy.
http://www.m3.com/tools/MedicalLibrary/nature/200802/nature_medicine/02.html?Mg=890179c439f7db4fbdb4c2f1a1691965&Eml=12b55b931cb52b4152963c77864c5aec&F=h&portalId=mailmag
骨格筋前駆細胞の研究やその単離への胚性幹(ES)細胞の使用は、
ほとんど進歩していない。
これは、胚様体(EB)のin vitro分化の際、沿軸中胚葉の形成が少ないこと、
骨格筋前駆細胞を同定および単離するための信頼できる基準がない。
本論文では、胚様体分化過程で転写因子であるPax3を発現させると、
沿軸中胚葉形成およびこの集団内の細胞の筋肉形成能の
両方が高まることを示す。
しかし、Pax3で誘導した細胞の移植からは奇形腫が生じるので、
この細胞集団内には未分化細胞がまだ残存していることが示される。
沿軸中胚葉マーカーであるPDGF-α受容体の存在、
側板中胚葉マーカーであるFlk-1の非存在によって細胞を選別、
分化中の培養ES細胞から、かなりの筋肉再生能をもつ細胞集団が得られる。
こうした細胞を、ジストロフィーマウスの筋肉内および全身に移植すると、
収縮機能の高まった成体筋繊維が広範囲に生着、
奇形腫が形成されることはない。
筋ジストロフィー症治療に、ES細胞療法が有効であることを実証。
[原文]
Functional skeletal muscle regeneration from differentiating embryonic stem cells
Radbod Darabi1, Kimberly Gehlbach1, Robert M Bachoo2, Shwetha Kamath1, Mitsujiro Osawa1, Kristine E Kamm3, Michael Kyba1 & Rita C R Perlingeiro1
1 Department of Developmental Biology, University of Texas Southwestern Medical Center, 5323 Harry Hines Boulevard, Dallas, Texas 75390-9133, USA.
2 Department of Neurology, University of Texas Southwestern Medical Center, 5323 Harry Hines Boulevard, Dallas, Texas 75390-9133, USA.
3 Department of Physiology, University of Texas Southwestern Medical Center, 5323 Harry Hines Boulevard, Dallas, Texas 75390-9133, USA.
Little progress has been made toward the use of embryonic stem (ES) cells to study and isolate skeletal muscle progenitors. This is due to the paucity of paraxial mesoderm formation during embryoid body (EB) in vitro differentiation and to the lack of reliable identification and isolation criteria for skeletal muscle precursors. Here we show that expression of the transcription factor Pax3 during embryoid body differentiation enhances both paraxial mesoderm formation and the myogenic potential of the cells within this population. Transplantation of Pax3-induced cells results in teratomas, however, indicating the presence of residual undifferentiated cells. By sorting for the PDGF-α receptor, a marker of paraxial mesoderm, and for the absence of Flk-1, a marker of lateral plate mesoderm, we derive a cell population from differentiating ES cell cultures that has substantial muscle regeneration potential. Intramuscular and systemic transplantation of these cells into dystrophic mice results in extensive engraftment of adult myofibers with enhanced contractile function without the formation of teratomas. These data demonstrate the therapeutic potential of ES cells in muscular dystrophy.
http://www.m3.com/tools/MedicalLibrary/nature/200802/nature_medicine/02.html?Mg=890179c439f7db4fbdb4c2f1a1691965&Eml=12b55b931cb52b4152963c77864c5aec&F=h&portalId=mailmag
新しい波/262 陸上・実業団選手登録/6
(毎日 3月1日)
日本実業団陸上競技連合では、
選手登録に関する規則の見直し作業を進めているが、
4月からの新年度の登録には間に合わない状況。
問題を難しくしている要因は、選手の所属形態の多様化だけでない。
強化に対する考え方の違い、強化と普及という相反する要素の混在。
強化の対象は誰か、という考え方が、指導者や企業によって異なる。
有力長距離チームの指導者には、
実業団から世界で戦える選手を育てようという意欲も強い。
日本陸連の強化委員でもある河野匡・大塚製薬監督は、
「責任を持って選手を育てるため、実業団全体で(登録に関し)
一定の条件や規則があってしかるべき」。
だが、あるチームの部長は、「自社の勝利を第一に考えるのは当然。
日本の強化に利用される筋合いはない」、
登録規定もできるだけ緩和すべきだと主張。
この発想は、駅伝の外国人起用制限に関する議論とも関連。
実業団連合の強化委員会では、
「外国人に依存するチームの増加は、日本人のレベルアップを妨げる」
などの理由で、06年から外国人起用の撤廃を提案。
しかし、07年の理事会で否決。
外国人に関しては十数年来の議論が続くが、結論が出ず、
その間にも人数が増えている。
長距離以外の種目では、実業団登録選手が減っている。
東日本連盟が開く東日本実業団選手権では、
92年に873人いた参加者が、01年に578人まで減少。
人数が少なく大会の体をなさない種目もあり、
04年から実業団登録をしていない一般選手も受け入れ、700人台まで回復。
東日本連盟の大平達夫事務局長は、
「専門学校やクラブチームの選手も受け入れた『社会人』に
枠組みを変えることも検討しないと実業団は衰退する」。
だが、他地区には「実業団は企業対抗」という考え方が根強く、
登録の対象を広げることに難色を示す。
実業団連合のある理事は、
「一度実業団を解体できれば話は早いが、そうもいかない」。
http://mainichi.jp/enta/sports/21century/
日本実業団陸上競技連合では、
選手登録に関する規則の見直し作業を進めているが、
4月からの新年度の登録には間に合わない状況。
問題を難しくしている要因は、選手の所属形態の多様化だけでない。
強化に対する考え方の違い、強化と普及という相反する要素の混在。
強化の対象は誰か、という考え方が、指導者や企業によって異なる。
有力長距離チームの指導者には、
実業団から世界で戦える選手を育てようという意欲も強い。
日本陸連の強化委員でもある河野匡・大塚製薬監督は、
「責任を持って選手を育てるため、実業団全体で(登録に関し)
一定の条件や規則があってしかるべき」。
だが、あるチームの部長は、「自社の勝利を第一に考えるのは当然。
日本の強化に利用される筋合いはない」、
登録規定もできるだけ緩和すべきだと主張。
この発想は、駅伝の外国人起用制限に関する議論とも関連。
実業団連合の強化委員会では、
「外国人に依存するチームの増加は、日本人のレベルアップを妨げる」
などの理由で、06年から外国人起用の撤廃を提案。
しかし、07年の理事会で否決。
外国人に関しては十数年来の議論が続くが、結論が出ず、
その間にも人数が増えている。
長距離以外の種目では、実業団登録選手が減っている。
東日本連盟が開く東日本実業団選手権では、
92年に873人いた参加者が、01年に578人まで減少。
人数が少なく大会の体をなさない種目もあり、
04年から実業団登録をしていない一般選手も受け入れ、700人台まで回復。
東日本連盟の大平達夫事務局長は、
「専門学校やクラブチームの選手も受け入れた『社会人』に
枠組みを変えることも検討しないと実業団は衰退する」。
だが、他地区には「実業団は企業対抗」という考え方が根強く、
登録の対象を広げることに難色を示す。
実業団連合のある理事は、
「一度実業団を解体できれば話は早いが、そうもいかない」。
http://mainichi.jp/enta/sports/21century/
2008年3月9日日曜日
新しい波/261 陸上・実業団選手登録/5
(毎日 2月23日)
女子長距離の強豪チームの一つに、セカンドウィンドAC(SWAC)がある。
昨年の世界選手権大阪大会女子マラソンで6位の嶋原清子、
昨年の北海道マラソンを制した加納由理ら実力者がそろい、
戦力的には有力実業団チーム並み。
だが、実業団の駅伝や選手権大会には出ない。
企業に所属するチームではなく、日本実業団陸上競技連合にも登録していない。
SWACは、川越学監督が昨春、全日本実業団対抗女子駅伝も制した
資生堂の監督を辞めて創設。
「限られた選手だけが走れる企業チームと違い、
意欲のある人ならレベルや実績を問わず誰でも走れる環境を作りたい」
という狙いのクラブチーム。
資生堂から嶋原ら4人の選手も一緒に移籍。
スポンサー探しや、市民ランナーの会員を募って指導するなどの
苦労もしながら競技を続ける。
企業チームの多くは会社の意向で、社名の露出が多い実業団駅伝で
好成績を出すことを重視。
川越監督は、「企業が恵まれた環境を提供してくれるのは、
実業団駅伝があるからこそ」と、駅伝重視のチームのあり方に意義。
だが、異なる方向を目指すSWACは、駅伝へのこだわりがない。
実業団への登録も考えなかった。
「駅伝に出なくていいなら、実業団登録の必要性も感じない。
日本陸連への登録だけで出場できる大会はいくらでもある」。
嶋原や加納もこの1年は、北京五輪を目指し、
以前なら駅伝向けの練習をしていた時期に、マラソンに向けた練習に専念。
世界選手権女子一万メートルに出場した絹川愛=宮城・仙台育英高=は、
今春からミズノに進む。
室伏広治や末続慎吾ら一般種目の有力選手が多いチームだが、
長距離選手は初めて。
実業団入り後も、絹川の指導を担う渡辺高夫・仙台育英高監督は
「駅伝にとらわれず、個人のレースや練習に集中できる。
世界で戦うためにはその方がいい」と進路選択の一因を説明。
従来の実業団長距離のあり方とは異なるスタイルで勝負。
http://mainichi.jp/enta/sports/21century/news/20080223ddm035050168000c.html
女子長距離の強豪チームの一つに、セカンドウィンドAC(SWAC)がある。
昨年の世界選手権大阪大会女子マラソンで6位の嶋原清子、
昨年の北海道マラソンを制した加納由理ら実力者がそろい、
戦力的には有力実業団チーム並み。
だが、実業団の駅伝や選手権大会には出ない。
企業に所属するチームではなく、日本実業団陸上競技連合にも登録していない。
SWACは、川越学監督が昨春、全日本実業団対抗女子駅伝も制した
資生堂の監督を辞めて創設。
「限られた選手だけが走れる企業チームと違い、
意欲のある人ならレベルや実績を問わず誰でも走れる環境を作りたい」
という狙いのクラブチーム。
資生堂から嶋原ら4人の選手も一緒に移籍。
スポンサー探しや、市民ランナーの会員を募って指導するなどの
苦労もしながら競技を続ける。
企業チームの多くは会社の意向で、社名の露出が多い実業団駅伝で
好成績を出すことを重視。
川越監督は、「企業が恵まれた環境を提供してくれるのは、
実業団駅伝があるからこそ」と、駅伝重視のチームのあり方に意義。
だが、異なる方向を目指すSWACは、駅伝へのこだわりがない。
実業団への登録も考えなかった。
「駅伝に出なくていいなら、実業団登録の必要性も感じない。
日本陸連への登録だけで出場できる大会はいくらでもある」。
嶋原や加納もこの1年は、北京五輪を目指し、
以前なら駅伝向けの練習をしていた時期に、マラソンに向けた練習に専念。
世界選手権女子一万メートルに出場した絹川愛=宮城・仙台育英高=は、
今春からミズノに進む。
室伏広治や末続慎吾ら一般種目の有力選手が多いチームだが、
長距離選手は初めて。
実業団入り後も、絹川の指導を担う渡辺高夫・仙台育英高監督は
「駅伝にとらわれず、個人のレースや練習に集中できる。
世界で戦うためにはその方がいい」と進路選択の一因を説明。
従来の実業団長距離のあり方とは異なるスタイルで勝負。
http://mainichi.jp/enta/sports/21century/news/20080223ddm035050168000c.html
HOPEミーティング:ノーベル賞受賞者と若手研究者が交流--茨城・つくば
(毎日 3月2日)
アジア・太平洋地域から選ばれた大学院生とノーベル賞受賞者らが
語り合う第1回「HOPEミーティング」が、つくば市で開かれた。
アジアの科学技術発展のため、若手研究者を育成することが狙い。
中国、インド、韓国など13カ国から博士後期課程の81人が参加。
江崎玲於奈博士は、「アジアの大学もレベルが上がってきた。
今後は科学技術振興のために、相互交流や協力が必要。
この会合はその枠組みになる。科学のスピリットを学んでほしい」。
HOPEミーティングは、講演だけでなく、講師を含んだグループ討論や
施設見学などを5日間にわたり行うことが特徴。
アラン・ヒーガー博士は、「研究とは、発見と創造性の組み合わせ。
私は、この点を若い研究者に伝えたい」。
白川英樹博士は、「いろんな人に出会い、話をすることが大切。
科学は細分化されてきたが、このままではやっていけない。
自分の専門以外に何があり、自分がどこにいるのかを知る必要がある。
この会合が、そういう場になってほしい」。
ノーベル賞受賞者が、若手研究者に接する試みは例がない。
ハインリッヒ・ローラー博士は、「若い人は自分が学びたいことを学ぶべき。
ここではいくつかのアイデアを提供する。
そこから何を学ぶかは若手研究者次第。
学ぶために、まず学ぶことが必要だといえる」。
ヒーガー博士は、「若手に学んでもらいたいことは、
科学はリスクに満たされているということ。
論文を書くことは、これが正しいと理解したと世界に示すことでもある。
新しいことをやるにはリスクが伴い、リスクをとることは科学を楽しむこと」。
アジアの科学技術レベルについて江崎博士は、
「科学者は二つに分かれる。リーダーとフォロワー。
日本は忠実で立派なフォロワーだが、このままでは限界。
リスクをとるのがリーダーで、
本当のリーダーとなるようなアジアの研究者をつくりたい」。
ロバート・ラフリン博士は、「科学技術において、
欧米とアジアの競争力の差はすでにない。
違いがあるとすれば、経済的な支援。
研究者に対する報奨金などが欧米では充実している」。
==============
◇江崎玲於奈
1925年生まれ。半導体におけるトンネル効果の実験的発見により、
73年ノーベル物理学賞。茨城県科学技術振興財団理事長
◇白川英樹
1936年生まれ。導電性プラスチックの発見と開発により、
00年ノーベル化学賞。筑波大名誉教授
◇アラン・ヒーガー
1936年生まれ。導電性プラスチックの発見と開発により、
00年ノーベル化学賞。米カリフォルニア大教授
◇ロバート・ラフリン
1950年生まれ。量子流体の理論解明により、
98年ノーベル物理学賞。米スタンフォード大教授
◇ハインリッヒ・ローラー
1933年生まれ。走査型トンネル電子顕微鏡の開発により、
86年ノーベル物理学賞。元IBMチューリヒ研究所フェロー(スイス)
http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2008/03/02/20080302ddm016040090000c.html
アジア・太平洋地域から選ばれた大学院生とノーベル賞受賞者らが
語り合う第1回「HOPEミーティング」が、つくば市で開かれた。
アジアの科学技術発展のため、若手研究者を育成することが狙い。
中国、インド、韓国など13カ国から博士後期課程の81人が参加。
江崎玲於奈博士は、「アジアの大学もレベルが上がってきた。
今後は科学技術振興のために、相互交流や協力が必要。
この会合はその枠組みになる。科学のスピリットを学んでほしい」。
HOPEミーティングは、講演だけでなく、講師を含んだグループ討論や
施設見学などを5日間にわたり行うことが特徴。
アラン・ヒーガー博士は、「研究とは、発見と創造性の組み合わせ。
私は、この点を若い研究者に伝えたい」。
白川英樹博士は、「いろんな人に出会い、話をすることが大切。
科学は細分化されてきたが、このままではやっていけない。
自分の専門以外に何があり、自分がどこにいるのかを知る必要がある。
この会合が、そういう場になってほしい」。
ノーベル賞受賞者が、若手研究者に接する試みは例がない。
ハインリッヒ・ローラー博士は、「若い人は自分が学びたいことを学ぶべき。
ここではいくつかのアイデアを提供する。
そこから何を学ぶかは若手研究者次第。
学ぶために、まず学ぶことが必要だといえる」。
ヒーガー博士は、「若手に学んでもらいたいことは、
科学はリスクに満たされているということ。
論文を書くことは、これが正しいと理解したと世界に示すことでもある。
新しいことをやるにはリスクが伴い、リスクをとることは科学を楽しむこと」。
アジアの科学技術レベルについて江崎博士は、
「科学者は二つに分かれる。リーダーとフォロワー。
日本は忠実で立派なフォロワーだが、このままでは限界。
リスクをとるのがリーダーで、
本当のリーダーとなるようなアジアの研究者をつくりたい」。
ロバート・ラフリン博士は、「科学技術において、
欧米とアジアの競争力の差はすでにない。
違いがあるとすれば、経済的な支援。
研究者に対する報奨金などが欧米では充実している」。
==============
◇江崎玲於奈
1925年生まれ。半導体におけるトンネル効果の実験的発見により、
73年ノーベル物理学賞。茨城県科学技術振興財団理事長
◇白川英樹
1936年生まれ。導電性プラスチックの発見と開発により、
00年ノーベル化学賞。筑波大名誉教授
◇アラン・ヒーガー
1936年生まれ。導電性プラスチックの発見と開発により、
00年ノーベル化学賞。米カリフォルニア大教授
◇ロバート・ラフリン
1950年生まれ。量子流体の理論解明により、
98年ノーベル物理学賞。米スタンフォード大教授
◇ハインリッヒ・ローラー
1933年生まれ。走査型トンネル電子顕微鏡の開発により、
86年ノーベル物理学賞。元IBMチューリヒ研究所フェロー(スイス)
http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2008/03/02/20080302ddm016040090000c.html
2008年3月8日土曜日
たんぱく質「ペリオスチン」:研究最前線 心筋を修復し、がん増殖を抑制?
(毎日 3月2日)
日本人研究者が発見し、骨の再生に関係すると考えられてきた
たんぱく質「ペリオスチン」。
急性心筋梗塞後の心筋の修復に重要な役割を果たしている。
がんの増殖抑制にもかかわっているとみられ、注目。
ペリオスチンは99年、東京工業大の工藤明教授(細胞生物学)が発見。
重力や荷重による刺激を受けると、骨を再生する仕組みで、
重要な役割を果たすと考えられているたんぱく質。
工藤教授らのチームは、ヒトのペリオスチン抗体を作成。
東京大医学部病理学教室と共同でヒトの病理組織を網羅的に調べ、
ヒトやマウスの心筋梗塞を起こした組織にも
ペリオスチンが作られていることを見つけた。
国内の急性心筋梗塞発症数は年間約15万人、
約3割が死亡していると推定。
心筋梗塞を起こした組織が、どのように修復されるかはなぞ。
研究チームは、ペリオスチンが体内で作られないように
遺伝子操作したマウスで、冠動脈を結び人工的に心筋梗塞を起こさせた。
その結果、心破裂を起こして91匹中62匹(約68%)が死んだ。
普通のマウスで死んだのは、80匹中25匹(約31%)、30ポイント以上の差。
梗塞を起こした部位を詳細に調べたところ、
ペリオスチン欠如マウスは心筋細胞修復に重要なコラーゲンを作る
線維芽細胞の数が少ない。
ペリオスチンを作る遺伝子を欠如マウスに入れると、
心破裂率が普通のマウスとほぼ同じ割合にまで低下。
「急性心筋梗塞後の心筋修復のメカニズムを知ることで、
新しい治療法の開発につながる可能性がある」。
ペリオスチンをめぐる研究は、米国を中心に競争が激しい。
心筋細胞は、線維芽細胞が分化してできるが、
心臓の再生医療の第一人者、米ハーバード大ボストン小児病院の
マーク・キーティング教授のチームは、ラットの心筋細胞に
ペリオスチンをふりかけ、心筋細胞が増えることを確認、
「ネイチャー・メディシン」に掲載。
米シンシナティ大小児病院のジェフェリー・モルケンティン教授らも、
ペリオスチン欠如マウスで心破裂が起きやすくなることを発見。
「サーキュレーション・リサーチ」が成果を掲載。
ペリオスチンと心臓には深い関係がある。
ペリオスチンは、がんの増殖抑制にも関与。
工藤教授のチームが、ペリオスチン欠如マウスにがん細胞を移植、
普通のマウスと比べ、がん細胞が大量に増殖。
ペリオスチンがあると、がんが正常細胞を圧迫する時の刺激で、
線維芽細胞が被膜を作るため、がんの成長を抑制。
ペリオスチンは、筋肉に加わる物理的な力に応じて生じるたんぱく質。
歯と骨の間にある歯根膜などで多く発現。
工藤教授らは、ペリオスチン欠如マウスを詳細に観察。
マウスの切歯は、短くなると再生して元の長さまで伸びるが、
ペリオスチン欠如によって歯根膜がうまく形成できず、切歯が再生できない。
骨の再生メカニズムとの関係は、人間の長期宇宙滞在の可能性や
寝たきり状態の改善などから注目。
慶応大の須田年生教授(幹細胞生物学)は、
「重力など機械的な刺激が少ないと、人間は骨量が減り、骨が細い。
ペリオスチンは、骨の再生に関係している可能性が大きく、
ペリオスチン研究による骨の再生メカニズムの解明が、
こうした課題の克服に役立つと考えられる」。
http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2008/03/02/20080302ddm016040088000c.html
日本人研究者が発見し、骨の再生に関係すると考えられてきた
たんぱく質「ペリオスチン」。
急性心筋梗塞後の心筋の修復に重要な役割を果たしている。
がんの増殖抑制にもかかわっているとみられ、注目。
ペリオスチンは99年、東京工業大の工藤明教授(細胞生物学)が発見。
重力や荷重による刺激を受けると、骨を再生する仕組みで、
重要な役割を果たすと考えられているたんぱく質。
工藤教授らのチームは、ヒトのペリオスチン抗体を作成。
東京大医学部病理学教室と共同でヒトの病理組織を網羅的に調べ、
ヒトやマウスの心筋梗塞を起こした組織にも
ペリオスチンが作られていることを見つけた。
国内の急性心筋梗塞発症数は年間約15万人、
約3割が死亡していると推定。
心筋梗塞を起こした組織が、どのように修復されるかはなぞ。
研究チームは、ペリオスチンが体内で作られないように
遺伝子操作したマウスで、冠動脈を結び人工的に心筋梗塞を起こさせた。
その結果、心破裂を起こして91匹中62匹(約68%)が死んだ。
普通のマウスで死んだのは、80匹中25匹(約31%)、30ポイント以上の差。
梗塞を起こした部位を詳細に調べたところ、
ペリオスチン欠如マウスは心筋細胞修復に重要なコラーゲンを作る
線維芽細胞の数が少ない。
ペリオスチンを作る遺伝子を欠如マウスに入れると、
心破裂率が普通のマウスとほぼ同じ割合にまで低下。
「急性心筋梗塞後の心筋修復のメカニズムを知ることで、
新しい治療法の開発につながる可能性がある」。
ペリオスチンをめぐる研究は、米国を中心に競争が激しい。
心筋細胞は、線維芽細胞が分化してできるが、
心臓の再生医療の第一人者、米ハーバード大ボストン小児病院の
マーク・キーティング教授のチームは、ラットの心筋細胞に
ペリオスチンをふりかけ、心筋細胞が増えることを確認、
「ネイチャー・メディシン」に掲載。
米シンシナティ大小児病院のジェフェリー・モルケンティン教授らも、
ペリオスチン欠如マウスで心破裂が起きやすくなることを発見。
「サーキュレーション・リサーチ」が成果を掲載。
ペリオスチンと心臓には深い関係がある。
ペリオスチンは、がんの増殖抑制にも関与。
工藤教授のチームが、ペリオスチン欠如マウスにがん細胞を移植、
普通のマウスと比べ、がん細胞が大量に増殖。
ペリオスチンがあると、がんが正常細胞を圧迫する時の刺激で、
線維芽細胞が被膜を作るため、がんの成長を抑制。
ペリオスチンは、筋肉に加わる物理的な力に応じて生じるたんぱく質。
歯と骨の間にある歯根膜などで多く発現。
工藤教授らは、ペリオスチン欠如マウスを詳細に観察。
マウスの切歯は、短くなると再生して元の長さまで伸びるが、
ペリオスチン欠如によって歯根膜がうまく形成できず、切歯が再生できない。
骨の再生メカニズムとの関係は、人間の長期宇宙滞在の可能性や
寝たきり状態の改善などから注目。
慶応大の須田年生教授(幹細胞生物学)は、
「重力など機械的な刺激が少ないと、人間は骨量が減り、骨が細い。
ペリオスチンは、骨の再生に関係している可能性が大きく、
ペリオスチン研究による骨の再生メカニズムの解明が、
こうした課題の克服に役立つと考えられる」。
http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2008/03/02/20080302ddm016040088000c.html
暖かな破局:第3部・削減を阻むもの/1(その2止) バイオ燃料で規格争い
(毎日 3月4日)
政府は、国内排出量取引に向けてかじを切った。
福田首相の政治決断だが、
政治がいまだに省庁の対立を抑え込めない。
温暖化対策の現場にも、縦割り行政の弊害が影を落としている。
「うちは、悪いことは何にもしてへん。国の事業に協力しただけ」
大阪府大東市のガソリンスタンド、村川商会野崎給油所で、
所長の村川悠治さん(67)がため息。
店は、国内大手ブランドの看板を掲げていたが、
昨年10月に下ろさざるを得なくなった。
温暖化対策として、ガソリンに3%のバイオエタノールを直接混ぜる
「E3ガソリン」の取り扱いを始めたため。
京都議定書では、バイオエタノールは温室効果ガスの排出がゼロ。
環境省は、E3を試験的に販売する実証事業を始めた。
村川商会は、6カ所ある協力店舗の一つ。
ところが、石油元売り大手で構成する石油連盟は、
バイオエタノールを加工した液体燃料「ETBE」を混ぜた
別方式のガソリンの販売を始めた。
「直接混合は、自動車部品を腐食させる恐れがある」、
E3販売店には、ガソリン供給やブランド名の使用を拒んでいる。
村川さんの店も、大手以外からのガソリン調達を余儀なくされ、
大手ブランド名のカード会員も失った。
環境省は、「E3を使ってもエンジンに影響はない」と言うが、
石油連盟を所管する経済産業省は、
「規格は市場が決める。経産省の役割ではない」と、仲裁を拒否。
沖縄県宮古島市は、特産のサトウキビからバイオエタノールを作って
島内利用のガソリンに直接混合する「バイオエタノール・アイランド構想」。
小泉純一郎元首相の音頭で始まり、国がエタノール生産設備に補助金。
しかし、石油連盟はここでも協力を拒んでいる。
小泉元首相は先月、現地を視察し
「抵抗があろうと押しのけてやらないとだめだ」と小泉節で批判したが、
石油連盟は「抵抗勢力」のまま。
政府の京都議定書目標達成計画は、石油換算で年50万キロリットルの
バイオ燃料を調達する目標を掲げるが、石油連盟が確保する
21万キロリットル相当のETBEしか導入のめどは立っていない。
議定書が採択された97年から10年余り。
日本は、環境税や国内排出量取引導入を巡って環境、経産両省が対立、
具体的施策が遅々として進まなかった。
施策を導入済みの欧州に比べ、温暖化対策で大幅に後れをとった結果、
06年度に国内で排出された温室効果ガスは90年度比6・4%増。
日本は5年間、年平均の排出量を同6%減らさないといけないが、
達成は厳しい状況。
両省は、排出量取引についても、既に主導権争いを始めている。
いずれも、独自の検討会や研究会を設け、
北海道洞爺湖サミットまでに方向性をまとめる方針。
両省は、「検討会にあっちの省は呼ばない。首相を支えるのは我々だ」と、
ライバル意識をむき出しに。
省益ではなく、国益をどう確保するのか。
政治の主導権が、いまこそ問われている。
http://mainichi.jp/select/science/news/20080304ddm002040006000c.html
政府は、国内排出量取引に向けてかじを切った。
福田首相の政治決断だが、
政治がいまだに省庁の対立を抑え込めない。
温暖化対策の現場にも、縦割り行政の弊害が影を落としている。
「うちは、悪いことは何にもしてへん。国の事業に協力しただけ」
大阪府大東市のガソリンスタンド、村川商会野崎給油所で、
所長の村川悠治さん(67)がため息。
店は、国内大手ブランドの看板を掲げていたが、
昨年10月に下ろさざるを得なくなった。
温暖化対策として、ガソリンに3%のバイオエタノールを直接混ぜる
「E3ガソリン」の取り扱いを始めたため。
京都議定書では、バイオエタノールは温室効果ガスの排出がゼロ。
環境省は、E3を試験的に販売する実証事業を始めた。
村川商会は、6カ所ある協力店舗の一つ。
ところが、石油元売り大手で構成する石油連盟は、
バイオエタノールを加工した液体燃料「ETBE」を混ぜた
別方式のガソリンの販売を始めた。
「直接混合は、自動車部品を腐食させる恐れがある」、
E3販売店には、ガソリン供給やブランド名の使用を拒んでいる。
村川さんの店も、大手以外からのガソリン調達を余儀なくされ、
大手ブランド名のカード会員も失った。
環境省は、「E3を使ってもエンジンに影響はない」と言うが、
石油連盟を所管する経済産業省は、
「規格は市場が決める。経産省の役割ではない」と、仲裁を拒否。
沖縄県宮古島市は、特産のサトウキビからバイオエタノールを作って
島内利用のガソリンに直接混合する「バイオエタノール・アイランド構想」。
小泉純一郎元首相の音頭で始まり、国がエタノール生産設備に補助金。
しかし、石油連盟はここでも協力を拒んでいる。
小泉元首相は先月、現地を視察し
「抵抗があろうと押しのけてやらないとだめだ」と小泉節で批判したが、
石油連盟は「抵抗勢力」のまま。
政府の京都議定書目標達成計画は、石油換算で年50万キロリットルの
バイオ燃料を調達する目標を掲げるが、石油連盟が確保する
21万キロリットル相当のETBEしか導入のめどは立っていない。
議定書が採択された97年から10年余り。
日本は、環境税や国内排出量取引導入を巡って環境、経産両省が対立、
具体的施策が遅々として進まなかった。
施策を導入済みの欧州に比べ、温暖化対策で大幅に後れをとった結果、
06年度に国内で排出された温室効果ガスは90年度比6・4%増。
日本は5年間、年平均の排出量を同6%減らさないといけないが、
達成は厳しい状況。
両省は、排出量取引についても、既に主導権争いを始めている。
いずれも、独自の検討会や研究会を設け、
北海道洞爺湖サミットまでに方向性をまとめる方針。
両省は、「検討会にあっちの省は呼ばない。首相を支えるのは我々だ」と、
ライバル意識をむき出しに。
省益ではなく、国益をどう確保するのか。
政治の主導権が、いまこそ問われている。
http://mainichi.jp/select/science/news/20080304ddm002040006000c.html
2008年3月7日金曜日
輝く…「心の病」抱えた若者たち 自らの心境、曲に乗せ 音楽ライブ
(毎日 2008年3月2日)
うつ病、統合失調症、パニック障害、PTSD(心的外傷後ストレス障害)。
「心の病」を抱えた若者たちが所属する新潟市の芸能プロダクション
「K-BOX」の音楽ライブが人気。
バンド演奏や弾き語りを披露しながら、自分の病状もわかりやすく紹介。
ライブ会場は毎回、独特の雰囲気に包まれる。
ひきこもりの心境やカウンセラーの言葉を、曲に乗せて歌う若者たち。
うつ症状で現れた妄想の世界も、そのまま表現すれば一つの「作品」。
主宰は、イラストレーターの男性、Kacco(カッコ)さん(40)。
絵をきっかけに、5年間のひきこもり生活から脱した経験を持ち、
「自分のような若者の自立を助けたい」と04年にプロダクション設立。
「心の病」を持つ約20人が所属、音楽、イラスト、詩などを提供。
月例ライブを始めて1年。
外出もままならない「病」ゆえ、
はじめはステージを「ドタキャン」するメンバーも多かった。
だが、回を重ねるうちに、ライブという目標に向けて
体調を自己管理できるように。
自信をつけ、アルバイトを始めた人も。
「ステージに立って、人の視線に対する怖さが薄れた」というのは、
高校まで不登校だったうつ病の歌手、Wattan(ワッタン)さん(28)。
うつ病でギター弾きのコウキさん(29)は、
「同じ境遇の仲間は大切。一人は楽だけど、新しい発見が少ないとわかった」。
常連客も増えた。
2度目という会社員の女性(35)は、
「病気でなくても自己表現は難しいのに、みんな一生懸命ですごい。刺激になる」。
Kaccoさんは、「誰でも心の病気になる可能性はある。
ライブをきっかけに偏見がなくなれば」と願う。
「輝いてアン・エンジェル、厚い殻を脱ぎすて、見守ってアン・エンジェル、
肩の力抜いてよ、ひとりぼっちじゃ苦しいだけだよ--」
金髪に大きな目が印象的な女性、Kuu(クー)さん(28)。
作詞した歌をステージで披露する堂々とした姿からは想像できないが、
今もうつ病などと向き合いながら生活。
14歳の時、いじめや転校をきっかけに心身症と診断。
思ったことを言葉や行動に表せず、体中が腫れあがる。
「おばけ」とからかわれた。
親が病気を認めたがらず、高卒後は別居してひきこもった。
薬を「ラムネ菓子のように食べる」日々。
摂食障害で、体重は36-66キロを行き来した。
睡眠薬を大量に飲んでアパートの2階から飛び降りたことも。
2年前、入院先で知り合ったKaccoさんに誘われ「K-BOX」を訪ねた。
「自分のような病人が何人もいる場所は初めてで驚いた」。
人に伝えられなかった思いを詩にしたら、メンバーが歌にしてくれた。
マイクを通して声を響かせながら、「やっと自分を表現できた」。
音楽を支えに、生活が変わりつつある。
体調を崩せば歌えないため、我慢しながら食べ物の摂取量を調整。
週1~2回のレッスンと通院時には、外出できるようになった。
ライブ後はストレスで1週間動けなくなるが、
「うつ病は焦っても仕方がない」と受け入れている。
「プロでなくても、歌を歌って食べていきたい」と目標。
先月、次のライブ会場となるNEXT21に下見に行った。
近くに住んでいながら、実に10年ぶり。
同世代の若者が行き交う雑踏に足がすくんだが、すぐ自分に言い聞かせた。
「これも新しい一歩。私は、一歩進んだ病人になるんだ」
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=68743
うつ病、統合失調症、パニック障害、PTSD(心的外傷後ストレス障害)。
「心の病」を抱えた若者たちが所属する新潟市の芸能プロダクション
「K-BOX」の音楽ライブが人気。
バンド演奏や弾き語りを披露しながら、自分の病状もわかりやすく紹介。
ライブ会場は毎回、独特の雰囲気に包まれる。
ひきこもりの心境やカウンセラーの言葉を、曲に乗せて歌う若者たち。
うつ症状で現れた妄想の世界も、そのまま表現すれば一つの「作品」。
主宰は、イラストレーターの男性、Kacco(カッコ)さん(40)。
絵をきっかけに、5年間のひきこもり生活から脱した経験を持ち、
「自分のような若者の自立を助けたい」と04年にプロダクション設立。
「心の病」を持つ約20人が所属、音楽、イラスト、詩などを提供。
月例ライブを始めて1年。
外出もままならない「病」ゆえ、
はじめはステージを「ドタキャン」するメンバーも多かった。
だが、回を重ねるうちに、ライブという目標に向けて
体調を自己管理できるように。
自信をつけ、アルバイトを始めた人も。
「ステージに立って、人の視線に対する怖さが薄れた」というのは、
高校まで不登校だったうつ病の歌手、Wattan(ワッタン)さん(28)。
うつ病でギター弾きのコウキさん(29)は、
「同じ境遇の仲間は大切。一人は楽だけど、新しい発見が少ないとわかった」。
常連客も増えた。
2度目という会社員の女性(35)は、
「病気でなくても自己表現は難しいのに、みんな一生懸命ですごい。刺激になる」。
Kaccoさんは、「誰でも心の病気になる可能性はある。
ライブをきっかけに偏見がなくなれば」と願う。
「輝いてアン・エンジェル、厚い殻を脱ぎすて、見守ってアン・エンジェル、
肩の力抜いてよ、ひとりぼっちじゃ苦しいだけだよ--」
金髪に大きな目が印象的な女性、Kuu(クー)さん(28)。
作詞した歌をステージで披露する堂々とした姿からは想像できないが、
今もうつ病などと向き合いながら生活。
14歳の時、いじめや転校をきっかけに心身症と診断。
思ったことを言葉や行動に表せず、体中が腫れあがる。
「おばけ」とからかわれた。
親が病気を認めたがらず、高卒後は別居してひきこもった。
薬を「ラムネ菓子のように食べる」日々。
摂食障害で、体重は36-66キロを行き来した。
睡眠薬を大量に飲んでアパートの2階から飛び降りたことも。
2年前、入院先で知り合ったKaccoさんに誘われ「K-BOX」を訪ねた。
「自分のような病人が何人もいる場所は初めてで驚いた」。
人に伝えられなかった思いを詩にしたら、メンバーが歌にしてくれた。
マイクを通して声を響かせながら、「やっと自分を表現できた」。
音楽を支えに、生活が変わりつつある。
体調を崩せば歌えないため、我慢しながら食べ物の摂取量を調整。
週1~2回のレッスンと通院時には、外出できるようになった。
ライブ後はストレスで1週間動けなくなるが、
「うつ病は焦っても仕方がない」と受け入れている。
「プロでなくても、歌を歌って食べていきたい」と目標。
先月、次のライブ会場となるNEXT21に下見に行った。
近くに住んでいながら、実に10年ぶり。
同世代の若者が行き交う雑踏に足がすくんだが、すぐ自分に言い聞かせた。
「これも新しい一歩。私は、一歩進んだ病人になるんだ」
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=68743
記憶力の低下に勝てる明るい見込み
(WebMD 2月20日)
70歳以降の重度の記憶力低下を避けられる可能性は、
あなたが考えているよりも高いかもしれない。
ミシガン大学、アナーバーVAヘルスシステムの内科准教授
Kenneth Langaは、「これは高齢化するベビーブーム世代にとって朗報」。
Langa博士のグループは、介護施設や他の施設に入所していない
米国の70歳以上の人々における認知障害について研究。
認知障害を、軽度の記憶力低下ではなく認知症において認められるものと
同程度の記憶力低下と定義。
約7,400人が1993年に記憶力の検査を受け、
約7,100人が2002年に同じ検査を受けた。
「1993年に70歳以上であった人の認知機能低下のリスクは、
2002年の同じ年齢群の人のリスクよりも高かった」
なぜ、後の世代の方が重度の記憶力低下が発現する可能性が
低かったのかは示していない。
しかしLanga博士のグループは、
「人々が顕著な認知障害または認知症になるリスクが低下したのには、
いくつかの理由がある。
2つのコホートを比較すると教育レベルが有意に上昇、
高血圧や高コレステロールのような心臓血管リスクの治療が改善」
より多くの教育がなされることが、脳を鋭敏な状態に保つのに役立ち、
心臓の健康につながることは脳にとって良いこと。
その他の因子も脳の健康に影響するが、すべての因子に関するデータを
もっていたわけではなかった。
知見は、すべて個人のリスクに関するもの。
たとえ個人のリスクが低下しても、アルツハイマー病や他の認知症の症例は
増加するだろうと予測。
約8,000万人のベビーブーム世代が今後8~10年で70歳に達し、
人口の高齢化に伴って、「たとえ[個人の]リスクが低下しても、
アルツハイマー病および認知症の人々の数は大幅に増加するだろう」。
個人のリスクは、従来よりも低下したかもしれないが、人の数が増えれば、
最終的には患者の数も増える結果に。
昨年、アルツハイマー病の患者が2050年までに3倍に増加すると予測。
Langa博士は、介護施設の入所者における認知障害に関して更なる研究が必要。
『Alzheimer's & Dementia』のオンライン版に掲載。
Langa, K. Alzheimer's & Dementia, Feb. 20, 2008; online edition.
