2010年3月19日金曜日

官民協力の水循環システム開発拠点建設

(サイエンスポータル 2010年3月8日)

世界的に需要が高まっている省エネ型水循環システムの技術開発、
運営実証、情報発信を目指し、拠点となる「ウォータープラザ」を
開設
することで、新エネルギー・産業技術総合開発機構、
周南市と関連企業3社が合意し、覚書を取り交わした。

「ウォータープラザ」は、周南市徳山中央浄化センター近くに建設、
工場排水処理と下水再利用を統合した造水を行い、
国、自治体、企業が連携して持続的な水利用に
かかわる処理技術を開発。

日立プラントテクノロジーと東レが建設、日本ゼオンが
排水の供給と生産水の受け入れで協力。

水問題は、大きな地球規模の課題になっており、
都市の排水処理と再生水利用システムの需要は
ますます大きくなっている。

日本は、排水処理に必要な膜技術で世界をリード、
都市の水再利用が盛んだ。
世界的な需要を見込み、今後、運営までを含む
水循環システム全体の輸出が期待、
そのためには地方公共団体、メーカー、コンサルティング会社、
建設会社などの協力が必要。

http://scienceportal.jp/news/daily/1003/1003081.html

職場の禁煙、やっと始動 受動喫煙防止

(2010年3月12日 毎日新聞社)

職場での受動喫煙の防止を議論してきた
厚生労働省の有識者検討会が先月、
「従業員の健康を守る観点から、原則禁煙を目指す」との
報告書骨子をまとめた。

「喫煙対策が難しい」とされる飲食店にも、
喫煙室の設置を求めるなど、労働安全衛生法の改正を含む
全面禁煙をにらんだ対策を提案。
世界保健機関(WHO)が求める屋内環境の
「スモークフリー(たばこの煙ゼロ)」に、
日本の職場もようやく本腰を入れることに。

産業医大の研究チームが昨年、喫煙可能なファミリーレストラン、
喫茶店、ホテルで働く従業員計9人に依頼、
勤務時間中に携帯型粉じん計をつけてもらった。

従業員が吸入する受動喫煙の濃度は、
禁煙区域から喫煙区域に移動すると増え、特に接客中は
喫煙区域内の平均値の最大7・7倍まで増加。
食べ物などを提供する際、テーブルに置かれた灰皿に
かがみこんだり、喫煙中の客が吐き出す煙を浴びることが原因。

「飲食店従業員の受動喫煙が高いことは予想されていたが、
これほど高いとは思わなかった」と、大和浩・同大教授(健康開発科学)。
飲食店など接客業の人が、勤務中にさらされる
たばこの煙の量が明らかになったのは初めて。

喫煙者が発するたばこの煙には、発がん性物質などが含まれる。
WHOは07年、「たばこ規制枠組み条約」(05年発効)に基づき、
「屋内の職場、公共の場所は100%禁煙に」との指針。
日本の現状の喫煙対策は、十分とはいえない。

07年、厚労省の労働者健康状況調査によると、
事業所全体を禁煙にしている割合は18・4%、
「職場で他者のたばこの煙を吸うことがある」と答えた人は56・4%。
顧客の喫煙の規制が難しい飲食店・宿泊業では、
喫煙対策に取り組んでいない割合が3割近い。

大和教授は、「諸外国では一般の職場だけでなく、
居酒屋やバーも含め全面禁煙。
日本も、顧客の視点だけではなく、働く従業員の
健康を守ることが急務だ」
社内の全面禁煙に取り組み、10年以上になる企業もある。

子ども向け教材メーカー「ジャクエツ」(敦賀市、従業員650人)は、
99年に「禁煙宣言」。
当時の従業員650人のうち、喫煙者は約350人、
禁煙することを宣言した社員に5万円の「健康祝い金」を贈ったり、
禁煙した社員の名前を新聞広告に載せるなど、禁煙を後押し。

禁煙を開始した99年度、422人いた病気の欠勤者が、
翌年は同287人に減り、現在も同様の傾向。
禁煙の呼びかけは、取引先の企業などにも広げた。
上野渉・同社取締役総務部長は、「以前は、喫煙のため
席を離れるなど、仕事の効率が損なわれることもあった。
実際は、禁煙したい人が多く、他社への呼びかけでも
抵抗は少なかった。
遠慮せずに声をかけることは、禁煙のきっかけを
提供することになる

日本の職場の喫煙対策は、労働省(当時)が1992年に策定した
「快適職場指針」で、受動喫煙対策を「必要に応じて講じる」と
明記されたのが最初。
96年、「職場における喫煙対策のためのガイドライン」が作られ、
03年、健康増進法施行を受け、事業者は全面禁煙や分煙に
取り組むことが望ましいと改正、喫煙室の設置などが始まった。

職場の喫煙対策を議論してきた厚労省検討会がまとめた
報告書骨子は、「職場のたばこの煙は、健康リスクの要因になる
事業者に、全面禁煙導入などの対策を義務付けることを提言。

先月末、職場を含む公共の場全般でも原則禁煙を求める
厚労省健康局長通知。
望月友美子・国立がんセンター研究所たばこ政策研究
プロジェクトリーダーは、「成人の約2割を占める喫煙者のうち、
禁煙を希望する人は約8割。
吸い続けたい人は全体の4~5%、
受動喫煙の危険性の理解が広がれば、喫煙率はさらに下がり、
たばこをやめたいと思っている人も吸わない人も
守られる方向に対策が進むだろう」と期待。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/3/12/117303/

2010年3月18日木曜日

教育スタイル変える動画共有サイト公開

(サイエンスポータル 2010年3月9日)

国内20以上の大学の最先端のソフトウェア科学・ソフトウェア工学に
関する授業を閲覧できるだけでなく、動画、スライドを組み合わせた

コンテンツもつくれるポータルサイトを、
国立情報学研究所が一般公開。

動画共有サイト「edubase Portal」は、
動画とスライドを同期させたコンテンツとして作成することができる
世界最初のサイトで、「教材は創る」という新しい教育スタイルを
可能にする、と国立情報学研究所。

これまで、カメラで撮影後、専用のソフトウェアで編集をしないと、
動画とスライドを同期させたコンテンツ作成はできなかった。
同研究所は、「先端ソフトウェア工学に関するGrace
国際シンポジウム2010」で、「edubase Portal」を紹介。

文部科学省は、IT人材を育成するための教育拠点形成を支援する
プログラムを、2006年度から行い、8拠点、20を超える参加大学で
特色ある先進的教材の開発と、それを利用した人材育成活動が
進められている。
「edubase Portal」により、いつでもどこでも
最先端ソフトウェア科学・ソフトウェア工学を学ぶことができる。

http://scienceportal.jp/news/daily/1003/1003091.html

"花粉症日本一"は静岡 気象情報会社の全国調査

(2010年3月8日 共同通信社)

花粉症発症者が最も多いのは静岡県、最も少ないのは鹿児島県。

気象情報会社「ウェザーニューズ」が実施した、
花粉症に関するアンケート。
調査は2月20~22日、同社の携帯サイト利用者に実施。
5万3946人の有効回答。

北海道は、シラカバ花粉で傾向が異なり、
沖縄県は、花粉の飛散が目立たないため除外。

「周りの人の何割が花粉症か」との質問で、
1割未満~10割の各割合の選択肢から選ぶ方式。

都府県別に平均すると、静岡県は38・16%、2位群馬県が38・04%。
山梨(37・32%)、栃木(36・91%)、三重(36・85%)。
鹿児島県は21・33%。
全国平均は、32・20%。

関東甲信と東海のすべての都県が全国平均を上回り、
九州は全県で平均を下回った。
過去5年の花粉総飛散量が多い都府県ほど、発症者が多い傾向。

過去5年と比べた今年の症状について、
花粉症とする人(3万7486人)のうち44%が「軽い」と回答。
「同じ」は41%、「重い」は15%。

同社は、今年の花粉飛散量は過去5年で最も少なく、
昨年の半分以下になるエリアが多いと予想。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/3/8/117034/

魅力の地方都市、盛岡9位 ブルータス誌ランキング

(岩手日報 3月11日)

人気カルチャー誌「BRUTUS(ブルータス)」(マガジンハウス)で、
「魅力ある地方都市ランキング50」に、盛岡市が9位。

歴史的建造物が今も残り、文学や音楽スポットとして
文化をはぐくむ美しい街として評価。

同号は、日本の地方特集で、テーマは
「アンチTOKYO?クールLOCAL!」。
建築、音楽、アート、郷土料理など12ジャンルで、
同誌編集部が選んだ各都市の魅力あるスポットと、
建築評論家やライターら専門家が選んだスポットを点数化し、集計。

盛岡のページでは、同市開運橋のジャズ喫茶「開運橋のジョニー」
(照井顕店主)など、音楽を発信する都市として特集。
同市材木町の光原社や、三大めんなども紹介。

同ランキングの1位は福岡市、2位は京都市、3位は札幌市。
同誌編集部は、「地方には、独自ではぐくまれた文化がある。
盛岡は、カルチャー好きにとって魅力ある都市」

市ブランド推進課の坂田裕一課長は、
「盛岡ブランドとマッチした評価で、城下町の良さが
見直されているのではないか」と喜ぶ。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20100311_12

2010年3月17日水曜日

親と向き合う(7)常に子どもを中心に

(読売 3月2日)

保護者が学校に拳を振り上げる背景には、何があるのか?

「本人に伝える前、いきなり自宅に連絡され、
説明もなく0点と言われても、納得いかない」
京都府内に住む父親(46)は、中学3年の次男が通う
学校に駆け込み、担任に説明を求めた。

次男は学期末試験で、終了のベルが鳴ってから解答を書き直した。
それを試験官を通して知った担任から連絡があり、
「0点にします。後日、息子さんに伝えます」と伝えてきた。

怒りが収まらない父親に、担任は謝罪し、校長も交えて話し合った。
この結果、父親が腹を立てた理由は、進学を控えた大事な時期に、
当事者である息子を差し置いて対応した担任の姿勢。
点数については、学校側で再検討し、0点と決まったが、
父親は「ルール違反だから仕方ない」と受け止めた。

「担任からすれば、私はモンスターに映ったのかもしれないが、
そのまま黙っていたら、子どもが不幸になると思い、
あえて言った」と父親は振り返る。

都内で開かれた「先生が元気になる集い」。
弁護士や精神科医ら専門家からなる
「新・学校保護者関係研究会」(代表・小野田正利大阪大学教授)。
集まった現役教師たちが、それぞれの役割を演じた。

子どもを隣に座らせ、父親は机をたたき、どなる。
「うちの子は、卒業アルバムに1枚しか写っていない。
すぐに作り直せ!」
校長が、「申し訳ありません。少し時間をいただき、対応を考えます」、
父親は「息子にとっては一生の傷だ」――。

参加者の間では、「アルバム作りの時、名簿を見て枚数をチェックする」
と話題になり、人ごとではない題材。

迫真の演技で、役になりきった後の感想は様々。
保護者役は、「『作り替える』という言葉を引き出したかった」、
校長役は、「謝るところは謝って、何が出来るかを考えた」、
教頭役は、「学校の落ち度。校長に任せちゃおうと思った」
子ども役は、「大人たちに挟まれ、何を言っていいのか分からない感じ」

寸劇を企画した小野田教授は、
「教師は理屈で説明し、保護者は思いで要求する」
教師は、複数の1人として子どもを見る。
保護者は、1分の1、つまり我が子を見る。
そこに、ずれが生じるのは当然。
その間で、子どもが置き去りになることも多い。
「子どもを中心に据え、互いの思いを推し量ることが大切」と助言。

「組織を相手に怒るのは、それ相応の腹づもりが必要。
我慢をため込み、ある時点で怒りが噴き出る。
様々な保護者や地域住民と接点を持ち、怒りの背後を推し量れるのは、
やはり最後は学校。
教師に、親と向き合う気概と同僚との協調性があれば、
出口は見えてくる」と小野田教授。

保護者との関係で悩む教師、学校の対応に不満を抱く保護者……。
連載には、メール、ファクス、手紙で様々な反響が届いた。
共通するのは、「いい方向に変えたい」という前向きな思い。

子の幸せを願う気持ちは、親も教師も変わらない。
人とのつながりが希薄化し、世知辛いと言われる時代にあって、
かけがえのない関係を築ける宝の山が、学校にはある。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100302-OYT8T00277.htm

「漢方」「はり」治療データ蓄積を 厚労省研究班が提言、専任担当部署設置も

(2010年2月26日 毎日新聞社)

漢方や鍼灸の今後のあり方について、
厚生労働省の研究班(班長、黒岩祐治・国際医療福祉大教授)が
提言をまとめ、長妻昭厚労相に提出。

治療効果のデータ収集や人材育成、
原料の国内栽培の推進などを提案。
個別化医療を実現するために、患者の症状や診断、
治療結果を収集・蓄積しデータベース化を進めることを提案。

漢方薬については、現在は8割以上を中国からの輸入に頼っている
生薬原料を、25年までに自給率を50%に高めることを目標、
休耕地や植物工場を活用した生薬原料の栽培、
漢方の正しい知識の普及--などを提言。

鍼灸については、研修の充実で鍼灸師の専門性を
高めることを盛り込んだ。

漢方や鍼灸などの伝統医療は、中国や韓国の主導で
国際的なルールづくりの動きが出ている。
提言では、日本も専任の担当部署をつくり、
政府主導で対応することも求めた。

渡辺賢治・慶応大漢方医学センター長は、
「中国や韓国は、国際会議に国の担当者が来ているのに対し、
日本は学会レベルで対応しており、限界がある」

漢方をめぐって、昨年の政府の事業仕分けで、
漢方薬を保険診療から外す案が出るなど、
専門医の間には危機意識が強い。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/2/26/116603/

富士大生の利用料減免 花巻市が文化、スポーツ施設

(岩手日報 3月13日)

花巻市は、富士大の学生を対象に、市内の文化・観光、
スポーツ施設の利用料を減免。
両者が昨年締結した、相互友好協力協定に基づく対応。
市は、市全体を大学の「キャンパス」と位置付け、
より地域に根差した学習・研究活動や日常生活を学生に送ってもらう。

減免対象の施設は、宮沢賢治記念館、南部杜氏伝承館などの
文化・観光12施設、鉛温泉スキー場などスポーツ5施設の
計17施設、適用は土・日曜日と祝日、長期休業期間。
すべての文化・観光施設とスポーツ施設のうち、
プール2施設は無料、同スキー場は500円(リフト1日券)、
石鳥谷アイスアリーナは400円で利用。
東和B&G海洋センターは、最初の1時間が無料。

学生が施設への入場時、学生証を提示すると減免。
施設利用とは別に、市の図書館を学生が、大学図書館を
一般市民が利用しやすくするため、相互のホームページにリンク先を表示。

同大の学生数は、約1千人。
同大学生支援部の井手俊一部長代理は、
ゼミなどで文化施設を訪れる時があり、市の配慮は助かる。
大学図書館の一般利用も増え、今後は大学のスポーツ施設の開放も
積極的に考えたい」と歓迎。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20100313_11

2010年3月16日火曜日

親と向き合う(6)情報共有 トラブル防ぐ

(読売 2月27日)

学校と家庭が情報を共有し、理解を深めている。

「ありのままの学校」を見てもらおうと、
名古屋市立城山中学校は毎年、教員と保護者が連携、
「城中NAVI」と題したガイドブックを発行。
A4判75ページ、生徒会の仕組み、学校運営予算、
学校評価の結果など、各教科の学習目標、通知表の見方まで
学校の情報を満載し、全生徒の家庭に配っている。

発行が始まったのは、2005年。
「新しい学校づくりには、情報の共有が大切」と、
教員が提案して実現。
保護者や生徒へのアンケート調査や、保護者を交えた
編集会議で要望を把握し、掲載内容を毎年見直し。
2010年度版には、新型インフルエンザの対応を加える予定。

保護者への連絡事項は、その都度、教諭が配る
学級だよりなどで伝えることが多い。
プリントが、かばんや机の中に入ったままになったり、
散逸して必要な時に取り出せなかったり。
冊子にすることで、必要な情報が届かず、
トラブルに発展することを防げる。

編集にかかわるPTA役員の和泉早苗さん(44)は、
「NAVIを読んで、もっと知りたいと思うことがあれば、
授業参観などで学校に来て、先生とコミュニケーションを
とりながら情報を取ることも大切

保護者が学校に抱く疑問を解消し、教師も対応力を学べる
ホームページがある。
教育関連の編集プロダクション「コンテクスト」が開設する
「ティーチャーズ・オンライン 先生のミカタウェブ」
http://www.teachers-online.jp/

学級だよりの文例を、季節や学年ごとにそろえた。
専門家の助言を受け、事例を基につくったゲームでは、
選択肢を選びながら、保護者対応のポイントをつかめる。

同社社長の佐藤明彦さん(37)は、
「理想は、隣に座る先生に聞くのが一番だが、
教員採用が一時期滞った影響で、エネルギーのある
キャリア10年ぐらいの先生が少なく、若手が孤立。
そうした先生たちに、少しでも役立ててもらえれば」

もう一つの目的は、学校を知ってもらい、
教員の負担を軽くすること。
新人教師は、授業をよく休む。
背景に、初任者研修があるのだが、事情が分からない保護者は、
「あの先生は何をやっているんだ」という話。
意外と知られていない「学校の謎」を解き明かしている。

監修した日本大学の佐藤晴雄教授(社会教育学)は、
「学校と家庭の認識のズレを放っておくと、クレームにつながる。
学校の姿を外にさらすことで、風通しがよくなり、苦情も少なくなる」
学校支援ボランティアの活用も、その手段の一つ。

学校、家庭、地域が互いを知り、誤解を防ぐ土壌を作ることが、
円滑な学校運営を促す。

◆学校支援ボランティア

学校運営に役立つ知識や経験を持ち、教育や校務の手助けをする人。
ボランティア希望者を登録し、目的にあった人に依頼する方法など。
地域との協働で、「開かれた学校」の推進につながり、
各地で取り組みが進んでいる。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100227-OYT8T00265.htm

富士登山、低酸素にご用心 中高年、ベテランでも負担 高血圧も、鹿屋体育大調査

(2010年3月5日 共同通信社)

富士山の中高年登山者は、ベテランでも歩行中や山頂付近での
睡眠中に、通常なら救急医療で酸素吸入が必要なレベルの
極度の低酸素状態になり、血圧も上がることが、
鹿屋体育大の山本正嘉教授(運動生理学)らの調査。

山本教授は、「登山未経験者や普段運動していない人だと、
より大きな負担がかかり、事故の引き金になる恐れがある」、
一気に登頂せず、途中で1泊した方が負担を軽減できる。

調査は昨年8月、登山経験15年以上の58~69歳の
男女計7人を対象、2泊3日の行程で実施。

標高約2400mの5合目・富士宮口から、約7時間かけて登頂、
旧富士山測候所に宿泊。
2日目、約3時間かけて山頂噴火口を1周する「お鉢巡り」、
3日目、約3時間かけて下山。
この間、体内の酸素量の指標となる「動脈血酸素飽和度」(SpO2)、
心拍数、血圧などを測定。

スタート時のSpO2は、7人の平均が約93%、
酸素が薄い山頂に近づくにつれ低下。
3700mを超えた歩行中と山頂での睡眠時は、平均60%台。
登山は、徐々に酸素が減るので体が慣れていくが、
平地だと90%を下回ると、救急医療で酸素吸入が必要なレベル。

低酸素状態となることで、心拍数と血圧も上昇。
山頂での最高血圧は、平均で高血圧と定義される140以上。

◆富士登山者の遭難

2005年夏、富士山8合目まで登った登山者は約20万人、
08年夏は約30万人、昨年夏は約29万2千人。
昨年1年間に扱った遭難は、41件で7人死亡、21人負傷。
足を滑らせたことによる転倒が10件と最多、
疲労や高山病によるものもあり、多くは不十分な装備や
体力不足が原因。
山梨県側では昨年、7件の事故、3人死亡、4人負傷。
昨年12月、元F1レーサー片山右京さんら3人が遭難、
片山さんに同行した2人が死亡。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/3/5/116962/

冷え万病のもと、防ぐ 生活環境、ストレス影響 免疫力低下も

(2010年3月5日 毎日新聞社)

暖かくなったり、寒さが戻ったり--。
季節の変わり目のこの時期、体調を崩していませんか。
とくに厄介なのが、体の「冷え」。
冷暖房で体温調整がうまくとれない上、ストレスも多い。
冷えは免疫力を弱め、万病のもと。
布団に入っても足が冷たくて眠れない。
悩みがつきない冷えを防ぐには、どうしたらいいのか?

