(WebMD 10月20日)
心不全患者は、他の心疾患患者よりも大幅に骨折しやすく、
運動不足がその一因であることを示す新規研究結果が報告。
アルバータ大学心機能クリニック(カナダ)所長のJustin Ezekowitzは、
「心不全患者は、心機能のリハビリを行い、運動能力を高めることで、
骨の脆弱化と骨折のリスクを下げることができる」
この研究は、米国心臓協会(AHA)発行『Circulation』に掲載。
心不全患者は、ほぼ同年齢の比較的健康な心疾患患者に比べ、
入院および体を衰弱させる股関節骨折のリスクが高い。
うっ血性心不全とも呼ばれる心不全は、
心臓が他の臓器に十分な血液を送り出せない状態。
骨折(特に股関節骨折)は、重篤な肺感染症と重大な血栓形成のリスクを高め、
患者は死に至ることも。股関節骨折患者の30%は、1年以内に死亡。
1998-2001年、アルバータ州の緊急治療室(ER)を受診した
心疾患患者16,294名を対象。患者の年齢は、68-84歳。
ERを受診した1年後、心不全患者の4.6%が骨折を経験、
同年齢の心疾患患者では1%。
1年間の股関節骨折率は、心不全患者で1.3%、他の心疾患患者では0.1%。
他の健康上の問題などの補正後も、「心不全患者の骨折リスクは4倍」、
股関節骨折のリスクは6倍高かった。
「カルシウムまたはビタミンD摂取が十分でないか、
日光を浴びる時間が足りないのかもしれない」
エモリー大学(アトランタ)心不全・移植プログラムの医学部門責任者
Andrew Smith氏は、心不全と骨折の関連は重要かつ興味深い。
この研究により、「心不全患者は骨折しやすく」、
より多くの心疾患患者が骨密度検査を受けるべきと、「医師の認識を高める」必要。
心不全は、入院および死亡の主要原因であり、
一般集団の2.2%、75歳を超える人の8.4%に発生。
骨粗鬆症は、米国人1000万人が罹患。
50歳超における骨粗鬆症の有病率は、女性で約25%、男性で約12%。
Ezekowitz博士による骨粗鬆症の発症リスク低減策は次の通り:
1)どんな人も、生涯を通じて運動すること
2)小児期からすべての食事でビタミンDを十分にとること
3)どんな人もビタミンDの主要生成源である日光をたくさん浴びること
4)禁煙
Ezekowitz博士は、「第一に、医師は心不全患者の治療にあたり
骨粗鬆症を検査する必要がある、
第二に、日光を浴びながら屋外で運動するのが最も良いということ。
ナーシングホーム(nursing home)の入居者は、屋外に出る必要がある」
心臓に問題がある人すべてが最終的に心不全になるわけではなく、
「心不全は、将来心臓が突然止まることを意味していない。
心不全であっても、何年も生きることができる」
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=SPECIALTY&categoryId=580&articleLang=ja&articleId=82076
2008年10月30日木曜日
2008年10月29日水曜日
スポーツ21世紀:新しい波/281 ビデオ判定/4
(毎日 10月26日)
ビデオ判定は今、審判の補助的な役割を超えつつある。
選手側が再判定を要求できる競技では、
ゲームの流れを引き寄せる重要な手段にもなる。
今年9月20日、国内では初の導入となった女子テニス協会(WTA)ツアーの
東レ・パンパシフィックオープンで、象徴的な場面があった。
タイブレークとなったシングルス準決勝の第1セット。
4-2とリードしたカタリナ・スレボトニク(スロベニア)の鋭いサーブが
サイドライン付近で弾んだ。
審判の判定は「イン」。
一気に勝負がつくかと思いきや、相手のスベトラーナ・クズネツォワ(ロシア)は
ビデオでの再判定を求める「チャレンジ」を宣言。
判定は覆り、セカンドサーブでやり直し。
クズネツォワはタイブレークをものにし、第2セットを6-2で奪い、快勝。
テニスでは、チャレンジは1セットに3回と規定。
タイブレークに入ると1回追加。
審判の判定が正しいと、権利を1回ずつ失っていく仕組み。
米ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)にも、
回数を制限したチャレンジ制度がある。
1試合に2回が基本で、2回連続で成功すると、3回目の権利も与えられる。
失敗すれば、タイムアウトの権利を1回失うだけに、
行使する場面の見極めは難しい。
選手の心理面への影響も大きい。
東レ・パンパシの覇者で、今季の全仏や北京五輪で準優勝した
ディナラ・サフィナ(ロシア)は、「審判のミスだとはっきり見えると、
不満やイライラが残る。チャレンジすることで精神的に楽になる」
テニスでは06年の導入当初、相手のリズムを乱すために
行使する可能性を懸念する声もあった。
従来ラケット交換や、抗議を繰り返したりと巧みに心理戦を仕掛ける選手はいた。
制度導入で抗議の時間が減り、選手がプレーに集中できるという効果も指摘。
WTAツアー関係者によると、全体のチャレンジ成功率は30~40%。
選手にとっては、権利をどう有効に行使するかという
戦術的な位置づけも高まっている。
http://mainichi.jp/enta/sports/21century/
ビデオ判定は今、審判の補助的な役割を超えつつある。
選手側が再判定を要求できる競技では、
ゲームの流れを引き寄せる重要な手段にもなる。
今年9月20日、国内では初の導入となった女子テニス協会(WTA)ツアーの
東レ・パンパシフィックオープンで、象徴的な場面があった。
タイブレークとなったシングルス準決勝の第1セット。
4-2とリードしたカタリナ・スレボトニク(スロベニア)の鋭いサーブが
サイドライン付近で弾んだ。
審判の判定は「イン」。
一気に勝負がつくかと思いきや、相手のスベトラーナ・クズネツォワ(ロシア)は
ビデオでの再判定を求める「チャレンジ」を宣言。
判定は覆り、セカンドサーブでやり直し。
クズネツォワはタイブレークをものにし、第2セットを6-2で奪い、快勝。
テニスでは、チャレンジは1セットに3回と規定。
タイブレークに入ると1回追加。
審判の判定が正しいと、権利を1回ずつ失っていく仕組み。
米ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)にも、
回数を制限したチャレンジ制度がある。
1試合に2回が基本で、2回連続で成功すると、3回目の権利も与えられる。
失敗すれば、タイムアウトの権利を1回失うだけに、
行使する場面の見極めは難しい。
選手の心理面への影響も大きい。
東レ・パンパシの覇者で、今季の全仏や北京五輪で準優勝した
ディナラ・サフィナ(ロシア)は、「審判のミスだとはっきり見えると、
不満やイライラが残る。チャレンジすることで精神的に楽になる」
テニスでは06年の導入当初、相手のリズムを乱すために
行使する可能性を懸念する声もあった。
従来ラケット交換や、抗議を繰り返したりと巧みに心理戦を仕掛ける選手はいた。
制度導入で抗議の時間が減り、選手がプレーに集中できるという効果も指摘。
WTAツアー関係者によると、全体のチャレンジ成功率は30~40%。
選手にとっては、権利をどう有効に行使するかという
戦術的な位置づけも高まっている。
http://mainichi.jp/enta/sports/21century/
手を温めるとやさしく親切に行動 米大学実験
(朝日 2008年10月27日)
飲み物や温湿布で手が温まった人は、
他人への評価や行動がやさしく親切になる。
米コロラド大とエール大のグループが、米科学誌サイエンスに発表。
消費行動に関する調査という偽の目的で、エール大生41人を集めた。
実験会場までのエレベーターに乗っている間、偶然を装い、
コーヒー入りのカップを持たせた。
その後、面識のないある人物に関する印象を評価させると、
ホットコーヒーを持っていた人の方がアイスコーヒーを持っていた人より、
「寛大」、「社交的」、「思いやり」などの得点が高かった。
同様に一般の人53人に、商品テストと称して、温湿布と冷湿布を使わせた。
その後、実験参加のお礼として、友人への商品券か自分用に
プレゼントをもらうかを選ばせたところ、
温湿布を使った人は54%が友人用を選んだが、冷湿布組は25%。
グループは、本人が無意識のうちに、
物理的な温かさが人間関係の温かさに結びつくとしている。
http://www.asahi.com/science/update/1027/TKY200810270066.html
飲み物や温湿布で手が温まった人は、
他人への評価や行動がやさしく親切になる。
米コロラド大とエール大のグループが、米科学誌サイエンスに発表。
消費行動に関する調査という偽の目的で、エール大生41人を集めた。
実験会場までのエレベーターに乗っている間、偶然を装い、
コーヒー入りのカップを持たせた。
その後、面識のないある人物に関する印象を評価させると、
ホットコーヒーを持っていた人の方がアイスコーヒーを持っていた人より、
「寛大」、「社交的」、「思いやり」などの得点が高かった。
同様に一般の人53人に、商品テストと称して、温湿布と冷湿布を使わせた。
その後、実験参加のお礼として、友人への商品券か自分用に
プレゼントをもらうかを選ばせたところ、
温湿布を使った人は54%が友人用を選んだが、冷湿布組は25%。
グループは、本人が無意識のうちに、
物理的な温かさが人間関係の温かさに結びつくとしている。
http://www.asahi.com/science/update/1027/TKY200810270066.html
ローマ法王庁科学アカデミー会員に選ばれた国立遺伝学研究所教授の五條堀孝)さん
(共同通信社 2008年10月27日)
約400年の歴史があるローマ法王庁科学アカデミー会員に選ばれた。
選出の手紙を受け取り、「クリスチャンでもないし、
最初は何かの間違いじゃないかと思ったほどびっくりした」。
バチカンで31日から開かれるシンポジウム
「宇宙と生命の進化」で会員就任のあいさつをする。
ガリレオ・ガリレイが最初の会員という、世界最古の学術団体。
会員は現在94人で、うち約30人がノーベル賞受賞者。
日本人は、野依良治理化学研究所理事長だけ。
専門は、進化生物学。
生物のゲノム(全遺伝情報)解読が急速に進み、
「解読が終わった生物は、ヒトから細菌まで約600種。
2年後には30倍になる見通しで、研究の"宝の山"がきた」。
膨大なデータを基に、生物進化の速度や系統樹などをいち早く示してきた。
「エイズウイルスの遺伝子変化が、ヒトより100万倍速いことを
1985年に初めて見つけた。ゲノムの視点で、進化を研究してきたことがよかった。
最近突き止めたのは、ヒトの脳の遺伝子は約半分が7、8億年前から続く
原始的動物の脳にもあることです」
ガリレオは、地動説を唱えて宗教裁判に付されアカデミーを追われた。
進化論も、キリスト教右派が異を唱えるなどしているが、
今回の選出は、進化論も科学として認めようとする
最近のローマ法王庁の柔軟な姿勢がうかがえる。
「進化学者の会員は、多分私が初めてではないか。大変な栄誉です」
海外出張で多忙だが、第一線の研究にこだわる。福岡県出身。57歳。
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=82053
約400年の歴史があるローマ法王庁科学アカデミー会員に選ばれた。
選出の手紙を受け取り、「クリスチャンでもないし、
最初は何かの間違いじゃないかと思ったほどびっくりした」。
バチカンで31日から開かれるシンポジウム
「宇宙と生命の進化」で会員就任のあいさつをする。
ガリレオ・ガリレイが最初の会員という、世界最古の学術団体。
会員は現在94人で、うち約30人がノーベル賞受賞者。
日本人は、野依良治理化学研究所理事長だけ。
専門は、進化生物学。
生物のゲノム(全遺伝情報)解読が急速に進み、
「解読が終わった生物は、ヒトから細菌まで約600種。
2年後には30倍になる見通しで、研究の"宝の山"がきた」。
膨大なデータを基に、生物進化の速度や系統樹などをいち早く示してきた。
「エイズウイルスの遺伝子変化が、ヒトより100万倍速いことを
1985年に初めて見つけた。ゲノムの視点で、進化を研究してきたことがよかった。
最近突き止めたのは、ヒトの脳の遺伝子は約半分が7、8億年前から続く
原始的動物の脳にもあることです」
ガリレオは、地動説を唱えて宗教裁判に付されアカデミーを追われた。
進化論も、キリスト教右派が異を唱えるなどしているが、
今回の選出は、進化論も科学として認めようとする
最近のローマ法王庁の柔軟な姿勢がうかがえる。
「進化学者の会員は、多分私が初めてではないか。大変な栄誉です」
海外出張で多忙だが、第一線の研究にこだわる。福岡県出身。57歳。
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=82053
2008年10月28日火曜日
失われた視覚機能を補う脳の回復メカニズムを解明
(生理学研究所 10月15日)
自然科学研究機構生理学研究所の伊佐正教授と吉田正俊助教は、
脳の一部が損傷を受けて目が見えなくなっても、見えているという
「盲視」現象が起こるのは、普段とは違う脳の仕組みが働くため。
これは、サルに数ヵ月間のトレーニングやリハビリテーションを行わせる
研究から、眼球運動などを回復させられることを明らかにしたもので、
脳の損傷で目が見えなくなった患者のリハビリテーションと、
その機能回復の効果判定に役立つ成果。
本研究グループは、脳の「視覚野」と呼ばれる部分に注目。
視覚野が損傷を受けたサルは一時的に目が見えなくなりますが、
トレーニングやリハビリテーションによって、見えないながらも
目の動きなど視覚機能は数ヵ月かけて回復することが判明。
その間、不十分な視覚情報をもとに何とか目を動くようにするために、
普段とは違う脳の仕組みを使い、目の運動をコントロールする仕方を変えている。
それによって、目を動かしはじめるタイミングは早くなり、
目の動きの微調整はできなくなっていた。
障害を受けた視覚野を、“バイバス”して中脳からの情報を頼りに
目を動かすことができるようになっている。
脳は、傷ついてもその機能をなんとか補おうと、普段は使われていない
別の仕組みを動員して問題を解決していることが明らかに。
ヒトの脳の大脳皮質の障害による視覚欠損でも、
トレーニングやリハビリテーションによって、機能は回復させる。
本研究は、視覚障害患者のリハビリテーションやQOL向上において、
(1)視野計では見逃されるような、「見える」とは意識できないながらも
視覚機能が回復するということが起こりうること、
(2)一部機能回復が数ヵ月のトレーニングによって起こりうること――を示す。
これまで「視覚欠損」と診断され諦めていた患者も、
トレーニングによっては視覚機能を回復させることができるかもしれない。
意識にはのぼらない視覚機能を評価し役立てることが、
新しいリハビリテーションの方策と効果判定に役立つ。
米国科学雑誌「The Journal of Neuroscience」に掲載
http://www.nips.ac.jp/news/2008/20081015/
自然科学研究機構生理学研究所の伊佐正教授と吉田正俊助教は、
脳の一部が損傷を受けて目が見えなくなっても、見えているという
「盲視」現象が起こるのは、普段とは違う脳の仕組みが働くため。
これは、サルに数ヵ月間のトレーニングやリハビリテーションを行わせる
研究から、眼球運動などを回復させられることを明らかにしたもので、
脳の損傷で目が見えなくなった患者のリハビリテーションと、
その機能回復の効果判定に役立つ成果。
本研究グループは、脳の「視覚野」と呼ばれる部分に注目。
視覚野が損傷を受けたサルは一時的に目が見えなくなりますが、
トレーニングやリハビリテーションによって、見えないながらも
目の動きなど視覚機能は数ヵ月かけて回復することが判明。
その間、不十分な視覚情報をもとに何とか目を動くようにするために、
普段とは違う脳の仕組みを使い、目の運動をコントロールする仕方を変えている。
それによって、目を動かしはじめるタイミングは早くなり、
目の動きの微調整はできなくなっていた。
障害を受けた視覚野を、“バイバス”して中脳からの情報を頼りに
目を動かすことができるようになっている。
脳は、傷ついてもその機能をなんとか補おうと、普段は使われていない
別の仕組みを動員して問題を解決していることが明らかに。
ヒトの脳の大脳皮質の障害による視覚欠損でも、
トレーニングやリハビリテーションによって、機能は回復させる。
本研究は、視覚障害患者のリハビリテーションやQOL向上において、
(1)視野計では見逃されるような、「見える」とは意識できないながらも
視覚機能が回復するということが起こりうること、
(2)一部機能回復が数ヵ月のトレーニングによって起こりうること――を示す。
これまで「視覚欠損」と診断され諦めていた患者も、
トレーニングによっては視覚機能を回復させることができるかもしれない。
意識にはのぼらない視覚機能を評価し役立てることが、
新しいリハビリテーションの方策と効果判定に役立つ。
米国科学雑誌「The Journal of Neuroscience」に掲載
http://www.nips.ac.jp/news/2008/20081015/
心臓マッサージに最適の曲は? ビージーズのディスコ懐メロ
(CNN 10月17日)
英人気グループ、ビージーズのヒット曲「ステイン・アライブ」が、
心臓蘇生法(CPR)における心臓マッサージを行う際に
最適なリズムだとする研究結果を、米イリノイ大学医学部の研究者が発表。
米心臓協会(AHA)は約2年前から、CPRの訓練にこの曲を使っている。
1977年のヒット映画「サタデー・ナイト・フィーバー」で使われた
「ステイン・アライブ」のリズムは、1分間に103拍。
AHAは心臓マッサージのリズムを、1分間に約100拍が最適。
実際にマッサージする人は、自分のリズムが適切かどうか不安になり、
1分間の回数が少なくなりがち。
イリノイ大学のデイビッド・マットロック博士は、学生や医師15人を対象に、
実験を実施。携帯音楽プレーヤーで「ステイン・アライブ」を聴きながら、
そのリズムに合わせてマネキンにCPRを実施する。
5週間後、音楽は聴かないが「ステイン・アライブ」のリズムを思い出しながら、
心臓マッサージを実施してもらった。
その結果、音楽を聴きながらの場合は1分間に平均109拍で、
5週間後の音楽を思い出しながらの実施では平均113拍でマッサージできた。
マットロック博士は、心臓蘇生のためには、1分間で100拍を下回るよりも、
より多い回数の方が効果が高いと指摘。
「ステイン・アライブ」が有効だと主張。
AHAの広報担当で、ペンシルベニア大学のビナイ・ナドカルニ博士も、
この曲の効果を実感しているひとり。
授業で心臓マッサージのリズムを取れない学生が、
「ステイン・アライブ」を聴きながら練習したところ、すぐに適切なリズムを修得。
イリノイ大学での実験に参加した医師マシュー・ギルバートさん(28)も、
実際のCPRで「ステイン・アライブ」が役立った。
「リズム感がないと言われて心配していた」うえに、
ディスコ音楽をあまり知らなかったが、
この曲のリズムで止まった心臓を蘇生させた。
ギルバートさんは、「クイーンの『Another One Bites the Dust』も、
心臓マッサージに有効なリズムだという噂を聞いたが、
(歌詞的に)あまり適切じゃないかな」
http://www.cnn.co.jp/science/CNN200810170032.html
英人気グループ、ビージーズのヒット曲「ステイン・アライブ」が、
心臓蘇生法(CPR)における心臓マッサージを行う際に
最適なリズムだとする研究結果を、米イリノイ大学医学部の研究者が発表。
米心臓協会(AHA)は約2年前から、CPRの訓練にこの曲を使っている。
1977年のヒット映画「サタデー・ナイト・フィーバー」で使われた
「ステイン・アライブ」のリズムは、1分間に103拍。
AHAは心臓マッサージのリズムを、1分間に約100拍が最適。
実際にマッサージする人は、自分のリズムが適切かどうか不安になり、
1分間の回数が少なくなりがち。
イリノイ大学のデイビッド・マットロック博士は、学生や医師15人を対象に、
実験を実施。携帯音楽プレーヤーで「ステイン・アライブ」を聴きながら、
そのリズムに合わせてマネキンにCPRを実施する。
5週間後、音楽は聴かないが「ステイン・アライブ」のリズムを思い出しながら、
心臓マッサージを実施してもらった。
その結果、音楽を聴きながらの場合は1分間に平均109拍で、
5週間後の音楽を思い出しながらの実施では平均113拍でマッサージできた。
マットロック博士は、心臓蘇生のためには、1分間で100拍を下回るよりも、
より多い回数の方が効果が高いと指摘。
「ステイン・アライブ」が有効だと主張。
AHAの広報担当で、ペンシルベニア大学のビナイ・ナドカルニ博士も、
この曲の効果を実感しているひとり。
授業で心臓マッサージのリズムを取れない学生が、
「ステイン・アライブ」を聴きながら練習したところ、すぐに適切なリズムを修得。
イリノイ大学での実験に参加した医師マシュー・ギルバートさん(28)も、
実際のCPRで「ステイン・アライブ」が役立った。
「リズム感がないと言われて心配していた」うえに、
ディスコ音楽をあまり知らなかったが、
この曲のリズムで止まった心臓を蘇生させた。
ギルバートさんは、「クイーンの『Another One Bites the Dust』も、
心臓マッサージに有効なリズムだという噂を聞いたが、
(歌詞的に)あまり適切じゃないかな」
http://www.cnn.co.jp/science/CNN200810170032.html
脳「化粧した私は他人」 茂木さんとカネボウ研究
(朝日 2008年10月17日)
女性が化粧した自分の顔を見たとき、
脳内では他人の顔を見たときと同様の反応が起きている。
カネボウ化粧品は、脳科学者の茂木健一郎さんらとの共同研究から、
こんな分析結果を発表。
「商品づくりにすぐには結びつかない」(カネボウ化粧品)が、
「化粧が人間の脳の働きに、どんな影響を与えているか、さらに調べる」
同社の基盤技術研究所と茂木さんら脳科学者は、
昨年7月から共同研究を開始。
20~30代の女性17人を対象に、自分と他人の素顔と化粧した顔、
計4種類の写真を見せて、大型診断装置で脳内のどこが反応しているかを観察。
その結果、自分の化粧した顔を見たときと他人の顔を見たときで、
脳内での反応場所が同じだと分かった。
茂木さんは、「女性は化粧した自分の顔を、自分の顔だとわかりながら
他人のように客観化して見ている。
つまり、女性は他人に見られることを前提に自らを構築している」
http://www.asahi.com/science/update/1016/TKY200810160302.html
女性が化粧した自分の顔を見たとき、
脳内では他人の顔を見たときと同様の反応が起きている。
カネボウ化粧品は、脳科学者の茂木健一郎さんらとの共同研究から、
こんな分析結果を発表。
「商品づくりにすぐには結びつかない」(カネボウ化粧品)が、
「化粧が人間の脳の働きに、どんな影響を与えているか、さらに調べる」
同社の基盤技術研究所と茂木さんら脳科学者は、
昨年7月から共同研究を開始。
20~30代の女性17人を対象に、自分と他人の素顔と化粧した顔、
計4種類の写真を見せて、大型診断装置で脳内のどこが反応しているかを観察。
その結果、自分の化粧した顔を見たときと他人の顔を見たときで、
脳内での反応場所が同じだと分かった。
茂木さんは、「女性は化粧した自分の顔を、自分の顔だとわかりながら
他人のように客観化して見ている。
つまり、女性は他人に見られることを前提に自らを構築している」
http://www.asahi.com/science/update/1016/TKY200810160302.html
2008年10月27日月曜日
考える力(2)五感使いアサガオ表現
(読売 10月22日)
表現力を高めることで、思考力を養う取り組みがある。
アサガオのプランターが6年2組の教壇に載せられた。
「夏のアサガオと、どこが違うかな。感じたことを自由に書いて」と
担任の水野敦司教諭(45)。
「言葉のスケッチ」のテーマは、「夏の終わり」。
浜松市立中ノ町小学校が、朝8時から毎日全校で行っている「さわやかタイム」。
読解力を高める活動にあてているが、中でも、言葉のイメージを膨らませて
短い文章で表す「スケッチ」を重視する。
子供たちはアサガオを見つめると、まもなく鉛筆を走らせ始めた。
5分後、考えた言葉の発表が始まった。
「黄色い」、「枯れている」と見た目の印象から始まり、
「元気がない」と擬人化したり、「寂しさを感じる」と
自分の感情に置き換えたりした言葉が、自然に出始めた。
種に注目した子は、「新しい世代へのバトンパスのように感じます」。
水野教諭は、「アサガオ一つでも、色々な表現がある。
次回はアサガオに限らず、みんなが夏の終わりを感じたことを書いてみよう」
こうした活動がもう20年近く続く。
小野間正巳校長(55)は、「子供の五感を通じて言葉を引き出し、
言葉同士の連想から、1本の糸を作り上げるように文章を紡ぐ作業。
そのうち、感覚を働かせながら考えることが習慣になる」、
「中ノ町の子供は、低学年から文章で書ける力があり、学力の基礎になる。
高学年は、抽象的なテーマも苦にしない。
自分の考えを論理的に話せる子が多い」と自信を見せる。
中国山地にある広島県安芸高田市立刈田小学校は、全校児童53人。
4年の担任、荒田優子教諭(40)は算数で、
思考力や表現力を磨く授業に取り組む。
子供たちに、L字形の図形の面積を求める問題を出した。
「こんな線を引き、式を書いた子がいます。誰か説明できる?」。
発表させたのは、線を書いた子とは別だ。
「ここの長方形と正方形の面積を足したのだと思います」、
「今の発表はいい?理由は?」。
結果が正しいだけでなく、理由を言えた子を「今の説明は上手だね」とほめる。
荒田教諭は、問題を自分で解く、みんなで解く、
発表を評価する時間を、意識した授業を心がける。
「他の子供の解答を読み取らせ、説明したり評価したりすることが、
理解や判断力につながる」
授業改革から4年。
算数で理由をしっかり考える子、人の発表を集中して聞ける子が増えた。
授業中、わからない子にわかる子が、「どうしてわからないのか」を
考えながら教える姿も定着してきた。
「算数には式、図、表、文章など、多くの表現手段がある。
他の子の表現方法を学び、違うように見える式や図が同じ意味を持つことを
理解することが、算数への理解を深める」と荒田教諭。
表現力は、国語の専売特許ではない。
教科の特性を生かした工夫で、考える力と一緒に伸ばすことができる。
◆変わる学力観
新学習指導要領では、小中学校とも総則の中で、言葉の習得や計算など、
基礎的な知識や技能を確実に習得した上で、
その知識や技能を子供が自力で生活の場面に活用するための
思考力・判断力・表現力の育成を提唱。
主体的に学習する態度を養うことも求めた。
こうした力を育てる言語活動や体験活動を重視。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20081022-OYT8T00154.htm
表現力を高めることで、思考力を養う取り組みがある。
アサガオのプランターが6年2組の教壇に載せられた。
「夏のアサガオと、どこが違うかな。感じたことを自由に書いて」と
担任の水野敦司教諭(45)。
「言葉のスケッチ」のテーマは、「夏の終わり」。
浜松市立中ノ町小学校が、朝8時から毎日全校で行っている「さわやかタイム」。
読解力を高める活動にあてているが、中でも、言葉のイメージを膨らませて
短い文章で表す「スケッチ」を重視する。
子供たちはアサガオを見つめると、まもなく鉛筆を走らせ始めた。
5分後、考えた言葉の発表が始まった。
「黄色い」、「枯れている」と見た目の印象から始まり、
「元気がない」と擬人化したり、「寂しさを感じる」と
自分の感情に置き換えたりした言葉が、自然に出始めた。
種に注目した子は、「新しい世代へのバトンパスのように感じます」。
水野教諭は、「アサガオ一つでも、色々な表現がある。
次回はアサガオに限らず、みんなが夏の終わりを感じたことを書いてみよう」
こうした活動がもう20年近く続く。
小野間正巳校長(55)は、「子供の五感を通じて言葉を引き出し、
言葉同士の連想から、1本の糸を作り上げるように文章を紡ぐ作業。
そのうち、感覚を働かせながら考えることが習慣になる」、
「中ノ町の子供は、低学年から文章で書ける力があり、学力の基礎になる。
高学年は、抽象的なテーマも苦にしない。
自分の考えを論理的に話せる子が多い」と自信を見せる。
中国山地にある広島県安芸高田市立刈田小学校は、全校児童53人。
4年の担任、荒田優子教諭(40)は算数で、
思考力や表現力を磨く授業に取り組む。
子供たちに、L字形の図形の面積を求める問題を出した。
「こんな線を引き、式を書いた子がいます。誰か説明できる?」。
発表させたのは、線を書いた子とは別だ。
「ここの長方形と正方形の面積を足したのだと思います」、
「今の発表はいい?理由は?」。
結果が正しいだけでなく、理由を言えた子を「今の説明は上手だね」とほめる。
荒田教諭は、問題を自分で解く、みんなで解く、
発表を評価する時間を、意識した授業を心がける。
「他の子供の解答を読み取らせ、説明したり評価したりすることが、
理解や判断力につながる」
授業改革から4年。
算数で理由をしっかり考える子、人の発表を集中して聞ける子が増えた。
授業中、わからない子にわかる子が、「どうしてわからないのか」を
考えながら教える姿も定着してきた。
「算数には式、図、表、文章など、多くの表現手段がある。
他の子の表現方法を学び、違うように見える式や図が同じ意味を持つことを
理解することが、算数への理解を深める」と荒田教諭。
表現力は、国語の専売特許ではない。
教科の特性を生かした工夫で、考える力と一緒に伸ばすことができる。
◆変わる学力観
新学習指導要領では、小中学校とも総則の中で、言葉の習得や計算など、
基礎的な知識や技能を確実に習得した上で、
その知識や技能を子供が自力で生活の場面に活用するための
思考力・判断力・表現力の育成を提唱。
主体的に学習する態度を養うことも求めた。
こうした力を育てる言語活動や体験活動を重視。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20081022-OYT8T00154.htm
山積み丸太、住民不安 大船渡港に約13万本
(岩手日報 10月21日)
大船渡市の大船渡港で、埠頭に積まれている約13万本の輸入丸太材。
近い将来、宮城県沖地震の発生が指摘される中、
市民から対策を求める声が上がっている。
津波によって流れ出た丸太が家屋を直撃するなど、
被害が拡大する可能性があるからだ。
港を管理する県は、港湾活用と防災対策の両面で板挟みの状態。
固定した場合の費用負担など課題もある中、
丸太を所有する輸入木材業者も対策の検討に乗り出したが、
「1社だけでは対応できない…」と困惑。
大船渡港の茶屋前埠頭には、ロシアや米国などから貨物船で運ばれた
丸太材がうずたかく積まれている。
通常、埠頭に数カ月保管され通関手続きなどを経た後、
市内の木材加工会社などに運ばれる。
今年10月時点で、丸太は約13万本。
マツなどの針葉樹がほとんどで長さ12メートル、
重さ1トン以上の巨大丸太が多い。
防潮堤を超える4、5メートルもの高さで積まれている。
茶屋前埠頭に隣接する地域の自主防災組織隊長を務める
及川千春さん(62)は、「津波だけだと高台に避難すれば命は助かるが、
丸太による被害拡大が怖い」と心配。
こうした住民の声を受けて、市は県に対して数年前から対策を要望。
しかし、大船渡地方振興局土木部の田村荘弥河川港湾課長は、
「丸太がどう流出するかというシミュレーションも難しい。
業者にワイヤなどによる固定を呼び掛けているが、
現状では有効な手だてがない」
一方、木材を輸入する北日本プライウッド大船渡工場の
川村敬喜・総務担当は、「県内での度重なる地震などを受け、
木材の安全管理について社内で検討を始めた」とするが、
「1社だけで対応できない問題でもあり、関係機関と協議したい」と頭を悩ませる。
昭和南海地震の津波(1946年)では、高知県須崎市の61人の犠牲者の
大半が木材による家屋破壊や下敷き。
大船渡市三陸町綾里の津波災害史研究者山下文男さんは、
「これまで何度も問題視されながら手つかずのままだ。
責任を押し付け合うことなく、関係者できちんとした対策を講じるべきだ」
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20081021_14
大船渡市の大船渡港で、埠頭に積まれている約13万本の輸入丸太材。
近い将来、宮城県沖地震の発生が指摘される中、
市民から対策を求める声が上がっている。
津波によって流れ出た丸太が家屋を直撃するなど、
被害が拡大する可能性があるからだ。
港を管理する県は、港湾活用と防災対策の両面で板挟みの状態。
固定した場合の費用負担など課題もある中、
丸太を所有する輸入木材業者も対策の検討に乗り出したが、
「1社だけでは対応できない…」と困惑。
大船渡港の茶屋前埠頭には、ロシアや米国などから貨物船で運ばれた
丸太材がうずたかく積まれている。
通常、埠頭に数カ月保管され通関手続きなどを経た後、
市内の木材加工会社などに運ばれる。
今年10月時点で、丸太は約13万本。
マツなどの針葉樹がほとんどで長さ12メートル、
重さ1トン以上の巨大丸太が多い。
防潮堤を超える4、5メートルもの高さで積まれている。
茶屋前埠頭に隣接する地域の自主防災組織隊長を務める
及川千春さん(62)は、「津波だけだと高台に避難すれば命は助かるが、
丸太による被害拡大が怖い」と心配。
こうした住民の声を受けて、市は県に対して数年前から対策を要望。
しかし、大船渡地方振興局土木部の田村荘弥河川港湾課長は、
「丸太がどう流出するかというシミュレーションも難しい。
業者にワイヤなどによる固定を呼び掛けているが、
現状では有効な手だてがない」
一方、木材を輸入する北日本プライウッド大船渡工場の
川村敬喜・総務担当は、「県内での度重なる地震などを受け、
木材の安全管理について社内で検討を始めた」とするが、
「1社だけで対応できない問題でもあり、関係機関と協議したい」と頭を悩ませる。
昭和南海地震の津波(1946年)では、高知県須崎市の61人の犠牲者の
大半が木材による家屋破壊や下敷き。
大船渡市三陸町綾里の津波災害史研究者山下文男さんは、
「これまで何度も問題視されながら手つかずのままだ。
責任を押し付け合うことなく、関係者できちんとした対策を講じるべきだ」
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20081021_14
CO2削減:水の抵抗減らし、船も 気泡で10%省エネ、戦艦大和型も効果
(毎日 10月19日)
国際航路を航行する船舶から排出される二酸化炭素(CO)が
急増し、その削減が急務に。
海流予報の活用や再生可能エネルギーの導入など、
燃料費の節約も狙う一石二鳥の対策に、海運業界や研究機関が取り組む。
決め手は、空気の800倍という水中の摩擦抵抗をいかに減らすか、という点。
日本郵船は、工場のプラントなどを運ぶ総トン数1万4600トンの
重量物運搬船に、商船では世界初となる船底に、「空気」を送り込む装置を搭載。
10年に完成予定。
「空気で船底にバブル(気泡)を発生させ、海水との摩擦抵抗を減らし、燃料を節約」。
同社の田中康夫技術グループ長は、“新兵器”の効果を説明。
送り込まれた空気は、気泡となり浮力を生じ、船底の壁に張り付く。
船底が気泡で覆われると、気泡は水より摩擦抵抗が少なく、
航行中の船への抵抗も減る。
大型船は、船底の面積が大きいため、
船底に多くの気泡が張り付くことになり、効果が大きい。
「気泡効果」は、80年代から研究されている。
国内でも、海上技術安全研究所が01年から練習船で実証試験を続けていた。
直径0・5~1ミリの微小な「マイクロバブル」を用いていたが、
その後、「マイクロ」でなくても、もっと大きい普通の「バブル」でも十分、
摩擦抵抗が減って効果があることが分かってきた。
日本郵船によると、この手法で航行中の摩擦抵抗は約20%減る。
しかし、空気を送り込むためにエネルギーを使うため、
差し引きで10%の省エネ。
効果が出るのは、船底のみ。
水と接する船体の側面では、気泡が海面に浮かんでしまい張り付かない。
海面の下になる部分が深い船では、空気の送り込みに使うエネルギーも大きく、
現在は一部の船でしか省エネ効果は生まれない。
「将来的には、多くの船に搭載してCO2を減らしたい」
◇30年で効率2倍に
池田良穂・大阪府立大大学院教授(船舶工学)によると、
航行中の船体に働く抵抗は、水の摩擦抵抗が大部分を占める。
船を進めるはずのエネルギーが波を造ることに費やされてしまう「造波抵抗」、
船舶の背後に渦ができることで、抵抗が増す「粘性圧力抵抗」がある。
造波抵抗は、高速になると急激に増加し、高速化を妨げるやっかいなもの。
これを減らすには、波を可能な限り立てなければいい。
そのため、早くから取り入れられてきたのが、船首の船底部分に
丸く突き出た形のバルバスバウ(球状船首)。
バルバスバウが作り出す波が、それ以外の船首による波と干渉し合い、
結果的に船全体が造る波を抑える仕組みに。
池田教授によると、バルバスバウの研究は日本がリードしてきており、
古くは1941年に完成した戦艦大和に装備され、約8%の省エネ効果。
省エネ研究の積み重ねにより、過去30年間で日本の
船舶のエネルギー効率は約2倍に向上。
池田教授は、「できるだけ抵抗を減らすように、船の形状を
総合的に見直すなどの努力を続ければ、あと20~30%は効率を改善できる」
◇海流予測も駆使
海洋研究開発機構(JAMSTEC)の研究者らが、研究成果の社会還元を目的に
設立した「海流予測情報利用有限責任事業組合」は、
従来よりも大幅に精度を上げた海流の予測情報を提供。
約18キロ四方ごとの海流の変化を、スーパーコンピューターで予報。
海運会社が提供された情報を活用し、黒潮など流れが強い海流に
うまく乗ることができれば、航行の時間短縮や燃料節約を狙える。
日本郵船が、「波乗り効果」を黒潮海域で検証したところ、
従来より最大で約9%のCO2削減に。
新日本石油は同社と共同で、船舶に搭載する太陽光発電システムを開発、
船内の照明やエンジン制御などに用いる方針。
水素を用いる燃料電池の活用も検討。
日本の海洋技術安全研究所などの国際研究チームは、
07年に船舶から排出された温室効果ガスが、
CO2換算で約8億4300万トンに上ると試算。
世界全体のCO2排出量の約3%に相当、
20年までに10~30%増加すると予想。
京都議定書後の13年以降の国際的な温暖化対策では、
船舶のCO2削減も重要な課題になりそう。
◇10%減速で燃料3割節約
船の燃料は、主に重油。
照明、空調など船内の電力供給用発電機も重油を使うことが多い。
運航に伴う重油の燃焼で、窒素酸化物(NOx)、硫黄酸化物(SOx)のほか、
温室効果ガスのCO2も排出。
船舶におけるCO2削減は、燃費の改善が一般的。
船体やプロペラに付着する海藻や貝殻などを取り除き、摩擦抵抗を減らす、
▽速度を遅くする(速度10%減で燃料3割減)、
▽風向、風力、波浪のモニタリングデータを活用し、速度を一定にする、
▽プロペラやエンジンの改良、
▽燃料に添加剤を投入して燃焼効率を上げる--などの手法。
http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2008/10/19/20081019ddm016040026000c.html
国際航路を航行する船舶から排出される二酸化炭素(CO)が
急増し、その削減が急務に。
海流予報の活用や再生可能エネルギーの導入など、
燃料費の節約も狙う一石二鳥の対策に、海運業界や研究機関が取り組む。
決め手は、空気の800倍という水中の摩擦抵抗をいかに減らすか、という点。
日本郵船は、工場のプラントなどを運ぶ総トン数1万4600トンの
重量物運搬船に、商船では世界初となる船底に、「空気」を送り込む装置を搭載。
10年に完成予定。
「空気で船底にバブル(気泡)を発生させ、海水との摩擦抵抗を減らし、燃料を節約」。
同社の田中康夫技術グループ長は、“新兵器”の効果を説明。
送り込まれた空気は、気泡となり浮力を生じ、船底の壁に張り付く。
船底が気泡で覆われると、気泡は水より摩擦抵抗が少なく、
航行中の船への抵抗も減る。
大型船は、船底の面積が大きいため、
船底に多くの気泡が張り付くことになり、効果が大きい。
「気泡効果」は、80年代から研究されている。
国内でも、海上技術安全研究所が01年から練習船で実証試験を続けていた。
直径0・5~1ミリの微小な「マイクロバブル」を用いていたが、
その後、「マイクロ」でなくても、もっと大きい普通の「バブル」でも十分、
摩擦抵抗が減って効果があることが分かってきた。
日本郵船によると、この手法で航行中の摩擦抵抗は約20%減る。
しかし、空気を送り込むためにエネルギーを使うため、
差し引きで10%の省エネ。
効果が出るのは、船底のみ。
水と接する船体の側面では、気泡が海面に浮かんでしまい張り付かない。
海面の下になる部分が深い船では、空気の送り込みに使うエネルギーも大きく、
現在は一部の船でしか省エネ効果は生まれない。
「将来的には、多くの船に搭載してCO2を減らしたい」
◇30年で効率2倍に
池田良穂・大阪府立大大学院教授(船舶工学)によると、
航行中の船体に働く抵抗は、水の摩擦抵抗が大部分を占める。
船を進めるはずのエネルギーが波を造ることに費やされてしまう「造波抵抗」、
船舶の背後に渦ができることで、抵抗が増す「粘性圧力抵抗」がある。
造波抵抗は、高速になると急激に増加し、高速化を妨げるやっかいなもの。
これを減らすには、波を可能な限り立てなければいい。
