2008年12月1日月曜日

もっと知りたいエコロジー:“緑の線路”を実現した、鹿児島市の路面電車

(毎日 11月28日)

緑の芝生の上を低床の路面電車が走る。
まるでヨーロッパのようなこの風景は、鹿児島市で撮ったもの。
国内では、初の本格的な緑化軌道。
軌道敷緑化整備事業を担当する鹿児島市公園緑化課に話をうかがった。
緑化軌道が誕生したきっかけは、
2004年に九州新幹線が一部開業したこと。
鹿児島中央駅との乗り継ぎを向上させるため、
市電を駅前広場に引き込むことに。
駅前広場の植栽との一体感が得られるよう、
約140メートルの区間を緑化。
面積にすると、わずか220平方メートルに過ぎなかったが、
施工後の市民意識調査できわめて高い評価を受けた。
緑化した軌道敷は、車道と比べて11.5度も路面温度が低かった。
景観的にも、ヒートアイランド現象の緩和にも効果があることが認められ、
鹿児島中央駅~鹿児島駅までの施工へと話が膨らんだ。

軌道敷の緑化は、そう簡単なものではなかった。
緊急車両などが軌道敷内に侵入する場合もあり、
車に踏まれて芝生が擦り切れたり、緑化面がへこんだりしない必要がある。
日当たりのいいところがほとんどなので、保水性のある地盤にする必要も。

問題の解決に貢献したのが、鹿児島県の工業技術センターと民間が
共同開発した「シラス緑化基盤」。
鹿児島県に多く堆積しているシラス(火山噴出物)とセメントを
混ぜ合わせて成形した厚さ8センチ×30センチ角のブロックで、
保水性と通気性を兼ね備えている。
緊急車両などに踏まれても、ビクともしない。
新素材が生まれ、軌道敷緑化整備事業は06年度から本格的にスタート。
現在は、「シラス緑化基盤」を敷き詰め、地域の土と特殊な土壌改良材を
ブレンドした「軌道敷緑化専用客土」を入れ、その上に芝生を張る。
芝生は高麗芝を品種改良し、温暖な気候も相まって、冬でも緑を保つ。

道路延長約3400メートル、面積約12500平方メートルの緑化が完了。
年間に7回ほどの芝刈りや、雨が少ない時期の水まき、肥料の散布、
除草などの作業が必要だが、軌道敷を緑化した効果は多大。

表面温度の低下が挙げられる。
施工前後にほぼ同一条件下で、起軌道敷内と中央分離帯の表面温度を
比較した結果、緑化後には軌道敷内で17~18度、
中央分離帯で24度も温度が低下した。
騒音の低減でも顕著な効果が認められている。
軌道緑化と同時に、レールを交換したり、枕木を木からコンクリートに
変更したりするなど、軌道改良を行った地点では、
電車が通過する際の最大騒音レベルが、施工前よりも9デシベル下がった。
軌道から約20メートル離れていた地点で聞こえていた音が、
3メートルまで近づかないと聞こえなくなったことに相当。

ヒートアイランド現象の緩和や、騒音の低減に加え、
緑化された軌道敷は目に優しく美しい。
緑化軌道を見慣れた後に未施工区間を見たら、
まるで違う時代、違う都市のように思えたほど。
鹿児島市では、2012年度までに道路と併用している残りの区間、
約5・5キロを整備する計画。
全線完成後には、約8・9キロの “緑の線路”が誕生。
線路敷を緑地に変えた鹿児島市の取り組みは、
各地でわき上がっている路面電車の復活案を、

2008年11月30日日曜日

10年連続参加たたえる 笹川財団のチャレンジデー

(東海新報 11月23日)

毎年5月末の「チャレンジデー」に取り組んでいる陸前高田市は、
国内での主催団体である笹川スポーツ財団(小野清子会長)から
10年連続参加の表彰を受けた。

表彰式は市役所で行われ、同財団の渡邉一利常務理事と
佐藤紫朗業務部長の二人が訪問。
伊藤壽教育長と菊池満夫教育次長が同席する中、
中里長門市長がトロフィーと記念のネクタイを受け取った。

渡邉常務が、「チャレンジデーの取り組みは、毎年継続することに
意義があると思っています。今後も回数を重ね、20年連続参加を目指してください」
中里市長は、「市民の健康づくりのためにも頑張りたい」

今年の多度津町(香川県)との対戦で、同市が75・3%の参加率で
通算4回目の勝利を収めたことも話題となり、
渡邉常務は「この参加率は全国でもトップクラス」とたたえた。

佐藤部長からは、「来年は『高田同士』ということで、
大分県の豊後高田市との対戦はいかがですか」と勧められた
中里市長と伊藤教育長は、「対戦相手を指定して申請できるなら、
ぜひ検討してみたい」と乗り気の様子。

チャレンジデーは、毎年5月の最終水曜日に世界各国で行われているイベント。
ルールは、参加自治体や地域が午前零時から午後9時まで、
15分以上続けて運動した住民の割合を競い合う。
運動することで健康に対する意識を高め、
生涯スポーツの普及振興を図ろうというもの。

16回目を迎えた今年は、世界20カ国で実施。
国内では、109カ所(23市28町6村52地域)で、
国内総人口の1%にあたる121万2450人が参加。
陸前高田市は、平成11年から毎年参加。

http://www.tohkaishimpo.com/

県栽培漁業協会 タイヤチップボイラー導入燃費削減に“救世主”

(東海新報 11月22日)

大船渡市末崎町の県栽培漁業協会(大井誠治会長)は、
飼育施設用ボイラーの重油使用量抑制を目的に、
漁業用としては全国でも珍しいチップ状のタイヤを使った
ボイラー二基を導入することを決めた。

同協会は、アワビ稚貝やヒラメ、サケなどの稚魚を育成し、各漁協などに出荷。
現在は、重油ボイラーが魚類に3基、アワビに4基備えられ、
冬場を中心に加温して水槽内の海水温を上昇。
アワビの場合、親貝の採卵のため12月ごろから加温し、
最高で20度程度まで水温を高める。

ボイラー用には、年間で800~1100キロリットルの重油使用を見込む。
海水温が高かった19年度の使用量は800リットルを切り、
重油購入費も前年以下の5300万円に抑えたが、
それでも5年前の2倍以上の費用。

今年はさらに重油価格が急騰、4年前のほぼ2倍。
海水温が例年より1~2度低く推移し、冬期の重油使用量増が見込み。

かさむ燃料費が経営を圧迫する事態に、
「高騰分を出荷価格に上乗せして、漁協に負担してもらうわけにもいかない。
なんとかしなければとの思い」(川畑浩平総務部長)と、
約6100万円を投じて、タイヤチップを使ったボイラーの導入を決めた。

同ボイラーと重油式ボイラーを現在の燃料価格で比較した場合、
タイヤチップの燃焼効率を重油の8割として試算しても、
1基当たりの燃料費は年間約1200万円安くなる。

今回は、アワビと魚類用に各1基ずつの導入で、
12月中旬ごろから本格稼働できる見通し。
重油ボイラーの稼働を抑える補完用としてだが、燃料費削減へ期待は大きい。

ボイラーを販売した(株)工藤(八戸市)の工藤博常務は、
「タイヤをあぶり、出したガスを二次燃焼するので燃焼効率がいい。
ガスに最適な空気を混ぜて燃やす技術を取り入れ、黒煙なども出ず、
環境に優しい燃焼を行える」

タイヤチップを利用したボイラーは、県内でも老人福祉施設の入浴設備や
野菜のハウス栽培などに用いられ、漁業育成用では初。
全国でも珍しい導入例として注目を集めそう。

http://www.tohkaishimpo.com/

「体育」を見直す(7)痛くないバレーボール

(読売 11月26日)

軟らかい運動器具を使った痛くないスポーツが人気だ。

円周は約80センチ、重さは約100グラム。
普通のバレーボールよりもひと回り大きく、重さは半分以下。
東京都江戸川区立南葛西第三小学校で、
3年生のソフトバレーボールの授業は、歓声の連続だった。

担任の浅野一也教諭(48)の呼びかけで、6~7人ずつ6チームに
分かれた児童は、3面のバドミントンコートを使って一斉に試合を始める。
両手ですくいあげるようにして投げられたボールは、
ふわりと相手コートに運ばれる。

「ワンバウンドまではセーフ、何回で返しても大丈夫」という独自ルールもあり、
相手チームの児童はワンバウンドを待ち、
手のひらを使ってボールを上にあげる。
アタックに挑戦する児童もいるが、ボールは空気抵抗を受けながら
ゆっくりと相手コートに届く。
ラリーが続いた末に点が入ると、児童は「イェーイ」と叫んで万歳をした。

元々、地域のスポーツ少年団でもバレーボールを指導している浅野教諭。
「バレーボールのすそ野を広げたい」と、
現行の学習指導要領では中学校から扱うことになるバレーボールの前段として、
3年生でも楽しめるソフトバレーボールを授業に取り入れている。

新学習指導要領では、小学校3、4年生で取り組む「ネット型ゲーム」の
例として、ソフトバレーボールが挙がっており、
浅野教諭の取り組みは新指導要領を先取りした形にもなる。

「中学でいきなりバレーボールをやっても、上手な生徒だけが活躍したり、
ラリーが続かずに終わったりして、
『つまらない、バレーボールなんてやりたくない』と思わせてしまう」と浅野教諭。
それならば、小学校から「バレーボールは楽しい」と思わせることが大切。

楽しませるには、「怖くなく痛くないことが大原則」。
その点、ソフトバレーボールは軟らかいため、突き指をする心配もないし、
ボールに当たっても痛くない。

子供たちの感想も、「普通のバレーボールは顔に当たると怖そうだけど、
ソフトバレーボールは軟らかいから怖くない。眼鏡をかけていても大丈夫」と好評。

バレーボールのほかにも、「痛くない」運動用具は人気。
同小では、低学年クラスに軟らかいドッジボールが置かれている。
「硬いボールだった時は、好きな子だけが休み時間、運動場で遊んでいたが、
今は男女とも競ってボールを持っていく」と浅野教諭。

鉄棒には、鉄棒カバーを巻き付けている。
体が鉄棒に当たっても、痛くないように作られたもの。

同小では最近、階段を2段飛び降りただけで骨折した子供もいた。
「良い悪いではなく、今の子供は、
けがをしやすいということを理解してやっていくしかない」

子供に嫌な思いをさせないだけでなく、現実的な安全の確保という面でも、
軟らかい用具は重要な要素になっている。

◆ボールゲームの分類

小学校の現行の学習指導要領では、ボールゲームを
「バスケットボール型」、「サッカー型」、「ベースボール型」に分類、
新指導要領は「ゴール型」、「ネット型」、「ベースボール型」とした。
固有の種目ではなくゲームの型を学ぶことで、
将来、様々な競技に応用できる力を身につけさせるのが狙い。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20081126-OYT8T00273.htm

岩手県立病院・診療センター、6カ所で無床化 来年度、計画案

(毎日 2008年11月18日)

県は、県立病院や06-08年に診療所化した地域診療センター6カ所で、
入院施設を廃止する無床化を柱にした「新しい経営計画」案を明らかに。
年間病床利用率が70%を割り込むなど、経営が厳しい施設で機能を
縮小・集約化し経営改善を図る。
併せて、市町村立病院に無床化などの検討を求める
公立病院改革推進指針案も公表。

これまで、公立病院等改革検討委員会(委員長・斎藤俊明県立大教授)などで
検討してきたが、いずれも議論は非公開。

突然の縮小案に、地元の反発は必至だ。
県医療局、保健福祉部が、県議会に明らかにした。
パブリックコメントを行った後、来年1-2月に新経営計画や指針を策定。
来年度からの実施を予定。

計画案によると、沼宮内病院は10年に、
紫波、大迫、花泉、住田、九戸の各地域診療センターは09年に無床化。
空き病床が多い基幹病院などでも、病床を削減。
県内全体で396床を減らし、5155床にする。

県議からは、「診療所化に際し、医師3人体制を守ると約束したはず」
といった批判が相次いだ。
達増拓也知事は、「診療所の夜勤が勤務医の負担になっている。
集約化で負担を減らせる」と説明。
「岩手の医療は危機的状況だ」と理解を求めた。

県立病院を巡っては、患者数の減少や診療報酬引き下げの影響で
06、07年度に10億円前後の赤字を計上。
07年度は経常収支比率98・8%、病床利用率79・1%まで減少。
医療局は、新計画によって13年度には、経常収支比率は101・6%、
病床利用率は84・1%まで回復すると試算。

指針では、病床利用率が低いなどとして、
国保西根(八幡平市)、国保沢内(西和賀町)、国保種市(洋野町)の
3病院で病床削減を検討するよう求めたほか、
累積欠損金が増大している奥州市総合水沢病院についても
「過剰となっている機能の見直し」などが必要。
……………………………………………………………………………
◇病床を削減する県立病院・地域診療センター◇
        現在 削減数 削減後
沼宮内※    60  60   0
紫波※     19  19   0
中部(仮称) 452  18 434
遠野     221  29 192
大迫※     19  19   0
千厩     194  40 154
花泉※     19  19   0
大船渡    489  30 459
高田      70  13  57
住田※     19  19   0
宮古     387  53 334
久慈     342  42 300
二戸     300  16 284
九戸※     19  19   0
 ※は無床診療所化される施設

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=83119

2008年11月29日土曜日

「体育」を見直す(6)楽しく踊って体力作り

(読売 11月25日)

生徒が親しみやすい音楽で、楽しく体力作りを進める学校がある。

「レッツ・ゴー(いくぞ)」、「ザッツ・グー(いいぞ、その調子だ)」。
ビートの効いた音楽に合わせた英語のかけ声が、矢継ぎ早に、
体育館のスピーカーから流れてきた。
生徒たちは歓声を上げ、スクリーンの映像を見ながら、
キック、パンチ、スクワットと基本動作をこなしていく。

北海道教育大付属釧路中学校3年の体育は、
日本に一大ブームを巻き起こした米国の軍隊式エクササイズ
「ビリーズブートキャンプ」で始まった。10分間の基礎体力作りの時間。

次に、ヒップホップ系の音楽が流れ、6、7人ずつに分かれたダンス。
生徒たちは、1か月半でマスターした基本ステップを組み合わせ、
「こうやると格好良いよ」、「動きが合ってないよ」と、
見栄えのするフォーメーションを話し合っては試す。

「大きく踊るのがコツだぞ」と、生徒に声をかけた佐藤毅主幹教諭(45)は、
ヒップホップダンス入門の市販DVDを購入して、独学で学んだ。
ダンスは元々、苦手だという。

佐藤教諭が、体育に「ビリー」を取り入れたのは昨年4月。
持久力や柔軟性を身に着けながら、筋力強化も図れる。
中学校の新学習指導要領で必修になるダンスの方は、先月から始めた。
話題性のある「ビリー」と、若者に人気のヒップホップ音楽なら、
生徒もなじみやすい。
ダンスも相当な運動量になるが、仲間と一つのものを作る達成感が
厳しさを補ってくれる。

同校の生徒は、7年前から体力低下が目立ち始めた。
4年前の文部科学省の体力・運動能力調査では、
全8種目中7種目が全国平均以下に。
特に男子の1500メートル走など、持久力の落ち込みが激しい。

生徒は市全域から集まる。
7割の生徒が、保護者の車かバスで通学。
2年前の調査で、同校生徒が1日に歩く歩数は、
東京の中学生の半分の6000、7000歩だったという数字も。

「都会の子に比べて歩かない。どうしても運動不足になるようだ」と
室山俊美副校長(50)。
このことへの危機感が、体育を見直す契機に。
「体育科の体力作りといえば、腕立て伏せや腹筋などの『個人競技』。
これでは面白くないし、続かない。
楽しんで体力を高める授業を目指している」と佐藤教諭。

「みんなと工夫して、踊ることの楽しさを強く感じた」(3年男子)、
「1人では苦労するけど、みんなと一緒にやればとても効率がいい」(3年女子)。
授業に対する生徒たちの反応は上々。

卒業後もスポーツで自身の生活改善、健康維持が図れるような生徒を
育てるのも目標の一つ。
「心拍数120~130で最低20分間の運動をすると、
皮下脂肪が初めて燃焼し始める」といった知識を授ける座学の時間も設ける。

「生涯にわたって、運動に親しむ能力を育てる」。
そんな新指導要領の考え方に沿った取り組みが、ひと足先に進められている。

◆ダンスに3類型

中学校の指導要領では、ダンスを
〈1〉動きに変化をつけて即興的に表現する「創作ダンス」、
〈2〉音楽に合わせて特徴的なステップで踊る「フォークダンス」、
〈3〉変化のある動きを組み合わせて、全身で踊る「現代的なリズムのダンス
に分けている。
地域や学校の実態に応じて、その他のダンスを履修させることもできる。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20081125-OYT8T00217.htm

体験型教育旅行が好調 県内受け入れ前年度比31%増

(岩手日報 11月23日)

小中高生らが、農作物の収穫や農家民泊などを行う
体験型教育旅行の受け入れが増えている。

2007年度は、前年度比31%増で4万人を突破。
受け入れ先の農林漁家も700戸を超え、すそ野が広がってきた。
政府は、本年度から「子ども農山漁村交流プロジェクト」を実施、
全国の受け入れ地域を拡大する方針。

今後は競争激化も予想され、岩手ならではの魅力あるプログラムや
教育的効果が求められる。

県農業振興課によると、本県の07年度の
体験型教育旅行受け入れ数は、4万1019人。
データを取り始めた04年度(1万3317人)から2万7702人増。

昨年度は、全国から405校(前年度比23・9%増)が農家民泊などを実施。
都道府県別でみると、北海道が最も多く148校。
宮城県50校、東京都47校などと続く。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20081123_3

北限のミカンたわわ 大船渡で700個大豊作

(岩手日報 11月26日)

大船渡市大船渡町の佐藤初子さん(79)方の庭先で、
鮮やかに色づいたミカンがたわわに実を付け、家族の目を楽しませている。
県内でも温暖な同市では、庭先などでミカンの木を育てる家もあり、
「北限のミカン」として有名。