50年前の日本人の平均体温は36・9度だったが、
現在は36度前後まで低くなった。
東京女子医大付属青山自然医療研究所クリニック所長の
川嶋朗さんは指摘。

日本人の平熱は、この50年で確実に0・5度以上は低い。
6度以下の低体温の人も少なくない」

背景には、現代文明がある。
エアコンの普及で体温調節機能が衰え、
冷蔵庫で冷やされたものを年中飲む。
体は、いやでも冷える。

ストレス社会の影響も大きい。
ストレスで交感神経が緊張し、心臓の動きが速くなり、
血圧が上がり体温も高くなる。
過度になると、血管が収縮したまま戻りにくくなり、
血の巡りが悪くなり、冷えにつながる。
体全体の3分の1の熱をつかさどる筋肉の量が、
運動不足で減っていることも要因の一つ。

血行改善を図る「血めぐり研究会」(花王などの5社協賛)が、
20-40歳代の男女650人に、「冷え」についてのネット調査、
7割が冷えを自覚。
冷えを感じている人は、「肩こり」、「疲れ・だるさ」、「足のむくみ」、
「風邪のひきやすさ」、「頭痛」、「便秘・下痢」について、
感じていない人よりも15ポイント以上強く症状。

「冷え」は、体全体の働きも鈍くする。
新陳代謝に重要な酵素が活発に動く温度は37-40度、
1度下がるだけで、働きが半減するものも。
免疫力も、1度下がることで3割減少。

肝臓、腎臓のトラブル、糖尿病、高脂血症などにつながり、
脳内の伝達物質もスムーズに運ばれなくなり、
うつ病や自律神経失調症などにも関係。
冷えは、あらゆる病気の入り口。
いかに体を温めるかが、現代人にとって大切」と川嶋さん。

冷えは、朝、起きがけに布団の中で脇の下に手を入れ、
これよりも冷えている個所があるかどうか--で大体分かる。
チェックリストで、一つでもあてはまるものがあるなら注意。
………………………………………………………
◇規則正しい生活、対策の基本に

東洋医学では、「命あるものすべて温かい」と言われ、
冷えは体の不調のもと。
「アキュラ鍼灸院」院長の徐大兼さんによると、予防の基本は、
(1)規則正しい生活、
(2)十分な睡眠、
(3)バランスのとれた食事、
(4)適度な運動、
(5)ストレスを緩和する生活

◆お灸・マッサージ

お灸は、患部そのものを温め冷えを取り、痛みもやわらげ、
治りを早くする。
ツボを刺激し、冷え症を改善することができる。

◆入浴

シャワーではなく、湯船につかろう。
半身浴もおすすめ、ぬるめのお湯に20-30分ゆっくりつかる。
上半身が冷えるので、バスタオルをかけたり、
入浴前に浴室全体を暖めておく。
入浴後、手早く身支度を整え、体を冷やさない。

◆ぬか袋

就寝中に体が冷えてしまうという人におすすめ。
ぬか袋は、自分の体の線に沿って形が変わるので、フィット。

【作り方】木綿の布(32cm×20cm)を袋状に縫う。
古米130g、ぬか100g、粗塩35g、ローリエの葉1枚を入れる。
袋の口を縫い合わせ、電子レンジで2、3分温め、
冷えている部分に当てる。
再度温める場合、半日以上たってから。

◆食事

季節感のある和食をベースに、バランスを整えた食事。
1回の食事に、五味(酸・苦・甘・辛・塩)、
五色(赤・青・黄・白・黒)をそろえるように心がける。
体を冷やす食べ物(ビール、冷たい飲み物、アイスクリームなど)は
なるべく避け、水分の取り過ぎにも注意。
「孫は優しい(マメ類、ゴマやナッツ類、ワカメ、ヤサイ、サカナ、
シイタケのキノコ類、イモ類)」
………………………………………………………
◆「冷え」チェックリスト

□手足が常に冷えている
□時折、頭痛がある
□顔色が悪い
□冷房が苦手
□目の下にクマができる
□少しの運動で息が切れる
□夜、熟睡できない
□夜中、トイレで目を覚ます
□低血圧
□体温が36度以下
□肩こり、腰痛、ひざ痛、下痢気味、便秘気味、疲れやすいなど
 症状が一つでもある
□いらいら。集中力がない

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/3/5/116955/

2010年3月15日月曜日

ドライマウス:生活変え改善 増える「口の筋力低下」原因 よくかむことが重要

(毎日 2月26日)

口が乾く「ドライマウス」(口腔乾燥症)。
クッキーが食べられない、世間話ができないなど、
放置すれば日常生活に支障をきたす。
背後にはさまざまな原因があるが、飲み薬の種類や生活習慣を
変えることで改善するケースも多い。

ドライマウスに悩む人は、潜在患者を含め人口の25%程度。
鶴見大歯学部付属病院は02年、
国内初の「ドライマウス外来」開設
以来、3600人の患者を診療。
中高年の女性が中心だが、最近は10代の患者も。

診断は、問診に加えて唾液量を測る。
ガムをかんで唾液腺を刺激しても、10分間の唾液が
10CC以下だと、唾液腺の異常を疑う。
難病に指定されている自己免疫疾患の一つで、
涙や唾液などの分泌障害を起こす「シェーグレン症候群」。

多摩市の建部良子さん(77)は06年、大好きなご飯がまずくなり、
食事の量が激減して10キロ近くやせた。
唾液量が減ったことが原因と判明、シェーグレン症候群と診断。

根治は難しいが、適切な対処で日常生活を送っている。
唾液分泌を促す薬を毎日飲み、うがいや水分補給を欠かさない。
夜は、専用のマウスピースをつけるなどして口内を保湿。
「食事も、水分が多いものを選べば楽しめるし、
視覚障害者のための朗読ボランティアも続けられた」

病気ではないのに、「口が乾く」と訴える患者の方が多い。
同病院の斎藤一郎院長によると、受診者の7割近くが、唾液腺は正常。
こうした人たちで最も多いのは、薬によるドライマウス。

抗うつ薬や睡眠導入剤、高血圧の薬、花粉症対策の
抗ヒスタミン剤などに、口が乾く副作用がある。
支障がない範囲で服用量を減らしたり、
別の薬に変えるなどの対策で改善。

ストレスが原因になるケースも少なくない。
唾液腺は、自律神経の影響を受け、緊張すると口がカラカラになるのは、
交感神経が唾液腺の働きを抑えるため。
職場環境や人間関係、家族の介護といったストレスに
さらされ続けることで、唾液分泌が減る。

最近特に増えているのが、口のまわりの筋力低下」(斎藤院長)。
高齢者に加え、軟らかいものばかり食べて育った子供たちは、
筋肉が発達しないため、日ごろから口が開きがち。
猫背など姿勢が悪い人や、鼻が詰まっている人も口呼吸になりやすく、
唾液分泌が正常でも、口内が乾燥してしまう。

ドライマウスにならない生活とは?
正しく、よくかむこと。
かむことで筋肉が鍛えられ、唾液分泌も活発になる」と斎藤院長。
根菜類など、かみごたえのあるメニューを心がけ、
よくかんでゆっくり食べることで、唾液中の消化酵素が働く。
唾液は、口内を清潔に保つため、分泌が不十分だと
虫歯や歯周病のほか、口臭の原因にも。
高齢者では、細菌が肺まで入り込み、肺炎を起こしやすくなる。

口のまわりの筋肉を鍛える手軽な方法も。
「いー」と言いながら口を横に広げた後、
「うー」と言いながら口をとがらせるしぐさを繰り返す。
舌を上あごにつけて、はじかせるように「タン、タン」と鳴らす
運動は、舌の筋肉を鍛える。
舌が上あごにきちんと収納され、口も自然に閉じてくる。

斎藤院長が主宰する「ドライマウス研究会」は、
「ドライマウスは歯科医が診る」を掲げる。
全国の歯科医や歯科衛生士ら約3000人の会員が加入、
主要大学病院の歯科や口腔外科がドライマウス外来を併設したり、
クリニックでも相談に乗っている。

研究会のホームページ(http://www.drymouth-society.com/
==============
◆こんな人は相談を
・口の中が、いつもネバネバしている
・クッキーなど、パサパサしたものが食べにくい
・口が常に乾いていて、会話をするのがおっくう
・食べ物をのみ込むのがつらい
・入れ歯がすぐに落ちてしまう
・舌がひび割れて痛い
・こうした状態が3カ月以上続いている

◆ドライマウスを防ぐには
・お茶や水で水分を補う
・室内が乾きすぎないよう加湿する
・食事はよくかむ。前歯より奥歯でかむ方が唾液は出やすい
・ガムやあめ、すっぱい食べ物で唾液腺を刺激する
・交感神経が優位になるたばこはやめる
・過度の飲酒も体の水分を奪い、乾く原因に

http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2010/02/26/20100226ddm013100161000c.html

親と向き合う(5)対応力学び 真意酌む

(読売 2月25日)

危機管理の手法を、保護者対応に生かす。

「A君と違う部屋に変えてもらえませんか」
修学旅行を間近に控えたある日、B君の父親が学校に駆け込んだ。
素行が悪いと評判のA君と同室になり、部屋割りの変更を求めた。

「子ども同士で決めたことなので」と、担任教師。
「変えてくれるのですか」と尋ねる親に向かって、「ですからー」。
親が、「校長に代わってもらえますか!」と声を張り上げると、
素っ気なく答えた。「校長はいません」――。

八王子実践高校での講習会の一場面。
講師で招かれた「学校リスクマネジメント推進機構」
宮下賢路代表が、保護者を演じた。
「悪い教師」になりきった同校教員は、あえて言葉を遮ったり
責任逃れをしたりするよう、事前に指示。

宮下代表は、危機管理のコンサルタント業務に携わった経験を
生かし、全国の幼稚園から大学まで幅広く初期対応の研修を開催。

クレーム対応の基本について、
〈1〉誠実に謝る、〈2〉話を聴く、〈3〉言い訳をしない――を掲げ、
「まず、相手の感情を抑えることが大切」

典型的な例が、電車が遅れた時のアナウンス。
原因が鉄道会社にあるのか分からなくても、
「迷惑をかけた事実」を認めて謝罪し、利用者の怒りを抑える。

重大事故の発生確率を示す「ハインリッヒの法則」を引き合いに出し、
「保護者との対応でも、言い訳や問題の放置など、
クレームにつながりやすい小さなミスを減らすことが重要」

他業種で当然のことが、なぜ、学校では難しいのか?
権威ある存在に見られてきた先生は、謝るのに慣れていない。
一方で、親の意識は高まっている。
学校に託すのは、お金よりも重要な子ども。
企業の商品やサービスと比べ、求める真剣さが違うのに、
世の中の流れに学校がついていけない場合が多い」と宮下代表。

「となりのクレーマー」などの著書がある関根眞一さん(59)は、
大手百貨店の元社員。
「お客様相談室」で、数多くの苦情に対応してきた経験から、
昨年7月、「日本苦情白書」を刊行。
教育、行政、福祉、病院、金融などの8業種の計5059人を
対象に実施した全国調査をまとめた。

苦情の原因について、「こちらの配慮不足」と答えた割合は、
8業種の平均が50%、教育では31%と最も低かった。
相手の「勘違い」、「いちゃもん」の合計は、8業種中、最高の43%。
保護者の苦情を、最初から無理難題と受け止めやすい
学校の傾向が浮き彫りに。

関根さんは、「教員は言葉を発する職業で、
相手の真意を読み取るのが苦手。
対応力を学び、相手に胸襟を開けば、保護者の声が
『なるほど』と聞こえるのでは」

まず耳を傾けることで、苦情が無理難題ではなくなる。

◆ハインリッヒの法則

1件の重大事故の背景には、29件の軽い事故と、
事故には至らない300件の小さなミスがあるとする、
安全工学上の経験則。
医療や航空などの分野では、軽微なミスを集めた
「ヒヤリ・ハット事例」を分析、事故やトラブルの防止に役立てている。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100225-OYT8T00232.htm

野口研究室、20年前は物置 元商社マン、整備に奔走

(2010年3月8日 共同通信社)

ガーナの首都アクラに入った皇太子さまが、
訪問される予定の「野口英世記念研究室」。

現在、奥の展示室に野口ゆかりの手紙や顕微鏡などが並んでいるが、
総合商社「丸紅」の元アクラ支店長岩田芳晴さん(72)は、
約20年前のことを感慨深く思い出している。

ガーナで、黄熱病の研究中に死亡した細菌学者、野口英世が
研究者人生の大半を過ごした米ニューヨークにも、
駐在経験がある岩田さん。

1987年秋、アクラに着任するとすぐ、コレブ病院に残る
野口の研究室を訪ねた。

ごくありふれた実習室。
奥の小部屋は、薬品の瓶や掃除道具が雑然と並び、
「物置のようだった」

間もなく、野口の助手をしていたというウィリアムズさんと出会い、
"物置"は、野口が好きな葉巻を吸いながら、研究データを
整理していた個室だったと知る。

「ここでよく、プロフェッサー・ノグチに葉巻をもらって一緒に吸った。
『結核が怖いので、栄養を取る』と、バナナと牛乳を毎日欠かさず、
地元の若者には努力することの大切さを説いていた」と
ウィリアムズさんは思い出話をしてくれた。

「博士の部屋を何とかしなければ」。
ガーナ日本人会の会長も務めた岩田さんは、
日本大使館の協力を受け、建物を所有するガーナ保健省を説得。
政府開発援助(ODA)を増やしていた日本の存在感も後押し、
改修の許可を取り付けた。

岩田さんは、一時帰国の際、野口英世記念会から資料を
提供してもらい、92年2月、展示室としてオープン。

訪問前の記者会見で、「博士がアフリカ、世界の医療活動に
果たそうとした思いをしのびたい」と述べた皇太子さま。

岩田さんは、「80年前はクーラーもなく、環境はもっと厳しかった。
ニューヨークから覚悟を決めてガーナに飛び込み、
黄熱病という人類的な課題に取り組んだ野口博士の研究者魂を
感じ取っていただければ」

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/3/8/117051/

2010年3月14日日曜日

理系白書’10:挑戦のとき/23 東大大学院疾患生命工学センター・西山伸宏さん

(毎日 2月23日)

がんによく効く薬があっても、患部へ届かなければ
治療に役立たない。
普通の薬は、飲んだり、注射するなどの方法で投与され、
全身に散らばるため、患部に届く量が少なかったり、
他の部位で副作用を起こすことがある。
薬を患部に直接運ぶ「乗り物」があれば、確実に届いて
治療効果は上がり、副作用も減らせる。

そんな夢を実現する技術が、
「ドラッグ・デリバリー・システム(DDS)」
西山さんは、大学に入学したころ、この研究を知った。
「がんを克服できるかもしれない。
やみくもに薬剤を探すのではなく、自分で設計し、工夫し、
戦略的に『乗り物』を作り出せる可能性がある」
4年になると、迷わずDDSの研究室に入った。

最初に取り組んだのが、抗がん剤「シスプラチン」を包み込む
直径数十nmという極小カプセルの設計。
シスプラチンは、膀胱、前立腺、卵巣など幅広いがんに効く。
腎臓などへの副作用が強い。
血液中では壊れにくく、患部に届くと内部の薬を放出する
カプセルを目指した。

「実験では、目的の場所で薬が働かずにマウスが死に、
原因を調べて設計を変え、再び試す、ということを繰り返した。
『何とかうまくいってくれ』と祈るような気持ちだった」と振り返る。
それでもうまくいかず、気づいたら上野動物園でサル山を
眺めていたこともある。

不安はあまりなかった。
「DDSは、実験によって薬が目的通りに運ばれない
原因が見えてくる。
その問題を改善すれば、必ずより良いものができると分かっていた」

シスプラチンのDDS技術は、博士課程のとき論文になり、
人への臨床応用も始まった。
学生時代の研究が、人の治療につながろうとしている。
取り組む研究の重みを感じる。

小さいころ、絵を描くことが好きだった。
優れた絵画は、時代を超えて人々に感動を与える。
西山さんは、「研究論文も、単なるデータだけではなく、
研究の発想など、研究者の個性が息づいている。
優秀な論文は世代を超えて読まれ、社会に影響を与える作品。
自分も、そんな『作品』を持ちたいと思った」

シスプラチンの研究以降、人工ウイルスの作成、遺伝子解析を
導入した薬剤の機能分析など、さまざまな論文を発表。
昨年、若手研究者を対象とした日本DDS学会の
第1回奨励賞を受賞。
「医学の発見を、社会に役立つ技術として普及させ、
多くの患者が平等に享受できるようにするのが、私たちの役目。
医と工の橋渡し役になりたい」

医療分野に飛び込んだ工学博士の一人として、
「ものづくり」へのこだわりは、だれにも負けない。
==============
◇にしやま・のぶひろ

74年、和歌山市生まれ。
東京理科大基礎工学部卒、東京大工学系研究科博士課程修了。
米ユタ大などを経て、09年から現職。

http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2010/02/23/20100223ddm016040116000c.html

親と向き合う(4)難題解決 専門家が支援

(読売 2月24日)

学校での解決が難しい問題への対応を、様々な専門家が支援。

京都市教育相談総合センターの会議室に、
弁護士や医師、臨床心理士らが集まった。
「保護者に電話をかける時間は設定できないんですか」、
「無理な要求でも、子どものために先生はギリギリでやっていた」、
「それは否定しないが、逆に問題を大きくするのでは」

学校での解決が難しい保護者とのトラブルを、専門家を入れて話し合う、
京都市の学校問題解決支援チームの定例会議の場面。
この日は継続1件、新規1件を議論。
休憩を挟まず、予定の2時間を30分も過ぎる白熱ぶり。

チームは、2007年8月に発足。
保護者を含めた専門委員5人と、事務局職員ら常任委員9人。
これまでに取り上げた事例は23件。
親や子どもの状況と心理をつかむため、
家族構成図も示して、丁寧に事実を確認。

ある中学校で、生徒がけがをしたケース。
その親は、「教員がけがをさせた」と言い、半年余りで学校側に
計約100回の抗議をする一方、警察に被害届を提出。
「服が破れたから弁償しろ」とも要求。
生徒は不登校になる。

チームの弁護士は、学校に出向いて事実を調べた。
保護者が面会を拒絶する中、学校側は生徒の学習機会を
保障するため、家庭訪問を繰り返し、補習に生徒を呼んだ。
事件にはならず、学校内では、「卒業にあたり、服ぐらい
弁償してもいいのでは」という声もあったが、
チームは「法的に線を引いたケース。それはふさわしくない」と助言。
収束までに1年かかった。

チーム統括の桶谷守・京都市教育相談総合センター所長は、
専門家の助言で、教職員が自信を持って保護者対応ができ、
子どもが安心して学べる環境ができる」と狙いを説明。
とはいえ、強制力がないため、解決に時間を要し、
解決に至った事例も23件中5件と、全体の2割。

クレームを繰り返す保護者から、突然、弁護士を通して書面が届き、
動揺してしまう教職員も少なくない。
こうした現場に対応するため、東京都港区には、
業務委託先の弁護士団体から、法律的なアドバイスを受けられる
「学校法律相談制度」がある。

制度開始から8か月後の08年2月、区教委は、区立幼稚園と
小中学校の教職員373人に意識調査をした。
ほぼ全員が、「利用したい」、「助かる」と好意的だった一方、
法的な解決以外でクレーム対応に必要なものを尋ねたところ、
「保護者との信頼関係」が最も多かった。

