2009年2月14日土曜日

東京五輪は「安い・クリーン・コンパクト」…招致計画

(読売 2月13日)

2016年の夏季五輪の招致を目指す
東京オリンピック・パラリンピック招致委員会は、
開催都市決定の資料となる「立候補ファイル」を発表。

チケットの半分を5400円以下に抑えるなど、
「だれでも観戦しやすい大会」をアピールし、
東京・晴海のメーンスタジアムの観客席の屋根には、
太陽光発電パネルを設置して環境への配慮も強調。

読売新聞社が実施した世論調査では、
「賛成」が74%で昨年よりも2ポイント上回り、
今年10月の開催都市決定に向けて、招致レースも熱を帯び始めている。

チケットの発売予定枚数は約730万枚。
「多くの人が足を運びたいと思える価格」(都幹部)にするため、
過半数は5400円以下とし、子ども料金(12歳以下)も設定して
最も安いチケットは1000円。
開会式は、2万5000円~15万円になる。

半径8キロ以内に競技施設の95%がある「五輪史上最もコンパクトな計画」も
売り物の一つで、さらにスピーディーな移動を可能にするため、
期間中は、首都高速都心環状線の外回り線を選手らの専用レーンにする。

日程は、7月29日からの17日間。
開会式などを行う10万人収容のメーンスタジアムの屋根に、
一般家庭1000世帯の1日の消費量に相当する
1万1000キロ・ワット・アワーの太陽光発電パネルを設置。
大会関係者らの使用車両は、電気自動車や燃料電池車などにする。

大会運営費は、仮設の競技会場建設を含め3100億円で、
スポンサー収入やチケット販売費などで同額の収入を見込んでいる。
メーンスタジアムなど、恒久施設建設には計2420億円を計上。
経済効果は全国で2兆9400億円、都内は1兆5500億円と試算。

http://www.yomiuri.co.jp/sports/news/20090213-OYT1T00916.htm

あこがれの科学者をどう育てるか

(日経 2009-02-06)

都内のアイススケート場は、休日ともなると小中学生であふれている。
フィギュアスケートのグランプリファイナルで、2度目の優勝を果たした
浅田真央選手をはじめ、世界で活躍する若い日本人選手が
相次いで登場している影響が大きい。
科学技術分野でも、若者たちのあこがれとなるような研究者、科学者の
出現が欠かせない。


1年ほど前、高校卒業を目前にしたバイオリニストのリサイタルの抽選が当たり、
無料で演奏を楽しむ機会があった。
きゃしゃながら、みずみずしく張り詰めた音を奏で、聴いていてとても満足。
録音を兼ねていたようで、その演奏がデビューCDとして発売、
応援の気持ちから迷わず購入した。

様々な分野で有望な若手が登場する姿を見ると、
「日本はまだ捨てたものじゃないな」という感慨に。
将来を託される無限の能力に、羨望すら覚える。

イチローや松井秀喜ら米大リーグに挑む野球選手、
スコットランド・プレミアリーグの中村俊輔らサッカー選手——。
一流の人材が世界から集うスポーツや芸術といった分野ならなおのこと、
にわか“愛国心”が首をもたげ、彼ら彼女らに努力と活躍を求め、
成果を期待してしまう。
逆に言えば、若い挑戦者が現れない分野は、未来は暗い。

◆「ナイスステップな研究者」の2008年度選定者

〇研究
新津洋司郎 特任教授(札幌医科大学)
肝硬変など様々な難治性疾患の治療法開発

細野秀雄 教授(東京工業大学)
第三の超電導物質、鉄系高温超電導体の発見

三浦道子 教授(広島大学)
半導体超微細化時代に適合するトランジスタモデルの開発と国際標準化

山口茂弘 教授(名古屋大学)
高性能有機エレクトロニクス材料の開発

若山照彦 チームリーダー(理化学研究所)
凍結死体の体細胞からのクローン個体作製

〇プロジェクト・国際研究交流
池田裕二郎 物質・生命科学ディビジョン長ら3人(日本原子力研究開発機構)
先端的な加速器パルス中性子源の開発

嶋田雅暁 教授(長崎大学)
ケニアを拠点とした感染症対策の国際研究交流

〇人材育成・男女共同参画
河野(平田)典子 教授(日本大学)
女性研究者支援、女子学生に対する教育活動

米田仁紀 教授(電気通信大学)
先進的な工学系大学院教育プログラムの開発と実施

〇成果普及・理解増進
新井紀子 教授(国立情報学研究所)
Webを活用した情報共有サイト構築ソフトを無償公開。

最近は、国の競争力や経済の活性化と結びつけて考える傾向が強まり、
意識して社会の関心を科学技術に向けよう、有望な若手研究者を育てようとする
施策や計画が目立つ。

文部科学省は、2005年度から若手科学者を顕彰する制度を設け、
文科省科学技術政策研究所も同年度から注目すべき業績をあげた人を
「ナイスステップな研究者」として選考。

ソフトウエア分野に限定しているが、経済産業省の「未踏ソフトウェア創造事業」
天才プログラマーらを認定。
行政が毎年の恒例事業として進めると、候補者を集めなければいけなくなるし、
マンネリ化して表彰のインパクトも弱くなってくる。
こうした制度を否定するつもりはないが、若者が強く関心を抱いて
飛び込んでいくには、あこがれとなる人の存在が必要。

日本人初のノーベル賞受賞者となった湯川秀樹博士を引き合いに出すまでもなく、
その存在感は圧倒的。
今年の大学入試で、名古屋大学理学部の志願者倍率は、
08年のノーベル賞受賞者が籍を置いた効果で急上昇。

今の日本に、社会のあこがれの対象となるような科学者はいるのだろうか?
日本の大学や研究所は、有望な若者たちがそこで研究したいと思われるような
環境を整えているのだろうか?
第3期科学技術基本計画の中間評価が始まる09年にじっくりと考えたい。

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/techno/tec090204.html

「個の環境感度」が試される

(日経 2009-02-02)

国民1人ひとりが個人、国家、世界に対して義務を負っている——。
「新たな責任の時代」を強く訴えたバラク・オバマ米大統領の就任演説の一節。

このフレーズを「企業の環境経営」に置き換えると、どうなるか。
製造現場でも間接部門でも、管理職であろうがなかろうが、
企業は社員1人ひとりの環境意識とその実行力を問うということ。
実はそんな気配が、本当に漂い出している。

オフィスの省エネ対策の一環で、退社時にパソコンの電源オフを励行する
企業は多いが、富士通のインフラサービス事業本部は徹底。

本部長ら幹部が出席する月曜朝のミーティングには、
自社製システムを使って集計したパソコンなどの稼働データが集まる。
誰が何日つけっ放しで帰ったかなど、個人別の「省電力成績」が一目で分かる。

集計データをもとに、電気を使い過ぎの社員の机には、
紙コップが伏せて置かれる。
コップの底には、「ECOイエローカード」が載せられ、その状態が1週間続く。

リコーリースは、社員1人ひとりのコピー・プリンター用紙の
使用状況を月次で管理
用紙代や両面印刷機能の活用度までもが算出された一覧表を、
昨秋から業績評価面談の題材にし始めた。

社員向けの環境教育はともすれば、「とりあえず受けておけばいい」という程度の
微温的なムードになりがち。
だが、これも決して甘く見ることができなくなってきている。

NECは、国内のグループ社員約11万人すべてに2010年度までに
「エコ・エクセレンス(知識に行動が伴った環境意識が高い層)」
になることを求めている。
社員の「エコ度」を評価する独自基準で、4段階の最上位に位置。
エクセレンスの割合は、07年度で60%。
環境教育や啓発の浸透度を確認するため、毎年秋に実施する

「環境経営意識調査」への参加は任意だったが、08年度調査から必須に。
社会人として、社員として知っておくべきことやするべきことのほか、
生産・開発・営業など担当業務別にも知識と行動を問われる。

オフィス用品販売の富士通コワーコのように、役職員約270人全員に
「環境社会検定試験(エコ検定)」合格を義務付ける企業も。
東京商工会議所などが実施する検定で、地球温暖化、化学物質規制、
リサイクルなど幅広い知識が問われる。
昨年12月には芝野芳彰社長も試験に。

就業時間中だけでなく、社員や家族のオフタイムの省エネ行動にまで
踏み込んだのはファンケル。
昨夏から、家庭で電気とガスの使用量を大幅に減らした社員に
報奨金を出す制度を導入。

トナーなどを製造するリコー福井事業所
製造ラインの省エネ・省資源対策だけでなく、マイカー通勤をやめ
自転車に切り替える運動や家庭の電力消費削減など
環境活動を所外に広げたことで、「エコ工場」として地元で高い評価。

ある社員が、子供の夏休みの自由研究の手伝いで、簡易測定器で
自宅の電化製品の電力使用状況を調べて回ったことが1つのきっかけに。
個人の「点」の取り組みが「面」に広がり、
結果として企業価値の向上につながった例。

企業の環境経営を、プロセス改善や省エネ製品開発など
一部の関係部署が支える時期は過ぎ、会社ぐるみの総力戦になりつつある。

米国や日本が環境分野をテコにした景気対策「グリーンニューディール構想」を
打ち出す中で、エコに敏感な人材をいかに多く抱えているかが、
企業の商機をめぐる勝敗を分けかねない。
不況下のコスト対策としても、社員1人ひとりへの省エネ圧力は増す。

もはや傍観者でいることは許されない。
「個の環境感度」が試される時代がやってくる。

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/tanso/tan090128.html

医学生、卒後は半数流出 研修医の地域定着率 12県20-35%と低く

(2009年2月9日 共同通信社)

医学部卒業生のうち、出身大学がある都道府県に残って研修医となったのは
49・1%と、2人に1人は他地域へ流出している実態。
今回の調査に合わせて調べた03年度は、57・8%で8・7ポイント低下。

33都道府県で定着率が03年度より低下したが、
特に北陸や山陰、九州などの12県は20-35%と
地元確保が難しくなっている状況が判明、地方の医師不足や地域偏在を示した。

背景には、豊富な臨床例が経験でき、条件の良い都市部などに
地方の人材が集まっていること。

調査は昨年9月に実施。
過去のデータがない東京や大阪の計3校と、出身地に戻ることが条件の
入学枠がある自治医大を除く、国公私立医科系75校について、
卒業直後の動向を調べた。

都道府県別(データは5%刻みで分析)で、
08年度の定着率が最も低かったのは、島根と宮崎の20-25%。
25-35%は青森、富山、福井、鳥取、大分、宮城、高知、長崎など。

高かったのは、65-70%の北海道、大阪、
60-65%の神奈川、愛知、奈良、熊本など。
03年度との比較で低下幅が大きかったのは
千葉、鳥取、島根、山口で25ポイント減。
上昇したのは秋田、栃木、長野、沖縄など7県で、
うち和歌山は15ポイント上昇し、60-65%。

地域医療を担う人材確保のため、大学側も約30校で地元高校生らを対象に
地域入学枠を設けているが、文科省は「このまま低下が続けば、
医師不足に悩む地方はさらに深刻な事態となってしまう」

医師の不足や偏在をめぐり、政府は医学部定員増のほか、
2010年度以降に医療機関の募集枠制限などで特定の地域に
人材が集中しないよう、臨床研修制度を改める方針を固めている。

医学生の半数が、卒業後の臨床研修で出身大学の"地元"を離れてしまう状況に
定着率の低い地方では危機感を募らせる。
研修内容を磨き、学生を引きつけてきた病院もある。

2008年度の定着率が最低レベルの20-25%だった島根県。
島根大では昨年3月、医学部を卒業し医師資格を得たのは82人だったが、
県内で研修医になったのは同大付属病院の16人を含め20人。

「公立病院などへの医師派遣機能にも影響が出ている」と付属病院の担当者。
県内の別の病院長は、「医療は、地域の実情に合わせて対応するのが大切。
過疎化と高齢化が進む状況を理解した学生が離れるのは、大きな痛手だ」

和歌山県の研修医は04年度の49人から年々増え、08年度は74人。
51人を受け入れた和歌山県立医科大病院は、その約7割が同大出身者。
県立医大病院は、研修1年目から将来の専門分野を重点的に経験でき、
希望に応じた柔軟なプログラムづくりが特徴。
一般病院での研修も取り込み、研修医は地域医療の実情や必要性も
肌で感じ取ることができる。

卒後臨床研修センター長の上野雅巳医師は、
「研修が終わった後も地元で働いてもらうために、地域医療を担う各病院が、
研修内容や人間関係も含め魅力的な存在になる努力をしなければならない」

▽臨床研修制度

大学を卒業して免許を取得したばかりの医師に、病院で2年間の研修を
義務付ける制度で、内科など7診療科が必修。
以前は、出身大学の付属病院で研修するのが慣例だったが、
賃金など労働条件の向上などを狙い、2004年度に制度を改正。

医師と病院の双方の希望をコンピューターで照合する「マッチング」などで、
研修先を自由に選べるようにしたが、都市部や臨床例の多い民間病院を
選択する医師が増加。
地方の大学病院などで人材の確保が難しくなる状況が指摘。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/2/9/91406/

2009年2月13日金曜日

運動公園内にドーム 県教委方針

(岩手日報 2月11日)

県教委は、県営運動公園内にドーム型屋内練習施設を整備する方針。
2009年度一般会計当初予算案に、地質調査費など1200万円を計上。
11年度中に着工、13年秋の完成を目指す。
スポーツ医科学センターの併設も検討。

同公園内の陸上競技場は、国体など全国大会が開催できる
第1種公認を見送り、第2種競技場として改修するため、
約1億9000万円を予算計上。

ドームは県営運動公園南側、現在サッカー場がある場所に新設。
練習場部分の面積は、8700平方メートルで事業費30億―40億円。
サッカーグラウンドが入る大きさで、床は屋内外の競技が使用できる
ゴム素材などを検討。陸上競技用の100メートル直線コースを設置。

東北で公設の屋内練習施設がないのは、本県だけ。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20090211_1

知事に「1種」整備を要望 県営運動公園

(岩手日報 2月10日)

県が、県営運動公園陸上競技場の改修をめぐり、
国体の陸上競技などが開催できる1種公認取得を見送ったことを受け、
盛岡広域の県議や各界代表者らは、達増知事らに方針変更を要請。

県側と盛岡市側には、国体の在り方に対する考えに相違があり、
県議会2月定例会では激論が交わされそう。

盛岡、岩手、紫波選挙区選出の県議13人は、
同競技場を第1種公認競技場として整備し、
2016年度開催の岩手国体の開閉会式や陸上競技開催を要望。

達増知事は、「第1種競技場を本県内に2カ所持つことは、財政上難しい。
県営運動公園陸上競技場は2種として維持する」

盛岡市の商工団体や県内の競技団体代表者、
盛岡広域圏の首長ら約20人が同様に要望。

第1種公認の競技場整備には100億円以上かかるとされ、
県は既に第1種公認を受けている北上市の
北上総合運動公園陸上競技場を活用する考え。

県営運動公園陸上競技場は、今回国体施設として整備すれば
国の半額補助が受けられる。
盛岡市も、「応分の負担」として、十数億円を超える費用負担を検討。
谷藤裕明盛岡市長は、「盛岡は宿泊、練習施設が充実しており、
選手は最高の環境で競技できる。
この機会に大規模競技場を整備すれば、Jリーグやラグビー世界選手権の
誘致も可能となり、将来にわたり子どもに夢を与えられる」

岩手国体での天皇杯獲得を目指す県教委は、
財源を選手強化に集中したい考えで、県営運動公園に、
スポーツ医科学を導入したドーム型練習場を整備する方針。
事業費は数10億円に上る見込み。

県教委スポーツ健康課の川口仁志総括課長は、
「天皇杯獲得には、冬場の練習環境改善やスポーツ医科学の導入など、
全競技共通の課題克服が急務。
多くの岩手の選手が全国と同じスタートラインに立つため、
緊急性の高い基盤整備を行いたい」

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20090210_4

宗派の壁超えた高校生バスケチーム 北アイルランド

(CNN 2月1日)

紛争の歴史を乗り越え、16歳の少年たちがコートの上でひとつになった。
カトリック系とプロテスタント系の住民が激しく対立した北アイルランド紛争で、
98年の和平合意後も溝の残る両宗派を融和へ導こうと、
バスケットボールのコーチが双方の高校生を集めてチームを結成。
チームメートたちの友情は、卒業後も続いている。

チームを誕生させたのは、米大学バスケの元選手マイケル・エバンズ氏(26)。
大学卒業後、北アイルランドでスポーツを通した紛争解決を目指す
ボランティアに参加。
この経験を基に、同氏は06年、ベルファスト市内の2つの高校で
バスケチームのコーチとなった。
同じ地域にありながら、一方はカトリック系、もう一方はプロテスタント系の学校。
互いへの不信感は根強く、交流は一切ない。
和平が成立して何年もたつのに、住民らの間に宗派の壁は厳然と残っていた。

エバンズ氏は、両校の選手たちと信頼関係を築いたうえで、
それぞれ5人ずつの選手に統合チームの話を持ちかけた。
強い抵抗を示す選手もいたが、粘り強く説得。
チームがようやく結成にこぎ着け、互いの学校を行き来して練習を初めてからも、
双方の選手たちは目を合わせようともしなかった。

対外試合や日々の練習、米国への遠征などでともに時間を過ごすうち、
選手たちの間には仲間意識が芽生え、
9カ月のシーズンが終わるころには深い絆が育っていた。

エバンズ氏は、出身地の米コネチカット州に戻ったが、
チームの全員と今も連絡を取り合っている。
「最近ベルファストを訪ねて、みんなと再会したんだ。
かれらは仲良くやっているようだ。
地域は相変わらず分断されているので、
お互いを訪ねたりすることはできないけれど、
インターネットでは連絡を取ったり、仲良く腕を組んだ写真を
掲載したりし合っているんだよ」

チームの成功の理由は、との問いに、
「バスケでは、ごく少人数が1つのチームになる。
そして勝つためには、コミュニケーションが不可欠。
同じ1人のコーチの声を聞き、それに従うなかで、
心の結び付きが生まれるんだ

08年、エバンズ氏の活動に共感した有志らによる団体
「フル・コート・ピース」設立
ベルファストでは今年も、カトリック系とプロテスタント系の高校生による
新たなチーム作りが進んでいる。

http://www.cnn.co.jp/sports/CNN200902010016.html

離島で学ぶ(8)村営の塾で切磋琢磨

(読売 2月7日)

元校長が、村営塾の講師として学力向上を手助けする。

沖縄県南大東村(南大東島)の中心部の建物に、
学校帰りの子供たちが集まって来た。
子供たちが「先生」と慕うのは、島の小中併置校の元校長、野村哲さん(64)。

沖縄本島から東に約360キロ離れた、
周囲20キロの島の教育熱は高いとは言えない。
12年前から小学校高学年に算数を教えてきた村営の「育英塾」は5年前、
小中学生に5教科を教える「学習支援センター」になった。
起用されたのが、島で育ち、島の校長を退職したばかりの野村さん。
教員生活の中では、南大東島で教壇に立ったのは3年間だけで、
「教員の時には十分でなかった島への恩返し」の気持ちが強い。

センターには、島の小中学生の3分の1の43人が通う。
子供たちは、学校の宿題を済ませた後、漢字や百ます計算など、
野村さんが個別に用意したプリントで、苦手分野に挑む。
小学生が週2日、中学生は週3日で、費用は月2000~6000円。

当初は、学年ごとに時間を分けて授業をしていたが、
「自発的に学ぶ楽しさに気づく場にしたい」と自習を見守る形に変えた。
上級生が下級生の面倒も見る。
小学6年の城間のぞみさん(12)は、「自分のペースで勉強できて楽しい。
下級生に教えることで責任感も出てくる」

人口1300人足らずの島に高校はない。
「小中の9年間で、基礎学力をしっかりつけて送り出すのが我々の責任」と
照屋林伸教育長(57)。
村教委や学校と野村さんが、学年ごとの習熟度や目標を細かく話し合っている。
ここ数年、県内の基礎学力達成度テストで、
村の子供たちは常に平均を上回る成績を残すようになった。

村では、漢字検定や英語検定の受検料も、半額補助。
競争意識が芽生えにくい環境だけに、
切磋琢磨する意識を持ってほしいという願いも込めている。

全国学力テストで2年続けて最下位となった沖縄県では、
民間の塾設置を後押しする動きが全県に広がり始めた。

沖縄県対米請求権事業協会は今年度から、個人が離島などで、
小中学生向けに小規模な塾を運営する際の助成を始めた。
地域の人材を発掘し、学校外の学ぶ場を増やす試み。

離島の悩みは、沖縄全体の悩みでもある。
将来、島を離れる子供たちのために、いま何ができるのか。
離島は、その答えを探し続けるしかない。

◆沖縄県対米請求権事業協会

日本政府が沖縄返還後に拠出した120億円を元に、1981年に設立、
幅広い地域振興事業を手がけている。
塾設置による学力向上支援も、その一環。
拠出は、戦後の米軍による土地接収などに関し、
正当な補償がないまま対米請求権を放棄した問題の対応策。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20090207-OYT8T00304.htm