佐藤さん方のミカンも約40年前に植え、ほぼ1年置きに豊作と不作を
繰り返しながら、小ぶりの実を付けている。

今年は、約700個の実を付ける大豊作。
間もなく収穫時期を迎える。
酸味が強いため、ジュースにしたり生け花用として知人に配る。
収穫後は、毎年わらで冬囲いをしてミカンを大切に守り育てている佐藤さん。
ひ孫の永遠君(6)と一緒にめでながら、
「いつまでも元気に実を付けてほしい」と願っている。

ユニリーバ・ジャパン、紅茶が集中力を高めることを確認

(日経ヘルス 10月30日)

紅茶ブランド、リプトンを展開するユニリーバ・ジャパンは、
「第4回 リプトン ひらめきIST AWARD」を開催
紅茶に関する新たな研究結果を発表。

紅茶に含まれるL-テアニンが、脳のリラックス及び覚醒効果のほか、
集中力を高める働きがあることを、複数の研究者が明かした。

静岡県立大学栄養科学研究室の横越英彦教授は、
紅茶に含まれるアミノ酸の一種、L-テアニン(以下テアニン)が、
脳内神経伝達物質の一つであるグルタミン酸と類似していることから、
脳神経への生理作用を持つと推測、実験を紹介した。

マウスでは、神経伝達物質の中でも特に各種の行動や情動の制御に関与する
ドーパミンの放出を顕著に増加させることから、
「血圧や記憶学習機能にも好影響を与える」

人でもテアニンを摂取すると、休息時や集中時に発生する脳波・α波が
増加することから、「紅茶が人にリラクゼーションと覚醒を与える効果がある。
月経前症候群のイライラに関しても、改善効果がある」

横越教授らの研究結果をさらに発展させ、人への試験を発表したのは、
同社のリプトン紅茶研究所研究員ソレーヌ・ナビオスさん
実際に人に紅茶を飲用してもらい、テアニンが集中力に与える効果を実験。

紅茶を2~3杯摂取(50mg)すると、集中力を要する各種テストの正解率が上がった。
被験者の自己診断においても、「集中力が増した」との回答が得られた。
ソレーヌさんは、「紅茶がα波に作用し、脳の集中力を改善する働きがある

http://nh.nikkeibp.co.jp/article/nhpro/20081030/102806/

2008年11月28日金曜日

「体育」を見直す(5)武道必修 手薄な環境

(読売 11月22日)

中学校での武道必修化の狙いと課題は何か。

「着座! 黙想!」
山梨大学付属中学校の格技場に、飯塚誠吾教諭(35)の声が響いた。
柔道着姿の3年生男子19人と女子12人が、正座して目を閉じる。
飯塚教諭の「やめ、礼」の合図で、一同がお辞儀をし、授業が始まった。

同中では、男女とも1、2年で柔道が必修、2年ではダンスも必修。
3年では、秋から柔道かダンスを選ぶ。
柔道を選ぶ女子も、ダンスを選ぶ男子も少なくない。

得意技は大腰という石井瑛里香さん(14)は、
「1、2年の授業で初めて柔道をやってはまった。
試合で一本が決まった時の喜びが何とも言えない。闘志が燃える」と笑顔を見せる。
一方、体育館で行われたダンスの授業では、男子20人、女子28人が
班ごとに分かれ、ポップ、ロック、テクノ音楽などにあわせて、振りを確認。

学習指導要領の改定で、中学生は2012年度から、
1年か2年で武道とダンスを必ず学ぶことに。
器械運動、陸上競技、水泳、球技は以前から必修だが、
現行の指導要領は武道とダンスはどちらかの選択。
以前、男女が別々に学んでいた名残がある。

同中が必修化したのは、16年前。
「大人になって、趣味として楽しめるスポーツを選ばせる時、
経験したことがないスポーツは選びづらい。
学校ではさまざまな種目を経験させ、基礎を固めさせたい」と飯塚教諭。
指導要領改定の狙いも同様。

武道必修化に向けた課題の一つが、指導者養成。
和歌山県教育委員会は、必修化の指導要領が3月に告示されてから初めて、
剣道の実技指導者養成講習会を開いた。
これまで剣道を教えたことのない教師らに、最低限の基礎を教えるため。
10人が講師から剣道の心得を聞いた後、足の運び方や竹刀の使い方、
防具をつける練習をし、1日目の午後には打ち込みを始めた。

県教委は、今年度の講習会を柔剣道で各1回開催するにあたり、
県内の中学校約150校、高校約60校に参加を呼びかけた。
参加者は柔道も25人だけだったが、
県教委健康体育課の坂口雅紀指導主事(39)は、
「今回講習に参加した教師は意欲的で、不案内な武道の習得も早かった」と
安心した様子を見せる。

体育教師は、大学の教職課程で一通りの武道は学んでいる。
現在でも、県内公立中学で男子42%、女子29%に武道の授業を実施。
しかし、必修化までに、礼儀作法、防具の着装から、技の教育、
安全性の確保まで含めた習得が間に合うか。2日程度の講習で十分なのか。
来年度以降の計画は、まだ手探り状態。
剣道の場合、授業に必要な防具や竹刀の数も圧倒的に不足。

武道場の整備状況は、和歌山県内の公立中学校で昨年、14%と全国最低。
柔道の授業をしようとすると、体育館で授業のたびに畳を敷く学校が多数出てしまう。

子供に様々なスポーツを経験させるには、環境の整備が欠かせない。

◆武道場を持つ公立中47%

文部科学省の調査では、2007年5月現在、全国の公立中学校に
武道場(柔道場、剣道場、柔剣道場、弓道場、相撲場、なぎなた場)の
いずれかがあるのは47%。
文科省は09年度予算の概算要求で、公立中学校に武道場整備の補助として
約48億円(215校分の半額)を計上。
13年度には、整備率を70%にするのが目標。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20081122-OYT8T00221.htm

大船渡港・新ふ頭24年頃完成へ 臨港道路も同時整備

(東海新報 11月21日)

港湾整備が進む大船渡市の永浜・山口地区で、
水深13メートル岸壁背後に広がるふ頭用地の埋め立て工事が始まった。
県による事業で、埋め立て終了は22年度、
土砂の沈下促進や舗装作業を経た最終的な完成時期は24年度。
今年度は、臨港道路整備に向けた用地補償も進め、同時期の完了を目指す。
工業用地は、部分供用のメドはあるものの、企業誘致との関係も残されている。

4万トン級の大型船舶が接岸できる水深13メートル岸壁は、全長260メートル。
地元負担のない「国直轄事業」として、国土交通省東北地方整備局
釜石港湾事務所が整備を進め、今年度末までに完成。

ふ頭用地はその岸壁に隣接し、港湾荷役に欠かせない場所。
現在は海水が入っている状態で、“陸続き”になっていないが、
県による土取運搬埋立工事が先月末から本格化。
事業費は約1億6000万円、(株)佐賀組が請け負っている。

土砂は、立根町の総合公園予定地からトラックで運搬。
盛町内の国道45号から佐野橋を経由、主要地方道・大船渡綾里三陸線を通って
埋め立て地まで運んでいる。
工事は、3月まで日中の時間帯に行われ、地元住民らへの説明機会も。

ふ頭埋め立て面積は、3・4ヘクタール。
34万立方メートルの土砂が必要で、今年度は約9万立方メートルを予定。
県道側から岸壁側に向かって土砂を投入。
埋め立て作業は、22年度の完了を目指す。
水抜きや沈下を待ち、舗装作業を経た工事完了は24年度ごろ。

県では、約1億5000万円を投入し、港湾から県道に接続する
臨港道路の用地補償を進める。
完了時期は、ふ頭整備と同じ24年度ごろ。

水深13メートル岸壁北側で、県が整備している同7・5メートル岸壁の
今年度予算規模は少なく、ふ頭用地を含めた整備完了には
今後10年程度はかかる見通し。
県は、同じく北側にある船揚場は21年度までに整備し、
漁業者の利便性に応える姿勢も示している。

新ふ頭の整備によって、大船渡港の大型船受け入れ態勢が拡大。
世界的な資源価格高騰が予想される中、大型船による効率的な運搬を
求める声は地元内外の企業・事業所から強まっている。

岸壁とふ頭用地の背後に整備される工業用地は、面積11・7ヘクタール。
弁天山に近い南側の約5・2ヘクタールについては、
盛り土が行われ造成にメドがつき、縦貫道整備によって出た土砂を
受け入れて安定化を促している段階。

赤崎中に近い北側約6・5ヘクタールは、浚渫ヘドロもあるため、
地盤が安定していない状態。

県大船渡地方振興局土木部の小野寺徳雄部長は、
工業用地全体の完成について、「造成した土地への企業進出をみながら判断。
具体的交渉には至っていないが、市に対し税の優遇措置照会は来ていると聞く。
新ふ頭にも大型船舶が入れる状況を整え、港湾活性化を図りたい」

ふ頭と臨港道路の完了目標年度が明らかになることで、
岸壁、工業用地ともに活用の見通しが広がってくる。
さらなる工業用地整備には、企業進出と予算措置が連動する形になっているため、
今後は県や市、地元産業界が一丸となった戦略的な企業誘致も求められている。

http://www.tohkaishimpo.com/

本県の人材育成に貢献 昨年施行の企業立地法

(岩手日報 11月24日)

昨年6月施行の企業立地促進法に基づく産業集積戦略が、
全国的に展開されている。
本県では、6地域が基本計画をつくり産業力を強化。
特に、ものづくり人材育成に貢献。

世界経済低迷で沈滞ムードの産業界だが、本県関係者は、
「付加価値の高い研究開発・技術者などの人材育成は、
将来的な企業立地、産業集積の大きな力になる」と将来に備える。

同法は、自治体や経済団体などで構成する組織が、
誘致目標を掲げた基本計画を策定。
国の同意後、都道府県が企業の立地計画を認めれば、
進出企業は設備投資減税などの対象。

本県では、6地域が計画を策定し、それぞれ集積業種を重点化。
北上川流域が自動車や半導体など、盛岡広域は組込みソフトと情報技術(IT)関連
気仙は食品、木材、港湾関連釜石・大槌は産業用機械・金属、食品関連
宮古・下閉伊がコネクター、自動車、木材関連
県北が食、港湾関連輸送機器、電子部品関連と設定。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20081124_3

みんなのスポーツ「チャレンジデー」日本に上陸

(sfen.jp 08.11.19)

「チャレンジデー」は、1983年(昭和50年)に
住民総参加型スポーツイベントとしてカナダで誕生。
日本では、1993年(平成5年)からSSF笹川スポーツ財団の
コーディネーターにより普及・活動が始まりました。

このスポーツイベントを簡単に紹介すると、
『毎年5月の最終水曜日に、人口規模がほぼ同じ市区町村・地域間で、
午前0時から午後9時までの間に15分間以上継続して運動やスポーツ等の
身体活動を行った住民の参加率を競い合い、
敗れた場合は対戦相手の自治体(地域)の旗を、
庁舎のメインポールに1週間掲揚する』というもの。
このイベントは、真剣に取り組めば取り組むほど、
スポーツを通じて地域住民に夢や希望、感謝を与え、
地域環境づくりや健康づくりに貢献するイベントに成長。

地域住民がひとつの目標に向かい、一丸となってスポーツ活動を通じて
地域づくりを行うというイベントは、スポーツ・文化活動などで
企画・運営されることはあっても、各自治体・団体単位と規模は小さく、
一部の関係者や団体に片寄りがちの傾向に。

しかし、「チャレンジデー」の規模は世界・全国規模であり、
世界で一斎開催であるため、夢がふくらむイベント。
地域住民が同じ目標に向かい、特別な技術や体力などにこだわることなく、
多世代の老若男女、誰もが気軽に参加できる活動。
競技感覚で、「競う」というよりも「楽しさ」を主とし、
「出会いと交流の場」としての要素を含めたうえで参加率を競うという
ユニークな企画で実施され、実際に体験してみると実に新鮮なスポーツイベント。

「チャレンジデー」は、海外で人気があり、取り組みやすい事業のように
思われますが、実はお祭り好きの日本人の性格にはピッタリなイベント。

「チャレンジデー」を実際に企画・運営して強く感じるのは、
各自治体、職場、団体の組織力はまちがいなく強化され、
さらに連帯感が深まる。
昨今多様化、複雑化する現代社会において最も必要とされる要素で、
地域コミュ二テイづくりには計り知れない効果が生まれるのでは。

対戦相手の自治体とは、お互いのまちの情報交換が頻繁に行われ、
特産物の交換や関係団体間の交流が生まれる。
最近対戦した沖縄県と秋田県の自治体間では、
中学生の修学旅行の企画が行われるなど、友好的に発展した例が数多くみられ、
自治体間や地域間のPR、交流のきっかけに。

21世紀生涯スポーツの中核的事業として展開されている
「総合型地域スポーツクラブ」設立に向けて、
地域住民のスポーツに対する関心度を高め、理解を深めるきっかけづくりにも。

参加していない自治体に対して、チャレンジデーの説明をすると、
事業効果が「まちづくり」等に大きく貢献することは、
検討の段階では認めるものの、いざ本格的な取り組みの段階になると、
諸般の事情により実現できなくなる自治体・地域が見受けられる。

最たる理由のひとつは、一部関係者がチャレンジデーのスケールの大きさに
飲み込まれて、「挑戦しない(やらない)理由」を探し、前に進まないこと。
何事にも言えますが、「できるか出来ないではなく、やるかやらないか
視点をどこに置くかが、大きく将来的を左右するのではないか。

「チャレンジデー」は、真剣に取り組めば取り組むほどすばらしさが実感でき、
見る夢より実る夢が実現できるイベントである。

平成20年度は、「インターナショナルチャレンジデー」に
20ヵ国45自治体・地域が参加。日本からも3自治体から参加。
国内では、109ヵ所(23市28町6村52地域)が参加し、
総参加者数1,212,450人(19年度:871,816人)と年々参加人数も増えている。

今年度実施していない12都府県へのアプローチなどの課題もあるが、
「チャレンジデー」は生涯スポーツ社会実現のためのイベントに成長し、
市民参加型のスポーツイベントの旗手として、今後一層の期待が高まる。

◆田中忠夫氏

財団法人秋田県体育協会、総合型地域スポーツクラブ育成担当、
財団法人日本体育協会、クラブ育成アドバイザー、SSF笹川スポーツ財団、
チャレンジデー普及推進員

http://sfen.jp/opinion/citizen/03.html

協賛金集まらずスキー世界選手権ピンチ 福島で来年開催

(朝日 2008年11月25日)

来年3月2日開幕の国際スキー連盟(FIS)フリースタイルスキー
世界選手権大会で、予算上は2億6243万円集める必要がある協賛金などが、
数千万円しか集まっていないことが分かった。

大会組織委員会は、中小企業1600社に1口1万円の小口協賛を求めるなどの
対策を打つ方針だが、大手企業の経営担当者からは
「景気が良い時ですら、主催者が億単位のカネを集めるのは厳しい」との声も。

世界選手権大会の予算は、福島県や猪苗代町などからの
補助金計1億6250万円や、入場券などによる雑収入5500万円など、
計5億1282万円を予定
そのほぼ半分を占めるのが、企業から募る協賛金。

だが世界的な景気悪化で、協賛金を出す側の企業心理は悪化。
ある大手企業の経営担当者は、「1億円でも、100万円を100社から
集める必要がある。景気悪化で、右から左に100万円はなかなか出せない」

関係者によると、現在、協賛金を得られる見通しの企業は数社。
県の担当者も、「景気悪化は想定外。本当に厳しい」と頭を抱える。

事前大会となるワールドカップ(W杯)猪苗代大会が開かれた
昨年度の予算は、2億5331万円
協賛金は9830万円を見込んでいたが、実際に集まったのは2100万円。
大会運営費を約4200万円も節約するなど、
経費削減で約3700万円の黒字を出した。

しかし、世界選手権大会は経費削減だけで乗り切るのは難しく、
「大会の規模が違うので、切り詰めるのは限界がある」と県の担当者は話す。
大会組織委員会は、1口3千円で一般市民の「大会応援隊」を募るなど、
広く支援を求める態勢づくりも進めている。

内堀雅雄副知事は、「大会は必ず成功させる。
これを失敗させたら、県の存在感はなくなる」と危機感を募らせている。

http://www.asahi.com/sports/spo/TKY200811220271.html

2008年11月27日木曜日

「体育」を見直す(4)フォーム撮影 すぐ確認

(読売 11月21日)

コツを教える教師の創意工夫を、映像ソフトの進化が支える。

そろいのジャージー姿の女子生徒たちが、くすくすと笑い声を漏らしながら、
興味深そうにパソコン画面をのぞき込む。
盛岡市立下小路中学校の体育館で、3年生の授業。
10月から週3回、12回続けてきたマット運動は、この日が最後。
生徒たちが見ているのは、次々と登場する自分たちの姿。
マットの上で逆立ちをして背中から倒れ、
くるっとでんぐり返しをする「倒立前転」の映像。

「腕や足、『6時10分』はどうなっているかな、よく見てね」。
岡田幸一教諭(39)は、各生徒の“食いつき”を確認するように声をかける。
「6時10分」は、倒立から次の動作に移る前の体のフォームを、
時計の針の位置で示している。
ちなみに、倒立を始める最初の動作は「グリコのポーズ」と呼ばれ、
体育の教師の間でよく使われる。
両手を上に伸ばし、片方の足をひざから曲げる姿を、
菓子のキャラクターからとっている。

岡田教諭は、運動に意欲的な子とそうでない子の二極化を心配してきた。
できない子は、できる子の身体感覚を容易には理解できず、どんどん差が開く。
特に、地味で、失敗した時の格好悪さが目立つマット運動は、
苦手な子に人気がない。
「限られた50分間の授業で、できない子に、
頭でできるコツをわかってもらうのが近道」だと、
視覚に訴える掲示物や人形、ビデオなどを使って説明してきた。

そんな岡田教諭の工夫を支える最新装置が、映像ソフトの「スポーツミラー」。
同中に赴任した今年から取り入れた。

撮影した映像を、巻き戻しなしですぐ見られるだけでなく、分解写真にもでき、
自分の体のフォームを確認するのに便利。
この日も、個々の生徒の分解写真を一人ひとりに配った。
近くの子と見比べながら「まじキレイやねー」、「猿みたい」、「どれどれ」と大騒ぎ。