区教委は、「法律相談はあくまで、知識として欠けているところを
補うもの」と位置づけ、問題が発生した時、
学校自らが対応を考える姿勢は変わらない。

保護者と教師との橋渡し役に、第三者が出てくるのは最後の手段。
日頃から互いに信頼を積み重ねておけば、
まったく無縁の存在にもなる。

◆学校問題解決支援チーム

教育改革を掲げた安倍首相(当時)の諮問機関「教育再生会議」が、
第2次報告(2007年6月)で各教委に設置するよう唱えた。
長崎と沖縄の県教委のほか、新潟、横浜、成田、鈴鹿、豊中、
北九州の各市教委などにある。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100224-OYT8T00255.htm

野口賞シンポジウムに出席 ガーナ訪問の皇太子さま

(2010年3月10日 共同通信社)

ガーナを公式訪問中の皇太子さまは、
「野口英世アフリカ賞」の記念シンポジウムに出席。

あいさつに立った皇太子さまは、感染症研究の重要性などへの
認識がアフリカで深まっていることを指摘、
「アフリカの感染症と闘っている医学研究者や医学従事者の
皆さんが、あらためてそれぞれの活動に励まれることを
心より期待しております」

同賞は、アフリカでの医学研究や医療活動に功績があった人に贈られ、
2008年の第1回受賞者、ケニアの保健問題専門家
ミリアム・ウェレさんら2人がシンポで記念講演。

皇太子さまは、シンポに続いて市内のラ墓地を訪れ、
ガーナでの活動中に亡くなった清水洋一さんら
青年海外協力隊員4人の慰霊碑に供花。

アクラから約100キロ離れた世界最大級の人造湖・ボルタ湖にある
「アコソンボダム」を、大統領別荘のバルコニーから視察。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/3/10/117146/

2010年3月13日土曜日

レーザー:誕生50年、広がる用途 20世紀の大発明、最新の研究は

(毎日 2月23日)

CDやDVDなどでのデータ読み取り・書き込みや、
工業製品の溶接、医療機器まで、幅広く活用されているレーザー
今年で、誕生50年を迎える。
応用範囲の広さから、「20世紀最大の発明」とも言われ、
新しい分野に用途は広がりつつある。
私たちの生活に欠かせない存在となったレーザーの仕組みや歴史、
最新の研究を紹介。

レーザーは1958年、米コロンビア大にいた
チャールズ・タウンズ氏が理論を発表。
60年、米国のセオドア・メイマン氏が、
ルビーを使ったレーザーを発明。
タウンズ氏は64年、ノーベル物理学賞を受賞。

◆従来と違う人工光

レーザーは、電球などの普通の光と大きく異なる性質を持つ。
普通の光は、さまざまな波長の光が混ざり合ってでき、
伝わる方向もばらばらで、四方八方へ広がっていく。
レーザーは、波長が一定で、波の山と谷がそろっているため、
一定方向へほぼまっすぐに伝わることが特徴。

タウンズ氏と共同研究をした経験のある
霜田光一・東京大名誉教授は、
「従来の光とは、まったく異なる光と言っていい」

なぜ、このような光が作れるのか?
レーザーが、アインシュタインの考え出した「誘導放出」という
原理に基づいた人工の光。
電気的に高エネルギー状態にされた原子は、
低エネルギー状態に戻る時、ある振動数の光の粒子を放出。
この粒子が、別の原子を刺激して同じ振動数の粒子を放出。
これを誘導放出。
この繰り返しによってできた多数の粒子からなる光は、
波長や伝わる方向がそろっている。

発明以来、誘導放出を起こす物質を変えることで、
強度や波長の異なるさまざまなレーザーが開発・実用化。
用途は、二つに分かれる。
一つは、レーザーをエネルギー密度の高い熱源として利用する使い方。
金属を、細かくきれいな断面で加工できる溶接機や、
医療用レーザーメスなどが該当。
もう一つは、まっすぐ遠くまで伝わる性質を生かした用途。
光ファイバーを使った光通信、スクリーン上の好きな場所を示せる
レーザーポインターなど。

◆X線の性質持たせる

まっすぐ伝わるレーザーの性質と、物の中をすり抜けて
内部まで届くX線の性質を持った「新しい光」の開発を、
理化学研究所が進めている。
兵庫県佐用町の大型放射光施設「スプリング8」の脇に
建設中の「X線自由電子レーザー」

X線レーザーは従来もあったが、波長の長いものしかなく、
小さな物質を見ることができなかった。
X線自由電子レーザーは、波長が0・1nm、
さまざまな物質の原子と原子の間の距離に近いため、
原子レベルで物を見ることができる。
電子の速度を自由に変えられるため、非常に短い時間しか
瞬かない光を作ることができるのが特徴。

これまでの手法で観察できなかった、瞬時に動く小さな物でも
見られるようになる。
新しい薬の開発につながる膜たんぱく質の1分子の動きの観察や、
化学反応を原子レベルで観察し、効率をより高める研究などに活用。
天文学や新素材開発などに役立つ可能性も。

施設は、円周が1・5キロのスプリング8ほどではないが、大がかり。
約400mの加速器に、電子を通してほぼ光速まで加速。
次に、強い磁力を与えてX線を放出。
施設は、全長700m。
X線と光速に近い電子の相互作用によって、
非常に波長の短いX線レーザーが生まれる。

今年秋には完成、来春までにはレーザーを稼働できる見通し。
理研放射光科学総合研究センターの石川哲也センター長は、
「さまざまな使い道があり、各分野で今までにない
サイエンスを切り開けるのではないか。
いろいろな分野の研究者に使ってもらいたい」

◆核融合で強力な熱源

強力な熱源として利用しようというのが、レーザー核融合
大阪大レーザーエネルギー学研究センターでは、
10ペタ(1兆の1万倍)ワットという高強度レーザーを、
昨年3月に開発。
レーザーが当たる瞬間のエネルギーは、中国全土を照らす
太陽光を、畳半畳に集めた場合に相当するとてつもない強さ。

レーザーを、核融合原料の重水素と三重水素に照射。
核融合反応によって、ヘリウムと中性子が生成する5000万度の
高温を作り出す計画。
阪大では、5000万度を作り出す実験を今秋にも予定。

疇地宏センター長は、「レーザー核融合の研究は、
40年近い歴史があるが、ようやく初めて点火するところまで来た」

レーザー核融合を巡っては、米国のローレンス・リバモア研究所
同時期に点火実験を計画、阪大では同研究所とも連携しながら
実用化を目指す。

http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2010/02/23/20100223ddm016040110000c.html

インタビュー・環境戦略を語る:ガルーダ・インドネシア航空、ファイク・ファーミさん

(毎日 3月1日)

ガルーダ・インドネシア航空は、航空機の運航で排出する
CO2を相殺するため、植樹などカーボンオフセットに取り組む。
日本・韓国・中国・アメリカ地区総支配人のファイク・ファーミさんは、
「ご搭乗ごとに1本の植樹」と気軽さを強調し、
乗客と一体となった環境保全を展開。

--インドネシアでの植樹活動の支援など、
カーボンオフセットに取り組んでいる。

◆国際的な環境保全団体の世界自然保護基金(WWF)
インドネシアなどと協力し、大規模な火災で森林が焼失した
カリマンタン島のセバンガウ国立公園で、植樹活動をした。

07年から約3年間、「ご搭乗のお客様お一人様につき、
1本の木を植えよう」を合言葉に、国立公園内の約250haで、
約10万本の植樹に協力。
国立公園は、世界でも有数のオランウータンの生息地。

--ジャワ島のジョクジャカルタの植樹は、環境保全の他に目的が。

◆王室の方の主宰する財団による、
「ジャワ鎮守の森-植樹村落開発」を支援
一角の「ガルーダの森」に、約5万本のマホガニーや
カシューナッツなどの植樹を予定。
エコツアーの料金に2000円上乗せで、
自分の名前が付いた木を植樹できる。
日本から、これまでに約80グループがツアーに参加。
年内にも開催予定。

植樹による環境保全だけでなく、養蚕など地場産業の育成を目指す。
手工芸品の機内販売など、幅広い目的の活動に携われてうれしい。

--環境保全は欠かせない?

◆日本の皆さんは、インドネシアというと、まずリゾート地のバリ島を
思い浮かべるのでは。
半面、地球温暖化対策を進め、火災や違法伐採などによる
森林破壊を食い止める必要。

インドネシアは、1万7000の島で構成される群島国、
バリ以外の魅力を知っていただくためにも、環境保全は欠かせない。

--両国は、日本からの地球温暖化対策支援の円借款など、
結び付きを深めている。

◆両国は、経済連携協定(EPA)を結び、観光だけでなく、
ビジネスなど幅広い分野で相互補完関係を築こうとしている。

環境保全も同じで、インドネシアが日本の最先端の
省エネ技術導入を目指す一方、日本は天然ガスなど
資源確保で、インドネシアを必要。

私たちは、日本のお客様を大切に考えている。
サービス向上のため、春から日本人乗務員が登場する予定。
スムーズに入国できるよう、成田出発の便は、
機内で入国やビザの取得手続きができるサービスを2月に導入。
==============
◇ファイク・ファーミ

ガジャマダ大学卒、95年ガルーダ・インドネシア航空入社。
08年7月、日本・韓国・中国・アメリカ地区総支配人。42歳。

http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2010/03/01/20100301ddm008020023000c.html

親と向き合う(3)安心与える言動磨く

(読売 2月23日)

教育委員会が、保護者対応力の向上に乗り出した。

電話が鳴ったら、近くの人がすぐ出る。
3鈴以内で出られなかったら、「お待たせしました」の一言を添える。

東京都教委がまとめた、「学校問題解決のための手引」。
7万部を刷り、公立の幼稚園と小中高・養護学校の全教職員に配る。

要望や苦情の聴き方、事務室と職員室の連携など、
保護者との初期対応に重点を置いた。
「相手の声に耳を傾け、その背景にある事情を把握する姿勢が前提」
(都教委)だが、学校だけでの解決が難しい
「解決困難ケース」の対処法も説明。

きっかけは、2008年、都内の全2418の公立学校・幼稚園を
対象に実施した調査。
保護者から、理不尽な要求を繰り返し受けるなどの
解決困難ケースについて、07年度の発生件数を尋ねたところ、
「ある」と回答したのは約1割。
その半分以上が、学校の初期対応が原因でこじれていた。

いじめを受けた児童の保護者から相談を受けた際、
担任が「お宅のお子さんにも問題がある」と話したところ、
ファクスやメールで、執拗な抗議を受け続けた学校も。

全体から見れば、深刻化する事例はわずかだが、
都教委は、「保護者からの不満や苦情には、
貴重な提案や相談も含まれる。
保護者と協力して子どもを育むには、すべての学校現場で、
初期対応力の向上が欠かせない」との姿勢。

08年度、大阪市教委も教職員向けの手引書をつくった。
以前は、保護者対応で迷った学校から、すぐに市教委に
連絡が入ることが多かったが、手引書に対応の流れを図式化し、
関係先の電話番号も載せたところ、市教委への電話は減った。

指導部の岡田和子・総括指導主事は、
「教師が一冊持つことで、現場が主体的になり、
簡単な事例であれば、学校で解決するようになった」

「少々お待ち下さいませ」
壁に背中を向けて並んだスーツ姿の若者たちが、
腰から上半身を15度傾け、軽いおじぎをした。
「恐れ入りますが」、「あいにくでございますが」
相手の心を和ませる「クッション言葉」も飛び交う。

小中学校で担任を務める教職5年以内の若手24人を対象に、
埼玉県と北本市の両教委が企画した研修会。
県内の百貨店で、社員教育を担当する「接遇のプロ」が講師役。

市教委では、「学校は世間の常識と溝があると言われ、
それが原因で保護者との信頼関係を損ねることも。
学校で最初に保護者と接する担任も、初期対応を学ばなければ」

受講した男性教諭(29)は、「保護者からの苦情で、混乱してしまい、
うまく対応できなかったことがある。
信頼なくして出来ない仕事。
まずは、安心を与える言動を日頃から心がけたい

教師一人一人の意識が、少しずつ変わっている。

◆解決困難ケース

保護者の行為・状態として、長期間にわたり頻繁に
手紙やメールを送りつけたり、一つの要求が通ると
次の要求をしたりするケースのほか、
インターネットやビラなどの媒体による中傷、
国や教育委員会の巻き込み、医学的な治療が優先される
心の問題などがある。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100223-OYT8T00243.htm

2010年3月12日金曜日

ロジカルシンキング(8)論理的な説明技術〜主張と根拠 積み重ねる

(日経 2月23日)

今回から、相手を説得するのに不可欠な論理的な説明技術の
体得の仕方について解説。
自分の主張を相手に理解してもらうには、
「説明内容」、「受け手」、「伝える手段」の三つを考慮。

説明内容で、一番重要なのはわかりやすさ。
わかりやすく説明するには、伝える内容がしっかりした
ロジック(論理)で構成されていること、
明確なメッセージで表現されていること。

論理的な説明というと、自分の主張をロジカルに
組み立てさえすればよいと考えがち。
本来の目的は、論理的な説明をすることではなく、相手を説得すること。

説得する相手、つまり受け手を考慮した説明が欠かせない。
受け手の感情や知識レベルなどを勘案しながら、
どのような伝え方をすればよいのかを決定。

説明するとき、紙の資料を使うのか、口頭だけなのか、
伝える手段を考える。
時間をどれくらい使えるのかにも注意。
伝える手段は、自分に都合よくそろっているわけではない。
限られた条件で、いかに活用できるかを考える。

説明内容を作り上げるためのポイント。
ロジックを組み立てるツールに、「ピラミッドストラクチャー」。

米国の有力コンサルティング会社、マッキンゼーに所属していた
バーバラ・ミント氏が体系化。
自分の主張が、どのような論理展開になっているかを、
ピラミッドのように図式化。
「複数の根拠をもとに、主張が組み立てられる」という考え方を
ベースに、主張と根拠を積み重ね。

ピラミッドの頂上に、「メーンメッセージ(主張)」を置く。
2番目の階層に、メーンメッセージを補足する「キーメッセージ」。
下の階層にある情報を、「サポート情報」。
キーメッセージの根拠となる。

メーンメッセージである「職場内で必要最低限の
コミュニケーションしかとられていない」の下に、
3つのキーメッセージが並んでいる。
キーメッセージの下には、サポート情報がある。
相手が納得するまで、サポート情報を用意しなければならない。

ロジックを組み立てる場合、まず自分の言いたいことがあって、
その根拠を補っていく「トップダウン的なアプローチ」と、
関連しそうな事実を積み上げていきながら完成させていく
ボトムアップ的なアプローチ」の2つ。

注意すべきは、主張とサポート情報との整合性をとること。
注意しても、メッセージと関係のない情報が入っていたり、
メッセージの一部しかサポートできていない情報があったりする。

同じ階層にある情報やメッセージの抽象度をそろえること。
中央が、「重要顧客との商談状況に関する情報が共有されなかった」
となっていたら、他のキーメッセージとは具体性が異なる。
これでは、説明を聞いた相手は違和感を覚える。

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/bizskill/biz100223.html

科学技術予算:編成過程、様変わり 総合科学技術会議の存在大きく

(毎日 3月2日)

日本の科学技術政策が、転換期を迎えている。
その象徴が、司令塔となる総合科学技術会議
(議長・鳩山由紀夫首相)の改革。
昨秋の政権交代以後、会議の運営が大幅に変わり、
新政権全体の改革案を試行する役割も担う。
「事業仕分け」で注目を集めた科学技術予算も、
編成プロセスの大幅改変が進行中。

「予算編成のあり方を変える画期的な話」
総合科学技術会議本会議を、鳩山首相はそう締めくくった。
「画期的」とは、同会議が策定を進める
「科学・技術重要施策アクション・プラン(AP)」のこと。

◆限られていた影響力

政策の中身は、予算の配分で決まる。
次年度の予算は、通常8月に、各省庁が財務省に概算要求を提出。
同省の査定を経て、年末に政府原案が作られ、
年明けの通常国会に提出。
その中で、科学技術予算は、同会議が科学者の視点で
編成に関与するのが大きな特徴。

これまでの自民党政権では、実際の影響力は限られていた。
同会議は従来、1月「科学技術政策上の当面の重要課題」、
6月「資源配分方針」を策定。
どんな事業に予算をつけるかを示すものだが、
いずれも同会議が単独で作り、予算を組む省庁との連携はなし。
秋に、概算要求を事後評価する「優先度判定」を行うが、
要求の各項目をランク付けするだけで、
同会議独自の政策提案は望むべくもなかった。

◆概算要求に先回り

「受け身」のスタンスを逆転し、科学技術予算編成の主導権を
同会議に移す取り組みがAP。
具体的には、各省庁が概算要求を仕込み始める春~初夏、
先回りして「取り組むべき政策」を示す。
「予算を増額したい政策」を名指しし、予算確保を求めたり、
省庁間で重複する政策の排除も行う。

作成には各省庁も参加し、概算要求はAPに沿って作る。
11年度予算のAPは、環境、健康関連の課題解決型研究と
競争的資金制度改革の3点に絞って作成中。

AP新設の背景を、科学技術担当の津村啓介内閣府政務官は、
「(科学者、産業界代表からなる)有識者議員から、
『専門家として科学技術予算に責任を持つ立場なのに、
編成に関与できていない』との不満、問題提起があった」

有識者議員の相澤益男・元東京工大学長は、
「政権交代以降、政務官と有識者議員の情報交換が急増し、
議論を政策として実現する道筋ができた。APはその成果」

◆財務省も協力要請

予算編成への関与の強化につれ、心配されたのは財務省の反応。
1月、同会議は財務省の大串博志政務官と担当主計官を呼び、
初の意見交換を行った。

「各省から要求が出た後にゼロにするのは難しい。
要求の段階から、総合科学技術会議を含む皆で議論したい」、
「重点テーマに、各省が同じような予算要求をする。
順位付けなどに知恵を貸してほしい」
財務省から出たのは、意外にも同会議の協力を求める声。
議員からは、「画期的な情報交換」との声。

APが示した省庁横断、重複排除、トップダウン型の予算編成は、
民主党政権が昨秋打ち出した「予算編成改革」の柱。
元々、省庁横断型で、「各省より一段高い立場」にある同会議は、
改革のモデルケースとして絶好の舞台。
この取り組みの成否は、政権全体の改革の行方を占う。

http://mainichi.jp/select/science/news/20100302ddm016040133000c.html

親と向き合う(2)「苦情は宝」発想変え対応

(読売 2月20日)

保護者対応の悩みを抱えこまないよう、学校全体で工夫。

東海地方の公立高校の男性教諭(37)は、
保護者とのトラブルを抱えたことが何度かある。
特にひどかったのが、希望大学への推薦入学に成績が足りない
3年生の母親から、調査書の書き換えを求められたケース。

即座に断ったが、しばらくすると、昼夜、土日を問わず
携帯に電話が入るようになった。
「調査書を改ざんすることぐらい簡単でしょ」と強い口調で迫られた。
電話は数日間で収まったが、この間、誰にも相談できなかった。

「1年間、問題なく終えるのが当たり前とされる世界。
保護者トラブルが起きれば教員のミスとされ、
話すのは恥という気持ちがある。
当然、対応がこじれても、周りに相談しづらい」と明かす。

東京都教職員互助会運営の三楽病院では、
保護者とのトラブルを抱えて受診する教師が増えている。
精神神経科の真金薫子部長によると、いい教育を目指すあまり、
親の要求に応えようと頑張り過ぎ、ギリギリまで
心の病に気づかないケースが多い。
特に、異動1年目や新任の教師が陥りやすい。

「同僚との会話が少なくなったり、書類の締め切りが
間に合わなくなったりと、ささいな変化を見逃さないこと」と真金部長。
「何でも遠慮せずに話せる雰囲気を、普段から職場に
作っておくことが大切」

「早退は、子供ひとりで帰さない」、
「跳び箱は、マットを敷き指導する」、
「学校の保護者以外にも挨拶を」……。

東京都東村山市立大岱小学校の職員室の壁には、
30の個条書きで埋まった模造紙が張られている。
保護者から来るどんな苦情でも書き出し、
学校全体で受け止める仕組み。

提案した西留安雄校長(60)は、
「保護者から指摘されて当然のことを、一学級の問題として
とらえてはいけない。
視覚化して全員が共有することで、苦情が宝になることもある」

数年前まで、親のクレームが少なくなかった。
発想を転換した。
「うちの子は漢字を覚えない。しっかりと指導してほしい」と
要望が来れば、独自の漢字検定を作り、学校全体で競わせた。
児童のノートの書き方指導に注文があれば、
きれいなノートを表彰する大会を企画。

若手の指導・育成にも力を入れる。
職員会議の時間をなるべく削って、指導役のベテラン教師が
若手教師に寄り添い、気づいたことを話し合える環境をつくった。

西留校長は、「忙しいことを理由に、変えようとしない学校もあるが、
子どもの願いに応えるという教師の初心に戻れば、
学校はいくらでも変えられる」と強調する。

◆心の病

教師の場合、強いストレスから気分が落ち込んだり、
やる気が出なくなったりする適応障害になることが多い。
2008年度、病気休職した公立小中高校などの教職員
8578人のうち、精神性疾患が原因で休んだのは
63%の5400人、その割合は年々高まっている。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100220-OYT8T00279.htm

2010年3月11日木曜日

セイコークロックの福室幸一取締役「『時刻を知る』以外の付加価値を」

(日経 3月1日)

セイコーホールディングス子会社で、掛け時計や置き時計を
手掛けるセイコークロックが、新たな製品開発の方針。
単に「時刻を知る」だけではない魅力を加え、
買い替えや買い増し需要を喚起。
携帯電話の普及で、加速する市場の縮小を食い止めようとしている。
商品企画を担当する福室幸一取締役に、具体策を聞いた。

——掛け・置き時計の市場動向は?