Kenneth Langa, MD, PhD, associate professor of medicine, University of Michigan and Ann Arbor VA Health System.
WebMD Medical News: "Alzheimer's Hits 5.1 Million Americans."
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=SPECIALTY&categoryId=580&articleLang=ja&articleId=68166
70歳以降の重度の記憶力低下を避けられる可能性は、
あなたが考えているよりも高いかもしれない。
ミシガン大学、アナーバーVAヘルスシステムの内科准教授
Kenneth Langaは、「これは高齢化するベビーブーム世代にとって朗報」。
Langa博士のグループは、介護施設や他の施設に入所していない
米国の70歳以上の人々における認知障害について研究。
認知障害を、軽度の記憶力低下ではなく認知症において認められるものと
同程度の記憶力低下と定義。
約7,400人が1993年に記憶力の検査を受け、
約7,100人が2002年に同じ検査を受けた。
「1993年に70歳以上であった人の認知機能低下のリスクは、
2002年の同じ年齢群の人のリスクよりも高かった」
なぜ、後の世代の方が重度の記憶力低下が発現する可能性が
低かったのかは示していない。
しかしLanga博士のグループは、
「人々が顕著な認知障害または認知症になるリスクが低下したのには、
いくつかの理由がある。
2つのコホートを比較すると教育レベルが有意に上昇、
高血圧や高コレステロールのような心臓血管リスクの治療が改善」
より多くの教育がなされることが、脳を鋭敏な状態に保つのに役立ち、
心臓の健康につながることは脳にとって良いこと。
その他の因子も脳の健康に影響するが、すべての因子に関するデータを
もっていたわけではなかった。
知見は、すべて個人のリスクに関するもの。
たとえ個人のリスクが低下しても、アルツハイマー病や他の認知症の症例は
増加するだろうと予測。
約8,000万人のベビーブーム世代が今後8~10年で70歳に達し、
人口の高齢化に伴って、「たとえ[個人の]リスクが低下しても、
アルツハイマー病および認知症の人々の数は大幅に増加するだろう」。
個人のリスクは、従来よりも低下したかもしれないが、人の数が増えれば、
最終的には患者の数も増える結果に。
昨年、アルツハイマー病の患者が2050年までに3倍に増加すると予測。
Langa博士は、介護施設の入所者における認知障害に関して更なる研究が必要。
『Alzheimer's & Dementia』のオンライン版に掲載。
Langa, K. Alzheimer's & Dementia, Feb. 20, 2008; online edition.
Kenneth Langa, MD, PhD, associate professor of medicine, University of Michigan and Ann Arbor VA Health System.
WebMD Medical News: "Alzheimer's Hits 5.1 Million Americans."
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=SPECIALTY&categoryId=580&articleLang=ja&articleId=68166
2008年3月6日木曜日
暖かな破局:第3部・削減を阻むもの/1(その1) 排出量取引、導入検討
(毎日新聞 2008年3月4日)
政府は、国内排出量取引の導入検討を表明。
地球温暖化対策の一環で、
活動が規制されると導入に反対する経済界を押し切った。
なぜ急転したのか?
「北海道洞爺湖サミットでは、サブプライムローンとか議題があるが、
日本が主導権を取れるのはクライメットチェンジ(気候変動)。
総量(削減)目標を避けるつもりがないことを、きちんと言おう」
1月、福田康夫首相は外務、環境、経済産業各省の温暖化問題担当局長を
集めた席で、自ら筆を入れた草稿を示し、断を下した。
世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)での首相演説の内容。
5日前の関係閣僚会議は激論に。
鴨下一郎環境相は、「総量目標を掲げないと意味がない」と主張。
甘利明経産相は、「米国との関係がおかしくなる」と反対、「数量目標」に。
たった1文字違いだが、内容は天地の開き。
総量なら、排出に上限がかかり、排出量取引などの対策が必要。
数量なら、エネルギー効率などの数字が入ればよく、削減を意味しない。
福田首相の決断の背景には、地球温暖化防止バリ会議での日本批判がある。
米国などに配慮し総量目標に反対したが、
途上国などは「温暖化防止の抵抗勢力」と反発、
政府内に「日本は孤立する。サミットの成功は危うい」との懸念。
サミットに政権浮揚をかける首相は、「総量」を受け入れざるを得ない。
環境対策に熱心なトヨタ自動車相談役の奥田碩・日本経団連前会長を
内閣特別顧問に任命、「新日鉄と東京電力対策」(外務省幹部)に。
鉄鋼と電力は、日本の2大排出源。
奥田氏の働きかけもあり、両社の社長は
政府の地球温暖化問題に関する有識者会議に入った。
奥田氏は、御手洗冨士夫・経団連会長にも
「現段階で政府の選択肢を縛るのは控えるべき」。
御手洗氏も、「排出量取引反対」から「検討価値あり」に変わり、
会員企業をあわてさせた。
今回は、政治主導で経産省・経団連連合を抑えたように見える福田首相。
しかし、まだまだ、抵抗勢力の壁は厚い。
==============
◇排出量取引
温室効果ガスを削減するため、国や企業に排出枠をあらかじめ割り当て、
過不足分をやり取りする制度。
京都議定書は、国同士の取引制度を定めている。
欧州連合(EU)は、域内の企業に排出枠を設定する独自の取引制度を開始。
排出権取引とも呼ばれ、温室効果ガスの排出枠は権利ではないとの理由で、
日本政府は「排出量」ということばを使用。
http://mainichi.jp/select/science/news/20080304ddm001040013000c.html
政府は、国内排出量取引の導入検討を表明。
地球温暖化対策の一環で、
活動が規制されると導入に反対する経済界を押し切った。
なぜ急転したのか?
「北海道洞爺湖サミットでは、サブプライムローンとか議題があるが、
日本が主導権を取れるのはクライメットチェンジ(気候変動)。
総量(削減)目標を避けるつもりがないことを、きちんと言おう」
1月、福田康夫首相は外務、環境、経済産業各省の温暖化問題担当局長を
集めた席で、自ら筆を入れた草稿を示し、断を下した。
世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)での首相演説の内容。
5日前の関係閣僚会議は激論に。
鴨下一郎環境相は、「総量目標を掲げないと意味がない」と主張。
甘利明経産相は、「米国との関係がおかしくなる」と反対、「数量目標」に。
たった1文字違いだが、内容は天地の開き。
総量なら、排出に上限がかかり、排出量取引などの対策が必要。
数量なら、エネルギー効率などの数字が入ればよく、削減を意味しない。
福田首相の決断の背景には、地球温暖化防止バリ会議での日本批判がある。
米国などに配慮し総量目標に反対したが、
途上国などは「温暖化防止の抵抗勢力」と反発、
政府内に「日本は孤立する。サミットの成功は危うい」との懸念。
サミットに政権浮揚をかける首相は、「総量」を受け入れざるを得ない。
環境対策に熱心なトヨタ自動車相談役の奥田碩・日本経団連前会長を
内閣特別顧問に任命、「新日鉄と東京電力対策」(外務省幹部)に。
鉄鋼と電力は、日本の2大排出源。
奥田氏の働きかけもあり、両社の社長は
政府の地球温暖化問題に関する有識者会議に入った。
奥田氏は、御手洗冨士夫・経団連会長にも
「現段階で政府の選択肢を縛るのは控えるべき」。
御手洗氏も、「排出量取引反対」から「検討価値あり」に変わり、
会員企業をあわてさせた。
今回は、政治主導で経産省・経団連連合を抑えたように見える福田首相。
しかし、まだまだ、抵抗勢力の壁は厚い。
==============
◇排出量取引
温室効果ガスを削減するため、国や企業に排出枠をあらかじめ割り当て、
過不足分をやり取りする制度。
京都議定書は、国同士の取引制度を定めている。
欧州連合(EU)は、域内の企業に排出枠を設定する独自の取引制度を開始。
排出権取引とも呼ばれ、温室効果ガスの排出枠は権利ではないとの理由で、
日本政府は「排出量」ということばを使用。
http://mainichi.jp/select/science/news/20080304ddm001040013000c.html
夜行性・昼行性など活動リズム、脳内ホルモンが関与
(読売 3月2日)
動物の一日の活動リズムを、新発見の脳ホルモンが調節する仕組みを、
早稲田大の筒井和義教授(脳科学)らのグループが突き止めた。
夜行性といった動物の生態を解き明かす成果として注目。
筒井教授らは、動物の動きを活発にするホルモンをイモリの脳から発見。
ウズラの脳でも見つけた。
ウズラは昼行性で、明るくなると動きだし、暗くなると休む。
ホルモンの脳内の量を調べると、日中は増加し、夜には減少。
オスは、メスと比べて活発に活動するが、オスの方がメスよりたくさん分泌。
夜に分泌され、眠りを促すホルモンのメラトニンが、
このホルモンの合成を抑制。
「脳内ホルモンのメカニズムは、動物の生態に深くかかわっていることが明らか」。
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20080302-OYT1T00038.htm
動物の一日の活動リズムを、新発見の脳ホルモンが調節する仕組みを、
早稲田大の筒井和義教授(脳科学)らのグループが突き止めた。
夜行性といった動物の生態を解き明かす成果として注目。
筒井教授らは、動物の動きを活発にするホルモンをイモリの脳から発見。
ウズラの脳でも見つけた。
ウズラは昼行性で、明るくなると動きだし、暗くなると休む。
ホルモンの脳内の量を調べると、日中は増加し、夜には減少。
オスは、メスと比べて活発に活動するが、オスの方がメスよりたくさん分泌。
夜に分泌され、眠りを促すホルモンのメラトニンが、
このホルモンの合成を抑制。
「脳内ホルモンのメカニズムは、動物の生態に深くかかわっていることが明らか」。
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20080302-OYT1T00038.htm
2008年3月5日水曜日
ナノ素材、健康に悪影響?厚労省が指標・安全対策を検討
(読売新聞 2008年3月3日)
厚生労働省は、ナノテクノロジーで製造した炭素材料などが
人体の健康に与える影響について、検討を始めた。
1ナノ・メートル(10億分の1メートル)程度の細かい材料を扱う
工場の勤務者や周辺住民、消費者が、吸い込んだ場合の危険性を
判断する指標や安全対策について、結果をまとめたい。
検討対象は、酸化チタンなど「ナノマテリアル」と呼ばれる物質。
医薬品や化粧品、塗料などの素材として使用。
動物実験では、肺や脳に悪影響を与えると指摘される一方、
明確な科学的根拠はないとされていた。
だが、深刻なアスベスト問題の表面化などを受け、
厚労省は、予防的な観点から工場でナノ素材を浴びない
安全策を取るよう都道府県に通知。
最新の研究論文などを基に具体的な対策を議論。
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20080303-OYT1T00586.htm
厚生労働省は、ナノテクノロジーで製造した炭素材料などが
人体の健康に与える影響について、検討を始めた。
1ナノ・メートル(10億分の1メートル)程度の細かい材料を扱う
工場の勤務者や周辺住民、消費者が、吸い込んだ場合の危険性を
判断する指標や安全対策について、結果をまとめたい。
検討対象は、酸化チタンなど「ナノマテリアル」と呼ばれる物質。
医薬品や化粧品、塗料などの素材として使用。
動物実験では、肺や脳に悪影響を与えると指摘される一方、
明確な科学的根拠はないとされていた。
だが、深刻なアスベスト問題の表面化などを受け、
厚労省は、予防的な観点から工場でナノ素材を浴びない
安全策を取るよう都道府県に通知。
最新の研究論文などを基に具体的な対策を議論。
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20080303-OYT1T00586.htm
バイオテクノロジーの特異性
(サイエンスポータル 2008年3月3日)
井村裕夫氏(科学技術振興機構 研究開発戦略センター)の
インタビュー記事「急を要する臨床研究開発体制の改革」を読んで、
薬の開発が恐ろしく手間も金もかかることにあらためて驚く人は多い。
中村桂子・JT生命誌研究館館長の書評もまた衝撃的。
「サイエンス・ビジネスの挑戦-バイオ産業の失敗の本質を検証する」
(ゲイリー・p・ピサノ著、日経BP社)。
著者はハーバード・ビジネススクール教授。
「バイオテクノロジーというサイエンスのビジネスは、
利益を上げられず、新薬開発を通じた科学への貢献という意味でも
際だった生産性を示していない」。
「アメリカでのバイオテクノロジー上場企業の売上高は、90年頃から上昇、
350億ドルになっているが、利益が見られるのは3社のみ、
全体としては利益ゼロ、マイナスの会社も少なくない。
長期間利益を上げない産業は他に例がない」。
なぜ、製薬研究開発が簡単に利益に結びつかないのか?
「一つは、深刻な不確実性がありリスクが著しく高いこと、
もう一つは、プロセスが『すりあわせ(インテグラル)型』である」
の2つの特異性による。
それぞれ部品を独立して設計しても困らない普通の工業製品と異なり、
「医薬品が入り込む人体は、部品間の相互依存性が高く、
全体としてのすりあわせが不可欠」という大きな違い。
では、バイオテクノロジーの産業化に効果的な戦略はないのか。
ピサノ教授は、「基礎科学への投資」、
「寡占にせず多くの人に研究させ、横断的研究を助成」
「トランスレーショナル・リサーチの必要」。
中村氏は、ピサノ教授の提言を「気が抜けるほど真っ当な提案」と評し、
日本の現状に懸念を表している。
「米国でさえこれだとすると、戦略も分析もなしに集中と選択とイノベーションを
謳っていてどうなるのだろうと心配に」
http://scienceportal.jp/news/review/0803/0803031.html
井村裕夫氏(科学技術振興機構 研究開発戦略センター)の
インタビュー記事「急を要する臨床研究開発体制の改革」を読んで、
薬の開発が恐ろしく手間も金もかかることにあらためて驚く人は多い。
中村桂子・JT生命誌研究館館長の書評もまた衝撃的。
「サイエンス・ビジネスの挑戦-バイオ産業の失敗の本質を検証する」
(ゲイリー・p・ピサノ著、日経BP社)。
著者はハーバード・ビジネススクール教授。
「バイオテクノロジーというサイエンスのビジネスは、
利益を上げられず、新薬開発を通じた科学への貢献という意味でも
際だった生産性を示していない」。
「アメリカでのバイオテクノロジー上場企業の売上高は、90年頃から上昇、
350億ドルになっているが、利益が見られるのは3社のみ、
全体としては利益ゼロ、マイナスの会社も少なくない。
長期間利益を上げない産業は他に例がない」。
なぜ、製薬研究開発が簡単に利益に結びつかないのか?
「一つは、深刻な不確実性がありリスクが著しく高いこと、
もう一つは、プロセスが『すりあわせ(インテグラル)型』である」
の2つの特異性による。
それぞれ部品を独立して設計しても困らない普通の工業製品と異なり、
「医薬品が入り込む人体は、部品間の相互依存性が高く、
全体としてのすりあわせが不可欠」という大きな違い。
では、バイオテクノロジーの産業化に効果的な戦略はないのか。
ピサノ教授は、「基礎科学への投資」、
「寡占にせず多くの人に研究させ、横断的研究を助成」
「トランスレーショナル・リサーチの必要」。
中村氏は、ピサノ教授の提言を「気が抜けるほど真っ当な提案」と評し、
日本の現状に懸念を表している。
「米国でさえこれだとすると、戦略も分析もなしに集中と選択とイノベーションを
謳っていてどうなるのだろうと心配に」
http://scienceportal.jp/news/review/0803/0803031.html
2008年3月4日火曜日
研究評価に日本学術会議の果たす役割は
(サイエンスポータル 2008年2月29日)
日本学術会議の「研究評価の在り方検討委員会」が、
「我が国における研究評価の現状とその在り方について」で、
第三者評価の必要を提言。
「科学研究費補助金のうち、申請金額が少額な研究課題については、
採択審査で専門家によるピアレビューが厳密になされている。
しかし、特定領域研究、特別推進研究の種目では、異分野の研究課題を、
審査委員会で評価するため、その領域の専門家がいない場合もあり、
研究内容の評価を十分に行うことは困難。
基盤研究(S)や(A)の高額な研究課題は、費用対効果を考慮しつつ、
ヒヤリングなどの詳細な評価が行われるように改善が求められている」
少額の研究では、専門分野の研究者の厳しい評価が行われ、
大きな研究課題ほど、中立的な評価(第三者評価)とは言いがたい。
「重要な研究課題や研究施策は、政策評価法に基づいて評価が実施され、
各府省による自己評価により評価が行われる」。
「外部評価者の選出は、評価対象となる研究課題や施策を推進する立場の
各府省や資金配分機関によって行われている」。
「第三者評価」は、「評価者の選出や評価方法の決定を被評価者以外の
独立した組織が行う」のでなければならない。
立派な人を並べても、施策推進の府省や機関が選んだ人で構成される以上、
推進側の意向に左右されない「第三者評価」委員会とはみなされない。
2000年に改組・設立された大学評価・学位授与機構は、
大学を対象とする第三者評価機関と認めている。
総合科学技術会議は、「第三者評価」機関とは見ていない。
総合科学技術会議が扱っている重要な研究課題や施策について、
推進する府省から独立し、中立的な第三者評価が実施できる体制が必要。
米国では、政府から独立した科学者団体であるナショナルアカデミーズ
(米科学アカデミー、米工学アカデミーで構成)が、
RANDやSRIインターナショナルといった民間調査機関とともに、
研究課題や施策に対する第三者評価機関としての役割を果たしている。
日本学術会議は、どういう役割を果たすべきか。
http://scienceportal.jp/news/review/0802/0802291.html
日本学術会議の「研究評価の在り方検討委員会」が、
「我が国における研究評価の現状とその在り方について」で、
第三者評価の必要を提言。
「科学研究費補助金のうち、申請金額が少額な研究課題については、
採択審査で専門家によるピアレビューが厳密になされている。
しかし、特定領域研究、特別推進研究の種目では、異分野の研究課題を、
審査委員会で評価するため、その領域の専門家がいない場合もあり、
研究内容の評価を十分に行うことは困難。
基盤研究(S)や(A)の高額な研究課題は、費用対効果を考慮しつつ、
ヒヤリングなどの詳細な評価が行われるように改善が求められている」
少額の研究では、専門分野の研究者の厳しい評価が行われ、
大きな研究課題ほど、中立的な評価(第三者評価)とは言いがたい。
「重要な研究課題や研究施策は、政策評価法に基づいて評価が実施され、
各府省による自己評価により評価が行われる」。
「外部評価者の選出は、評価対象となる研究課題や施策を推進する立場の
各府省や資金配分機関によって行われている」。
「第三者評価」は、「評価者の選出や評価方法の決定を被評価者以外の
独立した組織が行う」のでなければならない。
立派な人を並べても、施策推進の府省や機関が選んだ人で構成される以上、
推進側の意向に左右されない「第三者評価」委員会とはみなされない。
2000年に改組・設立された大学評価・学位授与機構は、
大学を対象とする第三者評価機関と認めている。
総合科学技術会議は、「第三者評価」機関とは見ていない。
総合科学技術会議が扱っている重要な研究課題や施策について、
推進する府省から独立し、中立的な第三者評価が実施できる体制が必要。
米国では、政府から独立した科学者団体であるナショナルアカデミーズ
(米科学アカデミー、米工学アカデミーで構成)が、
RANDやSRIインターナショナルといった民間調査機関とともに、
研究課題や施策に対する第三者評価機関としての役割を果たしている。
日本学術会議は、どういう役割を果たすべきか。
http://scienceportal.jp/news/review/0802/0802291.html
インクジェットプリンター技術による人工骨のカスタムメイド造形を実用化
(nature Asia-Pacific)
東京大学大学院工学系研究科バイオエンジニアリング専攻 鄭雄一教授
骨折や事故で骨を損傷したとき、骨腫瘍の治療で骨を切除したとき、
先天的な骨形成不全や口蓋裂など、骨の欠損部分に骨移植が行われる。
骨移植に使う骨には、自分の骨の一部を削って使う自家骨、
亡くなった人の骨を使う他家骨、人工骨があり、
いずれも外科医が欠損部の形に合わせて手で削って成形するのが一般的。
東京大学の鄭雄一教授は、東大病院ティッシュ・エンジニアリング部、
東大農学部、理化学研究所、医療機器開発型ベンチャー、材料メーカー、
造形ソフトのメーカー等とコンソーシアムを組み、
代表的な人工骨材料であるリン酸三カルシウムを使い、
インクジェットプリンターを用いて、患者の骨の欠損部にぴったりと合う
カスタムメイド人工骨の成形技術を開発。
これは、インクジェット方式の三次元積層造形法で、
①X線CT(X線コンピューター断層撮影)で、患者の骨の欠損部を撮影
②画像を三次元CAD(computer aided design)に取り込み、
スライスデータに変換
③貯蔵槽・造形槽にリン酸三カルシウムの微粒子を入れ、インクヘッドに
硬化液を入れた三次元インクジェットプリンターにスライスデータを入力
④貯蔵槽からローラーで造形槽に薄く引いたリン酸三カルシウム微粒子の層に、
インクヘッドノズルから硬化液を吹き付けて、リン酸三カルシウムを
再結晶化させることを繰り返し、人工骨を成形。
自由な形状の、数cmから数十cmの厚みの人工骨が数時間でできあがる。
人工骨は、形状が患部に極めて良く一致するので、
切削等による調整やワイヤー等による骨の固定も不要で、
手術時間が短縮できるというメリット。
ある程度の強度があって焼結の必要がなく、吸収置換性に優れている。
自分の骨とスムーズに置き換わるように、
細胞や血管の侵入を促すための孔隙を設計できる。
06~07年に行った10例の臨床研究では、患者は順調に回復し、
重篤な副作用は見られなかったため、
11施設で70名の患者に対し、近々治験を開始する予定。
ヨーロッパとカナダでも、臨床応用を開始する計画。
「顔面を中心とした非荷重部位での利用に注力し、
将来的には手足や体幹などの荷重部位への使用を検討したい。
高機能化するため、望みの位置に血管誘導因子や骨再生誘導因子などを
プリントして、自分の骨との置換性を高める方法も研究中」。
リン酸三カルシウムを、微小テトラポッド型に加工した材料も開発。
幅1mm弱のテトラポッドは、集積時に骨細胞や血管の侵入にぴったりの
100~300μmのすき間ができ、骨再生が速く進む。
シリンジに充填して注入でき、歯槽骨の再生などに使えそう。
「焼結する温度や表面処理の方法が決まり、
2009年に日本とヨーロッパで治験を始めたい」(鄭教授)。
形とサイズが一定であり、将来的に表面に薬剤を搭載させることで、
DDS(drug delivery system)の材料となる可能性も。
骨移植のうち、人工骨が占める割合は、
日本約30%、ヨーロッパ約15~20%、アメリカ約10%。
人工骨の形状、強度、生体適合性、吸収置換性、操作性がよくなれば、
汚染や遺体取引の問題が残る他家骨、
自分の体を傷つける自家骨移植からの移行が大きく進む。
バイオマテリアルは、材料の生体適合性や強度の研究が進んでいるが、
「患者に合う形、最も効果が高まる形に成形する技術も応用には欠かせない。
3次元造形技術は、バイオマテリアルの今後の展開の重要な鍵に」。
糖類を手術後の癒着防止に使うプロジェクトも、
東大病院産婦人科、東大農学部、医療機器開発型ベンチャー、
材料メーカー、製薬メーカー等との共同研究で進行。
手術で傷ついた部分をカバーする多糖類のゲルバリアーと、
手術中の露出による乾燥や酸化を防ぐ二糖類の分子バリアーを
組合せて使うもので、産婦人科領域での臨床研究を始める計画。
バイオマテリアルの材料や造形、使用法の開発は、
医療の進展に欠かせない。
鄭教授らの治験や臨床研究の今後に注目。
http://www.natureasia.com/japan/tokushu/detail.php?id=82
東京大学大学院工学系研究科バイオエンジニアリング専攻 鄭雄一教授
骨折や事故で骨を損傷したとき、骨腫瘍の治療で骨を切除したとき、
先天的な骨形成不全や口蓋裂など、骨の欠損部分に骨移植が行われる。
骨移植に使う骨には、自分の骨の一部を削って使う自家骨、
亡くなった人の骨を使う他家骨、人工骨があり、
いずれも外科医が欠損部の形に合わせて手で削って成形するのが一般的。
東京大学の鄭雄一教授は、東大病院ティッシュ・エンジニアリング部、
東大農学部、理化学研究所、医療機器開発型ベンチャー、材料メーカー、
造形ソフトのメーカー等とコンソーシアムを組み、
代表的な人工骨材料であるリン酸三カルシウムを使い、
インクジェットプリンターを用いて、患者の骨の欠損部にぴったりと合う
カスタムメイド人工骨の成形技術を開発。
これは、インクジェット方式の三次元積層造形法で、
①X線CT(X線コンピューター断層撮影)で、患者の骨の欠損部を撮影
②画像を三次元CAD(computer aided design)に取り込み、
スライスデータに変換
③貯蔵槽・造形槽にリン酸三カルシウムの微粒子を入れ、インクヘッドに
硬化液を入れた三次元インクジェットプリンターにスライスデータを入力
④貯蔵槽からローラーで造形槽に薄く引いたリン酸三カルシウム微粒子の層に、
インクヘッドノズルから硬化液を吹き付けて、リン酸三カルシウムを
再結晶化させることを繰り返し、人工骨を成形。
自由な形状の、数cmから数十cmの厚みの人工骨が数時間でできあがる。
人工骨は、形状が患部に極めて良く一致するので、
切削等による調整やワイヤー等による骨の固定も不要で、
手術時間が短縮できるというメリット。
ある程度の強度があって焼結の必要がなく、吸収置換性に優れている。
自分の骨とスムーズに置き換わるように、
細胞や血管の侵入を促すための孔隙を設計できる。
06~07年に行った10例の臨床研究では、患者は順調に回復し、
重篤な副作用は見られなかったため、
11施設で70名の患者に対し、近々治験を開始する予定。
ヨーロッパとカナダでも、臨床応用を開始する計画。
「顔面を中心とした非荷重部位での利用に注力し、
将来的には手足や体幹などの荷重部位への使用を検討したい。
高機能化するため、望みの位置に血管誘導因子や骨再生誘導因子などを
プリントして、自分の骨との置換性を高める方法も研究中」。
リン酸三カルシウムを、微小テトラポッド型に加工した材料も開発。
幅1mm弱のテトラポッドは、集積時に骨細胞や血管の侵入にぴったりの
100~300μmのすき間ができ、骨再生が速く進む。
シリンジに充填して注入でき、歯槽骨の再生などに使えそう。
「焼結する温度や表面処理の方法が決まり、
2009年に日本とヨーロッパで治験を始めたい」(鄭教授)。
形とサイズが一定であり、将来的に表面に薬剤を搭載させることで、
DDS(drug delivery system)の材料となる可能性も。
骨移植のうち、人工骨が占める割合は、
日本約30%、ヨーロッパ約15~20%、アメリカ約10%。
人工骨の形状、強度、生体適合性、吸収置換性、操作性がよくなれば、
汚染や遺体取引の問題が残る他家骨、
自分の体を傷つける自家骨移植からの移行が大きく進む。
バイオマテリアルは、材料の生体適合性や強度の研究が進んでいるが、
「患者に合う形、最も効果が高まる形に成形する技術も応用には欠かせない。
3次元造形技術は、バイオマテリアルの今後の展開の重要な鍵に」。
糖類を手術後の癒着防止に使うプロジェクトも、
東大病院産婦人科、東大農学部、医療機器開発型ベンチャー、
材料メーカー、製薬メーカー等との共同研究で進行。
手術で傷ついた部分をカバーする多糖類のゲルバリアーと、
手術中の露出による乾燥や酸化を防ぐ二糖類の分子バリアーを
組合せて使うもので、産婦人科領域での臨床研究を始める計画。
バイオマテリアルの材料や造形、使用法の開発は、
医療の進展に欠かせない。
鄭教授らの治験や臨床研究の今後に注目。
http://www.natureasia.com/japan/tokushu/detail.php?id=82
2008年3月3日月曜日
科学者はどこまで社会にかかわるべきか
(サイエンスポータル、2月25日)
NPO法人サイエンス・コミュニケーションの発行するメールマガジン
「SciCom News」巻頭論説で、春日匠氏が、1848年に設立された
米国の非営利団体AAAS(全米科学振興協会)が果たしてきた
役割について書いている。
春日氏は、「科学技術コミュニケーション」に関する日米の違いについて、
「ノンアカデミック・キャリアを選ぼうとした瞬間に、
指導教官から、『じゃあ博士号はいらないね』と言われたり、
指導がいい加減になるというのはよく聞く話。
自分の分野を理解し、博士号を持った議員、弁護士、ジャーナリストが
活躍することが、自分の研究分野にどれだけエンパワーメントになるかを
考えれば、そういう可能性を自分から封じてしまうのは馬鹿げている」
日本の科学者たちが閉鎖的であることの例として挙げている。
米国の科学者・団体は、なぜ社会的なつながりを重視しているのか?
春日氏の主張の紹介。
「アメリカでは、宗教右派が政界に影響力を持ち、
学問の自由に対して抑圧的であると見なされている。
科学者たちは、常に学問の社会的意義を問い直し、表明する必要性。
特に、進化論は宗教右派と科学者の抗争の最前線であり、
AAASでも大きな議論が交わされていた」、
「人権や社会的利益を追求することの見返りが存在している側面も。
アフリカの問題などは、世界最大の非営利財団である
ビル・メリンダ・ゲイツ財団が積極的に支援。
第三世界の健康問題には大きな予算がつく。
研究開発費が、(企業による営利活動以外は)国費に限られ、
研究費の分配も政府による戦略的な配分か、割り当てられた予算を
科学者たちで分配する科研費に限られている日本では考えられない」
米国と日本の科学者では、モチベーションが異なるので、
「科学コミュニケーション」などといっても…、と話は続く。
「アメリカでは、ジャーナリストや政治家、法律家、慈善事業家たちを
科学のシンパにしなければいけないというモチベーションが働くのに対し、
日本では研究費にアクセスする権利を持った同業者たち以外のものを
議論に参加させまいという力が働くのでは?」
昔に比べ、社会に向けて発言するのを嫌がらない科学者たちも増えてきた。
そんな感想を、年配のジャーナリストたちは抱いているのでは。
いや、いまのような生ぬるい個別の活動では駄目。
「若手の自然科学者に資金を提供して、
政策フェローとしてワシントンの各組織に送り込む」。
日本の科学者団体が積極的な活動を展開する時代が、
日本にもいつか来るだろうか。
http://scienceportal.jp/news/review/0802/0802251.html
NPO法人サイエンス・コミュニケーションの発行するメールマガジン
「SciCom News」巻頭論説で、春日匠氏が、1848年に設立された
米国の非営利団体AAAS(全米科学振興協会)が果たしてきた
役割について書いている。
春日氏は、「科学技術コミュニケーション」に関する日米の違いについて、
「ノンアカデミック・キャリアを選ぼうとした瞬間に、
指導教官から、『じゃあ博士号はいらないね』と言われたり、
指導がいい加減になるというのはよく聞く話。
自分の分野を理解し、博士号を持った議員、弁護士、ジャーナリストが
活躍することが、自分の研究分野にどれだけエンパワーメントになるかを
考えれば、そういう可能性を自分から封じてしまうのは馬鹿げている」
日本の科学者たちが閉鎖的であることの例として挙げている。
米国の科学者・団体は、なぜ社会的なつながりを重視しているのか?
春日氏の主張の紹介。
「アメリカでは、宗教右派が政界に影響力を持ち、
学問の自由に対して抑圧的であると見なされている。
科学者たちは、常に学問の社会的意義を問い直し、表明する必要性。
特に、進化論は宗教右派と科学者の抗争の最前線であり、
AAASでも大きな議論が交わされていた」、
「人権や社会的利益を追求することの見返りが存在している側面も。
アフリカの問題などは、世界最大の非営利財団である
ビル・メリンダ・ゲイツ財団が積極的に支援。
第三世界の健康問題には大きな予算がつく。
研究開発費が、(企業による営利活動以外は)国費に限られ、
研究費の分配も政府による戦略的な配分か、割り当てられた予算を
科学者たちで分配する科研費に限られている日本では考えられない」
米国と日本の科学者では、モチベーションが異なるので、
「科学コミュニケーション」などといっても…、と話は続く。
「アメリカでは、ジャーナリストや政治家、法律家、慈善事業家たちを
科学のシンパにしなければいけないというモチベーションが働くのに対し、
日本では研究費にアクセスする権利を持った同業者たち以外のものを
議論に参加させまいという力が働くのでは?」
昔に比べ、社会に向けて発言するのを嫌がらない科学者たちも増えてきた。
そんな感想を、年配のジャーナリストたちは抱いているのでは。
いや、いまのような生ぬるい個別の活動では駄目。
「若手の自然科学者に資金を提供して、
政策フェローとしてワシントンの各組織に送り込む」。
日本の科学者団体が積極的な活動を展開する時代が、
日本にもいつか来るだろうか。
http://scienceportal.jp/news/review/0802/0802251.html
2008年3月2日日曜日
酒は憂さ晴らしに逆効果 東大がラットで確認
(共同通信社 2008年2月29日)
憂さ晴らしに酒を飲んでもむしろ逆効果?
嫌なことを思い出した直後にアルコールを摂取すると、
かえってその記憶が強められることを、
松木則夫・東京大教授(薬理学)らが発表。
人の場合なら、嫌なことを忘れようと酒を飲んで一時的に楽しくなっても、
翌日には楽しいことを忘れ、嫌な記憶が強く残ることを示している。
「酒を飲まずに、嫌な記憶に楽しい記憶を上書きしてしまうのが良いのでは」
と"しらふの気分転換"を勧めている。
実験で、かごに入れたラットに電気ショックを与え、恐怖を学習させると、
かごに入れただけで、身をすくめて固まるようになる。
いったん固まった直後のラットに、飲酒相当のアルコールを注射。
その結果、注射しないラットと比べると、固まり続ける時間が長くなった。
その効果は2週間続き、記憶が強くなったと判断。
アルコールは記憶力を低下させるが、それは覚える段階だけで、
いったん覚えたものを思い出して記憶に固定していく段階では、
逆に記憶を強める効果があるらしい。
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=68611
憂さ晴らしに酒を飲んでもむしろ逆効果?
