2007年11月30日金曜日

適応免疫系の細胞は初期の自然免疫応答を調節する

(nature medicine 10月号Vol.13 No.10 / P.1248 - 1252)

Toll様受容体(TLR)は、
病原体関連分子パターンと呼ばれる、保存された微生物構造を認識。
TLRからのシグナル伝達は、
T細胞プライミングを増強する共刺激分子の発現上昇や、
自然免疫系の細胞による炎症性サイトカインの分泌を引き起こす。

リンパ球を欠く宿主は、急性感染で死亡することが多いが、
これはおそらく効果的に病原体を除去する適応免疫応答を欠くため。

しかし本論文では、常在するT細胞が存在しないことで
抑制が解除された自然免疫応答も直接の死因になりうることを示す。
T細胞またはリンパ球を欠損するマウスに、ウイルスを感染させるか、
TLR3のリガンドであるポリ(I:C)を投与すると、
NK細胞と腫瘍壊死因子に依存する形でサイトカインの急激な産生、
つまり「サイトカインの嵐」状態が引き起こされた。

また、野生型マウスでのCD4+およびCD8+細胞の除去、
Rag­1欠失マウスへのTリンパ球の移入により、
早期の自然免疫応答の抑制にはT細胞が必要、
これだけで十分であることも明らかになった。

本来的に存在する調節性T細胞の影響に加えて、
休止状態CD4+CD25­Foxp3­、CD8+ T細胞の自然免疫系細胞との
濃密接触によっても、さまざまな自然免疫系細胞によるサイトカインの
急激な産生増大を抗原非依存的に抑制できた。

したがって、適応免疫系の細胞には、初期自然免疫応答の調節という
予想外の役割があると考えられる。

[原文]Adaptive immune cells temper initial innate responses

Kwang Dong Kim1,2,3, Jie Zhao1,3, Sogyong Auh2, Xuanming Yang1, Peishuang Du1, Hong Tang1 & Yang-Xin Fu1,2 1 Center for Infection and Immunity and National Laboratory of Biomacromolecules, Institute of Biophysics, Chinese Academy of Sciences, 15 Da Tun Road, Chaoyang District, Beijing 100101, China.2 Department of Pathology, University of Chicago, Chicago, Illinois 60637, USA,3

Toll-like receptors (TLRs) recognize conserved microbial structures called pathogen-associated molecular patterns. Signaling from TLRs leads to upregulation of co-stimulatory molecules for better priming of T cells and secretion of inflammatory cytokines by innate immune cells1, 2, 3, 4. Lymphocyte-deficient hosts often die of acute infection, presumably owing to their lack of an adaptive immune response to effectively clear pathogens. However, we show here that an unleashed innate immune response due to the absence of residential T cells can also be a direct cause of death. Viral infection or administration of poly(I:C), a ligand for TLR3, led to cytokine storm in T-cell- or lymphocyte-deficient mice in a fashion dependent on NK cells and tumor necrosis factor. We have further shown, through the depletion of CD4+ and CD8+ cells in wild-type mice and the transfer of T lymphocytes into Rag-1-deficient mice, respectively, that T cells are both necessary and sufficient to temper the early innate response. In addition to the effects of natural regulatory T cells, close contact of resting CD4+CD25-Foxp3- or CD8+ T cells with innate cells could also suppress the cytokine surge by various innate cells in an antigen-independent fashion. Therefore, adaptive immune cells have an unexpected role in tempering initial innate responses.

http://www.m3.com/tools/MedicalLibrary/nature/200710/nature_medicine/11.html

iPS細胞:ヒトの皮膚から万能細胞 京大などが成功

(毎日 11月21日)

ヒトの皮膚細胞から、心筋細胞や神経細胞などさまざまな細胞に
分化する能力を持つ万能細胞「人工多能性幹細胞(iPS細胞)」
作り出すことに、日米二つの研究チームが成功。
患者自身の遺伝子を持つ細胞を作り、治療に利用することに道を開く技術。

クローン胚から作る同様の能力を持つ胚性幹細胞(ES細胞)と違い、
作成に未受精卵を使うなどの倫理的問題を回避できる。
拒絶反応のない細胞移植治療などの再生医療や新薬開発など、
幅広い応用に向けた研究が加速しそうだ。
京都大などのチーム、米ウィスコンシン大などのチームが発表。

京大の山中伸弥教授と高橋和利助教らは、
体細胞を胚の状態に戻し、さまざまな細胞に分化する能力を
よみがえらせる「初期化」には四つの遺伝子が必要なことを発見し、
昨年8月にマウスの皮膚細胞からiPS細胞を作ることに成功。

これを受け、世界の研究者がヒトのiPS細胞の開発を目指し、
激しい競争を繰り広げていた。

山中教授らは、マウスでの4遺伝子と同様の働きをするヒトの4遺伝子を
成人の皮膚細胞に導入し、ヒトのiPS細胞を開発することに成功。
この細胞が、容器内で拍動する心筋や神経などの各種細胞に分化する。
iPS細胞をマウスに注入すると、さまざまな細胞や組織を含むこぶができ、
多能性を持つことが示された。
 
ウィスコンシン大のジェームズ・トムソン教授らは、
胎児や新生児の皮膚細胞から、京大チームとは異なる組み合わせの
4遺伝子を使い、iPS細胞を作ることに成功。

世界初の体細胞クローン動物、羊のドリーを誕生させた
英国のイアン・ウィルムット博士は、ヒトクローン胚研究を断念する方針。
クローン胚由来のES細胞より、iPS細胞の方が治療には有望。

一方、初期化に使う4遺伝子にはがん遺伝子も含まれ、
発がんなどの危険性がある。
今後は安全性の確保が研究の焦点に。

http://mainichi.jp/select/science/news/20071121k0000m040170000c.html

2007年11月28日水曜日

バイオ燃料:メキシコで研究、サボテンから

(毎日 11月27日)

エスピノサ・メキシコ外相は、サボテンの一種を原料とした
バイオ燃料(植物由来の代替燃料)について研究中であることを明らかに。

バイオ燃料は、温暖化対策の一環として注目を集めているが、
メキシコでは、トウモロコシを原料とするバイオ燃料を促進している
米国のあおりを受け、主食のトルティーヤの価格が上昇。

エスピノサ外相は、「消費者価格に影響を与えない
バイオ燃料の原料を探す必要がある。サボテンの一種が、
バイオ燃料の生産に適しているかどうか研究中だ」。

また、気候変動枠組み条約第13回締約国会議(COP13)について、
ポスト京都議定書の枠組み構築に向け、
「合意形成のため日本と密接に連絡を取り合う」と表明。

http://mainichi.jp/select/science/news/20071127ddm007030098000c.html

概日リズム睡眠障害の管理に関するガイドライン

(Medscape 11月5日)

米国睡眠医学会(AASM)は、概日リズム睡眠障害(CRSDs)の
臨床評価と治療に関する診療パラメーターを発表。

AASMの診療標準委員会(Standards of Practice Committee)の
Timothy I. Morgenthalerらは、
「概日リズム睡眠障害(CRSDs)に関する臨床研究の文献が増え、
AASMは特別作業部会を招集し、レビューを作成した。


診療パラメーターは、2つの付随する包括的レビューに基づいて、
CRSDsの評価と治療のための勧告を提示。

主な診断ツールは、睡眠記録、アクティグラフィー、
朝型~夜型質問紙調査(Morningness-Eveningness Questionnaire:MEQ)、
生物学的フェーズマーカー(biologic phase markers)、睡眠ポリグラフ計」。

付随レビューは、2部から構成。
第1部は、概日リズム生物学の概要と「外因性」CRSDs
(交代勤務睡眠障害、時差症候群)について、
第2部は、「内因性」CRSDs(睡眠相前進症候群、睡眠相後退症候群、
不規則睡眠覚醒リズム、非24時間睡眠覚醒症候群 [非同調型] または
自由継続型)について。

両レビューは、2006年10月までに発表された科学文献を要約したものであり、
Oxford System for Evidence-Based Medicineに準じてエビデンスを評価。

AASMの診療標準委員会は、スタンダード(確実性が最も高いレベル)、
ガイドライン(中間レベル)、オプション(最も低いレベル)の治療勧告のレベルを決定。
改正診療パラメーターでは、アクティグラフィー、光線療法の使用が取り上げられた。
各勧告は次の通り。

* CRSD疑いの患者の評価には、睡眠記録、日記を使用(ガイドライン)。
* CRSDs疑いの患者の評価の一助として、アクティグラフィーが使用。
どのCRSDかにより、勧告の強度は「オプション」から「ガイドライン」まで。
* CRSDsの診断には、睡眠ポリグラフ計は使用されない。
しかし、別の原発性睡眠障害の可能性を除外するためには、
睡眠ポリグラフ計が必要な場合も(スタンダード)。
* CRSDsの通常の臨床評価について、MEQの使用が妥当と言えるほどの
十分なエビデンスは得られていない(オプション)。
* 目の見える患者、見えない患者に、概日周期を判定し、
自由継続型睡眠障害の診断を確定するには、生物学的周期マーカーは有用。
交代勤務睡眠障害、時差症候群、睡眠相前進障害、睡眠相後退障害、
不規則睡眠覚醒リズムの診断に、十分なエビデンスはない(オプション)。
* CRSDs治療に、アクティグラフィーは有用な評価尺度(ガイドライン)。
利用できる治療法には、計画的睡眠スケジュール(planned sleep schedules)、
定時の光照射、定時のメラトニン投与、睡眠剤、精神刺激剤、覚醒薬。
* 睡眠スケジュールは、時差症候群、交代勤務睡眠障害、睡眠相後退症候群、
睡眠相前進症候群、不規則睡眠覚醒リズム、自由継続型睡眠障害に使用(オプション)。
* 定時の光照射は、概日障害に使用、奏効度は各診断によって様々(オプション)。
* メラトニン投与は、目の見える患者における交代勤務睡眠障害、
睡眠相前進障害、自由継続型睡眠障害(オプション)、
目の見えない患者の時差症候群、睡眠相後退障害、自由継続型障害(オプション)、
精神運動発達遅滞児における不規則睡眠覚醒リズム(オプション)に使用。
* 夜間勤務者における日中の睡眠を促進または改善に、睡眠剤を用いる(ガイドライン)。
* 時差による不眠の治療には、睡眠薬を用いることも可能(オプション)。
* 精神刺激薬は、時差症候群、交代勤務睡眠障害における覚醒を
改善するために用いる(オプション)が、リスクがあり、慎重な検討が必要。
* 交代勤務睡眠障害患者には、夜間勤務中の覚醒を改善するために
モダフィニル(modafinil)を用いる(ガイドライン)。

「睡眠障害は、内因性と外因性に分類されるが、
各障害の生理学的基盤はそれほど外科的に分かれていない。
内因性因子と外因性因子との組み合わせが各障害を発現させている」。

Sleep. 2007;00:000-000.

2007年11月27日火曜日

熊本大:活性酸素減らす物質の体内メカニズム明らかに

(毎日 11月27日)

がんや動脈硬化、老化などの原因と言われる
活性酸素を減らす物質が体内で作られるメカニズムを、
熊本大学大学院医学薬学研究部の赤池孝章教授らのグループが明らかに。
研究が進めば、がんの予防・治療などへの応用につながりそう。
英科学誌「ネイチャー・ケミカルバイオロジー」11月号に紹介。

赤池教授らは、体内で作られ、血管拡張などの働きを持つ
「環状グアノシン1リン酸(cGMP)」という物質が、一酸化窒素と結び付くと、
ニトロ化環状グアノシン1リン酸(8ーニトロcGMP)
という新しい物質になることを発見。
この物質も血管拡張の働きを持つが、
その効果はcGMPの約100倍に達した。
さらに、8ーニトロcGMPが細胞内のある種のたんぱく質と結びつくと、
活性酸素を減らす酵素をたくさん作り出す。
活性酸素は、たばこやアルコール、油の取り過ぎなどで
多く発生するといわれ、動脈硬化やがんなどの原因の一つ。

98年には、cGMPの働きを明らかにした米国の研究者ら3人が
ノーベル医学・生理学賞を受賞しているが、
8ーニトロcGMPの存在や、その働きまではわかっていなかった。

東北大学大学院医学系研究科の下川宏明教授(循環器病態学)は、
赤池教授らの研究について、
「ガンや動脈硬化などの、新しい治療法の開発に結びつく可能性があり、
非常に素晴らしい研究だ」。

http://mainichi.jp/select/science/news/20071127k0000m040162000c.html

2007年11月25日日曜日

免疫:「危険」信号

(Nature Reviews Cancer 7(10), Oct 2007)

Toll様受容体(TLR)は、外因性および内因性の「危険」信号を認識するが、
瀕死の腫瘍細胞に対する効率的な免疫応答はどのように起こるのか?

G KroemerとL Zitvogelらは、これまで知られていなかった経路、
化学療法後に死滅しつつある腫瘍細胞がTLRによって認識され、
免疫応答の引き金となる経路について記載。

野生型TLRをもつか、TLR欠損したマウスの足蹠に、
ドキソルビシンまたはオキサリプラチンで治療した瀕死の
胸腺腫、肉腫、結腸癌細胞のいずれかを接種したところ、
腫瘍抗原による再刺激後のT細胞プライミング
(インターフェロンγ産生量を測定)に異常があったのは、Tlr4–/–マウスのみ。

野生型マウスの樹状細胞(DC)が枯渇すると、
瀕死の腫瘍細胞によるT細胞のプライミングは終息。
野生型、Tlr4–/–のいずれかのDCを、瀕死の腫瘍細胞に暴露し、
Tlr4–/–マウスに移入した結果、T細胞を活性化できなかったのは
TLR4のないDCのみであり、免疫応答にはTLR4+ DCが必要。

次に、共沈降法を用いて、瀕死の腫瘍細胞によって放出された
内因性のタンパク質high-mobility group box 1 protein(HMGB1)
危険信号となり、DC上のTLR4に結合して刺激することで
免疫応答を動員することを明らかにした。

この信号が必要な理由は、HMGB1に対する短い二本鎖RNA(siRNA)
または中和抗体と腫瘍細胞とのプレインキュベーションが、
瀕死の腫瘍細胞によるDCの刺激能力を阻害したため。

瀕死の腫瘍細胞に暴露されたMyd88–/– DCは、
Tlr4–/– DCと同じ挙動をみせたことから、
HMGB1を認識したTLR4は、TLRアダプターである
myeloid differentiation primary response protein(MYD88)
通じてシグナルを変換する。

HMGB1-TLR4-MYD88経路は、抗癌剤の効果にどう関与するのか?
Tlr4–/–マウス、またはHMGB1のない瀕死の腫瘍細胞は、
初回注入から1週間後に接種した同じ腫瘍細胞に対して、
効率的な抗腫瘍反応を誘発できなかった。

腫瘍が定着したマウスに、TLR4またはMYD88がなければ、
化学療法も局所放射線療法も、野生型マウスにみられたほどの
腫瘍増殖の抑制や生存期間の延長をもたらさなかった。

以上の所見は、患者とどうかかわってくるのだろうか?
白人の8~10%にはTLR4(Asp299Gly)に多型があり、
これが乳癌に対する化学療法の効果を弱める可能性がある。
この多型がTLR4とHMGB1との相互作用を抑え、
DCが瀕死の腫瘍細胞からの抗原を細胞傷害性T細胞に提示するのを妨ぐ。

また、リンパ節浸潤のため、術後にアントラサイクリン類による治療を受けた
非転移性乳癌患者280例を対象に、転移までの時間を分析。
術後5年までの転移率は、野生型TLR4をもつ患者が26.5%に対し、
変異型TLR4をもつ患者は40%であり、
変異型TLR4をもつ患者の無転移生存率も有意に低かった。

瀕死の腫瘍細胞は、治療の成功に必要な免疫応答を誘発し、
現在の化学療法における免疫原性の改善に利用できる可能性がある。

http://www.natureasia.com/japan/cancer/highlights/article.php?i=60561

脳障害のメカニズム解明 てんかんでシナプス減少

(共同通信社 2007年11月8日)

慢性脳疾患のてんかんの中で、薬を服用しても発作が治まらない
「難治性てんかん」の患者が、記憶や学習に障害をきたす場合の
脳のメカニズムを、東京都神経科学総合研究所や大阪大などの
チームがラットなどで解明。

重度の患者に脳機能障害が起こるのを予防する
薬剤の開発につながる可能性があるという。

てんかんの強いけいれん発作が繰り返し起きると、
脳で情報がやりとりされる、神経細胞の接合部「シナプス」の数が減り、
記憶障害などを引き起こす場合がある。

発作が起きたときに、神経細胞内でタンパク質「アルカドリン」
大量に作られていることを発見。
アルカドリンが、シナプス間を接着している神経細胞の
表面のタンパク質を減らす働きをすることを突き止めた。

難治性てんかんでは、アルカドリンが過剰になった結果、
シナプス間の接着が切れてシナプスが消失、数が減るらしい。

山形要人・同研究所副参事研究員(神経薬理学)は
「アルカドリンの働きにかかわる酵素を抑える物質が
薬の候補になり得る」。

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=60626

2007年11月20日火曜日

トランプでタワー作り 記録更新し続け15年

(CNN 2007.11.18)

トランプを積み重ねて高層ビルやスタジアム、教会などの模型を
作り続けるプロ、ブライアン・バーグさん(33)が、
自らの人生や仕事について語った。
バーグさんは1992年以来、
「トランプによる最大の建造物」のギネス記録を更新し続けている。

バーグさんは、ニューメキシコ州サンタフェを拠点に、
公開制作のショーのため全米を駆け回っている。
「私の知る限り、トランプでビルを作るという看板を掲げて
金を稼いでいる人はほかにいない。
作業は好きだからまったく苦にならないし、飽きることもない」
趣味が仕事になった幸運なケースといえそう。

バーグさんの最新記録は、数カ月かけて制作した
高さ約7・9メートルの高層ビル。
作品には接着剤もセロテープも使わないが、簡単に崩れることはない。
その秘訣は、ち密な計画性にある。

気まぐれにカードを置いていくのではなく、
あらかじめ建物の構造を描いておいて、ハチの巣のように
幾何学的な形を積み重ねていく。
さらにトランプ自体の重さも、作品を安定させるのに役立つ。


バーグさんによれば、トランプは15セットで約1キロ。
それを1日に5‐12キロも使う。
「これだけの重さのカードを幾何学的な形に積み上げると、
信じられないほど強い建造物になる」。

バーグさんは、アイオワ州出身。
8歳の時、祖父がトランプ遊びの合間にカードで家を作るのを見て、夢中に。
1992年に高校を卒業した時には、
すでに最初のギネス記録を達成。

当時のギネスのカテゴリーは、「最も高いトランプの家」だったが、
バーグさんがディズニーのシンデレラ城の模型を作ったのを機に、
「最大の建造物」のカテゴリーが新設。
2004年に同カテゴリー初の記録保持者となり、
2007年には天井すれすれの高さの高層ビルを完成させ、記録を更新。

バーグさんのもとには、愛好家から自作のトランプ建造物の写真や、
こつの伝授を請う問い合わせが寄せられる。
これにこたえて、「名人の秘密」と題した本を出し、
独自の制作方法を公開しているバーグさん。
「私も手先はとても不器用なんだ」との言葉が、
愛好家に勇気を与えているようだ。

http://cnn.co.jp/usa/CNN200711180002.html

太り過ぎでがん危険高まる 英研究機関が発表

(毎日新聞 2007.11.1)

世界がん研究基金(ロンドン)は、
太り過ぎが少なくとも6種類のがんを引き起こす危険性がある
とする調査結果を発表。
がんの危険性を下げるためには、
体格指数「BMI」は25未満が望ましいとの考えを示した。

報告書は、1960年代以降の7000件以上の研究結果を分析。
太り過ぎと、食道がんや膵臓がん、腎臓がんなどの間には明確な関連がある。
わずかな体重超過でも、がんの危険性が高まると警告。

ベーコンなどの加工肉は、腸がんの危険性が高まるため避けるべきだとし、
食べる量は牛肉などの赤肉を週500グラム以内にすべきだと勧告。
ファストフードや甘い飲料、過度のアルコールも勧めない。