「足の伸びや、足を上げる時の勢いなど、
ここを直せば次にやれるってわかる気がする」と生徒の一人、千葉花穂さん(15)。
このクラスでは、千葉さんを含め、16人中3人は全く倒立ができなかったが、
生徒同士の支え合いもあって、全員ができるように。

「生徒が『自分はできない』と思い込んでいても、教師は評価していたり、
逆に生徒が『演技は完璧』と自信満々でも、教師から見ると問題点が多かったりと、
演技の評価が分かれることがよくある。
このソフトで、画像をすぐ確認するとそうした食い違いがなく、
生徒にも理解しやすく、コツを覚えやすい」
ソフトの開発に協力した小沢治夫・東海大体育学部教授(59)が力説。

生徒が自分の動きを客観的にとらえることができる映像が、
「次」への自信につながる。

◆スポーツミラー

マット運動、体操、跳び箱、柔道、ゴルフなどのスポーツで、
連続した動きを場面ごとにチェックできるソフト。
開発したのは、筑波大生が起業した株式会社ニューフォレスター(つくば市)。
2005年11月の発売開始以降、小中高校を中心に約400本売れている。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20081121-OYT8T00373.htm

スペシャルオリンピックス:派遣費の寄付呼びかけ

(毎日 11月26日)

知的障害や発達障害のある人たちが日ごろのスポーツの成果を競う、
第9回スペシャルオリンピックス冬季世界大会が
来年2月7~13日、米国アイダホ州で開かれる。

NPO法人・スペシャルオリンピックス日本の有森裕子理事長が、
選手団の派遣をまかなう寄付を呼びかけている。

スペシャルオリンピックスは、知的障害や発達障害のある人たちが
スポーツを通じて社会参加や生きがいを目指す運動。
1962年、ケネディ米大統領の妹が、知的障害のある姉のために始めた。
以来、世界各地で開かれている。

有森さんは、「スポーツの感動はみな同じ」と、
6年前から競技大会でサポーターを務めてきたが、
今年4月、理事長に就任。

来年の冬季大会には、61人の選手と26人の役員・コーチを派遣。
スポンサー探しに奔走する有森さんは、
「選手たちはスポーツで見違えるように変わる」と協力を訴えている。

カレンダーやマグネットの購入のほか、パソコンのクリック募金などで寄付できる。
事務局(03・3501・4680)、ホームページ(http://www.son.or.jp

http://mainichi.jp/life/health/fukushi/news/20081126ddm013100177000c.html

「北京と張り合う必要はない」 ロンドン五輪にIOC会長

(朝日 2008年11月26日)

国際オリンピック委員会(IOC)のロゲ会長は、
2012年夏季五輪の舞台となるロンドンで講演し、
「ロンドンはロンドンであればいい。
五輪はそれぞれが異なり、一番や最高は存在しない」と述べ、
国家的な大事業だった北京五輪と張り合う必要はないと強調。

講演は、この日から本格的に始まった五輪引き継ぎ会議に際して開かれ、
同会長は、「閉会式で五輪旗を渡された次回開催都市は、
五輪史に新たなページを書き始めるが、
同時に将来の五輪がさらに発展するための遺産を残すことが求められる」と説明。

27日まで開かれる会議には、北京五輪組織委員会から約80人が参加。
輸送、宿泊、アクレディテーション(資格認定)などのテーマごとに、
大会開催で得た知識や経験を伝達する。

16年夏季五輪の招致を目指す東京、シカゴ、マドリード、リオデジャネイロの
関係者もオブザーバーとして参加しており、
東京の河野一郎・招致委員会事務総長は、
「細部にわたる実質的なやりとりがあり非常に役に立つ。
(来年2月に提出する)開催計画書に反映させたい」

http://www.asahi.com/sports/spo/KYD200811260008.html

プロ棋士の直感、脳中心に源? 理研などのチーム

(朝日 2008年11月22日)

将棋のプロの脳活動の解明を目指している理化学研究所などの研究で、
詰将棋を瞬間的に「判断」するとき、
脳の真ん中部分に活発化する領域があることがわかった。

「判断」の手前の、盤面を「認識」する、という実験では
後頭部が活発になることがわかっており、
脳にプロ独特の「直観回路」ができているのではないかという。

日本将棋連盟や富士通と進めている研究で、
活発化した脳の一部が大きくなるという仮説「脳ダコ」がわかるかも知れないと期待。

理研脳科学総合研究センターは、
プロ棋士が見れば、瞬間的に解けるような詰将棋を用意。
盤面を1秒間見せて、それを解くときの脳の働きを
機能的磁気共鳴断層撮影(fMRI)装置で調べた。
すると、大脳の真ん中にある基底核という部分が活発化。
駒を並べた盤面で「金」がどこにあるのかを探すような、
単純な問題では活発になっていなかった。

この部分は、自宅から駅まで道順を意識せずに歩くとき、
曲がる角を判断するような場合に活発になる領域。
棋士は、詰将棋の判断が日常のレベルになっているようだ。

同センターの山口陽子チームリーダーは、
「いろんな実験で、プロとアマの差が非常に明確にでている。
直観思考を解明する道筋が見えてきた」

2008年11月26日水曜日

「体育」を見直す(3)休まず動き体力アップ

(読売 11月20日)

体を動かすことを最大限、心がける授業がある。

授業開始を告げるチャイムが鳴る前に、29人の児童全員が縄跳びを始めた。
愛知県知多市立旭南小学校の体育館。5時限目の4年生の授業。

次はかけ声とともに走り、軽快な音楽に乗ってスキップ。
体を反らせてブリッジ。ここまで約8分。
「サーキット」と呼ばれる準備運動の中身は、同小オリジナル。
児童は動きっぱなしで、1分あたりの心拍数が120回まで上がる。
始業のチャイムが鳴った時には、児童は汗だくだった。

担任の中野香菜教諭(24)が、「はい、マットを出して」と言って笛を吹くと、
児童は一斉に駆けだし、6グループに分かれて30秒とたたないうちにマットが敷かれた。
事前に説明を受けており、前転や側転の練習も、指示がないまま始まる。
体育館の壁には、それぞれの運動の方法を示した紙も張ってあり、児童が参考に。

45分の授業で、児童が中野教諭の周りに集まったのは、
始業から20分後と最後の2回だけだった。
どうしたら児童が立ち止まらないかを、第一に考えている」と中野教諭。

子供たちが動き回る体育の立役者は、知多市教委の鰐部忠夫指導員(61)。
同市立新知小学校で校長を務めていた5年前、
「体育の授業で、体を動かす時間が短すぎる。これでは体力づくりができない」
体育座りをして教師の指示を聞き、技のお手本を見る時間が長い。
調べてみると、授業1コマの間に、一人ひとりが動いているのは5~10分だけ。

鰐部さんは教師たちに、話す時間を減らすよう指示。
ストップウオッチで動いた時間を測定させるようにし、歩数計も導入。
グラウンドを使う種目だと、ジャングルジムや鉄棒、ハードルを使って
準備運動代わりにした。
こうした取り組みで、3年目の2005年度には、
学年別・男女別の体力測定結果96項目のうち、全国平均を上回る項目が69に。

06年度からは、市内の全小学校10校で「体育での動く時間増加」運動が広がり、
教師の間で「運動量の確保」が合言葉となった。
児童が動く時間は、45分の授業時間のうち25分に。

市全体でも、効果は数字に表れた。
学年別・男女別に50メートル走や立ち幅跳び、反復横跳びなど
60項目の成績をみると、愛知県平均を上回った項目が、
04年の28項目から07年には53項目に増えた。

「動き回ることが、体力増加につながったのは間違いない」と
知多市の授業に助言してきた中京女子大の時安和行准教授(体育学)が太鼓判。
「ただ、体力に重点が置かれると、技能の習得がおろそかになりがちだ。
技やフォームを子供同士で互いに指摘し合うといった工夫が必要に」

基礎となる体力がついたからこそ、その先の目標が見えてきたようだ。

◆子供の体力

文部科学省の体力・運動能力調査で、1985年度が小中高校生の体力のピーク。
その後低下したが、この10年間、中高生で若干の回復傾向に。
13歳男子の50メートル走は、85年度が7秒90、98年度が8秒00、
2007年度が7秒94。
文科省では、「練習すれば上がるものは上がってきているが、
ピーク時とは大きな隔たりがある」

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20081120-OYT8T00233.htm

スポーツ21世紀:新しい波/284 武道の必修化/2

(毎日 11月22日)

東京体育館の会議室に、「スポーツ9条の会」のメンバーが集まった。
この日の学習会のテーマは、「中学校体育の武道必修化について考える」。
議論は3時間近くに及んだ。

憲法改正に反対する護憲派知識人が組織した「九条の会」に連動し、
スポーツを通じた平和運動を推進しようと、
大学教授や元選手らが4年前に設立したのが「スポーツ9条の会」。

参加者に配布された資料には、昨年2月に日本武道協議会が
安倍晋三首相(当時)に提出した「嘆願書」があった。
武道関係10団体が加盟する協議会の会長名は、塩川正十郎・元衆院議員(同)。
中学、高校の武道必修化を求める内容。

「倫理道徳の退廃が著しく、自他の尊厳や義務感の欠如等、
人として歩むべき『道』の規範意識低下は、民族の存立基軸すら危うくしつつある」、
「武道は、国民精神の根源、武士道精神の神髄を基調に、人間陶冶、
世界平和を希求し、日本人としての自覚と使命感に立つ有為の人材を育成する道」

戦前の旧制中学校では、1931年に武道が必修化され、
戦時中の国民学校でも「体錬科武道」が必修科目。
当時の資料には、教育関係者が「日本人に日本人としての魂を植え付ける」と
語った記述もある。
武道が、民族意識の高揚や「忠君愛国」の精神と結びつけられた
過去は否定できない。

体育史を研究する武蔵野美術大の青沼裕之教授は、
「戦前、武道の必修化は他のスポーツにも影響を与え、
たとえば野球も武道的に扱われた。
それが国家統制につながり、戦争に突入していった歴史は
重大視しなければならない」

スポーツ9条の会が、武道必修化にすべて反対しているわけではない。
若者の価値観が、多様化する現代で武道の教育効果に期待する声も強い。
思いやりの心や相手を敬う精神。参加者からこんな声が飛んだ。

「武道を利用しようとする政治的意図と、文化としての武道との間には
ギャップがあるのではないか」。
その溝をどう埋めるか?
武道教育の大きな課題だ。

http://mainichi.jp/enta/sports/21century/

16年五輪招致:自民の調査会、国会決議の採択働きかけへ

(毎日 11月26日)

自民党のスポーツ立国調査会が、東京・永田町の党本部で開かれ、
東京都が立候補している2016年の五輪招致に向け、
国会決議の採択を働きかけていくことを決めた。

首相就任に伴って退任した麻生太郎会長の後任を、
保利耕輔・党政調会長とすることを了承。

五輪招致に向けては、共産、社民両党を除く超党派の
「2016オリンピック日本招致推進議員連盟」設立を各党と調整中で、
会長には森喜朗元首相が内定済み。
12月中にも発足させ、衆参両院で五輪招致を決議し、
これを来年2月に国際オリンピック委員会(IOC)に提出する
立候補ファイルにも明記。

調査会の遠藤利明事務局長は、
「(五輪開催に対し)政府保証が得られることを前提に国会で決議したい」

http://mainichi.jp/enta/sports/general/news/20081127k0000m050017000c.html

ホッケーの町を研究 岩手町で慶大大学院生ら

(岩手日報 11月25日)

岩手町一方井地区で、慶応大大学院生ら3人がスポーツ振興について研究。
Jリーグなどプロや企業が参画せずに地域に競技が根付いた「成功例」として、
同町の「ホッケーの町」づくりの源流を探る。

児童から60歳以上まで、一緒のグラウンドで汗を流す様子に、
「うらやましい環境」と評価を高めている。

研究しているのは、慶応大大学院政策・メディア研究科博士課程の
松橋崇史さん(26)と同修士課程の植野準太さん(25)、
同大3年の伊藤彩香さん(21)の3人。

23日は、同地区恒例のスティック納めを取材。
1年の締めくくりとして世代を問わず試合する行事で、
一方井小や一方井中の児童生徒と父母、地区民ら約100人が参加。

3人も、飛び入りで試合に出場。
試合後の会食で地域の結束を実感し、同町のホッケーの草創期を知る
60歳代や中学生から座談会形式で、競技に対する思いを聞き取った。

3人は、人口規模が少ない地域でのスポーツ振興の現状を研究しようと情報収集。
岩手町の話題を各方面で聞いて興味を持ち、県内の第一人者の
西田範次・富士大教授から一方井地区を紹介。

10月、町民ホッケー大会小・中学生の部を視察。
植野さんは、大会の盛り上がりに驚き、1週間後の一般の部も
深夜バスで駆け付けるほどのめり込んだ。
今後、それぞれの論文などで成果を発表する。

松橋さんは、「子どもから大人まで、元全日本選手も交じって触れ合う様子に驚いた。
うらやましい環境だ」、伊藤さんは「ここまで熱心とは思わなかった」と評価。

同地区で、スポーツ少年団を指導する町ホッケー協会の田村政雄会長は、
「関心を持ってもらいうれしい。
慶応大の合宿を誘致するなど、さらなる交流につなげたい」

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20081125_11

肺がん:マウスのがん消失 酵素働き抑制、新薬期待--自治医大など

(毎日 11月25日)

肺がん遺伝子が作る酵素の働きを抑える化合物で、
マウスの肺がんを消失させることに、自治医科大などの研究チームが成功。
肺がんの新たな治療薬として期待。
米科学アカデミー紀要(電子版)に掲載。

昨年、肺がん患者から、がん化にかかわる遺伝子「EML4-ALK」を発見
肺がん患者の約5%が、この遺伝子を持っていることが分かっている。
この遺伝子が肺がんを起こすことを確かめるため、
肺だけで遺伝子が働くようにしたマウスを作ったところ、
生後1~2週間で両肺にがんができた。

この遺伝子が作る酵素の働きを阻害する化合物を作り、
肺がんマウス10匹に1日1回経口投与。
投与開始から25日ですべてのマウスのがんが消失。
投与しなかった肺がんマウス10匹は、がんが両肺に広がり、
9匹が1カ月以内に死んだ。

肺がんの治療薬としては「イレッサ」があるが、
副作用がある上、効く患者が限られる。
この化合物は別のタイプの肺がんへの効果が期待できるといい、
既に複数の製薬会社が治療薬開発に着手。
間野博行・自治医科大教授は、「副作用はみられない」。

http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2008/11/25/20081125dde041040039000c.html

2008年11月25日火曜日

「体育」を見直す(2)実技サポーターが手本

(読売 11月19日)

実技が得意な体育の補助役を、全小学校に派遣する自治体がある。

「今日は江原先生がいるから、チャンスですよ」
さいたま市立与野南小学校の校庭の鉄棒の前で、
教師歴10年の伊藤希教諭が3年生に語りかけた。
紹介された江原俊さん(22)は、埼玉大学教育学部の4年生。
昨年度から、さいたま市の「小学校体育授業サポーター」として週に1度、
同小で体育の授業の補助。

江原さんは、逆上がりの練習を始めた子供たちに、
「もっとおなかを鉄棒にくっつけて」、「おへそを見て」と声をかける。
寄り添って児童のひざや腰を下から支えもする。

伊藤教諭に促されて、足かけ前回りを2回、3回と連続して披露。
その姿に、驚きのまなざしを送る児童たちのそばで、
伊藤教諭が「江原先生の腕、伸びてますね」と解説。

江原さんに逆上がりを手伝ってもらった児童は、
「もうちょっとでできそうになって、うれしかった」と笑顔を見せる。
江原さんも、「子供たちが笑顔で運動しているとうれしくなる」と楽しそう。

さいたま市が、「体育サポーター」を導入したのは昨年度から。
101の市立小全校に、ボランティアの大学生や、派遣会社を通して採用した
体育系大学出身者などを週1~2度派遣。
昨年6月から10校で試行し、9月からは全校に派遣。
今年度予算は約4600万円を計上。

市教育委員会の藤田昌一主任指導主事は、
「よい手本を見せてくれる、はつらつとした体育の先生に教わることで、
子供たちは運動にあこがれを持って意欲的に取り組んでくれるはず」と期待。

サポーターをどう活用するかは学校に任せているため、
必ずしも「体育が苦手だから」、「年配だから」という理由で
サポーターが入るわけではないようだ。
全校導入の背景には、小学校教員の高齢化がある。
さいたま市の教師の年齢構成は2007年度で、50代が4割、40代以上で6割超、
20代は2割にすぎない。

「ベテランの先生は授業は上手だが、自分で見本を見せるのが難しくなってくる。
子供の補助がつらいという声も聞こえる。
サポーターに目の前で実技をやってもらうと、子供の意欲も違ってくる」と藤田さん。

教師がけがで跳び箱の見本を見せられないというような場合も。
20年前に足のじん帯を痛めた別の小学校の女性教諭(55)は、
「子供が技のイメージを持つには、ビデオで見せるよりも
実際に目の前で見せる方がわかりやすい。
サポーターに演技をしてもらいながら、ポイントを説明することもできる」と利点を強調。

市教委には、休み時間にもサポーターに教わりに来る児童がいるなど、
子供が意欲を喚起されているという報告も。
いずれは、体力向上という数字になって表れるだろう。

◆50代が倍増

文部科学省の学校教員統計調査(3年ごとに実施)によると、
全国の国公私立小学校教員のうち、50代は2007年度で34.2%。
1998年度の18.3%から2倍近く増。
公立小の都道府県別では、50代の割合が最多なのは奈良県の47.8%。
和歌山県(47.5%)、埼玉県(46.8%)は3番目に多い。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20081119-OYT8T00182.htm

インタビュー・環境戦略を語る:野村ホールディングス・渡辺真一郎常務

(毎日 11月24日)

証券最大手の野村証券を傘下に持つ野村ホールディングス(HD)は、
環境関連企業への自己資金投資や、環境に役立つ技術を持つ
企業の上場支援などに力を入れている。
証券業界が、環境をキーワードに企業や投資家との結び付きを強める中、
金融の枠組みを使い、どのように環境問題の解決を目指していくのか。
渡辺真一郎常務に聞いた。

-環境関連企業とのかかわりを教えてください。

本業の金融業を生かして環境に貢献できないか、を考えている。
04年ごろから、環境関連企業の資金調達や上場支援に力を入れ、
地球環境関連企業は、00年~今年4月、東京証券取引所などに11社が新規上場。
汚染土壌調査や浄化処理までを行うダイセキ環境ソリューションなど
3社の主幹事を、野村証券が務めた。

-環境関連投資はブームで終わるとの指摘も。

◆(野村HDの)100%子会社、野村リサーチ・アンド・アドバイザリー(NR&A)が、
成長性がある企業を発掘し、環境関連企業は高い技術を持つ企業が多く、
ブームでは終わらない。
NR&Aでは、創業から早い時期で資本を入れるなどの支援を行い、
環境関連企業12社に対して、計約11億円を出資。

-海外企業にも出資している。

◆インドの太陽電池メーカーのモーザー・ベア・ソーラー社に約30億円を出資。
資金は、太陽電池製造能力の増強に活用。
経済成長が著しいアジアでは、公害や産業廃棄物などの問題が起き、
解決するには金融面での支援も重要。
ウイン・ウイン(共に勝者となる)の関係になることも大事。

-社内の環境対策は?