嫌なことを思い出した直後にアルコールを摂取すると、
かえってその記憶が強められることを、
松木則夫・東京大教授(薬理学)らが発表。
人の場合なら、嫌なことを忘れようと酒を飲んで一時的に楽しくなっても、
翌日には楽しいことを忘れ、嫌な記憶が強く残ることを示している。
「酒を飲まずに、嫌な記憶に楽しい記憶を上書きしてしまうのが良いのでは」
と"しらふの気分転換"を勧めている。
実験で、かごに入れたラットに電気ショックを与え、恐怖を学習させると、
かごに入れただけで、身をすくめて固まるようになる。
いったん固まった直後のラットに、飲酒相当のアルコールを注射。
その結果、注射しないラットと比べると、固まり続ける時間が長くなった。
その効果は2週間続き、記憶が強くなったと判断。
アルコールは記憶力を低下させるが、それは覚える段階だけで、
いったん覚えたものを思い出して記憶に固定していく段階では、
逆に記憶を強める効果があるらしい。
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=68611
大きく変わる認知症環境 超高齢社会を生きる
(毎日新聞 2008年2月24日)
認知症は、85歳まで生きれば4人に1人、
120歳まで生きれば全員が発症するといわれる。
超高齢社会にとって宿命の病気であり、その進展とともに、患者が急増。
認知症を取り巻く環境は大きく変わろうとしている。
患者のQOL(生活の質)に配慮した介護・医療ができる時代へ。
有効な予防法が模索され、根本的治療薬の開発を目指して
国家的プロジェクトもスタート。
高知市「菜の花診療所」の老年精神科医・真田順子さん、
北村ゆりさんから話をうかがった。
2人は、高知医科大学神経精神科で物忘れ外来を担当、
「大学病院は、患者にとってどうしても敷居が高い。
気軽に相談できる施設が必要」と、8年前に認知症外来クリニックを開設。
同診療所は、心療内科を掲げているが、
新患1000人強のうち、約40%が認知症で、年々増加傾向に。
内訳は、認知症の疑いがある人15%、軽度認知症40%、
中等度30%、高度10%。
北村さんは、「痴呆ではなく認知症という病名となり、
本人・家族ともに受診に抵抗がなくなった。
トラブルは年のせいではなく、病気にかかったためと考える患者が増えた」。
真田さんは、「介護保険の申請書には、認知症の有無を書かねばならず、
ケアマネジャーに受診を勧められ、認知症と診断される人も多い」。
以前は、認知症の患者がいることを隠したがる家族が多かったが、
最近では病気であることを話し、介護の協力を仰ぐケースが増えている。
受け入れをちゅうちょしていたデイケア施設なども抵抗がなくなった。
ケアワーカーも、認知症患者との接触の仕方を熟知している人が増えた。
認知症を取り巻く環境も、大きく変わりつつある。
認知症で最も多いアルツハイマー病の治療は、
症状の進行を年単位で抑える薬であるアリセプト(製品名・塩酸ドネペジル)
の登場で、新しい時代を迎えた。
「アルツハイマー病は、じわりじわりと進行、ある時点を境に、
一気に悪くなるといわれるが、早期に確定診断がついた場合、
アリセプトの服用で、ぐっと持ちこたえる患者が増えた。
患者の日常生活が、著しく改善された」
アルツハイマー病は、まだ完治できる疾患ではないが、早期発見、
早期治療によって、患者のQOLに配慮した医療・介護ができる時代に。
「菜の花診療所」で、認知症患者のうち、高知市とその周辺に住む患者は
1~2カ月に1回通院し、身体の動きや皮膚の変化などのチェックを受ける。
これから起こるであろうことへの対応策を家族とともに学ぶ。
認知症の治療・看護は、進行がんに似ている。
進行がん治療は、がんを克服するのではなく、上手にがんと共存して
患者のQOLを高めることに主眼が置かれる。
認知症も、病気と折り合いをつけ、患者の尊厳を維持するための支援が
広く行われるようになった。
しかし、認知症専門医不足は否めず、徘徊、抑うつ状態など、
周辺症状が十分コントロールできていない例も目立つ。
認知症の知識を十分もった介護スタッフが増えているが、
不眠、脱水症状などに対しては医療の介入が不可欠。
「かかりつけ医と専門医のネットワーク、医療と福祉の連携が
ますます大切になっている」。
末期になればなるほど、医療からの介入が必要。
認知症患者のための終末期医療の確立など、
解決しなければならない課題も山積。
アルツハイマー病研究は、発症を遅らせるのではなく、
βアミロイドの生成過程に着目した根本的治療薬の開発が進んでいる。
予防の研究で、筑波大学臨床医学系精神医学教授の朝田隆さんは、
茨城県利根町の高齢住民1052人を対象に、予防介入試験を行っている。
01年から5年にわたる試験では、エイコサペンタエン酸(EPA)や
ドコサヘキサエン酸(DHA)などのサプリメントの服用、早歩き、
サイクリングなどの有酸素運動、短時間の昼寝を取るなど睡眠の改善を
介入して行ったグループとしなかったグループで、
認知症の発症に差が出るかを観察。
その結果、介入群の認知症発症率は3・1%だったが、
非介入群では4・3%。
記憶、運動能力、うつ症状の改善などの点で、介入群が優れていた。
生活習慣病対策が、認知症対策にも有効であることが明らか。
厚生労働省と新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の
共同による国家的プロジェクト、J-ADNI
(Japanese-Alzheimer's Disease Neuroimaging Initiative)がスタート。
軽度認知機能障害(MCI)から初期アルツハイマー病への移行を示す
代替もしくは客観的マーカーを特定するために行う観察研究。
健常者(150人)、MCI(300人)、アルツハイマー病(150人)の3群に分け、
血液、脳脊髄液、磁気共鳴画像装置(MRI)や
陽電子放射断層撮影装置(PET)などのデータの変化を3年にわたって調べ、
発症時には、どのデータがどのように変化をするかを知って
診断基準を作ろうというもの。
J-ADNIの代表・東京大学大学院医学系研究科脳神経医学教授の
岩坪威さんは、「アルツハイマー病は、発症時には病理学的に進行し、
客観的指標がなければ治療薬の有効性評価は難しい」。
J-ADNIによって、アルツハイマー病の根本治療薬の開発が、
さらに活発化すると期待。
……………………………………………………………………………
◇介護通じて母と対話--女優・坪内ミキ子さん
介護は、終点が見えず、長期的視野でとらえられない。
途中で手を抜くと、それまでの苦労は水泡に帰してしまう。
だから無理をするということに。
介護をする側がつらいのはもちろんだが、される側も同様につらいことを
忘れないで、ゆとりを持って介護にあたること。
明治、大正、昭和、平成を生きた母は、宝塚歌劇団1期生の雲井浪子。
人一倍用心深く、娘には臆病にも見えるほど。
嫌いな牛乳を骨に良いからと飲み、外出時には私にしがみついて歩いていた。
そのおかげか、病気知らずの生活をしていた。
私が仕事で家を空けることが多く、「ゴッドマザー」の役割を担ってくれた。
その母が、96歳で転倒したことから、寝たきりに。
母は、絶望感から「攻撃」という形で抵抗したように思う。
あまりのつらさに「夜だけはオムツをして」と泣いて懇願すると、
「お願いだから、それだけはやめて」と涙で懇願された。
互いに相手の気持ちを思いやるゆとりはなく、
わが身のつらさだけをわからせようとわめき合った。
そんな時は、なりきり演技で息抜きをした。
病院の屋上にあがって介護者の役を、
例えば松坂慶子さんになったつもりで演じてみたりした。
退院をしてからは、仕事をやりくりし、
ヘルパーさんと役割分担を明確にして介護にあたった。
時間ができれば、日本画や書道の教室に通い、友人との小旅行にも出かけた。
102歳で母を見送ることができた。
母と共に闘った6年間は、今では、共に過ごした六十余年のどの時よりも密接に、
親密に母と対話していたように感じる。
介護を通して、「生老病死」について深く考えさせられた。
……………………………………………………………………………
◇家族が認知症に気づいた変化の発生頻度◇
1 同じことを何度も言ったり聞いたりする 45.7%
2 ものの名前が出てこなくなる 34.3%
3 置き忘れやしまい忘れが目立った 28.6%
4 時間や場所の感覚が不確かになった 22.9%
5 病院からもらった薬の管理ができない 14.3%
5 以前はあった関心や興味が失われた 14.3%
……………………………………………………………………………
※東京都福祉局:高齢者の生活実態及び健康に関する専門調査報告書より
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=68101
認知症は、85歳まで生きれば4人に1人、
120歳まで生きれば全員が発症するといわれる。
超高齢社会にとって宿命の病気であり、その進展とともに、患者が急増。
認知症を取り巻く環境は大きく変わろうとしている。
患者のQOL(生活の質)に配慮した介護・医療ができる時代へ。
有効な予防法が模索され、根本的治療薬の開発を目指して
国家的プロジェクトもスタート。
高知市「菜の花診療所」の老年精神科医・真田順子さん、
北村ゆりさんから話をうかがった。
2人は、高知医科大学神経精神科で物忘れ外来を担当、
「大学病院は、患者にとってどうしても敷居が高い。
気軽に相談できる施設が必要」と、8年前に認知症外来クリニックを開設。
同診療所は、心療内科を掲げているが、
新患1000人強のうち、約40%が認知症で、年々増加傾向に。
内訳は、認知症の疑いがある人15%、軽度認知症40%、
中等度30%、高度10%。
北村さんは、「痴呆ではなく認知症という病名となり、
本人・家族ともに受診に抵抗がなくなった。
トラブルは年のせいではなく、病気にかかったためと考える患者が増えた」。
真田さんは、「介護保険の申請書には、認知症の有無を書かねばならず、
ケアマネジャーに受診を勧められ、認知症と診断される人も多い」。
以前は、認知症の患者がいることを隠したがる家族が多かったが、
最近では病気であることを話し、介護の協力を仰ぐケースが増えている。
受け入れをちゅうちょしていたデイケア施設なども抵抗がなくなった。
ケアワーカーも、認知症患者との接触の仕方を熟知している人が増えた。
認知症を取り巻く環境も、大きく変わりつつある。
認知症で最も多いアルツハイマー病の治療は、
症状の進行を年単位で抑える薬であるアリセプト(製品名・塩酸ドネペジル)
の登場で、新しい時代を迎えた。
「アルツハイマー病は、じわりじわりと進行、ある時点を境に、
一気に悪くなるといわれるが、早期に確定診断がついた場合、
アリセプトの服用で、ぐっと持ちこたえる患者が増えた。
患者の日常生活が、著しく改善された」
アルツハイマー病は、まだ完治できる疾患ではないが、早期発見、
早期治療によって、患者のQOLに配慮した医療・介護ができる時代に。
「菜の花診療所」で、認知症患者のうち、高知市とその周辺に住む患者は
1~2カ月に1回通院し、身体の動きや皮膚の変化などのチェックを受ける。
これから起こるであろうことへの対応策を家族とともに学ぶ。
認知症の治療・看護は、進行がんに似ている。
進行がん治療は、がんを克服するのではなく、上手にがんと共存して
患者のQOLを高めることに主眼が置かれる。
認知症も、病気と折り合いをつけ、患者の尊厳を維持するための支援が
広く行われるようになった。
しかし、認知症専門医不足は否めず、徘徊、抑うつ状態など、
周辺症状が十分コントロールできていない例も目立つ。
認知症の知識を十分もった介護スタッフが増えているが、
不眠、脱水症状などに対しては医療の介入が不可欠。
「かかりつけ医と専門医のネットワーク、医療と福祉の連携が
ますます大切になっている」。
末期になればなるほど、医療からの介入が必要。
認知症患者のための終末期医療の確立など、
解決しなければならない課題も山積。
アルツハイマー病研究は、発症を遅らせるのではなく、
βアミロイドの生成過程に着目した根本的治療薬の開発が進んでいる。
予防の研究で、筑波大学臨床医学系精神医学教授の朝田隆さんは、
茨城県利根町の高齢住民1052人を対象に、予防介入試験を行っている。
01年から5年にわたる試験では、エイコサペンタエン酸(EPA)や
ドコサヘキサエン酸(DHA)などのサプリメントの服用、早歩き、
サイクリングなどの有酸素運動、短時間の昼寝を取るなど睡眠の改善を
介入して行ったグループとしなかったグループで、
認知症の発症に差が出るかを観察。
その結果、介入群の認知症発症率は3・1%だったが、
非介入群では4・3%。
記憶、運動能力、うつ症状の改善などの点で、介入群が優れていた。
生活習慣病対策が、認知症対策にも有効であることが明らか。
厚生労働省と新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の
共同による国家的プロジェクト、J-ADNI
(Japanese-Alzheimer's Disease Neuroimaging Initiative)がスタート。
軽度認知機能障害(MCI)から初期アルツハイマー病への移行を示す
代替もしくは客観的マーカーを特定するために行う観察研究。
健常者(150人)、MCI(300人)、アルツハイマー病(150人)の3群に分け、
血液、脳脊髄液、磁気共鳴画像装置(MRI)や
陽電子放射断層撮影装置(PET)などのデータの変化を3年にわたって調べ、
発症時には、どのデータがどのように変化をするかを知って
診断基準を作ろうというもの。
J-ADNIの代表・東京大学大学院医学系研究科脳神経医学教授の
岩坪威さんは、「アルツハイマー病は、発症時には病理学的に進行し、
客観的指標がなければ治療薬の有効性評価は難しい」。
J-ADNIによって、アルツハイマー病の根本治療薬の開発が、
さらに活発化すると期待。
……………………………………………………………………………
◇介護通じて母と対話--女優・坪内ミキ子さん
介護は、終点が見えず、長期的視野でとらえられない。
途中で手を抜くと、それまでの苦労は水泡に帰してしまう。
だから無理をするということに。
介護をする側がつらいのはもちろんだが、される側も同様につらいことを
忘れないで、ゆとりを持って介護にあたること。
明治、大正、昭和、平成を生きた母は、宝塚歌劇団1期生の雲井浪子。
人一倍用心深く、娘には臆病にも見えるほど。
嫌いな牛乳を骨に良いからと飲み、外出時には私にしがみついて歩いていた。
そのおかげか、病気知らずの生活をしていた。
私が仕事で家を空けることが多く、「ゴッドマザー」の役割を担ってくれた。
その母が、96歳で転倒したことから、寝たきりに。
母は、絶望感から「攻撃」という形で抵抗したように思う。
あまりのつらさに「夜だけはオムツをして」と泣いて懇願すると、
「お願いだから、それだけはやめて」と涙で懇願された。
互いに相手の気持ちを思いやるゆとりはなく、
わが身のつらさだけをわからせようとわめき合った。
そんな時は、なりきり演技で息抜きをした。
病院の屋上にあがって介護者の役を、
例えば松坂慶子さんになったつもりで演じてみたりした。
退院をしてからは、仕事をやりくりし、
ヘルパーさんと役割分担を明確にして介護にあたった。
時間ができれば、日本画や書道の教室に通い、友人との小旅行にも出かけた。
102歳で母を見送ることができた。
母と共に闘った6年間は、今では、共に過ごした六十余年のどの時よりも密接に、
親密に母と対話していたように感じる。
介護を通して、「生老病死」について深く考えさせられた。
……………………………………………………………………………
◇家族が認知症に気づいた変化の発生頻度◇
1 同じことを何度も言ったり聞いたりする 45.7%
2 ものの名前が出てこなくなる 34.3%
3 置き忘れやしまい忘れが目立った 28.6%
4 時間や場所の感覚が不確かになった 22.9%
5 病院からもらった薬の管理ができない 14.3%
5 以前はあった関心や興味が失われた 14.3%
……………………………………………………………………………
※東京都福祉局:高齢者の生活実態及び健康に関する専門調査報告書より
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=68101
2008年3月1日土曜日
アトピー、ぜんそく、花粉症…症状軽減に期待 LGG菌
(毎日新聞 2008年2月23日)
春先のこの季節、多くの人が悩まされるのが花粉症。
アトピー性皮膚炎で悩む子どもたちも多い。
国民病ともいえるアレルギー症状の軽減に今、
ヨーグルトに含まれる乳酸菌の一つ、LGG菌が注目。
まず、乳酸菌について基本的な知識をおさらいしておこう。
乳酸菌とは、乳酸を作る細菌の総称。
ヨーグルトやチーズ、しょうゆ、みその製造に欠かせない。
有名なのがビフィズス菌。
人の腸内を整えて、腸内の腐敗を防ぎ、おなかに優しい有用菌(善玉菌)。
約100兆個にも上る腸内細菌は善玉菌と、大腸菌などの悪玉菌に大別。
高脂肪の食生活を続けたり、ストレスが過度になると、
悪玉菌が増え腸内の老化が進む。
健康には、腸内環境をいかによい状態に保つかが、ポイント。
最近は「プロバイオティクス」という言葉もよく使われる。
生きたまま腸に届いて健康に良い働きをする微生物で、
一部の乳酸菌もプロバイオティクス。
乳酸菌の一つであるLGG菌が、アトピー性皮膚炎に効果がある可能性を
示す研究報告が、01年春に発表。
医学雑誌「ランセット」に掲載された論文は、世界の研究者の間で注目。
研究を主導したのが、ツルク大学(フィンランド)の
セポ・サルミネン教授(食品化学)、エリカ・イソラウリ教授(小児科)。
アトピー性皮膚炎の症状のある妊産婦132人に、
出産予定日2~4週間前から出産後半年間にわたってLGG菌と偽薬を投与。
その結果、生まれてきた子どものアトピー性皮膚炎の発症率は、
LGG菌を取った妊産婦の方が偽薬と比較し約半分と低くなった。
4歳の時点でも、LGG菌投与群ではアトピー性皮膚炎の発症頻度が低く、
7歳時点でも、アトピー性皮膚炎発症の総合リスクの低減が観察。
サルミネン教授は、「LGG菌の研究は、
アレルギー症状を対象にしたのではなく、赤ちゃんの下痢予防が出発点」。
アトピーに対するLGG菌の予防効果のメカニズムは、完全には未解明だが、
「LGG菌によって腸内のバリアー機能が強くなり、
アレルギーの原因となるアレルゲンが体内に吸収されにくくなることが証明」。
LGG菌とは、そもそもどのようなものなのだろうか?
1985年、タフツ大(米国)ゴルディン教授、ゴルバッハ教授が
人の腸内からLGG菌を発見。
フィンランドの会社が事業化し、
世界40カ国以上でヨーグルトや乳酸菌飲料として商品化。
特徴は、1)胃酸や胆汁酸に強く、生きたまま腸に届く、
2)腸管への粘着性が高い、
3)腸内の善玉菌を増やし、悪玉菌を減らすなど。
サルミネン教授らがさらに着目しているのが、花粉症に対する予防効果。
アレルギー体質は遺伝するといわれ、体の各器官でアレルギー反応が
連鎖していくのではないかと考えられている。
アトピー性皮膚炎だった子どもが気管支ぜんそくになり、
さらに成長すると花粉症を発症、「アレルギーマーチ」と呼ばれている。
母親の腸内細菌が子どもの腸内細菌に大きな影響を与え、
妊娠した母親の腸内環境が良好だと、子どもがアレルギー体質を
受け継がない可能性が高い。
サルミネン教授らは、アトピー性皮膚炎の研究で対象になった子どもを
さらに追跡調査することで、ぜんそく、花粉症予防についても
LGG菌が効果があるかを究明していく予定。
サルミネン教授は、「フルーツジュースにLGG菌を入れて毎日飲んでいる」。
普段の食生活で大切なのは、LGG菌を継続して取ること。
フィンランドでは、ジュースやチーズ、牛乳の中にLGG菌を入れている。
「車の整備と同じように、腸内環境を常に良い状態に保つため、
できるだけ毎日摂取してください」とアドバイス。
特に、風邪をひいて抗生物質を投与された時や、
環境が大きく変わる海外旅行時などは積極的に取ることを勧めている。
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=68080
春先のこの季節、多くの人が悩まされるのが花粉症。
アトピー性皮膚炎で悩む子どもたちも多い。
国民病ともいえるアレルギー症状の軽減に今、
ヨーグルトに含まれる乳酸菌の一つ、LGG菌が注目。
まず、乳酸菌について基本的な知識をおさらいしておこう。
乳酸菌とは、乳酸を作る細菌の総称。
ヨーグルトやチーズ、しょうゆ、みその製造に欠かせない。
有名なのがビフィズス菌。
人の腸内を整えて、腸内の腐敗を防ぎ、おなかに優しい有用菌(善玉菌)。
約100兆個にも上る腸内細菌は善玉菌と、大腸菌などの悪玉菌に大別。
高脂肪の食生活を続けたり、ストレスが過度になると、
悪玉菌が増え腸内の老化が進む。
健康には、腸内環境をいかによい状態に保つかが、ポイント。
最近は「プロバイオティクス」という言葉もよく使われる。
生きたまま腸に届いて健康に良い働きをする微生物で、
一部の乳酸菌もプロバイオティクス。
乳酸菌の一つであるLGG菌が、アトピー性皮膚炎に効果がある可能性を
示す研究報告が、01年春に発表。
医学雑誌「ランセット」に掲載された論文は、世界の研究者の間で注目。
研究を主導したのが、ツルク大学(フィンランド)の
セポ・サルミネン教授(食品化学)、エリカ・イソラウリ教授(小児科)。
アトピー性皮膚炎の症状のある妊産婦132人に、
出産予定日2~4週間前から出産後半年間にわたってLGG菌と偽薬を投与。
その結果、生まれてきた子どものアトピー性皮膚炎の発症率は、
LGG菌を取った妊産婦の方が偽薬と比較し約半分と低くなった。
4歳の時点でも、LGG菌投与群ではアトピー性皮膚炎の発症頻度が低く、
7歳時点でも、アトピー性皮膚炎発症の総合リスクの低減が観察。
サルミネン教授は、「LGG菌の研究は、
アレルギー症状を対象にしたのではなく、赤ちゃんの下痢予防が出発点」。
アトピーに対するLGG菌の予防効果のメカニズムは、完全には未解明だが、
「LGG菌によって腸内のバリアー機能が強くなり、
アレルギーの原因となるアレルゲンが体内に吸収されにくくなることが証明」。
LGG菌とは、そもそもどのようなものなのだろうか?
1985年、タフツ大(米国)ゴルディン教授、ゴルバッハ教授が
人の腸内からLGG菌を発見。
フィンランドの会社が事業化し、
世界40カ国以上でヨーグルトや乳酸菌飲料として商品化。
特徴は、1)胃酸や胆汁酸に強く、生きたまま腸に届く、
2)腸管への粘着性が高い、
3)腸内の善玉菌を増やし、悪玉菌を減らすなど。
サルミネン教授らがさらに着目しているのが、花粉症に対する予防効果。
アレルギー体質は遺伝するといわれ、体の各器官でアレルギー反応が
連鎖していくのではないかと考えられている。
アトピー性皮膚炎だった子どもが気管支ぜんそくになり、
さらに成長すると花粉症を発症、「アレルギーマーチ」と呼ばれている。
母親の腸内細菌が子どもの腸内細菌に大きな影響を与え、
妊娠した母親の腸内環境が良好だと、子どもがアレルギー体質を
受け継がない可能性が高い。
サルミネン教授らは、アトピー性皮膚炎の研究で対象になった子どもを
さらに追跡調査することで、ぜんそく、花粉症予防についても
LGG菌が効果があるかを究明していく予定。
サルミネン教授は、「フルーツジュースにLGG菌を入れて毎日飲んでいる」。
普段の食生活で大切なのは、LGG菌を継続して取ること。
フィンランドでは、ジュースやチーズ、牛乳の中にLGG菌を入れている。
「車の整備と同じように、腸内環境を常に良い状態に保つため、
できるだけ毎日摂取してください」とアドバイス。
特に、風邪をひいて抗生物質を投与された時や、
環境が大きく変わる海外旅行時などは積極的に取ることを勧めている。
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=68080
岩手・久慈保健所管内で4年連続自殺者数減 相談充実でうつ早期発見
(毎日新聞 2008年2月25日)
県久慈保健所管内の人口10万人あたりの自殺者数
(自殺死亡率)が4年連続で減少。
県内の自殺者数は横ばいで推移する中、県立久慈病院を中心とした
自殺対策が成果をあげてきた。
精神科医を務めた星克仁医師(現・岩手医大助教)は、
「交通事故や火災予防にかける予算・人数に比べ、
自殺対策は圧倒的に少ない」。
県全体の自殺死亡率は、02年35・6、03年37・8、04年34・6、
05年と06年はともに34・1。
久慈地区は、取り組みが本格化した04年の57・9から、
05年49・2、06年40・9と急減。
07年は、3年前の半分ほどになる見込み。
久慈地方は、06年の北日本造船(本社・青森県八戸市)による
工場新設を除き、目立った景気回復はなく、
経済状況が自殺者減の要因とはいえない。
県立久慈病院は、精神科医として初めて星医師が赴任した03年から
自殺予防の体制づくりを開始。
看護師の1人を「リエゾンナース」とし、院内や地域の病院の看護師と
精神科医を結ぶ役割を担ってもらう。
先行研究によると、うつ病患者の6割は内科で初診。
リエゾンナースは精神科に限らず、患者や家族の相談に乗り、
うつ病の早期発見につなげる。
03年から翌年までに久慈病院精神科で相談を受けた272人のうち、
163人は精神科通院歴がなく、
全体の31・6%は看護師や保健師の紹介による受診。
また、地区の看護師を、悩み相談に応じる「こころのケアナース」として養成。
相談窓口の職員だけでなく、薬剤師や介護士、消防職員ら
実務担当者による連絡会も04年以降、毎月開いてきた。
全住民に医師が応対するのは不可能なので、
うつ症状や対応策を紹介するDVDや紙芝居を手弁当で制作。
民家などで小さな集会を開き、数百回上映。
星医師は、「『久慈方式』をマッサージに例えれば、
つぼを押すのではなく患部全体をもみほぐすイメージ。
減少したといっても、まだ対策は必要」。
……………………………………………………………………………
◇自殺死亡率
人口10万人当たりの自殺者数で、厚生労働省の人口動態統計をもとに算出。
岩手県は06年34・1、秋田県に次ぎ全国で2番目に高い。
県保健福祉計画では、10年までに06年の全国平均23・7に下げる目標。
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=68111
県久慈保健所管内の人口10万人あたりの自殺者数
(自殺死亡率)が4年連続で減少。
県内の自殺者数は横ばいで推移する中、県立久慈病院を中心とした
自殺対策が成果をあげてきた。
精神科医を務めた星克仁医師(現・岩手医大助教)は、
「交通事故や火災予防にかける予算・人数に比べ、
自殺対策は圧倒的に少ない」。
県全体の自殺死亡率は、02年35・6、03年37・8、04年34・6、
05年と06年はともに34・1。
久慈地区は、取り組みが本格化した04年の57・9から、
05年49・2、06年40・9と急減。
07年は、3年前の半分ほどになる見込み。
久慈地方は、06年の北日本造船(本社・青森県八戸市)による
工場新設を除き、目立った景気回復はなく、
経済状況が自殺者減の要因とはいえない。
県立久慈病院は、精神科医として初めて星医師が赴任した03年から
自殺予防の体制づくりを開始。
看護師の1人を「リエゾンナース」とし、院内や地域の病院の看護師と
精神科医を結ぶ役割を担ってもらう。
先行研究によると、うつ病患者の6割は内科で初診。
リエゾンナースは精神科に限らず、患者や家族の相談に乗り、
うつ病の早期発見につなげる。
03年から翌年までに久慈病院精神科で相談を受けた272人のうち、
163人は精神科通院歴がなく、
全体の31・6%は看護師や保健師の紹介による受診。
また、地区の看護師を、悩み相談に応じる「こころのケアナース」として養成。
相談窓口の職員だけでなく、薬剤師や介護士、消防職員ら
実務担当者による連絡会も04年以降、毎月開いてきた。
全住民に医師が応対するのは不可能なので、
うつ症状や対応策を紹介するDVDや紙芝居を手弁当で制作。
民家などで小さな集会を開き、数百回上映。
星医師は、「『久慈方式』をマッサージに例えれば、
つぼを押すのではなく患部全体をもみほぐすイメージ。
減少したといっても、まだ対策は必要」。
……………………………………………………………………………
◇自殺死亡率
人口10万人当たりの自殺者数で、厚生労働省の人口動態統計をもとに算出。
岩手県は06年34・1、秋田県に次ぎ全国で2番目に高い。
県保健福祉計画では、10年までに06年の全国平均23・7に下げる目標。
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=68111
2008年2月28日木曜日
川崎病の関連遺伝子、世界ではじめて同定!
(nature Asia-Pacific)
理化学研究所 遺伝子多型研究センター:尾内 善広 上級研究員
1歳前後の子どもに多く発症し、心臓に後遺症を残すこともある川崎病。
約40年前に、川崎富作医師が発見したことからこの名がついた。
この10年は患者数が増え続け、平成17年と18年には2年連続で
患者数が1万人越。
「なんらかの病原体感染が引き金になって免疫系が暴走するのが原因」
との見方が主流だが、詳細は未解明。
理化学研究所の尾内善広上級研究員は、川崎病の発症とその重症化に
関連する遺伝子を世界ではじめて突き止めた。
川崎病はアジア諸国で多くみられ、日本人の罹患率はとくに高い。
年や地域によって発症数が大幅に増減することから、
なんらかの感染症が関与しているとされるが、詳細はわかっていない。
海外に移り住んだ日系人や兄弟どうし・親子どうしでの罹患が多く、
遺伝的要素も発症の引き金。
症状は、5日以上続く発熱、両眼の結膜の充血、四肢末端の発赤や腫脹、
皮膚の不定型発疹、唇や舌の腫れ、リンパ節の腫脹と多彩で、
5つを満たす場合に川崎病と診断。
ガンマグロブリンやアスピリンなどによる治療で治癒するケースが多いが、
あまり効かない重症例もあり、心臓の冠動脈に病変が生じて動脈瘤などの
深刻な合併症が生じることが多い。
尾内上級研究員は、研修時代に、兄妹で川崎病を発症した例を経験し、
紆余曲折を経て、川崎病の遺伝要因の解明に取り組みはじめた。
川崎病に関連した遺伝子(感受性遺伝子)が存在する染色体領域を
特定するため、兄弟どうしで罹患した患者の染色体の連鎖解析を行った。
「10か所の候補領域を見つけ、一塩基多型(SNP)と川崎病の罹患の有無
(罹患感受性)を調べ、19番染色体上に有意な相関を示すSNPを4つ発見」。
隣り合った異なる4つの遺伝子(NUMBL, ADCK4, ITPKC, FLJ41131)の
イントロン内に位置し、3つの要点を検討したところ、
川崎病感受性遺伝子がITPKC遺伝子であると結論。
ITPKCは、イノシトール3リン酸(IP3)をイノシトール4リン酸(IP4)へと
変換するリン酸化酵素(ITPK)のひとつ。
ヒトのITPKC遺伝子は2000年に発見されたが、川崎病を含めたヒトの疾患との
関係については知られていなかった。
1点目は、「病原体に感染するとT細胞が活性化され、インターロイキン2などの
サイトカインを産生するが、同時にITPKCの発現も増えること」。
2点目は、「SNPをもつ(川崎病罹患感受性の高い)ITPKC遺伝子では、
その発現がSNPをもたない場合よりも約30%低い」。
3点目は、「T細胞系細胞株でITPKC遺伝子の発現を抑制したところ、
インターロイキン2の発現が高い」。
ITPKCは、T細胞が過剰に活性化しないためにブレーキをかける役割をし、
SNPによりブレーキ機能が減弱することが分かった。
川崎病の発症時には、血中のインターロイキン2の濃度が高いという
事実ともマッチする。
ITPKC遺伝子のSNPは、「イントロン1」の9番目の塩基がGからCへと置換。
「置換のために、スプライシングで除去されるべきイントロン1が除去されにくく、
未成熟で不安定なITPKC遺伝子のmRNAが増えることが、
ITPKCの発現量変化の原因」。
C型のSNPをもつ人が必ず川崎病になるわけでも、
G型をもつ人が川崎病にならないわけでもない。
「C型をひとつ以上もつ人の川崎病のかかりやすさは、
G型をホモでもつ場合の1.89倍。
日本の川崎病罹患患者の約40%がC型を持ち、罹患したことのない日本人も
27%はC型を持つことがわかった」。
C型のSNPをもつ人がもたない人にくらべて川崎病にかかりやすく、
罹患した際に重症化しやすい。
人種にかかわらず、冠動脈瘤を合併した患者にC型のSNPをもつ人が有意に多い。
「川崎病には、ITPKC遺伝子以外にも複数の感受性遺伝子が存在するはず」、
その同定を急いでいる。
発症のメカニズムは依然として謎のままだが、研究が積み重ねられることで、
重症化を防ぐ新たな治療やリスク診断が確立することが望まれる。
http://www.natureasia.com/japan/tokushu/detail.php?id=79
理化学研究所 遺伝子多型研究センター:尾内 善広 上級研究員
1歳前後の子どもに多く発症し、心臓に後遺症を残すこともある川崎病。
約40年前に、川崎富作医師が発見したことからこの名がついた。
この10年は患者数が増え続け、平成17年と18年には2年連続で
患者数が1万人越。
「なんらかの病原体感染が引き金になって免疫系が暴走するのが原因」
との見方が主流だが、詳細は未解明。
理化学研究所の尾内善広上級研究員は、川崎病の発症とその重症化に
関連する遺伝子を世界ではじめて突き止めた。
川崎病はアジア諸国で多くみられ、日本人の罹患率はとくに高い。
年や地域によって発症数が大幅に増減することから、
なんらかの感染症が関与しているとされるが、詳細はわかっていない。
海外に移り住んだ日系人や兄弟どうし・親子どうしでの罹患が多く、
遺伝的要素も発症の引き金。
症状は、5日以上続く発熱、両眼の結膜の充血、四肢末端の発赤や腫脹、
皮膚の不定型発疹、唇や舌の腫れ、リンパ節の腫脹と多彩で、
5つを満たす場合に川崎病と診断。
ガンマグロブリンやアスピリンなどによる治療で治癒するケースが多いが、
あまり効かない重症例もあり、心臓の冠動脈に病変が生じて動脈瘤などの
深刻な合併症が生じることが多い。
尾内上級研究員は、研修時代に、兄妹で川崎病を発症した例を経験し、
紆余曲折を経て、川崎病の遺伝要因の解明に取り組みはじめた。
川崎病に関連した遺伝子(感受性遺伝子)が存在する染色体領域を
特定するため、兄弟どうしで罹患した患者の染色体の連鎖解析を行った。
「10か所の候補領域を見つけ、一塩基多型(SNP)と川崎病の罹患の有無
(罹患感受性)を調べ、19番染色体上に有意な相関を示すSNPを4つ発見」。
隣り合った異なる4つの遺伝子(NUMBL, ADCK4, ITPKC, FLJ41131)の
イントロン内に位置し、3つの要点を検討したところ、
川崎病感受性遺伝子がITPKC遺伝子であると結論。
ITPKCは、イノシトール3リン酸(IP3)をイノシトール4リン酸(IP4)へと
変換するリン酸化酵素(ITPK)のひとつ。
ヒトのITPKC遺伝子は2000年に発見されたが、川崎病を含めたヒトの疾患との
関係については知られていなかった。
1点目は、「病原体に感染するとT細胞が活性化され、インターロイキン2などの
サイトカインを産生するが、同時にITPKCの発現も増えること」。
2点目は、「SNPをもつ(川崎病罹患感受性の高い)ITPKC遺伝子では、
その発現がSNPをもたない場合よりも約30%低い」。
3点目は、「T細胞系細胞株でITPKC遺伝子の発現を抑制したところ、
インターロイキン2の発現が高い」。
ITPKCは、T細胞が過剰に活性化しないためにブレーキをかける役割をし、
SNPによりブレーキ機能が減弱することが分かった。
川崎病の発症時には、血中のインターロイキン2の濃度が高いという
事実ともマッチする。
ITPKC遺伝子のSNPは、「イントロン1」の9番目の塩基がGからCへと置換。
「置換のために、スプライシングで除去されるべきイントロン1が除去されにくく、
未成熟で不安定なITPKC遺伝子のmRNAが増えることが、
ITPKCの発現量変化の原因」。
C型のSNPをもつ人が必ず川崎病になるわけでも、
G型をもつ人が川崎病にならないわけでもない。
「C型をひとつ以上もつ人の川崎病のかかりやすさは、
G型をホモでもつ場合の1.89倍。
日本の川崎病罹患患者の約40%がC型を持ち、罹患したことのない日本人も
27%はC型を持つことがわかった」。
C型のSNPをもつ人がもたない人にくらべて川崎病にかかりやすく、
罹患した際に重症化しやすい。
人種にかかわらず、冠動脈瘤を合併した患者にC型のSNPをもつ人が有意に多い。
「川崎病には、ITPKC遺伝子以外にも複数の感受性遺伝子が存在するはず」、
その同定を急いでいる。
発症のメカニズムは依然として謎のままだが、研究が積み重ねられることで、
重症化を防ぐ新たな治療やリスク診断が確立することが望まれる。
http://www.natureasia.com/japan/tokushu/detail.php?id=79
洗眼:プール後は逆に危険 水道水で粘膜流れ、細菌感染しやすく--慶大教授ら研究
(毎日 2月22日)
塩素消毒したプールで泳いだ後に水道水で目を洗うと、
塩素で角膜が傷ついた目の表面の粘液が洗い流されてしまうことが、
坪田一男・慶応大教授(眼科)らの研究で分かった。
厚生労働省や文部科学省はプール後の洗眼を呼びかけているが、
逆に細菌やウイルスに感染しやすい状況を作っているという。
20~30代の男女10人の協力で実験。
国のプールの水質基準に従って、塩素消毒剤を溶かした生理食塩水、
水道水、生理食塩水、蒸留水で50秒間目を洗ってもらった。
その結果、塩素消毒剤入りを使うと、角膜上皮細胞が破壊される程度が
他の3種類より激しく、目の表面の粘液を洗い流す作用も強い。
水道水も、粘液を洗い流す作用は同程度。
厚労省は、発熱や結膜炎などの症状が出るプール熱の感染拡大を防ぐため、
プール利用者に洗眼を呼びかけるよう、都道府県などに求めている。
文科省は体育教員への指導手引で、水泳後の洗眼指導を例示。
眼科医の間では、プール後の洗眼は問題視されていたが、
根拠となる研究が少なかった。
チームの加藤直子・慶大講師は、
「プールの中で目を開けるのなら、ゴーグルをつけてほしい。
そうでなければ、プール後の洗眼は避けるべきだ」。
http://mainichi.jp/life/health/news/20080222ddm012040134000c.html
塩素消毒したプールで泳いだ後に水道水で目を洗うと、
塩素で角膜が傷ついた目の表面の粘液が洗い流されてしまうことが、
坪田一男・慶応大教授(眼科)らの研究で分かった。
厚生労働省や文部科学省はプール後の洗眼を呼びかけているが、
逆に細菌やウイルスに感染しやすい状況を作っているという。
20~30代の男女10人の協力で実験。
国のプールの水質基準に従って、塩素消毒剤を溶かした生理食塩水、
水道水、生理食塩水、蒸留水で50秒間目を洗ってもらった。
その結果、塩素消毒剤入りを使うと、角膜上皮細胞が破壊される程度が
他の3種類より激しく、目の表面の粘液を洗い流す作用も強い。
水道水も、粘液を洗い流す作用は同程度。
厚労省は、発熱や結膜炎などの症状が出るプール熱の感染拡大を防ぐため、
プール利用者に洗眼を呼びかけるよう、都道府県などに求めている。
文科省は体育教員への指導手引で、水泳後の洗眼指導を例示。
眼科医の間では、プール後の洗眼は問題視されていたが、
根拠となる研究が少なかった。
チームの加藤直子・慶大講師は、
「プールの中で目を開けるのなら、ゴーグルをつけてほしい。
そうでなければ、プール後の洗眼は避けるべきだ」。
http://mainichi.jp/life/health/news/20080222ddm012040134000c.html
2008年2月27日水曜日
エビさんの食べるスポーツ:男子マネの気概=海老久美子
(毎日 2月18日)
前回の女子マネジャーに続き、男子マネジャーに登場してもらおう。
東京六大学野球を見に行った時、ブレザーをビシッと着こなした青年から
声をかけられた。
誰かと思ったら、私が栄養指導に行っていた京都の高校野球部の子。
今は、明治大学野球部のマネジャーだと言う。
言葉遣いも物腰も、すっかり大人になっていて驚いた。
男子マネジャーというと、そのスポーツでの選手失格者が
仕方なくなるものと世間では思われているようだが、
それは大きな、失礼な誤解であることがほとんど。
彼は、最初からマネジャー志望で部に入っている。
野球選手としては小柄な部類に入る彼は、高校球児時代、小技の利く、
いわゆるユーティリティープレーヤー。
野球をするなら、一番強いリーグで。
彼の中での一番は、東京六大学。
しかし、そこでレギュラーを張れる力は自分にないことも彼はわかっていた。
一番強いところでという部分は譲れない。
ならば、サポートする側で野球にかかわろうと彼は決めた。
高校時代は、主将とともに大会抽選会場に出向く役を指名されるなど、
チームをマネジメントする能力にはたけていた。
自分にない力を手に入れようとあがくより、
自分の持っている力をさらに伸ばすことを選択。
高校時代に聞いた私の話は役立っている?と聞くと、
「ハイ!」と答えたはいいが、「どんなところで?」と突っ込むと、
「う~ん、炭酸飲料はよくないとか」と心もとない。
でも、「寮の食事担当のおばさんが一時いなくなった時、
僕が部員全員分の食事を作ったんです!」。
これはすごい。
安井達也君、今の君は、選手の時より輝いているかもしれない。
http://mainichi.jp/life/health/chie/news/20080218ddf035050027000c.html
前回の女子マネジャーに続き、男子マネジャーに登場してもらおう。
東京六大学野球を見に行った時、ブレザーをビシッと着こなした青年から
声をかけられた。
誰かと思ったら、私が栄養指導に行っていた京都の高校野球部の子。
今は、明治大学野球部のマネジャーだと言う。
言葉遣いも物腰も、すっかり大人になっていて驚いた。
男子マネジャーというと、そのスポーツでの選手失格者が
仕方なくなるものと世間では思われているようだが、
それは大きな、失礼な誤解であることがほとんど。
彼は、最初からマネジャー志望で部に入っている。
野球選手としては小柄な部類に入る彼は、高校球児時代、小技の利く、
いわゆるユーティリティープレーヤー。
野球をするなら、一番強いリーグで。
彼の中での一番は、東京六大学。