骨粗しょう症、脂質化合物が効果 マウス実験、破壊6割減 米と阪大共同研究

(2009年2月9日 毎日新聞社)

薬として米国で試験中の脂質化合物を、骨粗しょう症のマウスに投与すると、
骨の破壊を抑えられることを、大阪大免疫学フロンティア研究センターの
石井優・准教授が、米国立衛生研究所との共同研究で突き止めた。

従来の骨粗しょう症薬とは効く原理が違うため、
今の薬で効果が不十分な患者にも、併用で効果を出せる可能性がある。
英科学誌「ネイチャー」電子版に掲載。

人体には、骨を作る「骨芽細胞」と分解する「破骨細胞」があり、
両方が均衡を保っている。
加齢などで破骨細胞の活動が過剰になると、
骨が壊れて骨粗しょう症や関節リウマチが起きる。

破骨細胞は血液中にあり、働く際は骨の表面に移動する。
石井准教授らは、移動に関係する物質として、
もともと血液中にある脂質に着目。
この脂質と同様の働きをする化合物を、マウスに投与。
その後、特殊な顕微鏡で生きたまま骨の内部を観察。

破骨細胞の移動が激しくなって、骨に近づく細胞より、
骨から離れ血液中に戻る細胞が多くなることを確認。
化合物の効果の発見も、生きたまま骨の内部を観察したのも世界初。

米国で、免疫抑制剤として臨床試験中の脂質化合物「FTY720」にも、
同様の効果があると推測。
卵巣を摘出して骨粗しょう症にしたマウスに、FTY720を投与したところ、
投与しない場合に比べ骨の破壊が約6割減った。

従来の薬の一つ「ビスホスホネート製剤」は、
破骨細胞が骨の表面に移動した後で殺す仕組み。
今回とは原理が異なる。

破骨細胞は、がん細胞が骨に転移する際にも骨を破壊し、
がんが食い込む場所を作る。
石井准教授は、「FTY720は、がんの骨転移予防にも効果がある可能性がある」

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/2/9/91436/

2009年2月12日木曜日

大船渡市民健康づくり大会 笑いで元気いつまでも

(東海新報 2月10日)

「笑って健康になろう」をテーマとした市民健康づくり大会が開かれた。
講演会では、落語家の三笑亭夢之助師匠が招かれ、
持ち前の語り口で大ホールは市民らの笑い声に包まれた。
各種測定・相談コーナーにも長い列ができ、
健康を支える日ごろの体調管理に意識を高めていた。

健康づくり大会は、著名人による講演会や各種測定、相談対応などを通して
市民らの健康に対する意識を高めてもらおうと毎年開催。
気仙医師会や大船渡歯科医師団、気仙薬剤師会などが後援、約千人が訪れた。

落語だけでなく、テレビ番組のリポーターや司会など多方面で活躍している
夢之助さんの講演とあって、無料の入場整理券は全てなくなる人気ぶり。
甘竹勝郎市長が、「皆さんが笑って健康で、
素晴らしい人生であることを祈念します」とあいさつ。

夢之助さんは、「普段たまっている疲れを笑いで取り除いてほしい」、
故郷・北海道での暮らしぶり、真打になるまでの下積み時代、
テレビ番組でのエピソードなどを紹介。
テンポの良い語り口で、会場は終始大きな笑い声や拍手に包まれた。

夢之助さんは、普段の生活におけるお喋りの大切さも紹介し、
脳の活性化につながっていると説明。
「楽しい話は楽しく、難しい話は楽しく」と、人前で話すコツもアドバイス。

しゃれやナンセンス、ジョーク、ユーモア、ウイットと、タイプ別に小話を披露し、
笑いを誘いながらスピーチや会話を盛り上げるヒントも紹介。
五文字、七文字の組み合わせによる言葉のリズムが
聞き手に響きやすい点にもふれた上で、
「お喋りする感性を鋭くするには、ストーリー性のある物語を覚えることが大事」

各種測定・相談コーナーが設けられ、体脂肪率や足指力、活力年齢などの
測定が行われ、健康運動指導士が日常生活での運動、食事のあり方をアドバイス。
県臨床衛生検査技師会南部地区技師会による循環動態表示付きの血圧測定では、
動脈硬化の状態を「血管年齢」として表示。
薬剤師による薬相談コーナーでも、家庭での服用時における心配ごとなどを
打ち明ける姿が多く見られた。

http://www.tohkaishimpo.com/

命の燃料、酢が肝心 東大チーム解明

(朝日 2009年2月4日)

極度の飢餓状態にある人や糖尿病患者にとって、酢がかなり重要。
東京大先端科学技術研究センターの酒井寿郎教授(代謝学)らが
マウスで明らかに。3日付米科学誌セル・メタボリズム(電子版)に掲載。

体内では、代謝によってできるATP(アデノシン三リン酸)が、
体を動かしたり体温を維持したりするエネルギー源。
ATPを生み出すには、瞬発系の運動ではブドウ糖を、
持久系の運動だと脂肪酸やケトン体を主に使う。

チームは、ATPをつくる代謝経路に酢酸も関係していることに着目。
遺伝子操作し、ブドウ糖や脂肪酸は代謝できるが、
酢酸は代謝できないマウスをつくった。
このマウスと正常なマウスで、
エサを与えた場合と48時間絶食させた場合を比較。

酢酸を代謝できないマウスだけが、
絶食状態のときに著しく体温と持久力が低くなる。

酒井教授は、「ブドウ糖の吸収、利用が極端に低い糖尿病患者に、
血糖値を上げないエネルギー源として酢が役立つかもしれない」

http://www.asahi.com/science/update/0203/TKY200902030390.html

離島で学ぶ(7)現地講座 教員の負担減

(読売 2月6日)

離島の教員を支える体制が整い始めた。

スクリーンに大写しになったのは、「30分」の文字。
長崎県大村市にある県教育センター教育情報課の本多博指導主事(40)が
「時間の意味が分かる先生います?」と
机を囲んだ若い教員たちに問いかけた。

「子供たちが1日に家族と話をする時間かな」、
「正解は、子供たちがメールを受け取ってから返信するまでの時間のルール。
長崎は30分、都会なら5分以内。守らないといじめにつながることも」
教員らの表情がこわばった。

同県新上五島町の有川小学校で、昨年12月に開かれた
「授業におけるICT(情報通信技術)活用現地講座」の一幕。
町内の小中学校に勤務する20、30歳代の教員9人が集まり、
情報モラルの指導方法や、ICT機器の効果的な使い方などを話し合った。

上五島中学校の岩本有加教諭(25)は、教員3年目。
「センターで研修や講座を受けるには、たとえ1日でも、宿泊を考えると、
3日分の日程を空ける必要がある。
自分のような若い教員にとっては、島を離れて授業が滞ることが怖い」

教員向けの研修や講座は、センターでは定期的に開かれているが、
長崎県は全国で最も人の住む離島が多い。
小中学校の教員も、約9500人のうち2割が離島勤務。
県西端の五島列島にある新上五島町からセンターへは、
船と車で4時間近くかかる。

離島の教員からは、「講座を受けたくても学校を空けられない」
といった声が以前からあった。
県では、センターから出向いた方が、効率的で教員の負担も減ると判断、
今年度から離島やへき地の学校で講座を始めた。

有川小での講座には、センターから事前に3台の投影機も持ち込まれた。
教員たちは投影機を使って、「はしの持ち方を教えられる」、
「鉛筆の握り方を教えてもいいね」と、授業に使えそうなアイデアを次々と出した。
英語活動に、ICT機器を取り入れたベテラン教員の授業も見学。

同センターは2006年度から、複式学級を受け持つ教員のための
現地講座も始めている。
県内の複式学級は増加傾向で、今年度は小学校390校のうち108校にある。
複式学級は離島に多い。

有川小の講座の参加者の1人で、複式学級がある
新上五島町立仲知小学校の江口正洋教諭(38)はここ数年、
センターでの講座には参加していなかった。
全校児童14人。3人の担任が1人でも欠ければ、負担は大きいが、
「地元での講座なら」と参加。

県は、教員の人事異動の基本方針として、1度は離島での勤務を経験。
本多さんは現地講座を、「離島に暮らす教員同士が、授業の進め方や
悩みなどを相談し合える場にもしたい」
同センターでは、現地講座の種類をさらに増やす方向。

教員の負担や不安を少しでも減らす。
その成果は、離島に学ぶ子供たちに返ってくるだろう。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20090206-OYT8T00305.htm

08年度から医学英語検定制度スタート グローバル化で問われる医学英語の実力

(2009年2月6日 Japan Medicine じほう)

日本医学英語教育学会(理事長=大井静雄・東京慈恵会医科大教授)は、
2008年度から医学英語検定試験(3級・4級のみ)を開始。

将来的には、国際的に活躍できるトップクラスの人材育成に役立てるため、
1級、2級の検定試験制度も導入する計画。

医学英語検定試験(医英検)は、日本の医療・医学の国際化を
普遍的に推進することを目的として、日本医学英語教育学会が
08年度から開始した医学・医療に特化した英語検定試験。

試験は、<1>医学・看護・医療技術書・文献を英文で読む
<2>医学・看護・医療技術などに関する情報を英語で聞き、話し、伝える
<3>医学・看護・医療技術などに関する情報を英文で書き、表現する、
の3つの視点から総合的に評価。

1級-4級までの検定試験制度を整備する予定、
当面の試験は3級と4級のみ。
レベルは、3級=英語で医療に従事できるレベル(医師・看護師・医療従事者、
通訳・翻訳者などを対象)、
4級=医科大・医療系大卒業程度。

学会事務局(メジカルビュー社)からは3級・4級用の教本が発刊。
受験者は、医師、看護師などの医療専門職・医療系の学生だけでなく、
教育、出版、翻訳、通訳など関連業界を含めて幅広い層を想定。

昨年4月に行われた3級(筆記試験とリスニング試験)・4級(筆記試験のみ)の
第1回検定試験には、全国から660人が受験。

まだ始まったばかりであるため、合格者数は公表されていない。
医学英語に特化した検定試験は、世界的にも珍しいこともあって、
医学英語の運用能力を客観的に評価できる指標として注目。

1998年の学会設立時から参画し、医学英語検定試験制度の導入に
尽力してきた理事長の大井氏は、日本の医学英語の現状について、
「医療・医学のレベルは、世界の中でも高いレベルにあるのに、
日本人の医学英語の能力が劣っているため、それが世界に十分示せない。
世界に日本の実績をもっとアピールし、世界のリーダーになるためには、
医師を筆頭に、医療関係者がもっと医学英語のレベルを高める必要がある

医学英語の向上、目標の1つとして医英検を活用してほしい。
大井氏は、ドイツ・ハノーバー国際神経科学研究所の脳神経外科教授を兼任、
小児脳神経外科分野の権威。
国際的に臨床・研究・教育を実践する中で、
日本人の医学英語のレベルの低さを長年懸念。
学会での活動のほか、「医学英語論文表現法辞典」など医学英語の解説本も
多数執筆し、医学英語教育の充実にも力を注いできた。

だが、医療現場ではまだまだ医学英語教育の重要性が理解されていない。
大井氏は、医英検をきっかけに、あらためて医学英語教育に取り組む
医療関係者が増えることに期待。

当面は、3級レベルの能力を持つ医療関係者を増やすことが目標だが、
2級(英語での論文執筆・学会発表・討論、医学英語教育が行えるレベル)、
1級(英語での研究論文の指導、国際学会・会議での座長・議事進行ができるレベル)
の検定試験制度も整備し、世界に通用するトップクラスの人材育成につなげたい。

グローバル化の加速で、今や日本の医療現場も英語での対応を
迫られる機会が増えている。
在日外国人も急増し、医療機関でも医療通訳の必要性が認識され始めている。
海外に仕事や観光で出掛ける日本人も増え、実地医家の医師も英語で診療したり、
紹介状を書けないといけない時代に。

「医師だけでなく、看護師などのコメディカルも、簡単な問診ぐらいは
英語でできないといけない。病院の事務、福祉分野などのスタッフも、
ある程度、医学英語を知っておく必要が。
医療に関係する人たちには、少なくとも3級は取ってほしい。
世界で活躍したい人は、2級、1級を目指してほしい」

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/2/6/91296/

2009年2月11日水曜日

五輪立候補ファイル12日提出へ  16年夏季五輪で東京

(岩手日報 2月11日)

2016年夏季五輪開催を目指す東京の招致委員会が12日、
スイス・ローザンヌの国際オリンピック委員会(IOC)本部を訪れ、
詳細な開催計画を記した立候補ファイルを提出。

「世界一コンパクトな大会」をコンセプトとした東京招致委は
中森康弘事務次長らが、10日夜に当地入り。

提出期限の12日を前に、11日にはリオデジャネイロ(ブラジル)と
マドリード(スペイン)が相次いでファイルを提出。
招致委の幹部とともに、リオは地元在住のブラジル人児童2人、
マドリードはアテネ五輪陸上男子走り幅跳び3位の
ホアンリノ・マルティネス選手らが同行。

シカゴ(米国)は、1936年ベルリン五輪で陸上男子4冠に輝いた
ジェシー・オーエンス(米国)の孫のスチュアート氏が12日に持参する予定。

立候補ファイルは交通、財政、競技会場など、IOC側からの17項目の質問に
答える形で立候補都市が開催計画を説明。
IOCは、同ファイルを吟味した上で4-5月に現地調査を行い、
投票するIOC委員が参考とする評価報告書を作成。

開催都市は、10月2日のIOC総会(コペンハーゲン)で決定する。

http://www.iwate-np.co.jp/newspack/cgi-bin/newspack_s.cgi?s_sport_l+CN2009021101000523_1

研究者のメディア・トレーニング

(サイエンスポータル 2009年2月3日)

英国在住のフリーランス・コンサルタント、山田直氏のリポート
「英国大学事情」第2号に、興味深い記述がある。

英王立協会では以前、博士号取得前の若手研究者の優れた研究を
表彰する制度で、3位以内の受賞者に賞金のほかに、
1日コースのメディア・トレーニングを副賞として付けていたことがあった」

受賞した若手研究者が、将来もっと良い研究業績をあげて
メディアの取材を受けるときに、うまく対応すれば当の研究者だけでなく、
科学全体にとっても大きなメリットがある、という狙い。

iPS細胞研究で突然、時の人となった山中伸弥・京都大学教授の
その後のメディア対応を見て、なるほどと思う人が多いかもしれない。
「以前、あった」ということは、今はないということだろうか。
しかし、効果がなかったから、やめたのではないだろう。
もっと大がかりにやる必要がある、と発展的に解消したのではないか。

山田氏のリポートの柱は、英王立協会と公的研究助成機関である研究会議が、
科学者のためのコミュニケーション・トレーニングに、
いかに力を入れているかを紹介すること。

王立協会のトレーニングは、「コミュニケーション・スキル・コース」と
「メディア・トレーニング・コース」があり、月1回1年のコース。
費用は400ポンド(5万4,000円)、王立協会と研究会議の一つである
科学技術施設会議(STFC)の研究助成金を受けている
研究者のコース参加費は、それぞれの機関が負担。
バイオテクノロジー・生物科学研究会議(BBSRC)の「メディア・トレーニング」
場合は、同会議の競争的研究助成金を受けている英国の大学や研究所の
プリンシパル・インベスティゲーターと研究プロジェクトリーダーは無料で参加でき、
同じく同会議の助成を受ける博士課程学生も参加が可能。

この種の研修が真に効果が期待できるかどうかを見るポイントは、
トレーニング内容が過不足なくそろっているかに加え、
すぐに役立つ具体的な指導、訓練が含まれているかではないだろうか。

「民間のメディアは、国内外の情報を伝えるという重要な役割も担っているが、
売り上げによって動かされることもある。
メディアは、情報普及のための無料サービスをしているわけではない
「ジャーナリストの仕事は、読者や視聴者にとって興味ある話を
科学者から引き出すことで、科学者が何をしているかを知ることではない」
「インタビュアーの質問どおりに答える必要はない。
インタビュアーは、科学者の研究に関係ない質問や非常に細部の質問を
してくることもあるが、科学者がカバーしたい主要なポイントについて
自信を持って話すべき」

バイオテクノロジー・生物科学研究会議(BBSRC)が、
科学者のためにまとめた「メディア・ガイド」に載っている注意事項。
こういう現実を、当たり前のことと多くの科学者が知っているだけでも、
メディアとの対応はだいぶ違ってくる。

英王立協会に相当する日本の機関は、日本学術会議。
市民の科学リテラシー向上に力を注ぐのと並行して、
科学者自身の「コミュニケーション・スキル」向上と、
「メディア・トレーニング」についても取り組む価値がある。
日本学術会議が率先、主体的に取り組む覚悟で。

http://www.scienceportal.jp/news/review/0902/0902031.html

離島で学ぶ(6)誇れる古里「礼文学」で

(読売 2月5日)

島の子供たちが、観光大使として活躍する。

JR京都駅でそろいの法被を着て特産の昆布を配り、
島を紹介する高校生の映像が、大きなスクリーンに映し出された。

北海道稚内市の西約60キロにある人口約3100人の礼文島。
町民活動総合センターに、島の子供たち約100人が集まり、
年に1度の観光大使活動の報告会を行った。
島唯一の高校である礼文高校だけでなく、小学校4校、中学校2校でも、
4年前から修学旅行先で、島をPRする大使としての活動。

小学生は、JR札幌駅構内での活動の結果、
「島を知っている人は多いが、来たことがある人は少なかった」と報告。
中学生も、別の日に同駅で活動した。
礼文島では、海抜0メートルから高山植物が楽しめるが、
観光客が高山植物を見るために歩いてもいいと思う時間は、
1~2時間が大半と判明。
今より気軽に歩けるコースを増やすよう提案。

報告は各校15分ずつ。
小学生と高校生が、PRのために配った手作りの観光パンフレットを見せ合うなど、
会場は和気あいあいとした雰囲気。

島の教員で作る礼文町教育研究会は3年前、
小中高の連携教育を打ち出している。
島の将来を担う人材育成は教育現場の使命だが、
島の基幹産業である水産業や観光は振るわない。
保護者の中には、島を出ても生活できる子供に育ててほしいという思いも。

子供たちが、「何もない不便な場所」と思っている限りは、
島への愛着は生まれない。
同会は、12年間を通じた礼文型教育の柱に「礼文学」を掲げ、
誇れる古里の姿を見せようと考えた。

「礼文学」では、カモメの子育て観察、高山植物学習、ホッケ薫製作り、
漁業体験、ボランティア弁当作りなど、島の自然や産業、福祉を、
成長段階に合わせてどう学ぶかを示した。

地域住民を講師に招くなど、題材も70を超える。
修学旅行での観光大使活動は、礼文学の学習成果を披露する場と位置づけ。
同会会長で、香深井小学校の曽我部藤夫校長(54)は、
「古里から生きる力を学ぶ。
たとえ島を離れても、島への思いは生きる糧になるはず」

連携教育は学校間の垣根を低くし、交流が盛んに行われている。
英語指導助手が常駐しない島では、小学校高学年の英語活動を、
中学校の英語教員が手助けする。
高校の家庭科の豆腐作りに、小学生が加わる。

島内からの礼文高校への進学率は、2002年度には44人中16人、
年々上昇傾向で、今年度は特に23人中19人に達した。
同高の平塚幸男校長(55)は、「古里を深く知ったからこその成果」と胸を張る。

島だからこそ、できる教育がある。
子供たちの心に芽生えた思いは、島の大きな財産になるだろう。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20090205-OYT8T00282.htm

医療効率化にIT活用 健康産業で第2のノキアを 「フィンランドの社会保障」 [3]

(2009年2月6日 共同通信社)

高齢化による医療費増を抑制しようと、フィンランド政府はITを活用した
医療の効率化や疾病予防にも力を入れる。
国からの資金援助を受けたベンチャー企業の活動も盛んで、
「ヘルスケア産業を第2のノキアに」と期待。

「患者がどこにいるか、医療機器がどこにあるか、これを使えばすぐに分かる」
マッチ箱大のセンサーを手に、エカハウ社のアンティ・コルホネン社長は胸を張る。

2000年設立の同社が開発したシステムは、患者や移動用の医療機器に
取り付けたセンサーが発する微弱電波をキャッチ、
位置をパソコン画面上の病院内見取り図に表示。
医療機器の台数を最小限に抑えられるうえ、既存の無線LANを活用するため
導入費用も安く済む。

同社のシステムを導入した大阪大医学部付属病院は、
輸液ポンプ類など90台の機器にセンサーを付けている。
高階雅紀MEサービス部長は、「以前は必要な機器がどこにあるか、
17ある手術室を職員が順番に探し回っていたが、便利になった」と評価。

人口密度が低く過疎の問題を抱えるフィンランドでは、遠隔医療も課題。
イー・ヒット社は、各メーカーの家庭用血圧計や心電図計測機などのデータを
携帯電話に転送し、携帯から医療機関に送信するシステムを開発。

患者が自宅で測った数値をもとに医師が診断したり、助言をメールで送る仕組み。
カレビ・ボウティライネン社長は、「携帯電話の画面でデータをグラフ化したり、
疾病の危険性などを表示することも可能だ」と、
個人の健康管理にも役立つとアピール。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/2/6/91291/

2009年2月10日火曜日

社会現象に70年周期はあるか?