国内は縮小している。
ほとんどの家庭には、すでに掛け時計も置き時計もあり、
壊れなければ買い替えない。
若い人は、携帯電話のアラーム機能を目覚まし時計の代わりに使う。
時刻を知ることに困っている人はもういない。
だからこそ、プラスの魅力を打ち出さなければいけない」

——プラスの魅力とは?

「1984年、発売した『ピラミッドトーク』が象徴的な商品。
一見、時計にはみえないが、先端を押すと音声で教えてくれる。
便利さよりも、楽しさで受けたのだと思う。
標準電波を受信して、時刻を合わせる機能などを加え、
昨年末に25年ぶりに復活」

防災用の置き時計。
中途半端にラジオを聞けるだけにするのではなく、
手動の発電機、懐中電灯、携帯電話のコネクターなど
『フル装備』に仕上げた。
昨年末、海をイメージした動画を壁や天井に映し出す
ドーム形の時計を、タカラトミーと共同で開発。
買ってもらうため、従来のクロックの枠にとらわれない
ものづくりが重要」

——時計に娯楽の要素を加えるなら、販路も変える必要がある。

「それも課題のひとつ。
セイコーは、時計店や百貨店の販路が強いが、
これらの製品が売れる場所は別にある。
広告宣伝の手法も、考えなくてはいけない。
ウェブを使えば、費用をかけなくても効率的に伝えられるのでは。
どう顧客と接点をつくっていくかを検討」

——今期も、クロック事業は営業赤字の見通し。
製品の魅力向上に合わせて、どう収益を改善していくのか?

「リーマン・ショック以降、100万円を超す高級機種の売れ行きが
激減し、利益を得にくくなった。
効率化を進めるため、機種数を絞り込んでいる。
国内外で別々だった低価格帯のブランドも、
これから5年ほどかけて1つにまとめていく」

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/interview/int100226.html

親と向き合う(1)新人教師自殺 心のケアは…

(読売 2月18日)

なぜ、新人教師が希望を絶たなければいけなかったのか?

2006年5月27日、新宿区内の小学校の新任女性教諭が、
自宅で自殺を図った。
未遂に終わったが、声が出なくなり、うつろな目で
タオルを握りしめたまま涙を落とすばかりに。
31日、女性は再び死を選び、翌日に亡くなった。23歳。
教壇に立てたのは、わずか2か月。

その年の夏、娘のかばんを整理していた母親は、
中にあったノートをめくり、最後のページで手が止まった。
「無責任な私をお許し下さい。全て私の無能さが原因です。
家族のみんな ごめんなさい。」

女性教諭の初任校は、1学年にクラスが一つしかなかった。
新人ながら、小学2年の学級担任に就いた。
ベテランの教員が指導教諭に付いたが、この先生も
1年の学級を受け持ち、慌ただしかった。

不安もあったが、教師になれた喜びの方が勝り、
22人の教え子の名前を覚えようと、やる気に満ちていた。
一日は忙しかった。
授業に学級運営、遠足などの学校行事の準備。

初任者研修報告、公開授業指導案、年間授業計画作りなどの
仕事も山積。
朝6時半に家を出て、帰宅時も仕事を持ち帰る毎日。
ソファの上で迎える朝も少なくなかった。

「年頃なのに、出勤前に鏡を見なくなった」
4月下旬頃から、姉は妹の変化を感じていた。

学校が異変に気づくのは、5月22日。
研修で不在だった女性の連絡帳を、たまたま指導教諭が広げた。
4月のページから、ある親による苦情でいっぱい。

5月25日、保護者4人が校長室に駆け込む。
指導へのクレームだった。
親たちは教室に行き、授業をのぞいた。
亡くなる1週間前だった。

大学4年のとき、都内の小学校で、学習障害児に付き添う
ボランティアに励んだ。
芯が強くて明るく、人前で弱音を吐くような性格ではなかった。

亡くなる前、親たちが授業を見に来た後、
友人に「自分がふがいない」と打ち明けている。
「保護者対応が、気持ちの面で一番つらかったと思う」と、
当時の娘の心中を父親は推し量った。

個人情報保護を理由に、連絡帳は遺族に開示されていないが、
区教委が両親に口頭で内容を説明し、
「初任者である教諭が見たら、ショックを受けるだろう」。

「なんで子どもに漢字で名前を書かせないのか」、
「期待したような宿題が出ていない」など、
「結婚や子育てもしていないので、経験が乏しいのではないか」
といった教諭個人を中傷するような文言も。

女性教諭の死から4か月余りが過ぎた06年10月、
両親は公務災害を申請。
自殺直前、精神科医は「適応障害の疑い、抑うつ状態」と診断。

2年後、精神疾患との因果関係が認められないと、「公務外」と認定。
再審請求をしたが、結果は出ていない。

区教委は07年4月、再発防止策をまとめた。
「子どもへの指導や保護者への対応について、深い悩みに陥っていた」、
「状況の把握が結果として十分でなく」と結論づけ、
新規採用教員への心のケアや、全教員による保護者対応の
サポート体制が必要であるとした。

学校に理不尽な要求を繰り返す親、「モンスター・ペアレント」が
社会の関心を集め始めるさなかでの女性教諭の死は、
当時、保護者に問題があるとされた。

それから3年余り。
女性の両親は、原因は、むしろ学校のあり方にあると考えている。
両親は、女性教諭の同僚から聞いた話として、
かつて職員室にあったテーブルのことを話してくれた。
教員たちは、暇を見つけてはテーブルを囲み、悩みを語らっていた。
テーブルが撤去されたのをきっかけに、和やかな空気は薄れていった。

「保護者からのクレームだけで、人は死なない。
教師が支え合える仕組みがないと、子どもたちにとっても悲劇となる
父親の言葉は、対応に迷う現場への問いかけでも。

◆教職志望者「保護者との関係不安」

文部科学省が2006年度にまとめた調査によると、
「保護者や地域住民への対応が増えた」と感じている教師は、
小学校で74・9%、中学校で70・6%、高校で62・4%。
08年度、愛知教育大教職大学院などが教職志望の学生を対象に、
教師になる場合の不安について聞いたところ、
「非常に不安」、「不安」と答えた割合は、
「保護者との関係」が計70・3%で最も多かった。

いずれも背景には、「モンスター・ペアレント」の問題。
学校と保護者の関係づくりを研究する
小野田正利・大阪大教授(教育制度学)は、
「モンスター・ペアレントというレッテルを張って、人間性そのものを
否定すれば、要求の裏にある親の思いも抹殺してしまう」と警告。

保護者からの苦情が、学校問題を改善するきっかけになることも。
「向き合うべきか、距離を保つべきかを見定めるため、
まずは保護者の話に耳を傾け、怒りの根源を
学校全体で探る姿勢が必要だ」と小野田教授。

◆モンスター・ペアレント

米国の一部で、家庭内虐待を受ける子どもから見た
「怪物のような形相をした親」を指した単語。
日本で広まった言葉とは、意味が異なる。
米国では、特に大学生の我が子の生活に干渉する親を
「ヘリコプター・ペアレント」。
常に頭上を旋回し、何かあれば急降下して支援する様。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100218-OYT8T00311.htm

小野清子が見たオリンピック

(sfen)

冬の競技の厳しさを痛感

冬季オリンピックの全15競技のうち、10競技が屋外で行われる。
冬季オリンピックのほとんどの競技が、当日の天候や雪質に
大きく影響されるということ。
どんなに状況が悪くても、選手は皆同じ土俵の上。
いかなるときでも、自分自身をベストな状態に整えることも
実力のうちといわれる。

2月13日(土)は、モーグルの試合を観戦。
試合会場であるサイプレス・マウンテンには十分に雪がなかったため、
より遠くの山から雪を運んでコース整備が行われた。

モーグルの試合観戦では、会場に向かう観客たちのパワーに
驚きと感動があった。
サイプレス・マウンテン行きのバスは、1時間半も
待たなければならなかった。
待合室がなく、雨が降って寒いなかじっと立っていたが、
バスを待つ人々は皆、笑顔。
日本じゃありえない!と思った。
誰も文句を言わず、バスを待っている。
文化の違いをひしひしと感じさせられた。

試合が始まってからの歓声にも驚いた。
皆、自国以外の選手に対しても、素晴らしい滑走には
心からの拍手と、大きな歓声を送る。
そうするほか、選手たちに「よかったよ!」といった称賛を表現する
手段がない。
日本人選手に対しても、大きな拍手を送ってくださったとき、
感謝の気持ちが自然と込み上げてきた。

人種や国籍の垣根を越え、スポーツ観戦を通じて
会場全体がひとつになること。
それこそが、オリンピックをはじめとする国際大会の醍醐味。
オリンピック憲章では、オリンピック開催の目的のひとつが
平和な社会の構築であることを提言。
古代ギリシャの伝統に基づき、オリンピック期間中は
戦争・紛争を停止するよう国連が呼びかけ。
『五輪停戦』、まさにスポーツを通じた平和運動そのもの。

平和運動とともに、現在は環境問題に対する呼びかけや配慮も、
オリンピックの重要な要素。
バンクーバー冬季オリンピックでは、スピードスケートの会場の建設に
倒木やその廃材を利用するなど、あらゆる面で環境に配慮した
運営を行っていた。
オリンピックは、選手やコーチ・役員、選手の家族のためだけでなく、
地球全体、皆のためのイベントである。

11~18日の観戦で最も印象に残った競技は、
フィギュアスケート男子。
銅メダルを取った高橋大輔選手の演技に、大変感動。
自分が努力してきたことを信じて4回転ジャンプを跳ぶんだ、
というその果敢な姿勢に胸打たれた。
苦しい時期を乗り越えてメダルを手にした彼を見ていると、
青春真っただなか!というようなすがすがしさを感じた。

私のすぐ後ろで、欧米人の女性グループが観戦、
高橋選手の演技のあとは、立ち上がって
「ブラボー!ブラボー!」と歓声を送っていた。
彼女らの応援に感謝の気持ちを伝えるとともに、
私も一緒になって喜んだ。

今回のオリンピック観戦では、観客席にいなければ経験できない
貴重な体験ができた。
オリンピックファミリーとして、色んな国の役員の方たちと
観戦した経験もあるが、それとはまた異なる素晴らしい体験に。

http://www.ssf.or.jp/sfen/olympics/index.html

2010年3月10日水曜日

楽しい図書館(10)活用は様々 工夫次第

(読売 2月17日)

読者から連載への様々な感想。

「学校司書がいなくても、教員や保護者が工夫すれば、
子どもたちが図書に親しむ環境をつくることができるのでは」、
神奈川県内の公立小学校に、長女(5年)と長男(2年)を
通わせる伊藤真衣さん(34)。

長女が低学年のころ、保護者有志で授業開始前に
読み聞かせをしていた。
「『好きな本を読みなさい』では、戸惑ってしまう子どもも。
親が本の魅力を伝えたり、授業で図書館を活用するなど、
大人がきっかけを与えることが重要」

都立高校の学校司書、佐藤久栄さん(54)は、
東京都中野区立啓明小学校の図書館の取り組みに触発。
佐藤さんの高校では、授業で図書館を利用する機会が少ないが、
「先生たちに学校図書館を使ってもらえるよう、働きかけたい」

学校司書と司書教諭、教員らが連携し、読書活動や授業での
図書館活用を進めていくことを求める声が相次いだ。

読書、学びの場として、学校図書館の有効活用への期待は大きい。
「昼休みや放課後、児童・生徒がなだれ込むように図書館に来て、
活気にあふれていた」、
「学校図書館活用には、行政の支援や学校司書、教員たちの
熱心な取り組みが欠かせないと実感」

東京学芸大学で開かれた、6年一貫で教員を育成する
「新教員養成コース」の先進校視察報告会。
島根県東出雲町立揖屋小学校と同東出雲中学校を訪れた学生たちが、
学校司書らへのインタビューや、図書館を活用した授業見学を
通して学んだことなどを発表。

「両校では、子どもたちが日常的に図書に親しむことで、
自ら興味のあるテーマや問題を見つけ出しているように感じた」、
中等教育教員養成課程3年の関根和宜さん(21)。
中学校社会科の教師を目指し、「調べ学習などで図書館をうまく活用し、
生徒の考える力を伸ばせる先生になりたい」と意欲。

同大教職大学院の成田喜一郎教授(58)は、
「現職教員でも、学校図書館を上手に使いこなせる人は少ない。
教員を志す学生たちに、図書館活用教育の有効性や方法を
学ばせることは重要」

同大では1992年、教員養成課程の選択科目として、
学校図書館に関する科目を設け、図書館活用教育に力を入れている。

付属小・中学校などの学校司書らで組織する
「東京学芸大学・学校図書館運営専門委員会」は、
「授業に役立つ学校図書館活用データベース」
http://www.u-gakugei.ac.jp/~schoolib/htdocs/)を開設。

学校司書が教員から相談を受けた事例を挙げ、
紹介した書籍のリストや授業実践例などを紹介。
同大付属小金井小学校学校司書の中山美由紀さん(51)は、
「学外の学校司書や教員、先生を目指す学生にも参考にしてほしい」

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100217-OYT8T00328.htm

インデックスの渡辺社長「中国で富裕層向けネット通販、3年後に販売額5000億円」

(日経 2月26日)

インデックス・ホールディングス子会社で、
携帯電話向けサイト構築大手のインデックスが、
中国で電子商取引(EC)事業に乗り出す。

中国最大の小売りグループ、全国華聯商厦集団
(フォアレングループ、天津市)と包括提携し、共同で
電子ショッピングモールを始める計画。
今後の見通しを、渡辺和俊社長に聞いた。

——ネット通販の具体的な内容は?

「中国の富裕層向けの会員制ショッピングモールを開設。
インターネットのカタログから欲しい物を選び、
パソコンや携帯電話から注文できる仕組み。
富裕層には高齢者も多いため、専用の携帯電話を渡し、
必要な物があれば電話をしてもらうという、
コンシェルジュ型のサービスに」

「2月末、事業の準備会社として当社とフォアレングループ、
不動産開発大手の泛華建設集団(北京市)の3社で、
合弁会社を設立。
合弁会社から当社がシステム開発を受注し、サイト構築などに入る」

——どのような商品を扱うのか?

「輸入物のブランド品やオリンピック観戦ツアーのような
特殊な旅行商品、不動産や食品などを対象とした投資商品。
輸入販売会社や旅行会社など、様々な企業に出店してもらう形、
参加企業は当社が集める。
販売額は、3年後に5000億円」

「ポイントを活用し、フォアレンの実店舗との連動も進める。
通販で獲得したポイントを実店舗で使えるようにし、
現金や他社ポイントと交換したりできるようにする。
中国でも、ポイントはあるが、異なる会社間やサービス間での
ポイント交換はまだほとんどないのが実態。
当社の子会社は、日本でポイント交換事業を手がけ、
ノウハウを生かす」

——フォアレングループとは?

「中国全土の46都市に、56の大型百貨店を展開、
スーパーやホテル事業なども展開。
売上高は、約400億元(約5400億円)。
ネット通販は過去に手がけたようだが、今はしていない」

——他のネット通販との違いをどう出すのか?

富裕層向けの会員制サービスとして始めるのが異なる点。
会員は、フォアレンがすでに抱える顧客に対し、募集をする計画。
フォアレンに一任、どのように会員を募るのか詳細は知らないが、
まず10万人の会員獲得を目指す。
ネット通販としてのブランドを確立し、3年後をメドに
一般向けの通販も始めたい」

——インデックスは、2000年代半ばから現地で待ち受け画面など
デジタルコンテンツの配信を手がけてきた。
なぜ今になって通販をやるのか?

「中国では、現地企業の買収などでコンテンツ配信に参入。
デジタル分野は、無断複製など不正使用の問題もあり難しい。
成長が見込めるのは、デジタルコンテンツより、物販だと判断」

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/interview/int100225.html

特集 いきいき老後へ 「生活の質」維持 米国に学ぶ高齢者のQOL

(2010年2月27日 毎日新聞社)

漠然と老後に対し、不安を抱いている人が多い。
十分に準備をする暇もないうちに、高齢社会に突入。
1947年、日本人の平均寿命は、男性50・06歳、女性53・96歳。
人生90年の時代を、誰が予想していたか。

自分を知り、地域を知り、介護保険、成年後見制度、
日常生活自立支援事業の公的支援制度を使いこなせれば、
老後の心配はないとの意見もあるが、
42万人もの病弱な高齢者が、特別養護老人ホームの入居を希望し、
待機しているという事実。
どうすれば、私たちは幸せな老後を迎えることができるか?