しかし、そこでレギュラーを張れる力は自分にないことも彼はわかっていた。
一番強いところでという部分は譲れない。
ならば、サポートする側で野球にかかわろうと彼は決めた。
高校時代は、主将とともに大会抽選会場に出向く役を指名されるなど、
チームをマネジメントする能力にはたけていた。
自分にない力を手に入れようとあがくより、
自分の持っている力をさらに伸ばすことを選択。
高校時代に聞いた私の話は役立っている?と聞くと、
「ハイ!」と答えたはいいが、「どんなところで?」と突っ込むと、
「う~ん、炭酸飲料はよくないとか」と心もとない。
でも、「寮の食事担当のおばさんが一時いなくなった時、
僕が部員全員分の食事を作ったんです!」。
これはすごい。
安井達也君、今の君は、選手の時より輝いているかもしれない。
http://mainichi.jp/life/health/chie/news/20080218ddf035050027000c.html
緑茶たっぷり、胃がん撃退 喫煙者には効果なし
(共同通信社 2008年2月22日)
緑茶の渋味成分であるポリフェノールの血中濃度が高い女性は
低い女性に比べ、胃がんの危険性が約3分の1との疫学調査結果を、
厚生労働省研究班(主任・津金昌一郎国立がんセンター予防研究部長)が発表。
緑茶を習慣的に多く飲んでいると、血中濃度も上がる。
男性も含めて喫煙との関係をみると、
ポリフェノールの血中濃度が高い非喫煙者は胃がんの危険性が低いが、
血中濃度が高い喫煙者は、危険性がやや上がる傾向。
研究班の井上真奈美国立がんセンター室長は、
「たばこと緑茶の組み合わせが悪いのではなく、
緑茶をたくさん飲んでも、喫煙で効果が打ち消されてしまうためでは」。
岩手、秋田、大阪など9府県の40-69歳の男女約3万7000人を平均12年追跡。
この間に胃がんになった494人と、ならなかった同数の人たちについて、
保存してあった血液の成分を比較。
その結果、複数ある緑茶ポリフェノールのうち
「エピカテキン3ガレート(ECG)」が、血液 1ml 中に 9.3ng 以上
検出された女性は、検出されなかった女性より胃がんの危険性が低い。
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=68040
緑茶の渋味成分であるポリフェノールの血中濃度が高い女性は
低い女性に比べ、胃がんの危険性が約3分の1との疫学調査結果を、
厚生労働省研究班(主任・津金昌一郎国立がんセンター予防研究部長)が発表。
緑茶を習慣的に多く飲んでいると、血中濃度も上がる。
男性も含めて喫煙との関係をみると、
ポリフェノールの血中濃度が高い非喫煙者は胃がんの危険性が低いが、
血中濃度が高い喫煙者は、危険性がやや上がる傾向。
研究班の井上真奈美国立がんセンター室長は、
「たばこと緑茶の組み合わせが悪いのではなく、
緑茶をたくさん飲んでも、喫煙で効果が打ち消されてしまうためでは」。
岩手、秋田、大阪など9府県の40-69歳の男女約3万7000人を平均12年追跡。
この間に胃がんになった494人と、ならなかった同数の人たちについて、
保存してあった血液の成分を比較。
その結果、複数ある緑茶ポリフェノールのうち
「エピカテキン3ガレート(ECG)」が、血液 1ml 中に 9.3ng 以上
検出された女性は、検出されなかった女性より胃がんの危険性が低い。
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=68040
2008年2月24日日曜日
抗ウイルス薬で感染せず? スイスのエイズ論文が波紋
(共同通信社 2008年2月21日)
抗ウイルス薬による治療を受けたエイズ患者とコンドームなしで
性交してもエイズウイルス(HIV)に感染しない。
スイス政府のエイズ問題に関する委員会が発表した論文に、
世界保健機関(WHO)などのエイズ対策関係者が
「感染予防活動に支障が出かねない」と神経をとがらせている。
スペインやブラジルで調査した結果、半年以上、抗ウイルス薬の投与を
受けたエイズ患者がコンドームを使用せずに性交しても、
相手がHIVに感染する事例はほとんどなかった。
「同じ条件の数千人のスイス人にとって朗報」と位置付け、
避妊具などによる感染予防策が不要になる可能性。
一方、WHOと国連合同エイズ計画(UNAIDS)は、
「セーフセックス」を強く推奨する共同声明をあらためて発表。
欧州委員会のキプリアヌ委員(保健担当)も、スイスのメディアに
「このような調査で間違ったメッセージを発信してはならない」。
エイズ問題をめぐっては昨年、UNAIDSなどの報告書で
世界の感染者数の推計値が大幅に下方修正されたことなどを背景に、
感染予防活動の「緩み」を警戒する声も。
WHO関係者は、「抗ウイルス薬がエイズ患者の(他人への)感染力を
弱めるのは当然だが、コンドームなしの性交を勧めるのは時期尚早」。
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=67978
抗ウイルス薬による治療を受けたエイズ患者とコンドームなしで
性交してもエイズウイルス(HIV)に感染しない。
スイス政府のエイズ問題に関する委員会が発表した論文に、
世界保健機関(WHO)などのエイズ対策関係者が
「感染予防活動に支障が出かねない」と神経をとがらせている。
スペインやブラジルで調査した結果、半年以上、抗ウイルス薬の投与を
受けたエイズ患者がコンドームを使用せずに性交しても、
相手がHIVに感染する事例はほとんどなかった。
「同じ条件の数千人のスイス人にとって朗報」と位置付け、
避妊具などによる感染予防策が不要になる可能性。
一方、WHOと国連合同エイズ計画(UNAIDS)は、
「セーフセックス」を強く推奨する共同声明をあらためて発表。
欧州委員会のキプリアヌ委員(保健担当)も、スイスのメディアに
「このような調査で間違ったメッセージを発信してはならない」。
エイズ問題をめぐっては昨年、UNAIDSなどの報告書で
世界の感染者数の推計値が大幅に下方修正されたことなどを背景に、
感染予防活動の「緩み」を警戒する声も。
WHO関係者は、「抗ウイルス薬がエイズ患者の(他人への)感染力を
弱めるのは当然だが、コンドームなしの性交を勧めるのは時期尚早」。
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=67978
予防できる?認知症:/下 早期発見で生活支援 絶望に直結しないよう
(毎日 2月21日)
佐藤雅彦さん(53)は約3年前、若年性アルツハイマー病と診断。
パソコンや携帯電話のナビゲーションシステムなどを使いこなし、
東京近郊に一人で暮らしている。
佐藤さんは、取引先で道に迷うなど異変を感じ、精神科医を受診、
医師から病名を告げられた。いずれ全介護状態になると知り、がくぜんとした。
気力が続かず、時間感覚が失われ、最近の事柄を思い出せない。
うつ状態になったが、若年認知症の家族会に出合い、
介護サービスなど役立つ情報を知った。
介護職の講座で話をし、インターネット上のブログに思いや体験も書く。
「認知症で、すぐ何もわからなくなるわけではない。
弱い部分を補えば仕事もできて、生活に張りが出る。
早期発見が“早期絶望”にならないよう、病名告知では
判断能力のあるうちにすべきことを助言するなど、暮らしへの配慮が必要」。
認知症予防の第2段階、機能低下後の対応はまだ手探り。
脳血管性の認知症患者が多い宮城県旧田尻町(現大崎市田尻地区)は、
東北大の協力で対策に乗り出し、早期発見・早期治療に力を入れる。
中心は、国保診療所やデイサービスセンターなどを併設する
「スキップセンター」(現大崎市民病院田尻診療所)。
対策の必要性を痛感したのは91年、在宅の高齢者約2300人の調査結果。
認知症の兆しがあるのに、専門医の診察を受けていない人が極めて多い。
アルツハイマー病による認知症は、塩酸ドネペジルという薬の服用で
進行を遅らせられる。
一定期間だが心理状態が安定、医師やケアマネジャーはその人の
趣味などを理解でき、生活支援を考えるのに役立つ。
血管性の認知症は、脳血管性障害を再発しないよう服薬が重要。
機能低下が始まると、記憶力など一部の機能は鍛えるのが難しい。
認知症診療対策室長を務める目黒謙一・東北大大学院教授は、
「予防プログラムも、健康な人とは違う内容が必要。
軽度の障害を正しく判定し、ふさわしい対応をすべき」。
介護予防事業のチェックリストは、本人に聞く形式で、限界がある。
センターは、独自のチェック方法(田尻式スクリーニング)も使っている。
「畑の種まきで、昨年に比べ困ったことはありましたか」など、
生活に即して変化を探る。
「自覚はなくても、本人はテレビのリモコンが操作しにくいといった
支障を感じていることが多い。暮らしに寄り添う視点が必要」。
------------------------------
「おかしい」と感じたとき、どうしたらよいのだろう。
順天堂大の新井平伊教授に聞いた。
初期の場合は画像診断だけで分からない場合もあり、
もの忘れ専門の外来を訪ねてほしい。
認知症といっても、障害を受けるのは機能の一部。
連続性に難はあるが、記憶や思考力も瞬間瞬間はしっかりしている。
できることを楽しみ、充実して過ごすのが一番のリハビリ。
若年性は経済的打撃も大きいが、家族に精神的余裕があれば
病状にも良い影響を与えるので、家族への支援も大切。
http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2008/02/21/20080221ddm013100006000c.html
佐藤雅彦さん(53)は約3年前、若年性アルツハイマー病と診断。
パソコンや携帯電話のナビゲーションシステムなどを使いこなし、
東京近郊に一人で暮らしている。
佐藤さんは、取引先で道に迷うなど異変を感じ、精神科医を受診、
医師から病名を告げられた。いずれ全介護状態になると知り、がくぜんとした。
気力が続かず、時間感覚が失われ、最近の事柄を思い出せない。
うつ状態になったが、若年認知症の家族会に出合い、
介護サービスなど役立つ情報を知った。
介護職の講座で話をし、インターネット上のブログに思いや体験も書く。
「認知症で、すぐ何もわからなくなるわけではない。
弱い部分を補えば仕事もできて、生活に張りが出る。
早期発見が“早期絶望”にならないよう、病名告知では
判断能力のあるうちにすべきことを助言するなど、暮らしへの配慮が必要」。
認知症予防の第2段階、機能低下後の対応はまだ手探り。
脳血管性の認知症患者が多い宮城県旧田尻町(現大崎市田尻地区)は、
東北大の協力で対策に乗り出し、早期発見・早期治療に力を入れる。
中心は、国保診療所やデイサービスセンターなどを併設する
「スキップセンター」(現大崎市民病院田尻診療所)。
対策の必要性を痛感したのは91年、在宅の高齢者約2300人の調査結果。
認知症の兆しがあるのに、専門医の診察を受けていない人が極めて多い。
アルツハイマー病による認知症は、塩酸ドネペジルという薬の服用で
進行を遅らせられる。
一定期間だが心理状態が安定、医師やケアマネジャーはその人の
趣味などを理解でき、生活支援を考えるのに役立つ。
血管性の認知症は、脳血管性障害を再発しないよう服薬が重要。
機能低下が始まると、記憶力など一部の機能は鍛えるのが難しい。
認知症診療対策室長を務める目黒謙一・東北大大学院教授は、
「予防プログラムも、健康な人とは違う内容が必要。
軽度の障害を正しく判定し、ふさわしい対応をすべき」。
介護予防事業のチェックリストは、本人に聞く形式で、限界がある。
センターは、独自のチェック方法(田尻式スクリーニング)も使っている。
「畑の種まきで、昨年に比べ困ったことはありましたか」など、
生活に即して変化を探る。
「自覚はなくても、本人はテレビのリモコンが操作しにくいといった
支障を感じていることが多い。暮らしに寄り添う視点が必要」。
------------------------------
「おかしい」と感じたとき、どうしたらよいのだろう。
順天堂大の新井平伊教授に聞いた。
初期の場合は画像診断だけで分からない場合もあり、
もの忘れ専門の外来を訪ねてほしい。
認知症といっても、障害を受けるのは機能の一部。
連続性に難はあるが、記憶や思考力も瞬間瞬間はしっかりしている。
できることを楽しみ、充実して過ごすのが一番のリハビリ。
若年性は経済的打撃も大きいが、家族に精神的余裕があれば
病状にも良い影響を与えるので、家族への支援も大切。
http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2008/02/21/20080221ddm013100006000c.html
2008年2月23日土曜日
予防できる?認知症:/上 住民主体の活動拡大 体操、食事など生活習慣改善
(毎日 2月20日)
認知症対策は介護費用を抑える上でも重要だが、主因の一つ、
アルツハイマー病の予防・治療法はまだ確立していない。
国は、10年計画で具体的な予防法の開発・普及を目指す。
脳の活性化になる、と人気の体操がある。
手の動きから「フリフリグッパー」と名付けられた。
茨城県利根町の保健センターを中心に、認知症予防策の一つとして始まった。
認知症と生活習慣には関係があるのか。
筑波大の朝田隆教授から01年、利根町に協力要請があった。
65歳以上を対象に、記憶力など認知機能のテストも実施。
約400人が、栄養、運動、睡眠のいずれかの実習に参加。
「フリフリグッパー」は、この運動実習で取り入れられた。
筑波大の征矢英昭准教授が、「血流改善が脳の働きを活性化する」と考案。
栄養実習では、動脈硬化を防ぐドコサヘキサエン酸(DHA)の摂取、
睡眠実習では30分程度の昼寝--などを実践。
3年後、参加者は再び認知機能のテストを受け、
朝田教授らが実習に参加しなかった住民と比較。
実習参加者では記憶力が改善した人が多く、
軽度認知障害(MCI)から認知症へ進む割合も低い。
町は、住民ボランティアの協力を得て運動集会を続けることに。
3カ所で月2回、50人程度がボール運動後、フリフリグッパーをする。
夫婦で参加する河野晴哉さん(78)は、
「体操をすると調子がいい。テストも張り合いになる」。
保健センターの村田啓子所長は、
「運動は一人では続けにくいので、住民が集まる場は貴重」。
練馬区は05年度から、住民ボランティアによる認知症予防推進員の育成。
約300人が、ウオーキングなど自ら企画して活動。
推進員3年目の三ケ崎清政さん(65)は、義父母の入院を契機に応募。
老人クラブでフリフリグッパー体操を紹介したり、公園の調査など
「高齢者の居場所づくり」に取り組む。
認知症予防検討委員会が推計した10年後の認知症発症者数は、8800人。
紙崎修・区福祉部参事は、
「対応次第で減少可能。客観的データを知らせることが必要」と公表。
都老人総合研究所の「地域型認知症予防プログラム」を参考に、
三ケ崎さんのような住民主体の活動が始まった。
「これだけ人口が多いと、区が行うだけでは焼け石に水」。
都老研の本間昭参事研究員らが開発したプログラムは、
まだ認知症ではない高齢者を対象に、パソコンや旅行、料理などの活動。
認知症の前段階で低下が始まる「エピソード記憶(体験を思い出す能力)」、
「注意分割能力(二つ以上のことに注意を配りながら作業)」、
「計画力(段取りを考えて新しいことをする)」--などを鍛え、
最後は自分たちで運営し活動を続けること(自主化)を目指す。
宇良千秋研究員によると、アルツハイマー病の予防は運動や食事のほか、
知的活動、人との接触なども関連があり、
早い段階で脳の機能を鍛えれば発症を遅らせることができる。
愛知県豊橋市は、住民主導型のプログラムを取り入れている。
市介護保険課は、「(住民主導型プログラムは)参加者が認知症予防の目的を
意識しているので、『自力で続けよう』という意欲が強く、自主化しやすい。
発症者への理解も深まり、認知症対策に多くの住民を巻き込める」。
12グループ90人が参加、ほとんどが今も自主的に活動を続けている。
都老研のプログラムは、他府県も含め20以上の自治体が採用。
短期間で多くの住民に参加させたいという自治体の要望で、
当初4カ月16回だったプログラムを、5回でも自主化できるように改良中。
==============
◇Q&A
認知症はどういう病気なのか。
浴風会病院の須貝佑一精神科診療部長に聞いた。
Q 認知症は予防できる?
A 海外の疫学調査で、予防の可能性を示すデータが蓄積。
食事や運動、頭の使い方などが複雑に関係。
Q もの忘れは認知症の始まり?
A 年齢的なもの忘れは、記憶の回路が残っており後で思い出せるが、
認知症は記憶全体がすっぽり抜け落ち、ヒントを与えても思い出せない。
ただ、最初は家族も気付かないことが多い。
Q 軽度認知障害(MCI)とは?
A 通常の物忘れから認知症に移る期間のことで、
早く対策を打てば発症を遅らせられるのではと注目。
診断基準がなく、MCIの何割が約何年で認知症に移行するか見解が分かれる。
記憶力、注意力、計算力など障害にも複数のタイプがあり、異なる対応が必要。
Q 脳は鍛えるべきか?
A 「認知的予備力」といい、社会活動などで神経細胞ネットワークを
増やしておくと、病気になっても症状の出方が遅れる。
運動、食事、認知的予備力の3本柱のうち、運動と食事を基本に、
計算ドリルなどは楽しめる範囲で。
機能が衰えた人に無理強いはよくない。
自治体の予防事業も、検診に来なくなった人をどうすくい上げるかが課題。
http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2008/02/20/20080220ddm013100141000c.html
認知症対策は介護費用を抑える上でも重要だが、主因の一つ、
アルツハイマー病の予防・治療法はまだ確立していない。
国は、10年計画で具体的な予防法の開発・普及を目指す。
脳の活性化になる、と人気の体操がある。
手の動きから「フリフリグッパー」と名付けられた。
茨城県利根町の保健センターを中心に、認知症予防策の一つとして始まった。
認知症と生活習慣には関係があるのか。
筑波大の朝田隆教授から01年、利根町に協力要請があった。
65歳以上を対象に、記憶力など認知機能のテストも実施。
約400人が、栄養、運動、睡眠のいずれかの実習に参加。
「フリフリグッパー」は、この運動実習で取り入れられた。
筑波大の征矢英昭准教授が、「血流改善が脳の働きを活性化する」と考案。
栄養実習では、動脈硬化を防ぐドコサヘキサエン酸(DHA)の摂取、
睡眠実習では30分程度の昼寝--などを実践。
3年後、参加者は再び認知機能のテストを受け、
朝田教授らが実習に参加しなかった住民と比較。
実習参加者では記憶力が改善した人が多く、
軽度認知障害(MCI)から認知症へ進む割合も低い。
町は、住民ボランティアの協力を得て運動集会を続けることに。
3カ所で月2回、50人程度がボール運動後、フリフリグッパーをする。
夫婦で参加する河野晴哉さん(78)は、
「体操をすると調子がいい。テストも張り合いになる」。
保健センターの村田啓子所長は、
「運動は一人では続けにくいので、住民が集まる場は貴重」。
練馬区は05年度から、住民ボランティアによる認知症予防推進員の育成。
約300人が、ウオーキングなど自ら企画して活動。
推進員3年目の三ケ崎清政さん(65)は、義父母の入院を契機に応募。
老人クラブでフリフリグッパー体操を紹介したり、公園の調査など
「高齢者の居場所づくり」に取り組む。
認知症予防検討委員会が推計した10年後の認知症発症者数は、8800人。
紙崎修・区福祉部参事は、
「対応次第で減少可能。客観的データを知らせることが必要」と公表。
都老人総合研究所の「地域型認知症予防プログラム」を参考に、
三ケ崎さんのような住民主体の活動が始まった。
「これだけ人口が多いと、区が行うだけでは焼け石に水」。
都老研の本間昭参事研究員らが開発したプログラムは、
まだ認知症ではない高齢者を対象に、パソコンや旅行、料理などの活動。
認知症の前段階で低下が始まる「エピソード記憶(体験を思い出す能力)」、
「注意分割能力(二つ以上のことに注意を配りながら作業)」、
「計画力(段取りを考えて新しいことをする)」--などを鍛え、
最後は自分たちで運営し活動を続けること(自主化)を目指す。
宇良千秋研究員によると、アルツハイマー病の予防は運動や食事のほか、
知的活動、人との接触なども関連があり、
早い段階で脳の機能を鍛えれば発症を遅らせることができる。
愛知県豊橋市は、住民主導型のプログラムを取り入れている。
市介護保険課は、「(住民主導型プログラムは)参加者が認知症予防の目的を
意識しているので、『自力で続けよう』という意欲が強く、自主化しやすい。
発症者への理解も深まり、認知症対策に多くの住民を巻き込める」。
12グループ90人が参加、ほとんどが今も自主的に活動を続けている。
都老研のプログラムは、他府県も含め20以上の自治体が採用。
短期間で多くの住民に参加させたいという自治体の要望で、
当初4カ月16回だったプログラムを、5回でも自主化できるように改良中。
==============
◇Q&A
認知症はどういう病気なのか。
浴風会病院の須貝佑一精神科診療部長に聞いた。
Q 認知症は予防できる?
A 海外の疫学調査で、予防の可能性を示すデータが蓄積。
食事や運動、頭の使い方などが複雑に関係。
Q もの忘れは認知症の始まり?
A 年齢的なもの忘れは、記憶の回路が残っており後で思い出せるが、
認知症は記憶全体がすっぽり抜け落ち、ヒントを与えても思い出せない。
ただ、最初は家族も気付かないことが多い。
Q 軽度認知障害(MCI)とは?
A 通常の物忘れから認知症に移る期間のことで、
早く対策を打てば発症を遅らせられるのではと注目。
診断基準がなく、MCIの何割が約何年で認知症に移行するか見解が分かれる。
記憶力、注意力、計算力など障害にも複数のタイプがあり、異なる対応が必要。
Q 脳は鍛えるべきか?
A 「認知的予備力」といい、社会活動などで神経細胞ネットワークを
増やしておくと、病気になっても症状の出方が遅れる。
運動、食事、認知的予備力の3本柱のうち、運動と食事を基本に、
計算ドリルなどは楽しめる範囲で。
機能が衰えた人に無理強いはよくない。
自治体の予防事業も、検診に来なくなった人をどうすくい上げるかが課題。
http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2008/02/20/20080220ddm013100141000c.html
外部資金得られない国立大学の生きる道は
(サイエンスポータル 2008年2月19日)
国立大学法人の運営費交付金、私立大学の経常費補助金など、
経常的資金は年々減っている。
少子化の影響で学生数が減り、入学金や授業料収入の増加も難しい。
財政状況が悪いのだから、国立大学法人も影響を受けるのは仕方ない。
将来、運営費交付金がどうなるかはっきりしないので、
中期計画や長いスパンの計画が立てられない。
こうした逆境に立ち向かう国立大学の有効な手立てはあるか?
方策の一つとして、外部資金を増やす算段。
科学研究費補助金をはじめ、競争的資金は毎年増え続け、
競争的資金の獲得が大学の生き残る道の一つ。
何度も科学研究費補助金を獲得した経験のある教員が
講師を務める勉強会を開いたり、申請書の学内チェックを行うなど、
さまざまな取り組みに力を入れている。
これまで外部資金に縁がない研究者にも、頑張ってもらう狙い。
努力をしている大学とそうでない大学とで違いが出るが、
外部資金を得やすい大学と、運営費交付金に
頼らざるを得ない大学との分極化は避けられそうもない。
科学技術政策研究所は、大学の努力を定量的に評価した
初めての報告書「国立大学法人の財務分析」を公表。
基盤的資金、競争的資金の実態を中心に、国立大学の財務に関する
基礎データを整理、分析し、将来像を考える検討材料に。
報告書では、87ある国立大学法人の財務諸表、業務報告書から、
運営費交付金収益、施設費収益、自己収入(授業料、入学金、病院収入)、
外部資金関係収入(寄付金、受託研究・事業収益、補助金)などの“収入”と、
業務費(教育・研究・診療経費)、人件費、一般管理費、財務費用などの
“支出”を抽出し、大学の役割である「教育」、「研究」、「社会貢献」面で
どのような収入と支出があったかを分析。
基盤的資金(運営費交付金、施設整備補助金)に対する外部資金
(外部資金、科学研究費補助金)の比率を算出している個所がある。
旧帝国大学など大規模大学や、理工系中心大学では、
競争的資金の拡充とあいまって、外部資金の比率が高い。
13の大学が、40%超。
18年度決算では、トップは東京大学(70%)、東京工業大学(63%)、
東京農工大学(61%)、京都大学(60%)、大阪大学(59%)、
東北大学(55%)、奈良先端大学院大学(52%)。
一方で、教育大学や文科系が中心の大学では外部資金比率は低い。
「外部資金割合が20%未満の場合、
何らかの機能に特化しなければ、経営は厳しくなりそう」
外部資金収入の比率が20%に満たない大学の数は48と、全体の55%に。
http://www.scienceportal.jp/news/review/0802/0802191.html
国立大学法人の運営費交付金、私立大学の経常費補助金など、
経常的資金は年々減っている。
少子化の影響で学生数が減り、入学金や授業料収入の増加も難しい。
財政状況が悪いのだから、国立大学法人も影響を受けるのは仕方ない。
将来、運営費交付金がどうなるかはっきりしないので、
中期計画や長いスパンの計画が立てられない。
こうした逆境に立ち向かう国立大学の有効な手立てはあるか?
方策の一つとして、外部資金を増やす算段。
科学研究費補助金をはじめ、競争的資金は毎年増え続け、
競争的資金の獲得が大学の生き残る道の一つ。
何度も科学研究費補助金を獲得した経験のある教員が
講師を務める勉強会を開いたり、申請書の学内チェックを行うなど、
さまざまな取り組みに力を入れている。
これまで外部資金に縁がない研究者にも、頑張ってもらう狙い。
努力をしている大学とそうでない大学とで違いが出るが、
外部資金を得やすい大学と、運営費交付金に
頼らざるを得ない大学との分極化は避けられそうもない。
科学技術政策研究所は、大学の努力を定量的に評価した
初めての報告書「国立大学法人の財務分析」を公表。
基盤的資金、競争的資金の実態を中心に、国立大学の財務に関する
基礎データを整理、分析し、将来像を考える検討材料に。
報告書では、87ある国立大学法人の財務諸表、業務報告書から、
運営費交付金収益、施設費収益、自己収入(授業料、入学金、病院収入)、
外部資金関係収入(寄付金、受託研究・事業収益、補助金)などの“収入”と、
業務費(教育・研究・診療経費)、人件費、一般管理費、財務費用などの
“支出”を抽出し、大学の役割である「教育」、「研究」、「社会貢献」面で
どのような収入と支出があったかを分析。
基盤的資金(運営費交付金、施設整備補助金)に対する外部資金
(外部資金、科学研究費補助金)の比率を算出している個所がある。
旧帝国大学など大規模大学や、理工系中心大学では、
競争的資金の拡充とあいまって、外部資金の比率が高い。
13の大学が、40%超。
18年度決算では、トップは東京大学(70%)、東京工業大学(63%)、
東京農工大学(61%)、京都大学(60%)、大阪大学(59%)、
東北大学(55%)、奈良先端大学院大学(52%)。
一方で、教育大学や文科系が中心の大学では外部資金比率は低い。
「外部資金割合が20%未満の場合、
何らかの機能に特化しなければ、経営は厳しくなりそう」
外部資金収入の比率が20%に満たない大学の数は48と、全体の55%に。
http://www.scienceportal.jp/news/review/0802/0802191.html
2008年2月22日金曜日
ウイルス撃退タンパク発見 新型インフルにも有効?
(共同通信社 2008年2月19日)
ウイルス感染から守るために作られる「インターフェロン」を、
体内で増産させるタンパク質を理化学研究所の渡会浩志上級研究員らの
チームが発見、米科学アカデミー紀要電子版に発表。
マウスでこのタンパク質の働きを高め、感染したウイルスの撃退に成功。
将来、人間に応用できれば、ワクチンが存在しない新型インフルエンザなどの
有効な治療法開発につながる可能性。
感染初期に大きな役割を果たす「樹状細胞」と呼ばれる免疫細胞で、
ウイルスを認識すると、インターフェロンが作られることは分かっていたが、
詳しい仕組みは謎。
チームは、樹状細胞の表面で、ウイルス感染時にだけできるタンパク質
「PDC-TREM」を発見。
このタンパク質の働きを高めると、インターフェロンが増え、
働きを抑えると減少することを突き止めた。
マウスにタンパク質の働きを高める物質を投与した上で
ヘルペスウイルスに感染させると、投与しないマウスはすべて死んだが、
投与したマウスは体内でインターフェロンが大量に作られウイルスを撃退、
約8割が生き残った。
逆に、タンパク質の働きを抑える物質を投与したマウスは、
投与しないマウスが死なない程度の弱いウイルスでも、すべて死んだ。
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=67774
ウイルス感染から守るために作られる「インターフェロン」を、
体内で増産させるタンパク質を理化学研究所の渡会浩志上級研究員らの
チームが発見、米科学アカデミー紀要電子版に発表。
マウスでこのタンパク質の働きを高め、感染したウイルスの撃退に成功。
将来、人間に応用できれば、ワクチンが存在しない新型インフルエンザなどの
有効な治療法開発につながる可能性。
感染初期に大きな役割を果たす「樹状細胞」と呼ばれる免疫細胞で、
ウイルスを認識すると、インターフェロンが作られることは分かっていたが、
詳しい仕組みは謎。
チームは、樹状細胞の表面で、ウイルス感染時にだけできるタンパク質
「PDC-TREM」を発見。
このタンパク質の働きを高めると、インターフェロンが増え、
働きを抑えると減少することを突き止めた。
マウスにタンパク質の働きを高める物質を投与した上で
ヘルペスウイルスに感染させると、投与しないマウスはすべて死んだが、
投与したマウスは体内でインターフェロンが大量に作られウイルスを撃退、
約8割が生き残った。
逆に、タンパク質の働きを抑える物質を投与したマウスは、
投与しないマウスが死なない程度の弱いウイルスでも、すべて死んだ。
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=67774
リハビリにWiiを導入 意欲向上に効果と
(CNN 2月17日)
脳卒中の後遺症や骨折、手術などによって身体機能の一部を損なった
患者の回復を図るリハビリテーションに、
任天堂の家庭用ゲーム機「Wii(ウィー)」を導入する動きが、
米国内の病院などで目立っている。
単調になりがちなリハビリへの意欲を向上させるといった効果。
米イリノイ州南部のヘリン病院は、昨年からWiiを活用。
患者は、モーションセンサー付きのコントローラーを操作し、
画面上でのテニスやボクシングに熱中するうち、
知らず知らずに従来のリハビリと同様の運動を繰り返す。
リハビリ部門責任者のジェームズ・オズボーン氏は、
「画面に現れる架空の相手を倒すことに集中するから、
リハビリのつらさを感じなくなったという患者が非常に多い。
苦痛から意識をそらすことで、運動もスムースになる」。
ノースカロライナ州ローリーのウェークメド・ヘルス病院では、
9歳~80歳代までの患者が、Wiiを取り入れたリハビリに取り組んでいる。
脳卒中で倒れ、左腕にまひが残った元警官のビリー・ペリーさんは、
「孫たちがWiiで遊んでいるのを見たことがあったので、
病院でリハビリにと提案されて飛びついた。
楽しいから、体がリラックスして動かしやすくなるね。
今度孫を訪ねた時には、仲間に入れてもらうつもり」。
Wiiは、イラクなどで負傷した米兵を受け入れる軍病院でも活躍。
負傷兵は、20代前半の若者が多く、普段からゲームを楽しむ層と重なり、
Wiiによるリハビリを受け入れるのに何の抵抗もないよう。
ミネソタ州ミネアポリスでは、ミネソタ大と地元病院が共同で、
Wiiのリハビリ効果を科学的に裏付けるための研究に取り組んでいる。
任天堂には、Wiiをリハビリ用として売り込む動きは特にみられないが、
「リハビリという分野に新たな活用法が見出されるのは、喜ばしい」。
http://www.cnn.co.jp/science/CNN200802170021.html
脳卒中の後遺症や骨折、手術などによって身体機能の一部を損なった
患者の回復を図るリハビリテーションに、
任天堂の家庭用ゲーム機「Wii(ウィー)」を導入する動きが、
米国内の病院などで目立っている。
単調になりがちなリハビリへの意欲を向上させるといった効果。
米イリノイ州南部のヘリン病院は、昨年からWiiを活用。
患者は、モーションセンサー付きのコントローラーを操作し、
画面上でのテニスやボクシングに熱中するうち、
知らず知らずに従来のリハビリと同様の運動を繰り返す。
リハビリ部門責任者のジェームズ・オズボーン氏は、
「画面に現れる架空の相手を倒すことに集中するから、
リハビリのつらさを感じなくなったという患者が非常に多い。
苦痛から意識をそらすことで、運動もスムースになる」。
ノースカロライナ州ローリーのウェークメド・ヘルス病院では、
9歳~80歳代までの患者が、Wiiを取り入れたリハビリに取り組んでいる。
脳卒中で倒れ、左腕にまひが残った元警官のビリー・ペリーさんは、
「孫たちがWiiで遊んでいるのを見たことがあったので、
病院でリハビリにと提案されて飛びついた。
楽しいから、体がリラックスして動かしやすくなるね。
今度孫を訪ねた時には、仲間に入れてもらうつもり」。
Wiiは、イラクなどで負傷した米兵を受け入れる軍病院でも活躍。
負傷兵は、20代前半の若者が多く、普段からゲームを楽しむ層と重なり、
Wiiによるリハビリを受け入れるのに何の抵抗もないよう。
ミネソタ州ミネアポリスでは、ミネソタ大と地元病院が共同で、
Wiiのリハビリ効果を科学的に裏付けるための研究に取り組んでいる。
任天堂には、Wiiをリハビリ用として売り込む動きは特にみられないが、
「リハビリという分野に新たな活用法が見出されるのは、喜ばしい」。
http://www.cnn.co.jp/science/CNN200802170021.html
たばこの害が深刻、年間100万人が死亡と インド
(CNN 2月14日)
人口世界第2位のインドで、たばこが原因の疾病が増加し、
2010年までに年間死者が約100万人に達するとの調査報告を、
国際研究チームがニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンに発表。
インドとカナダ、英国の医師や研究者が協力し、調査員約900人を動員、
インド国内の110万世帯を詳しく調べた。
2001~03年に亡くなった7万4000人と、生存中の7万8000人についての
たばこ歴を追跡。これほど大規模な調査は、インドでも初めて。
その結果、インドの喫煙人口は現在、約1億2000万人で、
男性の30%、女性の5%がたばこを吸っていた。
たばこに関連した疾病による死者のうち、
半数以上が貧困層や文字が読めない人々。
これは、通常のたばこよりも小さく、その分安いたばこの流通が原因。
現在はたばこの包装紙に、「文字」でたばこの危険性を警告しているが、
文字を読めない人々にとっては、その情報が伝わっていない。
たばこの死者が今世紀中に10億人に達するとの予測を報告した
世界保健機関(WHO)も、今回のインドにおける調査結果を評価。
インドのラムドス保健相は、この調査結果を重く見て、
「特に貧しい人々へのたばこ教育を強化する」と、
包装紙へ印刷する警告を、文字ではなく写真や絵に変えるほか、
安いたばこについても増税を検討。
http://www.cnn.co.jp/science/CNN200802140028.html
人口世界第2位のインドで、たばこが原因の疾病が増加し、
2010年までに年間死者が約100万人に達するとの調査報告を、
国際研究チームがニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンに発表。
インドとカナダ、英国の医師や研究者が協力し、調査員約900人を動員、
インド国内の110万世帯を詳しく調べた。
2001~03年に亡くなった7万4000人と、生存中の7万8000人についての
たばこ歴を追跡。これほど大規模な調査は、インドでも初めて。
その結果、インドの喫煙人口は現在、約1億2000万人で、
男性の30%、女性の5%がたばこを吸っていた。
たばこに関連した疾病による死者のうち、
半数以上が貧困層や文字が読めない人々。
これは、通常のたばこよりも小さく、その分安いたばこの流通が原因。
現在はたばこの包装紙に、「文字」でたばこの危険性を警告しているが、
文字を読めない人々にとっては、その情報が伝わっていない。
たばこの死者が今世紀中に10億人に達するとの予測を報告した
世界保健機関(WHO)も、今回のインドにおける調査結果を評価。
インドのラムドス保健相は、この調査結果を重く見て、
「特に貧しい人々へのたばこ教育を強化する」と、
包装紙へ印刷する警告を、文字ではなく写真や絵に変えるほか、
安いたばこについても増税を検討。
http://www.cnn.co.jp/science/CNN200802140028.html
2008年2月21日木曜日
過労になると脳下垂体細胞が次々と死滅 大阪市大実験
(朝日 2008年02月15日)
極度の過労によって、脳の中心部にある内分泌器官、
脳下垂体の細胞が次々と死滅していることを、
大阪市立大の研究チームがラットによる実験で判明。
過労は、生体の機能が落ちるだけとみられていたが、
実際は生命維持の中心器官の一つが破壊されていることを立証。
06年度の脳・心疾患で死亡した「過労死者」は147人。
過労を早く見つける「過労マーカー」の開発に役立つと期待。
大阪市立大の木山博資教授(解剖学)らは、
ラットの飼育箱の底に1センチ強の深さに水を張り、5日間観察。
ラットは、体が水にぬれるのをとても嫌う性質があり、
立ったまま数分うとうとする程度しか眠れなくなる。
徹夜で働く人間と、ほぼ同じ状態。
このような状態のラットの脳下垂体を調べると、
5日目に細胞が死滅し始め、下垂体の中葉と呼ばれる部分がスポンジ状に。
下垂体中葉には、脳の神経核A14という部分から
神経伝達物質ドーパミンが供給。
疲労がつのるにつれて、A14のドーパミン生産能力が減り、
下垂体の死滅細胞が増えていた。
実験後、飼育箱から水を抜くと、ラットはすぐに睡眠をとり、
半日後には活動を再開。
しかし、下垂体が元の状態に戻るには数日間かかった。
早めの休養が重要であることを示している。
http://www.asahi.com/science/update/0215/TKY200802150139.html
極度の過労によって、脳の中心部にある内分泌器官、
脳下垂体の細胞が次々と死滅していることを、
大阪市立大の研究チームがラットによる実験で判明。
過労は、生体の機能が落ちるだけとみられていたが、
実際は生命維持の中心器官の一つが破壊されていることを立証。
06年度の脳・心疾患で死亡した「過労死者」は147人。
過労を早く見つける「過労マーカー」の開発に役立つと期待。
大阪市立大の木山博資教授(解剖学)らは、
ラットの飼育箱の底に1センチ強の深さに水を張り、5日間観察。
ラットは、体が水にぬれるのをとても嫌う性質があり、
立ったまま数分うとうとする程度しか眠れなくなる。
徹夜で働く人間と、ほぼ同じ状態。
このような状態のラットの脳下垂体を調べると、
5日目に細胞が死滅し始め、下垂体の中葉と呼ばれる部分がスポンジ状に。
下垂体中葉には、脳の神経核A14という部分から
神経伝達物質ドーパミンが供給。
疲労がつのるにつれて、A14のドーパミン生産能力が減り、
下垂体の死滅細胞が増えていた。
実験後、飼育箱から水を抜くと、ラットはすぐに睡眠をとり、
半日後には活動を再開。
しかし、下垂体が元の状態に戻るには数日間かかった。
早めの休養が重要であることを示している。
http://www.asahi.com/science/update/0215/TKY200802150139.html
笑い測定機開発、大爆笑4秒で20「アッハ」 関西大
(朝日 2008年02月16日)
笑いの度合いを数値化し、アッハ(aH)という単位で表す
「笑い測定機」を関西大の木村洋二教授(コミュニケーション論)と
大学院修士課程2年の降旗真司さんの研究チームが開発。
笑いは、健康にいいといわれるが、
それを科学的に検証するために役立てたい。
ほお、横隔膜、腹筋の周辺の皮膚にセンサーを張り付け、
1秒に3千回の頻度で、筋肉を動かすときに発生する
微弱な電気(筋電位)を測定。
これをパソコンに取り込み、独自開発の専用ソフトで解析し、
笑いの程度を判定。
心から笑っていない人を見破ることもできるという。
木村教授によると、大爆笑は1秒あたり5アッハほどで、
これが4秒続くと20アッハになる。
07年に測定機の原理に関する特許を出願。
開発費は約600万円。
http://www.asahi.com/science/update/0215/OSK200802150063.html
笑いの度合いを数値化し、アッハ(aH)という単位で表す
「笑い測定機」を関西大の木村洋二教授(コミュニケーション論)と
大学院修士課程2年の降旗真司さんの研究チームが開発。
笑いは、健康にいいといわれるが、
それを科学的に検証するために役立てたい。
ほお、横隔膜、腹筋の周辺の皮膚にセンサーを張り付け、
1秒に3千回の頻度で、筋肉を動かすときに発生する
微弱な電気(筋電位)を測定。
これをパソコンに取り込み、独自開発の専用ソフトで解析し、
笑いの程度を判定。
心から笑っていない人を見破ることもできるという。
木村教授によると、大爆笑は1秒あたり5アッハほどで、
これが4秒続くと20アッハになる。
07年に測定機の原理に関する特許を出願。
開発費は約600万円。
http://www.asahi.com/science/update/0215/OSK200802150063.html
2008年2月20日水曜日
スポーツ中の突然死:前日、十分睡眠を 指導者や教員へ知識、技術普及を
(毎日 2月15日)
健康維持にスポーツは欠かせないが、スポーツ中の突然死は後を絶たない。
防止するには、どうしたらよいのだろうか?