(サイエンスポータル 2009年1月30日)

「今のままだと、若い人をつぶしかねない」。
金澤一郎・日本学術会議会長のインタビュー記事で、
日本の研究現場の現状に対する危機意識を率直に語っているのが興味深い。

「日本は今、明治維新、太平洋戦争の敗戦に続く第3の意識改革の
時期にあるような気がする。
学術の面でも、本気で意識改革をしないといけないのではないか」

黒川清・政策研究大学院大学教授の記事の中で、
近代日本の歴史は、約70年サイクルで2回の激変があった。
どこの世界でも同じようなサイクルだ。日本にとっては
『明治維新』、『太平洋戦争』以来の激変のとき」

環境の激変に対応できないと、日本は大変なことになる、という
危機意識を黒川氏も強く持っている。
金澤氏は、いまが明治維新、太平洋戦争の敗戦に続く第3の意識改革の時期
といっているだけで、「周期性」については触れていない。
しかし、現、前日本学術会議会長がそろって同じことを言っているのは、
ただごとではない。

社会現象に、「70年周期」などというものが本当にあり得るのだろうか?
70年サイクルと聞いて、「南関東大地震69年周期説」を
思い起こす人はいないだろうか。
断層を特定して、何年おきに地震が再来するかを論じるならわかる。
しかし、南関東というおおまかな地域を対象に、
大きな地震が何年おきに起きるなどと言うのはほとんど意味がない。
しばらくは、だれもまともに批判せず、「69年周期説」は世の中に流布していた。

中西輝政・京都大学大学院教授(国際文明学)の著書
「日本の『敵』」(文春文庫)を読んでみた。
中西氏は、1995年に「阪神・淡路大震災」、「オウム・サリン事件」、
「兵庫銀行、木津信用金庫の破綻(97年の山一証券、北海道拓殖銀行破綻、
98年の金融システム全体の危機につながることにも触れて)」が
続けざまに起きた例を挙げ、70年周期を説いている。

「バブルの宴」の直後に必ず大地震が起き、
その後に日本社会は大きな「断絶的変化」を経験。
それが、ほぼ70年の周期で起こっている。
「阪神・淡路大震災」が起きた95年の一つ前には、
第1次世界大戦によって引き起こされた「成金バブル」の後で
関東大震災(1923年)が起き、27年の「金融恐慌」へと続いた。

老中・田沼意次による商業資本重視の政治を謳歌した安永・天明期のバブル、
その70年前は元禄期のバブルがあり、
いずれもバブル直後に大地震が起きていることを指摘。

自然界でよく知られている現象に、
13年と17年おきに大発生する米国のセミの話がある。
なぜ、13年と17年かの定説はないようだが、
吉村仁・静岡大学教授が13と17が素数であることに、
その理由を求める説を唱えている。
別々の周期で一斉に羽化し、子孫を残して続けてきたセミが、
同じ年に同時に羽化し大発生すると、それぞれ多くの子孫を残せなくなる。
同じ年に大発生するのを避けるには、
13と17という素数同士の周期がよかった、ということらしい。

社会の断絶的変化が起きるのに、70年という周期があるかどうか。
その根拠を明確にあげるのは、米国のセミの発生周期より
さらに難しそうに見えるが、数理統計学者などはどうみるのだろうか。

http://www.scienceportal.jp/news/review/0901/0901301.html

ノーベル賞の益川教授、平和への思い語る

(朝日 2009年1月31日)

ノーベル物理学賞を受賞した益川敏英・京都産業大教授(68)は、
受賞講演で自らの戦争体験に触れた。
益川さんの思いが知りたくて、戦争とともに始まった半生を聞いた。

受賞講演では、「自国が引き起こした無謀で悲惨な戦争」という表現で
太平洋戦争に言及した。
開戦前年の1940年生まれ。父は当時家具職人。
5歳のとき、名古屋空襲に被災。

「焼夷弾が自宅の瓦屋根を突き破って、地面にごろりと転がる。
家財道具を積んだリヤカーに乗せられ、おやじやお袋と逃げまどう。
焼夷弾は不発で、近所でうちだけが焼けなかった。
発火していれば死んでいたか、大やけどを負っていたと恐怖がわいた。
こんな経験は、子や孫に絶対させたくない。
戦争体験は、ぼくの人生の一部であり、講演では自然と言葉が出た

敗戦翌年、国民学校(小学校)入学。
校舎は、旧日本軍の兵舎跡。
銭湯の行き帰り、父から天体や電気の話を聞かされ、
理科や数学が得意と思い込んだ。

「祖父母は戦前、植民地下の朝鮮で豊かな暮らしをしていた。
高校生のころ、妹が母に、朝鮮での暮らしぶりをうれしそうに尋ねるのをみて、
ぼくは『そんなの侵略じゃないか』と怒鳴ったことが。
戦争につながるもので、利益を得るのは許せない」

58年春、名古屋大理学部に入学。
日本人初のノーベル賞受賞者の湯川秀樹博士の弟子の坂田昌一氏が
教授を務める素粒子論教室で学んだ。

「家業の砂糖商を継ぐことを願っていた父に、
1回だけの条件で受験を許してもらった。
坂田先生は、『素粒子論の研究も平和運動も、同じレベルで大事だ』と語り、
反核平和運動に熱心に取り組んでいた。
科学そのものは中立でも、物理学の支えなしに核兵器開発ができないように、
政治が悪ければ研究成果は人々を殺傷することに利用される。
「科学的な成果は、平和に貢献しなければならず、原水爆はあるべきでない」
と熱っぽく語られた。
私たち学生も、全国の科学者に反核を訴える声明文や手紙を出すお手伝いをした」

67年、名古屋大理学部助手。大学職員の妻明子さんと結婚。
学生運動全盛の時代。
ベトナム反戦デモに参加したり、市民集会に講師として派遣されたりした。

「とにかく戦争で、殺されるのも殺す側になるのも嫌だ。
ぼくのやるべき仕事は、物理学や素粒子論の発展で、
平和運動の先頭に立って旗振りをすることじゃない。
でも、研究者であると同時に一市民であり、
運動の末席に身を置きたいと考えていた

作家大江健三郎さんらが設立した「九条の会」に賛同して、05年3月、
「『九条の会』のアピールを広げる科学者・研究者の会」が発足すると
呼びかけ人になった。

「日本を、『戦争のできる国』に戻したい人たちが改憲の動きを
強めているのに、ほっとけないでしょ。
いろんな理由をつけて、自衛隊がイラクへ派遣されたが、
海外協力は自衛隊でなくてもできるはず。
まだおしりに火がついている状態とは思わないが、
本当に9条が危ないという政治状況になれば、軸足を研究から運動の方に移す」

ノーベル賞授賞式から約1カ月後、黒人初のオバマ米大統領が誕生。

ぼくは、物理屋でいるときは悲観論者だが、人間の歴史については楽観的。
人間はとんでもない過ちを犯すが、最後は理性的で
100年単位で見れば進歩してきた。
原動力は、いま起きている不都合なこと、悪いことをみんなで認識しあうこと。
いまの米国がそう。
黒人差別が当然とされてきた国で、黒人のオバマ大統領が誕生するなんて
誰が信じただろう。
能天気だと言われるかもしれないが、戦争だってあと200年くらいでなくせる」

http://www.asahi.com/science/update/0131/OSK200901310014_01.html

離島で学ぶ(5)介護即戦力 地元から

(読売 2月4日)

島が求める即戦力を育てる学校ができた。

新潟市から、雪がちらつく日本海をフェリーで2時間半。
佐渡島に昨春、待望の専門学校が開校。
県内で専門学校などを手広く運営する学校法人新潟総合学院の
「伝統文化と環境福祉の専門学校」。

トキが舞い、天然杉の原生林が広がる人口約6万5000人の佐渡は、
環境に優しい島づくりに取り組む「エコアイランド」。
800を超す社寺が残るなど文化財も豊富。
渡辺秀則副校長(52)は、「島全体が大きな教科書」

同校には4学科がある。
宮大工などを目指す「伝統建築」のほか、竹芸などに取り組む「伝統文化」、
フィールドワークに力を入れる「環境マネジメント」の3学科が3年制。
「佐渡でしか学べない」を前面に押し出し、主に島外から学生を呼び込む。
2年制の介護福祉学科だけは、違った側面を持つ。

同学科の学生10人は、全員が島内出身者。
学校から車で10分ほどの特別養護老人ホーム「新穂愛宕の園」を訪れ、
入所者らと談笑しながら、先輩の介護福祉士の仕事を間近に見て学んだ。

「最近寒いから体に気をつけて下さいね」と同学科1年の信田俊さん(19)も
入所者らに声をかけた。
新潟市で介護を学ぶつもりだったが、高校3年の頃に学校ができると知り、
島に残った。
下宿生活は親への負担が大きいし、「のんびりとした島の風土が好き」。
信田さんは、島内の施設で働きたいと考えている。

佐渡から介護福祉士を目指すには、本土の専門学校などに通う例が多かった。
実習先の施設に就職するなど、必ずしも島での就職には結びつかなかった。

人口の35%を高齢者が占める島では、介護福祉分野の働き手は不足。
島内の高校5校から年600人が巣立つが、7割は進学で島を離れる。
若者と雇用をつなぐには、島で学び、働ける環境の整備が必要。

同校を誘致した佐渡市は、全面的な支援体制を敷く。
閉校した佐渡高校金井校舎の建物を市が無償譲渡し、
改修費用など約1億5000万円も負担。

市は開校の半年前、卒業生の就職支援組織を発足
観光協会や建築組合、社会福祉協議会など20近い団体が入り、
最初の卒業生が出る来春に向けた情報交換が続く。
学校は、まだ定員を満たすまでには至っていないが、
市の担当者は「若者が残ることで、島の活性化につながることを証明したい

同校では、佐渡で働く介護福祉士が集まって実技講習会を開くなど、
ネットワーク作りの拠点にもなりつつある。
学生の参加も検討している同学科の金岡恵美子講師(55)は、
「学校から介護の担い手を送り出す一方で、島全体が質の高い介護サービスを
提供できるようにレベルアップすることも重要」

官民が手を携えた取り組みが、島の発展につながることを期待したい。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20090204-OYT8T00267.htm

豊かで自立した老後生活 介護人手不足は日本と共通 「フィンランドの社会保障」 [2]

(2009年2月6日 共同通信社)

ヘルシンキの中心部から車で15分の郊外に立つ、高齢者向けマンション。
現役時代、建築士として働いたヨウコ・ヘイキネンさん(78)は、
訪問看護を受けながら、妻アンネリさん(73)と2人で暮らす。

ヨウコさんは、若いころにかかったポリオで手足に障害があり、
電動車いすでの生活だが、看護師が来るのは
1日1度のトイレ介助と週1度の入浴介助だけ。

それ以外の面倒を見るアンネリさんの負担は大きいが、
「訪問看護の回数を増やすと、夫は夜8時にはベッドに寝かされてしまう。
普段は2人で12時まで起きてるから、これでいいのよ」と、自立生活を重視。

フィンランドでは特別な事情がなければ、
成人した子供が親と一緒に住むことは少ない。
ヨウコさんも、市内に子供4人が住むが、「みな家族を持ち、それぞれの生活がある。
子供に介護してもらおうとは全く思わない」と当然のように話す。

ヨウコさんの年金は、月額約1280ユーロ(1ユーロ=120円換算で15万4000円)。
日本の介護保険制度には、家族介護者への現金支給はないが、
アンネリさんには夫の個人補助者としての手当が、
市から手取りで月15万6000円支払われる。

介護サービスは、自治体が提供するのが基本。
訪問看護の利用料は、収入に応じて5段階に分かれるが、
ヨウコさんは障害があるため無料。
日本より物価がやや高いことを考えても、生活には困らない。

2人の家に来る看護師(市職員)の月給の手取り額は、
アンネリさんへの手当とほぼ同じ。
低賃金で人気はなく、日本の介護現場と同様、人手不足に悩む。
一部では、フィリピン人看護師を受け入れる動きも。

▽障害ゆえの負担なく

知的障害者のための市立グループホーム。
「ここでの生活も楽しいけど、もっと自由に生活したいから、
看護師のいない施設に移りたいな」。
入居者のラッセ・サンタラさん(24)は活発な口調で話す。

部屋には、自分で買ったゲーム機「プレイステーション2」とソフトがずらり。
ホーム側が置いている家具の中には高級ブランド品もあり、
普通の若者の部屋と遜色ない。

入居者は、23-55歳の男女10人。
昼間は全員、作業所などに通い、夕方帰ってきて
一緒に夕食を食べるという生活パターン。
作業所の工賃は人によって違い、月1万2000-3万6000円。
日本の平均(1万2000円)をやや上回る程度だが、
障害年金が月10万円程度支給され、ホームの利用料を差し引いても
4万8000-7万2000円が手元に残る。

日本のグループホームも、施設の水準や障害者の暮らしぶりはさほど変わらない。
一般企業で働いている場合、日本のほうが経済的には豊かとも。
日本では、作業所に通うにも原則1割の利用料がかかる。
フィンランドでは無料だ。
「障害が理由による負担は生じないようにする」(社会保健省)
という思想が大きく異なる。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/2/6/91290/

2009年2月9日月曜日

離島で学ぶ(4)遠隔教室、ネットで直結

(読売 1月31日)

遠隔学習システムが離島の学びを変える。

スクリーンに、目隠しをした米国人の子供が、
福笑いに挑戦する姿が映し出された。
「ライト(右)、ライト……ストップ!」。
映像を見ながら、「耳」や「目」の位置を英語で伝えるのは、
約300キロ離れた沖縄県宮古島市立下地小学校の5年1組の子供たち。

昨年11月に同小で行われた英語活動の授業。
インターネット回線を使ったテレビ会議システムで、
同小と、沖縄本島にある県立総合教育センター(沖縄市)を結んだ。
米国人の子供たちは、近くの嘉手納基地内に住む小学生。

下地小の子供たちは、英語で自己紹介をし、得意の三線の演奏を披露する。
基地の子供たちは、映像を見ながら手拍子を打ち、学校の様子を写真で紹介。
最初は恥ずかしそうだった日米の子供たちだが、
最後は互いのスクリーンに向かって手を振っていた。

昨年7月、1組の児童に英語活動について聞いたところ、
23人中21人までが「外国の人と友達になりたい」と答えた。
しかし、島で外国の子供たちに出会える機会はほとんどない。
授業を企画した平良悦子教諭(40)は、「画面越しであっても、
言葉が通じる喜びを感じた子供たちの学習意欲は高まるはず」

沖縄県は小中学校約450校のうち、4割が国のへき地校の指定。
指定の8割は離島の学校。図書館や書店がない島も。

そんな地域の学習を支援するのが、県立総合教育センター
3億円を投じて開発した遠隔学習システム「美ら島e―net」の運用が、
今年度から本格的に始まった。テレビ会議のシステムも、その一部。
教員はIDとパスワードがあれば、県内のどの学校ともつなげることが可能。

美ら島e―netには、県内の教員らが作成した約4万件の教材が蓄積され、
子供たちは、その教材を使って自習ができる。

下地小の子供たちがテレビ交流した同じ日、
全校児童24人の宮古島市立宮島小では、4年生2人に億や兆など
大きなけたの計算の指導をする鶴町利之教諭(37)のそばで、
3年生4人が黙々とパソコンに向かっていた。
netから引き出した教材で、「時間」や「体積」など、算数の問題を解いていた。

「複式学級で、他学年の指導をしている間も、子供たちが自分のペースで
苦手な問題に取り組める。
どの問題でつまずいたかも、教員用のパソコンからすぐに把握できます」
離島に多い複式学級を持つ学校では、
netの活用が、教員の負担軽減にもつながっている。

こうしたシステムを利用できるのはまだ42校だが、
新年度には、県内すべての離島やへき地の学校に導入。
センターでは、小学校の英語活動の授業に対応するため、
ネットで学べる英語教材の準備も急いでいる。

子供たちに不利だと感じさせない教育環境の整備は、
行政の大きな責任と言える。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20090131-OYT8T00242.htm

がん治療法をネット講義、地域格差解消へ…山形大

(読売 2月4日)

山形大医学部は、東北6県のがん治療のレベルアップを目指し、
医療関係者を対象にした「東北がんEBM(科学的根拠に基づく医療)事業」
5か年計画でスタート。

がん医療のリーダーとなる専門医育成コースと、生涯教育として東北全域の
医師や看護師ら医療関係者が学べるインターネット講義コースを設け、
地域に偏りのないがん治療体制を目指す。
事業は、がん治療の平準化を目指し国が2006年に施行した
「がん対策基本法」に基づく文科省の助成事業(年間約8千万円)。

全国に占める東北のがん死亡率(2004年)は秋田1位、山形4位、
青森9位と、全国上位の県が多い。
39のがん診療拠点病院などに、抗がん剤など化学療法の専門医が11人、
放射線治療が39人と少なく、専門医の配置にも地域差が生じている。

広域を対象とした教育で、威力を発揮するインターネット講義による教育システムは、
医師、看護師、薬剤師、技師らが対象。
山形大医学部の教授が、基礎知識や専門領域の最新の治療法などを
生中継で講義し、その場で質疑応答も可能。
講義内容は繰り返し視聴できる。
登録、視聴は無料で、同大医学部のホームページで公開を始めている。

リーダー育成コースは、東北のがん拠点病院に勤務する医師が対象。
指導医の資格を持つ教授らのもとで研修することで、
最先端のがん診療・研究能力を養う。
受講中は、山形大医学部の教員として身分が保証され、
研究費や学会への参加費が支給。
定員12人程度で、既に7人が受講。

嘉山孝正医学部長は、「東北地方で不足するがん専門医の育成を急ぐとともに、
がん教育のすそ野を広げたい」

http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20090203-OYT1T01145.htm

クラゲに含むたんぱく質「クニウムチン」注射、「変形性関節症」治療に効果

(2009年2月2日 毎日)

エチゼンクラゲなどに含まれるたんぱく質「クニウムチン」が、
関節の軟骨がすり減る「変形性関節症」の治療に効果があることを、
東海大の佐藤正人准教授(整形外科学)らが動物実験で突き止めた。
日本再生医療学会で発表。

変形性関節症は、加齢やけがが原因で歩行困難になる病気で、
国内に約700万人の患者が。
ヒアルロン酸を関節に注射して進行を遅らせることができるが、
根本的な治療法はない。

クニウムチンは理化学研究所などが07年、エチゼンクラゲから見つけた。
人間の胃液の主成分「ムチン」に似た構造を持つ。

佐藤准教授らは、関節の軟骨の表面にもムチンがあり、
変形性関節症の人はその量が少ないことに着目。
変形性関節症のウサギで実験したところ、
ヒアルロン酸だけを注射したウサギより、ヒアルロン酸とミズクラゲや
エチゼンクラゲから採取したクニウムチンを注射した方が、
軟骨の厚さの回復がよく、損傷の度合いや範囲も大きく改善。

佐藤准教授は、「ヒアルロン酸がクニウムチンを包み、相乗効果によって
軟骨に長くとどまるからではないか。大型の動物で安全性などを確認し、
人の治療に役立てたい」

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/2/2/90907/

高齢化に備え歳出抑制策 消費税22%も政府を信頼 「フィンランドの社会保障」 [1]

(2009年2月6日 共同通信社)

フィンランドでは、日本の消費税に当たる付加価値税は22%で、
税金と社会保険料を合わせた国民負担率は日本の1.5倍。

行政サービスも手厚く、雇用保険では、パート労働者と正社員の扱いは同じで、
失業手当の基本部分は最大500日(日本は360日)受けられる。
社会的弱者への支援も充実、障害者は月18回までタクシーを無料で利用。
育児では、児童手当はもちろん、出産時にベビー服一式から
絵本までがそろった子育てパックを支給。

医療や年金なども含めた社会保障給付費(2005年)は、
国内総生産(GDP)比で日本18・6%に対し、26・1%。
教育も重視し、学校の授業料は大学まで無料。

しかし、高齢化による社会保障費の増加がやはり悩みの種。
財務省のユッスィ・フオパニエミ氏は、「このままだと将来、
財政収支のバランスは保てない」と危機感を示す。

▽年金運用見直し

歳出抑制策では、日本と共通する点が多い。
(1)公務員削減や市町村合併、
(2)介護サービスを施設から在宅重視へ転換、
(3)民間活力の導入

介護では、12年までに75歳以上人口の90%以上が自宅で暮らすようにする、
という目標を掲げ、現在ほぼ実現。
年金は、05年に改革を実施。
定年退職年齢を63-68歳の間で選べるようにし、就労意欲を高めるために、
長く働けば年金が増える仕組みとした。
年金積立金の運用方法を、07年に変更。
株式投資などハイリスク・ハイリターンの運用で高収益を目指す。