そのため、早くから取り入れられてきたのが、船首の船底部分に
丸く突き出た形のバルバスバウ(球状船首)。
バルバスバウが作り出す波が、それ以外の船首による波と干渉し合い、
結果的に船全体が造る波を抑える仕組みに。
池田教授によると、バルバスバウの研究は日本がリードしてきており、
古くは1941年に完成した戦艦大和に装備され、約8%の省エネ効果。
省エネ研究の積み重ねにより、過去30年間で日本の
船舶のエネルギー効率は約2倍に向上。
池田教授は、「できるだけ抵抗を減らすように、船の形状を
総合的に見直すなどの努力を続ければ、あと20~30%は効率を改善できる」
◇海流予測も駆使
海洋研究開発機構(JAMSTEC)の研究者らが、研究成果の社会還元を目的に
設立した「海流予測情報利用有限責任事業組合」は、
従来よりも大幅に精度を上げた海流の予測情報を提供。
約18キロ四方ごとの海流の変化を、スーパーコンピューターで予報。
海運会社が提供された情報を活用し、黒潮など流れが強い海流に
うまく乗ることができれば、航行の時間短縮や燃料節約を狙える。
日本郵船が、「波乗り効果」を黒潮海域で検証したところ、
従来より最大で約9%のCO2削減に。
新日本石油は同社と共同で、船舶に搭載する太陽光発電システムを開発、
船内の照明やエンジン制御などに用いる方針。
水素を用いる燃料電池の活用も検討。
日本の海洋技術安全研究所などの国際研究チームは、
07年に船舶から排出された温室効果ガスが、
CO2換算で約8億4300万トンに上ると試算。
世界全体のCO2排出量の約3%に相当、
20年までに10~30%増加すると予想。
京都議定書後の13年以降の国際的な温暖化対策では、
船舶のCO2削減も重要な課題になりそう。
◇10%減速で燃料3割節約
船の燃料は、主に重油。
照明、空調など船内の電力供給用発電機も重油を使うことが多い。
運航に伴う重油の燃焼で、窒素酸化物(NOx)、硫黄酸化物(SOx)のほか、
温室効果ガスのCO2も排出。
船舶におけるCO2削減は、燃費の改善が一般的。
船体やプロペラに付着する海藻や貝殻などを取り除き、摩擦抵抗を減らす、
▽速度を遅くする(速度10%減で燃料3割減)、
▽風向、風力、波浪のモニタリングデータを活用し、速度を一定にする、
▽プロペラやエンジンの改良、
▽燃料に添加剤を投入して燃焼効率を上げる--などの手法。
http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2008/10/19/20081019ddm016040026000c.html
2008年10月25日土曜日
考える力(1)読解力の育成へ 討論や発表重視
(読売 10月21日)
読解力育成を全校共通の目標にした学校に、変化が生まれた。
6年生に最初に見せたのは、昔の東京を描いた2枚の絵。
松山市の住宅地にある市立北久米小学校の森田幸恵教諭(52)による
社会科の授業は、「明治維新」を迎えた。
「どこが違うかな?」
「和服が洋服になっている」、「刀を持った人がいない」、「馬車や乗り物がある」
やがて、描かれた年が記されていることに気づいた子が、「20年しか差がない」。
他の子からも驚きの声が上がる。
「明治維新について知りたいことをまとめよう」という指示で、
4~5人の班ごとに「服装が変わったのはなぜか」、
「なぜ急な変化が起きたのか」などとテーマを決めた。
子供たちは教科書や資料集から、「西南戦争」、「大久保利通」、「廃藩置県」
といった、テーマと関係しそうな言葉を拾い出し、
付せんに書いて模造紙に張っていく。
歴史上の事件や人物、政策など、拾い出した言葉の共通点を見つけて
付せんを並べ替え、さらに関連性を探していく。
森田教諭は、「ここの班は、明治で世の中が変わった理由を文章でまとめているよ」
と、好例を引き合いに出して、討論や作業を活性化させた。
北久米小は、2005年から3年間、国の学力向上拠点形成事業の指定を受け、
中学校と連携した系統的な読解力の向上指導に取り組んだ。
経済協力開発機構(OECD)の国際学習到達度調査(PISA)で、
日本の子供の読解力低下が指摘された翌年から。
授業改革の中心になった森田教諭らは、
子供自身が学習課題を見つけて解決をめざす授業作り、
グループによる話し合いや、書くこと、発表することを重視した授業作りを、
学校全体の目標にした。
班に分けても、一部の子供だけが発言するなど、狙い通りにいかない面も。
考える習慣をつけるには、性急に教師の解答を求めがちな
子供に教えすぎないこともポイントだが、加減が難しい。
森田教諭は、「授業で意見が出ない時や、学習の狙いと違う方向に
話が進みそうになった時、子供に『なぜそう思うの』、『こういう考えはどう』などと
上手に質問し、修正する技術が必要。
教科の専門知識を基にした教師の指導力が問われる」
3年の担任、三好京子教諭(46)は、
算数で割り算の余りに関する問題を出した。
「31人の子供が4人1組でゲームをします。
みんながゲームをするには何組が必要?」
子供たちは班ごとに話し合い、ホワイトボードに書いて発表。
「8組だと思います」という発表に、三好教諭は「理由は?」、
「疑問に思う人はいない?」と質問を重ねていく。
「7組だと思っている子もいるよ。君だったら、どうやって説明する?」。
困っている子供には、「図を書いた子もいるよ」と助言する。
子供は、「4人1組」と「みんながゲームをする」という
二つのルールの間で揺れ動く。
「7組で3人が遊べなくなるのは、かわいそう」という意見から、
「8組作って1度遊んだ人を入れればいい」という結論に至るまでに、
算数の「余り」や「切り上げ」にも様々な意味があることを学んでいく。
「こうした問題を出すと、子供は運動会の時に自分はどうしたかなど、
日常生活を手がかりに解答しようと頭を働かせる」と三好教諭。
取り組みを始めて4年目。
「授業がわかる」、「土日に読書をする」という子の割合が5~10%上がるなど、
成果は少しずつ上がっている。
それ以上に、教師の学力観が大きく変わった。
知識があっても、頭の中で結びつけられない子、
情報の引き出し方はうまいが知識が少ない子、発表や作文が苦手な子など、
「できない子」にも様々なタイプがあるということが、教師たちの共通認識に。
一見、遠回りな学習法は、
「結果的に、子供の個性に合った効率的な指導に役立つ」(森田教諭)
という効果をもたらしている。
◆PISAショックで危機感
OECDによるPISAは15歳が対象で、2000年から3年ごとに実施、
前々回は04年12月に公表。
前回、読解力が8位だった日本は14位に下がり、PISAショックとも呼ばれた。
06年の調査も15位にとどまっている。
この調査が求めるのは、文章や表、グラフなど複数のテキストを組み合わ、
分析して解答を導いたり、自分の行動を決めたり、
意見を表明したりすることも含めた総合的な読解力。
知識や情報を基に、「自分の頭で考える力」が欠かせない。
PISAの結果に危機感を強めた文部科学省は、
05年、読解向上プログラムを策定し、全学年・全教科で
読解力をはぐくむ授業作りを提案。
小中学校の新しい学習指導要領でも、読解力に深くかかわる言語能力を、
国語だけでなく各教科で育成するよう求めている。
同省の田中孝一・主任視学官は、「個々の教師の努力だけではなく、
学校全体で教育力を発揮し、評価される時代。
教師は、国語の授業で理科や社会の話題を出すなど、
他教科との関連に目を配ることも必要」。
【文部科学省が求める読解力】(「読解力向上のための指導事例集」より)
ア テキストを理解・評価しながら読む力を高める
(ア)目的に応じて理解し、解釈する能力
(イ)評価しながら読む能力
(ウ)課題に即応した読む能力
イ テキストに基づいて自分の考えを書く力を高める
(ア)テキストを利用して自分の考えを表現する能力
(イ)日常的・実用的な言語活動に生かす能力
ウ 文章や資料を読む機会や自分の意見を述べ書く機会を充実
(ア)多様なテキストに対応した読む能力
(イ)自分の感じたことや考えたことを簡潔に表現する能力
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20081021-OYT8T00217.htm
読解力育成を全校共通の目標にした学校に、変化が生まれた。
6年生に最初に見せたのは、昔の東京を描いた2枚の絵。
松山市の住宅地にある市立北久米小学校の森田幸恵教諭(52)による
社会科の授業は、「明治維新」を迎えた。
「どこが違うかな?」
「和服が洋服になっている」、「刀を持った人がいない」、「馬車や乗り物がある」
やがて、描かれた年が記されていることに気づいた子が、「20年しか差がない」。
他の子からも驚きの声が上がる。
「明治維新について知りたいことをまとめよう」という指示で、
4~5人の班ごとに「服装が変わったのはなぜか」、
「なぜ急な変化が起きたのか」などとテーマを決めた。
子供たちは教科書や資料集から、「西南戦争」、「大久保利通」、「廃藩置県」
といった、テーマと関係しそうな言葉を拾い出し、
付せんに書いて模造紙に張っていく。
歴史上の事件や人物、政策など、拾い出した言葉の共通点を見つけて
付せんを並べ替え、さらに関連性を探していく。
森田教諭は、「ここの班は、明治で世の中が変わった理由を文章でまとめているよ」
と、好例を引き合いに出して、討論や作業を活性化させた。
北久米小は、2005年から3年間、国の学力向上拠点形成事業の指定を受け、
中学校と連携した系統的な読解力の向上指導に取り組んだ。
経済協力開発機構(OECD)の国際学習到達度調査(PISA)で、
日本の子供の読解力低下が指摘された翌年から。
授業改革の中心になった森田教諭らは、
子供自身が学習課題を見つけて解決をめざす授業作り、
グループによる話し合いや、書くこと、発表することを重視した授業作りを、
学校全体の目標にした。
班に分けても、一部の子供だけが発言するなど、狙い通りにいかない面も。
考える習慣をつけるには、性急に教師の解答を求めがちな
子供に教えすぎないこともポイントだが、加減が難しい。
森田教諭は、「授業で意見が出ない時や、学習の狙いと違う方向に
話が進みそうになった時、子供に『なぜそう思うの』、『こういう考えはどう』などと
上手に質問し、修正する技術が必要。
教科の専門知識を基にした教師の指導力が問われる」
3年の担任、三好京子教諭(46)は、
算数で割り算の余りに関する問題を出した。
「31人の子供が4人1組でゲームをします。
みんながゲームをするには何組が必要?」
子供たちは班ごとに話し合い、ホワイトボードに書いて発表。
「8組だと思います」という発表に、三好教諭は「理由は?」、
「疑問に思う人はいない?」と質問を重ねていく。
「7組だと思っている子もいるよ。君だったら、どうやって説明する?」。
困っている子供には、「図を書いた子もいるよ」と助言する。
子供は、「4人1組」と「みんながゲームをする」という
二つのルールの間で揺れ動く。
「7組で3人が遊べなくなるのは、かわいそう」という意見から、
「8組作って1度遊んだ人を入れればいい」という結論に至るまでに、
算数の「余り」や「切り上げ」にも様々な意味があることを学んでいく。
「こうした問題を出すと、子供は運動会の時に自分はどうしたかなど、
日常生活を手がかりに解答しようと頭を働かせる」と三好教諭。
取り組みを始めて4年目。
「授業がわかる」、「土日に読書をする」という子の割合が5~10%上がるなど、
成果は少しずつ上がっている。
それ以上に、教師の学力観が大きく変わった。
知識があっても、頭の中で結びつけられない子、
情報の引き出し方はうまいが知識が少ない子、発表や作文が苦手な子など、
「できない子」にも様々なタイプがあるということが、教師たちの共通認識に。
一見、遠回りな学習法は、
「結果的に、子供の個性に合った効率的な指導に役立つ」(森田教諭)
という効果をもたらしている。
◆PISAショックで危機感
OECDによるPISAは15歳が対象で、2000年から3年ごとに実施、
前々回は04年12月に公表。
前回、読解力が8位だった日本は14位に下がり、PISAショックとも呼ばれた。
06年の調査も15位にとどまっている。
この調査が求めるのは、文章や表、グラフなど複数のテキストを組み合わ、
分析して解答を導いたり、自分の行動を決めたり、
意見を表明したりすることも含めた総合的な読解力。
知識や情報を基に、「自分の頭で考える力」が欠かせない。
PISAの結果に危機感を強めた文部科学省は、
05年、読解向上プログラムを策定し、全学年・全教科で
読解力をはぐくむ授業作りを提案。
小中学校の新しい学習指導要領でも、読解力に深くかかわる言語能力を、
国語だけでなく各教科で育成するよう求めている。
同省の田中孝一・主任視学官は、「個々の教師の努力だけではなく、
学校全体で教育力を発揮し、評価される時代。
教師は、国語の授業で理科や社会の話題を出すなど、
他教科との関連に目を配ることも必要」。
【文部科学省が求める読解力】(「読解力向上のための指導事例集」より)
ア テキストを理解・評価しながら読む力を高める
(ア)目的に応じて理解し、解釈する能力
(イ)評価しながら読む能力
(ウ)課題に即応した読む能力
イ テキストに基づいて自分の考えを書く力を高める
(ア)テキストを利用して自分の考えを表現する能力
(イ)日常的・実用的な言語活動に生かす能力
ウ 文章や資料を読む機会や自分の意見を述べ書く機会を充実
(ア)多様なテキストに対応した読む能力
(イ)自分の感じたことや考えたことを簡潔に表現する能力
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20081021-OYT8T00217.htm
免疫応答の強弱を決定する分子メカニズムを解明
(理化学研究所 10月10日)
「免疫」とは、体内に入り込んだ病原体や花粉などの異物を認識して
排除する防御システムのことで、体の危機管理を担当。
体内に異物が侵入すると、抗原提示細胞が異物をそれと認識して飲み込み、
「これが異物(抗原)だ」、とT細胞に提示。
提示を受けたT細胞は、免疫の司令塔としてさまざまなサイトカインを放出したり、
侵入してきた細胞を殺したり、B細胞に抗原と結合する抗体を産生させる。
この重要な働きを担うT細胞が、抗原提示細胞から抗原の情報を受け取る際、
T細胞と抗原提示細胞は強固に接着し、「免疫シナプス」という構造を作る。
しかし、免疫シナプスができあがる前に、T細胞受容体からなる
微細な集合体「ミクロクラスター」が形成され、T細胞の活性化のユニットとして
働いていることが最近わかってきた。
免疫・アレルギー科学総合研究センターの免疫シグナル研究グループは、
T細胞の補助刺激受容体CD28を含む「ミクロクラスター」を発見、
CD28が特異的な酵素「プロテインキナーゼCθ」を呼び寄せ、
T細胞の活性化を劇的に増大させることを明らかにした。
ミクロクラスターは、接着後5~10分と進むにつれて接着面の中心部に集まり、
T細胞受容体自身は不活性化され、CD28とプロテインキナーゼCθは
T細胞受容体から解離してその周辺に集まり、T細胞の活性化を維持。
CD28からのシグナルを増減させることで、T細胞の活性化を調整。
今後、アレルギー疾患やアトピー性皮膚炎などに用いられる
免疫抑制剤やがん治療に対する免疫賦活剤などの開発に貢献すると期待。
http://www.riken.go.jp/r-world/info/release/press/2008/081010/index.html
「免疫」とは、体内に入り込んだ病原体や花粉などの異物を認識して
排除する防御システムのことで、体の危機管理を担当。
体内に異物が侵入すると、抗原提示細胞が異物をそれと認識して飲み込み、
「これが異物(抗原)だ」、とT細胞に提示。
提示を受けたT細胞は、免疫の司令塔としてさまざまなサイトカインを放出したり、
侵入してきた細胞を殺したり、B細胞に抗原と結合する抗体を産生させる。
この重要な働きを担うT細胞が、抗原提示細胞から抗原の情報を受け取る際、
T細胞と抗原提示細胞は強固に接着し、「免疫シナプス」という構造を作る。
しかし、免疫シナプスができあがる前に、T細胞受容体からなる
微細な集合体「ミクロクラスター」が形成され、T細胞の活性化のユニットとして
働いていることが最近わかってきた。
免疫・アレルギー科学総合研究センターの免疫シグナル研究グループは、
T細胞の補助刺激受容体CD28を含む「ミクロクラスター」を発見、
CD28が特異的な酵素「プロテインキナーゼCθ」を呼び寄せ、
T細胞の活性化を劇的に増大させることを明らかにした。
ミクロクラスターは、接着後5~10分と進むにつれて接着面の中心部に集まり、
T細胞受容体自身は不活性化され、CD28とプロテインキナーゼCθは
T細胞受容体から解離してその周辺に集まり、T細胞の活性化を維持。
CD28からのシグナルを増減させることで、T細胞の活性化を調整。
今後、アレルギー疾患やアトピー性皮膚炎などに用いられる
免疫抑制剤やがん治療に対する免疫賦活剤などの開発に貢献すると期待。
http://www.riken.go.jp/r-world/info/release/press/2008/081010/index.html
子供の食物アレルギー増加 米保健当局が調査
(共同通信社 2008年10月23日)
米疾病対策センター(CDC)は、米国では昨年、約300万人の子どもが
食物アレルギーを発症、10年前に比べ割合が18%増。
CDCによると、食物アレルギーに対する親の意識が高まり、
よく報告されるようになったのも一因とみられるが、
増加の原因を突き止める研究が必要。
数字は、全米の約1万人の子どもを対象にした調査を基に推計。
07年は、18歳未満人口の3・9%に当たる約300万人が
何らかの食物アレルギーを発症。
1997年は、3・3%に相当する約230万人。
原因としては牛乳、卵、ナッツ類、魚類、大豆、小麦で
発症全体の9割を占める。
5歳未満では4・7%、5歳以上では3・7%が発症し、成長に従って減る傾向。
食物アレルギーを発症した子どもは、そうでない子どもに比べ、
アトピー性皮膚炎やぜんそくの発症が2~4倍多い。
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=81847
米疾病対策センター(CDC)は、米国では昨年、約300万人の子どもが
食物アレルギーを発症、10年前に比べ割合が18%増。
CDCによると、食物アレルギーに対する親の意識が高まり、
よく報告されるようになったのも一因とみられるが、
増加の原因を突き止める研究が必要。
数字は、全米の約1万人の子どもを対象にした調査を基に推計。
07年は、18歳未満人口の3・9%に当たる約300万人が
何らかの食物アレルギーを発症。
1997年は、3・3%に相当する約230万人。
原因としては牛乳、卵、ナッツ類、魚類、大豆、小麦で
発症全体の9割を占める。
5歳未満では4・7%、5歳以上では3・7%が発症し、成長に従って減る傾向。
食物アレルギーを発症した子どもは、そうでない子どもに比べ、
アトピー性皮膚炎やぜんそくの発症が2~4倍多い。
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=81847
2008年10月24日金曜日
新人教員300人、教壇去る 5年で2.7倍、07年度
(朝日 2008年10月18日)
採用されて教壇に立ったものの、1年のうちに学校を去った新人教員が
301人に及ぶことが、文部科学省の07年度の調査でわかった。
5年前の2.7倍に増えており、うち3人に1人が
精神疾患を中心にした「病気」を理由。
文科省は、「教育現場を取り巻く環境が厳しくなっているのが一つの要因」。
教員は、最初は「条件付きの採用期間」で、1年後に正式に採用。
07年度の調査では、全採用者2万1734人のうち、
1.4%の計301人が依願退職などで1年のうちに学校を去った。
5年前は111人(0.6%)で、増加ぶりが目立つ。
原因をみると、「病気」という人が103人、5年前の10人から10倍以上に急増。
自己都合、理由不明などを合わせた「その他」が178人。
病気で辞めた人の多くが、ストレスから来る神経症やうつなどの精神疾患。
1年目から担任を持って対応しきれず、追いつめられたケースや、
親や社会のニーズが複雑化している中で、うまく適応できないケース。
子どもたちと適切な関係が築けないなどとして、
都道府県や指定市の教育委員会から
「指導が不適切」と認定された07年度の教員の数は371人。
認定されると、教壇を離れて研修を受けねばならないが、
こちらはピークだった04年度(566人)から減少傾向。
文科省は、実際の人数が減ったとはみておらず、
「先手を打って、市町村教委や学校が独自の研修などをすることが多くなった」
http://www.asahi.com/edu/news/TKY200810170412.html
採用されて教壇に立ったものの、1年のうちに学校を去った新人教員が
301人に及ぶことが、文部科学省の07年度の調査でわかった。
5年前の2.7倍に増えており、うち3人に1人が
精神疾患を中心にした「病気」を理由。
文科省は、「教育現場を取り巻く環境が厳しくなっているのが一つの要因」。
教員は、最初は「条件付きの採用期間」で、1年後に正式に採用。
07年度の調査では、全採用者2万1734人のうち、
1.4%の計301人が依願退職などで1年のうちに学校を去った。
5年前は111人(0.6%)で、増加ぶりが目立つ。
原因をみると、「病気」という人が103人、5年前の10人から10倍以上に急増。
自己都合、理由不明などを合わせた「その他」が178人。
病気で辞めた人の多くが、ストレスから来る神経症やうつなどの精神疾患。
1年目から担任を持って対応しきれず、追いつめられたケースや、
親や社会のニーズが複雑化している中で、うまく適応できないケース。
子どもたちと適切な関係が築けないなどとして、
都道府県や指定市の教育委員会から
「指導が不適切」と認定された07年度の教員の数は371人。
認定されると、教壇を離れて研修を受けねばならないが、
こちらはピークだった04年度(566人)から減少傾向。
文科省は、実際の人数が減ったとはみておらず、
「先手を打って、市町村教委や学校が独自の研修などをすることが多くなった」
http://www.asahi.com/edu/news/TKY200810170412.html
スポーツ21世紀:新しい波/280 ビデオ判定/3
(毎日 10月18日)
フェンス上部に当たった打球が、グラウンドへとはね返った。
一塁塁審は、ファンが触ったとみて二塁打と判断したが、
ゲームは4分余り中断。ビデオ判定の末、本塁打に変更。
9月19日、米大リーグのレイズ-ツインズ戦で、聖域はあっけなく侵された。
「審判の判断に基づく裁定は最終のもので、異議を唱えることは許されない」。
これは、球界の常識だ。
だが、米大リーグは今年8月下旬、本塁打かどうかの判断に限定して
ビデオ判定を導入。
米球界でルール改正があると、日本球界も同調するケースは多いが、
セ、パ12球団で結論には至っていない。
あるセ・リーグのベテラン審判は、「導入しても、判定は別の人にしてほしい。
私たちは一度判定したんだから」
一方、ビデオ判定と審判の権威を両立させた競技もある。
15人制ラグビーは、専任のビデオレフェリーが、ゲームの流れ、
会場の雰囲気による先入観に影響されないように、
グラウンドから隔離された場所で待機。
判定の要請があると、テレビのディレクター、レフェリーとやりとりし、
トライを見極めるための映像を指定して繰り返し見る。
ビデオレフェリーの報告を受けたレフェリーが判定を下す。
国際舞台で活躍する国内初のプロレフェリー、平林泰三さん(33)は、
「ビデオで正しい判定を下すという意味で、審判の権威は逆に守られた」
ただ、ハイテク機器の行き過ぎた導入を警戒する声も強い。
スポーツライターの玉木正之さん(56)は、
「レフェリーは、元々両チームの主将が仲裁を依頼した人。
お願いする相手が、機械になっていいのか。
判定しにくい球場の構造を改善するとか、他にやることはある。
スポーツは本来、遊び。おおらかさを残してほしい」
多くの競技で定着する流れにあるビデオ判定だが、
レフェリーが頼り切るようになれば、「見る目」が成長しない恐れも。
その利点を取り入れつつ、いかにレフェリーの威厳を維持していくのか。
運用のバランスが問われる段階に入っている。
http://mainichi.jp/enta/sports/21century/
フェンス上部に当たった打球が、グラウンドへとはね返った。
一塁塁審は、ファンが触ったとみて二塁打と判断したが、
ゲームは4分余り中断。ビデオ判定の末、本塁打に変更。
9月19日、米大リーグのレイズ-ツインズ戦で、聖域はあっけなく侵された。
「審判の判断に基づく裁定は最終のもので、異議を唱えることは許されない」。
これは、球界の常識だ。
だが、米大リーグは今年8月下旬、本塁打かどうかの判断に限定して
ビデオ判定を導入。
米球界でルール改正があると、日本球界も同調するケースは多いが、
セ、パ12球団で結論には至っていない。
あるセ・リーグのベテラン審判は、「導入しても、判定は別の人にしてほしい。
私たちは一度判定したんだから」
一方、ビデオ判定と審判の権威を両立させた競技もある。
15人制ラグビーは、専任のビデオレフェリーが、ゲームの流れ、
会場の雰囲気による先入観に影響されないように、
グラウンドから隔離された場所で待機。
判定の要請があると、テレビのディレクター、レフェリーとやりとりし、
トライを見極めるための映像を指定して繰り返し見る。
ビデオレフェリーの報告を受けたレフェリーが判定を下す。
国際舞台で活躍する国内初のプロレフェリー、平林泰三さん(33)は、
「ビデオで正しい判定を下すという意味で、審判の権威は逆に守られた」
ただ、ハイテク機器の行き過ぎた導入を警戒する声も強い。
スポーツライターの玉木正之さん(56)は、
「レフェリーは、元々両チームの主将が仲裁を依頼した人。
お願いする相手が、機械になっていいのか。
判定しにくい球場の構造を改善するとか、他にやることはある。
スポーツは本来、遊び。おおらかさを残してほしい」
多くの競技で定着する流れにあるビデオ判定だが、
レフェリーが頼り切るようになれば、「見る目」が成長しない恐れも。
その利点を取り入れつつ、いかにレフェリーの威厳を維持していくのか。
運用のバランスが問われる段階に入っている。
http://mainichi.jp/enta/sports/21century/
理系白書’08:第2部 かけ橋として/3 出会い、学ぶ広場作る
(毎日 10月19日)
科学館などの学芸員、研究機関の広報担当者、マスコミ関係者、
一般市民、そして研究者自身……。
科学や技術と社会の橋渡しに関心を持つ人たち数千人が、
一堂に会するイベントが11月22~24日、
東京都江東区青海の国際研究交流大学村で開かれる。
06年に始まり、3回目を迎える「サイエンスアゴラ」。
アゴラとは、ギリシャ語で「広場」の意味。
科学の面白さを伝える実験ショーや研究者との対話、日本の科学技術力や
人材育成をテーマにした討論会など、100以上の催し物が繰り広げられる。
「各地でさまざまな活動をしている人が出会い、情報交換する場として定着」。
サイエンスアゴラの発案者の一人で、当時、日本科学未来館副館長だった
美馬のゆり・公立はこだて未来大教授(48)は言う。
美馬さんはもともと、コンピューターの研究者を目指していた。
中学時代から数学好き。
高校で入部した数学部で、日本IBM本社を見学、
まだそれほど普及していなかったコンピューターに触れた。
「この機械は世の中を変える」と直感し、大学は計算機科学科に進学。
大学時代、米国の大学の教育用ソフトウエアを
日本語のマシンに移植するプログラマーのアルバイトをしたことが転機。
「コンピューターは、学校や教育も一変させる」と考え、
大学院では教育学に転じた。
「学び」を研究するうち、コミュニケーションの大切さに気づいた。
「人と人がコミュニケーションし、違う分野同士がつながることによって、
人は学ぶ。その楽しい学びを、みんなで共有したい」と美馬さん。
その思いが、サイエンスアゴラに結びついた。
今、美馬さんはアゴラのような試みを、
地域に根ざした形で日本各地でできないか、と考えている。
まずは、地元の北海道からだ。
函館市と連携し、科学教育イベントを企画・実施できる人材育成を目指した
「はこだて科学寺子屋」、地元の大学や高専の科学イベントや出前授業などの
情報を発信する「はこだて科学網」などの事業を計画。
来年からは毎年、「はこだて国際科学祭」を開く構想。
美馬さんは、「函館の街全体を巻き込んで、科学を文化にしたい」と張り切っている。
http://mainichi.jp/select/science/news/20081019ddm016040030000c.html
科学館などの学芸員、研究機関の広報担当者、マスコミ関係者、
一般市民、そして研究者自身……。
科学や技術と社会の橋渡しに関心を持つ人たち数千人が、
一堂に会するイベントが11月22~24日、
東京都江東区青海の国際研究交流大学村で開かれる。
06年に始まり、3回目を迎える「サイエンスアゴラ」。
アゴラとは、ギリシャ語で「広場」の意味。
科学の面白さを伝える実験ショーや研究者との対話、日本の科学技術力や
人材育成をテーマにした討論会など、100以上の催し物が繰り広げられる。
「各地でさまざまな活動をしている人が出会い、情報交換する場として定着」。
サイエンスアゴラの発案者の一人で、当時、日本科学未来館副館長だった
美馬のゆり・公立はこだて未来大教授(48)は言う。
美馬さんはもともと、コンピューターの研究者を目指していた。
中学時代から数学好き。
高校で入部した数学部で、日本IBM本社を見学、
まだそれほど普及していなかったコンピューターに触れた。
「この機械は世の中を変える」と直感し、大学は計算機科学科に進学。
大学時代、米国の大学の教育用ソフトウエアを
日本語のマシンに移植するプログラマーのアルバイトをしたことが転機。
「コンピューターは、学校や教育も一変させる」と考え、
大学院では教育学に転じた。
「学び」を研究するうち、コミュニケーションの大切さに気づいた。
「人と人がコミュニケーションし、違う分野同士がつながることによって、
人は学ぶ。その楽しい学びを、みんなで共有したい」と美馬さん。
その思いが、サイエンスアゴラに結びついた。
今、美馬さんはアゴラのような試みを、
地域に根ざした形で日本各地でできないか、と考えている。
まずは、地元の北海道からだ。
函館市と連携し、科学教育イベントを企画・実施できる人材育成を目指した
「はこだて科学寺子屋」、地元の大学や高専の科学イベントや出前授業などの
情報を発信する「はこだて科学網」などの事業を計画。
来年からは毎年、「はこだて国際科学祭」を開く構想。
美馬さんは、「函館の街全体を巻き込んで、科学を文化にしたい」と張り切っている。
http://mainichi.jp/select/science/news/20081019ddm016040030000c.html
地域からアジア考える 県立大で環境フォーラム
(岩手日報 10月18日)
県立大(谷口誠学長)のアジア地域開発・環境フォーラム
「アジア地域における環境の社会経済的影響」は、
食の安全や地域財産の保全、環境を考慮した開発について理解を深めた。
達増知事、元環境庁長官で参議院議員の広中和歌子さん、
インド・バンガロー大社会事業学科長のガンディ・ドスさんが基調講演。
達増知事は、「いわてにおける地域コミュニティーの現状と将来」と題し、
「岩手の心や文化を世界に発信したい」と述べた上で、
過疎化や高齢化などでコミュニティー維持が難しくなっている現状にも触れ、
「行政の政策を入れて守っていきたい」と強調。
広中さんは、「環境立国、日本からの発信『医職住』の充実を通じて」、
ドスさんが「社会福祉を中心としたアジア地域開発における環境の与える影響」
と題し講演した。
前葛巻町長の中村哲雄さんや、国連大や大連交通大などの関係者らに
よるラウンドテーブルディスカッションも行われた。
盛岡市津志田の新田秀雄さん(64)は、
「地域から地球まで、幅広く環境問題を考えることの大切さを実感した」
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20081018_5
県立大(谷口誠学長)のアジア地域開発・環境フォーラム
「アジア地域における環境の社会経済的影響」は、
食の安全や地域財産の保全、環境を考慮した開発について理解を深めた。
達増知事、元環境庁長官で参議院議員の広中和歌子さん、
インド・バンガロー大社会事業学科長のガンディ・ドスさんが基調講演。
達増知事は、「いわてにおける地域コミュニティーの現状と将来」と題し、
「岩手の心や文化を世界に発信したい」と述べた上で、
過疎化や高齢化などでコミュニティー維持が難しくなっている現状にも触れ、
「行政の政策を入れて守っていきたい」と強調。
広中さんは、「環境立国、日本からの発信『医職住』の充実を通じて」、
ドスさんが「社会福祉を中心としたアジア地域開発における環境の与える影響」
と題し講演した。
前葛巻町長の中村哲雄さんや、国連大や大連交通大などの関係者らに
よるラウンドテーブルディスカッションも行われた。
盛岡市津志田の新田秀雄さん(64)は、
「地域から地球まで、幅広く環境問題を考えることの大切さを実感した」
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20081018_5
2008年10月23日木曜日
脳の損傷で失われた視覚も回復
(サイエンスポータル 2008年10月16日)
視覚野と呼ばれる脳の損傷で失われた視覚機能が、
リハビリで回復することを、自然科学研究機構・生理学研究所の
研究チームがサルを使った実験で確かめた。
大脳皮質障害による「視覚欠損」と診断されてあきらめていた患者も、
トレーニングによって視覚機能を回復させる可能性があることを
示した成果として注目。
生理学研究所の伊佐正・教授と吉田正俊・助教は、
脳の後頭葉にあって目の網膜からの情報が集まる視覚野に注目し、
片方の視覚野を損傷させたサルを使って、
視覚障害とその回復の可能性を調べた。
サルは、損傷した視覚野によって片側の視野が見えなくなる状態となるが、
光の点を示すトレーニングを続けた結果、
徐々に光の方向を感じ取ることができるようになった。
正常の視覚を持つ場合の、光の位置を突き止める眼球の動きと異なり、
直線的な眼球の動きしかできない
(正確な位置を確実・効率的にとらえにくい)ことも分かった。
これは、損傷した視覚野とは別の脳の部位が、
視覚野の機能を代替していることを意味。
サルが視覚機能を回復するのに数カ月を要したことから、
粘り強いトレーニングが必要だが、大脳皮質障害により視覚欠損になった
患者も機能回復が期待できる。
その際、目の動きをモニタリングすることが、
リハビリテーションの効果や回復の判定に役立つ、と伊佐教授らは言っている。
この研究成果は、科学技術振興機構の戦略的創造研究推進事業チーム型
研究(CREST)の一環として得られた。
http://www.scienceportal.jp/news/daily/0810/0810161.html
視覚野と呼ばれる脳の損傷で失われた視覚機能が、
リハビリで回復することを、自然科学研究機構・生理学研究所の
研究チームがサルを使った実験で確かめた。
大脳皮質障害による「視覚欠損」と診断されてあきらめていた患者も、
トレーニングによって視覚機能を回復させる可能性があることを
示した成果として注目。
生理学研究所の伊佐正・教授と吉田正俊・助教は、
脳の後頭葉にあって目の網膜からの情報が集まる視覚野に注目し、
片方の視覚野を損傷させたサルを使って、
視覚障害とその回復の可能性を調べた。
サルは、損傷した視覚野によって片側の視野が見えなくなる状態となるが、
光の点を示すトレーニングを続けた結果、
徐々に光の方向を感じ取ることができるようになった。
正常の視覚を持つ場合の、光の位置を突き止める眼球の動きと異なり、
直線的な眼球の動きしかできない
(正確な位置を確実・効率的にとらえにくい)ことも分かった。
これは、損傷した視覚野とは別の脳の部位が、
視覚野の機能を代替していることを意味。
サルが視覚機能を回復するのに数カ月を要したことから、
粘り強いトレーニングが必要だが、大脳皮質障害により視覚欠損になった
患者も機能回復が期待できる。
その際、目の動きをモニタリングすることが、
リハビリテーションの効果や回復の判定に役立つ、と伊佐教授らは言っている。
この研究成果は、科学技術振興機構の戦略的創造研究推進事業チーム型
研究(CREST)の一環として得られた。
http://www.scienceportal.jp/news/daily/0810/0810161.html
2050年に世界の原子力発電1.5-3.8倍に
(サイエンスポータル 2008年10月17日)
原子力発電は、2050年には現在の1.5-3.8倍に増加するとの見通しを
経済協力開発機構(OECD)の原子力機関(NEA)が公表。
NEAの『原子力エネルギーアウトルック2008』は、
原子力発電がほとんど炭素を放出しないことや、
化石燃料に比べ健康影響が無視できるくらい小さいことなどの
長所を持つことを挙げ、今後のエネルギー源として大きく貢献すると評価。
ウラン資源は、再処理を行わなくても、少なくとも2050年までは
増大する全世界の原子力発電の燃料として十分な量があり、
再処理と高速増殖炉を導入すれば、ウランからの取り出すエネルギーを
60倍に増やすことができることから、
ウラン資源を何千年も保つことが可能。
今後は、輸送分野に燃料を供給するため、原子力の熱を利用して
水素を製造する研究開発が重要になるとの見通し。
高レベル放射性廃棄物の処分計画の遅れや失敗が、
原子力のイメージ悪化をもたらしている現実を挙げ、
政府と原子力産業界が安全な処分を実現させるため、
一丸となって取り組むことを求めている。
核拡散やテロリストによる放射性物質の使用を防ぐため、
国際的な取り組みの重要性も指摘。
将来のエネルギー源とみなされている核融合については、
まだ実験段階で、今世紀の後半でも商業発電として
利用される可能性は低い、と評価。
http://www.scienceportal.jp/news/daily/0810/0810171.html
原子力発電は、2050年には現在の1.5-3.8倍に増加するとの見通しを
経済協力開発機構(OECD)の原子力機関(NEA)が公表。
NEAの『原子力エネルギーアウトルック2008』は、
原子力発電がほとんど炭素を放出しないことや、
化石燃料に比べ健康影響が無視できるくらい小さいことなどの
長所を持つことを挙げ、今後のエネルギー源として大きく貢献すると評価。
ウラン資源は、再処理を行わなくても、少なくとも2050年までは
増大する全世界の原子力発電の燃料として十分な量があり、
再処理と高速増殖炉を導入すれば、ウランからの取り出すエネルギーを
60倍に増やすことができることから、
ウラン資源を何千年も保つことが可能。
今後は、輸送分野に燃料を供給するため、原子力の熱を利用して
水素を製造する研究開発が重要になるとの見通し。
高レベル放射性廃棄物の処分計画の遅れや失敗が、
原子力のイメージ悪化をもたらしている現実を挙げ、
政府と原子力産業界が安全な処分を実現させるため、
一丸となって取り組むことを求めている。
核拡散やテロリストによる放射性物質の使用を防ぐため、
国際的な取り組みの重要性も指摘。
将来のエネルギー源とみなされている核融合については、
まだ実験段階で、今世紀の後半でも商業発電として
利用される可能性は低い、と評価。
http://www.scienceportal.jp/news/daily/0810/0810171.html
東北の生産拠点目指す トヨタ系・関東シート製作所
(岩手日報 10月17日)
トヨタの自動車内装部品メーカー・関東シート製作所
(北上市、資本金3億3200万円、柴田和民社長、従業員554人)は、
トヨタが東北を国内第3の生産拠点に位置付けたことを受け、
事業拡充を進めている。
主要取引先は、金ケ崎町に岩手工場を置く関東自動車工業(横須賀市)と
セントラル自動車(相模原市)だが、
2010年のセントラル自動車の宮城県移転、稼働に伴い戦略を強化。
プラスチック射出成形による内装部品を重点化し、東北の生産拠点を目指す。
同社は、主力の北上工場(従業員308人)が、
ドア内部のトリム(内張り)やシート内部の樹脂、ウレタンなどを生産。
プラスチック射出成形機を5台保有し、ピラー、インパネなど
自動車内装の部品生産の増強を図っている。
同社の本社敷地内には、完全出資子会社の関東シート北上
(北上市、資本金3000万円、柴田社長、従業員160人)の
シート縫製工場もあったが、セントラル自動車の宮城移転を見据え、
奥州市江刺区のトヨタ紡織敷地内に移設。
8月から江刺工場(102人)として本格稼働。
縫製前のシートの裁断は、関東シート北上・仙人作業所
(北上市、従業員22人)が担当。
これらのシート部品を、関自岩手工場敷地内にある
関東シート製作所金ケ崎工場(146人)が完成品に仕上げる。
裾野市の関自東富士工場、相模原市のセントラル自動車向けは、
関東シート製作所相模原工場(100人)、関東シート北上・御殿場工場
(御殿場市、36人)が生産供給。
関東シート製作所は、トヨタの内装部品メーカー大手の
トヨタ紡織(刈谷市)の関連会社。
柴田社長は、「セントラルが宮城に移転すれば、(関東シート製作所の)
相模原工場は撤退し、宮城のセントラルに特化することになる」
世界経済低迷に伴い、自動車業界は厳しい環境にあるが、
柴田社長は、「(業況の)上がり下がりは世の常。
多少下振れするかもしれないが、東北はチャンスであり、
今は将来に向け会社の足腰を鍛える」と意気込む。
◆関東シート製作所とは
