(読売 12月9日)
11月下旬。
ぬかるんだ広場で、子どもたちが長靴を泥だらけにしながら、
子豚の「さな」の体重を量っている。
教室に戻ると、壁に時間割はなく、あるのは
「さなちゃんのたいじゅう」の棒グラフや、カタカナの勉強用に
張り出された「ブタ」、「エサ」、「ワラ」の文字。
長野県伊那市立伊那小学校の1年夏組では、
子豚との生活がすべて教材に。
32年前から、全校で取り組む総合学習の先駆者。
3年間クラス替えをせず、子どもたちが選んだテーマを
時間をかけて発展。
テーマは、低学年は動物の飼育が多く、高学年になると
熱気球作りや五平餅作りなど様々になる。
1年夏組では、いろいろな家畜に親しんだ後、子豚を選んだ。
2学期から飼い始めたが、たびたび脱走し、校舎内で大暴れ。
そこで、子どもたちは、慣れないノコギリやトンカチを握り、
丈夫な柵を作りあげた。
同小では、子どもたちの中から意見や解決策が出てくるのを、
教師がねばり強く待つ。
動物の名前をつけるのに、話し合いが1か月かかったクラスも。
チャボを育てるクラスでは、チャボを怖がった子が
抱けるようになるのを、2か月間見守った。
「先生たちは、祈るような気持ちで子どもを見ている」と武田育夫校長(52)。
根底には、「子どもたちが、自ら成長する力を信じる」という
揺るぎない理念がある。
既成のノウハウが通用しない授業だけに、先生も悩みの連続。
学習指導要領の順番を飛び越えたり、欠けたりするのを補う必要も。
短期的な視点で成果を判断しないのは、
子どもたちが夢中になった活動の達成感の大きさを実感しているから。
2年前、「総合学習30年」を記念して行った卒業生へのアンケートでは、
約70%が、「総合の経験が生き方や進路に影響を与えた」と答えた。
総合学習を経験した卒業生が親になり、
地域全体がよき理解者なのも強み。
毎年2月に開く公開研究会には、全国から約600人もの先生が集まる。
実践をまねるより、子どもと一緒に奮闘し、成長する教師の姿に、
「教師を志した原点に立ち返る」と何度も訪れる人が多い。
「マニュアルでは、人は育たない。
先生同士が、子どもを語り合う大切さを発信しつづけることが、
伊那小の使命」と武田校長。
「総合の火をともし続ける」という覚悟と喜びが、学校全体に漂っていた。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20101209-OYT8T00193.htm
2010年12月13日月曜日
インサイド:大河流れて 総集編 アジア大会で見えたもの/4
(毎日 12月3日)
水色のユニホーム姿の選手たちは、
何度も先頭でフィニッシュラインを駆け抜けた。
陸上競技が行われた広州・奥体スタジアムに吹き荒れたインド旋風。
大会終盤の女子1600mリレーで3連覇を果たし、
陸上だけで五つの金メダルを獲得。
象徴的だったのは、女子長距離の躍進。
日本が、過去全6大会でメダルを獲得してきた女子10000mで、
2連覇を狙った国内第一人者の福士加代子(ワコール)は、
インド勢のラストスパートに屈した。
優勝したプリージャ・スリードハランは、5000mでも銀メダル。
10000m銀のカビタ・ラウトも、5000mで3位と、実力は本物。
日本は、中国やアフリカ出身選手が国籍を取得した中東勢を
警戒していたが、インドの強さは全くの想定外。
日本陸連長距離・ロード特別対策委員会の河野匡副委員長は、
「インドの実力は未知数で、正直驚いた。
アジアの経済が発展する中、どの国のレベルも上がっている」と
現実を受け止めた。
スリードハランらを指導するベラルーシ人コーチは、
「インドには、才能豊かな選手があふれている」と自信。
外国人コーチを招いた強化も実ったようだ。
◆政府が多額報奨金
競技別にみると、陸上で11個、ボクシングで9個、射撃で8個の
メダルを獲得、テニス男子ではソムデブ・デブバルマンが
シングルスで初優勝、ダブルスと合わせて2冠。
ゴルフでも、男子団体で銀メダルを手にするなど、
プロスポーツでも実績を残した。
全体では金14、銀17、銅33と、メダル総数は過去最多の計64個。
金メダル数の順位では、前回ドーハ大会の8位(10個)から6位に上昇。
政府は多額の報奨金も用意し、インドメディアによると、
スリードハランは10000mの金メダル獲得で、
12万5000ドル(約1050万円)を得る。
躍進の背景には、10月に初めて自国開催した英連邦大会の存在。
4年に1度のビッグイベントに向けた強化が実り、
金メダル38個を含む、計101個のメダルを獲得。
金メダル数は、オーストラリアに次ぐ2位で、
イングランドやカナダなどを上回った。
◆躍進大国化「手段」に
インドは、伝統的に肉体より精神を重視、
スポーツよりも勉強を優先する価値観が根強い。
インドの社会事情に詳しい亜細亜大非常勤講師の関口真理さんは、
「経済的な成功に見合うように、スポーツも強化すべきだという
意識が強くなった。
スポーツの強さを、一流国の証しととらえている」
昨年10月、インドの国際オリンピック委員会委員が、
ニューデリーで24年夏季五輪を開催したい意向を表明。
インドには、主要新興4カ国(BRICs)の中で、ブラジル、ロシア、中国に
五輪開催実績(予定を含む)で取り残された危機感があり、
英連邦大会は、成功をステップに、将来の五輪招致へつなげる思惑も。
大会をめぐっては、巨額の準備資金が不正に使われたとの
汚職疑惑が浮上。
大会経費は、当初見積もりの20倍の約70億ドル(約5880億円)で、
過去最高に膨れあがったとの批判もあり、混乱が続いている。
約12億の人口を背景に、経済的発展を続けるインド。
政府は先月30日、7~9月期の実質国内総生産(GDP)は
前年同期比8・9%増と発表、経済の好調さに陰りはない。
スポーツを大国化の手段として位置づければ、
ひずみが生じる危険性も否定できない。
http://mainichi.jp/enta/sports/general/news/20101203ddm035050126000c.html
水色のユニホーム姿の選手たちは、
何度も先頭でフィニッシュラインを駆け抜けた。
陸上競技が行われた広州・奥体スタジアムに吹き荒れたインド旋風。
大会終盤の女子1600mリレーで3連覇を果たし、
陸上だけで五つの金メダルを獲得。
象徴的だったのは、女子長距離の躍進。
日本が、過去全6大会でメダルを獲得してきた女子10000mで、
2連覇を狙った国内第一人者の福士加代子(ワコール)は、
インド勢のラストスパートに屈した。
優勝したプリージャ・スリードハランは、5000mでも銀メダル。
10000m銀のカビタ・ラウトも、5000mで3位と、実力は本物。
日本は、中国やアフリカ出身選手が国籍を取得した中東勢を
警戒していたが、インドの強さは全くの想定外。
日本陸連長距離・ロード特別対策委員会の河野匡副委員長は、
「インドの実力は未知数で、正直驚いた。
アジアの経済が発展する中、どの国のレベルも上がっている」と
現実を受け止めた。
スリードハランらを指導するベラルーシ人コーチは、
「インドには、才能豊かな選手があふれている」と自信。
外国人コーチを招いた強化も実ったようだ。
◆政府が多額報奨金
競技別にみると、陸上で11個、ボクシングで9個、射撃で8個の
メダルを獲得、テニス男子ではソムデブ・デブバルマンが
シングルスで初優勝、ダブルスと合わせて2冠。
ゴルフでも、男子団体で銀メダルを手にするなど、
プロスポーツでも実績を残した。
全体では金14、銀17、銅33と、メダル総数は過去最多の計64個。
金メダル数の順位では、前回ドーハ大会の8位(10個)から6位に上昇。
政府は多額の報奨金も用意し、インドメディアによると、
スリードハランは10000mの金メダル獲得で、
12万5000ドル(約1050万円)を得る。
躍進の背景には、10月に初めて自国開催した英連邦大会の存在。
4年に1度のビッグイベントに向けた強化が実り、
金メダル38個を含む、計101個のメダルを獲得。
金メダル数は、オーストラリアに次ぐ2位で、
イングランドやカナダなどを上回った。
◆躍進大国化「手段」に
インドは、伝統的に肉体より精神を重視、
スポーツよりも勉強を優先する価値観が根強い。
インドの社会事情に詳しい亜細亜大非常勤講師の関口真理さんは、
「経済的な成功に見合うように、スポーツも強化すべきだという
意識が強くなった。
スポーツの強さを、一流国の証しととらえている」
昨年10月、インドの国際オリンピック委員会委員が、
ニューデリーで24年夏季五輪を開催したい意向を表明。
インドには、主要新興4カ国(BRICs)の中で、ブラジル、ロシア、中国に
五輪開催実績(予定を含む)で取り残された危機感があり、
英連邦大会は、成功をステップに、将来の五輪招致へつなげる思惑も。
大会をめぐっては、巨額の準備資金が不正に使われたとの
汚職疑惑が浮上。
大会経費は、当初見積もりの20倍の約70億ドル(約5880億円)で、
過去最高に膨れあがったとの批判もあり、混乱が続いている。
約12億の人口を背景に、経済的発展を続けるインド。
政府は先月30日、7~9月期の実質国内総生産(GDP)は
前年同期比8・9%増と発表、経済の好調さに陰りはない。
スポーツを大国化の手段として位置づければ、
ひずみが生じる危険性も否定できない。
http://mainichi.jp/enta/sports/general/news/20101203ddm035050126000c.html
2010年12月12日日曜日
破壊抑え骨粗しょう症治療 阪大、原因細胞遠ざける
(2010年12月7日 共同通信社)
骨を壊す破骨細胞を、骨に近づけないようにして骨の破壊を抑え、
骨粗しょう症を治療することに、大阪大と米国立衛生研究所(NIH)の
チームがマウスで成功。
6日付の米医学誌ジャーナル・オブ・エクスペリメンタル・メディシン
(電子版)に掲載。
国内患者が推計1千万人以上とされる骨粗しょう症のほか、
関節リウマチやがんの骨転移など、骨が壊れていく病気の
治療法開発に役立つとして、ヒトへの臨床応用の準備を進めている。
チームは、破骨細胞のもとになる前駆細胞が、
血管から骨へ移動する過程に着目。
「スフィンゴシン1リン酸(S1P)」という脂質が、
この移動を制御することを発見。
S1Pを感知する前駆細胞表面のタンパク質「S1PR2」の働きを抑える
阻害剤をマウスに投与すると、前駆細胞が骨へ移動しないことを、
生きたまま骨の中を観察できる顕微鏡で確かめた。
阻害剤を投与した骨粗しょう症マウスは、
骨の密度が約1・5倍に改善。
現在の主な治療法では、破骨細胞を殺す薬を投与するが、
正常な骨で繰り返されている、古い骨を壊し新しい骨を作る
サイクルのバランスが崩れ、壊死するなどの副作用が問題。
大阪大の石井優准教授は、
「今回の治療法は、無理やり細胞を殺さないので安全で、効果も大きい」
※骨粗しょう症
骨がもろく、折れやすくなる病気。
背中が曲がる原因となり、寝たきりにもつながる。
更年期に、女性ホルモンの一種「エストロゲン」が急激に減少するのが一因、
高齢女性に多い。
65歳以上の約3割、75歳以上では約半数が患っている。
2050年、高齢化がさらに進んで、患者が5千万人を超える可能性、
対策が求められている。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/12/7/129404/
骨を壊す破骨細胞を、骨に近づけないようにして骨の破壊を抑え、
骨粗しょう症を治療することに、大阪大と米国立衛生研究所(NIH)の
チームがマウスで成功。
6日付の米医学誌ジャーナル・オブ・エクスペリメンタル・メディシン
(電子版)に掲載。
国内患者が推計1千万人以上とされる骨粗しょう症のほか、
関節リウマチやがんの骨転移など、骨が壊れていく病気の
治療法開発に役立つとして、ヒトへの臨床応用の準備を進めている。
チームは、破骨細胞のもとになる前駆細胞が、
血管から骨へ移動する過程に着目。
「スフィンゴシン1リン酸(S1P)」という脂質が、
この移動を制御することを発見。
S1Pを感知する前駆細胞表面のタンパク質「S1PR2」の働きを抑える
阻害剤をマウスに投与すると、前駆細胞が骨へ移動しないことを、
生きたまま骨の中を観察できる顕微鏡で確かめた。
阻害剤を投与した骨粗しょう症マウスは、
骨の密度が約1・5倍に改善。
現在の主な治療法では、破骨細胞を殺す薬を投与するが、
正常な骨で繰り返されている、古い骨を壊し新しい骨を作る
サイクルのバランスが崩れ、壊死するなどの副作用が問題。
大阪大の石井優准教授は、
「今回の治療法は、無理やり細胞を殺さないので安全で、効果も大きい」
※骨粗しょう症
骨がもろく、折れやすくなる病気。
背中が曲がる原因となり、寝たきりにもつながる。
更年期に、女性ホルモンの一種「エストロゲン」が急激に減少するのが一因、
高齢女性に多い。
65歳以上の約3割、75歳以上では約半数が患っている。
2050年、高齢化がさらに進んで、患者が5千万人を超える可能性、
対策が求められている。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/12/7/129404/
総合学習を生かす(11)郷土の先人に学ぶ志
(読売 12月8日)
盛岡市は朝から激しい雨。
市立厨川小学校の6年生は、計画していた「先人ウォーク」を
泣く泣く延期し、掲げて歩くはずだった「立志隊」と書かれたのぼりを囲んだ。
「天気のいい日に改めて行きましょう。
立志の丘で何を叫ぶか、を心の中で考えておいてね」、
千葉美保教諭(43)が子どもたちに語りかけた。
2007年に始まった「先人ウォーク」は、郷土の偉人について学ぶ
6年の総合学習の総仕上げで、今ではすっかり同小の名物行事に。
先人の足跡をたどりながら、盛岡市内を約5km歩き、
最後に先人記念館の脇にある「立志の丘」で、自分の夢や目標を叫ぶ。
太平洋戦争の終結に力を注いだ元首相、米内光政が少年のころ、
岩手山に向かって大声で叫び、自らを鼓舞したという逸話にちなむ。
盛岡は、歴史的に偉人を多く輩出した土地柄。
米内のほか、「平民宰相」と呼ばれた原敬、
「武士道」を著した新渡戸稲造、歌人の石川啄木、
アイヌの「ユーカラ」研究に半生を注いだ金田一京助が代表的な「先人」。
市は、小中学校向けの副読本やカレンダーを作って、
「先人教育」に力を入れている。
厨川小では、子どもたちが人生について考える機会につなげている。
「先人」にも、若き日の失敗や葛藤が必ずある。
「単に、聖人君子として受け止めたのでは、子どもたちの心に残りにくい」
と考えた千葉教諭は、調べ学習が進んだ段階で、
「何かマイナスポイントなかった?」と問いかけた。
石川啄木のカンニング事件など、失敗談が次々にあがった。
「最初は成績が悪かった」、「甘えん坊だった」。
子どもたちは、遠い存在だった先人をぐっと身近に感じた上で、
「人一倍努力した」、「強い意志を持っていた」などと、
現状に安住しない志の尊さに気付いた。
最後の振り返りでは、自分の調べた先人への思い入れを
グループで語り合った。
振り返り用のワークシートには、あえて「生き方」という言葉は
使わなかったが、子どもたちは先人から学んだ姿勢を自分に引き寄せ、
自然に、「自分はこんな生き方をしたい」という言葉が出てきた。
「人を幸せにできる人間になりたい!」、
「悔いの残らない生き方をするぞ!」。
シートの最後に力強く記されていた子どもたちの誓いは、
先人の背中をしっかりと見据えていた。
◎先人に学んだこと(振り返りシートから)
▼原敬
努力し、最後まであきらめなかった。人に信用される生き方をしたい。
▼石川啄木
他人を思う心、貧しさに負けない強い心があった。
純粋な心を持って、信頼されるようになりたい。
▼新渡戸稲造
勉強は楽しんでやればいいのだと思った。
▼金田一京助
自分もいろいろなことに挑戦して、みんなを勇気づけたい。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20101208-OYT8T00215.htm
盛岡市は朝から激しい雨。
市立厨川小学校の6年生は、計画していた「先人ウォーク」を
泣く泣く延期し、掲げて歩くはずだった「立志隊」と書かれたのぼりを囲んだ。
「天気のいい日に改めて行きましょう。
立志の丘で何を叫ぶか、を心の中で考えておいてね」、
千葉美保教諭(43)が子どもたちに語りかけた。
2007年に始まった「先人ウォーク」は、郷土の偉人について学ぶ
6年の総合学習の総仕上げで、今ではすっかり同小の名物行事に。
先人の足跡をたどりながら、盛岡市内を約5km歩き、
最後に先人記念館の脇にある「立志の丘」で、自分の夢や目標を叫ぶ。
太平洋戦争の終結に力を注いだ元首相、米内光政が少年のころ、
岩手山に向かって大声で叫び、自らを鼓舞したという逸話にちなむ。
盛岡は、歴史的に偉人を多く輩出した土地柄。
米内のほか、「平民宰相」と呼ばれた原敬、
「武士道」を著した新渡戸稲造、歌人の石川啄木、
アイヌの「ユーカラ」研究に半生を注いだ金田一京助が代表的な「先人」。
市は、小中学校向けの副読本やカレンダーを作って、
「先人教育」に力を入れている。
厨川小では、子どもたちが人生について考える機会につなげている。
「先人」にも、若き日の失敗や葛藤が必ずある。
「単に、聖人君子として受け止めたのでは、子どもたちの心に残りにくい」
と考えた千葉教諭は、調べ学習が進んだ段階で、
「何かマイナスポイントなかった?」と問いかけた。
石川啄木のカンニング事件など、失敗談が次々にあがった。
「最初は成績が悪かった」、「甘えん坊だった」。
子どもたちは、遠い存在だった先人をぐっと身近に感じた上で、
「人一倍努力した」、「強い意志を持っていた」などと、
現状に安住しない志の尊さに気付いた。
最後の振り返りでは、自分の調べた先人への思い入れを
グループで語り合った。
振り返り用のワークシートには、あえて「生き方」という言葉は
使わなかったが、子どもたちは先人から学んだ姿勢を自分に引き寄せ、
自然に、「自分はこんな生き方をしたい」という言葉が出てきた。
「人を幸せにできる人間になりたい!」、
「悔いの残らない生き方をするぞ!」。
シートの最後に力強く記されていた子どもたちの誓いは、
先人の背中をしっかりと見据えていた。
◎先人に学んだこと(振り返りシートから)
▼原敬
努力し、最後まであきらめなかった。人に信用される生き方をしたい。
▼石川啄木
他人を思う心、貧しさに負けない強い心があった。
純粋な心を持って、信頼されるようになりたい。
▼新渡戸稲造
勉強は楽しんでやればいいのだと思った。
▼金田一京助
自分もいろいろなことに挑戦して、みんなを勇気づけたい。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20101208-OYT8T00215.htm
インサイド:大河流れて 総集編 アジア大会で見えたもの/3
(毎日 12月2日)
9対24と、あやうくトリプルスコアの大差がつくところだった。
今大会、日本と中国の競泳チームが取った金メダルの数。
前回ドーハ大会は、16対16の「引き分け」。
4年で激変した勢力図の背景には、外国人コーチの存在が透けて見える。
「海外の経験あるコーチに育てられると、正直に言って脅威だ」
日本代表の平井伯昌コーチは、そう言って危機感を募らせる。
今大会に登録された競泳の中国代表コーチ陣に、外国人の名前はないが、
選手たち約20人は定期的に2組に分かれて渡豪し、
オーストラリア人コーチの指導を受けている。
中国だけではない。
男子自由形で、2大会連続3冠を達成した韓国の英雄、
朴泰桓(パク・テファン)のコーチもオーストラリアのマイケル・ポール氏。
他を圧倒する朴の泳ぎは、ポール氏の存在なくしては語れない。
「日本以外のほとんどの国は、欧米などから外国人コーチを招請している」
国境を超えた指導は、今や常識となりつつある。
◆流動化の波アジアに
国同士の争いの様相が濃い国際スポーツ界で、
外国人コーチが増え始めたのは、旧東側諸国が崩壊後の90年代前半。
社会主義国家では、国威発揚につながるスポーツ選手やコーチに、
国家による手厚い支援があったが、体制崩壊とともに彼らは
生活の糧や活躍の場を求めて、西側諸国へ移った。
プロとして雇われた指導者が、欧米各国を渡り歩くようになり、
コーチの流動化が進んだ。
その波は、ついにアジア諸国にも到達。
中国選手団は今大会、全競技で計20人の外国人コーチをエントリー。
その中には、日本のシンクロナイズドスイミング指導の第一人者、
井村雅代さんの名前も。
数年前まで中国のシンクロは発展途上だったが、
井村さんが指揮した北京五輪のチームで、銅メダルを獲得。
今大会は、全3種目で金メダルを手にした。
かつて、日本の「お家芸」ともいえたシンクロで、
日中の立場は完全に逆転した。
その中国ですら、コーチが外国に流出している。
今大会の飛び込みで、銀と銅合わせて9個のメダルを獲得し、
中国に次ぐ2位につけたのはマレーシア。
同国の飛び込みコーチの大半が中国人。
それだけの人材が流出しても、中国の競技レベルには変化がない。
指導者の層の厚さもうかがえる。
◆育成との両立を
一方の日本。
外国人コーチの招請は、競技団体によって温度差があるのが実情。
ある競技団体のコーチが、「外国人コーチに育ててもらうと、
中(自国)のコーチが育たなくなるのではないか」と言う通り、
国内での指導者育成に重きを置く意見は根強い。
コーチ陣4人を外国人で固めたフェンシングは、目覚ましい実績を残した。
オレクサンダー・ゴルバチュク氏(ウクライナ)が専属コーチを務める
女子エペは、団体で大会史上初の優勝を果たした。
北京五輪では、フルーレで同じウクライナ人の
オレグ・マツェイチュク氏がコーチとなり、
太田雄貴(森永製菓)が銀メダルを獲得。
その後、エペとサーブルにも外国人コーチを招請した強化策が結実した形。
自前のコーチ育成と、レベルの高い外国人コーチの活用。
その両立ができなければ、世界の潮流にのまれかねないことを、
今大会の成績は雄弁に物語っている。
http://mainichi.jp/enta/sports/general/news/20101202ddm035050092000c.html
9対24と、あやうくトリプルスコアの大差がつくところだった。
今大会、日本と中国の競泳チームが取った金メダルの数。
前回ドーハ大会は、16対16の「引き分け」。
4年で激変した勢力図の背景には、外国人コーチの存在が透けて見える。
「海外の経験あるコーチに育てられると、正直に言って脅威だ」
日本代表の平井伯昌コーチは、そう言って危機感を募らせる。
今大会に登録された競泳の中国代表コーチ陣に、外国人の名前はないが、
選手たち約20人は定期的に2組に分かれて渡豪し、
オーストラリア人コーチの指導を受けている。
中国だけではない。
男子自由形で、2大会連続3冠を達成した韓国の英雄、
朴泰桓(パク・テファン)のコーチもオーストラリアのマイケル・ポール氏。
他を圧倒する朴の泳ぎは、ポール氏の存在なくしては語れない。
「日本以外のほとんどの国は、欧米などから外国人コーチを招請している」
国境を超えた指導は、今や常識となりつつある。
◆流動化の波アジアに
国同士の争いの様相が濃い国際スポーツ界で、
外国人コーチが増え始めたのは、旧東側諸国が崩壊後の90年代前半。
社会主義国家では、国威発揚につながるスポーツ選手やコーチに、
国家による手厚い支援があったが、体制崩壊とともに彼らは
生活の糧や活躍の場を求めて、西側諸国へ移った。
プロとして雇われた指導者が、欧米各国を渡り歩くようになり、
コーチの流動化が進んだ。
その波は、ついにアジア諸国にも到達。
中国選手団は今大会、全競技で計20人の外国人コーチをエントリー。
その中には、日本のシンクロナイズドスイミング指導の第一人者、
井村雅代さんの名前も。
数年前まで中国のシンクロは発展途上だったが、
井村さんが指揮した北京五輪のチームで、銅メダルを獲得。
今大会は、全3種目で金メダルを手にした。
かつて、日本の「お家芸」ともいえたシンクロで、
日中の立場は完全に逆転した。
その中国ですら、コーチが外国に流出している。
今大会の飛び込みで、銀と銅合わせて9個のメダルを獲得し、
中国に次ぐ2位につけたのはマレーシア。
同国の飛び込みコーチの大半が中国人。
それだけの人材が流出しても、中国の競技レベルには変化がない。
指導者の層の厚さもうかがえる。
◆育成との両立を
一方の日本。
外国人コーチの招請は、競技団体によって温度差があるのが実情。
ある競技団体のコーチが、「外国人コーチに育ててもらうと、
中(自国)のコーチが育たなくなるのではないか」と言う通り、
国内での指導者育成に重きを置く意見は根強い。
コーチ陣4人を外国人で固めたフェンシングは、目覚ましい実績を残した。
オレクサンダー・ゴルバチュク氏(ウクライナ)が専属コーチを務める
女子エペは、団体で大会史上初の優勝を果たした。
北京五輪では、フルーレで同じウクライナ人の
オレグ・マツェイチュク氏がコーチとなり、
太田雄貴(森永製菓)が銀メダルを獲得。
その後、エペとサーブルにも外国人コーチを招請した強化策が結実した形。
自前のコーチ育成と、レベルの高い外国人コーチの活用。
その両立ができなければ、世界の潮流にのまれかねないことを、
今大会の成績は雄弁に物語っている。
http://mainichi.jp/enta/sports/general/news/20101202ddm035050092000c.html
還元型コエンザイムQ10がインフルエンザウイルスの感染を予防
(日経ヘルス 12月7日)
カネカは、還元型コエンザイムQ10が、インフルエンザウイルスの
感染に対し、予防効果を発揮すると発表。
コエンザイムQ10で、インフルエンザに対する有用性が
示唆されたのは初めて。
コエンザイムQ10は、抗酸化作用やエネルギー産生を促進する
作用で知られる成分。
日本では、もともと医薬品成分だったが、2001年から食品に、
2004年には化粧品への使用が可能、
サプリメントや化粧品など様々な製品に配合されてきた。
従来は、酸化型のコエンザイムQ10が一般的だったが、
体内では大部分が還元された形で存在することから、
同社が、「還元型コエンザイムQ10」を開発、
2006年から原材料供給を開始。
今回は、富山大学大学院医学薬学研究部の林利光教授との共同研究。
還元型コエンザイムQ10を経口投与したマウスに、
A型インフルエンザウイルス(H1N1亜型)を鼻から感染させ、
気道と肺のウイルス量、ウイルスに対する抗体産生量を測定。
マウスは、
(1)普通に飼育した群(対照群)、
(2)還元型コエンザイムQ10低用量を投与した群、
(3)還元型コエンザイムQ10高用量を投与した群、
(4)感染してから抗インフルエンザウイルス薬オセルタミビルを
投与した群で、各10匹ずつ飼育。
還元型コエンザイムQ10を投与した群は、ウイルス感染7日前から
還元型コエンザイムQ10を投与し、感染後も7日間投与を続けた。
その結果、還元型コエンザイムQ10を投与した群は、
対照群に比べ、3日後の気道、肺中のウイルス量がともに
有意に抑えられていた。
抗インフルエンザウイルス薬を投与した群では、
抗体をほとんど作らないのに比べ、還元型コエンザイムQ10を
投与したマウス群で、14日目に抗体産生量を確認し、
抗体は十分に産生され、対照群とほぼ同等。
同社QOL事業部技術統括部開発グループ学術・知財チームの
細江和典氏は、「コエンザイムQ10には、直接的な抗ウイルス作用が
ないことは、もともと知られていた」
乳酸菌のように、体内で免疫機能を動かす働きをしているかというと、
「作用機序はまだ不明、コエンザイムQ10のエネルギー産生を高める
作用が関与している可能性がある。
現在、富山大学で作用機序解明のための研究を進めている」
インフルエンザに関して別途実施した動物試験では、
還元型コエンザイムQ10と乳酸菌を一緒に付加したところ、
さらに高い効果が見られた。
酸化型との比較では、酸化型の低用量では効果が
確認できなかったのに比べ、還元型では低用量でも効果が確認。
これらの内容について、今後、論文や学会などで発表していく。
http://nhpro.nikkeibp.co.jp/article/nhpro/20101207/109503/
カネカは、還元型コエンザイムQ10が、インフルエンザウイルスの
感染に対し、予防効果を発揮すると発表。
コエンザイムQ10で、インフルエンザに対する有用性が
示唆されたのは初めて。
コエンザイムQ10は、抗酸化作用やエネルギー産生を促進する
作用で知られる成分。
日本では、もともと医薬品成分だったが、2001年から食品に、
2004年には化粧品への使用が可能、
サプリメントや化粧品など様々な製品に配合されてきた。
従来は、酸化型のコエンザイムQ10が一般的だったが、
体内では大部分が還元された形で存在することから、
同社が、「還元型コエンザイムQ10」を開発、
2006年から原材料供給を開始。
今回は、富山大学大学院医学薬学研究部の林利光教授との共同研究。
還元型コエンザイムQ10を経口投与したマウスに、
A型インフルエンザウイルス(H1N1亜型)を鼻から感染させ、
気道と肺のウイルス量、ウイルスに対する抗体産生量を測定。
マウスは、
(1)普通に飼育した群(対照群)、
(2)還元型コエンザイムQ10低用量を投与した群、
(3)還元型コエンザイムQ10高用量を投与した群、
(4)感染してから抗インフルエンザウイルス薬オセルタミビルを
投与した群で、各10匹ずつ飼育。
還元型コエンザイムQ10を投与した群は、ウイルス感染7日前から
還元型コエンザイムQ10を投与し、感染後も7日間投与を続けた。
その結果、還元型コエンザイムQ10を投与した群は、
対照群に比べ、3日後の気道、肺中のウイルス量がともに
有意に抑えられていた。
抗インフルエンザウイルス薬を投与した群では、
抗体をほとんど作らないのに比べ、還元型コエンザイムQ10を
投与したマウス群で、14日目に抗体産生量を確認し、
抗体は十分に産生され、対照群とほぼ同等。
同社QOL事業部技術統括部開発グループ学術・知財チームの
細江和典氏は、「コエンザイムQ10には、直接的な抗ウイルス作用が
ないことは、もともと知られていた」
乳酸菌のように、体内で免疫機能を動かす働きをしているかというと、
「作用機序はまだ不明、コエンザイムQ10のエネルギー産生を高める
作用が関与している可能性がある。
現在、富山大学で作用機序解明のための研究を進めている」
インフルエンザに関して別途実施した動物試験では、
還元型コエンザイムQ10と乳酸菌を一緒に付加したところ、
さらに高い効果が見られた。
酸化型との比較では、酸化型の低用量では効果が
確認できなかったのに比べ、還元型では低用量でも効果が確認。
これらの内容について、今後、論文や学会などで発表していく。
http://nhpro.nikkeibp.co.jp/article/nhpro/20101207/109503/
2010年12月11日土曜日
インサイド:大河流れて 総集編 アジア大会で見えたもの/2
(毎日 12月1日)
大会の視察を終えたスポーツマーケティング会社
「UFAスポーツアジア」(本社・シンガポール)のジェフ・チュー常務は、
声を弾ませた。
「アジアには、まだまだ可能性を秘めた競技があると感じさせてくれた」
アジア大会最大の特徴は、広いアジアのさまざまな民族の間で
親しまれている競技を多く取り入れていること。
今大会でもドラゴンボート、クリケットのほか、チェスの一種目となった
囲碁などが新設、過去最高となる42競技476種目が行われた。
「民族スポーツ」を取り込む傾向は、86年ソウル大会で
韓国の国技・テコンドーが採用されたのを皮切りに、
90年北京大会で東南アジアのセパタクロー、インドの国技・カバディ、
中国に由来する武術、94年広島大会で沖縄発祥とされる空手と、
年々強まってきた。
テコンドーは、88年ソウル五輪で公開競技となり、
00年シドニー五輪から正式競技に採用、今や国際的競技に成長。
カバディも、04年に第1回ワールドカップをインドで開催、
今年4月、円形のコートで行う「サークルスタイルカバディ」の
ワールドカップを初めて行うなど、世界戦略に乗り出している。
民族スポーツにとってアジア大会は、いまや「国際化への登竜門」。
セパタクローは、今大会期間中に国際サーキットの大会創設を表明。
プランを作成したのは、欧州最大のメディアグループ
「RTLグループ」傘下の「UFAスポーツアジア」。
チュー常務は、セパタクローに目をつけた理由について、
「テレビを含め、観戦する人にわかりやすいように『再梱包』すれば、
必ず人気が出ると思った」
個人的な見解とした上で、「カバディや、中央アジア、中東からの参加が
増えた武術には大変魅力を感じたし、アジア大会未実施の競技でも、
(ビジネスの対象として)興味を持っているものがある」
人口が世界の6割を占めるとも言われる巨大なアジアには、
まだ掘り起こされていない“商品”と“市場”が眠っている。
◆本質失われる恐れも
国際化には弊害もある。
テコンドー女子49キロ級で、台湾選手が失格となった件を巡って、
台湾で韓国への反感が高まる騒ぎが起きた。
台湾選手の相手はベトナムの選手だったが、一部で、
世界テコンドー連盟が本部を韓国に置くことなどから、
韓国関係者が今回の判定にかかわったという報道が。
台湾では韓国国旗が燃やされ、韓国外交通商省が憂慮を表明するなど、
国際問題に発展しかねない状態に。
あってはならない「事件」ではあったが、それだけ競技が世界で認知され、
人気が高まったことの証左とも言えた。
クリケットは、五輪に不可欠なテレビ放映に対応するため、
最近の国際試合では「20オーバー(1チームの投球数が120球)制」を採用。
伝統的なものでは、テストマッチ(国代表試合)で5日間もかかっていた
試合を、約3時間に短縮。
「(20オーバー制は)五輪でやれば完ぺきだ。
今がクリケットにとって大きなチャンス」と選手の中には歓迎する声がある
一方で、専門家は「(競技が持つ)本来の良さが失われつつある」
いかに競技の本質を守りながら、国際化の波に乗るか。
残された課題は大きい。
http://mainichi.jp/enta/sports/general/news/20101201ddm035050053000c.html
大会の視察を終えたスポーツマーケティング会社
「UFAスポーツアジア」(本社・シンガポール)のジェフ・チュー常務は、
声を弾ませた。
「アジアには、まだまだ可能性を秘めた競技があると感じさせてくれた」
アジア大会最大の特徴は、広いアジアのさまざまな民族の間で
親しまれている競技を多く取り入れていること。
今大会でもドラゴンボート、クリケットのほか、チェスの一種目となった
囲碁などが新設、過去最高となる42競技476種目が行われた。
「民族スポーツ」を取り込む傾向は、86年ソウル大会で
韓国の国技・テコンドーが採用されたのを皮切りに、
90年北京大会で東南アジアのセパタクロー、インドの国技・カバディ、
中国に由来する武術、94年広島大会で沖縄発祥とされる空手と、
年々強まってきた。
テコンドーは、88年ソウル五輪で公開競技となり、
00年シドニー五輪から正式競技に採用、今や国際的競技に成長。
カバディも、04年に第1回ワールドカップをインドで開催、
今年4月、円形のコートで行う「サークルスタイルカバディ」の
ワールドカップを初めて行うなど、世界戦略に乗り出している。
民族スポーツにとってアジア大会は、いまや「国際化への登竜門」。
セパタクローは、今大会期間中に国際サーキットの大会創設を表明。
プランを作成したのは、欧州最大のメディアグループ
「RTLグループ」傘下の「UFAスポーツアジア」。
チュー常務は、セパタクローに目をつけた理由について、
「テレビを含め、観戦する人にわかりやすいように『再梱包』すれば、
必ず人気が出ると思った」
個人的な見解とした上で、「カバディや、中央アジア、中東からの参加が
増えた武術には大変魅力を感じたし、アジア大会未実施の競技でも、
(ビジネスの対象として)興味を持っているものがある」
人口が世界の6割を占めるとも言われる巨大なアジアには、
まだ掘り起こされていない“商品”と“市場”が眠っている。
◆本質失われる恐れも
国際化には弊害もある。
テコンドー女子49キロ級で、台湾選手が失格となった件を巡って、
台湾で韓国への反感が高まる騒ぎが起きた。
台湾選手の相手はベトナムの選手だったが、一部で、
世界テコンドー連盟が本部を韓国に置くことなどから、
韓国関係者が今回の判定にかかわったという報道が。
台湾では韓国国旗が燃やされ、韓国外交通商省が憂慮を表明するなど、
国際問題に発展しかねない状態に。
あってはならない「事件」ではあったが、それだけ競技が世界で認知され、
人気が高まったことの証左とも言えた。
クリケットは、五輪に不可欠なテレビ放映に対応するため、
最近の国際試合では「20オーバー(1チームの投球数が120球)制」を採用。
伝統的なものでは、テストマッチ(国代表試合)で5日間もかかっていた
試合を、約3時間に短縮。
「(20オーバー制は)五輪でやれば完ぺきだ。
今がクリケットにとって大きなチャンス」と選手の中には歓迎する声がある
一方で、専門家は「(競技が持つ)本来の良さが失われつつある」
いかに競技の本質を守りながら、国際化の波に乗るか。
残された課題は大きい。
http://mainichi.jp/enta/sports/general/news/20101201ddm035050053000c.html
インタビュー・環境戦略を語る:住友生命保険・佐藤義雄社長
(毎日 12月6日)
メーカーや小売りと異なり、保険という形のない商品を扱う生命保険業界。
住友生命保険は、06年「スミセイ環境方針」を策定し、
環境負荷低減に向け、自然保護活動の支援やボランティア活動などを
積極的に行っている。
佐藤義雄社長に、具体的な取り組みについて聞いた。
--スミセイ環境方針の理念は?
◆住生は、「豊かで明るい長寿社会の実現」を目指す。
本業である生保事業の公共性や社会的責任を踏まえ、
事業活動を通じて、地球環境問題への対策にも
積極的に取り組もうという姿勢。
--具体的な取り組みは?