昨年1-9月は、世界的な金融危機などで7・4%の赤字だったが、
不安の声は出ていない。

▽清潔度世界1位

年金の運用にせよ、高い税金にせよ、国民が受け入れているのは、
政治や行政への信頼感が高いため。
世界各国の汚職を監視する非政府組織(NGO)
トランスペアレンシー・インターナショナルの07年の「清潔度」順位で、
フィンランドは1位。

すべてがうまくいっているわけでもない。
医療は、自治体が運営する「保健センター」の主治医にかかることが原則。
しかし医師不足のため、歯の治療などで予約を入れようとしても
数カ月待ちが珍しくない。

▽医療めぐる相違

現地に住んで15年になる森下圭子さん(39)には、こんな体験が。
花粉症が悪化し声が出なくなってしまったため、保健センターへ行くが、
医師の診察の前に行われる看護師との面会が3時間待ち。

いったん帰宅し、看護師と面会するが、「主治医の診察は3時間後」と再び帰宅。
ようやく主治医の診察を受け、薬の処方を頼むが、
「街の薬局で買って」と断られた。
森下さんは、「高い税金の見返りがこの医療では...」と憤る。

終末期医療についても、日本とは考え方が異なる。
「高齢者に積極的な医療はしない。それが国民的な合意になっている。
延命治療はあまり効果がなく、むしろ苦痛を与えるだけだ」、
国立保健福祉研究所のハリエット・フィンネ・ソベリ上席研究員。

「患者権利法」で、終末期に関する希望を聞くことが義務付けられ、
多くの国民は「自然な」最期を望む。
こうした事情を反映してか、公的医療費のGDP比は日本をやや下回っている。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/2/6/91289/

2009年2月8日日曜日

離島で学ぶ(3)「食」で見つめ直す生活

(読売 1月30日)

離島の暮らしを通して、学生が生活を見つめ直す。

鹿児島純心女子大学の調理室には、香ばしい香りが立ち込めていた。
調理服姿の学生15人が、班ごとに、キビナゴをあぶったり、
焼いたクロダイに高菜の葉を巻き付けて煮たりしていた。
それから2時間ほどで、海鮮鍋、煮魚、炊き込みご飯など
6品がテーブルに並んだ。
市内の甑島列島の食材を使った伝統料理ばかり。

看護栄養学部が、島の食事に着目したのは4年前。
コンビニエンスストアやスーパーには、1年を通じて季節感のない
食材が並ぶ飽食の時代。
森中房枝准教授(調理学)は、「島の食生活から、
学生が今を見つめ直すきっかけになれば」

甑島列島は、薩摩半島の西約30キロの東シナ海に浮かぶ
上甑、中甑、下甑の3島からなる。人口約6000人。
漁業で生計を立てる人が多い。
島には高校はなく、「15の島立ち」という言葉が今も残る。

市はそんな島を、丸ごとキャンパスとして全国の大学や短大に使ってもらう
「こしきアイランドキャンパス」という試みを始めた。
学生が、島民と交流するのが条件。
島の自然や文化に触れながら、島の新たな産業や未利用資源の活用策などを
提案してもらう代わりに、市が1団体20万円までの補助金を出す。

「交流で活気が生まれる。島の子供たちには、学生と話をして夢を描いてほしい」
と市企画政策課の村岡斎哲・甑島振興グループ長(50)。
昨夏には、鹿児島純心女子大の伝統食のほか、神戸大、
京都造形芸術大など3団体が、方言の調査をしたり、空き家に芸術作品を展示。

鹿児島純心女子大からは、看護栄養学部の学生と教員計12人が、
地元の主婦ら生活研究グループと交流会を持ち、
小学校では子供たちと一緒に清掃活動もした。

瀬口華代さん(22)(4年)は、島民との会話の中で、
改めて食生活を考えさせられた。
その日に採れた野菜や魚から、何を作るかを決める。
島の食卓には旬があった。
荒天が続くと、島には外からの食料は届かない。
大切さを知っているからこそ、食材は無駄なく使い切る。
「忘れてはいけない当たり前のことを、島の人たちに教えられた」

檜垣奏恵さん(22)(同)は、奄美大島の出身。
古里に比べて、甑の島々には簡単に食べられる土産物が少ないと感じた。
キビナゴを使ったせんべいやクッキー、塩アイスなど、
学生の目線での商品開発を提案。

森中准教授は、「管理栄養士を目指す彼女たちには貴重な経験になったはず」
今後は、島で慶事の際に作られるかまぼこや、子供用の小さなお重など、
最近は見られなくなった料理をレシピに残す取り組みも始めたい。

日常を離れて島民や島の生活に触れる。
学生たちが「今」を考えるには、またとない機会になるだろう。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20090130-OYT8T00273.htm

世界の風力発電昨年28.8%増 総出力米国がトップに

(サイエンスポータル 2009年2月4日)

世界の風力発電出力は昨年、28.8%増加、
120.8ギガワット(1億2,080万キロワット)に達した、
と世界風力エネルギー協会(本部ベルギー)が発表。

この量は、毎年、1億5,800万トンの二酸化炭素排出削減効果を持つ。
昨年、最も伸びが大きかったのは米国で、前年の50%に相当する
836万キロワットの増加。
総出力は2,510万キロワットとなり、ドイツ(2,390万キロワット)を抜いて世界一。

風力の増加量は、米国で昨年1年間に増えた総発電出力の42%を占め、
3万5,000人の新しい雇用増をもたらした。

米国に次いで伸びが大きかったのは中国で、昨年1年間で630万キロワットの増。
これは4年連続の倍増で、総出力は1,220万キロワット。
ことしも倍増の勢いは変わらず、2010年にはドイツ、スペインを抜いて
世界第2の風力発電国になる。

「中国企業は、2009年には国内だけでなく、日本や英国市場へも参入。
米国へもいずれは」と中国再生エネルギー産業協会。
欧州は、昨年1年間で890万キロワット伸び、総出力は6,600万キロワット。

http://www.scienceportal.jp/news/daily/0902/0902041.html

低コスト製造技術を開発 岩手生物工学研究センター

(岩手日報 1月31日)

岩手生物工学研究センター(北上市、内宮博文所長)は、
稲わらからバイオエタノールを低コストで製造する新技術を開発。

新発見したタンパク質「CW31」で、セルロース(繊維質の主成分)の結束を
緩めて酵素分解効率を高め、アルコール発酵に必要な糖質への変化を促す。
従来の製法に比べ、コストは約半減。
県は新技術を特許出願。
食用部分を使わないバイオエタノールの実用化へ一歩前進。

セルロースからバイオエタノールを精製するには、
グルコースという糖質に変化させる必要があるが、
強固な束状のセルロースをいかに分解するかが課題。

同研究センターは、いもち病菌から新タンパク質「CW31」を取り出すことに成功。
セルロースの分解にはセルラーゼという酵素を投入するが、
「CW31」により、セルロースの結束が緩むため、
セルラーゼの投入量が少なくて済む。

これまでの手法では、セルラーゼの経費がバイオエタノール製造費の
5、6割を占める。
新技術を使うと、コスト(施設の設置費用と人件費は除く)は
従来の1リットル200円から80-120円に下げる。

施設の設置費用や人件費を含むと、現在1リットル100円ほどの
ガソリンの価格を大きく上回ることが課題。
コストを下げるさらなる技術開発が必要で、
化学系企業と共同で実用的な生産技術の開発を進める。

技術を開発した同センターの竹田匠主任研究員は、
「遺伝子を変化させて、CW31の力を高めるとともに、
CW31を大量に増やす技術を開発してさらなる低コスト化を図りたい」

県は、2020年度を目標にエネルギーの地産地消を目指す
「いわてバイオエネルギー利活用構想」を08年3月に策定。
バイオエタノールの生産技術確立や、原料となる多収量米の
低コスト生産などに取り組んでいる。

http://www.iwate-np.co.jp/economy/e200901/e0901311.html

短時間の激しい運動で糖尿病リスクを削減

(2009年2月3日 WebMD)

短時間の激しい運動によって、身体が糖を処理し糖尿病と闘う能力に
有意に影響を及ぼすことが可能である。

『BMC Endocrine Disorders』で発表された研究において、
ヘリオット・ワット大学(スコットランド、エジンバラ)の科学者らは、
1-2日ごとに短時間でも激しい運動をすることが、
糖尿病のリスクを下げるのに役立つ。

工学・物理学部の教授であるJames Timmons博士は、
16例の若年健康男性志願者を対象として、「運動強度の高いトレーニング」が
インスリンの作用と血糖コントロールに及ぼす影響を検討。

博士らは、2週間の研究においてインスリン感受性が有意に改善。
定期的な運動は、2型糖尿病と心臓疾患のリスクの低減に役立つ。
多くの人々は、現在の運動ガイドラインに従う時間は絶対ないと感じており、
それは不幸なこと。
なぜなら、博士のチームは「それぞれ約30秒しかかからない、
いくつかの激しい筋肉運動をすることによって、わずか2週間で代謝が劇的に改善」

現在の勧告には、1週間に2.5時間、運動強度が中程度の活動。
博士のチームは、「量は少なく、運動強度の高いトレーニングによって、
それ以外にはあまり身体を動かさない若年男性におけるインスリンの作用と
グルコース・クリアランスが大幅に改善した」

「従来から言われている運動と糖尿病との関係を、
我々がまだ十分には理解していない」ことを示している。

被験者は30秒間ずつ合計15分間、エクササイズバイクを全速力でこぐ運動を
2週間にわたって行った。
被験者は日頃あまり身体を動かさず、運動プログラムに参加したことはない。
「新しい手法は、運動する時間をより簡単に見つけられるようにすることによって、
より健康的な生活をおくるのを手助けし、将来の健康状態を改善し、
医療サービスにかかる何百万ポンドもの費用を節約する可能性」

2型糖尿病が世界的に増加しているため、この知見は重要。
糖尿病および心臓血管疾患を発現するリスクを下げることは可能であるが、
運動療法があまりにも時間がかかったり面倒なものであってはならない。

http://www.m3.com/news/SPECIALTY/2009/2/3/91039/

2009年2月7日土曜日

早食い防止:一口30回かんで健康に 唾液分泌…肥満、脳の老化、虫歯予防

(毎日 2009年1月30日)

慌ただしい現代社会、急いで食事をかきこむ癖のついた人は多い。
早食いは健康に良くないと聞く。
早食いの影響や、ゆっくり、よくかむためのアイデアを調べた。

◇時間かけて食事 歯ごたえある食材利用

大阪大の磯博康教授(公衆衛生学)らは、30-69歳の男女3287人を対象に、
早食いと肥満の関連を調査。
早食いで満腹まで食べる人は、そうでない人に比べると、
肥満度を示すBMIが25以上の「肥満」になるリスクは約3倍。

人は食事をすると、血糖値が上昇し、満腹中枢が刺激されて食事をやめる。
早食いの人は、満腹を感じる前に多く食べてしまうため、
エネルギー摂取量が多くなる傾向。
磯教授は、「早食いと怒りや疲れなど精神的ストレスも関係。
慢性的にストレスを感じている人は、高カロリーの食べ物を好む傾向」

埼玉県戸田市文化会館で、65歳以上の男女11人がリズムに合わせ、
口をとがらせたり、すぼめたりする運動。
頬の筋肉を動かすなど、12種の動きを取り入れた「お口の健康体操」。

指導する埼玉県歯科医師会の白根雅之・歯科医師は、
「よくかむと、あごの骨や筋肉が動いて血液循環が良くなり、
脳細胞の動きが活発になり、脳の老化を防ぐ。
口に入れた食べ物が小さくなるので、のどに物が詰まりにくくなり窒息予防に」
参加した女性は、「毎朝、食事前に体操している。
口の周りが軽くなり、おいしく食べられるようになった」

体操には、あごの下の唾液腺を刺激する運動を取り入れている。
唾液に含まれる酵素「アミラーゼ」は、でんぷんを分解し、胃腸の負担を減らす。
口の中の汚れを洗い流し、歯の表面をきれいにする。
口の中を常に中性に保とうとする作用も。
唾液は、かめばかむほど出る。

ハンバーガーやカレー、牛丼、ラーメンなど軟らかく、食べやすい食事は、
忙しい人にはとても便利。
日本咀嚼学会元理事長の斎藤滋さんは、時代とともにかむ回数が
どう変化してきたかを、当時の食べ物から推測。
現代人が1回の食事でかむ回数は、弥生時代の6分の1以下、
食事時間も5分の1。
戦前と現代を比べてもかむ回数、食事時間とも半分以下に減っている。
出版社「学校食事研究会」は、よくかむことの効能を八つ掲げ、
それぞれの頭文字をとって「卑弥呼の歯がいーぜ」とのキャッチフレーズ。
弥生時代後期の女王、卑弥呼にちなんだ。

毎日の食事で、どうやって早食いを防止すればいいか?
(1)一口で食べる量を少なくする、
(2)30回かむ、
(3)一口飲み込むごとに、はしを置く

メニューから工夫することも。
歯ごたえのあるレンコンやゴボウなど、食物繊維の多い野菜や小魚を加えたり、
白米に玄米を混ぜるのがお勧め。

「会話を楽しみながらゆっくり食事をすると、親近感も深まる。
子どものころから身につけることが大切」
……………………………………………………………………………………
◆よくかむと期待できる8大効用
◇ひ 肥満予防=少量で満腹感が得られ、ダイエットに
◇み 味覚の発達=食べ物本来の味が分かる
◇こ 言葉の発音はっきり=あごが発達し、歯が正しくはえ、かみ合わせが良い
◇の 脳の発達=脳細胞の動きを活発化。ぼけ防止にも
◇は 歯の病気予防=唾液がたくさん出て歯周病や虫歯を予防
◇が がん予防=唾液には発がん物質の働きを抑える物質が含まれる
◇い 胃腸快調=よくかむほど消化酵素がたくさん出て、胃腸の負担を軽減
◇ぜ 全力投球=奥歯をぐっとかみしめ、力いっぱい遊びや仕事ができる
※学校食事研究会発行「学校の食事」などから作成

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/1/30/90818/

2009年スペシャルオリンピックス冬季世界大会・アイダホ 日本選手団の結団式が行われる

(東京オリンピック招致 2月4日)

2月7日(土)に開幕する
「2009年スペシャルオリンピックス冬季世界大会・アイダホ」
日本選手団の結団式が行われ、
アスリート61人、コーチ26人の計87人が活躍を誓った。

スペシャルオリンピックス(SO)は、知的発達障害のある人たちに、
さまざまなスポーツトレーニングとその成果の発表の場である競技会を、
年間を通じて提供している国際的なスポーツ組織。

大会は、1968年から始まり、現在では250万人のアスリートが
世界180カ国以上で活動を展開。
日本は、1995年のコネチカット大会が初参加。
今年は、アメリカ・アイダホ州のボイジで7~13日まで開催、
日本選手団はアルペンスキーをはじめとした7競技全てに参加。

結団式には、スペシャルオリンピック日本理事長であり、
東京オリンピック・パラリンピック招致委員会招致大使でもある有森裕子さんや、
シドニー、アテネ、北京と3大会連続でオリンピックに出場し、
東京オリンピック・パラリンピック招致委員会では岡山県ふるさと特使として
活動する為末大選手らが出席。
オリンピアンならではの熱いはなむけの言葉を贈った。

有森さんは、「選手たちは、ぜひこの素晴らしいチャンスをものにして、
日々、頑張ってきた一日一日を、素晴らしい会場で、素晴らしい人たちの
応援のもとで、自分の納得のいく形にして日本に持ち帰ってほしい。
私たちも彼らの頑張りを見て、生きる力につなげられたら・・・。そんな思いでいる」

為末選手は、「世界大会ともなれば、緊張は避けられない。僕も同じ。
でも、周りの選手たちもみんな緊張しているので、これまで頑張ってきたことを
思い出し、日ごろの練習の成果を出すことだけを考えればいい。
それが最後には一番の助けになる。オリンピックは楽しむことが一番!
存分に楽しんできてほしい」

谷川健次・東京都副知事東京オリンピック・パラリンピック招致委員会副会長は、
「東京都も、2016年オリンピック・パラリンピックの招致に向けて
頑張っているところ。
スペシャルオリンピックスとオリンピック・パラリンピックに
共通するのは“平和”。
一生懸命練習をしてきて、金メダルを取れればそれにこしたことはないが、
とれなかった場合でも勝った相手の努力を認め、
尊敬の念をもって握手を求めていく。
ここに平和の根源があるのではないか。
ぜひ、将来に残る思い出を作ってきてほしい」

高円宮妃殿下、細川佳代子スペシャルオリンピックス日本名誉会長、
2007ミス・ユニバース森理世さんらをゲストに迎え、司会は堀尾正明さん。

アスリートたちは、力強い決意表明で激励に応えるとともに、
世界の選手たちと交流するためのアスリートオリジナル名刺を、
谷川副知事から受け取った。

http://www.tokyo2016.or.jp/jp/news/2009/02/2009_2.html

離島で学ぶ(2)都会の講師から刺激

(読売 1月29日)

出前授業が、子供たちの人間力を培う。

「井の中のかわずでは、島を出れば通用しない。
島外の人たちの多様な考えが、子供たちの視野を広げてくれる」

島根県の隠岐諸島・海士町の佃稔教育長(62)が、
町の学校で盛んに行われている出前授業の狙いを語る。
地域社会を築いていける力を「人間力」と規定、その力を養うため、
東京や大阪などから若手実業家や大学生らを招き始めて3年に。

町の人口は約2400人だが、この5年間で100世帯、175人が移住。
豊富な水産資源を生かした起業など、30~40歳代が目立つ。
家族連れを呼び込むには、魅力ある教育が不可欠。
その目玉の一つが出前授業。

町教育委員会の岩本悠さん(29)は、2006年5月の第1回授業の講師。
一橋大学の教授や学生が地域活性化策を探るため、
町に入っており、その縁で依頼。
東京生まれ、東京育ちで、当時はソニーの社員。
大学生の頃にアジアやアフリカの途上国を訪れ、
国際支援活動をした経験を生かした。

生徒たちに、アラブの石油王や貧困国のストリートチルドレンなど、
様々な役割を与えて疑似的な交流をさせ、
「相手を受け入れるだけでなく、自分の魅力を伝えよう。そのバランスこそが自立」
島の未来と重なる言葉。「耳を傾ける生徒の純粋な表情が印象的」

半年後に移住した岩本さんは現在、
人間力推進プロジェクト人づくりプロデューサーとして、
出前授業の人選や交渉を任されている。

出前授業は年5回程度、実施。
学校の改修工事を建築家と検討したり、大学講師と起業を考えたり。
海士中の宇野和福校長(55)は、「小さな集団で育った子供たちが
コミュニケーション能力を高める絶好の機会」と評価。

中学生は4年前から、修学旅行先の東京で、島の歴史や観光スポットを
紹介する試みも続けている。
出前授業は、生徒たちが島の魅力を再認識し、
情報発信する気持ちを強くさせている。
昨年、海士中を卒業した生徒23人のうち、将来Uターンを希望したのは13人。
1年生の頃は4人だけ。

田口啓君(14)(2年)は、「授業で、当たり前に感じていた島の自然や文化が、
かけがえのないものだと気づいた。
自分が島で教師になって、その気持ちを伝えていきたい」と夢を語る。

進学や就職で、大半の若者が一度は島を離れてしまう。
岩本さんは、それでも構わないと思う。
「島に戻りたいと思った時、仕事はないかもしれない。
でも、仕事を作り出せる柔軟な発想を持つ子供を育てたい」

海士中では、昨年12月中旬、コピーライターの栃内淳さんを招き、
町のキャッチコピー作りに挑んだ。
「海産物の宝庫」「満天の星 満点の笑み いっぱいの心」。
生徒たちが書き上げたキャッチコピーを、岩本さんは頼もしそうに眺めていた。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20090129-OYT8T00252.htm

CSRやSRIの専門家として、経済を研究している河口真理子さん

(低炭素社会づくり 1月22日)

やまだ:経済と環境の話がどう結びつくのか?
これまで、モノをつくって経済を発展させ、豊かになってきたが、
現在では、その発展によって地球環境の破壊が起こっている。
このまま経済を推し進めて、環境もよくなっていく仕組みが存在するのか?