英大学の専門家は、「適量の赤肉やベーコンなどは人体に害はない」、
極端な食事制限などはすべきではないとコメント。

http://sankei.jp.msn.com/world/europe/071101/erp0711011409007-n1.htm

2007年11月19日月曜日

ピロリ菌が胃の細胞を延命 持続感染の仕組みを解明

(共同通信社 2007年10月11日)

胃がんや胃かいようを引き起こすとされるピロリ菌が、
感染を維持するために、胃の粘膜細胞の寿命を延ばしていることを
笹川千尋・東京大教授(細菌学)らが突き止め、発表。

ピロリ菌の感染が、長期間持続する仕組みの一端を解明した成果。
抗生物質が効かなくなった耐性ピロリ菌でも、
除去できる新しい治療法の開発につながるという。

笹川教授は、「感染の足掛かりとなる胃の細胞が脱落するのを
ピロリ菌が食い止めている。これは驚くべき作用だ」。

ピロリ菌は、胃粘膜の細胞に感染するが、
人間はそれに対抗するため細胞を次々に増殖させ、
役割を終えた細胞を"自殺"させて、
2-3日で表面の細胞を入れ替える防御機構を備えている。

ピロリ菌に感染すると、人間と同様の症状を起こすスナネズミで実験。
細胞死を促す薬剤を経口投与したところ、ピロリ菌に感染したネズミでは、
細胞死が感染していないネズミの約半分。

ピロリ菌が分泌する病原性タンパク質CagAに着目。
CagAを分泌しないピロリ菌を人工的に作り、感染させると、
全く感染していないネズミと同程度の細胞死が起こることも確認。
胃の細胞内に分泌されたCagAが、細胞死を抑える物質の働きを高め、
細胞が延命されたとみている。

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=57379

原因タンパクを一度に検査 食物アレルギーで徳島大

(共同通信社 2007年10月12日)

わずかな量の血液や唾液で、複数の食物に対するアレルギー反応の
起きやすさを一度に調べることができる検査用チップを、
徳島大の木戸博教授(応用分子酵素学)らが開発。

食物ごとに反応を一つ一つ調べていく従来の検査法に比べ、
はるかに簡便で、患者負担が少なくて済むのが特徴。
医薬品メーカーと共同で、来年度の実用化を目指す。

遺伝子検査に広く使われるDNAチップを応用。
卵やソバなどアレルギー反応の原因となるタンパク質の小断片を、
3ミリ四方のチップに64個並べた。
患者の血液や唾液を垂らすと蛍光発色し、
体に合わない食物が一目で分かる仕組み。

血液の場合、従来の検査法よりはるかに少ない1000分の1ミリリットル程度で十分。
量産化により費用も安くなると期待される。
「個人ごとに微妙に異なる原因タンパクを追加することで、
きめ細かく精度が高い検査が可能になる」。

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=57521

2007年11月16日金曜日

新訳百人一首 いにしえの感性 英文に ピーター・マクミラン杏林大教授

(毎日 2007.11.13)

これまでもたびたび英訳されてきた「小倉百人一首」の新訳が、
米国コロンビア大学出版局から刊行。
訳者は、アイルランド人のピーター・マクミランさん(48)。
杏林大学外国語学部の教授。

「10年ほど前にコロンビア大学で、ドナルド・キーン先生に
日本の古典文学を学びました。このときに『小倉百人一首』と出合い、
日本人の感性が凝縮されたこの詩集に強く引かれました」

詩人でもあるマクミランさんは、これまでの英訳について
「詩的とは言いがたい。むしろ散文といった方がいいかもしれません」。
翻訳にあたっては、英語の詩として成立するように心を砕いた。

百首の中でもっとも手ごわかったのは、小野小町の
≪花の色はうつりにけりないたずらにわが身世にふるながめせしまに≫。

「このすばらしい歌を翻訳するのは、ほとんど不可能。
≪花≫には、≪さくら≫≪美≫≪詩的・芸術的才能≫が、
≪色≫には、≪色≫≪色気≫≪肉欲≫が、
≪うつる≫には、≪色があせる≫≪変わる≫≪散る≫といった意味が込められ、
それらが複合的に絡み合って歌の世界を構築している」。

柿本人麻呂の
≪あしびきの山鳥の尾のしだり尾のながながし夜をひとりかも寝む≫を、
≪ながながし≫に着目して単語を配列するなど、
訳にとどまらず隅々にまで工夫を凝らした。

この英訳を高く評価するキーンさんは、
「ピーター・マクミランによる小倉百人一首の英訳は、
『美しい』の一言で片付けられてしまうことが多かったこの歌集に、
本来の意義と美を回復してくれた。
これまでの小倉百人一首の英訳の中でも、断然最高の逸品」

英訳本はコロンビア大学で、日本の古典を学ぶ学生のテキストとして
利用されることになるが、マクミランさんは別の期待も。

「残念なことに、日本はいま古典とはほとんど縁のない社会に。
私の英訳を通じて、日本人が日本の古典と出合うのも面白いのではないか」。

http://sankei.jp.msn.com/culture/academic/071113/acd0711130809001-n1.htm

肥満により引き起こされるインスリン抵抗性における長鎖脂肪酸伸長酵素Elovl6の重大な役割

(nature medicine 10月号)

インスリン抵抗性は、しばしば肥満に合併し、2型糖尿病の発症要因に。
これまで知られているインスリン抵抗性を改善する治療法のほとんどでは、
肥満や脂肪肝の改善が先行する。
今回、この法則が必ずしも必須ではないことを示す。

すなわち、インスリン抵抗性と高血糖は、
肥満と脂肪肝が持続的に存在していても、
肝臓の脂肪酸組成を変化させることにより改善される。

パルミチン酸からステアリン酸への変換を触媒する
伸長酵素をコードする遺伝子Elovl6を欠損するマウスを作製。
この欠損マウスを高脂肪食で飼育したり、レプチンを欠損する
肥満モデルob/obマウスと交配させると、肥満になり脂肪肝を呈した。

ところが、Elovl6欠損マウスは、高インスリン血症、高血糖、
高レプチン血症を発症しなかった。
このインスリン抵抗性の改善は、肝臓でのインスリンシグナル分子
IRS­2(insulin receptor substrate­2)の回復と
肝臓プロテインキナーゼCε活性の抑制を伴っており、
結果としてAktリン酸化の回復が見られた。

得られた結果を総合すると、肝臓の脂肪酸組成は、
細胞のエネルギーバランスやストレスとは関係なく作用する、
新たなインスリン感受性決定因子であると考えられる。
この伸長酵素の阻害は、肥満が持続した状態においても、
インスリン抵抗性、糖尿病、心血管病リスクを改善する
新たな治療法となる可能性がある。

[原文]
Crucial role of a long-chain fatty acid elongase, Elovl6, in obesity-induced insulin resistance

Takashi Matsuzaka1,2, Hitoshi Shimano1,2, Naoya Yahagi2,3, Toyonori Kato1, Ayaka Atsumi1, Takashi Yamamoto1, Noriyuki Inoue1, Mayumi Ishikawa1, Sumiyo Okada1, Naomi Ishigaki1, Hitoshi Iwasaki1, Yuko Iwasaki1, Tadayoshi Karasawa1, Shin Kumadaki1, Toshiyuki Matsui1, Motohiro Sekiya3, Ken Ohashi3, Alyssa H Hasty4, Yoshimi Nakagawa1,2, Akimitsu Takahashi1, Hiroaki Suzuki1, Sigeru Yatoh1, Hirohito Sone1, Hideo Toyoshima1, Jun-ichi Osuga3 & Nobuhiro Yamada1

Insulin resistance is often associated with obesity and can precipitate type 2 diabetes. To date, most known approaches that improve insulin resistance must be preceded by the amelioration of obesity and hepatosteatosis. Here, we show that this provision is not mandatory; insulin resistance and hyperglycemia are improved by the modification of hepatic fatty acid composition, even in the presence of persistent obesity and hepatosteatosis. Mice deficient for Elovl6, the gene encoding the elongase that catalyzes the conversion of palmitate to stearate, were generated and shown to become obese and develop hepatosteatosis when fed a high-fat diet or mated to leptin-deficient ob/ob mice. However, they showed marked protection from hyperinsulinemia, hyperglycemia and hyperleptinemia. Amelioration of insulin resistance was associated with restoration of hepatic insulin receptor substrate-2 and suppression of hepatic protein kinase Cε activity resulting in restoration of Akt phosphorylation. Collectively, these data show that hepatic fatty acid composition is a new determinant for insulin sensitivity that acts independently of cellular energy balance and stress. Inhibition of this elongase could be a new therapeutic approach for ameliorating insulin resistance, diabetes and cardiovascular risks, even in the presence of a continuing state of obesity.

http://www.m3.com/tools/MedicalLibrary/nature/200710/nature_medicine/04.html

2007年11月15日木曜日

ウォーキングによって骨量減少を予防できるか

(Medscape 10月29日)

早足でのウォーキングによって、前立腺癌治療に伴う重度の骨量減少が回復し、
骨折および骨粗しょう症のリスクを低く抑える可能性がある。

ジョンズホプキンス病院(ボルチモア)看護学部の
臨床指導者兼上級研究助手Paula Chiplisは、
前立腺癌のため、アンドロゲン枯渇療法(ADT)や放射線療法を受ける

男性を対象とした小規模試験において、
8週間、週5日、30分間の 速いペースでの散歩によって
骨の強度が増加し、運動を行わなかった男性では骨量が減少した。

ジョンズホプキンス病院のJennifer Wenzelは、
「健常な男性において、骨密度減少が現れ始める年齢に、
運動によって前立腺癌患者の骨量が増加した。このことは実に興味深い」。

癌が前立腺に限局している男性では、
ADTと同時に放射線療法が行われることがある。
放射線療法は、癌細胞を死滅させるために用いられる。
ADTは、癌細胞に栄養を与えるアンドロゲンと呼ばれる
ホルモンの産生を抑制し、癌の増殖を遅らせ、生存の可能性を高める。

しかし、アンドロゲンは骨強度を高めるのにも役立つため、
アンドロゲンを抑制することで、「男性更年期」状態を引き起こし、
骨が弱くなり、骨折および骨粗しょう症のリスクが高くなる。
また、放射線療法も骨を弱くすると考えられている。

試験では、早足でのウォーキングによって
ほんの8~10週間で骨量が0.49%増加。
運動を行わなかった男性では、2ヵ月間の試験期間中に骨量が2.21%減少。
健常男性では中年期以降、年間に0.5~1%骨量が減少。
さらに、ADTを受ける男性では、骨密度が年間に4~13%減少する。
「これらの基準を考慮すると、運動の効果は絶大である」。

被験者の半数は、ADT療法中に週5日、20~30分間の
早い速度でのウォーキングを行った。
2週間ごとに、気分について電話で尋ねた。
運動群の被験者は、気分に応じて、運動を控えたり、強化したりするように指示。

ハーバード大学医学部の癌専門家Phillip M. Devlinは、
担当した看護師が被験男性にやる気を起こさせ、
活動的に過ごすように仕向けるのに役立ったと思われる。
Devlin博士は、前立腺癌の男性に体を動かすよう指導。

効果を得るためには、どのくらいの速度で歩く必要があるか?
Chiplisは、「できる限り速く、まだ会話が続けられる程度の速さ」。

American Society for Therapeutic Radiology and Oncology (ASTRO) 49th annual meeting, Los Angeles, Oct. 28-Nov. 1, 2007. Paula Chiplis, PhD, RN, clinical instructor and senior research assistant, department of nursing, Johns Hopkins Hospital, Baltimore. Jennifer Wenzel, PhD, RN, assistant professor, Johns Hopkins University School of Nursing. Phillip M. Devlin, MD, assistant professor, department of radiation oncology, Harvard Medical School; ASTRO spokesman.

マウスで成功 もう痛くない、飲むワクチン開発へ

(毎日新聞社 2007年11月6日)

腸などの粘膜から吸収される新型の飲むワクチンを、
東京大医科学研究所などが開発。

粘膜にある免疫システムを作動させる細胞に着目。
これを見分けるたんぱく質をワクチンの運び役にして、
効率的に免疫を働かせることにマウス実験で成功。

インフルエンザやエイズなどに対する
「痛くない」ワクチンの開発につながると期待。

腸や肺の粘膜には、侵入した異物を排除し身体を守る
独自の免疫システムがある。
粘膜表面のM細胞が異物を認識し、取り込むと免疫が作動する。

しかし、M細胞はまばらにしかなく、飲むワクチンは弱毒化したウイルス
そのものを使うポリオなどの生ワクチンに限定。

清野宏・東大医科研教授らは、マウスの粘膜から取り出した
M細胞を含む細胞群をラットに注射し、
約1000種類の中から、M細胞を見分けるたんぱく質を発見

不活性化した破傷風菌やボツリヌス菌の毒素と、
このたんぱく質を結合させてマウスに飲ませ、
免疫を働かせることに成功。

「粘膜で効くワクチンは感染初期段階で有効で、予防につながる。
ヒトへの応用を進め、将来的には飲むだけで
感染症を予防できる錠剤を開発したい」。

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=60316

2007年11月14日水曜日

肥満は世界的問題

(Medscape 10月22日)

肥満は現実に世界中に広がっており、
健康と疾患に関する世界的規模の問題になっている。

世界全体の肥満率を検討する過去最大規模研究より、
男性では60%以上、女性では50%以上が過体重または肥満であることが判明。
肥満は、世界のあらゆる地域で深刻化している問題であり、
伝統的には細身のアジア人集団でさえ例外ではない。

フランス国立医学研究機構(French health service INDERM)の
Beverley Balkauは、「過体重は世界中に広がっており、
全被験集団の1/2-2/3が過体重または肥満である」。

●世界中に広がる肥満

5大陸にわたる63カ国の男性69,409名、女性98,750名を対象に、
体重、身長、心血管疾患(心疾患、脳卒中)、糖尿病、胴囲について評価。
米国は、この研究には含まれず。

胴囲は、心疾患、糖尿病などの肥満関連疾患の重要なマーカーである。
男性では40インチ(約102cm)以上、女性では35インチ(約89cm)以上が
これらの疾患のリスク因子。

被験者は、体重、身長、胴囲、既往歴に関する詳細なデータを収集。
これにより、肥満の世界的罹患率が垣間見えた。
体重と身長の測定値から、肥満指数(BMI)を計算。
BMIとは、その人の身長に対する体重の割合であり、
肥満および過体重を判定するのに用いられる。

男性の40%、女性の30%が、過体重の基準(BMI:25-29.9)を満たした。
男性および女性の1/4が、BMIの肥満(BMIが30以上)を満たした。
肥満率は、南アジア・東アジア諸国に居住する男女の7%から、
カナダに居住する男女の36%まで、地域によって異なっていた。

男性では3人に1人弱、女性ではほぼ半数が
それぞれ胴囲40インチ以上および35インチ以上であり、
心疾患および糖尿病の高リスク群に分類。
男性の16%、女性の13%は心疾患、
また男性の13%、女性の11%は糖尿病と診断。

胴囲が最高群の人は、胴囲が最低群の人より、心疾患を有する確率が2倍以上。
4段階に分けた胴囲の最高群における糖尿病のリスクは、
男性では最低群の3倍、女性では最低群のほぼ6倍。

●肥満傾向を逆転させる必要

南アジア、東アジアに居住している人たちは、
肥満および胴囲について他地域の集団より良い結果であったが、
肥満率も上昇しつつある。

メイヨー・クリニック・ジャクソンビル分院(Jacksonville branch of the Mayo Clinic)の
Gerald Fletcherは、「肥満が世界的な問題であることはわかっていたが、
この研究はそのことを実際に示した過去最大規模の研究である」。

この傾向が逆転しなければ、肥満関連疾患による死亡が大幅に増えるだろう。
Fletcher博士は、この問題に対処するには大きな公衆衛生上対策が必要。
「そうした対策が、喫煙の減少に奏効した。
肥満率を低下させるためには、同じような熱心な取り組みが必要」。

Balkau, B., Circulation, Oct. 23, 2007; online edition. Beverley Balkau, PhD, director of research, INSERM, Villejuif, France. Gerald F. Fletcher, MD, professor of medicine, division of cardiovascular disease, Mayo Clinic Jacksonville; spokesman, American Heart Association.

http://www.webmd.com/diet/news/20071022/global-problem-obesity

地球にやさしいエネルギーシステム、太陽光発電の進展を目指す研究センターが誕生

(nature Asia-Pacific)

岐阜大学未来型太陽光発電システム研究センター

太陽電池を使う太陽光発電は、
温室効果ガスを出さないクリーンなエネルギーシステムで、
エネルギー源は無尽蔵、設備が小さく、設置場所に合わせて大きさを変えられる、
監視やメンテナンスもほぼ不要、リサイクルもしやすい、
という大きなメリットを持つ。

日本の太陽光発電システム設置量は、世界のトップレベルであるが、
変換効率が低くて発電量が小さく、コストが高く、昼間にしか発電できない、
発電量が気象条件に左右されるというデメリットがあり、
電気事業法等の制度上の理由もあって、大量普及には至っていない。

岐阜大学未来型太陽光発電システム研究センターは、
太陽光発電システムにターゲットを絞った研究組織で、2006年12月に誕生。
太陽光発電システムに関する研究を行う同大学の3つのプロジェクトが
NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の助成研究費を受けたことを契機に、
高効率・大面積・長寿命・高信頼性・低コストのシステム開発を目指し、
共同研究やネットワーキング、人材養成を進めるのを目的として開設。

工学部の25名の研究者が所属し、
①薄膜シリコン系太陽電池研究開発部門、
②発電量評価技術研究開発部門、
③色素増感太陽電池研究開発部門
に分かれて、研究を行っている。

薄膜シリコン系太陽電池研究開発部門は、
野々村修一センター長を中心に、
シリコン系太陽電池をさらに高効率化するための研究を行い、
アモルファス(非晶質)シリコン薄膜の研究を日本で初めて行った
という岐阜大学の伝統を受け継いでいる。

微結晶シリコンカーバイドやゲルマニウム系薄膜など新規材料の開発や、
透明電極に使う原子状水素による透明性の損失を防ぐため、
酸化チタンを保護膜として貼り付ける研究、
走査型プローブ顕微鏡を用いた薄膜上の微小領域での特性評価技術の開発。
太陽電池は、昼間にしか発電できないため、
小型で効率のいい蓄電システムの開発も課題だ。

伊藤貴司准教授は、微小なグラファイトが自立的に壁状に発達する
カーボンナノウォールを蓄電用大容量キャパシタに応用する研究。

発電量評価技術研究開発部門では、
太陽電池の発電量を左右する気象条件についての研究。
小林智尚教授は、大気環境の細密時空間分布の気象モデルと
その解析・予測システムの開発。

太陽電池の効率は日照時間だけでなく、
大気中の水蒸気やエアロゲルなどさまざまな条件によって
その場所・時間で強くなる太陽光のスペクトル成分にも左右される。
このシステムは、発電効率の高い地域を選定したり、
地域の気象条件に合った太陽電池を選んだりするのに役立つ。

色素増感太陽電池は、
有機材料を使うため、材料が手に入りやすく、
毒性がない、軽量でデザイン性が高くなる。
未来の太陽電池として期待。

吉田司准教授が、酸化亜鉛薄膜の電界メッキを使う独自の方法を開発。
光や電子を通しやすい構造の酸化亜鉛薄膜をプラスチックに貼り、
カラフルな有機材料の増感色素を用いた太陽電池を作成。

野々村センター長は、「センターとして目的を明確にしたことで、
研究者や企業が集まりやすくなり、情報交換や産学連携が活発に」。
他大学出身の学生が大学院に入学するなど、
将来の研究を担う人材養成も徐々に軌道に乗っていきそう。

同センターのホームページ www1.gifu-u.ac.jp/~solar/program.mht

http://www.natureasia.com/japan/tokushu/detail.php?id=57

2007年11月13日火曜日

【ニュースな言葉 週刊こども塾】かぐや 日本による月探査

(毎日 2007.11.13)

9月14日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の月周回衛星「かぐや」が、
種子島宇宙センターから、H2Aロケット13号機で打ち上げられ、
10月5日には月の軌道に入りました。

アメリカのアポロ計画以来となる本格的な月探査機で、
今年12月から約1年間の観測を始めます。

Q アポロ計画って何?