◆08年から、石垣島とフィジーで、サンゴ礁保全プロジェクトを始めた。
サンゴ礁は、数多くの生物の貴重なすみか。
石垣島では、サンゴの生育に悪影響を及ぼす赤土の流出を
防ぐための植栽、子供たちへの環境教育、
フィジーでは、サンゴの植え付けをそれぞれ行っている団体に、
社内の基金から毎年寄付。
フィジーでは、今年3月末までに1万5000本以上の植え付けに成功。
--保険の分厚い約款などは紙資源を大量に使う。
◆商品内容を丁寧に説明すると、どうしてもページ数が増える。
住生では、08年から約款をCD-ROM化し、
紙の使用量を年間約400トン削減。
紙の約款も選べるが、CDを選んでもらうと、
契約1件につき10円がサンゴ礁保全プロジェクトに寄付される。
同プロジェクトへの支援額は、基金からの寄付も合わせ、
今年度末で累計約8500万円となる見込み。
お客様への連絡を、封書でなく電子メールで行うサービスも以前から実施、
今年4月から、新規利用1件につき10円を自然保護団体に寄付。
--全国の営業職員による活動は?
◆営業職員や内勤職員らによる地域ボランティア活動を92年度に始め、
09年度は植林や里山保全、竹林整備など239活動に
延べ2万7267人が参加。
日常的な訪問活動の中、お客様から応援したい
環境・社会貢献活動に投票してもらい、票数に応じ住生が寄付する
キャンペーンも行っている。
サンゴ礁保全プロジェクトには、08~09年度で10万票以上が集まり、
50万円を超す寄付を上乗せした。
--今後の環境対策の方向性は?
◆既存の活動を息長く続けることが大切。
住友のルーツである別子銅山(愛媛県)では、製錬に使う燃料用に
多くの木を伐採し、煙害や洪水の被害が広がった反省から、
積極的な植林に努めた経緯も。
環境を大事にし、地域と共生しようという伝統を引き継いでいきたい。
==============
◇さとう・よしお
九大卒。73年住友生命保険入社。株式運用部長、証券投資部長、
総合法人本部長などを経て、07年7月から現職。福岡県出身。61歳。
http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2010/12/06/20101206ddm008020054000c.html
メーカーや小売りと異なり、保険という形のない商品を扱う生命保険業界。
住友生命保険は、06年「スミセイ環境方針」を策定し、
環境負荷低減に向け、自然保護活動の支援やボランティア活動などを
積極的に行っている。
佐藤義雄社長に、具体的な取り組みについて聞いた。
--スミセイ環境方針の理念は?
◆住生は、「豊かで明るい長寿社会の実現」を目指す。
本業である生保事業の公共性や社会的責任を踏まえ、
事業活動を通じて、地球環境問題への対策にも
積極的に取り組もうという姿勢。
--具体的な取り組みは?
◆08年から、石垣島とフィジーで、サンゴ礁保全プロジェクトを始めた。
サンゴ礁は、数多くの生物の貴重なすみか。
石垣島では、サンゴの生育に悪影響を及ぼす赤土の流出を
防ぐための植栽、子供たちへの環境教育、
フィジーでは、サンゴの植え付けをそれぞれ行っている団体に、
社内の基金から毎年寄付。
フィジーでは、今年3月末までに1万5000本以上の植え付けに成功。
--保険の分厚い約款などは紙資源を大量に使う。
◆商品内容を丁寧に説明すると、どうしてもページ数が増える。
住生では、08年から約款をCD-ROM化し、
紙の使用量を年間約400トン削減。
紙の約款も選べるが、CDを選んでもらうと、
契約1件につき10円がサンゴ礁保全プロジェクトに寄付される。
同プロジェクトへの支援額は、基金からの寄付も合わせ、
今年度末で累計約8500万円となる見込み。
お客様への連絡を、封書でなく電子メールで行うサービスも以前から実施、
今年4月から、新規利用1件につき10円を自然保護団体に寄付。
--全国の営業職員による活動は?
◆営業職員や内勤職員らによる地域ボランティア活動を92年度に始め、
09年度は植林や里山保全、竹林整備など239活動に
延べ2万7267人が参加。
日常的な訪問活動の中、お客様から応援したい
環境・社会貢献活動に投票してもらい、票数に応じ住生が寄付する
キャンペーンも行っている。
サンゴ礁保全プロジェクトには、08~09年度で10万票以上が集まり、
50万円を超す寄付を上乗せした。
--今後の環境対策の方向性は?
◆既存の活動を息長く続けることが大切。
住友のルーツである別子銅山(愛媛県)では、製錬に使う燃料用に
多くの木を伐採し、煙害や洪水の被害が広がった反省から、
積極的な植林に努めた経緯も。
環境を大事にし、地域と共生しようという伝統を引き継いでいきたい。
==============
◇さとう・よしお
九大卒。73年住友生命保険入社。株式運用部長、証券投資部長、
総合法人本部長などを経て、07年7月から現職。福岡県出身。61歳。
http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2010/12/06/20101206ddm008020054000c.html
総合学習を生かす(10)下級生指導 統率力育む
(読売 12月4日)
四国山地にある高知県大豊町立大豊町中学校。
体育館では、1~3年生の男女15人が、人気アイドルグループ
「AKB48」の曲に合わせて、振り付けの練習中。
「顔も手と一緒に上げて」、「もう一度やるよ」と、
リーダーの3年女子生徒2人が指示を出す。
総合学習の授業で、全校生徒が「演劇」、「アート」、「ダンス」班に分かれ、
1か月先の発表会に向けて、練習や制作活動に励んでいた。
同中の総合学習は、1~3年を混成させた縦割り班で学ぶ。
狙いは、リーダーシップの育成。
リーダーは3年生に限り、なるべく部活動の部長などの
経験者以外の生徒に担当。
どの班もリーダーは複数おり、話し合いや練習など
活動すべてのまとめ役を担う。
ダンス班は、AKBを含めて2チーム、リーダーは各2人いるが、
2チーム合同で踊る「ソーラン」や、全体を統括するリーダーも計3人いる。
矢部喜久校長(56)は、「人を束ねて、一つのものを作り上げるのは大変。
その苦労と達成感を、多くの生徒に学んでほしい」
総合学習の授業時間は、学年ごとに年間50または70時間と違うが、
全学年が発表会前に計31時間を集中させたカリキュラムを組む。
リーダーたちに、スケジュールの見通しを持った運営も経験させる。
ダンスの練習後、リーダーたちが、
「いつから『ソーラン』を始めたらいいですか」と質問、
担当の福留雅子教諭(36)は、「それは自分たちで考えないと」と答えた。
リーダーは、練習日程など考えて班を引っ張り、教師はあくまで相談役。
AKBでリーダーを務めた3年松本結里さん(15)と関口凛さん(14)は、
「去年は、先輩の指示に従えば良いだけで楽だった」と、
「踊りを覚えるより、人に教える方が難しい」、
「人をまとめるのは大変」
同中は町内唯一の中学校で、各学年約30人の1クラスずつしかない。
小さな頃から同じ顔ぶれに囲まれ、クラス替えもないので、
新しい人間関係を作る経験も乏しい。
リーダーシップ育成に取り組む背景には、こうした事情も。
卒業生の多くは、高校の部活や体育祭などで、
まとめ役を買って出て活躍している。
矢部校長は、「上級生の自覚が芽生えるだけでなく、
様々な人と作り上げていく力が養われている」と力を込める。
今後の人生の出会いを生かす素地が、総合学習で培われている。
◆縦割り学習
異なる学年の子どもたちが一緒のグループで活動する学習。
異年齢の人間関係を学べる効果がある。
上学年は、下学年の子どもを気遣い、責任を持って活動できるようになり、
下学年が上学年の先輩に対し、あこがれや目標を見いだす機会に。
体育祭や掃除、給食などの活動で行われている。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20101204-OYT8T00199.htm
四国山地にある高知県大豊町立大豊町中学校。
体育館では、1~3年生の男女15人が、人気アイドルグループ
「AKB48」の曲に合わせて、振り付けの練習中。
「顔も手と一緒に上げて」、「もう一度やるよ」と、
リーダーの3年女子生徒2人が指示を出す。
総合学習の授業で、全校生徒が「演劇」、「アート」、「ダンス」班に分かれ、
1か月先の発表会に向けて、練習や制作活動に励んでいた。
同中の総合学習は、1~3年を混成させた縦割り班で学ぶ。
狙いは、リーダーシップの育成。
リーダーは3年生に限り、なるべく部活動の部長などの
経験者以外の生徒に担当。
どの班もリーダーは複数おり、話し合いや練習など
活動すべてのまとめ役を担う。
ダンス班は、AKBを含めて2チーム、リーダーは各2人いるが、
2チーム合同で踊る「ソーラン」や、全体を統括するリーダーも計3人いる。
矢部喜久校長(56)は、「人を束ねて、一つのものを作り上げるのは大変。
その苦労と達成感を、多くの生徒に学んでほしい」
総合学習の授業時間は、学年ごとに年間50または70時間と違うが、
全学年が発表会前に計31時間を集中させたカリキュラムを組む。
リーダーたちに、スケジュールの見通しを持った運営も経験させる。
ダンスの練習後、リーダーたちが、
「いつから『ソーラン』を始めたらいいですか」と質問、
担当の福留雅子教諭(36)は、「それは自分たちで考えないと」と答えた。
リーダーは、練習日程など考えて班を引っ張り、教師はあくまで相談役。
AKBでリーダーを務めた3年松本結里さん(15)と関口凛さん(14)は、
「去年は、先輩の指示に従えば良いだけで楽だった」と、
「踊りを覚えるより、人に教える方が難しい」、
「人をまとめるのは大変」
同中は町内唯一の中学校で、各学年約30人の1クラスずつしかない。
小さな頃から同じ顔ぶれに囲まれ、クラス替えもないので、
新しい人間関係を作る経験も乏しい。
リーダーシップ育成に取り組む背景には、こうした事情も。
卒業生の多くは、高校の部活や体育祭などで、
まとめ役を買って出て活躍している。
矢部校長は、「上級生の自覚が芽生えるだけでなく、
様々な人と作り上げていく力が養われている」と力を込める。
今後の人生の出会いを生かす素地が、総合学習で培われている。
◆縦割り学習
異なる学年の子どもたちが一緒のグループで活動する学習。
異年齢の人間関係を学べる効果がある。
上学年は、下学年の子どもを気遣い、責任を持って活動できるようになり、
下学年が上学年の先輩に対し、あこがれや目標を見いだす機会に。
体育祭や掃除、給食などの活動で行われている。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20101204-OYT8T00199.htm
ケータイ写真を送るだけでカロリー判定 NTTコミュニケーションズらが「健康増進アシストサービス」の実証実験開始
(日経ヘルス 12月7日)
携帯電話機で撮影した写真を送ると、自動でカロリーを推定して
食事のバランスを判定、記録し、運動量などの情報と合わせて、
食事や運動についてアドバイスする実証実験が、
2011年1月から始まる。
実験を行うのは、携帯電話機向けのアプリケーション開発などを
担当するNTTコミュニケーションズと、インターネット上での
ダイエット・コミュニティ「gooからだログ」を運営しているNTTレゾナント、
写真を使った食事記録サービスを提供している
東京大学発ベンチャーfoo.log(フードットログ)の三社。
今回の実証実験の目玉の一つが、携帯電話機で写真を撮影して
メールで送信すると、カロリーや主食、主菜、副菜といった
食事のバランスを推定する「自動カロリー推定」サービス。
センター側は、送られた画像から食事領域を切り抜いて
色や質感(テクスチャー)、料理区分などの特徴情報を抽出、
データベースに登録された過去のデータと比較。
カロリーや料理区分に対するバランスを推定。
料理の種類を推定してから標準のカロリーを呼び出すのではなく、
個々の写真から直接カロリーなどを推定するので、
柔軟性が高く推定の誤差が少ない。
カロリーの推定は、東京大学大学院情報学環・工学部の
相澤 清晴教授が開発した食事画像解析技術を用いる。
今回の実証実験は、カロリー推定の精度向上やデータの蓄積を
目的とし、「カレーライス」などの食事の名称はユーザーが手入力、
将来的には、自動で判定しユーザーが複数候補から選択するなど、
入力の手間も軽減する予定。
もう一つの特徴が、従来個別の機器やパソコンを使って実現していた
複数のサービスについて、携帯電話機を使って一元管理できるようにし、
利便性を高める点。
「自動運動量測定」サービスは、携帯電話機から得られる位置情報や
加速度情報をもとに、ウオーキングなどによるカロリー消費量を算出、
データを自動で保存。
「食事/運動コンシェルジュ」サービスでは、
記録した食事や運動量、位置情報などから、その時点でユーザーに
適したレシピやエクササイズを提案する。
レシピはエルネット、エクササイズはティップネスといったように、
協力企業のコンテンツを利用して提供。
仲間の達成度や食事、運動内容を閲覧して参考にできる
「ソーシャル機能」や、歩数計や体重計といった別の機器とも連携する
「健康機器連携」なども盛り込む。
今回の実験は、1万人程度で行う予定、
まずは2011年1~3月に行うが、様子を見つつ期間は延長する見込み。
今後、モニター登録サイトを開設し、モニターには無償で
専用アプリケーションを提供。
このアプリケーションは、Google社の開発したOS「Android」を搭載した、
アンドロイドケータイ向けのもの。
Apple社の「iPhone」向けにも対応する予定、
一般的な携帯電話機への対応は未定。
http://nhpro.nikkeibp.co.jp/article/nhpro/20101129/109381/
携帯電話機で撮影した写真を送ると、自動でカロリーを推定して
食事のバランスを判定、記録し、運動量などの情報と合わせて、
食事や運動についてアドバイスする実証実験が、
2011年1月から始まる。
実験を行うのは、携帯電話機向けのアプリケーション開発などを
担当するNTTコミュニケーションズと、インターネット上での
ダイエット・コミュニティ「gooからだログ」を運営しているNTTレゾナント、
写真を使った食事記録サービスを提供している
東京大学発ベンチャーfoo.log(フードットログ)の三社。
今回の実証実験の目玉の一つが、携帯電話機で写真を撮影して
メールで送信すると、カロリーや主食、主菜、副菜といった
食事のバランスを推定する「自動カロリー推定」サービス。
センター側は、送られた画像から食事領域を切り抜いて
色や質感(テクスチャー)、料理区分などの特徴情報を抽出、
データベースに登録された過去のデータと比較。
カロリーや料理区分に対するバランスを推定。
料理の種類を推定してから標準のカロリーを呼び出すのではなく、
個々の写真から直接カロリーなどを推定するので、
柔軟性が高く推定の誤差が少ない。
カロリーの推定は、東京大学大学院情報学環・工学部の
相澤 清晴教授が開発した食事画像解析技術を用いる。
今回の実証実験は、カロリー推定の精度向上やデータの蓄積を
目的とし、「カレーライス」などの食事の名称はユーザーが手入力、
将来的には、自動で判定しユーザーが複数候補から選択するなど、
入力の手間も軽減する予定。
もう一つの特徴が、従来個別の機器やパソコンを使って実現していた
複数のサービスについて、携帯電話機を使って一元管理できるようにし、
利便性を高める点。
「自動運動量測定」サービスは、携帯電話機から得られる位置情報や
加速度情報をもとに、ウオーキングなどによるカロリー消費量を算出、
データを自動で保存。
「食事/運動コンシェルジュ」サービスでは、
記録した食事や運動量、位置情報などから、その時点でユーザーに
適したレシピやエクササイズを提案する。
レシピはエルネット、エクササイズはティップネスといったように、
協力企業のコンテンツを利用して提供。
仲間の達成度や食事、運動内容を閲覧して参考にできる
「ソーシャル機能」や、歩数計や体重計といった別の機器とも連携する
「健康機器連携」なども盛り込む。
今回の実験は、1万人程度で行う予定、
まずは2011年1~3月に行うが、様子を見つつ期間は延長する見込み。
今後、モニター登録サイトを開設し、モニターには無償で
専用アプリケーションを提供。
このアプリケーションは、Google社の開発したOS「Android」を搭載した、
アンドロイドケータイ向けのもの。
Apple社の「iPhone」向けにも対応する予定、
一般的な携帯電話機への対応は未定。
http://nhpro.nikkeibp.co.jp/article/nhpro/20101129/109381/
2010年12月10日金曜日
読解力回復 数学、科学上位維持 PISA結果で判明
(サイエンスポータル 2010年12月8日)
国際的に見劣るとされていた15歳生徒の読解力が
3年前より向上、9年前のレベルに回復していることが、
経済協力開発機構(OECD)が公表した
国際学習到達度調査(PISA)結果から明らかに。
PISAは、OECD加盟国と調査実施基準を満たす参加希望国・地域を
対象に、2000年から3年おきに実施。
文章を理解、利用、熟考する能力を問う読解力、数学的根拠に
基づいて、判断できる能力を問う数学リテラシー、
科学的知識を使用し、証拠に基づく結論を導き出す能力を問う
科学リテラシーの3分野について、15歳を対象に抽出試験を行う。
各回3つの試験のうち、1つが重点分野とされ、
今回は読解力が他の2分野に比べ、倍の試験問題が受験者に課された。
前回、読解力が重点分野だったのは2000年で、
この年との比較が最も重視。
今回の調査は、09年に実施。
日本の15歳生徒の読解力平均得点は、統計的有意差を考慮すると
上海、韓国、フィンランド、香港より下だが、
シンガポール、カナダ、ニュージーランド、オーストラリア、
オランダとほぼ同じ、上位4カ国・地域の次に位置。
3年前06年の調査結果では韓国、フィンランド、香港、カナダ、
ニュージーランド、アイルランド、オーストラリア、リヒテンシュタイン、
ポーランド9カ国・地域より下位、
グリアOECD事務総長から、「文章情報を取得し、処理し、統合し、
評価することが最大の課題」と評された。
今回の調査結果は3年前に比べ、明らかに読解力の向上を示しているが、
読解力が重要分野とされた2000年の調査結果に比べ、
「統計的有意差はない」。
2000年の調査では、「1位のフィンランドとは統計的に有意差が認められるが、
上位2位グループに位置する」という結果、このレベルに回復。
数学リテラシーの平均得点は上海、シンガポール、香港、韓国、台北、
フィンランドに次ぐグループで、科学リテラシーは上海、香港、
フィンランドにつぐグループに入っている。
いずれも前回、重点分野だった調査年(数学は03年、理科は06年)に比べ、
調査結果に「統計的有意差はない」とされた。
数学リテラシーは03、06年とも高いレベルを維持していると評価。
科学リテラシーについて、「科学的知識を再現し、科学的証拠を
解釈することにより、結論を導く能力は高い」と評価、
「科学的に探ることができる問題を認識し、科学的探求に必要な要素を
見つけ出すのは苦手」とOECDから指摘。
数学、科学リテラシーとも明確な経年比較は、
それぞれが重点分野となる次の調査結果(数学2012年、科学2015年)を
見ないと分からない。
http://www.scienceportal.jp/news/daily/1012/1012082.html
国際的に見劣るとされていた15歳生徒の読解力が
3年前より向上、9年前のレベルに回復していることが、
経済協力開発機構(OECD)が公表した
国際学習到達度調査(PISA)結果から明らかに。
PISAは、OECD加盟国と調査実施基準を満たす参加希望国・地域を
対象に、2000年から3年おきに実施。
文章を理解、利用、熟考する能力を問う読解力、数学的根拠に
基づいて、判断できる能力を問う数学リテラシー、
科学的知識を使用し、証拠に基づく結論を導き出す能力を問う
科学リテラシーの3分野について、15歳を対象に抽出試験を行う。
各回3つの試験のうち、1つが重点分野とされ、
今回は読解力が他の2分野に比べ、倍の試験問題が受験者に課された。
前回、読解力が重点分野だったのは2000年で、
この年との比較が最も重視。
今回の調査は、09年に実施。
日本の15歳生徒の読解力平均得点は、統計的有意差を考慮すると
上海、韓国、フィンランド、香港より下だが、
シンガポール、カナダ、ニュージーランド、オーストラリア、
オランダとほぼ同じ、上位4カ国・地域の次に位置。
3年前06年の調査結果では韓国、フィンランド、香港、カナダ、
ニュージーランド、アイルランド、オーストラリア、リヒテンシュタイン、
ポーランド9カ国・地域より下位、
グリアOECD事務総長から、「文章情報を取得し、処理し、統合し、
評価することが最大の課題」と評された。
今回の調査結果は3年前に比べ、明らかに読解力の向上を示しているが、
読解力が重要分野とされた2000年の調査結果に比べ、
「統計的有意差はない」。
2000年の調査では、「1位のフィンランドとは統計的に有意差が認められるが、
上位2位グループに位置する」という結果、このレベルに回復。
数学リテラシーの平均得点は上海、シンガポール、香港、韓国、台北、
フィンランドに次ぐグループで、科学リテラシーは上海、香港、
フィンランドにつぐグループに入っている。
いずれも前回、重点分野だった調査年(数学は03年、理科は06年)に比べ、
調査結果に「統計的有意差はない」とされた。
数学リテラシーは03、06年とも高いレベルを維持していると評価。
科学リテラシーについて、「科学的知識を再現し、科学的証拠を
解釈することにより、結論を導く能力は高い」と評価、
「科学的に探ることができる問題を認識し、科学的探求に必要な要素を
見つけ出すのは苦手」とOECDから指摘。
数学、科学リテラシーとも明確な経年比較は、
それぞれが重点分野となる次の調査結果(数学2012年、科学2015年)を
見ないと分からない。
http://www.scienceportal.jp/news/daily/1012/1012082.html
インサイド:大河流れて 総集編 アジア大会で見えたもの/1
(毎日 11月30日)
中国・広州で開かれた第16回アジア大会は、27日に幕を閉じた。
大会規模は過去最大に膨れあがり、競技では中国が200個に
あと一つに迫る金メダルを獲得。
インドなど新興国の台頭や、国境を越えて流動化する指導者たち、
ビジネス化を図って五輪入りを狙う競技など、新しい動きもある。
中国や韓国に押され、成績不振が目についた日本の今後は--。
大会中に連載した「大河流れて」の総集編として、
今大会を通じて見えてきたアジアスポーツの姿に迫る。
◇ジャイアント・チャイナ
「メダル数で、中国の国力の強さを示した。
独占しているわけではなく、韓国やインドもスピードを持って成長」
アジア大会最終日の27日、大会で史上最多の199個の金メダルを
獲得した中国選手団の段世傑団長は、総括会見で誇らしげに。
同じ時刻、隣の会見場では、前回よりも金メダルを減らした
日本の選手団も会見。
ロイター通信の記者から、「アジア大会は、中国の国内大会
みたいではなかったか」という質問に対し、日本の市原則之団長は、
「中国は非常に強くて、我々は脅威を感じている」と、
率直な意見を述べるしかなかった。
中国は、08年の北京五輪で金メダル51個を獲得、
米国や旧ソ連などに代わって、世界一のスポーツ大国にのし上がった。
全国の体育技術学校を軸に、優秀な選手を集める有名な強化策に加え、
経済の急速な発展を背景に、北京五輪後も外国人指導者の数を
増やすなど、強化への意気込みはまったく弱まっていない。
◆施設規模でも力量
2年前と異なるのは、五輪や世界選手権に出場する
「競技スポーツ」に加え、市民へのスポーツの普及を強調したこと。
中国の新しいスポーツ振興策の一つとされ、
一部のエリート競技者のものでしかなかったスポーツを、
国民に広く普及させようとしている。
段団長は、「さまざまな種目でメダルを取ることは、
国内スポーツの多様性に寄与する。
これまでは、中国のスポーツ文化は低かったが、
若者のスポーツ志向は高まっている」
史上最大規模になった今大会。
施設の規模も、中国のパワーを見せつけるものだった。
バスケットボール会場となった広州国際スポーツアリーナは、
3階までで1万7000人の観客席。
中心地近くにある陸上会場の奥体スタジアムは、
中国の英雄、劉翔が出場した110m障害決勝の時は8万人を収容。
五輪をしのぐような巨大施設の数々に、日本オリンピック委員会の関係者は、
「これを見たら、もう日本でアジア大会を開こう、という都市は
ないんじゃないか」と、冗談とも本気ともとれる口調で話した。
◆仁川も拡大路線か
今大会中、アジア大会の開催をめぐっては、競技を削減したい
アジア・オリンピック評議会(OCA)と開催地の間で、対立が起きた。
OCAは、今大会から実施競技数を減らす方針、
それも広州の意向で実現せず、今大会中に協議した次回の
14年仁川大会でも決定は先送り。
オイルマネーが支えになった前回のドーハ大会に続いて、
広州が巨大市場という資金力をバックに拡大路線を貫いたため、
OCAのアーマド会長は、「(実施競技の)プログラムは、
開催都市が関心を持っているものを入れていけばいい。
開催地が資金を出すのは、その後のインフラ投資にもなる」と、
拡大容認ともとれる発言まで飛び出した。
運営規模、競技力ともに世界トップの力を見せたアジアの巨人、中国。
2年後のロンドン五輪、その後は何に向かおうとしているのか。
段団長は、気になる発言をしている。
「北京五輪で、中国はスポーツ大国になったが、
ロンドン五輪ではスポーツ強国を目指す。
中国のスポーツ力をアピールすることによって、
中国人が持っている素晴らしさを見習ってもらえるからだ」
まるで、スポーツで世界を支配しようというようなコメント。
http://mainichi.jp/enta/sports/general/general/archive/news/2010/11/30/20101130ddm035050051000c.html
中国・広州で開かれた第16回アジア大会は、27日に幕を閉じた。
大会規模は過去最大に膨れあがり、競技では中国が200個に
あと一つに迫る金メダルを獲得。
インドなど新興国の台頭や、国境を越えて流動化する指導者たち、
ビジネス化を図って五輪入りを狙う競技など、新しい動きもある。
中国や韓国に押され、成績不振が目についた日本の今後は--。
大会中に連載した「大河流れて」の総集編として、
今大会を通じて見えてきたアジアスポーツの姿に迫る。
◇ジャイアント・チャイナ
「メダル数で、中国の国力の強さを示した。
独占しているわけではなく、韓国やインドもスピードを持って成長」
アジア大会最終日の27日、大会で史上最多の199個の金メダルを
獲得した中国選手団の段世傑団長は、総括会見で誇らしげに。
同じ時刻、隣の会見場では、前回よりも金メダルを減らした
日本の選手団も会見。
ロイター通信の記者から、「アジア大会は、中国の国内大会
みたいではなかったか」という質問に対し、日本の市原則之団長は、
「中国は非常に強くて、我々は脅威を感じている」と、
率直な意見を述べるしかなかった。
中国は、08年の北京五輪で金メダル51個を獲得、
米国や旧ソ連などに代わって、世界一のスポーツ大国にのし上がった。
全国の体育技術学校を軸に、優秀な選手を集める有名な強化策に加え、
経済の急速な発展を背景に、北京五輪後も外国人指導者の数を
増やすなど、強化への意気込みはまったく弱まっていない。
◆施設規模でも力量
2年前と異なるのは、五輪や世界選手権に出場する
「競技スポーツ」に加え、市民へのスポーツの普及を強調したこと。
中国の新しいスポーツ振興策の一つとされ、
一部のエリート競技者のものでしかなかったスポーツを、
国民に広く普及させようとしている。
段団長は、「さまざまな種目でメダルを取ることは、
国内スポーツの多様性に寄与する。
これまでは、中国のスポーツ文化は低かったが、
若者のスポーツ志向は高まっている」
史上最大規模になった今大会。
施設の規模も、中国のパワーを見せつけるものだった。
バスケットボール会場となった広州国際スポーツアリーナは、
3階までで1万7000人の観客席。
中心地近くにある陸上会場の奥体スタジアムは、
中国の英雄、劉翔が出場した110m障害決勝の時は8万人を収容。
五輪をしのぐような巨大施設の数々に、日本オリンピック委員会の関係者は、
「これを見たら、もう日本でアジア大会を開こう、という都市は
ないんじゃないか」と、冗談とも本気ともとれる口調で話した。
◆仁川も拡大路線か
今大会中、アジア大会の開催をめぐっては、競技を削減したい
アジア・オリンピック評議会(OCA)と開催地の間で、対立が起きた。
OCAは、今大会から実施競技数を減らす方針、
それも広州の意向で実現せず、今大会中に協議した次回の
14年仁川大会でも決定は先送り。
オイルマネーが支えになった前回のドーハ大会に続いて、
広州が巨大市場という資金力をバックに拡大路線を貫いたため、
OCAのアーマド会長は、「(実施競技の)プログラムは、
開催都市が関心を持っているものを入れていけばいい。
開催地が資金を出すのは、その後のインフラ投資にもなる」と、
拡大容認ともとれる発言まで飛び出した。
運営規模、競技力ともに世界トップの力を見せたアジアの巨人、中国。
2年後のロンドン五輪、その後は何に向かおうとしているのか。
段団長は、気になる発言をしている。
「北京五輪で、中国はスポーツ大国になったが、
ロンドン五輪ではスポーツ強国を目指す。
中国のスポーツ力をアピールすることによって、
中国人が持っている素晴らしさを見習ってもらえるからだ」
まるで、スポーツで世界を支配しようというようなコメント。
http://mainichi.jp/enta/sports/general/general/archive/news/2010/11/30/20101130ddm035050051000c.html
4期16年、甘竹大船渡市長が退任 和やかに見送り
(岩手日報 12月3日)大船渡市の甘竹勝郎市長(67)の退任行事は2日、
同市役所で行われた。
職員や市民約300人から、4期16年のねぎらいを受け、
庁舎を後にした。
甘竹市長は、退任記者会見で、
▽旧三陸町との合併
▽重点港湾指定
▽リアスホール整備
▽全国海フェスタ開催
▽財政改革―
を成果として挙げ、「職員と市民の協力でやろうとしていたことは
ほぼ達成できた。日々全力投球で、充実感でいっぱい」と心境。
最も緊迫したのは、今年2月のチリ大地震に伴う大津波警報の発令。
今後は、晴耕雨読の生活を送ると言い、
「市民は大船渡に自信を持ち、羽ばたいてほしい」と願った。
見送りセレモニーは、甘竹市長のおはこで、
見送りセレモニーは、甘竹市長のおはこで、
同市出身の歌手新沼謙治さんの「三陸・大船渡」が流れる中、
職員が胴上げするなど、和やかな雰囲気。
総合学習を生かす(9)就業体験 学ぶ意欲に
(読売 12月3日)
さいたま市内の美容室。
緊張した様子で洗髪しながら、「力加減はどうですか」と聞くのは、
埼玉県立蓮田松韻高校(蓮田市)1年の古川亜依さん(15)。
見守る美容師の坂巻裕美さん(39)から、
「左右の手の力加減を同じにするため、両ひじは突き出して」、
「耳に水が入らないよう手で押さえて」など細かい注意。
同高の1年生は全員、総合学習で就業体験に臨む。
古川さんは、やはり美容に興味のある同級生の中谷馨さん(15)と
2人で5日間、美容室に通った。
仕事は掃除などの雑用だが、洗髪なども教えてもらい、
最終日のこの日は、佐藤智明教頭(47)を実験台に成果を試していた。
「髪を洗うのが、こんなに大変と思わなかった。腰も痛い」、
「タオルの巻き方も、細かい配慮があった」と苦労を語る2人。
坂巻さんは、「華やかさややりがいの一方で、厳しさもあることを
学んでもらえたのでは」
就業体験は、前身の旧県立蓮田高校時代の4年前、
中途退学者の減少を目指して始まった。
柿岡文彦校長(59)は、「働く厳しさを知り、自分の将来を
具体的に見つめ、高校で学ぶ自覚を持ってもらうため」と狙い。
生徒の大半が、就職や専門学校進学を希望していることもあり、
受け入れ先には、「見学ではなく、就労させてほしい。
厳しい指導も結構です」と依頼。
当初12%を超えた退学率は半減したが、目的意識がないまま
入学する生徒は依然多く、就業体験も一筋縄には行かない。
「あいさつができない」、「働く意識が低い」などと、
その後の受け入れを拒否されたことも。
今年は、1年生234人がスーパーや農家など74か所に行ったが、
福祉施設に行ったある生徒は、休憩するよう指示され、
職員に声をかけられるまで、2時間も部屋から出てこなかった。
仕事に戻るよう指示がなかったからだと。
とはいえ、効果は少しずつ表れている。
佐藤教頭は、「社会の厳しさを知り、生徒の多くが
高校はきちんと卒業しようと考えるようになる。
将来のことを、親子で話すきっかけにもなっている」
修理工場で、計器の修理をした横山勇斗さん(16)は、
「ずっと同じ作業でつらかったが、どの仕事も責任を持って
やらなければいけないということが分かった」
働く尊さを知ることが、意欲ある高校生活につながっている。
◆就業体験
学生が在学中に、民間企業などで就業を体験すること。
インターンシップともいう。
国立教育政策研究所の調査によると、2009年度は
全国の公立中学校の約95%、高校(全日制・定時制)の約71%が実施。
中学校は、「原則として全員参加」だが、体験した高校生の割合は
全体の約29%にとどまっている。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20101203-OYT8T00195.htm
さいたま市内の美容室。
緊張した様子で洗髪しながら、「力加減はどうですか」と聞くのは、
埼玉県立蓮田松韻高校(蓮田市)1年の古川亜依さん(15)。
見守る美容師の坂巻裕美さん(39)から、
「左右の手の力加減を同じにするため、両ひじは突き出して」、
「耳に水が入らないよう手で押さえて」など細かい注意。
同高の1年生は全員、総合学習で就業体験に臨む。
古川さんは、やはり美容に興味のある同級生の中谷馨さん(15)と
2人で5日間、美容室に通った。
仕事は掃除などの雑用だが、洗髪なども教えてもらい、
最終日のこの日は、佐藤智明教頭(47)を実験台に成果を試していた。
「髪を洗うのが、こんなに大変と思わなかった。腰も痛い」、
「タオルの巻き方も、細かい配慮があった」と苦労を語る2人。
坂巻さんは、「華やかさややりがいの一方で、厳しさもあることを
学んでもらえたのでは」
就業体験は、前身の旧県立蓮田高校時代の4年前、
中途退学者の減少を目指して始まった。
柿岡文彦校長(59)は、「働く厳しさを知り、自分の将来を
具体的に見つめ、高校で学ぶ自覚を持ってもらうため」と狙い。
生徒の大半が、就職や専門学校進学を希望していることもあり、
受け入れ先には、「見学ではなく、就労させてほしい。
厳しい指導も結構です」と依頼。
当初12%を超えた退学率は半減したが、目的意識がないまま
入学する生徒は依然多く、就業体験も一筋縄には行かない。
「あいさつができない」、「働く意識が低い」などと、
その後の受け入れを拒否されたことも。
今年は、1年生234人がスーパーや農家など74か所に行ったが、
福祉施設に行ったある生徒は、休憩するよう指示され、
職員に声をかけられるまで、2時間も部屋から出てこなかった。
仕事に戻るよう指示がなかったからだと。
とはいえ、効果は少しずつ表れている。
佐藤教頭は、「社会の厳しさを知り、生徒の多くが
高校はきちんと卒業しようと考えるようになる。
将来のことを、親子で話すきっかけにもなっている」
修理工場で、計器の修理をした横山勇斗さん(16)は、
「ずっと同じ作業でつらかったが、どの仕事も責任を持って
やらなければいけないということが分かった」
働く尊さを知ることが、意欲ある高校生活につながっている。
◆就業体験
学生が在学中に、民間企業などで就業を体験すること。
インターンシップともいう。
国立教育政策研究所の調査によると、2009年度は
全国の公立中学校の約95%、高校(全日制・定時制)の約71%が実施。
中学校は、「原則として全員参加」だが、体験した高校生の割合は
全体の約29%にとどまっている。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20101203-OYT8T00195.htm
2010年12月9日木曜日
日立がHDDやエアコンからレアアース回収技術開発
(サイエンスポータル 2010年12月7日)
使用済みのハードディスクドライブ(HDD)のモータやエアコンなどの
コンプレッサーから、レアアース磁石をリサイクルする技術を、
日立製作所が開発。
コストや回収率を試算した上で、2013年をめどに
リサイクルの本格稼動を目指す。
レアアース磁石は、強い磁力を持たせるためネオジムを、
耐熱性能向上のため、ジスプロシウムを鉄に加えた合金。
ネオジム、ジスプロシウムはレアアースと呼ばれ、
産出量の約97%を中国が占め、
資源確保の観点からにわかに大きな問題。
日立が開発した技術は、レアアース磁石の分離・回収の効率が
HDDの場合、現在の手作業より約8倍高く、従来、分解が困難だった
コンプレッサーについても、新たに切断装置や脱磁装置などを開発し、
高効率で安全な分離・回収を可能。
HDDの分解装置は、振動を与えてネジをゆるませる方法を採用。
コンプレッサーは、切断装置と抜き取り装置で、
レアアース磁石を含むローター(回転子)を分離、
その後振動を与えてレアアース磁石だけを分離・回収する。
レアアース磁石からのネオジムとジスプロシウムの抽出は、
岡部徹・東京大学生産技術研究所教授との共同研究で、
酸などの化学薬品を使わない、新たなレアアース抽出技術の実験に成功。
ネオジムやジスプロシウムと親和性の高い特定の抽出媒体を用い、
最終的に加熱して抽出媒体を蒸留させることで、
レアアースの合金だけを取り出すことができる。
この技術開発成果は、経済産業省の
「平成21年度新資源循環推進事業費補助金
(都市資源循環推進事業-高性能磁石モータ等からの
レアアースリサイクル技術開発)」を受け、
昨年10月から開発を始めた結果、得られた。
http://www.scienceportal.jp/news/daily/1012/1012071.html
使用済みのハードディスクドライブ(HDD)のモータやエアコンなどの
コンプレッサーから、レアアース磁石をリサイクルする技術を、
日立製作所が開発。
コストや回収率を試算した上で、2013年をめどに
リサイクルの本格稼動を目指す。
レアアース磁石は、強い磁力を持たせるためネオジムを、
耐熱性能向上のため、ジスプロシウムを鉄に加えた合金。
ネオジム、ジスプロシウムはレアアースと呼ばれ、
産出量の約97%を中国が占め、
資源確保の観点からにわかに大きな問題。
日立が開発した技術は、レアアース磁石の分離・回収の効率が
HDDの場合、現在の手作業より約8倍高く、従来、分解が困難だった
コンプレッサーについても、新たに切断装置や脱磁装置などを開発し、
高効率で安全な分離・回収を可能。
HDDの分解装置は、振動を与えてネジをゆるませる方法を採用。
コンプレッサーは、切断装置と抜き取り装置で、
レアアース磁石を含むローター(回転子)を分離、
その後振動を与えてレアアース磁石だけを分離・回収する。
レアアース磁石からのネオジムとジスプロシウムの抽出は、
岡部徹・東京大学生産技術研究所教授との共同研究で、
酸などの化学薬品を使わない、新たなレアアース抽出技術の実験に成功。
ネオジムやジスプロシウムと親和性の高い特定の抽出媒体を用い、
最終的に加熱して抽出媒体を蒸留させることで、
レアアースの合金だけを取り出すことができる。
この技術開発成果は、経済産業省の
「平成21年度新資源循環推進事業費補助金
(都市資源循環推進事業-高性能磁石モータ等からの
レアアースリサイクル技術開発)」を受け、
昨年10月から開発を始めた結果、得られた。
http://www.scienceportal.jp/news/daily/1012/1012071.html
インタビュー・環境戦略を語る:キリンビール・松沢幸一社長
(毎日 11月29日)
キリンビールは今年、自然環境保護のため、
12年のCO2排出量を、90年比で60%削減する目標。
食品メーカーにとって、環境保護活動は、消費者の環境志向に
応えるとともに、原料の天然資源の保全にもつながる。
計画の旗振り役である松沢幸一社長に聞いた。
-意欲的な目標を掲げている。
◆環境に対する社会の意識が変化し、企業は商品を販売して
利益を得るだけでは通用しない時代に。
環境保護活動は、「経営課題の一つ」との認識のもと、
ビール製造などと同じ「事業」として取り組むことにした。
環境保護のための設備更新など投資も必要になるので、
経営陣でリーダーシップをとっている。
-具体的な取り組みは?