57年横浜市に設立。関東自動車工業東富士工場(裾野市)、
セントラル自動車(相模原市)に、シートなど自動車内装部品を生産供給。
93年、東北初の完成車組立工場の関自岩手工場操業に伴い、
北上工場(北上市)を設置、02年に本社を北上市に移転。
生産台数(1台=8部品)は、北上市に本社を移転した02年から
右肩上がり成長を続け、07年度は47万台(前年度比14%増)。
関自向けは34万台(同19%増)、セントラル自動車向け12万台(同1%増)。
07年度売上高269億円。
http://www.iwate-np.co.jp/economy/e200810/e0810171.html
トヨタの自動車内装部品メーカー・関東シート製作所
(北上市、資本金3億3200万円、柴田和民社長、従業員554人)は、
トヨタが東北を国内第3の生産拠点に位置付けたことを受け、
事業拡充を進めている。
主要取引先は、金ケ崎町に岩手工場を置く関東自動車工業(横須賀市)と
セントラル自動車(相模原市)だが、
2010年のセントラル自動車の宮城県移転、稼働に伴い戦略を強化。
プラスチック射出成形による内装部品を重点化し、東北の生産拠点を目指す。
同社は、主力の北上工場(従業員308人)が、
ドア内部のトリム(内張り)やシート内部の樹脂、ウレタンなどを生産。
プラスチック射出成形機を5台保有し、ピラー、インパネなど
自動車内装の部品生産の増強を図っている。
同社の本社敷地内には、完全出資子会社の関東シート北上
(北上市、資本金3000万円、柴田社長、従業員160人)の
シート縫製工場もあったが、セントラル自動車の宮城移転を見据え、
奥州市江刺区のトヨタ紡織敷地内に移設。
8月から江刺工場(102人)として本格稼働。
縫製前のシートの裁断は、関東シート北上・仙人作業所
(北上市、従業員22人)が担当。
これらのシート部品を、関自岩手工場敷地内にある
関東シート製作所金ケ崎工場(146人)が完成品に仕上げる。
裾野市の関自東富士工場、相模原市のセントラル自動車向けは、
関東シート製作所相模原工場(100人)、関東シート北上・御殿場工場
(御殿場市、36人)が生産供給。
関東シート製作所は、トヨタの内装部品メーカー大手の
トヨタ紡織(刈谷市)の関連会社。
柴田社長は、「セントラルが宮城に移転すれば、(関東シート製作所の)
相模原工場は撤退し、宮城のセントラルに特化することになる」
世界経済低迷に伴い、自動車業界は厳しい環境にあるが、
柴田社長は、「(業況の)上がり下がりは世の常。
多少下振れするかもしれないが、東北はチャンスであり、
今は将来に向け会社の足腰を鍛える」と意気込む。
◆関東シート製作所とは
57年横浜市に設立。関東自動車工業東富士工場(裾野市)、
セントラル自動車(相模原市)に、シートなど自動車内装部品を生産供給。
93年、東北初の完成車組立工場の関自岩手工場操業に伴い、
北上工場(北上市)を設置、02年に本社を北上市に移転。
生産台数(1台=8部品)は、北上市に本社を移転した02年から
右肩上がり成長を続け、07年度は47万台(前年度比14%増)。
関自向けは34万台(同19%増)、セントラル自動車向け12万台(同1%増)。
07年度売上高269億円。
http://www.iwate-np.co.jp/economy/e200810/e0810171.html
岩手に残るスローな手仕事・ホームスパン みちのくあかね会
(毎日 10月14日)
あたたかい日が続いているが、朝夕はめっきり冷え込んできた。
北のほうでは、もう冬を意識しているだろう。
こんな季節には、毛糸ものがだんだん気になってくるもの。
明治時代、イギリスの宣教師によって伝えられたホームスパンという
毛織産業がある。
羊の毛を染めて手でつむぎ、手で織るざっくりとした風合いの織物。
スコットランドやアイルランドなどの離島で継承。
明治時代に、スコットランドと気候が似ているということから、
政府によって北海道や岩手、長野県がその産業の候補地に選ばれ、
農家の副業として導入。
昭和50年代の最盛期には服地、ネクタイなど3万6千メートルもの生産量。
今では生産は落ち込み、岩手県の東和町と盛岡市内にいくつか工房があるだけ。
岩手県盛岡市にある「みちのくあかね会」(岩動麗代表)は、
ホームスパン工房として昭和37年、女性たちの手によって創立。
現代では、女性起業家も少なくないが、このころには相当珍しかった。
今でも、十数人の女性たちで運営や製作が行われている。
もともとは、太平洋戦争で夫を失った女性たちの働き場所を提供するための活動。
当時は、子供や家族がいて出来る仕事といえば内職くらい。
子供を抱えても働けるのでは、とホームスパンに女性たちが目を付けた。
出勤時間も、今で言うフレックス制にして働きやすい環境を作っていった。
このシステムは、今でも続いている。
ホームスパンでつくられる毛織物の工程は、とにかく手作業。
材料となる羊毛は、イギリスから輸入。
国産の羊毛だと、汚れやゴミが多く、服地にしたとき、こしが出にくい。
この原毛を広げて、ゴミをとりながら用途に応じて仕分けていく。
原毛を石けんでよく洗い、染色にかかる。
染めた毛を解いた毛の繊維を、カーディングという作業できれいに整える。
アンティークの足踏み式つむぎ機で調整しながら糸をつむぎ、
できた糸を織り機で織っていく。
機織りで実際に織るのは最終作業で、その前段階の羊毛から糸をつくるまでの
作業に、よりベテランの手と目と勘が要求される仕事。
みちのくあかね会の作品で、一番目を奪われたのは、その色。
鮮やかな青、シックな茶系、深みのあるグリーンなど、
昔から今に続くまで根強い人気があるのもうなずける。
鮮やかな色でも派手にならないのは、糸を染めるのではなく、
原毛の状態で染めたものをいくつか混ぜて1本の糸につむいでいるから。
こうした糸を使うことで、他ではあまり見る事のできない
上品な色合いに仕上がっている。
化学繊維では味わえないふんわりとしたやわらかさも、手作業ならではのもの。
織る人の個性が出るのも、手織りの魅力のひとつ。
大量生産では味わう事のできない風合いが実感できる。
本来は、寒い東北地方の人のためにと考えられたホームスパンだが、
首都圏の人たちからの支持が圧倒的。
たくさんの在庫があるわけではないので、注文してからつくられることも多い。
その貴重な作品を心待ちにする根強いファンに支えられている。
値段は、マフラーで1万6000円くらい。
この手間ひまを考えると、決して高くない。
とっておきの一品として、大切に使える品となるはず。
昔のようにたくさんの量をつくれるわけではないけれど、
岩手の手仕事として地道に残っているホームスパン。
働きたいという若い人からの希望も最近増えた。
欠員があれば入れるが、そんなにたくさんは受け入れることをしていない。
ほんとうにやりたい人が、こじんまりだけどよいものをつくり続けている。
かたかたと手動の機械が回る音を聞けば、気持ちが安らぐ。
遠くで雷がなった。わあっと工房にいるみんなで驚く。
そのあとみんなでくすくす笑った。こんなゆっくりした職場があってもいい。
みちのくあかね会 http://www.michinoku-akanekai.com/
http://mainichi.jp/life/ecology/mottshiritai/news/20081014org00m040015000c.html
あたたかい日が続いているが、朝夕はめっきり冷え込んできた。
北のほうでは、もう冬を意識しているだろう。
こんな季節には、毛糸ものがだんだん気になってくるもの。
明治時代、イギリスの宣教師によって伝えられたホームスパンという
毛織産業がある。
羊の毛を染めて手でつむぎ、手で織るざっくりとした風合いの織物。
スコットランドやアイルランドなどの離島で継承。
明治時代に、スコットランドと気候が似ているということから、
政府によって北海道や岩手、長野県がその産業の候補地に選ばれ、
農家の副業として導入。
昭和50年代の最盛期には服地、ネクタイなど3万6千メートルもの生産量。
今では生産は落ち込み、岩手県の東和町と盛岡市内にいくつか工房があるだけ。
岩手県盛岡市にある「みちのくあかね会」(岩動麗代表)は、
ホームスパン工房として昭和37年、女性たちの手によって創立。
現代では、女性起業家も少なくないが、このころには相当珍しかった。
今でも、十数人の女性たちで運営や製作が行われている。
もともとは、太平洋戦争で夫を失った女性たちの働き場所を提供するための活動。
当時は、子供や家族がいて出来る仕事といえば内職くらい。
子供を抱えても働けるのでは、とホームスパンに女性たちが目を付けた。
出勤時間も、今で言うフレックス制にして働きやすい環境を作っていった。
このシステムは、今でも続いている。
ホームスパンでつくられる毛織物の工程は、とにかく手作業。
材料となる羊毛は、イギリスから輸入。
国産の羊毛だと、汚れやゴミが多く、服地にしたとき、こしが出にくい。
この原毛を広げて、ゴミをとりながら用途に応じて仕分けていく。
原毛を石けんでよく洗い、染色にかかる。
染めた毛を解いた毛の繊維を、カーディングという作業できれいに整える。
アンティークの足踏み式つむぎ機で調整しながら糸をつむぎ、
できた糸を織り機で織っていく。
機織りで実際に織るのは最終作業で、その前段階の羊毛から糸をつくるまでの
作業に、よりベテランの手と目と勘が要求される仕事。
みちのくあかね会の作品で、一番目を奪われたのは、その色。
鮮やかな青、シックな茶系、深みのあるグリーンなど、
昔から今に続くまで根強い人気があるのもうなずける。
鮮やかな色でも派手にならないのは、糸を染めるのではなく、
原毛の状態で染めたものをいくつか混ぜて1本の糸につむいでいるから。
こうした糸を使うことで、他ではあまり見る事のできない
上品な色合いに仕上がっている。
化学繊維では味わえないふんわりとしたやわらかさも、手作業ならではのもの。
織る人の個性が出るのも、手織りの魅力のひとつ。
大量生産では味わう事のできない風合いが実感できる。
本来は、寒い東北地方の人のためにと考えられたホームスパンだが、
首都圏の人たちからの支持が圧倒的。
たくさんの在庫があるわけではないので、注文してからつくられることも多い。
その貴重な作品を心待ちにする根強いファンに支えられている。
値段は、マフラーで1万6000円くらい。
この手間ひまを考えると、決して高くない。
とっておきの一品として、大切に使える品となるはず。
昔のようにたくさんの量をつくれるわけではないけれど、
岩手の手仕事として地道に残っているホームスパン。
働きたいという若い人からの希望も最近増えた。
欠員があれば入れるが、そんなにたくさんは受け入れることをしていない。
ほんとうにやりたい人が、こじんまりだけどよいものをつくり続けている。
かたかたと手動の機械が回る音を聞けば、気持ちが安らぐ。
遠くで雷がなった。わあっと工房にいるみんなで驚く。
そのあとみんなでくすくす笑った。こんなゆっくりした職場があってもいい。
みちのくあかね会 http://www.michinoku-akanekai.com/
http://mainichi.jp/life/ecology/mottshiritai/news/20081014org00m040015000c.html
2008年10月22日水曜日
運動のガイドライン:ジムを減らし、楽しみを増やす
(WebMD 10月7日)
新しい米国連邦の運動ガイドラインによれば、
小児・青少年は毎日1時間以上、大人は週2回、1回1時間半以上の
運動を行うべきである。
このガイドラインは米国人に対し、体重減少、慢性疾患予防、
長生きのために身体を動かすことを推奨。
これまでの取り組みとは異なり、ジム運動の重要性が低下し、
人々がもっと楽しめる運動を支持する内容。
「生活に採り入れやすい運動を選ぶべき」とこのガイドラインを発表した
米国保健福祉省長官であるMichael O. Leavittは、
「身体を動かしさえすれば、何でもよい」
諮問委員会は、小児・青少年は毎日1時間以上運動し、
週に少なくとも3日はより強度の高い運動を行うべき。
代理長官であるSteven Galsonは、
「木登りをしたり、公園に行ったり、飛んだり跳ねたりするゲーム
(hopping and skipping games)をすればよい」
米国の成人の3分の1以上は、運動量が推奨された量に満たず、
4分の1は定期的な余暇時間の運動をまったく行っていない。
糖尿病、心疾患等の慢性疾患および早死のリスクが高くなる。
本ガイドラインでは、1週間につき2.5時間の中強度の運動または
1時間15分の激しい運動を行うことを推奨。
成人に対し、活動と強度を「うまく組み合わせる」ことを推奨、
最低でも1日10分の運動を推奨。
成人は、すべての主要筋群の筋力強化運動を週2日以上実施すべき。
中強度の有酸素運動の例として、社交ダンス、早足のウォーキング、
10マイル(約16km)/時未満の速度での自転車こぎ、水中エアロビクス、
ガーデニングがあげられる。
激しい運動としては、ジョギング、ランニング、なわとび、
上り坂または重いリュックを背負ってのハイキング、
10マイル(約16km)/時間以上の速度での自転車こぎがあげられる。
本ガイドラインでは以下の事項も推奨:
健康な妊婦:妊娠中および産後期の2.5時間以上の中強度の運動
身体障害のある成人:週に2.5時間の運動(可能な者)
65歳以上の成人:能力に応じて週に2.5時間。
転倒リスクが高い高齢者にはバランスを保つのに役立つ運動。
本ガイドラインでは、ジムおよび運動クラスの重要性が低下し、
多くの米国人にとって継続が容易な運動を支持する内容。
「好きな運動を選んで」とGalson代理長官は述べる。
コロラド大学人間栄養センター(Center for Human Nutrition)長である
James O. Hillは、本ガイドラインを運動に関する初めての
包括的かつ国家的勧告であると称賛。
「重要なのは、『多いほどよい』ということ。
人々がどのように達成し、どのように運動を増やすかを理解する
手助けをしているにすぎない」。
Hill博士は、米国栄養学会(American Society for Nutrition)会長も務める。
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=SPECIALTY&categoryId=580&articleLang=ja&articleId=81409
新しい米国連邦の運動ガイドラインによれば、
小児・青少年は毎日1時間以上、大人は週2回、1回1時間半以上の
運動を行うべきである。
このガイドラインは米国人に対し、体重減少、慢性疾患予防、
長生きのために身体を動かすことを推奨。
これまでの取り組みとは異なり、ジム運動の重要性が低下し、
人々がもっと楽しめる運動を支持する内容。
「生活に採り入れやすい運動を選ぶべき」とこのガイドラインを発表した
米国保健福祉省長官であるMichael O. Leavittは、
「身体を動かしさえすれば、何でもよい」
諮問委員会は、小児・青少年は毎日1時間以上運動し、
週に少なくとも3日はより強度の高い運動を行うべき。
代理長官であるSteven Galsonは、
「木登りをしたり、公園に行ったり、飛んだり跳ねたりするゲーム
(hopping and skipping games)をすればよい」
米国の成人の3分の1以上は、運動量が推奨された量に満たず、
4分の1は定期的な余暇時間の運動をまったく行っていない。
糖尿病、心疾患等の慢性疾患および早死のリスクが高くなる。
本ガイドラインでは、1週間につき2.5時間の中強度の運動または
1時間15分の激しい運動を行うことを推奨。
成人に対し、活動と強度を「うまく組み合わせる」ことを推奨、
最低でも1日10分の運動を推奨。
成人は、すべての主要筋群の筋力強化運動を週2日以上実施すべき。
中強度の有酸素運動の例として、社交ダンス、早足のウォーキング、
10マイル(約16km)/時未満の速度での自転車こぎ、水中エアロビクス、
ガーデニングがあげられる。
激しい運動としては、ジョギング、ランニング、なわとび、
上り坂または重いリュックを背負ってのハイキング、
10マイル(約16km)/時間以上の速度での自転車こぎがあげられる。
本ガイドラインでは以下の事項も推奨:
健康な妊婦:妊娠中および産後期の2.5時間以上の中強度の運動
身体障害のある成人:週に2.5時間の運動(可能な者)
65歳以上の成人:能力に応じて週に2.5時間。
転倒リスクが高い高齢者にはバランスを保つのに役立つ運動。
本ガイドラインでは、ジムおよび運動クラスの重要性が低下し、
多くの米国人にとって継続が容易な運動を支持する内容。
「好きな運動を選んで」とGalson代理長官は述べる。
コロラド大学人間栄養センター(Center for Human Nutrition)長である
James O. Hillは、本ガイドラインを運動に関する初めての
包括的かつ国家的勧告であると称賛。
「重要なのは、『多いほどよい』ということ。
人々がどのように達成し、どのように運動を増やすかを理解する
手助けをしているにすぎない」。
Hill博士は、米国栄養学会(American Society for Nutrition)会長も務める。
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=SPECIALTY&categoryId=580&articleLang=ja&articleId=81409
プロ野球組織がCO2排出権購入へ、試合時間短縮目標に届かず
(読売 10月16日)
日本プロ野球組織(NPB)は、今季から地球温暖化防止活動に
本格的に取り組み、試合時間を短縮することで使用電力量を抑えよう
というキャンペーンを張ってきたが、
平均試合時間が目標に届かなかったため、
その分の二酸化炭素(CO2)排出権を購入。
NPBでは、京都議定書で定めた日本の温室効果ガス削減目標6%にちなみ、
過去10年の1試合平均試合時間3時間18分の6%にあたる
約12分間の時短を目標に掲げてきた。
しかし、今季のレギュラーシーズン全864試合の平均試合時間は、
3時間13分だった。
目標に届かなかった7分間を、使用電力量に換算すると、
21万9000キロ・ワット・アワー、CO2換算すると約122トンになる。
NPBは、122トン分のCO2排出権を51万2400円で購入。
平均試合時間の最短は巨人の3時間8分、最長はソフトバンクの3時間21分。
http://www.yomiuri.co.jp/eco/news/20081016-OYT1T00716.htm
日本プロ野球組織(NPB)は、今季から地球温暖化防止活動に
本格的に取り組み、試合時間を短縮することで使用電力量を抑えよう
というキャンペーンを張ってきたが、
平均試合時間が目標に届かなかったため、
その分の二酸化炭素(CO2)排出権を購入。
NPBでは、京都議定書で定めた日本の温室効果ガス削減目標6%にちなみ、
過去10年の1試合平均試合時間3時間18分の6%にあたる
約12分間の時短を目標に掲げてきた。
しかし、今季のレギュラーシーズン全864試合の平均試合時間は、
3時間13分だった。
目標に届かなかった7分間を、使用電力量に換算すると、
21万9000キロ・ワット・アワー、CO2換算すると約122トンになる。
NPBは、122トン分のCO2排出権を51万2400円で購入。
平均試合時間の最短は巨人の3時間8分、最長はソフトバンクの3時間21分。
http://www.yomiuri.co.jp/eco/news/20081016-OYT1T00716.htm
創造力を伸ばす知的交流を
(日経 2008/10/17)
◇江崎玲於奈(横浜薬科大学長、茨城県科学技術振興財団理事長)
今年のノーベル賞の日本の受賞者4人に共通しているのは、「若さ」だ。
物理学賞の南部さんが39歳、小林さんが28歳、益川さんが33歳、
化学賞の下村さんが32歳のときに授賞理由となった研究成果を上げた。
私が(1973年の物理学賞の授賞理由となった)半導体のトンネル効果を
発見したのも32歳。
若さこそが伝統にとらわれず、境界や限界を無視する
自由と果敢な実行力の源であり、創造力が発揮される。
年とともに、既成の枠を飛び出す勇気を失う。
◆創造力開花の条件
私は戦後すぐ、半導体物理の研究に取り組んだ。
今でこそIT(情報技術)社会の基本技術として花開いているが、
当時はその揺籃期。
基本原理である量子力学を理解できる人は、ごくわずか。
量子力学を応用した電子デバイスの開発を目指した。
これは、大変新しい試み。
新しい分野なら、創造力さえあれば、恵まれない研究環境であっても、
大きなハンディにはならない。
若手がこうした新分野を開拓できれば、今後も日本のノーベル賞受賞者が
途切れることはないだろう。
創造力を伸ばす条件は、3つある。
伝統を打ち破る大胆な気風、他者との自由な知的交流、
評価が公正に下される競争的環境。
特に、リーダーが自分たちを乗り越える若手を育てることが大事。
日本は、95年に立案した科学技術基本計画で、
膨大な資金を投じて研究環境の整備に努めているが、
創造力開花の条件はまだ満たされていない。
日本の大学教育にしても、創造力よりは知識力を重視している。
◆産業界との結び付きを強めよ
科学技術基本計画は、日本の科学技術の強化を狙い、
「50年間に30人のノーベル賞受賞者」を掲げている。
これも1つの目標だが、産業界との結び付きを無視してはいけない。
日本の博士号取得者の約20%が、企業に身を置く。
米国の比率は約40%、しかもダイナミックで有能な人材が企業で働く。
日本でも、博士号取得者がもっと企業に進み、
そこで創造的な仕事ができるように環境整備すべき。
“知の世紀”に、博士号取得者の就職難があってはならない。
20世紀最大の発明の1つ、トランジスタは米AT&Tベル研究所で生まれた。
そこでは、基礎と応用の双方で異なる専門分野の研究者たちが
一堂に会し、総合力を発揮した。
一国一城の主が集まる大学では、こうした発明は難しい。
日本でも、日立製作所やNECのような企業は創造的な技術開発を重視。
企業だからこそできる発明に、もっと挑んでもらいたい。
◆「頭脳流出」の要因、検証を
今回気になったのは、南部さんと下村さんの「頭脳流出」組。
キャリアを積む過程で、産業界はもちろん、大学でも自由に研究できる
ポジションが日本になかった。
オワンクラゲから緑色蛍光たんぱく質(GFP)を見つけた下村さんは、
「日本では、たぶんGFPを発見できなかった」。
これはかなり手厳しい発言。
自由な研究を阻害する要因が何だったのか、
今はどうなっているかを検証すべき。
私の場合、半導体のトンネル効果の仕事が認められ、
60年に渡米してIBMワトソン研究所に入った。
そこで自然を超える人工物質、半導体量子ナノ構造である「超格子」を提案。
高度な技術が求められるので、多大な研究費を要する。
実用に直結する課題ではなかったが、関心を示してくれたのは米国防総省で、
資金を提供してくれた。
ナノスケールの厚さを制御するので、ナノテクノロジー(超微細技術)、
ナノサイエンスの嚆矢といわれる。
IBMワトソン研には、多くのアジア系研究者が働き、
この人たちが私の研究室でも活躍してくれた。
米国の大学で博士号を取得後、米企業に高給で就職し、米国市民となる。
日本では、こんなことは容易にできないだろう。
◆基礎と応用、バランスが重要
いったんは「頭脳流出」した私が、日本に戻ってきたのは、
筑波大の若手教官らの熱心な勧誘があったから。
IBMでは、ノーベル賞受賞者に特権があり、研究を続けることは可能だった。
しかし、研究生活よりも、米国での経験を生かして若手の創造力を伸ばす
手助けをしたいという気持ちがまさった。
2000年に、国の教育改革国民会議の座長を引き受けたのも、
2つの大学の学長職に就いたのも同じ理由。
あちこちで説いて回っているのは、基礎と応用のバランスの重要性。
「基礎偏重・応用軽視」も、その逆もよくない。
創造性のある基礎研究と実用性のある応用研究に資金を供与する。
全体のバランスを考えたうえで、研究にも教育にも力を入れる。
これらが今後の日本の科学技術政策の枢要と考える。
◆えさき・れおな
47年(昭22年)東大卒。東京通信工業(現ソニー)、米IBMなどを経て、
92年筑波大学長、98年茨城県科学技術振興財団理事長、
00年芝浦工大学長。06年から横浜薬科大学長。
米国での研究成果「超格子」で日本人初の2度目のノーベル賞受賞の期待。
http://netplus.nikkei.co.jp/forum/science/t_366/e_1508.php
◇江崎玲於奈(横浜薬科大学長、茨城県科学技術振興財団理事長)
今年のノーベル賞の日本の受賞者4人に共通しているのは、「若さ」だ。
物理学賞の南部さんが39歳、小林さんが28歳、益川さんが33歳、
化学賞の下村さんが32歳のときに授賞理由となった研究成果を上げた。
私が(1973年の物理学賞の授賞理由となった)半導体のトンネル効果を
発見したのも32歳。
若さこそが伝統にとらわれず、境界や限界を無視する
自由と果敢な実行力の源であり、創造力が発揮される。
年とともに、既成の枠を飛び出す勇気を失う。
◆創造力開花の条件
私は戦後すぐ、半導体物理の研究に取り組んだ。
今でこそIT(情報技術)社会の基本技術として花開いているが、
当時はその揺籃期。
基本原理である量子力学を理解できる人は、ごくわずか。
量子力学を応用した電子デバイスの開発を目指した。
これは、大変新しい試み。
新しい分野なら、創造力さえあれば、恵まれない研究環境であっても、
大きなハンディにはならない。
若手がこうした新分野を開拓できれば、今後も日本のノーベル賞受賞者が
途切れることはないだろう。
創造力を伸ばす条件は、3つある。
伝統を打ち破る大胆な気風、他者との自由な知的交流、
評価が公正に下される競争的環境。
特に、リーダーが自分たちを乗り越える若手を育てることが大事。
日本は、95年に立案した科学技術基本計画で、
膨大な資金を投じて研究環境の整備に努めているが、
創造力開花の条件はまだ満たされていない。
日本の大学教育にしても、創造力よりは知識力を重視している。
◆産業界との結び付きを強めよ
科学技術基本計画は、日本の科学技術の強化を狙い、
「50年間に30人のノーベル賞受賞者」を掲げている。
これも1つの目標だが、産業界との結び付きを無視してはいけない。
日本の博士号取得者の約20%が、企業に身を置く。
米国の比率は約40%、しかもダイナミックで有能な人材が企業で働く。
日本でも、博士号取得者がもっと企業に進み、
そこで創造的な仕事ができるように環境整備すべき。
“知の世紀”に、博士号取得者の就職難があってはならない。
20世紀最大の発明の1つ、トランジスタは米AT&Tベル研究所で生まれた。
そこでは、基礎と応用の双方で異なる専門分野の研究者たちが
一堂に会し、総合力を発揮した。
一国一城の主が集まる大学では、こうした発明は難しい。
日本でも、日立製作所やNECのような企業は創造的な技術開発を重視。
企業だからこそできる発明に、もっと挑んでもらいたい。
◆「頭脳流出」の要因、検証を
今回気になったのは、南部さんと下村さんの「頭脳流出」組。
キャリアを積む過程で、産業界はもちろん、大学でも自由に研究できる
ポジションが日本になかった。
オワンクラゲから緑色蛍光たんぱく質(GFP)を見つけた下村さんは、
「日本では、たぶんGFPを発見できなかった」。
これはかなり手厳しい発言。
自由な研究を阻害する要因が何だったのか、
今はどうなっているかを検証すべき。
私の場合、半導体のトンネル効果の仕事が認められ、
60年に渡米してIBMワトソン研究所に入った。
そこで自然を超える人工物質、半導体量子ナノ構造である「超格子」を提案。
高度な技術が求められるので、多大な研究費を要する。
実用に直結する課題ではなかったが、関心を示してくれたのは米国防総省で、
資金を提供してくれた。
ナノスケールの厚さを制御するので、ナノテクノロジー(超微細技術)、
ナノサイエンスの嚆矢といわれる。
IBMワトソン研には、多くのアジア系研究者が働き、
この人たちが私の研究室でも活躍してくれた。
米国の大学で博士号を取得後、米企業に高給で就職し、米国市民となる。
日本では、こんなことは容易にできないだろう。
◆基礎と応用、バランスが重要
いったんは「頭脳流出」した私が、日本に戻ってきたのは、
筑波大の若手教官らの熱心な勧誘があったから。
IBMでは、ノーベル賞受賞者に特権があり、研究を続けることは可能だった。
しかし、研究生活よりも、米国での経験を生かして若手の創造力を伸ばす
手助けをしたいという気持ちがまさった。
2000年に、国の教育改革国民会議の座長を引き受けたのも、
2つの大学の学長職に就いたのも同じ理由。
あちこちで説いて回っているのは、基礎と応用のバランスの重要性。
「基礎偏重・応用軽視」も、その逆もよくない。
創造性のある基礎研究と実用性のある応用研究に資金を供与する。
全体のバランスを考えたうえで、研究にも教育にも力を入れる。
これらが今後の日本の科学技術政策の枢要と考える。
◆えさき・れおな
47年(昭22年)東大卒。東京通信工業(現ソニー)、米IBMなどを経て、
92年筑波大学長、98年茨城県科学技術振興財団理事長、
00年芝浦工大学長。06年から横浜薬科大学長。
米国での研究成果「超格子」で日本人初の2度目のノーベル賞受賞の期待。
http://netplus.nikkei.co.jp/forum/science/t_366/e_1508.php
ものづくり(9)熟練社員「先生」に変身
(読売 10月18日)
ものづくりのベテランを再教育する試みがある。
シャープ、TDK、キヤノン、アサヒビール、パナソニック、
ダイキン工業、三菱重工業。
大手メーカーで、ものづくりの前線に立ってきたベテラン社員7人が、
東京・本郷のビルにある東京大学ものづくり経営研究センターに集った。
「ものづくりインストラクター養成スクール」4年目の初授業。
センター長で経済学研究科の藤本隆宏教授が、
トヨタやフォードの例を挙げながら、製品競争力を説明。
「原材料がどう加工されていくか、モノの流れを時間と空間で
書いて把握することが大切」。
現場で改善指導する時の要点を、受講生はうなずきながらノートに書き込む。
佐藤裕三さん(47)は、TDKでカセットテープの製造に携わってきた。
現在は、生産技術開発センターの課長。
テープづくりで得た効率的な生産方式を、他事業へ移植できないか模索中で、
社命による受講。
「内容はわかっていても、整理して説明してもらうことで、
ものづくりをより理解できる。会社に戻って説明しやすい」
斉藤茂さん(60)は、キヤノンでプリンターの組み立て・加工現場の管理職。
今春、定年退職してキヤノンに再雇用され、様々な生産拠点の支援に回る。
「受講生の会社やつくってきたものが皆違うので、参考になることも多い」
週末中心に2か月余りで20回、朝から夕方まで開講し、
コストや生産性、工程管理、コンサルティングなどの基本を学んだ後、
現場での改善指導実習を経て討論。
スクールの開講は2005年度。
団塊世代が退職を始める、2007年問題への危機感が背景に。
ものづくりに熟練した団塊層が再雇用されても、
安い給料でかつての部下の下で働くことになると、士気が上がらない。
ライバルの外国企業で、<先生>と遇される例も。
一方、生産工程の改善指導を期待する中小企業は少なくない。
大企業でものづくりの現場が長い人は、品質や納期などの生産性の改善を
無意識に進めてきたが、自分たちの経験や知識に無自覚な場合も多い。
自社でしか通用しない用語で動いてきたことで、一般化して説明することも苦手。
そんな潜在的な<先生>を、インストラクターに育てるのが、スクールの役目。
修了生42人は、個人でコンサルタントになったり、社内で後輩に指導したり、
数人で中小企業の工場に改善策を提案したり、活躍を始めた。
2年目まで国の助成があって無料だったスクールは、
3年目から受講料(300万円)が必要。
今年の受講生は、最多の年の半分以下。
「企業は、中高年への投資に二の足を踏むかもしれないが、
長期的には日本のものづくりのためになる」と藤本教授。
その目的達成には、企業や行政の協力がいる。
◆2007年問題
第1次ベビーブーム(1947~49年)に生まれた団塊世代が
07年から定年を迎えるため、蓄積された技術やノウハウ、人脈が失われたり、
技能・技術の質が低下したりするといった問題が指摘。
経営への影響を軽減させるため、企業は再雇用制度の導入や、
「ものづくり塾」による技能伝承などの対策を取っている。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20081018-OYT8T00214.htm
ものづくりのベテランを再教育する試みがある。
シャープ、TDK、キヤノン、アサヒビール、パナソニック、
ダイキン工業、三菱重工業。
大手メーカーで、ものづくりの前線に立ってきたベテラン社員7人が、
東京・本郷のビルにある東京大学ものづくり経営研究センターに集った。
「ものづくりインストラクター養成スクール」4年目の初授業。
センター長で経済学研究科の藤本隆宏教授が、
トヨタやフォードの例を挙げながら、製品競争力を説明。
「原材料がどう加工されていくか、モノの流れを時間と空間で
書いて把握することが大切」。
現場で改善指導する時の要点を、受講生はうなずきながらノートに書き込む。
佐藤裕三さん(47)は、TDKでカセットテープの製造に携わってきた。
現在は、生産技術開発センターの課長。
テープづくりで得た効率的な生産方式を、他事業へ移植できないか模索中で、
社命による受講。
「内容はわかっていても、整理して説明してもらうことで、
ものづくりをより理解できる。会社に戻って説明しやすい」
斉藤茂さん(60)は、キヤノンでプリンターの組み立て・加工現場の管理職。
今春、定年退職してキヤノンに再雇用され、様々な生産拠点の支援に回る。
「受講生の会社やつくってきたものが皆違うので、参考になることも多い」
週末中心に2か月余りで20回、朝から夕方まで開講し、
コストや生産性、工程管理、コンサルティングなどの基本を学んだ後、
現場での改善指導実習を経て討論。
スクールの開講は2005年度。
団塊世代が退職を始める、2007年問題への危機感が背景に。
ものづくりに熟練した団塊層が再雇用されても、
安い給料でかつての部下の下で働くことになると、士気が上がらない。
ライバルの外国企業で、<先生>と遇される例も。
一方、生産工程の改善指導を期待する中小企業は少なくない。
大企業でものづくりの現場が長い人は、品質や納期などの生産性の改善を
無意識に進めてきたが、自分たちの経験や知識に無自覚な場合も多い。
自社でしか通用しない用語で動いてきたことで、一般化して説明することも苦手。
そんな潜在的な<先生>を、インストラクターに育てるのが、スクールの役目。
修了生42人は、個人でコンサルタントになったり、社内で後輩に指導したり、
数人で中小企業の工場に改善策を提案したり、活躍を始めた。
2年目まで国の助成があって無料だったスクールは、
3年目から受講料(300万円)が必要。
今年の受講生は、最多の年の半分以下。
「企業は、中高年への投資に二の足を踏むかもしれないが、
長期的には日本のものづくりのためになる」と藤本教授。
その目的達成には、企業や行政の協力がいる。
◆2007年問題
第1次ベビーブーム(1947~49年)に生まれた団塊世代が
07年から定年を迎えるため、蓄積された技術やノウハウ、人脈が失われたり、
技能・技術の質が低下したりするといった問題が指摘。
経営への影響を軽減させるため、企業は再雇用制度の導入や、
「ものづくり塾」による技能伝承などの対策を取っている。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20081018-OYT8T00214.htm
岩手大、大連企業と研究 3次元技術テーマに
(岩手日報 10月18日)
中国・大連市の大連理工大と学術交流協定を締結している岩手大は、
大連市の情報技術(IT)関連企業DAICOMと
3次元ものづくり技術をテーマに共同研究を始める。
11月に正式調印する見通し。
同社が来春から社員を岩手大に派遣し、同社が取り組む
アニメーション技術と岩手大の3次元ものづくり技術を融合し、
新たな付加価値を創出する。
DAICOMは、1994年創業したコンピューター、
移動体通信用ハード・ソフトウエア開発企業。
ゲームエンジンや携帯ゲームを開発し、
日本や米国の企業と取引実績がある。
同社の戴維社長らは昨年10月、岩手大や県内企業を訪れ、共同研究を模索。
調整を重ね、今年9月下旬に来県し、共同研究を進める方向を確認。
共同研究テーマは、「自然現象のリアルタイムアニメーション技術」。
岩手大工学部の千葉則茂教授(メディアシステム学)の研究技術を活用し、
独自のゲームエンジン技術を開発する計画。
岩手大は2003年、大学と大学、地域と地域が産学官連携を深め、
国境を超えたビジネスチャンスを創出する「UURRプロジェクト」のチームを設置。
05年に大連理工大と学術交流協定を締結。
日本貿易振興機構(ジェトロ)盛岡貿易情報センターの支援も受け、
今年3月には岩手大と大連理工大、大連四達鋳造有限公司が
金型、鋳造、ITの3分野で協定締結するなど産業交流が活発化。
大連四達鋳造有限公司、DAICOMそれぞれの協定調印は11月11日、
大連理工大で行われる国際産業連携シンポジウムで予定。
小野寺純治・岩手大地域連携推進センター所長は、
「現在継続中の案件も含め、鋳造は2件、IT関連で3件の産業交流が進んでいる。
他分野にも広がる動きが出てきた」と成果を喜ぶ。
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20081018_1
中国・大連市の大連理工大と学術交流協定を締結している岩手大は、
大連市の情報技術(IT)関連企業DAICOMと
3次元ものづくり技術をテーマに共同研究を始める。
11月に正式調印する見通し。
同社が来春から社員を岩手大に派遣し、同社が取り組む
アニメーション技術と岩手大の3次元ものづくり技術を融合し、
新たな付加価値を創出する。
DAICOMは、1994年創業したコンピューター、
移動体通信用ハード・ソフトウエア開発企業。
ゲームエンジンや携帯ゲームを開発し、
日本や米国の企業と取引実績がある。
同社の戴維社長らは昨年10月、岩手大や県内企業を訪れ、共同研究を模索。
調整を重ね、今年9月下旬に来県し、共同研究を進める方向を確認。
共同研究テーマは、「自然現象のリアルタイムアニメーション技術」。
岩手大工学部の千葉則茂教授(メディアシステム学)の研究技術を活用し、
独自のゲームエンジン技術を開発する計画。
岩手大は2003年、大学と大学、地域と地域が産学官連携を深め、
国境を超えたビジネスチャンスを創出する「UURRプロジェクト」のチームを設置。
05年に大連理工大と学術交流協定を締結。
日本貿易振興機構(ジェトロ)盛岡貿易情報センターの支援も受け、
今年3月には岩手大と大連理工大、大連四達鋳造有限公司が
金型、鋳造、ITの3分野で協定締結するなど産業交流が活発化。
大連四達鋳造有限公司、DAICOMそれぞれの協定調印は11月11日、
大連理工大で行われる国際産業連携シンポジウムで予定。
小野寺純治・岩手大地域連携推進センター所長は、
「現在継続中の案件も含め、鋳造は2件、IT関連で3件の産業交流が進んでいる。
他分野にも広がる動きが出てきた」と成果を喜ぶ。
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20081018_1
2008年10月21日火曜日
緑茶カテキンで再発を予防 大腸ポリープ切除後1年で
(共同通信社 2008年10月14日)
緑茶成分のカテキンを含む錠剤を飲み続けると、
大腸ポリープの再発が抑えられることを、
岐阜大医学部の清水雅仁助教、森脇久隆教授らが臨床試験で確かめた。
日本癌学会で発表。
大腸がんのもとになるポリープの再発予防が、
緑茶錠剤の臨床試験で実証されたのは初めて。
手軽な緑茶錠剤によるがん予防の可能性をうかがわせる成果。
臨床試験には、岐阜大病院など岐阜県内の4病院が参加。
大腸ポリープを内視鏡で切除した125人のうち、
60人に緑茶錠剤3錠(計1.5グラム、6杯分)を毎日飲んでもらい、
飲まない65人と、1年後に大腸を内視鏡で検査して、ポリープ再発率を比べた。
再発率は、緑茶錠剤を飲まなかった人では31%に対し、
錠剤を飲み続けた人たちでは15%と明らかに低かった。
再発したポリープのサイズも、錠剤を飲んだ人で小さい傾向。
緑茶錠剤を飲んでも、1日に緑茶を飲む量が3杯以下と少ない人の
再発率は60%と高かった。
毎日飲む緑茶が多いほど、ポリープの再発が抑制されることも裏付けた。
森脇教授は、「薬ではなく、日常生活で取りうる物質で
大腸ポリープ再発予防効果が確かめられた意義が何より大きい。
緑茶をよく飲むという生活習慣で予防できる可能性もある」
▽緑茶のがん予防効果
緑茶を大量に飲む埼玉県の住民を対象にした
埼玉県立がんセンターの調査で見つかった。
ほかの疫学調査で異なる結果も出ているが、
カテキン摂取量で1日10杯以上が必要。
埼玉県農林総合研究センターが緑茶抽出物を固めた錠剤を作った。
「緑茶サプリメント」として市販もされ、
岐阜大の大腸ポリープ再発予防試験に使われた。
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=81269
緑茶成分のカテキンを含む錠剤を飲み続けると、
大腸ポリープの再発が抑えられることを、
岐阜大医学部の清水雅仁助教、森脇久隆教授らが臨床試験で確かめた。
日本癌学会で発表。
大腸がんのもとになるポリープの再発予防が、
緑茶錠剤の臨床試験で実証されたのは初めて。
手軽な緑茶錠剤によるがん予防の可能性をうかがわせる成果。
臨床試験には、岐阜大病院など岐阜県内の4病院が参加。
大腸ポリープを内視鏡で切除した125人のうち、