米国には、高齢者が芸術に親しみ、自らも表現者になることによって、
生き生きとした老後を過ごそうという運動がある。
ESTA(Elders Share the Arts)といわれ、約30年の歴史。
ニューヨークで開かれた絵画展を訪れた。
平均年齢が75歳を超えていると思われる画家たちの目が輝いていた。
展覧会とあわせて開かれた報告会では、
「今が人生のゴールデンタイムですか」との質問に、
100人近い参加者の約80%が「イエス」と答えた。
元気で前向きに生きる高齢者が多いことを、あらためて知らされた。

生活が不自由になるまでは、独立して生活をし、援助が必要になると、
子どもや兄弟、あるいは友人と同居するというのが、
一般的な米国人の老後の過ごし方。
全米では、現在、看護が必要な約180万人がナーシングホームと
呼ばれる、必要な治療を受けることができる老人施設に入居。
65歳以上の5-8%、約200万人が、在宅で、
介護を受けながら暮らしている。

健やかに老いることを願っても、加齢に伴う病気からは
逃げることはできない。
ニューヨーク市老人局の発表によると、米国では、65歳を超えると
10人に1人、85歳を超えると2人に1人が認知症に。
現在の患者数は450万人、70%が在宅で治療・看護を受けている。
老人局では、認知症になっても、QOLの高い生活を維持するための
老い支度の必要性を訴えている。

長生きをすれば、誰もが認知症にかかり、将来意思表示が
できなくなる可能性がある。
備えとして、医療行為に対する代理人の選定、尊厳死の宣言と
訳されるリビング・ウイルの用意、
DNR(Do not resuscitate 治癒が期待できない時の蘇生治療拒否)
に関しての意思表示をしておくことが必要。

葬儀や埋葬法の希望を述べておくことも重要。
遺言を書き、法的トラブルや経済問題で禍根を残さない。
すべての米国人が、このような準備ができているわけではないが、
ナーシングホームに入居する際、代理人を決め、リビング・ウイル、
DNRに関する意思表示が必要。

日本人は、不確定なことに対し、あらかじめ想定をして
決めておくことが得意ではない。
自分の死や死後について準備をしておくことは、
縁起でもないと思う人もまだ多い。
決定を先延ばしにしたまま、何も決めずに臨終を迎え、
それが残された家族の争いの原因になることも珍しくはない。

介護保険、成年後見制度、日常生活自立支援事業がスタート。
自分のことを知り、地域を知り、これらの公的制度を
上手に利用すれば、老後の心配は解消されるという意見書を、
NPO法人いきいきフォーラム2010が発表、
自分のことを知ることに対し、あまりにもおざなりになっている。

人生50年の時代には認知症、介護を心配する必要がなかった。
日本は世界一の長寿国となり、人生90年の時代。
誰もが認知症など老年症候群にかかり、介護を受け、
医療の世話になり、死を迎える。
米国で推奨されているよう、一人一人が自分の終末期医療の
あり方と死後について、準備をしておかなければならない。
それは生活のマナーであり、究極のQOL対策ともいえる。

◇良質なサービスや商品提供、厳格基準クリアした企業に

高齢者が安心して健康に暮らすことができるよう、
良質なサービスや商品を提供している事業所(営業所)に対し、
シルバーマークが交付される。
社団法人シルバーサービス振興会が、89年よりスタートさせた制度、
利用者が事業所を選択する目安。
安全性、倫理性、快適性の観点から審査され、介護保険の
指定基準を上回る認定基準をクリアしなければ、交付されない。

審査は、シルバーサービス振興会が、まず実地調査を行う。
その結果に基づき、消費者団体の代表、福祉・医療の専門家、
学識経験者などからなるシルバーマーク基準認定委員会が
最終審査を行い、認定。
認定時期は、年3回(2月、6月、10月)、有効期間は2年間。

対象となっている在宅サービスは、訪問介護、訪問入浴介護、
福祉用具貸与、福祉用具販売、在宅配食サービスの5種類、
シルバーサービスの広がりとともに、
マークの種類を順次増やしていく。

◆商品開発の視点----花王

加齢に伴う身体の変化を、さまざまな形で気づかされる。
視力、聴力が衰える。
トイレの回数が増えたり、失敗する場合もある。
高齢者特有の不具合は、老年症候群と呼ばれ、
高齢者のQOLを落とす原因。

軽い尿漏れは、65歳以上の高齢女性の約30%が、
1カ月に1回は経験。
いつ起こすかわからない。
においも気になる。
トイレの不安があると、友人との楽しい買い物や食事を控えたり、
地域とのつながりも消極的に。
体を動かす機会が減り、運動不足で足腰が弱くなる。
その結果、運動機能、生活機能の低下が一気に進む。

それを防ぎ、前向きな気持ちを持ち続けるためには、
オムツを上手に活用すること。
花王サニタリー研究所では、高齢者研究に基づく排せつケア商品を
通して、高齢者の生活支援となるさまざまな研究開発。

「リリーフ超うす型お出かけパンツ」は、下着のようにはけて、
はき心地は木綿のよう。
ズボンも膨らまないから、他人の目が気にならない。
今までどおりの外出が楽しめる。
おしっこ2回分をしっかり吸収。
銀含有の抗菌消臭成分が、雑菌の繁殖を抑え、においも防ぐ。

パンツ型オムツをはく時、身体能力の低下が見られない
高齢者であっても、重心の動揺が大きい。
転倒を防止するため、伸縮性のある繊維ではきやすさを追求、
片手で引き上げるだけで装着できる。
脳卒中の後遺症から片マヒになってしまった高齢者も、
自分ではくことができる。

排せつ機能の低下がさらに進んだ人には、
パンツ型オムツにミシン目が付けられ、必要に応じて、
寝たままでも交換できるテープ式になるタイプも開発。
花王の介護サポートセンターに寄せられた
紙オムツに対する悩みや意見に応えるようにして生まれた。
商品の発売後、「安心して旅行に行けた」など多くの喜びの声。

高齢者の排せつ機能の改善に対し、サニタリー研究所では、
前東京都老人総合研究所副所長の鈴木隆雄氏
(現国立長寿医療センター研究所所長)らと新たな共同研究。
約40度の心地よい蒸気温熱で、おなかの周りを
温めることによって、尿漏れ、頻尿を改善しようというもので、
その有効性は、既に明らか。
月に1回以上尿失禁に悩まされている女性を、
骨盤底筋を鍛える運動を行い、腰部を昼間1日5時間温めた
グループと、何もしないグループに分け、3カ月後に比較、
前者で、尿失禁、排尿回数の改善が認められ、同時にQOLも向上。

高齢者それぞれの状態に合わせた商品選択と
上手な活用が今後ますます重要。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/3/1/116714/

2010年3月9日火曜日

楽しい図書館(9)絵本の世界 園児浸る

(読売 2月16日)

図書館がある幼稚園で、園児は本を楽しむ。

「おじゃまします」
食事を終えた園児たちが、元気な声を上げて図書館に。
約33平方メートルのこぢんまりとした本の部屋は、
約25人の園児ですぐにいっぱいに。

椙山女学園大学付属幼稚園(名古屋)の「すぎのこ絵本図書館」。
窓のステンドグラスに、桃太郎や赤ずきんの絵が描かれた
明るい雰囲気。
ボランティアの女性が読み聞かせを始めると、
園児は食い入るように聞き入る。
好きな本を取って、床に座って読み始める園児の姿も。
子どもたちは読み終わると、「ありがとうございました」と言って
部屋に戻っていった。

絵本による教育を大切にしている同園では、
毎日、教室ごとに読み聞かせが行われ、各教室には100冊程度の本。
絵本図書館は、2002年、園児たちが落ち着いて
本の世界に浸れるようにと、同園の創立60周年を記念して開設。

約3000冊の絵本や紙芝居などがあり、園児たちは食後や帰宅前に
立ち寄って読んだり、本を借りて家で楽しんだりする。
昼には、ボランティアの母親たちが読み聞かせを行う。
長男が同園に通う名古屋市の主婦、葉吹まりさん(44)は、
「月に1、2回、空いている時間にボランティアを。
子どももここで読んだことがきっかけで、本が好きになった」

地域にも開放しているのが、この絵本図書館の特徴。
「転勤者が多い地域で、1人で子育てに悩む人もいるので、
子育て支援に役立てばと思った」と、椙山美恵子園長。
通常、土曜日の午前中、夏休みは土日以外の毎日、開放し、
幼稚園の教諭が読み聞かせも行うほか、貸し出しも。

言葉の力を育てていくのに、絵本は大切。
読み聞かせで、子どもは本の世界への想像が膨らむと同時に、
読んでくれる親の体温や鼓動も伝わり、親子のきずなが深まる。
絵本ほど大事なものはない」と椙山園長。

図書館を持たない幼稚園や保育所のため、
貸し出しを行うこども図書館も活用。

市立「前橋こども図書館」では、絵本100冊をセットにして
希望する所に3か月間の貸し出しを行っている。

市内には、幼稚園や保育所が約100か所あるが、
法律で図書館の設置が義務づけられている小中高と違い、
図書館を備える所は少ない。
同こども図書館には9万冊の蔵書があり、その多くが絵本で、
読書推進に有効活用。
昔から読み継がれてきた定番の絵本や、
最新の絵本なども合わせて貸し出している。

これまで、28か所に貸し出しを行っている。
同館の渡辺幸江館長は、「子どもたちは、幼稚園や保育所で
多くの時間を過ごす。その時間も、本に親しんでもらえたら」

豊かな読書環境が、子どもの成長につながっていく。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100216-OYT8T00284.htm

「脳トレ」川島教授ら、学ぶ意欲の数値化に挑戦

(読売 2月20日)

「脳トレ」で知られる東北大の川島隆太教授(脳科学)らの
研究チームは、子供たちがやる気を感じながら、
勉強に打ち込める効果的な指導方法を探ろうと、
仙台市教委と協力し、実証研究に乗り出す。

学習中の子供たちの脳の働きを分析し、
意欲の高さを数値化することで、経験頼みだった指導の
ノウハウを共有できるようにするのが狙い。

研究には、川島教授ら研究者3人と、市内の校長、
教員ら計約10人が参加。
小中学校で、心理学に基づくアンケートを実施したり、
授業中の脳の働きを脳波計で測定したりすることを検討。
ほめられた時の脳の働きなども分析。

同大と市教委が協定を締結。
調査方法や規模などの詳細を詰め、4月から本格的に取りかかる。

川島教授は、「2、3年かけて、学習意欲を高める方法を実証したい。
学ぶ意欲を数値化できれば、教育実習の学生でも、
ベテランの先生のように、子供たちのやる気を引き出す
指導ができるようになる」

http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20100219-OYT1T01213.htm

魅力アップへ化粧直し 東京・いわて銀河プラザ

(岩手日報 3月2日)

銀座にある本県のアンテナショップ「いわて銀河プラザ」が、
大掛かりな店舗改修を行い、26日にリニューアルオープン。
1998年のオープン以来、右肩上がりで売り上げを伸ばしている
同店だが、集客の柱になっていた歌舞伎座が、
5月から3年間の長期休館。
客数の落ち込みが懸念されるこの時期に、リニューアルで勝負。

リニューアルは、老朽化した壁面や天井を、木のぬくもりを生かした
明るい店内に改修。
生鮮食品から工芸品まで、幅広い商品が人気の同店だが、
商品数をさらに増やすため、陳列棚や冷凍・冷蔵設備を更新、
商品を保管するストックヤードも拡張する計画。
予算は、県の9月補正予算に盛り込んだ約8千万円。
国の緊急経済対策による交付金を活用。

改修工事のため、12日から2週間の休業を余儀なくされるが、
5日から閉店前の在庫一掃の売り尽くしセールを開催。
26日から、オープン記念セールを行い、
歴史的建造物でもある歌舞伎座との別れを惜しむ見物客らの
取り込みも図る戦略。

銀河プラザは、98年に銀座5丁目にオープン。
有名百貨店が軒を並べる「銀座中央通り」に近く、
道路を挟んで斜め向かいに歌舞伎座が位置。
都内にある地方自治体のアンテナショップの中で、随一の好立地。

多彩なイベントなども実を結び、2008年度の売り上げは、
99年に比べ1・6倍の約5億4700万円に増加。
アンテナショップの中でも沖縄、北海道に次ぐ売り上げを誇るが、
特に歌舞伎座の来場者が立ち寄るケースが多く、
公演前に弁当を求める人や公演後にお土産を買う客などが多い。

歌舞伎座は、老朽化のため、5月から建て替え工事に入る予定、
4月下旬までの「さよなら公演」が最終。
新歌舞伎座の完成は13年春、銀河プラザ側にも
何らかの対応策が求められていた。

県産業経済交流課の橋本良隆総括課長は、
「歌舞伎座が長期休館に入ることに加え、他のアンテナショップも
売り上げを伸ばし、これからが正念場に。
ピンチをチャンスに変えられるよう、
より魅力的な店舗に生まれ変わらせたい

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20100302_14

2010年3月8日月曜日

植物原料に安全な強力接着剤開発

(サイエンスポータル 2010年2月25日)

あらゆる植物に含まれる分子を高分子化することで、
既存の瞬間接着剤に比べ、2倍も接着強度が高い材料を、
金子大作・北陸先端科学技術大学院大学助教が開発。

植物のあらゆる細胞壁に含まれるポリフェノールの1種、
桂皮酸類と、酢酸誘導体などの触媒を混合、
加熱することでつくられる。

従来の接着剤とは、異なる接着機能を持つことから、
接着する材料表面に傷を入れるなどの前処理の必要もなく、
ガラスや金属を含むあらゆる材料を接着できる。

植物由来であるため、健康にも悪影響の心配もない。
自動車車体など、さまざまな材料から成る複雑な構造製品に
使用すれば軽量化が期待できる。

http://www.scienceportal.jp/news/daily/1002/1002251.html

ロジカルシンキング(7)最適な解決策選ぶには〜ロジックツリーで洗い出し

(日経 2月16日)

問題の内容を分析して因果関係を構造化し、
解決すべき点が見えてきたら、いよいよ解決策を考える。

特定の解決策を決め打ちするのは、得策ではない。
幅広く複数のアイデアを出し、最も適切な選択肢を採用する、
というステップを踏むこと。

幅広くアイデアを出すといっても、先入観に縛られ、
なかなか思ったように浮かんでこない。
そんな時、「ロジックツリー」が有効。

ロジックツリーを使って考えると、それまで出てこなかったアイデアが
思い浮かぶ可能性が高まる。
まずは、「問題を解決するのに、どのようなやり方があるか」
という観点に立つ。

「業務計画が立てられない」という問題への解決策の糸口は、
「計画する能力をつける」、「職場内で計画を立てる仕組みを作る」に大別。

それぞれについて具体策を洗い出していけば、
幅広く解決策を挙げていくことができる。
解決策を選定するには、判断基準と制約条件を考慮。

よさそうなアイデアでも、自分の求める基準に合致しないものを
解決策として選ぶべきではない。
やる気を重視するなら、能力向上の手段の中でも、
やる気の出やすい方が魅力的。

制約条件にも注意。
予算の上限が決まっていれば、いくら魅力的でも、
予算オーバーのアイデアは捨てざるを得ない。
買い物のとき、いかに魅力的な商品でも、
高額すぎるものは買えないのと同じ。
判断基準や制約条件を考慮し、最適な解決策を選定。

解決策を選定するとき、「最もよい解決策」を1つだけ選ぶ手法は
望ましくない。
「全体として、効果的になるような解決策のパッケージを作る」
というスタンスを忘れてはいけない。

解決策が問題の一部の解消にしかつながらなかったり、
副作用の恐れがあったりしても、あきらめる必要はない。
他のアイデアと組み合わせて取り入れていけばよい。

必要になるのは、全体最適の視点。
全員が四番打者の野球チームが決して強いわけではないのと同じ、
インパクトの強い解決策を並べるのがよいわけではない。
解決策全体のバランスや相互補完性を考慮する姿勢が求められる。

問題解決において、心がけておきたいポイント。
考えられる問題や原因、解決策を幅広く洗い出し、
その中から最も重要なものや効果的なものを選ぶこと。

いくら段階を踏んだ問題解決をしても、
問題はこれだと決め打ちをしたり、思いついた解決策が
ベストだと決め込んだりすると、解決策を考えた意味がない。
まずは、問題点や解決策を幅広く洗い出すこと。

勢は柔軟な発想で問題をとらえ、よいアイデアを生み出すことに。
新たな情報や考え方があった場合、柔軟に他の選択肢に
目を向けることができる。

状況に柔軟に対応しながら、場当たり的でない問題解決を
進めていくため、ロジカルシンキングは欠かせない。

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/bizskill/biz100216.html

黒岩の未来へ農業整備 北上・推進委が記念誌発刊

(岩手日報 3月3日)

北上市の黒岩地区農業基盤整備事業推進委員会(昆精司会長)は、
同事業完工を機に、記念誌「万緑豊壌の郷」を発刊。
事業完工を祝うとともに、黒岩地区の歴史や結束を
再確認する一冊。

黒岩地区は、北上市東部の北上川東岸に位置する農村地帯。
同事業は、国庫補助の県事業として、1998~2009年度に実施。
同推進委は、95年度に設立、農家の同意取りまとめなどに奔走、
事業を実現した。

基盤整備は、黒岩地区の6地区で進められ、
77・1ヘクタールの圃場や用排水路を整備。
受益戸数220戸、受益面積126・3ヘクタール、
事業費26億8700万円の一大事業。

記念誌はA4判、65ページ。
300部を印刷、受益農家や関係機関に配布。
多田勝郎黒岩地区交流センター長が中心となって、資料を収集。
農業基盤整備事業のあらましにとどまらず、関係者による
座談会や地区の歴史をたどる内容も盛り込んだ。

昆会長は、「地域の産業・農業の将来をつなぐため、
『百年の大計』という気持ちで事業に取り組み、どうにか実現できた」と、
推進委発足から足かけ15年の歩みを振り返る。

記念誌編集委員会の及川純一委員長は、
「記念誌は、末代まで誇れる内容。
今後の地域づくりに活用していきたい」

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20100302_10

2010年3月7日日曜日

楽しい図書館(8)お茶飲み 気軽に会合

(読売 2月13日)

大学図書館が、重厚で堅いイメージから脱却し、学生の利用を促す。

「昔は、本のカード目録や歴代学長の写真が並び、
まじめな雰囲気。
コーヒーの香りが漂う明るい空間になって、うらやましい」

お茶の水女子大学付属図書館1階の「キャリアカフェ」で開かれた、
国立国会図書館の職員採用説明会。
卒業生で、国会図書館職員の中村若生さん(36)は、
職場環境を後輩約50人に説明、母校図書館の変貌に感想を漏らした。

同大図書館は、開架式の書架があり、利用者が出入りする2階に対し、
1階は会議室など、大半は学生立ち入り禁止の閉ざされた空間。
2007年、この1階部分が改装、パソコン70台などを自由に使える
「ラーニング・コモンズ」に変身。

同年末、隣接したスペースに丸っこい形のテーブルや
座り心地の良いソファを設置、コーヒーなどを飲みながら話ができ、
就活イベントも行われるキャリアカフェをオープン。
カウンター業務や本の整理などを手伝う学生アシスタント制度
「LiSA」も始まり、学生たちが図書館の企画に主体的にかかわる。

きっかけは、羽入佐和子前館長(現同大学長)の、
「図書館のサポーターを増やしたい」という一言。
同館図書・情報チームリーダーの茂出木理子さん(47)は、
「図書館も図書の所蔵だけでなく、学生が文章力や発表力を
つけられる場所に変わる必要があった」

現在、1日の利用者数は平日で約1500人、
改善前の1・5倍に増加。
大学院生も含め、約3200人が学ぶキャンパスで高い利用率。

LiSAの第1期メンバーで、文教育学部4年の田辺理子さん(23)は、
「ただ本を借りるだけでなく、自分たちが情報発信する
場にもなるんだ、と勉強になりました」

千葉大学付属図書館は、1994年、蔵書検索もできる
ウェブサイトを正式に開設、2001年に電子ジャーナル提供を
開始するなど、先駆的な取り組みで知られる。
06年秋、教職員や大学院生の連携で、学部生の図書館利用の
拡大を目指すプロジェクト「リエゾン・ライブラリアン」を始めた。

その一つ、07年開始の「授業資料ナビ」は、1、2年生がターゲット。
研究テーマの知識が少ない学生に、具体的な情報源を提示しようと、
教養科目中心に、教員推薦書籍のコーナーを館内に設置。
ウェブサイトもわかるようにした。
09年度前期、ナビ対象本321冊の約50%が貸し出され、
本館の貸出率約12%を大きく上回った。

西千葉キャンパスにある図書館本館サービスグループリーダーの
鈴木宏子さんは、「利用者の評価も高く、今後は専門科目などに
対象を拡大。足を運ばない学生へのPRが課題」

情報獲得手段の多様化に合わせ、大学図書館も変化を迫られている。

◆ラーニング・コモンズ

1990年代、英米の大学図書館で使われ始めた言葉、
厳密な定義はない。
コモンズは、「共有の場」の意味、お茶の水女子大では、
「学生がコンピューターを使いつつ、ディスカッションや
情報発信の場としても使える学習スペース」

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100213-OYT8T00268.htm

エム・オー・マリンコンサルの鏡社長 「安全は愚直な努力の積み重ねから」

(日経 2月25日)

海運会社にとって、日々の安全運航を継続するのは
最大の経営課題。
運航システムや港湾環境がめまぐるしく変化を続けるなか、
船長や航海士の運航技術を磨き、
どうやって重大事故を未然に防ぐのか。
商船三井の人材開発子会社、
エム・オー・マリンコンサルティングの鏡敏弘社長に聞いた。

——会社の事業目的は?