東京都済生会中央病院の三田村秀雄副院長(循環器)によると、
スポーツ中の突然死の原因は年齢によって大きく異なる。
若年層の場合は、心臓に生まれつき異常や疾患があったり、
乳幼児期に川崎病にかかったケースなどが多いが、
中高年の場合、多くが心筋梗塞。
「スポーツでの突然死のリスクは、安静時の17倍というデータも」。
心臓突然死は予測できないが、心筋梗塞の4大危険因子と言われる
高血圧、糖尿病、高脂血症、喫煙は危険度を高める。
予防には、普段から定期的にトレーニングして急に激しいスポーツをしないこと、
スポーツをする前日は十分な睡眠を取ること。
風邪もあなどってはいけない。
風邪が原因で心筋炎を起こすことがあるから。
スポーツ前やスポーツ中に胸痛、血の気が引くような感じのめまい、
脈の乱れを感じるような動悸があったら、すぐ中止する。
汗をかいて脱水状態になると、血液が固まりやすくなるので、
こまめな水分補給を心がける。
スポーツの前後にウオーミングアップとクールダウンを十分することや、
普段の健康チェックも重要。
心電図は安静時だけではなく、スポーツ時の負荷をかけた状態でも取るとよい。
もし倒れた場合は、いかに早く対処できるかが生死を分ける。
「3分以内に対処できれば、7割が助かる。
人が倒れたら、心停止かもしれないという意識を持つこと。
AED(自動体外式除細動器)の配備が進んでいるが、
目につくところに置き、何かあった時のシミュレーションをしておくことが大事」。
とはいえ、周囲の人がどうしていいか分からず、
時間ばかりたってしまうこともありうる。
全米公認アスレチックトレーナーの資格を持つトレーナーらが発足させた
NPO法人、スポーツセーフティージャパン(佐保豊代表理事)は、
無料の携帯電話サイト「スポーツセーフティー」
(http://www.sports-safety.net/m/ss)で、
緊急事態への対応を写真入りで解説した「緊急対応ガイド」を配信。
「人が倒れて動かない」、「痛がっている」、「息苦しそうにしている」、
「意識がもうろうとしている」、「けいれんしている」の五つの入り口から、
状況に応じた対処法が分かる仕組み。
人が倒れている場合、周りの安全を確認した上で、意識の有無を確認。
意識がない場合は、救急車を呼ぶと同時にAEDの用意も指示。
気道を確保し、口の中に異物があれば取り除き、呼吸の有無を確認。
AEDがある場合には使い方を、
ない場合には人工呼吸や心臓マッサージの手順を解説。
「日本は、スポーツ事故を予防しようという意識や技術の普及が遅れている。
米国での調査では、スポーツでの事故は7~8割が予防できる。
特に、子どものスポーツにかかわる指導者や学校の先生、施設関係者、
保護者は責任として、最低限の知識を身につけてほしい」。
http://mainichi.jp/life/health/news/20080215ddm013100172000c.html
健康維持にスポーツは欠かせないが、スポーツ中の突然死は後を絶たない。
防止するには、どうしたらよいのだろうか?
東京都済生会中央病院の三田村秀雄副院長(循環器)によると、
スポーツ中の突然死の原因は年齢によって大きく異なる。
若年層の場合は、心臓に生まれつき異常や疾患があったり、
乳幼児期に川崎病にかかったケースなどが多いが、
中高年の場合、多くが心筋梗塞。
「スポーツでの突然死のリスクは、安静時の17倍というデータも」。
心臓突然死は予測できないが、心筋梗塞の4大危険因子と言われる
高血圧、糖尿病、高脂血症、喫煙は危険度を高める。
予防には、普段から定期的にトレーニングして急に激しいスポーツをしないこと、
スポーツをする前日は十分な睡眠を取ること。
風邪もあなどってはいけない。
風邪が原因で心筋炎を起こすことがあるから。
スポーツ前やスポーツ中に胸痛、血の気が引くような感じのめまい、
脈の乱れを感じるような動悸があったら、すぐ中止する。
汗をかいて脱水状態になると、血液が固まりやすくなるので、
こまめな水分補給を心がける。
スポーツの前後にウオーミングアップとクールダウンを十分することや、
普段の健康チェックも重要。
心電図は安静時だけではなく、スポーツ時の負荷をかけた状態でも取るとよい。
もし倒れた場合は、いかに早く対処できるかが生死を分ける。
「3分以内に対処できれば、7割が助かる。
人が倒れたら、心停止かもしれないという意識を持つこと。
AED(自動体外式除細動器)の配備が進んでいるが、
目につくところに置き、何かあった時のシミュレーションをしておくことが大事」。
とはいえ、周囲の人がどうしていいか分からず、
時間ばかりたってしまうこともありうる。
全米公認アスレチックトレーナーの資格を持つトレーナーらが発足させた
NPO法人、スポーツセーフティージャパン(佐保豊代表理事)は、
無料の携帯電話サイト「スポーツセーフティー」
(http://www.sports-safety.net/m/ss)で、
緊急事態への対応を写真入りで解説した「緊急対応ガイド」を配信。
「人が倒れて動かない」、「痛がっている」、「息苦しそうにしている」、
「意識がもうろうとしている」、「けいれんしている」の五つの入り口から、
状況に応じた対処法が分かる仕組み。
人が倒れている場合、周りの安全を確認した上で、意識の有無を確認。
意識がない場合は、救急車を呼ぶと同時にAEDの用意も指示。
気道を確保し、口の中に異物があれば取り除き、呼吸の有無を確認。
AEDがある場合には使い方を、
ない場合には人工呼吸や心臓マッサージの手順を解説。
「日本は、スポーツ事故を予防しようという意識や技術の普及が遅れている。
米国での調査では、スポーツでの事故は7~8割が予防できる。
特に、子どものスポーツにかかわる指導者や学校の先生、施設関係者、
保護者は責任として、最低限の知識を身につけてほしい」。
http://mainichi.jp/life/health/news/20080215ddm013100172000c.html
英国、五輪出場の選手にマスク配給か 競技には使わずと
(朝日 2月15日)
英国オリンピック委員会は、今夏の北京五輪に出場する同国選手に
大気汚染対策でマスクを支給することを検討している。
ただ、汚染が大会前に改善されれば実施しないと、
中国政策の汚染対策の徹底を促している。
競技中の着用はない。
委員会首脳は、マスク配給は選手を支援するための選択肢の一つと指摘。
大会では、メダル獲得を目指し、
競争相手を負かさなければならないとも語り、
事態の推移次第ではマスク着用を命じることを明らかに。
支給を検討しているマスクは、大学などが開発した特殊品。
http://www.cnn.co.jp/sports/CNN200802150034.html
英国オリンピック委員会は、今夏の北京五輪に出場する同国選手に
大気汚染対策でマスクを支給することを検討している。
ただ、汚染が大会前に改善されれば実施しないと、
中国政策の汚染対策の徹底を促している。
競技中の着用はない。
委員会首脳は、マスク配給は選手を支援するための選択肢の一つと指摘。
大会では、メダル獲得を目指し、
競争相手を負かさなければならないとも語り、
事態の推移次第ではマスク着用を命じることを明らかに。
支給を検討しているマスクは、大学などが開発した特殊品。
http://www.cnn.co.jp/sports/CNN200802150034.html
柔道着の色 青と白どちらが有利?英研究チームが分析
(朝日 2008年02月17日)
青と白ではどちらが有利か――
柔道の国際大会で選手が着る柔道着について、
青色の方が勝率が高いとの説を覆し、色の違いの差はないとする結果を、
英グラスゴー大の研究チームが英王立協会の紀要に発表。
格闘技の着衣や防具の色をめぐっては、複数の別の研究チームが、
アテネ五輪(04年)などの結果から、色による勝率の差を指摘。
例えば、柔道では白色より青色の方が勝率が高いとされ、
青色と赤色に分かれて対戦するアマチュアレスリングやボクシングでは
赤色が有利とする説。
理由は不明だが、青や赤は相手に威嚇的な印象を与えるという見方や、
白はよく目立つために動きが読まれやすいといった理由。
グラスゴー大のチームは、96~05年に行われた柔道の世界選手権や
オリンピックのうち、シード選手が青色の柔道着を着る慣例があり、
勝率に偏りが生じかねない試合を除外。
決勝戦のみ、501試合を選んで分析した結果、
青の勝率は50.7%で白とほぼ同じ。
http://www.asahi.com/science/update/0217/TKY200802170164.html
青と白ではどちらが有利か――
柔道の国際大会で選手が着る柔道着について、
青色の方が勝率が高いとの説を覆し、色の違いの差はないとする結果を、
英グラスゴー大の研究チームが英王立協会の紀要に発表。
格闘技の着衣や防具の色をめぐっては、複数の別の研究チームが、
アテネ五輪(04年)などの結果から、色による勝率の差を指摘。
例えば、柔道では白色より青色の方が勝率が高いとされ、
青色と赤色に分かれて対戦するアマチュアレスリングやボクシングでは
赤色が有利とする説。
理由は不明だが、青や赤は相手に威嚇的な印象を与えるという見方や、
白はよく目立つために動きが読まれやすいといった理由。
グラスゴー大のチームは、96~05年に行われた柔道の世界選手権や
オリンピックのうち、シード選手が青色の柔道着を着る慣例があり、
勝率に偏りが生じかねない試合を除外。
決勝戦のみ、501試合を選んで分析した結果、
青の勝率は50.7%で白とほぼ同じ。
http://www.asahi.com/science/update/0217/TKY200802170164.html
2008年2月19日火曜日
健康ナビ:マラソンの後、足のつめが黒くなります。どうすればよい?
(毎日 2月15日)
高田整形外科病院の小嵐正治医師は、
「足先が靴にあたって圧迫されるのが原因」。
つめが黒くなるのは、つめの裏の「爪床」という組織の毛細血管が壊れ、
つめとの間に血がたまるため。
対策としてまず、つめが靴で圧迫を受けないよう、
足先に1センチぐらい余裕のある靴を選ぶ。
走行中にひもがゆるんだら、早めに締め直す。
特に、下り坂の場合、足が前に滑り出て足先が靴に当たるので要注意。
結ぶ部分だけ締めるのではなく、下の方から引っ張り上げることが大切。
つめが黒くなった場合、たまった血の圧力で、つめがはがれることがある。
走っている最中にはがれているのに、レース後に気付く場合が多い。
少しでもくっついていれば無理にとらず、
ばんそうこうでとめておいた方が回復が早い。
はがれなくても、強い痛みを感じることもある。
その場合、外科か整形外科で血を抜くと楽になる。
注射針などで穴を開けるだけの安全な処置。
つめが黒くなっても、痛みがなければ翌日からでも走って構わない。
ランニングなどの専門店「アスリートクラブ」の三宅秀敏さんは、
「靴の中で足が横ぶれすることが原因の場合もある」。
着地のときにかかとから入り、外側を通って親指に抜ける
「足圧中心軌跡」を描くのが理想的な走り方。
しかし、骨格や筋肉の付き方などで、親指に抜ける前に外側にぶれる
走り方になっていると、無意識のうちにつめを立て、つめが黒くなる。
自分に合った中敷きを作ると(同店では8925円~)、
足にかかる圧力が分散されて正常な走り方になり、
横ぶれを防げるという。
http://mainichi.jp/life/health/news/20080215ddm013100174000c.html
高田整形外科病院の小嵐正治医師は、
「足先が靴にあたって圧迫されるのが原因」。
つめが黒くなるのは、つめの裏の「爪床」という組織の毛細血管が壊れ、
つめとの間に血がたまるため。
対策としてまず、つめが靴で圧迫を受けないよう、
足先に1センチぐらい余裕のある靴を選ぶ。
走行中にひもがゆるんだら、早めに締め直す。
特に、下り坂の場合、足が前に滑り出て足先が靴に当たるので要注意。
結ぶ部分だけ締めるのではなく、下の方から引っ張り上げることが大切。
つめが黒くなった場合、たまった血の圧力で、つめがはがれることがある。
走っている最中にはがれているのに、レース後に気付く場合が多い。
少しでもくっついていれば無理にとらず、
ばんそうこうでとめておいた方が回復が早い。
はがれなくても、強い痛みを感じることもある。
その場合、外科か整形外科で血を抜くと楽になる。
注射針などで穴を開けるだけの安全な処置。
つめが黒くなっても、痛みがなければ翌日からでも走って構わない。
ランニングなどの専門店「アスリートクラブ」の三宅秀敏さんは、
「靴の中で足が横ぶれすることが原因の場合もある」。
着地のときにかかとから入り、外側を通って親指に抜ける
「足圧中心軌跡」を描くのが理想的な走り方。
しかし、骨格や筋肉の付き方などで、親指に抜ける前に外側にぶれる
走り方になっていると、無意識のうちにつめを立て、つめが黒くなる。
自分に合った中敷きを作ると(同店では8925円~)、
足にかかる圧力が分散されて正常な走り方になり、
横ぶれを防げるという。
http://mainichi.jp/life/health/news/20080215ddm013100174000c.html
湯川秀樹博士:直筆のノーベル賞論文、ネットで公開--京都大
(毎日 2月14日)
日本で初めてノーベル賞を受賞した理論物理学者、
湯川秀樹(1907~81)の受賞論文の手書き原稿を、
京都大がインターネットで公開。
リポート用紙13枚から成る「素粒子の相互作用について1」の全文。
大阪帝国大講師時代の34年、学位を取るため書き始めた初論文で、
丁寧な筆記体の英語で書かれている。
http://www.ocw.kyoto-u.ac.jp/jp/
現役の京大教授によると、
「アイデア自体は単純。優秀な大学3年生なら理解できる」。
http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2008/02/14/20080214ddm012040152000c.html
日本で初めてノーベル賞を受賞した理論物理学者、
湯川秀樹(1907~81)の受賞論文の手書き原稿を、
京都大がインターネットで公開。
リポート用紙13枚から成る「素粒子の相互作用について1」の全文。
大阪帝国大講師時代の34年、学位を取るため書き始めた初論文で、
丁寧な筆記体の英語で書かれている。
http://www.ocw.kyoto-u.ac.jp/jp/
現役の京大教授によると、
「アイデア自体は単純。優秀な大学3年生なら理解できる」。
http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2008/02/14/20080214ddm012040152000c.html
2008年2月18日月曜日
スポーツ21世紀:新しい波/260 陸上・実業団選手登録/4
(毎日 2月16日)
昨夏の世界陸上選手権大阪大会に、高校生でただ一人、
日本代表として出場した絹川愛=宮城・仙台育英高3年=が、
スポーツ用品メーカーのミズノに入社。
絹川は、「仕事として(陸上を)やっていく自覚を持たなければ」。
入社内定は1月。
これほど実績がある選手の進路決定が、年明けまでずれ込むのは珍しい。
一因は、昨春、豊田自動織機入社と同時に岡山大に入学した
小林祐梨子の実業団登録問題。
仙台育英高の渡辺高夫監督が、
「絹川の進路も、最優先は大学プラス実業団だった。
可能性を探るため、推移に注目していたのだが……。
進学は北京五輪後でも、競技生活が終わってからでも遅くないと
絹川本人には話している」
今春の定年退職後も引き続き絹川を指導する渡辺監督は、
登録問題について「それぞれ言い分があり、出口はない」。
ただ、日清食品の監督を務めた経験を踏まえ、こう指摘した。
「チームを持つ意味を社内の福利厚生に求めるなど、
企業の多くは視線が内に向いている。
駅伝だけでなく、選手を日本代表に送り込むことを
ビジネスとしてとらえることができないものか。
少し変わったことをしようとする選手や指導者を排除する体質も、
変えるべき時が来ているのでは」
進路や競技に取り組む価値を、金銭(年俸や給与)や待遇など
物質的な要素で判断する傾向に拍車をかけるとして、
ビジネスという考え方を疑問視する実業団関係者は多い。
小林や絹川は、高校時代から日の丸を背負った特例で、
従来の発想にとらわれない進路選択できるのも事実。
一方、注目度が高い選手の事例だからこそ、
他選手に与える影響が大きいという側面も。
「今は、彼女が道を開く形になっている。
しかし、未成年の小林自身が矢面に立つのはねえ。
五輪でメダル取得後、選手の権利を主張して戦った有森裕子とは立場が違う。
将来にプラスになるとは思えない」。
渡辺監督は、選択肢が広がる流れを支持しながらも、
小林が置かれた状況を憂慮する。
http://mainichi.jp/enta/sports/21century/
昨夏の世界陸上選手権大阪大会に、高校生でただ一人、
日本代表として出場した絹川愛=宮城・仙台育英高3年=が、
スポーツ用品メーカーのミズノに入社。
絹川は、「仕事として(陸上を)やっていく自覚を持たなければ」。
入社内定は1月。
これほど実績がある選手の進路決定が、年明けまでずれ込むのは珍しい。
一因は、昨春、豊田自動織機入社と同時に岡山大に入学した
小林祐梨子の実業団登録問題。
仙台育英高の渡辺高夫監督が、
「絹川の進路も、最優先は大学プラス実業団だった。
可能性を探るため、推移に注目していたのだが……。
進学は北京五輪後でも、競技生活が終わってからでも遅くないと
絹川本人には話している」
今春の定年退職後も引き続き絹川を指導する渡辺監督は、
登録問題について「それぞれ言い分があり、出口はない」。
ただ、日清食品の監督を務めた経験を踏まえ、こう指摘した。
「チームを持つ意味を社内の福利厚生に求めるなど、
企業の多くは視線が内に向いている。
駅伝だけでなく、選手を日本代表に送り込むことを
ビジネスとしてとらえることができないものか。
少し変わったことをしようとする選手や指導者を排除する体質も、
変えるべき時が来ているのでは」
進路や競技に取り組む価値を、金銭(年俸や給与)や待遇など
物質的な要素で判断する傾向に拍車をかけるとして、
ビジネスという考え方を疑問視する実業団関係者は多い。
小林や絹川は、高校時代から日の丸を背負った特例で、
従来の発想にとらわれない進路選択できるのも事実。
一方、注目度が高い選手の事例だからこそ、
他選手に与える影響が大きいという側面も。
「今は、彼女が道を開く形になっている。
しかし、未成年の小林自身が矢面に立つのはねえ。
五輪でメダル取得後、選手の権利を主張して戦った有森裕子とは立場が違う。
将来にプラスになるとは思えない」。
渡辺監督は、選択肢が広がる流れを支持しながらも、
小林が置かれた状況を憂慮する。
http://mainichi.jp/enta/sports/21century/
ES細胞を使って赤血球を無限に作製 マウスで理研めど
(朝日 2008年02月06日)
万能細胞の一種、胚性幹細胞(ES細胞)を使って
赤血球を無限に作り出す方法にマウスでめどをつけたと、
理化学研究所バイオリソースセンター中村幸夫室長らが、
米科学誌プロスワンに発表。
すでに人間のES細胞でも同様の研究を始め、
別の万能細胞(iPS細胞)を使った研究も計画。
臨床応用できれば、輸血用血液の不足を補えそう。
これまでに、人の骨髄などにある血液(造血)幹細胞から
赤血球を効率よく作る手法を確立しているが、
血液幹細胞には寿命があり赤血球を無限に作らせることはできなかった。
今回は、マウスの8種類のES細胞株を使い、
栄養細胞や増殖因子とともに繰り返し培養。
その結果、1年以上増殖し続ける赤血球の前段階の細胞
(赤血球前駆細胞)の株を作ることに成功。
前駆細胞は赤血球のもとで、赤血球を無限に作れる。
薬で急性貧血にしたマウスにこの前駆細胞を移植すると、
赤血球の数やヘモグロビンの量などが増え、
体内で前駆細胞から赤血球ができたことが裏付け。
貧血症状も改善。
重症のマウスでは、前駆細胞を移植した8匹のうち7匹が生き延びたが、
移植しなかった8匹では7匹が死んだ。
万能細胞から作った細胞では、異常増殖などによるがん化が最も怖い。
一方、完全な赤血球まで分化させれば、
増殖にかかわる情報を持つ核が抜け、がん化の心配はない。
今回作った前駆細胞株では、できた赤血球の9割に核が残り、
分化は不完全だが、放射線を当てて核が残る赤血球を完全に除くことも。
血液の細胞成分で、無限作製への道が見えたのは初めて。
人で実用化できれば、輸血用赤血球の不足が解消され、
輸血血液を介した感染リスクの低減にも一役買いそう。
同じ血液型なら、他人のES細胞が使える。
中村さんは、「人の血液幹細胞から成熟した赤血球を作る手法が
すでにあることを考えると、臨床応用にかなり近づいた」。
〈中内啓光東京大教授(再生医学・幹細胞治療)の話〉
ユニークで、実用性が高い成果。
赤血球は核がなく、移植の安全性も高い。
造血系や免疫系は人間とマウスで似ており、
人間の万能細胞でもできる可能性が高いだけに、
近い将来の臨床応用が期待。
http://www.asahi.com/science/update/0206/TKY200802060040.html
万能細胞の一種、胚性幹細胞(ES細胞)を使って
赤血球を無限に作り出す方法にマウスでめどをつけたと、
理化学研究所バイオリソースセンター中村幸夫室長らが、
米科学誌プロスワンに発表。
すでに人間のES細胞でも同様の研究を始め、
別の万能細胞(iPS細胞)を使った研究も計画。
臨床応用できれば、輸血用血液の不足を補えそう。
これまでに、人の骨髄などにある血液(造血)幹細胞から
赤血球を効率よく作る手法を確立しているが、
血液幹細胞には寿命があり赤血球を無限に作らせることはできなかった。
今回は、マウスの8種類のES細胞株を使い、
栄養細胞や増殖因子とともに繰り返し培養。
その結果、1年以上増殖し続ける赤血球の前段階の細胞
(赤血球前駆細胞)の株を作ることに成功。
前駆細胞は赤血球のもとで、赤血球を無限に作れる。
薬で急性貧血にしたマウスにこの前駆細胞を移植すると、
赤血球の数やヘモグロビンの量などが増え、
体内で前駆細胞から赤血球ができたことが裏付け。
貧血症状も改善。
重症のマウスでは、前駆細胞を移植した8匹のうち7匹が生き延びたが、
移植しなかった8匹では7匹が死んだ。
万能細胞から作った細胞では、異常増殖などによるがん化が最も怖い。
一方、完全な赤血球まで分化させれば、
増殖にかかわる情報を持つ核が抜け、がん化の心配はない。
今回作った前駆細胞株では、できた赤血球の9割に核が残り、
分化は不完全だが、放射線を当てて核が残る赤血球を完全に除くことも。
血液の細胞成分で、無限作製への道が見えたのは初めて。
人で実用化できれば、輸血用赤血球の不足が解消され、
輸血血液を介した感染リスクの低減にも一役買いそう。
同じ血液型なら、他人のES細胞が使える。
中村さんは、「人の血液幹細胞から成熟した赤血球を作る手法が
すでにあることを考えると、臨床応用にかなり近づいた」。
〈中内啓光東京大教授(再生医学・幹細胞治療)の話〉
ユニークで、実用性が高い成果。
赤血球は核がなく、移植の安全性も高い。
造血系や免疫系は人間とマウスで似ており、
人間の万能細胞でもできる可能性が高いだけに、
近い将来の臨床応用が期待。
http://www.asahi.com/science/update/0206/TKY200802060040.html
2008年2月17日日曜日
路面電車見直しへ実証実験
(サイエンスポータル 2008年2月13日)
都市内交通の円滑化、CO2、NOX排出など環境負荷の軽減、
さらには超高齢社会への対応といった観点から、
路面電車の利用促進を狙った情報提供実験が、広島市で始まった。
実験は、広島駅、広島港、広電宮島口などを結ぶ広島電鉄の一部電停で実施。
大型液晶モニタによる情報提供装置を設置し、到着する電車、
次に到着する電車の行き先、到着までの予想時間のほか、
身障者向きの床が低い車種かどうかといった情報を表示。
一部の電停では、混雑度も表示し、さらに電車とバスの乗り継ぎ駅では、
接続する電車の接近情報をバスに提供し、バスの運行調整によって
乗り継ぎを円滑にする試みも実施。
実験は29日まで行われ、路面電車の利便性や課題を検証したい、
と実験を実施する国土交通省は言っている。
国土交通省 http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha08/04/040207_.html
http://www.scienceportal.jp/news/daily/0802/0802131.html
都市内交通の円滑化、CO2、NOX排出など環境負荷の軽減、
さらには超高齢社会への対応といった観点から、
路面電車の利用促進を狙った情報提供実験が、広島市で始まった。
実験は、広島駅、広島港、広電宮島口などを結ぶ広島電鉄の一部電停で実施。
大型液晶モニタによる情報提供装置を設置し、到着する電車、
次に到着する電車の行き先、到着までの予想時間のほか、
身障者向きの床が低い車種かどうかといった情報を表示。
一部の電停では、混雑度も表示し、さらに電車とバスの乗り継ぎ駅では、
接続する電車の接近情報をバスに提供し、バスの運行調整によって
乗り継ぎを円滑にする試みも実施。
実験は29日まで行われ、路面電車の利便性や課題を検証したい、
と実験を実施する国土交通省は言っている。
国土交通省 http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha08/04/040207_.html
http://www.scienceportal.jp/news/daily/0802/0802131.html
「人力発電」歩くだけで携帯10台分 平均出力5ワット
(朝日 2008年02月12日)
走ったり歩いたりする際、ひざにかかる力の一部を吸収して
電気に変える人力発電装置を、カナダと米国の研究チームが開発。
平均出力は5ワットに達し、携帯電話なら約10台を
一度に動かすことができるという。
発電設備のない場所で電力供給するのに役立つかもしれない。
人がうまく歩けるのは、踏み込んだときに余った力を
太ももの裏側の筋肉などで吸収し、動きをコントロールしている。
研究チームは、足を振り出す際にこの余分な力を効率よく吸収し、
発電機を回して運動エネルギーを電気に変える装置を開発。
装置を足に付けた6人に、ランニングマシンの上で歩いてもらったところ、
体にほとんど負担を感じることなく発電することに成功。
そのうち1人は、走ることで最大出力54ワットを得ることができた。
これまでに靴に取り付ける人力発電装置などが開発されてはいるが、
出力は0.8ワットが限度。
研究チームは、へき地でのコンピューター利用や
携帯用医療機器の電源などに役立つとみている。
http://www.asahi.com/science/update/0207/TKY200802070397.html
走ったり歩いたりする際、ひざにかかる力の一部を吸収して
電気に変える人力発電装置を、カナダと米国の研究チームが開発。
平均出力は5ワットに達し、携帯電話なら約10台を
一度に動かすことができるという。
発電設備のない場所で電力供給するのに役立つかもしれない。
人がうまく歩けるのは、踏み込んだときに余った力を
太ももの裏側の筋肉などで吸収し、動きをコントロールしている。
研究チームは、足を振り出す際にこの余分な力を効率よく吸収し、
発電機を回して運動エネルギーを電気に変える装置を開発。
装置を足に付けた6人に、ランニングマシンの上で歩いてもらったところ、
体にほとんど負担を感じることなく発電することに成功。
そのうち1人は、走ることで最大出力54ワットを得ることができた。
これまでに靴に取り付ける人力発電装置などが開発されてはいるが、
出力は0.8ワットが限度。
研究チームは、へき地でのコンピューター利用や
携帯用医療機器の電源などに役立つとみている。
http://www.asahi.com/science/update/0207/TKY200802070397.html
2008年2月16日土曜日
スポーツ21世紀:新しい波/259 陸上・実業団選手登録/3
(毎日 2月9日)
実業団陸上界では、選手の所属形態の多様化が進む。
仕事をしながら競技を行う形を保つ会社もあるが、
仕事はせず競技に専念するプロ的な形態も増えた。
企業によって、チームのあり方や考え方もさまざま。
男子でアテネ五輪マラソン6位の諏訪利成を擁する日清食品は、
年俸制の契約が基本。
希望者は会社の勤務を経験できるが、大半の選手は陸上に専念。
白水昭興監督は、「会社も勝つことを求めている。
競技に集中できる環境を整えるのは当然」。
競技を続けながら正社員になる制度もあるが、過去に適用者はない。
「将来は、教員や家業などを望む選手も多い」と、選手の意思を尊重。
女子で浅利純子ら2人のマラソン五輪代表を出したダイハツは、
88年に「社員に勇気と夢を与えよう」と創部。
選手は人事、総務などの部署に所属し、
試合や合宿の時以外は午前中に約2時間勤務。
宮脇義広・陸上部事務局長は、「社員としても一人前に育ってほしい。
仕事でも頑張れば、職場からも応援される」と狙いを説明。
引退後も、会社に残って働く選手は多い。
02年に全日本実業団対抗女子駅伝を制した第一生命は、
午前中に本社で勤務する正社員と、競技に専念する契約社員の両方。
正社員で入社して数年後に契約社員に変わった選手も2人。
山下佐知子監督は、「職場でも陸上でも、ある程度自立ができてくれば、
競技に専念させてもいい」と成長に応じた判断。
最近では、入社と同時に社内留学制度で岡山大に入った
女子中長距離の小林祐梨子(豊田自動織機)のような新しいケースも。
実業団選手の定義は、一層見えにくくなっている。
全員が正社員の老舗チーム、旭化成の宗猛監督は、
「実業団の資格にある程度の線引きは必要。
どんな形でも認めたら、実業団という枠組み自体が無意味になる」。
白水監督は、「プロ的な環境作りが進んでいるのに、
今さら堅く考えたら世界の流れからも遅れる」。
議論はされても、なかなか意見の統一は難しい。
http://mainichi.jp/enta/sports/21century/
実業団陸上界では、選手の所属形態の多様化が進む。
仕事をしながら競技を行う形を保つ会社もあるが、
仕事はせず競技に専念するプロ的な形態も増えた。
企業によって、チームのあり方や考え方もさまざま。
男子でアテネ五輪マラソン6位の諏訪利成を擁する日清食品は、
年俸制の契約が基本。
希望者は会社の勤務を経験できるが、大半の選手は陸上に専念。
白水昭興監督は、「会社も勝つことを求めている。
競技に集中できる環境を整えるのは当然」。
競技を続けながら正社員になる制度もあるが、過去に適用者はない。
「将来は、教員や家業などを望む選手も多い」と、選手の意思を尊重。
女子で浅利純子ら2人のマラソン五輪代表を出したダイハツは、
88年に「社員に勇気と夢を与えよう」と創部。
選手は人事、総務などの部署に所属し、
試合や合宿の時以外は午前中に約2時間勤務。
宮脇義広・陸上部事務局長は、「社員としても一人前に育ってほしい。
仕事でも頑張れば、職場からも応援される」と狙いを説明。
引退後も、会社に残って働く選手は多い。
02年に全日本実業団対抗女子駅伝を制した第一生命は、
午前中に本社で勤務する正社員と、競技に専念する契約社員の両方。
正社員で入社して数年後に契約社員に変わった選手も2人。
山下佐知子監督は、「職場でも陸上でも、ある程度自立ができてくれば、
競技に専念させてもいい」と成長に応じた判断。
最近では、入社と同時に社内留学制度で岡山大に入った
女子中長距離の小林祐梨子(豊田自動織機)のような新しいケースも。
実業団選手の定義は、一層見えにくくなっている。
全員が正社員の老舗チーム、旭化成の宗猛監督は、
「実業団の資格にある程度の線引きは必要。
どんな形でも認めたら、実業団という枠組み自体が無意味になる」。
白水監督は、「プロ的な環境作りが進んでいるのに、
今さら堅く考えたら世界の流れからも遅れる」。
議論はされても、なかなか意見の統一は難しい。
http://mainichi.jp/enta/sports/21century/
地球と暮らす:/37 緑の地球ネットワーク 植樹ノウハウを中国に
(毎日 2月11日)
中国の環境悪化は、地球温暖化への影響はもちろん、
日本の大気汚染にもつながる重要な問題。
中国人の目をもっと環境に向けさせたい。
NPO法人「緑の地球ネットワーク」は、
中国北部の山西省大同市で植樹活動を続けている。
事務局長の高見邦雄さん(59)らは、92年に初めて現地を訪れた。
北京の知人が、「緑化に熱心な地域。美人の産地でいい酒もある」と
同市渾源県を紹介した。
だが、ここの土壌や気候は木の生育に厳しかった。
現地では、山すそに33万本以上のマツを植える計画があった。
高見さんたちはこれに協力し、日本の会員約200人から資金を集めて
苗木代10万元(当時のレートで約260万円)を寄付。
ところが、マツはほぼ全滅。
アンズの植樹にも協力したが、育たなかった。
現地の土は「黄土」と呼ばれる、黄色味を帯びた細かい土。
養分が少なく、通気性も保水性も悪い。
気温は、冬は氷点下30度、夏は39度。
降水量は年200~600ミリと、日本の4分の1。
大半が6~8月に1時間70ミリもの集中豪雨で降り、木が育つ春は水不足。
94年春、大阪市立大助教授だった立花吉茂さん
(植物学、現緑の地球ネットワーク代表)ら、日本の専門家を現地に招いた。
現地では、水を含ませた黄土に苗木を植え、周辺を踏み固めていた。
立花さんは「これでは根が窒息する」と指摘。
黄土に砂や石炭かすを混ぜ、通気性を高めるよう指導。
現地方式で畑に植えたアンズは、1年後に50本中約15本が枯れたが、
立花方式のアンズはすべて勢いよく育った。
マツの根に共生するキノコの胞子をつけて植え、成長を助ける方法や、
グミ科やマメ科の木をマツと混ぜて植え、病虫害に強い林を作る方法も。
今は、植えた木の6~9割が無事に育つ。
日本から毎年延べ300人前後が現地を訪れ、
1人が100~200本の木を植える。
植樹に協力した木は、昨年度までに約1700万本。
植樹面積は52平方キロを超えた。
当初は、「環境保護など豊かな日本人の言い分だ。
経済成長のためなら、我々は汚染さえ望む」との極論も。
昨年9月、日中合同の省エネ会議で中国の曽培炎副首相は、
「植樹活動を続け、日本から2500人以上を連れて来た」と
高見さんたちに感謝したという。
==============
◇緑の地球ネットワーク
93年に発足。05年にNPO法人化。
会員は個人約620人と企業や労組約30団体。
事務局は大阪市港区市岡1の4の24住宅情報ビル501。(電話06・6576・6181)
http://mainichi.jp/select/science/news/20080211ddm016040121000c.html
中国の環境悪化は、地球温暖化への影響はもちろん、
日本の大気汚染にもつながる重要な問題。
中国人の目をもっと環境に向けさせたい。
NPO法人「緑の地球ネットワーク」は、
中国北部の山西省大同市で植樹活動を続けている。
事務局長の高見邦雄さん(59)らは、92年に初めて現地を訪れた。
北京の知人が、「緑化に熱心な地域。美人の産地でいい酒もある」と
同市渾源県を紹介した。
だが、ここの土壌や気候は木の生育に厳しかった。
現地では、山すそに33万本以上のマツを植える計画があった。
高見さんたちはこれに協力し、日本の会員約200人から資金を集めて
苗木代10万元(当時のレートで約260万円)を寄付。
ところが、マツはほぼ全滅。
アンズの植樹にも協力したが、育たなかった。
現地の土は「黄土」と呼ばれる、黄色味を帯びた細かい土。
養分が少なく、通気性も保水性も悪い。
気温は、冬は氷点下30度、夏は39度。
降水量は年200~600ミリと、日本の4分の1。
大半が6~8月に1時間70ミリもの集中豪雨で降り、木が育つ春は水不足。
94年春、大阪市立大助教授だった立花吉茂さん
(植物学、現緑の地球ネットワーク代表)ら、日本の専門家を現地に招いた。
現地では、水を含ませた黄土に苗木を植え、周辺を踏み固めていた。
立花さんは「これでは根が窒息する」と指摘。
黄土に砂や石炭かすを混ぜ、通気性を高めるよう指導。
現地方式で畑に植えたアンズは、1年後に50本中約15本が枯れたが、
立花方式のアンズはすべて勢いよく育った。
マツの根に共生するキノコの胞子をつけて植え、成長を助ける方法や、
グミ科やマメ科の木をマツと混ぜて植え、病虫害に強い林を作る方法も。
今は、植えた木の6~9割が無事に育つ。
日本から毎年延べ300人前後が現地を訪れ、
1人が100~200本の木を植える。
植樹に協力した木は、昨年度までに約1700万本。
植樹面積は52平方キロを超えた。
当初は、「環境保護など豊かな日本人の言い分だ。
経済成長のためなら、我々は汚染さえ望む」との極論も。
昨年9月、日中合同の省エネ会議で中国の曽培炎副首相は、
「植樹活動を続け、日本から2500人以上を連れて来た」と
高見さんたちに感謝したという。
==============
◇緑の地球ネットワーク
93年に発足。05年にNPO法人化。
会員は個人約620人と企業や労組約30団体。
事務局は大阪市港区市岡1の4の24住宅情報ビル501。(電話06・6576・6181)
http://mainichi.jp/select/science/news/20080211ddm016040121000c.html
2008年2月15日金曜日
たばこで年間800万人死亡 WHO、2030年までに
(共同通信社 2008年2月8日)
世界保健機関(WHO)は、たばこに関連する世界の死者数が
2030年までに年間800万人に上り、その約80%が発展途上国だけで
占められる恐れがあると警告する報告書を発表。
先進国で喫煙の規制強化などを受け、
たばこ会社が途上国に販路を拡大するためと指摘。
現在、世界で推定約500万人が死亡。
マーガレット・チャン事務局長は、途上国でのたばこ消費拡大は
「病気や死者を増加させ、労働力の減少や医療費の増加につながる」。
たばこ税の引き上げや禁煙支援の拡充、健康被害の警告強化など
6項目の抑制策を提言。
世界の喫煙者は10億人以上。
約3割が中国で、インド、インドネシア、ロシア、米国、日本。
代表的な27カ国の規制の現状も紹介。
日本では、たばこ1箱の値段が約300円なのに比べ、
英国では5ポンド23ペンス(約1090円)と高額。
日本と米国の間では大きな差はなかった。
広告・宣伝に関する13項目の規制についても、
英国は、(1)国内の雑誌、新聞、(2)国内のテレビ、ラジオ、
(3)広告看板・屋外広告-など9項目をクリア。
日本は、「販売促進目的の値下げ」をしていないという項目が認められただけ。
たばこ税に関しては、世界人口の3分の2をカバーする
計70カ国の税収総額のうち、規制のために振り分けられる支出は
0・2%しかないことが判明。規制に充てる支出を拡大するよう求めた。
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&articleId=67397
世界保健機関(WHO)は、たばこに関連する世界の死者数が
2030年までに年間800万人に上り、その約80%が発展途上国だけで
占められる恐れがあると警告する報告書を発表。
先進国で喫煙の規制強化などを受け、
たばこ会社が途上国に販路を拡大するためと指摘。
現在、世界で推定約500万人が死亡。
マーガレット・チャン事務局長は、途上国でのたばこ消費拡大は
「病気や死者を増加させ、労働力の減少や医療費の増加につながる」。
たばこ税の引き上げや禁煙支援の拡充、健康被害の警告強化など
6項目の抑制策を提言。
世界の喫煙者は10億人以上。
約3割が中国で、インド、インドネシア、ロシア、米国、日本。
代表的な27カ国の規制の現状も紹介。
日本では、たばこ1箱の値段が約300円なのに比べ、
英国では5ポンド23ペンス(約1090円)と高額。
日本と米国の間では大きな差はなかった。
広告・宣伝に関する13項目の規制についても、
英国は、(1)国内の雑誌、新聞、(2)国内のテレビ、ラジオ、
(3)広告看板・屋外広告-など9項目をクリア。
日本は、「販売促進目的の値下げ」をしていないという項目が認められただけ。
たばこ税に関しては、世界人口の3分の2をカバーする
計70カ国の税収総額のうち、規制のために振り分けられる支出は
0・2%しかないことが判明。規制に充てる支出を拡大するよう求めた。
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&articleId=67397
加齢を遅らせるには、身体を動かすこと
(WebMD 1月29日)
身体をよく動かすことで、生物学的年齢を10歳若くできるかもしれない。
定期的な運動のアンチエイジング効果の「強力なメッセージである」と、
次のCDCガイドラインを支持:
「週5日以上の1回30分以上の中強度の運動(早歩き等)または
週3回以上の1回20分以上の激しい運動(ジョギング等)を行う」
Kings College LondonのLynn Cherkasらは、
『Archives of Internal Medicine』に報告。
Cherkasらは、英国の成人の双生児2,400例を対象とした試験を実施。
血液、身体活動、喫煙、病歴に関する調査票への記入。
血液検体を用いて、全血球におけるテロメアの長さを測定。
テロメアは、細胞分裂のたびに少しずつ短くなることから、
加齢のマーカーとなる可能性がある。
年齢、性別、喫煙、BMI(肥満度指数)または社会経済的地位にかかわりなく、
よく身体を動かす人はあまり身体を動かさない人よりも
テロメアが長いことが明らかに。
テロメアの長さの差から、「活動的でない被験者は、
活動的な被験者と比べて生物学的に10年老けていることが示唆」。
しかし、本試験はこのことを証明しているわけではない。
被験者の長期追跡調査は行われず、最も長生きした人が
どのような人であったのかは明らかになっていない。
「運動をする人は、活動的でない人と様々な点で異なる」と、
National Institute on Aging のJack Guralnikは記述。
テロメアの長さの重要性については意見が分かれるが、
「人の最終的な寿命を1つの数字で正しく計測するような、
奇跡のツールではない」。
テロメアは、多くの研究で身体活動と良好な健康状態との関連が示される。
身体活動は、14年長く生きるための4つの方法のうちの1つ。
もっと身体を動かす準備が整ったら、まずは医師の診察を受けるべき。
Cherkas, L. Archives of Internal Medicine, Jan. 28, 2008; vol 168: pp 154-158.