60人に緑茶錠剤3錠(計1.5グラム、6杯分)を毎日飲んでもらい、
飲まない65人と、1年後に大腸を内視鏡で検査して、ポリープ再発率を比べた。
再発率は、緑茶錠剤を飲まなかった人では31%に対し、
錠剤を飲み続けた人たちでは15%と明らかに低かった。
再発したポリープのサイズも、錠剤を飲んだ人で小さい傾向。
緑茶錠剤を飲んでも、1日に緑茶を飲む量が3杯以下と少ない人の
再発率は60%と高かった。
毎日飲む緑茶が多いほど、ポリープの再発が抑制されることも裏付けた。
森脇教授は、「薬ではなく、日常生活で取りうる物質で
大腸ポリープ再発予防効果が確かめられた意義が何より大きい。
緑茶をよく飲むという生活習慣で予防できる可能性もある」
▽緑茶のがん予防効果
緑茶を大量に飲む埼玉県の住民を対象にした
埼玉県立がんセンターの調査で見つかった。
ほかの疫学調査で異なる結果も出ているが、
カテキン摂取量で1日10杯以上が必要。
埼玉県農林総合研究センターが緑茶抽出物を固めた錠剤を作った。
「緑茶サプリメント」として市販もされ、
岐阜大の大腸ポリープ再発予防試験に使われた。
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=81269
大漁旗一緒に振ろう 釜石SWが私設応援団募集
(岩手日報 10月15日)
社会人ラグビーの釜石シーウェイブス(SW)RFCは、
「みんなでつくる釜石シーウェイブス応援団」と題した
私設応援団の募集を15日から開始。
団員5人以上で結成でき、20人以上なら応援用の大漁旗を
無料で製作してもらえるなどの特典がある。
大漁旗を使う応援は、日本選手権で7連覇を達成した
新日鉄釜石時代から変わらないスタイル。
国立競技場を沸かせた大応援団を復活させ、トップリーグ昇格を後押し。
応援団は、年会費1人1000円。
特典として、団員は商標登録しているチームロゴを営利目的以外で
自由に使用できるほか、20人以上の応援団は、
釜石SW事務局が無料で大漁旗1枚を製作する。
複数枚作る場合や人数が20人に満たない場合でも、1枚1万5000円で製作。
大漁旗は、見本2種類と自由製作から選べ、
応援団名や応援メッセージを載せる。
ロゴはTシャツや帽子など、自主製作する応援道具にも使用。
私設応援団は、釜石市や盛岡市などに5団体ある。
プロ野球やサッカー・Jリーグでは主流となっている複数の私設応援団だが、
社会人ラグビーでは珍しい。
得点を決めた時に翻る大漁旗は、釜石ラグビーのシンボルで選手を鼓舞。
釜石SW事務局の増田久士事務局長は、
「応援する気持ちはあるが、表現できる仕組みが少ないとの声もあり、
企画した。職場仲間や友人同士で気軽に結成してもらい、
ロゴや大漁旗などを応援団のシンボルにしてほしい」
と多くの参加を呼び掛ける。
私設応援団同士の交流もあり、SW釜石応援団の福成和幸団長は、
「旗があれば、グラウンドで応援したくなるはず。
迫力のある応援をするために、一緒に旗を振ってくれるとうれしい」。
応募方法は、釜石SWの公式ホームページから書類を印刷し、ファクスで送信。
問い合わせ:釜石SW事務局(0193・22・1173)、ファクス(0193・22・1183)
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20081015_13
社会人ラグビーの釜石シーウェイブス(SW)RFCは、
「みんなでつくる釜石シーウェイブス応援団」と題した
私設応援団の募集を15日から開始。
団員5人以上で結成でき、20人以上なら応援用の大漁旗を
無料で製作してもらえるなどの特典がある。
大漁旗を使う応援は、日本選手権で7連覇を達成した
新日鉄釜石時代から変わらないスタイル。
国立競技場を沸かせた大応援団を復活させ、トップリーグ昇格を後押し。
応援団は、年会費1人1000円。
特典として、団員は商標登録しているチームロゴを営利目的以外で
自由に使用できるほか、20人以上の応援団は、
釜石SW事務局が無料で大漁旗1枚を製作する。
複数枚作る場合や人数が20人に満たない場合でも、1枚1万5000円で製作。
大漁旗は、見本2種類と自由製作から選べ、
応援団名や応援メッセージを載せる。
ロゴはTシャツや帽子など、自主製作する応援道具にも使用。
私設応援団は、釜石市や盛岡市などに5団体ある。
プロ野球やサッカー・Jリーグでは主流となっている複数の私設応援団だが、
社会人ラグビーでは珍しい。
得点を決めた時に翻る大漁旗は、釜石ラグビーのシンボルで選手を鼓舞。
釜石SW事務局の増田久士事務局長は、
「応援する気持ちはあるが、表現できる仕組みが少ないとの声もあり、
企画した。職場仲間や友人同士で気軽に結成してもらい、
ロゴや大漁旗などを応援団のシンボルにしてほしい」
と多くの参加を呼び掛ける。
私設応援団同士の交流もあり、SW釜石応援団の福成和幸団長は、
「旗があれば、グラウンドで応援したくなるはず。
迫力のある応援をするために、一緒に旗を振ってくれるとうれしい」。
応募方法は、釜石SWの公式ホームページから書類を印刷し、ファクスで送信。
問い合わせ:釜石SW事務局(0193・22・1173)、ファクス(0193・22・1183)
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20081015_13
ものづくり(8)伝統建築守る即戦力に
(読売 10月17日)
日本の伝統建築を通じて、ものづくりの奥深さを教える学校がある。
富士山のすそ野に広がる校内の実習棟には、
木材が所狭しと積み上げられていた。
静岡県富士宮市の日本建築専門学校。
日本の伝統建築を受け継ぐ人材を育てる、国内でも数少ない学校。
「真上からしっかりにらんで、線を引かないと駄目だぞ」。
ヒノキに定規をあて、切り落とす部分にペンで線を書き込む学生に、
担任の長谷川幸基教諭(40)が声をかける。
実習棟の隅では、建物の骨格部分が組み上がりつつある。
学生6人が木を切ったりカンナをかけたりしていた。
授業の一環で行われている社の建築。
市内の浅間大社から依頼を受け、今年度中の完成をめざしている。
リーダー役は3年生の加藤靖さん(20)。
木材は、湿度や気温の影響を受け、微妙に伸縮してしまう。
「図面通りに行かないことも多いが、そこが面白い」。
畳屋の次男。兄は家業を継いでおり、「自分が建てた家に兄の畳を入れたい」
同校の創立は、1987年。
同県清水市(現静岡市)内で建築会社を営んでいた
菊池安治・初代理事長(故人)が私財を投じた。
大学で建築を学んできた新入社員が、木材の種類すら知らず、
「このままでは、日本の伝統建築は廃れる」と強い危機感があった。
4年制で、ほとんどの学生が寮生活をしながら、設計や構造力学など、
木造建築に必要な知識と技術の習得に励んでいる。
大工を目指す学生が多いが、これまで600人を超える卒業生には、
建築士もいれば文化財の保全などに携わる人も。
カリキュラムの中には、日本建築の良さを実感させる
茶道の授業や造園の実習も。
木造校舎には茶室も備えられ、1、2年の茶道は必修。
「建築は、器を造るだけの作業ではない。周囲とのかかわりを理解し、
人が住む空間としての建築を学んでほしい」と長谷川教諭。
だが、伝統建築を志す学生の数は伸び悩んでいる。
同校の在校生は、定員160人(1学年40人)に対して86人。
建築業界の不景気も影響して、ここ数年は定員割れが続く苦しい状況。
しかし、「第一線で活躍できる技術者の育成」という学校の目標に変わりはない。
今年からは、学生たちの競争意識を高めるため、
建物の設計図をコンペ形式で競い合う取り組みを始めた。
テーマは、「9坪(約30平方メートル)の家」。
若い夫婦が新婚生活を始める一戸建て賃貸住宅で、
子供が成長した時のために増築しやすいことなど、細かな条件が設定。
2年生18人が設計図を作り、最優秀作は、
来年、1、2年生が建てる家の設計図になる。
「人より秀でたものを作ろうとする意識が、技術を向上させてくれる」と、
学校の1期生でもある長谷川教諭。
知識と技術を兼ね備えた即戦力たちが、これからも日本の伝統建築の
将来を支える存在になる。
◆建築大工技能士
職業能力開発促進法に基づく国家資格で、1~3級がある。
2004年から、3級は建築科などに在籍する高校生や専門学校生も
受験できるようになった。2級は、3級取得後に受験できる。
日本建築専門学校では昨年度、117人中72人が3級、
うち27人は2級も取得。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20081017-OYT8T00254.htm
日本の伝統建築を通じて、ものづくりの奥深さを教える学校がある。
富士山のすそ野に広がる校内の実習棟には、
木材が所狭しと積み上げられていた。
静岡県富士宮市の日本建築専門学校。
日本の伝統建築を受け継ぐ人材を育てる、国内でも数少ない学校。
「真上からしっかりにらんで、線を引かないと駄目だぞ」。
ヒノキに定規をあて、切り落とす部分にペンで線を書き込む学生に、
担任の長谷川幸基教諭(40)が声をかける。
実習棟の隅では、建物の骨格部分が組み上がりつつある。
学生6人が木を切ったりカンナをかけたりしていた。
授業の一環で行われている社の建築。
市内の浅間大社から依頼を受け、今年度中の完成をめざしている。
リーダー役は3年生の加藤靖さん(20)。
木材は、湿度や気温の影響を受け、微妙に伸縮してしまう。
「図面通りに行かないことも多いが、そこが面白い」。
畳屋の次男。兄は家業を継いでおり、「自分が建てた家に兄の畳を入れたい」
同校の創立は、1987年。
同県清水市(現静岡市)内で建築会社を営んでいた
菊池安治・初代理事長(故人)が私財を投じた。
大学で建築を学んできた新入社員が、木材の種類すら知らず、
「このままでは、日本の伝統建築は廃れる」と強い危機感があった。
4年制で、ほとんどの学生が寮生活をしながら、設計や構造力学など、
木造建築に必要な知識と技術の習得に励んでいる。
大工を目指す学生が多いが、これまで600人を超える卒業生には、
建築士もいれば文化財の保全などに携わる人も。
カリキュラムの中には、日本建築の良さを実感させる
茶道の授業や造園の実習も。
木造校舎には茶室も備えられ、1、2年の茶道は必修。
「建築は、器を造るだけの作業ではない。周囲とのかかわりを理解し、
人が住む空間としての建築を学んでほしい」と長谷川教諭。
だが、伝統建築を志す学生の数は伸び悩んでいる。
同校の在校生は、定員160人(1学年40人)に対して86人。
建築業界の不景気も影響して、ここ数年は定員割れが続く苦しい状況。
しかし、「第一線で活躍できる技術者の育成」という学校の目標に変わりはない。
今年からは、学生たちの競争意識を高めるため、
建物の設計図をコンペ形式で競い合う取り組みを始めた。
テーマは、「9坪(約30平方メートル)の家」。
若い夫婦が新婚生活を始める一戸建て賃貸住宅で、
子供が成長した時のために増築しやすいことなど、細かな条件が設定。
2年生18人が設計図を作り、最優秀作は、
来年、1、2年生が建てる家の設計図になる。
「人より秀でたものを作ろうとする意識が、技術を向上させてくれる」と、
学校の1期生でもある長谷川教諭。
知識と技術を兼ね備えた即戦力たちが、これからも日本の伝統建築の
将来を支える存在になる。
◆建築大工技能士
職業能力開発促進法に基づく国家資格で、1~3級がある。
2004年から、3級は建築科などに在籍する高校生や専門学校生も
受験できるようになった。2級は、3級取得後に受験できる。
日本建築専門学校では昨年度、117人中72人が3級、
うち27人は2級も取得。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20081017-OYT8T00254.htm
日本の大学が国際評価で見劣りするのは
(サイエンスポータル 2008年10月14日)
英国のザ・タイムズ紙系列の専門誌
「ザ・タイムズ・ハイヤー・エデュケーション・サプリメント」が発表した、
ことしの「世界のトップ200大学」に、
東京大学など日本の10大学が入っている。
日本の大学を上位から並べると(かっこ内が世界の順位)、
1位が東京大学(19)、2位京都大学(25)、3位大阪大学(44)、
4位東京工業大学(61)、5位東北大学(112)、
6位(120)名古屋大学、7位(158)九州大学、8位(174)北海道大学、
9位(180)早稲田大学、10位(199)神戸大学の順。
昨年の世界ランクと比較すると、順位が変わらない、下がった大学が大半で、
ランクを上げたのは、90位から61位まで上昇した東京工業大学と、
46位から44位に上がった大阪大学だけ。
トップ10にランクされたのは、1位から順にハーバード大学、イェール大学、
ケンブリッジ大学、オックスフォード大学、カリフォルニア工科大学、
インペリアル・カレッジ・ロンドン、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン、
シカゴ大学、マサチューセッツ工科大学、コロンビア大学で、
米、英両国の大学で占められている。
日本の大学は、国際的に見て何が劣っているのだろうか?
最も目立つのは、外国人スタッフの数。
もっともよい大学を100とした場合、東京大学が27、京都大学が30、
大阪大学が25、東京工業大学が25、東北大学が38。
世界のトップ5、ハーバード大学、イェール大学、ケンブリッジ大学、
オックスフォード大学、カリフォルニア工科大学の数値が、
87、89、98、96、100であるのと比べ、どうしようもない差。
次に数値が低いのは、外国人学生の数。
世界のトップ5大学が81、71、95、96、93に対し、
日本の上位5大学は40、26、28、45、31。
スタッフ当たりのサイテーション(論文被引用率)指数では、
日本の上位5大学が、78、91、70、87、63、
世界のトップ5大学(100、98、89、85、100)に対して、まずまず健闘。
「Peer Review」(同分野の専門家による評価)でも、
日本の上位5大学が、100、99、90、77、63と世界のトップ級ないし
そこそこのレベルにあり、足を引っぱっている要因が何かは明らか。
大学に対するこの種の評価に対しては、
「客観性を重んじているというものの、一面しかとらえていない。
主要な評価になるのは疑問」(ノーベル物理学賞受賞、
小林誠・高エネルギー加速器研究機構名誉教授)といった声も聞かれるが。
「ザ・タイムズ・ハイヤー・エデュケーション・サプリメント」の世界大学ランキング
http://www.timeshighereducation.co.uk/hybrid.asp?typeCode=243&pubCode=1
http://www.scienceportal.jp/news/review/0810/0810141.html
英国のザ・タイムズ紙系列の専門誌
「ザ・タイムズ・ハイヤー・エデュケーション・サプリメント」が発表した、
ことしの「世界のトップ200大学」に、
東京大学など日本の10大学が入っている。
日本の大学を上位から並べると(かっこ内が世界の順位)、
1位が東京大学(19)、2位京都大学(25)、3位大阪大学(44)、
4位東京工業大学(61)、5位東北大学(112)、
6位(120)名古屋大学、7位(158)九州大学、8位(174)北海道大学、
9位(180)早稲田大学、10位(199)神戸大学の順。
昨年の世界ランクと比較すると、順位が変わらない、下がった大学が大半で、
ランクを上げたのは、90位から61位まで上昇した東京工業大学と、
46位から44位に上がった大阪大学だけ。
トップ10にランクされたのは、1位から順にハーバード大学、イェール大学、
ケンブリッジ大学、オックスフォード大学、カリフォルニア工科大学、
インペリアル・カレッジ・ロンドン、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン、
シカゴ大学、マサチューセッツ工科大学、コロンビア大学で、
米、英両国の大学で占められている。
日本の大学は、国際的に見て何が劣っているのだろうか?
最も目立つのは、外国人スタッフの数。
もっともよい大学を100とした場合、東京大学が27、京都大学が30、
大阪大学が25、東京工業大学が25、東北大学が38。
世界のトップ5、ハーバード大学、イェール大学、ケンブリッジ大学、
オックスフォード大学、カリフォルニア工科大学の数値が、
87、89、98、96、100であるのと比べ、どうしようもない差。
次に数値が低いのは、外国人学生の数。
世界のトップ5大学が81、71、95、96、93に対し、
日本の上位5大学は40、26、28、45、31。
スタッフ当たりのサイテーション(論文被引用率)指数では、
日本の上位5大学が、78、91、70、87、63、
世界のトップ5大学(100、98、89、85、100)に対して、まずまず健闘。
「Peer Review」(同分野の専門家による評価)でも、
日本の上位5大学が、100、99、90、77、63と世界のトップ級ないし
そこそこのレベルにあり、足を引っぱっている要因が何かは明らか。
大学に対するこの種の評価に対しては、
「客観性を重んじているというものの、一面しかとらえていない。
主要な評価になるのは疑問」(ノーベル物理学賞受賞、
小林誠・高エネルギー加速器研究機構名誉教授)といった声も聞かれるが。
「ザ・タイムズ・ハイヤー・エデュケーション・サプリメント」の世界大学ランキング
http://www.timeshighereducation.co.uk/hybrid.asp?typeCode=243&pubCode=1
http://www.scienceportal.jp/news/review/0810/0810141.html
2008年10月20日月曜日
スポーツ薬剤師制度を創設
(共同通信社 2008年10月15日)
日本アンチ・ドーピング機構は、ドーピング防止規則や
スポーツ知識に精通した薬剤師を養成する
「公認スポーツファーマシスト制度」を創設すると発表。
日本では、ドーピング違反は知識不足や不注意から、
禁止薬物を使用してしまう例が目立つため、
競技者や指導者に対して適切な情報提供と啓発活動を実施できる
専門家の育成を目指す。
来年3月から薬剤師の資格を持つ希望者を募集、
同年4月から約1年の間に講習会を受講、認定証を発行。
問い合わせは同機構、電話03(5963)8030。
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=81329
日本アンチ・ドーピング機構は、ドーピング防止規則や
スポーツ知識に精通した薬剤師を養成する
「公認スポーツファーマシスト制度」を創設すると発表。
日本では、ドーピング違反は知識不足や不注意から、
禁止薬物を使用してしまう例が目立つため、
競技者や指導者に対して適切な情報提供と啓発活動を実施できる
専門家の育成を目指す。
来年3月から薬剤師の資格を持つ希望者を募集、
同年4月から約1年の間に講習会を受講、認定証を発行。
問い合わせは同機構、電話03(5963)8030。
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=81329
手放しで喜べないノーベル賞ラッシュ 日本に「狭く深く」の軽視はないか
(日経 10月14日)
理科系研究者のノーベル賞ラッシュにわいた日本だが、
日本人の受賞者の数をめぐり、国内外の評価が分かれた。
日本の多くの新聞は、「ノーベル物理学賞に日本人3氏」と1面を飾ったが、
世界の有力紙は「米国人が1人、日本人が2人」と報道。
物理学賞の選考にあたるスウェーデン王立科学アカデミーの発表でも、
日本国籍は2人。
日本国籍の益川敏英氏、小林誠氏は、留学経験のない「純国産コンビ」だが、
米国籍の南部陽一郎氏は、物理学の研究を続けるために米国に帰化し、
シカゴ大学で半世紀に渡り研究に打ち込んで、シカゴ大学名誉教授に。
ノーベル化学賞を受賞した下村脩氏は、日本国籍だがプリンストン大、
ウッズホール海洋生物学研究所等で研究生活を送り、
現在はボストン大名誉教授。
南部氏、下村氏ともに、自身の研究のために米国に拠点を移し、
米国での研究成果が今回の受賞につながった。
今回の日本人受賞者は、日本の報道によれば4人、
日本国籍を基準とすれば3人。
しかし、本来は、受賞の対象となった研究業績がどこで生まれたかを
基準とすべきであり、「日本」の受賞者は2人に。
外国人が、国内の研究拠点での業績で受賞すれば、
日本の受賞にカウントすべき。
国内外の報道をきっかけに、「頭脳流出」に対する問題意識が高まり、
よりよい研究環境を求めて国境を越える研究者を念頭に、
世界の頭脳が日本に集まる「頭脳循環」の実現のために
魅力的な研究環境を整えるべきとの議論が高まりつつある。
日本人が海外で活躍することよりも、日本という「場」が生み出す価値を
高めるための「GDP的発想」がより重要。
世界の先端研究者を惹きつけるべき大学をみると、
日本の競争力は実に心許ない。
国際的な高等教育情報機関であるイギリスのQS(Quacquarelli Symonds)は、
2008年版「世界大学ランキング」を発表。
研究者による評価、論文の引用数など研究力を中心に、
教育力、企業からの評価、留学生比率なども加えたうえでの総合評価。
1位は米ハーバード、2位は米エール、3位は英ケンブリッジ、
4位は英オックスフォードで、15位までは米英が独占。
20位までに米国が13校、英国が4校入るなか、
日本からは東京大の19位が最高、100位以内でも京都大(25位)、
大阪大(44位)、東京工業大(61位)の計4校。
この種のランキングは、総合評価ではなく専門分野ごとに評価すべきだが、
そのような評価を行えば、理系では日本の大学の評価がより高く、
文系ではより低くなる傾向が予想。
筆者の専門である経済学であれば、ノーベル賞受賞者数の実績と同様、
米国のランキング独占がますます強まり、受賞者がゼロの日本は
目を覆いたくなる結果となるだろう。
筆者は、日米双方の大学院に在籍したが、教員・学生双方の観点から、
日本の大学には改善の余地が多いと感じている。
大学改革のための処方箋リストは別の機会にゆずるとして、
日米の大きな相違は、雇用の仕組み。
米国には、教授としての終身雇用に向けた
厳しい競争システム(tenure制度)があり、
その間に査読論文の質と量、教育への貢献等さまざまな評価が加えられるが、
日本ではそのような仕組みが広がらない。
いったん採用されれば、やがては教授に昇進するのが原則。
国内競争がうまく機能しなければ、国外との競争に打ち勝つことは難しい。
専門課程のあり方にも違和感がある。
大学・大学院での新設学科・研究科が目白押しだが、
学際、融合、超領域等の名前を冠し、専攻する学問領域が
的確に想像しにくいものが多い。
筆者の関係する政策分野でも、「公共政策」、「総合政策」といった
政策系の学部・大学院が広がっている。
しかし、「政策」は学問ではない。
利害関係者との調整や国民への説明等を要する、優れて実践的な作業。
この「政策」がどうあるべきかを分析するのが、政策科学とも言うべき学問で、
その性質上、理系・文系にまたがる複合領域となる。
政策系の学生と接すると、ある種の傾向を感じる。
専攻を聞くと、「環境が専門です」などと言う。
「環境」は学問の対象であって、それ自体が学問ではない。
理学、工学、医学、法学、経済学など、様々な専門的アプローチがあるはず。
そこまで尋ねると、満足な答えはなかなか返ってこない。
クールビズやヒートアイランド、洞爺湖サミットなど、
ジャーナリスティックな意味で関心を呼ぶ政策の話題で饒舌になる。
専門家が集う学会にも、同様の傾向がある。
境界領域を標榜し、響きはよいが学問的基礎のあいまいな名称の学会が
次々に発足し、日本の学会は乱立気味。
主導権争い等により、同じ専門領域に2つも3つも学会が存在する。
国際的に通用する質を維持した査読付の学会誌を備えた学会は数少ない。
基礎の弱いうちから、いきなり境界領域に飛び込んで成果を挙げるのは無理。
水は、最初はチョロチョロ流れて細く地面を刻み、水量が増してくるにつれて
深さを増し、やがて勢いを得て幅を広げて川となる。
最初から幅の広い地面を覆おうとすれば、水が浅くなり、
時には干上がってしまう。
自分の軸となる学問的な分析ツールが確立してこそ、
境界領域という他流試合にも臨める。
自分と相性の良い「狭い」学問領域をできるだけ早く選択し、
「深く」掘ることで自然と水量が溢れ、幅を広げて境界を侵食していく。
伝統的な学問領域でアイデンティティーを確立するのは古臭く、頭が固くなり、
最先端の学際領域に対応できなくなるというのは全くの誤解。
創造は、知識の企図しない融合であり、
先人の知識を消化しなければ何も生まれない。
理解に努力を要する専門知識がないがしろにされがち。
組織内では、調整に長けたジェネラリストが重用され、
入門書が得意で視聴者に簡単に面白く伝えられる学者が引っ張りだこに。
政治家も、得意分野をつくれば族議員と批判され、
小選挙区制で年金、食品、税制、道路から拉致問題まで
何でもカバーしなければならない。
討論番組や記者会見などでも、勉強不足の質問者やコメンテーターが、
攻撃は最大の防御とばかりに専門家の話を遮って、
まるでクイズのように「白なのか、黒なのか」と迫る光景をよく目にする。
「分かりにくい」と一刀両断して思考停止する前に、
もう少し辛抱強く専門家の話を聞き、理解しようと努力できないか。
新しい理論や技術を生み出し、社会を進歩させるのは専門家の役割。
政策に新たな潮流や手法をもたらすのも、「薄く広く」の評論ではなく、
「狭く深く」の専門知識である。
ノーベル賞ラッシュで思い出した世界級の専門家に対する畏敬の念を、
もう少し身の回りの「本物」の専門家にも振り向け、
じっくり耳を傾けてもいいのではないだろうか。
-筆者紹介-
今川 拓郎(いまがわ たくお)
総務省 情報通信国際戦略局 情報通信経済室長
http://it.nikkei.co.jp/internet/news/index.aspx?n=MMIT2I000014102008&landing=Next
理科系研究者のノーベル賞ラッシュにわいた日本だが、
日本人の受賞者の数をめぐり、国内外の評価が分かれた。
日本の多くの新聞は、「ノーベル物理学賞に日本人3氏」と1面を飾ったが、
世界の有力紙は「米国人が1人、日本人が2人」と報道。
物理学賞の選考にあたるスウェーデン王立科学アカデミーの発表でも、
日本国籍は2人。
日本国籍の益川敏英氏、小林誠氏は、留学経験のない「純国産コンビ」だが、
米国籍の南部陽一郎氏は、物理学の研究を続けるために米国に帰化し、
シカゴ大学で半世紀に渡り研究に打ち込んで、シカゴ大学名誉教授に。
ノーベル化学賞を受賞した下村脩氏は、日本国籍だがプリンストン大、
ウッズホール海洋生物学研究所等で研究生活を送り、
現在はボストン大名誉教授。
南部氏、下村氏ともに、自身の研究のために米国に拠点を移し、
米国での研究成果が今回の受賞につながった。
今回の日本人受賞者は、日本の報道によれば4人、
日本国籍を基準とすれば3人。
しかし、本来は、受賞の対象となった研究業績がどこで生まれたかを
基準とすべきであり、「日本」の受賞者は2人に。
外国人が、国内の研究拠点での業績で受賞すれば、
日本の受賞にカウントすべき。
国内外の報道をきっかけに、「頭脳流出」に対する問題意識が高まり、
よりよい研究環境を求めて国境を越える研究者を念頭に、
世界の頭脳が日本に集まる「頭脳循環」の実現のために
魅力的な研究環境を整えるべきとの議論が高まりつつある。
日本人が海外で活躍することよりも、日本という「場」が生み出す価値を
高めるための「GDP的発想」がより重要。
世界の先端研究者を惹きつけるべき大学をみると、
日本の競争力は実に心許ない。
国際的な高等教育情報機関であるイギリスのQS(Quacquarelli Symonds)は、
2008年版「世界大学ランキング」を発表。
研究者による評価、論文の引用数など研究力を中心に、
教育力、企業からの評価、留学生比率なども加えたうえでの総合評価。
1位は米ハーバード、2位は米エール、3位は英ケンブリッジ、
4位は英オックスフォードで、15位までは米英が独占。
20位までに米国が13校、英国が4校入るなか、
日本からは東京大の19位が最高、100位以内でも京都大(25位)、
大阪大(44位)、東京工業大(61位)の計4校。
この種のランキングは、総合評価ではなく専門分野ごとに評価すべきだが、
そのような評価を行えば、理系では日本の大学の評価がより高く、
文系ではより低くなる傾向が予想。
筆者の専門である経済学であれば、ノーベル賞受賞者数の実績と同様、
米国のランキング独占がますます強まり、受賞者がゼロの日本は
目を覆いたくなる結果となるだろう。
筆者は、日米双方の大学院に在籍したが、教員・学生双方の観点から、
日本の大学には改善の余地が多いと感じている。
大学改革のための処方箋リストは別の機会にゆずるとして、
日米の大きな相違は、雇用の仕組み。
米国には、教授としての終身雇用に向けた
厳しい競争システム(tenure制度)があり、
その間に査読論文の質と量、教育への貢献等さまざまな評価が加えられるが、
日本ではそのような仕組みが広がらない。
いったん採用されれば、やがては教授に昇進するのが原則。
国内競争がうまく機能しなければ、国外との競争に打ち勝つことは難しい。
専門課程のあり方にも違和感がある。
大学・大学院での新設学科・研究科が目白押しだが、
学際、融合、超領域等の名前を冠し、専攻する学問領域が
的確に想像しにくいものが多い。
筆者の関係する政策分野でも、「公共政策」、「総合政策」といった
政策系の学部・大学院が広がっている。
しかし、「政策」は学問ではない。
利害関係者との調整や国民への説明等を要する、優れて実践的な作業。
この「政策」がどうあるべきかを分析するのが、政策科学とも言うべき学問で、
その性質上、理系・文系にまたがる複合領域となる。
政策系の学生と接すると、ある種の傾向を感じる。
専攻を聞くと、「環境が専門です」などと言う。
「環境」は学問の対象であって、それ自体が学問ではない。
理学、工学、医学、法学、経済学など、様々な専門的アプローチがあるはず。
そこまで尋ねると、満足な答えはなかなか返ってこない。
クールビズやヒートアイランド、洞爺湖サミットなど、
ジャーナリスティックな意味で関心を呼ぶ政策の話題で饒舌になる。
専門家が集う学会にも、同様の傾向がある。
境界領域を標榜し、響きはよいが学問的基礎のあいまいな名称の学会が
次々に発足し、日本の学会は乱立気味。
主導権争い等により、同じ専門領域に2つも3つも学会が存在する。
国際的に通用する質を維持した査読付の学会誌を備えた学会は数少ない。
基礎の弱いうちから、いきなり境界領域に飛び込んで成果を挙げるのは無理。
水は、最初はチョロチョロ流れて細く地面を刻み、水量が増してくるにつれて
深さを増し、やがて勢いを得て幅を広げて川となる。
最初から幅の広い地面を覆おうとすれば、水が浅くなり、
時には干上がってしまう。
自分の軸となる学問的な分析ツールが確立してこそ、
境界領域という他流試合にも臨める。
自分と相性の良い「狭い」学問領域をできるだけ早く選択し、
「深く」掘ることで自然と水量が溢れ、幅を広げて境界を侵食していく。
伝統的な学問領域でアイデンティティーを確立するのは古臭く、頭が固くなり、
最先端の学際領域に対応できなくなるというのは全くの誤解。
創造は、知識の企図しない融合であり、
先人の知識を消化しなければ何も生まれない。
理解に努力を要する専門知識がないがしろにされがち。
組織内では、調整に長けたジェネラリストが重用され、
入門書が得意で視聴者に簡単に面白く伝えられる学者が引っ張りだこに。
政治家も、得意分野をつくれば族議員と批判され、
小選挙区制で年金、食品、税制、道路から拉致問題まで
何でもカバーしなければならない。
討論番組や記者会見などでも、勉強不足の質問者やコメンテーターが、
攻撃は最大の防御とばかりに専門家の話を遮って、
まるでクイズのように「白なのか、黒なのか」と迫る光景をよく目にする。
「分かりにくい」と一刀両断して思考停止する前に、
もう少し辛抱強く専門家の話を聞き、理解しようと努力できないか。
新しい理論や技術を生み出し、社会を進歩させるのは専門家の役割。
政策に新たな潮流や手法をもたらすのも、「薄く広く」の評論ではなく、
「狭く深く」の専門知識である。
ノーベル賞ラッシュで思い出した世界級の専門家に対する畏敬の念を、
もう少し身の回りの「本物」の専門家にも振り向け、
じっくり耳を傾けてもいいのではないだろうか。
-筆者紹介-
今川 拓郎(いまがわ たくお)
総務省 情報通信国際戦略局 情報通信経済室長
http://it.nikkei.co.jp/internet/news/index.aspx?n=MMIT2I000014102008&landing=Next
ものづくり(7)現場経験 教師を変える
(読売 10月16日)
高校の工業科の教師が、ものづくりの現場で長期研修を積む。
ヘルメットに作業服姿の男性2人が、工作機械メーカー中村留精密工業
(石川県白山市)の工場で、組み立てが終わった
最新型の複合旋盤機の精度検査に取り組んでいた。
県立羽咋工業高校電子機械科の宮前信彌教諭(31)と
七尾東雲高校テクニカル工学科の一谷直人教諭(39)。
社員の指導を受けながら、宮前教諭は、マイクロ・メートル単位で
機械が正確に動くかどうかを確かめるため、測定器を機械の中に取り付ける。
一谷教諭は、機械が削った金属が、仕様どおりの寸法かどうかを確かめる。
温度によってサイズが変わらないように、
工場内の室温は常に23度に設定。
2人は9月から11月末までの3か月間、同社で研修を受けている。
作業の流れを教わるだけでなく、コンピューター制御の複合旋盤や
昔ながらの旋盤を使い、実際に金属を加工する実習の時間もある。
旋盤技術を教師になってから独学で身につけた宮前教諭は、
「知らないことだらけ。
学校ではミリ単位の精度を出すのも大変だが、
せめて100マイクロ・メートルの精度で作れるようにしたい」
石川県教委が、工業高校教諭を企業研修に派遣し始めたのは昨年度から。
対象は、機械系の学科がある8校の若手、中堅教諭。
日進月歩で変化する専門的な技能を身につけてもらうとともに、
その基礎となる旋盤の職人技を教わり、学校で生かすのが狙い。
2人ずつ年3回、中村留に通わせる。
3年間の事業で計18人が受講。
研修中は、臨時講師が授業を受け持つ。
受け入れ側の中村留の負担は大きい。
指導役には、専任の社員がつく。
少なくとも1年に9か月は社員が取られることに。
県教委と一緒に、研修カリキュラム作りに知恵を絞り、
教師が試作する金属模型の材料費も会社負担。
それでも受け入れるのは、「今の教育に風穴を開けたいからだ」と
村本英二工場長(58)。
「大学に進学できないから働く、という工業高校の生徒が増えてきているが、
企業は優秀で意欲を持った技能者が欲しい。
先生にはその気になってもらわないと困る」と語気を強める。
村本さんに言わせると、「学校の先生には教養はあるが、
品質やコスト、納期を念頭に置いた実際のものづくりの知識がない。
ペーパードライバーが運転を教えているようなもの」。
現場経験から、社会がどのような人材を求めているかを体感させたい。
これまでの研修修了者からは、「今の企業がどうなっているか、
体験をもとに授業ができるので指導しやすくなった」、
「就業規則や現場での服装、安全についての指導など、
体験した実社会の厳しさを進路指導で役立てたい」といった感想。
「先生の考えが変わってくれれば、研修は成功」(村本さん)。
長期研修は、教師の意識改革にもつながっている。
◆工業科の教員免許取得
文部科学省が認定する大学の学科で、特定の科目を履修することが必要。
機械システム工学、電気電子工学、生命工学など、
様々な学科が科目を開設。
旋盤操作など、学習指導要領にある内容は、
少なくとも2単位以上の履修を課しているが、
実際に旋盤に触れて実習を行っているかどうかは大学によって異なる。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20081016-OYT8T00170.htm
高校の工業科の教師が、ものづくりの現場で長期研修を積む。
ヘルメットに作業服姿の男性2人が、工作機械メーカー中村留精密工業
(石川県白山市)の工場で、組み立てが終わった
最新型の複合旋盤機の精度検査に取り組んでいた。
県立羽咋工業高校電子機械科の宮前信彌教諭(31)と
七尾東雲高校テクニカル工学科の一谷直人教諭(39)。
社員の指導を受けながら、宮前教諭は、マイクロ・メートル単位で
機械が正確に動くかどうかを確かめるため、測定器を機械の中に取り付ける。
一谷教諭は、機械が削った金属が、仕様どおりの寸法かどうかを確かめる。
温度によってサイズが変わらないように、
工場内の室温は常に23度に設定。
2人は9月から11月末までの3か月間、同社で研修を受けている。
作業の流れを教わるだけでなく、コンピューター制御の複合旋盤や
昔ながらの旋盤を使い、実際に金属を加工する実習の時間もある。
旋盤技術を教師になってから独学で身につけた宮前教諭は、
「知らないことだらけ。
学校ではミリ単位の精度を出すのも大変だが、
せめて100マイクロ・メートルの精度で作れるようにしたい」
石川県教委が、工業高校教諭を企業研修に派遣し始めたのは昨年度から。
対象は、機械系の学科がある8校の若手、中堅教諭。
日進月歩で変化する専門的な技能を身につけてもらうとともに、
その基礎となる旋盤の職人技を教わり、学校で生かすのが狙い。
2人ずつ年3回、中村留に通わせる。
3年間の事業で計18人が受講。
研修中は、臨時講師が授業を受け持つ。
受け入れ側の中村留の負担は大きい。
指導役には、専任の社員がつく。
少なくとも1年に9か月は社員が取られることに。
県教委と一緒に、研修カリキュラム作りに知恵を絞り、
教師が試作する金属模型の材料費も会社負担。
それでも受け入れるのは、「今の教育に風穴を開けたいからだ」と
村本英二工場長(58)。
「大学に進学できないから働く、という工業高校の生徒が増えてきているが、
企業は優秀で意欲を持った技能者が欲しい。
先生にはその気になってもらわないと困る」と語気を強める。
村本さんに言わせると、「学校の先生には教養はあるが、
品質やコスト、納期を念頭に置いた実際のものづくりの知識がない。
ペーパードライバーが運転を教えているようなもの」。
現場経験から、社会がどのような人材を求めているかを体感させたい。
これまでの研修修了者からは、「今の企業がどうなっているか、
体験をもとに授業ができるので指導しやすくなった」、
「就業規則や現場での服装、安全についての指導など、
体験した実社会の厳しさを進路指導で役立てたい」といった感想。
「先生の考えが変わってくれれば、研修は成功」(村本さん)。
長期研修は、教師の意識改革にもつながっている。
◆工業科の教員免許取得
文部科学省が認定する大学の学科で、特定の科目を履修することが必要。
機械システム工学、電気電子工学、生命工学など、
様々な学科が科目を開設。
旋盤操作など、学習指導要領にある内容は、
少なくとも2単位以上の履修を課しているが、
実際に旋盤に触れて実習を行っているかどうかは大学によって異なる。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20081016-OYT8T00170.htm
太陽光、次代照らす〈環境元年 太陽ウオーズ1〉
(朝日 2008年10月6日)
「欧州のフライパン」と称されるほど、スペイン南部の
アンダルシア地方は日差しが強い。乾いた荒れ地を太陽が焦がす。
セビリア郊外に、一辺10メートルの巨大な鏡が624枚並んでいる。
角度を変えて太陽の動きを追い、高さ115メートルの塔に反射光を集める。
光が集中する一点は、まぶしくて直視できない。
総合テクノロジー大手アベンゴアグループが造った「PS10」と呼ばれる
集光型の太陽熱発電所(1万キロワット)。
世界初の商業プラントで昨年、始動。
太陽熱で水を蒸気に変え、タービンを回す。火力発電と同じ仕組み。
担当の技術者フェルナンデス氏は、
「この地域は快晴が多く、年間280日も運転できる」。
すぐ横にある2倍規模のPS20も近く運転を始め、
太陽熱によるさまざまな発電方式の施設を建設し、
12年には8平方キロの敷地に計30万キロワットの総合発電所をつくる。
日本の黒部第四発電所級の大型水力発電所の出力に相当し、
太陽電池のパネルを10万軒の住宅につけた量にあたる。
太陽熱発電は、太陽利用の幅を広げる先端技術。
スペインは、光を電気に換える太陽電池による発電でも急伸し、
世界を驚かせている。
太陽電池の累積導入量は、05年には6万キロワットだったのが、
07年には68万キロワットと増え、今年末には180万キロワット、
全発電量の0.5%ほどになる見通し。
05年にドイツに抜かれて導入量世界2位となった日本では今年、
20万キロワットほどの増加にとどまるとみられ、
スペインでの増え方は日本の約5倍。
スペインは、風力発電が約10%を占める風力大国。
欧州では、風力が拡大して一般的な電源の一つとなる一方、
立地の制約も出てきたため、支援の力点は太陽光に移りつつある。
日差しに恵まれたスペインは、その流れの最前線。
発電での二酸化炭素(CO2)排出量は、太陽電池の場合、
製造過程で出る分を含めても石炭火力の18分の1。
地球温暖化対策として有効なのに加え、原油の高騰もあり、
最近の世界の太陽電池市場は年40%の伸び。
07年の生産量は370万キロワットで、03年の5倍。
日本のトップメーカーであるシャープの浜野稔重副社長は、
「石油が枯渇する時代に、欧州は太陽光発電を『現代の油田』と考えている」。
欧州には、日差しの強い北アフリカ諸国で発電して南欧に電気を送る
「スーパー送電網」計画も。次に狙うのは、「サハラ砂漠の太陽」。
石油にどっぷりつかってきた米国でさえ、
エネルギー省が太陽電池の技術開発支援などに乗り出した。