◆書類のペーパーレス化を進めている。
野村証券には約430万口座があり、投資家に送付する取引残高報告書(A4判)
の年間使用量は4800万枚。
用紙のレイアウトを変えるなどの工夫で、紙使用量を25%削減、1200万枚減。
紙を積み上げると、東京タワー四つ分の高さになる量。
電子メールでの目論見書の交付を始め、約21万口座のお客様の了解を得られ、
紙削減に。今後も電子メールでの交付を増やす。

-社内運動も行っている。

◆社内で出たペットボトルのキャップをリサイクル業者に売却した代金を、
途上国の子供のワクチン購入費に充てる「エコキャップ運動」。
07年度末で、グループでワクチン301個相当を提供。
地道な活動ですが、今後も広げたい。
==============
◇わたなべ・しんいちろう

九州大経済学部卒。82年野村証券入社。
04年4月に野村証券執行役、07年4月に取締役に就き、
08年10月から野村ホールディングス常務。大分県出身。49歳。

http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2008/11/24/20081124ddm008020030000c.html

特集:広がるMOTTAINAI 64企業がブランド活動に参加

(毎日 11月22日)

横浜、宇都宮、富士山ろく、フランス・ストラスブール--
MOTTAINAIは、子どもから大人まで、多くの企業の応援で国内外に広がった。
MOTTAINAIブランドで環境問題に取り組む企業は、64社に上る。

ノーベル平和賞受賞者でキャンペーン名誉会長、ワンガリ・マータイさんは、
米国のバラク・オバマ次期大統領一家と2年前に植樹した
ケニア・ナイロビのウフル公園で新たな木を植え、
プレートに歴史的な瞬間を刻んだ。

「もったいない」の心を世界に発信する
「第2回もったいない全国大会inうつのみや」が宇都宮市で開催。
ワンガリ・マータイさんが出席、約2100人の聴衆が熱心に耳を傾けた。

マータイさんは、第4回アフリカ開発会議などに合わせて来日。
宇都宮市立中央小(高田実校長、203人)で、ハナモモの木を記念植樹。
マータイさんは、「一人一人、『もったいない』のために何ができるか考えてください」
とあいさつ、来場者から拍手を浴びた。

全国大会で、マータイさんは地球温暖化の危機的な現状に触れ、
「炭素を吸い、酸素を吐き出す森は地球の肺だ。森林を守ることが極めて重要」、
MOTTAINAI運動を世界に広げるよう訴えた。
パネルディスカッションではマータイさんのほか、小池百合子元環境相らが
環境保護をテーマに議論を展開。
「この素晴らしい『MOTTAINAI』を、この大会から全国へ、世界へ広げていく」
との宣言文が読み上げられた。

マータイさんは今月6日、オバマ次期米大統領の勝利を祝い、
英高級紙「ガーディアン」に寄稿(http://www.guardian.co.uk/)。
マータイさんは、「米国は真に克服した。世界はこの潮流に加わりつつある」と題し、
ケニア国民が同国にルーツを持つオバマ氏の勝利を祝っている。

寄稿文の書き出しは、
「今朝、私はナイロビのウフル公園に植樹に行くつもりです。
記念プレートには、『バラク・オバマ氏が米国大統領に選ばれた日を記念して
この木は植えられました』と刻まれています。
この木に並んで、オバマ氏が一昨年ケニアを訪問した際に植えた木が
すくすくと育っています。
この木の成長は、米国と世界にとってすばらしいこの歴史的な瞬間の証しとなる」

マータイさんは06年8月、ケニアを妻子とともに訪問したオバマ氏を招いて、
ナイロビ近郊のウフル公園で記念植樹を開催、
オバマ氏と妻ミシェルさんとともに木を植えている。
アフリカの大地に植えられた木の成長を、オバマ氏の飛躍に重ね合わせ、
歴史のダイナミズムを表現。

「ケニア中が、この国の息子が米国大統領になったことを祝福。
多くの国民は夜を明かしました。
この日が国民の休日になったことも、オバマ氏と深くつながっているという
心情によるものでしょう」とし、
オバマ氏の勝利を喜ぶケニア国内の様子を伝えた。

「もし、私がオバマ氏に個人的に望めることが一つだけあるとするならば、
それは環境問題に取り組んでほしい。
オバマ氏がアフリカ諸国に森林を守り、気候変動に適応するように働きかけてほしい。
ポスト京都議定書の枠組みでも、森林は重要な解決手段の一つ、
米国がこの取り組みを支持することを期待」。

「MOTTAINAI(もったいない)フリーマーケット2008」が、
パシフィコ横浜で開かれ、家族連れなど約6万3000人が来場。
一般市民のほか、フリマ愛好家や雑貨商など計320店が出店。

一般向けのフリーマーケットに加え、出店者も客も小学生以下という
「キッズフリーマーケット」も開催。
「ポケットモンスター」や「ムシキング」などのキャラクターを描いた
トレーディングカードやアクセサリーを売り買いする子どもで熱気に包まれた。

キッズフリマは、リサイクル精神や金銭感覚を養ってもらおうと昨年開始。
横浜市教委をはじめ、東京都の文京区や品川区の教委と協力し、月1回開催。

MOTTAINAIフリマは、おおむね毎週末開催。
出店料のうち、7円(苗木1本分)と「MOTTAINAIステーション」で回収した古着や
DVDの販売利益が、マータイさんの植林活動「グリーンベルト運動」に寄付。
今回は古着2600キロ、古本やビデオ274点、天ぷら油10リットルを回収。

フランス・ストラスブール市と群馬県板倉町の小学生をインターネットで結び、
暮らしの中の「MOTTAINAI」について話し合う第2回テレビ討論会が開かれた。
両国の子どもたちが、「環境保全、交通、観光とまち」をキーワードに、
お互いの国の習慣や取り組みを紹介し、社会に向けた提言をまとめた。

東洋大の地域活性化研究所(板倉町)の呼びかけに、
町立東小とストラスブール市立サンジャン小が応じて実現。
両校の5年生がウェブカメラを使いながら意見交換した。

今回は、1日目の小学生による議論を受け、
2日目には東洋大生と専門家を招き具体的に議論を深めた。

MOTTAINAIキャンペーンに協賛する企業が、自ら環境保全に取り組むイベント
「第3回企業対抗ゴミ拾い大会」が、富士山ろく・青木ケ原樹海で行われ、
29社240人が汗を流した。

アルピニストでNPO富士山クラブ「もりの学校」校長、野口健さんが指導、
東京・新宿からバスを運行し、現地で約2時間の清掃活動を行った。

企業対抗は、キャンペーン事務局と「MOTTAINAI」のブランドビジネスを手がける
パートナー、伊藤忠商事がライセンシー企業に呼びかけ、一昨年から始まった。
ライセンシー・協賛企業は64社、この1年で26社増えた。

業種も多岐にわたり、肥料、陶器、繊維、文具、学生服、エコバッグ、風呂敷、
マイ箸、銀行、クレジットカード、ポータルサイト、スーパーマーケットなどさまざま。
NHKみんなのうたで、「MOTTAINAI」を歌った人気タレント、ルー大柴さんも
特別参加し、独特のトークで参加者をなごませた。

http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2008/11/22/20081122ddm010040132000c.html

医師定着へ歴史や文化に興味を 福島県立医大、来年度から福島学を必修科目に

(毎日新聞社 2008年11月20日)

県立医大は、福島の歴史や文化を学ぶ「福島学」(仮称)を、
医学部の必修科目として来年度から開設することを決めた。
県外からの入学者が6割を占める中、福島への理解を深め、
県内への医師定着を図る狙い。
同大は、「まずは福島に興味を抱き、1人でも多くの医師に福島に残ってほしい」

福島学は、一般教養に当たる「総合教育科目」とし、医学部1年生の必修とする。
来年度の後期日程から導入し、週1回15コマの講義を予定。
福島の歴史文化、産業、観光などの分野で活躍する学外の講師を複数招いていく。

「会津の赤べこや土湯こけしなどの伝統工芸師や、二本松のちょうちん祭り、
須賀川の松明あかしなど伝統行事の関係者、会津学など
地域文化の学識者らをイメージしている」

地元学を巡っては、弘前大が06年度に「津軽学」を開設し、
ねぷた絵師や津軽三味線師らを講師に招いており、
県立医大は、「弘前大を参考にカリキュラムを考えたい」。
医科大学が、地元学を導入するのは「全国初ではないか」

同大の卒業生のうち、約4割は県外に就職し、県内では医師不足が深刻化。
同大は、06年に県内各地で臨床実習する「ホームステイ型教育研修」
導入するなど、医師定着に取り組んでいる。

同大学生課は、「医大生は学業で忙しく、福島を知る機会が少ない。
県内の学生にも、福島を体系的に学ぶ絶好の機会になるだろう。
中身の濃い講義にしたい」

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=83297

2008年11月24日月曜日

日本生まれの癒やしロボ「パロ」、デンマークで活躍へ

(読売 11月21日)

産業技術総合研究所(産総研)が開発したアザラシ型の癒やしロボット「パロ」が、
デンマークの高齢者福祉施設約40か所で導入
デンマーク技術研究所(DTI)が発表。

日本のハイテク技術を使った「ロボットセラピー」が、
海外で本格的に実施されるのは初めて。
DTIは、「年内に約40か所、2010年までに500か所での導入を目指す」。

パロは、05年に製造・販売がスタート。
これまで約1000体が生産され、日本では個人がペット代わりに購入したり、
老人ホームで導入されたりしてきた。

欧米では、認知症のお年寄りのケアにペットを活用する
「アニマル・セラピー」が盛んで、DTIは昨年からパロでも
同様の効果があるかどうかを確認する実験を続けてきた。

その結果、認知症の患者がパロと接することで気持ちが落ち着いたり、
表情が豊かになったりする効果が確認されたため、導入を決めた。

今後、DTIと産総研は共同で、お年寄りのケアに役立てながらデータを集め、
パロのセラピー効果を高める研究を進める予定。

http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20081121-OYT1T00403.htm

スポーツ21世紀:新しい波/283 武道の必修化/1

(毎日 11月15日)

「一本を目指す」。
日本の柔道家がよく口にする言葉だ。
しかし、今夏の北京五輪ではその伝統に反旗を翻した選手がいる。
男子100キロ超級で金メダルを獲得した、石井慧(国士大)。
石井は「どんな形であれ、勝たなければ意味はない」と公言。

「1ポイントでも上回れば勝ち、と石井選手は考えている。
しかし、武道を学んだ多くの人はそうは思わない。
『結果がすべて』という価値観とは異なる」。
武道研究家として知られる福島大の中村民雄教授はそう語る。

中村教授は昨年、「今、なぜ武道か」という本を出版。
「一本」を求める価値観に、日本武道の思想が流れている。
柔道でも剣道でも、技を仕掛け、完了するまでの一連の動作を評価して
「一本」と判定する。礼法にも、相手を敬う意味がある。
しかし、西欧生まれの近代スポーツは、数値化した結果に最大の価値を置く。

武道は過程を重視し、近代スポーツは結果による強さを追求。
文化と文化のぶつかるところ。
石井選手のように違った考えを持つ日本人も現れてきた」。
国際的発展によって、柔道は変質を余儀なくされ、
競技者の意識も変わってきた。
社会にも、成果主義の風潮が広がっている。

武道は戦後の一時期、連合国軍総司令部(GHQ)の指導によって禁止。
学校体育でも、86年までは「武道」とは呼ばず「格技」の名称が使われてきた。
軍国主義的な思想教育への懸念があったため。
ナショナリズムとの関係を指摘する声は今も根強く、
政治家の動きも見え隠れする。

中村教授は、「対人運動である武道は、『自然体』を基本に相手と向き合う。
その距離感が大切で、対人関係や国際関係を考える上で教育的価値がある。
しかし、愛国心は自然発生的なものであり、武道で教育はできない」

12年から中学1、2年生の授業で武道が必修化。
日本人の価値観の変容。
国際化の中での日本の位置。
武道が現代にもたらす意味を考える。

http://mainichi.jp/enta/sports/21century/

「体育」を見直す(1)外遊び経験不足…「多様な動き」学ぶ

(読売 11月18日)

遊びの中で培われてきた運動を、体育で取り入れる動きがある。

1年生の児童30人が、体育館でケンケンを始めた。
川崎市立宮前小学校で行われた体育の授業。
担任の佐藤映子教諭(32)のタンバリンに合わせ、体育館を端から端まで移動。
途中、両足で跳んでしまう子もいて、佐藤教諭からストップがかかった。

ケンケンの後は、「うさぎ」、「くま」、「あざらし」と次々に指示が出る。
ウサギ跳びをしたり、四つんばいで歩いたり、腹ばいになって
腕の力だけで前進したり、子供たちは大忙し。

後半は、体育館内の五つのコーナーを巡った。
マット上でロープや筒を引っ張り合ったり、フラフープを回したり、
缶で作ったぽっくりで跳び箱の踏み切り板の坂を歩いたり。
子供たちの歓声が体育館に響き続けた。
こうした授業を、「多様な動きをつくる運動遊び」と呼ぶ。

今年3月告示の新学習指導要領で、小学1、2年の内容として新たに示された。
バランス遊び、体を移動する遊び、用具を操作する遊び、力試しの遊びの4種類
「今までの子供が、遊びや生活の中で身につけてきた動きを経験させる」
(文部科学省企画・体育課の白旗和也教科調査官)のが狙い。
同小では秋から試行。

同小の児童も、外遊びの経験は乏しい。
佐藤教諭が、クラスの子供たちに、帰宅後の遊びを聞いてみた。
結果は、半数近くがゲーム。外で遊ぶ子は2割足らず。

佐藤教諭は、「ゲームの要素も取り入れ、楽しめるようにして、
帰宅してからもできる内容にしたい」と「運動遊び」の広がりを期待。

千葉市立北貝塚小学校では、6年生が一風変わった跳び箱に取り組んでいた。
跳び箱に向かって助走しながら、自分で宙に放り投げた
バスケットボールをつかむ。
跳び箱に跳び乗り、下りる時には再び上にボールを投げ、
ジャンプしてボールを高い位置でつかむ。この時、体は90度ひねる。

「ボールをキャッチすることで、ボールとの距離感をつかむことができる。
体をひねるのは、これまでの動きと違う動きをスムーズに続ける能力を養うため」
と担任の佐藤一教諭(46)。
それぞれの能力が、踏み切り板に向かう際の距離感の把握や、
助走から踏み切りへの切り替えなど、跳び箱そのものをする際に役立つ。

こうした動きは、コーディネーション運動と呼ばれる。
身のこなしをよくしたり、運動神経を高めたりする効果があり、
「運動遊び」にも通じる。
旧東ドイツで開発されたのは約40年前だが、
東京都足立区が昨年度から教員研修で取り入れるなど、
近年、日本の学校に広がろうとしている。

「何もないところで、子供同士がぶつかったり、
子供がドアや机にぶつかったりする。距離感をつかめなくなっている」
先日も、休み時間に教室から廊下に出ようとして、
友人の机に脚を引っかけて転んだ6年生の男児がいた。
今まで普通の生活をする中で培われた運動能力だが、
今はそういう生活ではなくなってきている。
意図的な運動をすることで、能力を引き出していきたい

日常生活で多様な動きが経験できない現代社会が、
学校の「体育」を変えようとしている。

◆多様な動きをつくる運動遊び

新学習指導要領では、小学校低学年で実施。
体を動かす楽しさや心地よさを味わう内容だと強調するため、
「遊び」の名前がついている。
中学年では、「多様な動きをつくる運動」になる。
高学年は、「体力を高める運動」で、その前段と位置づけ、
体の基本的な動きを身につけさせるのが目的。

◆「楽しさ」「喜び」体感 重視

今年3月に告示された小中学校の新学習指導要領では、
芸術、技術系教科の時間が変わらない中、
前回(1998年)の改定で週2・6コマまで減っていた体育の授業時間数を、
小学5、6年を除いて週3コマに増やした。
正式な実施は、小学校が2011年度、中学校が12年度だが、
小学1、2年は来年度から時間数が増える。

背景にあるのは、子供の体力低下への懸念。
文部科学省が06年度に改定したスポーツ振興基本計画でも、
低下傾向に歯止めをかけ、上昇傾向に転ずることを目標。

この基本計画などを受け、文科省では今年、市町村ごとや学校ごとの
体力の現状を把握し、改善に役立ててもらう全国体力テストを初めて実施
小学5年と中学2年の全児童生徒が対象で、約7割の学校が参加。
結果は12月に公表。

新指導要領で強調されているのが、生涯スポーツの重要性。
これまでも小中学校では、運動に親しむ基礎を育むよううたってきたが、
今回の改定で、将来学校を卒業した後もスポーツに親しむ素養を培うことを強調。
体育の授業では、運動の楽しさや喜びを経験させることを重視。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20081118-OYT8T00261.htm

ぜんそく引き起こす「悪玉細胞」、理研がマウスで発見

(読売 11月18日)