河口:経済と環境の共生は、わたしたちの心がけ次第で可能。
「お金に意志をもたせる」という言葉をよく使っているが、
お金がお金を生む、という仕組みをまず理解。
投資によって、お金が世の中で働いてお金(の子ども)を生む、
という考え方はあまり馴染みがないかも。

やまだ:現金が手元にあると使ってしまうから、銀行に預けるという考え方。

河口:銀行は、みんなからお金を預かって、お金を事業に貸して、利益を得る。
お金がどんなふうに働くのか、ということが重要。
どういう事業に貸したり投資するかが問われる。
バブル経済の時代は、巨額の不動産投資が行われ経済が急速に拡大したが、
事業内容の社会的な善し悪しは問われなかった。
今では、武器の製造に投資して20%儲かるのと、
再生エネルギーの製造に投資して10%儲かるのでは、
社会的により望ましいのはどちらか、といった「意志」が重要。

個人的には20%儲かっても、世界中で争いが増えるほうが幸せか?
自分の利益は10%でも、再生エネルギーが普及して
地球環境がよくなるほうがいい、と判断する人が増えてきている。
投資する事業が、どう社会に貢献するか、どれくらい利益をあげられるか、
という両面を考える。

河口:企業から、SRIについて教えてほしいという依頼が増えている。
利益だけでなく、環境に配慮した事業へ積極的に投資する方向へと、
企業や投資家が模索している段階。
お金には、環境を変える力があることを気がつかなかった人たちが、
これから投資の世界で動き出せば、世の中は変わっていく。
環境のためにできることは、ゴミを分別したりエコバックを使うだけでない。

最先端の環境技術に投資することも。
自然の乱開発に反対するなら、木に抱きついてブルドーザーを止めるよりも、
その開発事業への融資を止めるほうが、効果がある。

やまだ:お金にもエコな活動をさせる。

河口:日本は、個人の金融資産が1500兆円もある国。
その半分が預貯金。
この預貯金に意志を持たせたら、すごい力を発揮。
エコ事業に投資しようという貯金や寄付が出ている。
寄付も大事だが、もらって使って終わってしまうという意味では
サスティナブル(持続可能)ではない。

エコなビジネスを成り立たせ、利益をあげて回していくことが大切。
お金を使ってモノやサービスを提供して、利益を出して、
またお金が戻ってくる、これが経済。
お金をグリーンにするとは、経済のサイクルにエコの考え方を入れること。
森林を破壊しない材料とクリーンなエネルギーを使い、
使用後はリサイクルもできるモノをつくるれば、お金がグリーンになっていく。

やまだ:10~20代の人は、環境について教育を受けているが、
金融教育についてはまだ普及していない。
金融の基本を知って、環境に配慮した事業に投資しなければいけない
時代が来るということは、両方の教育が重要に。

河口:アメリカや英国の小学生に対する金融教育では、リスクとチャンス、
税金、寄付など、どうやってお金と付き合うかを教えている。
資産を運用するとき、あなたの意思決定が社会をつくるから、
あなたには責任があるのですよ、ということを教えている。

やまだ:格差社会がニュースで伝えられて、子どもたちはお金さえなければ
平和な社会なのに、と考えてしまう傾向。
経済で動かしている社会の上に生きていることを、わかってもらいたい。

河口:お金は、自分を幸せにするための道具。
お金を崇拝するのでも忌み嫌うのでもなく、対等な立場で付き合っていきたい。
自分が汗水流して働くと同時に、自分のお金にもちゃんと働いてもらう、
という発想が大切。
金融の先進国イギリスは、産業革命の後、金融立国を実現。
「サスティナブル・ファイナンス」を打ち出し、環境に配慮したサスティナビリティが
評価の対象になるような、新しい金融のしくみをつくっている。

これまでは、違法伐採の木材で安く家具をつくれば得をする、というように
エコは経済のしくみの外にあったが、今はそんな企業は信用されない。
環境の問題に配慮することは、経済の必須条件になっている。

やまだ:不景気になって、これまでの価値観を再認識するきっかけに。
新しい動きとして見ておくといいというものは?

河口:若いソーシャル・アントレプレナー(社会的企業家)が活躍。
彼らの活動からは、若い人たちも刺激を受けたり学ぶところがある。
青森や秋田、長野など、日本各地で地方自治体や市民が協力して
運営しているグリーン電力ファンドの活動なども、軌道に乗っている。

やまだ:低炭素社会実現の目標である2050年に向け、経済分野での課題は?

河口:過去の成功体験を持っている日本の企業人は、
「経済成長」から頭を切り替えることが難しい。
経済成長だけでなく、新しい「成長」=サステナビリティのかたちがある。
今後、炭素エネルギーである石油が使えなかったらどうするか、
を真剣に考えなければならない。

石油・石炭に頼らない新・再生可能エネルギーの時代に、
パラダイム・シフトしなければならない。
最先端の技術によって、昔から使っていたエネルギーや素材の可能性を
再評価することができる。
必ず社会に貢献する新しいビジネスとなる。
日本の江戸時代は、再生可能エネルギーだけで持続的な社会を作っていた。
そこから学ぶものは沢山あるはず。
新たな安全で経済的生活のため、お金の新しい使い方が求められることを、
企業も生活者も自覚していきたい。

やまだ:経済と環境のことをしっかり勉強して、社会に貢献している会社や事業に
投資をすることが、環境を守ることにつながる。
「地球を救うのはあなた、とあなたのお金」とも言えるかも。

◆河口真理子
株式会社大和総研経営戦略研究所主任研究員。
一橋大学大学院修士課程修了。大和証券外国株式部、投資情報部を経て、
1994年に大和総研に転籍、企業調査部を経て現職。
研究テーマは環境経営、企業の環境評価、環境会計、環境報告書、
社会的責任投資、企業の社会的責任。
青山学院大学非常勤講師、東京都環境審議会委員、サステナ日本評議委員、
社会的責任投資フォーラム代表理事・事務局長などを歴任。
著書に『SRI 社会的責任投資入門』(日本経済新聞社=共著)など。

http://www.team-6.jp/teitanso/dialogue/index.html

2009年2月6日金曜日

特集:健康を考える スギ花粉症

(毎日 2009年1月30日)

花粉症は国民の16%、2000万人以上が罹患する「国民病」。
日本では、1964年にスギ花粉症が報告され、その後、四十数年で
60種以上が確認されるなか、特にこのスギ花粉症が激増。
環境省は、今年のスギ、ヒノキの花粉の飛散は全国的に
「平年並みから多め」と見込み、「開始日」も1-2週間早いと予測。
医療法人森下眼科の森下清文理事長が、花粉症の予防策などについて。

花粉症は、アレルギー性疾患。
私たちには、異物(抗原)が入るとそれを察知して体内に「抗体」を作り、
異物を排除する機能がある。

この免疫反応が必要以上に敏感になり、それほど害にならないものまで
排除しようとして生じるのが「アレルギー」。

花粉症のアレルギー反応を見ると、花粉が粘膜や結膜に付着すると
「IgE抗体」が作られる。
特定の細胞(肥満細胞)に結合し、繰り返し花粉と接触するうちに
抗原に反応して肥満細胞が破壊され、ヒスタミンなどの刺激物質を放出。

スギ花粉症の激増の背景には、スギ林の増加が。
戦後の山林振興策で、1950~70年に全国でスギが造林され、
スギの面積が全国の森林の18%、国土の12%を占め、
452万ヘクタールにも広がった。
多くが樹齢30年を超え、現在最も多くの花粉を作る時期に。

花粉症の主症状は、目のかゆみ、くしゃみ、鼻水、鼻詰まりの四つ。
目の場合、目の周囲がかゆくなり、まぶたが腫れぼったくなり、
結膜が赤く腫れる。掻くと悪化し、結膜や角膜を傷つけ、
かすんだり、まぶしく感じたり。

鼻では、粘膜についた花粉を取り除こうとしてくしゃみが出る。
洗い流そうとして鼻水が出る、花粉を侵入させまいとして粘膜が腫れる。
ひどくなると、全身の倦怠感や発熱を伴う。

日常生活での注意では、マスクや眼鏡の併用が効果的。
市販の不織布やフィルター付きマスクは、正面からの花粉の90%前後をカットし、
頬などにすき間ができないよう、フィットしたマスクを選ぶことが必要。
マスクには保温・保湿効果もあり、粘膜の荒れを防ぐ。
普通の眼鏡でも、結膜への花粉の付着を60-70%カット。

ゴーグル型だと90%カット。
服装は、花粉が付きにくい上着やコート、表面がツルツルして織り目が詰まった
ナイロン素材がよく、髪は束ねて帽子をかぶるのがいい。
花粉が付きにくくなるスプレーなどの便利グッズも。

帰宅したら、玄関で衣服や髪に付いた花粉を払い落とし、屋内に花粉を入れない。
花粉は最高気温が15度以上、湿度が60%以下になると飛びやすく、
風が強い日は60-80キロと遠くまで飛ぶ。
飛散量が多い時、窓などを開けっ放しにせず、洗濯物も外で干さない。

毎日こまめに掃除する、干した布団や洗濯物は取り込む前にはたくなどして
花粉を落とす。空気清浄機を使うのもいい。
うがい、洗顔、目を洗うのもいい。
防腐剤の入っていない点眼(人工涙液)5-6滴で洗い流す。

食事面では、カテキンにはアレルギーを抑える成分。
ニンジンのβカロチンには、IgE抗体を減らす、
鼻詰まりにはシソ、西洋フキなどに効果が。

予防面では、花粉情報をこまめにチェックし、
自分の「花粉日記」で症状がいつごろ出るのか分かれば、
その2週間ほど前から抗アレルギー薬で発症を予防したり、軽減させる。

スギ花粉症は、少しの花粉でも反応が出る人がいるため、
花粉飛散の開始日前から治療を始めることも「初期治療」として認められる。

抗アレルギー薬には、細胞を安定させ、ヒスタミンなどが出ないようにする
ケミカルメディエーター遊離抑制薬」、
出てしまったヒスタミンが働かないようにする「抗ヒスタミン薬」がある。

症状が強い時は、ステロイドを使用する場合。
内服薬としての第2世代の抗ヒスタミン薬は、即効性がある。
市販薬も数多く出回っているが、専門医を受診し、適切なアドバイスを
受けることをお勧め。
…………………………………………………………………………
◇花粉情報サイト

スギ花粉飛散開始マップはじめ、花粉症関連の情報・データなどを
まとめた環境省のページ。
2月上旬から、各地の花粉飛散情報を報告する「花粉観測システム」
(はなこさん)の運用が始まる予定。
http://www.env.go.jp/chemi/anzen/kafun/
………………………………………………………………………………………………………
◇もりした・せいぶん

1954年三重県伊賀市生まれ。
80年兵庫医科大卒業後、大阪医科大眼科学教室で研修。
82年神戸海星病院、83年北野病院に勤務。
84年から同医科大で白内障、緑内障、眼底疾患の診療・研究に従事。
88年同医科大講師。91年大阪市北区天神橋で医療法人森下眼科を開業。
医学博士。市民健康講座「目の勉強会」代表世話人。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/1/30/90873/

「第2次ゲノム革命」が始まった

(日経 2009-01-16)

「ゲノム(全遺伝情報)」という言葉を覚えているだろうか。
生命の営みを決める遺伝暗号の全体を意味し、2000年、
日米欧の国際プロジェクトで、人間のゲノム(ヒトゲノム)が初めて解読。
生命科学研究に革命をもたらす、と言われたこの成果からまもなく10年。
「第2次ゲノム革命」とでもいうべき新たな動きが起きている。

米ベンチャーのパシフィック・バイオサイエンシズは、2010年をめどに、
塩基情報を1時間に1000億個読み取れる解読装置(シーケンサー)を製品化。
24時間で2兆4000億塩基を読め、兆を意味する単位「テラ」と組み合わせて
「テラシーケンサー」とも呼ばれる。

ヒトゲノムは全部で約30億塩基なので、
新装置を使えば2分弱で読み切ってしまえる計算。
国際ヒトゲノム計画で、すべて解読するのに約10年を要したのと比べ、
隔世の感がある。

パシフィック・バイオは、遺伝情報を記録したDNAが作られていく様子を、
「リアルタイムでとらえることができる」
解読コストも10年前の約1000分の1以下に下がり、
医療・バイオ分野の日常的な解析ツールとして期待。

医療機関では、個々の患者の遺伝子レベルの特徴をとらえ、
既存データベースと照らし合わせて予防・治療戦略を練る。
新薬の開発や、特殊な働きを持つ微生物を効率良く探し出し、
産業応用をめざす研究にも強力な武器に。

テラシーケンサーの一歩手前であるギガ(10億)級のシーケンサーは、
既に各国で普及。
「次世代シーケンサー」とも呼ばれ、米ライフ・テクノロジーズ
(旧アプライド・バイオシステムズ)、米イルミナなどが相次ぎ新製品を投入、
市場獲得競争が激化。

米国、欧州に加え、中国への普及ペースが速い。
北京、上海などのゲノム研究機関は、数十台単位でギガシーケンサーを
そろえており、「次々世代」であるテラシーケンサーの大量導入計画も。

日本には、ギガシーケンサーはまだ少ない。
東京大学、理化学研究所、産業技術総合研究所などが中心。
タカラバイオ、北海道システム・サイエンスなど一部の専門企業が
受託解析事業を始めた。
伊藤忠テクノソリューションズ子会社のシーティーシー・ラボラトリーシステムズなど、
解析システムの輸入販売に力を入れる企業が出てきた。

なぜ日本は出遅れたのか?
1990年代、日立製作所が先端的なゲノム解読技術を開発、
特許を取得したものの、製品化は米社の手に委ねてしまった。
国際ヒトゲノム計画では、米欧に主導権を握られた。
重要たんぱく質の構造を徹底解析し、医療応用などに結びつけようとした
国家プロジェクトも、思ったほどの成果を出せずに幕を引いた。

日本ゲノム研究の頂点にあった理化学研究所の
ゲノム科学総合研究センターは縮小、改組を余儀なくされた。

米国では、国立衛生研究所(NIH)などの後押しで
着々と新たな解読手法や医療応用の研究が進み、
その成果を生かしたベンチャー企業も発足。
欧州でも、診断技術で世界の先端を行くロシュなどが開発研究を急いだ。
そうした動きがここへ来て一気に花開いた。

日本勢が、今から新装置を開発するのは難しい。
やるべきことは山ほどある。
装置がはじき出した膨大なデータから意味のある内容を
うまく引き出す作業は、まだ始まったばかり。
遺伝子が次々に機能し、たんぱく質を作り出してゆく流れ、
生体内で情報がやりとりされるネットワークの研究では、
理研の成果が国際的にも一目置かれている。

京都大学の山中伸弥教授も、新型万能細胞(iPS細胞)の作製にあたり、
理研の解析データを活用。
iPS細胞を使った病気の治療研究を進める慶応大学の岡野栄之教授は、
ギガシーケンサーなどにより、「遺伝子と病気との関係をさらに調べられる」

がんや糖尿病、生殖医療などの分野で、新鋭シーケンサーを使った
国際研究計画が次々に始まっている。
日本は、米英中が進めるがん関連の国際プロジェクトに参加を
求められながら、予算不足などを理由に断った。
こうした計画に背を向けるのでは、失うものが大きすぎる。
大量のシーケンサーを並べて片っ端からゲノムを解読する「物量作戦」は
他国に任せるにしても、
日本はアイデアと丁寧な分析で積極的に貢献していくべき。

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/techno/tec090114.html

「2050日本低炭素社会シナリオチーム」のプロジェクトリーダー、西岡秀三さん

(低炭素社会づくり 12月24日)

やまだ:「低炭素社会」って、どうイメージすればいいのか?

西岡:炭素の排出量をゼロにする「ゼロエミッション」。
二酸化炭素(CO2)を出さない社会にする。
大切なのは、そういう社会にしようと、みんなでいつも考えて行動すること。

やまだ:本当に「人類の危機」が迫ってくるのか?

西岡:地球の温暖化に伴い、さまざまな生態系の変化が生じている。
お米ができる地域に異変が生じたり、みかんなどの果物が熟す時期と
味のタイミングが昔と変わっている。
ゲリラ雷雨や洪水、山火事など、気候変動が進むことで起こる災害が増加。

やまだ:どうにかしなければ、と感じていても、わたしたちは実践的に
何をしなければいけないのか?都会の生活を捨てて、自給自足のような
生活をしたほうがいいという考え方もあるが。

西岡:都会で昼もしっかり働き、夜も楽しむことで豊かさを感じる人もいれば、
田舎で自給自足の野菜を作ってゆとりをもって暮らすことに豊かさを感じる人も。
CO2排出量については、ほぼ同じ。
どちらが幸せかについては、個人個人の考え方による。
その選択は、個人の自由。
われわれがめざす低炭素社会は、突飛な社会ではなく、
知恵を働かせれば実現可能な社会。

やまだ:CO2を減らすために、これから何をすればいいのか?

西岡:CO2排出量を70%減らせるのか、という疑問をよく投げかけられるが、
「技術的には減らすことができる」
消費エネルギーを半分にすることによって可能。
照明で、白熱灯を蛍光灯にすれば、エネルギーは1/4から1/5に。
電気自動車や断熱住宅など、環境に配慮した商品が売り出されている。
ガソリン代や電気料金が安くなり、確実にお得。
70%のCO2排出量の削減が可能だが、なぜできないか?
それは、われわれの社会の中に、なんらかのバリアーがあるから。

やまだ:消費者の立場からいうと、情報が入ってこないように感じる。

西岡:企業の立場から言えば、新しいことをやるためにはコストがかかる。
急激にやったら社会がついていけないし、本末転倒に。
低炭素な社会ではなく、人びとが安定な気候の下で
豊かで安心して暮らせる社会。

やまだ:みんなが平和でうまくいかない限り、過激すぎてもだめ。

西岡:低炭素社会へ移行していくことが、損する人もいる一方、
ビジネスチャンスになるということを知ってほしい。
しっかり儲けている人はいるが、そういう人はあまり声を上げない。
人は損したときだけ騒ぐもの…(笑)。
低炭素社会になれば、若い人が活躍できる場が生まれ、活力あふれる社会に。
かつて産業革命で世の中が変わったように、さまざまな可能性が広がる時代。

やまだ:低炭素社会とは、単純に質素で、地味で、昔の生活に戻っちゃうのではと
思っていたので、それは無理だろうと。
でも、違う未来がある。
新しい産業やビジネスが生まれるチャンスがあると思うと、やる気が出る。

西岡:今までは、どれだけモノを持っているか、
どれだけエネルギーを使っているかが社会的なステイタス。
これからは、違うことに価値観があってもいい。

やまだ:今までとは違う発想を持たなければならないということを伝える時、
先生が気をつけていることは?