エネルギー資源の中東依存からの脱却という意味も。
州レベルでも、「100万戸ソーラー・ルーフ計画」(カリフォルニア州)
といった強力な支援策を設ける動きが続く。
欧州の業界団体などの推計では、世界の発電量のうち太陽光は
30年には最大14%を占め、関連産業の市場規模は、
デジタルカメラや携帯電話などデジタル家電全体に匹敵する約70兆円。
市場は爆発前夜にある。
http://www.asahi.com/eco/TKY200810050204.html
「欧州のフライパン」と称されるほど、スペイン南部の
アンダルシア地方は日差しが強い。乾いた荒れ地を太陽が焦がす。
セビリア郊外に、一辺10メートルの巨大な鏡が624枚並んでいる。
角度を変えて太陽の動きを追い、高さ115メートルの塔に反射光を集める。
光が集中する一点は、まぶしくて直視できない。
総合テクノロジー大手アベンゴアグループが造った「PS10」と呼ばれる
集光型の太陽熱発電所(1万キロワット)。
世界初の商業プラントで昨年、始動。
太陽熱で水を蒸気に変え、タービンを回す。火力発電と同じ仕組み。
担当の技術者フェルナンデス氏は、
「この地域は快晴が多く、年間280日も運転できる」。
すぐ横にある2倍規模のPS20も近く運転を始め、
太陽熱によるさまざまな発電方式の施設を建設し、
12年には8平方キロの敷地に計30万キロワットの総合発電所をつくる。
日本の黒部第四発電所級の大型水力発電所の出力に相当し、
太陽電池のパネルを10万軒の住宅につけた量にあたる。
太陽熱発電は、太陽利用の幅を広げる先端技術。
スペインは、光を電気に換える太陽電池による発電でも急伸し、
世界を驚かせている。
太陽電池の累積導入量は、05年には6万キロワットだったのが、
07年には68万キロワットと増え、今年末には180万キロワット、
全発電量の0.5%ほどになる見通し。
05年にドイツに抜かれて導入量世界2位となった日本では今年、
20万キロワットほどの増加にとどまるとみられ、
スペインでの増え方は日本の約5倍。
スペインは、風力発電が約10%を占める風力大国。
欧州では、風力が拡大して一般的な電源の一つとなる一方、
立地の制約も出てきたため、支援の力点は太陽光に移りつつある。
日差しに恵まれたスペインは、その流れの最前線。
発電での二酸化炭素(CO2)排出量は、太陽電池の場合、
製造過程で出る分を含めても石炭火力の18分の1。
地球温暖化対策として有効なのに加え、原油の高騰もあり、
最近の世界の太陽電池市場は年40%の伸び。
07年の生産量は370万キロワットで、03年の5倍。
日本のトップメーカーであるシャープの浜野稔重副社長は、
「石油が枯渇する時代に、欧州は太陽光発電を『現代の油田』と考えている」。
欧州には、日差しの強い北アフリカ諸国で発電して南欧に電気を送る
「スーパー送電網」計画も。次に狙うのは、「サハラ砂漠の太陽」。
石油にどっぷりつかってきた米国でさえ、
エネルギー省が太陽電池の技術開発支援などに乗り出した。
エネルギー資源の中東依存からの脱却という意味も。
州レベルでも、「100万戸ソーラー・ルーフ計画」(カリフォルニア州)
といった強力な支援策を設ける動きが続く。
欧州の業界団体などの推計では、世界の発電量のうち太陽光は
30年には最大14%を占め、関連産業の市場規模は、
デジタルカメラや携帯電話などデジタル家電全体に匹敵する約70兆円。
市場は爆発前夜にある。
http://www.asahi.com/eco/TKY200810050204.html
2008年10月19日日曜日
スポーツ21世紀:新しい波/279 ビデオ判定/2
(毎日 10月11日)
序盤から優勢だった試合は、誤審と疑われた判定で、
王座陥落の危機へと一変した。
今年1月の世界ボクシング評議会(WBC)バンタム級タイトルマッチ。
チャンピオンの長谷川穂積(27)は、試合中に右目の上を切って出血。
テレビの再生映像は、イタリア選手の頭突き(バッティング)を
明確に伝えたが、レフェリーの裁定では「パンチによるカット」。
出血は徐々に悪化し、試合続行不可能となれば、長谷川はTKO負け。
結局、判定勝ちを収めたものの、ビデオ判定の必要性を
改めて印象づける契機になった。
WBCは6月から、バッティングかどうかの判断について、
ビデオ判定を試験的に導入。
ラウンド間などに映像のリプレーで確認。
技術の多様化と高速化が進むボクシングで、
レフェリーへの負担は年々増え、一人で対処するのは難しくなった。
スロー再生など映像技術の高度化を背景に、
見る側の目も厳しさを増している。
日本ボクシングコミッション(JBC)事務局長の安河内剛さん(47)は、
「昔は(誤審も含めた)人間臭さを許してきたんだけど……。
ファンは公平性、透明性を強く求めるようになった」と時代の変化を感じている。
近年、世界的にジャッジへの不信感が強まり、
WBCは06年11月、四、八回の終了後に採点の途中経過の公開を始めた。
ビデオ判定も含め、正確さが問われる風潮への対応。
ラグビー・トップリーグは昨季から、レフェリーがプレーを止めたときに
時計をストップさせるタイムキーパー制を採用。
数々のドラマを生んだ「ロスタイム」は消え、試合時間は、
レフェリーの時計と連動して電光掲示板などに明確に表示。
今季からは、国際基準に合わせるなどの理由で、
一部の試合でトライの認定にかかわるシーンでのビデオ判定を導入。
ビデオ判定は、ジャッジに説得力を持たせる手段でもある。
あいまいさを許容しない欲求が、観客と競技のかかわり方さえ変えている。
http://mainichi.jp/enta/sports/21century/
序盤から優勢だった試合は、誤審と疑われた判定で、
王座陥落の危機へと一変した。
今年1月の世界ボクシング評議会(WBC)バンタム級タイトルマッチ。
チャンピオンの長谷川穂積(27)は、試合中に右目の上を切って出血。
テレビの再生映像は、イタリア選手の頭突き(バッティング)を
明確に伝えたが、レフェリーの裁定では「パンチによるカット」。
出血は徐々に悪化し、試合続行不可能となれば、長谷川はTKO負け。
結局、判定勝ちを収めたものの、ビデオ判定の必要性を
改めて印象づける契機になった。
WBCは6月から、バッティングかどうかの判断について、
ビデオ判定を試験的に導入。
ラウンド間などに映像のリプレーで確認。
技術の多様化と高速化が進むボクシングで、
レフェリーへの負担は年々増え、一人で対処するのは難しくなった。
スロー再生など映像技術の高度化を背景に、
見る側の目も厳しさを増している。
日本ボクシングコミッション(JBC)事務局長の安河内剛さん(47)は、
「昔は(誤審も含めた)人間臭さを許してきたんだけど……。
ファンは公平性、透明性を強く求めるようになった」と時代の変化を感じている。
近年、世界的にジャッジへの不信感が強まり、
WBCは06年11月、四、八回の終了後に採点の途中経過の公開を始めた。
ビデオ判定も含め、正確さが問われる風潮への対応。
ラグビー・トップリーグは昨季から、レフェリーがプレーを止めたときに
時計をストップさせるタイムキーパー制を採用。
数々のドラマを生んだ「ロスタイム」は消え、試合時間は、
レフェリーの時計と連動して電光掲示板などに明確に表示。
今季からは、国際基準に合わせるなどの理由で、
一部の試合でトライの認定にかかわるシーンでのビデオ判定を導入。
ビデオ判定は、ジャッジに説得力を持たせる手段でもある。
あいまいさを許容しない欲求が、観客と競技のかかわり方さえ変えている。
http://mainichi.jp/enta/sports/21century/
インタビュー・環境戦略を語る:東京海上日動火災保険・隅修三社長
(毎日 10月13日)
地球温暖化に伴う環境の激変は、台風や豪雨などの自然災害の
保険業務を取り扱う損害保険会社にとっても重大な問題。
国内トップの東京海上日動火災保険は、
99年から東南アジアなどでマングローブ植林活動を続けている。
隅修三社長に取り組みを聞いた。
-マングローブ植林活動を始めるきっかけは?
◆99年に会社創立120周年を記念して、社員からアイデアを募ったところ、
1000ほどのアイデアが寄せられた。
世界で活動する企業として、地球環境保護のために植林をすることに。
年1~2回、社員や代理店の職員とその家族からボランティアを募り、
タイ、ベトナム、インドネシア、フィリピン、ミャンマー、フィジーの6カ国で
現地の人々と植林。
-2月にタイを訪れたが、植林を通してどんなことが見えたか?
◆植林する海岸線は、エビの養殖のために伐採して荒れていた。
植林すると、地元の人たちの環境に対する認識が高まり、
経済の活性化にもつながる。
子供たちの素直で明るい笑顔には、心洗われた。
昔の日本にあった風景。
-社員の意識にも変化があるか?
◆ボランティア旅行は、基本的に自費だが、参加希望者が列をなす。
参加者は帰国後、さらに意識が高まり、小学校で子供たちに
植林の模様を伝える講師などもしている。
-07年に発表した会社の環境戦略のコンセプトは?
◆これまで社内で個別に取り組んできた対策を、系統立ててまとめた。
災害リスクを保険商品に組み込んで販売している我々にとって、
気候変動のリスクを減らすことは最大のテーマで、
東京大学や名古屋大学などと共同研究。
-保険の契約書に当たる約款を発行せず、インターネット上で閲覧する
「ウェブ約款」はユニーク。
◆保険は、商品が複雑なこともあり、説明に大量の紙を使う。
約款を、インターネットで閲覧してもらうようにした。
来年から、「紙は不要」と申し出てもらうと、マングローブを2本植林。
二重、三重に、温暖化防止の効果が生まれる。
-今後の環境問題への取り組みは?
◆植林活動は、100年続けることを目指す。
10年継続すると、植林面積は5300ヘクタールと大きなスケールになり、
年間3万トンの温室効果ガスを吸収。
あと2年もすれば、東京海上グループで年間に排出する7万トンを吸収。
子供、孫の時代に、どれだけいい環境を残せるかは重大な責務で、
地道な活動で貢献したい。
==============
◇すみ・しゅうぞう
早稲田大理工卒、70年東京海上火災保険(現・東京海上日動火災保険)入社。
07年社長、ミレア(現・東京海上)ホールディングスの社長も兼務。
山口県出身。61歳。
http://mainichi.jp/select/science/news/20081013ddm008020021000c.html
地球温暖化に伴う環境の激変は、台風や豪雨などの自然災害の
保険業務を取り扱う損害保険会社にとっても重大な問題。
国内トップの東京海上日動火災保険は、
99年から東南アジアなどでマングローブ植林活動を続けている。
隅修三社長に取り組みを聞いた。
-マングローブ植林活動を始めるきっかけは?
◆99年に会社創立120周年を記念して、社員からアイデアを募ったところ、
1000ほどのアイデアが寄せられた。
世界で活動する企業として、地球環境保護のために植林をすることに。
年1~2回、社員や代理店の職員とその家族からボランティアを募り、
タイ、ベトナム、インドネシア、フィリピン、ミャンマー、フィジーの6カ国で
現地の人々と植林。
-2月にタイを訪れたが、植林を通してどんなことが見えたか?
◆植林する海岸線は、エビの養殖のために伐採して荒れていた。
植林すると、地元の人たちの環境に対する認識が高まり、
経済の活性化にもつながる。
子供たちの素直で明るい笑顔には、心洗われた。
昔の日本にあった風景。
-社員の意識にも変化があるか?
◆ボランティア旅行は、基本的に自費だが、参加希望者が列をなす。
参加者は帰国後、さらに意識が高まり、小学校で子供たちに
植林の模様を伝える講師などもしている。
-07年に発表した会社の環境戦略のコンセプトは?
◆これまで社内で個別に取り組んできた対策を、系統立ててまとめた。
災害リスクを保険商品に組み込んで販売している我々にとって、
気候変動のリスクを減らすことは最大のテーマで、
東京大学や名古屋大学などと共同研究。
-保険の契約書に当たる約款を発行せず、インターネット上で閲覧する
「ウェブ約款」はユニーク。
◆保険は、商品が複雑なこともあり、説明に大量の紙を使う。
約款を、インターネットで閲覧してもらうようにした。
来年から、「紙は不要」と申し出てもらうと、マングローブを2本植林。
二重、三重に、温暖化防止の効果が生まれる。
-今後の環境問題への取り組みは?
◆植林活動は、100年続けることを目指す。
10年継続すると、植林面積は5300ヘクタールと大きなスケールになり、
年間3万トンの温室効果ガスを吸収。
あと2年もすれば、東京海上グループで年間に排出する7万トンを吸収。
子供、孫の時代に、どれだけいい環境を残せるかは重大な責務で、
地道な活動で貢献したい。
==============
◇すみ・しゅうぞう
早稲田大理工卒、70年東京海上火災保険(現・東京海上日動火災保険)入社。
07年社長、ミレア(現・東京海上)ホールディングスの社長も兼務。
山口県出身。61歳。
http://mainichi.jp/select/science/news/20081013ddm008020021000c.html
合併協の設置議案採決へ 大船渡市と陸前高田市
(岩手日報 10月15日)
大船渡市は市議会全員協議会で、陸前高田市との合併協議会の
設置議案について、27日に臨時会を招集、同日採決する方針。
陸前高田市議会も同日、採決を行う見通し。
合併協設置は、両議会での可決が条件。
陸前高田市議会内は、依然として賛否両論があり、可決されるかは微妙。
甘竹勝郎大船渡市長は、市議会全員協議会の冒頭、これまでの経過を説明、
27日の提案を表明。
「合併協では合併の是非を含めて話し合いたい」と、可決に理解を求めた。
市は、▽両市の合併に関する協議、▽新市基本計画の作成―などの
事務を定めた合併協規約案を説明。
一部議員が、陸前高田市議会内で合併協設置に反対があることに触れ、
「将来の合併に遺恨を残すことがあってはならない」と意見する場面も。
陸前高田市は、20日に臨時会を招集。
初日に合併協設置議案を提案し、27日に採決する見通し。
同市議会(20人)では、合併への世論が盛り上がっていないことや、
住田町を除く2市の「先行合併」への反発なども根強い。
大船渡市議会(26人)は、合併協設置自体には大半の議員が賛成、
陸前高田市議会の動向を踏まえ、
「大船渡だけが簡単に賛成とも言いにくい」との声。
陸前高田市の市民有志の直接請求で始まった今回のケースでは、
両市議会が否決すると協議は終了。
仮に、大船渡市議会だけが可決すると、
陸前高田市長または同市の有権者の6分の1以上の署名(3442人以上)
による請求で住民投票が実施され、合併協設置の可否を決める。
両市議会では今後、各会派などで意見調整が行われる見通しで、
議論の行方が注目。
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20081015_1
大船渡市は市議会全員協議会で、陸前高田市との合併協議会の
設置議案について、27日に臨時会を招集、同日採決する方針。
陸前高田市議会も同日、採決を行う見通し。
合併協設置は、両議会での可決が条件。
陸前高田市議会内は、依然として賛否両論があり、可決されるかは微妙。
甘竹勝郎大船渡市長は、市議会全員協議会の冒頭、これまでの経過を説明、
27日の提案を表明。
「合併協では合併の是非を含めて話し合いたい」と、可決に理解を求めた。
市は、▽両市の合併に関する協議、▽新市基本計画の作成―などの
事務を定めた合併協規約案を説明。
一部議員が、陸前高田市議会内で合併協設置に反対があることに触れ、
「将来の合併に遺恨を残すことがあってはならない」と意見する場面も。
陸前高田市は、20日に臨時会を招集。
初日に合併協設置議案を提案し、27日に採決する見通し。
同市議会(20人)では、合併への世論が盛り上がっていないことや、
住田町を除く2市の「先行合併」への反発なども根強い。
大船渡市議会(26人)は、合併協設置自体には大半の議員が賛成、
陸前高田市議会の動向を踏まえ、
「大船渡だけが簡単に賛成とも言いにくい」との声。
陸前高田市の市民有志の直接請求で始まった今回のケースでは、
両市議会が否決すると協議は終了。
仮に、大船渡市議会だけが可決すると、
陸前高田市長または同市の有権者の6分の1以上の署名(3442人以上)
による請求で住民投票が実施され、合併協設置の可否を決める。
両市議会では今後、各会派などで意見調整が行われる見通しで、
議論の行方が注目。
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20081015_1
ものづくり(6)高専と連携 教科特設
(読売 10月15日)
小中学校と高専の連携が始まった。
「3・5、0・1……」
中学生が、細かい数字をパソコンに打ち込んでいた。
パソコンに、タイヤ付きの小さなロボットをつなぎ、
タイヤがプログラム通り動くように入力していた。
ロボットを廊下に持っていって走らせる。
箱の周りを半周させるのが課題だが、ロボットの動きを見た生徒は
「0・2秒長かったか」とつぶやき、再びパソコンの前に座った。
東京都品川区八潮地区の区立小中学校5校を統合して、
4月にできた小中一貫校「八潮学園」の7年生(中学1年生)にできた
教科「ものづくり」の時間。「技術・家庭」とは別に、週1時間設けられた。
八潮地区の近くに、東京都立産業技術高等専門学校品川キャンパスがある。
これまでも小中学校と交流はあったが、八潮学園ができるのを機に、
都教委と品川区教委が、「ものづくり教育モデル」プログラム開発・実施の
基本協定を締結した。
7年生が、4月からロボットの組み立てや、紙飛行機製作に取り組んできたほか、
中学3年にあたる9年生には、毎週金曜に高専に出向き、
高専の設備を使って授業を受ける選択科目もできた。
ロボット製作を担当する高専の黒木啓之准教授(40)は、
「単純にこれをやれという授業では、ロボットで遊んで楽しいだけ。
ヒントを与えながら、何でそうなるのかを考えさせることを意識している」
「普通は、授業でロボットなんて使えないので、新鮮。
何度もやり直すのも悔しいけど、楽しんでいる」と7年生の相原陵介君(13)。
学園では小学生でも、ものづくり教育に力を入れる。
1~4年は、図工や理科の時間のうち年間5~10時間程度、
ものづくりを意識した時間とし、うち半分は高専の教員が授業を担当。
7日には、2年生が風車などを作った。
高専の教員には、「風をうまく取り込むために、どう切り込みを入れればいいか」
といった、理論的な指導も期待。
5、6年生にも週1時間、特設教科を作り、うち10時間程度は
高専の教員が指導することになった。
細かい授業の中身は現在、両者で話し合いながら詰めている段階。
9年間を通じて、ものづくりを重視したカリキュラムについて、
「小学校の教諭だけでは、ものづくりと言っても
限られたものしかできないので助かっている」と西島勇校長(53)。
都教委のものづくり教育推進検討委員会が昨年8月にまとめた報告書は、
ものづくり人材開拓のため、
小中学校と工業高校、高専の連携強化も打ち出した。
八潮学園の取り組みは、その先駆け。
学校選択制をとる品川区で、ものづくりを重視する方針にひかれて、
他の地区から入学する生徒も出始めた。
これまでのつながりもあって、学園から高専への受験生も増えている。
滑り出しは順調と言えそうだ。
◆品川区の小中一貫教育
9年間の義務教育を4年・3年・2年に分けたカリキュラムを作り、
全区立小中学校で2006年から導入。
一貫校の形をとるのは、八潮学園、日野学園、伊藤学園の3校。
13年までにさらに3校新設する計画。
日野学園では英語教育を重視するなど、区教委の方針に沿って、
各校が特色を出そうとしている。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20081015-OYT8T00260.htm
小中学校と高専の連携が始まった。
「3・5、0・1……」
中学生が、細かい数字をパソコンに打ち込んでいた。
パソコンに、タイヤ付きの小さなロボットをつなぎ、
タイヤがプログラム通り動くように入力していた。
ロボットを廊下に持っていって走らせる。
箱の周りを半周させるのが課題だが、ロボットの動きを見た生徒は
「0・2秒長かったか」とつぶやき、再びパソコンの前に座った。
東京都品川区八潮地区の区立小中学校5校を統合して、
4月にできた小中一貫校「八潮学園」の7年生(中学1年生)にできた
教科「ものづくり」の時間。「技術・家庭」とは別に、週1時間設けられた。
八潮地区の近くに、東京都立産業技術高等専門学校品川キャンパスがある。
これまでも小中学校と交流はあったが、八潮学園ができるのを機に、
都教委と品川区教委が、「ものづくり教育モデル」プログラム開発・実施の
基本協定を締結した。
7年生が、4月からロボットの組み立てや、紙飛行機製作に取り組んできたほか、
中学3年にあたる9年生には、毎週金曜に高専に出向き、
高専の設備を使って授業を受ける選択科目もできた。
ロボット製作を担当する高専の黒木啓之准教授(40)は、
「単純にこれをやれという授業では、ロボットで遊んで楽しいだけ。
ヒントを与えながら、何でそうなるのかを考えさせることを意識している」
「普通は、授業でロボットなんて使えないので、新鮮。
何度もやり直すのも悔しいけど、楽しんでいる」と7年生の相原陵介君(13)。
学園では小学生でも、ものづくり教育に力を入れる。
1~4年は、図工や理科の時間のうち年間5~10時間程度、
ものづくりを意識した時間とし、うち半分は高専の教員が授業を担当。
7日には、2年生が風車などを作った。
高専の教員には、「風をうまく取り込むために、どう切り込みを入れればいいか」
といった、理論的な指導も期待。
5、6年生にも週1時間、特設教科を作り、うち10時間程度は
高専の教員が指導することになった。
細かい授業の中身は現在、両者で話し合いながら詰めている段階。
9年間を通じて、ものづくりを重視したカリキュラムについて、
「小学校の教諭だけでは、ものづくりと言っても
限られたものしかできないので助かっている」と西島勇校長(53)。
都教委のものづくり教育推進検討委員会が昨年8月にまとめた報告書は、
ものづくり人材開拓のため、
小中学校と工業高校、高専の連携強化も打ち出した。
八潮学園の取り組みは、その先駆け。
学校選択制をとる品川区で、ものづくりを重視する方針にひかれて、
他の地区から入学する生徒も出始めた。
これまでのつながりもあって、学園から高専への受験生も増えている。
滑り出しは順調と言えそうだ。
◆品川区の小中一貫教育
9年間の義務教育を4年・3年・2年に分けたカリキュラムを作り、
全区立小中学校で2006年から導入。
一貫校の形をとるのは、八潮学園、日野学園、伊藤学園の3校。
13年までにさらに3校新設する計画。
日野学園では英語教育を重視するなど、区教委の方針に沿って、
各校が特色を出そうとしている。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20081015-OYT8T00260.htm
2008年10月18日土曜日
大阪をバイオの世界拠点に 府が旗振り役、産学官連携 「関西経済」
(共同通信社 2008年10月9日)
10年後の2018年に、世界第5位の国際バイオ都市に。
大阪府は関西の大学、製薬会社などと産学官の連携を強め、
大阪を、革新的新薬や医療機器を生み出す世界有数の
バイオ産業拠点に育てる取り組み。
緊縮財政の大阪府が、橋下徹知事の肝いりで08年度予算に
バイオ振興関連費約3億1000万円を計上。
旗振り役が決まったことで、関係者は「転機になる」と期待。
大阪は、江戸時代から栄える薬の街「道修町」に製薬会社が林立し、
学研都市「彩都」(大阪府茨木、箕面両市)には、
研究施設やベンチャー企業が集まる。
免疫学に強い大阪大や、高い技術の東大阪の製造業者など、
バイオ産業創出の素地はある。
大阪医薬品協会を中心に、製薬会社や医療機器メーカー、大学など
第一線の実務者が集う「大阪バイオ応援団」が発足。
橋下知事は、「関西全体でバイオを盛り上げる施策を考えたい」。
企業や大学と連携する府の窓口「大阪バイオ・ヘッドクオーター」を開設。
大阪商工会議所の野村明雄会頭や大阪大の鷲田清一学長、橋下知事ら
産学官のトップでつくる「大阪バイオ戦略推進会議」を開催。
戦略やスケジュール、国への要望などを審議し、数値目標を明示した
行動計画を来年3月までにまとめる予定。
大阪バイオ戦略推進会議が挙げた課題は、
ベンチャー支援、規制緩和、治験ネットワーク作りの3つ。
「いかにベンチャーを多数創出し、成功例を積み上げるかに尽きる」
(府商工労働部・藤田哲士理事)が、
それには資金や人材を呼び込む仕組みが要る。
欧米に比べ、「新薬審査に時間が2倍かかる」といわれる規制の緩和も重要、
東京だけの審査窓口を大阪にも設けるよう国に要望する予定。
大阪府が本格的に取り組む背景には、
「手をこまぬいていれば、国際的な競争力を失う」との強い危機感。
製薬業界の再編に、東京への一極集中の流れも加わり、
本社機能を大阪から関東に移す企業が続出。
医薬品生産額で長らく全国1位だった大阪府は06年、
埼玉県と静岡県に続く3位に転落。
「これ以上の流出に歯止めをかけたい」との思いがにじむ。
世界的な株価下落もあり、大阪の新産業を取り巻く環境は厳しい。
逆風下でいかに資金と人材を集め、規制緩和などの側面支援を
国や自治体に求めていくかが鍵。
オール関西として京都府、兵庫県などの自治体との協力も視野に。
大阪バイオ応援団メンバーで、遺伝子医薬を開発する企業
「アンジェスMG」(茨木市)の森下竜一取締役は
「将来の基盤産業を目指し、京都や神戸と連携できれば、
関西の強みはさらに生きてくる」。
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=81131
10年後の2018年に、世界第5位の国際バイオ都市に。
大阪府は関西の大学、製薬会社などと産学官の連携を強め、
大阪を、革新的新薬や医療機器を生み出す世界有数の
バイオ産業拠点に育てる取り組み。
緊縮財政の大阪府が、橋下徹知事の肝いりで08年度予算に
バイオ振興関連費約3億1000万円を計上。
旗振り役が決まったことで、関係者は「転機になる」と期待。
大阪は、江戸時代から栄える薬の街「道修町」に製薬会社が林立し、
学研都市「彩都」(大阪府茨木、箕面両市)には、
研究施設やベンチャー企業が集まる。
免疫学に強い大阪大や、高い技術の東大阪の製造業者など、
バイオ産業創出の素地はある。
大阪医薬品協会を中心に、製薬会社や医療機器メーカー、大学など
第一線の実務者が集う「大阪バイオ応援団」が発足。
橋下知事は、「関西全体でバイオを盛り上げる施策を考えたい」。
企業や大学と連携する府の窓口「大阪バイオ・ヘッドクオーター」を開設。
大阪商工会議所の野村明雄会頭や大阪大の鷲田清一学長、橋下知事ら
産学官のトップでつくる「大阪バイオ戦略推進会議」を開催。
戦略やスケジュール、国への要望などを審議し、数値目標を明示した
行動計画を来年3月までにまとめる予定。
大阪バイオ戦略推進会議が挙げた課題は、
ベンチャー支援、規制緩和、治験ネットワーク作りの3つ。
「いかにベンチャーを多数創出し、成功例を積み上げるかに尽きる」
(府商工労働部・藤田哲士理事)が、
それには資金や人材を呼び込む仕組みが要る。
欧米に比べ、「新薬審査に時間が2倍かかる」といわれる規制の緩和も重要、
東京だけの審査窓口を大阪にも設けるよう国に要望する予定。
大阪府が本格的に取り組む背景には、
「手をこまぬいていれば、国際的な競争力を失う」との強い危機感。
製薬業界の再編に、東京への一極集中の流れも加わり、
本社機能を大阪から関東に移す企業が続出。
医薬品生産額で長らく全国1位だった大阪府は06年、
埼玉県と静岡県に続く3位に転落。
「これ以上の流出に歯止めをかけたい」との思いがにじむ。
世界的な株価下落もあり、大阪の新産業を取り巻く環境は厳しい。
逆風下でいかに資金と人材を集め、規制緩和などの側面支援を
国や自治体に求めていくかが鍵。
オール関西として京都府、兵庫県などの自治体との協力も視野に。
大阪バイオ応援団メンバーで、遺伝子医薬を開発する企業
「アンジェスMG」(茨木市)の森下竜一取締役は
「将来の基盤産業を目指し、京都や神戸と連携できれば、
関西の強みはさらに生きてくる」。
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=81131
粘性廃油と木くず混合で新燃料に 太平洋セ工場で12月施設稼働へ
(東海新報 10月12日)
太平洋セメント(株)大船渡工場(森本知久工場長)は、
同工場敷地内に粘性度の高い廃油と木くずを混ぜ合わせた燃料を
製造する施設建設を進めている。
これまで、リサイクル資源を製造原料や熱資源として利用を拡大してきたが、
廃塗料など粘性度の高い廃油は取り扱いが難しい。
12月中の稼動を目指し、石炭など資源価格が高騰している中、
市内におけるリサイクル産業拡大の契機としても注目。
セメント製造の主な原料は、石灰石や鉄原料、粘土で、
原料を混ぜ合わせて焼き上げる際の燃料として石炭が用いられる。
同工場では、廃棄物原料として焼却灰や下水汚泥、
燃料として木くずやタイヤ、肉骨粉、廃油などをすでに資源化。
燃料利用後に残る灰も、セメント原料として使われ、
環境に優しい資源化として実績を伸ばし、
年間で約45万トンの廃棄物処理実績を誇る。
廃油のうち、流れやすい粘性度の低いものは利用してきたが、
高粘性の廃油は焼成施設の投入や運搬などでの取り扱いが難しく、
利用を見合わせていた。
廃油には、廃塗料や油泥、廃グリス、廃グリセリンなど、
食産業、工業分野問わず幅広い業態で排出されるが、
他業種でも資源化は困難。
同工場では2年前から、再利用に向けた検討に着手。
燃料利用されていた木くずは、着火性に課題があったため、
廃油と混ぜ合わせて固形燃料化するプロジェクトを立ち上げ、実験を重ねてきた。
木くずは五センチ以下に、破砕して廃油と混ぜることで、
固体のリサイクル混合燃料ができる。
炭火焼きなどで用いられる着火材のような役割を果たし、
安定的な運搬や焼成設備への投入が可能となり、実用化へのメドがついた。
同工場敷地内に今年6月、廃油などの保管施設を建設。
現在は、混合するミキサー設備などを備えた混合燃料製造施設の整備を進め、
12月からの稼動を目指す。
燃料化事業を本格的に進める背景には、世界的な資源価格高騰の影響。
同工場では、「石炭は、5年前から価格は上がり、現在は当時の4、5倍」。
廃棄物利用は、原材料費コストの削減だけでなく、
処理費用としての収入も見込める。
国際的にリサイクル資源化が進む中、廃タイヤや廃プラスチックも
確保が難しくなっており、より高度な利用技術を確立することで、
安定的な確保を図るネライ。
輸送コストを考慮して、県内を中心とした高粘性廃油、木くずの確保を目指し、
運搬や破砕処理、資源集約など地域全体でのリサイクル産業充実にも期待。
自然災着による被害木処理といった地域課題にも応用できる将来性があり、
今後の展開が注目。
「木くずだけでなく、廃畳などを混ぜて混合燃料とすることも。
環境負荷のない処理方法であり、この設備を生かして
さらにリサイクル事業を拡大していきたい」
同工場は、昭和55年に廃タイヤ再生利用認定を取得。
昭和60年には、各種リサイクル資源の受け入れを始めた。
平成10年、ISO14001を取得し、16年からは青森・岩手の
県境産業廃棄物の本格処理を行っている。
廃棄物のセメント資源化による適正処理が評価され、
今年度の循環型社会形成推進功労者環境大臣表彰を受けることが決まった。
http://www.tohkaishimpo.com/
太平洋セメント(株)大船渡工場(森本知久工場長)は、
同工場敷地内に粘性度の高い廃油と木くずを混ぜ合わせた燃料を
製造する施設建設を進めている。
これまで、リサイクル資源を製造原料や熱資源として利用を拡大してきたが、
廃塗料など粘性度の高い廃油は取り扱いが難しい。
12月中の稼動を目指し、石炭など資源価格が高騰している中、
市内におけるリサイクル産業拡大の契機としても注目。
セメント製造の主な原料は、石灰石や鉄原料、粘土で、
原料を混ぜ合わせて焼き上げる際の燃料として石炭が用いられる。
同工場では、廃棄物原料として焼却灰や下水汚泥、
燃料として木くずやタイヤ、肉骨粉、廃油などをすでに資源化。
燃料利用後に残る灰も、セメント原料として使われ、
環境に優しい資源化として実績を伸ばし、
年間で約45万トンの廃棄物処理実績を誇る。
廃油のうち、流れやすい粘性度の低いものは利用してきたが、
高粘性の廃油は焼成施設の投入や運搬などでの取り扱いが難しく、
利用を見合わせていた。
廃油には、廃塗料や油泥、廃グリス、廃グリセリンなど、
食産業、工業分野問わず幅広い業態で排出されるが、
他業種でも資源化は困難。
同工場では2年前から、再利用に向けた検討に着手。
燃料利用されていた木くずは、着火性に課題があったため、
廃油と混ぜ合わせて固形燃料化するプロジェクトを立ち上げ、実験を重ねてきた。
木くずは五センチ以下に、破砕して廃油と混ぜることで、
固体のリサイクル混合燃料ができる。
炭火焼きなどで用いられる着火材のような役割を果たし、
安定的な運搬や焼成設備への投入が可能となり、実用化へのメドがついた。
同工場敷地内に今年6月、廃油などの保管施設を建設。
現在は、混合するミキサー設備などを備えた混合燃料製造施設の整備を進め、
12月からの稼動を目指す。
燃料化事業を本格的に進める背景には、世界的な資源価格高騰の影響。
同工場では、「石炭は、5年前から価格は上がり、現在は当時の4、5倍」。
廃棄物利用は、原材料費コストの削減だけでなく、
処理費用としての収入も見込める。
国際的にリサイクル資源化が進む中、廃タイヤや廃プラスチックも
確保が難しくなっており、より高度な利用技術を確立することで、
安定的な確保を図るネライ。
輸送コストを考慮して、県内を中心とした高粘性廃油、木くずの確保を目指し、
運搬や破砕処理、資源集約など地域全体でのリサイクル産業充実にも期待。
自然災着による被害木処理といった地域課題にも応用できる将来性があり、
今後の展開が注目。
「木くずだけでなく、廃畳などを混ぜて混合燃料とすることも。
環境負荷のない処理方法であり、この設備を生かして
さらにリサイクル事業を拡大していきたい」
同工場は、昭和55年に廃タイヤ再生利用認定を取得。
昭和60年には、各種リサイクル資源の受け入れを始めた。
平成10年、ISO14001を取得し、16年からは青森・岩手の
県境産業廃棄物の本格処理を行っている。
廃棄物のセメント資源化による適正処理が評価され、
今年度の循環型社会形成推進功労者環境大臣表彰を受けることが決まった。
http://www.tohkaishimpo.com/
子どもの運動能力下げ止まり 中学男子に向上の兆しも
(朝日 2008年10月12日)
低下傾向にあった子どもの運動能力が、この10年で下げ止まって、
中学生男子は向上の兆しが見える――。
文部科学省が発表した体力・運動能力調査。
今年の調査は、07年5~10月に全国で実施。
6~79歳の約7万人の結果を集計。
6~19歳については、ピークだった85年ごろと比較して、
「走る(50メートル走)」、「跳ぶ(立ち幅とび)」、「投げる(ソフトボール投げ)」
などの基礎的な運動能力が低下。
11歳の50メートル走は、男子が85年の8.75秒から8.91秒に、
女子が9.00秒から9.19秒に。
種目を増やして「新体力テスト」を導入した10年前と比べると、
「50メートル走」、「ハンドボール投げ」などは横ばいで、
「上体起こし」などは向上し、低下傾向に歯止めがかかっている。
中学生の13歳でみると、男子は50メートル走が8.00秒から7.94秒、
女子が8.82秒から8.79秒に短縮。
ハンドボール投げでも、男子は21.89メートルから22.03メートル、
女子は13.91メートルから14.10メートルに向上。
順天堂大の青木純一郎名誉教授は、「85年前後から低下し続けていた
子どもの体力が下げ止まり、中学生男子では向上の傾向。
指導者が効率良く指導している成果などが背景にあるのでは」
http://www.asahi.com/health/news/TKY200810120187.html
低下傾向にあった子どもの運動能力が、この10年で下げ止まって、
中学生男子は向上の兆しが見える――。
文部科学省が発表した体力・運動能力調査。
今年の調査は、07年5~10月に全国で実施。
6~79歳の約7万人の結果を集計。
6~19歳については、ピークだった85年ごろと比較して、
「走る(50メートル走)」、「跳ぶ(立ち幅とび)」、「投げる(ソフトボール投げ)」
などの基礎的な運動能力が低下。
11歳の50メートル走は、男子が85年の8.75秒から8.91秒に、
女子が9.00秒から9.19秒に。
種目を増やして「新体力テスト」を導入した10年前と比べると、
「50メートル走」、「ハンドボール投げ」などは横ばいで、
「上体起こし」などは向上し、低下傾向に歯止めがかかっている。
中学生の13歳でみると、男子は50メートル走が8.00秒から7.94秒、
女子が8.82秒から8.79秒に短縮。
ハンドボール投げでも、男子は21.89メートルから22.03メートル、
女子は13.91メートルから14.10メートルに向上。
順天堂大の青木純一郎名誉教授は、「85年前後から低下し続けていた
子どもの体力が下げ止まり、中学生男子では向上の傾向。
指導者が効率良く指導している成果などが背景にあるのでは」
http://www.asahi.com/health/news/TKY200810120187.html
ものづくり(5)中学生向けの企画模索
(読売 10月11日)
ものづくりのすそ野を広げようと、大学や教育委員会が模索する。
岐阜大学に、はしゃいだ声が響いていた。
小学生が、手に持ったプロペラ式模型飛行機を飛ばしている。
着地した時に、プロペラ部分が外れて壊れてしまっても笑顔は消えない。
すぐに修復が可能だからだ。
男児の1人は、「針金での固定の仕方がよくなかったのかな」と教室に戻った。
同大教育学部の技術教育講座が主催し、8月初めに行われた
「こどものためのものづくり教室」。
小学1年から中学3年までの100人が、大学生や大学院生に教わりながら、
飛行機、銅鏡、げた、ラジオ作りに励んでいた。
銅鏡作りは、女子向け。げた作りは、ゲゲゲの鬼太郎ブームを反映。
子供4人に指導役が1人。分からなければ、すぐ聞ける。
接着剤やカッターを初めて使った子も。
講座は、中学校の技術科の教師を目指す学生が属するだけに、
準備は学生に任されている。
材料を集めたり、木にドリルで穴を開けて準備したり。
子供に分かりやすいようにまとめた説明書も作る。
準備を通して学生に、ものづくりを経験させる狙いも。
今年で10年目を迎えた企画を見続けた担当の吉田昌春教授(65)は、
「カッターを使ったことのない小学生が依然として多い。
学校でのものづくり体験が少なすぎる」と危機感を募らせる。
これまでの参加者は、延べ881人。
繰り返し、参加する子供も多いとはいえ、課題は中学生の参加者の少なさ。
今年も全体の1割にとどまった。
吉田教授も、「中学生を引き付ける題材も、何か考えていかなければ」
東京都教育委員会が、費用の半額を補助する形で、昨年から始めた
「わくわくどきどき夏休み工作スタジオ」も、事情は同じ。
今年は、工業高校6校で教諭が講師となった。
参加費は1000~2500円で、小中学生1282人に、手作り時計や指輪、
キーホルダーなどの製作を指導。
小学生の参加希望者が定員の3倍近くあって、抽選で参加者を
絞り込んだのに対し、中学生の参加者は346人にとどまっていた。
中学生の参加は、企画次第ともいえる。
都立工芸高校では、中学生の参加者のほぼ3分の1に当たる
111人が足を運んだ。
エコバッグやデザインクロック、銀のスプーンの製作など、
やや大人向きの題材を選んだ。
都教委の担当者は、「夏休み中の中学生は、部活動や進学準備で忙しく、
なかなか引き込めていないのが現状。
題材を工夫しながら、全体の企画数を増やしていけば、
中学生の参加者増が見込めるのでは」
小学生には受け入れられやすい、ものづくり体験教室。
その流れを断ち切らず、いかに中学生の参加を増やすか、
模索が続いている。
◆中学校のものづくり教育
1998年改訂の学習指導要領は、「技術・家庭」の3年の標準授業時数を、
従来の年70~105時間から35時間に減らした。
新指導要領も、この時間はそのまま。
新たに3年間で、「生物育成に関する技術」など4項目を必修化するため、
現場からは、工作的なものづくりの時間が足りないと言う声も。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20081011-OYT8T00265.htm
ものづくりのすそ野を広げようと、大学や教育委員会が模索する。
岐阜大学に、はしゃいだ声が響いていた。
小学生が、手に持ったプロペラ式模型飛行機を飛ばしている。
着地した時に、プロペラ部分が外れて壊れてしまっても笑顔は消えない。
すぐに修復が可能だからだ。
男児の1人は、「針金での固定の仕方がよくなかったのかな」と教室に戻った。
同大教育学部の技術教育講座が主催し、8月初めに行われた
「こどものためのものづくり教室」。
小学1年から中学3年までの100人が、大学生や大学院生に教わりながら、
飛行機、銅鏡、げた、ラジオ作りに励んでいた。
銅鏡作りは、女子向け。げた作りは、ゲゲゲの鬼太郎ブームを反映。
子供4人に指導役が1人。分からなければ、すぐ聞ける。
接着剤やカッターを初めて使った子も。
講座は、中学校の技術科の教師を目指す学生が属するだけに、
準備は学生に任されている。
材料を集めたり、木にドリルで穴を開けて準備したり。
子供に分かりやすいようにまとめた説明書も作る。
準備を通して学生に、ものづくりを経験させる狙いも。