CDC: "Physical Activity: Recommendations."
CDC: "Physical Activity for Everyone: Physical Activity Terms."
Guralnik, J. Archives of Internal Medicine, Jan. 28, 2008; vol 168: pp 131-132.
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=SPECIALTY&categoryId=580&articleLang=ja&articleId=67186
身体をよく動かすことで、生物学的年齢を10歳若くできるかもしれない。
定期的な運動のアンチエイジング効果の「強力なメッセージである」と、
次のCDCガイドラインを支持:
「週5日以上の1回30分以上の中強度の運動(早歩き等)または
週3回以上の1回20分以上の激しい運動(ジョギング等)を行う」
Kings College LondonのLynn Cherkasらは、
『Archives of Internal Medicine』に報告。
Cherkasらは、英国の成人の双生児2,400例を対象とした試験を実施。
血液、身体活動、喫煙、病歴に関する調査票への記入。
血液検体を用いて、全血球におけるテロメアの長さを測定。
テロメアは、細胞分裂のたびに少しずつ短くなることから、
加齢のマーカーとなる可能性がある。
年齢、性別、喫煙、BMI(肥満度指数)または社会経済的地位にかかわりなく、
よく身体を動かす人はあまり身体を動かさない人よりも
テロメアが長いことが明らかに。
テロメアの長さの差から、「活動的でない被験者は、
活動的な被験者と比べて生物学的に10年老けていることが示唆」。
しかし、本試験はこのことを証明しているわけではない。
被験者の長期追跡調査は行われず、最も長生きした人が
どのような人であったのかは明らかになっていない。
「運動をする人は、活動的でない人と様々な点で異なる」と、
National Institute on Aging のJack Guralnikは記述。
テロメアの長さの重要性については意見が分かれるが、
「人の最終的な寿命を1つの数字で正しく計測するような、
奇跡のツールではない」。
テロメアは、多くの研究で身体活動と良好な健康状態との関連が示される。
身体活動は、14年長く生きるための4つの方法のうちの1つ。
もっと身体を動かす準備が整ったら、まずは医師の診察を受けるべき。
Cherkas, L. Archives of Internal Medicine, Jan. 28, 2008; vol 168: pp 154-158.
CDC: "Physical Activity: Recommendations."
CDC: "Physical Activity for Everyone: Physical Activity Terms."
Guralnik, J. Archives of Internal Medicine, Jan. 28, 2008; vol 168: pp 131-132.
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=SPECIALTY&categoryId=580&articleLang=ja&articleId=67186
Tリンパ球:理研が作り分けを解明 拒絶反応抑制に道
(毎日 2月12日)
体内に入った異物を排除する免疫反応を担う2種類の「Tリンパ球」が
作り分けられる仕組みを、理化学研究所の研究チームが解明。
アレルギーや移植後の拒絶反応を、人為的に抑制する手法の開発に
つながる成果で、米科学誌サイエンスに発表。
Tリンパ球には、異物の侵入情報を他の免疫細胞に伝える「ヘルパーT細胞」と、
異物を直接攻撃する「キラーT細胞」の2種類。
いずれも胸腺で共通の前駆細胞から作られるが、
どう作り分けられているかは謎。
2種のバランスが崩れると、免疫不全やアレルギーなどを引き起こす。
理研の谷内一郎チームリーダー(免疫学)らは、
通常は前駆細胞から「ヘルパー」と「キラー」が2対1の割合でできるのに、
「Runx」というたんぱく質を作れないマウスでは、
「キラー」がほとんどなくなることを発見。
Runxが、「ヘルパー」への分化を促す遺伝子に結びついて働きを抑制し、
前駆細胞から「ヘルパー」だけが
作られることのないようにしていることを突き止めた。
谷内さんは、「今回の発見を応用して人為的に作り分ける技術ができれば、
再生医療や免疫疾患の新たな治療法への応用が期待できる」。
http://mainichi.jp/select/science/news/20080213k0000m040115000c.html
体内に入った異物を排除する免疫反応を担う2種類の「Tリンパ球」が
作り分けられる仕組みを、理化学研究所の研究チームが解明。
アレルギーや移植後の拒絶反応を、人為的に抑制する手法の開発に
つながる成果で、米科学誌サイエンスに発表。
Tリンパ球には、異物の侵入情報を他の免疫細胞に伝える「ヘルパーT細胞」と、
異物を直接攻撃する「キラーT細胞」の2種類。
いずれも胸腺で共通の前駆細胞から作られるが、
どう作り分けられているかは謎。
2種のバランスが崩れると、免疫不全やアレルギーなどを引き起こす。
理研の谷内一郎チームリーダー(免疫学)らは、
通常は前駆細胞から「ヘルパー」と「キラー」が2対1の割合でできるのに、
「Runx」というたんぱく質を作れないマウスでは、
「キラー」がほとんどなくなることを発見。
Runxが、「ヘルパー」への分化を促す遺伝子に結びついて働きを抑制し、
前駆細胞から「ヘルパー」だけが
作られることのないようにしていることを突き止めた。
谷内さんは、「今回の発見を応用して人為的に作り分ける技術ができれば、
再生医療や免疫疾患の新たな治療法への応用が期待できる」。
http://mainichi.jp/select/science/news/20080213k0000m040115000c.html
2008年2月14日木曜日
「日本一」目指し、健康県ちば宣言プロジェクト始動 千葉県庁でセレモニー
(毎日新聞社 2008年2月7日)
県民それぞれの「健康宣言」で健康に対する意識を深めてもらおうと、
「健康県ちば宣言プロジェクト」をスタート。
宣言と実行の積み重ねで、「日本一の健康県ちば」実現が狙い。
事務局の県健康福祉政策課は、「健康づくりの構造改革を目指す」。
県が、「私の健康宣言」(200字以内)を公募。
「早起きする」、「1日1万歩歩く」、「3食しっかり食べる」など、
自分のライフスタイルや健康状態に合った内容で自由に決める。
同課は、「県民の幅広い参加を期待しています」。
寄せられた健康宣言は、「健康県ちば宣言」ホームページで紹介。
プロジェクトに合わせ、ウオーキングドクターのデューク更家さんが
「ちば健康体操」を発案。
デュークさんが参加する体験ウオーキングが船橋市(24日)、
柏市(3月15日)などで予定。
「健康宣言」の応募要項などは、ホームページ(http://www.chiba100.net/)に掲載。
問い合わせは、同課(電話043・223・2608)。
◇押切もえさん出席、県庁でセレモニー
「健康県ちば宣言プロジェクト」スタートセレモニーで、
堂本暁子知事や「健康宣言」応援大使に任命された県出身のモデル、
押切もえさんらが出席した。
堂本知事は、「県民一人一人がどうやって健康になるかを宣言し、
オール千葉で健康作りをしていきましょう」。
堂本知事自身の「健康宣言」は、「毎日6000歩以上歩く」
「週1、2回の筋トレ」、「毎日記録をつける」の三つ。
押切さんは、「健康大使として、皆さんの健康づくりを応援していけたらうれしい。
人が健康でいるためには、地球の健康も考えてあげないといけませんね」。
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=67337
県民それぞれの「健康宣言」で健康に対する意識を深めてもらおうと、
「健康県ちば宣言プロジェクト」をスタート。
宣言と実行の積み重ねで、「日本一の健康県ちば」実現が狙い。
事務局の県健康福祉政策課は、「健康づくりの構造改革を目指す」。
県が、「私の健康宣言」(200字以内)を公募。
「早起きする」、「1日1万歩歩く」、「3食しっかり食べる」など、
自分のライフスタイルや健康状態に合った内容で自由に決める。
同課は、「県民の幅広い参加を期待しています」。
寄せられた健康宣言は、「健康県ちば宣言」ホームページで紹介。
プロジェクトに合わせ、ウオーキングドクターのデューク更家さんが
「ちば健康体操」を発案。
デュークさんが参加する体験ウオーキングが船橋市(24日)、
柏市(3月15日)などで予定。
「健康宣言」の応募要項などは、ホームページ(http://www.chiba100.net/)に掲載。
問い合わせは、同課(電話043・223・2608)。
◇押切もえさん出席、県庁でセレモニー
「健康県ちば宣言プロジェクト」スタートセレモニーで、
堂本暁子知事や「健康宣言」応援大使に任命された県出身のモデル、
押切もえさんらが出席した。
堂本知事は、「県民一人一人がどうやって健康になるかを宣言し、
オール千葉で健康作りをしていきましょう」。
堂本知事自身の「健康宣言」は、「毎日6000歩以上歩く」
「週1、2回の筋トレ」、「毎日記録をつける」の三つ。
押切さんは、「健康大使として、皆さんの健康づくりを応援していけたらうれしい。
人が健康でいるためには、地球の健康も考えてあげないといけませんね」。
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=67337
岩手なるか「五輪選手」育成 競技底上げへスーパーキッズ発掘
(産経新聞 2007.12.8)
岩手県では近年、オリンピック出場選手を輩出していない。
子供たちにとって、あこがれの存在が身近にいるかいないかは、
スポーツをする気持ちに大きく影響。
事態を深刻にとらえた県は、世界大会のメダリストを育てようと、
「スーパーキッズ発掘・育成事業」に。
最近の岩手県のスポーツ事情をみると、
2000年からのオリンピックに、出場した県出身選手が1人もいない。
国民体育大会でも30位後半~40位代を推移し、ここ9年間は東北でも最下位。
このままでは、県内スポーツの地盤沈下は避けられない。
危機感を強めていた県教委は、福岡県がタレント発掘事業を始めたと聞きつけ、
「本県でもやってみよう」とスーパーキッズ事業を発案。
似たような事業は、岡山県、和歌山県、北海道美深町でも始まり、
東北でも宮城、山形、福島各県で動きがある。
岩手県では、平成28年に国体が開かれる。
これまで、自治体の選手育成は国体をにらんでのものが多く、
国体が終わると、競技力が低下するのが常。
スーパーキッズ事業には、タレント発掘のシステムを確立することで、
国体終了後の選手育成も継続できるとの狙い。
事業は、県体育協会が県の委託を受け実施。
プログラムは、作山正美岩手医科大学共通教育センター体育学科教授を
委員長とするプロジェクトチームが作成。
作山教授は、「夢のある企画。ジュニアの育成はスポーツ少年団中心で、
小さいうちから1つの競技に偏る傾向。
他種目の可能性も探りながら、知的能力を開発するとともに、
けがをしない体の作り方、動き方を教えていきたい」。
募集に、1180人が応募。
平藤淳県体協業務課長は、「告知に手間取った割には多かった」。
応募者のうち、1114人がチャレンジ2に挑戦。
チャレンジ3には、218人が臨んだ。
(1)優れた運動能力、(2)育成事業参加の確約
を基準に80人程度に絞り込まれる。
スーパーキッズに選ばれた5年生は今後16カ月間、6年生は4カ月間、
原則毎月1回開かれるスペシャルスクールに参加。
この事業は、選考に漏れた子供たちにも公開。
プログラムは、指導者も見ることができる。
県体協では、地域に戻って指導に役立ててもらえば、
競技力の全体的な底上げに。
1992年アルベールビル冬季五輪のノルディック複合団体金メダリストで、
県体協のスポーツ特別指導員を務めている三ケ田礼一氏(40)も関与。
「第1の目的はトップ選手をつくることだが、そこまでいけない子供でも、
挑戦する気持ちが培われれば、スポーツ以外でも、
自分に合った何かに出合えるチャンスが生まれる」。
地域では、指導者の高齢化などで、
望ましいスポーツ環境を与えることができない状況も。
種目によっては、何校かが一緒になってチームを作り、
中学校大会に出るという事態も。
だれでも、どこでも、均質な指導を受けさせることはできないか。
スーパーキッズ事業は、その環境をつくっていく事業でもある。
県教委では、事業を少なくとも10年間は継続したい。
-------------------------------------
■いわてスーパーキッズ発掘・育成事業
県内小学校で行われている「新体力テスト」で、
総合評価A・B段階の5~6年生が申し込み
チャレンジ1
▽20メートル走・反復横跳び・立ち幅跳び・垂直跳び・両手大型ボール投げ(前・後)
チャンレンジ2
▽立ち三段跳び・ジグザグ走・4方向ステップ、保護者を加えての面談
チャレンジ3をへて発掘したスーパーキッズと保護者に対し、
プロジェクトチームが作成した能力開発プログラムを実施。
http://sankei.jp.msn.com/region/tohoku/iwate/071208/iwt0712080242000-n1.htm
岩手県では近年、オリンピック出場選手を輩出していない。
子供たちにとって、あこがれの存在が身近にいるかいないかは、
スポーツをする気持ちに大きく影響。
事態を深刻にとらえた県は、世界大会のメダリストを育てようと、
「スーパーキッズ発掘・育成事業」に。
最近の岩手県のスポーツ事情をみると、
2000年からのオリンピックに、出場した県出身選手が1人もいない。
国民体育大会でも30位後半~40位代を推移し、ここ9年間は東北でも最下位。
このままでは、県内スポーツの地盤沈下は避けられない。
危機感を強めていた県教委は、福岡県がタレント発掘事業を始めたと聞きつけ、
「本県でもやってみよう」とスーパーキッズ事業を発案。
似たような事業は、岡山県、和歌山県、北海道美深町でも始まり、
東北でも宮城、山形、福島各県で動きがある。
岩手県では、平成28年に国体が開かれる。
これまで、自治体の選手育成は国体をにらんでのものが多く、
国体が終わると、競技力が低下するのが常。
スーパーキッズ事業には、タレント発掘のシステムを確立することで、
国体終了後の選手育成も継続できるとの狙い。
事業は、県体育協会が県の委託を受け実施。
プログラムは、作山正美岩手医科大学共通教育センター体育学科教授を
委員長とするプロジェクトチームが作成。
作山教授は、「夢のある企画。ジュニアの育成はスポーツ少年団中心で、
小さいうちから1つの競技に偏る傾向。
他種目の可能性も探りながら、知的能力を開発するとともに、
けがをしない体の作り方、動き方を教えていきたい」。
募集に、1180人が応募。
平藤淳県体協業務課長は、「告知に手間取った割には多かった」。
応募者のうち、1114人がチャレンジ2に挑戦。
チャレンジ3には、218人が臨んだ。
(1)優れた運動能力、(2)育成事業参加の確約
を基準に80人程度に絞り込まれる。
スーパーキッズに選ばれた5年生は今後16カ月間、6年生は4カ月間、
原則毎月1回開かれるスペシャルスクールに参加。
この事業は、選考に漏れた子供たちにも公開。
プログラムは、指導者も見ることができる。
県体協では、地域に戻って指導に役立ててもらえば、
競技力の全体的な底上げに。
1992年アルベールビル冬季五輪のノルディック複合団体金メダリストで、
県体協のスポーツ特別指導員を務めている三ケ田礼一氏(40)も関与。
「第1の目的はトップ選手をつくることだが、そこまでいけない子供でも、
挑戦する気持ちが培われれば、スポーツ以外でも、
自分に合った何かに出合えるチャンスが生まれる」。
地域では、指導者の高齢化などで、
望ましいスポーツ環境を与えることができない状況も。
種目によっては、何校かが一緒になってチームを作り、
中学校大会に出るという事態も。
だれでも、どこでも、均質な指導を受けさせることはできないか。
スーパーキッズ事業は、その環境をつくっていく事業でもある。
県教委では、事業を少なくとも10年間は継続したい。
-------------------------------------
■いわてスーパーキッズ発掘・育成事業
県内小学校で行われている「新体力テスト」で、
総合評価A・B段階の5~6年生が申し込み
チャレンジ1
▽20メートル走・反復横跳び・立ち幅跳び・垂直跳び・両手大型ボール投げ(前・後)
チャンレンジ2
▽立ち三段跳び・ジグザグ走・4方向ステップ、保護者を加えての面談
チャレンジ3をへて発掘したスーパーキッズと保護者に対し、
プロジェクトチームが作成した能力開発プログラムを実施。
http://sankei.jp.msn.com/region/tohoku/iwate/071208/iwt0712080242000-n1.htm
市町村・医師との連携体制構築を動機づけ支援は面接前準備が重要
(Japan Medicine 1月30日)
4月から特定健診・保健指導がスタート。
高齢化の進展に伴い、伸び続ける医療費を適正化のため、
生活習慣病の発症を未然に食い止めることが求められる。
自覚症状が少ないだけに、生活習慣を改善させることも難しい。
効率的に高い効果を上げることのできる保健指導を確立することが、
制度の理念を達成する鍵。
厚生労働省健康局総務課の剱物祐子保健指導専門官に話を聞いた。
―特定保健指導に求められることについて教えてください。
剱物氏 今までの健診は早期発見が中心だが、
特定健診・保健指導の目的は、対象者を明確化し、重篤な心血管疾患への
進展を防止、生活習慣病予防に関する効果を出すこと。
保健指導を実施する際のシステムを、しっかり構築する。
保健指導を行う人、費用、評価システム、どこに委託するか―など
各段階での取り組みが重要。
保健指導の質は、厚生労働科学研究費の生活習慣病対策総合研究事業で、
「保健指導の質の評価ガイド」開発を行う。
項目は、保健指導の内容、施設の基準、人員、運用、基本方針、
マニュアル、監査体制などを網羅。
―特定保健指導を行う上で留意すべき点について。
剱物氏 積極的支援群などリスクの高い人に対し、
保健指導だけでは、効果をあげるのが難しい。
従来、集団の評価を行った上で、個人の保健指導を行ってきた。
集団によって、理解力や健康への興味が異なり、保健指導の方法も変わる。
集団と個人の両面からのアプローチを組み合わせた保健指導が必要。
プロセスを最初の段階から詳細に検討し、次の保健指導に生かす。
「リバウンド」を耳にするが、保健指導の時だけ効果が出てもダメで、
専門職の手を離れた後も効果を持続させることが重要。
長期的な目で生活習慣病の発症リスクが高い集団全体を評価し、
保健指導を進めていくことが必要。
プライマリケア医の先生では、訪れる患者さんを1つの集団として考える。
地域によって、「塩分が多い」、「運動施設が少ない」、
「農作業に従事していて、季節の差がある」などの特徴が。
各市町村で集団に向けた広報や患者教育などを行うことも重要。
―問題ないとされた「情報提供」群については、どのような保健指導を行うのか。
剱物氏 情報提供は、特定保健指導には位置付けられないが、非常に重要。
特定健診の結果や質問票など、生活習慣の問題点はある程度分かる。
得られた情報を基にアプローチすることで、
動機づけ支援や積極的支援が必要にならないよう指導。
地域や集団の特性、就業形態なども盛り込んで情報提供してほしい。
若い人にはできるだけ積極的に情報提供を行ってほしい。
早めに行動を変えることが、将来を改善していくことにつながる。
―「動機づけ支援」群に対しては、どうでしょうか。
剱物氏 動機づけ支援は、原則1回の支援。
初回面接を最低20分行い、行動変容のための動機づけを行う。
6カ月後に保健指導の効果を評価。
長期間指導の場合、動機づけ支援は最初の面接だけで決まる。
面接前の準備が非常に重要。
健診結果や質問票のほか、情報が入手できるなら積極的に求めてほしい。
医療保険者が企業であれば、産業医の方からストレスなどの情報を入手する。
事後評価を、保健指導に携わるチームで行うことも重要。
―「積極的支援」群についてはどうでしょうか。
剱物氏 基本的な考え方は、動機づけ支援と同様。
積極的支援は、3カ月以上継続的に支援を行い、6カ月後に評価。
支援方法や時間によりポイントが規定、180ポイント以上の支援を実施。
食生活や運動など組み合わせた指導。
運動指導担当者研修を受けた者など、他職種の人材を活用し保健指導を行う。
―初回面接の事前準備で、医師や保健師と医療保険者との連携も重要。
剱物氏 経年的に前年度の面接の記録など、データを集積し、
自然と連携できるようなシステムを構築してほしい。
市や町の特徴についてのデータを持っているのは市町村。
ぜひ、市町村との連携を活用してほしい。
島根県の安来市では、医師会・患者会・保健所との連携体制を構築し、
患者登録管理やハイリスク者への対策、啓発活動など総合的な糖尿病対策。
その結果、糖尿病の医療費の伸びを抑制したという例も。
地域に連携体制が構築されていなければ、地域の医師会や診療所と
市町村との連携体制を構築してほしい。
http://www.m3.com/tools/MedicalLibrary/jiho/200801/series-m.html
4月から特定健診・保健指導がスタート。
高齢化の進展に伴い、伸び続ける医療費を適正化のため、
生活習慣病の発症を未然に食い止めることが求められる。
自覚症状が少ないだけに、生活習慣を改善させることも難しい。
効率的に高い効果を上げることのできる保健指導を確立することが、
制度の理念を達成する鍵。
厚生労働省健康局総務課の剱物祐子保健指導専門官に話を聞いた。
―特定保健指導に求められることについて教えてください。
剱物氏 今までの健診は早期発見が中心だが、
特定健診・保健指導の目的は、対象者を明確化し、重篤な心血管疾患への
進展を防止、生活習慣病予防に関する効果を出すこと。
保健指導を実施する際のシステムを、しっかり構築する。
保健指導を行う人、費用、評価システム、どこに委託するか―など
各段階での取り組みが重要。
保健指導の質は、厚生労働科学研究費の生活習慣病対策総合研究事業で、
「保健指導の質の評価ガイド」開発を行う。
項目は、保健指導の内容、施設の基準、人員、運用、基本方針、
マニュアル、監査体制などを網羅。
―特定保健指導を行う上で留意すべき点について。
剱物氏 積極的支援群などリスクの高い人に対し、
保健指導だけでは、効果をあげるのが難しい。
従来、集団の評価を行った上で、個人の保健指導を行ってきた。
集団によって、理解力や健康への興味が異なり、保健指導の方法も変わる。
集団と個人の両面からのアプローチを組み合わせた保健指導が必要。
プロセスを最初の段階から詳細に検討し、次の保健指導に生かす。
「リバウンド」を耳にするが、保健指導の時だけ効果が出てもダメで、
専門職の手を離れた後も効果を持続させることが重要。
長期的な目で生活習慣病の発症リスクが高い集団全体を評価し、
保健指導を進めていくことが必要。
プライマリケア医の先生では、訪れる患者さんを1つの集団として考える。
地域によって、「塩分が多い」、「運動施設が少ない」、
「農作業に従事していて、季節の差がある」などの特徴が。
各市町村で集団に向けた広報や患者教育などを行うことも重要。
―問題ないとされた「情報提供」群については、どのような保健指導を行うのか。
剱物氏 情報提供は、特定保健指導には位置付けられないが、非常に重要。
特定健診の結果や質問票など、生活習慣の問題点はある程度分かる。
得られた情報を基にアプローチすることで、
動機づけ支援や積極的支援が必要にならないよう指導。
地域や集団の特性、就業形態なども盛り込んで情報提供してほしい。
若い人にはできるだけ積極的に情報提供を行ってほしい。
早めに行動を変えることが、将来を改善していくことにつながる。
―「動機づけ支援」群に対しては、どうでしょうか。
剱物氏 動機づけ支援は、原則1回の支援。
初回面接を最低20分行い、行動変容のための動機づけを行う。
6カ月後に保健指導の効果を評価。
長期間指導の場合、動機づけ支援は最初の面接だけで決まる。
面接前の準備が非常に重要。
健診結果や質問票のほか、情報が入手できるなら積極的に求めてほしい。
医療保険者が企業であれば、産業医の方からストレスなどの情報を入手する。
事後評価を、保健指導に携わるチームで行うことも重要。
―「積極的支援」群についてはどうでしょうか。
剱物氏 基本的な考え方は、動機づけ支援と同様。
積極的支援は、3カ月以上継続的に支援を行い、6カ月後に評価。
支援方法や時間によりポイントが規定、180ポイント以上の支援を実施。
食生活や運動など組み合わせた指導。
運動指導担当者研修を受けた者など、他職種の人材を活用し保健指導を行う。
―初回面接の事前準備で、医師や保健師と医療保険者との連携も重要。
剱物氏 経年的に前年度の面接の記録など、データを集積し、
自然と連携できるようなシステムを構築してほしい。
市や町の特徴についてのデータを持っているのは市町村。
ぜひ、市町村との連携を活用してほしい。
島根県の安来市では、医師会・患者会・保健所との連携体制を構築し、
患者登録管理やハイリスク者への対策、啓発活動など総合的な糖尿病対策。
その結果、糖尿病の医療費の伸びを抑制したという例も。
地域に連携体制が構築されていなければ、地域の医師会や診療所と
市町村との連携体制を構築してほしい。
http://www.m3.com/tools/MedicalLibrary/jiho/200801/series-m.html
2008年2月13日水曜日
新しい分光計測装置の開発で、ホタルの発光の効率を測定
(nature Asia-Pacific)
東京大学物性研究所先端分光研究部門
秋山英文准教授、安東頼子研究員
ホタルの発光は、発光物質ルシフェリンが酵素ルシフェラーゼやマグネシウム、
ATPなどの補因子の助けにより酸化され、反応エネルギーを光として放出。
定説となっているデータは、1959年にSeligerとMcElroyによって計測、
ホタルの発光の量子収率(量子効率)は88±25%。
これは、ルシフェリンの酸化反応が100回行われると88回光るというもので、
発光の世界では驚異的に高い。
この定説を追試したのは、東京大学物性研究所の秋山英文准教授ら。
生物、化学発光の絶対発光量を、定量的に計測できる分光計測装置を開発、
北米産ホタルの発光の量子収率は、41.0±7.4%と定説を覆す結果に。
秋山准教授の専門は半導体で、ガリウム(Ga)と砒素(As)を材料とする、
断面寸法14 nm×6 nmの世界で最も細い量子細線半導体レーザーを開発。
量子細線は、電子を閉じ込めて移動方向を制限する量子井戸を重ねて
電子を2次元方向で閉じ込めた構造で、
半導体レーザーの発振性能を改善できると期待。
秋山准教授は、微小空間における微量の光に関し、発光の絶対量を計測する
技術を10年ほど前から研究。「光ファイバーのような導線がある光や
ビーム状に進むレーザーの定量計測はできるが、いろいろな方向に
放射散乱する微弱光の方向と強さを計測する方法がない」。
産業技術総合研究所の近江谷克裕博士(現・北海道大学医学研究科教授)から、
生物発光の分野でも弱い光の強さの基準がないことを知った。
安東頼子研究員が、近江谷教授やアトー株式会社とともに、
ホタルの光をひとつのターゲットとする分光計測装置の共同開発を始める。
ルシフェリンの2つの光学異性体D体とL体のうち、
ホタル生物発光に関与できるのはD体のみで、
ラセミ化(D体とL体が入れ替わり、等量化する現象)は勘案されず、
SeligerとMcElroyの88%という数値は訂正が必要。
2005年、新しい分光計測装置が完成。
発光物質を入れた溶液から、放射される光量を校正する方法を開発し、
分光した光の全量を発光光子数として絶対単位で評価し、量子収率を計算。
ルミノールを計測し、量子収率1.2%という定説と同じ数値を確認。
安定した数値を出すには条件を整え、何度も実験を繰り返した。
「溶液に泡があるとうまくいかないなど、測定してみてわかることが多い」。
ホタルの計測では、溶液のpHの違いによる発光の違いも。
ホタルの発光物質は、アルカリ性溶液中では緑色、
酸性溶液中では赤く光ることを、SeligerとMcElroyが報告、
これまでは緑と赤の発光が入れ替わると考えられてきた。
安東研究員らの研究から、赤の光はアルカリ性溶液中でも出ており、
溶液のpHによって変わるのは緑の光だけである可能性が高い。
同じホタルの仲間であるヒカリコメツキムシやテツゾウムシを調べる予定。
ヒカリコメツキムシは緑、テツゾウムシは赤の発光が強く、
反応酵素ルシフェラーゼに違いがある。
秋山准教授は、「絶対発光量の測定で、わからなかった事実が明らかになり、
共通の光の量の単位を用いて定量的に話せるベースにも。
分子イメージングの蛍光物質の明るさは、この製品は○フォトンというように、
技術的な基準にもなる。今後はこの装置を市販品として完成させると同時に、
どんな分野で使えるかという例を示していきたい。
世界のいろいろな分野で使い、改良して、分光計測のスタンダードにできれば」。
光は通信、記録、医療の診断などさまざまな分野で電気に替わって
使われるようになり、今後もその傾向は強まると予想。
光を測る新しい技術の今後に注目したい。
http://www.natureasia.com/japan/tokushu/detail.php?id=75
東京大学物性研究所先端分光研究部門
秋山英文准教授、安東頼子研究員
ホタルの発光は、発光物質ルシフェリンが酵素ルシフェラーゼやマグネシウム、
ATPなどの補因子の助けにより酸化され、反応エネルギーを光として放出。
定説となっているデータは、1959年にSeligerとMcElroyによって計測、
ホタルの発光の量子収率(量子効率)は88±25%。
これは、ルシフェリンの酸化反応が100回行われると88回光るというもので、
発光の世界では驚異的に高い。
この定説を追試したのは、東京大学物性研究所の秋山英文准教授ら。
生物、化学発光の絶対発光量を、定量的に計測できる分光計測装置を開発、
北米産ホタルの発光の量子収率は、41.0±7.4%と定説を覆す結果に。
秋山准教授の専門は半導体で、ガリウム(Ga)と砒素(As)を材料とする、
断面寸法14 nm×6 nmの世界で最も細い量子細線半導体レーザーを開発。
量子細線は、電子を閉じ込めて移動方向を制限する量子井戸を重ねて
電子を2次元方向で閉じ込めた構造で、
半導体レーザーの発振性能を改善できると期待。
秋山准教授は、微小空間における微量の光に関し、発光の絶対量を計測する
技術を10年ほど前から研究。「光ファイバーのような導線がある光や
ビーム状に進むレーザーの定量計測はできるが、いろいろな方向に
放射散乱する微弱光の方向と強さを計測する方法がない」。
産業技術総合研究所の近江谷克裕博士(現・北海道大学医学研究科教授)から、
生物発光の分野でも弱い光の強さの基準がないことを知った。
安東頼子研究員が、近江谷教授やアトー株式会社とともに、
ホタルの光をひとつのターゲットとする分光計測装置の共同開発を始める。
ルシフェリンの2つの光学異性体D体とL体のうち、
ホタル生物発光に関与できるのはD体のみで、
ラセミ化(D体とL体が入れ替わり、等量化する現象)は勘案されず、
SeligerとMcElroyの88%という数値は訂正が必要。
2005年、新しい分光計測装置が完成。
発光物質を入れた溶液から、放射される光量を校正する方法を開発し、
分光した光の全量を発光光子数として絶対単位で評価し、量子収率を計算。
ルミノールを計測し、量子収率1.2%という定説と同じ数値を確認。
安定した数値を出すには条件を整え、何度も実験を繰り返した。
「溶液に泡があるとうまくいかないなど、測定してみてわかることが多い」。
ホタルの計測では、溶液のpHの違いによる発光の違いも。
ホタルの発光物質は、アルカリ性溶液中では緑色、
酸性溶液中では赤く光ることを、SeligerとMcElroyが報告、
これまでは緑と赤の発光が入れ替わると考えられてきた。
安東研究員らの研究から、赤の光はアルカリ性溶液中でも出ており、
溶液のpHによって変わるのは緑の光だけである可能性が高い。
同じホタルの仲間であるヒカリコメツキムシやテツゾウムシを調べる予定。
ヒカリコメツキムシは緑、テツゾウムシは赤の発光が強く、
反応酵素ルシフェラーゼに違いがある。
秋山准教授は、「絶対発光量の測定で、わからなかった事実が明らかになり、
共通の光の量の単位を用いて定量的に話せるベースにも。
分子イメージングの蛍光物質の明るさは、この製品は○フォトンというように、
技術的な基準にもなる。今後はこの装置を市販品として完成させると同時に、
どんな分野で使えるかという例を示していきたい。
世界のいろいろな分野で使い、改良して、分光計測のスタンダードにできれば」。
光は通信、記録、医療の診断などさまざまな分野で電気に替わって
使われるようになり、今後もその傾向は強まると予想。
光を測る新しい技術の今後に注目したい。
http://www.natureasia.com/japan/tokushu/detail.php?id=75
DNAを区切る「壁」発見 遺伝子の機能解明を加速
(共同通信社 2008年1月31日)
人間のDNAに、遺伝子と遺伝子の間を区切る「壁」の役割をする場所が
約1万3000カ所存在、遺伝子をブロック分けしていることを、
白髭克彦東京工業大教授らチームがネイチャー電子版に発表。
遺伝子がどのように連携して機能するかの解明につながる成果で、
遺伝子治療の成績向上なども期待。
遺伝子には、生命活動に必要なタンパク質をつくる情報が記録。
人間の遺伝子は2万数千個とされ、これらが独立して秩序正しく働くためには、
遺伝子間の相互干渉を防ぐ壁が必要、その存在が予想。
研究チームは、リング状の構造を持ち、穴の部分にDNAを通して束ねる
役割を持つ「コヒーシン」と呼ばれるタンパク質に着目。
コヒーシンがDNAのどこにくっついているかを、人の細胞で網羅的に解析。
その結果、コヒーシンは遺伝子と遺伝子の間を区切るように存在。
コヒーシンを働かなくすると、本来働かないはずの遺伝子が働きだし、
このタンパク質が壁の役割をしていると判断。
区切られた各ブロックには遺伝子が1~30個程度含まれ、
ブロックごとに機能を担っているとみられる。
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=66920
人間のDNAに、遺伝子と遺伝子の間を区切る「壁」の役割をする場所が
約1万3000カ所存在、遺伝子をブロック分けしていることを、
白髭克彦東京工業大教授らチームがネイチャー電子版に発表。
遺伝子がどのように連携して機能するかの解明につながる成果で、
遺伝子治療の成績向上なども期待。
遺伝子には、生命活動に必要なタンパク質をつくる情報が記録。
人間の遺伝子は2万数千個とされ、これらが独立して秩序正しく働くためには、
遺伝子間の相互干渉を防ぐ壁が必要、その存在が予想。
研究チームは、リング状の構造を持ち、穴の部分にDNAを通して束ねる
役割を持つ「コヒーシン」と呼ばれるタンパク質に着目。
コヒーシンがDNAのどこにくっついているかを、人の細胞で網羅的に解析。
その結果、コヒーシンは遺伝子と遺伝子の間を区切るように存在。
コヒーシンを働かなくすると、本来働かないはずの遺伝子が働きだし、
このタンパク質が壁の役割をしていると判断。
区切られた各ブロックには遺伝子が1~30個程度含まれ、
ブロックごとに機能を担っているとみられる。
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=66920
2008年2月12日火曜日
生殖細胞の存在が、性分化に深く関与していた!