◆製造、物流などそれぞれの段階で、CO2排出削減に取り組んでいる。
製造部門では、仕込み工程などで使用するボイラーを、
効率の良い小型のものに変え、燃料も重油からCO2排出量の少ない
天然ガスへの転換を進めている。
今年1月、約200億円を投資して最新設備を導入した
滋賀工場(滋賀県多賀町)は、使用するエネルギーも従来の約3分の1。
各工場で節水にも取り組んでおり、以前はビール1Lを作るのに
15L必要だった水が、現在は6Lで済む。
-配送、物流面では?
◆今年6月から、仙台工場から青森、秋田県の卸業者への
出荷は、トラックから貨物列車を使うモーダルシフトに切り替えた。
今年から一部の地域で製缶メーカーと協力し、製品を詰める前の空缶を
運んできたトラックに製品を積んで帰ってもらうようにした。
トラック輸送を、なるべく減らすように努力。
-自然保護にも取り組んでいる。
◆99年から、ビールの水源となる森林を保全するため、
工場の上流や周辺の森林の計17カ所で、植林活動に取り組んでいる。
社員だけでなく、地域の方々にも協力してもらい、
植林や樹木の枝打ちなどを行っている。
この活動は、参加した社員のエコ意識向上にも役立っている。
-今後取り組みたい活動は?
◆環境省が、環境保全に積極的に取り組む企業を認定する
「エコ・ファースト企業」に、08年に製造業として初めて選ばれた。
現在、エコ・ファースト企業で作る「エコ・ファースト推進協議会」の
議長を務めている。
協議会には、ビックカメラやユニーなど、さまざまな業種の企業が
参加し、加盟企業で業界を超えたキャンペーンなど、
共同事業を展開できればと考えている。
==============
◇まつざわ・こういち
北海道大大学院農学研究科修士課程修了、73年キリンビール入社。
常務生産本部生産統轄部長、キリンホールディングス常務などを経て、
09年3月から現職。61歳。
http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2010/11/29/20101129ddm008020006000c.html
キリンビールは今年、自然環境保護のため、
12年のCO2排出量を、90年比で60%削減する目標。
食品メーカーにとって、環境保護活動は、消費者の環境志向に
応えるとともに、原料の天然資源の保全にもつながる。
計画の旗振り役である松沢幸一社長に聞いた。
-意欲的な目標を掲げている。
◆環境に対する社会の意識が変化し、企業は商品を販売して
利益を得るだけでは通用しない時代に。
環境保護活動は、「経営課題の一つ」との認識のもと、
ビール製造などと同じ「事業」として取り組むことにした。
環境保護のための設備更新など投資も必要になるので、
経営陣でリーダーシップをとっている。
-具体的な取り組みは?
◆製造、物流などそれぞれの段階で、CO2排出削減に取り組んでいる。
製造部門では、仕込み工程などで使用するボイラーを、
効率の良い小型のものに変え、燃料も重油からCO2排出量の少ない
天然ガスへの転換を進めている。
今年1月、約200億円を投資して最新設備を導入した
滋賀工場(滋賀県多賀町)は、使用するエネルギーも従来の約3分の1。
各工場で節水にも取り組んでおり、以前はビール1Lを作るのに
15L必要だった水が、現在は6Lで済む。
-配送、物流面では?
◆今年6月から、仙台工場から青森、秋田県の卸業者への
出荷は、トラックから貨物列車を使うモーダルシフトに切り替えた。
今年から一部の地域で製缶メーカーと協力し、製品を詰める前の空缶を
運んできたトラックに製品を積んで帰ってもらうようにした。
トラック輸送を、なるべく減らすように努力。
-自然保護にも取り組んでいる。
◆99年から、ビールの水源となる森林を保全するため、
工場の上流や周辺の森林の計17カ所で、植林活動に取り組んでいる。
社員だけでなく、地域の方々にも協力してもらい、
植林や樹木の枝打ちなどを行っている。
この活動は、参加した社員のエコ意識向上にも役立っている。
-今後取り組みたい活動は?
◆環境省が、環境保全に積極的に取り組む企業を認定する
「エコ・ファースト企業」に、08年に製造業として初めて選ばれた。
現在、エコ・ファースト企業で作る「エコ・ファースト推進協議会」の
議長を務めている。
協議会には、ビックカメラやユニーなど、さまざまな業種の企業が
参加し、加盟企業で業界を超えたキャンペーンなど、
共同事業を展開できればと考えている。
==============
◇まつざわ・こういち
北海道大大学院農学研究科修士課程修了、73年キリンビール入社。
常務生産本部生産統轄部長、キリンホールディングス常務などを経て、
09年3月から現職。61歳。
http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2010/11/29/20101129ddm008020006000c.html
総合学習を生かす(8)地元PR 自作パレード
(読売 12月2日)
「ほいっと、ほいっと」のかけ声とともに、
浴衣や法被姿の中学生たちが歩く。
観光名所で知られる京都・嵐山のふもとにある中ノ島公園。
京都市立嵯峨中学校の生徒約250人が、恒例のパレードを行った。
約2・5kmを3時間近くかけて歩き、太鼓の演奏やダンスを披露したり、
10年前の第1回から引き継がれる手作りのみこしを担ぎ出したり。
5月に行われる伝統の「嵯峨祭」に似ているが、
こちらは生徒たちがメッセージを掲げている。
実はこのパレード、同中の総合学習の発表の場の一つ。
総合学習では、3年の時、「嵯峨嵐山に人を呼ぼう」をテーマに、
観光振興や環境保全に1年間かけて取り組んでいる。
パレードで、生徒が手にするのぼりに書かれた
「古都の風 京の誇り 今 返り咲く」、
「京の都 我らが誇る 嵯峨の町」などの標語は、各組ごとに考えたもの。
沿道の人に再生紙で作ったはがきを配ったり、沿道のゴミを拾ったりと、
様々な方法で、「観光」と「環境」を訴えた。
多くの観光客がカメラを向けるパレードでは、生徒一人ひとりが主役。
「校外でのPRは、生徒の自信につながる」と宮崎幹也校長(58)。
3年の仲北大朗君(15)は、
「僕たちの活動が、観光の一端になったらうれしい」
パレード以外の校外活動も好評。
環境保全では、大堰川にかかる渡月橋の近くで、
外来種の水草オオカナダモの除去やゴミ拾いを行う。
観光振興では、地元の商店街と協力し、毎年数量限定で
土産物の新商品を企画。
昨年度は、舞妓さんの顔を絵柄にしたポーチ「舞ポーチ」(1000円)
300個を完売、生徒たちは確かな手応えを感じた。
約10年前の同中は、校内暴力などで荒れていたが、
地域と連携した総合学習で改善した。
みこしを指導してくれる嵯峨祭奉賛会のメンバーなどとの交流が、
地域への誇りを高めるなど、生徒の意識変化をもたらした。
「人のためになっている」という「自己有用感」は、
学習面でも効果をもたらし、全国学力テストでは平均点を上回る。
今では、家庭で学校の出来事について話す生徒も多く、
アンケートでは全国平均57・8%に対し、63・1%、
特にパレード後の11月は65・1%に上る。
観光地を盛り上げる取り組みが、確かな学びにつながっている。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20101202-OYT8T00167.htm
「ほいっと、ほいっと」のかけ声とともに、
浴衣や法被姿の中学生たちが歩く。
観光名所で知られる京都・嵐山のふもとにある中ノ島公園。
京都市立嵯峨中学校の生徒約250人が、恒例のパレードを行った。
約2・5kmを3時間近くかけて歩き、太鼓の演奏やダンスを披露したり、
10年前の第1回から引き継がれる手作りのみこしを担ぎ出したり。
5月に行われる伝統の「嵯峨祭」に似ているが、
こちらは生徒たちがメッセージを掲げている。
実はこのパレード、同中の総合学習の発表の場の一つ。
総合学習では、3年の時、「嵯峨嵐山に人を呼ぼう」をテーマに、
観光振興や環境保全に1年間かけて取り組んでいる。
パレードで、生徒が手にするのぼりに書かれた
「古都の風 京の誇り 今 返り咲く」、
「京の都 我らが誇る 嵯峨の町」などの標語は、各組ごとに考えたもの。
沿道の人に再生紙で作ったはがきを配ったり、沿道のゴミを拾ったりと、
様々な方法で、「観光」と「環境」を訴えた。
多くの観光客がカメラを向けるパレードでは、生徒一人ひとりが主役。
「校外でのPRは、生徒の自信につながる」と宮崎幹也校長(58)。
3年の仲北大朗君(15)は、
「僕たちの活動が、観光の一端になったらうれしい」
パレード以外の校外活動も好評。
環境保全では、大堰川にかかる渡月橋の近くで、
外来種の水草オオカナダモの除去やゴミ拾いを行う。
観光振興では、地元の商店街と協力し、毎年数量限定で
土産物の新商品を企画。
昨年度は、舞妓さんの顔を絵柄にしたポーチ「舞ポーチ」(1000円)
300個を完売、生徒たちは確かな手応えを感じた。
約10年前の同中は、校内暴力などで荒れていたが、
地域と連携した総合学習で改善した。
みこしを指導してくれる嵯峨祭奉賛会のメンバーなどとの交流が、
地域への誇りを高めるなど、生徒の意識変化をもたらした。
「人のためになっている」という「自己有用感」は、
学習面でも効果をもたらし、全国学力テストでは平均点を上回る。
今では、家庭で学校の出来事について話す生徒も多く、
アンケートでは全国平均57・8%に対し、63・1%、
特にパレード後の11月は65・1%に上る。
観光地を盛り上げる取り組みが、確かな学びにつながっている。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20101202-OYT8T00167.htm
水沢鋳物組合が台湾出展へ 今月の国際博覧会
(岩手日報 12月2日)
水沢鋳物工業協同組合(及川敬理事長)は、
台湾・台北市で開かれる台湾国際茶葉博覧会に、
南部鉄瓶を出展する。
企業単位で海外の商談会に参加する例はあるが、
組合として国際博覧会に出展するのは初めて。
同博覧会は、茶や茶具などを展示販売、商談を行う事実上の見本市。
茶湯に適した南部鉄瓶は台湾や香港、中国で人気が出ており、
アジア戦略を加速させる。
同組合が出展するのは、南部鉄瓶80点、急須30点の計110点。
展示販売のほか、現地の茶業者との商談をメーンに、
茶湯に適した製品の魅力を現地のバイヤーなどに売り込む。
同組合によると、南部鉄器は台湾の出版社が同組合などを
取材して発刊した冊子のPR効果で、知名度を上げている。
6月、東京都内で開かれた見本市でも、鉄瓶は例年以上に
台湾人のニーズが高かったため、今回の出展に踏み切った。
今年の上海万博では、県と中国上海市の上海大可堂茶業有限公司、
雲南省プーアル市の3者の共同ブースで、プーアル茶に適した
南部鉄瓶を世界に発信。
アジアで、人気は高まりつつある。
「南部鉄器は、本県の海外展開の重要品目」
(福沢淳一県産業経済交流課総括課長)だけに、
組合として海外に打って出る試みが注目。
博覧会は24日から3日間、台北市内の展示ホールで行われ、
数万人の来場が見込まれる。
同組合は、及川理事長ら6人がセールス展開する計画。
同組合の後藤安彦事務局長は、
「この機会に台湾、中国、香港で人気が高まっている南部鉄瓶を
大いにPRし、販路拡大したい」
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20101202_5
水沢鋳物工業協同組合(及川敬理事長)は、
台湾・台北市で開かれる台湾国際茶葉博覧会に、
南部鉄瓶を出展する。
企業単位で海外の商談会に参加する例はあるが、
組合として国際博覧会に出展するのは初めて。
同博覧会は、茶や茶具などを展示販売、商談を行う事実上の見本市。
茶湯に適した南部鉄瓶は台湾や香港、中国で人気が出ており、
アジア戦略を加速させる。
同組合が出展するのは、南部鉄瓶80点、急須30点の計110点。
展示販売のほか、現地の茶業者との商談をメーンに、
茶湯に適した製品の魅力を現地のバイヤーなどに売り込む。
同組合によると、南部鉄器は台湾の出版社が同組合などを
取材して発刊した冊子のPR効果で、知名度を上げている。
6月、東京都内で開かれた見本市でも、鉄瓶は例年以上に
台湾人のニーズが高かったため、今回の出展に踏み切った。
今年の上海万博では、県と中国上海市の上海大可堂茶業有限公司、
雲南省プーアル市の3者の共同ブースで、プーアル茶に適した
南部鉄瓶を世界に発信。
アジアで、人気は高まりつつある。
「南部鉄器は、本県の海外展開の重要品目」
(福沢淳一県産業経済交流課総括課長)だけに、
組合として海外に打って出る試みが注目。
博覧会は24日から3日間、台北市内の展示ホールで行われ、
数万人の来場が見込まれる。
同組合は、及川理事長ら6人がセールス展開する計画。
同組合の後藤安彦事務局長は、
「この機会に台湾、中国、香港で人気が高まっている南部鉄瓶を
大いにPRし、販路拡大したい」
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20101202_5
2010年12月8日水曜日
糖尿病の「元」、突き止めた…京大チーム
(2010年12月6日 読売新聞)
血糖値を下げるインスリンの分泌や働きを妨げ、
糖尿病発症の原因になる体内物質を、
京都大ウイルス研究所の増谷弘准教授、吉原栄治研究員らが突き止め、
科学誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」に発表。
この物質を減らす薬を開発すれば、新薬として期待できる。
この体内物質は、細胞の核にあるTBP2というたんぱく質。
吉原研究員らは、遺伝子を操作してTBP2を持たないマウスを誕生。
マウスは、膵臓のβ細胞から分泌されるインスリンの量が
約1・5倍に増加。
いくら食べて太っても、血糖値が正常に保たれ、糖尿病にならなくなった。
普通のマウスは、3日間絶食させても平気だったが、
TBP2を持たないマウスは9割が死んだ。
TBP2は、食べるものがなくても血糖値が下がりすぎないようにし、
生命を維持するために働いているらしい。
増谷准教授は、「かつては生存に欠かせない物質だったが、
飽食の時代を迎え、病気の原因になってしまったのだろう」
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/12/6/129367/
血糖値を下げるインスリンの分泌や働きを妨げ、
糖尿病発症の原因になる体内物質を、
京都大ウイルス研究所の増谷弘准教授、吉原栄治研究員らが突き止め、
科学誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」に発表。
この物質を減らす薬を開発すれば、新薬として期待できる。
この体内物質は、細胞の核にあるTBP2というたんぱく質。
吉原研究員らは、遺伝子を操作してTBP2を持たないマウスを誕生。
マウスは、膵臓のβ細胞から分泌されるインスリンの量が
約1・5倍に増加。
いくら食べて太っても、血糖値が正常に保たれ、糖尿病にならなくなった。
普通のマウスは、3日間絶食させても平気だったが、
TBP2を持たないマウスは9割が死んだ。
TBP2は、食べるものがなくても血糖値が下がりすぎないようにし、
生命を維持するために働いているらしい。
増谷准教授は、「かつては生存に欠かせない物質だったが、
飽食の時代を迎え、病気の原因になってしまったのだろう」
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/12/6/129367/
いのちの灯文化賞 旧沢内村の高齢者医療費無料化半世紀を記念 NPOが創設
(2010年12月4日 毎日新聞社)
故深沢晟雄村長の下、旧沢内村(現西和賀町)が、
高齢者の医療費無料化を実施、今年で50年を迎えたことを受け、
同町の2NPO法人が、生命を尊重する活動をしている
個人や団体に贈る「いのちの灯文化賞」を創設。
第1回の受賞者には、一関市在住の作家で、
伝記「村長ありき」等の著作を通じ、深沢氏の理念を全国に伝えた、
及川和男さん(77)が選ばれた。
賞を創設したのは、輝け「いのち」ネットワークと、深沢晟雄の会。
1961年、60歳以上と1歳未満の乳児の医療費を無料化し、
翌年には全国の自治体で初めて乳児死亡率0を達成するなどした
事績の伝承などをしている両団体が、今年1月ごろから検討を始めた。
いのちネットの高橋典成理事は、児童虐待死や自殺の増加などの
問題から、「自分の力だけで生きていけない人たちに、
手を差しのべられない社会になってきている」
表彰を、命を大切にする社会をつくるきっかけにしようと考えた。
初回の受賞者には、著作で深沢氏の実績を広めたことを評価し、
及川さんを選んだ。
及川さんは、県内で銀行員をしながら同人誌などに寄稿していた
60年代初め、旧沢内村の業績を知った。
自身も、県北の無医村で幼少期を過ごしたことから感動。
「いつか深沢村長について本を書きたい」と思うようになった。
銀行を退職後、82年から約2年をかけて取材を重ね、
「村長ありき」を書き上げた。
出版社を変えながら3度出版、多くの読者を獲得し、
深沢村長の奮闘を描く映画「いのちの山河」(09年)の原作に。
授賞を受けて、及川さんは、「人間の生命が軽く扱われるようになった
現代社会では、生命尊重はより重要度を増している。
今後も沢内の理念を広げたい」
授賞式は4日午後1時から、西和賀町沢内の「深沢晟雄資料館」で。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/12/6/129314/
故深沢晟雄村長の下、旧沢内村(現西和賀町)が、
高齢者の医療費無料化を実施、今年で50年を迎えたことを受け、
同町の2NPO法人が、生命を尊重する活動をしている
個人や団体に贈る「いのちの灯文化賞」を創設。
第1回の受賞者には、一関市在住の作家で、
伝記「村長ありき」等の著作を通じ、深沢氏の理念を全国に伝えた、
及川和男さん(77)が選ばれた。
賞を創設したのは、輝け「いのち」ネットワークと、深沢晟雄の会。
1961年、60歳以上と1歳未満の乳児の医療費を無料化し、
翌年には全国の自治体で初めて乳児死亡率0を達成するなどした
事績の伝承などをしている両団体が、今年1月ごろから検討を始めた。
いのちネットの高橋典成理事は、児童虐待死や自殺の増加などの
問題から、「自分の力だけで生きていけない人たちに、
手を差しのべられない社会になってきている」
表彰を、命を大切にする社会をつくるきっかけにしようと考えた。
初回の受賞者には、著作で深沢氏の実績を広めたことを評価し、
及川さんを選んだ。
及川さんは、県内で銀行員をしながら同人誌などに寄稿していた
60年代初め、旧沢内村の業績を知った。
自身も、県北の無医村で幼少期を過ごしたことから感動。
「いつか深沢村長について本を書きたい」と思うようになった。
銀行を退職後、82年から約2年をかけて取材を重ね、
「村長ありき」を書き上げた。
出版社を変えながら3度出版、多くの読者を獲得し、
深沢村長の奮闘を描く映画「いのちの山河」(09年)の原作に。
授賞を受けて、及川さんは、「人間の生命が軽く扱われるようになった
現代社会では、生命尊重はより重要度を増している。
今後も沢内の理念を広げたい」
授賞式は4日午後1時から、西和賀町沢内の「深沢晟雄資料館」で。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/12/6/129314/
総合学習を生かす(7)地域ボランティアが講師
(読売 12月1日)
伊達政宗の正室・愛姫、自由民権運動で知られる
元衆議院議長の河野広中……。
郷土の偉人ゆかりの史跡の写真が、スクリーンに映し出される。
福島県三春町立三春小学校6年生の総合学習の時間で、
「三春の歴史を学ぼう」と題した授業。
講師を務めたのは、平安時代の将軍、坂上田村麻呂伝説を生かし、
地元の田村郡で観光振興に取り組む田村歴史観光協議会副会長の
影山勝夫さん(66)。
戦国時代から現代に至るまでの歴史を、1時間以上も熱っぽく語り、
「54年前、自分も地元の人から城下町・三春町のことを習った。
みなさんも、三春町を誇りにしてください」と訴えた。
同小が掲げる総合学習のテーマは、「三春大好き」で、
学年別に郷土・福祉(3年)、国際理解(4年)、自然・環境(5年)と
切り口が違う。
6年生は、歴史・文化という視点の
「これまでの三春町を見つめて未来を考える」
総合学習を支えているのは、地域ボランティア。
昨年度は100人以上の校外講師が、戦争体験を語ったり
伝統の太鼓を指導したりした。
講師の話は教科書より説得力があり、児童だけでなく
教師も勉強になると好評。
高橋正美校長(58)は、「講師は総合学習に欠かせない存在。
街の色々な人と児童がかかわりを持てる」
100人を超える地域ボランティアの人選を行うのは、
「三春小学校学習支援ボランティアコーディネーター会」(通称サンボラ)。
「学校で教えたい」と思っていた地域のボランティアが、
2003年の総合学習開始に合わせて作った組織。
サンボラは、PTAや地域の学識経験者で作る学校運営協議会とは
別組織で、現在のメンバー10人は元PTAや町のボランティア関係者。
教師と一緒に、年度初めに年間計画を立てた後、
奇数月の第3火曜日に会合を開き、総合学習の授業内容を練り、
校外から招く講師の人選を行う。
設立当初からサンボラという降矢由美子さん(60)は、
「児童から手紙をもらったり、町であいさつされたりする。
参加するのは楽しい」
総合学習の講師は人気で、お呼びがかからないと、
「何で声がかからないのか」とボランティアから電話がかかることも。
地域のボランティアの積極参加が、総合学習を実りの多いものにしている。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20101201-OYT8T00263.htm
伊達政宗の正室・愛姫、自由民権運動で知られる
元衆議院議長の河野広中……。
郷土の偉人ゆかりの史跡の写真が、スクリーンに映し出される。
福島県三春町立三春小学校6年生の総合学習の時間で、
「三春の歴史を学ぼう」と題した授業。
講師を務めたのは、平安時代の将軍、坂上田村麻呂伝説を生かし、
地元の田村郡で観光振興に取り組む田村歴史観光協議会副会長の
影山勝夫さん(66)。
戦国時代から現代に至るまでの歴史を、1時間以上も熱っぽく語り、
「54年前、自分も地元の人から城下町・三春町のことを習った。
みなさんも、三春町を誇りにしてください」と訴えた。
同小が掲げる総合学習のテーマは、「三春大好き」で、
学年別に郷土・福祉(3年)、国際理解(4年)、自然・環境(5年)と
切り口が違う。
6年生は、歴史・文化という視点の
「これまでの三春町を見つめて未来を考える」
総合学習を支えているのは、地域ボランティア。
昨年度は100人以上の校外講師が、戦争体験を語ったり
伝統の太鼓を指導したりした。
講師の話は教科書より説得力があり、児童だけでなく
教師も勉強になると好評。
高橋正美校長(58)は、「講師は総合学習に欠かせない存在。
街の色々な人と児童がかかわりを持てる」
100人を超える地域ボランティアの人選を行うのは、
「三春小学校学習支援ボランティアコーディネーター会」(通称サンボラ)。
「学校で教えたい」と思っていた地域のボランティアが、
2003年の総合学習開始に合わせて作った組織。
サンボラは、PTAや地域の学識経験者で作る学校運営協議会とは
別組織で、現在のメンバー10人は元PTAや町のボランティア関係者。
教師と一緒に、年度初めに年間計画を立てた後、
奇数月の第3火曜日に会合を開き、総合学習の授業内容を練り、
校外から招く講師の人選を行う。
設立当初からサンボラという降矢由美子さん(60)は、
「児童から手紙をもらったり、町であいさつされたりする。
参加するのは楽しい」
総合学習の講師は人気で、お呼びがかからないと、
「何で声がかからないのか」とボランティアから電話がかかることも。
地域のボランティアの積極参加が、総合学習を実りの多いものにしている。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20101201-OYT8T00263.htm
コンビ、乳酸菌EC-12にインフルエンザに対する有効性を確認
(日経ヘルス 11月5日)
ベビー用品などの開発・販売を行うコンビは、
同社開発の滅菌乳酸菌EC-12に、インフルエンザウイルス感染後の
治癒促進効果を確認。
富山大学大学院医学薬学研究部生薬学研究室の林利光教授との
共同研究で、食品開発展2010で発表。
EC-12は、乳酸菌の一種、フェーカリス菌を殺菌処理したもの。
これまでにヒトを対象とした試験で、整腸作用、免疫賦活による
アトピー性皮膚炎・接触性皮膚炎などの改善作用が確認、
動物試験でリステリア菌や薬剤耐性菌などに対する有効性も報告、
この乳酸菌を配合した食品は、
ロート製薬や久光製薬など数社から販売。
今回の研究は、インフルエンザウイルスに対する有効性を
確認するためのもの。
EC-12を投与したマウスをA型インフルエンザウイルス(H1N1型亜型)に
感染させ、その後の体重の変化、肺や気道のウイルス量、
抗体の産生量などを測定。
マウスは、感染7日前から感染後7日目まで「EC-12を1mg投与した群」、
「EC-12を5mg投与した群」のほか、「何も投与しなかった群」、
「感染後に抗インフルエンザ薬オセルタミビルを投与した群」も観察、
マウスは各10匹ずつ。
その結果、オセルタミビル以外の3群では、感染3日目から
体重減少が見られ、EC-12を投与した2群は非投与群に比べ、
体重減少が少なかった。
非投与群では、その後も体重減少が続いたのに比べ、
EC-12群では4日目から体重回復の傾向。
感染3日後、気道を洗浄してウイルス量を比較、
EC-12投与群では非投与群に比べ、有意にウイルス量が少なかった。
これらの結果から、「EC-12がウイルスの増殖を抑制したと考えられる」と
同社ファンクショナルフーズ事業部営業管理グループ技術担当の
伊地知哲生主任。
感染から14日後、気道中のウイルス中和抗体価を調べたところ、
EC-12を5mg投与群の抗体価は、非投与群やオセルタミビル投与群に比べ、
有意に高い。
「EC-12が、ウイルスに対する抗体産生を高めた可能性がある。
ウイルスが体内である程度増殖すると、それに対抗するため、
体内で抗体が作られる。
抗インフルエンザ薬は、感染直後にウイルス増殖を強力に抑制、
抗体価はさほど上がらなかった。
さまざまな感染症を予防するという視点では、
EC-12のような免疫を賦活する食品成分の利用が有効なのでは」
(伊地知主任)と、今後の需要拡大が期待。
http://nhpro.nikkeibp.co.jp/article/nhpro/20101105/109129/
ベビー用品などの開発・販売を行うコンビは、
同社開発の滅菌乳酸菌EC-12に、インフルエンザウイルス感染後の
治癒促進効果を確認。
富山大学大学院医学薬学研究部生薬学研究室の林利光教授との
共同研究で、食品開発展2010で発表。
EC-12は、乳酸菌の一種、フェーカリス菌を殺菌処理したもの。
これまでにヒトを対象とした試験で、整腸作用、免疫賦活による
アトピー性皮膚炎・接触性皮膚炎などの改善作用が確認、
動物試験でリステリア菌や薬剤耐性菌などに対する有効性も報告、
この乳酸菌を配合した食品は、
ロート製薬や久光製薬など数社から販売。
今回の研究は、インフルエンザウイルスに対する有効性を
確認するためのもの。
EC-12を投与したマウスをA型インフルエンザウイルス(H1N1型亜型)に
感染させ、その後の体重の変化、肺や気道のウイルス量、
抗体の産生量などを測定。
マウスは、感染7日前から感染後7日目まで「EC-12を1mg投与した群」、
「EC-12を5mg投与した群」のほか、「何も投与しなかった群」、
「感染後に抗インフルエンザ薬オセルタミビルを投与した群」も観察、
マウスは各10匹ずつ。
その結果、オセルタミビル以外の3群では、感染3日目から
体重減少が見られ、EC-12を投与した2群は非投与群に比べ、
体重減少が少なかった。
非投与群では、その後も体重減少が続いたのに比べ、
EC-12群では4日目から体重回復の傾向。
感染3日後、気道を洗浄してウイルス量を比較、
EC-12投与群では非投与群に比べ、有意にウイルス量が少なかった。
これらの結果から、「EC-12がウイルスの増殖を抑制したと考えられる」と
同社ファンクショナルフーズ事業部営業管理グループ技術担当の
伊地知哲生主任。
感染から14日後、気道中のウイルス中和抗体価を調べたところ、
EC-12を5mg投与群の抗体価は、非投与群やオセルタミビル投与群に比べ、
有意に高い。
「EC-12が、ウイルスに対する抗体産生を高めた可能性がある。
ウイルスが体内である程度増殖すると、それに対抗するため、
体内で抗体が作られる。
抗インフルエンザ薬は、感染直後にウイルス増殖を強力に抑制、
抗体価はさほど上がらなかった。
さまざまな感染症を予防するという視点では、
EC-12のような免疫を賦活する食品成分の利用が有効なのでは」
(伊地知主任)と、今後の需要拡大が期待。
http://nhpro.nikkeibp.co.jp/article/nhpro/20101105/109129/
2010年12月7日火曜日
スポーツ政策を考える:高峰修・明治大准教授(スポーツ社会学)
(毎日 11月27日)
国家戦略として、スポーツの振興に取り組むのは世界的な流れで、
日本も対応せざるを得ない。
このままでは取り残されてしまう、という危機感が行政にあり、
経済に代わる成長のツールとして、スポーツが注目されている。
日本は、スポーツを欧米から文化として輸入。
ボールを投げたり、けったりという行動レベルではまねできても、
背景にある理念、哲学などが理解され、
国民の間に根付いているとは言い難い。
今までの文部科学省の政策やスポーツ立国戦略を見ると、
トップアスリートが世界的レベルの大会で活躍することに、
ポイントが置かれている。
それも哲学だろうが、倫理的な面に配慮せず、
競技力の向上ばかりを追い求めることに疑問を持っている。
日本スポーツとジェンダー学会のメンバーと、
「スポーツ指導者と競技者のセクシャル・ハラスメントに関する
認識と経験の現状と特徴」と題する合同調査を実施。
都道府県体協に登録している指導者と国体レベルの選手を対象に、
暴力を含む反倫理的行為とセクハラになりうる行為についての
意識や体験を尋ねたところ、実際に体罰や暴力は行われていて、
そうした行為を受けた選手のうち、2割以上が容認する一方で、
「足でける」などの行為を受けた選手の半数以上は
受け入れられないと答えていた。
スポーツ指導の現場では、暴力行為が許されるという認識が
指導者や選手だけでなく、保護者たちにも共有。
愛情が伴えば「愛のムチ」であり、国のトップレベルや国際レベルに
到達するためには必要である、というのが肯定側の主張。
全員ではないが、そこを通過した選手たちがオリンピックや
世界選手権に出場して活躍。
競技団体は問題解決に消極的で、触れようとしない。
そういった現状にメスを入れないままのスポーツ振興でいいのか?
日本の多くの競技団体は、人員的にも財政的にも余裕がなく、
いきなり倫理問題について考えて取り組むように、と要求するのは
現実的ではない。
豪州やカナダ、フランスなどのスポーツ政策と倫理や
人権に対する取り組みを調査したうえで、
競技団体がすぐに活用できるような形で情報を収集し、
まとめて提供したいと考えている。
すでに豪州は、スポーツ行政の中心的役割を担っている
スポーツ委員会(ASC)がホームページ上で、
規約文書のひな型などを公開。
倫理の問題や人権の問題への目配りを欠いたまま、
立国戦略が進んでいくことを危ぶんでいる。
それは一部の人たちの利益になるかもしれないが、
必ずしも国民全体の幸せにつながるとは思えない。
==============
◇たかみね・おさむ
1968年生まれ。中京大大学院修了。
編著に「スポーツ教養入門」(岩波書店)。
日本スポーツとジェンダー学会事務局長。
http://mainichi.jp/enta/sports/general/general/archive/news/2010/11/27/20101127dde035070057000c.html
国家戦略として、スポーツの振興に取り組むのは世界的な流れで、
日本も対応せざるを得ない。
このままでは取り残されてしまう、という危機感が行政にあり、
経済に代わる成長のツールとして、スポーツが注目されている。
日本は、スポーツを欧米から文化として輸入。
ボールを投げたり、けったりという行動レベルではまねできても、
背景にある理念、哲学などが理解され、
国民の間に根付いているとは言い難い。
今までの文部科学省の政策やスポーツ立国戦略を見ると、
トップアスリートが世界的レベルの大会で活躍することに、
ポイントが置かれている。
それも哲学だろうが、倫理的な面に配慮せず、
競技力の向上ばかりを追い求めることに疑問を持っている。
日本スポーツとジェンダー学会のメンバーと、
「スポーツ指導者と競技者のセクシャル・ハラスメントに関する
認識と経験の現状と特徴」と題する合同調査を実施。
都道府県体協に登録している指導者と国体レベルの選手を対象に、
暴力を含む反倫理的行為とセクハラになりうる行為についての
意識や体験を尋ねたところ、実際に体罰や暴力は行われていて、
そうした行為を受けた選手のうち、2割以上が容認する一方で、
「足でける」などの行為を受けた選手の半数以上は
受け入れられないと答えていた。
スポーツ指導の現場では、暴力行為が許されるという認識が
指導者や選手だけでなく、保護者たちにも共有。
愛情が伴えば「愛のムチ」であり、国のトップレベルや国際レベルに
到達するためには必要である、というのが肯定側の主張。
全員ではないが、そこを通過した選手たちがオリンピックや
世界選手権に出場して活躍。
競技団体は問題解決に消極的で、触れようとしない。
そういった現状にメスを入れないままのスポーツ振興でいいのか?