今年で10年目を迎えた企画を見続けた担当の吉田昌春教授(65)は、
「カッターを使ったことのない小学生が依然として多い。
学校でのものづくり体験が少なすぎる」と危機感を募らせる。
これまでの参加者は、延べ881人。
繰り返し、参加する子供も多いとはいえ、課題は中学生の参加者の少なさ。
今年も全体の1割にとどまった。
吉田教授も、「中学生を引き付ける題材も、何か考えていかなければ」
東京都教育委員会が、費用の半額を補助する形で、昨年から始めた
「わくわくどきどき夏休み工作スタジオ」も、事情は同じ。
今年は、工業高校6校で教諭が講師となった。
参加費は1000~2500円で、小中学生1282人に、手作り時計や指輪、
キーホルダーなどの製作を指導。
小学生の参加希望者が定員の3倍近くあって、抽選で参加者を
絞り込んだのに対し、中学生の参加者は346人にとどまっていた。
中学生の参加は、企画次第ともいえる。
都立工芸高校では、中学生の参加者のほぼ3分の1に当たる
111人が足を運んだ。
エコバッグやデザインクロック、銀のスプーンの製作など、
やや大人向きの題材を選んだ。
都教委の担当者は、「夏休み中の中学生は、部活動や進学準備で忙しく、
なかなか引き込めていないのが現状。
題材を工夫しながら、全体の企画数を増やしていけば、
中学生の参加者増が見込めるのでは」
小学生には受け入れられやすい、ものづくり体験教室。
その流れを断ち切らず、いかに中学生の参加を増やすか、
模索が続いている。
◆中学校のものづくり教育
1998年改訂の学習指導要領は、「技術・家庭」の3年の標準授業時数を、
従来の年70~105時間から35時間に減らした。
新指導要領も、この時間はそのまま。
新たに3年間で、「生物育成に関する技術」など4項目を必修化するため、
現場からは、工作的なものづくりの時間が足りないと言う声も。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20081011-OYT8T00265.htm
2008年10月17日金曜日
乳由来の多機能たんぱく「ラクトフェリン」に内臓脂肪の低減作用
(日経ヘルス 10月10日)
ライオンは、京都府立医科大学の西野輔翼教授、
京都市立病院の吉田俊秀教授、名古屋市立大学大学院医学研究科の
飯郷正明客員教授らと共同で行った臨床試験により、
牛乳や母乳に含まれるたんぱく質「ラクトフェリン」が、
人間の内臓脂肪を低減させる作用を持つことを確認。
ラクトフェリンは、牛乳や母乳などに含まれるたんぱく質。
抗菌作用や免疫作用をはじめとする様々な作用を持ち、
乳児の健康を守っている。
ライオンは、こうしたラクトフェリンの機能性のうち、
特に歯周病予防作用に着目し、
「研究の一環として、ラクトフェリンを犬やマウスなどの動物にのませたところ、
特にマウスとラットで内臓脂肪の蓄積が明らかに少ないことに気がついた」
(研究開発本部の村越倫明主任研究員)。
マウスやラットは、胃の消化機能が弱く、
食べたものを主に小腸で分解して体内に吸収する。
ライオンは、ヒトがのんでも胃で分解されず、腸まで届くように
皮膜でコーティングしたラクトフェリンの腸溶剤を開発し、
これを用いて、20代以上の肥満傾向のある26人を対象に、
二重盲検法にて、8週間の臨床試験を行った。
結果、腸溶剤を1日300mgのませたグループは、
のませなかったグループに比べ、内臓脂肪面積や腹囲、体重、BMIが
有意に減ることを確認。
ライオンでは、「ラクトフェリンが、どのような経路で吸収・代謝され、
脂肪細胞にどう作用するか、詳しいメカニズムを明らかにしていくのが
今後の課題」(村越主任研究員)。
今回の研究成果は、第29回日本肥満学会大会で発表の予定。
http://nh.nikkeibp.co.jp/article/nhpro/20081010/102741/
ライオンは、京都府立医科大学の西野輔翼教授、
京都市立病院の吉田俊秀教授、名古屋市立大学大学院医学研究科の
飯郷正明客員教授らと共同で行った臨床試験により、
牛乳や母乳に含まれるたんぱく質「ラクトフェリン」が、
人間の内臓脂肪を低減させる作用を持つことを確認。
ラクトフェリンは、牛乳や母乳などに含まれるたんぱく質。
抗菌作用や免疫作用をはじめとする様々な作用を持ち、
乳児の健康を守っている。
ライオンは、こうしたラクトフェリンの機能性のうち、
特に歯周病予防作用に着目し、
「研究の一環として、ラクトフェリンを犬やマウスなどの動物にのませたところ、
特にマウスとラットで内臓脂肪の蓄積が明らかに少ないことに気がついた」
(研究開発本部の村越倫明主任研究員)。
マウスやラットは、胃の消化機能が弱く、
食べたものを主に小腸で分解して体内に吸収する。
ライオンは、ヒトがのんでも胃で分解されず、腸まで届くように
皮膜でコーティングしたラクトフェリンの腸溶剤を開発し、
これを用いて、20代以上の肥満傾向のある26人を対象に、
二重盲検法にて、8週間の臨床試験を行った。
結果、腸溶剤を1日300mgのませたグループは、
のませなかったグループに比べ、内臓脂肪面積や腹囲、体重、BMIが
有意に減ることを確認。
ライオンでは、「ラクトフェリンが、どのような経路で吸収・代謝され、
脂肪細胞にどう作用するか、詳しいメカニズムを明らかにしていくのが
今後の課題」(村越主任研究員)。
今回の研究成果は、第29回日本肥満学会大会で発表の予定。
http://nh.nikkeibp.co.jp/article/nhpro/20081010/102741/
水泳ビジネス 北京攻略
(読売 9月25日)
「金のために、これをやっているんじゃない。
金のためだったら、別のスポーツを選んでいた」と
男子競泳界のスーパースター、マイケル・フェルプス(米)は言い切った。
「これ」とは、五輪で1972年ミュンヘン五輪のマーク・スピッツの
金メダル7個と並ぶという目標。
フェルプスは、決して自分の銀行口座をふくらませるために、
競泳の歴史を書き換えているわけではないが、
ついに、スピード社が金7個で支払いを約束していた
100万ドル(約1億580万円)のボーナスを北京五輪で手にした。
北京以前の彼の年収は、340万ユーロ(約5億2700万円)と見込み、
この推定額は現実とかなり隔たりがあるのは間違いない。
競泳界では、イアン・ソープ(豪)は絶頂期に年収600万ユーロ。
ロイター通信が報じた専門家の推計では、
「フェルプス・チーム」の年間売上高は2000万ユーロ(約31億円)に届く。
スポンサーには、VISA、マクドナルド、オメガなどトップ企業がずらり並ぶ。
2002年4月にスポーツエージェントのオクタゴン社の代表、
ピーター・カーライルと会ったとき、フェルプスは17歳にもなっていなかった。
カーライルは、「何が望みか」と尋ねた。
半年前にプロに転向していたフェルプスは、
「水泳を革新したい。スポーツ専門チャンネルで毎日、
水泳が放送されるようにしたい」と答えた。
2人は、成績は必要条件だが、それだけでは不十分だと意見が一致。
天才選手は、過密な大会出場計画を練り上げ、
報道に毎日取り上げられてファンのハートをつかんだ。
アテネ五輪の直後、カーライルは長期戦略を説明。
メディア面でも経済面でも、避けては通れない国、中国に、
2008年まで毎年1回行くべきだ――。それも、スポンサー付きで。
フェルプスは、スピード社、VISAとマクドナルドなどの
違ったスポンサー付きで、4回の中国行きを実行。
北京五輪をゴールに、フェルプス・チームは
思い切った中国征服作戦を取っていた。
http://www.yomiuri.co.jp/sports/lequipe/
「金のために、これをやっているんじゃない。
金のためだったら、別のスポーツを選んでいた」と
男子競泳界のスーパースター、マイケル・フェルプス(米)は言い切った。
「これ」とは、五輪で1972年ミュンヘン五輪のマーク・スピッツの
金メダル7個と並ぶという目標。
フェルプスは、決して自分の銀行口座をふくらませるために、
競泳の歴史を書き換えているわけではないが、
ついに、スピード社が金7個で支払いを約束していた
100万ドル(約1億580万円)のボーナスを北京五輪で手にした。
北京以前の彼の年収は、340万ユーロ(約5億2700万円)と見込み、
この推定額は現実とかなり隔たりがあるのは間違いない。
競泳界では、イアン・ソープ(豪)は絶頂期に年収600万ユーロ。
ロイター通信が報じた専門家の推計では、
「フェルプス・チーム」の年間売上高は2000万ユーロ(約31億円)に届く。
スポンサーには、VISA、マクドナルド、オメガなどトップ企業がずらり並ぶ。
2002年4月にスポーツエージェントのオクタゴン社の代表、
ピーター・カーライルと会ったとき、フェルプスは17歳にもなっていなかった。
カーライルは、「何が望みか」と尋ねた。
半年前にプロに転向していたフェルプスは、
「水泳を革新したい。スポーツ専門チャンネルで毎日、
水泳が放送されるようにしたい」と答えた。
2人は、成績は必要条件だが、それだけでは不十分だと意見が一致。
天才選手は、過密な大会出場計画を練り上げ、
報道に毎日取り上げられてファンのハートをつかんだ。
アテネ五輪の直後、カーライルは長期戦略を説明。
メディア面でも経済面でも、避けては通れない国、中国に、
2008年まで毎年1回行くべきだ――。それも、スポンサー付きで。
フェルプスは、スピード社、VISAとマクドナルドなどの
違ったスポンサー付きで、4回の中国行きを実行。
北京五輪をゴールに、フェルプス・チームは
思い切った中国征服作戦を取っていた。
http://www.yomiuri.co.jp/sports/lequipe/
岩手大、年度内にも設立 地域スポーツクラブ
(岩手日報 10月13日)
岩手大(藤井克己学長)は、大学発の総合型地域スポーツクラブ
「がんちゃんスポーツクラブ(仮称)」を年度内にも設立。
スポーツを通じた地域貢献が目的で、
大学の体育施設を開放するとともに、教員や学生のマンパワーを活用。
スポーツ教室の開催や定期的なサークル活動などを展開し、
県民が継続的にスポーツを楽しめる環境づくりを進める。
盛岡を中心に、1000人以上の会員確保を目指す。
「がんちゃんスポーツクラブ」は、子どもから高齢者まで
幅広いスポーツ愛好者の参加を想定。
課題となる運営費は単発のイベント参加費のほか、
会員制による会費運営を検討。
事業は、大学を拠点に構内の施設を活用し、
▽スポーツ教室やイベント開催、
▽テニスやニュースポーツなどのサークル活動―などを展開。
地域のスポーツクラブとの合同企画なども視野に入れる。
教員や学生が指導・サポートに当たり、要請があれば出張講師なども行う。
学生には、クラブでの活動を講義のカリキュラムとリンクさせ、単位化も検討。
陸上やサッカーなど、現役の学生アスリートたちと交流することで、
本県の子どもたちの競技力向上にもつなげたい考え。
クラブ会員が学生選手の応援団となり、大会に駆け付けるなど、
「サポーター的存在」になることも期待。
クラブの運営は、岩手大のスポーツユニオンの事業の一環。
2006年に開設されたスポーツユニオンは、
構内の地域連携推進センターを事務局に、
これまで各地域にある総合型地域スポーツクラブの育成支援や
子どもの体力向上、生涯スポーツ振興などに取り組んできた。
同センターは既に、任意のスポーツクラブの設立準備を進め、
これを土台に「がんちゃんスポーツクラブ」に発展させる方針。
岩手大人文社会科学部の浅沼道成准教授は、
「新たな試みだが、多くの人に参加してもらいたい。
少しでも地域スポーツのリーダー的存在になれるよう努めていく」
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20081013_3
岩手大(藤井克己学長)は、大学発の総合型地域スポーツクラブ
「がんちゃんスポーツクラブ(仮称)」を年度内にも設立。
スポーツを通じた地域貢献が目的で、
大学の体育施設を開放するとともに、教員や学生のマンパワーを活用。
スポーツ教室の開催や定期的なサークル活動などを展開し、
県民が継続的にスポーツを楽しめる環境づくりを進める。
盛岡を中心に、1000人以上の会員確保を目指す。
「がんちゃんスポーツクラブ」は、子どもから高齢者まで
幅広いスポーツ愛好者の参加を想定。
課題となる運営費は単発のイベント参加費のほか、
会員制による会費運営を検討。
事業は、大学を拠点に構内の施設を活用し、
▽スポーツ教室やイベント開催、
▽テニスやニュースポーツなどのサークル活動―などを展開。
地域のスポーツクラブとの合同企画なども視野に入れる。
教員や学生が指導・サポートに当たり、要請があれば出張講師なども行う。
学生には、クラブでの活動を講義のカリキュラムとリンクさせ、単位化も検討。
陸上やサッカーなど、現役の学生アスリートたちと交流することで、
本県の子どもたちの競技力向上にもつなげたい考え。
クラブ会員が学生選手の応援団となり、大会に駆け付けるなど、
「サポーター的存在」になることも期待。
クラブの運営は、岩手大のスポーツユニオンの事業の一環。
2006年に開設されたスポーツユニオンは、
構内の地域連携推進センターを事務局に、
これまで各地域にある総合型地域スポーツクラブの育成支援や
子どもの体力向上、生涯スポーツ振興などに取り組んできた。
同センターは既に、任意のスポーツクラブの設立準備を進め、
これを土台に「がんちゃんスポーツクラブ」に発展させる方針。
岩手大人文社会科学部の浅沼道成准教授は、
「新たな試みだが、多くの人に参加してもらいたい。
少しでも地域スポーツのリーダー的存在になれるよう努めていく」
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20081013_3
北京五輪のドーピング検体、再検査へ 新薬物の検出狙う
(CNN 10月9日)
国際オリンピック委員会(IOC)は、8月の北京五輪の選手から
採取したドーピング(禁止薬物使用)検査の検体を、再び検査すると発表。
世界最高峰の自転車レース、ツール・ド・フランスの出場選手の
ドーピング再検査で、新たな禁止薬物が検出されたことを受けた異例の決定。
北京五輪の検体の再検査は、スイス・ローザンヌにある
世界アンチ・ドーピング機構(WADA)の研究所が担当。
IOCは、五輪期間中に5000検体以上を検査、
再検査対象となる検体数の数は不明。
再検査では、持久力効果があるとされる
持続性エリスロポエチン受容体活性化剤(CERA)の検出を図る。
IOCは、五輪出場選手の検体を8年間保管し、
新たな検査方法が開発された場合の再検査に対応する体制が整っている。
北京五輪については、これまでに選手6人がドーピング違反で失格、
3人が調査対象。
http://www.cnn.co.jp/sports/CNN200810090007.html
国際オリンピック委員会(IOC)は、8月の北京五輪の選手から
採取したドーピング(禁止薬物使用)検査の検体を、再び検査すると発表。
世界最高峰の自転車レース、ツール・ド・フランスの出場選手の
ドーピング再検査で、新たな禁止薬物が検出されたことを受けた異例の決定。
北京五輪の検体の再検査は、スイス・ローザンヌにある
世界アンチ・ドーピング機構(WADA)の研究所が担当。
IOCは、五輪期間中に5000検体以上を検査、
再検査対象となる検体数の数は不明。
再検査では、持久力効果があるとされる
持続性エリスロポエチン受容体活性化剤(CERA)の検出を図る。
IOCは、五輪出場選手の検体を8年間保管し、
新たな検査方法が開発された場合の再検査に対応する体制が整っている。
北京五輪については、これまでに選手6人がドーピング違反で失格、
3人が調査対象。
http://www.cnn.co.jp/sports/CNN200810090007.html
ものづくり(4)学生の発想 ホンダ刺激
(読売 10月10日)
大企業と協力して、ものづくり教育を進める大学がある。
山形市の緑豊かな郊外にある東北芸術工科大学の研究棟には、
これまでの学生の作品を集めて展示した場所がある。
カメラ、かばん、いす……。
一際目立つのが、除雪機のハンドル。
正面に「HONDA」の文字。
2年前、当時3年生だった森泰香さんが作ったモデルを基に、
ホンダの技術者が作った。
多くの学生が、除雪機の外形をデザインしたのに対し、
森さんは操作部分に着目。
既製のものは大型で曲がりにくく、お年寄りや女性が簡単に作業できない。
その発想の面白さをホンダが評価し、
そのハンドルを組み込んだ試作機まで作った。
学生の作品を基に、大企業が技術と費用を投入するのは極めて異例。
同大では2005年から、プロダクトデザイン学科でホンダとの
共同授業を行っている。
一つのテーマで約4か月間、デザインを考え、社員の前で発表。
さらに4か月間で工業用粘土を使ったモデルを作り、
社員や教授らから評価を受ける。
担当の上原勲教授(44)は、ゲーム機から車まで多様な製品を手がける
現役の工業デザイナー。
「デザインというと、提案して終わりという場合が多いが、
体験して気が付いたことを基礎に発想し、自ら金属や木材、化学素材に触れて
モデルを作ることで、改めて気付くことが出てくる」と体験に力を入れる。
ホンダの汎用エンジンを使った耕運機の製作が課題だった初年度は、
大学近くに畑を作り、既製の耕運機を使って野菜を作った。
2年目の除雪機も、学内に積もった雪を実際に取り除いた。
ホンダのデザイナーが、授業で技術的な助言をすることも多い。
アイデアスケッチをその場で描いたり、絵を粘土で3次元にしてみたり。
ホンダの滝沢敏明主任研究員は、
「プロの技を目の当たりにして、面白そう、楽しそうと純粋に思ってもらうことが、
ものづくり日本の復活につながる。
東北芸術工科大の取り組みは、まさにホンダが重視する
三現主義(現場、現物、現実)」
現在は、汎用エンジンの利用をテーマに12人が取り組む。
植樹用の穴掘り機、雨水の浄水装置、日焼け止めミスト噴射機と
様々なアイデアが並ぶ。
同学科3年の長谷川徹さん(20)は、軽い耕運機が硬い土では
使いづらいことに気付き、水を入れて重量を増やすモデルを作製中。
「素朴な疑問で向かってくる学生と接することで、
ホンダのデザイナーにも良い刺激になる」と滝沢主任研究員。
採用に直結したプロジェクトではないが、参加学生のうち、
森さんを含む4人がホンダに就職。
「能力を示せば、試作機が作ってもらえ、就職も出来るかもしれないと、
学生にいい意味の競争意識が生まれている」(上原教授)
同大では現在、キヤノン、東芝などとも同様の取り組みを進めている。
長い目で、種をまくような企業の協力が、もっとあっていい。
◆三現主義
ホンダの創業者本田宗一郎氏が提唱。
「現場に行く」、「現物(現状)を知る」、「現実的であること」ということを
行動指針とし、これら三つの「現」を大切にしていこうという考え方。
同社には、「社長は技術畑出身であるべき」という伝統、
福井威夫現社長まで歴代の社長6人はすべて技術畑出身。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20081010-OYT8T00210.htm
大企業と協力して、ものづくり教育を進める大学がある。
山形市の緑豊かな郊外にある東北芸術工科大学の研究棟には、
これまでの学生の作品を集めて展示した場所がある。
カメラ、かばん、いす……。
一際目立つのが、除雪機のハンドル。
正面に「HONDA」の文字。
2年前、当時3年生だった森泰香さんが作ったモデルを基に、
ホンダの技術者が作った。
多くの学生が、除雪機の外形をデザインしたのに対し、
森さんは操作部分に着目。
既製のものは大型で曲がりにくく、お年寄りや女性が簡単に作業できない。
その発想の面白さをホンダが評価し、
そのハンドルを組み込んだ試作機まで作った。
学生の作品を基に、大企業が技術と費用を投入するのは極めて異例。
同大では2005年から、プロダクトデザイン学科でホンダとの
共同授業を行っている。
一つのテーマで約4か月間、デザインを考え、社員の前で発表。
さらに4か月間で工業用粘土を使ったモデルを作り、
社員や教授らから評価を受ける。
担当の上原勲教授(44)は、ゲーム機から車まで多様な製品を手がける
現役の工業デザイナー。
「デザインというと、提案して終わりという場合が多いが、
体験して気が付いたことを基礎に発想し、自ら金属や木材、化学素材に触れて
モデルを作ることで、改めて気付くことが出てくる」と体験に力を入れる。
ホンダの汎用エンジンを使った耕運機の製作が課題だった初年度は、
大学近くに畑を作り、既製の耕運機を使って野菜を作った。
2年目の除雪機も、学内に積もった雪を実際に取り除いた。
ホンダのデザイナーが、授業で技術的な助言をすることも多い。
アイデアスケッチをその場で描いたり、絵を粘土で3次元にしてみたり。
ホンダの滝沢敏明主任研究員は、
「プロの技を目の当たりにして、面白そう、楽しそうと純粋に思ってもらうことが、
ものづくり日本の復活につながる。
東北芸術工科大の取り組みは、まさにホンダが重視する
三現主義(現場、現物、現実)」
現在は、汎用エンジンの利用をテーマに12人が取り組む。
植樹用の穴掘り機、雨水の浄水装置、日焼け止めミスト噴射機と
様々なアイデアが並ぶ。
同学科3年の長谷川徹さん(20)は、軽い耕運機が硬い土では
使いづらいことに気付き、水を入れて重量を増やすモデルを作製中。
「素朴な疑問で向かってくる学生と接することで、
ホンダのデザイナーにも良い刺激になる」と滝沢主任研究員。
採用に直結したプロジェクトではないが、参加学生のうち、
森さんを含む4人がホンダに就職。
「能力を示せば、試作機が作ってもらえ、就職も出来るかもしれないと、
学生にいい意味の競争意識が生まれている」(上原教授)
同大では現在、キヤノン、東芝などとも同様の取り組みを進めている。
長い目で、種をまくような企業の協力が、もっとあっていい。
◆三現主義
ホンダの創業者本田宗一郎氏が提唱。
「現場に行く」、「現物(現状)を知る」、「現実的であること」ということを
行動指針とし、これら三つの「現」を大切にしていこうという考え方。
同社には、「社長は技術畑出身であるべき」という伝統、
福井威夫現社長まで歴代の社長6人はすべて技術畑出身。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20081010-OYT8T00210.htm
2008年10月16日木曜日
バイオ燃料「環境への貢献大きくない」 FAOが指摘
(朝日 2008年10月9日)
国連食糧農業機関(FAO)は、08年の「世界食料農業白書」を発表、
食糧価格高騰の一因とされるバイオ燃料について、
「現状では、温暖化ガス排出抑制への貢献は期待されたほど大きくない」、
補助金などで、自国での生産の促進を図る
一部先進国の拡大政策を見直すよう求めた。
「世界食料農業白書」は、FAOの活動の基となる年次報告。
今年は、6月の食糧サミットで、バイオ燃料が各国の食糧輸出規制とともに
焦点となったことから、その温暖化対策としての効果と食糧危機への影響の
分析が中心となった。
白書は、バイオ燃料が原料のトウモロコシなどの生育過程で
温暖化の原因となる二酸化炭素を吸収するとされる点について、
環境への効果は製造に費やされる電力や地域条件によって異なると指摘。
温暖化対策としての効果も、現状の技術では原料作物の耕作地に
緑地や森林が転用されることでかなり相殺され、
作物によっては結果的に石油などの化石燃料を使用するより、
温暖化ガスを増やす可能性さえある。
食糧以外の原料を使う第2世代を含むバイオ燃料全体の将来性にも触れ、
「危険と同時に可能性がある」と指摘。
ディウフFAO事務局長は、「恩恵は広く共有する必要がある」として、
先進国がバイオ燃料の自国での生産拡大のために導入する補助金など、
「途上国が市場に参加する機会を妨げている」と撤廃を求めた。
http://www.asahi.com/eco/TKY200810090271.html
国連食糧農業機関(FAO)は、08年の「世界食料農業白書」を発表、
食糧価格高騰の一因とされるバイオ燃料について、
「現状では、温暖化ガス排出抑制への貢献は期待されたほど大きくない」、
補助金などで、自国での生産の促進を図る
一部先進国の拡大政策を見直すよう求めた。
「世界食料農業白書」は、FAOの活動の基となる年次報告。
今年は、6月の食糧サミットで、バイオ燃料が各国の食糧輸出規制とともに
焦点となったことから、その温暖化対策としての効果と食糧危機への影響の
分析が中心となった。
白書は、バイオ燃料が原料のトウモロコシなどの生育過程で
温暖化の原因となる二酸化炭素を吸収するとされる点について、
環境への効果は製造に費やされる電力や地域条件によって異なると指摘。
温暖化対策としての効果も、現状の技術では原料作物の耕作地に
緑地や森林が転用されることでかなり相殺され、
作物によっては結果的に石油などの化石燃料を使用するより、
温暖化ガスを増やす可能性さえある。
食糧以外の原料を使う第2世代を含むバイオ燃料全体の将来性にも触れ、
「危険と同時に可能性がある」と指摘。
ディウフFAO事務局長は、「恩恵は広く共有する必要がある」として、
先進国がバイオ燃料の自国での生産拡大のために導入する補助金など、
「途上国が市場に参加する機会を妨げている」と撤廃を求めた。
http://www.asahi.com/eco/TKY200810090271.html
スポーツ界から見た温暖化防止、北島選手らが重要性訴え
(読売 10月12日)
アテネ、北京両五輪で金メダルを獲得した
競泳の北島康介、柔道の谷本歩実両選手らが、
「スポーツと環境 グリーンアクションフォーラム」
(日本オリンピック委員会主催、読売新聞など後援)に参加、
スポーツ界から見た温暖化防止の重要性を訴えた。
ビデオ参加したフリースタイルスキーの上村愛子選手が、
「近年雪が少なく、大会中止が相次いでいる。
孫たちにも、スキーの楽しさを残したい」とアピール。
北島選手は、「環境問題が注目された北京五輪を体験し、
日本に五輪が来たら何が出来るか考えた。
2016年東京五輪(への機運)を盛り上げ、
環境面でも子供たちにメッセージを送りたい」
フォーラムは、日常生活で行動する大切さなどをうたった決議を、
選手が読み上げて閉幕した。
http://www.yomiuri.co.jp/eco/news/20081012-OYT1T00574.htm
アテネ、北京両五輪で金メダルを獲得した
競泳の北島康介、柔道の谷本歩実両選手らが、
「スポーツと環境 グリーンアクションフォーラム」
(日本オリンピック委員会主催、読売新聞など後援)に参加、
スポーツ界から見た温暖化防止の重要性を訴えた。
ビデオ参加したフリースタイルスキーの上村愛子選手が、
「近年雪が少なく、大会中止が相次いでいる。
孫たちにも、スキーの楽しさを残したい」とアピール。
北島選手は、「環境問題が注目された北京五輪を体験し、
日本に五輪が来たら何が出来るか考えた。
2016年東京五輪(への機運)を盛り上げ、
環境面でも子供たちにメッセージを送りたい」
フォーラムは、日常生活で行動する大切さなどをうたった決議を、
選手が読み上げて閉幕した。
http://www.yomiuri.co.jp/eco/news/20081012-OYT1T00574.htm
てんかん症状持つラット、弘前大学院が世界初開発 新薬やメカニズム解明へ
(毎日新聞社 2008年10月10日)
弘前大大学院医学研究科などでつくる
「日本てんかん・熱性けいれん遺伝子解析グループ」(代表・兼子直教授)は、
睡眠中に起こる前頭葉てんかんの患者と類似した症状を持つマウス
「モデルラット」の開発に世界で初めて成功。
てんかんの新薬開発や発症のメカニズム解明などにつながる画期的な開発で、
研究成果は近く、米の専門科学誌に掲載。
実験用のマウスなどはこれまで、電気ショックを与えるなどして
人工的にてんかん状態にし、研究に利用。
研究グループは、実際の前頭葉てんかん患者の遺伝子を取り出し、
組み換えたものをラットの卵子に移植。
生まれてきたラットが、てんかんを患っているかどうかをみた。
その結果、てんかん患者の症状と類似した発作が表れたほか、
てんかん薬の投与で発作の改善もみられ、
人の患者と同様の状態になっていることが分かった。
モデルラットの特許を既に取得し、京都市の会社から販売される予定。
国内のてんかん患者は、約72万人いると推定、
兼子教授らは今回のラット開発について、
「根治療法やてんかん防止薬の開発などにつながる突破口になるはず」と期待。
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=81168
弘前大大学院医学研究科などでつくる
「日本てんかん・熱性けいれん遺伝子解析グループ」(代表・兼子直教授)は、
睡眠中に起こる前頭葉てんかんの患者と類似した症状を持つマウス
「モデルラット」の開発に世界で初めて成功。
てんかんの新薬開発や発症のメカニズム解明などにつながる画期的な開発で、
研究成果は近く、米の専門科学誌に掲載。
実験用のマウスなどはこれまで、電気ショックを与えるなどして
人工的にてんかん状態にし、研究に利用。
研究グループは、実際の前頭葉てんかん患者の遺伝子を取り出し、
組み換えたものをラットの卵子に移植。
生まれてきたラットが、てんかんを患っているかどうかをみた。
その結果、てんかん患者の症状と類似した発作が表れたほか、
てんかん薬の投与で発作の改善もみられ、
人の患者と同様の状態になっていることが分かった。
モデルラットの特許を既に取得し、京都市の会社から販売される予定。
国内のてんかん患者は、約72万人いると推定、
兼子教授らは今回のラット開発について、
「根治療法やてんかん防止薬の開発などにつながる突破口になるはず」と期待。
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=81168
ものづくり(3)学内の橋、広場など自作
(読売 10月9日)
ものづくりの実践を重視した大学がある。
ものつくり大学(埼玉県行田市)には、学生が設計から施工まで
担った広場、あずま屋が点在する。
校舎間をつなぐ二つの連絡橋も学生の作品。
学部は、技能工芸学部(建設技能工芸、製造技能工芸)だけで、
定員は1学年360人、12万平方メートルという
広いキャンパスを十分に生かしている。
今夏には、キャンパス内の調整池にも橋を架けた。
歩道橋など小さい橋を研究している増淵文男教授(60)が発案した
建設技能工芸学科3年の実習。
二つの連絡橋は、大手ゼネコンで現場所長を務めた経験のある
非常勤講師4人の指導を仰ぎながら、足場作りなど工事の基礎から始め、
それぞれ2年がかりで完成。
調整池の橋は、環境重視でコストの低い浮橋。
発泡スチロールをコンクリートで固めた浮体を、ロープでつないだ。
池に生えていた約3メートルのアシを引き抜き、
大型クレーンを使って橋を浮かべた。
学生たちは図面を見ながら、浮体のパーツを作っていった。
「教授の指摘を受けて確認したら、図面にミスがあることがわかった。
そんなことの繰り返しだった」と建設技能工芸学科3年の菊池康太さん(21)。
「図面を書くことは上手でも、実際に想像できなければ意味がない。
本物を造ることで、その想像力を養いたい。
実際に完成したものを見たことがないと、どこが違うのかも分からないこともある」
同大は、ものづくり日本を復活させる人材を育てようと、
国や県の補助、寄付を得て2001年に開学。
土地は行田市の提供。
開学前、建設推進母体の一員だったケーエスデー中小企業経営者福祉事業団を
巡る汚職事件が発覚し、学生募集に苦戦したが、
今では全国から集まるようになった。
工業高校出身者が学生の3割を占める。
従来の理工系大学は、実技よりも理論を重視する傾向があったが、
同大では実践的な力のあるエンジニアを育てることに力を入れる。
神本武征学長は、「企業側から『大学の機械科を卒業しているのに、
スパナの使い方も知らない学生がいる』といった声も聞く。
しっかりとものを知った上で設計、開発出来る人材を育てたい」
教授25人のうち18人までは、民間企業の技術者や研究開発に携わった
経験がある人をそろえた。
316人いる非常勤講師には、大工や左官職人、国際職業訓練競技大会の
金メダル受賞者を並べた。
就業体験も重視する。
製造技能工芸学科は3、4年に各40日間、建設技能工芸学科では
2、4年で各40日間、大手ゼネコンや工務店、設計事務所などで働く。
授業の一貫だから、終了後にはリポートの提出が義務。
これまで4年間の卒業生の就職率は、93~99%。
この評価を定着させるには、企業の中でいかに力を発揮できるかが重要。
◆多額の補助金投入
1990年代、財界からの声を受けて、旧労働省所管の公益法人が
“職人大学”の設立を計画。
国が約83億円、埼玉県が約30億円、行田市が約24億円を補助、
産業界からも約3億8000万円の寄付を受けて、2001年に開学。
計画段階の仮称は「国際技能工芸大学」だったが、
現総長の哲学者、梅原猛氏が「ものつくり大学」と命名。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20081009-OYT8T00235.htm
ものづくりの実践を重視した大学がある。
ものつくり大学(埼玉県行田市)には、学生が設計から施工まで
担った広場、あずま屋が点在する。
校舎間をつなぐ二つの連絡橋も学生の作品。
学部は、技能工芸学部(建設技能工芸、製造技能工芸)だけで、
定員は1学年360人、12万平方メートルという
広いキャンパスを十分に生かしている。
今夏には、キャンパス内の調整池にも橋を架けた。
歩道橋など小さい橋を研究している増淵文男教授(60)が発案した
建設技能工芸学科3年の実習。
二つの連絡橋は、大手ゼネコンで現場所長を務めた経験のある
非常勤講師4人の指導を仰ぎながら、足場作りなど工事の基礎から始め、
それぞれ2年がかりで完成。
調整池の橋は、環境重視でコストの低い浮橋。
発泡スチロールをコンクリートで固めた浮体を、ロープでつないだ。
池に生えていた約3メートルのアシを引き抜き、
大型クレーンを使って橋を浮かべた。
学生たちは図面を見ながら、浮体のパーツを作っていった。
「教授の指摘を受けて確認したら、図面にミスがあることがわかった。
そんなことの繰り返しだった」と建設技能工芸学科3年の菊池康太さん(21)。
「図面を書くことは上手でも、実際に想像できなければ意味がない。
本物を造ることで、その想像力を養いたい。
実際に完成したものを見たことがないと、どこが違うのかも分からないこともある」
同大は、ものづくり日本を復活させる人材を育てようと、
国や県の補助、寄付を得て2001年に開学。
土地は行田市の提供。
開学前、建設推進母体の一員だったケーエスデー中小企業経営者福祉事業団を
巡る汚職事件が発覚し、学生募集に苦戦したが、
今では全国から集まるようになった。
工業高校出身者が学生の3割を占める。
従来の理工系大学は、実技よりも理論を重視する傾向があったが、
同大では実践的な力のあるエンジニアを育てることに力を入れる。
神本武征学長は、「企業側から『大学の機械科を卒業しているのに、
スパナの使い方も知らない学生がいる』といった声も聞く。
しっかりとものを知った上で設計、開発出来る人材を育てたい」
教授25人のうち18人までは、民間企業の技術者や研究開発に携わった
経験がある人をそろえた。
316人いる非常勤講師には、大工や左官職人、国際職業訓練競技大会の
金メダル受賞者を並べた。
就業体験も重視する。
製造技能工芸学科は3、4年に各40日間、建設技能工芸学科では
2、4年で各40日間、大手ゼネコンや工務店、設計事務所などで働く。
授業の一貫だから、終了後にはリポートの提出が義務。
これまで4年間の卒業生の就職率は、93~99%。
この評価を定着させるには、企業の中でいかに力を発揮できるかが重要。
◆多額の補助金投入
1990年代、財界からの声を受けて、旧労働省所管の公益法人が
“職人大学”の設立を計画。
国が約83億円、埼玉県が約30億円、行田市が約24億円を補助、
産業界からも約3億8000万円の寄付を受けて、2001年に開学。
計画段階の仮称は「国際技能工芸大学」だったが、
現総長の哲学者、梅原猛氏が「ものつくり大学」と命名。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20081009-OYT8T00235.htm
2008年10月15日水曜日
ホッケーの町に栄光の樹 岩手町で五輪記念し植樹
(岩手日報 10月11日)
岩手町出身のホッケー日本代表・小沢みさきさん(23)
=富士大大学院、沼宮内高―富士大出=の北京五輪出場を記念する
植樹式は、同町子抱の町ホッケー場で行われた。
植えたのは、五輪由来の「栄光の樹」。
次なる栄光を目指し、五輪と町を結ぶ象徴とする。
「ホッケーの町」を掲げる同町から初の五輪選手となった小沢さんと、
今年8月の全日本中学生選手権大会で優勝した一方井中女子前主将の
高橋真唯さん(3年)、民部田幾夫町長が
高さ約1メートルのドイツカシワの苗木を植えた。
植樹は、町民ホッケー大会の開会式に先だって行われ、
ユニホーム姿の児童生徒ら約200人があこがれのまなざしで見守った。
標柱には、「勝利の栄光のために成長せよ」と記され、
高台からグラウンド全体を見渡す。
小沢さんは、「次回ロンドン五輪では、チームにとって欠かせない
存在となるため、この4年間で成長したい。
岩手の後輩たちも五輪を身近に感じ、夢を持って頑張ってほしい」
苗木は、1936年のベルリン五輪三段跳びで優勝した田島直人選手が
副賞として母校の京都大に持ち帰ったドイツカシワの子孫で、
栄光の樹についての著書がある滝沢村滝沢の小山尚元さん(70)が
自宅で種子から育てた。
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20081011_13
岩手町出身のホッケー日本代表・小沢みさきさん(23)
=富士大大学院、沼宮内高―富士大出=の北京五輪出場を記念する
植樹式は、同町子抱の町ホッケー場で行われた。
植えたのは、五輪由来の「栄光の樹」。
次なる栄光を目指し、五輪と町を結ぶ象徴とする。
「ホッケーの町」を掲げる同町から初の五輪選手となった小沢さんと、
今年8月の全日本中学生選手権大会で優勝した一方井中女子前主将の
高橋真唯さん(3年)、民部田幾夫町長が
高さ約1メートルのドイツカシワの苗木を植えた。
植樹は、町民ホッケー大会の開会式に先だって行われ、
ユニホーム姿の児童生徒ら約200人があこがれのまなざしで見守った。
標柱には、「勝利の栄光のために成長せよ」と記され、
高台からグラウンド全体を見渡す。
小沢さんは、「次回ロンドン五輪では、チームにとって欠かせない
存在となるため、この4年間で成長したい。
岩手の後輩たちも五輪を身近に感じ、夢を持って頑張ってほしい」
苗木は、1936年のベルリン五輪三段跳びで優勝した田島直人選手が
副賞として母校の京都大に持ち帰ったドイツカシワの子孫で、
栄光の樹についての著書がある滝沢村滝沢の小山尚元さん(70)が
自宅で種子から育てた。
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20081011_13
肺がん克服「役立てる機会に」 フィギュア・井上がCM出演
(朝日 2008年10月9日)
日本出身で、フィギュアスケートの米国ペア選手として活躍する
井上怜奈(31)が、がん保険のテレビCMに出演。
肺がんを克服して、06年トリノ五輪代表になった井上は、
「私の姿を見て励まされたという声を聞くと光栄。
多くの人に役立てる機会が持ててうれしい」
20歳の時、父雅彦さんを肺がんで亡くし、
98年には自分にも同じ病気が見つかった。
だが、これを乗り越え、00~01年シーズンから
ジョン・ボルドウィン(34)とペアを組み、06年全米選手権で優勝。
トリノ五輪に出場。
生きる強さに注目したアメリカンファミリー生命保険会社が出演依頼。
07年世界選手権(東京)の後、井上は現役引退を表明したが、
今年初めの全米選手権から復帰。
08~09年シーズンは、24日からのグランプリシリーズ開幕戦、
スケートアメリカに出場する。
「今は精神的にモチベーションもあげてやっていける。
バンクーバー五輪とかあまり先のことを考えず、
次にあるイベントや試合に集中していくだけ」
日本出身で、フィギュアスケートの米国ペア選手として活躍する
井上怜奈(31)が、がん保険のテレビCMに出演。
肺がんを克服して、06年トリノ五輪代表になった井上は、
「私の姿を見て励まされたという声を聞くと光栄。
多くの人に役立てる機会が持ててうれしい」
20歳の時、父雅彦さんを肺がんで亡くし、
98年には自分にも同じ病気が見つかった。
だが、これを乗り越え、00~01年シーズンから
ジョン・ボルドウィン(34)とペアを組み、06年全米選手権で優勝。
トリノ五輪に出場。
生きる強さに注目したアメリカンファミリー生命保険会社が出演依頼。
07年世界選手権(東京)の後、井上は現役引退を表明したが、
今年初めの全米選手権から復帰。
08~09年シーズンは、24日からのグランプリシリーズ開幕戦、
スケートアメリカに出場する。
「今は精神的にモチベーションもあげてやっていける。
バンクーバー五輪とかあまり先のことを考えず、
次にあるイベントや試合に集中していくだけ」
つながる生命(下)照葉樹林守った「知恵」
(読売 10月10日)
シイやカシのこずえが、天を覆う石畳の道をゆく。
朝露にぬれ、フジつるが絡む昼なお暗い照葉樹の森。
沢のよどみにトノサマガエルが身を潜め、切り株の根元を青大将が横切った。
奈良市街の東に鎮座する春日大社。
裏手に控える御神体の「御蓋山」を取り囲むように、
「春日山原始林」が広がる。
地元の人たちが、今も「神の山」と敬う聖域である。
「続日本後紀」によると、狩猟や伐採が禁じられたのは841年。
以来ほぼ手つかずの自然が保たれてきた。
そのほとんどは、今も一般の入山が許されていない。
なぜ先人は森を守ろうと決めたのか?