アレルギー性のぜんそくを引き起こす「悪玉」の細胞を、
理化学研究所の渡会浩志上級研究員らが、マウスの肺で見つけた。

免疫を高める役目の「ナチュラルキラーT(NKT)細胞」の一部が、
気道に炎症を起こす物質を作り出していた。
この細胞の働きを止める物質を作り、マウスのぜんそくを抑えることにも成功。
米科学誌電子版に発表。

渡会研究員は、「人間も同じ仕組みを持つとみられる。
人間での研究を進め、ぜんそく治療薬の開発につなげたい」

http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20081118-OYT1T00092.htm

2008年11月23日日曜日

2010年冬季バンクーバー 競技施設ほぼ完成

(朝日 2008年11月18日)

10年2月の冬季五輪を来季に控えた、カナダ西部のバンクーバーを訪れた。
既存施設利用を推進した競技施設はほぼ完成し、
プレシーズンでテスト大会が本格的に始まったが、まだ開幕まで約1年3カ月。
五輪ムードは漂っておらず、静かに「その時」を待っている印象。

10月24日から3日間、バンクーバー市内の「パシフィックコロシアム」で
スピードスケート・ショートトラックのW杯が開かれた。
今季初の五輪のテスト大会。
関係者やボランティアら総勢250人が運営にかかわった。

バンクーバー五輪組織委員会(VANOC)スポーツ担当副会長の
ティム・ゲーダさんは、「選手からの評判は良かった。
最適な競技場を選手に用意することが使命。
一人ひとりが与えられた仕事をきちんとこなせた。
本番に向けて調整していきたい」と胸をなで下ろした。
テスト大会は、あと16大会残っている。

◆建設費半減

VANOCは、既存施設の有効利用を掲げる。
パシフィックコロシアムは、アイスホッケーの20歳以下のジュニアリーグが使う
専用リンクで、五輪ではフィギュアスケート会場にもなる。

開、閉会式は、カナディアンフットボールリーグ・BCライオンズの本拠BCプレイス。
アルペンやアイスホッケーなど、9会場あるうちの4会場は既存施設を使う。

ジャンプ、そり競技、スピードスケート、カーリングなどの会場は新設するが、
ゲーダさんは、「どの五輪でも、施設のその後が問題となっている。
新しく造るスピードスケート会場は、地域のスポーツ施設となる」と強調。

五輪関係の総建設費は、06年トリノ五輪は約936億円だったが、
バンクーバーは半分の約452億円。
「予算をオーバーせず、地域に本当に必要なものだけを提供する。
持続可能が我々のテーマだ」

競技施設の準備はほぼ終わったが、市街地と空港を結ぶ鉄道新設工事や、
山岳地域のウィスラーと結ぶ片側1車線道路の拡幅工事は残る。
7月に、崩落事故で通行止めになったこの道路は、
ウィスラーにつながる唯一のルート。
完成が急がれるが、地元ブリティッシュコロンビア州の担当者は、
「危険なので、以前から予定されていた工事。
五輪とは関係ない。でも来年の秋には間に合う予定」

◆前売り好調

バンクーバー市内で五輪プレシーズンを示すのは、
オフィス街の公園に設けられたカウントダウン時計くらい。
だが、11月7日まで販売されたカナダ国内向けチケットの
第1期販売の売り上げは、9週間で約59億円を売り上げた
前々回02年ソルトレーク大会の約4.5倍、269億円。

VANOC営業販売担当のカレー・デントンさんは、
「我々カナダ人は、とても興奮している。
世界中の人々を歓迎できるのはもちろん、
生で五輪の感動を目撃したいと思っているんだ」

〈バンクーバー冬季五輪〉

2010年2月12~28日。
バンクーバーの人口は約210万人。カナダ西海岸の玄関口。
海と山の豊かな自然に囲まれ、「世界で最も暮らしやすい街」と言われている。
カナダでの五輪開催は、88年カルガリー大会以来22年ぶり。
パラリンピックは3月12~21日に開かれる。

http://www.asahi.com/sports/spo/TKY200811180136.html

沿岸観光巻き返し 陸中海岸魚彩王国

(岩手日報 11月20日)

陸中海岸魚彩王国実行委員会(会長・沢田克司宮古観光協会長)は
12月7日、宮古市臨港通の市魚市場で「大漁祭」を開催。

地震の風評被害で夏季が振るわなかった中、冬季の誘客を図ろうと初めて企画。
海産物特売など冬の味覚をPRするイベントを繰り広げる。
来年3月まで月1回、イベントを開催する予定で、冬の沿岸観光を盛り上げる。
大漁祭は、午前10時から午後2時半まで。

サケ、イクラなど海産物の即売のほか、大鍋やサケのチャンチャン焼きの振る舞い、
体験競り市などイベントを繰り広げる。

大食いタレントの三宅智子さんが、すしの大食いに挑戦。
周辺市町村の郷土芸能も上演する。
同実行委などは、集客に向けて同祭に合わせた宿泊パックのツアーや企画を
JR東日本を中心としたエージェントに依頼。

宮古市によると、県内で今年2回起きた大地震の風評被害で、
市内8施設の予約キャンセル数は6月15日から8月末までで、4487人。
市全体の宿泊施設では、さらに影響は広がる見通し。

沿岸部の自治体や観光協会など、25団体で構成する同実行委は、
来年1月にも市魚菜市場でイベントを実施。
2月には、宮古観光協会とタイアップした宮古毛ガニまつりを開催。
3月は、宮古駅前広場で催しを企画。
沢田会長は、「沿岸の冬の魅力をアピールして、誘客につなげたい」と抱負を語る。

http://www.iwate-np.co.jp/kanko/f2008/f0811/f200811201.htm

市民参加型イベントこそ、スポーツ界の主役だ [第2回] 参加型スポーツイベントの可能性

(sfen.jp 08.10.08)

今年7月、「武蔵野スポーツ新聞」という月刊紙を創刊。
武蔵野市の話題だけを取りあげる、地域限定のローカル新聞。
武蔵野市には、今季からトップリーグに昇格したラグビーの横河電機がある。
昇格を機に、企業チームから地域チームへの脱皮をはかり、
名前を『横河武蔵野アトラスターズ』と変えた。
その心意気に、自分たちのできる形で応えたいという気持ちも。

サッカーのJFLで上位を走る『横河武蔵野FC』もある。
市民のチームがラグビー、サッカーふたつもあるのに、あまり認知が高くない。
練習試合などは、ふらりと入って行ける市内のグラウンドでやっている。
だが、自宅から徒歩や自転車で行け、無料で観戦できる贅沢を楽しんでいる
市民はまだ少ない。そうした情報を伝える新聞の存在意義があると思った。

武蔵野スポーツ新聞創刊の目的は、それら「見るスポーツ」の報道だけではない。
市民が主役の「するスポーツ」を応援したい、テレビにも全国紙にも載らない
地域のスポーツの話題を発信し、草の根のスポーツ選手にエールを送りたい、
との強い思いがある。

スポーツなら、政治信条も宗教信仰も越え、初対面の人とも親しく熱く交流できる。
スポーツ新聞を通じて、いままで他人行儀にすれ違っていた人たちと挨拶を交わし、
会話を交わすきっかけが作れるのではないか。
それがいちばんの願い。

その背景には、ここ数年の切実な体験と実感があった。
ひとつは、小学生が登下校の途中で、変質者に襲われる事件が都内で頻発。
小学生の子どもを持つ親として、それは不安な出来事だった。
学校と親がいくら努力をしても、カバーしきれない場面がある。
子どもを取り巻く「地域の目」が、こうした犯罪を防ぐ大事なベースになると痛感。
武蔵野市のような小さな市でさえ、隣り近所との付き合いが浅く、
自宅外の出来事に無関心な空気が強い。
顔見知りをもっと増やしたい、何気ない会話や挨拶を交し合う
コミュニティーにしたいと切実に思った。

新聞やテレビが取りあげるスポーツの話題は、
大半が世界一、日本一につながる競技のニュース。
ときにジュニアや若い選手、あるいはシニアの選手の話題もあるが、
その視線は勝利者に向いているものが多い。
スポーツの楽しさは、他人との競争(勝った負けた)ばかりではない。
自己との戦いもあり、競技をする喜びがあり、技を極めたり深めたり、
仲間ができる楽しみもある。

マスメディア主導でスポーツが語られる世相の中で、
スポーツの魅力が一部しか語られていないところが、実は大きな社会的問題、
スポーツを矮小化し、知らず知らず偏ったスポーツ観を広める要因に。

オリンピックで勝つことが最高の価値で、小さな大会の勝利には
大した意味がないような錯覚も与えかねない。
スポーツの感動は、小学校のグラウンドにもある、
家族で楽しむ公園の遊びの中にもある。
個人の感動、親子の感動は、ある意味でオリンピックの勝利より
遥かに価値がある場合も少なくない。

商業化が進み、グローバリゼーションの発想の中、
ささやかな感動の価値が低いような誤解をメディアは日々与え続けている観。

私たちが応援すべきは、世界にはばたく選手以上に、
毎日スポーツに取り組むひとりひとりのスポーツ愛好者たちだ。
それこそが、スポーツの効用を実感する基盤、
スポーツが社会にもたらす活力の源泉だと信じて、
僕はあえてローカルなスポーツ新聞を創刊した。

ささやかな感動に自信を与えたい。
マスメディアで紹介されないからといって、その感動や興奮の価値が低いのではない。
その人、その家族にとっては、五輪選手の金メダルよりずっと大切で貴い勝利や
挑戦があるという実感を、子どもたち、大人たちにも再認識してもらいたい。
武蔵野スポーツを創刊した心意気の底には、そうした情熱がある。

笹川スポーツ財団が推進している『チャレンジデー』プロジェクトなども、
同じ目的を果たす貴重な取り組み。
第一の目的は、住民たちのスポーツ振興とスポーツを
日常的に取り組むことで得られる心身の健康増進。
その成果は、個人にとどまらず、市町村がチーム一丸で戦うことを
通じて得られる一体感、チャレンジデーの話題を折に触れて
語り合うことで生まれるコミュニケーションの深まりにもある。

国民のスポーツ参加を活発にすると、国の医療費負担が大幅に減る、
だから医療費の予算をむしろ予防のためのスポーツ予算に充てたほうが賢明だ
といった数字を提示する人たちもいる。
それも大事な論拠だろうが、参加型スポーツの重要性は、
数字に表すことのできない、人々の心の交流、社会の親密度の復活にこそある。

参加型のスポーツが活発に行われたら、失われつつある近所づきあいが復活し、
社会の根幹を成す地域のコミュニケーション
(地域を越えた人と人とのコミュニケーション)を
日本社会が再び取り戻す可能性を秘めている。
生きがいを持ち、身体を動かす喜びを持ち、仲間と出会い交流する喜びを
日常的に感じていたら、いま社会を不安に陥れている異常な犯罪を
引き起こすような温床は淘汰されるのでは。
参加型スポーツイベントが生み出す喜びや感動が、
ひとりひとりの心を満たすことによって、社会に無限のエネルギーがみなぎるだろう。

東京の公共施設に行くと、2016年の東京五輪招致を促す横断幕や
ポスターが掲げてある。
「日本だから、できる 新しいオリンピック」とある。
具体的なプランはいま公募中で、まだ漠然としているようだが、
筆者は、一部エリートが集うだけの競技会はもうその役割を終えていると
訴え続けている。
「いまできる 新しいオリンピック」とは、誰もが参加できる、国際大会ではないか。

昨年2月から始まった東京マラソンは、その大きなヒント。
今年は北京五輪の代表権を競って、エリートランナーたちも一緒に走った。
だが、主役は3万人の市民ランナー。海外からの参加者もいた。

2016年の東京五輪では、そのプレイベントとして
東京マラソンのような参加型イベントをたくさん開催してほしい。
オープンウォータースイミング、トライアスロン、
老若男女がこぞって参加できる世代別のバレーボール大会、
卓球大会、バスケットボール大会、バドミントン大会などがあったら、
世界中から愛好者が日本を目指して訪れるのではないか。

その年は一年中、東京で参加型の各種大会を行う。
東京はその年、世界のスポーツ愛好者たちが
「一度は行かなければならない都市」になる。

一部のエリートのために施設を作り、観客のために交通網を整備するのでなく、
主役である市民が安全に競技でき、移動でき、楽しく過ごせる街づくりは、
日常の充実につながる施策ではないだろうか。
かれこれ30年以上、参加型のスポーツイベントに関わり続けている僕は
そんな夢を描いている。

http://sfen.jp/opinion/citizen/02.html

2008年11月22日土曜日

喜びに満ちた音楽は心臓に良い

(WebMD 11月13日)

喜びに満ちた音楽は、心臓に良いことが研究で明らかに。
メリーランド大学の予防心臓病学の部長であるMichael Miller博士は、
米国心臓協会の年次総会で知見を報告。

10名の被験者が、自分が喜びに満ちた気分になれる音楽をそれぞれ特定。
博士らは、被験者が音楽を聴いている時に、
各人の血管が突然の血流増加(血圧計の腕帯を外すことによる)に
どのくらい反応したかを超音波検査装置で測定。

喜びに満ちた気分になれる音楽を聴いた時、被験者の血管は26%拡張し、
これは非常に健康に良い反応。
有酸素運動後にみられる反応と同様の大きさ。

笑うことでも、血流が改善した。
喜劇のテープを聴いた後、被験者の血管は19%拡張。
以前の研究で、被験者がKingpinというコメディ映画の抜粋を鑑賞した時に
認められた笑いの効果と同様。

しかし、音楽の作用は良いことばかりではない。
被験者が不安な気持ちになるような音楽を聴くと、血管が6%収縮。

「これらの結果は、我々の心臓の健康を増進するために
日常生活に取り入れることのできるもうひとつの予防法を示唆しており、
私の耳に心地良かった」

カントリー・ミュージックを聴くと、大部分の被験者は喜びに満ちた気分に。
ヘヴィメタル・ミュージックを聴くと、大部分の被験者は不安に。
Miller博士は、重要なのは音楽の種類ではなく、
音楽に対する各人の感情的反応である。
どのような種類の音楽に喜びを感じ、心臓の健康に良いかは、
十人十色だろう。

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=SPECIALTY&categoryId=580&articleLang=ja&articleId=83112

市民参加型イベントこそ、スポーツ界の主役だ [第1回] オリンピックは参加型のイベントだった

(sfen.jp 08.09.24)

北京五輪が終わって約1週間がすぎて、この原稿を書いている。
現地に行かず、テレビ観戦に終始したせいもあってか、
興奮が覚めるのが早い。
閉幕直後は、オリンピック中継がない寂しさも感じたが、
わずか1週間ですっかり遠い過去の出来事に思える。

幼いころ、若いころはそうではなかった。
オリンピックの余韻は、数週間も続いた記憶がある。
自分自身が齢を重ね、感度が鈍くなった、感動に慣れたせいなのか。
それとも、世の中の流れが変わったからなのか。

1964年の東京五輪のとき、筆者は小学校2年生だった。
大会から数ヵ月経った『卒業生を送る会』でも、
重量挙げのジャボチンスキー(ソ連)がバーベルを上げたまま
片足を上げてみせた真似や、三宅義信選手が慎重に拳を開いたり閉じたりして、
握る場所を測る真似などが「出し物」に。
マラソンで優勝したアべべ選手(エチオピア)が、
ゴール直後に平然と整理体操をした姿に衝撃を受けたことは、いまも忘れない。
そのような深い驚嘆を、北京五輪がどのくらい世界の人々に与えただろう。

中国の子どもたちは、東京五輪直後の日本の少年と
同じような熱に打たれているかもしない。
けれど、日本をはじめ多くの国の人々にとって北京五輪は、
素朴な興奮と感動の源泉ではなく、4年に一度の『テレビのスペシャル番組』の存在に。

オリンピックには「4年に一度」ゆえの特別感があり、勝負の緊迫感も増す。
だが本来、4年に一度開催した理由はそうした緊迫感を演出するためではない。
近代五輪が始まった1896年、世界は広く、容易に大陸間を移動できなかった。
スポーツを愛する若者たちが、なんとか4年に一度だけ
同じ場所に集うことに大きな意義があった。
万難を排して「スポーツの祭典」に参加すること自体が、人生の勝利。
競技力だけでなく、仕事や経済的事情、家族や職場の理解など
あらゆる条件をクリアしなければ五輪への参加は叶わなかった。
何しろ、往復の船旅だけで軽く1ヵ月以上を要する選手が少なくない。
だからこそ、「参加することに意義」があった。

オリンピックは、世界レベルの『参加型イベント』だった。
それから100年以上経って、世界は狭くなった。
スポーツの交流は日常的になり、バレーボールのように年に何度も五輪と同じか、
それ以上の国々が参加する国際大会が開かれる種目も珍しくない。
その点ではもはや、オリンピックの存在価値は薄らいでいる。

スポーツという分野、スポーツの活動が、社会から熱い期待を受けている。
国内で、深刻な事件が多発。
青少年が心技体の基本を失い、日本人としてのわきまえ、道徳観、倫理観が
失われつつある。
ゲームやインターネットなど、バーチャルという空想世界で暮らす時間が多くなり、
現実の痛みを知らない、理屈だけが先走る、
現実の厳しさから逃れて生きる子どもたちや、若者が激増。
そうした環境が、危険な発想・非人間的な行動の温床に。

モンスターペアレントと呼ばれる、身勝手な大人たちも急増。
心身のバランスを崩した社会人の割合も高い。
閉塞的な状況で、スポーツが人々の心身の健康を取り戻す
「切り札になる」と期待する者は少なくない。
スポーツに携わる者ならなおさらそう感じ、使命感を覚えている。

だが、スポーツの分野も社会状況に翻弄され、本来の良さを失いつつある。
現状のままでは、決して日本の閉塞状況を救う切り札ではありえない。
オリンピックは、ロサンゼルス五輪をきっかけに「商業化」。
オリンピックと共に、スポーツ界全体も商業化の流れに支配されてきた。
本当の影響や実態を、スポーツを愛する者、スポーツに携わる者は
冷静に分析し、改革すべき時期。