西岡:上から目線で言ってもだめ。
地域の横のつながりから、口コミで広げてもらえるところを大切にし、
一方で、どんな企業でも、経営のトップが、環境の意識を高めることが重要。
環境に配慮することが、結果的に会社の利益になることを理解してほしい。
これからの企業は、モノでしか自分たちの商売が成り立たない、
モノでしか自分たちを表現できない、というところを変えなければいけない。
電力会社は、電力を売るだけが商売じゃない、
自動車会社は車を売るだけが商売じゃない、ということを考えてみるといい。
一つひとつ発想の転換をし、今の体制を変えるためのベースを見つける。
みなさんも、自分が勝負しているものを一度やめてみた時、どうなるかを考えると、
新しい方向性が見えるかもしれない。

やまだ:高齢化社会になれば人口は減り、技術も日夜進歩するし、
自然に低炭素社会になるのではないか、という気持ちもある。

西岡:大切なのは、一人ひとりが自分に何ができるのかを考えること。
私も年齢を重ねるにつれて、次世代の若い人のために
何を残せるかということを考えるように。
低炭素社会は、地球全体の気候が安定して、みんなが安心して生産し、
生活できる社会を次の世代につなげること。
地球環境資源について、資源の枯渇や水資源の問題など、さまざまな不安が。
一つ先のことを見ながら、低炭素社会のことをやっていくことが大切。

やまだ:違う世代の人と価値観を共有しあっていくことが必要。

西岡:新しい価値をつくっていくことを考えてほしい。
モノと技術は飽和している。
低炭素社会に貢献するすばらしい商品が次々と生まれ、
企業がビジネスを広げようと思ったら、違う企業と組むことが重要に。
「業際」ということも、この改革の時代に重要。
環境の問題は、最終的に地域の話に。
NGOやNPOの人たちの活動もいろいろ進んでいる。

やまだ:低炭素社会の未来を、どう想像していくかが大切。
異なる業種や世代間で語ることやコミュニティの場がもっと必要に。
今まで、低炭素社会について難しく考えていたが、
もっと楽しく想像していいことがわかり、楽しくなってきた。

◆西岡秀三
東京大学大学院数物系研究科博士課程修了、工学博士。
旭化成工業を経て国立環境研究所勤務、東京工業大学教授、
慶應義塾大学教授、IGES気候政策プロジェクトリーダー、
国立環境研究所理事を歴任。
専門は環境システム学、環境政策学、 地球環境学。
温暖化の科学・影響評価・対応政策研究に従事。
環境省地球環境研究計画「2050年日本低炭素社会シナリオ研究」 のリーダー。

◆やまだひさし

ラジオDJ。「やまだひさしのラジアンリミテッド DX」のメインパーソナリティ、
テレビ番組のナレーション、イベントMC、映画の吹替えや声優として活躍。
環境とエンターティンメントのイベント「Re-Style LIVE」の総合プロデュース・司会、
「うちエコ!特命大使」に任命。
著書『やまだひさしの日本縦断(エコ)アンリミテッド』(ソニー・マガジンズ)。

http://www.team-6.jp/teitanso/dialogue/01.html

世界レベル技術者誕生 三次元設計で本県初

(岩手日報 1月25日)

三次元設計ソフトの国内最大シェアを誇る「ソリッド・ワークス」の
認定技術者(CSWA)として、本県第1号の合格者が誕生。
日本初のCSWA試験機能を有する北上市三次元ものづくり革新プロジェクト
(三浦範和統括責任者)の初試験で、全国でも100人程度しかいない
世界レベルの称号を手にした。

合格者は、同プロジェクトが緊急雇用対策として北上市で企画した
三次元CAD(コンピューター利用設計システム)実践講座を受講した
小石川敬さん(33)と藤原裕道さん(36)。
ほか2人と計15日間の講座を24日修了し、同日試験に挑んだ。

試験はパソコンを駆使し、三次元構造物のモデリングや作図、解析など
7問を3時間以内に解く。
合格率60%の難関で、小石川さんは100点満点、藤原さんは90点で突破。

講座修了式は、北上高等職業訓練校で行われ、
主催する北上川流域地域産業活性化協議会の石川明広・市商工課工業係長が
4人に修了証書、主講師の小田中稔さん(34)が合格者に認定証を授与。

高度な三次元設計技術者は、新製品開発の手を緩めないグローバル企業
からのニーズが高く、CSWAは就職への近道。
小石川さん、藤原さんは、「設計技術者を目指し就職できるよう頑張る」
受講生4人は職を失い、昨年中に同プロジェクトの初級レベル講座を修了。
ほか2人は、合格ライン70点に一歩及ばなかったが、
「必ず、次回挑戦する」と熱く誓った。

三浦統括責任者は、「日本初のプロバイダー認定で初の合格者はうれしいが、
満足せず、合格率100%を目指し、講座を充実させていく」

◆CSWAとは

ものづくり産業で広く活用される三次元設計ソフト「ソリッド・ワークス」を提供する
ダッソーシステムズ・ソリッドワークス社(米国)が認定する
高度な三次元設計技術者。
北上市三次元ものづくり革新プロジェクトは08年12月、
日本で初めてCSWA試験ができるCSWAプロバイダーに認定。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20090125_9

2009年2月5日木曜日

健康は肥満対策より禁煙、節酒 厚労省研究班、メタボ健診に疑問投げかけ

(毎日 2009年1月30日)

がんや心筋梗塞などの循環器疾患を起こさないで、
今後の10年間を生きる可能性が最も高いのは、
「禁煙、月1-3回の飲酒、BMI(体格指数)25-27」の人であることが、
厚生労働省研究班による約9万6000人の調査結果に基づく推計で判明。
禁煙や節酒の取り組みは生存率を向上させるが、
BMIだけ下げても変化はなかった。

津金昌一郎・国立がんセンターがん予防・検診研究センター予防研究部長は、
「がん、循環器疾患を減らすには、肥満対策より、
まず禁煙、節酒を推進することが重要。
国民全体の健康対策として取り組む場合、肥満中心の手法は
適切ではない可能性がある」と、
肥満改善を重視する現在の特定健診(メタボ健診)に疑問を投げかけた。
米医学誌電子版に発表。

調査は、全国8県に住む40-69歳の約9万6000人が対象。
生活習慣に関するアンケートをし、約10年追跡。
調査対象年齢の人が、10年間にがんか循環器疾患を起こすか、
死亡する可能性が最も高いのは、
男性が「1日40本以上喫煙、週に日本酒2合相当以上の飲酒、BMI30以上」、
女性が「喫煙、同1合相当以上の飲酒、BMI30以上」

50-54歳の男性で、最も不健康な条件の人が10年間にがんを発症する割合は、
健康な条件の人の2・8倍、循環器疾患は4・8倍。
がん、循環器疾患にならないで生存している割合は81%。

BMI30以上の人が同25-27に下げても、平均的な生活習慣の男性の生存率と
ほとんど変わらなかった。
禁煙や節酒の取り組みを組み合わせると、大幅に向上した。
……………………………………………………………………………………
◇「小太り」が最も健康

厚生労働省研究班の大規模調査は、従来の「肥満=不健康」との
考え方に再考を迫る結果。
昨年4月に始まった特定健診(メタボ健診)は、
腹部肥満が循環器疾患の元凶と位置づけた。

国内では、肥満でなくても糖尿病や循環器疾患を発症する人が多いうえ、
国民の死因の第1位はがん。
肥満と循環器疾患だけにターゲットを絞った健診への批判は根強い。
世界保健機関(WHO)は、やせていても生活習慣病の多いアジアの住民に配慮し、
BMIに代わる細めの腹囲を使った基準導入を検討。

今回の研究では、従来の肥満の基準を多少超える「小太り」が
最も健康な条件に入った。
メタボ健診で重視されない喫煙や飲酒習慣の改善が、
生存率向上に関与していることが判明。
大櫛陽一・東海大教授(医療統計学)は、
「メタボ健診では、やせている喫煙者には何の指導もない。
メタボ健診のあり方に大きな問題提起をしているのではないか」
…………………………………………………………………………………
◇BMI

国際的に肥満度を示す指標として使われており、
体重(キロ)÷身長(メートル)の2乗で算出。
日本肥満学会は「18.5未満」をやせ、「22」を標準、「25以上」を肥満。
政府が推進する「健康日本21」やメタボ健診では、
25以上の人にやせることを推奨。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/1/30/90872/

環境保全を地域振興に 大船渡でフォーラム開催

(東海新報 2月1日)

「地球の環境は私たちの足元から」をテーマとしたフォーラムが、
市民文化会館・リアスホールで開かれた。
環境と共生した地域づくりやビジネス展開を提言する基調講演、活動発表、
地元産のナタネ油やシカ肉利用食品などの試食もあり、
来場者は環境を大切にする身近な取り組みの重要性に理解を深めた。

「けせん環境フォーラム2008」、大船渡湾水環境保全計画推進協議会、
三陸町地域の美しい水環境をつくり守る協議会、
気仙川流域基本計画推進協議会、けせん菜の花エコネット、
県大船渡地方振興局が主催。
環境保全活動への参加を促進する目的で開催し、市内外から約160人が訪れた。

マルチスペースでの開会行事では、大船渡湾水環境保全計画推進協議会の
水野雅之亮会長が、「今後の環境保全は森・川・海に農耕地も加えて考える必要」
大船渡地方振興局の高橋克雅局長も、「環境への取り組みは、
多くの地域の方々が一歩ずつ前に進むことが重要」

「未来に残したい気仙の風景」写真コンクールの表彰式を開催。
青い海と水田、三陸鉄道の列車が調和した風景を収めた作品「夏めく甫嶺」で
最優秀賞に選ばれた村上廣一さん(大船渡市)、入選、佳作、審査員特別賞の
各受賞者に賞状などが贈られた。

基調講演では、「川がサケを思い出す日」と題し、
北里大学海洋生命科学部の朝日田卓准教授が講師。
人工ふ化放流といった増殖事業の半面、海の栄養を山に運ぶサケの
重要な役割が見過ごされている点を指摘し、森や川の豊かな自然が
漁業資源確保につながる流れを解説。

朝日田氏は山、川の栄養確保やサケの回帰率向上、漁業者との共存に向けて
0・5~1%のサケを上流に遡上させる、
稚魚数を減らす代わりに単価を上げる、などを提言。
「開発に反対するだけではダメ」として、環境保護を地域活性化につなげる
取り組みや、環境共生型のビジネスを提案。

具体的には、川上を遡上したサケを見学する旅行企画や、
二酸化炭素排出権取引の活用などを提言。
太陽光エネルギーを活用した港湾事業など、既存設備を再整備することによる
新たな産業創出の可能性にも触れた。

活動発表では、生出地区コミュニティ推進協議会、川の駅よこた、
北里大学海洋生命科学部、大船渡市地域婦人団体連絡協議会、
三陸町婦人会綾里支部の計5団体が、日ごろの取り組み成果を説明。

午後の講演では独立行政法人・森林総合研究所東北支所の
掘野眞一生物多様性研究グループ長が、ニホンジカの生態などについて解説。
シカ肉カレーやナタネ油を使ったお菓子、けんちん汁の試食が行われた。
シカ肉は、「思ったよりもクセがない」、ナタネ油を使った食品も好評。
香ばしさに誘われるかのように、来場者の長い列ができ、
忙しさに追われた関係者も普及に手応えを感じていた様子。

廃油を使ったキャンドルづくり体験も企画、けせん菜の花プロジェクト、
里ジカ対策などの取り組みをパネル展示で紹介。
見学した来場者は、環境保護を地域活性化や産業振興につなげる動きに理解。

http://www.tohkaishimpo.com/

離島で学ぶ(1)親元を離れ、世界に近づく

(読売 1月28日)

離島から、世界に目を向ける授業がある。

取り出したのは、赤や黄、紫など6色のひも。
長崎県立壱岐高校で、中国語の授業を受け持つ呉雲珠講師(56)は、
文法の復習を20分ほどで切り上げると、黒板に「中国結」と書いた。

3年の女子生徒に、「結ぶの文字から連想するものは?」と問いかける。
8人いた生徒のうち1人が、はにかみながら手を挙げ、「ジエフン(結婚)」と答えた。
「そう。中国では幸せと幸せをつなぐ意味がある。
今日は、恋人同士が腕にする中国結びを教えます」と呉講師。
興味津々の生徒たちは、2本のひもで編む中国流のアクセサリーを作った。

長崎県が6年前から始めた離島留学制度。
壱岐高校など離島の県立高校4校に、自然や文化を生かした特色ある
専門コースを設けるとともに、島外からの入学者に県と市で
下宿費用3万円程度を補助、県内外から目的意識の高い生徒を募っている。

玄界灘に浮かぶ壱岐島は、古くから大陸との交流拠点として栄えた。
高校の「原の辻歴史文化コース」は、島の東南部にある国の特別史跡
「原の辻遺跡」から名を取った。
遺跡の発掘や測量など、専門的な技術を学ぶ歴史学専攻と、
語学中心の中国語専攻がある。
コースに在籍する28人の半数が島外出身者。

中国語専攻3年の河野萌さん(18)は大分市出身。
中学3年生の時、新聞で留学制度を知った。
昨秋、九州・山口地区の高校生による中国語スピーチコンテストで優勝。
「島での生活は、家族の大切さを改めて教えてくれたし、
私をひと回り成長させてくれた」。
上海外国語大学への留学を目指している。

呉講師は2年前、県と上海市の教育交流で、同大から赴任。
授業では、中国の新聞や雑誌から最新の流行を読み取らせ、
生徒と一緒にギョーザを作ったりもする。
伝えたいのは、文化を理解する気持ち。
相手の文化を深く理解できる国際人を送り出したい」と、
校長たちの思いを代弁する。
生徒たちは、通訳や中国語を使う雑誌の編集者などを夢見ている。

国境の島、対馬の玄関口にあたる厳原港で船を下りると、
あちこちにハングルの案内板を目にする。
韓国・釜山とは、わずか50キロの距離。
観光などで、人口の2倍の年間7万人余の韓国人が訪れる。
対馬高校には、韓国人講師から韓国語を学ぶ国際文化交流コースがある。
韓国への語学研修も盛んで、12人の卒業生が韓国の大学に留学。

コース主任の重松真知子教諭(35)は毎春、島外出身の新入生を
ドライブに連れ出す。島の祭りにも生徒を誘う。
親元を離れた生活に不安を抱える生徒が多いだけに、
島の魅力を知り、早く島を好きになってほしいから。

奈良市から来た1年生の狭川典麿君(15)は、祖母が対馬に住む。
街を歩けば、すぐに観光客の韓国語が聞こえてくる。
覚えたばかりの韓国語を使う絶好の話し相手。

2校のほか、五島高校ではスポーツコースを設け、
猶興館高校大島分校(平戸市・的山大島)では農漁業体験を取り入れている。
島外からの入学者は、4校でこれまでに計150人を数えた。

島内からの進学者を加えても、全コースが定員(1学年20人程度、猶興館は40人)
を満たすまでには至っていない。
県教委では、「高い志を持つ高校生が集まり、夢の実現に近づく場所にしたい
(高校教育課)と、長い目で見守ることにしている。

多感な高校生には、物足りないかもしれない離島の環境。
だが、3年後の姿が明確な生徒には、最高の助走期間になるはずだ。

◆急速に進む過疎化

離島の過疎化が急速に進んでいる。
全国の離島を抱える139自治体が出資する日本離島センター
(理事長・高野宏一郎佐渡市長)によると、離島振興法などの指定を受ける
離島の小中学生は、2006年度で約6万1500人。
10年前の約9万5000人から約35%も減り、国全体の減少率(約15%)の2倍以上。
背景には、子育て世代が離島を離れて生活せざるを得ない現状。
06年度の小中学校数は計868校、高校は63校で、
10年前より、小中学校で111校、高校で8校減った。

離島の学校は地域社会の核でもあり、統廃合や閉校は過疎化を加速化させる。
離島の自然や文化を生かした授業を売り物に、全国から生徒を集めるなど、
独自の教育を打ち出す動きも広がりつつある。
同センターの三木剛志広報課長(41)は、
「島でしかできない教育が、今後ますます重要になってくる」

◆離島振興法

社会資本整備での補助率かさ上げといった優遇措置がある。
沖縄などは別の法律がある。
国土交通省によると、これらの指定を受ける離島は1月現在、全国で312。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20090128-OYT8T00292.htm

英訳版、市内で発売 「遠野物語」発刊100周年

(岩手日報 1月28日)

2010年の遠野物語発刊100周年を記念し、
元大学教授のロナルド・A・モース氏による英訳版「遠野物語」の発売
遠野市内で始まった。
自身の約30年前の英訳本を全面的に見直し、約3年がかりで書き下ろした。
2月21日、同市で出版披露を兼ねたモース氏の記念講演会が開かれる。

モース氏は、1938年生まれ。現在は米ネバダ州ラスベガス在住。
米プリンストン大博士課程に学び、卒業論文のテーマは「柳田国男の研究」。
米国防総省、国務省などに勤務し、
カリフォルニア大ロサンゼルス校(UCLA)教授、麗澤大教授などを歴任。

同氏が訳した「英訳遠野物語」は、1975年に国際交流基金から出版、
遠野物語の発刊100周年に合わせて再翻訳。
昨年9月にアメリカで再発売。
2月21日、「英語で読む『遠野物語』」と題した同氏の講演会を開く。

同書はA5変型判、83ページで2800円。
遠野ふるさと公社が輸入し、遠野風の丘、遠野ふるさと村など
同公社の施設で販売中。
問い合わせは、遠野物語発刊100周年記念事業準備室。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20090128_11

2009年2月4日水曜日

短く簡潔に 好印象与える会話整理術

(日経 1月20日)

会議の発言や業務連絡で、「相手に言いたいことが伝わらない」と悩む
ビジネスパーソンは多いはず。
短時間で簡潔に話す会話整理術を学べば、相手の記憶に残り、
好印象を与える話し方ができる。
「主題は17秒」、「1発言は1分以内」と指摘する専門家に
短時間話法のコツを伝授してもらう。

◆パンネーションズコンサルティンググループ 安田正社長

「人間の短期記憶は、17秒が限界。話の趣旨を17秒にまとめて話そう」
「言いたいことが確実に伝わる—17秒会話術」(明日香出版社)の著者である
安田正さんはそう指摘。
認知心理学の実験では、相手の発言が18秒を超えると、
冒頭の言葉から順に忘れてしまう。

会議のプレゼンテーションや職場での連絡などで、「話が長くて分かりにくい」、
「それで一体何が言いたいの?」と言われた経験がある人は多いだろう。
それは、自分の話をきちんと整理していないことが原因。
安田さんは、「まず話の筋道を予告して、相手に聞く準備をしてもらうことが重要
その時間が17秒だ。

例えば、「プロジェクトの懸案事項について報告します。
懸案は2つあって、予算と納期です」。
こう予告すれば、話の枠組みが相手に伝わる。
新聞の見出しや雑誌のタイトルだ、と考えれば分かりやすい。

後は具体的な内容を説明し、枠の中を埋めていくことで話を整理。
内容は、「階層話法」で伝えよう。
第1階層はテーマ分け、第2階層はテーマごとの具体例や理由を説明。

例えば、「予算は、当初の200万円から150万円に削減されます。
納期は、2月の予定が3月にずれ込むかもしれません」と
テーマを簡潔にまとめるのが第1階層。
第2階層では、「予算が減らされた理由は…… 。納期が遅れる場合に備えて……」
など具体的な理由や対策を説明していくパターン。

こうした話法は単純だが、我々の会話の中であまり使われていない。
安田さんは、「日本人は、普段から話が相手に伝わることが当たり前と考えて、
論理的なコミュニケーションを訓練していない」

どんな訓練をすればいいのか?
本の一文など長い文章にタイトルを付け、内容を表やグラフなど図解で示す。
17秒の予告と、階層話法に基づいて文章を整理し直す。
これを繰り返せば、「論理的な思考法も身に付くようになる」

◆話し方研究所 福田健会長

「まず1分間にうまくまとめる—話し方超整理法」(日本実業出版社)の著者、
福田健さんは、「会議などでの発言は、1分間が原則
「話を整理すれば、1分間で言いたいことは伝わり、
長くなるほど相手は飽きてしまう」

1分間の会話を文字数にすると、300—350文字。
新聞記事だと30行程度。
実際に時間を計って新聞を1分間読んでみるなど、時間感覚を磨く訓練が有効。
やってみると、1分間は意外に短く、相手に伝えるために
会話の要点を整理する必要が出てくる。

1分間話法の基本は、「三角シナリオ法」。
「言いたいこと、主な内容、理由・具体例」の構成で、簡潔に話す手法。
1つ1つの文章を短くし、句点の「。」で終えるようにする。
文章と文章の間は、意識的に接続詞でつなぐことが重要。

例えば、「他に優先する仕事があって、まだ書類ができあがっていないので、
今日の会議には報告できません」というより、
「書類がまだ完成していません。なので、今日の会議では報告できません。
なぜなら、他に優先すべき仕事があったからです」
接続詞を使うことで、要点と理由を整理して話すことができ、会話がより簡潔に。

人前で話すのが苦手で、あがってしまう人も多いだろう。
福田さんは、「あがるのは、相手に伝えたいという意欲の表れであり、
むしろ緊張するくらいが相手に伝わりやすい」
話の長い人は、「自分は話がうまい、と勘違いしている自己陶酔タイプが多い」
本人が気付いていないようなら、指摘してあげる必要も。

話を相手に伝えるための最大の心構えは、「相手の身になる」こと。
相手がどう感じているのか、自分に何を求めているのかを常に考えながら話す。
それがコミュニケーションの基本。

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/bizskill/biz090120.html

海洋資源の開発を目に大船渡でワークショップ高校生、大学生も熱心に

(東海新報 1月29日)

海洋基本法が制定されて1年半。
海洋資源の開発を目指す動きが活発化。
本県でも、三陸沿岸の海洋資源の利活用に向けて専門家を含めた
研究会を立ち上げ、その取り組みの一環で、
大船渡市で海洋資源活用の可能性を探るワークショップが開かれた。

ワークショップは、県といわて海洋資源活用研究会が主催し、
市民交流館カメリアホールに行政、企業、一般市民、北里大生や
高田高校生など約140人が参加。
海洋研究者4氏が講師として登壇、平成19年に制定された海洋基本法、
20年に策定された海洋基本計画、最新の海洋科学技術などについて講演。

東京大学海洋研究所国際沿岸海洋研究センターの道田豊教授が、
「海洋基本計画の概要について」と題し基調講演。
同氏は、海洋基本法の目的について、「日本は資源小国といわれるなか、
周りの海を利用した海洋資源の開発と利用促進がその大きな柱に」
必要な海洋科学技術の開発、海洋産業の振興と国際競争力の強化や、
「産業を育成して、新しい人材が海の世界へ入ることも一つの柱」
海洋基本計画に掲げる11の施策を具体的に説明。

海洋施策の一つとして、「大陸棚延長のための対策の推進」があり、
「ある条件を満たせば、200カイリを超えて範囲を伸ばすことができる
ルールになってきている」とし、排他的経済水域の200カイリを越えて
大陸棚の外側の限界を延長するために必要な大陸棚限界画定の調査が実施、
「今、日本の排他的経済水域ではない空白のところも、
ヒョッとすると埋めることができる。

まさに海を利用していく時代になった」と海洋開発の可能性を強調。
海洋情報の一元的管理の重要性も述べ、海洋産業の振興に関連して、
「若い方々に自分たちの将来は、海の利用開発にかかっている、
というつもりでぜひ関心を持ってもらいたい。
海が日本の救世主となるよう、研究者も頑張るので、
皆様方も関心を持っていただきたい」

東京大学生産技術研究所海中工学研究センターの浦環教授、
北里大学海洋生命科学部の三宅裕志講師、
独立行政法人海洋研究開発機構極限環境生物圏研究センターの
丸山正プログラムディレクターが講演。

浦氏は、活動が困難な深海での資源探索に欠かせないロボット開発の
必要性と、その現状について説明。
「自分で認識し、自分で行動を決めて仕事をこなすことができる
自律型ロボットの開発が急がれている」

三宅氏は、海底資源の目印となる深海生物を貴重な写真も交えながら紹介。
日本海溝がある三陸沖は、ナラクハナシガイなどが生存し、
「世界最深の化学合成生態系が存在し、重要な研究ポイント」

丸山氏は、海洋での生物共生について、シャコガイと微細藻類の研究を紹介。
「深海でのシロウリガイ類共生菌は、ミトコンドリアゲノム縮小の現代モデル」として、
生物の起源、進化解明への貴重な研究対象と指摘。

深海生物の標本なども展示され、多くの聴講者が興味津々。
高田高水産技術科2年の小山達也くんは
「人間の手が届かない深海をロボットが拓いていると聞いて驚いた」、
千葉俊二くんは、「温暖化など地球環境の変化が深海に与える
影響などもあれば学んでみたい」

ワークショップは、宮古、久慈に続いて3回目。
本県海域で想定される海洋資源として、メタンハイドレート、海底熱水鉱床、
天然ガス、石油、金などのレアメタル、波力、潮汐、深海生物など。

http://www.tohkaishimpo.com/

インタビュー・環境戦略を語る:郵便事業会社・北村憲雄会長

(毎日 1月26日)

日本郵政グループは、07年10月の民営化の際に環境ビジョンを定め、
二酸化炭素(CO2)の排出削減に取り組むことを打ち出した。
郵便・物流部門を担当し、グループ内でも特に多くのCO2を排出する
郵便事業会社は、どのような削減策を進めているのか。
北村憲雄会長に聞いた。

-昨年12月から電気自動車の実証実験を始めた。

◆郵便事業会社は、郵便物の集配などに使う軽貨物自動車を
約2万2000台、トラックを約2000台保有。
これだけの車を持っているのに、環境対応に取り組まなければ、
企業としての姿勢が問われてしまう。
軽貨物を、CO2削減効果の高い電気自動車に切り替えていく方針を
昨年5月ごろに決めた。トラックは、ハイブリッド車を中心にする。

-電気自動車の本格導入はいつごろ?