鹿島大明神が御蓋山に降臨したという伝承を別にすれば、
水がカギを握るとの見方が有力。
春日大社禰宜の今井祐次さん(47)によると、
原始林一帯は古都奈良の水源。
春日大社を挟んで流れる能登川と水谷川は、別々の河川に流れ込んで
名前を変え、それぞれ佐保川と合流。最後は、大和川となって大阪湾に注ぐ。
御蓋山の山頂には本宮神社、奥山の尾根筋にも社が点在。
御神体山に向かって、神職が唱える祝詞が毎朝、春日大社の本殿に響く。
厳かな光景は途切れることなく続いてきた。
森を敬う文化は、アジアの各地にある。
東京のNPO「ヒマラヤ保全協会」が植林活動を続けてきた
ネパール西部のナンギ村。
事務局長の田野倉達弘さん(45)は、村人から深い緑の森に案内。
人口増による薪炭材の需要増で、森林破壊が進む風景のなか、
そこだけは苔むす倒木が折り重なる照葉樹林。
「デウタ」という神が住むと村人が信じる森には、泉もわき出していた。
暮らしの基本は、焼き畑や水田農業。
納豆やモチを好んで食べ、漆や養蚕の技術にも優れる――。
ネパールからブータン、中国中南部を経て、西日本まで続く照葉樹林帯。
民族植物学者の中尾佐助(1916~93)は、
この一帯の文化や習俗に共通点を見つけ、「照葉樹林文化」と名づけた。
独自の文化論は、宮崎駿監督のアニメーション作品にも大きな影響を与えた。
アジア各地を調査した国立民族学博物館の佐々木高明名誉教授は、
「照葉樹林文化の底流にあるのは、伝統的な焼き畑農耕。
そこに共通するのは、神々が支配する森林を借り、
耕作の後に再び神に返すという考え方。
水田農業にも、里山の多様な自然と共存する知恵が生きている」
森は水を蓄え、多様な生き物たちをはぐくむ。
アジアの森林破壊に歯止めをかけるため、
先人の知恵に学ぶべき点は少なくない。
http://www.yomiuri.co.jp/eco/kankyo/20081010-OYT8T00469.htm
シイやカシのこずえが、天を覆う石畳の道をゆく。
朝露にぬれ、フジつるが絡む昼なお暗い照葉樹の森。
沢のよどみにトノサマガエルが身を潜め、切り株の根元を青大将が横切った。
奈良市街の東に鎮座する春日大社。
裏手に控える御神体の「御蓋山」を取り囲むように、
「春日山原始林」が広がる。
地元の人たちが、今も「神の山」と敬う聖域である。
「続日本後紀」によると、狩猟や伐採が禁じられたのは841年。
以来ほぼ手つかずの自然が保たれてきた。
そのほとんどは、今も一般の入山が許されていない。
なぜ先人は森を守ろうと決めたのか?
鹿島大明神が御蓋山に降臨したという伝承を別にすれば、
水がカギを握るとの見方が有力。
春日大社禰宜の今井祐次さん(47)によると、
原始林一帯は古都奈良の水源。
春日大社を挟んで流れる能登川と水谷川は、別々の河川に流れ込んで
名前を変え、それぞれ佐保川と合流。最後は、大和川となって大阪湾に注ぐ。
御蓋山の山頂には本宮神社、奥山の尾根筋にも社が点在。
御神体山に向かって、神職が唱える祝詞が毎朝、春日大社の本殿に響く。
厳かな光景は途切れることなく続いてきた。
森を敬う文化は、アジアの各地にある。
東京のNPO「ヒマラヤ保全協会」が植林活動を続けてきた
ネパール西部のナンギ村。
事務局長の田野倉達弘さん(45)は、村人から深い緑の森に案内。
人口増による薪炭材の需要増で、森林破壊が進む風景のなか、
そこだけは苔むす倒木が折り重なる照葉樹林。
「デウタ」という神が住むと村人が信じる森には、泉もわき出していた。
暮らしの基本は、焼き畑や水田農業。
納豆やモチを好んで食べ、漆や養蚕の技術にも優れる――。
ネパールからブータン、中国中南部を経て、西日本まで続く照葉樹林帯。
民族植物学者の中尾佐助(1916~93)は、
この一帯の文化や習俗に共通点を見つけ、「照葉樹林文化」と名づけた。
独自の文化論は、宮崎駿監督のアニメーション作品にも大きな影響を与えた。
アジア各地を調査した国立民族学博物館の佐々木高明名誉教授は、
「照葉樹林文化の底流にあるのは、伝統的な焼き畑農耕。
そこに共通するのは、神々が支配する森林を借り、
耕作の後に再び神に返すという考え方。
水田農業にも、里山の多様な自然と共存する知恵が生きている」
森は水を蓄え、多様な生き物たちをはぐくむ。
アジアの森林破壊に歯止めをかけるため、
先人の知恵に学ぶべき点は少なくない。
http://www.yomiuri.co.jp/eco/kankyo/20081010-OYT8T00469.htm
ものづくり(2)映画セット 学生の手で
(読売 10月8日)
映画制作を通じて、学生たちに手作りの価値を伝える大学がある。
コンクリート打ちっ放しの作業場で、
学生たちが劇場用映画「築城せよ!」のセット作りに汗を流していた。
愛知工業大学にある「みらい工房」。
学生の創作活動を支援するため、工作機械などを備えている。
映画は、来年の同大開学50周年を記念して制作、来夏に公開予定。
大学はスポンサーで、ヒロインは愛工大生という設定。
学生たちは、ベニヤ板を3人がかりで力いっぱい丸め、
電動工具で木枠に打ち付ける。
全長4メートルほどの筒状のベニヤ板が、映画の中では「井戸」に。
工房の隅には「石垣」が積まれていた。
発泡スチロールの表面をバーナーで焼いて凹凸を作り、塗料で色付け。
工学部4年の高木章広さん(21)は、
「劇場でこのセットがどんな風に映るのか楽しみ」
高度な機器を駆使してハイテクを学ぶことも大切だが、土台はあくまで手作り。
そんな考え方に立って、同大は8年前から選択科目
「ものづくり文化」を開いてきた。
トヨタ自動車の技術者をはじめ、作家、写真家など、
様々な分野のスペシャリストからものづくりの本質や魅力を聞く。
講師はすでに40人を超えた。
5年前にできた「みらい工房」では、「ものづくり文化」の受講生が、
山車などを作ってきた。
講義を担当する森豪教授(60)は、
「講師の話に興味を持ち、実際に手と足を動かすことで、
パソコンの前に座っているだけでは得られない発想が生まれる」
映画制作は、こうした活動の集大成。
講義を通じてプロデューサーらと知り合い、話が進んだ。
映画は、戦国武将の霊が町役場の職員に乗り移り、
数々の困難を克服しながら、地域住民や大学生らと
段ボールの城を築き上げていくというストーリー。
撮影で実際に作られる城の高さは20メートルだが、
高木さんたち美術班のメンバーは、高さ4メートルほどの縮小版の制作を始めた。
最初は失敗の連続だったが、強度実験を繰り返すうち、
細長く切った段ボールを格子状に組んで何層にも重ねることで、
学生20人以上が乗っても崩れない「天守閣の床」を作り上げた。
この技術が映画の中でも取り入れられる。
「1人では難しくても、仲間と力を合わせれば乗り越えられる」と高木さんは実感。
撮影は、同大周辺で9月25日から始まった。
美術補助やエキストラなど、参加する学生は総勢500人。
11月上旬までの撮影期間中、出演者やスタッフの多くが学内の寮で寝泊まり。
学生は、プロの技術に触れながら映画作りを楽しんでいる。
「多くの人たちの技術と情熱が集結して、映画という一つの作品ができ上がる。
学生に本物のものづくりを肌で感じてほしい」と森教授。
映画の中で、城は最後に壊されるというが、学生たちは完成した作品から
大きな達成感を得るはずだ。
◆「築城せよ!」
監督は古波津陽さん。2005年に「築城せよ。」というタイトルの短編を制作。
主役の町職員と戦国武将の2役を演じるのは、
歌舞伎役者の片岡愛之助さん、ヒロインは海老瀬はなさん。
江守徹さん、阿藤快さん、藤田朋子さんらが脇を固める。
地域住民も、多くがエキストラとして参加。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20081008-OYT8T00227.htm
映画制作を通じて、学生たちに手作りの価値を伝える大学がある。
コンクリート打ちっ放しの作業場で、
学生たちが劇場用映画「築城せよ!」のセット作りに汗を流していた。
愛知工業大学にある「みらい工房」。
学生の創作活動を支援するため、工作機械などを備えている。
映画は、来年の同大開学50周年を記念して制作、来夏に公開予定。
大学はスポンサーで、ヒロインは愛工大生という設定。
学生たちは、ベニヤ板を3人がかりで力いっぱい丸め、
電動工具で木枠に打ち付ける。
全長4メートルほどの筒状のベニヤ板が、映画の中では「井戸」に。
工房の隅には「石垣」が積まれていた。
発泡スチロールの表面をバーナーで焼いて凹凸を作り、塗料で色付け。
工学部4年の高木章広さん(21)は、
「劇場でこのセットがどんな風に映るのか楽しみ」
高度な機器を駆使してハイテクを学ぶことも大切だが、土台はあくまで手作り。
そんな考え方に立って、同大は8年前から選択科目
「ものづくり文化」を開いてきた。
トヨタ自動車の技術者をはじめ、作家、写真家など、
様々な分野のスペシャリストからものづくりの本質や魅力を聞く。
講師はすでに40人を超えた。
5年前にできた「みらい工房」では、「ものづくり文化」の受講生が、
山車などを作ってきた。
講義を担当する森豪教授(60)は、
「講師の話に興味を持ち、実際に手と足を動かすことで、
パソコンの前に座っているだけでは得られない発想が生まれる」
映画制作は、こうした活動の集大成。
講義を通じてプロデューサーらと知り合い、話が進んだ。
映画は、戦国武将の霊が町役場の職員に乗り移り、
数々の困難を克服しながら、地域住民や大学生らと
段ボールの城を築き上げていくというストーリー。
撮影で実際に作られる城の高さは20メートルだが、
高木さんたち美術班のメンバーは、高さ4メートルほどの縮小版の制作を始めた。
最初は失敗の連続だったが、強度実験を繰り返すうち、
細長く切った段ボールを格子状に組んで何層にも重ねることで、
学生20人以上が乗っても崩れない「天守閣の床」を作り上げた。
この技術が映画の中でも取り入れられる。
「1人では難しくても、仲間と力を合わせれば乗り越えられる」と高木さんは実感。
撮影は、同大周辺で9月25日から始まった。
美術補助やエキストラなど、参加する学生は総勢500人。
11月上旬までの撮影期間中、出演者やスタッフの多くが学内の寮で寝泊まり。
学生は、プロの技術に触れながら映画作りを楽しんでいる。
「多くの人たちの技術と情熱が集結して、映画という一つの作品ができ上がる。
学生に本物のものづくりを肌で感じてほしい」と森教授。
映画の中で、城は最後に壊されるというが、学生たちは完成した作品から
大きな達成感を得るはずだ。
◆「築城せよ!」
監督は古波津陽さん。2005年に「築城せよ。」というタイトルの短編を制作。
主役の町職員と戦国武将の2役を演じるのは、
歌舞伎役者の片岡愛之助さん、ヒロインは海老瀬はなさん。
江守徹さん、阿藤快さん、藤田朋子さんらが脇を固める。
地域住民も、多くがエキストラとして参加。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20081008-OYT8T00227.htm
2008年10月14日火曜日
大船渡市民文化会館リアスホール利用説明会開催
(東海新報 10月9日)
大船渡市民文化会館・リアスホールの使用受付説明会。
市側では、利用予約の受付方法や使用料金などを説明。
年内は、施設使用料を無料とする方向で検討、
利用料減免制度は文化団体などに適用されている市内の教育施設と
比較して、限定的な運用となる方針が示された。
同館は10月末の完成、11月15日(土)開館を目指して、
現在整備が進んでいるが、使用受付開始は今月14日を予定。
説明会は、使用方法や申し込み手続きなどについて理解を深めてもらおうと
開催し、市民ら約20人が出席。
説明役は、市民文化会館の志田努館長補佐が務めた。
出席者には、各階ごとの平面図が配布、
大ホールやマルチスペース、図書館部分の機能などについて説明。
市条例で定められた施設使用料も、各スペースや利用時間などに分けて提示。
大ホールは、来場者から徴収する入場料や曜日に応じた金額設定。
入場料は、3段階設けられ、「無料から2千円まで」は同じ使用料。
市民団体が主催して、舞踊発表や音楽会などを開く場合、
入場料が2千円以下が多く、利用しやすい価格設定にした。
受付予約について、使用形態によって受付期間を分ける方針。
志田館長補佐は、「多くの施設をまたがって利用する予約を優先したい」
催事開催として大ホールを使用したり、同ホールと一緒に他のスペースを
使用する場合は、使用日の1年前から1カ月前までの間に予約。
練習目的での大ホール使用は、3週間前から5日前まで。
マルチスペースの催事予約は、6カ月前から1カ月前まで。
会議室、和室、練習室、スタジオの単独使用は、使用日3カ月前から当日まで。
大ホール以外の施設を複数使用する場合は、6カ月前から受付ができる
優遇措置がとられるが、使用日の4カ月前までに申し込む。
当面の対応として、開館から12月末までの使用料は、無料とする方向。
施設全てを対象とするか、一部にとどめるかは現在調整中。
年内は、完成した施設を見学してもらう「施設のお披露目期間」と位置づけ、
大ホールやマルチスペース、展示ギャラリーは
練習目的の使用に限定する方針。
利用料の減免措置について、志田館長補佐は
「広い芸術文化活動や市民活動、一般利用も想定。
特定の方々を優遇する形にはいかず、(減免は)できるだけ限定的としたい」
公益上特に必要な場合には適用する方向だが、
カメリアホールなど市内にある文化施設と同じような適用対象による
減免措置は難しいとの見方。
使用料、利用予約に関する問い合わせは、
市民文化会館(市役所内、電話27-3111内線168、203)
http://www.tohkaishimpo.com/
大船渡市民文化会館・リアスホールの使用受付説明会。
市側では、利用予約の受付方法や使用料金などを説明。
年内は、施設使用料を無料とする方向で検討、
利用料減免制度は文化団体などに適用されている市内の教育施設と
比較して、限定的な運用となる方針が示された。
同館は10月末の完成、11月15日(土)開館を目指して、
現在整備が進んでいるが、使用受付開始は今月14日を予定。
説明会は、使用方法や申し込み手続きなどについて理解を深めてもらおうと
開催し、市民ら約20人が出席。
説明役は、市民文化会館の志田努館長補佐が務めた。
出席者には、各階ごとの平面図が配布、
大ホールやマルチスペース、図書館部分の機能などについて説明。
市条例で定められた施設使用料も、各スペースや利用時間などに分けて提示。
大ホールは、来場者から徴収する入場料や曜日に応じた金額設定。
入場料は、3段階設けられ、「無料から2千円まで」は同じ使用料。
市民団体が主催して、舞踊発表や音楽会などを開く場合、
入場料が2千円以下が多く、利用しやすい価格設定にした。
受付予約について、使用形態によって受付期間を分ける方針。
志田館長補佐は、「多くの施設をまたがって利用する予約を優先したい」
催事開催として大ホールを使用したり、同ホールと一緒に他のスペースを
使用する場合は、使用日の1年前から1カ月前までの間に予約。
練習目的での大ホール使用は、3週間前から5日前まで。
マルチスペースの催事予約は、6カ月前から1カ月前まで。
会議室、和室、練習室、スタジオの単独使用は、使用日3カ月前から当日まで。
大ホール以外の施設を複数使用する場合は、6カ月前から受付ができる
優遇措置がとられるが、使用日の4カ月前までに申し込む。
当面の対応として、開館から12月末までの使用料は、無料とする方向。
施設全てを対象とするか、一部にとどめるかは現在調整中。
年内は、完成した施設を見学してもらう「施設のお披露目期間」と位置づけ、
大ホールやマルチスペース、展示ギャラリーは
練習目的の使用に限定する方針。
利用料の減免措置について、志田館長補佐は
「広い芸術文化活動や市民活動、一般利用も想定。
特定の方々を優遇する形にはいかず、(減免は)できるだけ限定的としたい」
公益上特に必要な場合には適用する方向だが、
カメリアホールなど市内にある文化施設と同じような適用対象による
減免措置は難しいとの見方。
使用料、利用予約に関する問い合わせは、
市民文化会館(市役所内、電話27-3111内線168、203)
http://www.tohkaishimpo.com/
生体観察に欠かせない技術 オワンクラゲのタンパク質
(共同通信社 2008年10月10日)
生物を構成する細胞やタンパク質の動きを観察し、
病気が起こるメカニズムを解明しようとする近年の生命科学関連の
研究論文で、必ずといっていいほど登場する緑色蛍光タンパク質(GFP)。
小さくて目に見えない分子の世界を、明るく照らすこの"道具"の
開発者たちに、今年のノーベル賞化学賞が贈られる。
透明で、100分の1ミリサイズの細胞を観察することは
それ自体、骨の折れる作業。
ところが、生体に起こっていることを本当に理解するには、
その中で化学的な反応を起こしているタンパク質や糖質など、
さらに小さい物質の動きを追うことが不可欠。
これには、通常の光学顕微鏡の能力を超える力が必要。
GFPのすごいところは、最重要なタンパク質にくっつき、
紫外光を当てると緑色の光を発して"目印"となる点。
注目するタンパク質がいつどこで、何をしているのかなどを直接、
目で見ることを可能に。
GFPは、別の生体に組み込まれた時にも、目立った害を及ぼさないため、
生体を生きた状態で見られるという利点。
これを応用すると、細胞間に張り巡らされる血管が、
どのような過程を経て形成されるのかが分かる。
この知識を利用し、がん細胞に栄養や酸素を供給する新たな血管を
つくらせないことで、がんの増殖を抑える研究が進みつつある。
アルツハイマー病では、神経細胞が壊れていく様子を、
感染症では病原体が体内で増殖する過程を観察、
病気の進行を抑える対策を立てるのに役立っている。
薬を投与した際の生体の反応を調べることもできるため、
副作用の少ない薬剤の開発につながると期待。
山中伸弥京都大教授が開発して、世界を驚かせた新型万能細胞
「iPS細胞」でも、必要な遺伝子が働いているかどうかを確認するのに使われた。
ノーベル賞受賞が決まった下村脩・米ボストン大名誉教授は、
家族や研究スタッフも動員、米西海岸の桟橋から長い柄のついた網で
来る日も来る日も海面に漂うクラゲの捕獲を続けた結果、
オワンクラゲからGFPを抽出することに成功。
なぜ光るのか、のメカニズムも明らかに。
最初は、下村さん自身も「何かの役に立つとは思わなかった」。
下村さん自身を含め、その有用性を気付かせてくれたのが、
共同受賞のマーティン・チャルフィーさん。
GFPを生体に組み込み、目印になることを示した。
同じく共同受賞のロジャー・チェンさんは、GFPが出す色の
バリエーションを増やし、さらに使い勝手を良くした。
別々に活動していた3人だが、研究テーマがリレーのように引き継がれ、
大きな業績へとつながった。
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=81183
生物を構成する細胞やタンパク質の動きを観察し、
病気が起こるメカニズムを解明しようとする近年の生命科学関連の
研究論文で、必ずといっていいほど登場する緑色蛍光タンパク質(GFP)。
小さくて目に見えない分子の世界を、明るく照らすこの"道具"の
開発者たちに、今年のノーベル賞化学賞が贈られる。
透明で、100分の1ミリサイズの細胞を観察することは
それ自体、骨の折れる作業。
ところが、生体に起こっていることを本当に理解するには、
その中で化学的な反応を起こしているタンパク質や糖質など、
さらに小さい物質の動きを追うことが不可欠。
これには、通常の光学顕微鏡の能力を超える力が必要。
GFPのすごいところは、最重要なタンパク質にくっつき、
紫外光を当てると緑色の光を発して"目印"となる点。
注目するタンパク質がいつどこで、何をしているのかなどを直接、
目で見ることを可能に。
GFPは、別の生体に組み込まれた時にも、目立った害を及ぼさないため、
生体を生きた状態で見られるという利点。
これを応用すると、細胞間に張り巡らされる血管が、
どのような過程を経て形成されるのかが分かる。
この知識を利用し、がん細胞に栄養や酸素を供給する新たな血管を
つくらせないことで、がんの増殖を抑える研究が進みつつある。
アルツハイマー病では、神経細胞が壊れていく様子を、
感染症では病原体が体内で増殖する過程を観察、
病気の進行を抑える対策を立てるのに役立っている。
薬を投与した際の生体の反応を調べることもできるため、
副作用の少ない薬剤の開発につながると期待。
山中伸弥京都大教授が開発して、世界を驚かせた新型万能細胞
「iPS細胞」でも、必要な遺伝子が働いているかどうかを確認するのに使われた。
ノーベル賞受賞が決まった下村脩・米ボストン大名誉教授は、
家族や研究スタッフも動員、米西海岸の桟橋から長い柄のついた網で
来る日も来る日も海面に漂うクラゲの捕獲を続けた結果、
オワンクラゲからGFPを抽出することに成功。
なぜ光るのか、のメカニズムも明らかに。
最初は、下村さん自身も「何かの役に立つとは思わなかった」。
下村さん自身を含め、その有用性を気付かせてくれたのが、
共同受賞のマーティン・チャルフィーさん。
GFPを生体に組み込み、目印になることを示した。
同じく共同受賞のロジャー・チェンさんは、GFPが出す色の
バリエーションを増やし、さらに使い勝手を良くした。
別々に活動していた3人だが、研究テーマがリレーのように引き継がれ、
大きな業績へとつながった。
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=81183
遺伝子組み換え作物:解禁望む「大国」の畑 フランス、消費者は強い抵抗感
(毎日 10月5日)
燃料費や穀物価格の高騰を受け、
遺伝子組み換え(GM)作物への関心が高まっている。
栽培に手間がかからず、収穫量が多いからだ。
農作物自給率120%超の農業大国・フランスでは、
消費者の抵抗が強く、組み換え作物の商業生産が法律で禁止。
しかし、農家には殺虫剤が不要などの理由で栽培解禁を強く望む声が。
今春まで、3年間組み換えトウモロコシ栽培を続けた農場を訪ねた。
パスカル・メッジさん(30)の畑は、仏南部トゥールーズ近郊に。
メッジさんは、トゥールーズ大農学部修士課程を修了後、
農業機械の会社に就職。
03年、農業をやめた人から土地を借りて転職、
学生時代から関心のあった組み換えトウモロコシの栽培を05年から始めた。
100ヘクタールの畑のうち、トウモロコシは40ヘクタールで、
うち30ヘクタールを組み換えとした。
「トウモロコシ農家にとって、最大の敵は実や茎を食べる害虫のアワノメイガ。
ほら、今年もこんなにやられている」。
メッジさんは、食べられた実の先端を指さした。
菌糸状のかたまりになっている。
害虫を防ぐために殺虫剤を2度散布するが、収穫の2割前後は虫食い状態。
害虫への抵抗性を高めた米モンサント社製の組み換えトウモロコシ
「MON810」からは、害虫が一切発生しない。
ほぼ作付け通りの収穫が見込める。
種子の値段は、組み換えで1ヘクタール当たり135ユーロ(1ユーロは約145円)、
普通種は同100ユーロ。
しかし、普通のトウモロコシには殺虫剤をまかねばならない。
初期段階には同35ユーロ、後期段階には飛行機で散布するため
同50ユーロかかる。
肥料と除草剤などがかかるが、これらは双方同じ。
基本経費でみると、普通のトウモロコシは1ヘクタール当たり
50ユーロ余分にかかることに。
収穫量は、通常トウモロコシが1ヘクタール当たり10・5トンなのに対し、
組み換えは同12トンに達する。
市場価格は年によって変動するが、1トン当たり200ユーロとすると、
1ヘクタール当たり300ユーロの差が出ることに。
メッジさんの組み換えトウモロコシ耕作面積は30ヘクタールなので、
年間1万500ユーロ(約152万円)の収益差。
これは、メッジさんのトウモロコシ畑の年収の3分の1に相当する。
欧州連合(EU)は01年、組み換え作物栽培について、
普通の作物との隔離を条件に解禁した。
フランスでも07年まで、MON810の栽培は認められており、
07年には2万2000ヘクタール(総耕作面積の1%以下)で栽培。
しかし、国民には抵抗感も強く、政府は諮問委員会の報告を受けて
今年2月、国内栽培禁止を決めた。
これに対し、与党の国民運動連合は5月、解禁を求める新法案を提出し、
上下両院で採択され、今後試験を経て最終決定を下すことに。
メッジさんも07年まで3年間栽培し、組み換え作物に抵抗の少ない
スペイン市場に出荷していたが、今春禁じられたため現在は栽培していない。
試験栽培は認められるものの、実際は反組み換え団体が耕作を妨害するため、
事実上、農家での栽培はできない状態。
==============
◇安全性、長期データが必要-パリ第11大研究員、クリスチャン・ベロー氏
-MON810が虫を殺す仕組みは?
◆MON810は、昆虫病原菌の一種、バチルスチューリンゲンシス(Bt)の
遺伝子を導入してBtたんぱく質を作る。
昆虫の消化液はアルカリ性のため、Btたんぱく質を完全に消化できない。
残ったものが、昆虫の腸にある受容体に結合し、
栄養素が吸収できなくなり、昆虫は餓死する。
-人間はどうか?
人間など哺乳類の消化液は酸性で、Btたんぱく質をアミノ酸に分解。
受容体もないため、食べても害はない。
Bt遺伝子を導入する際、「促進剤」を使うため純粋ではなく、
「変形Btたんぱく質」となる。
これが未知の作用をもたらす疑いが残る。
影響を詳しく知るには、動物での長期実験データが必要。
-交雑は起きないか?
◆花粉は重いので、多くは遠くまで飛ばないが、2割は分からない。
受粉時期がずれるように植えても、遠くに飛んだ場合、どうなるかは不明。
-殺虫剤をまいても、普通のトウモロコシの2割は虫食いになるというが。
◆同じ畑で連作すれば、虫の卵などが残り、翌年も発生。
有機農業の基本は、同じ畑で毎年作物を替えることだ。
そうすれば、害虫は発生せず殺虫剤も不要。
(組み換え作物に頼らなくても)有機農法で、虫と菌を避けることができる。
http://mainichi.jp/select/science/news/20081005ddm016040040000c.html
燃料費や穀物価格の高騰を受け、
遺伝子組み換え(GM)作物への関心が高まっている。
栽培に手間がかからず、収穫量が多いからだ。
農作物自給率120%超の農業大国・フランスでは、
消費者の抵抗が強く、組み換え作物の商業生産が法律で禁止。
しかし、農家には殺虫剤が不要などの理由で栽培解禁を強く望む声が。
今春まで、3年間組み換えトウモロコシ栽培を続けた農場を訪ねた。
パスカル・メッジさん(30)の畑は、仏南部トゥールーズ近郊に。
メッジさんは、トゥールーズ大農学部修士課程を修了後、
農業機械の会社に就職。
03年、農業をやめた人から土地を借りて転職、
学生時代から関心のあった組み換えトウモロコシの栽培を05年から始めた。
100ヘクタールの畑のうち、トウモロコシは40ヘクタールで、
うち30ヘクタールを組み換えとした。
「トウモロコシ農家にとって、最大の敵は実や茎を食べる害虫のアワノメイガ。
ほら、今年もこんなにやられている」。
メッジさんは、食べられた実の先端を指さした。
菌糸状のかたまりになっている。
害虫を防ぐために殺虫剤を2度散布するが、収穫の2割前後は虫食い状態。
害虫への抵抗性を高めた米モンサント社製の組み換えトウモロコシ
「MON810」からは、害虫が一切発生しない。
ほぼ作付け通りの収穫が見込める。
種子の値段は、組み換えで1ヘクタール当たり135ユーロ(1ユーロは約145円)、
普通種は同100ユーロ。
しかし、普通のトウモロコシには殺虫剤をまかねばならない。
初期段階には同35ユーロ、後期段階には飛行機で散布するため
同50ユーロかかる。
肥料と除草剤などがかかるが、これらは双方同じ。
基本経費でみると、普通のトウモロコシは1ヘクタール当たり
50ユーロ余分にかかることに。
収穫量は、通常トウモロコシが1ヘクタール当たり10・5トンなのに対し、
組み換えは同12トンに達する。
市場価格は年によって変動するが、1トン当たり200ユーロとすると、
1ヘクタール当たり300ユーロの差が出ることに。
メッジさんの組み換えトウモロコシ耕作面積は30ヘクタールなので、
年間1万500ユーロ(約152万円)の収益差。
これは、メッジさんのトウモロコシ畑の年収の3分の1に相当する。
欧州連合(EU)は01年、組み換え作物栽培について、
普通の作物との隔離を条件に解禁した。
フランスでも07年まで、MON810の栽培は認められており、
07年には2万2000ヘクタール(総耕作面積の1%以下)で栽培。
しかし、国民には抵抗感も強く、政府は諮問委員会の報告を受けて
今年2月、国内栽培禁止を決めた。
これに対し、与党の国民運動連合は5月、解禁を求める新法案を提出し、
上下両院で採択され、今後試験を経て最終決定を下すことに。
メッジさんも07年まで3年間栽培し、組み換え作物に抵抗の少ない
スペイン市場に出荷していたが、今春禁じられたため現在は栽培していない。
試験栽培は認められるものの、実際は反組み換え団体が耕作を妨害するため、
事実上、農家での栽培はできない状態。
==============
◇安全性、長期データが必要-パリ第11大研究員、クリスチャン・ベロー氏
-MON810が虫を殺す仕組みは?
◆MON810は、昆虫病原菌の一種、バチルスチューリンゲンシス(Bt)の
遺伝子を導入してBtたんぱく質を作る。
昆虫の消化液はアルカリ性のため、Btたんぱく質を完全に消化できない。
残ったものが、昆虫の腸にある受容体に結合し、
栄養素が吸収できなくなり、昆虫は餓死する。
-人間はどうか?
人間など哺乳類の消化液は酸性で、Btたんぱく質をアミノ酸に分解。
受容体もないため、食べても害はない。
Bt遺伝子を導入する際、「促進剤」を使うため純粋ではなく、
「変形Btたんぱく質」となる。
これが未知の作用をもたらす疑いが残る。
影響を詳しく知るには、動物での長期実験データが必要。
-交雑は起きないか?