国際オリンピック委員会、各競技の国際連盟(協会)が商業化を受け入れ、
「選手のプロ化」が進み、スポーツの大会や組織がビジネスの世界に解放され、
スポーツ界が桁違いの国際ビジネスの渦に巻き込まれた。
スポーツは、テレビを中心とするマスメディアと広告代理店、協賛企業の意向が
強く反映されるビジネスそのものに。

日本の社会が求めている「スポーツへの社会的使命」を、
メディアや広告代理店、協賛企業が主導で構築している
スポーツ・ビジネスは果たしてくれない。
彼らはそれを目的にしていないし、哲学的な使命も感じていない。
メディアが「スポーツ」と呼ぶのは、スポーツの一角。
メディアが扱うスポーツは、巨額の予算が動く『見るスポーツ』が大半。
商業化が進み、テレビを中心にスポーツ・ビジネスが展開され、
スポーツはテレビの規格、テレビの基準で判断されるようになった。
ゴールデンタイムに、2ケタの視聴率が稼げないスポーツは
「マイナー」と呼ばれる風潮を、スポーツの当事者たちが受け入れている。

社会が切実に必要としているのは、一部のスター選手や
一部の企業が利益を得るスポーツ・ビジネスの成功ではなく、
ひとりでも多くの人々がスポーツを通じて心身の喜びを感じ、
生きる希望を抱くこと、心身の健康を獲得すること。
いわば「参加型のスポーツ」の振興だ。

スポーツが隆盛しているように見えて、世間で語られるスポーツの大半が
社会的ニーズとは違うところにある「見るスポーツ」だという現実が、
いまスポーツ界が直視し、改革に乗り出すべき重要なテーマではないかと感じる。

小林信也(作家・スポーツライター)

慶応大学法学部法律学科卒業。
高校時代、投手として新潟県大会優勝や北信越大会出場を果たす。
大学時代からフリスビーを始め、ディスクゴルフ日本選手権大会や
ジャパンオープン・マスターズで優勝。国際大会でも活躍し、
1993 PDGAディスクゴルフ名誉の殿堂入りを果たす(アメリカ・ジョージア州)。

http://sfen.jp/opinion/citizen/01.html

2008年11月21日金曜日

小中とも正答率低下 県教委学力テスト

(岩手日報 11月15日)

県教委は、6年目となる学習定着度状況調査(学力テスト)の
結果をまとめ公表。

小中学校とも、昨年より全体的に平均正答率は低下、
記述式など知識を「活用する」問題に対応できなかった。

正答率の集団分布を分析した結果、小学校の算数、中学校の数学、英語で
学習の定着にばらつきが目立った。
調査は10月、県内の市町村立小中学校、約6万2000人を対象に実施。
調査科目は小学校4、5年が国語、算数。
中1が国語、数学、英語、中2は国語、社会、数学、理科、英語で中3は英語のみ。
生活習慣の調査を、小3から中3まで行った。
本年度から新学習指導要領に合わせ、思考力、表現力などを身に付ける
「活用」の問題を全教科で取り入れた。
算数は選択式を減らし、英語では正答率90%以上の問題を変更するなど、
読み取る力を見る問題を増やした。

小学校では5年生の国語を除き、平均正答率は昨年度より低下。
特に算数が課題となった。
正答率の集団分布を見ると4、5年生とも中位層から下位層の幅が大きく、
両学年とも昨年よりばらつきが拡大。
中学生では、全教科で平均正答率が低下。
特に本県の課題とされる数学、英語で顕著。
2年生の正答率の集団分布を昨年(1年時)と比較すると、
全教科でばらつきが拡大。
「分からない」まま学年が上がる状況だ。
2年生の数学、英語で無回答の割合が10%を超えるなど
「考える」問題に対する意欲も課題。

県教委は分析を進め、12月に報告書を県内全小中学校に配布する予定。
各学校は18日以降、個人の教科ごとの正答率などを記載した
「学習チェックシート」を利用できる。

医療、介護にロボット技術 看護師らの負担を軽減 「関西経済」

(共同通信社 2008年11月20日)

医療や介護関係者の負担を軽減しようと、関西の電機メーカーなどが
病院向けの自動搬送ロボットや車いすロボットの開発に力を入れている。

関西には、センサーや電子部品をはじめ、ロボットとかかわりの深い分野を
得意とする企業が集積。
市場の成長が見込まれる中、今後は技術力を生かす場が広がりそう。

「こちらに進みます」、「道を空けてください」。
点滴液や注射器を積んだワゴンを引っ張るロボットが、障害物を避けながら
京都第2赤十字病院病棟3階の廊下をゆっくりと進む。

村田機械(京都市)が、慶応大と開発中の「MKR-003」。
センサーを駆使し、建物を1度周回するだけで自動的に
地図を覚え込むのが特長で、30キログラムまで搬送できる。

田中聖人消化器科副部長は、「人手不足の中、重い物を運んでいる
看護師の支援になれば」と期待。
現場の声を改良につなげようと、今年4月から走行実験を続けており、
村田機械は2010年度の商品化を目指す。

20台弱の自動分析装置が並ぶ臨床検査大手ビー・エム・エルの
総合研究所(川越市)の生化学検査室。
互いにうまくすれ違い、目的の装置に到着して次々と検体をセットしていくのは、
パナソニック電工の自律走行ロボット「HOSPI(ホスピー)」。

複数のロボットが移動する際に渋滞しないようコンピューターが制御し、
入力された地図情報を基に最適な経路を選ぶ。
計15台を購入したビー・エム・エルは、
「ヒューマンエラー回避を目的とする自動化の一環。スピードも問題ない」
(広報担当)と高く評価する。

中小・ベンチャー企業も独自の技術力を生かし、成果を挙げている。
八洲電業(大阪市)は、付き添いの看護師の負担を軽減する
自動電動車いすロボットを、来春をめどに欧州に出荷する方針。
磁気テープに沿って走り、障害物があると自動停止する。
1度の充電で12キロ走行できる。

パナソニックの社内ベンチャー、アクティブリンク(京都府)は
人の手足の力を増幅させ、建設作業などを支援するシステムの開発に取り組む。
ベッドから患者を移動させるなど、介護現場での活用も検討中。

日本ロボット工業会(東京)は、医療施設分野向けのロボット技術市場の
出荷額が2010年に4億円、20年には980億円まで増加すると予想。
介護・福祉施設用は、10年の79億円から20年に2727億円に増える。

大阪市では、11月26日から3日間、"ロボットが創る地球と人間の新しい未来"
をテーマに、約70の企業・団体が参加する
「国際次世代ロボットフェア2008」が開かれ、市場拡大をにらんだ動きも活発化。

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=83293

授業を変える(10)学外の教職員と研修

(読売 11月15日)

「授業を変える」を合言葉に、大学の枠を超えた交流が広がる。

蔵王山麓にある山形大学寮。
全国から集まった大学教職員ら約60人が、窓外の輝く緑に目もくれず、
「学生の意欲を起こすにはどうしたらいいか」を熱っぽく語り合っていた。
教育力向上を目的に、山形大が7年前から毎夏開く1泊2日の合宿研修。
4年前からは学外にも門戸を開き、今年は他大学の教員が講師も務めた。

その1人は、前年の参加者だった東京工芸大学の大島武准教授(45)。
「アメリカ映画のように冒頭で心をつかむ」、
「発問は答えやすいように二者択一にするか、意見を聞くか」などと
授業の工夫を披露した。

教員になった12年前、学生に「つまんない授業」と批判されて以来の
努力の成果を惜しみなく紹介。
「ほかの教員の意見も聞きたい。自分の研さんになる」と意欲を語る。

参加者は、グループに分かれて大学の現状や自らの悩みを話し合い、
講師の話も踏まえて、学生が意欲的に取り組める授業を設計し、発表。
これ自体が授業のようで、「初めて教壇に立った時の気持ちを思い出した」
と語るベテラン教員もいた。

山形大は4年前に県内5校、今年は関東以北の35校と連携し、
同大が取り組んできた、学生による授業評価などの手法を伝えてきた。
「生き残るのが、社会と学生にとって良質な大学でなければ。
互いの枠を超えた切磋琢磨が必要だ」と山形大の小田隆治教授(54)。
大学淘汰への危機感がある。

愛媛大学は、全国の大学教職員約60人を集め、東京都内で2日間、
教員研修担当者の講座を開いた。
講師の1人、佐藤浩章准教授(36)は、
米国で教育力向上の研修に参加し、能を磨いてきた。

佐藤さんが、ピザや果物つきのランチ研修で参加者を増やした
米国の大学の例を紹介すると、参加者が笑った。
「大事なことですよ」と佐藤さんは少し気色ばんだ。
研修に積極的に参加する人ばかりではないからこそ、細かな気配りが不可欠。
参加者は、こうしたノウハウを学びながら、それぞれの研修計画をまとめた。
受講後に、「学長に提案する」と意気込む職員もいた。

信州大学が合宿研修を開いた。
提案者は山形、愛媛両大学の研修に参加した松岡幸司准教授(43)。
担当するドイツ語の授業での工夫が買われて、今春から研修担当に。
キャンパスが分散しているだけに、教員を集められるか心配していたが、
ふたを開けてみると、他大学からも参加者があった。
活発な意見交換の場に刺激され、「再度開いて」という要請も出た。

大学の教育力向上は、国の教育振興基本計画にも盛り込まれた。
「授業を変える」取り組みは、着実に根を広げようとしている。

◆教育振興基本計画

改正教育基本法で規定。
大学教育について、国が、教育力向上のための拠点形成や
ネットワーク化の推進など、大学の枠を超えた質保証の体制や基盤の強化を支援。
学士課程(学部教育)において、学生の専門分野にかかわらず、
共通に身につける学習の成果について明確化することも盛り込まれた。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20081115-OYT8T00235.htm

2008年11月20日木曜日

構造化された運動プログラムによりQOLは早期から持続的に改善する

(Medscape 11月12日)

運動トレーニングプログラムに参加した心不全患者は、QOLが改善され、
その改善は早期に始まり、3年間にわたり持続するという新知見。

Ileana Pioa博士(ケースウエスタンリバース大学)は、
「臨床医が、心不全患者を治療する際の目標は、
気分を改善し、延命しつつ、生活の質(QOL)も改善すること。
トレーニングプログラムへの参加は、通常治療に比べて、
心不全患者の健康状態に僅かながら有意な改善をもたらす。
改善は、運動トレーニングに関連し、トレーニングの早期から認められ、持続した。
この結果は、サブグループでも一貫して認められた」

米国心臓協会(American Heart Association:AHA)で報告された
HF-ACTION試験のQOLに関する同結果、
高度に構造化された運動プログラムを施行した患者では、
「通常治療」を受けた患者と比べて、死亡と入院に有意な減少が認められた。

HF-ACTION試験の研究者らは、心不全患者2331例
(ニューヨーク心臓協会心機能分類[NYHA]2-4度、心駆出率<35%)を、
強度と時間を漸増していくトレーニングに焦点を合わせた運動プログラム、
または通常治療(運動は米国心臓病学会(ACC)/AHAの奨励)の
いずれかにランダムに割り付けた。

構造化運動群は、週3回30分間の運動を行うトレーニングセッション36回から開始。
6週間は監視下でプログラム実施後、家庭でトレッドミルまたはエアロバイクで、
週5回、40分間、適度(moderate intensity)の運動を行った。
通常治療群には、毎日30分間、適度の運動をするように指示したが、
途中で監視したり励ましたりすることはなかった。

健康状態の評価は、身体的制限、症状、QOL、社会的制限に関する質問が
盛り込まれた検査であるカンザス市心筋症質問票
(Kansas City Cardiomyopathy Questionnaire:KCCQ)を用いた。

KCCQの総スコアでは、構造化運動プログラム群の健康状態において、
3カ月以内に早期改善が認められた。
この効果は3年後まで持続し、総スコアは3カ月~36カ月まで変化しない。
身体的制限および症状を含めて、すべての健康状態スケールは改善。

「日常生活動作のスコアは、構造プログラム群の患者の方が高く、
同群の患者の気分には改善が認められる。
これらの患者では、外出したり人と付き合ったりする能力も改善。
症状さえも改善され、彼らは気分が良くなっている」

Anne Taylor博士(コロンビア大学)は、心不全患者の治療目標は
疾患進行の予防、死亡と罹病の減少であり、
慢性疾患集団に重要なこととして患者のQOLの改善がある。

2つの治療群の差は僅かなものの有意であり、臨床試験効果の結果である。
通常治療群の患者でさえ、参加しなかった場合に比べると運動量が増えている。

今後は、高齢患者や他の併発疾患患者のQOLに対する効果を確認するため、
筋力トレーニングを併用すると有酸素トレーニングに効果が追加されるか検討する。

いかなる運動を中心とした治療プログラムについても
指示の遵守(adherence)の問題が残っているが、
このサブ研究のデータは有用な情報を提供している。

「QOLについては、本当に臨床医はもっと注意深く考える必要がある。
これは、単なるソフトサイエンスではない」

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=SPECIALTY&categoryId=580&articleLang=ja&articleId=83075

授業を変える(9)保護者の目線で点検

(読売 11月14日)

学費を負担する保護者が自ら授業を点検する。

「学生の居眠り、私語が目立つ」、「授業に工夫がないのも一因?」……。
岩手大学の講義室で、前の方に陣取った女性(46)が
きちょうめんな字で感想をメモしていた。

同大は14日までの5日間、全学共通の授業を一般公開。
大学が特に注目するのは、学校側の呼びかけに応じて
「モニター」に登録した保護者の意見。

女性もモニターの1人。農学部に次女が通う。
この日が初めての参観で、勤めを休んで朝から複数の授業を見た。
工夫する教員もしない教員もいる。
同じ大教室の授業でも、居眠りが目立つ一方通行の授業もあれば、
学生とのやりとりを交えてメリハリをきかせた授業もある。

総じて言えるのは、「学生も教員も、もっと緊張感がほしい」。
目の前の授業が、家計に重くのしかかる学費に見合うものか。
その問いかけが生んだ答えだった。

教職員の研修会などで授業改善を進めてきた岩手大が、
一般公開に踏み切ったのは3年前。
だが、参加者は伸び悩み、授業に足を運んでもらう工夫として翌年、
保護者モニター制度を作った。

モニターは公開期間中、自由に参観し、アンケート用紙に感想や意見を書いて
提出するほか、大学が設けた昼食会で教職員や他の保護者と意見交換もする。

主な目的は授業改善だが、
「保護者と大学は、一緒に学生を育てる大切なパートナーなのだと伝えたい」
モニター制度を推進する玉真之介副学長(54)。

最近の学生は幼さが目につき、勉強や友人関係に悩むと、
簡単に休学や退学をする。
以前に比べて、細かな配慮を必要とするようになったと痛感し、
それらを防ぐためにも保護者との協力関係が欠かせないと考えた。

モニター登録をする保護者は毎年10人足らずだが、意見は多岐にわたる。
学生の受講マナーや教員の授業技術・態度、
「授業公開を知らない教員がいて、参観を断られた」などといった
お粗末な学内状況……。
意見は研修や会議などを通し、具体的に個々の教員に伝えられてきた。

その結果、最近は授業に遅刻する教員が少なくなり、休講も減った。
小さな変化だが、授業に臨む教員の心構えが変わりつつあることを
示していると、玉さんは喜ぶ。

岩手大は今春、地元の岩手県立、岩手医科、盛岡、富士の4大学と
「いわて高等教育コンソーシアム イーハトーブキャンパス計画」に乗り出した。
夏には、県内の小中高校の校長会などと協議の場を設置。
岩手大が、県全体の教育力の向上の中核を担う。
そのためにも、玉さんは「まず足元から」と力を込める。

共通科目に限定されていた公開の対象を専門科目にも広げ、
年内に教員同士の授業参観も始める。
保護者モニターの役割はさらに重くなり、人数を増やす必要もある。
地域の未来が、授業改善の新たなエンジンになろうとしている。

◆いわて高等教育コンソーシアム イーハトーブキャンパス計画

授業改善の共同実施や共通キャンパス整備などを進める。
人材育成や大学進学率の向上を通した地域の活性化を狙う。
2010年度までの3年間の取り組みで、今年度、文部科学省の
「戦略的大学連携支援事業」に選ばれた。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20081114-OYT8T00241.htm

韓国農業の現状報告 いわてアグリスクール

(岩手日報 11月16日)

岩手大、県などが主催するいわてアグリフロンティアスクール
(IAFS、校長・高畑義人岩手大農学部長)は、
岩手大農学部で韓国研修の報告会を開いた。
受講生は、日韓での集落営農の違いなどに触れ、
農業経営改善への意識を高めた。
受講生ら60人が出席。

10月の韓国研修に参加した7人が、写真などを交えながら研修内容や
自らの経営に生かす点を発表。

加工品以外は国産農産物をそろえ、安全・安心を強調するため
客から見える場所に食品検査所を設置している農協経営スーパーや、
平均年齢が60歳を超える営農法人で全員がパソコンを使い、
情報収集や通信販売を実践している例も紹介。

報告した二戸市野々上の関口泰史さん(35)は、
「研修で付加価値をつける意識が足りないと感じた。
数値を分析し、作業の非効率な部分も削っていきたい」と目標を述べた。

岩手大農学部の木村伸男教授は、
「韓国で受けた感動を、経営改善に生かすことが大事。
しっかりとした経営戦略計画を立ててほしい」とアドバイス。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20081116_4

特許に見る科学技術基本計画の効果

(サイエンスポータル 2008年11月10日)

大学、公的研究機関の特許出願状況から、科学技術基本計画で
重点領域とされた分野が特許出願でも多数を占めることが、
科学技術政策研究所の調査で明らかに。

「大学および公的研究機関からの特許出願の重点8分野別ポートフォリオ」は、
2006年の特許出願が多かった上位52の大学と上位5つの公的研究機関を
対象に、06年と07年の特許出願状況を調べた。

06年からスタートした第3期科学技術基本計画では、
ライフサイエンス、情報通信、環境、ナノテクノロジー・材料の4分野を
「重点推進4分野」、エネルギー、ものづくり技術、社会基盤、フロンティアの
4分野を「推進4分野」として定め、優先的に研究開発費が配分。

06、07の2年間で、日本全体では約85万件の特許が出願、
調査対象大学・公立研究機関57の特許出願件数は全部で約1万2千件。
特許出願の中で、重点8分野が占める割合を見ると、
日本全体では約45%であるのに対し、57大学・公立研究機関では74%。