A アメリカは、冷戦状態だったソビエト連邦に、宇宙開発で後れをとっていた。
国の威信を保つため、1960年代~1970年代初め、
月面探査を目的にアポロ計画に取り組み、
1969年7月には人類初の月面着陸も果たした。
アポロ計画で持ち帰った月の赤道付近の石の分析で、
月と地球はほぼ同時期の約45億年前に誕生したことなどが分かった。

Q かぐやで何を調べるの?

A 1990年代にアメリカの周回衛星による観測で、
場所によって月の構成物質が異なることが分かった。
月の誕生やこれまでのあゆみなどをはっきりさせるには、
月をすべての場所で詳しく探査する必要。
かぐやは、月の地形を立体撮影し、詳細な月面地図を作製。
電波反射で月の地下の地質も調査し、鉱物や元素、磁場、重力の分布など調査。

Q 人間は月に住める?

A 月面上は、重力が地球上の6分の1。空気や水がない。
昼間は、太陽の熱が空気で弱められることもなく、
これが15日近く続くので、温度はセ氏110度近くに。
逆に、夜は熱が逃げやすく、マイナス160度に。
クレーターとよばれるたくさんの隕石の衝突跡がある。
こうした月面の環境条件から、人類が月に住むことは難しい。

http://sankei.jp.msn.com/life/education/071113/edc0711130809005-n1.htm

ヒトTH17リンパ球は血液脳関門の破壊および中枢神経系の炎症を促進する

(nature medicine 10月号)

TH17リンパ球は、多くの炎症性疾患の発症に不可欠である。
本論文では、多発性硬化症病変では血液脳関門内皮細胞(BBB-EC)上で
IL-17およびIL-22の受容体が発現していること、
またIL-17およびIL-22がin vitroおよびin vivoで
BBBの密着結合を破壊することを示す。

また、TH17リンパ球は、BBB­ECを効率よく通過し、
グランザイムBを高度に発現していて、ヒトニューロンを死滅させ、
CD4+リンパ球の動員により中枢神経系の炎症を促す。

【原文】
Human TH17 lymphocytes promote blood-brain barrier disruption and central nervous system inflammation

Hania Kebir1, Katharina Kreymborg2, Igal Ifergan1, Aurore Dodelet-Devillers1, Romain Cayrol1, Monique Bernard1, Fabrizio Giuliani3, Nathalie Arbour1, Burkhard Becher2 & Alexandre Prat1 1 Neuroimmunology Unit, Center for the Study of Brain Diseases, Centre Hospitalier de l'Universite de Montreal?Notre-Dame Hospital, 1560 Sherbrooke Street East, Montreal, Quebec H2L 4M1, Canada.2 Neurology Department, Division of Neuroimmunology, University of Zurich, Winterthurerstrasse 190, 8057 Zurich, Switzerland.3 Department of Medicine, Division of Neurology, University of Alberta, Edmonton, Alberta T6G 2G3, Canada.

TH17 lymphocytes appear to be essential in the pathogenesis of numerous inflammatory diseases. We demonstrate here the expression of IL-17 and IL-22 receptors on blood-brain barrier endothelial cells (BBB-ECs) in multiple sclerosis lesions, and show that IL-17 and IL-22 disrupt BBB tight junctions in vitro and in vitro. Furthermore, TH17 lymphocytes transmigrate efficiently across BBB-ECs, highly express granzyme B, kill human neurons and promote central nervous system inflammation through CD4+ lymphocyte recruitment.

http://www.m3.com/tools/MedicalLibrary/nature/200710/nature_medicine/01.html?Mg=410017ff82937c56e70fff7f4588a699&Eml=12b55b931cb52b4152963c77864c5aec&F=h&portalId=mailmag

2007年11月12日月曜日

マージャン、オセロも 茨城でねんりんピック開幕

(毎日 2007.11.10)

60歳以上の高齢者が、スポーツや文化イベントを通じて交流する
「第20回全国健康福祉祭いばらき大会」(ねんりんピック茨城2007)
の開会式が10日、常陸宮ご夫妻を迎え、
茨城県ひたちなか市の笠松運動公園陸上競技場で開かれた。

約1万人が参加。
ゲートボールやゴルフ、俳句、今回から加えられた「健康マージャン」、オセロなど
計25種目を、茨城県内の21市町の会場で競う。

健康マージャンには50チーム、計200人が参加。
「賭けない、飲まない、吸わない」を合言葉に、金のやりとり、酒、たばこを禁止し、
相手の出方を読む純粋な頭脳ゲームとして老化防止に役立てようと
高齢者の間に広がりを見せている。

高齢者にマージャンをしてもらい、脳の活動を調べた
諏訪東京理科大の篠原菊紀教授(脳科学)は、
「リーチされたときなど、加齢によって衰えやすい
脳の前頭前野の活動が活発になる」と認知症予防などの効果を指摘。

終戦直後、旧制水戸中学(現水戸一高)の生徒だった長谷川五郎さん(75)が
原型を考案、世界中に広まったオセロ競技は、
発祥地の水戸市で開催。


http://sankei.jp.msn.com/life/welfare/071110/wlf0711101115000-n1.htm

掃除屋細胞、マクロファージにセンサー 細胞の要不要、見分け方解明

(毎日新聞社 2007年10月25日)

体内の“掃除屋”細胞と言われる「マクロファージ」が
不要になった細胞を取り除く際、アレルギーなど免疫にかかわる
たんぱく質がセンサーのように要不要を見分けていることを、
京都大医学研究科の長田重一教授らが突き止めた。

ぜんそくやアレルギー、アトピーなど自己免疫疾患の解明や
治療法の開発に役立つ成果という。

細胞が死ぬと、有害な物質が放たれて周囲に炎症が起きないように、
マクロファージが細胞を丸ごと取り込んで分解する。
死んだ細胞の表面にリン脂質の物質が現れるが、
マクロファージがどのように目印を見分けるかは未解明の部分が多かった。

マクロファージの表面にあり、この目印と結合するたんぱく質を探したところ、
免疫にかかわる「Tim1」と「Tim4」が当てはまると判明。
これらを働けなくすると、マクロファージは細胞を取り込めなくなり、
Timたんぱく質が死細胞を取り除くために必要と分かった。

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=59115

2007年11月11日日曜日

聖路加国際病院理事長・日野原重明さん 今、平和を語る

(毎日新聞 2007年10月29日)

聖路加国際病院理事長の日野原重明さん(96)が、
75歳以上をシニア会員とする「新老人の会」を設立して7年。
活動の大きな柱に、
「将来の日本を担う子どもたちに平和のメッセージを伝える」。

--小学生に平和のメッセージを伝える意義を。

日野原 僕たち大人は、世界の平和を実現できなかった。
戦争を体験した「新老人」は、想像を絶する苦しみや悲しみを味わいながら、
地上から戦争をなくせないできた。
子どもたちに託すしかないではありませんか。
75歳以上の戦争体験者が将来の日本をつくる子どもたちに、
戦争の悲惨さと人間のいのちの大切さを直接語りかける、
これは大変有意義なことです。

--日野原さんご自身も多忙なスケジュールの合間を縫って、
全国各地の小学校に出前授業に行かれています。

日野原 「新老人」の使命ですから。
訪問した小学校の校歌を歌いながら登場し、教壇に足を上げてみせる。
子どもたちは僕の年齢を知っていますから、それは驚きますよ。
何歳まで生きたいですかと聞くと、100歳とか120歳と答える子。
僕を見てのことですね。

そこで、いのちについて考える。

いのちは、人間に与えられた時間だから、とてもかけがえのないもので、
どのように使うかが大切だと話します。
どのようないのちも粗末にしてはいけない、奪ってはいけないと伝えるのです。
一度に大勢のいのちを奪うのが、戦争です。
戦争だけは絶対にやってはいけない、反対しなければいけないと語りかけると、
しっかりとうなずいてくれます。心強い。
手紙をたくさんもらいますが、僕をモデルにしてくれるのはうれしいですね。

--いのちについての考え方は、
よど号ハイジャック事件(1970年3月)に遭遇した経験によるとか。

日野原 58歳のとき。福岡での内科学会に向かう途中にハイジャックされ、
韓国の金浦空港で3晩過ごしたのですが、
相手は武装しているのだから、さからってはダメだと思いました。
生き延びることができてから、与えられたいのちだと考えるようになり、
このいのちを人のために使おうと心に決めました。

--徹底した非暴力主義を通されています。

日野原 子どもたちには、こう話しています。
けんかをして殴られたら、仕返しをしたくなるだろうが、応戦しないでほしい。
恨みが恨みを呼んで、報復がいつまでも続く、これが大人の戦争です。
恨みの悲劇的な連鎖を断ち切るには、「恕(ゆる)しの心」しかありません。
平和の実現には、犠牲がつきものです。
相手を恕す勇気と暴力や武器を放棄しても、
負けない精神力とをあわせもって、初めて平和は実現するのでは。

インドにガンジー、アメリカにキング牧師という非暴力主義者のモデルがいます。
暗殺されましたが、2人の魂は生き残って世界に大きな影響を与えています。
犠牲を覚悟のうえで平和行動を起こせば、必ず地上に平和は訪れる。
僕は日本の子どもたちに期待しているのです。

--日本の憲法については、どうみていますか。

日野原 世界中でこれほど先進的な憲法はないでしょう。
犠牲を強いられても、この憲法を永続させていかなくてはならない。
今の世の中の動きは、「いつか来た道」を感じさせてやまない。
日本は、積極的に他国に攻め入らないでしょうが、
米軍と一緒に戦う道を選ぶ可能性はありますね。とんでもないことですよ。
日本から米軍基地を撤去してほしい、
そのための費用がなければ、税金を上げてもいい。

--自衛隊については。

日野原 自衛のための軍隊も持つべきではない。
戦争は、決まって自衛のためだと言って起こる。
何かを契機に拡大路線に走るのは歴史が証明している。
軍力で相手を封じ込めても、そこには軋轢が生まれるだけで、
真の平和にはつながりません。
自衛隊は、国内外での災害や事故の救助隊に徹すればいい。

若者たちも、徴兵制の代わりに、海外ボランティアを義務づけては。
発展途上国の現実をみて、苦労して帰国したら、とても素晴らしい。
これは勇気ある実験です。
こうした行動を世界に先駆けて行う国を攻撃したらどうなるか、
そんなことはできないという世界の世論をつくるべきです。

--医学的な見地から。

日野原 最高の公衆衛生は、というと、戦争がない状態におくこと。
予防医学で必要なのは、水や空気をきれいにする前に戦争をしなければいい。
戦争難民が出ないし、ベトナム戦争の枯れ葉剤のような被害もない。
いま地上から戦争がなくなれば、公衆衛生が達成される。

--2005年に広島で、指揮者の小沢征爾さんと平和コンサートを開きました。
広島への思いは強いですね。

日野原 牧師だった父親が広島女学院の院長をしていました。
原爆で町が焼き尽くされ、352人の生徒らが犠牲になったことを、
父は深く悲しんでいました。
父の怒りと悲しみを見てきて、広島で平和イベントをしたいと考えていた。
今までのような原爆反対や核兵器反対の運動ではなく、
愛のメッセージと音楽でいのちの尊厳を訴える企画に。

子どもたちを通して、世界に平和を発信する
世界へおくる平和のメッセージ」に力を入れたものです。
4年後の2011年秋に、再びやることに決まりました。
そのとき僕は100歳です。

……………………………………………………………………………
■人物略歴

1911年山口県生まれ。京都帝大医学部を卒業後、
41年に聖路加国際病院の内科医となり内科医長、院長を歴任。
05年に文化勲章を受章。今春から日本ユニセフ協会大使に就任。
ベストセラー「生きかた上手」(ユーリーグ)、
「私が人生の旅で学んだこと」(集英社文庫)、
「十歳のきみへ--九十五歳のわたしから」(冨山房インターナショナル)など。

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=59514

免疫:「危険」信号

(Nature Reviews Cancer 7(10), Oct 2007)

Toll様受容体(TLR)は、外因性、内因性の「危険」信号を認識するが、
瀕死の腫瘍細胞に対する効率的な免疫応答はどのように起こるのか?

G KroemerとL Zitvogelらは、これまで知られていなかった経路、
すなわち化学療法後に死滅しつつある腫瘍細胞がTLRによって認識され、
免疫応答の引き金となる経路について記載。

野生型TLRやさまざまなTLRが欠損したマウスの足蹠に、
ドキソルビシンまたはオキサリプラチンで治療した
瀕死の胸腺腫、肉腫、結腸癌細胞のいずれかを接種したところ、
腫瘍抗原による再刺激後のT細胞プライミング
(インターフェロンγの産生量として測定)に異常があったのは、
Tlr4–/–マウスのみ。

野生型マウスの樹状細胞(DC)が枯渇すると、
瀕死の腫瘍細胞によるT細胞のプライミングは終息。
さらに、野生型またはTlr4–/–のいずれかのDCを瀕死の腫瘍細胞に
暴露してTlr4–/–マウスに移入したところ、
T細胞を活性化できなかったのはTLR4のないDCのみであり、
免疫応答にはTLR4+ DCが必要であることがわかった。

次に、共沈降法を用いて、瀕死の腫瘍細胞によって放出された
内因性タンパク質high-mobility group box 1 protein(HMGB1)
危険信号となり、DC上のTLR4に結合して刺激することで
免疫応答を動員することを明らかにした。

この信号が必要である理由は、HMGB1に対する短い二本鎖RNA(siRNA)
または中和抗体と腫瘍細胞とのプレインキュベーションが、
瀕死の腫瘍細胞によるDCの刺激能力を阻害したため。

瀕死の腫瘍細胞に暴露されたMyd88–/– DCは、
Tlr4–/– DCと同じ挙動をみせたことから、
HMGB1を認識したTLR4は、TLRアダプターである
myeloid differentiation primary response protein(MYD88)
通じてシグナルを変換する。

HMGB1-TLR4-MYD88経路は、抗癌剤の効果にどう関与するのか?
Tlr4–/–マウス、またはHMGB1のない瀕死の腫瘍細胞は、
初回注入から1週間後に接種した同じ腫瘍細胞に対して、
効率的な抗腫瘍反応を誘発できなかった。
腫瘍が定着したマウスにTLR4またはMYD88がなければ、
化学療法も局所放射線療法も、野生型マウスにみられたほどの
腫瘍増殖の抑制や生存期間の延長をもたらさなかった。

以上の所見は、患者とどうかかわってくるのだろうか?
白人の8~10%にはTLR4(Asp299Gly)に多型があり、
これが乳癌に対する化学療法の効果を弱める可能性がある。
この多型がTLR4とHMGB1との相互作用を抑え、
DCが瀕死の腫瘍細胞からの抗原を細胞傷害性T細胞に提示するのを
妨げていることを突き止めた。

また、リンパ節浸潤のため、術後にアントラサイクリン類による治療を受けた
非転移性乳癌患者280例を対象に、転移までの時間を分析。
術後5年までの転移率は、野生型TLR4をもつ患者が26.5%に対して、
変異型TLR4をもつ患者は40%であり、
変異型TLR4をもつ患者の無転移生存率も有意に低かった。

以上のように、瀕死の腫瘍細胞は治療の成功に必要な免疫応答を誘発し、
現在の化学療法における免疫原性の改善に利用できる可能性がある。

http://www.natureasia.com/japan/cancer/highlights/article.php?i=60561

2007年11月10日土曜日

仕事のストレスによってうつになる可能性

(WebMD 9月27日)

仕事上のストレスと、支援の乏しい職場がうつ病を増加させる-。
この調査は、ロチェスター大学のEmma Robertson Blackmore
精神医学研究者らによるもの。

Blackmore博士らは、2002年にカナダの労働者24,300名と面接し、
労働者のうつ症状について質問。
この面接に基づいて、労働者の4.6%が大うつ病の診断を満たすと結論。
うつ状態の従業員では、仕事のストレスが顕著であった。
「男性では、仕事に伴う緊張の大きさ、職場における社会的支援の低さ、
雇用確保の低さ、心理的欲求の高さと、
大うつ病エピソードとの間に関連が認められた」。

女性では、このリスクが若干異なった。
ストレスの大きい仕事は要因ではなかったものの、
「女性では、社会的支援の低さと意思決定権がないことと、
大うつ病エピソードとの間に関連が認められた」。

この調査にはいくつかの制限がある。
例えば、労働者のうつ状態の原因が仕事にあるのか、
それとも他のことがその労働者のうつ病に関与しているのかを明らかではない。

Blackmore, E. American Journal of Public Health, November 2007; vol 97. News release, American Public Health Association.

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=SPECIALTY&categoryId=580&articleLang=ja&articleId=56730

異常タンパクの抗体を測る、新しいコンセプトの腫瘍マーカーを開発

(natrue asia-pacific)

千葉大学医学部先端応用外科 島田英昭講師

新しい腫瘍マーカー“MESACUP anti-p53テスト”が、
厚生労働省の製造承認を受け、7月から販売。
食道がん、乳がん、大腸がんの診断の補助として使われ、
年内にも保険収載される見通し。

島田英昭講師は、食道がんの専門医。
食道がんは、発見されたときには進行している例が多い、難治がんの一つ。
そのため、早期の段階で発見したいという強い思いがあった。

がん抑制遺伝子であるp53遺伝子が作り出すタンパクは、
正常であれば、傷ついた遺伝子の修復、細胞周期の制御、
アポトーシスの誘導といった働きを持つが、
異常になるとその働きがなくなり、がんになりやすくなる。
とくに固形がんは、p53タンパクが過剰発現する頻度が高い。

島田講師らのデータでは、食道がんでは62%、肺がんでは59%、
大腸がんでは55%に異常なp53タンパクが過剰に出現し、
これは、p53遺伝子の異常の頻度とほぼ対応。

この異常なp53タンパクは不要な異物であるため、
IgG(免疫グロブリンG)抗体を作り出して、排除しようとする。
IgG抗体を検出することで、異常なp53タンパクの出現を明らかにし、
発がんの有無や進行を推測する方法が検討されてきたが、
腫瘍マーカーとして臨床で使われるには至らなかった。

島田講師らは、治療前のがん患者や健康診断でがんが見つかった人には
IgG抗体の陽性率が高くなることを発見。
大規模な臨床試験を実施し、その結果を踏まえて、
2001年に厚労省に製造承認申請を出した。

現在使われている腫瘍マーカーは、
国際的に“がんからの分泌物を測定するもの”と規定、いわば抗原を測る。
これに対し、“MESACUP anti-p53テスト”は抗体を測定するという
新しいコンセプトの世界初の腫瘍マーカー。

その特徴は、早期発見に使えること。
がんには0期からⅣ期までのステージがあり、
数字が大きくなるほど、がんが進行。
従来の腫瘍マーカーは、がんの進行度と相関して陽性率が高まるため、
発見時には、Ⅲ期やⅣ期まで進行していたという例が多い。

IgG抗体は、がんが約1mm3(がん細胞が約100万個)ならば、血中に流出。
IgG抗体の血中濃度は、がんの進行度とは強い相関がなく、
“MESACUP anti-p53テスト”を従来の腫瘍マーカーと比較すると、
ステージ0期とⅠ期のがんで陽性率が有意に高くなる。
その理由を、「早期では、人体はがんと対抗するためにIgG抗体を産生するが、
進行すると免疫反応が減弱して、IgG抗体を多く出そうとしなくなるのでは」。

「“MESACUP anti-p53テスト”を、ほかの腫瘍マーカーと併用することが
がんの検出率を上げることができる。
例えば、食道がんでよく使われるSCCとCYFRAは
ステージ0期やⅠ期における陽性率は10%前後だが、
“MESACUP anti-p53テスト”単独では20%以上で、
組み合わせることで陽性率が上がり、がんがある部位も特定しやすくなる」。

また、治療後にIgG抗体値が高かった人は再発しやすく、
低かった人は再発しにくいという傾向が。
抗がん剤など今後の治療の進め方の判断に
“MESACUP anti-p53テスト”が使える可能性がある。

ヒト免疫グロブリンの中でも最も量が多いIgG抗体は、
がんとの関連が知られていたが、その詳しい役割は未知な部分が多い。
島田講師らの研究は、IgG抗体の機能の解明に寄与するかもしれない。

島田講師は、健康な4000人以上の血液データを蓄積しており、
すでにIgG抗体以外のがん関連抗体を発見。
今後は、IgG抗体を含む、いくつかの抗体腫瘍マーカーをチップ上に並べ、
一度に計測する方法を開発する予定。
日本発の新しい腫瘍マーカーの今後が注目される。