(nature Asia-Pacific)
自然科学研究機構 基礎生物学研究所 生殖遺伝学研究室 田中 実 准教授
人間の社会では、「男性」か「女性」かが、単に生物学的に区別され、
役割としても明確に差別化されがち。
生物全般を見渡すと、性が不確定で揺らいでいるものも多い。
カメやワニは温度で雌雄が決まり、クマノミは体の大きさで性が変化する。
田中実准教授は、メダカでは、外見の性が「生殖細胞の有無」に
左右されることを明らかにした。
東アジアに広く生息するメダカは、体長3センチほどの淡水魚で、
流れのゆるい小川や水路などに生息。
飼育が簡単、発生過程を観察しやすい、温度変化に強いといった点から、
日本では独自のメダカ研究が進み、
東京大学の武田洋幸教授らのグループが全ゲノムの解読に成功。
メダカの性染色体は、ほ乳類と同じXとYからなり、XYがオス、XXがメスになる。
田中准教授は、脊椎動物を構成する細胞の性がどのように決まり、
生殖腺の性(精巣か卵巣か)や個体の性が最終的に決まるのかを研究。
「メダカは体のつくりが単純で細胞数も少ないが、
性分化に関わる遺伝子や基本的な機構がほ乳類と共通し、使えると思った」。
田中准教授は、2001年に、メダカの生殖細胞を可視化する技術を開発し、
その位置を生きたまま追跡する方法を見いだした。
生殖細胞は、生殖腺の他の細胞が分化するよりもかなり前に出現し、
生殖腺が形成されるべき位置に移動。
「生殖細胞の移動に関わりのある遺伝子(cxcr4)」の機能を抑制し、
生殖細胞が生殖腺にたどり着けないようにして、
オスになるか、メスになるかを、大学院生の黒川紘美さんと調べた。
メダカには、生殖細胞で特異的に発現する遺伝子に
蛍光タンパク質遺伝子を導入して、生殖細胞だけが光るように細工。
「生殖細胞のない空の生殖腺をもつメダカは、
性染色体レベルの性にかかわらず(XY のオス型、XXのメス型であろうと)、
外見がオスの形態になることがわかった」。
生殖腺はどうかというと、生殖細胞をもたないメダカは、
性染色体がXY であろうと、XXであろうと、
オスとメスの中間型の構造をもつ生殖腺に分化した。
「これまでは、生殖細胞がなくても、オス型の場合は精巣様の構造を、
メス型の場合は卵巣様の構造をもつとされていたが、そうではなかった。
中間型の生殖腺は、遺伝子発現レベルではオス型」。
生殖細胞をもたないメダカの性行動は、オス型のようにみえた。
性成熟期にみせる第二次性徴も、オス型を示した。
メダカも、性成熟期を迎えると性ステロイドホルモンが作られ、
第二次性徴が引き起こされ、ヒレの形に性差があらわれる。
「性染色体ではオス型も、メス型も、
生殖細胞のないメダカの第二次性徴は、すべてオス型を示した」。
今回の成果は、「性染色体によって性が決まる動物でも、
体細胞は雄型、生殖細胞は雌型と、細胞固有の性を示すことがわかった。
個体が自身の性を決定する際、細胞がもつ相反する性を、
いずれか一方へと制御することが重要ではないか」という、
性分化の新しい概念を打ち出すことになった。
「魚類などにみられる性転換は、体細胞と生殖細胞の性の制御機構を
変えることでおきるのかもしれない。
性現象のおもしろさは、『ゆらぎ』にある。
決まってしまわないことが、ある生物にとっては重要。
『ゆらぎ』の基盤が、ヒトなどのほ乳類にもあるのか?
性の原理を追究していきたい」。
メダカによるこうした基礎研究が、ヒトの性分化異常や性同一障害などの
解明にも生かされることを期待したい。
http://www.natureasia.com/japan/tokushu/detail.php?id=72
自然科学研究機構 基礎生物学研究所 生殖遺伝学研究室 田中 実 准教授
人間の社会では、「男性」か「女性」かが、単に生物学的に区別され、
役割としても明確に差別化されがち。
生物全般を見渡すと、性が不確定で揺らいでいるものも多い。
カメやワニは温度で雌雄が決まり、クマノミは体の大きさで性が変化する。
田中実准教授は、メダカでは、外見の性が「生殖細胞の有無」に
左右されることを明らかにした。
東アジアに広く生息するメダカは、体長3センチほどの淡水魚で、
流れのゆるい小川や水路などに生息。
飼育が簡単、発生過程を観察しやすい、温度変化に強いといった点から、
日本では独自のメダカ研究が進み、
東京大学の武田洋幸教授らのグループが全ゲノムの解読に成功。
メダカの性染色体は、ほ乳類と同じXとYからなり、XYがオス、XXがメスになる。
田中准教授は、脊椎動物を構成する細胞の性がどのように決まり、
生殖腺の性(精巣か卵巣か)や個体の性が最終的に決まるのかを研究。
「メダカは体のつくりが単純で細胞数も少ないが、
性分化に関わる遺伝子や基本的な機構がほ乳類と共通し、使えると思った」。
田中准教授は、2001年に、メダカの生殖細胞を可視化する技術を開発し、
その位置を生きたまま追跡する方法を見いだした。
生殖細胞は、生殖腺の他の細胞が分化するよりもかなり前に出現し、
生殖腺が形成されるべき位置に移動。
「生殖細胞の移動に関わりのある遺伝子(cxcr4)」の機能を抑制し、
生殖細胞が生殖腺にたどり着けないようにして、
オスになるか、メスになるかを、大学院生の黒川紘美さんと調べた。
メダカには、生殖細胞で特異的に発現する遺伝子に
蛍光タンパク質遺伝子を導入して、生殖細胞だけが光るように細工。
「生殖細胞のない空の生殖腺をもつメダカは、
性染色体レベルの性にかかわらず(XY のオス型、XXのメス型であろうと)、
外見がオスの形態になることがわかった」。
生殖腺はどうかというと、生殖細胞をもたないメダカは、
性染色体がXY であろうと、XXであろうと、
オスとメスの中間型の構造をもつ生殖腺に分化した。
「これまでは、生殖細胞がなくても、オス型の場合は精巣様の構造を、
メス型の場合は卵巣様の構造をもつとされていたが、そうではなかった。
中間型の生殖腺は、遺伝子発現レベルではオス型」。
生殖細胞をもたないメダカの性行動は、オス型のようにみえた。
性成熟期にみせる第二次性徴も、オス型を示した。
メダカも、性成熟期を迎えると性ステロイドホルモンが作られ、
第二次性徴が引き起こされ、ヒレの形に性差があらわれる。
「性染色体ではオス型も、メス型も、
生殖細胞のないメダカの第二次性徴は、すべてオス型を示した」。
今回の成果は、「性染色体によって性が決まる動物でも、
体細胞は雄型、生殖細胞は雌型と、細胞固有の性を示すことがわかった。
個体が自身の性を決定する際、細胞がもつ相反する性を、
いずれか一方へと制御することが重要ではないか」という、
性分化の新しい概念を打ち出すことになった。
「魚類などにみられる性転換は、体細胞と生殖細胞の性の制御機構を
変えることでおきるのかもしれない。
性現象のおもしろさは、『ゆらぎ』にある。
決まってしまわないことが、ある生物にとっては重要。
『ゆらぎ』の基盤が、ヒトなどのほ乳類にもあるのか?
性の原理を追究していきたい」。
メダカによるこうした基礎研究が、ヒトの性分化異常や性同一障害などの
解明にも生かされることを期待したい。
http://www.natureasia.com/japan/tokushu/detail.php?id=72
生活習慣病の発症予防で高まる医師の役割
(Japan Medicine 1月30日)
「特定健診・保健指導」が4月からスタート。
すべての医療保険者に対し、40~75歳未満の被保険者および被扶養者を
対象に、内臓脂肪型肥満に着目した健診と保健指導の実施を義務付け。
従来の健診制度で検証が不十分だった事後指導を強化し、
運動や食事療法を軸とした生活指導を徹底することで、
生活習慣病・心筋梗塞・脳卒中などの発症を抑制することが狙い。
同時に、医療費適正化につなげることも大きな目的。
制度開始を目前に控えた保険者側と医療機関側の取り組みを紹介。
●特定健診分析 40歳開始では効果減
小売り事業所などが加入するデパート健康保険組合が、
被保険者・被扶養者の健診結果を分析したところ、
40歳代前半を境目に、受診勧奨の割合が保健指導を超える。
40歳以上を対象にした保健指導では開始時期が遅すぎ、
職種や労働環境によって、期待する効果が見込めない可能性が示唆。
BMIが25以下でも、生活習慣病の危険因子を抱えているケースが多い。
同健保には、デパート、スーパー、ドラッグストアなど359事業所が加入(06年)。
従業員100人未満の中小規模事業所が、全体の52.8%。
被保険者10万59人、被扶養者5万7896人で、
40歳以上の特定健診対象者数は、5万7896人、1万1514人。
06年度生活習慣病健診・人間ドック健診の受診結果によると、
脂質異常がずばぬけて多いのが特徴。
35歳以上の受診者で、血液脂質がC判定(要観察)以上は、45%。
97年度で30%を超え、増加傾向が続く。
同健保では、06年度健診結果を基に、保健指導レベルの把握を試みた。
40歳以上のレベル階層化を、BMI25以上・喫煙率50%で試算したところ、
「積極的支援」7.2%、「動機づけ支援」2.8%。
情報提供レベルとBMI25未満を含めた「その他」60.7%。
「受診勧奨」29.2%。
年齢階層別にみた保健指導と受診勧奨の対象者の割合は、
43~45歳を境に入れ替わり、受診勧奨対象の方が高い。
BMI25以上の被保険者の血圧判定値に限定したところ、
40~44歳の階層で受診勧奨の割合が上回った。
レセプト(06年10月分)からみた生活習慣病関連疾患の占める割合では、
循環器系疾患の割合が30歳代から増え続ける。
同健保の冨山紀代美保健師は、「40歳からの保健指導では遅い」。
循環器系に何らかの問題を抱える割合が高いことや、
若い年代から検査数値が悪化し受診勧奨につながっている状態について、
猿山淳子統括保健師は、加入事業者特有の勤務形態との関係を指摘。
被保険者の仕事内容は、主に営業や販売で、
勤務時間が不規則なため夕食時間が遅くなるケースも。
勤務終了後に医療機関に受診することや、運動を継続することも難しい。
猿山氏は、脂質異常などが深刻化している状況について、
「仕事柄が健診結果によく出ている」。
また、特定健診・保健指導のモデル事業を実施したところ、
対象者の半数以上が受診勧奨という結果。
中堅スーパーの193人を対象に、モデル事業を実施。
健診結果から保健指導レベルを階層化したところ、
「積極的支援」4%、「動機付け支援」3%、「情報提供」1%、
受診勧奨対象は55%に。
●BMI25未満のリスク保持者がポイント
06年度健診結果に基づいた階層化からは、
BMI25未満でもハイリスクを抱える被保険者が多数いることも判明。
喫煙率50%で試算したデータでは、追加リスク2個以上の
「積極的支援」に位置付けられる割合が全体の21.8%。
追加リスク1個の「動機付け支援」は12.5%。
猿山氏は、「やせている人も指導していくことがポイントで、一番大きな問題」
BMIや腹囲の計測だけで対象を絞るのは不十分。
仮に、これらの群のBMIが25以上になれば、
受診勧奨レベルに入ってくる被保険者が増加してくるとみており、
今後は改善策に力を入れていく考え。
http://www.m3.com/tools/MedicalLibrary/jiho/200801/series1.html?Mg=69b5c78169708cb63617f57ca384a355&Eml=12b55b931cb52b4152963c77864c5aec&F=h&portalId=mailmag
「特定健診・保健指導」が4月からスタート。
すべての医療保険者に対し、40~75歳未満の被保険者および被扶養者を
対象に、内臓脂肪型肥満に着目した健診と保健指導の実施を義務付け。
従来の健診制度で検証が不十分だった事後指導を強化し、
運動や食事療法を軸とした生活指導を徹底することで、
生活習慣病・心筋梗塞・脳卒中などの発症を抑制することが狙い。
同時に、医療費適正化につなげることも大きな目的。
制度開始を目前に控えた保険者側と医療機関側の取り組みを紹介。
●特定健診分析 40歳開始では効果減
小売り事業所などが加入するデパート健康保険組合が、
被保険者・被扶養者の健診結果を分析したところ、
40歳代前半を境目に、受診勧奨の割合が保健指導を超える。
40歳以上を対象にした保健指導では開始時期が遅すぎ、
職種や労働環境によって、期待する効果が見込めない可能性が示唆。
BMIが25以下でも、生活習慣病の危険因子を抱えているケースが多い。
同健保には、デパート、スーパー、ドラッグストアなど359事業所が加入(06年)。
従業員100人未満の中小規模事業所が、全体の52.8%。
被保険者10万59人、被扶養者5万7896人で、
40歳以上の特定健診対象者数は、5万7896人、1万1514人。
06年度生活習慣病健診・人間ドック健診の受診結果によると、
脂質異常がずばぬけて多いのが特徴。
35歳以上の受診者で、血液脂質がC判定(要観察)以上は、45%。
97年度で30%を超え、増加傾向が続く。
同健保では、06年度健診結果を基に、保健指導レベルの把握を試みた。
40歳以上のレベル階層化を、BMI25以上・喫煙率50%で試算したところ、
「積極的支援」7.2%、「動機づけ支援」2.8%。
情報提供レベルとBMI25未満を含めた「その他」60.7%。
「受診勧奨」29.2%。
年齢階層別にみた保健指導と受診勧奨の対象者の割合は、
43~45歳を境に入れ替わり、受診勧奨対象の方が高い。
BMI25以上の被保険者の血圧判定値に限定したところ、
40~44歳の階層で受診勧奨の割合が上回った。
レセプト(06年10月分)からみた生活習慣病関連疾患の占める割合では、
循環器系疾患の割合が30歳代から増え続ける。
同健保の冨山紀代美保健師は、「40歳からの保健指導では遅い」。
循環器系に何らかの問題を抱える割合が高いことや、
若い年代から検査数値が悪化し受診勧奨につながっている状態について、
猿山淳子統括保健師は、加入事業者特有の勤務形態との関係を指摘。
被保険者の仕事内容は、主に営業や販売で、
勤務時間が不規則なため夕食時間が遅くなるケースも。
勤務終了後に医療機関に受診することや、運動を継続することも難しい。
猿山氏は、脂質異常などが深刻化している状況について、
「仕事柄が健診結果によく出ている」。
また、特定健診・保健指導のモデル事業を実施したところ、
対象者の半数以上が受診勧奨という結果。
中堅スーパーの193人を対象に、モデル事業を実施。
健診結果から保健指導レベルを階層化したところ、
「積極的支援」4%、「動機付け支援」3%、「情報提供」1%、
受診勧奨対象は55%に。
●BMI25未満のリスク保持者がポイント
06年度健診結果に基づいた階層化からは、
BMI25未満でもハイリスクを抱える被保険者が多数いることも判明。
喫煙率50%で試算したデータでは、追加リスク2個以上の
「積極的支援」に位置付けられる割合が全体の21.8%。
追加リスク1個の「動機付け支援」は12.5%。
猿山氏は、「やせている人も指導していくことがポイントで、一番大きな問題」
BMIや腹囲の計測だけで対象を絞るのは不十分。
仮に、これらの群のBMIが25以上になれば、
受診勧奨レベルに入ってくる被保険者が増加してくるとみており、
今後は改善策に力を入れていく考え。
http://www.m3.com/tools/MedicalLibrary/jiho/200801/series1.html?Mg=69b5c78169708cb63617f57ca384a355&Eml=12b55b931cb52b4152963c77864c5aec&F=h&portalId=mailmag
2008年2月11日月曜日
2本鎖が免疫強化のかぎ DNAワクチンで大阪大
(共同通信社 2008年2月7日)
病原体の遺伝子断片を使う次世代ワクチンの「DNAワクチン」に、
従来考えられていたのと異なる仕組みで免疫を強化する働きがあることを、
大阪大の審良静男教授らのチームがマウス実験で突き止め、
英科学誌ネイチャーに発表。
塩基配列にかかわらずDNAの2本鎖そのものが、
病原体を攻撃する白血球を活性化。
「安全で効果の高いワクチン開発に役立ちそうだ」。
DNAワクチンは、病原体の遺伝子断片を体内で働かせて、
攻撃の目印となる抗原を事前につくっておく手法。
エイズやインフルエンザ予防などに広く研究。
これまでは、特定の配列を持つ1本鎖DNAが受容体にくっつき、
免疫が高まると考えられていた。
今回、2本鎖DNAが細胞内に入るとTBK1という物質が働き、
白血球を活性化するのを新たに確認。
この免疫作用は、1本鎖DNAの場合より強かった。
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=67341
病原体の遺伝子断片を使う次世代ワクチンの「DNAワクチン」に、
従来考えられていたのと異なる仕組みで免疫を強化する働きがあることを、
大阪大の審良静男教授らのチームがマウス実験で突き止め、
英科学誌ネイチャーに発表。
塩基配列にかかわらずDNAの2本鎖そのものが、
病原体を攻撃する白血球を活性化。
「安全で効果の高いワクチン開発に役立ちそうだ」。
DNAワクチンは、病原体の遺伝子断片を体内で働かせて、
攻撃の目印となる抗原を事前につくっておく手法。
エイズやインフルエンザ予防などに広く研究。
これまでは、特定の配列を持つ1本鎖DNAが受容体にくっつき、
免疫が高まると考えられていた。
今回、2本鎖DNAが細胞内に入るとTBK1という物質が働き、
白血球を活性化するのを新たに確認。
この免疫作用は、1本鎖DNAの場合より強かった。
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=67341
血清中ビタミンE濃度低値は高齢者の体力低下につながる
(Medscape 1月22日)
地域社会に居住する高齢者において、
栄養不良の指標である血清中ビタミンE濃度低値は、
その後の体力低下に関連することを示す研究結果が報告。
コーネル大学のBenedetta Bartaliらは、
「高齢者の自立を維持することは公衆衛生の優先事項であり、
機能障害プロセスを予防、遅延には、
身体機能低下に関与する因子の特定が必要。
栄養不良が、高齢者の身体機能低下に有害作用を及ぼすかは不明。
本研究の目的は、特定の微量栄養素の低濃度がその後の身体機能低下に
関連するかどうかを明らかにすること」。
トスカーナ州(イタリア)の住民登録(population registry)から
ランダムに選択した65歳以上の居住者698名の縦断的研究のデータを解析。
1998~2000年のベースライン評価を行い、
2001~2003年まで3年間の追跡評価を実施。
3年間における身体機能の低下は、Short Physical Performance Battery
(簡易身体能力バッテリー)スコアの1点以上の低下と定義。
対照群の各栄養素の4分位数の上位3階級に対する最低階級のオッズ比を計算。
結果の妥当性の確認には、2つの追加の補完的分析法が用いられた。
Short Physical Performance Batteryスコアの平均低下は、1.1点。
予想される交絡因子の補正したロジスティック回帰分析に基づけば、
ビタミンE濃度低値はその後の身体機能低下と有意に関連。
αトコフェロール4分位数の最低階級と身体機能スコアの1点以上の低下との
関連性に関するオッズ比は、1.62。
予想される交絡因子およびShort Physical Performance Batteryの
ベースラインスコアについて補正したところ、
連続尺度として解析したビタミンEを用いた一般線形モデルにおいては、
ビタミンEのベースライン濃度は追跡調査時点の
Short Physical Performance Batteryスコアと有意に関連。
身体機能低下の最も強力な予測因子は、
年齢81歳以上および(70-80歳の被験者では)ビタミンE。
身体機能低下の発生率は、それぞれ84%および60%。
「これらの結果から、地域社会に居住する高齢者において、
ビタミンEの血清濃度低値はその後の身体機能低下に関連することを
示す経験的エビデンスが得られた」。
研究の限界として、追跡不能によるバイアス、
イタリア人の一般集団に基づいた標本で一般化可能性が限られること、
ビタミンEは二変量分析では身体機能低下と関連したものの、
補正した分析では関連が認められなかったこと、
6種類の微量栄養素濃度を検討したため結果が偽陽性であった可能性、
多数の予想される交絡因子について補正が不十分であった可能性。
「疫学的研究で得られた知見では、因果関係は確立できないものの、
低ビタミンE濃度が身体機能低下に関与しているという根拠は得られた。
ビタミンE濃度の低い高齢者において、
ビタミンEの至適濃度が機能低下および機能障害の発生を抑制するかを
明らかにするためには、臨床試験を行う必要がある」。
JAMA. 2008;299:308-315.
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=SPECIALTY&categoryId=580&articleLang=ja&articleId=66738
地域社会に居住する高齢者において、
栄養不良の指標である血清中ビタミンE濃度低値は、
その後の体力低下に関連することを示す研究結果が報告。
コーネル大学のBenedetta Bartaliらは、
「高齢者の自立を維持することは公衆衛生の優先事項であり、
機能障害プロセスを予防、遅延には、
身体機能低下に関与する因子の特定が必要。
栄養不良が、高齢者の身体機能低下に有害作用を及ぼすかは不明。
本研究の目的は、特定の微量栄養素の低濃度がその後の身体機能低下に
関連するかどうかを明らかにすること」。
トスカーナ州(イタリア)の住民登録(population registry)から
ランダムに選択した65歳以上の居住者698名の縦断的研究のデータを解析。
1998~2000年のベースライン評価を行い、
2001~2003年まで3年間の追跡評価を実施。
3年間における身体機能の低下は、Short Physical Performance Battery
(簡易身体能力バッテリー)スコアの1点以上の低下と定義。
対照群の各栄養素の4分位数の上位3階級に対する最低階級のオッズ比を計算。
結果の妥当性の確認には、2つの追加の補完的分析法が用いられた。
Short Physical Performance Batteryスコアの平均低下は、1.1点。
予想される交絡因子の補正したロジスティック回帰分析に基づけば、
ビタミンE濃度低値はその後の身体機能低下と有意に関連。
αトコフェロール4分位数の最低階級と身体機能スコアの1点以上の低下との
関連性に関するオッズ比は、1.62。
予想される交絡因子およびShort Physical Performance Batteryの
ベースラインスコアについて補正したところ、
連続尺度として解析したビタミンEを用いた一般線形モデルにおいては、
ビタミンEのベースライン濃度は追跡調査時点の
Short Physical Performance Batteryスコアと有意に関連。
身体機能低下の最も強力な予測因子は、
年齢81歳以上および(70-80歳の被験者では)ビタミンE。
身体機能低下の発生率は、それぞれ84%および60%。
「これらの結果から、地域社会に居住する高齢者において、
ビタミンEの血清濃度低値はその後の身体機能低下に関連することを
示す経験的エビデンスが得られた」。
研究の限界として、追跡不能によるバイアス、
イタリア人の一般集団に基づいた標本で一般化可能性が限られること、
ビタミンEは二変量分析では身体機能低下と関連したものの、
補正した分析では関連が認められなかったこと、
6種類の微量栄養素濃度を検討したため結果が偽陽性であった可能性、
多数の予想される交絡因子について補正が不十分であった可能性。
「疫学的研究で得られた知見では、因果関係は確立できないものの、
低ビタミンE濃度が身体機能低下に関与しているという根拠は得られた。
ビタミンE濃度の低い高齢者において、
ビタミンEの至適濃度が機能低下および機能障害の発生を抑制するかを
明らかにするためには、臨床試験を行う必要がある」。
JAMA. 2008;299:308-315.
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=SPECIALTY&categoryId=580&articleLang=ja&articleId=66738
2008年2月10日日曜日
トウモロコシに含まれるプロビタミンAを増加させる方法
(Science 2008年1月18日)
通常よりビタミンAを多く含むトウモロコシを育てることにより、
サハラ以南のアフリカやトウモロコシを主食としている地域で、
数百万人もの子供の健康状態が改善される可能性がある。
Carlos Harjesらによると、毎年4千万人の子供がビタミンA欠乏が原因の
眼病に罹患し、1億4千万~2億5千万人の健康に被害がもたらされている。
Harjesらは、ヒト体内でビタミンAに変化する前駆体化合物をかなり多く含む
天然のトウモロコシ種について報告。
世界で最も多く栽培され、消費されている黄色いトウモロコシ種には、
このような化合物のひとつ、βカロチンがあまり含まれていないが、
さらに色の濃い他のトウモロコシ種には多く含まれている。
lcyE遺伝子に起きた自然の変異が、
βカロチンやプロビタミンAの産生にどのように影響を与えているのかを明らかにした。
lcyE 遺伝子に、この変異を持つ種を育てることで、
遺伝子操作の必要もなく、発展途上国でプロビタミンAを多く含有する
トウモロコシを生産することができるであろう。
Science 18 January 2008:Vol. 319. no. 5861, pp. 330 - 333
Natural Genetic Variation in Lycopene Epsilon Cyclase Tapped for Maize Biofortification
Carlos E. Harjes,1* Torbert R. Rocheford,2 Ling Bai,3 Thomas P. Brutnell,3 Catherine Bermudez Kandianis,2 Stephen G. Sowinski,4 Ann E. Stapleton,5 Ratnakar Vallabhaneni,6,7 Mark Williams,4 Eleanore T. Wurtzel,6,7 Jianbing Yan,8 Edward S. Buckler1,9,10
Dietary vitamin A deficiency causes eye disease in 40 million children each year and places 140 to 250 million at risk for health disorders. Many children in sub-Saharan Africa subsist on maize-based diets. Maize displays considerable natural variation for carotenoid composition, including vitamin A precursors -carotene, β-carotene, and β-cryptoxanthin. Through association analysis, linkage mapping, expression analysis, and mutagenesis, we show that variation at the lycopene epsilon cyclase (lcyE) locus alters flux down -carotene versus β-carotene branches of the carotenoid pathway. Four natural lcyE polymorphisms explained 58% of the variation in these two branches and a threefold difference in provitamin A compounds. Selection of favorable lcyE alleles with inexpensive molecular markers will now enable developing-country breeders to more effectively produce maize grain with higher provitamin A levels.
http://www.sciencemag.jp/highlights.cgi?_issue=91#388
通常よりビタミンAを多く含むトウモロコシを育てることにより、
サハラ以南のアフリカやトウモロコシを主食としている地域で、
数百万人もの子供の健康状態が改善される可能性がある。
Carlos Harjesらによると、毎年4千万人の子供がビタミンA欠乏が原因の
眼病に罹患し、1億4千万~2億5千万人の健康に被害がもたらされている。
Harjesらは、ヒト体内でビタミンAに変化する前駆体化合物をかなり多く含む
天然のトウモロコシ種について報告。
世界で最も多く栽培され、消費されている黄色いトウモロコシ種には、
このような化合物のひとつ、βカロチンがあまり含まれていないが、
さらに色の濃い他のトウモロコシ種には多く含まれている。
lcyE遺伝子に起きた自然の変異が、
βカロチンやプロビタミンAの産生にどのように影響を与えているのかを明らかにした。
lcyE 遺伝子に、この変異を持つ種を育てることで、
遺伝子操作の必要もなく、発展途上国でプロビタミンAを多く含有する
トウモロコシを生産することができるであろう。
Science 18 January 2008:Vol. 319. no. 5861, pp. 330 - 333
Natural Genetic Variation in Lycopene Epsilon Cyclase Tapped for Maize Biofortification
Carlos E. Harjes,1* Torbert R. Rocheford,2 Ling Bai,3 Thomas P. Brutnell,3 Catherine Bermudez Kandianis,2 Stephen G. Sowinski,4 Ann E. Stapleton,5 Ratnakar Vallabhaneni,6,7 Mark Williams,4 Eleanore T. Wurtzel,6,7 Jianbing Yan,8 Edward S. Buckler1,9,10
Dietary vitamin A deficiency causes eye disease in 40 million children each year and places 140 to 250 million at risk for health disorders. Many children in sub-Saharan Africa subsist on maize-based diets. Maize displays considerable natural variation for carotenoid composition, including vitamin A precursors -carotene, β-carotene, and β-cryptoxanthin. Through association analysis, linkage mapping, expression analysis, and mutagenesis, we show that variation at the lycopene epsilon cyclase (lcyE) locus alters flux down -carotene versus β-carotene branches of the carotenoid pathway. Four natural lcyE polymorphisms explained 58% of the variation in these two branches and a threefold difference in provitamin A compounds. Selection of favorable lcyE alleles with inexpensive molecular markers will now enable developing-country breeders to more effectively produce maize grain with higher provitamin A levels.