◆軽貨物の電気自動車は開発途中。
郵便事業会社が導入に手を挙げたことで、メーカーの開発が加速すればいい。
完成すれば、徐々に電気自動車に切り替えていく。
水素自動車など他の環境対応車を採用することも検討。
都市部を中心に、リヤカー付き電動アシスト自転車の導入も始めた。

-電気自動車の普及には、充電装置の整備が欠かせない。

◆将来、郵便事業会社の支店がある全国の郵便局に急速充電装置を設置し、
一般の人にも利用してもらう。

-省エネ運転活動も進めている。

◆全事業所を対象に3カ月単位で、ガソリン使用量をどれだけ減らせるか
競わせている。その結果、昨年4~10月のガソリン使用量が
前年同期より1・4%減った。
元々、ガソリン代の削減が主目的だが、CO2削減にもつながっている。

-他にどのような取り組みを?

◆物流業は、段ボール箱を大量に廃棄する。
もったいないので、初期費用はかかるが、100回は再利用できる箱を使い始めた。
社会貢献の一環として、郵便ネットワークを生かし、昨年から店頭で
プリンターの使用済みインクカートリッジを回収。
書き損じで交換した郵便はがきは、段ボールの原材料にしたり、
いろんな形で再利用。
郵便事業会社は紙の使用量が多いので、09年度に前年度比2割程度削減したい。
そのため、社内のコピー機の台数を少し減らそうと思う。

-どのくらいのCO2削減を目指すか?

◆日本郵政グループ全体で、CO2排出量を12年度までに06年度比で15%、
年間25万トン減らす目標。
郵便事業会社としては、12年度までに年間8万トン削減するのが目標。
==============
◇きたむら・のりお

鹿児島大卒、67年トヨタ自動車販売(現トヨタ自動車)入社。
イタリアトヨタ社長などを経て、06年9月、日本郵政取締役。
07年10月から現職。福岡県出身。67歳。

http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2009/01/26/20090126ddm008020027000c.html

宇宙ステーション長期滞在で骨への影響深刻

(サイエンスポータル 2009年1月28日)

国際宇宙ステーションに半年間滞在すると、
座骨の強度が平均14%も低下することが、
米カリフォルニア大学アーバイン校などの研究者たちによって明らかに。

女性1人を含む13人の宇宙飛行士を、コンピュータ断層撮影(CTスキャン)
よって調べた。
13人のうち3人は、半年間の滞在で骨の強度低下が20-30%に達し、
これは骨粗しょう症と診断された高齢女性に匹敵する値。

Joyce Keyakカリフォルニア大学アーバイン校教授は、
「何らかの予防策がとられないと、宇宙飛行士の何人かは、
国際宇宙ステーションに長期滞在した数十年後に
骨折の危険が高まるかもしれない」と警告。

骨の強度低下は、これまで骨に含まれるミネラルの密度を調べる
方法がとられていた。
この方法で、同じ宇宙飛行士たちを調べると骨の強度低下の割合は、
国際宇宙ステーションに1月滞在するごとに0.4-1.8%と算出。

しかし、Keyak教授が骨粗しょう症患者の骨を調べるため、
20年間かけて開発した今回の検査法によると、
1月滞在するごとに生じる骨の強度低下は、0.6-5.0%と大幅に増えた。
座骨の骨折は、ほとんどが入院や大手術を必要とし、自力歩行能力を損ない、
長期の身体障害を引き起こす危険性もある。

http://www.scienceportal.jp/news/daily/0901/0901281.html

2009年2月3日火曜日

英語力の鍛錬、目標据えて体で覚える

(日経 10月21日)

社内の昇格試験に向けて英語を勉強したいが、なかなか時間がとれない。
単語を暗記しても年のせいかすぐ忘れてしまう——。

こんな悩みを抱えるビジネスパーソンも多いだろう。
時間が限られるビジネスマンが効率的に、継続してできる英語勉強法は?
英語の“達人”2人に聞いた。

英語の勉強は、「社会人からでも遅くはない」。
グーグル日本法人社長で「村上式シンプル英語勉強法」(ダイヤモンド社)の
著書がある村上憲郎氏はこう語る。
村上氏自身も、英語を本格的に勉強し始めたのは31歳。

「英語は、語学ではなく語力」と説く。
頭ではなく、「体に覚えこませる」との発想。
特に英語の文法をある程度理解している人にお勧めなのが、
毎日1万語を眺める方法。
1万語はビジネスで困らない単語数。

毎日の通勤電車の中や昼休みの細切れの時間を使って、短い時間でもいい。
1万語程度の英語が盛り込まれた単語帳を毎日眺める。
その際、単語帳に書かれた日本語はできるだけみないで、
英語だけを眺めることが大事。
意味がわからないものだけ日本語をみる。
毎日1万語を眺めていると、「いったん忘れてしてまった単語も、思い出せる」

最初は、「英絵辞典」のような絵が付いている辞書を使うのも効果的。
「日常生活に即した単語を絵を見ながら覚えることで、覚えやすくなる」

英語に自信のない人は、まずは中学校の教科書から始めると、
英語に慣れるにはちょうどよい。
その際、単語を覚えるためにペンを走らせる必要はない。
1年分の教科書の本文を毎日10回読んで1週間で終わらせる。
とにかく「英語の構造がわかればよい」。

リスニングは、「最初からレベルの高いスピードの速いものを聴くこと」
「リスニングは、筋力トレーニングと一緒」。
最初からレベルの高いものでトレーニングすることで、
リスニングの筋力がアップする。
できれば毎日一時間必ず聴くこと。
「週に1回は初級レベルのリスニングを聴く」。
実力がついたことが実感でき、さらに勉強しようとする意欲に。

大手メーカーなどでビジネス英語の講師を務める中村澄子氏は、
「自分に何が必要なのかをきちんと把握すること」と強調。
ビジネス英語であっても、会話なのか文章作成なのか、
「TOEIC」などのテストの点数を取ることなのか、目標をはっきりさせる。
半年から1年程度の計画で、1週間単位で細かくやるべきことを決め、
スケジュールを作成する。
多少のゆとりをもたせ、達成できるようにしよう。

社会人になりたてのビジネスマンが気をつけなければならないのは、
大学入試の延長で勉強してしまうこと。
「大学入試で必要な文法は難しいものが多く、実際のビジネスで役に立たない」

旅行用の英会話から初めてしまう人が多いが、これも間違いの勉強法。
ビジネスで使う英語と一般的な会話とでは、覚えるべき単語が違うケースも。
中村氏がビジネス英語の学習で勧めるのは、IR資料を読むこと。
「自動車」という単語は、一般的には「car」だが、
米国の自動車会社のIR資料では「vehicle」で統一。

企業で配属や昇進などの要件として、幅広く使われるTOEIC。
TOEICの具体的な勉強法について、中村氏は「執筆時期の古い問題集や
参考書はなるべく使わないほうがよい」
ビジネス関連の英語が増えてきているように、問題の傾向は年を経るごとに変化。

TOEICのリーディングは全体的に長文化しており、速読力が重要。
長文の英語を読む能力を付けるには、毎日読むことが大事。
毎日触れることで、前後の文脈から意味を類推する力が付くようになる。

長文は3分、4分など時間を区切って読むようにする。
タイマーではかり、自分の読むスピードを毎回意識することで、
読解力の向上につながる。

リスニングの勉強も繰り返し聴くことが大事で、「毎日2時間は確保したい」。
通勤の行きと帰りで1時間ずつ、というように時間を確保。
読み上げる文の縮小コピーも持って、そのコピーをみながら
ヒアリングすることが効果的。

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/bizskill/biz081021.html

科学立国の明日(3)優れた研究 劣る発信力

(読売 1月25日)

昨年12月10日夜、スウェーデンのストックホルム市庁舎で
盛大なノーベル賞晩さん会が開かれた。
正装の紳士淑女を見下ろすステージから、
日本学術振興会の小林誠理事が受賞者を代表して、
「宇宙には多くの謎が残っており、仲間と一緒に追い続けたい」とスピーチ、
翌朝の地元紙は「日の丸が祝宴を席巻」と報じた。

数ある賞の中でも、ノーベル賞は別格。
自然科学3賞で226人の受賞者を出している米国でさえ、大学などは、
輩出したノーベル賞学者の数を宣伝。

国や研究機関の威光を高めるだけでなく、現実的な利益も生む。
昨年の予算編成で、基礎研究を担う科学研究費補助金(科研費)が2%伸びた。
厳しい財政事情の中、塩谷立文部科学相も「ノーベル賞の効果」。
どの国も、ノーベル賞の「評価」を得ようと躍起。

政府は2001年、「50年間で30人のノーベル賞受賞者を出す」と打ち上げ、
ストックホルムに日本学術振興会の研究連絡センターを新設。
シンポジウムを開催したり、スウェーデン王立科学アカデミーとの
連絡窓口を務めたりして、学術交流を支援。
小野元之理事長は、「特別なロビー活動はしていない。
地道な学術情報の発信や交流がノーベル賞につながる」

ノーベル賞に大国の威信をかける中国政府は、
選考委員を国内に無料招待するなど、情報収集に力を入れる。
スキャンダルに発展するものもあり、昨年12月のノーベル賞授賞式直後、
スウェーデンのメディアなどは、「スウェーデン検察当局が、
汚職の容疑で予備的な捜査を始めた

選考委員らを招くのは、日本の大学なども同じ。
研究者の間では、「スウェーデンからシンポジウムの招待があれば、
断る科学者はいない」と言われるほど。

ノーベル賞の存在は、人口900万人の小国スウェーデンの「価値」をも高める。
日本は、優れた研究成果がありながら、情報の発信がまだ苦手。

ノーベル賞の選考は、研究者からの推薦で始まる。
ノーベル財団から推薦依頼が届くのは、約3000人と限られる。
ある国立大学教授は、「忙しい中、それなりの理由を挙げて
英語で推薦状を作るのは大変」
推薦の「特権」さえ、行使しきれていない。

内閣府幹部が01年、積極的な返信を呼びかけ、
「ノーベル賞の推薦状が机の引き出しで眠る現状は、
日本の研究評価の貧しさを物語る」と批判したが、
評価が根付かない風土は変わらない。

昨年10月、日本人としては史上3人目となる国際科学会議副会長職に
就任した東京大の黒田玲子教授は、
「外国の学者と対等につきあい、人脈を作るのが不得手な人が多い。
これでは、国際社会で日本の存在はアピールできない。
視野を広げ、社会や文化にもっと関心を持つことが必要

http://www.yomiuri.co.jp/science/tomorrow/tr20090125.htm

秋田県のポスドク先生は今

(サイエンスポータル 2009年1月26日)

1年前、秋田県教育委員会が初めて試みた教員特別採用で
教師の道を選んだ博士号取得者たちは、その後、どうしているのだろうか?

採用された6人(うち1人は非常勤講師)の1人、
瀬々将吏・秋田県立横手清陵学院高等学校教諭が、近況を報告。

秋田県教育委員会の新しい教員特別採用の試みは、
「39歳以下」と「博士」という条件だけで、教職課程修了の有無は問わない
というユニークなもの。

瀬々氏は、57人の応募者から選ばれた1人。
2003年に大阪市立大学で博士号を取得し、それまでは国立台湾大学で
ポスドク生活を送っていた。
素粒子論、とくに「ひも理論」と呼ばれる分野を専門。

採用時、ポスドク問題に関心のある人々の期待とともに心配の声も紹介。
「あたまでっかちな博士が送り込まれたとしても、
現場に迷惑がかかるだけではないか、という懸念も」
(NPO法人サイエンス・コミュニケーション代表理事、榎木英介氏)。

瀬々氏の巻頭言を読む限り、その心配はなさそうにみえる。
「一つの職員室に80名もの大所帯で、国語や社会、音楽など、
異分野の先生方とも距離が近くいろんな話ができます。
体育祭、運動会、文化祭などのイベントがもりだくさんで、
指導教科とは関係のないところでも活躍の場がたくさんあります。
専門分野だけではなく、いろいろなことに興味のある方なら
きっと楽しめる環境だと思います」

高校教育の現場に、抵抗なくとけ込んでいる様子がうかがわれる。
主な仕事は、「他の高校や中学に出向いての『出張授業』」というが、
肝心のこちらの方はどうか。
「専門のひも理論・素粒子論・宇宙論の授業のほか、
環境問題や通常の理科実験の授業も依頼に応じて行っている」というから、
高校生にとっては興味深いだろうが、なかなか手強い授業だと想像。

いまの中等教育の課題は、生徒の『学びへのモチベーション』を
いかに喚起するか、ということに尽きる。
高校にアカデミックな態度と雰囲気を持ち込んで、
生徒をその気にさせる存在として、ポスドク出身の方々がこれからも
おおいに活躍できることを期待しています」。

この結語に力づけられて、高校や中学の先生を目指す理工系の
博士号取得者が増えるだろうか。
秋田県に続いて、同じ教員特別採用を取り入れるところが出てこなければ、
どうにもならないが。

http://scienceportal.jp/news/review/0901/0901261.html

ピロリ菌の新たな胃がん発症メカニズム解明

(サイエンスポータル 2009年1月22日)

慢性胃炎、胃・十二指腸潰瘍や胃がんの原因と考えられているピロリ菌が、
がんを引き起こす新たなメカニズムを、東京大学医科学研究所の
研究者たちが見つけた。

胃粘膜に感染することで、病気の原因となるピロリ菌の危険因子としては、
CagAタンパクが知られている。
このタンパクが、胃上皮細胞内でリン酸化される結果、
細胞増殖にかかわる活性化補助因子であるβ-カテニンが
発がん関連遺伝子の転写を促進することは、これまでも分かっていた。

東京大学医科学研究所の笹川千尋・教授と鈴木仁・助教らは、
CagAタンパクがリン酸化されなくても、β-カテニンを活性化する
新たな発症メカニズムがあることを突き止め、
この新たな経路にかかわるCagAタンパクの部位を特定することに成功。

リン酸化されないCagAタンパクの感染役割が分かったことで、
日本人の胃がん原因の大半を占める慢性胃炎や胃潰瘍といった
ピロリ菌感染症に対する新たな治療薬やワクチン開発につなげることが期待。

科学技術振興機構の戦略的創造研究推進事業チーム型研究(CREST)
研究領域「免疫難病・感染症等の先進医療技術」の一環。

ピロリ菌を発見し、胃炎や十二指腸潰瘍との関連を明らかにした
オーストラリアのロビン・ウォレン、バリー・マーシャル両博士は、
2005年のノーベル医学生理学賞を授賞。

http://www.scienceportal.jp/news/daily/0901/0901221.html

2009年2月2日月曜日

百度の失策、グーグルに好機到来?

(日経 2009-01-22)

中国ネット検索市場で、圧倒的首位を長らく維持してきた
百度(バイドゥー)の足元が揺らいでいる。
2008年11月、国営の中国中央テレビ(CCTV)が、百度の検索結果リストに
表示されるサイトには、無免許の医薬品販売業者が多く含まれ、
免許を持っているかのように偽っている業者もあると報道。
それをきっかけに、ネット利用者の反発を買っている。

米ナスダック市場で、同社の株価は報道前の180-230ドルから
報道後は110-140ドルに落ち込み、今も同水準で低迷。
百度は、不適切と思われるサイトを検索対象から除外したと発表、
信頼回復を目指した。

ところが、除外したサイトからの広告料収入が百度の売上高全体の
10-15%を占めていたと公表、同社に対する不信感がかえって強まった。
キーワードを買っている広告主のリンクほど、検索結果の上位に
表示されるように検索エンジンを調整し、利用者がクリックする確率を
上げることで、広告料収入を最大化。
百度は、検索で広告主と一般サイトを差別していないと否定するが、
なかなか批判が収まらない。

こんな疑念が生まれる素地は、広告リンクと一般サイトが検索結果本体に
同列に並んで表示される、百度の検索サービスの特徴そのものにある。
広告リンクは、検索結果本体の上位に並んでいれば、
利用者が重要なサイトだと判断して、クリックする確率が高くなる。
明示されてはいても、混然と並んでいれば利用者には区別しにくい。

米グーグルや日米ヤフーのように、広告リンクは「スポンサーサイト」などと
題した画面上部や右端のコーナーにまとめて並べる方式だと、
とたんにクリックされる確率が下がる。
無名企業の広いリンクだった場合、どの程度重要なサイトなのか
消費者は判断できないので、クリックへのハードルは高くなる。

グーグルやヤフーは、純粋な検索結果を表示することで
消費者の支持を獲得する戦略を採用し、その路線で検索事業は収益的にも成功。
だが、百度がこの分離モデルに切り替えると、
当然ながら広告リンクのクリック率が下がり、広告収入が落ち込む恐れ。

広告リンクと一般サイトを同列表示させる方式への批判が高まったのに応え、
百度は広告リンクを別枠で表示する方式の実験を始めた。
だが、検索結果本体内への広告リンクの表示も続けている。
完全に分離するかどうかは分からない。

北京在住のある中国人投資家は、「収益を考えると、百度が広告と本体の
完全分離を実行するのは容易でない。中国のネット検索市場には、
米グーグルをはじめ2番手集団が百度を追い上げるスキがある」

グーグルは、08年夏から音楽配信サービスをメニューに加えるなど、
中国市場への最適化戦略を加速。
それでも、百度のシェアはなかなか揺るがなかったが、
願ってもない敵失に恵まれた格好。
「東アジアで勝てないグーグル」という呪縛から逃れ、
世界最大のネット利用人口を擁する市場でトップをうかがうポジションを築けるか。

前出の投資家は、「中国政府は、絶対米企業をトップにはしないので、あり得ない」
しばらく中国のネット検索市場からは目が離せない。

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/ittrend/itt090121.html

現場再訪(12)民間校長 改革は続く

(読売 1月24日)

民間出身で公立学校長を経験した人材が、新たな道を歩んでいる。

「ひとはいざ こころもしらずふるさとは はなぞむかしの かににおいける」
三原徹校長(60)が、紀貫之の歌を読み上げると、
札を取る3年生の元気な声が教室に響いた。
私立東京女学館小学校(東京・広尾)で、
道徳の時間を使って行われた百人一首の授業。

同小には、日本人女性としての品性を身につけるため、茶道、華道、
着付け、日本舞踊、お箏など伝統文化を学ぶ時間がある。
百人一首は、以前から校長の担当。
ベネッセコーポレーションから転じて東京都足立区立五反野小の校長を4年務め、
昨春、女学館に招かれた三原さんも、その役割を引き継いだ。

歴史ある私立校への再度の転身。
「1年はまず様子見」と前任者の敷いたレールに乗ってきた。
まもなくその1年が終わる。
「伝統校でも、年ごとの課題は必ずあるはず」と、
新年度からの学校経営計画を作るため、
年明けから保護者に提案や意見を求めている。