日本の多くの競技団体は、人員的にも財政的にも余裕がなく、
いきなり倫理問題について考えて取り組むように、と要求するのは
現実的ではない。
豪州やカナダ、フランスなどのスポーツ政策と倫理や
人権に対する取り組みを調査したうえで、
競技団体がすぐに活用できるような形で情報を収集し、
まとめて提供したいと考えている。
すでに豪州は、スポーツ行政の中心的役割を担っている
スポーツ委員会(ASC)がホームページ上で、
規約文書のひな型などを公開。
倫理の問題や人権の問題への目配りを欠いたまま、
立国戦略が進んでいくことを危ぶんでいる。
それは一部の人たちの利益になるかもしれないが、
必ずしも国民全体の幸せにつながるとは思えない。
==============
◇たかみね・おさむ
1968年生まれ。中京大大学院修了。
編著に「スポーツ教養入門」(岩波書店)。
日本スポーツとジェンダー学会事務局長。
http://mainichi.jp/enta/sports/general/general/archive/news/2010/11/27/20101127dde035070057000c.html
総合学習を生かす(6)論文議論で批判力養う
(読売 11月27日)
京都市立堀川高校の「探究科」では、総合学習の時間で、
2年生の秋までに、生徒一人一人が論文を書く。
カタバミ科の植物についてまとめた佐野みずほさん(17)は、
論文提出直前の9月中旬、保護者や教育関係者を招いて開かれた
研究発表会が忘れられない。
「カタバミが葉を閉じるのは、体温やエネルギー維持のためだと
考えられます」。
考えを尽くして導き出した仮説だったが、参加者から
思いもしなかった質問が飛んだ。
「食べられないように身を守る動きとは考えられませんか」
予想外の指摘に、「確かに……」と答えるのが精いっぱい。
その場では、賛同も反論もできなかった。
発表会後、考えた末に提出した論文には、指摘を反映させ、
「捕食者から身を守るため」と付け加えた。
「授業で先生や同級生から、研究方法などについても
何度も指摘を受けた。
『自分は何も知らないんだ』とわかり、もっと学びたいと思った」
同高は1999年、学校改革の目玉として「探究科」を新設。
総合学習を「探究基礎」と銘打ち、物事を多角的に考え、
意見やリポートを批判し合う指導を始めた。
1年生から国際文化や心理・教育、生物など10分野に分かれ、
データ収集や実験方法などをゼミ形式で学習。
2年生は、一人一人がテーマを設定して実験や研究をする。
生徒有志で、論文の冊子化などに取り組む「探究基礎委員会」の
委員長で2年の富森大地さん(16)は、
「この考えや情報は本当に正しいのかと、常に批判的に見るようになった。
自分で答えを探すのは、しんどいけれど楽しい。
一言で表すと、『たのしんどい』ですね」と笑う。
卒業生で、哲学を研究している京都大学文学部3年の
飯島弘一郎さん(21)は、「高校で、学びは尽きないということを学んだ。
型にはまった常識を疑うことや、問い続けることなど、
自分の可能性を広げてくれた」
「生徒たちが卒業後に進む社会でも、
答えがすぐに見つかることばかりではない」、荒瀬克己校長(57)。
「非難ではなく、批判的に見る力は、自分で考え、
課題に立ち向かうのに不可欠」
8年前、国公立大学への進学実績を急伸させ、「奇跡」とまで称された。
その土台には、主体的に考え学ぶ厳しさと楽しさを伝える教育が、
今もしっかりと息づいている。
◆【論文テーマの例】
▽「ライトノベルがなぜ人気なのか」
▽「イギリス料理が不味いと言われる理由」
▽「なぜ信号無視をするのか」
▽「乳児はなぜかわいいのか」
▽「クモの糸の強度」
▽「植物の葉からプラスチックはできるか」
▽「電磁波は聞こえるのか」
▽「使い捨ておむつの再利用は可能か」
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20101127-OYT8T00205.htm
京都市立堀川高校の「探究科」では、総合学習の時間で、
2年生の秋までに、生徒一人一人が論文を書く。
カタバミ科の植物についてまとめた佐野みずほさん(17)は、
論文提出直前の9月中旬、保護者や教育関係者を招いて開かれた
研究発表会が忘れられない。
「カタバミが葉を閉じるのは、体温やエネルギー維持のためだと
考えられます」。
考えを尽くして導き出した仮説だったが、参加者から
思いもしなかった質問が飛んだ。
「食べられないように身を守る動きとは考えられませんか」
予想外の指摘に、「確かに……」と答えるのが精いっぱい。
その場では、賛同も反論もできなかった。
発表会後、考えた末に提出した論文には、指摘を反映させ、
「捕食者から身を守るため」と付け加えた。
「授業で先生や同級生から、研究方法などについても
何度も指摘を受けた。
『自分は何も知らないんだ』とわかり、もっと学びたいと思った」
同高は1999年、学校改革の目玉として「探究科」を新設。
総合学習を「探究基礎」と銘打ち、物事を多角的に考え、
意見やリポートを批判し合う指導を始めた。
1年生から国際文化や心理・教育、生物など10分野に分かれ、
データ収集や実験方法などをゼミ形式で学習。
2年生は、一人一人がテーマを設定して実験や研究をする。
生徒有志で、論文の冊子化などに取り組む「探究基礎委員会」の
委員長で2年の富森大地さん(16)は、
「この考えや情報は本当に正しいのかと、常に批判的に見るようになった。
自分で答えを探すのは、しんどいけれど楽しい。
一言で表すと、『たのしんどい』ですね」と笑う。
卒業生で、哲学を研究している京都大学文学部3年の
飯島弘一郎さん(21)は、「高校で、学びは尽きないということを学んだ。
型にはまった常識を疑うことや、問い続けることなど、
自分の可能性を広げてくれた」
「生徒たちが卒業後に進む社会でも、
答えがすぐに見つかることばかりではない」、荒瀬克己校長(57)。
「非難ではなく、批判的に見る力は、自分で考え、
課題に立ち向かうのに不可欠」
8年前、国公立大学への進学実績を急伸させ、「奇跡」とまで称された。
その土台には、主体的に考え学ぶ厳しさと楽しさを伝える教育が、
今もしっかりと息づいている。
◆【論文テーマの例】
▽「ライトノベルがなぜ人気なのか」
▽「イギリス料理が不味いと言われる理由」
▽「なぜ信号無視をするのか」
▽「乳児はなぜかわいいのか」
▽「クモの糸の強度」
▽「植物の葉からプラスチックはできるか」
▽「電磁波は聞こえるのか」
▽「使い捨ておむつの再利用は可能か」
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20101127-OYT8T00205.htm
温泉健康効果を知る 効能以外に休養、運動効果 体に悪い場合も
(2010年12月3日 毎日新聞社)
世界有数の温泉数や湧出量を誇る温泉大国日本。
寒さが増すこれからの季節、癒やしを求めて温泉地を訪れる人も多い。
硫黄や硫酸など多様な泉質を持つ温泉は、
どれだけ健康に影響があるのだろうか?
温泉のもととなる地下水には、土や岩石からいろいろな物質が
溶け込んでいる。
温泉と呼ばれる条件は、温泉法で定められている。
・水温が25度以上
・硫黄やラドンなど19種類の物質のうちどれか一つを基準以上含む
のどちらかの条件を満たしているもの。
水温が低く、25度未満のものは「冷泉」。
国内の温泉地は約3000カ所、源泉数は約2万8000カ所(08年度)。
温かい湯につかるだけでも、新陳代謝が促され、
疲労回復が図れるほか、水圧の影響で心臓が圧迫され、血行もよくなる。
国の鉱泉分析法指針は、温泉の基準を満たし、
療養効果が期待される温泉を、「療養泉」として分類。
環境省の委託を受け、日本温泉気候物理医学会が06年に
温泉の効能についての報告書を作成。
同省は、「治療による医学的な効果は法律上、保証しておらず、
医師に任せている。
個人的な利用による健康への効果は、多くの実証例がある」
科学的に温泉の健康効果を検証している一般社団法人
「健康保養地医学研究機構」代表理事の阿岸祐幸・北海道大名誉教授
によると、温泉に含まれる成分が皮膚から吸収され、
皮膚や筋肉などの細胞、神経に作用する。
カルシウムやマグネシウムなどは、腫れや痛みを抑える働きがあり、
皮膚病や切り傷、やけどなどに効き目。
胃腸薬にも使われている重曹を含む温泉を飲むと、
薬と同様の効果も期待。
泉質だけでなく、温泉には休養や運動の効果も期待。
温泉は山の中など、豊かな自然に囲まれている場所に多くある。
日ごろ過ごしている場所と環境が変わることで、
気分転換になったり、ストレスを減らす効果。
熱い湯に入った後、皮膚の表面から汗や水蒸気が発散し、
蒸発によって気化熱が奪われる。
1g(1ml)の水が気化すると、約0・5kcalの熱が奪われる計算から、
高温の入浴で300mlの汗を流せば、150kcalの消費に達する。
これを脂肪(体重)に換算すると、約16g減少。
持病や体質によっては泉質の成分と合わず、体に悪い場合も。
温泉に入れば体力を消耗するため、体調が悪い人が入れば、
症状が悪化することも。
高齢者は、温度に対する皮膚の感受性が低くなり、
熱さを感じにくくなることもあり注意。
環境省も、「温泉地に書いてある成分や入ってはいけない禁忌症などの
説明に注意してほしい」
温泉の効能で最も議論があるのが、放射能泉。
全国に「人工ラドン温泉センター」などの施設もあり、
体の芯から温まると感じているファンも多いが、
放射線被ばくを心配する人も。
日本温泉気候物理医学会は、07年に環境省へ提出した報告書で、
ラドンの影響を調査するため、三朝温泉(鳥取県)のサウナと
実験用ラドンサウナ、ラドンを含まないサウナを比較し、
20~40歳の男性15人を対象にした実験結果を紹介。
ラドンの濃度に応じて5日目以降、血糖値を下げるインスリンなどの
血中物質が有意に増加。
「ラドンは高血圧、関節の痛み、糖尿病の改善に有用」と結論。
環境省も、「自然に含まれるラドンのレベルは極めて低く、
健康な人には有用と考えている」
放射線の被害防止を訴える市民団体「高木学校」の
崎山比早子医学博士は、「放射線による健康増進の科学的根拠は乏しい。
医療検査は別として、できるだけ浴びない方がいい」
阿岸名誉教授は、「温泉の効能について、これまで経験的なものが多く、
放射能泉を代表に議論も多い。
温泉大国として、予防医療への利用を進めるためにも、
積極的な研究で、科学的にしっかりした根拠を示す必要」
………………………………………………………………………………
《代表的な療養泉と効能》
<療養泉> <効果> <禁忌症>
・単純温泉 免疫調整、脱ストレス 不眠症
※歴史的な名湯が多い
・二酸化炭素泉 血流循環の改善、保温、抑うつ改善 (飲用)下痢の時
・塩化物泉 保温、抑うつ改善 (飲用)腎臓病、高血圧症
・硫黄泉 婦人心身症改善、関節炎、 皮膚、粘膜の過敏な人
皮膚疾患に適応
・放射能泉 免疫調整
・炭酸水素塩泉 循環促進、保温、冷え性
・硫酸塩泉 塩化物泉と同じ。脱ストレス (飲用)下痢の時
・酸性泉 かゆみ軽減、皮膚炎
(日本温泉気候物理医学会の06年度報告書などから作成)
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/12/3/129254/
世界有数の温泉数や湧出量を誇る温泉大国日本。
寒さが増すこれからの季節、癒やしを求めて温泉地を訪れる人も多い。
硫黄や硫酸など多様な泉質を持つ温泉は、
どれだけ健康に影響があるのだろうか?
温泉のもととなる地下水には、土や岩石からいろいろな物質が
溶け込んでいる。
温泉と呼ばれる条件は、温泉法で定められている。
・水温が25度以上
・硫黄やラドンなど19種類の物質のうちどれか一つを基準以上含む
のどちらかの条件を満たしているもの。
水温が低く、25度未満のものは「冷泉」。
国内の温泉地は約3000カ所、源泉数は約2万8000カ所(08年度)。
温かい湯につかるだけでも、新陳代謝が促され、
疲労回復が図れるほか、水圧の影響で心臓が圧迫され、血行もよくなる。
国の鉱泉分析法指針は、温泉の基準を満たし、
療養効果が期待される温泉を、「療養泉」として分類。
環境省の委託を受け、日本温泉気候物理医学会が06年に
温泉の効能についての報告書を作成。
同省は、「治療による医学的な効果は法律上、保証しておらず、
医師に任せている。
個人的な利用による健康への効果は、多くの実証例がある」
科学的に温泉の健康効果を検証している一般社団法人
「健康保養地医学研究機構」代表理事の阿岸祐幸・北海道大名誉教授
によると、温泉に含まれる成分が皮膚から吸収され、
皮膚や筋肉などの細胞、神経に作用する。
カルシウムやマグネシウムなどは、腫れや痛みを抑える働きがあり、
皮膚病や切り傷、やけどなどに効き目。
胃腸薬にも使われている重曹を含む温泉を飲むと、
薬と同様の効果も期待。
泉質だけでなく、温泉には休養や運動の効果も期待。
温泉は山の中など、豊かな自然に囲まれている場所に多くある。
日ごろ過ごしている場所と環境が変わることで、
気分転換になったり、ストレスを減らす効果。
熱い湯に入った後、皮膚の表面から汗や水蒸気が発散し、
蒸発によって気化熱が奪われる。
1g(1ml)の水が気化すると、約0・5kcalの熱が奪われる計算から、
高温の入浴で300mlの汗を流せば、150kcalの消費に達する。
これを脂肪(体重)に換算すると、約16g減少。
持病や体質によっては泉質の成分と合わず、体に悪い場合も。
温泉に入れば体力を消耗するため、体調が悪い人が入れば、
症状が悪化することも。
高齢者は、温度に対する皮膚の感受性が低くなり、
熱さを感じにくくなることもあり注意。
環境省も、「温泉地に書いてある成分や入ってはいけない禁忌症などの
説明に注意してほしい」
温泉の効能で最も議論があるのが、放射能泉。
全国に「人工ラドン温泉センター」などの施設もあり、
体の芯から温まると感じているファンも多いが、
放射線被ばくを心配する人も。
日本温泉気候物理医学会は、07年に環境省へ提出した報告書で、
ラドンの影響を調査するため、三朝温泉(鳥取県)のサウナと
実験用ラドンサウナ、ラドンを含まないサウナを比較し、
20~40歳の男性15人を対象にした実験結果を紹介。
ラドンの濃度に応じて5日目以降、血糖値を下げるインスリンなどの
血中物質が有意に増加。
「ラドンは高血圧、関節の痛み、糖尿病の改善に有用」と結論。
環境省も、「自然に含まれるラドンのレベルは極めて低く、
健康な人には有用と考えている」
放射線の被害防止を訴える市民団体「高木学校」の
崎山比早子医学博士は、「放射線による健康増進の科学的根拠は乏しい。
医療検査は別として、できるだけ浴びない方がいい」
阿岸名誉教授は、「温泉の効能について、これまで経験的なものが多く、
放射能泉を代表に議論も多い。
温泉大国として、予防医療への利用を進めるためにも、
積極的な研究で、科学的にしっかりした根拠を示す必要」
………………………………………………………………………………
《代表的な療養泉と効能》
<療養泉> <効果> <禁忌症>
・単純温泉 免疫調整、脱ストレス 不眠症
※歴史的な名湯が多い
・二酸化炭素泉 血流循環の改善、保温、抑うつ改善 (飲用)下痢の時
・塩化物泉 保温、抑うつ改善 (飲用)腎臓病、高血圧症
・硫黄泉 婦人心身症改善、関節炎、 皮膚、粘膜の過敏な人
皮膚疾患に適応
・放射能泉 免疫調整
・炭酸水素塩泉 循環促進、保温、冷え性
・硫酸塩泉 塩化物泉と同じ。脱ストレス (飲用)下痢の時
・酸性泉 かゆみ軽減、皮膚炎
(日本温泉気候物理医学会の06年度報告書などから作成)
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/12/3/129254/
ATP合成酵素 岩手医大、仕組み解明 秒単位で回転・停止
(2010年12月3日 毎日新聞社)
岩手医大薬学部と米バージニア大医学部の共同研究グループが、
生命活動のエネルギー源となる物質「ATP)」を生み出す酵素が、
自ら回転と停止を繰り返す仕組みを持つことを発見。
将来、がん細胞などの増殖を抑える医薬品の開発に役立つ
可能性がある。
ATPは、糖を分解してエネルギーに変える過程に作られる。
生物は筋肉などの部位で、ATPを分解することで
生命活動に必要なエネルギーを得ている。
ATPは、ミトコンドリアにある酵素の回転運動により合成。
継続的に回転していると思われたが、同グループは酵素を1分子ずつ
特殊な顕微鏡と高性能カメラを使って観察し、
酵素が秒単位で回転と停止を繰り返していることを発見。
停止には、酵素を構成する「イプシロンサブユニット」という部位が
働いていることも分かった。
回転を止めれば、ATPも合成できないため、
ATP合成酵素を持つがん細胞や病原菌の活動抑制に
応用できる可能性がある。
研究成果は今年10月、米国の医学生物学分野の学会誌
「ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー」に発表。
岩手医大薬学部の関谷瑞樹助教は、
「酵素は、継続的に動いていると考えていたため、とても驚いた。
新薬開発の一つのきっかけになればいい」
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/12/3/129253/
岩手医大薬学部と米バージニア大医学部の共同研究グループが、
生命活動のエネルギー源となる物質「ATP)」を生み出す酵素が、
自ら回転と停止を繰り返す仕組みを持つことを発見。
将来、がん細胞などの増殖を抑える医薬品の開発に役立つ
可能性がある。
ATPは、糖を分解してエネルギーに変える過程に作られる。
生物は筋肉などの部位で、ATPを分解することで
生命活動に必要なエネルギーを得ている。
ATPは、ミトコンドリアにある酵素の回転運動により合成。
継続的に回転していると思われたが、同グループは酵素を1分子ずつ
特殊な顕微鏡と高性能カメラを使って観察し、
酵素が秒単位で回転と停止を繰り返していることを発見。
停止には、酵素を構成する「イプシロンサブユニット」という部位が
働いていることも分かった。
回転を止めれば、ATPも合成できないため、
ATP合成酵素を持つがん細胞や病原菌の活動抑制に
応用できる可能性がある。
研究成果は今年10月、米国の医学生物学分野の学会誌
「ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー」に発表。
岩手医大薬学部の関谷瑞樹助教は、
「酵素は、継続的に動いていると考えていたため、とても驚いた。
新薬開発の一つのきっかけになればいい」
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/12/3/129253/
2010年12月6日月曜日
総合学習を生かす(5)自然探検 絵本で表現
(読売 11月26日)
前夜の激しい雨が、うそのような青空。
「ノブドウの実ってきれい」、「カマキリつかまえた!」、
「ここにも野ウサギのふんがあるよ」。
子どもたちの歓声が雑木林に響く。
池の周りや林に座り込み、スケッチをする子も。
栃木県那珂川町の自然の中にある「えほんの丘」で、
町立小川南小学校の総合学習の授業。
「不思議だったとか、食べたらまずかったとか、
体で感じたことをすぐ手帳に書き残そうね」とアドバイスするのは、
「14ひきのシリーズ」などで世界的に知られる
絵本作家のいわむらかずおさん。
「えほんの丘」とは、いわむらさんの美術館がある丘のこと。
リスや野ウサギなどの小動物が多く、数々の絵本の舞台にも。
同小の総合学習では2006年から、いわむらさんの協力で、
4年生以上全員が毎年一冊、自分の絵本を作っている。
自然豊かな地域に住んでいても、最近はスポーツや室内での
ゲーム遊びが多いことから、「総合学習を、自然に向き合い、
表現につなげる機会にしたい」と考えた。
季節を変えて年3回、「えほんの丘探検」を行い、
いろいろなものをスケッチして、イメージを膨らませる。
秋から制作に取りかかり、小さなサイズで試作品を作った段階で、
いわむらさんが学校を訪れて一人一人に助言。
「場面をもう少し絞ったらどうかな」、
「よく見て描くと、気づくことがあるよ」。
テーマが絞れず苦労する子もいるが、無理に教えず、
自分の表現に自信を持つように励ます。
「何度も改良したり、アイデアを加えたりする過程そのものが、
子どもたちの力になっていく」といわむらさん。
地味な虫をずっと追い続けた子、トンボの複眼の拡大図から
視点を広げる壮大な作品にする子。
テーマも大きさも、個性的な一冊一冊にいわむらさんが寄せる
温かいコメントは、子どもたちの宝物。
総合学習を担当する斎藤義雄教諭(52)は、
「自由な心を表現できるのが絵本の良さ。
絵が苦手な子でも、大胆な着想ではっとさせられることも多い。
毎年、一冊を仕上げる達成感は大きい」
「自分で作るのをずっと楽しみにしていた。だからうれしくて」、
目を輝かせるのは4年生たち。
世界に一冊だけの絵本は、後輩の創作意欲をかき立てている。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20101126-OYT8T00265.htm
前夜の激しい雨が、うそのような青空。
「ノブドウの実ってきれい」、「カマキリつかまえた!」、
「ここにも野ウサギのふんがあるよ」。
子どもたちの歓声が雑木林に響く。
池の周りや林に座り込み、スケッチをする子も。
栃木県那珂川町の自然の中にある「えほんの丘」で、
町立小川南小学校の総合学習の授業。
「不思議だったとか、食べたらまずかったとか、
体で感じたことをすぐ手帳に書き残そうね」とアドバイスするのは、
「14ひきのシリーズ」などで世界的に知られる
絵本作家のいわむらかずおさん。
「えほんの丘」とは、いわむらさんの美術館がある丘のこと。
リスや野ウサギなどの小動物が多く、数々の絵本の舞台にも。
同小の総合学習では2006年から、いわむらさんの協力で、
4年生以上全員が毎年一冊、自分の絵本を作っている。
自然豊かな地域に住んでいても、最近はスポーツや室内での
ゲーム遊びが多いことから、「総合学習を、自然に向き合い、
表現につなげる機会にしたい」と考えた。
季節を変えて年3回、「えほんの丘探検」を行い、
いろいろなものをスケッチして、イメージを膨らませる。
秋から制作に取りかかり、小さなサイズで試作品を作った段階で、
いわむらさんが学校を訪れて一人一人に助言。
「場面をもう少し絞ったらどうかな」、
「よく見て描くと、気づくことがあるよ」。
テーマが絞れず苦労する子もいるが、無理に教えず、
自分の表現に自信を持つように励ます。
「何度も改良したり、アイデアを加えたりする過程そのものが、
子どもたちの力になっていく」といわむらさん。
地味な虫をずっと追い続けた子、トンボの複眼の拡大図から
視点を広げる壮大な作品にする子。
テーマも大きさも、個性的な一冊一冊にいわむらさんが寄せる
温かいコメントは、子どもたちの宝物。
総合学習を担当する斎藤義雄教諭(52)は、
「自由な心を表現できるのが絵本の良さ。
絵が苦手な子でも、大胆な着想ではっとさせられることも多い。
毎年、一冊を仕上げる達成感は大きい」
「自分で作るのをずっと楽しみにしていた。だからうれしくて」、
目を輝かせるのは4年生たち。
世界に一冊だけの絵本は、後輩の創作意欲をかき立てている。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20101126-OYT8T00265.htm
「春を告げるホルモン」働き、マウスで解明 理研・近畿大
(2010年12月3日 毎日新聞社)
日が長くなることによる「春の到来」を知らせる動物体内の
ホルモンの働きを、理化学研究所発生・再生科学総合研究センターと
近畿大が明らかにした。
日照時間の変化は、うつ病に似た症状の季節性情動障害や、
統合失調症などに関わるとされ、成果は病気の治療に
役立つ可能性がある。
米科学誌「カレントバイオロジー」(電子版)に3日、論文が掲載。
理研の上田泰己プロジェクトリーダーは08年、ウズラの下垂体の一部に
日が長くなると作られるホルモンがあり、
春に繁殖を活発にしていることを、名古屋大と共同で見つけた。
今回は、近大の升本宏平助教とともに、同じホルモンを持つマウスを、
1日の日照時間が8時間のグループと16時間のグループに分けて
2週間飼育。
その後、秋・冬に当たる8時間グループのマウスに対し、
夜になるはずの時間に光を当てて、ホルモンと関連した遺伝子の
有無や機能を調べた。
16時間グループでは、活発ではないある種の遺伝子が活性化されて
ホルモンを作る引き金になり、他の複数の遺伝子が
後押ししていることが分かった。
このホルモンは、ヒトにもあるとみられ、病気に関わっているらしい。
上田さんは、「日照時間を調節して遺伝子発現を抑えれば、
症状を緩和できるかもしれない」
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/12/3/129282/
日が長くなることによる「春の到来」を知らせる動物体内の
ホルモンの働きを、理化学研究所発生・再生科学総合研究センターと
近畿大が明らかにした。
日照時間の変化は、うつ病に似た症状の季節性情動障害や、
統合失調症などに関わるとされ、成果は病気の治療に
役立つ可能性がある。
米科学誌「カレントバイオロジー」(電子版)に3日、論文が掲載。
理研の上田泰己プロジェクトリーダーは08年、ウズラの下垂体の一部に
日が長くなると作られるホルモンがあり、
春に繁殖を活発にしていることを、名古屋大と共同で見つけた。
今回は、近大の升本宏平助教とともに、同じホルモンを持つマウスを、
1日の日照時間が8時間のグループと16時間のグループに分けて
2週間飼育。
その後、秋・冬に当たる8時間グループのマウスに対し、
夜になるはずの時間に光を当てて、ホルモンと関連した遺伝子の
有無や機能を調べた。
16時間グループでは、活発ではないある種の遺伝子が活性化されて
ホルモンを作る引き金になり、他の複数の遺伝子が
後押ししていることが分かった。
このホルモンは、ヒトにもあるとみられ、病気に関わっているらしい。
上田さんは、「日照時間を調節して遺伝子発現を抑えれば、
症状を緩和できるかもしれない」
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/12/3/129282/
ヒ素で成長する細菌発見 異なる生命要素の可能性も
(2010年12月3日 共同通信社)
通常の生物にとっては有毒なヒ素を、生命活動の根幹となる
DNAに取り込んで成長できる細菌を発見したと、
NASAなどの研究グループが2日、米科学誌サイエンス(電子版)に発表。
地球上の生物は、主に炭素、酸素、水素、窒素、リン、硫黄の
6元素でつくられ、これらは生命活動に不可欠。
この細菌は、リンをヒ素に換えても生きることができる。
現在知られているものとは異なる基本要素で、生命が存在する
可能性を示すもので、生命の誕生、進化の謎に迫る発見といえそう。
専門家らは、生命を構成するのが6元素であることを前提に、
地球外の生命探しを進めているが、研究グループは、
「どのような物質を追跡の対象にするか、
より真剣に考えなければならない」
米カリフォルニア州にあるヒ素濃度の高い塩水湖「モノ湖」に
生息する「GFAJ1」という細菌に着目。
ヒ素が多く、リンが少ない培養液で培養すると、
リンが多い培養液よりは成長は遅くなるものの、
細胞数が6日間で20倍以上に増え、
GFAJ1はヒ素を取り込んで成長することを確認。
細胞内の変化を詳しく調べると、DNAやタンパク質、脂質に
含まれていたリンが、培養によってヒ素に置き換わっていた。
リンとヒ素は、化学的性質が似ているため、
このような現象が起きたと考えられるが、どのように置き換わるか、
置き換わった分子が細胞の中でどのように働くかは分からない。
◆山岸明彦・東京薬科大教授(極限環境微生物学)の話
ヒ素は、生物にとって猛毒だが、リンと性質が似ているので、
ヒ素を使う生物がいてもおかしくはないと考えられていた。
今回、具体的に生命にとって、非常に重要なDNAにまで
ヒ素を使っている生物が確認され、生物の在り方を広げた。
これまでとは異なった形で生物が存在する可能性が広がり、
地球外の生物を探す際、地球と似た環境にこだわるのではなく、
範囲を広げる必要が出てくる。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/12/3/129238/
通常の生物にとっては有毒なヒ素を、生命活動の根幹となる
DNAに取り込んで成長できる細菌を発見したと、
NASAなどの研究グループが2日、米科学誌サイエンス(電子版)に発表。
地球上の生物は、主に炭素、酸素、水素、窒素、リン、硫黄の
6元素でつくられ、これらは生命活動に不可欠。
この細菌は、リンをヒ素に換えても生きることができる。
現在知られているものとは異なる基本要素で、生命が存在する
可能性を示すもので、生命の誕生、進化の謎に迫る発見といえそう。
専門家らは、生命を構成するのが6元素であることを前提に、
地球外の生命探しを進めているが、研究グループは、
「どのような物質を追跡の対象にするか、
より真剣に考えなければならない」
米カリフォルニア州にあるヒ素濃度の高い塩水湖「モノ湖」に
生息する「GFAJ1」という細菌に着目。
ヒ素が多く、リンが少ない培養液で培養すると、
リンが多い培養液よりは成長は遅くなるものの、
細胞数が6日間で20倍以上に増え、
GFAJ1はヒ素を取り込んで成長することを確認。
細胞内の変化を詳しく調べると、DNAやタンパク質、脂質に
含まれていたリンが、培養によってヒ素に置き換わっていた。
リンとヒ素は、化学的性質が似ているため、
このような現象が起きたと考えられるが、どのように置き換わるか、
置き換わった分子が細胞の中でどのように働くかは分からない。
◆山岸明彦・東京薬科大教授(極限環境微生物学)の話
ヒ素は、生物にとって猛毒だが、リンと性質が似ているので、
ヒ素を使う生物がいてもおかしくはないと考えられていた。
今回、具体的に生命にとって、非常に重要なDNAにまで
ヒ素を使っている生物が確認され、生物の在り方を広げた。
これまでとは異なった形で生物が存在する可能性が広がり、
地球外の生物を探す際、地球と似た環境にこだわるのではなく、
範囲を広げる必要が出てくる。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/12/3/129238/
2010年12月5日日曜日
細菌増殖抑える分子解明 効果高い薬開発に期待
(2010年12月2日 共同通信社)
細菌が増殖する際などに働く酵素「RNAポリメラーゼ」の働きを
抑える分子の詳しい形状を、横山茂之東京大教授(構造生物学)らが
明らかにし、1日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表。
横山教授は、「効果が高く、耐性のできにくい抗菌剤の開発が期待」
RNAポリメラーゼは、カニのはさみのような形をし、
DNAの鎖を挟みつつ、そこにRNAの"部品"を取り込み、
DNAの遺伝情報を基にRNAを組み立てる。
細菌の体をつくるタンパク質は、できたRNAを基に合成。
横山教授らが調べた分子は、RNAポリメラーゼにくっつき、
RNAの合成を中断したり、終了させたりする時に働く。
くっついた状態を、大型放射光施設「スプリング8」などで調べた結果、
分子はくさびのような形で、RNAの部品の取り込み口を
しっかりとふさいだ上、組み立てを行う部位に突き刺さっていた。
従来の抗菌剤は、組み立て部位の周りに小さな分子がくっつき、
"邪魔"をする程度であるため、細菌が突然変異などで
少し形を変えても、効き目は弱まる。
今回の分子は、「かなり念入りに、がっちりとガードしている」(横山教授)、
似たような分子を人工的につくれば、
強力な抗菌剤ができる可能性もある。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/12/2/129158/
細菌が増殖する際などに働く酵素「RNAポリメラーゼ」の働きを
抑える分子の詳しい形状を、横山茂之東京大教授(構造生物学)らが
明らかにし、1日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表。
横山教授は、「効果が高く、耐性のできにくい抗菌剤の開発が期待」
RNAポリメラーゼは、カニのはさみのような形をし、
DNAの鎖を挟みつつ、そこにRNAの"部品"を取り込み、
DNAの遺伝情報を基にRNAを組み立てる。
細菌の体をつくるタンパク質は、できたRNAを基に合成。
横山教授らが調べた分子は、RNAポリメラーゼにくっつき、
RNAの合成を中断したり、終了させたりする時に働く。
くっついた状態を、大型放射光施設「スプリング8」などで調べた結果、
分子はくさびのような形で、RNAの部品の取り込み口を
しっかりとふさいだ上、組み立てを行う部位に突き刺さっていた。
従来の抗菌剤は、組み立て部位の周りに小さな分子がくっつき、
"邪魔"をする程度であるため、細菌が突然変異などで
少し形を変えても、効き目は弱まる。
今回の分子は、「かなり念入りに、がっちりとガードしている」(横山教授)、
似たような分子を人工的につくれば、
強力な抗菌剤ができる可能性もある。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/12/2/129158/
総合学習を生かす(4)修学旅行 生きた教材に
(読売 11月25日)
横浜国立大学付属鎌倉中学校の総合学習の発表会。
3年の板倉亜遊さん(15)たち女子生徒5人は、
花かんざしを髪に挿して教壇に立った。
花かんざしは、修学旅行先の京都でインタビューした職人が作った
思い出の品。
「仕事は、お金を稼ぐためにあると思っていたが、
責任とこだわりを持って働く人になりたいと考えが変わった」、
「花かんざしには、職人の技術と気持ちが詰まっている。
思いを込めて取り組む大切さを学んだ」。
5人は、自分の将来と結びつけて、それぞれの発表を締めくくった。
同中の修学旅行は、物見遊山ではない。
生徒全員が、各自のテーマの基本的な知識や情報を事前に詳しく調べ、
新聞形式でまとめた上で、その道のプロにインタビュー。
一人一人が、寺社など「モノ」だけでなく、「人」から学び得ることを重視、
生き方や職業観を深く学ぶ機会。
今年は、生徒172人が40班に分かれ、
京野菜の店の店主や刃物職人、茶の研究員など約40人に取材。
板倉さんたち5人が訪れたのは、江戸末期から京都・祇園で、
唯一続く花かんざし専門店の「金竹堂」。
花かんざしについて事前学習で徹底的に調べ、現地では、
金竹堂五代目職人の定永光夫さん(54)に、
「流行に合わせた新しいかんざしは作らないのか」、
「なぜ職人になったのか」などと、本人にしか聞けない話をぶつけた。
「材料となる絹糸や染め屋の職人も減る中、江戸時代と同じものを
作る方が大変。
私は、舞妓や伝統を守る責任があるから、作り続けなければならない」
と答えた定永さん。
年数回、仕事の合間の約30分という約束で、
修学旅行生の取材を受けているが、
「受け身でやって来る学校が多く、基本的な話で終わってしまう中、
よく勉強して来てくれたので、伝えたいことを話せた」とうれしそう。
「しっかりした課題設定と徹底した事前学習で、
ありふれた京都への修学旅行もひと味違う学習に変わる。
自分の意思で進路選択する力も養える」、
総合学習の主任である岡正敏教諭(36)。
どの学校にもある修学旅行が、生きた教材となって、
生徒一人一人の心に響いている。
【横浜国立大付属鎌倉中の修学旅行の主な研究テーマ】
町屋を守る、寺社を守る、刃物職人、箸、京扇子、清水焼、西陣織、
京友禅、香道、舞妓の仕事、茶道の礼法、茶と地下水、京菓子、
京料理、八ツ橋、京都とくずきり、剣術と新撰組、陰陽道と陰陽師、
天皇と秀吉と人々
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20101125-OYT8T00219.htm
横浜国立大学付属鎌倉中学校の総合学習の発表会。
3年の板倉亜遊さん(15)たち女子生徒5人は、
花かんざしを髪に挿して教壇に立った。
花かんざしは、修学旅行先の京都でインタビューした職人が作った
思い出の品。
「仕事は、お金を稼ぐためにあると思っていたが、
責任とこだわりを持って働く人になりたいと考えが変わった」、
「花かんざしには、職人の技術と気持ちが詰まっている。
思いを込めて取り組む大切さを学んだ」。
5人は、自分の将来と結びつけて、それぞれの発表を締めくくった。
同中の修学旅行は、物見遊山ではない。
生徒全員が、各自のテーマの基本的な知識や情報を事前に詳しく調べ、
新聞形式でまとめた上で、その道のプロにインタビュー。
一人一人が、寺社など「モノ」だけでなく、「人」から学び得ることを重視、
生き方や職業観を深く学ぶ機会。
今年は、生徒172人が40班に分かれ、
京野菜の店の店主や刃物職人、茶の研究員など約40人に取材。
板倉さんたち5人が訪れたのは、江戸末期から京都・祇園で、
唯一続く花かんざし専門店の「金竹堂」。
花かんざしについて事前学習で徹底的に調べ、現地では、
金竹堂五代目職人の定永光夫さん(54)に、
「流行に合わせた新しいかんざしは作らないのか」、
「なぜ職人になったのか」などと、本人にしか聞けない話をぶつけた。
「材料となる絹糸や染め屋の職人も減る中、江戸時代と同じものを
作る方が大変。
私は、舞妓や伝統を守る責任があるから、作り続けなければならない」
と答えた定永さん。
年数回、仕事の合間の約30分という約束で、
修学旅行生の取材を受けているが、
「受け身でやって来る学校が多く、基本的な話で終わってしまう中、
よく勉強して来てくれたので、伝えたいことを話せた」とうれしそう。
「しっかりした課題設定と徹底した事前学習で、
ありふれた京都への修学旅行もひと味違う学習に変わる。
自分の意思で進路選択する力も養える」、
総合学習の主任である岡正敏教諭(36)。
どの学校にもある修学旅行が、生きた教材となって、
生徒一人一人の心に響いている。
【横浜国立大付属鎌倉中の修学旅行の主な研究テーマ】
町屋を守る、寺社を守る、刃物職人、箸、京扇子、清水焼、西陣織、
京友禅、香道、舞妓の仕事、茶道の礼法、茶と地下水、京菓子、
京料理、八ツ橋、京都とくずきり、剣術と新撰組、陰陽道と陰陽師、
天皇と秀吉と人々
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20101125-OYT8T00219.htm
嫌な臭いを線虫が学習 大阪大、新薬開発にも
(2010年12月1日 共同通信社)
体長約1mm、ごく小さな線虫が、1度嫌いな臭いを感知すると、
再びこの臭いにさらされた際、より遠くへ逃げるように学習することを、
大阪大や国立遺伝学研究所のチームが明らかに。
1日付の米科学誌「ジャーナル・オブ・ニューロサイエンス」に掲載。
学習には、脳内で働く神経伝達物質「ドーパミン」が
重要な働きをしていた。
大阪大の木村幸太郎特任准教授は、
「神経細胞が302個しかなく、遺伝子の解析も容易な線虫を使えば、
学習などの複雑な神経機能を簡単に調べられ、
抗精神病薬の作用機構の解明や新薬開発に役立つ」
チームは、線虫が嫌がる臭いのする有機物質を使って実験。
低濃度の有機物質に、事前に1時間さらして学習させた線虫を、
再び高濃度の有機物質の近くに置くと、
学習していない線虫に比べ、約1・5倍遠くへ逃げた。
遺伝子の突然変異で、ドーパミンの機能が失われている線虫では、
臭いを学習しないことが判明。
正常な線虫でも、ドーパミンの働きを抑える薬を与えると
学習しないことが分かった。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/12/1/129101/
体長約1mm、ごく小さな線虫が、1度嫌いな臭いを感知すると、
再びこの臭いにさらされた際、より遠くへ逃げるように学習することを、
大阪大や国立遺伝学研究所のチームが明らかに。
1日付の米科学誌「ジャーナル・オブ・ニューロサイエンス」に掲載。
学習には、脳内で働く神経伝達物質「ドーパミン」が
重要な働きをしていた。
大阪大の木村幸太郎特任准教授は、
「神経細胞が302個しかなく、遺伝子の解析も容易な線虫を使えば、
学習などの複雑な神経機能を簡単に調べられ、
抗精神病薬の作用機構の解明や新薬開発に役立つ」
チームは、線虫が嫌がる臭いのする有機物質を使って実験。
低濃度の有機物質に、事前に1時間さらして学習させた線虫を、
再び高濃度の有機物質の近くに置くと、
学習していない線虫に比べ、約1・5倍遠くへ逃げた。
遺伝子の突然変異で、ドーパミンの機能が失われている線虫では、
臭いを学習しないことが判明。
正常な線虫でも、ドーパミンの働きを抑える薬を与えると
学習しないことが分かった。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/12/1/129101/
2010年12月4日土曜日
総合学習を生かす(3)「聞き書き」で言語力養う
(読売 11月24日)
京都府の山間部にある南丹市美山町。
全国有数のかやぶき職人、中野誠さん(42)の自宅で、
同市立美山中学校3年の竹内愛さん(15)が質問。
「職人になるのを家族に反対されても、
なぜそこまで強い思いがあったんですか?」
「不安はあった。
だけど、生きてきた証しとして、人の役に立ちたいという思いはあった」。
かやぶき屋根の土間でたき火を囲み、会話がはずんだ。
美山中では7年前から、3年の秋に地域の人の生き方を取材する
「聞き書き」に取り組んでいる。
地域の魅力を見直す一方、過疎化や高齢化などの課題に接し、