「『安全』が、海運会社の基盤であることは言うまでもなく、
安全運航を続けていくためには不断の努力が必要。
当社は1988年、海上従業員の訓練を集中的に実施するため、
別会社として設立。
96年、操船シミュレーターを導入、実際の業務で必要な
港内の操船技術をチェックし、習得できる」

それでも、事故は起きてしまった。
コンテナ船の機関室火災、自動車運搬船の横転、
大型タンカーからの原油流出、鉄鉱石運搬船の座礁。
熱心に、海上従業員の訓練を実施していたつもりだったが、
残念なことに96年、4件の重大海難事故が発生。
事故を再現したプログラムなども取り入れ、
教育プログラムを充実させ、再発防止に努めている」

——具体的には?

船員の教育に加え、商船三井本体の海上安全部と
連携・補完する形で支援。
新しく船長になる人や船の種類が変わる人などに
訓練を義務付け。
シミュレーターには、日本の主要な港や海外の主要な港の
データがそろっている。
電子海図や自動船舶識別システムが、日進月歩で進化、
それに合わせて最新のデータを取り入れる」

バーチャル空間で、2隻同時に操船研修ができるのが特徴。
夜間など、実際の港湾に限りなく近い状態を再現でき、
課題や安全確保の方法が検討できる。
フィリピンやインドなどの船員学校でも、
小型のシミュレーターを導入」

——海賊問題への対処は?

「シミュレーターでは、海賊船を登場させていない。
日本の商船は、武装していないこともあって、
決定的な解決策はない。
遭遇しないよう、不審な船には近づかないことが鉄則。
万が一、護衛船がいない時に海賊船に遭遇した場合、
速やかに関係各所に連絡し、早く逃げるしかない」

——船や航行の自動化、機械化が進んでいる。

「性能が向上したシステムが次々に導入、安全面では格段に向上し、
重大事故は減っている。
航海士にとって、必要な本船の位置情報も、
即座に分かるようになった。
それでも、安全運航のためには、人間の五感に頼るなど
『肌で感じる』必要。
機械に頼りすぎるのはよくない。
万が一、機械が故障した時に機敏に対応するためには、
どうすれば良いかを日ごろから訓練することが必要」

——研修を受ける人に訴えていることは?

安全を追求するには、どんなに小さなことでも
愚直にやることが大切。
これで終わりと言うことはなく、即効薬もない。
徹底的な事故原因の追求が、重大事故を未然に防ぐことにつながる」

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/interview/int100224.html

日中大学フェア&フォーラムが明らかにしたこと

(サイエンスポータル 2010年2月26日)

日本と中国の92に上る大学が参加した
「変貌する日中の大学-グローバル大競争・連携時代を迎えて-」
と題する日中大学フェア&フォーラム。

中国側の反応もよく、2月1日の人民網日本語版は、
「中日双方の大学に、全面的な交流のプラットフォームを提供」
と高い評価。

「日本と海外の大学が結んだ提携関係のうち、
中国の大学との提携数は、米国を抜いてトップ。
中国と海外の大学が結んだ提携のうち、
日本の大学との提携数は2位。
中日両国は、一衣帯水という地理的メリット、
アジアにおける経済的実力と研究条件の良さというメリットを活かし、
中日大学間の協力をさらに推し進め、
利益とメリットの発揮を促進していく」と、協力を歓迎。

日本の科学技術政策にかかわる人々の間では、
日本の科学技術水準維持には、中国との協力は不可避、
という声が高まりつつある。

これらの声は、人口減などの影響で研究者の層も薄くなると
予想される日本と比較し、中国の研究人材の豊富さが早晩、
決定的な差になって現れる、という見通し。
中国を含め、アジア諸国から見たら日本は、
ノーベル賞学者を輩出しているうらやましい存在、という声も。

アジア諸国との研究者交流が必要という考えでは一致、
日本自身の評価について、科学技術政策担当者と
一部の研究者には違いがある。
どちらか一方が正しいということでは、恐らくない。

基調講演を行った物理学者の楊福家・英ノッティンガム大学長は、
日本の学問の伝統を評価する一方、
中国でリベラルアーツ、基礎教育を重視し、
優秀な人材を育てる大学改革が進んでいることを強調。

日中両国だけでなく、欧米の研究の歴史にも詳しい
楊氏に、科学技術振興機構・中国総合研究センターの
米山春子フェローがインタビューした記事。

以下のような記述は、日本にも当てはまると感じる人も。
「基礎教育を改革しようとするなら、
中国の大学入試制度をまず改革しなければならず、
かつ基礎教育に携わるハイレベルの教師陣を養成する必要。

最近、中国のみならず、日本の大学も基礎教育への重視度が
まちまちで、薄まっている大学も。
学生の質が下がっていることをよく耳にするが、
これは基礎教育の問題。

基礎教育は、人文科学、自然科学、社会科学のみではなく、
個人の人格に結びついた知識やこれに関連した学問や芸術、
精神修養などの教育、文化的諸活動を含める教養の問題。

中国や日本の一部の大学には、
グローバル大競争の情報社会において、学問が細分化され、
基礎教育はあまり意味がなくなっている、という考えがある。
わたくしは、そうと思わない。
基礎教育は、生徒・学生が自分に最も適した道を
歩めるようにする助けになる。

よい学生を育成するには、基礎教育から取り組まなければならない。
体制と世論の面から基礎教育者を奨励し、
尊敬を受けられるようにすべき。
基礎教育、教育を強化してこそ、中華民族の復興は可能。
われわれの時代が、巨人を生み出す時代となることを心から望んでいる」

http://www.scienceportal.jp/news/review/1002/1002261.html

2010年3月6日土曜日

楽しい図書館(7)点字や絵人形で支える

(読売 2月11日)

障害のある子に読書の喜びを伝えようと、
特別支援学校で様々な取り組みが進む。

教諭が、いくつもの声色を使い分けて動物の鳴き声をまねると、
ホワイトボードに向けられた生徒の視線が輝きを増した。
「12番目に出てくる動物は何かな?」との問いかけに、
「イノシシ」と答える女子生徒。
教諭が隠していたイノシシの絵人形を、
ボードに張りつけると、女子の表情が大きくほころんだ。

知的障害がある児童生徒が通う鳥取県立白兎養護学校
図書館では、生活単元学習を活用した高等部の
「図書の学習」が行われていた。
生徒が食い入るように見つめていたのは、
絵人形を動かして物語を展開させるパネルシアター。
この日は、十二支がテーマ。

活字や音声だけでは理解が難しい生徒にとって、
視覚に訴えるパネルシアターは有効な教材。
月に何度も同じ話を繰り返すことにより、言葉を覚え、
先の見通しも立てられるようになっていく」。
司書教諭の児島陽子さん(49)。

知的障害の児童生徒は増加傾向にあり、
図書館を普通教室に転用する学校が多い。
全特別支援学校に司書教諭を配置し、公立には学校司書も
常駐させる鳥取県は、先進県として知られている。

児島さんは、小学部の担任も兼ね、図書館教育に携わる時間が
週に5時間確保。
「発達年齢や障害の状態に応じて、読書の楽しみを教えてくれる
人の存在が、知的障害特別支援学校でも不可欠」

視覚障害特別支援学校では、全盲から弱視まで一人ひとり
異なる見え方に対応、様々な図書が必要。
横浜市立盲特別支援学校では、墨字(活字)図書を点字図書、
録音図書、大活字本などへ変換する作業を、
33グループ約600人のボランティアが支えている。

学校司書の石井みどりさんは、「よりよい図書資料を作成するには、
専門的な技術を習得したボランティアグループと連携し、
受け入れる体制をつくることが重要」

拡大読書機や点字印刷機など、様々な機器が豊富にそろう
図書館には、好きな格好で読書を楽しめるカーペットコーナーも。
「作品に引き込まれると、何も聞こえなくなり、
家では夜中まで読み続けてしまうこともある。
図書館で新しい本を探すのは、楽しい時間」
小学部5年の藤本昌宏君(11)はそう言って、笑顔。

専修大学の野口武悟准教授(図書館情報学)は、
「情報獲得の困難を補う支援をする情報保障の観点からも、
特別支援学校で図書館が果たす役割は小、中、高校より大きい。
現状を比較すると、すべての面で遅れている」と批判。

一人ひとりのニーズに応じた読書活動を提供するために、
人的にも予算的にも、特別支援学校には
より手厚い措置が求められている。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100211-OYT8T00259.htm

十勝の実業団で五輪選手を 引退危機救った病院

(2010年3月1日 共同通信社)

スピードスケート男子団体追い抜きの7、8位決定戦に出場する
日本チームのメンバー、平子裕基選手(27)と土井槙悟選手(26)
の所属先は、北海道帯広市の開西病院。
スケートどころの十勝地方の実業団から五輪選手を出したい、
という人々の思いが、2人を支えてきた。

平子選手は、帯広市に隣接する音更町出身。
明治大時代、2002年ソルトレークシティー五輪に出場、
その後スランプに。
05年春、大学卒業後は親せきの会社に籍を置き、1人で練習。
トリノ五輪出場を逃し、家族に「もう限界なのかな」と漏らした。

そんな時、白樺学園高時代に指導した帯広市職員の
川原正行コーチ(54)と開西病院の幹部らが話し合い、
平子選手を支援しようと立ち上がった。

十勝地方は、長野五輪金メダリスト清水宏保選手(36)ら
数々の名選手を輩出してきた「スケート王国」。
高校や大学を卒業しても、地元に受け入れ先がなく、
「十勝で五輪選手を応援したい」との思い。

病院は平子選手と、同じく十勝の芽室町出身の土井選手を
職員として採用。
06年4月、十勝初の実業団スピードスケート部を設立。

2人は、シーズンオフは病院職員として午前中勤務。
カルテの運搬や機材の発注などが主な仕事。
「平子選手は、カルテが入ったファイルをよく運ぶので、
ネクタイがボロボロになってしまって。
2人とも一生懸命仕事をしている」と医事課長栗林祐子さん(44)。

昨年11月、W杯前半の代表から漏れた土井選手が
職員の前であいさつ。
「支えてくれてありがとうございます。
あきらめないで国内で頑張ります。2人で(五輪に)行きたい」。
涙ながらに話す姿に、「感激した。背中を押してあげたいという
思いが強くなった」と栗林さん。

1回戦で敗退後、平子選手は、「やめようと思っていた時に
手を差し伸べてくれ、トレーニング環境と遠征費を支援してくれた。
ありがとうございますと言いたい」と感謝。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/3/1/116689/

フラーレンで遺伝子導入 マウス実験、治療に応用も

(2010年2月23日 共同通信社)

遺伝子の"運び屋"として、炭素の原子がサッカーボールのように
つながった分子「フラーレン」を使い、
マウスの体内に遺伝子を導入することに成功、
東京大の野入英世准教授(腎臓病学)と中村栄一教授(有機化学)
らが、22日付の米科学アカデミー紀要電子版に発表。

この方法で、インスリンを作る遺伝子を入れ、
血液中のインスリン濃度が上昇することも確認。
「毒性が低く、安価に大量合成が可能」とし、
将来は遺伝子治療に応用できるのでは。

"運び屋"には、ウイルスや脂質などを使う方法があるが、
ウイルスは安全性に、脂質は効率に課題。

研究チームは、通常のフラーレンに四つのアミノ基を取り付け、
水に溶けやすく、DNAと結合する「水溶性フラーレン(TPFE)」合成。

緑色に光るタンパク質を作る遺伝子を、TPFEに結合させて
マウスに静脈注射すると、肺や肝臓、膵臓に遺伝子が導入されて
働き、光るタンパク質ができた。
肝臓と膵臓では、脂質を使った導入方法より
遺伝子が多く運ばれていた。
インスリンを作る遺伝子を結合させて投与すると、
血液中のインスリン濃度が上昇し、血糖値が下がった。

細胞内に取り込まれた後、TPFEは運んだ遺伝子との
結合状態をほどくらしい。
実用化に向けては、安全性確認などの課題がある。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/2/23/116394/

2010年3月5日金曜日

楽しい図書館(6)「検索」充実 広がる関心

(読売 2月10日)

パソコンやデータベースの環境を整備し、豊富な蔵書を活用。

3クラスが同時に授業できる広々とした閲覧席で、
約40人の生徒がパソコンで蔵書を検索。
ほぼ1人1台ずつ使えるパソコン。
生徒の周りには、約14万冊もの本が整理されて並ぶ。

中央大学付属高校の図書館。
現代文の授業、2年生が「取材リポート」の作成に取り組んでいた。
博物館や美術館を訪ね、興味を持った作品を調べ、
2000字のリポートにする課題。

「書名にない言葉でも、キーワードで本を探せる。
これがうちの学校の大きな自慢」。
授業に先立ち、司書教諭の平野誠さん(48)がマイクで生徒に説明。
同校は、8000字以上の卒業論文があるなど、
リポートの課題が多い。
その生徒の学習に役立つよう、図書館を充実。

「格差社会」、「ニート」、「フリーター」……。
同校では、パソコンの検索システムに、図書館の職員が一冊一冊、
本の内容に関連するキーワードを追加で登録。
書名や著者名だけでなく、キーワードで検索できる。
文学作品より、調査研究に対応できるような本を集めてきたが、
それらの本を十分活用できるようにする。

文学作品を読まないわけではない。
学校が選んだ100冊を各自で購入、3年間で全員が読む
「課題図書」の制度。
課題図書は、年によって変わるが、例えば夏目漱石、芥川龍之介、
スタインベックといった古典の名作から、
村上春樹や宮部みゆきまでと幅広い。
テストに出題されるため、生徒は必ず100冊読むことに。

図書館のパソコンでは、蔵書だけでなく、百科事典・辞書、
新聞各社の過去記事の検索、インターネットへの接続ができ、
約20台のプリンターも備える充実ぶり。
学習に必要な環境が、すべてそろうように目指してきた。
生きる力を育むような場所になってくれれば」と平野教諭。

千葉県立印旛高校の図書館で、2年生の授業の一環として、
英語による「舌切りスズメ」の紙芝居が上演。
自ら英語で紙芝居を読んだ仲佐健治校長(56)は、
図書館は資料が豊富で、自分にあった本を選んで勉強できる。
授業後、英語の本を探しに来た生徒もおり、関心が広がったようだ」

近くの小学校から児童を招き、図書館を活用した授業を行う。
高校の図書館は、小学校よりも蔵書が多い。
昆虫の本を使い、高校教師が体の仕組みを説明して
標本を観察したり、児童がごみ問題の資料を探して調べ、
高校の教師に質問したり。
高校にない本は、公共図書館から借りて授業をした。

印旛高校は今春、移転して単位制高校に変わる。
学校司書の山中規子さん(58)は、
「図書館は学びが深まる場所。
その場所を、十分活用できる学校になれば」

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100210-OYT8T00272.htm

サニックスの宗政伸一社長「住宅用太陽光発電、普及価格は100万円」

(日経 2月24日)

住宅用の太陽光発電市場が急拡大。
2009年、住宅用の太陽電池出荷量は、前の年の2.3倍。
新たに生まれた市場には、異業種からの新規参入。
害虫駆除など住宅向けサービスのサニックスも、そのうちの1社。
韓国製の太陽光発電システムを輸入し、
日本製よりも大幅に割安な価格で販売、シェアの拡大を目指す。
宗政伸一社長に、市場の見通しと勝算を聞いた。

——異業種からの新規参入。
なぜ、太陽光発電の販売を始めようと考えたのか?

「完全な新規参入ではない。
換気がしにくく、湿気がこもりやすい床下や屋根裏用の換気扇の
電源として、1平方メートル程度の小さな太陽光発電パネルを
京セラから買って、20年以上前から販売。
太陽光発電ができるくらいの晴れた日の空気を、
換気用に取り込み、雨の日など、湿度の高い日は太陽電池が
発電しないため、換気扇も回らない仕組み。
18万円強の価格、これまでに32万世帯に導入

「二十数年前、発電用途の製品も市場投入。
太陽熱温水器と組み合わせた製品の販売。
価格が300万円以上する富裕層向けの商品。
数十セット売れたものの、それ以降は尻すぼみで
普及させることはできなかった」

——失敗をしたのに、あえて再度チャレンジするのはなぜ?

政府の普及策が整ったため。
余剰電力を、1kw時あたり48円で電力会社が購入する制度が
昨年11月からスタート。
この制度が議論になり始めた2008年末あたりから、
準備の動きを始めた。
サニックスは、太陽光発電パネルを作っていないので、
国内のほか、韓国、中国のメーカー5~6社の製品が
使えるかどうか調査。
比較検討する中、国内製パネルでは価格面での普及が難しい。
富裕層だけを対象にした製品ではダメだった経験から、
利用者の費用負担を極力抑えた水準にすることを最も重視。
韓国LGグループのLS産電が生産する製品に決めた。
品質などについて、最終的には私が現地で、
『これなら日本でも売れる』と判断した」

——現在、3.5kwのシステムを工事費込みで129万円で販売。
価格帯はどうやって決めたのか?

「いくら、『割高な価格で、余剰な電気を買ってもらえる制度ができた』
といっても、多くの人にはまだ購入にためらいが。
ローンでなく、一括で購入する場合、
一度に大きな出費になることが間違いないし、
長い期間に制度変更がないとも限らない。
利用希望者の声から、購入に近づく価格帯は100万円程度。
光熱費削減効果によって、初期投資がおよそ10年で元が取れる。
補助金を使えば、今の価格帯でも100万円に近づくが、
補助金なしで100万円の水準を目指したい」

——市場の平均的価格は200万円近い水準。
割安な価格はどうやって実現するのか?