◆花粉は重いので、多くは遠くまで飛ばないが、2割は分からない。
受粉時期がずれるように植えても、遠くに飛んだ場合、どうなるかは不明。
-殺虫剤をまいても、普通のトウモロコシの2割は虫食いになるというが。
◆同じ畑で連作すれば、虫の卵などが残り、翌年も発生。
有機農業の基本は、同じ畑で毎年作物を替えることだ。
そうすれば、害虫は発生せず殺虫剤も不要。
(組み換え作物に頼らなくても)有機農法で、虫と菌を避けることができる。
http://mainichi.jp/select/science/news/20081005ddm016040040000c.html
ものづくり(1)僕らの人工衛星 高専5年間没頭
(読売 10月7日)
高等専門学校の学生が、宇宙に思いをはせる。
東京都立産業技術高等専門学校電子工学科5年幕田竜さん(20)は、
荒川キャンパス内の教室にできた手作りのクリーンルームにいた。
水色の除菌服、帽子、マスク姿で取り組んでいたのは、
1辺約15センチの立方体にフタを取り付ける作業。
立方体の正体は、超小型人工衛星。
宇宙航空研究開発機構が打ち上げるH2Aロケットへの搭載が決まっている。
打ち上げ時期は、今年度中の予定。
同校は2年前、荒川区の航空高専と品川区の工業高専の都立高専2校が
合併して誕生。公立大学法人首都大学東京が産業技術大学院大学を新設、
東京都は今年度から、同校も同法人の傘下に組み入れた。
この結果、高専で通常の5年の後、専攻科で2年学び、
さらに大学院の修士課程に進めば、計9年間、
ものづくりの一貫教育を受けることが可能に。
高専生の作った人工衛星を宇宙に飛ばすプロジェクトは、
石川智浩准教授(32)が2003年に赴任、
宇宙科学研究同好会の学生たちに声をかけて始まった。
石川准教授は、北海道工業大学で超小型衛星システムを研究、
「大学院まで続けて、無重力実験施設での実験までしかできなかった。
15歳から始めれば、より深いところまで到達できる」。
石川准教授から声がかかるまで、同好会は衛星設計コンテストに
参加する程度で、ものづくりまではやってこなかった。
最初に手を挙げたのは2人。
だが、すぐに幕田さんら新入生3人が加わり、現在は15人。
他の教授や准教授もプロジェクトに加わり、
この5年間で衛星づくりに取り組んだ学生は約40人。
学生が、特別な技術を持つわけではない。
夢のある話も、学生が実現性を感じなければ、力が入らない。
石川准教授は、製作工程を200以上に細分化した。
難しく見える作業も、簡単なことの応用を繰り返すだけという
認識を持たせるため。
メンバーの役割は、電源担当、通信担当、カメラ担当などに分かれ、
幕田さんは、衛星を回転させる装置を担当。
予算が少ないため、材料は秋葉原の安売り店や通販で購入することが多い。
ゴミ捨て場で廃材集めもした。
金属加工など特殊な技術が必要になると、学生たちも近くの工場を回った。
「夢のあることだ。早く相談してくれればよかったのに」と
協力を快諾する経営者が現れ、衛星を囲う金属パネルを
厚さ1ミリ単位で削って組み合わせてもらうなど、採算度外視で協力。
東京商工会議所荒川支部主体の
「荒川区から衛星打ち上げを応援する会」も生まれ、寄付金も集まるように。
宇宙航空研究開発機構の審査には、2年前に通った。
東大、東北大、香川大の人工衛星と一緒に搭載。
宇宙では、地球からの指令を受けて、人工衛星を移動させたり、
地球や宇宙空間をカメラ撮影して画像を地球に送信したりする。
5年間をこのプロジェクトにささげてきた幕田さんは、
「入学当時、ものづくりの経験はほとんどなかった。
好きでやる気があれば、何でもできると実感した」。
石川准教授は、「学生の興味は様々。こういうプロジェクトがたくさんあれば、
ものづくりに参加する学生が増える」と期待。
新たに、金星方面に行くロケットに搭載される
小型衛星プロジェクトにも取り組み始めた。
ことあるごとに口にされる、ものづくり大国復活への期待。
まず若者に興味を持たせ、ものづくりにのめり込むきっかけを
提供することが肝心だろう。
◆製造業離れ 対策進む
日本の経済成長を支えてきた、ものづくりの基盤が揺らいでいる。
少子高齢化による人口減少が進む中、ものづくりにかかわる企業で、
工場の海外移転が進んだ上、団塊の世代の大量退職期を迎え、
後継者をどう育てるかという問題に直面。
経済産業省によると、製造業への新規学卒就職者は、
1992年の約34万人をピークに減少、
03年に約13万4200人と過去最低を記録。
その後、若干プラスに転じたものの、92年の半分以下という低水準に。
工業高校の数も、1975年の736校から07年には613校にまで減少。
特に、都市部でその傾向が著しい。
都教育委員会が、企業ニーズに応えるため、
工業高校での資格取得支援やものづくり企業での就業体験に力を入れるなど、
自治体レベルの対策が進む。
経産省や文科省も昨年度から、高校生の企業実習や企業技術者の
学校での実践的指導などを盛り込んだ「地域産業の担い手育成プロジェクト」
を始めるなど、対策に乗り出している。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20081007-OYT8T00211.htm
高等専門学校の学生が、宇宙に思いをはせる。
東京都立産業技術高等専門学校電子工学科5年幕田竜さん(20)は、
荒川キャンパス内の教室にできた手作りのクリーンルームにいた。
水色の除菌服、帽子、マスク姿で取り組んでいたのは、
1辺約15センチの立方体にフタを取り付ける作業。
立方体の正体は、超小型人工衛星。
宇宙航空研究開発機構が打ち上げるH2Aロケットへの搭載が決まっている。
打ち上げ時期は、今年度中の予定。
同校は2年前、荒川区の航空高専と品川区の工業高専の都立高専2校が
合併して誕生。公立大学法人首都大学東京が産業技術大学院大学を新設、
東京都は今年度から、同校も同法人の傘下に組み入れた。
この結果、高専で通常の5年の後、専攻科で2年学び、
さらに大学院の修士課程に進めば、計9年間、
ものづくりの一貫教育を受けることが可能に。
高専生の作った人工衛星を宇宙に飛ばすプロジェクトは、
石川智浩准教授(32)が2003年に赴任、
宇宙科学研究同好会の学生たちに声をかけて始まった。
石川准教授は、北海道工業大学で超小型衛星システムを研究、
「大学院まで続けて、無重力実験施設での実験までしかできなかった。
15歳から始めれば、より深いところまで到達できる」。
石川准教授から声がかかるまで、同好会は衛星設計コンテストに
参加する程度で、ものづくりまではやってこなかった。
最初に手を挙げたのは2人。
だが、すぐに幕田さんら新入生3人が加わり、現在は15人。
他の教授や准教授もプロジェクトに加わり、
この5年間で衛星づくりに取り組んだ学生は約40人。
学生が、特別な技術を持つわけではない。
夢のある話も、学生が実現性を感じなければ、力が入らない。
石川准教授は、製作工程を200以上に細分化した。
難しく見える作業も、簡単なことの応用を繰り返すだけという
認識を持たせるため。
メンバーの役割は、電源担当、通信担当、カメラ担当などに分かれ、
幕田さんは、衛星を回転させる装置を担当。
予算が少ないため、材料は秋葉原の安売り店や通販で購入することが多い。
ゴミ捨て場で廃材集めもした。
金属加工など特殊な技術が必要になると、学生たちも近くの工場を回った。
「夢のあることだ。早く相談してくれればよかったのに」と
協力を快諾する経営者が現れ、衛星を囲う金属パネルを
厚さ1ミリ単位で削って組み合わせてもらうなど、採算度外視で協力。
東京商工会議所荒川支部主体の
「荒川区から衛星打ち上げを応援する会」も生まれ、寄付金も集まるように。
宇宙航空研究開発機構の審査には、2年前に通った。
東大、東北大、香川大の人工衛星と一緒に搭載。
宇宙では、地球からの指令を受けて、人工衛星を移動させたり、
地球や宇宙空間をカメラ撮影して画像を地球に送信したりする。
5年間をこのプロジェクトにささげてきた幕田さんは、
「入学当時、ものづくりの経験はほとんどなかった。
好きでやる気があれば、何でもできると実感した」。
石川准教授は、「学生の興味は様々。こういうプロジェクトがたくさんあれば、
ものづくりに参加する学生が増える」と期待。
新たに、金星方面に行くロケットに搭載される
小型衛星プロジェクトにも取り組み始めた。
ことあるごとに口にされる、ものづくり大国復活への期待。
まず若者に興味を持たせ、ものづくりにのめり込むきっかけを
提供することが肝心だろう。
◆製造業離れ 対策進む
日本の経済成長を支えてきた、ものづくりの基盤が揺らいでいる。
少子高齢化による人口減少が進む中、ものづくりにかかわる企業で、
工場の海外移転が進んだ上、団塊の世代の大量退職期を迎え、
後継者をどう育てるかという問題に直面。
経済産業省によると、製造業への新規学卒就職者は、
1992年の約34万人をピークに減少、
03年に約13万4200人と過去最低を記録。
その後、若干プラスに転じたものの、92年の半分以下という低水準に。
工業高校の数も、1975年の736校から07年には613校にまで減少。
特に、都市部でその傾向が著しい。
都教育委員会が、企業ニーズに応えるため、
工業高校での資格取得支援やものづくり企業での就業体験に力を入れるなど、
自治体レベルの対策が進む。
経産省や文科省も昨年度から、高校生の企業実習や企業技術者の
学校での実践的指導などを盛り込んだ「地域産業の担い手育成プロジェクト」
を始めるなど、対策に乗り出している。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20081007-OYT8T00211.htm
2008年10月13日月曜日
メタボ体質:やせてても 4人に1人、血液数値に異常 重病リスク、正常値の5倍
(毎日 10月5日)
肥満度を示す体格指数(BMI)が「やせ」(18・5未満)でも、
血糖値など血液検査の数値が特定健診(メタボ健診)の基準値を
超えている割合が、4人に1人に上ることが、
日本医療データセンターの大規模解析で分かった。
こうした人は、心筋梗塞などの重大疾患を起こす危険性が正常な人の5倍。
肥満の人だけでなく、やせた人も検査値に注意を払う必要性が浮き彫りに。
センターは、全国の健康保険組合と契約し、加入者の情報を匿名で分析し、
病気の傾向や治療などの評価に取り組む企業。
06年4月~07年3月に健診を受けた男女5万2265人(30~59歳)を
対象にデータ解析。
「やせ」の人のうち、血糖値、血中脂質、血圧のいずれかが
特定健診の基準値を超えた人は25・6%。
BMIが、18・5以上25未満の「標準」で51・3%。
「肥満」(25以上)では81・6%。
心血管疾患や糖尿病の合併症などを発症した「肥満」は、
「標準」、「やせ」に比べ2~3倍。
基準値を超える検査値があった人の発症率を正常値の人と比べると、
「やせ」は5倍、「標準」は3・4倍、「肥満」は3・1倍と、
やせているほど検査値の異常が影響を及ぼしていた。
今春始まった特定健診は、腹囲など肥満に関する数値が
健診の必須項目。
肥満でない人は、健診後の指導対象から外されている。
データを解析した佐藤敏彦・北里大准教授(公衆衛生学)は、
「スリムでも血液検査に問題がある人は、早めの対策が必要」
http://mainichi.jp/select/science/news/20081005ddm001040082000c.html
肥満度を示す体格指数(BMI)が「やせ」(18・5未満)でも、
血糖値など血液検査の数値が特定健診(メタボ健診)の基準値を
超えている割合が、4人に1人に上ることが、
日本医療データセンターの大規模解析で分かった。
こうした人は、心筋梗塞などの重大疾患を起こす危険性が正常な人の5倍。
肥満の人だけでなく、やせた人も検査値に注意を払う必要性が浮き彫りに。
センターは、全国の健康保険組合と契約し、加入者の情報を匿名で分析し、
病気の傾向や治療などの評価に取り組む企業。
06年4月~07年3月に健診を受けた男女5万2265人(30~59歳)を
対象にデータ解析。
「やせ」の人のうち、血糖値、血中脂質、血圧のいずれかが
特定健診の基準値を超えた人は25・6%。
BMIが、18・5以上25未満の「標準」で51・3%。
「肥満」(25以上)では81・6%。
心血管疾患や糖尿病の合併症などを発症した「肥満」は、
「標準」、「やせ」に比べ2~3倍。
基準値を超える検査値があった人の発症率を正常値の人と比べると、
「やせ」は5倍、「標準」は3・4倍、「肥満」は3・1倍と、
やせているほど検査値の異常が影響を及ぼしていた。
今春始まった特定健診は、腹囲など肥満に関する数値が
健診の必須項目。
肥満でない人は、健診後の指導対象から外されている。
データを解析した佐藤敏彦・北里大准教授(公衆衛生学)は、
「スリムでも血液検査に問題がある人は、早めの対策が必要」
http://mainichi.jp/select/science/news/20081005ddm001040082000c.html
益川さんと小林さん、文科相ら表敬…教育行政を手厳しく批判
(読売 10月10日)
ノーベル物理学賞の受賞が決まった京都産業大教授の益川敏英さんと
日本学術振興会理事の小林誠さんが、
塩谷文部科学相と野田科学技術相を訪問。
益川さんは塩谷文科相に、大学受験などで、
難しい問題は深く考えず、易しい問題だけを選んで解くよう指導している
学校の現状を指摘。
「これでは、考えない人間を作る『教育汚染』だ。
親も、じつは教育熱心じゃなくて、『教育結果熱心』だ」
と教育のあり方を手厳しく批判。
小林さんも、「検定教科書には、必要最低限のことが書いてあるだけ。
もっとストーリーが必要」と、読む気を失わせる教科書の現状に苦言を呈した。
野田科技相が、「雲の上の人が地上に降りてきた感じ」と
緊張気味にあいさつすると、益川さんは「ひねくれものですから」と恐縮。
言葉少ない小林さんは、「(しゃべりは)益川さんに任せてますから」と笑顔。
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20081010-OYT1T00311.htm
ノーベル物理学賞の受賞が決まった京都産業大教授の益川敏英さんと
日本学術振興会理事の小林誠さんが、
塩谷文部科学相と野田科学技術相を訪問。
益川さんは塩谷文科相に、大学受験などで、
難しい問題は深く考えず、易しい問題だけを選んで解くよう指導している
学校の現状を指摘。
「これでは、考えない人間を作る『教育汚染』だ。
親も、じつは教育熱心じゃなくて、『教育結果熱心』だ」
と教育のあり方を手厳しく批判。
小林さんも、「検定教科書には、必要最低限のことが書いてあるだけ。
もっとストーリーが必要」と、読む気を失わせる教科書の現状に苦言を呈した。
野田科技相が、「雲の上の人が地上に降りてきた感じ」と
緊張気味にあいさつすると、益川さんは「ひねくれものですから」と恐縮。
言葉少ない小林さんは、「(しゃべりは)益川さんに任せてますから」と笑顔。
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20081010-OYT1T00311.htm
第2部 かけ橋として/1 若手研究者らユニーク活動
(毎日 9月28日)
国民の「科学離れ」が問題になって久しい。
近年、科学の魅力やその成果の意義を分かりやすく伝える
「科学コミュニケーション」の重要性が認知され始めてきた。
「理系白書」’08第2部は、さまざまなやり方で
「科学と社会をつなぐかけ橋」となっている人々を紹介。
「信じられない。本当に宇宙に行って見ているみたい」
秋の訪れを告げる虫の鳴き声が響く、国立天文台(三鷹市)のグラウンド。
大型双眼鏡で月面をのぞいた同市在住の吉武リマさん(44)が、
興奮気味に歓声を上げた。
「中秋の名月」を翌日に控えた9月の晩、外国人を対象に開かれた「観月会」。
近隣に住む留学生や家族連れら約40人が参加。
ススキが飾られ、月見団子も振る舞われた。
企画したのは、天文台で学ぶ学生や若手研究者らで作る
天文学普及プロジェクト「天プラ(天文学とプラネタリウム)」。
中心メンバーで、超新星を観測して宇宙の膨張の様子を研究している
高梨直紘さん(28)=国立天文台広報普及員=は、
「言葉という障壁を持つ人たちにも、天文学の魅力を伝えたかった」
この日は、三鷹国際交流協会と連携し、日本語、英語、ハングルで、
月見の風習の説明、月や木星の観望会などがあった。
ロシアから来日し、同市に住んで13年になるという吉武さんは、
「初めて望遠鏡で月を見たが、オレンジ色のような黄色のような
素晴らしい色だった。地元に天文台があることを今まで知らなかったが、
大人も子どもも感動できるよいイベントだと思う」
「天プラ」は03年、当時東京大の大学院生だった高梨さんと
平松正顕さん(27)=現・台湾中央研究院研究員=が、
プラネタリウムと協力して、天文学を一般の人に普及しようと始めた活動。
2人は学部生のころ、東京大の文系学生対象に天体観望会を開いていた。
「将来の官僚候補に、天文学の応援団になってもらおう」という
“下心”があってのことだったが、
経済学者を父に持つ高梨さんには別な思いも。
「世界には、1日1ドル以下で生活している貧しい国がたくさんあるのに、
研究に年間数十億円などと気軽には言えない。
なぜこの研究をするのか、どこが面白いのかを
一般の人にきちんと説明できないとだめだ」
学会などで同志を募ったところ、約30人が集まり、
科学館やプラネタリウムで天文教室を開くなどの活動を始めた。
しかし、「科学館などには、元々科学に興味を持っている人しか来ない」
(高梨さん)ことに気づき、より多くの人に訴えかける方法を模索。
着目したのが、「天文グッズ」。
誰でも毎日使うトイレットペーパーに、星の一生を描いた絵と解説文を
印刷することを発案し、企業の助成金で試作品を作った。
05年に売り出したところ、約3万5000個を出荷するヒット。
天文学の用語を織り込んだ「あすとろかるた」や、ネット上のゲームなども作った。
科学館や天文台を飛び出し、都心の盛り場やデートスポットなどに
天体望遠鏡を持ち込んで、道行く人々に惑星や星団など
さまざまな天体を見せる「ゲリラ観望会」もたびたび開いた。
天文教室などでは、研究者が敬遠しがちな宇宙人の話なども積極的に取り入れる。
最近、天プラが取り組んでいるのは、
冒頭の外国人向け観月会のような、ターゲットを絞った普及活動。
「よく『科学の面白さを市民に伝える』と言うが、
この場合の市民とは具体的に誰なのか?
それをはっきり意識し、相手の求めるものを提供しないと、
研究者側の独りよがりになってしまう」。
乳幼児を持つ母親のために、託児所付きの観望会を開いたり、
入院患者のために病院に望遠鏡を持ち込んだことも。
一方で、富裕層を狙い、豪華客船を使った
日食観望クルージングを運航会社に提案。
次から次へとユニークな活動を展開するバイタリティー。
「天プラは、あくまで趣味の延長で、まずは自分たちが思い切り
面白がることが大事」と強調する高梨さんは、
「研究にも普及にも力を注げる、新しい職種を生み出すことが目標」
http://mainichi.jp/select/science/rikei/news/20080928ddm016040006000c.html
国民の「科学離れ」が問題になって久しい。
近年、科学の魅力やその成果の意義を分かりやすく伝える
「科学コミュニケーション」の重要性が認知され始めてきた。
「理系白書」’08第2部は、さまざまなやり方で
「科学と社会をつなぐかけ橋」となっている人々を紹介。
「信じられない。本当に宇宙に行って見ているみたい」
秋の訪れを告げる虫の鳴き声が響く、国立天文台(三鷹市)のグラウンド。
大型双眼鏡で月面をのぞいた同市在住の吉武リマさん(44)が、
興奮気味に歓声を上げた。
「中秋の名月」を翌日に控えた9月の晩、外国人を対象に開かれた「観月会」。
近隣に住む留学生や家族連れら約40人が参加。
ススキが飾られ、月見団子も振る舞われた。
企画したのは、天文台で学ぶ学生や若手研究者らで作る
天文学普及プロジェクト「天プラ(天文学とプラネタリウム)」。
中心メンバーで、超新星を観測して宇宙の膨張の様子を研究している
高梨直紘さん(28)=国立天文台広報普及員=は、
「言葉という障壁を持つ人たちにも、天文学の魅力を伝えたかった」
この日は、三鷹国際交流協会と連携し、日本語、英語、ハングルで、
月見の風習の説明、月や木星の観望会などがあった。
ロシアから来日し、同市に住んで13年になるという吉武さんは、
「初めて望遠鏡で月を見たが、オレンジ色のような黄色のような
素晴らしい色だった。地元に天文台があることを今まで知らなかったが、
大人も子どもも感動できるよいイベントだと思う」
「天プラ」は03年、当時東京大の大学院生だった高梨さんと
平松正顕さん(27)=現・台湾中央研究院研究員=が、
プラネタリウムと協力して、天文学を一般の人に普及しようと始めた活動。
2人は学部生のころ、東京大の文系学生対象に天体観望会を開いていた。
「将来の官僚候補に、天文学の応援団になってもらおう」という
“下心”があってのことだったが、
経済学者を父に持つ高梨さんには別な思いも。
「世界には、1日1ドル以下で生活している貧しい国がたくさんあるのに、
研究に年間数十億円などと気軽には言えない。
なぜこの研究をするのか、どこが面白いのかを
一般の人にきちんと説明できないとだめだ」
学会などで同志を募ったところ、約30人が集まり、
科学館やプラネタリウムで天文教室を開くなどの活動を始めた。
しかし、「科学館などには、元々科学に興味を持っている人しか来ない」
(高梨さん)ことに気づき、より多くの人に訴えかける方法を模索。
着目したのが、「天文グッズ」。
誰でも毎日使うトイレットペーパーに、星の一生を描いた絵と解説文を
印刷することを発案し、企業の助成金で試作品を作った。
05年に売り出したところ、約3万5000個を出荷するヒット。
天文学の用語を織り込んだ「あすとろかるた」や、ネット上のゲームなども作った。
科学館や天文台を飛び出し、都心の盛り場やデートスポットなどに
天体望遠鏡を持ち込んで、道行く人々に惑星や星団など
さまざまな天体を見せる「ゲリラ観望会」もたびたび開いた。
天文教室などでは、研究者が敬遠しがちな宇宙人の話なども積極的に取り入れる。
最近、天プラが取り組んでいるのは、
冒頭の外国人向け観月会のような、ターゲットを絞った普及活動。
「よく『科学の面白さを市民に伝える』と言うが、
この場合の市民とは具体的に誰なのか?
それをはっきり意識し、相手の求めるものを提供しないと、
研究者側の独りよがりになってしまう」。
乳幼児を持つ母親のために、託児所付きの観望会を開いたり、
入院患者のために病院に望遠鏡を持ち込んだことも。
一方で、富裕層を狙い、豪華客船を使った
日食観望クルージングを運航会社に提案。
次から次へとユニークな活動を展開するバイタリティー。
「天プラは、あくまで趣味の延長で、まずは自分たちが思い切り
面白がることが大事」と強調する高梨さんは、
「研究にも普及にも力を注げる、新しい職種を生み出すことが目標」
http://mainichi.jp/select/science/rikei/news/20080928ddm016040006000c.html
日本人3氏がノーベル物理学賞に輝いた理由
(サイエンスポータル 2008年10月8日)
南部陽一郎、益川敏英、小林誠の3氏に、
ノーベル物理学賞が贈られることが決まった。
この快挙について、新聞各紙は、3氏の業績が早くから内外に
広く知られたものであり、受賞は遅すぎるくらいである、と一様に伝えている。
「南部陽一郎氏が、『自発的対称性の破れ』をまとめたのは1961年、
『小林・益川理論』の発表は73年。評価されるまで47、35年待たされた」(読売)。
また読売は、「2004年のノーベル物理学賞の際、
スウェーデン王立科学アカデミーは発表資料の中で、
『ナンブの理論は正しかったが、おそらく早すぎた』と
異例の長文で言及」していたことも紹介。
日経も、駒宮幸男・東京大学素粒子物理国際研究センター長が、
「2004年のノーベル物理学賞は、素粒子のクォークの振る舞いに関する
研究で成果を上げた米国人らが受賞したが、その基礎の理論は
南部先生のオリジナルな仕事だ」、
益川、小林氏の業績についても、「小林・益川理論は、現在も素粒子分野の
論文の被引用件数で世界歴代2位を誇る」(産経)、
その重要性が詳しく紹介。
なぜ、ことし3氏がようやく受賞の栄誉に輝くことになったのか?
益川氏は、「ノーベル賞の出し方には、規則性がある。
昨年までは絶対ないと思っていたが、ことしはある程度予測していた」(東京)
規則性とは何か、まで益川氏は明らかにしなかったが、
なぜことしだったかを推測する事柄を、各紙の記事から探すことができる。
3氏の研究業績の根源にある疑問、「質量の起源」を探る
「壮大な実験が、9月からジュネーブにある欧州合同原子核研究機関(CERN)
の新しい加速器LHCで始まった」(朝日)。
「大型加速器『LHC』は、陽子同士を高速に近い速さで衝突させ、
宇宙誕生直後の状況を再現しようと試み。
その過程で、CP対称性の破れがどのように生じたか、
課題が解明されることが期待される」(毎日)。
日経は、駒宮幸男・東京大学素粒子物理国際研究センター長による見方、
「来年にも、南部先生の理論をもとに存在が予測されている
未知の素粒子が実験で証明されるはず。
今回の受賞は、そのタイミングだからではないか」
http://www.scienceportal.jp/news/review/0810/0810081.html
南部陽一郎、益川敏英、小林誠の3氏に、
ノーベル物理学賞が贈られることが決まった。
この快挙について、新聞各紙は、3氏の業績が早くから内外に
広く知られたものであり、受賞は遅すぎるくらいである、と一様に伝えている。
「南部陽一郎氏が、『自発的対称性の破れ』をまとめたのは1961年、
『小林・益川理論』の発表は73年。評価されるまで47、35年待たされた」(読売)。
また読売は、「2004年のノーベル物理学賞の際、
スウェーデン王立科学アカデミーは発表資料の中で、
『ナンブの理論は正しかったが、おそらく早すぎた』と
異例の長文で言及」していたことも紹介。
日経も、駒宮幸男・東京大学素粒子物理国際研究センター長が、
「2004年のノーベル物理学賞は、素粒子のクォークの振る舞いに関する
研究で成果を上げた米国人らが受賞したが、その基礎の理論は
南部先生のオリジナルな仕事だ」、
益川、小林氏の業績についても、「小林・益川理論は、現在も素粒子分野の
論文の被引用件数で世界歴代2位を誇る」(産経)、
その重要性が詳しく紹介。
なぜ、ことし3氏がようやく受賞の栄誉に輝くことになったのか?
益川氏は、「ノーベル賞の出し方には、規則性がある。
昨年までは絶対ないと思っていたが、ことしはある程度予測していた」(東京)
規則性とは何か、まで益川氏は明らかにしなかったが、
なぜことしだったかを推測する事柄を、各紙の記事から探すことができる。
3氏の研究業績の根源にある疑問、「質量の起源」を探る
「壮大な実験が、9月からジュネーブにある欧州合同原子核研究機関(CERN)
の新しい加速器LHCで始まった」(朝日)。
「大型加速器『LHC』は、陽子同士を高速に近い速さで衝突させ、
宇宙誕生直後の状況を再現しようと試み。
その過程で、CP対称性の破れがどのように生じたか、
課題が解明されることが期待される」(毎日)。
日経は、駒宮幸男・東京大学素粒子物理国際研究センター長による見方、
「来年にも、南部先生の理論をもとに存在が予測されている
未知の素粒子が実験で証明されるはず。
今回の受賞は、そのタイミングだからではないか」
http://www.scienceportal.jp/news/review/0810/0810081.html
2008年10月12日日曜日
中学生向け学習ソフト開発 県教委など
(岩手日報 10月10日)
県教委と県立総合教育センターは、
独自のパソコン学習ソフト「Gベース」を開発したと発表。
県内中学校に配布している問題集「Gアップシート」と、
同じ内容をパソコン上で学習でき、
11月から同センターのホームページで公開する予定。
中学生の学力向上へ、家庭学習などでの活用が期待。
「Gベース」は、学校ごとに配布を検討するID、パスワードがあれば
ダウンロードも可能。
今回活用した「Gアップシート」は2007年、本県の独自教材として、
国語、数学、英語の3教科で作成。
行政が作成した教材のデジタル化は、全国的にも例がない。
開発したのは、数学と英語。国語は、採点が難しいため見送った。
内容はシートと同じだが、パソコン上で「選択」、「反復」、「自学」
できる利点がある。
採点機能も持つほか、得点や学習回数の履歴も一覧表で表示する。
県内でインターネット接続環境にある児童生徒の世帯は、6-7割。
パソコンのない家庭では、従来のプリントで問題に取り組むことに。
同センターの藤原忠雄所長は、
「使いやすさを重視して自主開発したソフト。
全国学力テストでも課題となった本県中学生の家庭学習の定着に
役立ててほしい」と活用を呼び掛ける。
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20081010_9
県教委と県立総合教育センターは、
独自のパソコン学習ソフト「Gベース」を開発したと発表。
県内中学校に配布している問題集「Gアップシート」と、
同じ内容をパソコン上で学習でき、
11月から同センターのホームページで公開する予定。
中学生の学力向上へ、家庭学習などでの活用が期待。
「Gベース」は、学校ごとに配布を検討するID、パスワードがあれば
ダウンロードも可能。
今回活用した「Gアップシート」は2007年、本県の独自教材として、
国語、数学、英語の3教科で作成。
行政が作成した教材のデジタル化は、全国的にも例がない。
開発したのは、数学と英語。国語は、採点が難しいため見送った。
内容はシートと同じだが、パソコン上で「選択」、「反復」、「自学」
できる利点がある。
採点機能も持つほか、得点や学習回数の履歴も一覧表で表示する。
県内でインターネット接続環境にある児童生徒の世帯は、6-7割。
パソコンのない家庭では、従来のプリントで問題に取り組むことに。
同センターの藤原忠雄所長は、
「使いやすさを重視して自主開発したソフト。
全国学力テストでも課題となった本県中学生の家庭学習の定着に
役立ててほしい」と活用を呼び掛ける。
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20081010_9
つながる生命(中)海育てる 漁師の憲法
(読売 10月9日)
サザエは、殻の穴の直径が500円玉より一回り大きいもの以上、
アワビは殻の直径が10センチ以上に限る――。
大分県北部の国東半島沖に浮かぶ姫島(人口2500人)。
日に焼けた漁師たちが、大分県漁協姫島支店(姫島漁協)に集まり、
翌月から始まる潜水漁のルールに合意。
島には、乱獲を避けるため、明治時代から守り続けられた「憲法」がある。
漁期、操業海域、漁法を細かに定めた「漁業期節」。
魚介類の成長や資源量を踏まえ、毎年12月の漁協総代会で正式に決まる。
年間24日は一斉休漁日。
キスやクルマエビの刺し網漁は、小さい個体をとらないよう、
網目が一定以上の大きさのものしか認めない。
魚を一網打尽にする底引き網漁は一切禁止。
「明治時代、『鯛縛り』という漁法があってな。えらいとれた。
それで、決めごとをやめてしまった時期もあったそうや。
でも2、3年ですぐとれんようになった。苦い経験や」
漁協運営委員長(組合長)の北村昭雄さん(61)は、
和紙に記された漁業期節の束をめくり、
「先人の苦闘が刻まれとる。大きくは変えられん」
「小漁業者ニトリマシテハ死活ニ関スル一大問題……」。
戦前の古文書つづりには、困窮する漁師が規制の緩和を求めた
陳情書がとじ込まれている。
1年の漁獲を左右する総代会が激論になるのは、今も昔も同じ。
島では、クルマエビ、カレイなどの稚魚が毎年300万匹も放流。
「育てる漁業」も、水産資源管理の重要な柱である。
組合長室に、1枚の肖像画がある。
明治中期、姫島で森林組合を創設した中條石太郎(1847~1900)。
薪炭材の需要増で、森林破壊が進んだ時代。
漁協幹部でもあった中條は、私費で見張り番まで雇い、
水産資源保護につながる森の伐採禁止を訴えた。
森林の腐葉土層は、プランクトンや海藻に必要な養分を供給する。
「魚付き林」の大切さを説いた先人を、漁師たちは今も親しみを込め、
「石太郎さん」と呼ぶ。
緑が戻った島で、80年代以降に猛威をふるった松食い虫。
被害木を1本ずつ切り出し、浜に運んで焼く。
伐採跡には、シイやケヤキが植林。
搬出には漁師を始め、多くの島民が協力。
漁協青年部は被害木で魚礁を作った。
ここ数年、被害は下火になっている。
ハタハタの不漁に泣いた秋田の漁師は、禁漁に耐えて漁獲の回復を果たし、
宮城の漁師や市民は、漁場に流れ込む川の上流の山に木を植え続ける…。
漁業と共存する「里海」を取り戻そうという活動が、全国で動き始めている。
http://www.yomiuri.co.jp/eco/kankyo/20081009-OYT8T00347.htm
サザエは、殻の穴の直径が500円玉より一回り大きいもの以上、
アワビは殻の直径が10センチ以上に限る――。
大分県北部の国東半島沖に浮かぶ姫島(人口2500人)。
日に焼けた漁師たちが、大分県漁協姫島支店(姫島漁協)に集まり、
翌月から始まる潜水漁のルールに合意。
島には、乱獲を避けるため、明治時代から守り続けられた「憲法」がある。
漁期、操業海域、漁法を細かに定めた「漁業期節」。
魚介類の成長や資源量を踏まえ、毎年12月の漁協総代会で正式に決まる。
年間24日は一斉休漁日。
キスやクルマエビの刺し網漁は、小さい個体をとらないよう、
網目が一定以上の大きさのものしか認めない。
魚を一網打尽にする底引き網漁は一切禁止。
「明治時代、『鯛縛り』という漁法があってな。えらいとれた。
それで、決めごとをやめてしまった時期もあったそうや。
でも2、3年ですぐとれんようになった。苦い経験や」
漁協運営委員長(組合長)の北村昭雄さん(61)は、
和紙に記された漁業期節の束をめくり、
「先人の苦闘が刻まれとる。大きくは変えられん」
「小漁業者ニトリマシテハ死活ニ関スル一大問題……」。
戦前の古文書つづりには、困窮する漁師が規制の緩和を求めた
陳情書がとじ込まれている。
1年の漁獲を左右する総代会が激論になるのは、今も昔も同じ。
島では、クルマエビ、カレイなどの稚魚が毎年300万匹も放流。
「育てる漁業」も、水産資源管理の重要な柱である。
組合長室に、1枚の肖像画がある。
明治中期、姫島で森林組合を創設した中條石太郎(1847~1900)。
薪炭材の需要増で、森林破壊が進んだ時代。
漁協幹部でもあった中條は、私費で見張り番まで雇い、
水産資源保護につながる森の伐採禁止を訴えた。
森林の腐葉土層は、プランクトンや海藻に必要な養分を供給する。
「魚付き林」の大切さを説いた先人を、漁師たちは今も親しみを込め、
「石太郎さん」と呼ぶ。
緑が戻った島で、80年代以降に猛威をふるった松食い虫。
被害木を1本ずつ切り出し、浜に運んで焼く。
伐採跡には、シイやケヤキが植林。
搬出には漁師を始め、多くの島民が協力。
漁協青年部は被害木で魚礁を作った。
ここ数年、被害は下火になっている。
ハタハタの不漁に泣いた秋田の漁師は、禁漁に耐えて漁獲の回復を果たし、
宮城の漁師や市民は、漁場に流れ込む川の上流の山に木を植え続ける…。
漁業と共存する「里海」を取り戻そうという活動が、全国で動き始めている。
http://www.yomiuri.co.jp/eco/kankyo/20081009-OYT8T00347.htm
ノーベル賞に沸くが…日本の大学、トップ10入りなし
(朝日 2008年10月10日)
英タイムズ紙別冊高等教育版などは、08年世界トップ200大学を発表。
日本からは東京大の19位が最高、100位以内には4校。
ノーベル賞の4人受賞にわく日本だが、
大学では米英に水をあけられている。
04年から始め、研究者による評価、論文の引用数など研究力を中心に、
教育力、企業からの評価、留学生比率などで総合ランクを付けている。
1位は米ハーバード、2位は米エール、3位は英ケンブリッジで、
20位までに米国が13校、英国が4校入った。
日本勢では、東大のほか京都が25位、大阪が44位、東京工業が61位。
トップ200入りは、計10校で昨年より1校減。
先日発表された上海交通大学高等教育研究所のランキングでも、
100位以内は東大、京大、阪大、東北大の4校。
政府の教育再生会議は、昨年6月の第2次報告で、
10年以内に、国際ランキングで日本の大学が上位30校に
5校は入ることを目指す。
ノーベル物理学賞受賞者の江崎玲於奈・茨城県科学技術振興財団理事長は、
「欧米の大学では、研究者は実力で評価される。
研究力の違いが、ランキングにも反映したのではないか」
◆日本の大学の順位
(英タイムズ紙別冊高等教育版などの「08年トップ200大学」から)
東京(19)、京都(25)、大阪(44)、東京工業(61)、東北(112)、
名古屋(120)、九州(158)、北海道(174)、早稲田(180)、神戸(199)
http://www.asahi.com/edu/news/TKY200810100155.html
英タイムズ紙別冊高等教育版などは、08年世界トップ200大学を発表。
日本からは東京大の19位が最高、100位以内には4校。
ノーベル賞の4人受賞にわく日本だが、
大学では米英に水をあけられている。
04年から始め、研究者による評価、論文の引用数など研究力を中心に、
教育力、企業からの評価、留学生比率などで総合ランクを付けている。
1位は米ハーバード、2位は米エール、3位は英ケンブリッジで、
20位までに米国が13校、英国が4校入った。
日本勢では、東大のほか京都が25位、大阪が44位、東京工業が61位。
トップ200入りは、計10校で昨年より1校減。
先日発表された上海交通大学高等教育研究所のランキングでも、
100位以内は東大、京大、阪大、東北大の4校。
政府の教育再生会議は、昨年6月の第2次報告で、
10年以内に、国際ランキングで日本の大学が上位30校に
5校は入ることを目指す。
ノーベル物理学賞受賞者の江崎玲於奈・茨城県科学技術振興財団理事長は、
「欧米の大学では、研究者は実力で評価される。
研究力の違いが、ランキングにも反映したのではないか」
◆日本の大学の順位
(英タイムズ紙別冊高等教育版などの「08年トップ200大学」から)
東京(19)、京都(25)、大阪(44)、東京工業(61)、東北(112)、
名古屋(120)、九州(158)、北海道(174)、早稲田(180)、神戸(199)
http://www.asahi.com/edu/news/TKY200810100155.html
ノーベル賞に沸いているけど… 日本の論文数5位に転落
(朝日 2008年10月10日)
日本の最近10年間の科学系論文数の伸びは、主要国中最低レベルで、
数では中国、英国、ドイツに抜かれて2位から5位に転落。
論文数は、その国の「科学技術力」を示す重要な指標。
ノーベル賞4人受賞にわく日本だが、先行きは必ずしも安泰とはいえない。
オランダの学術情報出版社「エルゼビア」がつくっている
世界中の主要学術誌の約6割をカバーするデータベースから、
スペインの科学情報調査会社「スキマゴ」が集計、
07年の上位20カ国について、97年と比較。
日本の07年の論文数は9万185本で、米国、中国、英国、ドイツに次いで5位。
97年からの伸び率はわずか5%、中国(505%)、韓国(204%)、
ブラジル(159%)、西欧諸国(22~80%)、米国(10%)にも及ばず、
下から2番目。
政府は、「資源に乏しい日本の未来を切り拓く途は、
独自の優れた科学技術を築くことにかかっている」として、
科学技術基本計画を策定。
96~05年度の10年間で、約41兆円の政府研究開発投資をつぎこみ、
06年度からの5年間で約25兆円を投入する目標を掲げているが、
米国(年額17兆円)や中国(同10兆円)よりはるかに少ない。
http://www.asahi.com/edu/news/TKY200810090308.html
日本の最近10年間の科学系論文数の伸びは、主要国中最低レベルで、
数では中国、英国、ドイツに抜かれて2位から5位に転落。
論文数は、その国の「科学技術力」を示す重要な指標。
ノーベル賞4人受賞にわく日本だが、先行きは必ずしも安泰とはいえない。
オランダの学術情報出版社「エルゼビア」がつくっている
世界中の主要学術誌の約6割をカバーするデータベースから、
スペインの科学情報調査会社「スキマゴ」が集計、
07年の上位20カ国について、97年と比較。
日本の07年の論文数は9万185本で、米国、中国、英国、ドイツに次いで5位。
97年からの伸び率はわずか5%、中国(505%)、韓国(204%)、
ブラジル(159%)、西欧諸国(22~80%)、米国(10%)にも及ばず、
下から2番目。
政府は、「資源に乏しい日本の未来を切り拓く途は、
独自の優れた科学技術を築くことにかかっている」として、
科学技術基本計画を策定。
96~05年度の10年間で、約41兆円の政府研究開発投資をつぎこみ、
06年度からの5年間で約25兆円を投入する目標を掲げているが、
米国(年額17兆円)や中国(同10兆円)よりはるかに少ない。
http://www.asahi.com/edu/news/TKY200810090308.html
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