自らの進路を考える機会にしようというもの。
今年は、生徒28人が林業家や町おこしの起業家、
看護師ら15人を取材。
「すごく面白かった」と、すがすがしい表情で学校に戻ってきた。
聞き書きは、2003年、同中が国の「国語教育推進校」となったのを
機に始まった。
「言語力の向上」を総合学習の柱に据え、3年間に習得した読解力や
表現力を活用する場として、聞き書きを位置づけた。
「体験で終わりがちだった総合学習に、しっかりした軸が生まれた」、
中村恵子・教務主任(60)。
事前に資料を調べ、質問項目を相手に手紙でわかりやすく
伝えるのも学習の一環。
取材後、メモをいったん文章化し、足りない点を電話や手紙などで再取材。
約1か月半かけて、「私」を主語に語る形の文章に仕上げる。
相手があるだけに、完成度が求められるが、
教諭らの丁寧な赤ペン指導が支える。
視点はズレていないか、文章は論理的か。
手間はかかるが、文章のくせや好みが偏らないよう、
一つの作品を複数の教員が目を通す。
「体験は、思考を経て文章にして初めて自分のものになる。
一人称で語ることで、取材相手の人生を追体験できる」、中村教諭。
全学年共通で年15時間、言語力の基礎を培う「輝きの時間」と題した
独自の時間を確保し、図解表現や要約、説明法まで、
実践的に学ぶ時間にあてている。
生徒会には「文集部」があり、生徒は行事のたびに文章執筆を求められる。
町内には塾もないが、京都府内でも学力はトップレベル。
弁論大会などの入賞者も多く輩出。
「総合」を戦略的に活用しつくすことで、学校の底力を育てている。
◆聞き書き
語り手と聞き手が対話を重ね、人生経験や思いを文章化する活動。
庶民の知恵や技術を歴史に残す意義とともに、
言葉の選び方や聞く姿勢を育てる教育効果が注目、
地域学習やキャリア教育に取り入れる学校も多い。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20101124-OYT8T00203.htm
京都府の山間部にある南丹市美山町。
全国有数のかやぶき職人、中野誠さん(42)の自宅で、
同市立美山中学校3年の竹内愛さん(15)が質問。
「職人になるのを家族に反対されても、
なぜそこまで強い思いがあったんですか?」
「不安はあった。
だけど、生きてきた証しとして、人の役に立ちたいという思いはあった」。
かやぶき屋根の土間でたき火を囲み、会話がはずんだ。
美山中では7年前から、3年の秋に地域の人の生き方を取材する
「聞き書き」に取り組んでいる。
地域の魅力を見直す一方、過疎化や高齢化などの課題に接し、
自らの進路を考える機会にしようというもの。
今年は、生徒28人が林業家や町おこしの起業家、
看護師ら15人を取材。
「すごく面白かった」と、すがすがしい表情で学校に戻ってきた。
聞き書きは、2003年、同中が国の「国語教育推進校」となったのを
機に始まった。
「言語力の向上」を総合学習の柱に据え、3年間に習得した読解力や
表現力を活用する場として、聞き書きを位置づけた。
「体験で終わりがちだった総合学習に、しっかりした軸が生まれた」、
中村恵子・教務主任(60)。
事前に資料を調べ、質問項目を相手に手紙でわかりやすく
伝えるのも学習の一環。
取材後、メモをいったん文章化し、足りない点を電話や手紙などで再取材。
約1か月半かけて、「私」を主語に語る形の文章に仕上げる。
相手があるだけに、完成度が求められるが、
教諭らの丁寧な赤ペン指導が支える。
視点はズレていないか、文章は論理的か。
手間はかかるが、文章のくせや好みが偏らないよう、
一つの作品を複数の教員が目を通す。
「体験は、思考を経て文章にして初めて自分のものになる。
一人称で語ることで、取材相手の人生を追体験できる」、中村教諭。
全学年共通で年15時間、言語力の基礎を培う「輝きの時間」と題した
独自の時間を確保し、図解表現や要約、説明法まで、
実践的に学ぶ時間にあてている。
生徒会には「文集部」があり、生徒は行事のたびに文章執筆を求められる。
町内には塾もないが、京都府内でも学力はトップレベル。
弁論大会などの入賞者も多く輩出。
「総合」を戦略的に活用しつくすことで、学校の底力を育てている。
◆聞き書き
語り手と聞き手が対話を重ね、人生経験や思いを文章化する活動。
庶民の知恵や技術を歴史に残す意義とともに、
言葉の選び方や聞く姿勢を育てる教育効果が注目、
地域学習やキャリア教育に取り入れる学校も多い。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20101124-OYT8T00203.htm
企業が社員の禁煙支援 くじけにくい工夫で 値上げも契機に
(2010年12月1日 共同通信社)
10月に大幅に値上げされたのを機に、
たばこをやめようと思っている人も多い。
禁煙補助の内服薬を使った医療機関による治療を受ける患者は急増、
医薬品メーカーの製造が間に合わない事態も。
企業が、社員の健康などに配慮し、
禁煙を支援する取り組みが広がっている。
「始めて2週間くらいは仕事中にいらいらすることが多くて
つらかったけれど、その後は楽になった」
東京海上日動火災保険の本店で営業を担当する岩瀬靖史さん(32)は、
10~12月、同社が実施する禁煙支援プログラムに参加。
1日10本程度吸っていたが、「10月以来1本も吸っていません」。
2007年から毎年実施、ことしは全社で過去最高の146人が参加。
1人ではくじけやすいのでは、と原則2人一組で禁煙に
チャレンジしてもらうのが特徴。
岩瀬さんは同じ課の後輩、竹内将史さん(24)を誘った。
「値上げがちょっと痛いな、と思っていたところに
先輩から声をかけられ、決心した」と竹内さん。
参加者には、ニコチンガムなどの禁煙補助剤を使ってもらい、
徐々にニコチン依存度を低下。
看護師が、生活で気をつける点や気分転換の方法などについて、
きめ細かくメールを送って応援。
昨年までの達成率は、参加者の30~40%台、
「今年は、ぜひ50%を超えてほしい」、
健康管理室でプログラムを担当する保健師の太田一果さん。
来年4月、グループ企業のほぼ全事業所で、
休憩時間以外の就業時間内の全面禁煙を決めたのがオリックス。
三十数社の社員約1万3千人が対象。
7月から、各事業所で喫煙室を1カ所に集約。
来年7月、すべての喫煙室を閉鎖する方針で、
事実上、職場ではたばこを吸えなくなる。
担当する人事部所属の産業カウンセラー藤田万寿美さんによると、
「医薬品や食品メーカーでは、全面禁煙を実施する企業も出てきているが、
まだ非常に珍しい措置」
もちろん締め付けるだけではなく、サポートも拡充。
病院の禁煙外来で治療を受け、完治したとの終了証明書をもらえば、
健康保険治療の自己負担分の約2万円のうち、
1万円を会社が補助する「卒煙キャンペーン」を10月から導入。
来年3月までの予定、その後は健康保険組合が主体となり、
継続することも検討中。
産業医によるセミナーや個別面談なども実施。
オリックスグループの喫煙率は男性43%、女性18%、
ここ数年低下傾向にある日本人の喫煙率に比べ高い。
「いつかはやめようと思っていたので、いい機会だ」、
喫煙派の反応は肯定的なものが多い。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/12/1/129107/
10月に大幅に値上げされたのを機に、
たばこをやめようと思っている人も多い。
禁煙補助の内服薬を使った医療機関による治療を受ける患者は急増、
医薬品メーカーの製造が間に合わない事態も。
企業が、社員の健康などに配慮し、
禁煙を支援する取り組みが広がっている。
「始めて2週間くらいは仕事中にいらいらすることが多くて
つらかったけれど、その後は楽になった」
東京海上日動火災保険の本店で営業を担当する岩瀬靖史さん(32)は、
10~12月、同社が実施する禁煙支援プログラムに参加。
1日10本程度吸っていたが、「10月以来1本も吸っていません」。
2007年から毎年実施、ことしは全社で過去最高の146人が参加。
1人ではくじけやすいのでは、と原則2人一組で禁煙に
チャレンジしてもらうのが特徴。
岩瀬さんは同じ課の後輩、竹内将史さん(24)を誘った。
「値上げがちょっと痛いな、と思っていたところに
先輩から声をかけられ、決心した」と竹内さん。
参加者には、ニコチンガムなどの禁煙補助剤を使ってもらい、
徐々にニコチン依存度を低下。
看護師が、生活で気をつける点や気分転換の方法などについて、
きめ細かくメールを送って応援。
昨年までの達成率は、参加者の30~40%台、
「今年は、ぜひ50%を超えてほしい」、
健康管理室でプログラムを担当する保健師の太田一果さん。
来年4月、グループ企業のほぼ全事業所で、
休憩時間以外の就業時間内の全面禁煙を決めたのがオリックス。
三十数社の社員約1万3千人が対象。
7月から、各事業所で喫煙室を1カ所に集約。
来年7月、すべての喫煙室を閉鎖する方針で、
事実上、職場ではたばこを吸えなくなる。
担当する人事部所属の産業カウンセラー藤田万寿美さんによると、
「医薬品や食品メーカーでは、全面禁煙を実施する企業も出てきているが、
まだ非常に珍しい措置」
もちろん締め付けるだけではなく、サポートも拡充。
病院の禁煙外来で治療を受け、完治したとの終了証明書をもらえば、
健康保険治療の自己負担分の約2万円のうち、
1万円を会社が補助する「卒煙キャンペーン」を10月から導入。
来年3月までの予定、その後は健康保険組合が主体となり、
継続することも検討中。
産業医によるセミナーや個別面談なども実施。
オリックスグループの喫煙率は男性43%、女性18%、
ここ数年低下傾向にある日本人の喫煙率に比べ高い。
「いつかはやめようと思っていたので、いい機会だ」、
喫煙派の反応は肯定的なものが多い。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/12/1/129107/
臓器模型 歯科技工生かし 大津の入れ歯メーカー、手術練習用に開発
(2010年11月30日 毎日新聞社)
義歯や入れ歯を作る歯科技工士(国家資格)の技術を生かし、
大津市内の企業が、臨床医向けの手術練習用臓器や
血管模型の開発に成功。
従来のシリコンなどの模型は、1個数十万円と高価だったが、
コンタクトレンズなどに使われる特殊樹脂で安価に実現。
国の「地域産業資源活用事業」にも認められ、
来年度の実用化を目指す。
同社は、龍谷大瀬田キャンパス内に本社を置く入れ歯メーカー
「聖和デンタル」。
歯科技工士は、金属加工や製陶などの各技術を駆使する専門職種、
労働時間の長さに対し、収入が限られ、
就職後5年以内の離職率は8割に達する。
同社では、技工士の待遇改善のため、
新分野の開拓に力を入れてきた。
目をつけたのが、コンタクトレンズや洗濯のりなどに使われる
ポリビニルアルコール(PVA)。
今までは強度が低く、細かい加工の難しい樹脂だったが、
10年前、マウスガードを作る過程で水分を調整して加工する機械を開発。
医師が実技練習に使う実験用ブタを、手術室で使える練習施設は
国内に3カ所しかなく、ゴムやスポンジの練習模型も小さなもので、
1個十数万円からと高価なため、頻繁に練習することは難しかった。
同社は、PVAを使ってメスで切ったり縫合した際の
人体の感触・強度の再現に成功。
外観の風合いや色なども、本物そっくりに仕上げた。
同社の岡野仁夫社長(46)は、
「今後は、内視鏡をのぞきながらの手術が中心になり、
医師の技術がより重要に。
なるべく安く量産し、医学生に使ってもらいたい。
医療ミスの減少につながれば」
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/11/30/129060/
義歯や入れ歯を作る歯科技工士(国家資格)の技術を生かし、
大津市内の企業が、臨床医向けの手術練習用臓器や
血管模型の開発に成功。
従来のシリコンなどの模型は、1個数十万円と高価だったが、
コンタクトレンズなどに使われる特殊樹脂で安価に実現。
国の「地域産業資源活用事業」にも認められ、
来年度の実用化を目指す。
同社は、龍谷大瀬田キャンパス内に本社を置く入れ歯メーカー
「聖和デンタル」。
歯科技工士は、金属加工や製陶などの各技術を駆使する専門職種、
労働時間の長さに対し、収入が限られ、
就職後5年以内の離職率は8割に達する。
同社では、技工士の待遇改善のため、
新分野の開拓に力を入れてきた。
目をつけたのが、コンタクトレンズや洗濯のりなどに使われる
ポリビニルアルコール(PVA)。
今までは強度が低く、細かい加工の難しい樹脂だったが、
10年前、マウスガードを作る過程で水分を調整して加工する機械を開発。
医師が実技練習に使う実験用ブタを、手術室で使える練習施設は
国内に3カ所しかなく、ゴムやスポンジの練習模型も小さなもので、
1個十数万円からと高価なため、頻繁に練習することは難しかった。
同社は、PVAを使ってメスで切ったり縫合した際の
人体の感触・強度の再現に成功。
外観の風合いや色なども、本物そっくりに仕上げた。
同社の岡野仁夫社長(46)は、
「今後は、内視鏡をのぞきながらの手術が中心になり、
医師の技術がより重要に。
なるべく安く量産し、医学生に使ってもらいたい。
医療ミスの減少につながれば」
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/11/30/129060/
2010年12月3日金曜日
受動喫煙で60万人が死亡 うち16万人が5歳未満 WHOが初の推計
(2010年11月29日 共同通信社)
他人のたばこの煙を、周囲の人が吸い込む受動喫煙による
死亡者数は、世界全体で毎年60万人に達するとの推計を、
世界保健機関(WHO)の研究チームが、
英医学誌ランセットに発表。
うち16万5千人を、5歳未満の子どもが占める。
受動喫煙による世界的な死亡者数の推計は初めて。
チームは、たばこ価格の引き上げや広告の禁止など、
国連のたばこ規制枠組み条約に基づく法規制の強化を訴えている。
チームは192カ国のデータを分析、15歳未満の子どもの40%、
非喫煙女性の35%、非喫煙男性の33%が、
受動喫煙にさらされていると想定。
これが心臓病やぜんそく、呼吸器感染症、肺がんなどを引き起こし、
全死亡の1%に当たる60万3千人が2004年に亡くなったと推計。
特にアフリカや南アジアなどの発展途上国で、
子どもの健康に及ぼす影響が大きかった。
WHOはこれまで、たばこが原因で死亡する喫煙者は
年間510万人と推計、受動喫煙を加えると570万人の
死亡原因になっている。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/11/29/128938/
他人のたばこの煙を、周囲の人が吸い込む受動喫煙による
死亡者数は、世界全体で毎年60万人に達するとの推計を、
世界保健機関(WHO)の研究チームが、
英医学誌ランセットに発表。
うち16万5千人を、5歳未満の子どもが占める。
受動喫煙による世界的な死亡者数の推計は初めて。
チームは、たばこ価格の引き上げや広告の禁止など、
国連のたばこ規制枠組み条約に基づく法規制の強化を訴えている。
チームは192カ国のデータを分析、15歳未満の子どもの40%、
非喫煙女性の35%、非喫煙男性の33%が、
受動喫煙にさらされていると想定。
これが心臓病やぜんそく、呼吸器感染症、肺がんなどを引き起こし、
全死亡の1%に当たる60万3千人が2004年に亡くなったと推計。
特にアフリカや南アジアなどの発展途上国で、
子どもの健康に及ぼす影響が大きかった。
WHOはこれまで、たばこが原因で死亡する喫煙者は
年間510万人と推計、受動喫煙を加えると570万人の
死亡原因になっている。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/11/29/128938/
超高速インターネット衛星『きずな』使い遠隔医療実証実験
(サイエンスポータル 2010年12月2日)
宇宙航空研究開発機構と東京都小笠原村は、
超高速インターネット衛星「きずな」を使用した遠隔医療実証実験を行った。
約1000km離れた小笠原村診療所と東京都立広尾病院を
衛星回線で結び、急を要する患者が小笠原村で発生した場合、
診断から治療に至る連携作業がどの程度可能かどうか、
確かめるのが狙い。
小笠原村診療所から、患者の放射線画像・エコー映像や
外傷状況のハイビジョン映像を伝送し、
これを見た広尾病院の医師が初期救急対応の助言や
緊急性・治療の優先度を判断したり、本土へ搬送できないような
重症患者に対し、頭蓋内出血による脳の圧迫を回避するため、
頭蓋骨に穴を開け、血腫を外に出して減圧するといった
救命救急処置を、小笠原診療所の医師に指示、指導も。
小笠原村診療所と広尾病院の間の既存回線は、
毎秒64キロビットしかないが、「きずな」を使用することで、
合計毎秒24メガビット、3チャンネルの各種データを伝送できる。
実証実験では、放射線画像なども見ることができる
ハイビジョンテレビ会議で、小笠原村診療所と広尾病院の医師とが
治療方針を議論、検討することも行われた。
実証実験に参加した小笠原村診療所の医師からは、
「専門外の処置で、リアルタイムに実技指導が受けられるのは助かる」、
広尾病院の医師から、「映像が非常に鮮明で、
放射線画像のフィルムによる診断や技術指導を行うことが十分可能」、
「エコーや内視鏡の映像を、現地と同じ画質で見ることができるため、
現地での処置の可能性が広がる」など、それぞれ評価する声が聞かれた。
http://www.scienceportal.jp/news/daily/1012/1012021.html
宇宙航空研究開発機構と東京都小笠原村は、
超高速インターネット衛星「きずな」を使用した遠隔医療実証実験を行った。
約1000km離れた小笠原村診療所と東京都立広尾病院を
衛星回線で結び、急を要する患者が小笠原村で発生した場合、
診断から治療に至る連携作業がどの程度可能かどうか、
確かめるのが狙い。
小笠原村診療所から、患者の放射線画像・エコー映像や
外傷状況のハイビジョン映像を伝送し、
これを見た広尾病院の医師が初期救急対応の助言や
緊急性・治療の優先度を判断したり、本土へ搬送できないような
重症患者に対し、頭蓋内出血による脳の圧迫を回避するため、
頭蓋骨に穴を開け、血腫を外に出して減圧するといった
救命救急処置を、小笠原診療所の医師に指示、指導も。
小笠原村診療所と広尾病院の間の既存回線は、
毎秒64キロビットしかないが、「きずな」を使用することで、
合計毎秒24メガビット、3チャンネルの各種データを伝送できる。
実証実験では、放射線画像なども見ることができる
ハイビジョンテレビ会議で、小笠原村診療所と広尾病院の医師とが
治療方針を議論、検討することも行われた。
実証実験に参加した小笠原村診療所の医師からは、
「専門外の処置で、リアルタイムに実技指導が受けられるのは助かる」、
広尾病院の医師から、「映像が非常に鮮明で、
放射線画像のフィルムによる診断や技術指導を行うことが十分可能」、
「エコーや内視鏡の映像を、現地と同じ画質で見ることができるため、
現地での処置の可能性が広がる」など、それぞれ評価する声が聞かれた。
http://www.scienceportal.jp/news/daily/1012/1012021.html
定年退職後、うつ症状や身体・精神疲労が回復、フランス調査
(2010年11月26日 BMJ)
文献:Westerlund H et al. Effect of retirement on major chronic conditions and fatigue: French GAZEL occupational cohort study. BMJ. 2010; 341:c6149
定年退職者14104人を対象に、
退職が呼吸器疾患や糖尿病などの慢性疾患、うつ症状や疲労に及ぼす
影響を、コホート研究で調査。
退職前後15年間にわたり、退職者の自己報告を分析した結果、
慢性疾患に変化は見られなかったが、
身体・精神疲労の緩和、およびうつ症状の改善が見られた。
http://www.m3.com/news/THESIS/2010/11/26/10868/
文献:Westerlund H et al. Effect of retirement on major chronic conditions and fatigue: French GAZEL occupational cohort study. BMJ. 2010; 341:c6149
定年退職者14104人を対象に、
退職が呼吸器疾患や糖尿病などの慢性疾患、うつ症状や疲労に及ぼす
影響を、コホート研究で調査。
退職前後15年間にわたり、退職者の自己報告を分析した結果、
慢性疾患に変化は見られなかったが、
身体・精神疲労の緩和、およびうつ症状の改善が見られた。
http://www.m3.com/news/THESIS/2010/11/26/10868/
2010年12月2日木曜日
森林・林業再生に新たな制度提言
(サイエンスポータル 2010年12月1日)
農林水産省の森林・林業基本政策検討委員会
(座長・岡田秀二・岩手大学農学部教授)が、
森林・林業再生の道筋を示した報告書
「森林・林業の再生に向けた改革の姿」をまとめ、
鹿野道彦・農林水産相に提出。
国が決めていた森林区分を廃止し、地域の実情に合わせ、
市町村が柔軟に設定できるようにするなど、
地域の力活用を強く打ち出している。
報告書は、「木材の自給率50%以上」、
「すべての民有林で施行集約化が進み、持続的な森林経営と
計画的な施行が定着」など、10年後に実現を目指す目標をかかげ、
実行プランの工程表を示した。
目指す森林の姿として現在、国は「水土保全林」、
「森林と人との共生林」、「資源の循環利用林」という
3つの区分を決めている。
報告書は、これを分かりにくく、利用もされていないとして廃止し、
新たに「水源かん養」、「山地災害防止・土壌保全」、「快適環境」、
「保健・レクリエーション」、「文化、物質生産」、
「希少野生動植物の生息・生育地保全」など、
森林の重要な機能をより具体的に示している。
それぞれの機能ごとの望ましい森林の姿と必要な施業方法を
国、都道府県が例示し、それを参考に市町村が地域の意見を
取り入れて、森林を区分できるようにすることを提言。
効率的な森林作業と森林の多面的機能を持続的に発揮させることを狙い、
現行の森林施業計画制度に代わる
「森林経営計画(仮称)」制度の創設も提言。
計画は、一定規模以上の森林所有者や、森林所有者に代わって
森林経営を行う「特定受託者(仮称)」が、
独自に計画を作成することも認める、としている。
10月1日に施行された「公共建築物等における木材の利用の促進に
関する法律」に基づき、低層の公共建築物について、
原則としてすべて木造化を図り、高層・低層にかかわらず、
内装などの木質化を推進するなど、国が率先して公共建築物における
木材利用を推進することも提言。
地球温暖化対策としても関心が高まっている
木質バイオマスについても、石炭火力発電所における混合利用や、
チップ・ペレット・たきぎなどによる熱利用を推進するなど、
利用促進を求めている。
森林・林業の再生は、6月に閣議決定された「新成長戦略」で、
「21世紀日本の復活に向けた21の国家戦略プロジェクト」の一つに
位置付けられている。
報告書によると、国内の森林資源は戦後、積極的に推進された
造林事業の効果もあり、毎年、体積にして8千万立方メートルも
増え続けている。
他方、集約化や機械化の立ち後れなどによる
林業採算性の低下などから森林所有者の林業離れが進み、
資源が十分に活用されないばかりか、多面的機能が損なわれ、
荒廃さえ危惧される状況。
http://www.scienceportal.jp/news/daily/1012/1012011.html
農林水産省の森林・林業基本政策検討委員会
(座長・岡田秀二・岩手大学農学部教授)が、
森林・林業再生の道筋を示した報告書
「森林・林業の再生に向けた改革の姿」をまとめ、
鹿野道彦・農林水産相に提出。
国が決めていた森林区分を廃止し、地域の実情に合わせ、
市町村が柔軟に設定できるようにするなど、
地域の力活用を強く打ち出している。
報告書は、「木材の自給率50%以上」、
「すべての民有林で施行集約化が進み、持続的な森林経営と
計画的な施行が定着」など、10年後に実現を目指す目標をかかげ、
実行プランの工程表を示した。
目指す森林の姿として現在、国は「水土保全林」、
「森林と人との共生林」、「資源の循環利用林」という
3つの区分を決めている。
報告書は、これを分かりにくく、利用もされていないとして廃止し、
新たに「水源かん養」、「山地災害防止・土壌保全」、「快適環境」、
「保健・レクリエーション」、「文化、物質生産」、
「希少野生動植物の生息・生育地保全」など、
森林の重要な機能をより具体的に示している。
それぞれの機能ごとの望ましい森林の姿と必要な施業方法を
国、都道府県が例示し、それを参考に市町村が地域の意見を
取り入れて、森林を区分できるようにすることを提言。
効率的な森林作業と森林の多面的機能を持続的に発揮させることを狙い、
現行の森林施業計画制度に代わる
「森林経営計画(仮称)」制度の創設も提言。
計画は、一定規模以上の森林所有者や、森林所有者に代わって
森林経営を行う「特定受託者(仮称)」が、
独自に計画を作成することも認める、としている。
10月1日に施行された「公共建築物等における木材の利用の促進に
関する法律」に基づき、低層の公共建築物について、
原則としてすべて木造化を図り、高層・低層にかかわらず、
内装などの木質化を推進するなど、国が率先して公共建築物における
木材利用を推進することも提言。
地球温暖化対策としても関心が高まっている
木質バイオマスについても、石炭火力発電所における混合利用や、
チップ・ペレット・たきぎなどによる熱利用を推進するなど、
利用促進を求めている。
森林・林業の再生は、6月に閣議決定された「新成長戦略」で、
「21世紀日本の復活に向けた21の国家戦略プロジェクト」の一つに
位置付けられている。
報告書によると、国内の森林資源は戦後、積極的に推進された
造林事業の効果もあり、毎年、体積にして8千万立方メートルも
増え続けている。
他方、集約化や機械化の立ち後れなどによる
林業採算性の低下などから森林所有者の林業離れが進み、
資源が十分に活用されないばかりか、多面的機能が損なわれ、
荒廃さえ危惧される状況。
http://www.scienceportal.jp/news/daily/1012/1012011.html
有酸素運動+レジスタンストレーニング、HbA1cを改善
(2010年11月26日 JAMA)
文献:Church TS et al. Effects of Aerobic and Resistance Training on Hemoglobin A1c Levels in Patients With Type 2 Diabetes:A Randomized Controlled Trial. JAMA. 2010;304(20):2253-2262
2型糖尿病患者を有酸素運動群72人、
レジスタンストレーニング群73人、
有酸素運動+レジスタンストレーニング併用群76人、
対照群41人に、無作為に割付け比較。
併用群でのみHbA1c値が有意に低下し(-0.34%)、
最大酸素消費量も改善。
腹囲は対照群に比べ、すべての介入群で1.9-2.8cmの減少。
http://www.m3.com/news/THESIS/2010/11/26/10873/?pageFrom=prevButton
文献:Church TS et al. Effects of Aerobic and Resistance Training on Hemoglobin A1c Levels in Patients With Type 2 Diabetes:A Randomized Controlled Trial. JAMA. 2010;304(20):2253-2262
2型糖尿病患者を有酸素運動群72人、
レジスタンストレーニング群73人、
有酸素運動+レジスタンストレーニング併用群76人、
対照群41人に、無作為に割付け比較。
併用群でのみHbA1c値が有意に低下し(-0.34%)、
最大酸素消費量も改善。
腹囲は対照群に比べ、すべての介入群で1.9-2.8cmの減少。
http://www.m3.com/news/THESIS/2010/11/26/10873/?pageFrom=prevButton
海苔抽出物に「抗腫瘍効果」 崇城大学など確認
(2010年11月26日 毎日新聞社)
海苔製造販売の大森屋(大阪市)は、
崇城大学生物生命学部(熊本市)の上岡龍一教授との
共同研究において、海苔の抽出物に高い
「抗腫瘍効果」などがあることを細胞と動物を用いた試験で確認。
第69回日本癌学会学術総会で発表。
上岡教授は、同学部応用生命科学科の所属で、
海苔を巡る同社との共同研究は08年にスタート。
同社によると、研究では海苔からの「抽出物」をカプセルに包み、
細胞レベルでの抗腫瘍効果と、動物レベルでの、免疫を活性化する
「免疫賦活効果」を調べた。
その結果、「ヒト乳がん細胞」に対し、顕著な「がん細胞増殖抑制効果」が
みられ、その効果は「がん細胞の死滅の誘導」を示唆。
マウスの自然免疫機能を高める可能性も示された。
同社が独自開発した抽出法による海苔抽出物を、
マウスに経口投与した試験では、ウイルスや細菌から体を守るため、
体内で作られるたんぱく質「インターフェロン」の産生を誘導、
ウイルスや細菌、がん細胞を死滅させる役割を果たす
「ナチュラルキラー細胞」を活性化させる傾向。
研究で使われた海苔からの抽出物は、大判の海苔80枚分に相当。
この80枚の海苔を摂取したとしても、
人はその大半を消化・吸収できない。
同社では、抽出法や摂取法の改良を図るなど、
研究を一段と深化させる方針。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/11/26/128887/
海苔製造販売の大森屋(大阪市)は、
崇城大学生物生命学部(熊本市)の上岡龍一教授との
共同研究において、海苔の抽出物に高い
「抗腫瘍効果」などがあることを細胞と動物を用いた試験で確認。
第69回日本癌学会学術総会で発表。
上岡教授は、同学部応用生命科学科の所属で、
海苔を巡る同社との共同研究は08年にスタート。
同社によると、研究では海苔からの「抽出物」をカプセルに包み、
細胞レベルでの抗腫瘍効果と、動物レベルでの、免疫を活性化する
「免疫賦活効果」を調べた。
その結果、「ヒト乳がん細胞」に対し、顕著な「がん細胞増殖抑制効果」が
みられ、その効果は「がん細胞の死滅の誘導」を示唆。
マウスの自然免疫機能を高める可能性も示された。
同社が独自開発した抽出法による海苔抽出物を、
マウスに経口投与した試験では、ウイルスや細菌から体を守るため、
体内で作られるたんぱく質「インターフェロン」の産生を誘導、
ウイルスや細菌、がん細胞を死滅させる役割を果たす
「ナチュラルキラー細胞」を活性化させる傾向。
研究で使われた海苔からの抽出物は、大判の海苔80枚分に相当。
この80枚の海苔を摂取したとしても、
人はその大半を消化・吸収できない。
同社では、抽出法や摂取法の改良を図るなど、
研究を一段と深化させる方針。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/11/26/128887/
2010年12月1日水曜日
総合学習を生かす(2)思考力高める「ツール」
(読売 11月20日)
高齢者との交流で、子どもたちの思考力を高めている
新潟県小千谷市立千田小学校では、
ほかにどのような指導をしているのだろうか?
3~6年生の教室を訪れると、どの教室にも大きな字で
模造紙にまとめた表「考えを深める手立て」が、はり出されていた。
「〈1〉じゅんじょを考える(まず…つぎに…なぜなら)」、
「〈4〉くらべる(○○は△△より…。○○は△△にくらべて…)」など13項目。
子どもたちは、いつでも表を見ながら発言したり、文章を書いたりできる。
「このような学習は国語で行うが、4年ほど前から
『総合』でも積極的に指導。
多くの子が、自分の意見をきちんと表現できるようになった」、
目黒栄一教頭(51)。
同小では、ほかにも、「考えるためのツール」と名付けた
様々な図解方法を導入、情報の整理に活用。
「おいしく安全な1等米を作るポイントは何か」をテーマにした5年生の授業。
2人1組での話し合いでは、農家から聞いた情報や自分の考えを
付せん紙に書き、似たような意見や関係がある情報を線でつないで整理。
あるペアでは、「雑草を抜く」、「害虫から守る」、「農薬を使わない」
などの情報が複数出た。
話し合い、「雑草」と「害虫」、「農薬」は関係があると考え、線でつないだ。
「雑草には害虫が寄って来る。
人手が足りれば、なるべく除草剤を使わない」などとまとめた。
「虫を殺さない」、「愛情」といった少数意見など、
自分と異なる考えに気づくこともできた。
「子どもたちの意見や発見が、教師の想定を超えることもある。
そこが面白い。
その点で、この方法は、子ども一人一人の考えを目で見ることができる」
教師が構想した学習の流れにとらわれ、
児童の思いや考えが二の次になり、形だけの授業になっていないか――
そんな教師たちの反省が出発点。
今では、子どもたちの考えを深める総合学習の方法を確立し、
教科の授業でも積極的に活用。
テーマや学習方法が学校に委ねられている総合学習。
学校全体でどう子どもを教育するのか、
教師たちが知恵を絞った成果は、確実に表れている。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20101120-OYT8T00172.htm
高齢者との交流で、子どもたちの思考力を高めている
新潟県小千谷市立千田小学校では、
ほかにどのような指導をしているのだろうか?
3~6年生の教室を訪れると、どの教室にも大きな字で
模造紙にまとめた表「考えを深める手立て」が、はり出されていた。
「〈1〉じゅんじょを考える(まず…つぎに…なぜなら)」、
「〈4〉くらべる(○○は△△より…。○○は△△にくらべて…)」など13項目。
子どもたちは、いつでも表を見ながら発言したり、文章を書いたりできる。
「このような学習は国語で行うが、4年ほど前から
『総合』でも積極的に指導。
多くの子が、自分の意見をきちんと表現できるようになった」、
目黒栄一教頭(51)。
同小では、ほかにも、「考えるためのツール」と名付けた
様々な図解方法を導入、情報の整理に活用。
「おいしく安全な1等米を作るポイントは何か」をテーマにした5年生の授業。
2人1組での話し合いでは、農家から聞いた情報や自分の考えを
付せん紙に書き、似たような意見や関係がある情報を線でつないで整理。
あるペアでは、「雑草を抜く」、「害虫から守る」、「農薬を使わない」
などの情報が複数出た。
話し合い、「雑草」と「害虫」、「農薬」は関係があると考え、線でつないだ。
「雑草には害虫が寄って来る。
人手が足りれば、なるべく除草剤を使わない」などとまとめた。
「虫を殺さない」、「愛情」といった少数意見など、
自分と異なる考えに気づくこともできた。
「子どもたちの意見や発見が、教師の想定を超えることもある。
そこが面白い。
その点で、この方法は、子ども一人一人の考えを目で見ることができる」
教師が構想した学習の流れにとらわれ、
児童の思いや考えが二の次になり、形だけの授業になっていないか――
そんな教師たちの反省が出発点。
今では、子どもたちの考えを深める総合学習の方法を確立し、
教科の授業でも積極的に活用。
テーマや学習方法が学校に委ねられている総合学習。
学校全体でどう子どもを教育するのか、
教師たちが知恵を絞った成果は、確実に表れている。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20101120-OYT8T00172.htm
2型糖尿病、新薬に光 インスリン抑制のたんぱく質発見 京大研
(2010年11月26日 毎日新聞社)
京都大ウイルス研究所の増谷弘准教授らの研究グループは、
糖尿病患者の大半を占める2型糖尿病で、
インスリンの分泌や効きやすさの鍵を握るたんぱく質を突き止め、
英科学誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」電子版に発表。
新たな治療薬の開発が期待。
2型糖尿病は、糖に対するインスリンの分泌が足りず、
効き方も悪いのが特徴。
しばしば肥満を伴う。
研究グループは、糖や脂質の代謝調整に関与するたんぱく質
「TBP-2」に注目。
これを持たないマウスと糖尿病の肥満マウスを交配。
この結果、生まれてきたTBP-2を持たないマウスは、
太っているのに血糖値は健康なマウスとほぼ同じで、
TBP-2がないと血糖値が改善される関係がうかがえた。
研究グループは、遺伝子を分析。
TBP-2がない場合、インスリンを働かせる遺伝子が筋肉内で
増加して効きやすくなり、すい臓でのインスリンの分泌も多い。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/11/26/128886/
京都大ウイルス研究所の増谷弘准教授らの研究グループは、
糖尿病患者の大半を占める2型糖尿病で、
インスリンの分泌や効きやすさの鍵を握るたんぱく質を突き止め、
英科学誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」電子版に発表。
新たな治療薬の開発が期待。
2型糖尿病は、糖に対するインスリンの分泌が足りず、
効き方も悪いのが特徴。
しばしば肥満を伴う。
研究グループは、糖や脂質の代謝調整に関与するたんぱく質
「TBP-2」に注目。
これを持たないマウスと糖尿病の肥満マウスを交配。
この結果、生まれてきたTBP-2を持たないマウスは、
太っているのに血糖値は健康なマウスとほぼ同じで、
TBP-2がないと血糖値が改善される関係がうかがえた。
研究グループは、遺伝子を分析。
TBP-2がない場合、インスリンを働かせる遺伝子が筋肉内で
増加して効きやすくなり、すい臓でのインスリンの分泌も多い。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/11/26/128886/
がん予防 食事で 発生要因の35% 全粒穀物、青魚など効果期待
(2010年11月24日 毎日新聞社)
日本人の2人に1人は、がんにかかる時代。
東京女子医大付属青山自然医療研究所クリニックの川嶋朗所長は、
長年患者と接し、食生活の大切さを実感、
がんを予防するための食事方法を提唱。
何を食べればよいのか?
がんの発生する要因として、
「食事35%、喫煙30%、感染症10%」と推測。
にもかかわらず、がんの専門医療施設で食事指導をする医師や
栄養士は、ほとんどいないのが実情。
がんの転移や再発を防ぎたいという患者の思いは切実。
「何をどのように食べたらいいのか、質問されることが多い。
食をめぐる最大の関心事に、多くの医療機関は対応できていない」
米国では、がん予防のガイドラインを発表し、
食習慣の改善を呼びかけ効果を上げている。
米国国立がん研究所は、食品の成分、作用、代謝などについて
調査を行い、効果の高い食品を並べた
「デザイナーフーズ・ピラミッド」を紹介。
日本では、国立がん研究センターが、
「がんを防ぐための12カ条」を提唱、
食事に関しては、「バランスのとれた栄養」、「変化のある食生活」、
「食べ過ぎをさけ、脂肪は控えめに」といった、
一般論であまり実践的ではない。
川嶋医師は、玄米菜食を基本とする「マクロビオティック」、
欧米で行われている「ゲルソン療法」、
日本の伝統食を見直す「幕内式食事療法」などの
さまざまな実践例を研究し、無理なく継続できる川嶋流
「食べ方12カ条」を提案。
「免疫力を高め、自然治癒力を維持できれば、
体内に入った異物を撃退することができる。
体を温め、代謝をよくする、ストレスをためない、
十分な睡眠をとることも大切な要素」
がん予防を期待できる食品として、川嶋医師があげるのは、
(1)アシタバ、(2)ニンジン、(3)ゴボウ、(4)ブロッコリー、
(5)キャベツ、(6)カボチャ、(7)イモ類、(8)ネギ、タマネギ、
(9)トマト、(10)リンゴ、(11)バナナ、(12)シソ、(13)ニンニク、
(14)キノコ類、(15)海藻類、(16)玄米、(17)発酵食品、
(18)ゴマ、(19)青魚、(20)緑茶の20品目。
逆に控えたい食品として、「塩分、脂肪、糖質、過度な苦み、
辛みなどの刺激物、熱すぎるもの」をあげる。
「20品目の食材を中心に、さまざまな食品をバランスよくとることが大切。
腸内環境を整え、便通をよくする食物繊維、水分補給も
心がけてください」とアドバイス。
……………………………………………………………………………
◆川嶋流「食べ方12カ条」
(1)全粒穀物(玄米や小麦、ふすまなど)を取る
(2)よくかんで食べる
(3)食物繊維を取る
(4)果物を控え野菜を
(5)水は1日1~1.5L
(6)1日1回はキノコ類を
(7)青魚を取る
(8)1日30品目取るように
(9)塩は控えめに
(10)肉類は控える
(11)甘い物は控える
(12)旬のものを取り入れる
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/11/24/128737/
日本人の2人に1人は、がんにかかる時代。
東京女子医大付属青山自然医療研究所クリニックの川嶋朗所長は、
長年患者と接し、食生活の大切さを実感、
がんを予防するための食事方法を提唱。
何を食べればよいのか?