「太陽光発電の流通経路は極めて複雑で、
顧客の手に到達するまでに多くの事業者の手を介している。
経過でマージンが発生し、割高に。
サニックスは、LS産電から太陽光発電システムを輸入、
そのまま自社で販売するので、中間マージンがほとんどない

「昨年11月から3カ月で、800世帯に販売。
来年度は、これを10万世帯近くに広げたい。
直販だけでなく、販売店を全国で募集し、販売網を広げる。
他社製品を扱う既存の販売店だけでなく、
サニックスの太陽光発電を売る起業家を募りたい。
一般の家庭が負担なく使える価格帯にならなければ、
太陽光発電の本格的な普及はない。
100万円という水準は、その分かれ目になる

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/interview/int100223.html

基本習得、目指せ五輪 二戸市でカーリング体験会

(岩手日報 2月28日)

「目指せ!オリンピック」。
県カーリング協会(浪岡正行会長)は、
県立県北青少年の家のスケート場で、カーリング体験会を開いた。
講師に、2008年3月の第1回世界ミックスダブルス選手権
日本代表、苫米地美智子さん(30)を招待。
参加者約20人は、現在開催中のバンクーバー冬季五輪で
注目を集めるカーリング競技の基本を学び、その魅力を肌で感じた。

初心者と経験者の2コースに分かれ、世界カーリング連盟公認
テクニカルインストラクターの浪岡会長も加わり、指導。

苫米地さんは、競技のルール、ストーンの投げ方やブラシの掃き方
などの基本動作を指導。
経験者には、浪岡会長が試合で用いる高度な戦術を伝えた。

最後は、各コースの参加者代表がチームを組んで試合を開催。
会場には、「イエス」(掃く)、「ウォー」(掃くのをやめる)などと
指示を出す声が響き、約40m先のハウスに
見事にストーンが入ると、大きな歓声が上がった。

岩手町の沼宮内小3年の平松実鈴さんは、
「思ったよりもストーンが重かったが、
だんだんうまく投げられるようになった」と笑顔。

苫米地さんは、「カーリングの楽しさを伝えるいいチャンス。
冬季五輪を機に、競技を身近に感じてほしい」と期待。

同協会によると、カーリングの競技人口は現在、
リンクのある二戸市と盛岡市で合わせて約150人、年々増加傾向。

浪岡会長は、「体験会を重ねて、さらに競技人口を増やし、
有能な選手を輩出したい」と意気込む。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20100228_12

2010年3月4日木曜日

楽しい図書館(5)新聞活用 時事も美術も

(読売 2月9日)

新聞が充実した図書室で、NIEの授業を展開する。

資料や新聞の切り抜きで、分厚くなった思い思いの
「時事ノート」を手に、生徒たちが図書室に。
新聞5紙を購読している島根県立出雲商業高校では、
新聞を使う授業を図書室で行うことが珍しくない。

1年の現代社会の授業。
各自が関心をもったテーマについて、毎週二つずつ記事を
選んで張り、要約と意見を書いて提出。
生徒たちは、先生からもらった助言や課題について調べる作業。

「用語集、統計などを含め役立つコーナーも作ってもらったので、
そちらもうまく活用して。さあ民族大移動!」と岡田誠吉教諭(57)。

竹島領有問題、出雲そばの由来など、地元ならではの問題を
調べる生徒もおり、山本恵美子学校司書専門員(58)ら
図書班の教員が、他校からも参考資料を借り出すなどして準備。

次回発表を控えるKさん(16)が選んだテーマは、「現代人のうつ」。
「個人が気をつける問題というよりも、社会的な理由を考えたい」と、
Kさんに、教諭は、「不景気によって生活苦になったり、
人間関係が希薄化して孤立する人もいる。
そのあたりから、自分はこう思うというのをまとめたらどうだろう」

狙いは、生徒たちが世の中の問題に関心を持ち、
情報を整理する力、表現力を身に着けてもらうこと。
「最終的には、人の見方に対し、果たしてそうかな、
私は違うというようなやり取りができれば」

1年前、生徒たちに「新聞で見る欄は?」と聞いたら、
スポーツ、番組、広告などが多かった。
Fさん(16)は、「中学まではパラパラ眺める程度だったけど、
地元の話など興味のある記事は読み込むようになった」
新聞活用授業を通じ、新聞の面白さに気付き始めた生徒は多い。

2年の美術の授業も、図書室。
商業デザインを学ぶうえで、新聞広告が格好の題材と考える
高橋恭子教諭(52)が指示すると、生徒たちはあらかじめ考えていた
広告が載った紙面を、収容棚からさっと取り出してきた。

「みんなが選んだ広告を“自慢”してもらおうかな」
Oさん(17)が紹介したのは、1面大のスペースの真ん中に、
「さみしくなったら、おヘソを見よう」という標語とともに、
小さな人間が自分のおへそを見ている素描。
「空間をぜいたくに使っているね。何を言いたいんだろう」と教諭。
「隅に小さい字で、『あなたが一人じゃなかったこと思い出せば
きっと大丈夫 実感しよう絆』とあるね。どう感じる?」

豊かな発想やメッセージ性が、イラストやキャッチコピーに込められ、
生徒たちがそれぞれの発見を熱く語る。

図書室入り口のほか、購買部の前の廊下にも、
新聞を自由に閲覧できる机といすのコーナーが設けられている。
社会への窓となる、生きた教材を備えた図書室での授業。
生徒たちの目は、生き生きしている。

◆NIE(Newspaper in Education)

生きた教材として、新聞を教育に使おうという活動のこと、
新聞活用学習とも呼ばれる。
教育界と新聞界が協力し、20年以上組織的に進めている。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100209-OYT8T00264.htm

太陽光を100%電気にする太陽電池

(日経 2010-02-26)

太陽から降り注ぐエネルギーは、1m2当たり約1kwと計算。
太陽光発電(太陽電池)は、そのエネルギーから電気を
作っているが、電気への変換効率は20%程度。
残りの80%以上は捨てている。
実にもったいない。

日本の最先端研究で、太陽光を100%利用できる可能性が。
危うく研究予算を打ち切られるところだった
スーパーコンピューターが、太陽電池の設計をやってのけた。

大気や海洋の変化の大規模なシミュレーションに使う
超高速スパコン「地球シミュレータ」。
高度情報科学技術研究機構(RIST)の手島正吾主任研究員らは、
原子の特性値から物質の構造や電気特性などを求める
「第1原理計算」という手法を使い、太陽光をすべて電気に変換する
太陽電池の構造を求める研究に取り組んでいる。

高速計算だけあって、その成果は1年で出始めた。
「地球のどこにでも豊富にある炭素だけで、作ることができる」
それを実現するのは、「マッカイ結晶」。
英ロンドン大学の結晶学者、アラン・マッカイ名誉教授が
数学的に推定、1991年に英科学誌ネイチャーに発表。
まだ誰も合成に成功していない、幻の物質。

マッカイ結晶は、炭素原子で構成する実在の球状分子
「フラーレン」から作れる可能性。
フラーレンを、立体的に積み重ねて全方位から圧縮すると、
計算上はお互いが結合してマッカイ結晶になる。
フラーレンは、炭素原子の数によってC78、C76、C74、C70、C60など
様々な種類が見付かっている。
原子数が減少するほど、フラーレンは縮小、
それで構成するマッカイ結晶は高密度になる。

手島主任研究員らは、フラーレンが縮小するほど、
太陽電池の電気特性値である「バンドギャップ」が小さくなる。
バンドギャップが小さくなると、反比例して電気に変換できる
光の波長が長くなる。
シリコン太陽電池を素通りしたり、跳ね返っていたりした可視光より
長い波長の赤外線光も利用できる可能性が。

シリコン太陽電池の下にマッカイ結晶を敷けば、
エネルギー変換効率は格段に上がる。
手島主任研究員は、その先にある「オール炭素太陽電池」実現を
目指している。
太陽光に当たる側から、紫外光、可視光、赤外光に対応した
マッカイ結晶を配置。

「アンコウのつるし切り」のように、太陽光をすべて食べ尽くす。
積層順を反対にすると、長波長側から光を外に逃がすので効果はない。

ここまでは、スパコンで求めた。
実際に、マッカイ結晶を合成することに。
RIST自体は、超高速計算の専門機関だが、
ナノ炭素研究所(上田市)の大沢映二社長(豊橋技術科学大学名誉教授)、
名古屋大学の篠原久典教授、信州大学の遠藤守信教授など、
著名な炭素物質研究者をメンバーとする研究会組織を持ち、
計算結果を物質合成につなぐ仕組み。

マッカイ結晶は、まだ計算上の物質だが、合成研究者と連携することで、
太陽光を丸ごと電気に変える太陽電池は、
近い将来に日本で開発されるかもしれない。
炭素だけで作れれば、資源が少ないと嘆く日本も困らない。
日本の資源で、世界制覇できる製品が誕生することに。

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/techno/tec100225.html

完成近づく運動公園野球場 こけら落としは7月記念行事案まとまる

(東海新報 2月26日)

野球場拡幅を柱とする住田町運動公園の
大規模改修事業が来月終了。
供用開始は、人工芝の落ち着いたあとの7月を予定、
落成記念関連行事のスケジュール案の概要を発表。
秋にかけて、新グラウンドでの各種大会がめじろ押し。

従来の運動公園野球場は、昭和60年に完成。
その後、24年が経過し、老朽化が目立ってきたこと、
グラウンドも狭いことなどから改修が必要。

町は、生涯スポーツ推進の観点も踏まえ、
20年度に用地取得と設計に着手。
今年度に入って着工、着々と工事が進んでいる。
工期は3月25日まで、土木工事と建築工事を合わせた
建設費は約3億6600万円。

グラウンド面積は、従来の約1万800平方㍍から
約1万3000平方㍍に拡大、野球公式試合に対応できる。
ゲートボールやグラウンドゴルフ、ミニサッカーなど
多目的使用も可能となる。

供用開始は7月、同3日(土)の記念式典(町主催)と
プロ野球北海道日本ハムファイターズジュニア野球教室、
社会人野球のオール気仙対フェズント岩手を皮切りに、
秋口にかけて大会やイベントがめじろ押し。

公式試合対応グラウンドとなることを受けた野球の各種大会を
中心に、グラウンドゴルフやゲートボール大会、
子ども対象のスポーツ教室などが随時開かれる。

9月上旬、日本女子ソフトボールリーグ岩手大会が
2日間にわたり開かれ、北京五輪で金メダルを獲得した
ソフトボール女子日本代表のエース上野由岐子を擁する
ルネサステクノロジ高崎事業所の試合も予定。

落成記念関連行事の概要。
【7月】▽3日=記念式典、日ハム野球教室、記念試合

【8月】▽7、8日=ベースボールマガジン社杯第14回
東北学童・少年軟式野球大会
▽28、29日=秋季東北高校野球県大会沿岸南部地区予選

【9月】▽4、5日=日本女子ソフトボールリーグ岩手大会
▽18~20日=気仙地区中学体育大会新人大会軟式野球

【時期未定】▽フェズント岩手野球教室(中学生対象)
▽住田町長杯グラウンドゴルフ大会(7月中旬、八月中旬)
▽気仙地区ゲートボール大会
▽日本サッカー協会「夢の教室」

http://www.tohkaishimpo.com/

2010年3月3日水曜日

楽しい図書館(4)社会の制度学ぶ拠点

(読売 2月6日)

図書室を拠点とした調べ学習が、市民性を磨く教育をバックアップ。

「今日は、市役所の税務課長さんに来ていただきました。
これまで学んだことをふまえ、国民健康保険について聞いてみましょう」
金谷佳奈子教諭(50)。
群馬の県立高校入試を、2週間後に控えた今月1日。
藤岡市立東中学校で、社会保障を学ぶ最終授業が行われた。

年金、介護といった身近な題材を、社会、国語、道徳といった
教科横断的に取り上げた授業。
生徒たちは、「国民健康保険の負担は全国どこでも同じですか」、
「仕事を失って収入がなくなったら、税負担はどうなりますか」など、
てきぱきと質問を繰り出し、調べ学習の成果をうかがわせた。

昨年9月、最初の授業で、生徒たちは制度について
知っていることを話し合った。
「年金はおばあちゃんももらっている」、
「けがをして医者にかかる時、保険証を出したよ」。
こうした疑問をもとに、7班で分担し、国保、年金、生活保護、
介護保険などを学ぶことに。

図書室にある関係資料が難解だったため、生徒たちの要望で、
図書主任の先生らが端末などで適当な資料を検索。
探し出した文献を、市立図書館から多数借り出し、
市役所や社会保険事務所からは、わかりやすいパンフレットを入手。

生徒たちは、これらの資料で制度の仕組みを勉強し、
分からないところは関係機関に出向いて直接質問。
班ごとに、制度の仕組みをわかりやすく模造紙に図示、
まとめの発表を行った。

授業を終え、「安定した職業に就き、父母と同居し、
生活を助けたい」と、湯井明子さん(15)。
根岸奈穂さん(15)は、「夢を抱きながら安心して生活できるのは、
いろんな制度が整っているからだと、感謝しつつ勉強に励みたい」

様々な制度に支えられて生きていることを、
認識してもらうのが狙い。
一つの資料だけでは不十分で、複数の資料に当たれる
図書館は調べの拠点として不可欠。
生徒たちが、その活用方法を知ったのも成果」と金谷教諭。
岸正博校長(60)は、「チームで物事を成し遂げる楽しさ、
情報を判断し、表現、コミュニケーションする力の育成にもなった」

同校は昨年秋、図書室を改装。
テーブルカバーを交換し、窓辺のカーテンをレースに替え、
お薦め本の展示コーナーを設置。
書架にも変化をつけるなど、「思わず立ち寄りたくなる」(岸校長)
魅力的な空間に。

地域ボランティアに毎週水曜日、昼休みに放送で
小説や民話の読み聞かせをしてもらうなど、
読書への関心を高める運動をした。
4年前、2000冊を切っていた年間貸し出し数が、
今年度は12月までで4360冊と大幅に増えた。

気楽な雰囲気のなかで活字に親しみ、
生徒たちは自立への道を歩む。

◆市民性を磨く教育

市民としての意思決定や価値判断できる力を育てる教育。
調べ学習や話し合い、創作劇などの手法が用いられる。
欧米では、シチズンシップ教育と呼ばれ、移民の増加や若者の
政治意識の低下などが目立つようになった1990年代に始まった。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100206-OYT8T00250.htm

「気仙マスターズ」旗揚げ 陸上競技愛好者で協会設立

(東海新報 2月26日)

気仙地区で陸上競技を愛する仲間たちが、
気仙マスターズ陸上競技協会(熊谷光一会長、会員31人)を旗揚げ。

会員相互の親睦を深めながら、生涯スポーツとしての
陸上競技の普及発展を図り、各種大会への参加と運営への協力を行う。

設立総会は、市民交流館・カメリアホールで開かれた。
立ち上げ経緯の説明後、議事に入り、役員選出、規約、事業計画、
名称などを決定。

3市町の陸上競技仲間が、県内外のマスターズ陸上競技会に
出場する場合、他市協会に会員登録するか、個人で参加。
「気仙として、一つの協会をつくろう」との機運が高まり、
1年前に準備会を立ち上げ、設立に漕ぎ着けた。

規約によると、陸上競技を愛するマスターズの健康保持・増進を
図るとともに、会員相互の親睦を深め、活力あるライフワークに
寄与することなどが目的。

事業計画では、各種大会への参加と運営への協力、記録会の開催、
競技力の向上、陸上競技の普及、啓蒙、情報提供などを行う。

会員は、気仙地区に在住する陸上競技愛好者で構成、
満年齢が男子35歳以上、女子30歳以上。
協会事務所は、田村スポーツ内に置き、活動の円滑な推進を
図るため、組織内に広報、競技、普及の3専門部会を設定。

広報部担当の熊谷佐智夫さんは、
「協会組織を十分に生かし、同じ年代の陸上競技愛好者間の交流の
場を広げながら、競技の普及振興を図り、健康づくりに努めたい」
6月に開かれる金ケ崎マスターズ大会に、協会として初参加する予定。

▽顧問=村上實、青山豊正
▽会長=熊谷光一
▽副会長=東昇
▽事務局長=岩沼利英
▽事務局次長=鈴木眞紀
▽理事長=大和田政弘
▽理事=熊谷佐智夫、佐藤寛文、志田光恵、村上栄子
▽監事=菊池悟、及川浩哉

http://www.tohkaishimpo.com/

「お父さん眠れてる?」 自殺対策キャンペーン

(2010年2月23日 共同通信社)

眠れない日が続く人は、うつを疑って-。
自殺者が、昨年まで12年連続で3万人を超える中、
うつの兆候である睡眠不足の自覚を促すキャンペーンが、
年度末の3月に展開。
内閣府自殺対策推進室が22日、ポスターなどを公開。

医療機関やJR東日本、私鉄の車内や駅などに計25万枚が
張り出されるポスターは、娘が父親へ「お父さん眠れてる?」と
尋ねる姿をイメージ。

テレビコマーシャルも放映、3月1日には短文を投稿する
交流サイト「ツイッター」で、有名人が一斉につぶやく。

推進室は、「自殺者の4割を占める中年男性は、
『弱音を吐きにくい』立場にいるが、睡眠不足なら口にできるのでは
との思いから焦点を当てた。
家族が気にかける契機にもなってほしい」

自殺対策として、推進室はほかに、警察庁の自殺統計の
分析結果を3月に発表、各地のハローワークで
心の健康相談窓口を開設するよう自治体に働き掛ける方針。

睡眠不足などを自覚した際、
同室のホームページで相談先を探せる。

http://www8.cao.go.jp/jisatsutaisaku/

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/2/23/116397/

2010年3月2日火曜日

楽しい図書館(3)校舎の中心で調べ学習

(読売 2月4日)

校舎の中心に図書館を置き、様々な学びに活用。

理科の授業が始まって10分後、4年生の児童24人が
おもむろに席を立ち、隣接する「メディアセンター」に移動。

千葉市にある私立幕張インターナショナルスクール。
4年生を受け持つジョディ・クラーク教諭(27)は授業の初め、
電子黒板を使い、乾電池と豆電球を使った
電気の回路について英語で説明。
教室にいるのはここまで。
続きが行われるのは、約8000冊の図書と
24台のノートパソコンを備えたメディアセンター。

児童は、それぞれインターネット上で実験を体験する
学習用サイトに接続、乾電池のボルト数を変えるなどして、
電気が流れる仕組みや明るさの変化を学習。
その後、実際に回路をつないで豆電球を光らせた。

講義を受けるだけの授業では、学ぶ効率が悪い。
子供たちにいろいろな機会を与えることが大事
ポール・ロジャーズ校長(46)が教育方針を説明。

2009年4月に開校した同校は、文部科学省が定める
学習指導要領に基づいて授業が行われ、小学校卒業資格が
得られる全国初のインターナショナルスクール。
外国籍を持つ子どもや帰国子女が幼小一貫で学び、
国語以外の授業はすべて英語。

多様な学び方を象徴するのが、センターの積極的な活用、
4年生の場合、週35コマの授業のうち、
少なくとも8コマでセンターを使う。
それを容易にしているのが、センターと教室の位置関係。

高学年棟の中心に置いたセンターをぐるりと取り囲むように、
4~6年生用の教室を配置。
どの教室からも、等距離でセンターに行ける仕掛け。
ロジャーズ校長は、「高学年は、リサーチをする機会が多い。
自ら学び、創造性を育んでほしい」

この日は、4年生の近くで2年生18人が本を広げて
外国について調べ、コーディネーターが
各教諭のまとめ役として事前の調整に当たる。

センターを使った授業は、児童に人気。
4年生(10)は、「先生から『メディアセンターで授業をする』と聞くと、
ワクワクする」、受け身にならない学びを楽しんでいる。

福岡市にある中高一貫の西南学院も、
03年、校舎新築の際、中央に開放的な図書館を置いた。
4階までの吹き抜け構造で、「図書館は学校の要
(中根広秋副校長)という理念を体現。
約7万冊の蔵書があり、調べ学習のほか、
校舎内を行き来する際に立ち寄る生徒も多い。

03年度、6870冊だった貸し出し総数は、08年度は1万冊超。
「危機に直面した時、乗り越える手がかりを与えてくれるのが本」
と説く中根副校長は、「図書館に来る生徒が圧倒的に増えた」と
変化を歓迎する。

校舎の片隅で脇役に甘んじることの多かった図書館が、
その存在感を高めている。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100204-OYT8T00491.htm

ネットの長城は中国政府を守れるか

(日経 2010-02-25)

中国政府は、インターネット利用に身分証の登録などを
求める実名制を導入する方向で検討。
中国では、米ネット検索最大手のグーグルが、
1月、中国市場からの撤退をかけ、検閲撤廃を当局に要求、
米中間の政治問題に。
中国のネット利用者は、世界最大の3億8400万人。
世論への影響力は急激に増し、
中国当局は、規制強化を加速する方針。

「ネットの安全問題は、厳しい挑戦にさらされ、
管理をさらに強化する」——。
北京で開かれた工業情報化省の幹部会議で、
同省の李毅中相は、演壇で握り拳を振り上げた。

李氏は、具体策として、ネット利用に実名制を導入する方向で検討。
中国のネット利用者3億8400万人のうち、携帯電話経由が
2億3300万人、携帯電話の通話契約にも実名制を導入。

北京市で、年内にも実名制の試験運用を始める計画。
パソコンに接続したカードリーダーで、身分証を読み取らないと、
ネットを利用できないようにすることなどを検討。
浙江省杭州市でも、実名制を導入する方針。

実名制の実効性を高めるため、中国当局は1月末、
パソコンや携帯電話の利用時に指紋などを使って、
利用者を確認する生体認証の標準技術化を進める
専門チームも立ち上げた。
湖北省の公安当局に、ネット犯罪撲滅を目的とする
専門要員の訓練基地も設けた。

中国政府は、1990年代からネット規制に着手。
「金盾工程(プロジェクト)」と呼ばれるネット検閲システムで、
民主化運動やポルノなど、中国共産党が有害と指定した
サイトを閲覧できず、電子メールの利用も制限。
要注意人物のネット利用状況の監視も手掛ける。