http://www.sciencemag.jp/highlights.cgi?_issue=91#388
2008年2月9日土曜日
エボラウイルスを無毒化 薬とワクチン開発へ前進 東大チームが世界初
(共同通信社 2008年1月22日)
感染すると致死率が50-90%と高く、ワクチンも治療薬もない
エボラ出血熱の原因であるエボラウイルスを
遺伝子操作で無毒化し、実験用の特殊な人工細胞の中でしか
増えないようにすることに、東京大医科学研究所の河岡義裕教授、
海老原秀喜・助教らが世界で初めて成功。
ウイルスの危険性が研究のネックだったが、
この無毒化ウイルスを使えば、治療薬探しなどの研究が進むと期待。
このウイルスを、ワクチンとして使う道も考えられる。
チームは、遺伝子からウイルスを合成する「リバースジェネティクス」
という手法を使い、エボラウイルスが持つ8個の遺伝子のうち、
増殖に欠かせない「VP30」という遺伝子だけを取り除いたウイルスを作製。
できたウイルスは、通常の細胞の中では増えず、毒性を発揮しないが、
VP30遺伝子を組み込んだサルの細胞の中でだけ増殖。
それ以外の見た目や性質は、本物のエボラウイルスと変わらず、
治療薬探しなどの実験に使えることを確認。
エボラウイルスを使った研究は、感染事故を防止するため、
宇宙服のような防護服を着用するなど、厳重な封じ込め措置が取られた
「P4」と呼ばれる研究施設でしかできない。
河岡教授は、「無毒化ウイルスは、通常の実験室でも扱えるため、
エボラウイルスの解明が大きく進むと期待できる」。
▽エボラ出血熱
エボラウイルスが原因の急性感染症。
重症化すると吐血、鼻出血などを伴う。
ワクチンや治療法はなく、感染者の致死率は50-90%。
1976年のザイール(現コンゴ)での集団発生が初の記録。
動物のウイルスが人の世界で広がった新興感染症の代表例、
保有動物は特定されていない。
ウイルスが、生物兵器テロに利用される恐れも指摘。
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=66188
感染すると致死率が50-90%と高く、ワクチンも治療薬もない
エボラ出血熱の原因であるエボラウイルスを
遺伝子操作で無毒化し、実験用の特殊な人工細胞の中でしか
増えないようにすることに、東京大医科学研究所の河岡義裕教授、
海老原秀喜・助教らが世界で初めて成功。
ウイルスの危険性が研究のネックだったが、
この無毒化ウイルスを使えば、治療薬探しなどの研究が進むと期待。
このウイルスを、ワクチンとして使う道も考えられる。
チームは、遺伝子からウイルスを合成する「リバースジェネティクス」
という手法を使い、エボラウイルスが持つ8個の遺伝子のうち、
増殖に欠かせない「VP30」という遺伝子だけを取り除いたウイルスを作製。
できたウイルスは、通常の細胞の中では増えず、毒性を発揮しないが、
VP30遺伝子を組み込んだサルの細胞の中でだけ増殖。
それ以外の見た目や性質は、本物のエボラウイルスと変わらず、
治療薬探しなどの実験に使えることを確認。
エボラウイルスを使った研究は、感染事故を防止するため、
宇宙服のような防護服を着用するなど、厳重な封じ込め措置が取られた
「P4」と呼ばれる研究施設でしかできない。
河岡教授は、「無毒化ウイルスは、通常の実験室でも扱えるため、
エボラウイルスの解明が大きく進むと期待できる」。
▽エボラ出血熱
エボラウイルスが原因の急性感染症。
重症化すると吐血、鼻出血などを伴う。
ワクチンや治療法はなく、感染者の致死率は50-90%。
1976年のザイール(現コンゴ)での集団発生が初の記録。
動物のウイルスが人の世界で広がった新興感染症の代表例、
保有動物は特定されていない。
ウイルスが、生物兵器テロに利用される恐れも指摘。
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=66188
ポストドクター本当に多すぎるのか
(サイエンスポータル 2008年2月5日)
ポスドク問題に関する議論があちこちで交わされている。
大学院生に、年額最高240万円を支給する研究奨励金制度の発足を
東京農工大学が公表。
東京大学、東京工業大学も、大学院生支援策を打ち出している。
いい学生が集まらないと大学の存立基盤を揺るがしかねない
少子化、国際化の時代だ。
問題は、「大学院は出たけれど」の方だろう。
「今、求められる研究者像と人材育成」という
産業技術総合研究所主催のシンポジウムが開かれた。
日立製作所会長で経団連副会長や総合科学技術会議議員を務めた
経験も持つ庄山悦彦氏が、講演者の1人として経団連産業技術委員会の提言
「イノベーション創出を担う理工系博士の育成と活用を目指して」に触れた。
「入口」、「研究教育」、「出口」の3段階に分け、
大学、政府、企業がやるべき人材育成策が掲げられている。
「出口」のところの提言は次のよう。
大学に対して「博士号取得者に対する就職支援の充実」、
政府には「ポスドク等が活躍できる産学協同の場の提供」、
企業には「優秀な博士課程取得者を積極的に活用」が求められている。
「優秀な人材が博士課程に進学しない」→「博士人材の付加価値が不明確」→
「企業が博士人材の採用に消極的」という悪循環。
経団連産業技術委員会のそんな現状認識に基づく提言。
問題になるのは、「優秀な人材」とは何か。
大学、政府、企業がそれぞれ全く別の「優秀な人材」像を描いていたら、
この提言はおそらく効果が期待できない。
日経新聞4日朝刊「教育面」に、
坂東昌子・日本物理学会キャリア支援センター長(愛知大学教授)の
「基礎科学復権へ活用を―ポストドクター本当に多すぎるか」という寄稿。
結論は、次のようだ。
「真のイノベーションを創生するには、基礎力が問われる。
基礎科学の復権こそ、科学技術立国を目指す日本の喫緊の課題であり、
そのためにポストドクターはもっと有効に活用されてしかるべき」
坂東氏は、途中で「物理学に限って論じてみたい」と断っているが、
「昨今の高等教育政策の流れは、基礎重視から応用重視へと大きくシフト」し、
「戦後の日本の高い科学水準を支えたのは、
基礎力のある学生を育てたことだったのに、その伝統は消えてしまった」
という批判にたった主張であることは明白。
坂東氏にとっては、基礎科学の力を十分身につけた人間こそ、
「優秀な人材」ということだろう。
これが政府、企業の期待する「優秀な人材」像と一致するなら、
ポスドク問題の解決も心配することはないように見えるのだが…。
http://www.scienceportal.jp/news/review/0802/0802051.html
ポスドク問題に関する議論があちこちで交わされている。
大学院生に、年額最高240万円を支給する研究奨励金制度の発足を
東京農工大学が公表。
東京大学、東京工業大学も、大学院生支援策を打ち出している。
いい学生が集まらないと大学の存立基盤を揺るがしかねない
少子化、国際化の時代だ。
問題は、「大学院は出たけれど」の方だろう。
「今、求められる研究者像と人材育成」という
産業技術総合研究所主催のシンポジウムが開かれた。
日立製作所会長で経団連副会長や総合科学技術会議議員を務めた
経験も持つ庄山悦彦氏が、講演者の1人として経団連産業技術委員会の提言
「イノベーション創出を担う理工系博士の育成と活用を目指して」に触れた。
「入口」、「研究教育」、「出口」の3段階に分け、
大学、政府、企業がやるべき人材育成策が掲げられている。
「出口」のところの提言は次のよう。
大学に対して「博士号取得者に対する就職支援の充実」、
政府には「ポスドク等が活躍できる産学協同の場の提供」、
企業には「優秀な博士課程取得者を積極的に活用」が求められている。
「優秀な人材が博士課程に進学しない」→「博士人材の付加価値が不明確」→
「企業が博士人材の採用に消極的」という悪循環。
経団連産業技術委員会のそんな現状認識に基づく提言。
問題になるのは、「優秀な人材」とは何か。
大学、政府、企業がそれぞれ全く別の「優秀な人材」像を描いていたら、
この提言はおそらく効果が期待できない。
日経新聞4日朝刊「教育面」に、
坂東昌子・日本物理学会キャリア支援センター長(愛知大学教授)の
「基礎科学復権へ活用を―ポストドクター本当に多すぎるか」という寄稿。
結論は、次のようだ。
「真のイノベーションを創生するには、基礎力が問われる。
基礎科学の復権こそ、科学技術立国を目指す日本の喫緊の課題であり、
そのためにポストドクターはもっと有効に活用されてしかるべき」
坂東氏は、途中で「物理学に限って論じてみたい」と断っているが、
「昨今の高等教育政策の流れは、基礎重視から応用重視へと大きくシフト」し、
「戦後の日本の高い科学水準を支えたのは、
基礎力のある学生を育てたことだったのに、その伝統は消えてしまった」
という批判にたった主張であることは明白。
坂東氏にとっては、基礎科学の力を十分身につけた人間こそ、
「優秀な人材」ということだろう。
これが政府、企業の期待する「優秀な人材」像と一致するなら、
ポスドク問題の解決も心配することはないように見えるのだが…。
http://www.scienceportal.jp/news/review/0802/0802051.html
2008年2月8日金曜日
エボラウイルスを無毒化 東大チームが世界初
(共同通信社 1月22日)
感染すると致死率が50-90%と高く、ワクチンも治療薬もない
エボラ出血熱の原因であるエボラウイルスを遺伝子操作で無毒化し、
実験用の特殊な人工細胞の中でしか増えないようにすることに、
東京大医科学研究所の河岡義裕教授、海老原秀喜助教らが世界で初めて成功。
ウイルスの危険性が研究のネックだったが、
この無毒化ウイルスを使えば、治療薬探しなどの研究が進むと期待。
このウイルスを、ワクチンとして使う道も考えられる。
遺伝子からウイルスを合成する「リバースジェネティクス」という手法を使い、
エボラウイルスが持つ8個の遺伝子のうち、増殖に欠かせない
「VP30」という遺伝子だけを取り除いたウイルスを作製。
できたウイルスは、通常の細胞の中では増えず、毒性を発揮しないが、
VP30遺伝子を組み込んだサルの細胞の中でだけ増殖。
それ以外の見た目や性質は、本物のエボラウイルスと変わらず、
治療薬探しなどの実験に使えることを確認。
http://www.47news.jp/CN/200801/CN2008012201000015.html
感染すると致死率が50-90%と高く、ワクチンも治療薬もない
エボラ出血熱の原因であるエボラウイルスを遺伝子操作で無毒化し、
実験用の特殊な人工細胞の中でしか増えないようにすることに、
東京大医科学研究所の河岡義裕教授、海老原秀喜助教らが世界で初めて成功。
ウイルスの危険性が研究のネックだったが、
この無毒化ウイルスを使えば、治療薬探しなどの研究が進むと期待。
このウイルスを、ワクチンとして使う道も考えられる。
遺伝子からウイルスを合成する「リバースジェネティクス」という手法を使い、
エボラウイルスが持つ8個の遺伝子のうち、増殖に欠かせない
「VP30」という遺伝子だけを取り除いたウイルスを作製。
できたウイルスは、通常の細胞の中では増えず、毒性を発揮しないが、
VP30遺伝子を組み込んだサルの細胞の中でだけ増殖。
それ以外の見た目や性質は、本物のエボラウイルスと変わらず、
治療薬探しなどの実験に使えることを確認。
http://www.47news.jp/CN/200801/CN2008012201000015.html
インターネット公開授業9割が歓迎
(サイエンスポータル 2008年2月7日)
大学がインターネットで授業を無償公開する試みについて、
9割以上の人々が高く評価していることが、
慶應義塾大学とNTTレゾナントの調査で明らかに。
高等教育機関が提供する講義、関連情報をインターネットで
無償公開する「オープンコースウェア」活動を援助、普及する目的で、
日本オープンコースウェア・コンソーシアム(JOCW) が、2006年に設立。
設立時のメンバーは、大阪大学、京都大学、慶應義塾大学、東京工業大学、
東京大学、早稲田大学の6大学だったが、その後、参加メンバーも増え、
授業内容をインターネット上で公開する大学は15校。
慶應大学は、JOCWの初代事務局。
「gooリサーチ」の登録モニター1,000人を対象に行った調査の結果、
大学が講義内容をインターネット上で公開することに対し、
「非常によいと思う」と答えた人が33.2%、「よいと思う」人が60.6%と、
93.8%の人が肯定的な評価。
実際に利用してみたいと答えた人も83.9%。
見たい講義は、経済学、情報科学、経営学・マーケティング、
文学、医学が上位を占めた。
現在、インターネット上で講義を公開している大学名を
すべてあるいは一部知っているという人は22.1%。
http://www.scienceportal.jp/news/daily/0802/0802071.html
大学がインターネットで授業を無償公開する試みについて、
9割以上の人々が高く評価していることが、
慶應義塾大学とNTTレゾナントの調査で明らかに。
高等教育機関が提供する講義、関連情報をインターネットで
無償公開する「オープンコースウェア」活動を援助、普及する目的で、
日本オープンコースウェア・コンソーシアム(JOCW) が、2006年に設立。
設立時のメンバーは、大阪大学、京都大学、慶應義塾大学、東京工業大学、
東京大学、早稲田大学の6大学だったが、その後、参加メンバーも増え、
授業内容をインターネット上で公開する大学は15校。
慶應大学は、JOCWの初代事務局。
「gooリサーチ」の登録モニター1,000人を対象に行った調査の結果、
大学が講義内容をインターネット上で公開することに対し、
「非常によいと思う」と答えた人が33.2%、「よいと思う」人が60.6%と、
93.8%の人が肯定的な評価。
実際に利用してみたいと答えた人も83.9%。
見たい講義は、経済学、情報科学、経営学・マーケティング、
文学、医学が上位を占めた。
現在、インターネット上で講義を公開している大学名を
すべてあるいは一部知っているという人は22.1%。
http://www.scienceportal.jp/news/daily/0802/0802071.html
2008年2月7日木曜日
産総研の新しい試み
(サイエンスポータル 2008年1月28日)
産業技術総合研究所の新しい試みが関心を集めそう。
新しい学術ジャーナル「Synthesiology-構成学」の創刊と、
「産総研イノベーション上級大学院」の設立。
「Synthesiology-構成学」は1月に創刊号が発行、
「産総研イノベーション上級大学院」は4月開校の予定。
社会のためになる科学技術を目指すなら、
研究論文になりにくい努力の方がむしろ重要。
産総研のようなところこそ、率先してそうした取り組みをすべきだ―。
吉川理事長の主張を簡潔に表現すれば、このようになるだろうか。
この主張を実行に移すため、産総研では「本格研究」という
基本的な研究開発の意義付け、枠組みが明確に。
大学などの研究者たちの多くが取り組む研究と、
商品価値を持つ製品を生み出す研究との間には、
「死の谷」とも呼ばれる大変な壁。
企業の技術開発にあたる人々は、日常的にいやでも直面せざるを得ない
現実である一方、大学や公的研究機関で研究に従事する研究者たちは、
突き詰めて考えようとしなければしないでも済んできた根本的課題。
産総研の「本格研究」において、重要な位置を与えられているのは
「第2種基礎研究」と名づけられている領域。
伝統的な基礎研究を「第1種基礎研究」と定義し直し、
その枠内に収まらない基礎研究を指す。
「未知現象より新たな知識の発見・解明を目指す研究」(第1種基礎研究)に対し、
「経済・社会ニーズへ対応するために異なる分野の知識を幅広く選択、
融合・適用する研究」(第2種基礎研究)という仕分け。
「本格研究」というのは次のように説明。
「知識・技術の発見・発明から製品化の間に横たわる
『悪夢(死の谷)』を乗り越え、研究成果を迅速に市場へと展開させるため、
幅広い知識・技術を選択し、融合・適用することにより
新たな成果を生み出す『第2種基礎研究』を軸に、
『第1種基礎研究』から『製品化研究』までを連続的・同時的に展開する
産総研独自の研究方法」
なぜ、「Synthesiology-構成学」なる新しい学術ジャーナルを、
一独立行政法人が刊行しなければならないのか。
伝統的基礎研究の枠に収まらない「第2種基礎研究」に、
いくら力を入れても研究成果(論文)を受理してくれそうな
学術誌が見当たらないから、ということのようだ。
そもそも、Synthesiology(構成学)も造語。
「研究成果を社会に活かそうとする研究活動」(第2種基礎研究)の成果を
「知として蓄積することを目的とする」のが新しい学術ジャーナルで、
「研究活動の目標の設定と社会的価値を含めて、
具体的なシナリオや研究手順、要素技術の構成・統合のプロセスが
記述された論文を掲載する」。
一方、「産総研イノベーション上級大学院」は、
任期付き雇用形態を含む研究所の若手研究者らを、
従来の狭い意味での基礎研究の枠にとどまらず将来、研究機関、企業
いずれの場でも活躍できる人材に育てるのが狙い。
成果は、「Synthesiology-構成学」に投稿、きちんと評価を受けさせる。
創刊された学術ジャーナルとは補完関係にある。
「SCIENCE」、「NATURE」に代表される欧米科学誌に
論文が掲載されることをまず願う。
これが大方の日本人研究者の姿に見える。
産総研の新しい試みは、果たして日本の研究開発のありようを
変えることができるだろうか。
http://www.scienceportal.jp/news/review/0801/0801281.html
産業技術総合研究所の新しい試みが関心を集めそう。
新しい学術ジャーナル「Synthesiology-構成学」の創刊と、
「産総研イノベーション上級大学院」の設立。
「Synthesiology-構成学」は1月に創刊号が発行、
「産総研イノベーション上級大学院」は4月開校の予定。
社会のためになる科学技術を目指すなら、
研究論文になりにくい努力の方がむしろ重要。
産総研のようなところこそ、率先してそうした取り組みをすべきだ―。
吉川理事長の主張を簡潔に表現すれば、このようになるだろうか。
この主張を実行に移すため、産総研では「本格研究」という
基本的な研究開発の意義付け、枠組みが明確に。
大学などの研究者たちの多くが取り組む研究と、
商品価値を持つ製品を生み出す研究との間には、
「死の谷」とも呼ばれる大変な壁。
企業の技術開発にあたる人々は、日常的にいやでも直面せざるを得ない
現実である一方、大学や公的研究機関で研究に従事する研究者たちは、
突き詰めて考えようとしなければしないでも済んできた根本的課題。
産総研の「本格研究」において、重要な位置を与えられているのは
「第2種基礎研究」と名づけられている領域。
伝統的な基礎研究を「第1種基礎研究」と定義し直し、
その枠内に収まらない基礎研究を指す。
「未知現象より新たな知識の発見・解明を目指す研究」(第1種基礎研究)に対し、
「経済・社会ニーズへ対応するために異なる分野の知識を幅広く選択、
融合・適用する研究」(第2種基礎研究)という仕分け。
「本格研究」というのは次のように説明。
「知識・技術の発見・発明から製品化の間に横たわる
『悪夢(死の谷)』を乗り越え、研究成果を迅速に市場へと展開させるため、
幅広い知識・技術を選択し、融合・適用することにより
新たな成果を生み出す『第2種基礎研究』を軸に、
『第1種基礎研究』から『製品化研究』までを連続的・同時的に展開する
産総研独自の研究方法」
なぜ、「Synthesiology-構成学」なる新しい学術ジャーナルを、
一独立行政法人が刊行しなければならないのか。
伝統的基礎研究の枠に収まらない「第2種基礎研究」に、
いくら力を入れても研究成果(論文)を受理してくれそうな
学術誌が見当たらないから、ということのようだ。
そもそも、Synthesiology(構成学)も造語。
「研究成果を社会に活かそうとする研究活動」(第2種基礎研究)の成果を
「知として蓄積することを目的とする」のが新しい学術ジャーナルで、
「研究活動の目標の設定と社会的価値を含めて、
具体的なシナリオや研究手順、要素技術の構成・統合のプロセスが
記述された論文を掲載する」。
一方、「産総研イノベーション上級大学院」は、
任期付き雇用形態を含む研究所の若手研究者らを、
従来の狭い意味での基礎研究の枠にとどまらず将来、研究機関、企業
いずれの場でも活躍できる人材に育てるのが狙い。
成果は、「Synthesiology-構成学」に投稿、きちんと評価を受けさせる。
創刊された学術ジャーナルとは補完関係にある。
「SCIENCE」、「NATURE」に代表される欧米科学誌に
論文が掲載されることをまず願う。
これが大方の日本人研究者の姿に見える。
産総研の新しい試みは、果たして日本の研究開発のありようを
変えることができるだろうか。
http://www.scienceportal.jp/news/review/0801/0801281.html
社交家「肥満」多く、心配性「やせ」 東北大が3万人を調査
(毎日新聞社 2008年1月19日)
社交的な人や自己中心的な人ほど肥満が多く、
心配性の程度が強いほどやせの人が増える傾向にあることが、
約3万人を対象にした辻一郎・東北大教授(公衆衛生学)らの調査で分かった。
性格と肥満の関係は、十分な根拠がないまま議論されることが多く、
1万人以上を対象に調べた研究は世界的にも例がない。
国際心身医学会誌に掲載。
宮城県内の40-64歳の男女を対象に調査。
身長や体重、生活習慣などに加え、
「話し好きか」、「人が何を考えているか気になるか」など
48項目を尋ねる性格検査を実施。
▽外向的(社交性、陽気さ)
▽神経症的(心配性、緊張しやすい)
▽非協調性(攻撃性、自己中心性)
▽社会的望ましさ(律義さ、虚栄心)
の各傾向について、程度別に4グループに分けて
体格指数(BMI)との関係を調べた。
飲酒量や運動習慣などを考慮して分析した結果、
「外向的傾向」が強いほど、「肥満」とされるBMI25以上の割合が増えた。
最も外向的なグループの肥満の割合は、最も内向的なグループに比べ、
男性で1・73倍、女性で1・53倍。
「非協調性」が強い場合も、肥満が増えた。
「神経症的傾向」が強いと、BMI18・5未満の「やせ」が増えた。
神経症的傾向が最も強いグループのやせの割合は、
最も弱いグループの2倍以上。
研究チームの同大大学院生、柿崎真沙子さん(心理疫学)によると、
因果関係は明確でないが、性格と関連する神経伝達物質の一部が
食欲にも関係していることが背景に。
柿崎さんは、「肥満改善指導で外向的な人には指導回数を増やすなど、
効果的な健康教育プログラムの開発につながる可能性がある」。
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&articleId=66086
社交的な人や自己中心的な人ほど肥満が多く、
心配性の程度が強いほどやせの人が増える傾向にあることが、
約3万人を対象にした辻一郎・東北大教授(公衆衛生学)らの調査で分かった。
性格と肥満の関係は、十分な根拠がないまま議論されることが多く、
1万人以上を対象に調べた研究は世界的にも例がない。
国際心身医学会誌に掲載。
宮城県内の40-64歳の男女を対象に調査。
身長や体重、生活習慣などに加え、
「話し好きか」、「人が何を考えているか気になるか」など
48項目を尋ねる性格検査を実施。
▽外向的(社交性、陽気さ)
▽神経症的(心配性、緊張しやすい)
▽非協調性(攻撃性、自己中心性)
▽社会的望ましさ(律義さ、虚栄心)
の各傾向について、程度別に4グループに分けて
体格指数(BMI)との関係を調べた。
飲酒量や運動習慣などを考慮して分析した結果、
「外向的傾向」が強いほど、「肥満」とされるBMI25以上の割合が増えた。
最も外向的なグループの肥満の割合は、最も内向的なグループに比べ、
男性で1・73倍、女性で1・53倍。
「非協調性」が強い場合も、肥満が増えた。
「神経症的傾向」が強いと、BMI18・5未満の「やせ」が増えた。
神経症的傾向が最も強いグループのやせの割合は、
最も弱いグループの2倍以上。
研究チームの同大大学院生、柿崎真沙子さん(心理疫学)によると、
因果関係は明確でないが、性格と関連する神経伝達物質の一部が
食欲にも関係していることが背景に。
柿崎さんは、「肥満改善指導で外向的な人には指導回数を増やすなど、
効果的な健康教育プログラムの開発につながる可能性がある」。
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&articleId=66086
2008年2月6日水曜日
動物のゲップ:メタン除去技術を開発 帯広畜産大
(毎日 1月22日)
牛や羊などの反すう動物のゲップとともに吐き出される、
温室効果ガスのメタンについて、
帯広畜産大の高橋潤一教授(循環型畜産学)らの研究チームは、
体内から除去する技術を開発。
牛などのゲップから出るメタンは、温室効果ガス全体の約5%を占め、
地球温暖化の防止対策として注目。
反すう動物の家畜は、世界で約30億頭が飼育。
メタンは、胃の中で植物の繊維を微生物が分解・発酵する過程で発生。
高橋教授は、硝酸塩が含まれる飼料を食べた家畜の中毒症状について
研究する過程で、多量の硝酸塩が含まれた牧草を食べた
乳牛のゲップにメタンがほとんど含まれていないことを発見。
さらに、硝酸塩とともにアミノ酸の一種「システイン」を加えると、
中毒を抑えられることが分かった。生乳の品質には影響がない。
高橋教授らは、日本、米国、カナダなど5カ国で技術の特許取得。
酪農国の豪州やニュージーランドなどが関心。
メタンは、同じく温室効果ガスである二酸化炭素(CO2)の
約20倍の温室効果。
06年度、国内のメタンの排出量はCO2換算で約2380万トン、
このうち牛からの排出量は約678万トン。
高橋教授らは、北海道洞爺湖サミットを機に、帯広市で国際シンポジウムを開く。
「温暖化防止のため、二酸化炭素だけでなく、メタンにも関心を持ってほしい。
温暖化への課題を解決する方法を紹介しながら、議論していきたい」。
http://mainichi.jp/select/science/news/20080123k0000m040139000c.html
牛や羊などの反すう動物のゲップとともに吐き出される、
温室効果ガスのメタンについて、
帯広畜産大の高橋潤一教授(循環型畜産学)らの研究チームは、
体内から除去する技術を開発。
牛などのゲップから出るメタンは、温室効果ガス全体の約5%を占め、
地球温暖化の防止対策として注目。
反すう動物の家畜は、世界で約30億頭が飼育。
メタンは、胃の中で植物の繊維を微生物が分解・発酵する過程で発生。
高橋教授は、硝酸塩が含まれる飼料を食べた家畜の中毒症状について
研究する過程で、多量の硝酸塩が含まれた牧草を食べた
乳牛のゲップにメタンがほとんど含まれていないことを発見。
さらに、硝酸塩とともにアミノ酸の一種「システイン」を加えると、
中毒を抑えられることが分かった。生乳の品質には影響がない。
高橋教授らは、日本、米国、カナダなど5カ国で技術の特許取得。
酪農国の豪州やニュージーランドなどが関心。
メタンは、同じく温室効果ガスである二酸化炭素(CO2)の
約20倍の温室効果。
06年度、国内のメタンの排出量はCO2換算で約2380万トン、
このうち牛からの排出量は約678万トン。
高橋教授らは、北海道洞爺湖サミットを機に、帯広市で国際シンポジウムを開く。
「温暖化防止のため、二酸化炭素だけでなく、メタンにも関心を持ってほしい。
温暖化への課題を解決する方法を紹介しながら、議論していきたい」。
http://mainichi.jp/select/science/news/20080123k0000m040139000c.html
脂っこい食事でも平気? 神戸大、肥満遺伝子特定
(共同通信社 2008年1月21日)
脂肪分が多い食事をした時に働いて、細胞内に脂肪をため込むのを
促す作用がある遺伝子を、神戸大の春日雅人教授らが
マウス実験で特定し、ネイチャーメディシン電子版に発表。
この遺伝子の働きを抑えると、
マウスに脂っこい餌を与えてもあまり太らなかった。
春日教授は、「人に応用できれば、新たな肥満治療薬につながるかもしれない」。
春日教授らは、内臓肥満の主な原因となる白色脂肪細胞で、
インスリン伝達にかかわるDok1と呼ばれる遺伝子が
肥満時に強く働いているのに着目。
Dok1が別の肥満関連遺伝子に働き掛け、
脂肪細胞内に脂肪をため込むのを促進する作用があることを確かめた。
Dok1が働かないようにしたマウスと正常なマウスで比較すると、
通常の食事では太り方に差がないが、
脂肪分が多い食事を与えた場合、
Dok1が働かないマウスの体重が20%以上軽くなった。
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&articleId=66148
脂肪分が多い食事をした時に働いて、細胞内に脂肪をため込むのを
促す作用がある遺伝子を、神戸大の春日雅人教授らが
マウス実験で特定し、ネイチャーメディシン電子版に発表。
この遺伝子の働きを抑えると、
マウスに脂っこい餌を与えてもあまり太らなかった。
春日教授は、「人に応用できれば、新たな肥満治療薬につながるかもしれない」。
春日教授らは、内臓肥満の主な原因となる白色脂肪細胞で、
インスリン伝達にかかわるDok1と呼ばれる遺伝子が
肥満時に強く働いているのに着目。
Dok1が別の肥満関連遺伝子に働き掛け、
脂肪細胞内に脂肪をため込むのを促進する作用があることを確かめた。
Dok1が働かないようにしたマウスと正常なマウスで比較すると、
通常の食事では太り方に差がないが、
脂肪分が多い食事を与えた場合、
Dok1が働かないマウスの体重が20%以上軽くなった。
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&articleId=66148
2008年2月5日火曜日
女性は閉経時のストレスを歩いて減らせる可能性あり
(WebMD 1月3日)
身体を動かして、もう一度元気になろう。
女性が閉経に移行する時のストレスを減らせるのである。
閉経前、閉経期、および閉経後の女性のストレスと身体活動に関する
新規研究の最も重要な知見は次のとおり。
1)身体活動度の高い女性は、活動度の低い女性よりもストレスが少ない。
2)閉経後、身体活動度の高い女性は活動度の低い女性よりもストレス、
不安および抑うつが少ない。
3)研究者らの助言:活動的な人はその調子で続けよう。
活動的でない人はこれから始めよう。
テンプル大学のDeborah Nelsonらは、
「閉経移行期および閉経後の身体活動を維持または増やすことが、
不安、ストレス、抑うつを含む多様な精神的症状の軽減に役立つ可能性を示唆」
Nelson博士のチームは、380例の女性について8年間研究を行った。
研究開始時の女性の平均年齢は、42歳。
研究開始時には、被験者の女性は閉経前。
研究期間中に、被験者は血液検体を提供し、ストレス、不安、抑うつ、
更年期症状(のぼせ、膣の乾燥、または性欲減退など)を10回報告し、
2年おきに身体活動度を記録。
激しい運動から、ほんの少しの活動(本人が運動とみなさないような、
階段を上ることや数街区歩くこと)も、すべて計算に入れた。
研究終了時までに、20%の女性が閉経に達し(1年以上月経なし)、
18%が閉経に近かった。
一部の女性は、他の女性よりも活動度が高かった。
燃焼カロリーを、1時間に4マイル(6.4km)のペースのウォーキングに換算。
1)活動度が最も高い女性は、1.5時間のウォーキングを週5回
2)活動度が中程度の女性は、38分間のウォーキングを週5回
3)活動度が最も低い女性は、16分間のウォーキングを週5回
身体活動は、ストレス管理の点で良い結果を生んだ。
活動度が最も高い群および中程度の群の女性は、
活動度が最も低い女性よりも、ストレスが少なかった。
閉経後、身体活動によって不安、抑うつも減少。
身体活動は、女性ののぼせ、他の閉経期の身体症状には影響しない。
Nelson, D. Medicine & Science in Sports & Exercise, Dec. 4, 2007; advance online edition.
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=SPECIALTY&categoryId=580&articleLang=ja&articleId=66169
身体を動かして、もう一度元気になろう。
女性が閉経に移行する時のストレスを減らせるのである。
閉経前、閉経期、および閉経後の女性のストレスと身体活動に関する
新規研究の最も重要な知見は次のとおり。
1)身体活動度の高い女性は、活動度の低い女性よりもストレスが少ない。
2)閉経後、身体活動度の高い女性は活動度の低い女性よりもストレス、
不安および抑うつが少ない。
3)研究者らの助言:活動的な人はその調子で続けよう。
活動的でない人はこれから始めよう。
テンプル大学のDeborah Nelsonらは、
「閉経移行期および閉経後の身体活動を維持または増やすことが、
不安、ストレス、抑うつを含む多様な精神的症状の軽減に役立つ可能性を示唆」
Nelson博士のチームは、380例の女性について8年間研究を行った。
研究開始時の女性の平均年齢は、42歳。
研究開始時には、被験者の女性は閉経前。
研究期間中に、被験者は血液検体を提供し、ストレス、不安、抑うつ、
更年期症状(のぼせ、膣の乾燥、または性欲減退など)を10回報告し、
2年おきに身体活動度を記録。
激しい運動から、ほんの少しの活動(本人が運動とみなさないような、
階段を上ることや数街区歩くこと)も、すべて計算に入れた。
研究終了時までに、20%の女性が閉経に達し(1年以上月経なし)、
18%が閉経に近かった。
一部の女性は、他の女性よりも活動度が高かった。
燃焼カロリーを、1時間に4マイル(6.4km)のペースのウォーキングに換算。
1)活動度が最も高い女性は、1.5時間のウォーキングを週5回
2)活動度が中程度の女性は、38分間のウォーキングを週5回
3)活動度が最も低い女性は、16分間のウォーキングを週5回
身体活動は、ストレス管理の点で良い結果を生んだ。
活動度が最も高い群および中程度の群の女性は、
活動度が最も低い女性よりも、ストレスが少なかった。
閉経後、身体活動によって不安、抑うつも減少。
身体活動は、女性ののぼせ、他の閉経期の身体症状には影響しない。
Nelson, D. Medicine & Science in Sports & Exercise, Dec. 4, 2007; advance online edition.
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=SPECIALTY&categoryId=580&articleLang=ja&articleId=66169
ES細胞で筋ジス治療 米チーム、マウスで成功
(共同通信社 2008年1月21日)
筋肉の力が徐々に失われる遺伝性疾患の筋ジストロフィーの
症状を示すマウスに、遺伝子操作した胚性幹細胞(ES細胞)を注射して、
筋肉の機能を一部回復させることに成功したと、
米テキサス大の研究チームがネイチャーメディシン電子版に発表。
筋ジストロフィーのマウスを、あらゆる細胞に分化する能力を持つ
ES細胞の移植で治療したのは初めて。
遺伝子を操作するため、すぐには人への応用はできない。
筋ジストロフィーのうち、患者の多いデュシェンヌ型は、
筋細胞の形を保つタンパク質「ジストロフィン」が遺伝子変異のため作られず、
筋力の低下や筋委縮が起きる。
マウスのES細胞を培養し、筋細胞への分化を促進する遺伝子「Pax3」を
人工的に導入。筋細胞になるよう分化し始めたものだけを取り出した。
これを病気のマウスの大動脈に注射したところ、
1カ月後には筋細胞になって筋肉に定着し、ジストロフィンも作られていた。
通常のマウスほど強くないが、ある程度筋力が回復。
ES細胞を注入する治療では、無限に増殖するがん化が懸念されるが、
筋細胞に分化するものだけを厳選した結果、
3カ月後にもがんは起きなかった。
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&articleId=66147
筋肉の力が徐々に失われる遺伝性疾患の筋ジストロフィーの
症状を示すマウスに、遺伝子操作した胚性幹細胞(ES細胞)を注射して、
筋肉の機能を一部回復させることに成功したと、
米テキサス大の研究チームがネイチャーメディシン電子版に発表。
筋ジストロフィーのマウスを、あらゆる細胞に分化する能力を持つ
ES細胞の移植で治療したのは初めて。
遺伝子を操作するため、すぐには人への応用はできない。
筋ジストロフィーのうち、患者の多いデュシェンヌ型は、
筋細胞の形を保つタンパク質「ジストロフィン」が遺伝子変異のため作られず、
筋力の低下や筋委縮が起きる。
マウスのES細胞を培養し、筋細胞への分化を促進する遺伝子「Pax3」を
人工的に導入。筋細胞になるよう分化し始めたものだけを取り出した。
これを病気のマウスの大動脈に注射したところ、
1カ月後には筋細胞になって筋肉に定着し、ジストロフィンも作られていた。
通常のマウスほど強くないが、ある程度筋力が回復。
ES細胞を注入する治療では、無限に増殖するがん化が懸念されるが、
筋細胞に分化するものだけを厳選した結果、
3カ月後にもがんは起きなかった。
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&articleId=66147
2008年2月4日月曜日
スポーツ21世紀:新しい波/258 陸上・実業団選手登録/2
(毎日 1月26日)
陸上女子の小林祐梨子(豊田自動織機)は、
母校の須磨学園高で練習し、岡山大へ通う。
会社の一般的な仕事はしていない。
豊田織機の平林監督は、
「会社の仕事をせず、陸上に専念する選手は他にも多い」と主張し、
小林だけが実業団登録を認められないのは不当だと訴える。
日本実業団陸上競技連合は、東京都内で小林の問題について会見。
弁護士でもある鈴木利広監事は、実業団と学生の区別の重要性を示した。
企業に所属しながら陸上に専念するプロ的な選手は増えているとはいえ、
大学生の扱いは慎重であるべきだとの姿勢。
陸上は野球やサッカーと違い、プロの団体や試合はない。
鈴木監事は、「実業団とプロ的選手の関係はファジー(柔軟)でも問題ない」と、
登録に支障がない理由を説明する。
だが、学生陸上界には日本学生陸上競技連合がある。
両団体は過剰な奪い合いや登録の重複を避けるため、長年議論してきた。
学業が本分である大学生を、実業団が不用意に受け入れられない、
という考え方もある。
鈴木監事は、「実業団スポーツのあり方にもかかわる。
学生との境目は軽々に判断できない」。
小林について審議した結果、大学入学を前提とした入社であり、
豊田織機のチームの拠点である千葉県から離れて
高校の監督に指導を受けているため、
「実業団が単に経済支援をしている学生」と判断したと説明。
平林監督は、「岡山大からも理解を得ている。産学連携のモデルにもなる」と、
大学との良好な関係を強調する。
代理人の望月浩一郎弁護士は、「陸上界全体にかかわること。
日本陸上競技連盟にも早期解決へ協力してほしい」と、
日本陸連の仲介にも期待する。
日本陸連も実業団連合に対し、所属形態の多様化なども考慮した
登録規程の整備を要望。
だが、下部組織ではない実業団連合の判断を変える権限はない。
学生連合の関岡康雄専務理事も、
「本人が学生登録を希望しない以上、我々からは何もできない」と
静観の構えでいる。
http://mainichi.jp/enta/sports/21century/
陸上女子の小林祐梨子(豊田自動織機)は、
母校の須磨学園高で練習し、岡山大へ通う。
会社の一般的な仕事はしていない。
豊田織機の平林監督は、
「会社の仕事をせず、陸上に専念する選手は他にも多い」と主張し、
小林だけが実業団登録を認められないのは不当だと訴える。
日本実業団陸上競技連合は、東京都内で小林の問題について会見。
弁護士でもある鈴木利広監事は、実業団と学生の区別の重要性を示した。
企業に所属しながら陸上に専念するプロ的な選手は増えているとはいえ、
大学生の扱いは慎重であるべきだとの姿勢。
陸上は野球やサッカーと違い、プロの団体や試合はない。
鈴木監事は、「実業団とプロ的選手の関係はファジー(柔軟)でも問題ない」と、
登録に支障がない理由を説明する。
だが、学生陸上界には日本学生陸上競技連合がある。
両団体は過剰な奪い合いや登録の重複を避けるため、長年議論してきた。
学業が本分である大学生を、実業団が不用意に受け入れられない、
という考え方もある。
鈴木監事は、「実業団スポーツのあり方にもかかわる。
学生との境目は軽々に判断できない」。
小林について審議した結果、大学入学を前提とした入社であり、
豊田織機のチームの拠点である千葉県から離れて
高校の監督に指導を受けているため、
「実業団が単に経済支援をしている学生」と判断したと説明。
平林監督は、「岡山大からも理解を得ている。産学連携のモデルにもなる」と、
大学との良好な関係を強調する。
代理人の望月浩一郎弁護士は、「陸上界全体にかかわること。
日本陸上競技連盟にも早期解決へ協力してほしい」と、
日本陸連の仲介にも期待する。
日本陸連も実業団連合に対し、所属形態の多様化なども考慮した
登録規程の整備を要望。
だが、下部組織ではない実業団連合の判断を変える権限はない。
学生連合の関岡康雄専務理事も、
「本人が学生登録を希望しない以上、我々からは何もできない」と
静観の構えでいる。
http://mainichi.jp/enta/sports/21century/
解説:環境債務明示 企業価値明らかに 国際競争力に直結も
(毎日 1月21日)
環境債務開示を義務づける今回の基準は、
債務の「見える化(可視化)」で真の企業価値を明らかにする目的。
有害物質対策を進めれば債務は減り、財務体質は強化される。
地球温暖化対策など、環境規制の動向によっては
計上すべき環境債務の変化も予想される。
環境技術の高さを掲げる日本企業にとって、対応は国際競争力に直結しそう。
将来負担すべきコストを各会計年度に計上する例としては、
電力会社が将来の原発解体にかかる処理費用を計上する解体引当金がある。
しかし、環境債務の全体像を開示する考え方は、日本ではなじみがない。
米国では、土壌汚染問題をきっかけに、90年代から環境債務の計上が制度化。
欧州でも取り組みが進んでいる。
国際的な企業の合併・買収(M&A)の急増もあり、
先行する欧米諸国と同様の対応を迫られた形。
みずほ情報総研の光成美樹・環境・資源エネルギー部チーフコンサルタントは、
国内のアスベストや土壌汚染の処理費用は、10兆~20兆円に上る可能性。
光成さんは、「今回の基準では、合理的な見積もりができなければ、
債務を数値として計上しないこともできる。
この点を考慮し適切に計上しても、日本企業の環境債務は
少なくとも数千億円になるのでは」。
株価への影響も懸念されるが、藤井良広・上智大教授は、
「全体像を開示することが、投資家の信頼につながる」。
http://mainichi.jp/select/science/news/20080121ddm002040054000c.html
環境債務開示を義務づける今回の基準は、
債務の「見える化(可視化)」で真の企業価値を明らかにする目的。
有害物質対策を進めれば債務は減り、財務体質は強化される。
地球温暖化対策など、環境規制の動向によっては
計上すべき環境債務の変化も予想される。
環境技術の高さを掲げる日本企業にとって、対応は国際競争力に直結しそう。
将来負担すべきコストを各会計年度に計上する例としては、
電力会社が将来の原発解体にかかる処理費用を計上する解体引当金がある。
しかし、環境債務の全体像を開示する考え方は、日本ではなじみがない。
米国では、土壌汚染問題をきっかけに、90年代から環境債務の計上が制度化。
欧州でも取り組みが進んでいる。
国際的な企業の合併・買収(M&A)の急増もあり、
先行する欧米諸国と同様の対応を迫られた形。
みずほ情報総研の光成美樹・環境・資源エネルギー部チーフコンサルタントは、
国内のアスベストや土壌汚染の処理費用は、10兆~20兆円に上る可能性。
光成さんは、「今回の基準では、合理的な見積もりができなければ、
債務を数値として計上しないこともできる。
この点を考慮し適切に計上しても、日本企業の環境債務は
少なくとも数千億円になるのでは」。
株価への影響も懸念されるが、藤井良広・上智大教授は、
「全体像を開示することが、投資家の信頼につながる」。
http://mainichi.jp/select/science/news/20080121ddm002040054000c.html
2008年2月3日日曜日
科学技術の関心度、インターネットで初調査
(サイエンスポータル 2008年1月17日)
科学技術政策研究所は、初めての試みとしてインターネットを利用した
科学技術に対する意識調査を実施、その結果を公表。
「科学技術関連問題」と「その他諸問題」に対する関心に、
大きな差は見られなかった。
「関心がある」、「やや関心がある」という答えを合わせると、
「科学技術関連問題」は、「その他諸問題」とほぼ同じ約8割。
しかし、実際に「科学技術問題」での会話頻度を聞くと、
「頻繁に話す」と「ときどき話す」を合わせた答えが、
「その他諸問題」については53.9%あったのが、45.0%と明らかに低い。
男女別で見ると、科学技術関連問題に関心があるとする答えでは
男性が86.2%に対し、女性は74.1%と差が見られ、
会話頻度になると、男46.2%、女43.8%と男女差は縮まる。
「地球温暖化」、「環境汚染」、「新しい医学的発見」については、
女性の方が会話頻度は高かった。
「高齢者」や「少子化」といった社会問題に対しても、女性の方が会話は多い。
中学生のころ、理科好きだったと答えた男性は、
20~60代まで60~70%と、ほぼ横ばいで世代による違いは目立たない。
しかし、女性は30代以降こそ36%前後でほとんど変わらないものの、
20代は45.7%と高く、若い世代の女性に関しては科学技術に関する関心が
30代以降の女性とは異なる結果。
インターネットによる調査は、調査対象者が高学歴者に偏るという問題点がある。
2000年の国勢調査に比べ、18.3%だった最終学歴中学卒の割合が、
今回の調査対象者では1.8%しかない。
こうした問題点があるものの、機動的に世論を把握するなど
調査の目的や調査結果の活用によってはインターネットによる調査は有効、
と科学技術政策研究所は言っている。
http://www.scienceportal.jp/news/daily/0801/0801171.html
科学技術政策研究所は、初めての試みとしてインターネットを利用した
科学技術に対する意識調査を実施、その結果を公表。
「科学技術関連問題」と「その他諸問題」に対する関心に、
大きな差は見られなかった。
「関心がある」、「やや関心がある」という答えを合わせると、
「科学技術関連問題」は、「その他諸問題」とほぼ同じ約8割。
しかし、実際に「科学技術問題」での会話頻度を聞くと、
「頻繁に話す」と「ときどき話す」を合わせた答えが、
「その他諸問題」については53.9%あったのが、45.0%と明らかに低い。
男女別で見ると、科学技術関連問題に関心があるとする答えでは
男性が86.2%に対し、女性は74.1%と差が見られ、
会話頻度になると、男46.2%、女43.8%と男女差は縮まる。
「地球温暖化」、「環境汚染」、「新しい医学的発見」については、
女性の方が会話頻度は高かった。
「高齢者」や「少子化」といった社会問題に対しても、女性の方が会話は多い。
中学生のころ、理科好きだったと答えた男性は、
20~60代まで60~70%と、ほぼ横ばいで世代による違いは目立たない。
しかし、女性は30代以降こそ36%前後でほとんど変わらないものの、
20代は45.7%と高く、若い世代の女性に関しては科学技術に関する関心が
30代以降の女性とは異なる結果。
インターネットによる調査は、調査対象者が高学歴者に偏るという問題点がある。
2000年の国勢調査に比べ、18.3%だった最終学歴中学卒の割合が、
今回の調査対象者では1.8%しかない。
こうした問題点があるものの、機動的に世論を把握するなど
調査の目的や調査結果の活用によってはインターネットによる調査は有効、
と科学技術政策研究所は言っている。
http://www.scienceportal.jp/news/daily/0801/0801171.html
コラーゲン:皮膚傷つけず画像化に成功 シワの仕組み、解明に有効--筑波大など
(毎日 1月21日)
弱いレーザー光線を使い、人の皮膚を傷つけることなく
皮膚の内部構造を三次元画像化することに、
筑波大とカネボウ化粧品の共同研究チームが成功。
皮膚の弾力性を維持するコラーゲンの構造も観察。
加齢によるシワの変化とコラーゲン構造との関係を調べたり、
化粧品の開発に有効。
人の皮膚は、表皮、真皮、皮下組織の3層で構成。
コラーゲンは、真皮の7割以上を占める繊維状のたんぱく質で、
シワが増えるなど皮膚の老化も、コラーゲンの新陳代謝の衰えが原因の一つ。
光がコラーゲンを透過時に、二つの光線に分かれる複屈折という性質に注目。
筑波大が開発し、複屈折の強さを三次元的に計測できる
光干渉断層計(OCT)を使い、コラーゲンの構造を画像化。
70代と20代の皮膚を比べた結果、70代の真皮のコラーゲンは、
20代に比べて複屈折性が3分の2に低下。
紫外線を含む日光にさらされたことが原因。
目尻のシワが大きいほど、複屈折性が弱くなることも分かった。
日光を浴びない上腕の内側の皮膚では、加齢に伴う複屈折性の変化はない。
カネボウ化粧品の酒井進吾主席研究員は、
「データを詳細に検討し、シワができるメカニズムに迫りたい」。
http://mainichi.jp/select/science/news/20080121dde041040024000c.html
弱いレーザー光線を使い、人の皮膚を傷つけることなく
皮膚の内部構造を三次元画像化することに、
筑波大とカネボウ化粧品の共同研究チームが成功。
皮膚の弾力性を維持するコラーゲンの構造も観察。
加齢によるシワの変化とコラーゲン構造との関係を調べたり、
化粧品の開発に有効。
人の皮膚は、表皮、真皮、皮下組織の3層で構成。
コラーゲンは、真皮の7割以上を占める繊維状のたんぱく質で、
シワが増えるなど皮膚の老化も、コラーゲンの新陳代謝の衰えが原因の一つ。
光がコラーゲンを透過時に、二つの光線に分かれる複屈折という性質に注目。
筑波大が開発し、複屈折の強さを三次元的に計測できる
光干渉断層計(OCT)を使い、コラーゲンの構造を画像化。
70代と20代の皮膚を比べた結果、70代の真皮のコラーゲンは、
20代に比べて複屈折性が3分の2に低下。
紫外線を含む日光にさらされたことが原因。
目尻のシワが大きいほど、複屈折性が弱くなることも分かった。
日光を浴びない上腕の内側の皮膚では、加齢に伴う複屈折性の変化はない。
カネボウ化粧品の酒井進吾主席研究員は、
「データを詳細に検討し、シワができるメカニズムに迫りたい」。
http://mainichi.jp/select/science/news/20080121dde041040024000c.html
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