小島あゆみサイエンスライター


http://www.natureasia.com/japan/tokushu/detail.php?id=50

2007年11月9日金曜日

抗癌化学療法や放射線療法への免疫系のToll様受容体4依存的寄与

(nature medicine 9月号Vol.13 No9 / P.1050 - 1059)

癌に対する通常の治療は、放射線療法と化学療法による。
このような治療では、腫瘍細胞の直接的除去によって
その効果があらわれると考えられている。

本論文では、一部の抗癌療法プロトコールの成功が、
腫瘍に対する自然免疫応答および適応免疫応答にかかっていることを示す。

ヒトおよびマウスの両方で、腫瘍抗原特異的なT細胞免疫を活性化する、
これまでには知られていなかった経路が存在することがわかった。
これには、アポトーシスを起こした腫瘍細胞による
HMGB1(high-mobility-group box 1)alarminタンパク質の分泌、
および樹状細胞(DC)が発現するToll様受容体4(TLR4)に対する
HMGB1の作用が関与している。

化学療法あるいは放射線療法の間、アポトーシスを起こした腫瘍細胞に
由来する抗原を効率的にプロセシングしてクロスプレゼンテーションするために、
DCはTLR4やそのアダプターであるMyD88を介したシグナル伝達を必要。

TLR4の機能喪失性対立遺伝子をもつ乳癌患者は、
放射線療法や化学療法後の再発が、正常なTLR4対立遺伝子をもつ患者よりも速い。
これらの結果は、腫瘍細胞の死が引き起こす、
臨床治療に関係した免疫補助経路の存在を示している。

http://www.m3.com/tools/MedicalLibrary/nature/200709/nature_medicine/05.html?Mg=0ff22574b969f7b84e77f00fe4f00577&Eml=12b55b931cb52b4152963c77864c5aec&F=h&portalId=mailmag

医師が仲裁申し立てへ サッカーJ1川崎・我那覇の静脈注射問題

(毎日新聞社 2007年11月3日)

Jリーグ・川崎のFW我那覇和樹が、生理的食塩水とビタミンB1の点滴を
受けたことがJリーグのドーピング規定違反とされた問題で、
治療をした川崎の後藤秀隆チームドクターが、Jリーグの処分取り消しを
求める仲裁申し立てを日本スポーツ仲裁機構(JSAA)に行う。

JSAAは、7月10日にドーピング紛争に関する仲裁規則を定めており、
今回が初めてのケース。

後藤ドクターは4月23日、風邪で体調を崩した我那覇に静脈注射を施したが、
Jリーグのドーピングコントロール委員会(青木治人委員長)は
ドーピング違反と認定。
我那覇に出場停止6試合、川崎に制裁金1000万円の処分を科した。

後藤ドクターの代理人を務める弁護士は、
「Jリーグ側の処分は(世界反ドーピング機関の規定の)解釈に誤りがある」。
Jリーグの処分対象は我那覇と川崎で、
後藤ドクター自身は直接罰則を受けていないが、
「競技支援者としてのドクターも申し立てが可能」との解釈。

これまでに日本反ドーピング機構(JADA)が、
Jリーグとは異なる見解を表明。
Jリーグ31クラブのドクターで構成されるチームドクター連絡協議会は、
Jリーグに処分の撤回を求めたが、却下されていた。

Jリーグの鬼武健二チェアマンは、
「記者会見を開くと聞いただけで、何をするのか分からない。
仮定の話はできない」と断ったうえで、
Jリーグとしての「基本的な考えは一貫している」と述べ、
主張は変わらないとの見解を示した。

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=60082

2007年11月8日木曜日

アルツハイマー予防効果も 岩手大などハーブで実験

(共同通信 2007年10月23日)

ハーブの一種、ローズマリーに多く含まれるカルノシン酸に、
脳細胞死を防ぐ効果があることを動物実験で確かめたと、
岩手大学などの日米合同研究チームが発表。
アルツハイマー病やパーキンソン病の予防、治療薬の開発につながる可能性がある。

岩手大の佐藤拓己・准教授(神経化学)は、
共同研究した化学品専門商社「長瀬産業」(大阪市)とカルノシン酸を使った
サプリメントの製品化も目指している。

実験では、マウスの右脳の動脈を人工的に約2時間閉塞させ、
脳神経細胞が死ぬ状況をつくり、実験前にカルノシン酸を投与したマウスと
投与しなかったマウスそれぞれ9匹の脳を24時間後に調べた。
その結果、投与しなかったマウスの右脳の細胞52%が壊死したのに対し、
投与したものは34%にとどまった。

佐藤准教授は、カルノシン酸が脳細胞死を抑制する遺伝子を
活性化させたことを確認したとし、
「カルノシン酸は毒性が低く、アルツハイマー病などの治療薬開発につなげたい」。

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=58733

ストレッチングでは筋肉痛を予防できない

(MebMD 10月17日)

激しい運動の前後のストレッチングによって、
筋肉痛の苦しみから解放されることはないという。

シドニー大学の研究者らは、10件の研究を調査後、このような結論に達した。
Marcos de Noronhaは、「ストレッチングには、筋肉痛の予防効果はないという
非常にはっきりとした結果が明らかになった」。

ストレッチングの効果の有無に関する議論は、長年にわたって続いている。
支持する人々は、ストレッチングには筋肉痛を軽減するだけでなく、
パフォーマンスを高めたり、ケガのリスクが低下したりすると主張。

シドニー大の研究者らは、ストレッチングで筋肉痛が軽減するか、にのみ注目。
ストレッチを行う理由が筋肉痛の予防のためだけである場合、
「ストレッチは実際には効果がないため、この面倒な作業を行う必要はない。
しかし、ストレッチングで気分が良くなるのであれば、
ストレッチングが有害であるというエビデンスはないので、ストレッチングを行えばよい」。

de Noronha氏は、筋肉痛に対する大筋群のストレッチングの効果についての
長年にわたる議論が沈静化すると述べているが、
他の専門家はストレッチングが有効であり、議論はまだ終わっていない。

●試験の詳細

シドニー大の研究者らは、激しい運動後1日以内に発現し、
約48時間でピークに達する遅発性筋肉痛に注目。
9件の試験は、実験室で実施され、被験者が運動後、
筋肉痛の程度について申告するもの。

1件の試験は、フットボール選手が試合後の筋肉痛について申告するもの。
3件の試験は、運動前のストレッチングに注目し、
他の試験は運動後のストレッチングについて評価。
6件の試験では、ストレッチ群または非ストレッチ群に

無作為に割り付けられた被験者の比較。
被験者は、1回につき40~600秒間のストレッチングを行った。
De Noronha氏とRobert Herbert氏は、
100ポイントスケールを用いて運動後の筋硬直を評価。
運動前にストレッチングを行った場合、運動翌日の筋肉痛の緩和は、
平均すると100ポイントスケールで0.5未満。
運動後にストレッチングを行った場合、翌日の筋肉痛緩和は1ポイント。
「運動の半日~3日後の間に同様の効果が明らかになった」。

●セカンドオピニオン

カナダアルバータ州カルガリー在住の開業運動生理学者で、
米国スポーツ医学会の広報担当者であるMichael Brackoは、
「完全に筋が通っている」。

Bracko博士は長い間、ストレッチングでは筋肉痛を予防できないと考えてきた。
「非常に優れた調査であり、われわれが以前から知っていた情報と同じ」。
筋肉痛が出始めてからストレッチングを行うと、
筋肉痛が一時的に緩和する可能性がある。
「しかし、鎮痛効果の持続時間はほんの15~20分にすぎない」。

しかし、カリフォルニア州ロングビーチ在住のスポーツ足病医である
Pedram Aslmandは、この新しい調査でストレッチングとその筋肉痛に対する
効果に関する議論が終結するとは考えていない。

「筋肉痛に対するストレッチングの効果をコントロールすることは難しい」。
一部の被験者は、ストレッチングを行っても筋肉痛が生じる
構造的異常(腓筋の短縮等)を有していた可能性があり、
このことが結果を歪曲している。

●アドバイス・・・ストレッチをすべきか否か?

ストレッチングは、運動をする人が望むことを満たすものではないかもしれないが、
これには害はないだろう。

Aslmand博士は、ストレッチングはケガを防止したり、
パフォーマンスを向上させたりする可能性もある。
Bracko博士は、定期的にストレッチングをした場合に
ケガをある程度防止することができることを認めた。
多くのアスリートにとって、ストレッチングは儀式以外の何物でもなかったと
Bracko博士は述べる。

ストレッチングによって筋肉痛が緩和しないなら、どうしたら筋肉痛が緩和するのか?
「軽い運動をすればよい」と指摘。

Marcos de Noronha, PhD candidate, University of Sydney, Australia. Herbert R. The Cochrane Database of Systemic Reviews 2007, Issue 3: pp 1-28. Pedram Aslmand, DPM, Long Beach, Calif. Michael Bracko, EdD, consulting exercise physiologist, Calgary, Alberta; spokesman, American College of Sports Medicine

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=SPECIALTY&categoryId=580&articleLang=ja&articleId=58764

2007年11月7日水曜日

独の科学者、いびきを抑えるコンピューター枕を開発

(ロイター 2007年10月04日)

いびき解消に取り組むドイツの科学者が、いびきが止まるまでの間、
頭の位置を動かすコンピューター化された枕を開発した。

ロストック大学のDaryoush Bazargani教授(情報科学専門)が、
健康に関する会議で自身が開発した枕の試作品を展示。
「枕には本1冊ほどの大きさのコンピューターが付いており、
このコンピューターをベット脇のテーブルに置いていびきの音を分析する」。

利用者が睡眠中に体を動かす傍ら、コンピューターが枕に含まれる空気部分を
調節して頭の位置を動かし、鼻の空気の通りを良くすることで
いびきを最小限に抑える仕組みという。

この枕は、首のマッサージ機能も兼ね備えており、
すでに複数の米企業が商品化に興味を示している。

自身もいびきをかくため枕を発明したという同教授は、
「ありとあらゆる製品を試してみたが、効果があるものはなかった。
この枕を使う人々が、より安心して眠ることができればいいと思う」。

http://www.excite.co.jp/News/odd/00081191464705.html

筑波大学名誉教授・村上和雄 アルコール依存症の原因遺伝子

(毎日新聞 2007.9.25)

筑波大学名誉教授・村上和雄

近年、女性のアルコール依存症が急増している。
我が国の飲酒人口は、6000万人超。
「酒は百薬の長」といわれるように、適正な飲酒の効用は医学的にも証明。
ストレスの軽減、総死亡率や心血管系疾患の死亡率を低下させる効用も。

一方、その害は深刻である。
アルコールの害は、臓器に障害をもたらすにとどまらず、
飲酒運転の悲惨な事故や、家庭の崩壊などを引き起こす場合も。
アルコールによる行動傾向は、親から子へと伝播、「世代間連鎖」を引き起こす。
アルコール依存者を親に持つ子供は、心に傷を負いやすい。
親の飲酒や暴力を毛嫌いしながらも、大人になると同じ行動をとったり、
親と同じ行動傾向のある配偶者を選んだりする。

特に問題なのは、母親の飲酒。
妊娠中や授乳期に酒を飲むと、胎児や乳児へ直接影響がおよび、
胎児性アルコール症候群という知能の発達障害が起こる可能性も。
妊娠中は情緒が不安定になることもあって、
従来の飲酒習慣からアルコールを口にする母親は少なくない。
胎児は、たとえ微量でも、母親の胎盤からそのまま吸収され、
文字通りアルコール漬けの状態に。

≪たばこより4倍強い依存度≫

アルコールという物質はなぜ依存症を生みやすいのか?
サルを使った実験によると、酒はたばこより4倍以上も精神依存度が高い。
モルヒネは、アルコールとほぼ同様。
いかにアルコールへの依存状態から脱却しにくいかが分かる。

アルコールに依存しやすい人と依存しにくい人がいる。
酒を飲める人は依存しやすく、酒を飲めない人は依存しようがない。
いわゆる上戸と下戸。

依存しやすい体質と依存しにくい体質の違いは、遺伝子に原因が。
アルコール依存症の遺伝子が先ごろ見つかった。
発見したのは、米ワシントン大学医学部の精神医学教授ダニエル・ディック博士。
アルコール依存や乱用の度合いが高い人は、この遺伝子の数が多い。
アルコール依存症になる素質は、遺伝的要因によって決まる。

しかし、アルコール依存症の遺伝子を持つからといって、
その人が必ずしも依存症になるわけではない。
その人が酒を飲まなかったら、依存症にはならないからだ。
飲める・飲めないは遺伝子が決めても、飲む・飲まないは自分が決める。
アルコールを絶対口にしないという意志が、生得の遺伝的要因に勝る。
人は、遺伝子にのみ左右される存在ではないということだ。

このことは、私の研究分野である心の働きと遺伝子の相互関係にも通じる。

≪遺伝子のスイッチをオフに≫

アルコール依存症からの回復は、その精神依存度からして非常に困難。
従って、家族や周囲の者は、本人と共に断酒会に参加するなどして、
酒を断つ意志を生涯持ち続けるように働きかけていく努力が必要。

そんな自助グループの一つに、AAというグループがある。
スピリチュアルなアプローチを、依存症からの回復に役立てている。
AAの設立には、精神分析学のカール・G・ユングが関与。
ユングは、重いアルコール依存症でAAの設立者となった人物に言う。
「あなたは、医術や精神医療ではどうにもならない。
スピリチュアルな体験、真の転換を体験すれば、回復可能かもしれない」。

酒を断つような環境をつくり、依存者が助け合うような場を整え、
そして、いま生かされていることに感謝できるような心になれば、
依存症に関与するさまざまな遺伝子のスイッチをオフにすることが可能と考える。

http://sankei.jp.msn.com/life/body/070925/bdy0709250602000-n1.htm

2007年11月6日火曜日

6時間疾走の「スーパーマウス」=遺伝子組み換えで誕生

(時事通信 2007/11/02)

毎分20メートルの速度で5~6キロの距離を、
最大6時間にわたって連続疾走できる驚異的な体力のマウスが
遺伝子組み換えで誕生した。
米オハイオ州ケース・ウェスタン・リザーブ大学の研究チームが発表。

リチャード・ハンソン教授によると、
この「スーパーマウス」は、既に500匹近く生まれている。
エネルギー源に主に脂肪酸を使うが、
疲労物質とされる乳酸の発生が極めて少ない特性があり、
「人間に例えれば、自転車ロードレースの
元王者ランス・アームストロングに匹敵する」。

J Biol Chem. 2007 Nov 9;282(45):32844-55. Epub 2007 Aug 23.

Overexpression of the cytosolic form of phosphoenolpyruvate carboxykinase (GTP) in skeletal muscle repatterns energy metabolism in the mouse.

Hakimi P, Yang J, Casadesus G, Massillon D, Tolentino-Silva F, Nye CK, Cabrera ME, Hagen DR, Utter CB, Baghdy Y, Johnson DH, Wilson DL, Kirwan JP, Kalhan SC, Hanson RW.

Transgenic mice, containing a chimeric gene in which the cDNA for phosphoenolpyruvate carboxykinase (GTP) (PEPCK-C) (EC 4.1.1.32) was linked to the alpha-skeletal actin gene promoter, express PEPCK-C in skeletal muscle (1-3 units/g). Breeding two founder lines together produced mice with an activity of PEPCK-C of 9 units/g of muscle (PEPCK-C(mus) mice). These mice were seven times more active in their cages than controls. On a mouse treadmill, PEPCK-C(mus) mice ran up to 6 km at a speed of 20 m/min, whereas controls stopped at 0.2 km. PEPCK-C(mus) mice had an enhanced exercise capacity, with a VO(2max) of 156 +/- 8.0 ml/kg/min, a maximal respiratory exchange ratio of 0.91 +/- 0.03, and a blood lactate concentration of 3.7 +/- 1.0 mm after running for 32 min at a 25 degrees grade; the values for control animals were 112 +/- 21 ml/kg/min, 0.99 +/- 0.08, and 8.1 +/- 5.0 mm respectively. The PEPCK-C(mus) mice ate 60% more than controls but had half the body weight and 10% the body fat as determined by magnetic resonance imaging. In addition, the number of mitochondria and the content of triglyceride in the skeletal muscle of PEPCK-C(mus) mice were greatly increased as compared with controls. PEPCK-C(mus) mice had an extended life span relative to control animals; mice up to an age of 2.5 years ran twice as fast as 6-12-month-old control animals. We conclude that overexpression of PEPCK-C repatterns energy metabolism and leads to greater longevity.

http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2007110200523

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これは面白いですねえ。
どんな遺伝子を組み込んだのか、あるいは増幅させたのかは
詳細はまだ分かりませんが。
運動能力を高めるものとして、いろんな遺伝子が候補にあがっていますが、
実際に「スーパーマウス」と呼べるようなものはありませんでした。

ただし、スポーツ界にとっては危惧すべき面も。
遺伝子ドーピングという言葉があるように、
この技術は悪用される場合もあります。
ある遺伝子を動かすことで、
さまざまな悪影響を及ぼしてしまう危険性があります。
研究者としてのモラルと情報公開が重要になりますね。

勤勉さが発症を抑える? アルツハイマー病で米大学

(共同通信社 2007年10月2日)

勤勉、実直な性格や生活様式が、アルツハイマー病の発症を抑える
可能性を示す約1000人の追跡調査による研究結果を、
米ラッシュ大医療センターの研究チームが発表。

平均年齢75歳の健康な997人を12年間、追跡調査したところ、
176人がアルツハイマー病を発症。
調査参加時に性格テストを実施しており、性格と発症との関係を分析。

その結果、「目標達成に熱心に取り組む」、
「やることすべてに優秀さを追求する」、
「時間に間に合うよう、ペース配分をする」といった
「勤勉、実直」を示す項目で高得点を挙げたグループは、
得点が低いグループに比べ、89%も発症リスクが低かった。

勤勉な人では、死後に脳を調べると
アルツハイマー病の特徴を示す病巣があったのに、
生前に認知症が現れなかったケースも。

「勤勉な生活様式によって、脳神経が保護されるのかもしれない。
発症を遅らせる方法の開発につながる可能性がある」。

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=56496

2007年11月5日月曜日

石の「水切り」51回、世界記録をギネス認定

(excite 2007年10月03日)

米ペンシルバニア州の男性が、
水面に石を投げて跳ねさせる遊び「水切り」で51回の世界新記録を出した。
これまでの世界記録は40回。

ラッセル“ロック・ボトム”ブライヤーズさんは7月19日、
ピッツバーグのおよそ70マイル北、アレゲニー川とフランクリンの
フレンチクリークの交わるところで記録を達成。
石は250フィート (75メートル) ほどの距離を跳ねていったという。

ギネス世界記録の専門家たちが、録画された映像をひと跳ねひと跳ねの
波紋までチェックし、ブライヤーズさんを世界記録保持者に認定。

ブライヤーズさんは、「その日、僕は40回ほど石を投げましたが、
記録を出したのは最初の一投でした」と、
ギネスの職員といっしょに現場で記録を確認した『ピッツバーグ・ポスト』紙に語った。

前の世界記録は、ペンシルバニア州エンポリウムの
カート・スタイナーさん (42) が2002年に出したもの。

http://www.excite.co.jp/News/odd/00081191347479.html

****************************

これは凄い記録ですね。
どうすれば、水切りを51回もできるんでしょう???
私はせいぜい3回ぐらいですかね。
それに、40回も投げ続けたというのは驚きです。
私はせいぜい5回くらいですかね。ガラスの肩なもので。。。
水切りもギネスに認定されているとは、これまた驚きです。
水切りを録画していたのも、これまた驚きです。

“血液サラサラ”効果のタマネギ 「ゴクリ」が新しい



(毎日 2007.9.23)

“血液サラサラ”効果で知られる食物といえば、タマネギ。
オニオンスライスにしたり、すりおろしてドレッシングに使ったり…。
工夫しながら毎日せっせととっている人も多い一方、
手間なく栄養成分をとることができる“たまねぎ飲料”が注目。

飲む玉葱」は、200ミリリットル入りのペット飲料。
韓国で開発・製造されたものを日本人向けに改良し、発売したところ、
健康志向の中高年によく売れ、30%以上がリピーターというヒット商品。