「私学に通わせる保護者の期待は大きいはずだが、
口に出して言ってもらう機会が少ない。
私の役割は、学校と社会、教員と保護者の論理の落差を埋めていくこと」
その姿勢は、五反野小時代と変わらない。

同小の後任校長は、三原さんを副校長として2年間支えた土肥和久さん(49)。
民間出身ではないが、「後を託すならこの人」と三原さんが見込んだ逸材。
定年まで1年を残して三原さんが退職したのも、土肥さんの内部昇格を促すため。
地域住民らが学校運営に参画するコミュニティスクールの制度を
十分に生かした学校運営を続けている。

リクルート出身で、東京都杉並区立和田中学校長としての5年間に、
様々な改革を進めた藤原和博さん(53)は、
「公立学校を変えるためには、もっと民間出身校長を増やすべきだ」

昨年、大阪府特別顧問に招かれ、大阪の教育改革のために飛び回る。
藤原さんの提唱で、今春には、府内の義務教育学校では初めて、
寝屋川市内で民間出身の中学校長が誕生。
パナソニック出身の牧野一徳さん(57)。

東日本では、三原さんと同じベネッセ出身の水野次郎さん(51)が
千葉県立高校の教頭として修業中で、今春、校長に就く。
ベネッセ退職後、伊豆でプチホテルを経営、漁師の息子である高校生が
主人公の小説を書き、文学賞も受賞したユニークな人材。

教員免許を持たなくても、教育関連の仕事の経験がなくても、
公立学校の校長になれる制度が始まったのは2000年。
この制度で生まれた民間出身校長は、ピークの05年に92人を数えた。
その後はやや減少傾向に。
起用した自治体による効果の検証も十分ではない。

民間出身の校長起用が、「校長にふさわしい人材とは何か」を、
今も問い続けていることは間違いない。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20090124-OYT8T00323.htm

スポーツ21世紀:新しい波/291 武道の必修化/9

(毎日 1月24日)

12年度から中学校の保健体育で武道が必修化されることに伴い、
文部科学省は新年度予算案に自治体が整備する公立中学校の
武道場の補助費として、40億2600万円を計上。
中学校に武道の環境をどう整備するかは、大きな課題。

全日本弓道連盟では、弓道を授業で採用している中学校を調査しているが、
現在把握しているのは東京都と山口県の2校のみ。
全国には、1300カ所余りの弓道場があるものの、
弓道場を持つ中学校は少ない。

弓矢は竹で作られ、10万円以上する弓もある。
初心者には、グラスファイバーの弓やジュラルミンの矢など
比較的安価な製品もあり、5万~6万円で一式をそろえることもできる。

しかし、中学生用に作られたものはなく、重さや長さから扱いも難しい。
大手スポーツ用品メーカーが大量生産する体制にないため、
数もそろえにくいのが現状。

全日本弓道連盟の担当者は、「今後は、弓具店を統括する全日本弓道具協会と
話し合い、中学生にも使いやすい弓具を研究したい」
初めて弓道に接する中学生の体力や技術に合った、
安価な用具の開発も求められている。

元中学校教員でもある栃木県弓道連盟の桑田秀子会長は、
「弓道場がなくても、体育館に仮設で道場をつくることはできる。
矢が飛んで行った時の危険防止は、バレーのネットに防矢布を張ればいい。
競技者に古い弓矢を提供してもらったり、弓道部のある中学校や高校で
使用していない用具を貸し借りしたり、工夫次第で何とかなる」

桑田会長は、「何より重要なのは指導者です」と強調。
全国には、錬士など指導資格のある登録者が6000人以上いる。
しかし、保健体育科の教員に弓道経験者は少ない。
地域にいる指導者の派遣は不可欠といえる。

文科省は、地域連携指導実践校に全国470校を指定し、
4億9400万円の予算を見込む。
「施設」、「用具」、「指導者」の三つの課題を克服するには、
武道の現場を知る指導者たちの知恵が必要だ。

http://mainichi.jp/enta/sports/21century/

カロリー制限で中高年の記憶力向上

(読売 2009年1月27日)

健康な中高年が摂取カロリーを制限すると、記憶力が向上するという
実験結果を、独ミュンスター大学の研究チームが、
米科学アカデミー紀要電子版に発表。

やせ過ぎていない50-79歳の男女49人を3グループに分け、
19人にはカロリー摂取量をふだんより30%減らしてもらった。
別の20人は、認知症の予防に役立つという説のある不飽和脂肪酸の摂取を
ふだんより20%増量し、残る10人は従来の食生活を続けた。

実験前と3か月後に言葉を覚えるテストを行った結果、
カロリーを抑えた19人の点数は約20%も上昇。
他の2グループは、成績に変化が見られなかった。
カロリー制限によって、体内の血糖値を調整するインスリンが
効きやすくなった人ほど、成績の伸びが著しかった。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/1/27/90466/

2009年2月1日日曜日

オバマ流スピーチ術 トップも学ぶ

(日経 1月27日)

バラク・オバマ氏(47)が米大統領に就任した。
大統領選中から演説上手で知られるオバマ氏。
日本でも、演説集がベストセラーになるなど注目。
人や組織を動かす言葉の力の秘訣は——。
オバマ流のスピーチのコツを、ビジネスの場で活用している
若き経営者たちに聞いた。

「この人間は信じられる、と思わせるのがオバマ氏の力」と、
グリーの田中良和社長(31)。
SNS(交流サイト)を運営し、昨年12月に東証マザーズに上場。
投資家や取引先などとの会合では、
「真剣に考えて、これが結論だと信じることを話す」のを信条。

一介の州議会議員から一躍、名を上げた2004年の党大会基調演説で
オバマ氏は、「父はケニアでヤギを世話して育ち……」と貧しい生い立ちを語り、
自由と機会の国米国が持つ希望を強調。
「単なるお金もうけではなく、いいサービスをしたいから
会社が始まったストーリーを話す」(田中さん)。
人間味のあるエピソードは、話の印象を強める効果がある。

田中さんは、繰り返すことの重要性も挙げる。
「繰り返しになるが」と前置きし、毎週月曜の全社会議で
「いいサービスをしよう」と社長メッセージを発信。
10回言って1回伝わるかどうか、と心得て決して軸をぶらさないことが、
信頼性につながる。

価格比較サイト運営のベンチャーリパブリックの柴田啓社長(43)は、
親世代の個人投資家を前に、「皆様からすれば息子のような者ですが」と
切り出した。会場から思わず笑みがこぼれる。
昨年11月の投資セミナー。
その3カ月前に大証ヘラクレスに上場し、知名度不足は否めなかったが、
笑顔とユーモアで場をなごませた。

起業前に留学した米ハーバード大学ビジネススクールでは、
人種の異なる級友に分かりやすく説明する訓練を積んだ。
要点は、「論理の流れ」。
準備段階で聞き手が誰かを考え、身近に感じてもらえるテーマを設定。
内容をトピックごとに紙にし、順番を入れ替えて起承転結を練る。
結論を言ってから裏付けを展開するのが米国流。

本番では、壇上を動き回ったりスライドをポインターで指すなどの
「動き」を取り入れている。
オバマ氏が見栄えする一因は、「まっすぐ立つ姿勢にある」、
情熱を表すためキビキビした動作を心がけている。

衣類や雑貨の電子商取引(EC)サイト運営のイメージング(東京・目黒)を
率いる池本克之社長(43)が、オバマ氏に着目したのは昨年春。
予備選で各州を制すると、体全体で喜びを表現するものの、
はしゃぎすぎることがない。
対立候補のヒラリー氏に、厳しい言葉で非難されても感情的にならない。
「感情コントロールのうまさ」は、ビジネスにも生かせる
学者と共著で「オバマ『勝つ話術、勝てる駆け引き』」(講談社)を出版。

共和党のマケイン候補を下した08年11月の勝利演説で、
オバマ氏は「この勝利が誰のものかを私は決して忘れない。
それはあなた方のものだ。あなた方のものなのだ」と畳みかけた。
簡潔な言葉でも熱く伝わるのは、聞き手を巻き込む
「連帯の言葉を大切にしているから」

選挙戦を通じて発し続けた「Yes we can」のメッセージが、
もし「Yes I can」だったら、国民の熱狂はなかったとも指摘。
会議では一方的に話さず、「一緒に考えたい」という姿勢を示すことも重要。

1月20日の就任演説で、オバマ氏は顔をできるだけ左右に振り、
200万人の観衆に視線を行き渡らせた。
これも応用可能で、部屋の四隅を順に見るのがお勧め。
「人民の人民による人民のための政治」(リンカーン)など
米大統領には名句が多い。
単なる語呂合わせや実力とかけ離れた空回りにならないよう注意。

ベストセラー「オバマ演説集」(朝日出版社)の解説を執筆した
鈴木健・津田塾大学准教授に聞いた。

就任演説で、オバマ氏は「60年前、地元のレストランで食事をさせて
もらえなかったかもしれない父を持つ男」と自身に触れた。
パーソナルな物語ではじめて、全米の物語で締める。
多民族国家の米国で、オバマ氏自身が融合の象徴。
話し手自身が、演説の中身を証明する技巧を使っている。

最初と最後が大事だ。
「変化」、「希望」と最初に分かりやすい概念を提示し、次に具体的に展開して、
最後に決めのクライマックスを作る構成がうまい。
ネット時代になり、人の注意が持続する時間はいっそう短くなった。
簡潔な言葉を繰り返すのは、的を得ている。

主語の使い分けも戦略的。
歴代大統領では、ニクソン氏が「私」を繰り返して独善的な印象を与え、
ブッシュ氏が「我彼」の2分法で世界を分断したのに対し、
オバマ氏は「あなた」や「我々」を勘所よく使った。

聴衆と同じ目線に立つ姿勢が、共感を得ている。
ヒラリー氏は、自らの優秀さを誇る上からの目線。
オバマ氏は「こう言います、願います、信じます」のように
3回繰り返すテクニックも多用。
リズムが生まれ、聴衆の注意を引きつける。
これらのレトリック(言語表現の技)は、小さいころから人前で話す
訓練を積む国語教育が土台に。

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/bizskill/biz090127.html

現場再訪(11)山の生活 子供に自信

(読売 1月23日)

山村の小さな学校が、不登校の生徒の心の扉を開き始めた。

ヘルメットをかぶり、軍手をはめ、長靴をはいた何人かの生徒が、
初体験のチェーンソーと格闘。
硬い幹に刃を当てても、簡単にはね返される。
足場は急斜面で、ひっくり返る生徒が続出。

「油断すると大けがをするから、くれぐれも気を付けて」と声をかけるのが、
「どんぐり向方学園」の学園長、中野昌俊さん(65)(名古屋経済大教授)。
生徒が失敗を繰り返しながら木を切り倒すと、
「すっげえ」「びびった」といった声とともに、「次は自分が」と手が挙がった。

人口約1800人、長野県最南端の天竜村にある学園で、
昨年11月に行われた林業体験。
「ほかの学校ではこんなことはさせないだろうが、ここではあえてさせる。
危険は体験しなければわからない」と中野さん。
教員とともに林業を営む住民も立ち会い、安全には気遣いを欠かさない。

開校は2005年。NPO法人が母体。
不登校経験など様々な事情を持つ小学6年から中学3年までの15人が、
寮生活をしながら学んでいる。
教科学習は午前だけで、午後は体験学習中心。
イネを育てたり、山で植林をしたり、自然に直接触れる課題を取り入れてきた。

「自然は思い通りにいかない。失敗することで工夫を考える。
1人で無理なら仲間と協力する。社会性が身につき、自立する」
という中野さんの考えからだ。
ゲームや携帯電話に没入することを子供に許し、子供を危険から遠ざけている
社会に警鐘を鳴らす。
「自分はできるという自信を獲得する体験の場がない。
子供たちに今それが必要です」

大阪府出身で、入学して2年の森田廉平君(13)(中学2年)は
「外での体験学習が楽しい。自分のやりたいことも自分で計画さえすれば、
やらせてもらえる。来て良かった」と笑顔を見せた。

我が子を送り出すことに親側の抵抗感が大きい。
昨年4月~11月まで、1週間の「体験入学」には16人の子供が参加したが、
入学者は8人にとどまった。
途中で転校する子もいる。それでも、3年間で22人が卒業。

昨春の卒業生、竹居賢治さん(16)は、不登校経験者だが、
今は都内の高校に元気に通う。
「自然に触れたことは全くなかったので、毎日が刺激的だった。
体験しないとわからないことが世の中にたくさんある。
今では教室の勉強がすべてではないと、自分を切り替えられる」

校舎は、廃校になった小学校を村から無償で提供され、
寮も村の予算1億円で建設。
学校法人を作ったことで、県からは年間1000万~1500万円を受け、
寄付も年間約300万円。
「経営的に安定はしているが、施設補修やIT環境の整備など、
積極的な施設整備はできない。児童生徒数は30人程度が目標だ」
開校時から生徒数は横ばい。まずその増加が課題のようだ。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20090123-OYT8T00235.htm

iPS細胞“100倍”作製…特殊たんぱく質で効率向上

(読売 2009年1月27日)

様々な細胞に変化できる新型万能細胞(iPS細胞)の作製効率を、
山中伸弥・京都大教授らによる従来の手法より、
最大で100倍以上高めることに、
バイオテクノロジー企業「タカラバイオ」の研究チームが成功。
日本再生医療学会で発表。

すでに特許を出願、3月にも「iPS細胞作製キット」として発売する予定で、
創薬や再生医療の研究を加速させそうだ。

2006年、4遺伝子からiPS細胞を作ったと発表した山中教授らは07年、
発がん性がある「c-ミック」を外した3遺伝子での作製に成功したが、
効率は大幅に低下。
ヒトの場合、1株のiPS細胞には元の皮膚細胞が2万-10万個必要で、
研究進展のため作製効率の向上が求められていた。

タカラバイオは、自社開発した遺伝子治療の技術を応用。
遺伝子を細胞へ運ぶ役目をするウイルスに、
人の細胞同士をくっつけているたんぱく質の一部を改良した
「レトロネクチン」という特殊なたんぱく質を加えて導入効率を高め、
2万個の皮膚細胞からiPS細胞が10-30株できた。

レトロネクチンは、がんなどの遺伝子治療で、必要な遺伝子をリンパ球に
効率よく導入する試薬としてすでに商品化。
同社は、iPS細胞作製に使う3遺伝子を組み込んだウイルスとセットで
発売する方針、京大が設立した特許管理会社「iPSアカデミアジャパン」と交渉中。

タカラバイオの加藤郁之進社長(理学博士)は、
「iPSを扱える研究者が一気に増え、難病の解明や新薬の開発が
大きく進むだろう」

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/1/27/90455/

ポリオ撲滅に6億ドル超 ゲイツ財団などが投入

(共同通信 2009年1月23日)

国際ロータリー、ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団、英国とドイツの
両国政府は、ポリオの撲滅に必要な資金を新たに
6億3000万米ドル以上投入すると発表。

アフリカとアジアの一部の地域では、子供たちが、麻痺障害の後遺症を
もたらし、時には命をも奪うポリオ(小児麻痺)の危険に。
撲滅支援のリーダーは、資金投入の約束に加え、
ほかの団体や国にも寄付を呼びかけ、
ポリオ感染国の指導者に対しては撲滅活動を積極的に支援するよう働きかけた。

ゲイツ財団は、ポリオ撲滅のため、ロータリーに2億5500万ドルの補助金を授与。
ロータリーは、今後3年間に会員からの募金で1億ドルを調達し、
この補助金に上乗せしてポリオ撲滅に投入。
同時に、英国政府からも追加の1億5000万ドル(1億ポンド)、
ドイツ政府からもさらに1億3000万ドル(1億ユーロ)が、
いずれも世界ポリオ撲滅推進計画(GPEI)に寄せられた。

今後5年間の英国とドイツからの寄付は、ゲイツ財団補助金へのロータリーによる
上乗せ寄付には算入されない。

世界ポリオ撲滅推進計画(GPEI)の主導団体であるロータリーは、
主に資金の調達、政府や民間への支援の働きかけ、
ボランティアの動員といった役割を引き受けている。
人道的奉仕団体であるロータリーが、国際協議会において行われた。

ゲイツ財団共同理事長であるビル・ゲイツ氏は、
「ロータリアン、各国の指導者、保健専門家といった方々の
懸命な努力のおかげで、ポリオを患う子供の数は、
世界でもほんのわずかとなった。

しかし、ポリオウィルスの完全な根絶は難しく、今後も難を極めることだろう。
撲滅という目標に、私自身が深くかかわるようになったのは、
撲滅を目指して努力を傾けるロータリーのひたむきな姿に
深い感動を覚えたことが大きな理由である」

ジョナサン・マジィアベ・ロータリー財団管理委員長は、
今回のゲイツ財団との提携がポリオ撲滅のほかの協力者にとって刺激となり、
今後さらに支援が増えるだろう。
「ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団の支援の下、世界中で最も恐れられてきた
この病の撲滅まで、あと一歩。
ロータリーとゲイツ財団による共同の資金投入により、
各国政府や非政府団体も支援に前向きになり、
ポリオの根絶に必要なリソースがさらに寄せられることになるだろう」

英国のダグラス・アレクサンダー国際開発相は、
「英国政府からの1億ポンドの寄付誓約は、ほかの支援者から寄せられた
資金とともに、この病を世界から撲滅するための闘いを大きく後押し。
感染リスクの高い国では、予防接種の回数を増やすなどの対策を取っており、
新たな感染者数を減らす上で大きな進展を見せている。
ポリオ撲滅を完遂する大きなチャンスを迎えた今、今回の資金投入により、
麻痺障害をもたらすこの恐ろしい病で、これ以上、発展途上国の人々が
苦しむことはなくなるだろう」

ポリオ撲滅活動は、現在も資金不足の問題を抱えており、
撲滅を実現するにはこの不足を埋めなければならない。
今回の新たな資金提供、カナダ、ロシア、米国政府からの寄付を合わせても、
2009-2010年度の不足額は3億4000万ドル。

ドイツ政府からも新たな寄付が予定。
ドイツのハイデマリー・ヴィチョレク・ツォイル経済協力開発相は、
「先進主要8カ国は、ポリオ撲滅に必要なあらゆる手段を講じることを
これまでに何度も約束した。
ドイツは、この約束を守るために多額の寄付を行ってきた。
世界の子供たちをポリオから守るため、
現地の保健員が必要なサポートを得られるよう、
わが国は、資金不足の問題解決をほかの国にも呼びかけている」

ポリオは、アメリカ大陸、西太平洋地域とヨーロッパから完全になくなった。
野生型ポリオウィルスは、アフガニスタン、インド、ナイジェリア、パキスタンに
根強く残っているほか、これらの国から流入したウィルスによって、
ほかの発展途上国でも感染者が出ている。

最も深刻な課題を抱えているのはこれら4カ国であり、
こうした課題には、ワクチンの有効性の問題(インド)、
予防接種率の低さ(ナイジェリア)、
紛争により現地での活動が困難な状態(アフガニスタンとパキスタン)。

撲滅実現は、これらの各国の取り組み姿勢にかかっている。
国規模の全面的な取り組みがあれば、こうした課題は克服が十分に可能。
ロータリー、世界保健機関(WHO)、米国疾病対策センター、
ユニセフの主導の下、1988年に開始された世界ポリオ撲滅推進計画(GPEI)は、
過去20年間にポリオ感染数を99%減らすことに成功、
1988年の約35万人から、2008年の1600人(推定)にまで減少。

世界ポリオ撲滅推進計画は、今回の新たに提供された資金を、
幅広い撲滅活動へと充てていく予定。
WHOのマーガレット・チャン事務局長は、
「残る常在4カ国のあらゆるレベルからのさらなる協力の下、
今回の新たな資金投入は、残されたポリオ常在4カ国の政府が
全児童にポリオ予防接種を行う妨げを克服するために、
われわれがまさに必要とするものである」。

ポリオを完全に葬ることが、極めて重要。
この病によって、子供が麻痺障害を抱えなくて済むという理由に留まらない。
どこに住んでいようとも、どんなに困難で過酷な環境にあっても、
すべての子供たちの命を救う医療を行うことができるメッセージになる」

同事務局長は、2008年、ポリオ撲滅をWHOの最優先活動にすることを宣言。
ゲイツ財団からの補助金は、同財団からロータリーに贈られた2回目の補助金。
最初の補助金は2007年11月に授与、
ロータリーは同額を上乗せしてポリオ撲滅に寄付することに同意。

上乗せ資金を募金するための活動は、
「ロータリーの2億ドルのチャレンジ」と名づけられ、
既に世界中のロータリー・クラブが募金活動に全力をあげている。
最初のゲイツ財団補助金が発表されて以来、ロータリーはこの目標に向けて
6000万ドル近くを集めている。
献身的な活動を高く評価したゲイツ財団は、2回目の補助金を提供。
ロータリーは、rotary.org/endpolioでポリオ撲滅について学び、
「ロータリーの2億ドルのチャレンジ」に支援を寄せてもらうため、
一般の人々にも協力を呼びかけている。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/1/23/86993/