日本全体では、重点8分野の中で情報通信分野の出願が最も多いが、
今回の調査対象となった大学・公立研究機関では、
ナノテク・材料分野の出願が最も多かった。

大学や公的研究機関は民間企業に比べ、国の政策をより反映した
研究開発を行う傾向にあるため、結果的に創出される特許も
重点8分野の影響を強く受けたものに。

大学の研究者が得た特許については、数年前までは95%が研究者個人や
企業に帰属しており、大学、技術移転機関(TLO)帰属は5%にすぎないことが、
科学技術政策研究所が東北大学を対象に行った調査で明らかに。

国立大学は、04年の法人化後にその多くが大学帰属へと切り替わっている。
01年以降次々と法人化している公的研究機関も同様で、
その移行時期はさまざまだが、法人化後の特許は原則機関帰属として出願。

http://www.scienceportal.jp/news/review/0811/0811101.html

2008年11月19日水曜日

アルカリ性物質の痛み解明 ワサビのセンサーが関与

(共同通信社 2008年11月14日)

膵炎やアルカリ性の注射液が起こす痛みには、
ワサビの刺激を感じる細胞のセンサーがかかわっている。
自然科学研究機構・岡崎統合バイオサイエンスセンターの
富永真琴教授(分子細胞生理学)らがこんな研究結果をまとめ、
米医学誌JOURNAL・OF・CLINICAL・INVESTIGATIONに発表。

アルカリ性物質の刺激は、痛みの原因になる。
膵炎や膵臓がんでは、アルカリ性の膵液が背中や腹部などに
強い痛みをもたらし、アルカリ性の抗てんかん薬や抗ウイルス薬は
血管の痛みを起こすとされる。
痛みの仕組みが解明されたことで、治療薬開発に道が開けそう。

富永教授によると、このセンサーは細胞表面にある
「TRP(トリップ)A1」というタンパク質。
ワサビやマスタードの辛み成分によって、活性化する。

富永教授らは、TRPA1を持つ培養細胞をアルカリ性の物質で刺激すると、
TRPA1が活性化されることを発見。
遺伝子操作でこれをなくしたマウスと普通のマウスの足の裏に、
それぞれアルカリ性の液体を注射し、行動を比べた。

普通のマウスは痛みを感じたとき、足をかんだりなめたりといった特有の行動を
取ったが、TRPA1をなくしたマウスでは、こうした行動が全く見られなかった。

富永教授は、「TRPA1の働きを抑えることで、アルカリ性物質の刺激が
起こす痛みを緩和できるのではないか

◆野口光一・兵庫医科大教授(疼痛学)の話

酸性の刺激に反応するセンサーはいくつも見つかっているが、
アルカリ性のセンサーが見つかったのは初めてで、非常に面白い結果。
胃酸を中和する膵液はアルカリ性で、膵炎や膵臓がんで起こる
強い痛みの原因と考えられる。
今回の発見は、そうした痛みの治療に役立つ可能性がある。

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=82985

南部鉄器、中国に販路 プーアル茶ブーム

(岩手日報 11月17日)

本県の南部鉄瓶が、中国雲南省が原産地の高級茶・プーアル茶の
販売大手企業から注目。

プーアル茶は、少量の茶葉を20回程度、熱湯を注いで飲み、
最後はさらに加温の上、煮出し使用することから、
保温性が高い南部鉄瓶が適している。

企業はすでに、本県の南部鉄瓶数100個を輸入し、
中国のプーアル茶ブームを受けさらなる取引拡大に意欲を示している。

この大手企業は、中国上海市の上海大可堂茶業有限公司
2007年春に中国大連市の県大連事務所を通じて、南部鉄瓶に着目。
今年5月から奥州市水沢区の及源鋳造と取引を始め、
これまでに約1000万円相当を輸入。

上海大可堂茶業有限公司は輸入拡大に向け、
今月中旬に及源鋳造のほか、盛岡市の岩鋳を視察。
プーアル茶に合う弱アルカリ性の軟水も求め、本県の水質事情を調べた。

何作如名誉会長(60)は、「中国ではプーアル茶が流行しており、
水や器が大切になっている。今は上海を中心に販売しているが、
中国全土に販売を広げていきたい」と意欲的。

本県の南部鉄瓶は、国指定の伝統的工芸品の南部鉄器の一つ。
海外には、商社経由で欧州や台湾などに輸出しているが、
中国への直接輸出は初めて。

上海大可堂茶業有限公司では、グループ企業の出版会社が
「中国文化と日本文化の融合」をテーマに出版物を発行。
プーアル茶と南部鉄瓶の魅力を中国に広くPRする予定。

質、デザインが認められ、世界的にマーケットが広がる南部鉄器だが、
海外での商標権問題も抱えている。
中国では、個人が「南部鉄器」の商標を登録申請し、
中国商標局が審査中だが、認可された場合、
本県から「南部鉄器」の商標で中国輸出できなくなる可能性がある。

県地域産業課の飛鳥川和彦・海外マーケット特命課長は、
「商標登録される前に、中国で本県の南部鉄器の知名度を高めていく必要がある」、
中国での岩手ブランドへの認識の高まりを期待する。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20081117_13

授業を変える(8)計画書作成 「進化」促す

(読売 11月13日)

授業の改善計画書が力を発揮する。

「なぜ?説明して」。
近畿大学理工学部の岩崎光伸准教授(45)は、「基礎化学結合論」の授業で、
約70人の1年生に質問を繰り返した。
口頭で答えさせるだけでなく、板書もさせる。
クラス全員が目で見て理解できるようにするためだ。
考えさせる授業を心がけている。

座席は指定し、最前列には昨年度に単位を落とした再履修生を座らせる。
90分授業を前半と後半に分け、それぞれの最後に、
理解度を測る練習問題を課し、質問時間も設ける。
わからない部分を放置しない。
毎回、復習・予習が必要な宿題を課し、次の授業で提出させる。

こうした授業の仕方は、以前に自分で授業改善計画書に記した内容。
理工学部で授業を担当して約8年。
「高校の授業みたいでとっつきやすい」と学生から高評価を受け続けるが、
「さらに進化しないと」と表情を引き締める。

教員の「進化」を支える授業改善計画書は、担当する全授業について、
〈1〉授業で工夫した点
〈2〉授業で良かったと思う点
〈3〉改善を要すると思う点
〈4〉授業評価結果について思うこと――を記述。
改善計画は、学生の評価をきちんと受けとめたかが一目でわかる。
学部で冊子にまとめ、学内に置いて学生に公開。

学生の授業評価は8年前、評価結果に基づく改善計画の作成・公表は5年前、
理工学部の全教員に義務化された。
「学生に力をつけられない大学は不要。
教育に力を注ぐ教員を厚遇しないと、授業は変わらない」と強調する
宗像恵前学部長(67)が推進してきた改革の目玉。
授業評価が低い教員には、学部長の面談や指導を受ける義務もある。

4年前には、授業評価で上位5%に入った教員に給与5%分、
最大20万円上乗せし、2年連続で低評価の教員には賞与の減額を実施。
提案時に教職員組合は、学生による授業評価への不信感から反発したが、
最終的には妥結した。翁長博副委員長によると、
「上司との相性で評価されるよりはマシ」という意見もあった。

宗像さんは、授業評価の確度は高いと分析している。
どんなに高度な内容で宿題やテストが多くても、学生に質問を重ね、
理解度に合わせて進める授業は評価が高い。
“楽勝”の内容が、高評価とは限らない。
評価は無記名式だが、記名式で試しても結果はほぼ同じで、
学生はきちんと答えているとわかったという。

昨年度後期の評価の平均点は、
共通教養・専門・外国語科目とも8点弱(10点満点)。
いずれも5年前より上昇。
5点以下の授業は、25%から10%にまで減った。

来年度からは、同様の取り組みを全学に広げる。
学部の壁を超えたマンモス大学の改革に注目したい。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20081113-OYT8T00190.htm

大学へ編入希望4人に1人 5年一貫の看護高校生 助産師に2年遠回り

(共同通信社 2008年11月11日)

看護師養成教育を5年(本科3年、専攻科2年)一貫で行う看護高校の
生徒の27・7%が、卒業後の進路として、現行制度では認められていない
大学への編入を希望していることが、
全国看護高等学校長協会の調査で分かった。

一貫高校を卒業しても、助産師などの受験資格を得るには、
さらに看護系の4年制大学などに1年生から入り直す必要があり、
普通科高校から直接、大学進学する場合に比べて
2年間"遠回り"を強いられていることが背景に。

文部科学省の検討会も問題解消に向け、編入容認を検討課題に挙げた
報告書案をまとめ、省内で議論が始まっている。
調査は7-8月、全国の一貫高校で学ぶ生徒約1万6000人を対象に実施し、
うち約1万5000人が回答。

卒業後、引き続き大学への編入を希望する生徒は15・4%、
時期は特定しないが、将来的に編入を希望する生徒も12・3%、
4人に1人強に当たる27・7%が編入を望んでいる。
希望者の81・3%が、編入先として看護系大学を希望。

理由を複数回答で聞いたところ、高卒では取れない「助産師資格取得」を
挙げたのがほぼ半数の49・6%。
「保健師資格取得」が35・7%、「養護教員希望」も22・4%。
「高度な看護学を学びたい」33・5%、「看護学の学位を取得」16・6%など、
大学での学習に意欲を示す生徒がいる一方、
21・7%は「看護を学び直したい」と答え、卒業後すぐ医療現場に出ることに
不安を抱える姿も浮かんだ。

協会調査では、昨年度に一貫高校を卒業した生徒の95・5%が就職し、
大学や短大などに入学したのは3・1%。

▽看護高校

高校の看護師養成課程は、
(1)3年課程で准看護師を目指す
(2)その後2年課程の専攻科へ進み看護師を目指す
(3)当初から看護師を目指し、5年課程の一貫校で学ぶ-の3形態。

資格取得に関係なく、看護学を学ぶ学科を設ける高校もある。
全体の生徒数は約2万人。文部科学省は、
短大や高等専門学校(高専)、専門課程を持つ専修学校(専門学校)
からの大学編入を認めているが、高校専攻科の教育内容は
学習指導要領の対象外なことなどから、
「教育の質が保証されていない」として編入を認めていない。

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=82772

2008年11月18日火曜日

斎藤実の精神を後世に 奥州でシンポ

(岩手日報 11月16日)

奥州市出身の元首相・斎藤実(1858-1936年)の
生誕150年記念シンポジウムは、市文化会館(Zホール)で開かれた。
生前の斎藤を知る孫の岡百子さん(81)らがパネリストとして参加。
斎藤と妻春子さん(1873-1971年)にまつわる企画展も始まり、
多くの市民らが郷土の偉人の遺徳をしのんだ。

記念事業実行委(会長・相原正明奥州市長)主催。
岡さんのほか、東京大准教授の加藤陽子さんと外村大さん、
相原市長の4人がパネリストを務めた。

岡さんは、斎藤が凶弾に倒れた1936(昭和11)年の二・二六事件まで、
東京都四谷区(現新宿区)の斎藤の別邸で斎藤夫妻と過ごした。
祖父の人柄を、「温厚で人を怒ることはなかった」と振り返り、
斎藤死後の春子さんについて、「穏やかではあったが、不幸だったことは
息子に先立たれたことではないか」。

外村さんは、「人柄が表れている」と斎藤の書を分析。
加藤さんは、二・二六事件後、昭和天皇が涙を流したとされる理由として、
当時の陸軍が斎藤の考えに沿わず、新しい戦争に動きだしていたことなどを挙げた。
相原市長は、「武士の魂を持ち、国際性にも優れていた」と、
斎藤の志を後世に伝えていくことを誓った。

市民ら約760人が聴講。
同市水沢区東大通りの浅倉牧子さん(84)は、
「変化の時代でも、受け継がれてきた斎藤の精神や水沢の心を感じた」。

Zホールの展示室では24日まで、二・二六事件当日の記録が記された
資料や弾痕が残る鏡など約100点を紹介する企画展が開かれている。
開館時間は午前10時-午後6時。入場無料。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20081116_7
(共同通信社 08年11月05日)

日本アンチ・ドーピング機構(JADA)が、日本薬剤師会と協力して
ドーピング防止規則やスポーツ知識に精通した薬剤師を養成する
「公認スポーツファーマシスト制度」の創設に踏み切った。

国際的にも例がなく、幅広い世代の競技者や指導者に
適切な情報提供と啓発活動を推進していくのが狙い。

日本薬剤師会によると、薬剤師は全国で約25万人。
浅川伸JADA事務局長は、「五輪の種目によっては、
ドーピング検査を受けた選手の2、3%が陽性反応を示すのが世界の実情。
まずは、国体や小中高の教育現場で活動する役割が出てくる」と期待。

来年3月から薬剤師の資格を持つ希望者を募集し、
初年度は450―500人に認定証を発行する予定。

近年は日本でも薬のインターネット販売が進み、個人輸入も容易になった。
知識不足や不注意から禁止薬物を使用する「うっかりドーピング」の例も少なくない。
日本薬剤師会の関係者は、「最近は外国製のサプリメントで
成分表示にない禁止薬物が含まれるケースも多い」と警鐘を鳴らす。

日本体協の福林徹医事部会長は、医師の立場として
「薬剤師と競技者の接点をつくる仕組みが今後重要だ」と指摘。
JADAは制度が軌道に乗れば、将来的にはスポーツを楽しむ
中高年層を対象に活動の範囲も広がると期待。

http://www.anti-doping.or.jp/cgi/news.php?mode=content&newsid=20081105_01

花粉症、3か月で改善…スイスの研究チーム開発

(読売 2008年11月11日)

花粉症などのアレルギー患者に原因物質を繰り返し注射する
「減感作療法」を、3か月で済ませることに、
チューリヒ大学病院(スイス)などの研究チームが成功。

皮下でなく、そけい部のリンパ節に注射する方法で、
副作用も従来の方法より少ない。
米科学アカデミー紀要電子版に発表。

減感作療法は通常、原因物質のエキスを少量ずつ、約3年かけて注射。
研究チームは、皮下注射したエキスが体内の免疫システムをつかさどる
リンパ節へは一部しか達しないことに注目。
58人の花粉症患者に対し、リンパ節へ直接、
1か月おきに計3回だけ注射する新手法を試してみた。

開始から4か月後に検査したところ、アレルギー症状が劇的に緩和され、
治療前に比べ平均10倍の花粉量がないと、鼻炎が起きなくなっていた。
効果は、開始から3年後も持続していた。

従来の減感作療法を行った別の54人では、
じんましんなどの軽い副作用が18件、
入院の必要なぜんそくの副作用が2件起きた。
新手法では、軽い副作用が6件起きただけ。

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=82753

授業を変える(7)語学強化 外大に委託

(読売 11月12日)

遠く離れた他大学の協力を得て、語学教育を充実させる大学がある。

外壁はピンク色、中の床はオレンジ、ソファは赤、
最上階となる3階の教室はガラス張り。
広島文教女子大学のキャンパスに、これまでと全く雰囲気の違う建物がお目見え。

文教英語コミュニケーションセンター(BECC)。
授業で使うだけでなく、昼休みや放課後には、
サロンで教員と気軽に会話ができる。
2階以上では原則、日本語が使えないルール。
学習アドバイザーも常駐。
映画やCD、漫画などの教材がふんだんにあり、発音が練習できるブース、
ビデオカメラを借りて発表の練習ができる小部屋などを使って、自学自習ができる。

神田外語大学と業務委託契約を結んだ施設。
同大は、教員4人を含む7人をBECCのスタッフとして送り込んだ。
教員が全員、英語を母語としているだけでなく、
言語学や教育学などの修士号を持っている。

神田外語大では、4年前からの東北大を手はじめに、
岩手大や九州大でも語学教育を手がけている。
その評判を聞いた広島文教女子大の角重始学長が、導入を即断した。

人間科学部1学部の5学科だけという小さな大学。
地方私大の経営は厳しい。
初等教育学科の教員免許など、すべての学科が資格に結びつくが、
それに加えて語学力は付加価値になるという判断。
「自学自習の習慣を身につけることは、将来にわたって学び続ける力になる」
国が大学生に必要な能力を、「学士力」という言葉で提示、
その一つとして語学などコミュニケーション力を掲げようとしていることも、
学長の背中を押した。

10月上旬の1年生の授業。
「ハーイ」と手を挙げて教室に入っていく学生たちには、
教室に入るのを尻込みしていたという入学当初の姿は想像できない。
ニュージーランド出身のジーン・トンプソンさん(30)は、
「新婚旅行の行き先」といったテーマで学生を引きつける。
教室内は笑顔が絶えない。

BECCで授業まで受けるのは、まだ1年生限定。
小学校教員になるにも、英語の素養が必要な時代だけに、
「そのことは意識しています」という学生が多い。
施設を使いこなす1年生に、上級生からは「うらやましい」といった声も。

語学を専門に学ぼうという学生に比べれば、
英語を学ぶ動機が弱いことは否めない。
前年度の1、2年生へのアンケートでは、
「中学・高校で英語は不得意だった」と答えた学生が52%、「嫌いだった」43%。
独自のカリキュラムが必要になっている。
学習アドバイザーへの相談も、日本語でできるよう、配慮。

新年度にはスタッフが増員される。
「いつまでも神田コーナーでいいわけがない」と角重学長。
将来、この施設をどこまで自分たちのものにできるのか。
大学の評価は、卒業生の進路とともに、その点にかかっている。

◆大学は連携の時代

大学間の連携が、全入時代を迎えて加速、
文部科学省も今年度から、連携を後押しする戦略的大学連携支援事業を始めた。
採択された54件には、地元同士だけでなく、武蔵工業と室蘭工業、
日本福祉と北星学園と熊本学園といった全国規模の連携や、
共同での大学院設置を目指す動きも含まれている。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20081112-OYT8T00198.htm

薬を飲む子供が増えている:原因は肥満

(WebMD 11月3日)

糖尿病、高血圧、高コレステロール、うつ病など、肥満に関連した
健康問題で薬物療法を受ける子供や10代の若者が増え、
また肥満とは関係しない喘息や注意欠陥多動障害 (ADHD) で
薬を飲んでいる5‐19才の子供が増えている。
『Pediatrics』11月号。