輸入元であるコピス(福岡市)の立川皓第専務は、
「血圧が高い人は、医者に『タマネギを煎じて飲みなさい』といわれるが、
現実的には難しい。ジュースだと、手軽に続けられると好評」 。
まとめ買いする人が多いのも特徴。
タマネギ特有の辛みやにおいを想像し、恐る恐る飲んでみたら、
リンゴ果汁やはちみつを加えてあるので甘くて飲みやすい。
口にわずかに残る風味や香りがタマネギを感じさせる。
焼酎を割ってヘルシーチューハイにしたり、リンゴジュースで割って飲む人も。

タマネギが注目されている理由の一つは、「ケルセチン」という抗酸化成分。
食品総合研究所の津志田藤二郎さんは、
「ケルセチンは、植物が生産する黄色色素で、フラボノイドの仲間。
強い抗酸化性が、動脈硬化の原因となるLDL(悪玉コレステロール)の酸化抑制や、
老化の抑制、遺伝子の酸化傷害を抑えることによるがんの予防などにも
関与すると推定され、研究が進められています」。
では、効率的に摂取するには?
「ケルセチンの多くは、糖と結合した配糖体として野菜などに含まれます。
タマネギの組織からケルセチン配糖体がよく溶け出るのは、煮物。
固形の状態より、ジュースの方が溶け出る量が多い」

ケルセチンに着目したのが、キッコーマンが発売した
デルモンテ たまねぎ習慣」(内容量920グラム)。
ニンジンやトマトなどの緑黄色野菜をベースにしたタマネギ飲料で、
本州で主に栽培されている「ターザン種」と比べ、
約2倍のケルセチンを含む北海道産タマネギ「スーパー北もみじ」を使用。
タマネギをピューレ状にする際、瞬間的に加熱破砕する特許製法で、
タマネギ特有の辛みや苦み、くさみを減らし、甘みを引き出しているという。
特有のクセをカバーし、飲みやすくしてあるタマネギ飲料。
「タマネギは苦手」という人も、試してみる価値はありそう。

2007年11月4日日曜日

葬儀、お墓 自分流 海上での散骨20万~50万円 「墓地いらない」13%

(毎日新聞 2007.9.21)

葬儀やお墓にかかる費用は宗教も関係し、不明な部分が多い。
寺に戒名の費用を尋ねたら、「お気持ちで」と言われ、
慌てて近所の人に聞いて回ったという話も。

さらに墓を持てば、墓参りなど永続的なかかわりや費用も発生。
近年は、海などへの散骨も定着しつつあり、多様化。

日本消費者協会が平成15年に行った調査では、
葬儀一式費用(葬儀社に支払った額)の全国平均は、150万4000円。
最低額は11万円、最高は400万円と幅が大きい。
飲食接待費用は、平均38万6000円。
戒名、お経など寺院関係費用で、平均48万6000円。
「戒名は30万円程度からだが、
料金ではなく志なので明確なものはない」(葬祭業関係者)。

冠婚葬祭の互助会「くらしの友」の堀田恵則課長は、
「『普通』の形式はない。どんな疑問も尋ねて、自分で納得することが重要」。

墓地は、民営、公営、寺院墓地などに分かれる。
墓地関連費用でよく耳にするのが、永代使用料。

須藤石材池袋営業所長の萩原秀紀さんは、
「墓地の使用権で、土地と同じように価格差がある」。
大都市圏以外では、民営墓地は1平方メートル当たり10万円前後、
都心の一等地の寺院墓地では500万円といった例も。
駅に近い方が一般的に永代使用料が高く、利便性が反映。

墓も個人の好みがあり千差万別。
千葉県船橋市内の霊園で試算してみた。
1・5平方メートルの永代使用料は、36万円から。
墓石は材質で差があり、中国産御影石を使った場合、100万円前後。
高級な黒御影石で200万円前後。
このほか、手数料や寺院関係費用など諸費用を10万円程度。
総計は、146万円~246万円程度。年間管理料は3000円。

萩原さんは、「墓地選びはカタログではなく、案内を頼んで
実際に目で確かめることが重要」。

墓の場合、少子化進展で継承が続くかどうかが問題。
そのため、ほかの人と一緒となる合葬形式も増えている。
寺の永代供養墓の場合、一般的な仕組みは、
一定期間は骨つぼのまま安置し、その後ほかの遺骨とともに葬る。
最初から遺骨を一緒にする形式もある。
費用は10万~100万円程度。基本的に年間管理料は必要ない。

遺骨を自然にかえす散骨は、船や軽飛行機を使い海上で行う形式が多い。
チャーターした場合は、20万~50万円。
乗船せずに代行する場合は10万円以下の料金を掲げる業者も。
墓地を持っていない人のうち、墓地購入に前向きの人は約30%、
「自然葬などが希望で墓地はいらない」が約13%、
合葬墓、永代供養墓は計約6%と、考え方も多様化。

葬儀関連冊子編集に携わった関沢七重出版編集部長は、
「葬儀や墓などの形式はさまざまで、生前に自分の希望を伝え、
業者とも相談しておくことがベスト。
遺族になったら、どんなに突然でも葬儀までには数日の余裕があるので、
あわてずに複数の業者の見積もりを納得するまで検討すべき」。

http://sankei.jp.msn.com/life/lifestyle/070921/sty0709211040022-n1.htm

肥満のままでも糖尿病改善 特定酵素の欠損が鍵

(共同通信社 2007年10月1日)

肥満でも、ダイエットしないで糖尿病やメタボリック症候群を治療できる?

そんな夢のような方法を、島野仁・筑波大准教授(内分泌代謝・糖尿病内科)らの
研究グループがマウスの実験で突き止めた。

糖尿病は、膵臓が分泌するインスリンが不足したり効きが悪くなったりして、
細胞が血液中のブドウ糖を取り込まなくなる。
今回、ある特定の酵素を欠損させることでインスリンの効きが悪くなる状態の
「インスリン抵抗性」を改善することに成功。

研究グループは、体内で糖から脂肪を作る際、
脂肪酸を構成する炭素分子の鎖を長くする酵素「Elovl6」に着目。

遺伝子組み換えによりこの酵素を欠損させたマウスで実験したところ、
肝臓で短い脂肪酸が増え、脂肪の質が変わった。
酵素が欠損したマウスを肥満にさせたところ、
通常の肥満マウスに比べインスリン抵抗性をほとんど示さず、血糖値も正常。

島野准教授は、「太り放題でも病気にならない治療薬ができるかもしれない。
しかし、あくまで生活習慣病には食事や運動の改善が一番で、
それがどうしても続かない患者への手段だ」。

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=56375

2007年10月28日日曜日

喫煙者率26%、過去最低 07年調査、12年連続で

(共同通信 2007年10月18日)

日本たばこ産業(JT)が、2007年の全国たばこ喫煙者率調査によると、
たばこを吸う成人の割合は前年に比べて0・3ポイント減の26・0%と、
12年連続で過去最低に。

男女別では、男性の喫煙者率は1・1ポイント減の40・2%、
女性は0・3ポイント増の12・7%。

地域別にみると、喫煙者率が最も高かったのは、
男性が東北地方(46・0%)、女性は北海道(19・4%)。
北陸・甲信越、東海、近畿、中国、四国の5地域では
男性の喫煙者率が40%を下回った。

たばこを吸う人が減っている理由について、
JTは「健康意識の高まりや喫煙規制の強化が影響した。
退職した団塊の世代が、仕事のストレスがなくなったために
喫煙をやめていることも背景にある」と分析。

調査は5月に実施し、約1万9200人から回答を得た。
06年に訪問調査から郵送での調査に切り替えたが、
JTは「下落傾向であることは間違いない」。

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=58157

リンゴが喘息の予防に有効な可能性

(WebMD 9月19日)

毎日リンゴを食べることで、妊婦が児の喘息や喘鳴を予防できる可能性が。
新しい研究で、母親が妊娠中にリンゴを定期的に食べていた児では、
母親が妊娠中にあまりリンゴを食べなかった児に比べて、
5歳までに喘息または喘鳴を発症する可能性が大幅に低い。

小児喘息は、米国において深刻化しつつある問題である。
妊娠中にもっと多くのリンゴを食べることによって、
小児の喘息を予防できる可能性があることが示唆される。

1,200組の母子を対象として、妊娠中の母親のリンゴの摂取状況と
小児喘息および喘鳴の発現率の関連が比較。
その結果、小児の喘息・喘鳴のリスク低下との関連が認められた食品は、
リンゴのみであることがわかった。

リンゴ摂取が最も多かった群(1週間に4個以上)の母親から生まれた子では、
リンゴ摂取が最も少なかった群(1週間に0-1個)の母親から生まれた子よりも
これまでの喘鳴のリスクが27%低く、小児喘息のリスクはおよそ半分。
この研究では、濃縮液を原料とするリンゴジュースの飲用や、
1日1本以上のバナナの摂取と喘鳴発現率の改善との関連も示された。

ユトレヒト大学(オランダ)のS.M. Willersらは、
リンゴの予防効果は、リンゴに含まれているフラボノイド等の
植物化学物質によるものである可能性が高い。

Willers, S. Thorax, September 2007; vol 62: pp 772-778. News release, Apple Products Research and Education Council.

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=SPECIALTY&categoryId=580&articleLang=ja&articleId=55882

2007年10月27日土曜日

「賢い患者になる」「健康食品」 <3>

(共同通信社 2007年8月14日)

今年2月、スギの花粉を加工した健康食品(カプセル)を飲み、
和歌山県の女性が全身性アレルギー反応によるショック症状に。

厚生労働省が成分などを分析したところ、
医薬品の成分が検出され、和歌山県は薬事法に基づいて
山形県の製造販売会社に販売停止と回収を指導。

また、ここ数年、インターネットを通じて中国から手に入れた健康食品を
食べた人が相次いで頭痛や下痢などを訴えたほか、死者も出た。

1兆円とも3兆円ともいわれる健康食品の市場規模。
国民の健康志向が高まるのに伴って、市場は拡大傾向にあるが、
健康被害やトラブルも確実に増えている。

「『食品だから』との安易な気持ちが、深刻な事態を招く原因に」
と国立健康・栄養研究所は警告。

日本には、法令上"健康食品"という定義はない。
メーカーなどが、「健康に良い食品」という意味で使っているにすぎない。
欧米に比べ、健康食品に対する国の取り組みは遅れ気味だ。

それでも2001年、国は安全性や有効性などに基づいて
他の食品との差別化を目指す保健機能食品制度をスタート。
健康食品による被害やトラブルの急増に対応するためだけではなく、
市場拡大を期待する食品業界から強い要望があったため。

制度によると、保健機能食品は、体の生理的な機能に働き掛けて
特定の効果が期待できる「特定保健用食品」(特保)と、
不足しがちな栄養成分を補給できる「栄養機能食品」に大別。

現在、特保は約700品目あり、虫歯になりにくくするといわれる
キシリトール入り食品などが知られている。
販売するには、安全性や有効性の審査をパスすることが必要。
約2年前には、「条件付き特保」が追加。
栄養機能食品は、カルシウムやビタミンなどの栄養素を表示して販売。
審査はないが、国の規格基準をクリアしていることが条件。

これとは別に、低タンパク食品や乳幼児用調製粉乳など
特別の目的をもつ「特別用途食品」があり、
特保と同様、国の許可がなければ表示できない。

「メディアから健康食品の情報が連日流されているが、
視聴者が誤解してしまうような情報も少なくない。
健康食品に対する正確な理解が不可欠。
おかしいと思ったら最寄りの消費者センターで相談を」。

=============
条件付き特保

一般の特保ほど有効性に科学的根拠はないが、
一定の有効性が確認されている食品のこと。
中性脂肪の減少が期待される商品が出た。

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=52372

「賢い患者になる」「健康食品」 <2>

(共同通信社 2007年8月14日)

医療の場で治療効果を高め、回復を助ける食品こそ、
本来の健康食品といえる。
藤田保健衛生大七栗サナトリウム(津市)の東口高志教授は
「栄養管理はすべての治療の基本となる医療」。

医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、検査技師らの
栄養サポートチーム(NST)が、患者のデータが表示されたパソコンを囲み、
今後の栄養管理の方針を確認。
大学病院初の緩和ケア病棟など、
計218床の全患者についてNSTが栄養状態を把握。
必要な栄養をどうやって摂取していくか計画を立て、
病状や回復程度に合わせて細かく調整していく。
東口教授は、「NSTが栄養管理をすることで患者の回復が早く、
入院日数が短縮される。その結果、医療費も削減できる」。

入院してくる患者には、タンパク質などの栄養素が不足していることが多く、
特に高齢者に栄養不良が多い。
栄養不良の状態では治療の効果がうまく現れなかったり、
手術後に感染症などの合併症になる率が高い、
床ずれができやすいなど、多くの問題がある。

しかし、治療の初めから患者が必要な栄養を摂取することで回復が早まり、
患者の生活の質(QOL)も高まる。

早く口から栄養をとることも重要。
「入院したら点滴で栄養補給」というイメージがあるが、
点滴よりも腸から栄養を吸収することで腸の機能が維持され、
全身の状態がよくなる。
患者に合わせて、成分や濃度の異なる医療用栄養剤などを使い、
早く通常の食事ができるようにしていく。

バニラ味、コーヒー味など味に工夫した医療用栄養剤、濃厚流動食など、
さまざまな製品が開発されているほか、
国外からは特定の疾患治療や予防用の栄養剤などの導入も。

「高齢社会では、特に栄養管理が重要だ」と指摘。
高齢者は、食事の量が不足したり、好みの偏り、嚥下障害などで
気付かぬうちに栄養不良に陥りやすい。
「地域の医療、介護を通して高齢者の栄養管理を支援する仕組みが必要」。

がん患者には、いわゆる「健康食品」の利用者が多い。
「米食品医薬品局が認可しているものから、成分不明のものまである。
摂取して栄養素が過剰になったり、逆に不足することもあるので、
医師やNSTに相談してほしい」とアドバイス。

==============
栄養サポートチーム(NST)

日本では、1998年に全入院患者を対象とするNSTが初めて本格的に導入。
昨年、栄養管理に診療報酬が認められたことにより、
現在では1000以上の施設に設置。

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=52371

2007年10月26日金曜日

「賢い患者になる」「健康食品」 <1>

(共同通信社 2007年8月14日)

一口に「健康食品」といっても、
怪しげなものから「特定保健用食品(特保)」まで、
さまざまなものが出回っている。
患者として、どうしたらうまく利用することができるのだろうか?

代表的な健康食品であるサプリメントについては、医師の間でも意見が分かれる。
「上手に使えばプラス」と言うのは、
稲毛病院(千葉市)ビタミン外来の佐藤務医師。
「今は食物素材の栄養素低下が甚だしく、サプリメントの必要性が高まっている」
ただ、サプリメントを取るときは、いろいろなタイプがあることに注意が必要。
同じ1粒でも、一方は栄養素、もう一方は薬理作用の場合があり、リスクを伴うことも。

佐藤医師は、「取る場合は、必要性と安全性の高いものから。
ベースは栄養素。少量をバランス良く、まんべんなく取る必要がある」。
優先順位の第1は、ビタミン、ミネラル、タンパク質。

サプリメントで一番問題なのは、頭では薬ではないと分かっているのに、
実際には薬と同様に、取るだけで効くと思い込んでいること。

「サプリメントは、ただ取るだけでは体内で働かない。
どうしたら体内で働くのかを考えないと病気のケアにつながらない」。
サプリメントを働かせるためには、食事、運動、睡眠などの生活習慣の改善が必須。
「食事を主体に改善し、取り切れない部分はサプリメントで取り、
バランスを整えた上で、新陳代謝をよくしていく。まず食事が大事」

まず始めるのは、体をつくること。
新陳代謝を促進し、髪の毛や肌、つめなどをきちんとつくると、体が動けるようになる。
「新陳代謝がしっかりしてくると、体が変わってくる。
例えば『つめが割れなくなりました』と患者さんが言うようになる。
そうすると、無理なくエネルギー代謝が進むようになり、
免疫系や内分泌系、神経系など全身のネットワークが強化され、
精神面も安定し、症状の改善が見られるようになる」。

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=52370

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サプリメントを効果的に使用するためには、
まずは自分の体調を把握すること。
食事や運動、ストレスといった日常生活に乱れが出ていては、
いくらサプリメントを取っても効果はありません。
サプリメントは、あくまでも「補助」食品でしかないのですから。
本末転倒にならないように、気をつけましょう。

2007年10月22日月曜日

卵子2つから作られた「二母性マウス」が誕生!

(nature Asia-Pacific 

東京農業大学応用生物科学部バイオサイエンス学科 河野友宏教授

ほ乳類には、雄と雌の2つの性がある。
生物学者は、その理由を
「多様な遺伝子の組み合わせをもつ方が生存に有利だから」、
「細菌やウイルスなどの有害遺伝子を排除するため」などと説明してきたが、
いずれも確証は得られていない。

河野教授は、有性生殖の進化やその制御メカニズムを解く鍵になると
思われる大きな成果をあげた。
精子を使わず、卵子2つから確実にマウスを誕生させることに成功。

ほ乳類では、雄の精子と雌の卵子が受精して、
両者のゲノムからなる2倍体の次世代が誕生する。
子はその遺伝子を、父親と母親から等しく半分ずつ譲り受ける。
ただし、その発生過程では、精子と卵子からの遺伝子が
同じようにはたらくわけではない。
使われない方の遺伝子は、「メチル基」が付加されることで
不活性化されている(メチル化)。
こうした遺伝子の発現調節は、「ゲノムインプリンティング」とよばれ、
発生学の重要な研究テーマに。

「精子と卵子のゲノムインプリンティングが、いつ、どのように成立し、
個体の発生にどう影響しているのかを検討したいと考えた」。
研究を進めるには、卵子の遺伝子だけから発生するマウス(二母性マウス)を
作ってみるのがよいと確信、
卵子(卵母細胞)と精子のゲノム中で、どのような遺伝子が
インプリンティングされているかを調べ、
卵子のパターンを「精子のパターン」に変換するシステムを開発。
「マウスの未成熟な卵母細胞のゲノムを精子のパターンに変換し、
それと成熟卵子の細胞を融合させて、13.5日まで胚発生させることに成功」。

精子のパターンに変換した未成熟卵母細胞のゲノム中で、
7番染色体のメチル化領域(父性メチル化インプリント領域)を欠損させると、
成熟卵子と細胞融合させた際の成長率が高まることを突き止め、
2004年に第1号の二母性マウスを誕生させることに成功。
「日本人なら誰でも知っている女性の名前で、
ロマンを感じさせるものをと考え、かぐや(KAGUYA)と名付けた」。

2007年には、7番染色体とともに12番染色体の父性メチル化インプリント領域を
欠損させると、ほぼ確実に個体にまで発生させることが可能に。
「生まれた二母性マウスはやや小ぶりだが、生体機能はまったく正常で、
通常の交配で子どもを産めることも確認」。
現在までに、27匹が誕生しているという。

インプリンティング遺伝子は200以上もあると考えられ、
精子側(精子アレル)と卵子側(卵子アレル)から発現する遺伝子が、
それぞれ約40ずつ明らかに。
「インプリンティングがなぜあるのかは不明だが、
単為発生を防ぐことで母体を保護している可能性などが考えられる」。

ヒトでは、インプリンティング遺伝子の異常による疾患が多く知られている。
今回の成果は、インプリンティングの制御機構の理解を促すだけでなく、
疾患の解明や治療法開発の糸口にもなりうる。
「ヒトに応用することは許されないし、技術的にも全く不可能」。
ただし、一連の研究が再生医療や不妊治療の基礎的な情報を提供しうる。
謎の尽きないテーマに、どこまで迫ることができるか?

http://www.natureasia.com/japan/tokushu/detail.php?id=53

2007年10月21日日曜日

女性の腹囲は80センチを基準に メタボ診断で、東北大発表

(共同通信 2007年10月19日)

東北大大学院薬学研究科の今井潤教授らのグループは、
メタボリック症候群の診断基準になっているウエストサイズ(腹囲)について
「男性87センチ、女性80センチが適切な基準値」と発表。

厚生労働省は、腹囲が男性85センチ以上、女性90センチ以上で、
さらに高脂血、高血圧、高血糖の2つ以上に当てはまるかを基準に。
女性の腹囲を男性よりも大きく設定していることには、異論も出ていた。
研究グループは、「女性の腹囲は引き下げが必要ではないか」と指摘。
日本高血圧学会で発表する予定。