がんの発生する要因として、
「食事35%、喫煙30%、感染症10%」と推測。
にもかかわらず、がんの専門医療施設で食事指導をする医師や
栄養士は、ほとんどいないのが実情。
がんの転移や再発を防ぎたいという患者の思いは切実。
「何をどのように食べたらいいのか、質問されることが多い。
食をめぐる最大の関心事に、多くの医療機関は対応できていない」
米国では、がん予防のガイドラインを発表し、
食習慣の改善を呼びかけ効果を上げている。
米国国立がん研究所は、食品の成分、作用、代謝などについて
調査を行い、効果の高い食品を並べた
「デザイナーフーズ・ピラミッド」を紹介。
日本では、国立がん研究センターが、
「がんを防ぐための12カ条」を提唱、
食事に関しては、「バランスのとれた栄養」、「変化のある食生活」、
「食べ過ぎをさけ、脂肪は控えめに」といった、
一般論であまり実践的ではない。
川嶋医師は、玄米菜食を基本とする「マクロビオティック」、
欧米で行われている「ゲルソン療法」、
日本の伝統食を見直す「幕内式食事療法」などの
さまざまな実践例を研究し、無理なく継続できる川嶋流
「食べ方12カ条」を提案。
「免疫力を高め、自然治癒力を維持できれば、
体内に入った異物を撃退することができる。
体を温め、代謝をよくする、ストレスをためない、
十分な睡眠をとることも大切な要素」
がん予防を期待できる食品として、川嶋医師があげるのは、
(1)アシタバ、(2)ニンジン、(3)ゴボウ、(4)ブロッコリー、
(5)キャベツ、(6)カボチャ、(7)イモ類、(8)ネギ、タマネギ、
(9)トマト、(10)リンゴ、(11)バナナ、(12)シソ、(13)ニンニク、
(14)キノコ類、(15)海藻類、(16)玄米、(17)発酵食品、
(18)ゴマ、(19)青魚、(20)緑茶の20品目。
逆に控えたい食品として、「塩分、脂肪、糖質、過度な苦み、
辛みなどの刺激物、熱すぎるもの」をあげる。
「20品目の食材を中心に、さまざまな食品をバランスよくとることが大切。
腸内環境を整え、便通をよくする食物繊維、水分補給も
心がけてください」とアドバイス。
……………………………………………………………………………
◆川嶋流「食べ方12カ条」
(1)全粒穀物(玄米や小麦、ふすまなど)を取る
(2)よくかんで食べる
(3)食物繊維を取る
(4)果物を控え野菜を
(5)水は1日1~1.5L
(6)1日1回はキノコ類を
(7)青魚を取る
(8)1日30品目取るように
(9)塩は控えめに
(10)肉類は控える
(11)甘い物は控える
(12)旬のものを取り入れる
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/11/24/128737/
2010年11月28日日曜日
ドイツのスポーツ政策
(sfen)
◆ドイツのスポーツ政策と基本法
ドイツ連邦共和国のスポーツ政策は、連邦内務省が担当。
全ドイツを代表するトップアスリートの支援や
国際大会の招致開催などを所管、
国民一人ひとりのスポーツに関しては、各州を基本に
各自治体が主体的に取り組んでいる。
ドイツは、連邦制を導入し、国防や外交など国益を代表することに
関してのみ連邦政府が行う、という政治の仕組みによる。
連邦レベルにおいて、内務省だけでなく労働社会省、国防省、
家族・高齢者・婦人・青少年省、教育・研究省などでも、
スポーツに関する連邦政府予算が計上、
各々の政策領域でスポーツの普及発展にかかわっている。
各州のスポーツ政策を調整し、連携を図るため、
「州スポーツ担当大臣連絡協議会」が設置、
各州当番制で事務局を運営。
ドイツは、主務官庁が一本化、基本法に基づく厳格なスポーツ政策が
行われているように思えるが、スポーツのための基本法は
制定されておらず、一本化も行われていない。
基本法として、唯一「ドイツ連邦共和国基本法」(1949年)が存在、
憲法にあたるものとして位置づけ。
基本法では、特にスポーツに関する条項は見当たらないが、
国民のスポーツに関する権利を読み取ることはできる。
スポーツをする権利を、自由権として国民に保証、
スポーツクラブは、「結社」の自由権として基本法により保護。
いくつかの州において、スポーツ振興のための法律を定めているが、
法律でスポーツを規定し、制約する考えはない。
◆ドイツスポーツ憲章の存在
第二次大戦前、スポーツが一時政治に利用された歴史を持つドイツ。
1966年、ドイツスポーツ連盟(DSB当時)は、ドイツスポーツ憲章を制定、
“スポーツはすべての人のためにある”と宣言。
この憲章は、1975年「欧州みんなのスポーツ憲章」、
ユネスコ宣言(1978年)へと発展、ドイツのスポーツ振興の
具体的な道筋を定めてきた。
2000年(DSB50周年記念)、ハノーバで新たなミッションステーツメント
(行動指針)の発表に至っている。
スポーツ基本法こそないドイツであるが、民間団体が制定した
スポーツ憲章の存在は、スポーツ基本法に代わるものとして評価、尊重。
◆民間団体主体によるスポーツ振興支援
1950年、再興したドイツスポーツ連盟(DSB当時)は、
「第二の道」(1959)を発表、国民のスポーツ振興に尽力した。
スポーツ施設整備指針を提示した「ゴールデンプラン」
(1960年ドイツオリンピック協会DOG)、「トリム運動」(1970年DSB)の
推進などは、全て民間団体が中心となって推進、
連邦政府、州、自治体の賛同および支援を受け、今日に至っている。
財政的な支援として、民間企業などの支援も大きな存在。
2006年、ドイツスポーツ連盟(DSB)はナショナルオリンピック委員会と
合併、ドイツオリンピックスポーツ連盟(DOSB)に改組。
現在会員数、27,553,516人(国民の33.6%)。
州スポーツ連盟に所属する90,897の地域スポーツクラブに加入し
活動している者は、23,693,679(国民の28.89%、DOSB, 2009)。
わが国の日本体育協会に相当する民間組織の果たしている
功績は多大で、スポーツクラブに属さない人々のスポーツ振興に大きく貢献。
◆スポーツ振興の原点「地域スポーツクラブ」
民法に基づき、7人以上の非営利団体は、総て登記社団として法人化。
約100万ともいわれる社団の1類型として、
約9万の地域スポーツクラブが存在。
会員数の規模や共益性あるいは公益性など活動内容に関わらず、
どのようなクラブも同じ社団として社会的に認知され、
同等の権利を保有。
クラブ会員のクラブライフを創出することに重きを置いているが、
地域に数多く存在し、多岐にわたるニーズに対応していること、
地域社会の課題解決に寄与する可能性が高いことなどから、
その存在価値は高く評価、地域社会そして会員自身が
その存在と活動を担保している。
個人の権利であるスポーツを担保し、個人がスポーツにおいて
自立することを支援する地域スポーツクラブは、
ドイツにおけるスポーツの象徴かつ原点であり、
政治の介入はもちろん許されていない。
◆国民目線のスポーツ戦略づくりへ
スポーツ立国戦略の策定、スポーツ振興法の改定、
新スポーツ振興基本計画の策定、スポーツ庁の設置などが
検討されているわが国は、新たなスポーツの時代を迎えようとしている。
戦略や法律、計画が国民のスポーツを規定し、
スポーツを「させる」仕組みを担保するのではなく、
国民が自らスポーツを自由に「する」仕組みへと、
展開することが望まれる。
トップアスリートも含めた、国民の一人ひとりの笑顔が見える
総合的なスポーツ戦略を、ドイツではドイツオリンピックスポーツ連盟
(DOSB)や種目別競技連盟などが明確に指し示しており、
国民のスポーツをする権利を担保する国民の代表機関としての
役割を確立している。
国民、民間主体のスポーツビジョンが展開されれば、
政策はそれらの支援策の充実が主体となる。
ドイツのスポーツ政策から、わが国の展開をみた場合、
事業仕分けからスポーツを守り、スポーツ関連予算を確保し、
関連団体組織の権益を守るためのシステム整備ではなく、
個人そして民間団体の利益を担保し、より自由なスポーツ活動の
発展を支援する体系づくりであることが期待される。
基本法がなく、スポーツ庁がなくても、国民一人ひとりが
スポーツの素晴らしさと重要性を認識し、自らがスポーツを
実践するとともに、自分の好む地域スポーツクラブに参画する
環境が整えば、スポーツ立国が具現化されることを、
ドイツは約60年かけて立証。
◎佐藤由夫
関西国際大学人間科学部教授/日本自由時間スポーツ研究所所長
日本生涯スポーツ学会副理事長
日本人間工学会評議員 元国際余暇スポーツ施設研究協会
日本連盟事務局長(iaks:本部ケルン・ドイツ)
長年ドイツのスポーツ振興方策の研究に従事。
著書「欧州に見るスポーツ施設30」体育施設出版、
共著「スポーツクラブ白書2000」厚有出版、
「生涯スポーツ実践論」市村出版、
「スポーツ白書2006」笹川スポーツ財団、
連載「海外スポーツ施設シリーズ」月刊体育施設1984年2月~隔月、
体育施設出版。
http://www.ssf.or.jp/sfen/sports/sports_vol9-1.html
◆ドイツのスポーツ政策と基本法
ドイツ連邦共和国のスポーツ政策は、連邦内務省が担当。
全ドイツを代表するトップアスリートの支援や
国際大会の招致開催などを所管、
国民一人ひとりのスポーツに関しては、各州を基本に
各自治体が主体的に取り組んでいる。
ドイツは、連邦制を導入し、国防や外交など国益を代表することに
関してのみ連邦政府が行う、という政治の仕組みによる。
連邦レベルにおいて、内務省だけでなく労働社会省、国防省、
家族・高齢者・婦人・青少年省、教育・研究省などでも、
スポーツに関する連邦政府予算が計上、
各々の政策領域でスポーツの普及発展にかかわっている。
各州のスポーツ政策を調整し、連携を図るため、
「州スポーツ担当大臣連絡協議会」が設置、
各州当番制で事務局を運営。
ドイツは、主務官庁が一本化、基本法に基づく厳格なスポーツ政策が
行われているように思えるが、スポーツのための基本法は
制定されておらず、一本化も行われていない。
基本法として、唯一「ドイツ連邦共和国基本法」(1949年)が存在、
憲法にあたるものとして位置づけ。
基本法では、特にスポーツに関する条項は見当たらないが、
国民のスポーツに関する権利を読み取ることはできる。
スポーツをする権利を、自由権として国民に保証、
スポーツクラブは、「結社」の自由権として基本法により保護。
いくつかの州において、スポーツ振興のための法律を定めているが、
法律でスポーツを規定し、制約する考えはない。
◆ドイツスポーツ憲章の存在
第二次大戦前、スポーツが一時政治に利用された歴史を持つドイツ。
1966年、ドイツスポーツ連盟(DSB当時)は、ドイツスポーツ憲章を制定、
“スポーツはすべての人のためにある”と宣言。
この憲章は、1975年「欧州みんなのスポーツ憲章」、
ユネスコ宣言(1978年)へと発展、ドイツのスポーツ振興の
具体的な道筋を定めてきた。
2000年(DSB50周年記念)、ハノーバで新たなミッションステーツメント
(行動指針)の発表に至っている。
スポーツ基本法こそないドイツであるが、民間団体が制定した
スポーツ憲章の存在は、スポーツ基本法に代わるものとして評価、尊重。
◆民間団体主体によるスポーツ振興支援
1950年、再興したドイツスポーツ連盟(DSB当時)は、
「第二の道」(1959)を発表、国民のスポーツ振興に尽力した。
スポーツ施設整備指針を提示した「ゴールデンプラン」
(1960年ドイツオリンピック協会DOG)、「トリム運動」(1970年DSB)の
推進などは、全て民間団体が中心となって推進、
連邦政府、州、自治体の賛同および支援を受け、今日に至っている。
財政的な支援として、民間企業などの支援も大きな存在。
2006年、ドイツスポーツ連盟(DSB)はナショナルオリンピック委員会と
合併、ドイツオリンピックスポーツ連盟(DOSB)に改組。
現在会員数、27,553,516人(国民の33.6%)。
州スポーツ連盟に所属する90,897の地域スポーツクラブに加入し
活動している者は、23,693,679(国民の28.89%、DOSB, 2009)。
わが国の日本体育協会に相当する民間組織の果たしている
功績は多大で、スポーツクラブに属さない人々のスポーツ振興に大きく貢献。
◆スポーツ振興の原点「地域スポーツクラブ」
民法に基づき、7人以上の非営利団体は、総て登記社団として法人化。
約100万ともいわれる社団の1類型として、
約9万の地域スポーツクラブが存在。
会員数の規模や共益性あるいは公益性など活動内容に関わらず、
どのようなクラブも同じ社団として社会的に認知され、
同等の権利を保有。
クラブ会員のクラブライフを創出することに重きを置いているが、
地域に数多く存在し、多岐にわたるニーズに対応していること、
地域社会の課題解決に寄与する可能性が高いことなどから、
その存在価値は高く評価、地域社会そして会員自身が
その存在と活動を担保している。
個人の権利であるスポーツを担保し、個人がスポーツにおいて
自立することを支援する地域スポーツクラブは、
ドイツにおけるスポーツの象徴かつ原点であり、
政治の介入はもちろん許されていない。
◆国民目線のスポーツ戦略づくりへ
スポーツ立国戦略の策定、スポーツ振興法の改定、
新スポーツ振興基本計画の策定、スポーツ庁の設置などが
検討されているわが国は、新たなスポーツの時代を迎えようとしている。
戦略や法律、計画が国民のスポーツを規定し、
スポーツを「させる」仕組みを担保するのではなく、
国民が自らスポーツを自由に「する」仕組みへと、
展開することが望まれる。
トップアスリートも含めた、国民の一人ひとりの笑顔が見える
総合的なスポーツ戦略を、ドイツではドイツオリンピックスポーツ連盟
(DOSB)や種目別競技連盟などが明確に指し示しており、
国民のスポーツをする権利を担保する国民の代表機関としての
役割を確立している。
国民、民間主体のスポーツビジョンが展開されれば、
政策はそれらの支援策の充実が主体となる。
ドイツのスポーツ政策から、わが国の展開をみた場合、
事業仕分けからスポーツを守り、スポーツ関連予算を確保し、
関連団体組織の権益を守るためのシステム整備ではなく、
個人そして民間団体の利益を担保し、より自由なスポーツ活動の
発展を支援する体系づくりであることが期待される。
基本法がなく、スポーツ庁がなくても、国民一人ひとりが
スポーツの素晴らしさと重要性を認識し、自らがスポーツを
実践するとともに、自分の好む地域スポーツクラブに参画する
環境が整えば、スポーツ立国が具現化されることを、
ドイツは約60年かけて立証。
◎佐藤由夫
関西国際大学人間科学部教授/日本自由時間スポーツ研究所所長
日本生涯スポーツ学会副理事長
日本人間工学会評議員 元国際余暇スポーツ施設研究協会
日本連盟事務局長(iaks:本部ケルン・ドイツ)
長年ドイツのスポーツ振興方策の研究に従事。
著書「欧州に見るスポーツ施設30」体育施設出版、
共著「スポーツクラブ白書2000」厚有出版、
「生涯スポーツ実践論」市村出版、
「スポーツ白書2006」笹川スポーツ財団、
連載「海外スポーツ施設シリーズ」月刊体育施設1984年2月~隔月、
体育施設出版。
http://www.ssf.or.jp/sfen/sports/sports_vol9-1.html
2010年11月27日土曜日
総合学習を生かす(1)「笑顔の理由」考え深める
(読売 11月19日)
新潟県小千谷市立千田小学校の6年生の教室。
「お年寄りは、どんな時に笑顔になりましたか」、
担任の大野佳代教諭(50)が問いかける。
「ゆっくり大きな声で話した時」などと答える子どもたち。
総合学習では、高齢者との交流会を通した学習を行っている。
交流会は年6回実施し、各回の後に振り返りの場を設ける。
体験で得た情報を集めて整理し、課題を見つけて次回の計画を作成、
実行して再び振り返る。
そうした作業を繰り返す中で、自分で考え、実践する力を育てるのが狙い。
この日は、5回目の交流会後の2度目の振り返り。
子どもたちは、お年寄りが楽しいかどうかを判断する基準を
「笑顔」と考え、班ごとに考えをまとめて授業に臨んだ。
話し合いでは、ある男児が、「言葉は伝わったけど、笑顔にならなかった」と
指摘したのをきっかけに、「自分たちが笑顔で話しかけた」、
「相づちを打った」、「共感する言葉を言った」と議論を深めていった。
改善点が見えてきたところで、
最後に、次回に向けた目標と理由を個人カードに記入。
子どもたちは一斉に書き始め、周りをキョロキョロ見たり、
何も書かずにあきらめたりする子は一人もいなかった。
同小では、自分の考えを書くプリント学習やテストなどで、
白紙や無解答の児童はほとんどいない。
今年度の全国学力テストでは、読解力や判断力などを見る
応用的な国語Bの「無解答率」は、
全国平均の4・2%に対し、わずか0・7%。
正答率は、全国平均を約7ポイント上回った。
「体験を振り返り、友だちと一緒に考えを深める学習を
繰り返すことで、自分の考えを文章でまとめる力が
育っているのでは」と大野教諭。
曽我茂樹校長(53)も、「考えを深める『総合』の授業に
学校全体で力を入れた結果、学力も上がった」と胸を張る。
課題設定力、計画力、思考力……。
様々な力が、総合学習で育まれている。
2002年度に新設された「総合的な学習の時間」。
新学習指導要領では、知識を活用する思考力や判断力、
表現力などを育む探究的な学習の場として、
位置づけが明確になったが、
学校間で授業の質に差があるなど課題も多い。
効果的な授業を追求する各地の取り組みを報告する。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20101119-OYT8T00154.htm
新潟県小千谷市立千田小学校の6年生の教室。
「お年寄りは、どんな時に笑顔になりましたか」、
担任の大野佳代教諭(50)が問いかける。
「ゆっくり大きな声で話した時」などと答える子どもたち。
総合学習では、高齢者との交流会を通した学習を行っている。
交流会は年6回実施し、各回の後に振り返りの場を設ける。
体験で得た情報を集めて整理し、課題を見つけて次回の計画を作成、
実行して再び振り返る。
そうした作業を繰り返す中で、自分で考え、実践する力を育てるのが狙い。
この日は、5回目の交流会後の2度目の振り返り。
子どもたちは、お年寄りが楽しいかどうかを判断する基準を
「笑顔」と考え、班ごとに考えをまとめて授業に臨んだ。
話し合いでは、ある男児が、「言葉は伝わったけど、笑顔にならなかった」と
指摘したのをきっかけに、「自分たちが笑顔で話しかけた」、
「相づちを打った」、「共感する言葉を言った」と議論を深めていった。
改善点が見えてきたところで、
最後に、次回に向けた目標と理由を個人カードに記入。
子どもたちは一斉に書き始め、周りをキョロキョロ見たり、
何も書かずにあきらめたりする子は一人もいなかった。
同小では、自分の考えを書くプリント学習やテストなどで、
白紙や無解答の児童はほとんどいない。
今年度の全国学力テストでは、読解力や判断力などを見る
応用的な国語Bの「無解答率」は、
全国平均の4・2%に対し、わずか0・7%。
正答率は、全国平均を約7ポイント上回った。
「体験を振り返り、友だちと一緒に考えを深める学習を
繰り返すことで、自分の考えを文章でまとめる力が
育っているのでは」と大野教諭。
曽我茂樹校長(53)も、「考えを深める『総合』の授業に
学校全体で力を入れた結果、学力も上がった」と胸を張る。
課題設定力、計画力、思考力……。
様々な力が、総合学習で育まれている。
2002年度に新設された「総合的な学習の時間」。
新学習指導要領では、知識を活用する思考力や判断力、
表現力などを育む探究的な学習の場として、
位置づけが明確になったが、
学校間で授業の質に差があるなど課題も多い。
効果的な授業を追求する各地の取り組みを報告する。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20101119-OYT8T00154.htm
免疫強める新タンパク質 インフルエンザに効果か
(2010年11月22日 共同通信社)
ウイルス感染した際、体内で免疫を活性化させる
新たなタンパク質を見つけたと、
北海道大遺伝子病制御研究所の高岡晃教教授(免疫学)らが、
21日付米科学誌ネイチャーイムノロジー電子版に発表、
「ZAPS」と名付けた。
ウイルス増殖を抑制するインターフェロンを、
大量に作るよう誘導するなどの働きがあり、
インフルエンザやはしかなどのウイルスに効果があるのではないか。
高岡教授は、「今後は、動物実験で効果を確かめたい。
将来的には、抗ウイルス薬の候補としても期待」
インフルエンザウイルスなど遺伝情報を、
RNAで持つウイルスが細胞に感染すると、
細胞内にある「RIG-I」という分子が、ウイルスのRNAを感知。
高岡教授らは、RIG-IにZAPSが結合し、インターフェロン生産を
増強させることを突き止めた。
試験管内で、ヒトの細胞にインフルエンザウイルスを感染させる実験で、
人為的にZAPSが働かないようにした場合、
インターフェロンが抑えられてウイルスは増殖。
ZAPSの働きを高めると、ウイルスの増殖が抑えられた。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/11/22/128606/
ウイルス感染した際、体内で免疫を活性化させる
新たなタンパク質を見つけたと、
北海道大遺伝子病制御研究所の高岡晃教教授(免疫学)らが、
21日付米科学誌ネイチャーイムノロジー電子版に発表、
「ZAPS」と名付けた。
ウイルス増殖を抑制するインターフェロンを、
大量に作るよう誘導するなどの働きがあり、
インフルエンザやはしかなどのウイルスに効果があるのではないか。
高岡教授は、「今後は、動物実験で効果を確かめたい。
将来的には、抗ウイルス薬の候補としても期待」
インフルエンザウイルスなど遺伝情報を、
RNAで持つウイルスが細胞に感染すると、
細胞内にある「RIG-I」という分子が、ウイルスのRNAを感知。
高岡教授らは、RIG-IにZAPSが結合し、インターフェロン生産を
増強させることを突き止めた。
試験管内で、ヒトの細胞にインフルエンザウイルスを感染させる実験で、
人為的にZAPSが働かないようにした場合、
インターフェロンが抑えられてウイルスは増殖。
ZAPSの働きを高めると、ウイルスの増殖が抑えられた。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/11/22/128606/
ブラジルのスポーツ政策
(sfen)
◆ブラジルの特徴
サッカーのワールドカップでは、過去19回大会すべてに連続出場、
5回優勝している唯一の国。
ブラジルがサッカー大国であることはよく知られているが、
近い将来、この国は世界屈指のスポーツ大国としての
成長も遂げるであろう。
広大な国土、豊富な資源を背景に、今や中国、ロシア、インドとともに
新興経済国BRICsの雄として躍進、
ブラジルの勢いに世界中の注目が集まっている。
4年後の2014年、1950年以来2度目のサッカーワールドカップを開催。
6年後の2016年、南米大陸初となる歴史的なオリンピックを、
リオデジャネイロで開催。
スポーツの2大メガイベントの成功を目指して、
ブラジル政府は、都市インフラを整備し、治安問題の改善を図り、
さまざまなスポーツ振興政策を図ってきた。
◆ブラジルのスポーツ環境の特徴
ブラジルのスポーツ環境の特徴として、多人種・多民族で構成される
社会に根づいた総合型地域スポーツクラブの多様性があげられる。
1888年の奴隷制廃止後、黒人の代替労働力として導入された
欧州移民たちは、新天地に次々とクラブを創設し、
近代スポーツを移入した。
19世紀末に伝えられたサッカーを通して、イギリス人、ポルトガル人、
イタリア人、ドイツ人をはじめ、各国移民のクラブが
アイデンティティと威信をかけて盛んに競合し、
そこへインフォーマルな草サッカーに興じていた貧しい黒人や
混血の人々が取り込まれていった。
ブラジルにおけるスポーツの大衆化やプロ化は、
サッカー界において先駆的に進展した。
地域、移民、人種、社会階層の多様性を反映したスポーツクラブが
百花繚乱し、日々のスポーツ実践の舞台となっている。
今日、サッカー以外にバレーボール、ビーチバレー、
フォーミュラー・ワン(F1)などが世界のトップレベルを維持、
バスケットボール、柔道、空手、ボクシング、水泳、
サーフィンなども盛ん。
アフリカ起源のカポエイラ、先住民が継承する伝統スポーツ、
カーニバルでお馴染みのサンバも、見逃すことはできない。
◆スポーツ関連法設置の経緯
ブラジルは、過去2回のクーデターと2度の権威主義的政治体制を経験。
1度目は、世界恐慌によるコーヒー経済の破綻後、
農業に替わる工業化を図るべく登場した
ヴァルガス独裁政権(新国家体制1937~45年)。
2度目は、社会主義化したキューバや中国への接近に反発して
登場した軍事政権(1964~85年)。
2つの政権下、中央集権的政策はスポーツにもおよび、
1941年『大統領令』[Decreto-Lei nº 3.199/41]では、
国内スポーツ競技団体がすべて全国スポーツ評議会(CND)傘下に
統制され、その内容は34年後の1975年『スポーツ法』[Lei 6.251/75]へ
引き継がれた。
サッカーワールドカップにおける3度の優勝(1958年、62年、70年)が
ことごとく国威発揚と政治宣伝に 利用され、
当時ブラジル・サッカーの栄光は、一方で「民衆のアヘン」と揶揄された。
1985年の民政移管後、民主主義を謳う1988年『新憲法』が公布、
第217条で「スポーツを行うことは国民の権利である」ことが明記。
スポーツは、国家の直接干渉から脱し、
競技団体やスポーツ統括組織の自立的活動が保障されるに至った。
その後、旧態依然としたブラジル・サッカー界の諸側面を、
スポーツの国際標準に適合させるための諸改革が次々と打ち出され、
スポーツ関連法の発展がみられた。
1993年、いわゆる『ジーコ法』[Lei 8.672/93]や、
1988年、『ペレ法』[Lei 9.615/98]、それらの改正法によって、
新リーグの創設、クラブの企業化、選手とクラブの契約是正、
テレビ放映権契約の規定、国営宝くじ収益のスポーツ財源化などの
さまざまな問題解決が図られていった。
◆スポーツ国家政策の内容
ブラジルのスポーツ所管省の変遷は下表のとおり。
2003年、ルラ政権によってスポーツ省が設置。
<ブラジルにおけるスポーツ所管省の変遷>
年 所管省 担当組織
1941年 教育保健省 体育課 (DEF)
1970年 教育文化省 体育・スポーツ課 (DED)
1978年 教育文化省 体育・スポーツ局 (SEED)
1990年 大統領府 スポーツ局 (SEDES)
1992年 教育スポーツ省 スポーツ局 (SEDES)
1995年 国家スポーツ特別大臣 全国スポーツ推進機関 (INDESP)
1998年 教育スポーツ省 全国スポーツ推進機関 (INDESP)
1999年 スポーツ観光省 全国スポーツ推進機関 (INDESP)
2000年 スポーツ観光省 全国スポーツ局 (SNE)
2003年 スポーツ省 全国スポーツ・レジャー推進局 (SNDEL)
全国高度化スポーツ局 (SNEAR)
全国スポーツ教育局 (SNEED)
2005年、スポーツ省の全国スポーツ評議会(CNE)は、
「スポーツ国家政策」(Política Nacional do Esporte)を発表。
今日、この国家政策は3つの主要組織により実施。
第1は、「全国スポーツ・レジャー推進局(SNDEL)」、
レクリエーションやレジャーに関するスポーツ社会政策、
スポーツ科学技術政策などを担当。
第2は、「全国高度化スポーツ局(SNEAR)」、
さまざまなレベルの競技スポーツ政策(青少年スポーツから
リオデジャネイロオリンピックまで)、スポーツ・タレントの発掘、
国のスポーツ・イベント・カレンダー編成などを担っている。
第3は、「全国スポーツ教育局(SNEED)」、
学校教育に関するスポーツ政策、生涯スポーツ政策、
スポーツ文化政策などの分野を所管。
2010年3月、「サッカーに関する特別専門調査機関」設置。
法務当局や検察当局と協力し、競技環境の改善や
サポーター関連法の整備を行うほか、
2013年コンフェデレーションカップ、2014年ワールドカップに向け、
ブラジル・サッカー連盟(CBF)との連携を図っている。
◎山本栄作
高知学園短期大学講師。
在メキシコ日本国大使館専門調査員、
日本学術振興会サンパウロ研究連絡センター派遣研究者、
筑波大学助手を経て現職。
共著、「教養としてのスポーツ人類学」(大修館書店)など。
http://www.ssf.or.jp/sfen/sports/sports_vol10-1.html
◆ブラジルの特徴
サッカーのワールドカップでは、過去19回大会すべてに連続出場、
5回優勝している唯一の国。
ブラジルがサッカー大国であることはよく知られているが、
近い将来、この国は世界屈指のスポーツ大国としての
成長も遂げるであろう。
広大な国土、豊富な資源を背景に、今や中国、ロシア、インドとともに
新興経済国BRICsの雄として躍進、
ブラジルの勢いに世界中の注目が集まっている。
4年後の2014年、1950年以来2度目のサッカーワールドカップを開催。
6年後の2016年、南米大陸初となる歴史的なオリンピックを、
リオデジャネイロで開催。
スポーツの2大メガイベントの成功を目指して、
ブラジル政府は、都市インフラを整備し、治安問題の改善を図り、
さまざまなスポーツ振興政策を図ってきた。
◆ブラジルのスポーツ環境の特徴
ブラジルのスポーツ環境の特徴として、多人種・多民族で構成される
社会に根づいた総合型地域スポーツクラブの多様性があげられる。
1888年の奴隷制廃止後、黒人の代替労働力として導入された
欧州移民たちは、新天地に次々とクラブを創設し、
近代スポーツを移入した。
19世紀末に伝えられたサッカーを通して、イギリス人、ポルトガル人、
イタリア人、ドイツ人をはじめ、各国移民のクラブが
アイデンティティと威信をかけて盛んに競合し、
そこへインフォーマルな草サッカーに興じていた貧しい黒人や
混血の人々が取り込まれていった。
ブラジルにおけるスポーツの大衆化やプロ化は、
サッカー界において先駆的に進展した。
地域、移民、人種、社会階層の多様性を反映したスポーツクラブが
百花繚乱し、日々のスポーツ実践の舞台となっている。
今日、サッカー以外にバレーボール、ビーチバレー、
フォーミュラー・ワン(F1)などが世界のトップレベルを維持、
バスケットボール、柔道、空手、ボクシング、水泳、
サーフィンなども盛ん。
アフリカ起源のカポエイラ、先住民が継承する伝統スポーツ、
カーニバルでお馴染みのサンバも、見逃すことはできない。
◆スポーツ関連法設置の経緯
ブラジルは、過去2回のクーデターと2度の権威主義的政治体制を経験。
1度目は、世界恐慌によるコーヒー経済の破綻後、
農業に替わる工業化を図るべく登場した
ヴァルガス独裁政権(新国家体制1937~45年)。
2度目は、社会主義化したキューバや中国への接近に反発して
登場した軍事政権(1964~85年)。
2つの政権下、中央集権的政策はスポーツにもおよび、
1941年『大統領令』[Decreto-Lei nº 3.199/41]では、
国内スポーツ競技団体がすべて全国スポーツ評議会(CND)傘下に
統制され、その内容は34年後の1975年『スポーツ法』[Lei 6.251/75]へ
引き継がれた。
サッカーワールドカップにおける3度の優勝(1958年、62年、70年)が
ことごとく国威発揚と政治宣伝に 利用され、
当時ブラジル・サッカーの栄光は、一方で「民衆のアヘン」と揶揄された。
1985年の民政移管後、民主主義を謳う1988年『新憲法』が公布、
第217条で「スポーツを行うことは国民の権利である」ことが明記。
スポーツは、国家の直接干渉から脱し、
競技団体やスポーツ統括組織の自立的活動が保障されるに至った。
その後、旧態依然としたブラジル・サッカー界の諸側面を、
スポーツの国際標準に適合させるための諸改革が次々と打ち出され、
スポーツ関連法の発展がみられた。
1993年、いわゆる『ジーコ法』[Lei 8.672/93]や、
1988年、『ペレ法』[Lei 9.615/98]、それらの改正法によって、
新リーグの創設、クラブの企業化、選手とクラブの契約是正、
テレビ放映権契約の規定、国営宝くじ収益のスポーツ財源化などの
さまざまな問題解決が図られていった。
◆スポーツ国家政策の内容
ブラジルのスポーツ所管省の変遷は下表のとおり。
2003年、ルラ政権によってスポーツ省が設置。
<ブラジルにおけるスポーツ所管省の変遷>
年 所管省 担当組織
1941年 教育保健省 体育課 (DEF)
1970年 教育文化省 体育・スポーツ課 (DED)
1978年 教育文化省 体育・スポーツ局 (SEED)
1990年 大統領府 スポーツ局 (SEDES)
1992年 教育スポーツ省 スポーツ局 (SEDES)
1995年 国家スポーツ特別大臣 全国スポーツ推進機関 (INDESP)
1998年 教育スポーツ省 全国スポーツ推進機関 (INDESP)
1999年 スポーツ観光省 全国スポーツ推進機関 (INDESP)
2000年 スポーツ観光省 全国スポーツ局 (SNE)
2003年 スポーツ省 全国スポーツ・レジャー推進局 (SNDEL)
全国高度化スポーツ局 (SNEAR)
全国スポーツ教育局 (SNEED)
2005年、スポーツ省の全国スポーツ評議会(CNE)は、
「スポーツ国家政策」(Política Nacional do Esporte)を発表。
今日、この国家政策は3つの主要組織により実施。
第1は、「全国スポーツ・レジャー推進局(SNDEL)」、
レクリエーションやレジャーに関するスポーツ社会政策、
スポーツ科学技術政策などを担当。
第2は、「全国高度化スポーツ局(SNEAR)」、
さまざまなレベルの競技スポーツ政策(青少年スポーツから
リオデジャネイロオリンピックまで)、スポーツ・タレントの発掘、
国のスポーツ・イベント・カレンダー編成などを担っている。
第3は、「全国スポーツ教育局(SNEED)」、
学校教育に関するスポーツ政策、生涯スポーツ政策、
スポーツ文化政策などの分野を所管。
2010年3月、「サッカーに関する特別専門調査機関」設置。
法務当局や検察当局と協力し、競技環境の改善や
サポーター関連法の整備を行うほか、
2013年コンフェデレーションカップ、2014年ワールドカップに向け、
ブラジル・サッカー連盟(CBF)との連携を図っている。
◎山本栄作
高知学園短期大学講師。
在メキシコ日本国大使館専門調査員、
日本学術振興会サンパウロ研究連絡センター派遣研究者、
筑波大学助手を経て現職。
共著、「教養としてのスポーツ人類学」(大修館書店)など。
http://www.ssf.or.jp/sfen/sports/sports_vol10-1.html
2010年11月26日金曜日
情報機器を使う(8)映像教材 障害児支える
(読売 11月18日)
「この白と黒の自動車は、なんという名前かな」
都立葛飾ろう学校で行われた国語の授業。
特殊なマイクを胸元につけた山江直子・主幹教諭(45)は、
手話を交えつつ、小学部1年生の児童3人に問いかけた。
3人は、生まれつき耳が不自由で、聴力は地下鉄が駅を通過する
ごう音なら聞こえる80~110デシベルほど。
補聴器をつけても、話し声がようやく聞こえる
40~60デシベルにしかならない。
言葉として、はっきりと聞き取れるわけではない。
そんな3人が注目するのは、手元の教科書ではなく、
黒板の前に置かれた大型ディスプレー。
画面には、消防車やトラックなど様々な車の絵が映し出されている。
先生の質問に、まっすぐ手を上げたのは、柳久遠君(7)。
ディスプレーに駆け寄り、「パトカーです」と、
手話を交え元気よく答えた。
「警察官の乗る車ですね。よくできました」と山江教諭。
柳君は、「映像だと、とってもわかりやすい」とうれしそう。
ディスプレーに映し出されていたのは、
教科書に準拠して作られた教材で、「デジタル教科書」。
電子黒板などに映し、さし絵を拡大したり、
動画を再生したりして指導用に使う。
同校小学部が、国語のデジタル教科書を導入したのは2005年。
単元ごとに黒板にはる、模造紙の教材を作る必要がなくなった。
山江教諭は、「耳から入る情報の少ない子どもたちにとって、
映像の力は絶大。
下を向かず、情報を共有できるメリットも大きい」
教科書協会(東京都)によると、小学校でデジタル教科書が
作られているのは、国語のみ。
新学習指導要領が全面実施される来年度、算数、理科、社会でも
デジタル教科書が作られることが決まっている。
同校小学部では来年度、国語のほか理科、算数でも導入する予定。
情報通信技術(ICT)は、使い方次第で障害のある児童にとって、
効果的なアシスティブ・テクノロジーになる。
デジタル教科書は、その典型。
国立特別支援教育総合研究所の金森克浩・総括研究員(49)は、
「学習や生活にある困難を改善・克服させ、指導の効果を高める。
支援を必要とする児童にとって、利点は大きい」
教育現場に大量に入った情報通信機器は、
様々な形で学習の可能性を広げている。
◆アシスティブ・テクノロジー
障害のために実現できない学習上、
生活上の課題を支援する技術。
車いすや補聴器のほか、近年は、読み上げソフト、ICレコーダー、
携帯メールなどの情報通信技術も活用。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20101118-OYT8T00170.htm
「この白と黒の自動車は、なんという名前かな」
都立葛飾ろう学校で行われた国語の授業。
特殊なマイクを胸元につけた山江直子・主幹教諭(45)は、