2008年
1月 動画共有サイトの運営を中国国有企業に限定
2009年
3月 「ユーチューブ」が、恒常的に閲覧不能に
6月 中国当局がグーグルなどに有害情報を掲載していると批判
7月 国内販売パソコンに検閲ソフト搭載を義務付け(直前に延期)
9月 多くの動画共有サイトが閉鎖に追い込まれる
2010年
1月 米グーグルが中国市場撤退を視野に、当局に検閲撤廃を要求
2月 中国当局がネット利用に実名制導入を検討

最近では、中国に100万カ所以上あるといわれる監視カメラや、
携帯電話とも連携しているとされ、要注意人物の詳しい行動や
社会全体の動きも把握。
現在は、全国で3万人以上とされるネット検閲官が
人海戦術で対応、将来は全自動での作動を目指す。

「海外に対し、情報の公開を約束した北京五輪が終わり、
ネット規制が急激に厳しくなった」
住民運動を支援する弁護士。
2009年1月、国務院新聞弁公室、工業情報化省、公安省など
7省庁が合同でネット規制の強化に乗りだした。

09年、チベット動乱から50年、天安門事件から20年を迎える
節目の年、中国当局は治安維持を最重視。
3月、グーグルの動画サイト「ユーチューブ」が恒常的に閲覧不能、
6月、グーグルが低俗情報を提供しているとして、
英語サイトが一時的に閲覧不能。

5月、当局が7月から国内販売パソコンに「検閲ソフト」搭載を
義務付けると通知。
ヒューレット・パッカード(HP)など、米メーカーが米政府と共同で反発、
義務付けは見送り。
今でも、レノボ・グループ(聯想集団)などの国産商品の一部は搭載。

なぜ、中国政府はネット規制を強化するのか?
ネット利用者が多いだけでなく、世論形成で大きな力を
持ち始めたことが背景。
中国共産党機関紙の人民日報は、09年、中国社会が注目した
事件の約3割は、ネットからの世論形成だったと分析。

公安省は09年、9000サイトを閉鎖、150万以上の情報を削除。
有害な情報を流した容疑者5394人を身柄拘束、
刑事事件としての検挙数は08年の4倍。
工業情報化省によると、10万以上のサイトを閉鎖。
10年、さらに取り締まりを強化する方針。

「金盾」の別名は、「グレート・ファイアウオール・オブ・チャイナ」。
万里の長城にちなんだ名前だが、万里の長城は
外敵の侵入を完全には防ぐことはできず、王朝の崩壊に。
ネットの長城が、中国共産党の外敵を防げるか予断を許さない。

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/ittrend/itt100224.html

太平洋セメント、国内3工場で生産中止 大船渡は生産維持

(東海新報 2月25日)

国内セメント製造最大手の太平洋セメント㈱(徳植桂治社長)は、
国内3工場の生産中止を発表。
大船渡工場は、この対象には含まれず、生産機能が維持。

同社は、生産委託先を含め、国内に12工場セメントキルン23基の
設備を持つ。
生産中止は、土佐工場、大分工場の佐伯プラント、
子会社である秩父太平洋セメント㈱秩父工場の3工場。
今年9月までに、生産を中止。

生産中止は、国内セメント需要がピーク時から半減するなど、
厳しい経営をふまえ、需給バランスの是正や大幅な固定費節減、
生産効率の最大化を実現し、収益力強化を図るのが目的。
3工場合わせた生産能力の削減量は、年間約310万㌧。

生産中止により、国内2300万㌧体制から2000万㌧体制。
同社では、ベトナムにある工場を拡大、
国内工場で生産している500万㌧近い輸出分も、
今後見直しを進めたい意向、
さらなる組織見直しについては流動的。

広報IR室では、「大船渡工場は、生産中止の対象から外れている。
今発表できるのは、3工場の生産中止のみ、
全体的な人員、組織の見直しも進め、
詳しい諸施策は3月30日に開示する予定」

大船渡工場は、年間185万7000㌧を生産、従業員は約150人。
大船渡市の産業、雇用、税収を支える主力事業所の一つ、
鉱工業や港湾業など関連企業の裾野も広い。

同工場では、二戸市などで見つかった不法廃棄物が運ばれ、
原料処理。
市では今年度から、再利用ごみ事業をモデル的に進め、
赤崎町内で回収したプラスチックごみは同工場に運ばれ、
燃料資源として活用。

同社では、昨年11月、「例外なき事業構造改革の迅速な実行と、
成長事業の拡大を図る」と公表、大船渡市内の関係者も
生産見直しの動きを注視。
甘竹勝郎市長は、「(大船渡工場は)大船渡経済に深いかかわりがあり、
地域の基幹産業、雇用確保、港湾活用の面から心底感謝。
今後も、大いに連携していきたい」

http://www.tohkaishimpo.com/

2010年3月1日月曜日

楽しい図書館(2)司書専任で指導充実

(読売 2月3日)


専任の司書教諭を置き、読書活動を充実させる。

児童が、数人ずつのグループに分かれ、「読書座談会」を始めた。
1人が自分の読んだ本の主人公やあらすじを話すと、
聞いていた児童らが、「すごくいい話」、「かわいい」と目を輝かせた。

北海道恵庭市立柏小学校の図書館で、6年生の国語の授業。
狙いは、本の面白さをお互いに伝え合うこと。
手にした本は、歴史やファンタジーなどジャンルも様々、
どれも付せんだらけ。
子どもたちはページをめくりながら、楽しそうに話していた。

授業後、高橋みづきさん(12)は、「ぜひ読みたいと思った」と
友達の本に興味津々。
本が好きという守谷佑太君(12)も、
「改めて本の面白さを知った」

担任と一緒に指導していたのは、司書教諭の小川英子さん(32)。
担任と兼任だったこともあるが、昨年度から専任。
「専任になったおかげで、準備に時間をかけられ、
内容を充実させられる」

2年生では、学校や市立の図書館に出かけて図書館の使い方を学び、
3年生では図鑑を使ったクイズ形式の問題を作り、
目次や索引に慣れる。
6年生では、本の内容を紹介する本の帯づくりも。

図書館の前に、小川さんが作った「お話クイズ」も並ぶ。
本ごとに、3問程度のクイズを出したプリントを作っている。
いずれも、本を読めば分かる内容、本に関心を持ってもらう試み。

恵庭市は、市内の全小中学校に学校司書を配置、
読書に力を入れている。
読書教育などを行う司書教諭を専任として配置するのは、
市内の小中で同小だけ。
司書教諭は、公立校では担任などとの兼任が多く、
全国的にも専任は珍しい。

司書教諭は専任でないと、広く仕事ができない」と田中剛校長(60)。
同小に6年間勤務している学校司書の高橋辰美さん(50)も、
図書館の本を、授業で使う機会が増えた。
教科書や児童に合った本を使ってもらっている」

同小では毎年秋、「読書まつり」を開いている。
クラスごとに児童1人1人が顔写真入りで、お薦めの本を紹介、
学校挙げての取り組み。
教師による読み聞かせも、今は通年で20回以上を行う。
昨年度の1人あたりの貸し出し冊数は約54冊、
児童へのアンケートでは、9割が本が好きと答えた。

「授業でもっと図書館を活用できるようにし、
子どもたちが本に対していい印象を持ってくれれば」と小川さん。
田中校長も、「本を読むことは、生涯必要なこと。
本が好きな子をじっくりと育てていきたい」

◆司書教諭

学校図書館を利用した読書教育、図書館の管理などを行う教員。
学校図書館法で、小中高で12学級以上に配置が義務づけ。
計10単位の専門の講習を履修すると、取得できる。
「学校司書」は、主に図書の貸し出しや蔵書の整理などの
事務的な仕事を行うが、配置に制度上の定めはない。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100203-OYT8T00645.htm

アルバックの中村会長、製造装置事業「独創性と汎用化、両方を追求」

(日経 2月23日)

エレクトロニクス製造装置のアルバックが、
収益源の多様化を進めている。
従来の事業領域である液晶パネルや半導体の製造に使う
主力の真空装置にとどまらず、環境エネルギー、
資源リサイクル分野などにも参入。
中村久三会長に、激変する世界経済への対応と事業戦略を聞いた。

——世界経済の潮流をどう読む。

米国から中国へ世界経済の中心が急速に移行。
成長をけん引するのは、電子デバイス、ITソフトではない。
エネルギー・環境、資源・材料の分野が重要。
中国、インドやロシア、中東、ブラジルなど、
これらの製造業が大きく成長。
米国の財政状態は、依然として不安定。
中国は、安い労働力を活用し、一大製造拠点として
急成長を続けている。
日本では、円高ドル安、デフレ傾向が長引くだろう」

——主要顧客の薄型テレビ向け液晶パネル分野は何が起きている?

薄型テレビは、まもなく中国市場が世界最大に。
中国は、液晶パネルの国産化政策を進め、
外資メーカーも、中国で生産に乗り出さないと、
製造コストで太刀打ちできなくなる」

製造装置もそう。
日本市場向けと同じ性能の製品を、数分の1の価格で
製造・販売しなければならない。
液晶分野に限らず、あらゆる産業の生産拠点が新興国に展開、
現地企業も急成長。
装置も、新興国で生産するのと同時に、
カスタマーサポート体制を敷く必要」

——世界の潮流に置き去りにされないため、どう対応していく?

「我々は、6年前から構造変化を見越し、
『ポストFPD(フラットパネルディスプレー)戦略』という計画。
液晶パネルや半導体だけでなく、選択と集中をせずに
異分野の技術を積極開拓しようという計画

急速に進む商品の汎用化についていくこと、
独創的商品を開発すること、この2つの課題を同時に追求。
円高ドル安から逃れるため、積極的に海外生産を進めて、
製造コスト競争で勝って、シェアを上げる。
中国で、幅広いエレクトロニクス製造装置拠点、
サービスセンターを置いている。
日本の研究開発拠点で、弊社にしかできない商品を開発し、
事業領域を広げる」

——具体的な攻略分野は?

「『エネルギー・環境』では、永久磁石、2次電池、コンデンサー、
パワー半導体の4領域向け製造装置を開発、供給。
デジタル家電用電子部品製造装置も、重点領域に位置付け。
LED(発光ダイオード)やMEMS(微少電子機械システム)部品の
製造装置も強化」

——太陽電池パネル製造装置事業にも注力。

「太陽光を電気エネルギーに変える発電効率が高い
薄膜太陽電池用の一貫製造装置の拡販を急ぐ。
結晶や化合物半導体向け装置も、性能強化を進めている」

——『資源・材料』分野の事業内容は?

「液晶パネルや半導体、太陽電池パネル製造で使う材料を回収、
リサイクルする事業。
デバイスの成膜工程には、大量の希少資源を使う。
各国で資源の囲い込みが加速。
都市鉱山の鉱脈を持ち、川上を押さえることが
デバイス産業のコスト競争力強化に。
資源を制する国が世界を制する時代で、意義ある事業

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/interview/int100219.html

義足 風呂敷応用し、安価に 島根の装具メーカー開発 地雷被害者の支えに

(2010年2月21日 毎日新聞社)

地雷や災害で足を失った途上国の人たちが、
安く義足を使えるようにと、島根県大田市の
義肢装具メーカー「中村ブレイス」が、
風呂敷を応用した装着器具の開発に成功。

体の切断面を義足とつなぐ器具(ソケット)の製作には従来、
手間と費用がかかっていたが、10分の1以下の価格で買える。

従来のソケットは、シリコン袋に連結用ピンを取り付けた「断端袋」。
ピンで、切断面を義足本体に固定。
ピンは軽合金製で、袋は切断面に合わせて作るため、
10~20万円かかっている。

同社は、日本古来の風呂敷に着目。
約50cm四方のシリコン製の布で切断面を包み込み、
余った部分の布をたたみ込んで、そのまま義足にはめ込む。
シリコンの摩擦力が働き、義足本体とぴったりフィット。
断端袋のようなサイズ合わせは不要、ピンで固定する必要がなく、
途上国でよく使われている木製や竹製の
単純な構造の義足にも応用できる。
開発したソケットは、日本や米国、中国、EU、インドに特許を出願。

中村ブレイスは、両足を失ったモンゴルの少年に無償で
特注の義足を贈るなどの活動を続けている。
地雷被害が絶えない貧しい地域での義足の需要の高さと、
日本製の高性能の義足の高コストにギャップを感じ、
安価で安定した義足の普及に取り組んできた。

NPO「地雷廃絶日本キャンペーン」によると、
現在も80以上の国と地域が地雷問題を抱え、
08年、世界で5197人が地雷や不発弾で死傷。

同社の中村俊郎社長は、
「毎年多くの人が地雷被害や災害で、体の一部を失っている。
高価な義足を買えない人たちの社会復帰を助けたい」

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/2/22/116328/

2010年2月28日日曜日

楽しい図書館(1)「ぐりぐら」と命名 親しむ

(読売 2月2日)

絵本の名前が付いた学校図書館で、児童は本に親しむ。

「ぐりとぐら」のキャラクターが、入り口で児童を出迎える。
「ぐりぐら図書館」。
東京都中野区立啓明小学校の図書館は、
児童が大好きな絵本の名前が付けられている。

「話のロウソクに火をともしましょう」。
図書館での1年生の授業で、学校図書館指導員の
米村和美さん(57)がおはなし会を始めた。
節分にまつわる昔話が始まると、約20人の児童から笑顔。

広い図書館にある「おはなしひろば」。
コルク材の床に児童がじかに座り、じっと聞き入る。
壁には、児童の絵などが飾られ、ぬいぐるみも置かれた
明るい雰囲気。
授業の終わりには児童らが我先にと、本を借りに列を作った。
「子どもたちは図書館が大好きです」。
担任の小山朗子主幹教諭(49)もうれしそう。

1997年、従来の図書館を拡張したのに併せ、
児童から名前を募って命名。
絵本「ぐりとぐら」の作者、中川李枝子氏から許可。
「楽しく、ほっとできる図書館に」。
絵本の名前を付けたのは、そうした思いが込められている。

そんな場所には、児童が楽しめる仕掛けがふんだんにある。
壁に張られた大きな野原の絵。
「ぐりとぐら」、「くまのコールテンくん」など、
好きな絵本の主人公を子どもたちに描いてもらった。
「子どもたちは、本を読んだ時の面白さを表現したいと思っている。
みんなで描いて、一つになればうれしいこと」
休み時間には、様々な学年の児童が絵を描きにくる。

「難しいかもしれないけど、頑張って読んでみてね」
壁に飾られていたのは、6年生が1年生に書いて送った本の感想。
友人に本の感想を書いて送る読書郵便は、
図書館内のポストに入れると、友人に届けてくれる仕組み。

一昨年、学校で見つかったカラスの巣も飾られ、
周りにカラス関連の本が置かれている。
こうすることで、関心も高まるとの狙い。

「楽しい場所なら、児童も図書館に来てくれる。
本を手に取ってくれれば、色々な世界が広がる」

学校図書館であるため、各クラスで週1回、授業で
図書館を活用するなど、学習に役立てる。
国語でジャンケンを学ぶ1年生には、世界のジャンケンが
載った本を紹介。
図工で読書感想画を描いたり、国語の授業で本のカバーや
帯を作り、図書館に飾ったり。

手製の「ぐりとぐら」のキャラクターを使い、年度初めには
全学年で図書館の使い方を学ぶ。
本の分類を学ぶことは、調べ学習の資料探しだけでなく、
将来にも役立つ。

本の貸し出しは、米村さんが手渡し。
その際、個々に合った本を勧めることも。
「読めたよ」、「楽しかったよ」。
本を返しに来る児童から、そう言われることが何よりもうれしい。

子どもたちにとって居心地のいい場所にと、
学校全体で取り組んできた図書館づくり。
「児童の心を育てる大切な場所。これからも充実に努めたい」と
橋浦義之校長(55)。

◆学校図書館指導員

中野区が、1995年から全小中学校に配置している非常勤職員。
図書館で図書の整理や貸し出し、読み聞かせなどを行う。
区では、教員免許か司書の資格を持つ人から選んでいる。
専門の講習を受けた教員が、図書館を使った読書教育などを
行うのが司書教諭となる。
米村さんは指導員だが、司書教諭と司書の資格を持つ。

◇蔵書や司書 整備不十分

今年は、国民読書年。
学校で読書や学習の拠点になる学校図書館だが、
必ずしも整備が十分とは言い難い状況。
「学校図書館の現状に関する調査」よると、国が定めた
公立小中学校の図書館の蔵書数の標準について、
達成した小学校は約45%、中学校は約39%(2007年度末)。

専門の講習を受けた司書教諭は、改正学校図書館法で
12学級以上の学校で置くことになったが、
全国学校図書館協議会の森田盛行理事長は、
「公立ではほとんどが担任などとの兼務で、
十分機能していない部分がある」
11学級以下では、配置自体が2割程度しかない。

学校司書については、高校では配置が進むが、
高校に比べ、図書館が小さい小中学校は4割程度と少ない。
森田理事長は、「読書を活発にするには、
専任の司書教諭と学校司書の配置が必要

島根県立大学短期大学部の堀川照代教授(図書館情報学)は、
まずは、図書館の雰囲気作り。
子どもたちは、自分たちの紹介文などが展示されていれば、
自然と目を向ける。
玄関や廊下の空きスペースに本を置いたり、読む場所にしたりと、
学校全体を図書館にしてしまう発想もいい」とアドバイス。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100202-OYT8T00239.htm

CO2回収・貯蔵に積極的な欧州電力会社

(サイエンスポータル 2010年2月18日)

地球温暖化対策として期待されている
CCS(二酸化炭素分離・回収・貯留)に、
欧州の電力会社が積極的に取り組んでいる。

ドイツに石炭火力発電所を持つバッテンフォール社は、
2030年に向けCO2を半減する目標を掲げ、
積極的にCCS実証プロジェクトを実施中。

発電量の42%が火力発電であるRWE社も、
同じくドイツで発電効率の向上とCCSに力を注いでいる。

Nuon社は、オランダでバイオマスと石炭を燃料とする
石炭ガス化複合発電(IGCC)実証プラントを、
1993年から運転、CCSのパイロットプラントも建設。
商業レベルのIGCC・CCSプラント(130万キロワット)を建設計画。

欧州電力会社とプラント会社の共同出資体であるElcogas社も、
スペインでこの3月から化学吸収法によるCO2回収プラントの
試運転に入るなど、CCSに積極的に取り組む電力会社の姿が明らかに。

視察団は、経産省資源エネルギー庁の石炭課長を団長に、
新エネルギー・産業技術総合開発機構など5法人と、
CCSに関心の高い関西電力、東芝、三菱重工業など企業14社、
8~14日にドイツ、オランダ、スペインを訪れ、
CCSの取り組み状況を見てきた。

http://scienceportal.jp/news/daily/1002/1002181.html

がん守るたんぱく解明 新薬開発に道 東京都臨床研など

(2010年2月22日 毎日新聞社)

肝細胞がんや脳腫瘍で、過剰に作られる特定のたんぱく質が、
がん細胞を傷つける酸化ストレスを軽減、薬剤への耐性を高めるなど、
がん細胞の生存を助けている可能性が高い
ことを、
東京都臨床医学総合研究所、東北大などの研究チームが突き止めた。
21日の英科学誌「ネイチャー・セル・バイオロジー」(電子版)。

このたんぱく質の蓄積を抑えることで、
新たな抗がん剤開発につながる可能性がある。

チームが注目したのは、「p62」と呼ばれるたんぱく質。
肝細胞がん、脳腫瘍などの細胞で多量に蓄積することが確認。
マウスの肝細胞がんなどの細胞を使い、p62の機能を分析。

酸化ストレスを軽減させる別のたんぱく質を分解する
細胞内のセンサー部分にp62が結びつき、分解を阻害。

p62の働きの結果、がん細胞で酸化ストレスを減らす
たんぱく質が作られ、抗がん剤などを細胞外に運び出す
遺伝子の働きが高まるなど、がん細胞の生存を助けている
可能性が高まった。

小松雅明・都臨床研副参事研究員は、
「p62の働きを阻害することによって、がん細胞の増殖や
薬剤耐性を抑制する抗がん剤を開発できる可能性がある」

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/2/22/116359/