2000-06年にかけて、岩手県花巻市大迫町の男女約400人(平均63歳)に
健康診断を実施。血圧などの健診データを分析し、
メタボリック症候群の該当者を見つける上での最適な腹囲の値を導き出した。

現行の診断基準は、日本高血圧学会などが作成、05年に発表。
その後、国際糖尿病連盟が「男性90センチ、女性80センチ」を
発表するなど諸説出ている。

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=58284

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現行の、「男性85センチ、女性90センチ」というのは、
どうもピンとこないですね。
なぜ、体格の小さい女性の方が男性よりも5センチ大きいのか?
女性の方が脂肪量が多いことは確かですが。
まあ、基準は今後も変わりうる可能性がありますが、
少なくともウエストが85センチというのは、
スポーツ選手でない限り、メタボリック症候群の危険性が高いことは
確かですね。私もそろそろやばい・・・。

血液検査で早期診断 アルツハイマー病で米研究

(共同通信 2007年10月16日)

アルツハイマー病の初期症状や将来の発症について、
血液検査で診断・予測する方法を発見したと、
米スタンフォード大などの国際チームが発表。

アルツハイマー病は、健忘症状などを初期症状とするが、
初期段階や発症前の診断は困難。
早期診断に成功すれば、進行を遅らせる治療が効力を発揮する可能性が。

チームは、脳が信号を伝達するタンパク質の放出を通じて
体の機能を制御していることに着目。
信号伝達に関する既知のタンパク質120種類について、
アルツハイマー病患者とそうでない人の血液試料を調べたところ、
患者には18種類のタンパク質が多く含まれていることが判明。

これら18種類のタンパク質を指標に、92人の血液を調べると、
約90%の確率で患者かどうかを判別できた。
軽度の健忘を示した47人を追跡調査した結果、
約80%の確率で、2~6年後の発症を予測。
さらに症例を増やして、数年後の実用化を目指すという。

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=57900

2007年10月17日水曜日

2型糖尿病のヘモグロビンA1C目標値に関する新ガイドラインを発表

(MDMedscape Medical News 9月17日)

米国内科学会(ACP)は、
2型糖尿病患者のヘモグロビンA1c目標値に関する指針を発表。
『Annals of Internal Medicine』9月18日号に掲載。

ACPのAmir Qaseem, MHAとACP臨床的有効性評価分科会の委員らは
「この指針は、他団体のガイドラインから抽出抜粋したもので、
現在あるガイドラインの長所と短所を評価した上で作成」。

「様々なガイドラインの評価では、
Appraisal of Guidelines, Research and Evaluation in Europe(AGREE)
評価ツールを使用した」。
ガイドラインでは、ヘモグロビンA1c目標値を推奨しているかどうかに加え、
ヘモグロビンA1c目標値の選択でも異なる。

米国家庭医学会のガイドラインを除くすべてのガイドラインが、
目標ヘモグロビンA1cを明記。
目標値として、7%前後のヘモグロビンA1cを推奨していたが、
微小血管及び大血管合併症のリスク、寿命、併存疾患の状況など
個々の患者の因子に基づいてヘモグロビンA1c目標値を
調整することを推奨したガイドラインも。
特殊な患者の場合、ヘモグロビンA1c目標値を個別に設定する点では、
レビューしたすべてのガイドラインが一致。

ACP委員会は、現在あるガイドラインを検討後、3つの声明を発表。

声明1:糖尿病の微小血管合併症を予防するため、
血糖コントロール目標値は可能な限り低く設定すること。
ただし、過剰な有害事象リスクや、許容できない負担を患者に与えない。
治療目標を立てる前に、血糖コントロール値のリスクと利益を話し合う。

ヘモグロビンA1c 7%未満が妥当であるが、すべてに適用されるわけではない。
高齢または虚弱患者、コントロールによる有害事象のリスクが高い患者、
併存疾患から実質上余命が短い患者に対しては、
ヘモグロビンA1c目標値を7%以上にしなければならない場合も。
微小血管合併症のリスクが高い患者では、
より厳しい目標値の設定が必要。

声明2:糖尿病合併症のリスク、併存疾患、寿命、患者の好みを
個別に評価した上で、特定のヘモグロビンA1c目標値を決定する。

声明3:ACP委員会は、特に重大な併存疾患を有する患者における
最適な血糖コントロール値の評価研究を実施することが好ましい。
「特に別の併存疾患を持つ患者では、
様々な血糖コントロール値の利益と害を把握することがまだ難しい」

「血糖コントロールはもちろん重要であるが、
血圧および脂質の管理も糖尿病合併症の予防に不可欠。
さらなる研究によって、年齢の異なる患者や併存疾患を有する患者、
実際の診療でよくある代表的患者集団の最適な血糖コントロール値が
明らかになれば、またひとつ糖尿病管理の重要な指針が増えることに」。

Ann Intern Med. 2007;147:417-422.

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=SPECIALTY&categoryId=580&articleLang=ja&articleId=55883

2007年10月11日木曜日

パソコンネコ登場?!


(毎日新聞 2007.10.11)

ネコの習性?
ダブルクリックもお手のもの?

ニューヨークで開かれる「第5回ネコチャンピオン決定戦」を前に、
報道陣にお披露目されたのは・・・「パソコンネコ」。

ネコだけに、マウスは手放そうとしなかった。

ノーベル化学賞にゲルハルト・エルトゥル教授

(毎日新聞 2007.10.10)

2007年のノーベル化学賞を、
世界に先駆け固体表面の化学反応を原子・分子レベルで
動的にとらえたドイツのマックス・プランク財団フリッツ・ハーバー研究所の
ゲルハルト・エルトゥル教授(71)に授与すると発表。
この日は同教授の誕生日だった。

授賞理由を、「同教授は、固体表面の化学反応の研究を進め、
その研究成果は半導体産業の発展に寄与するとともに、
オゾン層破壊の解明にも道を開いている」。
固体表面の化学反応とは、鉄のさびや金属触媒などの反応を指す。

1960年代から金属表面の原子・分子の吸着現象を
解明する研究に取り組んだ。
一酸化炭素の酸化反応で、触媒に使った金属の表面が
一酸化炭素と酸素の結合により構造変化を繰り返す
「金属結晶表面原子の再配列現象」を解明。
この結果、固体表面の研究に新しい流れをもたらし、
材料界面の研究分野を大きく発展させた。
92年には第8回日本国際賞を受賞。

http://sankei.jp.msn.com/culture/academic/071010/acd0710102017003-n1.htm

2007年10月10日水曜日

ノーベル物理学賞に「巨大磁気抵抗効果」の2博士

(毎日新聞 2007.10.9)

スウェーデン王立科学アカデミーは、2007年のノーベル物理学賞に、
小型大容量ハードディスクの開発を可能にした「巨大磁気抵抗効果(GMR)」
を発見したフランスのパリ南大学のアルベール・フェール教授(69)と
ドイツのユーリヒ固体物理研究所のペーター・グリュンベルク博士(68)の
2人に授与すると発表。

授賞理由について、「GMRを利用して開発された磁気ヘッドによって
ハードディスク(金属製の磁気ディスクを使った記憶媒体)の小型化、
大容量化が可能になり、ノート型パソコンや携帯音楽機器などに
幅広く役立っている」と説明。

GMRは、わずかな磁界を加えるだけで電気抵抗が大きく変化する現象。
2人は、鉄とクロムの層で人工磁性格子をつくり、
外部磁場により電気抵抗を測定、1988年、それぞれGMRを発見。
それからわずか10年で、GMRを活用し
ハードディスクの記録容量は飛躍的に増加。
90年代初めに、数十メガバイトだったノート型パソコンの
ハードディスク容量は現在、標準タイプで100ギガバイト
(1ギガバイトは1000メガバイト)程度まで向上。

http://sankei.jp.msn.com/culture/academic/071009/acd0710092040003-n1.htm

ノーベル医学生理学賞、米英3氏が受賞 遺伝子操作原理を発見

(毎日新聞 2007年10月9日)

07年のノーベル医学生理学賞を、
米ユタ大のマリオ・カペッキ教授(70)と
ノースカロライナ大のオリバー・スミシーズ教授(82)、
英カーディフ大のマーチン・エバンス教授(66)の3氏に授与すると発表。

授賞理由は、「マウスの胚性幹細胞(ES細胞)を使って
特定の遺伝子を改変する原理の発見」。

その結果、マウスの特定遺伝子の働きを止めたり、
別の遺伝子で置き換える「ジーンターゲティング」が可能となり、
さまざまな遺伝子の働きが明らかに。
がんや糖尿病をはじめとする病気の解明や治療法開発に役立っている。

授賞式は12月10日にストックホルムで開かれ、
賞金として1000万クローナ(約1億8000万円)が贈られる。

エバンス氏は81年、さまざまな細胞に分化することができ、
万能細胞とも呼ばれるES細胞をマウスで作り出した。
哺乳類では初の成功だった。
スミシーズ氏とカペッキ氏はそれぞれ、染色体上にある遺伝子を
別の遺伝子で置き換える手法を開発。
スミシーズ氏はこの手法を使い、貧血や動脈硬化のモデルマウスを作成。

カペッキ氏は、マウスのES細胞を活用することで、特定の遺伝子を失った
「ノックアウトマウス」を効率よく作成する方法を確立。
カペッキ氏は96年に京都賞を受賞。

現在では、1万個以上のマウスの遺伝子の操作が可能になった。
その数は哺乳類の遺伝子のほぼ半数に達し、
500種類以上の病気のモデルマウスが作られている。

「ノーベル賞を受賞した研究を最初からそばで見ていたので、本当にうれしい」
スミシーズ教授の妻で共同研究者の前田信代・米ノースカロライナ大教授(58)は
「とても名誉なこと」と喜びを語った。

前田さんは、東北大で博士号を取得した後の82年に渡米、
ウィスコンシン大でスミシーズさんと知り合った。
その後、結婚し、二人三脚で研究を続けてきた。
前田さんが、特定の遺伝子を壊して病気にしたノックアウトマウスを使って
動脈硬化に関係する遺伝子の研究をした時期は、
スミシーズさんが「じゃあ僕は高血圧を調べよう」と提案、互いの研究を補った。

スミシーズさんは今も毎日、研究室で
「学生たちに刺激を与えるディスカッションをしている」という。

◇各分野の基礎に--八木健・大阪大大学院生命機能研究科教授

3人が開発した遺伝子ターゲティング技術は、
特定の遺伝子が働かないマウスを人為的に作り、
個々の遺伝子の機能を個体レベルで突き止めることを可能にした。
現在は免疫研究や、がん研究、脳研究など各分野で活用され、
研究の基礎になっている。

私は、遺伝子を働かなくした細胞を効率よく選ぶ手法を開発したが、
基本的な考え方はカペッキ氏が示しており、いわば二番せんじ。
私の研究が惜しかったとは思っていない。

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=57273

2007年10月7日日曜日

日本一の早寝早起きは青森県民

(毎日 2007.9.29)

日本一早寝早起きは青森県民、全国で一番家事をする男性は徳島県民
総務省の「平成18年社会生活基本調査」から、こんな県民性が明らかに。

調査は、無作為に選ばれた全国約8万世帯の10歳以上の世帯員
約18万人を対象に、昨年10月に実施。

都道府県別の平均起床時刻は、青森が一番早く午前6時22分、
一番遅いのは東京の午前6時52分。
就寝時刻も青森が一番早く午後10時32分、
逆に一番の“宵っ張り”も東京で午後11時40分。

睡眠時間は、秋田と山形が8時間5分、青森が8時間2分、岩手が8時間。
東北の県民が寝る時間をたっぷり取ることが分かった。
最短が、神奈川で7時間31分、千葉が7時間33分、東京と奈良が7時間36分。

男性が家事に携わる1日当たりの時間は、
徳島が最長の44分、長野の43分、岐阜、山口、高知の42分。
最下位は佐賀と香川の33分、次いで青森、石川、京都、大阪の34分。

女性の家事の時間は、奈良が最も長く243分、神奈川の234分、
埼玉と京都の230分、兵庫の229分。
最下位は青森の191分で、次いで秋田、山形、熊本の193分。

矢野真和・昭和女子大学人間社会学部教授は、
「日本人の睡眠時間は、先進国の中で一番短い。
働き過ぎの影響が出ており、とりわけ都市部ではその傾向が強い。
神奈川や千葉は通勤時間が長いので、睡眠時間を削っていることが考えられる」。

男性が家事にかける時間については、
「(日本は)世界で一番短い。他県の男性より長いからと言って、
ほめられる話でもない」。

http://sankei.jp.msn.com/life/trend/070929/trd0709291800012-n1.htm

鍼治療で効果 難治性疾患「ジストニア」

(毎日新聞 2007.9.26)

脳の神経系の何らかの障害によって、筋肉が不随意に収縮を続け、
身体にねじれやゆがみが生じて自分の思い通りに動かなくなる
難治性疾患「ジストニア」。

原因が未解明のうえ、個々の症状の違いが大きく、
治療も対症療法しかないのが現状。

関西医療大学神経病研究センターの鈴木俊明教授が開発した
理学療法と経絡、経穴(ツボ)の概念を組み合わせた鍼治療法が、
静かな広がりを見せている。

「ジストニアは、中枢神経系の障害に起因する運動異常症の症候名。
その症状は、首が傾く頸部ジストニア(斜頸)や、
文字を書こうとすると手が震える書痙など異常な姿勢や動きとして現れます。
しかし、MRI(核磁気共鳴診断装置)でも異常がみられず、診断も非常に難しい」。

鈴木教授が、ジストニアへの鍼治療に関心を抱いたのは十数年前、
頸部ジストニア患者の劇的な改善を目にしたことから。

頸部ジストニア患者への鍼治療を、神経内科医、鍼灸師とともにスタート。
その効果を、臨床症状評価と筋電図学的評価から証明する
治療システムを作り上げた。
臨床症状評価は、疼痛評価など5項目で、筋電図学的評価と総合し、
筋肉の過剰収縮や不随意運動などの一次的障害と、
筋肉・皮膚の短縮や疼痛などの二次的障害を把握。
それに応じた鍼治療を行う。

治療は、刺入深度5ミリの鍼を刺したまま留める置鍼法で、
筋緊張抑制を目的とする場合は5分間、
筋緊張促通を目的とする場合は10分間が基本。

頸部ジストニア患者32人(男性17人、女性15人、平均年齢40・8歳)を対象に、
置鍼治療10回目に効果を検討した結果、
疼痛評価や自覚的評価などの改善が顕著で、副作用もなかった。
「当時、本学にこられる前に全員が薬物治療を受けており、
MAB治療やボツリヌス治療、外科手術を併用していた人も。
他の治療法で症状の改善がなかった人も、鍼治療の効果が期待できます」。

国内には約2万人の患者がいると推定。
発症要因は遺伝性、外傷性、肉体的・精神的ストレスなどさまざま。
職業性ジストニアとして、ピアニストやギタリストなどで
手に痙攣が起きて、演奏できなくなる奏楽手痙なども。

「ジストニア友の会」の佐藤治子副理事長は、
「ジストニアは本来、神経内科を受診すべき疾患。
治りにくい病気ですが、早期発見と正しい治療で完治、症状改善の可能性はあります。
西洋医学的な手法と鍼治療の併用で、より効果のある治療になれば」。

http://sankei.jp.msn.com/life/body/070926/bdy0709260847000-n1.htm

2007年10月6日土曜日

血管年齢:あなたは? 動脈硬化の進行度で簡単測定

(毎日新聞 2007年9月21日)

健康診断でコレステロール値が低いなど、高脂血症に関する数値が
正常範囲だからといって、安心しきってはいけない。
コレステロール値がそれほど高くなくても、動脈硬化が進んでいる場合が。
動脈硬化の進行具合が分かる“血管年齢”を知っておくことは、
生活習慣病の早期発見に役立つ。

血管は年齢とともに硬くなるが、硬くなったからといって自覚症状があるわけではない。
このため、健康そうに見えても、知らぬ間に動脈硬化が進み、
ある日突然、心臓発作で倒れるケースも。
こうした心筋梗塞や脳梗塞などの引き金になるのが動脈硬化。

動脈硬化は、血管の内壁に脂質などがたまって血液の通り道が狭くなり、
弾力性がなくなる状態をいう。
動脈硬化を促す主な危険因子は、高脂血症、高血圧、糖尿病、喫煙の四つ。
ほかにストレス、睡眠不足、肥満、運動不足なども。
こうした要因を持っている人に役立つのが動脈硬化検査で、
最近は硬化の進み具合を測ってくれる病院が増えてきた。

高沢謙二・東京医科大八王子医療センター循環器内科教授は、
指先の脈波を測る「加速度脈波計」で患者の血管年齢を推定し、
健康アドバイスを行っている。

脈波とは、心臓が収縮と拡張を繰り返しながら送り出す血液が、
全身の血管壁で跳ね返ってできる波形のこと。
高沢さんは、その波のパターンによって血管年齢を推定する方法を編み出した。
患者はベッドであおむけになり、人さし指をセンサーに入れるだけ。
5分ほどで波形のプリントが出る。
「血管年齢が実際の年齢より11歳以上高い場合には、
動脈硬化が進んでいる疑いが強い」。

高血圧や高脂血症などの危険因子がない人でも、血管年齢が高いことも。
「この場合には、薬を飲むほど重症ではないので、
よく歩くなどライフスタイルの改善で対処できる」。

一方、血管年齢がセーフでも、いくつかの危険因子をもっていれば、
いずれ動脈硬化が進む可能性は高い。
「たばこを吸えば、間違いなく血管年齢は上がる。
予防の基本は危険因子を減らすことだ」。

◇頸動脈、厚さ1ミリ超は要注意


動脈硬化検査には、首の頸動脈の内壁の厚さ(IMT)を超音波で測るエコー検査、
動脈を伝わる脈波速度(PWV)を測る方法などがある。

松尾汎・松尾循環器クリニック院長は、
エコー検査などを治療や予防に役立てている。

頸動脈は、全身の血管の様子を映す窓だ。
エコー検査は、頸動脈の厚さをはっきりと見ることができ、
しかも服を着たまま簡単に測れる。
頸動脈の内壁の厚さは年齢とともに厚くなるが、
一般的に厚さが1ミリを超えると要注意で、
将来心筋梗塞などになる確率が高くなることを意味する。
逆に、内壁の厚さが0・9ミリ以下なら、コレステロール値が高めでも、
動脈硬化の進行度は遅いと判断できる。

「コレステロール値が高い、糖尿病、高血圧など危険因子を一つ持っていて
喫煙をする人は一度、動脈硬化検査を受けた方がよい」。

同じエコー検査でも、病院によって頸動脈のどの部分をどう測るかは異なる。
「どの病院にかかっても、検査結果が比較できるよう測定法の標準化が必要」。

◇ポリフェノールに改善効果
 
高脂血症の薬物治療には、一般にスタチン系薬剤が使われるが、
米国やドイツなど8カ国の臨床試験で、その一つのロスバスタチンが
頸動脈の厚さで測った動脈硬化の初期の進行を抑えることが分かった。

河盛隆造・順天堂大医学部教授(内科学)は
「まだ病気とは言えない初期の動脈硬化でも、
スタチン系薬剤が進展を抑えることが判明した画期的な結果だ」。
日本人でも同様の結果が得られるか、研究に取り組み始めた。

動脈硬化の発症には脂肪の取り過ぎや、野菜、果物の摂取不足も関係。
紅花種子に含まれるポリフェノールが血管年齢を改善することが、
福島県立医科大と味の素などの共同研究で分かりました。
動脈の脈波速度が高めの成人20人(平均年齢37歳)に、
このポリフェノールを4週間摂取してもらったところ、脈波速度が低下。
今後、機能性食品の開発に注目が集まりそう。

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■血管若返りのポイント

<1>高血圧、糖尿病、高脂血症、喫煙の危険因子をもたない
<2>よく歩くなど運動をする
<3>腹八分目に食べ、肥満にならないようにする
<4>自分なりのストレス解消法を考え、ストレスをためない
<5>睡眠不足にならない
<6>脂肪の取り過ぎに注意し、野菜や果物、魚をよく食べ、
    ビタミンやミネラルなどの摂取に努める
<7>脳血流をよくするため、趣味などをもち、常に頭を使うよう心がける

http://www.mainichi-msn.co.jp/kurashi/kenko/news/20070921ddm013100148000c.html

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血管の状態を測定することは、比較的簡易にできます。
なので、血管を調べることで食品摂取や運動の効果を示すことができます。
ポリフェノールが動脈硬化の予防に効果的、というのはいいですね。
ワイン好きの私にとっては、いい口実?ができました。
血管年齢が高くならないように、ワインを飲みながらヘルシーライフを!!