手話を交えつつ、小学部1年生の児童3人に問いかけた。
3人は、生まれつき耳が不自由で、聴力は地下鉄が駅を通過する
ごう音なら聞こえる80~110デシベルほど。
補聴器をつけても、話し声がようやく聞こえる
40~60デシベルにしかならない。
言葉として、はっきりと聞き取れるわけではない。
そんな3人が注目するのは、手元の教科書ではなく、
黒板の前に置かれた大型ディスプレー。
画面には、消防車やトラックなど様々な車の絵が映し出されている。
先生の質問に、まっすぐ手を上げたのは、柳久遠君(7)。
ディスプレーに駆け寄り、「パトカーです」と、
手話を交え元気よく答えた。
「警察官の乗る車ですね。よくできました」と山江教諭。
柳君は、「映像だと、とってもわかりやすい」とうれしそう。
ディスプレーに映し出されていたのは、
教科書に準拠して作られた教材で、「デジタル教科書」。
電子黒板などに映し、さし絵を拡大したり、
動画を再生したりして指導用に使う。
同校小学部が、国語のデジタル教科書を導入したのは2005年。
単元ごとに黒板にはる、模造紙の教材を作る必要がなくなった。
山江教諭は、「耳から入る情報の少ない子どもたちにとって、
映像の力は絶大。
下を向かず、情報を共有できるメリットも大きい」
教科書協会(東京都)によると、小学校でデジタル教科書が
作られているのは、国語のみ。
新学習指導要領が全面実施される来年度、算数、理科、社会でも
デジタル教科書が作られることが決まっている。
同校小学部では来年度、国語のほか理科、算数でも導入する予定。
情報通信技術(ICT)は、使い方次第で障害のある児童にとって、
効果的なアシスティブ・テクノロジーになる。
デジタル教科書は、その典型。
国立特別支援教育総合研究所の金森克浩・総括研究員(49)は、
「学習や生活にある困難を改善・克服させ、指導の効果を高める。
支援を必要とする児童にとって、利点は大きい」
教育現場に大量に入った情報通信機器は、
様々な形で学習の可能性を広げている。
◆アシスティブ・テクノロジー
障害のために実現できない学習上、
生活上の課題を支援する技術。
車いすや補聴器のほか、近年は、読み上げソフト、ICレコーダー、
携帯メールなどの情報通信技術も活用。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20101118-OYT8T00170.htm
30代の仕事 運動も教える「何でも屋」
(2010年11月19日 読売新聞)
芳珠記念病院 医療サービス部健診課係長 森田 晃治さん(39)
「次はジャブ4発いきます。ワン、ツー、スリー、そう。
前にしっかり、打ったらすぐ戻す、OK」
ジャージー姿の男女の前で、インカムマイクを付け、
音楽に合わせて、ボクササイズの振り付けを披露。
ここはジムではない。
芳珠記念病院(能美市)の一室で、職員向けに初めて運動教室を開いた。
「異様なテンションでいきますけど、無理してついてこなくていいですよ」
軽快な動きと、テンポの良いかけ声が笑いを誘った。
専門学校を卒業後、二つのフィットネスクラブで計15年間勤めた。
事業統括マネジャーとして経営を任されるまでになったが、
新たに自分の経験が生かせる仕事をしたいと、
2年前、同病院の求人に申し込んだ。
現在は、健診課係長として、院内業務から住民向けの運動教室まで、
様々な仕事をこなす、自他共に認める「何でも屋」だ。
企業に出向き、人間ドックのスケジュールを調整したり、
ニーズに合った健康診断を提案したり。
インストラクター時代の経験を生かし、月に2、3回行う
地域住民向けの運動教室や講義は好評。
前職と比べ、「命に直結する現場のサポート。
何となくという思いでは務まらない」と意識の変化を挙げる。
裏方の仕事だけに、利用者の反応が直接返ってくるわけではないが、
「すぐに結果が見えなくても、続けていくことが来院者にとって大切」と
役割を認識する。
転職からわずか2年で、十数人を束ねる係長になったが、
「医療に関する知識が未熟。
もっと知識を増やさないと、同僚に迷惑をかけてしまう」と努力を続けている。
2009年9月から半年間、経営力を高めるという病院の方針で、
技術経営スクールに通い、異業種交流をして、ネットワークを築いた。
地元の里山を生かして健康を深めようと、里山作りをしている
「能美里山ファン倶楽部」に協力を呼びかけ、
「ヘルスアップハイク」を企画するなど、活動の場を広げている。
「能美市民や企業に認められるプレーイングマネジャーになって、
病院や能美市全体を活性化させたい」と夢を描く。
【上司から一言(上田 博 院長(63)】
スポーツインストラクターと栄養士の資格がある珍しい経歴の持ち主。
経歴を生かした病院らしくない企画を期待。
地域の皆さんへの健康教育は、病院の社会的責任。
院内では中堅なので、経営能力を高め、能美市民の役に立つ
仕事をしてほしい。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/11/19/128557/
芳珠記念病院 医療サービス部健診課係長 森田 晃治さん(39)
「次はジャブ4発いきます。ワン、ツー、スリー、そう。
前にしっかり、打ったらすぐ戻す、OK」
ジャージー姿の男女の前で、インカムマイクを付け、
音楽に合わせて、ボクササイズの振り付けを披露。
ここはジムではない。
芳珠記念病院(能美市)の一室で、職員向けに初めて運動教室を開いた。
「異様なテンションでいきますけど、無理してついてこなくていいですよ」
軽快な動きと、テンポの良いかけ声が笑いを誘った。
専門学校を卒業後、二つのフィットネスクラブで計15年間勤めた。
事業統括マネジャーとして経営を任されるまでになったが、
新たに自分の経験が生かせる仕事をしたいと、
2年前、同病院の求人に申し込んだ。
現在は、健診課係長として、院内業務から住民向けの運動教室まで、
様々な仕事をこなす、自他共に認める「何でも屋」だ。
企業に出向き、人間ドックのスケジュールを調整したり、
ニーズに合った健康診断を提案したり。
インストラクター時代の経験を生かし、月に2、3回行う
地域住民向けの運動教室や講義は好評。
前職と比べ、「命に直結する現場のサポート。
何となくという思いでは務まらない」と意識の変化を挙げる。
裏方の仕事だけに、利用者の反応が直接返ってくるわけではないが、
「すぐに結果が見えなくても、続けていくことが来院者にとって大切」と
役割を認識する。
転職からわずか2年で、十数人を束ねる係長になったが、
「医療に関する知識が未熟。
もっと知識を増やさないと、同僚に迷惑をかけてしまう」と努力を続けている。
2009年9月から半年間、経営力を高めるという病院の方針で、
技術経営スクールに通い、異業種交流をして、ネットワークを築いた。
地元の里山を生かして健康を深めようと、里山作りをしている
「能美里山ファン倶楽部」に協力を呼びかけ、
「ヘルスアップハイク」を企画するなど、活動の場を広げている。
「能美市民や企業に認められるプレーイングマネジャーになって、
病院や能美市全体を活性化させたい」と夢を描く。
【上司から一言(上田 博 院長(63)】
スポーツインストラクターと栄養士の資格がある珍しい経歴の持ち主。
経歴を生かした病院らしくない企画を期待。
地域の皆さんへの健康教育は、病院の社会的責任。
院内では中堅なので、経営能力を高め、能美市民の役に立つ
仕事をしてほしい。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/11/19/128557/
カロリー制限で難聴予防 酵素関与の仕組み解明
(2010年11月19日 共同通信社)
摂取カロリーを抑えると、加齢に伴い聴覚が低下する
「老人性難聴」になりにくくなり、それには長寿に関係する
酵素がかかわっていることを、マウスの研究で解明、
田之倉優東京大教授らが18日付米科学誌セル電子版に発表。
老人性難聴は、内耳で音の刺激を電気信号に変換する
「有毛細胞」や、それを脳に伝える神経細胞が、
加齢とともに死滅するのが原因。
米国では、65歳以上の40%以上が発症、日本でも増えると予想。
教授は、「今回の結果は、老人性難聴の予防法や
治療薬の開発に役立つ」
田之倉教授らは、カロリー制限でマウスの寿命が延びるとの
研究報告や、長寿との関係が知られる「Sirt3」という
酵素を作る遺伝子に注目。
生後2カ月のマウスを使った実験で、与える餌のカロリーを
25%減らすと、10カ月後でも聴覚は正常だったが、
この遺伝子を働かなくしたマウスで同様の実験をすると、
大きな音しか聞こえなくなっていた。
カロリー制限をしない場合、いずれも大きな音しか聞こえなくなった。
難聴になったマウスは、有毛細胞や神経細胞が
生後2カ月の約25%に減っていた。
田之倉教授は、カロリー制限によってSirt3が活性化し、
聴覚にかかわる細胞が壊れるのを防いでいるとみている。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/11/19/128523
摂取カロリーを抑えると、加齢に伴い聴覚が低下する
「老人性難聴」になりにくくなり、それには長寿に関係する
酵素がかかわっていることを、マウスの研究で解明、
田之倉優東京大教授らが18日付米科学誌セル電子版に発表。
老人性難聴は、内耳で音の刺激を電気信号に変換する
「有毛細胞」や、それを脳に伝える神経細胞が、
加齢とともに死滅するのが原因。
米国では、65歳以上の40%以上が発症、日本でも増えると予想。
教授は、「今回の結果は、老人性難聴の予防法や
治療薬の開発に役立つ」
田之倉教授らは、カロリー制限でマウスの寿命が延びるとの
研究報告や、長寿との関係が知られる「Sirt3」という
酵素を作る遺伝子に注目。
生後2カ月のマウスを使った実験で、与える餌のカロリーを
25%減らすと、10カ月後でも聴覚は正常だったが、
この遺伝子を働かなくしたマウスで同様の実験をすると、
大きな音しか聞こえなくなっていた。
カロリー制限をしない場合、いずれも大きな音しか聞こえなくなった。
難聴になったマウスは、有毛細胞や神経細胞が
生後2カ月の約25%に減っていた。
田之倉教授は、カロリー制限によってSirt3が活性化し、
聴覚にかかわる細胞が壊れるのを防いでいるとみている。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/11/19/128523
2010年11月25日木曜日
漢方薬原料の調達先拡大 中国産の価格高騰で
(2010年11月19日 共同通信社)
日本の漢方薬メーカーが、原料となる生薬の調達先拡大に
本格的に乗り出している。
生薬は、中国からの輸入に80%以上を依存、
中国国内での需要増などを背景に、価格が高騰。
日本国内や東南アジア産の割合を増やしていく考え。
漢方薬大手のツムラは、北海道での生薬栽培を拡大する方針。
今年10月、夕張市に生薬製造工場を完成。
芳井順一社長は、「北海道は(生薬産地の)中国東北地方と緯度が近い。
栽培できるはずだと、社内に拠点作りを促した」
ツムラは、生薬の80%を中国から輸入。
日本国内産は15%、残りの5%はベトナムやインドネシアなどから調達。
国内栽培では、北海道のほか岩手、群馬、高知、和歌山の
各県にも拠点があり、今後は夕張を中心に強化。
人件費が安いラオスでの本格栽培も計画、
現地で試験栽培を実施。
中国政府は、生薬の乱獲で砂漠化が進行したとして、
約10年前から採取地域を限定したり、生薬の取引業者数を制限。
大幅な増産が見込めないこともあって、投機対象にも。
この1年で、価格が2倍以上になった生薬も多い。
クラシエ製薬も、漢方薬原料の約90%を中国に頼る。
担当者は、「今は現地の合弁会社を通じて、安定的に確保できている。
中国への依存が大きいことは事実なので、
日本国内での調達拡大を検討している」
生薬は、成分の含有量などで厳しい基準が各社ごとにある。
業界関係者は、「国内や東南アジアで生薬を栽培する場合、
試験栽培に長い時間が必要。
中国依存を、短期間で変えるのは難しい」と指摘。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/11/19/128518/
日本の漢方薬メーカーが、原料となる生薬の調達先拡大に
本格的に乗り出している。
生薬は、中国からの輸入に80%以上を依存、
中国国内での需要増などを背景に、価格が高騰。
日本国内や東南アジア産の割合を増やしていく考え。
漢方薬大手のツムラは、北海道での生薬栽培を拡大する方針。
今年10月、夕張市に生薬製造工場を完成。
芳井順一社長は、「北海道は(生薬産地の)中国東北地方と緯度が近い。
栽培できるはずだと、社内に拠点作りを促した」
ツムラは、生薬の80%を中国から輸入。
日本国内産は15%、残りの5%はベトナムやインドネシアなどから調達。
国内栽培では、北海道のほか岩手、群馬、高知、和歌山の
各県にも拠点があり、今後は夕張を中心に強化。
人件費が安いラオスでの本格栽培も計画、
現地で試験栽培を実施。
中国政府は、生薬の乱獲で砂漠化が進行したとして、
約10年前から採取地域を限定したり、生薬の取引業者数を制限。
大幅な増産が見込めないこともあって、投機対象にも。
この1年で、価格が2倍以上になった生薬も多い。
クラシエ製薬も、漢方薬原料の約90%を中国に頼る。
担当者は、「今は現地の合弁会社を通じて、安定的に確保できている。
中国への依存が大きいことは事実なので、
日本国内での調達拡大を検討している」
生薬は、成分の含有量などで厳しい基準が各社ごとにある。
業界関係者は、「国内や東南アジアで生薬を栽培する場合、
試験栽培に長い時間が必要。
中国依存を、短期間で変えるのは難しい」と指摘。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/11/19/128518/
「肥満防止薬」実験成功…食事減らさず体重抑制
(2010年11月19日 読売新聞)
食事の量を減らさなくても、体重の増加を抑える「肥満防止薬」を
合成することに、米ジョンズホプキンス大などのチームが成功。
18日付米サイエンス誌に掲載。
チームは、人間や動物の中枢神経に作用して強い食欲を引き起こし、
肥満をもたらすホルモン「グレリン」に着目。
グレリンは、特定の酵素の助けが必要なことから、
この酵素を邪魔する物質を合成。
この物質を注射したマウスと、しないマウスに高脂肪のエサを
与えた体重を比較。
食べる量は変わらないのに、注射したマウスの約1か月後の
体重増加は、10%以内にとどまったのに対し、
投与しないマウスは、20%程度体重が増えた。
合成した物質は、食欲を抑えるのではなく、
糖などの代謝能力を高めていた。
摂取したエネルギーを消費して、体重増を抑えているらしい。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/11/19/128542/
食事の量を減らさなくても、体重の増加を抑える「肥満防止薬」を
合成することに、米ジョンズホプキンス大などのチームが成功。
18日付米サイエンス誌に掲載。
チームは、人間や動物の中枢神経に作用して強い食欲を引き起こし、
肥満をもたらすホルモン「グレリン」に着目。
グレリンは、特定の酵素の助けが必要なことから、
この酵素を邪魔する物質を合成。
この物質を注射したマウスと、しないマウスに高脂肪のエサを
与えた体重を比較。
食べる量は変わらないのに、注射したマウスの約1か月後の
体重増加は、10%以内にとどまったのに対し、
投与しないマウスは、20%程度体重が増えた。
合成した物質は、食欲を抑えるのではなく、
糖などの代謝能力を高めていた。
摂取したエネルギーを消費して、体重増を抑えているらしい。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/11/19/128542/
(岩手)看護師流出ストップを
(2010年11月18日 読売新聞)
看護師の県外流出が止まらない。
県内の看護系大学や看護学校からの就職先は、
昨年度初めて、「県外」が「県内」を上回ったことが、
県医療推進課の調べでわかった。
全国的な看護師不足の中、新卒者の奪い合いが続いており、
県などが流出に歯止めをかけようと、知恵を絞っている。
県内で今年3月、看護職員を養成する大学、短大、
養成所施設の卒業生は612人。
就職先の内訳は、県外43・0%(263人)、県内42・6%(261人)、
進学が9・2%(56人)など。
県内への就職は、2003年度に50%を割り込み、減少傾向。
背景には、全国的な看護師不足がある。
厚生労働省のまとめでは、看護師(保健師、助産師含む)の
求人倍率は、10年4月時点で2・28倍、引く手あまたの状態。
1人でも多くの卒業生を確保しようと、県外の病院などが
県内の看護学校で就職説明会を開くことも多い。
県看護協会の兼田昭子会長は、
「今の学生は、都会志向が強い。
ホームページや説明会など情報も入りやすく、
PRがうまい関東の病院に流れがちだ」と分析。
こうした中、県内への就職を促そうと、
県と県看護協会は様々な取り組みをしている。
昨年度から、看護学生向けの就職説明会を始めた。
看護学生が卒業後、県内の主な病院で5年以上継続して働けば、
修学資金貸付金の返済を免除する制度があるが、
昨年度から、貸付枠を広げ、貸付額も増やした。
県外の岩手出身看護学生のUターン就職を増やそうと、
県外の学校にも、県内医療施設を網羅した
就職ガイドブックを送り始めた。
勤務制度の改善や研修制度の導入など、
待遇や職場環境の改善を図るところも出てきた。
兼田会長は、「地方も、医療技術が劣ることはなく、
仕事を丁寧に教える良さもある。
自分に合った職場を見つけてほしい」
県医療推進課の高橋勝重医療担当課長は、
「貸付金制度の拡充などの成果が今後、徐々に出てくるはず」
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/11/18/128476/
看護師の県外流出が止まらない。
県内の看護系大学や看護学校からの就職先は、
昨年度初めて、「県外」が「県内」を上回ったことが、
県医療推進課の調べでわかった。
全国的な看護師不足の中、新卒者の奪い合いが続いており、
県などが流出に歯止めをかけようと、知恵を絞っている。
県内で今年3月、看護職員を養成する大学、短大、
養成所施設の卒業生は612人。
就職先の内訳は、県外43・0%(263人)、県内42・6%(261人)、
進学が9・2%(56人)など。
県内への就職は、2003年度に50%を割り込み、減少傾向。
背景には、全国的な看護師不足がある。
厚生労働省のまとめでは、看護師(保健師、助産師含む)の
求人倍率は、10年4月時点で2・28倍、引く手あまたの状態。
1人でも多くの卒業生を確保しようと、県外の病院などが
県内の看護学校で就職説明会を開くことも多い。
県看護協会の兼田昭子会長は、
「今の学生は、都会志向が強い。
ホームページや説明会など情報も入りやすく、
PRがうまい関東の病院に流れがちだ」と分析。
こうした中、県内への就職を促そうと、
県と県看護協会は様々な取り組みをしている。
昨年度から、看護学生向けの就職説明会を始めた。
看護学生が卒業後、県内の主な病院で5年以上継続して働けば、
修学資金貸付金の返済を免除する制度があるが、
昨年度から、貸付枠を広げ、貸付額も増やした。
県外の岩手出身看護学生のUターン就職を増やそうと、
県外の学校にも、県内医療施設を網羅した
就職ガイドブックを送り始めた。
勤務制度の改善や研修制度の導入など、
待遇や職場環境の改善を図るところも出てきた。
兼田会長は、「地方も、医療技術が劣ることはなく、
仕事を丁寧に教える良さもある。
自分に合った職場を見つけてほしい」
県医療推進課の高橋勝重医療担当課長は、
「貸付金制度の拡充などの成果が今後、徐々に出てくるはず」
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/11/18/128476/
2010年11月24日水曜日
料理の写真でカロリー計算…NTTコムが開発
(2010年11月17日 読売新聞)
NTTコミュニケーションズなどは、食卓に並んだ料理の写真を
同社のサーバーに送信すると、
自動的にカロリーを計算するシステムを開発。
携帯電話の全地球測位システム(GPS)を使って、
持ち主の移動距離から消費カロリーを算出する仕組みなどと
組み合わせ、健康増進サービスとして、
来年1月から実証実験に入り、将来の商用化を目指す。
自動計算のシステムは、携帯電話やデジタルカメラで撮影した
写真の色合いなどから、食べ物と食べ物以外を検出。
ご飯やおかずなど、食べ物の種別を判別しながら、
データベースに登録された写真から、よく似ている食べ物を探し出し、
推定カロリー値を算出する仕組み。
利用者が疑問を感じた場合、修正を加えることもできる。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/11/17/128437/
NTTコミュニケーションズなどは、食卓に並んだ料理の写真を
同社のサーバーに送信すると、
自動的にカロリーを計算するシステムを開発。
携帯電話の全地球測位システム(GPS)を使って、
持ち主の移動距離から消費カロリーを算出する仕組みなどと
組み合わせ、健康増進サービスとして、
来年1月から実証実験に入り、将来の商用化を目指す。
自動計算のシステムは、携帯電話やデジタルカメラで撮影した
写真の色合いなどから、食べ物と食べ物以外を検出。
ご飯やおかずなど、食べ物の種別を判別しながら、
データベースに登録された写真から、よく似ている食べ物を探し出し、
推定カロリー値を算出する仕組み。
利用者が疑問を感じた場合、修正を加えることもできる。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/11/17/128437/
(宮城)病の治癒祈る仙台の信仰 ガイド本に
(2010年11月17日 読売新聞)
仙台にも、「病気が治る」という信仰の対象になってきた
場所がいくつもある。
市歴史民俗資料館が、それらをまとめたガイドブック
「仙台の病にまつわる民間信仰」を発行。
昔の人が、健康の回復を祈った寺社などが紹介。
医療技術が発達していなかった時代には、
体に痛みや不調などの症状が出ると、
神社や地蔵に祈る民間信仰が盛んに行われていた。
この本には、江戸~大正時代に病気の治療に効果があったという
伝承が残り、市民が気軽に訪れられる場所22か所が集められた。
泉区の白藤観世音。
平安時代初期の征夷大将軍、坂上田村麻呂の愛馬の腰から下を
埋葬されたと伝えられる地にあり、下半身の痛みや病気を和らげる、
という言い伝えがある。
目の病を治すと伝えられる青葉区の三居沢不動堂などが掲載。
今でも多くの市民が願掛けにやって来る寺社や、
供え物が置かれる地蔵も取り上げられている。
本をまとめた資料館の学芸員、畑井洋樹さん(38)は、
「今も昔も、健やかに生きたいという願いは同じ。
健康に生きることの大切さを考える一助として読んでほしい」
9月の発行後、資料館発行の書籍の中では、
通常の倍のペースで売れる人気ぶりで、
「実際に本を手に、掲載の地を回っているという声も届いている」(畑井さん)。
A5判で48ページ。750円。
書店での取り扱いはなく、資料館のみで販売。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/11/17/128407/
仙台にも、「病気が治る」という信仰の対象になってきた
場所がいくつもある。
市歴史民俗資料館が、それらをまとめたガイドブック
「仙台の病にまつわる民間信仰」を発行。
昔の人が、健康の回復を祈った寺社などが紹介。
医療技術が発達していなかった時代には、
体に痛みや不調などの症状が出ると、
神社や地蔵に祈る民間信仰が盛んに行われていた。
この本には、江戸~大正時代に病気の治療に効果があったという
伝承が残り、市民が気軽に訪れられる場所22か所が集められた。
泉区の白藤観世音。
平安時代初期の征夷大将軍、坂上田村麻呂の愛馬の腰から下を
埋葬されたと伝えられる地にあり、下半身の痛みや病気を和らげる、
という言い伝えがある。
目の病を治すと伝えられる青葉区の三居沢不動堂などが掲載。
今でも多くの市民が願掛けにやって来る寺社や、
供え物が置かれる地蔵も取り上げられている。
本をまとめた資料館の学芸員、畑井洋樹さん(38)は、
「今も昔も、健やかに生きたいという願いは同じ。
健康に生きることの大切さを考える一助として読んでほしい」
9月の発行後、資料館発行の書籍の中では、
通常の倍のペースで売れる人気ぶりで、
「実際に本を手に、掲載の地を回っているという声も届いている」(畑井さん)。
A5判で48ページ。750円。
書店での取り扱いはなく、資料館のみで販売。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/11/17/128407/
遺伝子検査、手軽さと危うさ 科学的根拠乏しく、学会は過熱懸念
(2010年11月16日 毎日新聞社)
依頼に応じて個人の遺伝子を調べ、肥満や生活習慣病などの
可能性を予測するサービスが増えている。
予防への活用が期待される一方、高額な料金で科学的根拠が薄い
予測を出したり、子供の能力を調べる業者も現れた。
手軽さの半面、危うさもはらむ遺伝子検査ビジネス。
専門家でつくる学会が、国による監視を求める声明を発表するなど、
過熱を心配する声も。
東京都内のあるクリニックで、遺伝子検査を受けた。
腕に注射針を刺し、2mlほどの血を採る。
このクリニックは、血液を大阪市の検査会社「サインポスト」に
送って調べている。
同社は、大阪大医学部発のベンチャー企業で、
肥満、糖尿病、脳卒中につながりやすい血栓など、
62種類の遺伝子を解析。
6000人以上の症例から導いた平均値と比べた、
その人の体質の「危険度」を判定。
1~2週間すると、結果がクリニックに送られ、依頼者に通知。
名前などの個人情報は暗号化。
1回3万1500円で受けることが可能。
人の遺伝子は、全体で約2万数千個。
遺伝子を調べると、何が分かるのか?
遺伝子検査ビジネスの多くは、病気との関連が明らかな
遺伝子を調べ、DNAの塩基配列を詳しく調べる。
調べる対象は多様。
たった一つの遺伝子の異常が引き起こす遺伝病もあるが、
がんは複数の遺伝子異常に、生活習慣などが重なって生じる
「多因子疾患」だ。
薬の効きやすさや副作用の出やすさといった個人差、
男性型脱毛症の可能性も分かる。
採血より手軽に、自宅でほおの内側の粘膜をこすり取り、
細胞からDNAを取り出す方法も。
サインポスト社長の山崎義光・大阪大先端科学
イノベーションセンター招聘教授は、「我々の遺伝子検査は、
確定診断ではなく、どんな体質を持っているか調べるのが目的。
特定の病気や症状へのリスクが高いと分かれば、
医師が指導し、食事や運動など生活習慣に注意することで、
予防に役立てられる」
遺伝子検査ビジネスを、疑問視する専門家も少なくない。
日本人類遺伝学会理事の福嶋義光・信州大教授(遺伝医学)は、
「有用性が証明されている検査はほとんどない」
多因子疾患リスクを調べる場合、発症に関係する遺伝子は複数。
一つの遺伝子を調べただけでは、発症に影響しているか、把握は難しい。
アルツハイマー病発症の危険因子、「アポリポたんぱく質E4(アポE4)」。
このたんぱく質を作る遺伝子を持つ人の発症リスクは、
持たない人の約4倍、実際には持っていても約9割が発症しない。
遺伝子検査の目的を、「あらかじめ危険性を知って予防する」と考えた場合、
有効な予防・治療法がまだないアルツハイマー病に関し、
遺伝子検査をする意義が問われる。
肥満の遺伝子検査にも、福嶋教授は疑問。
基礎代謝量に関係する複数の遺伝子を調べ、
太りやすい体質かどうかを調べるが、
「肥満は遺伝より、食生活や運動など環境要因の方が大きく影響。
依頼者に、肥満予防のための健康食品などを勧める場合も。
その健康食品に、確実に効果があるという科学的根拠も示すべき」
実際、トラブルも起きている。
国民生活センターによると、遺伝子検査をめぐる相談は、
07年ごろから寄せられる。
40万円を支払い、がんに関する遺伝子検査を受け、
「がんの因子はない」と通知された依頼者が、2カ月後がんに。
特に問題視されているのが、子どもを対象とした遺伝子検査。
特定の遺伝子を、「知能や性格、能力に関係する」と見なし、
遺伝子を調べて潜在能力を予測。
韓国では、「十分な科学的妥当性がない」と、法律で禁止。
東京大医科学研究所の洪賢秀・特任助教(文化人類学)は、
「遺伝子検査の結果によって、親が子どもの進路を大きく変え、
子どもに不利益をもたらす可能性がある」と警告。
日本人類遺伝学会(中村祐輔理事長)は、
一般人を対象にした遺伝子検査ビジネスについて、
「科学的な根拠や有用性が確認されていない」と、
専門家による検証や国による監視体制を、
早急に構築すべきだとする提言をまとめた。
米国など多くの国が遺伝子検査ビジネスを規制、
日本は手つかずなのが現状。
福嶋教授は、「遺伝子検査の結果は一生ついて回り、
似た遺伝的体質を持った家族にも影響する可能性がある。
教育に使えば、子どもの可能性を狭める危険性があり、法規制が必要。
健康に関係する遺伝子検査なら、(科学的根拠に基づき)保険が
適用されるような医療の枠組みの中で実施してほしい」
……………………………………………………………………
◆日本人類遺伝学会の提言(要旨)
(1)一般市民対象の遺伝子検査には、臨床遺伝専門医などが関与
(2)消費者が不利益を受けないよう、遺伝子解析の意義や有用性などの
科学的検証を継続的に行う
(3)(学会関係者は)一般市民や学校教育関係者などに、
遺伝子検査がもたらす意味を教育・啓発し、遺伝子検査の理解が
促進されるように努力
(4)日本でも、遺伝子検査を監視・監督する体制の確立を早急に検討
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/11/16/128349/
依頼に応じて個人の遺伝子を調べ、肥満や生活習慣病などの
可能性を予測するサービスが増えている。
予防への活用が期待される一方、高額な料金で科学的根拠が薄い
予測を出したり、子供の能力を調べる業者も現れた。
手軽さの半面、危うさもはらむ遺伝子検査ビジネス。
専門家でつくる学会が、国による監視を求める声明を発表するなど、
過熱を心配する声も。
東京都内のあるクリニックで、遺伝子検査を受けた。
腕に注射針を刺し、2mlほどの血を採る。
このクリニックは、血液を大阪市の検査会社「サインポスト」に
送って調べている。
同社は、大阪大医学部発のベンチャー企業で、
肥満、糖尿病、脳卒中につながりやすい血栓など、
62種類の遺伝子を解析。
6000人以上の症例から導いた平均値と比べた、
その人の体質の「危険度」を判定。
1~2週間すると、結果がクリニックに送られ、依頼者に通知。
名前などの個人情報は暗号化。
1回3万1500円で受けることが可能。
人の遺伝子は、全体で約2万数千個。
遺伝子を調べると、何が分かるのか?
遺伝子検査ビジネスの多くは、病気との関連が明らかな
遺伝子を調べ、DNAの塩基配列を詳しく調べる。
調べる対象は多様。
たった一つの遺伝子の異常が引き起こす遺伝病もあるが、
がんは複数の遺伝子異常に、生活習慣などが重なって生じる
「多因子疾患」だ。
薬の効きやすさや副作用の出やすさといった個人差、
男性型脱毛症の可能性も分かる。
採血より手軽に、自宅でほおの内側の粘膜をこすり取り、
細胞からDNAを取り出す方法も。
サインポスト社長の山崎義光・大阪大先端科学
イノベーションセンター招聘教授は、「我々の遺伝子検査は、
確定診断ではなく、どんな体質を持っているか調べるのが目的。
特定の病気や症状へのリスクが高いと分かれば、
医師が指導し、食事や運動など生活習慣に注意することで、
予防に役立てられる」
遺伝子検査ビジネスを、疑問視する専門家も少なくない。
日本人類遺伝学会理事の福嶋義光・信州大教授(遺伝医学)は、
「有用性が証明されている検査はほとんどない」
多因子疾患リスクを調べる場合、発症に関係する遺伝子は複数。
一つの遺伝子を調べただけでは、発症に影響しているか、把握は難しい。
アルツハイマー病発症の危険因子、「アポリポたんぱく質E4(アポE4)」。
このたんぱく質を作る遺伝子を持つ人の発症リスクは、
持たない人の約4倍、実際には持っていても約9割が発症しない。
遺伝子検査の目的を、「あらかじめ危険性を知って予防する」と考えた場合、
有効な予防・治療法がまだないアルツハイマー病に関し、
遺伝子検査をする意義が問われる。
肥満の遺伝子検査にも、福嶋教授は疑問。
基礎代謝量に関係する複数の遺伝子を調べ、
太りやすい体質かどうかを調べるが、
「肥満は遺伝より、食生活や運動など環境要因の方が大きく影響。
依頼者に、肥満予防のための健康食品などを勧める場合も。
その健康食品に、確実に効果があるという科学的根拠も示すべき」
実際、トラブルも起きている。
国民生活センターによると、遺伝子検査をめぐる相談は、
07年ごろから寄せられる。
40万円を支払い、がんに関する遺伝子検査を受け、
「がんの因子はない」と通知された依頼者が、2カ月後がんに。
特に問題視されているのが、子どもを対象とした遺伝子検査。
特定の遺伝子を、「知能や性格、能力に関係する」と見なし、
遺伝子を調べて潜在能力を予測。
韓国では、「十分な科学的妥当性がない」と、法律で禁止。
東京大医科学研究所の洪賢秀・特任助教(文化人類学)は、
「遺伝子検査の結果によって、親が子どもの進路を大きく変え、
子どもに不利益をもたらす可能性がある」と警告。
日本人類遺伝学会(中村祐輔理事長)は、
一般人を対象にした遺伝子検査ビジネスについて、
「科学的な根拠や有用性が確認されていない」と、
専門家による検証や国による監視体制を、
早急に構築すべきだとする提言をまとめた。
米国など多くの国が遺伝子検査ビジネスを規制、
日本は手つかずなのが現状。
福嶋教授は、「遺伝子検査の結果は一生ついて回り、
似た遺伝的体質を持った家族にも影響する可能性がある。
教育に使えば、子どもの可能性を狭める危険性があり、法規制が必要。
健康に関係する遺伝子検査なら、(科学的根拠に基づき)保険が
適用されるような医療の枠組みの中で実施してほしい」
……………………………………………………………………
◆日本人類遺伝学会の提言(要旨)
(1)一般市民対象の遺伝子検査には、臨床遺伝専門医などが関与
(2)消費者が不利益を受けないよう、遺伝子解析の意義や有用性などの
科学的検証を継続的に行う
(3)(学会関係者は)一般市民や学校教育関係者などに、
遺伝子検査がもたらす意味を教育・啓発し、遺伝子検査の理解が
促進されるように努力
(4)日本でも、遺伝子検査を監視・監督する体制の確立を早急に検討
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/11/16/128349/
2010年11月23日火曜日
衛生状態の改善で年間240万人を救える 米英科学者が研究結果発表
(2010年11月16日 共同通信社)
1月に大地震があったハイチで、900人以上がコレラで死亡、
発展途上国の衛生問題が大きくクローズアップ。
米英の科学者は、途上国の衛生状態を改善すれば、
多くの人の命を救うことができる、とする研究結果を相次ぎ発表。
米科学者グループが発行する医学誌
「パブリック・ライブラリー・オブ・サイエンス(PLoS)」によると、
世界の総人口の約20%に当たる26億人は、
トイレが使えず、屋外で排便し、こうした人々の3分の2は、
アジアおよびサハラ以南のアフリカ諸国で生活。
良好な衛生環境の中で生活している人は、先進国では99%、
途上国では53%に過ぎず、先進国と途上国の格差が大きい。
英科学者グループが発行する医学誌
「ロンドン・スクール・オブ・ハイジーン&トロピカル・メディシン」は、
世界全体の疾病による死者の7%以上は、
不衛生な環境と飲料水が原因、
こうした問題を解消すれば、世界全体で年間約240万人の命を
救うことができると指摘。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/11/16/128359/
1月に大地震があったハイチで、900人以上がコレラで死亡、
発展途上国の衛生問題が大きくクローズアップ。
米英の科学者は、途上国の衛生状態を改善すれば、
多くの人の命を救うことができる、とする研究結果を相次ぎ発表。
米科学者グループが発行する医学誌
「パブリック・ライブラリー・オブ・サイエンス(PLoS)」によると、
世界の総人口の約20%に当たる26億人は、
トイレが使えず、屋外で排便し、こうした人々の3分の2は、
アジアおよびサハラ以南のアフリカ諸国で生活。
良好な衛生環境の中で生活している人は、先進国では99%、
途上国では53%に過ぎず、先進国と途上国の格差が大きい。
英科学者グループが発行する医学誌
「ロンドン・スクール・オブ・ハイジーン&トロピカル・メディシン」は、
世界全体の疾病による死者の7%以上は、
不衛生な環境と飲料水が原因、
こうした問題を解消すれば、世界全体で年間約240万人の命を
救うことができると指摘。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/11/16/128359/
健康情報見極めるには リスク、便益、費用…比べ選択 事例、還元し学び合う環境を
(2010年11月12日 毎日新聞社)
ダイエットや健康食品からがんの治療まで、
メディアを問わず健康・医療情報があふれている。
取捨選択し、健康な生活やよりよい医療に結びつけるための力は、
「ヘルスリテラシー」と呼ばれ、
情報量の急増に伴って重要性が一般に浸透し始めた。
いま必要な健康・医療情報の活用法とは?