ノルディックウォーキング



(毎日新聞 2007.9.19)

フィンランド生まれの新しいスポーツ「ノルディックウォーキング」。
2本のポールを使って歩くことで、通常のウォーキングに比べ運動強度が高く、
消費エネルギーが2割もアップするのが特徴。
足腰への負担が軽く、中高年も安心して楽しめる。

フィンランドのクロスカントリースキーの選手らが夏場のトレーニングとして、
ポールをもってハイキングやランニングをしたのが始まり。

1990年代後半にその運動効果が発表されると、
年齢を問わず手軽にできるエクササイズとして急速に人気。
欧州を中心に、約600万人の愛好家。
今年1月、日本ノルディックフィットネス協会(仙台市)が設立。
高橋直博事務局長は、「ストックのような専用ポールを地面について
上体を前に押し出しながら歩くので、歩幅が大きくなり、
通常のウォーキングに比べエネルギー消費が約20%上昇。
足腰にかかる負担は、15~25%程度軽減」。

ポールが杖となるので、高齢者にも安全。
下半身だけでなく、二の腕や胸、背中の筋肉もバランスよく鍛えられる。

メタボ対策として、医療関係者も注目。
ウェルネスササキクリニック(東京都板橋区)では、初期の高血圧や
糖尿病患者らを対象に運動療法の柱として、ノルディックウォーキングを導入。
佐々木巌院長は、「通常のウォーキングより短時間で質の高い
全身運動ができるので、忙しい中高年にもぴったり」。

筋力トレーニングなどと組み合わせて、9カ月間運動を続けた
男女19人(平均年齢71歳)の平均腹囲が87センチから84センチに減少。
誰にでも手軽に安全にできるスポーツという認知が高まるにつれ、
病気のリハビリや介護予防、体力増進を目的に導入する
病院や自治体が増えているという。
ノルディックウォーキングで、バランス能力が高まり、転倒予防に効果-
こんな仮説をもとに、60~70歳の女性を対象にした研究もスタート。
東北福祉大予防福祉健康増進センター(仙台市)が、
宮城県山元町の協力を得て実施。
「高齢者は、転倒をきっかけに寝たきりになるケースが多い。
全身のバランス機能の向上で転倒予防につながり、
健康寿命を延ばすことができるかもしれない」。
最近は、体験教室やイベントも各地で開かれている。
「元気学校」(東京都千代田区)校條諭社長は、
「ジョギングなどと違って、会話を楽しみながら歩けるのも魅力。
友人や夫婦でこのスポーツの快感をぜひ体験して」。

2007年10月5日金曜日

アルツハイマー:ワクチン飲んで治す 脳の「老人斑」撃退

(毎日新聞 2007年9月21日)

認知症の代表的な病気であるアルツハイマー病といえば、
不治の病のイメージが強い。
しかしここ数年、治療法につながる有望な研究が進み、
「飲むワクチン」で治る時代が目の前に迫ってきた。
9月21日は、「世界アルツハイマーデー」。

★免疫機能を利用

田平武・国立長寿医療センター研究所長は、
「治療法がここまで進むとは夢にも思わなかった」と、
最近のワクチン療法の進歩を語る。

アルツハイマー病患者の脳に共通して見られるのは、シミのような老人斑。
老人斑の主成分は、神経細胞を殺すアミロイドベータ(Aβ)たんぱく
脳に蓄積して塊となると、神経細胞が次々と死に、記憶障害などが起きる。
治療の焦点は、この老人斑をいかに減らすかだ。

約10年前、突破口を開けたのは米国の研究者。
マウスにAβたんぱくを注射したところ、脳内に抗体ができ、老人斑が減ることを確認。
毒性のないウイルスや細菌を注射して、免疫反応を起こして抗体をつくるワクチンと
同じ手法が、アルツハイマー病の治療にも通用することが明らかに。

99年には米国の製薬会社が、患者約300人を対象に
Aβたんぱくを注射する臨床試験を始めた。
途中で約6%の人に脳炎の副作用が起き、試験は中止。
だが、その後の研究で多くの患者で老人斑が消え、
認知機能の低下が抑えられたことが分かった。

★サルで有効性確認

田平さんらは、「脳炎を起こさないワクチン作り」を目指した。
方法としては、Aβたんぱくを作り出す遺伝子を組み入れた
ウイルスベクター(遺伝子の運び屋)を口から摂取し、腸管で抗体を作らせる。

マウス実験の結果、老人斑は著しく減り、
迷路テストでも認知機能が良くなったことが分かった。
老齢のサルでも老人斑が減った。
いずれの場合も、副作用の脳炎は起きなかった。

「経口ワクチンの将来性を確信した」。
多くの患者から、「経口ワクチンを試したい」との声が届いているが、
日本での臨床試験は安全性のハードルが高い。
田平さんは各種学会で日本の企業にワクチンの開発を呼び掛けたが、
賛同企業は見つからず、手を挙げているのは米国の大学や研究機関。
 
★コメで研究も

「食べるワクチン」を開発する試みも行われている。

独立行政法人・東北農業研究センター(盛岡市)は、
Aβたんぱくを作り出す遺伝子組み換え稲を栽培。
米を食べて、アルツハイマー病を治すのが狙いで、
現在、マウスでの実験を実施。
吉田泰二上席研究員は、「実用化は簡単ではないが、将来性は高い」。

現在、日本で認可されている治療薬は塩酸ドネペジル(製品名アリセプト)だけで、
認知症の進行を遅らせる効果はあるものの、根本的な治療薬にはなっていない。
ワクチン療法は、根本的な治療薬として期待。
田平さんは、「あと数年で治療法の糸口が生まれるところまで来た」と
日本独自の経口ワクチンに期待するが、米国から逆輸入される可能性が高そう。

http://www.mainichi-msn.co.jp/science/medical/news/20070921k0000e040076000c.html

東京五輪招致に強力パートナー “凄腕”PR会社と契約

(毎日 2007.10.3)

東京オリンピック招致委員会は、来年の北京五輪や、
2014年のソチ冬季五輪の招致に大きく貢献した
PRコンサルタント会社「ウェーバー・シャンドウィック・ワールドワイド」
(本社・ニューヨーク)と契約を結んだと発表。
招致委は、同社に国外向けのPR活動をサポートしてもらい、
招致レースを有利に進めたい考え。

シャンドウィック社は、82カ国に拠点を置く世界最大規模のPR会社。
北京五輪招致の際は、課題とされた人権問題によるマイナスイメージを
払拭することに成功しており、広報戦略には定評がある。

招致委は7月にも、2014年冬季五輪招致に成功したソチ(ロシア)が
契約していた英国の五輪専門コンサルタント「ジョン・ティブス・アソシエーツ」と契約。
この両社は、ソチへの招致活動でも“タッグ”を組んでおり、
東京にとっては強力な援軍となりそうだ。

シャンドウィック社の日本オフィスは、
「国際社会での東京の存在感は大きい。昭和39年の東京五輪の
“レガシー”(遺産)を活用できるので、開催都市として非常に魅力的」と高く評価。

http://sankei.jp.msn.com/life/trend/071003/trd0710032107007-n1.htm

“健康長寿世界一”の復権目指しアクションプラン 沖縄県が年度内に策定へ

(じほう 2007年9月21日)

沖縄県は、長寿県としてのイメージが強い。
海に囲まれた温暖な風土とバランスのとれた食事、穏やかな県民感情
といった印象が、長寿のイメージを補強しているが、
実は健康長寿の実態は崩れ始めている。

2002年(2000年版完全生命表)の都道府県別平均寿命では、
女性は1位を維持したものの、男性は26位に転落。
1995年は男性は4位だったが、7年後には一気に順位を下げた。
女性も、05年版では1位から滑り落ちるとの見方が有力。

02年の発表は、沖縄では「26ショック」という言葉を定着させ、
県民に大きな衝撃を与えた。
同県の医療関係者には、急速に悪化した心身の健康問題に対する憂慮は深い。

「健康おきなわ2010推進県民会議」を通じて、実効性のある対策づくりが本格化、
12月には具体策を盛り込んだアクションプランが明らかになる見通し。

全国平均を大きく上回る男性の肥満

沖縄県では、県民の肥満傾向が急速に広がっている。
02年、「健康おきなわ2010」を策定、
全国に先駆けて積極的な健康増進政策に乗り出してはいたが、
「26ショック」はあらためて沖縄の健康対策の重要性をあぶり出すものに。

今年7月に出された06年度県民健康・栄養調査結果をみても、
各種の指標には重たい課題がある。
特に若い人の脂肪エネルギー摂取は、全国の状況を先取りした感もあり、
沖縄の状況は多くの示唆を投げかける。

沖縄県の男性の平均余命は、年齢が若くなるにつれて下位に。
65歳以上で1位なのに、0歳では26位に転落。
長野県が各年代で上位を占めるのとは対照的。
女性は、各年代にわたって1位を維持しているが、
若くなるにつれて差が縮小する傾向がみられる。

この要因がどこにあるかを推定するには、
若い世代の肥満の状況をみるとわかりやすいが、
沖縄県は同時に自殺や事故といった死亡原因も高い。
若年世代の「太りすぎ」が要因の第1だとしても、
本土との経済格差、雇用問題など複合する問題も大きい。

ここではBMIを中心に、身体的健康状況に焦点を当ててみる。

昨年6月、「健康おきなわ2010」の中間評価をまとめた。
危険因子について、「肥満傾向に焦点を」と呼びかけられ、
健康政策の最大のテーマが「肥満対策」にあることが明確。

06年度県民健康・栄養調査結果では、
成人の肥満の状況が第1にクローズアップ。
これは、国に先駆けて、1年前倒しでの発表。
県民の意識向上に向けて、行政も含めた、強い危機意識を象徴。

男性は、各年代でBMI25以上の割合が全国平均を上回る。
女性も、20代と40代以上で全国平均を上回る。
男女ともに、70代以上ではBMI25以上が5割を超え、
全国平均と大きな落差をみせている。
男性の肥満傾向は大きな課題だ。

どうしてこのような状況が生まれるのか?

生活文化、食文化に独自の要因があることは明らか。
BMI平均値(15歳以上)は、それほど変化していない。
県民健康栄養調査結果からの比較では、男女ともに10ポイント以上低下し、
ここ10年間ほどは改善の兆候がみえる気配はある。

しかし、「健康栄養調査結果は客体数が少なく、直ちに改善があったとはいえない。
健診データを見る限り、肥満傾向は改善していないか悪化している」
と厳しい警戒を示している。

全国の改善状況を下回る循環器疾患死亡

沖縄県の疾病構造にどのような影響を与えているだろうか?

「健康おきなわ2010・中間評価報告書」は、
沖縄県と全国との平均寿命の差が縮小した最も大きな要因は、
心疾患、脳血管疾患の死亡率の低下が全国に比較して小さい。
全国の死亡率は、脳血管疾患が減少して、がんが死亡原因の第1位。

03年の沖縄県の人口10万対脳血管死亡率は、
男性55.6、女性28.4(全国男性66.5、女性39.2)だが、
脳出血死亡率は男性20.9、女性10.5(同19.7、9.8)、
虚血性心疾患は男性45.6、女性18.0(同43.1、19.6)、
心筋梗塞死亡率は男性34.6、女性12.8(同27.2、12.6)。
いずれも時系列的には減少がみられるものの、
脳出血、心筋梗塞はすでに全国平均を上回っている。

糖尿病も深刻な状況だ。
死亡率は全国的にもワースト2で、時系列的には70年代には
人口10万対5-7で、全国の9-12を大きく下回っていたが、
90年代以降は8-10となり、全国平均を上回っている。
90年代は50歳以上世代で、70年代の死亡率の2倍となる傾向も。

高血糖者の増加も著しく、特に40-60代の男性では
99年から03年までの間に、各年代で5000人ずつ増加。

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=55444

2007年10月4日木曜日

食欲抑制脳内物質:骨密度もコントロール 骨粗しょう症治療、新薬に道

(毎日新聞 2007年9月17日)

食欲を抑制する働きがある脳内物質「ニューロメジンU(NMU)」が、
骨密度の増減もコントロールしていることを、
竹田秀・東京医科歯科大特任准教授(骨代謝)らの研究チームが発見。

新たな骨粗しょう症治療薬の開発につながる可能性があり、
米医学誌「ネイチャー・メディシン」電子版に掲載。

竹田特任准教授らは、正常なマウスとNMUを持たないマウスの骨密度を比較。
NMUを持たないマウスは正常マウスより、
骨密度が腰椎で約24%、脛骨で約29%高かった。

NMUを持たないマウスの脳にNMUを投与すると、
腰椎の骨密度は約20%減少したが、
骨のもとになる「骨芽細胞」に直接NMUを投与しても変化はなかった。
NMUが脳の中で作用すると、骨芽細胞になんらかの信号が送られ、
骨の生成が抑制されると考えられるという。

竹田特任准教授は、「NMUが作用しないようにする薬が開発できれば、
骨密度を増加させることができるのではないか」。

http://www.mainichi-msn.co.jp/science/medical/news/20070917ddm003040137000c.html

認知症簡易問診サイト「ケータイで家庭のお医者さん」がオープン

(Yahoo!ニュース 9月18日)

エイチ・ツー・オー綜合研究所は、ナレッジゲート株式会社と提携し、
携帯電話で認知症の簡易問診ができる情報サイト
ケータイで家庭のお医者さん」( http://0133.jp/)を開始。

「ケータイで家庭のお医者さん」は、無料の会員登録することで
認知症の予防方法、危険度チェック、対処方法などのコンテンツが
利用できるようになるもの。

危険度チェックでは、2択の12問の質問に応えるだけで
認知症の危険度を診断してくれる。

これらのコンテンツは、日本認知症ケア学会理事長 本間昭医師と、
「こだまクリニック」の理事長木之下徹医師らの監修により製作。
本格的なサービス開始を予定する11月には、
認知症に対応できる医療機関や相談窓口を検索できるサイト
「smilestation(スマイルステーション)」を展開し、
サービス拡大を図る計画。

同社は今後、地域医師会、介護事業者、医療機関、医療関連事業会社、
各メディア事業者と連携を図り、家庭に高齢者を抱える家族などに対し
認知症に関する知識を広め、早期発見を促し利用者の拡大を目指す。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070918-00000028-inet-mobi

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このように、携帯はもっともっと活用範囲が広がりますね。
今回は認知症に関するサービスで、アンケート方式ですが、
今後は血圧、心拍、ストレス度なんかを測定できたらいいですね。

2007年10月3日水曜日

犬小屋の高級化進む おしゃれで快適に

(毎日新聞 2007.9.25)

米国では、ペットをわが子のようにかわいがる飼い主が増え、
犬小屋の高級化も進んでいる。

「ドッグ・ファンシー・マガジン」9月号では、高級な犬小屋を特集。
おしゃれな壁紙が張られ、シャワー室や寝心地の良さそうな
ベッドのある犬小屋などを紹介。

スーザン・チェイニー編集長は、
「豪華な家に住んでいる人は、夜になったからといって、
かわいいペットを鉄のおりの中に入れることできない」
と犬小屋にお金をかける飼い主の気持ちを分析。

インディアナ州インディアナポリスに住むアマンダ・ランツさんは、
黒いトイ・プードルを飼っている。
名前はロキシー。

ロキシーの“家”の広さは縦3フィート(約90センチ)、横6フィート。
天井にはシャンデリアがあり、150ドル(約1万7250円)で購入した
鉄製のベッドは、ふわふわした人工毛皮で覆われている。

ランツさんのような飼い主のため、
ペット用住居の設計を行うインテリア・デザイナーも増えている。

デザイン事務所「ベラ・クージーナ」(ミシガン州)では、
犬用にデザインした6パターンの部屋を用意。
ペットに快適に過ごしてもらうため、床にはセラミックか石のタイルを使い、
床暖房も入れるタイプもあるという。

デザイナーのフレッド・フロックさんは、
「家の内装を頼まれたときは必ず、『ペットはいるのか』、
いる場合は、『ペットのためにスペースを設ける必要があるのか』を
聞くようにしています」。

http://sankei.jp.msn.com/life/lifestyle/070925/sty0709251951003-n1.htm

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ペット業界は、ますます盛んになりますね。
犬小屋の高級化は今後も発展しそうです。
犬小屋の別荘もできるのでは??
私のアパートよりも環境がよさそうです。。。
今は、「お犬様」の時代ですね。

2007年10月2日火曜日

2つの新規遺伝子が関節リウマチのリスクに関連している可能性

(Medscape 9月5日)

関節リウマチ(RA)のリスクを増大させる可能性がある
遺伝子座および別の遺伝子が詳しく報告。

ヒト9番染色体上に存在する腫瘍壊死因子受容体関連因子1(TRAF1)
補体成分5(C5)はいずれも慢性炎症に関連。

2番染色体長腕(2q)上のシグナル伝達性転写因子4(STAT4)は、
T細胞のシグナル伝達に関与。

米国立関節炎・筋骨格・皮膚疾患研究所(NIAMS)臨床部長のDaniel Kastnerは、
「ヒトゲノム中の多数の有力な候補のうち、どれが自己免疫・炎症性疾患に
対する感受性をもたらすのかを検討するため、
特定遺伝子座における特定対立遺伝子と変異の関連を利用した」。

TRAF1-C5:ゲノムワイド研究

ゲノムワイド研究は、RA患者1,522例およびマッチした対照1,850例を対象とし、
North American Rheumatoid Arthritis Consortium(NARAC)および
Swedish Epidemiological Investigation of Rheumatoid Arthritis(EIRA)の
データセットを使用。

患者は、抗環状シトルリン化ペプチド(CCP)に対する自己抗体陽性。
297,086の一塩基多型(SNP)を解析し、
「疾患との有意な関連」を示したSNPについては、
患者997例および対照1,777例において遺伝子型を特定。

9番染色体上のSNPは、すべてのサンプルにおいてRAに関連。
この領域には、慢性炎症に関連する遺伝子TRAF1、C5が含まれていた。

Robert S. Boas Center for Genomics and Human Genetics at the Feinstein Institute for Medical Researchセンター長である
Peter K. Gregersenは、「TRAF1は、腫瘍壊死因子[TNF]受容体を
介したシグナル伝達の阻害に関与しているので、非常に有力な候補。
また、TNFがRAの非常に重要な病因であることは明らか」。
RA治療を目的に開発された生物学的製剤の大部分は、TNF阻害薬。
また、C5切断が炎症性化合物を生成し、C5欠損マウスは炎症性関節炎に罹患しにくい。

STAT4:連鎖研究

RAリスク遺伝子を含む可能性が高い、2番染色体長腕上の領域を同定。
「精密マッピングを行った結果、STAT4がこの領域の主要遺伝子である」。

染色体2q領域内の13候補遺伝子の周辺にあるSNPに焦点。
RA患者1,620例および対照2,635例を対象としたSNP初回解析により、
領域を絞り、さらにRA患者1,529例および対照881例を詳細に検討。
また、全身性エリテマトーデス(SLE)患者1,039例および対照1,248例において
関連SNPを検討した結果、STAT4の1つのSNPが、
RAおよびSLEの両疾患に関連していることが判明。

マイナー(疾患関連)対立遺伝子は、
RA患者の染色体の27%、対照群の染色体の22%に存在。
SLE患者の染色体の31%、対照群の染色体の22%に存在。
リスク対立遺伝子がホモ接合体である場合、
この対立遺伝子がない場合と比較して、SLEの発症は2倍以上、
関節リウマチのリスクは60%増加。

「STAT4は、T細胞および他の免疫系細胞のシグナル伝達に
深く関与しているので、とりわけ興味深い。
インターロイキン2や1型インターフェロンを含むSTAT4経路が、
関節リウマチや全身性エリテマトーデスの発症機構に直接関与する」。

STAT4は、RAおよびSLEの両方に関連しており、
このことは、別のRA関連遺伝子PTPN22でみられる傾向
(1つの遺伝子が2つ以上の自己免疫疾患に関与している可能性)を裏付け。

さらに遺伝子が見つかる?

Gregersen博士は、さらに3~5のRAリスク関連遺伝子が見つかると予測。
「1型糖尿病のリスク遺伝子は、現在、約10~20見つかっているが、
RAについても同じことが起こるであろう」。

現在のところ、RA関連遺伝子は、
TRAF1-C5、STAT4、PTPN22、HLA領域、シトルリン化の制御遺伝子PADI4
(peptidyl arginine deaminase 4)の5つ。

RAの血液検査では、抗シトルリン抗体(抗CCP抗体)の検出を実施。
PADI4とRAの関連は、アジア系集団で明確だが、欧州系集団では不明確。
「この酵素には、5~6種類のサブタイプがあり、1番染色体の先端にある。
PADI4は、蛋白質中のアルギニンをシトルリンに変換する酵素で、
シトルリンが抗体の標的となる」。
抗CCP抗体は、診断ツールとして認識が高まっており、
最近では韓国人集団において同じSTAT4結果が得られた。

東京大学大学院医学系研究科アレルギー・リウマチ学の山本一彦、
東京大学医科学研究所ゲノム機能解析分野の山田亮による『NEJM』の論説は、
「さまざまな祖先の」集団を研究対象とすることの重要性を強調。

「PADI4の機能は、RA特異的自己抗体産生に密接に関連しており、
遺伝的変異と機能差の機能的関係を明らかにするために、
複数の分子生物学的研究が実施されている」。

「PADI4蛋白の増加によって、[自己]抗原のシトルリン化が促進され、
その結果、関節リウマチの最も特異的なマーカーである
抗シトルリン化ペプチド抗体が増加」。

RA関連変異は、「増加する集団もあれば増加しない集団もあり、
地域環境と相互作用して、疾患感受性に影響を及ぼすこともある。
現在、非欧州集団のデータは不十分であり、
ゲノムワイド関連研究時代におけるテーラーメイド医療は、
多くの民族のデータを含めた臨床研究が必要」。

研究室から臨床へ

ゲノムワイド研究と連鎖研究によって、RA遺伝学に関する情報が集められているが、
医療にはどのような影響が及ぶのか?

Gregersen博士は、「この情報の使用は、
疾患の病因に関与する経路を見抜くためには非常に重要」。
STAT4阻害マウスモデルの治療成功に言及した。

多数のRAリスク遺伝子をもつ患者は、同定できる可能性がある。
自己抗体検査と組み合わせて、リスクが非常に高い患者を同定できれば、
何らかの予防を行うことが可能に。
「抗体を有する人は非常にリスクが高く、将来RAを発症するリスクは20~30倍高い。
遺伝情報を利用することで、予測可能性を改善し、
リスクが高い人を疾患発症前に同定することができる」。

「薬剤に対する個人の反応性を予測するバイオマーカーを探索する
多くの研究が行われている。これらの遺伝学的所見によって、
患者をよりよく特徴付けることが可能になる」。

N Engl J Med. TRAF1-C5 study and editorial published online September 5, 2007. STAT4 study: 2007;357(10):977-986.

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=SPECIALTY&categoryId=580&articleLang=ja&articleId=54633

磁石は疼痛を緩和しない

(WebMD 9月24日)

磁石は、関節リウマチや線維筋痛の疼痛を緩和しない。

疼痛緩和用磁石は数十億ドル産業であり、腕や脚のベルト、
マットレスパッド、ネックレス、靴の中敷き、ブレスレットなどに埋め込まれている。
疼痛の緩和を目的に市販され、慢性関節リウマチ、変形性関節症、線維筋痛症を
有する人の28%ほどが、磁石や銅製ブレスレットを装着。
しかし、疼痛緩和用磁石が使われる一因となっている
誇大広告を証明するには至っていない。

このレビューでは、被験者を疼痛緩和用磁石またはダミー製品に
ランダムに割り付けた疼痛緩和用磁石に関する既報9報が分析。
分析された研究は、標準的尺度で疼痛緩和効果を評価したもの。

その結果、磁石治療群とプラセボ群の疼痛緩和度に有意差はない。
同研究を行ったペニンシュラ医科大学(イングランド)のMax H. Pittlerらは、
疼痛への有効な治療法として磁石を推奨することはできない。

唯一、変形性関節症だけは、磁石による疼痛緩和効果の可能性が
エビデンスにより否定されなかった。
Pittler博士らは、この分野における研究がさらに必要である、と。

Pittler, M. Canadian Medical Association Journal, Sept. 24 2007.

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=SPECIALTY&categoryId=580&articleLang=ja&articleId=56372

********************

私たちの研究室でも、この手の研究をしましたが、
あまりいい結果は得られませんでした。
それでも、その磁気ネックレスは市販されていました。。。
エビデンスは得られませんでしたが、
はたして何かの効能があるのかもしれません。

2007年10月1日月曜日

理系白書2007:番外編 博士の就職難問題 企業との溝、埋まらず

(毎日 2007年9月12日)

大学院で博士号を取得し、深い専門知識を身に着けながら、
安定した職につけないケースが増えている。
7月の参院選公約で、この問題を取り上げる政党が現れるなど
「博士の就職難」がようやく社会的に認知され始め、
大学や学会の進路支援も本格化してきた。

しかし、有力な受け入れ先となる企業側との溝は、まだ埋まったとは言えない。
問題に潜む課題と、さまざまな支援の取り組みを探った。

◇「ポスドク」増、05年度1万5496人

「大学で研究を続ける道も考えたが、あまりにもポストが少ない。
それよりも、具体的な製品として社会への貢献が
目に見える企業での研究に魅力を感じた」。

化学メーカーへの就職が内定したポスドク(任期付き博士研究員)の男性(28)は、
有機化学専攻で理学博士号を取り、この春からポスドクとして、
化学反応のメカニズムを探る基礎研究に従事。
企業への就職を考え始めたこの男性は、大学のキャリア支援センターを訪ねた。
そこでの講座を受講し、企業の担当者らからプロジェクトの進め方や
知的財産保護、情報管理などの話を聞いた。
「これまでの大学の授業では聞いたこともない実践的な内容で、とても新鮮だった」。

■背景に国の政策

「博士の就職難」の背景には、90年代の大学院重点化と
「ポスドク等1万人支援計画」という国の政策がある。
ポスドクは順調に増え、05年度には1万5496人に達した。

一方で、大学や公的研究機関の常勤(終身)職の数は、
増加分に追いついていない。
大学関係者の間では、「明らかな失政」との批判が根強い。

企業は、博士採用には消極的だ。
今年2月に、日本経済団体連合会が公表した企業アンケート(回答71社)によると、
技術系新卒採用者のうち博士の占める割合は、3%。
給与・処遇面で博士の優遇措置を取っている企業は4分の1、
「博士の採用を増やしたい」と答えた企業は1割。

理由は何か。
早稲田大ポスドク・キャリアセンターの西嶋昭生教授は、
「企業側から、博士は当たり外れが多すぎる、と言われる」。
専門性にこだわるあまり、柔軟性に欠けたり、他分野の知識や
コミュニケーション能力に問題のあるケースが少なくない。

◇官学が続々支援策

こうした指摘に応え、博士の活躍の場を増やそうと設けられたのが、
九州大や早稲田大の支援センター。

昨年度は7大学と理化学研究所、
今年度は産業技術総合研究所や京都大など4機関が支援事業を始めた。
企業と連携したインターンシップや就職相談会、研究管理職や
起業に必要な能力を開発する教育プログラムなどの支援策に取り組む。

「産業界で活躍できる若手研究者育成」を掲げる早稲田大は、
「化学系ポスドクへの期待」と題するフォーラムを開いた。
西嶋教授は、「今の大学院教育は、研究者養成に偏りすぎている。
大学院で産業界との接点を増やし、学生に刺激を与えたい。
優秀な人ほど大学の外へ出て行く、という環境にしなければならない」。

■「求職マーク」

学会や国でも動きが出てきた。
日本物理学会(会員約2万人)は、キャリア支援センターを始動。
設立記念式典で、センター長に就任した坂東昌子・愛知大教授は、
「単なる就職あっせんではなく、博士号を持った教師の増員や
新しい職業の創生、企業の意識改革にも取り組む」。
ポスドク研修会を全国的に展開する。

応用物理学会(同約2万4000人)は、
発表者が求職中であることを示す「キャリアエクスプローラーマーク」を導入。
希望者は、マークを発表資料に表示したり、身に着けたりし、
企業の担当者がコンタクトを取りやすくするという。
日本化学会(同約3万2000人)は、東京と大阪で初の「博士セミナー」を開く。

一方、文部科学省は来年度、博士と企業を橋渡しする事業を始める。
半年から1年程度、企業との共同研究や商品開発に博士が参加する
プログラムを大学などが作り、派遣費用を国が負担する。
「企業にとっても、優秀な人材をそのまま採用できるメリットがある」(基盤政策課)。

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◇ポスドク

ポストドクトラルフェローの略。
博士号取得後、終身雇用ではなく、任期付きの研究職につく人のこと。
任期は多くが1年更新で、最長3~5年程度。
文部科学省によると、30代前半が46%。女性は21%だが、
40歳以上では27%になる。社会保険加入者は58%にとどまる。

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この問題は、他人事ではないです。
私たちの研究室でも、博士号取得後の進路を決めるのが難しい。
博士のメリットは、その分野におけるリーダーとなれること。
デメリットとしては、融通が利かない、専門分野に偏りすぎること。
大学と企業のコラボレートは、ここ数年前に始まったばかり。
大学と地方とのコラボレートは、まだまだ少ない。
つまり、大学と企業と地方とのコラボレートをどんどん進めることが、
博士の活躍する場を広めることに。
大学では、専門分野だけでなく、ビジネスについても勉強することが大事。
私も、できるだけ幅広い能力を養っていきたいですね。

2007年9月30日日曜日

「第3回JOCスポーツと環境・地域セミナー」開催

(東京オリンピック招致委員会 9月26日)

2016年東京オリンピック招致において、環境」は重要なテーマであり、
JOC、東京都とともに第3回JOCスポーツと環境・地域セミナーを開催。

「環境」は、「スポーツ」「文化」と並ぶオリンピズムの3本柱であり、
平成13年度からJOCではスポーツ環境委員会を設置し、
スポーツ界における環境保全の取組みを推進するため、
活発な啓発・実践活動を支援しています。

今回のセミナーもその一環に位置づけられ、
染野憲治 環境省地球環境局地球温暖化対策課国民生活対策室長と、
水野正人 JOC副会長による基調講演が行われました。

染野室長の基調講演では、地球温暖化の深刻な現状の報告と、
チーム・マイナス6%などの国内の普及・啓発運動が紹介され、
水野副会長の基調講演では、IOCのスポーツ環境委員会の活動や、
オリンピック開催都市における環境の取組みの紹介とともに、
JOCやスポーツ関係者が、環境問題について啓発・実践する役割を担う
必要性を参加者に訴えかけました。

後半は、板橋一太 JOCスポーツ環境専門委員長がコーディネーター、
パネリストとして、基調講演を行ったお二方のほか、
小沼博靖 東京都環境局環境政策部副参事、
平松純子 JOC理事/スポーツ環境専門委員、
武市敬 東京オリンピック招致委員会事務次長が加わり、
パネルディスカッションが行われました。

武市次長から、東京のオリンピック招致計画において
環境を大きく取り上げていくこと、またその取り組みを、
オリンピック終了後にも活かしていくこと。
小沼氏より、オリンピックを招致する2016年に向けて取組みを進めている
東京都の環境政策について説明。
平松理事は、オリンピアンとしての経験を踏まえ、
スポーツを愛する人たちが環境に対する意識を高めることの大切さについて。
それぞれの立場から、地球規模で環境を考え、
身の回りの出来ることから実行する重要性を会場に伝えました。

スポーツ関係者や環境保全活動の関係者、
2016年東京オリンピック招致に関心を持つ人々が集まった会場では、
参加者が熱心に議論に聞き入り、壇上との質疑も活発に行われるなど、
予定の時間を延長し、盛況のうちに終了しました。

http://www.tokyo2016.or.jp/jp/news/whatsnew/infomation/joc3joc.html

携帯電話は一部の救命救急医療機器を妨害する可能性

(WebMD 9月5日)

病院の訪問者に、携帯電話の電源を切るように促している。
その理由は、携帯電話が呼吸器や体外ペースメーカーなどの
救命救急医療機器を妨害する恐れがあるため。

アムステルダム大学のErik Jan van Lieshout, MDらは、
携帯電話を医療機器または病床から少なくとも1メートル(約3.28フィート)は
離しておくことを奨励している。

この指針に従えば「安全と思われる」ものの、
携帯電話が病院の機器に電磁妨害を引き起こす可能性が
完全に防げるわけではない。

患者に接続していない医療機器約61種類の近くで、携帯電話の試験を行った。
この結果、携帯電話は26種類の機器に48件の「事故」を引き起こした。
これらの事故の3分の1は、人工呼吸器の電源が
完全に切断および再起動されたことや、
警報が作動せずにシリンジポンプが完全に停止したこと、
体外ペースメーカーの誤った拍動刺激の発生など、危険なもの。
このほか、事故の42%は「重大」ではあるが危険ではないものと分類。

重大な事故の例として、警報の誤作動、血圧モニターの不正確な測定。
残りの事故は、応急対処を要しないモニターディスプレイの故障などで、
「重大ではない」と判断された。

この試験状況は、「最悪の事態」を想定したものであった。
病院における携帯電話の使用は、電磁障害が問題にならない場所に
限定することが推奨される、とvan Lieshout博士らは主張。

この研究は、『Critical Care』オンライン版に掲載。
van Lieshout, E. Critical Care, Sept. 5, 2007

http://www.m3.com/news/news.jspsourceType=SPECIALTY&categoryId=580&articleLang=ja&articleId=54420

2007年9月28日金曜日

中国産ステロイド大量押収  五輪控えた中国、米に協力

(共同通信 9月24日)

米司法省麻薬取締局(DEA)は、筋肉増強効果がある
アナボリックステロイドの密造や密売などに関与したとして、
米国人ら124人を逮捕、中国産の粉末ステロイド242キロや
現金650万ドル(約7億5千万円)などを押収した。
米史上最も大掛かりなステロイド捜査は、
北京五輪を来夏に控えた中国当局の協力を得て実ったという。

密造ステロイドに関する捜査を2005年末に始めた米当局は、
中国当局に対し、米国などに密輸していた業者の情報を提供、協力を促した。
この結果、カナダやメキシコ、ドイツ、タイ、オーストラリアなどでも
非合法ステロイドを押収。
タンディDEA局長は、中国当局の協力を得て密造業者から各国の密売人まで
「国際的な密売ネットワークを暴いた」と、成果を強調。

ステロイドは、スポーツ界などで使われ、
米大リーグの通算本塁打記録を塗り替えたジャイアンツのボンズ外野手も
使用疑惑が取りざたされた。

http://www.anti-doping.or.jp/cgi/news.php?mode=content&newsid=20070925_01

*************************

ステロイドの密造、密売がこんなに蔓延していたとは知りませんでした。
スポーツ選手だけでなく、一般人も使用している可能性が高いです。
使用法を間違えると、ステロイドは生体に悪影響を及ぼします。
広く啓蒙活動を行うと同時に、密造、密売に対する厳罰化が必要です。

外から内臓が見える透明なカエル、日本で誕生


(ロイター 2007年09月26日)

広島大両生類研究施設の住田正幸教授らが、
外側から内臓が見える透明なカエルを誕生させることに成功。
がんなどの病気の研究に際し、臓器の成長・発達を理解するのに役立つと期待。
住田教授は、透明な四足動物が報告された例は過去にないと述べた。
この透明カエルは、国内で採集されたニホンアカガエルを使って作られ、
オタマジャクシから成体まで透明のままで過ごすという。
住田教授はこのカエルについて、
ある化学物質が骨に与える影響などを研究するのにも役立つとしている。
******************************
なかなか面白いですね。
確かに皮膚が透明であれば、内臓の様子を見ることは簡単です。
解剖しなくてもいいですから。
でも、毎日観察するのはちょっと抵抗がありますね。
ペットとしての需要はなさそうです。
私の肝臓も、このように透明で観察できればいいですね。

2007年9月26日水曜日

W杯連敗「13」で止めた!カーワン日本、カナダに劇的ドロー

(サンスポ 2007年9月26日)

日本代表は、予選B組最終戦でカナダ代表と12-12で引き分け、
通算成績を3敗1分けとした。
元ニュージーランド(NZ)代表、ジョン・カーワン・ヘッドコーチ(42)のもと、
執念のドローで95年大会からのW杯連敗を13で止めた。
4年後に残した悲願のW杯2勝、決勝トーナメント進出へ。
夢への挑戦は続く。

桜の戦士のW杯が、幕を閉じた。
ノーサイドの笛が、ボルドーの夜空に響く。
濃紺のセカンドジャージーを着た選手たちが胸を張る。
世界に挑んだ18日間。
16年ぶりのW杯勝利に一歩及ばないドローだが、負けはしなかった。
「日本は、世界から尊敬を得られるまでの戦いを見せることができた」。
“怪物WTB”の異名をとったカーワン・ヘッドコーチ(HC)もガッツポーズをつくった。
ラグビー強国NZで培った戦術、世界屈指のトッププレーヤーだったテクニックを
惜しまず注いだチームが、劇的に追いついた。

前半12分、マイボールのラインアウトからWTB遠藤が3人を突き飛ばし、
右中間へトライ。気勢を上げた。
7点差を追って、ロスタイムに入った後半43分、
後半途中出場のCTB平がトライ。CTB大西のゴールも決まって、同点に。

大会では中3、4日という厳しい試合日程もあり、
30人の登録選手を完全に2分割して戦う苦しい決断も。
若手選手で臨んだ豪州代表とのW杯第1戦は、3-91の大敗。
必勝を期したフィジー戦も最後まで激しい攻撃をみせたが、31-35。

勝利のキーマンに据えたSOアレジ、FB立川が次々と負傷。
8月のイタリア遠征では、右アキレスけん断裂から復帰したエースのWTB大畑が、
今度は左足の同じ個所を断裂して、大会直前に帰国。
さらに、HO山本貢、SO安藤、FL佐々木、SH矢富ら
登録メンバーを次々に失ったことも響いた。
カーワンHCが1月にHCに就任し、与えられた強化期間は8カ月。
チーム練習を開始した4月を本格的な起点とすれば、わずか5カ月。
世界へのチャレンジには、時間が足りなかった。

6大会連続の予選敗退となったが、連敗だけは13でストップさせた。
これが、4年後への種になるのだ。
6月のパシフィック・ネーションズ杯では、トンガ代表を20-17で倒し、
サモア代表に3-13の接戦を演じた。

素早い出足のディフェンスライン。
低いタックルに、モールやラックでも低さにこだわる日本スタイルが、
世界で通用することを積み上げた。
今大会のラインアウトの成功率は、85.4%で参加20カ国中9位。
マイボールのスクラム確保率は同13位と、世界基準に食い込む数値を残し、
選手はたくましく成長した。
引き分けでも、半歩前進。夢は4年後へ。立ち止まっている時間はない。

http://inews.sports.jp.msn.com/rugby/topleague/news/2007/20070926-2168.html

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日本代表は、よく頑張ったと思う。
前回よりも、日本のスタイルを出せたようです。
残念なのは、ケガ人が続出したこと。
ベストメンバーで戦ってほしかったですね。
カーワン・ヘッドコーチは継続するのかはわかりませんが、
日本スタイルをしっかりと確立させてほしいです。

それにしても腹立たしいのは、日本テレビです。
ラグビーの中継をライブでやらないのは我慢するとして、
肝心のシーンをカットして放送していた。
カナダ戦では、ロスタイムの劇的トライが放映されていない。
フィジー戦も、後半30分から5分ほどカットしたせいで、
どういう過程で敵陣まで来たのかわからないまま、ワンプレーでトライ。
いったいスポーツを何だと思っているのか!!!
TBSも、同様のことをやりました。
ゴルフのマスターズで放送を中断、再開したらタイガーが優勝していた。。。
スポーツを中継するのはいいが、
スポーツの見る楽しみを軽視しすぎている。
マスコミにとって、スポーツはお笑い番組の一つでしかないようですね。