「情報に振り回され、適切な意思決定ができない例が、
個人から行政の政策レベルまで、広く見られる。
あわてた時の情報の『衝動買い』は、特に避けなければいけない」
中山健夫・京都大教授(健康情報学)。
「生老病死」に向き合う人を支える情報のあり方をテーマに
研究を進めている。
専門家でない人が、目の前にある健康・医療情報の信頼性を
判断することは、重要かつ難しい問題。
中山教授は、科学的根拠を示した論文などの引用元を明示した
「メーン情報」を見つけることが肝心。
引用元のデータで、リスクの大きさを知る。
病気の予防や治療の根拠について、学会などが手順をまとめた
文書「診療ガイドライン」も、メーン情報の一つ。
引用元を明示しても、利点だけを都合よく整理して紹介する場合も多い。
こうした「トリック」は、専門家ですら見逃すことも。
同教授は、「すべての健康・医療情報には不確実な部分があると
理解したうえで、行動の前に結論や影響を考えることが役に立つ。
リスクとベネフィット(便益)、場合によっては費用も比べて
選択する力を、普段から養うことが重要」
インターネットが、ヘルスリテラシーを高める可能性に注目し、
約10年前から健康・医療情報サイトを運営してきた
中山和弘・聖路加看護大教授(看護情報学)は、
「ネットは、医療界が抱え込んでいる知識や情報をオープンにする
チャンスだが、日本では米国などに比べ、まだ質的、量的に不十分」
社会的・経済的な理由による「健康格差」が深刻な米国だが、
公的機関や民間医療機関によるネット上の健康・医療情報は充実。
国立医学図書館のデータベースは、200万件以上の論文が
無料で検索でき、世界中の研究者や一般の人からの
年間検索数は10億回近く。
ネットの利点は、情報の送り手と受け手の双方向性にある。
この点、日本もミクシィやグリーといった交流サイト(SNS)などに
多様な健康・医療情報のやり取りがあり、闘病記を病名や年齢などから
検索できる「TOBYO」などのサイトも。
こうした情報は、科学的根拠のある情報に対する
セカンドオピニオン的な位置付けとなる。
同教授は、似た境遇にある人同士の体験情報の共有は、
「社会的なヘルスリテラシーを上げることにもつながる」と期待。
「自分だけ良い情報をもらって、良い意思決定をしようというのは難しい。
成功例や失敗例を還元し、学び合う環境をみんなでつくっていく意識が必要」
病気で医師の診断などを要する場合、
治療法などを巡って納得できる決定をするには、
医療従事者とのコミュニケーションが欠かせない。
自分が得た情報を、医師に問いただすのは勇気がいる。
勧められた治療法と異なる場合はなおさらだ。
中山和弘教授は、「患者は、いろんなコミュニケーションを使って
情報を集めていることを、多くの医療従事者は分かっているし、
患者の価値観を重視する流れがある」
医療現場にも、変化が起こりつつあるようだ。
◇効果的な活用法など解説
京大の中山健夫教授は、病院検索サイト「QLife」上に、
「5分で分かる!健康情報見極め術」(http://www.qlife.jp/value/)を監修。
マンガを用いて、中高生でも教材として利用できるよう、
4点のアドバイスを柱にした。
聖路加看護大の中山和弘教授は、
「健康を決める力」(http://www.healthliteracy.jp/)を今月開設。
1冊分の本にも相当する文量で、リスクや医療の不確実性から
ネット情報の効果的な活用法まで、丁寧に解説。
……………………………………………………………………
◇ヘルスリテラシー
リテラシーとは、「読み書きの能力」を意味し、
転じて健康を保つため、取り戻すための意思決定に必要な情報を
入手したり、理解する個人の能力を意味。
医療リテラシーなどと称されることも。
日本では、概念自体は保健医療分野で導入されているが、
まだ研究例が少ない。
長期的な医療費削減の観点からも注目。
……………………………………………………………………
◆健康・医療情報をチェックするポイント
・情報の出所や科学的根拠をチェック
・安易に強い表現をしていないか?
・情報の鮮度を確認
・情報発信者の意図を想像する
・誰が情報のスポンサーか確認する
・インターネットの場合、問い合わせ窓口がきちんとあるか?
(QLife「5分で分かる!健康情報見極め術」より一部抜粋)
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/11/12/128229/
ダイエットや健康食品からがんの治療まで、
メディアを問わず健康・医療情報があふれている。
取捨選択し、健康な生活やよりよい医療に結びつけるための力は、
「ヘルスリテラシー」と呼ばれ、
情報量の急増に伴って重要性が一般に浸透し始めた。
いま必要な健康・医療情報の活用法とは?
「情報に振り回され、適切な意思決定ができない例が、
個人から行政の政策レベルまで、広く見られる。
あわてた時の情報の『衝動買い』は、特に避けなければいけない」
中山健夫・京都大教授(健康情報学)。
「生老病死」に向き合う人を支える情報のあり方をテーマに
研究を進めている。
専門家でない人が、目の前にある健康・医療情報の信頼性を
判断することは、重要かつ難しい問題。
中山教授は、科学的根拠を示した論文などの引用元を明示した
「メーン情報」を見つけることが肝心。
引用元のデータで、リスクの大きさを知る。
病気の予防や治療の根拠について、学会などが手順をまとめた
文書「診療ガイドライン」も、メーン情報の一つ。
引用元を明示しても、利点だけを都合よく整理して紹介する場合も多い。
こうした「トリック」は、専門家ですら見逃すことも。
同教授は、「すべての健康・医療情報には不確実な部分があると
理解したうえで、行動の前に結論や影響を考えることが役に立つ。
リスクとベネフィット(便益)、場合によっては費用も比べて
選択する力を、普段から養うことが重要」
インターネットが、ヘルスリテラシーを高める可能性に注目し、
約10年前から健康・医療情報サイトを運営してきた
中山和弘・聖路加看護大教授(看護情報学)は、
「ネットは、医療界が抱え込んでいる知識や情報をオープンにする
チャンスだが、日本では米国などに比べ、まだ質的、量的に不十分」
社会的・経済的な理由による「健康格差」が深刻な米国だが、
公的機関や民間医療機関によるネット上の健康・医療情報は充実。
国立医学図書館のデータベースは、200万件以上の論文が
無料で検索でき、世界中の研究者や一般の人からの
年間検索数は10億回近く。
ネットの利点は、情報の送り手と受け手の双方向性にある。
この点、日本もミクシィやグリーといった交流サイト(SNS)などに
多様な健康・医療情報のやり取りがあり、闘病記を病名や年齢などから
検索できる「TOBYO」などのサイトも。
こうした情報は、科学的根拠のある情報に対する
セカンドオピニオン的な位置付けとなる。
同教授は、似た境遇にある人同士の体験情報の共有は、
「社会的なヘルスリテラシーを上げることにもつながる」と期待。
「自分だけ良い情報をもらって、良い意思決定をしようというのは難しい。
成功例や失敗例を還元し、学び合う環境をみんなでつくっていく意識が必要」
病気で医師の診断などを要する場合、
治療法などを巡って納得できる決定をするには、
医療従事者とのコミュニケーションが欠かせない。
自分が得た情報を、医師に問いただすのは勇気がいる。
勧められた治療法と異なる場合はなおさらだ。
中山和弘教授は、「患者は、いろんなコミュニケーションを使って
情報を集めていることを、多くの医療従事者は分かっているし、
患者の価値観を重視する流れがある」
医療現場にも、変化が起こりつつあるようだ。
◇効果的な活用法など解説
京大の中山健夫教授は、病院検索サイト「QLife」上に、
「5分で分かる!健康情報見極め術」(http://www.qlife.jp/value/)を監修。
マンガを用いて、中高生でも教材として利用できるよう、
4点のアドバイスを柱にした。
聖路加看護大の中山和弘教授は、
「健康を決める力」(http://www.healthliteracy.jp/)を今月開設。
1冊分の本にも相当する文量で、リスクや医療の不確実性から
ネット情報の効果的な活用法まで、丁寧に解説。
……………………………………………………………………
◇ヘルスリテラシー
リテラシーとは、「読み書きの能力」を意味し、
転じて健康を保つため、取り戻すための意思決定に必要な情報を
入手したり、理解する個人の能力を意味。
医療リテラシーなどと称されることも。
日本では、概念自体は保健医療分野で導入されているが、
まだ研究例が少ない。
長期的な医療費削減の観点からも注目。
……………………………………………………………………
◆健康・医療情報をチェックするポイント
・情報の出所や科学的根拠をチェック
・安易に強い表現をしていないか?
・情報の鮮度を確認
・情報発信者の意図を想像する
・誰が情報のスポンサーか確認する
・インターネットの場合、問い合わせ窓口がきちんとあるか?
(QLife「5分で分かる!健康情報見極め術」より一部抜粋)
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/11/12/128229/
スポーツ政策を考える:井谷恵子・京都教育大教授(体育科教育学)
(毎日 11月13日)
「すべての人々のスポーツ機会の確保」、
「安全・公正にスポーツを行うことができる環境の整備」が、
スポーツ立国戦略の基本的な考え方。
実際には、競技スポーツに重点が置かれていて、
トップアスリートの育成・強化や、国としての一体感の醸成などに
大きな狙いがあるのではないか。
人口の半分を占める女性や高齢者、障害者、子どもたちを含めた
サイレントマジョリティーの存在は、立国戦略をまとめた人たちの
視野の外にあるようだ。
子どもを持つ女性が、ベビーカーを押しながら、
ウオーキングやジョギングをしたいと思っても、その環境がない。
無理もないと思うのは、スポーツそのものが男性中心で、
強いことが価値を持つからだ。
大きくて、筋肉があって、脂肪が少ない方が勝ちという原理が
近代スポーツを支えている。
健康な体づくりや医療費の削減、経済効果など、
スポーツがツールとして利用されている印象が強い。
楽しさより厳しさが求められ、レクリエーション的なスポーツの価値は
競技スポーツよりも低くみられている。
すべての人々がいつでも、どこでも、いつまでも
スポーツに親しむことができる生涯スポーツ社会を
実現するためには、強さや速さ、勝敗などを超えたものを
目指していかないと難しい。
女性や高齢者だけでなく、スポーツへのアクセスが限られる男性や
多様な性を持つ人々もいる。
そういう人たちに、視点を置くことで、
スポーツのさまざまな可能性が見えてくる。
スポーツの背骨、土台を守っていく。
それは、体を動かすことの楽しさ、面白さ、壮快さ。
健康を損なうことが分かっていても、やってみたいと
思わせるものを、スポーツは価値として内在。
日本の学校体育は、恵まれた環境にある。
小学校から中学、高校までの計12年間、毎週2~3時間の体育の授業が
必修で行われ、大抵の学校には運動場、体育館、プールがある。
こんな国はほかにない。
学校で教科として、体育・スポーツを教えるのはなぜか?
音楽や美術と同じように、次世代に伝えていくべき
価値のある文化だからだ。
そこを押さえていないと、単にうまくなればOKとか、
勝った負けただけで終わってしまう。
それでは、時代や社会、経済の状況が変われば、
切り捨てられてしまう恐れがある。
スポーツを文化としてとらえるような意識を、どうつくっていくか?
どんな知識が必要なのか?
スポーツとどうかかわっていけばいいのか?
「すべての人々」とは何かを考えながら、
勝敗、順位、記録など競技に偏っている日本スポーツの
コンセプトをチェンジしていく必要がある。
==============
◇いたに・けいこ
1954年生まれ。神戸大卒。
「スポーツ・ジェンダー学への招待」(編著)、
「スポーツ倫理の探求」(共著)。
日本スポーツとジェンダー学会会長。
http://mainichi.jp/enta/sports/general/general/archive/news/2010/11/13/20101113dde035070025000c.html
「すべての人々のスポーツ機会の確保」、
「安全・公正にスポーツを行うことができる環境の整備」が、
スポーツ立国戦略の基本的な考え方。
実際には、競技スポーツに重点が置かれていて、
トップアスリートの育成・強化や、国としての一体感の醸成などに
大きな狙いがあるのではないか。
人口の半分を占める女性や高齢者、障害者、子どもたちを含めた
サイレントマジョリティーの存在は、立国戦略をまとめた人たちの
視野の外にあるようだ。
子どもを持つ女性が、ベビーカーを押しながら、
ウオーキングやジョギングをしたいと思っても、その環境がない。
無理もないと思うのは、スポーツそのものが男性中心で、
強いことが価値を持つからだ。
大きくて、筋肉があって、脂肪が少ない方が勝ちという原理が
近代スポーツを支えている。
健康な体づくりや医療費の削減、経済効果など、
スポーツがツールとして利用されている印象が強い。
楽しさより厳しさが求められ、レクリエーション的なスポーツの価値は
競技スポーツよりも低くみられている。
すべての人々がいつでも、どこでも、いつまでも
スポーツに親しむことができる生涯スポーツ社会を
実現するためには、強さや速さ、勝敗などを超えたものを
目指していかないと難しい。
女性や高齢者だけでなく、スポーツへのアクセスが限られる男性や
多様な性を持つ人々もいる。
そういう人たちに、視点を置くことで、
スポーツのさまざまな可能性が見えてくる。
スポーツの背骨、土台を守っていく。
それは、体を動かすことの楽しさ、面白さ、壮快さ。
健康を損なうことが分かっていても、やってみたいと
思わせるものを、スポーツは価値として内在。
日本の学校体育は、恵まれた環境にある。
小学校から中学、高校までの計12年間、毎週2~3時間の体育の授業が
必修で行われ、大抵の学校には運動場、体育館、プールがある。
こんな国はほかにない。
学校で教科として、体育・スポーツを教えるのはなぜか?
音楽や美術と同じように、次世代に伝えていくべき
価値のある文化だからだ。
そこを押さえていないと、単にうまくなればOKとか、
勝った負けただけで終わってしまう。
それでは、時代や社会、経済の状況が変われば、
切り捨てられてしまう恐れがある。
スポーツを文化としてとらえるような意識を、どうつくっていくか?
どんな知識が必要なのか?
スポーツとどうかかわっていけばいいのか?
「すべての人々」とは何かを考えながら、
勝敗、順位、記録など競技に偏っている日本スポーツの
コンセプトをチェンジしていく必要がある。
==============
◇いたに・けいこ
1954年生まれ。神戸大卒。
「スポーツ・ジェンダー学への招待」(編著)、
「スポーツ倫理の探求」(共著)。
日本スポーツとジェンダー学会会長。
http://mainichi.jp/enta/sports/general/general/archive/news/2010/11/13/20101113dde035070025000c.html
2010年11月22日月曜日
金銭の約束、やる気そぐ? 脳活動の記録でも判明
(2010年11月16日 共同通信社)
金銭報酬を期待して課題に取り組むと、
約束された報酬がないときには、かえってやる気(動機づけ)を失い、
報酬なしで好奇心や関心を持って取り組んだ人より、
脳の活動も低下する-。
心理学の「アンダーマイニング効果」として知られていた現象を、
磁気共鳴画像装置(MRI)でとらえることに、
玉川大の松元健二准教授(認知脳科学)らが成功。
自発的な学習を促す教育法の開発などにつながる。
16日付の米科学アカデミー紀要(電子版)に発表。
松元さんらは、大学生28人を報酬のあるなしで半々に分け、
ストップウオッチを5秒ちょうどで止める課題などを与えた。
課題をこなす最中、MRIで脳の血流を調べたところ、
報酬の有無に関係なく、課題の認識を担う前頭葉の一部と、
うれしいかどうかといった「自分にとっての価値の計算」を担う
大脳基底核の一部が連動。
課題をいったん終えた後、全員に「金銭の支払いはない」と伝え、
再び同じ課題をこなしてもらった。
最初に報酬の約束がない群では、
同じような脳の活動が見られた一方、
報酬を約束されていた群では、活動が著しく低下した。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/11/16/128356/
金銭報酬を期待して課題に取り組むと、
約束された報酬がないときには、かえってやる気(動機づけ)を失い、
報酬なしで好奇心や関心を持って取り組んだ人より、
脳の活動も低下する-。
心理学の「アンダーマイニング効果」として知られていた現象を、
磁気共鳴画像装置(MRI)でとらえることに、
玉川大の松元健二准教授(認知脳科学)らが成功。
自発的な学習を促す教育法の開発などにつながる。
16日付の米科学アカデミー紀要(電子版)に発表。
松元さんらは、大学生28人を報酬のあるなしで半々に分け、
ストップウオッチを5秒ちょうどで止める課題などを与えた。
課題をこなす最中、MRIで脳の血流を調べたところ、
報酬の有無に関係なく、課題の認識を担う前頭葉の一部と、
うれしいかどうかといった「自分にとっての価値の計算」を担う
大脳基底核の一部が連動。
課題をいったん終えた後、全員に「金銭の支払いはない」と伝え、
再び同じ課題をこなしてもらった。
最初に報酬の約束がない群では、
同じような脳の活動が見られた一方、
報酬を約束されていた群では、活動が著しく低下した。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/11/16/128356/
朝鮮の医学書「東医宝鑑」 吉宗、庶民にも販売
(2010年11月13日 読売新聞)
8代将軍徳川吉宗が、医療改革のために朝鮮から入手、
翻訳のうえ各大名に配った医学書「東医宝鑑」を、
それほど高くない価格で庶民にも販売していたことが、
徳川宗春が尾張藩主になる前に治めた陸奥梁川藩(福島県伊達市)の
庄屋文書で明らかに。
貫井正之・名古屋朝鮮史研究会会長(72)は、
「分かりやすい内容とはいえ、大部で貴重な医学書。
吉宗が、そこまで評価して広めようとしていたとは驚きだ」
梁川藩で、「東医宝鑑」(全25巻)の庶民向け販売のお触れが
回ったのは、享保15年(1730年)4月。
「このほど価格を引き下げたので、百姓、町民にもよく知らせ、
希望者に買い取らせるように。
上本は78匁、次本は60匁」などと書かれている。
基は、3月に幕府が全国に出したお触れで、
同藩では「百姓、町民」と付け加え、セールの対象をより明確。
当初の価格は不明、60匁が1両、6-10万円に相当。
「東医宝鑑」は、朝鮮王朝の宮廷医官だった許浚(ホジュン)が編さん、
1610年に完成。
当時の東洋医学界では、最高峰の医書とされ、中国でも何度も出版。
昨年、ユネスコの世界記録遺産にも選定。
吉宗は、対馬藩を通じて同書を入手。
朝鮮通信使との医事問答などを通じて、朝鮮の医療事情に詳しく、
その知識を江戸の小石川養生所の開設、全国の薬草調査、
朝鮮ニンジンの栽培などに生かしたうえ、同書の普及にも努めた。
長年、同書を研究してきた貫井さんは、
「吉宗が普及させたのは、各藩の御殿医や有力な町医者レベルまでと
考えられてきた。
『家庭の医学』書的な役割を果たせると考えていたことになり、
吉宗の同書に対する評価を再検討する必要があるだろう。
同様のお触れが、他藩にも残っているか調べたい」
医書「東医宝鑑」の編さん完成400年を記念し、
国際シンポジウム「東アジアの文化交流-『東医宝鑑』許浚、
そして東洋医学を語る」が、名古屋国際センターホールで開催。
貫井さんの基調報告、韓国の全世一・前延世大学校医学部教授の
特別講演に続いて、金夬正・許浚博物館長、
董福慧・中国中医研究院主任医師、小川晴久・東京大名誉教授、
安井廣迪・安井医院長をパネラーに、
「東医宝鑑」が東洋医学に与えた影響などを討論。
NPO法人フレンド・アジア・ロード主催。
参加費1000円(資料代を含む)。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/11/15/128317/
8代将軍徳川吉宗が、医療改革のために朝鮮から入手、
翻訳のうえ各大名に配った医学書「東医宝鑑」を、
それほど高くない価格で庶民にも販売していたことが、
徳川宗春が尾張藩主になる前に治めた陸奥梁川藩(福島県伊達市)の
庄屋文書で明らかに。
貫井正之・名古屋朝鮮史研究会会長(72)は、
「分かりやすい内容とはいえ、大部で貴重な医学書。
吉宗が、そこまで評価して広めようとしていたとは驚きだ」
梁川藩で、「東医宝鑑」(全25巻)の庶民向け販売のお触れが
回ったのは、享保15年(1730年)4月。
「このほど価格を引き下げたので、百姓、町民にもよく知らせ、
希望者に買い取らせるように。
上本は78匁、次本は60匁」などと書かれている。
基は、3月に幕府が全国に出したお触れで、
同藩では「百姓、町民」と付け加え、セールの対象をより明確。
当初の価格は不明、60匁が1両、6-10万円に相当。
「東医宝鑑」は、朝鮮王朝の宮廷医官だった許浚(ホジュン)が編さん、
1610年に完成。
当時の東洋医学界では、最高峰の医書とされ、中国でも何度も出版。
昨年、ユネスコの世界記録遺産にも選定。
吉宗は、対馬藩を通じて同書を入手。
朝鮮通信使との医事問答などを通じて、朝鮮の医療事情に詳しく、
その知識を江戸の小石川養生所の開設、全国の薬草調査、
朝鮮ニンジンの栽培などに生かしたうえ、同書の普及にも努めた。
長年、同書を研究してきた貫井さんは、
「吉宗が普及させたのは、各藩の御殿医や有力な町医者レベルまでと
考えられてきた。
『家庭の医学』書的な役割を果たせると考えていたことになり、
吉宗の同書に対する評価を再検討する必要があるだろう。
同様のお触れが、他藩にも残っているか調べたい」
医書「東医宝鑑」の編さん完成400年を記念し、
国際シンポジウム「東アジアの文化交流-『東医宝鑑』許浚、
そして東洋医学を語る」が、名古屋国際センターホールで開催。
貫井さんの基調報告、韓国の全世一・前延世大学校医学部教授の
特別講演に続いて、金夬正・許浚博物館長、
董福慧・中国中医研究院主任医師、小川晴久・東京大名誉教授、
安井廣迪・安井医院長をパネラーに、
「東医宝鑑」が東洋医学に与えた影響などを討論。
NPO法人フレンド・アジア・ロード主催。
参加費1000円(資料代を含む)。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/11/15/128317/
大河流れて:ユース五輪の遺産 第1回開催シンガポールの場合
(毎日 11月12日)
アジア大会に、過去最多の242選手を派遣するシンガポールでは
今年8月、未来のオリンピアンを育てる「もう一つの五輪」が行われた。
14~18歳の選手を対象とし、IOCが新設した第1回ユース五輪。
競技だけではなく、教育や交流を重視した理念もあり、
IOC副会長でもある大会組織委員会のセルミャン・ウン会長は、
「ユース五輪は、シンガポールにとって大きな遺産をもたらす」と力説。
大会には、約2万人の市民がボランティアとして参加。
選手村では、地元の中高校生が出場国・地域ごとにブースを設け、
遊びや展示を通して文化を紹介し、市民レベルでの交流も進んだ。
AFP通信などによると、大会経費は当初見積もりの3・7倍の
3億8700万シンガポールドル(約247億3000万円)に膨れ上がり、
9月には国会で議題に上った。
ビビアン・バラクリシュナン社会開発・青年スポーツ相は、
「形として見えるもの、目には見えないものを含めて、
投資に見合う価値はあった。
市民に、スポーツ文化の土台を築く効果がある」と強調。
アジア大会サッカー男子1次リーグのシンガポール-インドを
観戦した、シンガポール・オリンピック委員会の
クリス・チャン専務理事は、将来のアジア大会開催の可能性について、
「小さい国なので分からない」と慎重だが、
「子どもたちは、試合を見て感動していた。
次の世代にも、ユース五輪の理念を伝えていければ」と期待。
シンガポールの選手強化は、国外出身選手に頼ってきた側面も。
卓球の女子団体は、5月の世界選手権で、
中国の連覇を8で止めて優勝したが、
世界ランク3位のフェン・ティアンウェイ、
7位のワン・ユエグら中国出身選手が中心。
自国出身の選手が育ちにくい土壌の中で、
若手育成は長期的な課題。
ユース五輪の遺産を、アジアにどう伝え広めていくかも、
第1回開催国に課せられたテーマといえる。
http://mainichi.jp/enta/sports/general/general/archive/news/2010/11/12/20101112ddm035050048000c.html
アジア大会に、過去最多の242選手を派遣するシンガポールでは
今年8月、未来のオリンピアンを育てる「もう一つの五輪」が行われた。
14~18歳の選手を対象とし、IOCが新設した第1回ユース五輪。
競技だけではなく、教育や交流を重視した理念もあり、
IOC副会長でもある大会組織委員会のセルミャン・ウン会長は、
「ユース五輪は、シンガポールにとって大きな遺産をもたらす」と力説。
大会には、約2万人の市民がボランティアとして参加。
選手村では、地元の中高校生が出場国・地域ごとにブースを設け、
遊びや展示を通して文化を紹介し、市民レベルでの交流も進んだ。
AFP通信などによると、大会経費は当初見積もりの3・7倍の
3億8700万シンガポールドル(約247億3000万円)に膨れ上がり、
9月には国会で議題に上った。
ビビアン・バラクリシュナン社会開発・青年スポーツ相は、
「形として見えるもの、目には見えないものを含めて、
投資に見合う価値はあった。
市民に、スポーツ文化の土台を築く効果がある」と強調。
アジア大会サッカー男子1次リーグのシンガポール-インドを
観戦した、シンガポール・オリンピック委員会の
クリス・チャン専務理事は、将来のアジア大会開催の可能性について、
「小さい国なので分からない」と慎重だが、
「子どもたちは、試合を見て感動していた。
次の世代にも、ユース五輪の理念を伝えていければ」と期待。
シンガポールの選手強化は、国外出身選手に頼ってきた側面も。
卓球の女子団体は、5月の世界選手権で、
中国の連覇を8で止めて優勝したが、
世界ランク3位のフェン・ティアンウェイ、
7位のワン・ユエグら中国出身選手が中心。
自国出身の選手が育ちにくい土壌の中で、
若手育成は長期的な課題。
ユース五輪の遺産を、アジアにどう伝え広めていくかも、
第1回開催国に課せられたテーマといえる。
http://mainichi.jp/enta/sports/general/general/archive/news/2010/11/12/20101112ddm035050048000c.html
2010年11月21日日曜日
気仙郡のルーツに一石 陸前高田で講演会
(岩手日報 11月21日)
気仙登場1200年記念講演会(陸前高田市、同市教委主催)は、
市ふれあいセンターで開かれ、約300人が聴講。
国立歴史民俗博物館(佐倉市)の平川南館長が、
創設年代が不明な気仙郡について、
「715(霊亀元)年、郡役所設置の申請がなされた香河(かがわ)村と
無縁ではない」と講演。
東北古代史の解明に一石を投じた。
香河村については、歴史書「続日本紀」の記述で、
郡家(ぐんけ)(郡役所)の設置を律令国家側が認めたとあり、
「香河郡」になったことがうかがえる。
位置については、現在の宮城県の登米郡や黒川郡あたりとする
見方がこれまであったが、平川館長は否定。
平川館長は、713(和銅6)年に郡などの名称が、
「めでたい文字」に変更されたことを説明。
気力や仙人という言葉に象徴されるように、
「気仙」もめでたい文字とした上で、問題はそれ以前に
どんな文字表記がなされていたかだとした。
四国の香川郡(香川県)に言及し、「当時はケカワと読んでいた。
つまり、香という字はケと読んでいた。川はセンとも読める」と説明。
問題の「香河」に戻って、「ケセンと読めるかどうかは、今後の検討課題」
という表現にとどめながら、香河郡と気仙郡の深い関連を示唆。
同市気仙町のツアーコンダクター紺野文彰さん(59)は、
「気仙の前身は香河だ、ということを暗示したのではないか。
非常に興味深く、驚いた」
平川館長と奥州市埋蔵文化財調査センターの伊藤博幸所長、
えさし郷土文化館の相原康二館長によるてい談も行われた。
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20101114_5
気仙登場1200年記念講演会(陸前高田市、同市教委主催)は、
市ふれあいセンターで開かれ、約300人が聴講。
国立歴史民俗博物館(佐倉市)の平川南館長が、
創設年代が不明な気仙郡について、
「715(霊亀元)年、郡役所設置の申請がなされた香河(かがわ)村と
無縁ではない」と講演。
東北古代史の解明に一石を投じた。
香河村については、歴史書「続日本紀」の記述で、
郡家(ぐんけ)(郡役所)の設置を律令国家側が認めたとあり、
「香河郡」になったことがうかがえる。
位置については、現在の宮城県の登米郡や黒川郡あたりとする
見方がこれまであったが、平川館長は否定。
平川館長は、713(和銅6)年に郡などの名称が、
「めでたい文字」に変更されたことを説明。
気力や仙人という言葉に象徴されるように、
「気仙」もめでたい文字とした上で、問題はそれ以前に
どんな文字表記がなされていたかだとした。
四国の香川郡(香川県)に言及し、「当時はケカワと読んでいた。
つまり、香という字はケと読んでいた。川はセンとも読める」と説明。
問題の「香河」に戻って、「ケセンと読めるかどうかは、今後の検討課題」
という表現にとどめながら、香河郡と気仙郡の深い関連を示唆。
同市気仙町のツアーコンダクター紺野文彰さん(59)は、
「気仙の前身は香河だ、ということを暗示したのではないか。
非常に興味深く、驚いた」
平川館長と奥州市埋蔵文化財調査センターの伊藤博幸所長、
えさし郷土文化館の相原康二館長によるてい談も行われた。
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20101114_5
扉の向こうに:広州アジア大会新競技/5止 ローラースポーツ
(毎日 11月6日)
板張りの体育館で、ジャンプやスピンを次々と披露する。
徳島を拠点とするローラースポーツ男子フィギュアの
西木紳悟(22)=コンドーク=は現在、
世界で唯一トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を跳ぶ。
氷上では、同じジャンプが得意の浅田真央(中京大)が活躍、
「ローラーでも十分楽しい」と、わが道を行く。
ローラーフィギュアとの出合いは9歳。
地元紙に掲載された体験教室。
あきっぽい性格が災いしてか、野球や水泳、空手など、
さまざまなスポーツをかじってはやめていたが、
ローラーフィギュアは違った。
みるみる上達して魅力にはまり、中学3年でシニアの
全日本選手権に出場。
初出場で優勝し、現在8連覇中。
非五輪競技・種目で競う09年ワールドゲームズ高雄大会(台湾)では、
国際大会で過去最高の5位。
マイナー競技ゆえの悩みが、日本のエースを襲っている。
徳島文理大4年の西木は今年、競技と両立できる企業を求めて
就職活動をしたが、条件を満たす企業は見つからなかった。
知名度が低く、企業の理解を得にくいばかりか、
競技人口が日本で約100人と少なく、通常の体育館では
「床が傷む」と、ローラーフィギュアが敬遠されるため、
練習場が限られ、勤務地の幅が狭まるのも原因。
アジアでトップレベルの実力を持ちながら、
引退も考えざるを得ない状況に追い込まれている。
「アジア大会は大きな大会。
ここでいい演技をして、ローラーフィギュアを有名にしたい」と西木。
開催地がリオデジャネイロに決まった16年夏季五輪では、
七つの追加競技候補にローラースポーツも挙がったが、
1回目の投票で落選。
「メジャー化」への道は険しい。
自らの現役続行も懸けて、トリプルアクセルを成功させ、
競技の存在感を示す役割を果たすつもりだ。
==============
◇ローラースポーツ
ローラースケートを使い、採点競技の「フィギュア」と、
距離別タイムレースの「スピードスケート」がある。
フィギュアは、「ショートプログラム」(2分15秒プラスマイナス5秒)と、
「ロングプログラム」(4分プラスマイナス10秒)の2本立てで順位を競う。
日本からは西木の他、スピードで女子の篠塚奈知(24)が出場。
http://mainichi.jp/enta/sports/general/general/archive/news/2010/11/06/20101106dde035050038000c.html
板張りの体育館で、ジャンプやスピンを次々と披露する。
徳島を拠点とするローラースポーツ男子フィギュアの
西木紳悟(22)=コンドーク=は現在、
世界で唯一トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を跳ぶ。
氷上では、同じジャンプが得意の浅田真央(中京大)が活躍、
「ローラーでも十分楽しい」と、わが道を行く。
ローラーフィギュアとの出合いは9歳。
地元紙に掲載された体験教室。
あきっぽい性格が災いしてか、野球や水泳、空手など、
さまざまなスポーツをかじってはやめていたが、
ローラーフィギュアは違った。
みるみる上達して魅力にはまり、中学3年でシニアの
全日本選手権に出場。
初出場で優勝し、現在8連覇中。
非五輪競技・種目で競う09年ワールドゲームズ高雄大会(台湾)では、
国際大会で過去最高の5位。
マイナー競技ゆえの悩みが、日本のエースを襲っている。
徳島文理大4年の西木は今年、競技と両立できる企業を求めて
就職活動をしたが、条件を満たす企業は見つからなかった。
知名度が低く、企業の理解を得にくいばかりか、
競技人口が日本で約100人と少なく、通常の体育館では
「床が傷む」と、ローラーフィギュアが敬遠されるため、
練習場が限られ、勤務地の幅が狭まるのも原因。
アジアでトップレベルの実力を持ちながら、
引退も考えざるを得ない状況に追い込まれている。
「アジア大会は大きな大会。
ここでいい演技をして、ローラーフィギュアを有名にしたい」と西木。
開催地がリオデジャネイロに決まった16年夏季五輪では、
七つの追加競技候補にローラースポーツも挙がったが、
1回目の投票で落選。
「メジャー化」への道は険しい。
自らの現役続行も懸けて、トリプルアクセルを成功させ、
競技の存在感を示す役割を果たすつもりだ。
==============
◇ローラースポーツ
ローラースケートを使い、採点競技の「フィギュア」と、
距離別タイムレースの「スピードスケート」がある。
フィギュアは、「ショートプログラム」(2分15秒プラスマイナス5秒)と、
「ロングプログラム」(4分プラスマイナス10秒)の2本立てで順位を競う。
日本からは西木の他、スピードで女子の篠塚奈知(24)が出場。
http://mainichi.jp/enta/sports/general/general/archive/news/2010/11/06/20101106dde035050038000c.html
情報機器を使う(7)仮想世界で実技を学ぶ
(読売 11月17日)
武蔵野市の市立第二中学校で、インターネット上の仮想世界
「セカンドライフ」を使った授業が行われた。
パソコンの画面に映し出されたのは、
ノコギリを手にした男性のアニメ映像。
「ノコギリひきのコツを見つけよう」。
同中で技術・家庭科を教える佐藤智巳教諭(25)は、
1年生30人に語りかけた。
ノコギリを持った男性がいるのは、仮想世界にある教育研究所で、
敷地面積は約6万平方メートル。
教育システム販売会社が、仮想世界に所有しており、
その一画(約1600平方メートル)を研究者に提供。
アニメの動きは、実際の人間の動きをビデオで撮影して作製。
ノコギリひきに慣れた上級者と初心者の動きを、
切り替えることができる。
生徒たちは、マウスを操作してアニメにノコギリをひいてもらい、
動きの違いを比べ、ひき方のコツを学ぶことができる。
グループごとにマウスを操作して、アップにして観察したり、
360度、いろいろな角度から見たりして動きを比べた後、
授業はいよいよ実技へ。
現実世界で、本物のノコギリを手にした生徒らは、
パソコンで見た上級者の動きを思い浮かべつつ、
木片を次々に切っていった。
うまく切れたという松本誠央君(13)は、
「映像はリアルで本物のよう。
動きの違いがよくわかる」とうれしそう。
上級者のように、脇をしっかり締めることに注意したという
松本君は野球部員で、「バットの振り方など練習でも使えれば」と
素振りのしぐさを見せた。
佐藤教諭は、「子どもたちの関心は想像以上。また使いたい」
この授業には、仕掛け人がいる。
教室の後ろで様子をみていた安藤明伸・宮城教育大学准教授(37)。
中学で技術・家庭科を教えた後、大学で3D映像を
教育現場で利用する方法などについて研究しており、
佐藤教諭は安藤准教授の大学での教え子。
アニメ映像は、実は安藤准教授の仮想世界内のアバター(分身)。
「授業で、上級者の動きを見る機会は少ないし、その機会があっても、
何度も繰り返し見ることはムリ。
3D映像が、上級者の実演観察の代わりになれば」
将来的には、跳び箱など体育の実技などにも活用したい。
3D映像を使った授業が行われたのは、
同校を含めてもまだ数校程度。
まだあまり知られていないが、実技のある教科で
頼もしい助っ人になりそうだ。
◆セカンドライフ
米カリフォルニアのネット企業、リンデン・ラボ社が、
2003年に開設したオンライン・サービス。
現実世界のように立体的で、人との交流や経済活動などができる。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20101117-OYT8T00189.htm
武蔵野市の市立第二中学校で、インターネット上の仮想世界
「セカンドライフ」を使った授業が行われた。
パソコンの画面に映し出されたのは、
ノコギリを手にした男性のアニメ映像。
「ノコギリひきのコツを見つけよう」。
同中で技術・家庭科を教える佐藤智巳教諭(25)は、
1年生30人に語りかけた。
ノコギリを持った男性がいるのは、仮想世界にある教育研究所で、
敷地面積は約6万平方メートル。
教育システム販売会社が、仮想世界に所有しており、
その一画(約1600平方メートル)を研究者に提供。
アニメの動きは、実際の人間の動きをビデオで撮影して作製。
ノコギリひきに慣れた上級者と初心者の動きを、
切り替えることができる。
生徒たちは、マウスを操作してアニメにノコギリをひいてもらい、
動きの違いを比べ、ひき方のコツを学ぶことができる。
グループごとにマウスを操作して、アップにして観察したり、
360度、いろいろな角度から見たりして動きを比べた後、
授業はいよいよ実技へ。
現実世界で、本物のノコギリを手にした生徒らは、
パソコンで見た上級者の動きを思い浮かべつつ、
木片を次々に切っていった。
うまく切れたという松本誠央君(13)は、
「映像はリアルで本物のよう。
動きの違いがよくわかる」とうれしそう。
上級者のように、脇をしっかり締めることに注意したという
松本君は野球部員で、「バットの振り方など練習でも使えれば」と
素振りのしぐさを見せた。
佐藤教諭は、「子どもたちの関心は想像以上。また使いたい」
この授業には、仕掛け人がいる。
教室の後ろで様子をみていた安藤明伸・宮城教育大学准教授(37)。
中学で技術・家庭科を教えた後、大学で3D映像を
教育現場で利用する方法などについて研究しており、
佐藤教諭は安藤准教授の大学での教え子。
アニメ映像は、実は安藤准教授の仮想世界内のアバター(分身)。
「授業で、上級者の動きを見る機会は少ないし、その機会があっても、
何度も繰り返し見ることはムリ。
3D映像が、上級者の実演観察の代わりになれば」
将来的には、跳び箱など体育の実技などにも活用したい。
3D映像を使った授業が行われたのは、
同校を含めてもまだ数校程度。
まだあまり知られていないが、実技のある教科で
頼もしい助っ人になりそうだ。
◆セカンドライフ
米カリフォルニアのネット企業、リンデン・ラボ社が、
2003年に開設したオンライン・サービス。
現実世界のように立体的で、人との交流や経済活動などができる。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20101117-OYT8T00189.htm
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