セントルイス大学小児科教授のDonna Halloranは、
「今までより、慢性疾患治療薬を使う機会が増えてきた。
肥満は糖尿病、高血圧、コレステロール異常、うつ病などの
合併症の原因になる」。

小児用慢性疾患治療薬:その利点 肥満とADHDの関連は分かっていないが、
薬物療法を選ぶ小児科医が増えている。
「薬物の使用が増えるのは悪いことではない。
これらがみな適切に診断されるのは喜ばしい。
高血圧は治療が必要である。喘息、糖尿病、うつ病も然り」。

エモリー医科大学(アトランタ)小児科教授のRobert Gellerは、
ADHDの薬を飲む子供たちが増える傾向にある。
これは、ADHD等の病気に伴う「社会的偏見が少なくなっている」ため。
「今では多くの人がその病気を受け入れるようになり、適切な援助を求めている」。

喘息の重症度と発生率が、若者の肥満増加と関係あるのかについて
同研究は答えを明らかにしていないが、こうした問題は多少重なる部分がある。

Halloran博士らは、2002~2005年、民間の保険に入っている5‐19才の若者
350万人以上の処方箋データを調べた。
若者の糖尿病薬処方率は2倍になり、喘息治療薬の使用率は46.5%上昇。
ADHD治療薬の使用は40.4%上昇し、脂質およびコレステロールを下げる
薬については15%上昇。

「病気の増加に伴い、病気の発見率が向上し、薬剤の使用量も増えている。
長期的な服用のリスクは分からないが、診断の向上は良いこと」。

肥満とADHD、肥満と喘息に関係があるかどうかは科学者も分からない。
「肥満がうつ病の原因になるのか、その逆はあるのかも分かっていない。
しかし、両者をセットで考えてもおかしくはない」。

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=SPECIALTY&categoryId=580&articleLang=ja&articleId=82906

2008年11月17日月曜日

英皇太子はサイエンスがお好き

(サイエンスポータル 11月7日)

北澤 宏一 氏(科学技術振興機構 理事長)

チャールズ英皇太子は、サイエンス通で知られる。
東京・お台場の日本科学未来館を訪問された。
毛利衛館長が、天井から下がる巨大な球状ディスプレイ「ジオ・コスモス」に
映し出される未来の地球の気象変動をお見せした。

ジオ・コスモスは、館長就任の際、毛利さんのたっての願いで作られた装置。
スペースシャトルから見た「暗黒の宇宙に輝く青い地球」が、
毛利さんの世界観を完全に変えた。

当時、日本で開発されたばかりの青色を含む発光ダイオード100万個を使い、
明るいオールカラー表示が初めて可能に。
今、この未来館の巨大ジオ・コスモスは、
世界の科学館からうらやましがられている。

チャールズ皇太子は、ナノテクノロジーや地球環境について、
学会や市民講演会でも熱い議論を展開される論客。
今回は、科学未来館講堂で多くの聴衆に向けて
「人間による地球環境の破壊と気候変動の危機」と題して講演、
日本語で「いま、不言実行の時」と結論を述べられた。

皇太子は講演の中で、日本の省エネルギー技術のすばらしさに何度も触れて、
欧州と日本が協力して地球の危機に対処していくべきことを訴えられた。
講演の締めくくりには、ジオ・コスモスが登場。
「30秒の映像は、地球温暖化のペースが本当に警告していることを示す」
という皇太子の紹介に続き、2000年から2100年に向けての
地球表面温度変化のシミュレーションで、
6度の温度上昇を示す真っ赤になっていく地球の様子が映し出された。

英国ではこの10月3日、ブラウン首相による内閣改造が行われ、
新たに「エネルギー・気候変動省」がつくられた。
「気候変動の省ができた」ことは、21世紀の地球環境に対する
英国の思い入れの強さが表れたもの。

新大臣が、次の労働党党首とも目されるミリバンド外相の実弟で、
38歳という若さのエド・ミリバンド氏であることも注目。
今後、英国はこの外務大臣と気候変動大臣を務める、
若くて人気の高い兄弟政治家、チャールズ皇太子のコンビネーションによって、
地球環境を外交の表舞台に登場させていく。

「地球環境」は、いずれ私たちの毎日の生活の意識を形作る
基本的な規範となってくる。
外交においても、各国の地球環境貢献度が指数のようなもので示され、
輸出時の関税率が影響を受けたり、外交における錦の御旗としての役割を
果たしていくことが予想。

「地球環境イデオロギー時代」が到来。
チャールズ皇太子の今回の講演は、その先駆けのように思えた。

http://www.scienceportal.jp/highlight/0811.html#081107

難病の歌手がコンサート 本田美奈子基金が開催

(共同通信社 2008年11月14日)

2005年11月に亡くなった歌手本田美奈子さんの遺志を継ぎ、
重病患者の支援に取り組む民間非営利団体(NPO)
「リブ・フォー・ライフ美奈子基金」は、筋力が低下する難病と闘う
シンガー・ソングライター朝霧裕(本名・小沢由美)さん(29)のコンサートを
11月15日に都内で開く。

同基金は、「生前の本田さんのように、
『病気になっても前向きに強く生きていける』
というメッセージを送ってくれるはずだ」と期待。

さいたま市中央区に住む朝霧さんは、生後すぐに脊髄性進行性筋萎縮症を発症。
幼少から書くことが好きで、16歳の時には日常生活などをつづった
エッセー集を出版。
20歳ごろから自作の詩に曲を付ける音楽活動を始め、
最近は月1回程度、首都圏を中心にライブ活動を続けている。

コンサートは、朝霧さんの友人らが同基金に働き掛けて実現。
東京都港区東新橋のヤクルトホールで行われる。

本田美奈子さんと親交があったミュージカル俳優今井清隆さんや
歌手松本伊代さんらも参加し、朝霧さんのオリジナル曲や本田さんの歌など
二十数曲を披露する。

朝霧さんは、「一流の人との共演は初めてなので不安はあるが、
毎日を精いっぱい生きる素晴らしさを伝えたい」と楽しみにしている。
問い合わせは同基金事務局、電話03(3280)2012。

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=82977

「飲む発毛剤」がOKに 禁止リストから外れる 「ドーピングの話題」

(共同通信社 2008年11月12日)

頭髪の薄いトップアスリートには朗報か-。
世界反ドーピング機関(WADA)はこのほど、公表した2009年向けの
禁止薬物リストから発毛剤などに使用されているフィナステリドを外した。

この薬は、日本でも販売されている「飲む発毛剤」に含まれる成分で、
筋肉増強剤を使用した痕跡を消す作用があるとして、
05年から禁止薬物に指定。

06年トリノ冬季五輪前には、ソリ競技のスケルトン男子で金メダル候補だった
ザック・ランド(米国)が陽性反応を示して五輪出場を逃し、
昨年は日本のプロ野球でガトームソン(当時ソフトバンク)が
違反を指摘されて話題となった。

WADAは今回の除外決定を、検査技術の進歩によって、
フィナステリドを使用しても筋肉増強剤の使用が
容易に見抜けるようになったと説明。

1年間の出場停止処分で五輪を棒に振ったランドは、
「情報を聞いた時は、ソファで泣くほどふき出してしまったよ。
彼らは何の科学的根拠もなく、禁止リストに載せていたのだから」と憤慨気味。

日本体協スポーツ科学研究室の伊藤静夫室長は、
「選手側からすれば、確かに禁止薬物に追加したり除外する根拠が
あいまいな印象をぬぐえない」という見解。

今や頭をそり上げ、発毛剤の服用も控えているランドだが、
"解禁"は来年1月1日から。

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=82849

授業を変える(6)改革論議 学生主体で

(読売 11月11日)

学生が主体になって、教職員と授業改善に知恵をしぼる場がある。

「大学に長く勤める事務職員の方に、キャンパスの隠れた名所を
教えてもらう授業はどうだろう」、
「自信のある目玉授業を持ち寄ってコンテストを開いてみては」

岡山大学の講堂で、班を代表して壇上に上がった学生が
10分間で企画案を説明する。
学生や教職員らは、ほかの班の発表を熱心にメモしながら、
「予算はどの程度の額か」などと、具体的な質問を投げかける。

大学教育の改善を目的に、他大学の学生や教職員とも交流するイベント。
5回目の今年は、新潟大、静岡大など全国の国公私立17校から
約60人の学生と教職員が参加。
午前中、5~6人の小グループで議論を始め、
午後からは10人程度の大グループに再編、企画案をさらに詰めた。
昼食を挟んでの議論は5時間を超えた。

岡山大では7年前、授業改善を目的に、各学部から推薦された
学生と教授らによる「学生・教職員教育改善委員会」ができた。
学生が新入生向けの履修相談会を開くなど、学生主体の改革を進める一方、
他大学まで波及することを期待して始まったのが交流イベント。
学生のアイデアが基になって、コンビニエンスストアを多角的に分析する授業が
始まるなど、成果も表れている。

委員会で教員代表を務める橋本勝教授(53)は、
「初対面の人同士で何ができるか。
学生には、何かをやったという達成感が重要。
他大学の学生にも感じ取ってもらえることがあるはず」

議論するグループは、学生と教職員の混成だ。
互いの立場から、大学や授業、学生に対しての率直な気持ちを語ってもらい、
議論に深みを出そうとしている。

ある小グループでは、6人がテーブルを囲むと、1人の学生が
「教授1人に学生が300人。これでは授業は変わらない」と口火を切った。
「大学教育に、まず学生が興味を持たなければ」と学生が発言すると、
教員の1人は「問題意識は教員側も同じ。学生の学ぶ意欲を引き出したいが、
何事も、できるまではつまらないと感じて当然では」と応じた。

参加した学生の反応は良好だ。
早稲田大学教育学部2年の小川昌樹さん(19)は、
「他大学の人と交流を持てる機会は案外少ない。貴重な経験だった」。
静岡大学工学部3年の森野秀朗さん(22)も、
「今後も大学の枠を超え、学生が参加したくなる面白い授業を考えていきたい」

イベントの最後、実行委員長の岡山大学薬学部2年、安藤誠さん(20)が
「教育改善とは何か。すぐに答えを出すのは難しいが、
自分から学ぶ楽しさを追求することが大事だと思う」と話すと、
講堂に大きな拍手が起きた。

学生と教職員が力を合わせ、大学の可能性を探る。
地道な取り組みの先に、理想の大学や授業の形は見えてくるはずだ。

◆学生・教職員教育改善委員会

11の各学部を代表する学生ら37人と、教職員19人で構成。
授業改善、システム改善、学生交流のテーマごとに作業部会を作り、
週1回程度活動している。
システム改善の作業部会では、学生が学びやすい環境整備のため、
老朽化した学内設備の見直しや、科目を履修する際の
抽選方法のあり方なども議論。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20081111-OYT8T00217.htm

県産雑穀で料理の腕競う 鷲北さん最優秀賞

(岩手日報 11月12日)

2008年度県産食材料理コンクール(県外食産業協議会)は、
盛岡市志家町のサンセール盛岡で開かれた。
日本一の生産量を誇る県産雑穀を初めてテーマに据え、
プロの料理人が創意と技術を競った。
盛岡市・ホテル東日本の鷲北真吾さん(28)の
「雑穀米詰め杜仲茶ポークの蒸し煮」が最優秀賞(県知事賞)。

県産雑穀に加え、県産食材を使用した原価500円以内の
和食、洋食、中華、デザートなど1品料理28点が出品。
県調理師会の加藤綱男会長を審査員長に、
5人の審査員が味や基本技術、食材の生かし方などを5段階で評価。

鷲北さんの料理は、豚バラ肉のブロックに、ヒエやアワ、キビ、ハトムギ、
うるち米を詰め2時間蒸した。
しょうゆベースのあんを添え、蒸しパンに挟んで食べる。

鷲北さんは、「雑穀の使い方が難しかった。調理法を追求していきたい」と
意欲を新たにしていた。
受賞作品は今後、ホテルでも提供される予定。

加藤審査員長は、「蒸す、煮るなど下処理を十分にすること、
別の食材のうま味に合わせることがポイント。
食感をアクセントにするなど、自分なりに雑穀を生かした料理を作ってほしい」

県外食産業協議会の葛巻治会長は、
「ヘルシー志向で雑穀に目が向いている。
全国に発信する方法を考えていきたい。
ホテルやレストランでも、雑穀を使った料理を提供していただきたい」

入賞者は次の通り。
◇一般の部
▽優秀賞 下河原健(ホテル東日本)
▽奨励賞 高村和佳(盛岡調理師会青年部)、
木村佳宏(ホテルメトロポリタン盛岡)、府金洋平(ホテル東日本)
▽特別賞 工藤昌子(北日本ハイテクニカルクッキングカレッジ)
◇新人の部
▽最優秀新人賞(県外食産業協議会長賞) 石山歩美(ホテルメトロポリタン盛岡)
▽優秀新人賞 村上亮(ホテル東日本)
▽新人奨励賞 黒沢司(清次郎)

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20081112_9

2008年11月16日日曜日

遺伝子ダイエット:根拠ないかも 「変異」有無で結果に差なし--東北大調査

(毎日 11月9日)

肥満になりやすい遺伝子変異を持っている人でも、
持たない人と同等にやせられることを、
栗山進一・東北大准教授(公衆衛生学)らが調査で示し、
米医学誌「メタボリズム」電子版に発表。

遺伝子を調べて肥満体質の型を判断し、効率的な減量法を指導する
「遺伝子ダイエット」が話題だが、栗山准教授は
「現時点で科学的根拠があるとは言いがたい」と指摘。

調査は、福島県内での減量教室参加者のうち、同意が得られた
40~60代の37人(男性9、女性28)に、
「β3アドレナリン受容体遺伝子」の変異の有無と減量の関係を調べた。

同遺伝子は、代表的な肥満関連遺伝子で、これに変異がある人は
変異がない人に比べて基礎代謝が低いため、肥満になりやすい。

被験者のうち、変異があったのは12人。
肥満程度を示すBMI(体格指数、25以上が「肥満」)は、
「変異あり」群の平均が25・6、「変異なし」群は24・8。
全員に保健師や管理栄養士が6カ月間、食生活や運動を指導した結果、
変異あり群の体重は平均2・52キロ減り、BMIは1・08減った。

一方、変異なし群は体重1・89キロ減、BMI0・8減で、
両群の間に統計的に意味のある差はなかった。
栗山准教授は、「遺伝子変異だけが肥満を起こすわけではなく、
両者の関係はまだ議論がある」。

http://mainichi.jp/select/science/news/20081109ddm041040100000c.html

授業を変える(5)店舗実習 磨け社会人力

(読売 11月8日)

実社会の目を徹底的に意識させる試みが始まった。

愛知県内の百円ショップで、名古屋商科大学の学生5人が、
開店前のぞうきんがけに汗を流していた。
掃除が済むと、社員と一緒に「いらっしゃいませ」。
客に商品の説明を求められ、社員を探し回る学生もいる。

アルバイトではない。
同大が4月から、百円ショップを展開する「セリア」(本社・岐阜県大垣市)と
連携して始めた授業「社会人基礎力育成講座」の一コマ。

受講生は、抽選で選ばれた7学部の2~4年生37人。
6チームに分かれ、前期は業界の現状や課題を研究し、発表を重ねてきた。
後期は、その成果をもとに考案した独自の商品陳列棚をセリア側に提案、
「売り上げ増に貢献できる」と認められたチームが実際に棚を持つことができる。

夏休み返上の“店員見習い”は、提案を認めてもらうには
客層や好みなどの把握が欠かせないと、学生が自主的に始めた。
万事に消極的だった開講時とは打って変わった姿に、
担当の亀倉正彦准教授(38)は目を細める。

同大の「社会人基礎力育成講座」の狙いは、
企業から与えられた課題をチームで考えて実行し、
事後に客観的に振り返る総合力を培うこと。
実社会で役立つ力を身につけさせてほしい、という
外部からの要請が起点だが、教員たちも必要性を実感していた。

亀倉さんは、同大に着任して9年。
学生の意欲のなさが気になっていた。
授業中の私語は少ないが、試験をしてみると、全く理解できていない。

開講と同時に、学生たちが人との関係を築くのも不得手だとわかった。
「あいつがいるからチームがまとまらない」と
メンバーの入れ替えを求める学生もいた。
「売り上げ増を見込める商品棚」という課題に必要な
「客の立場で考える」どころではない。
研究室を学生に開放し、頻繁に相談にも乗ってきた。

そうした積み重ねを評価したセリア側の好意もあって、
提案は全チーム採用された。
今月9日までの2週間、愛知と岐阜の3店舗に学生たちの棚が設けられている。

大掃除向けの洗剤や道具をまとめた棚、
「働く女性の癒やし」をテーマに入浴剤が並ぶ棚、
木炭と塩を使った「エコ洗濯」などユニークな組み合わせで
環境と節約を提案する棚……。
どの棚にも、半年以上の苦労がにじむ。
前期から授業を見てきたセリア営業部の佐野満係長(48)は、
「客への気配りができるようになった」と成長を喜ぶ。
子供向け商品は、低い棚に置き換えるなどの工夫に驚いた。

「やっと芽生えたやる気を持続させたい」と亀倉さんは願う。
来年1月には、取り組み全体を振り返らせるため、学外に発表させ、
優秀なチームに投票してもらう計画。

一つの授業で学生を成長させるには、限界がある。
社会へのかかわり方を体得する――
この講座の狙いを、全学的に広げることができるか。
大学の姿勢が問われている。

◆社会人基礎力

経済産業省が養成を提唱している「職場等で求められる能力」。
主体性、働きかけ力、実行力からなる「前に踏み出す力」、
課題発見力、計画力、創造力の「考え抜く力」、発信力、情況把握力、
傾聴力、規律性、柔軟性、ストレスコントロール力を含む
チームで働く力」の三つで構成。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20081108-OYT8T00164.htm

日本人の臓器移植仲介「108人」

(読売 2008年11月12日)

「中国では、臓器のあっせんを処罰する法律はない」、
「私は病院に指定された金額を支払っていただけ」。
中国で1年2か月の懲役刑に服し、国外退去処分を受けた
「中国国際臓器移植支援センター」の長瀬博之代表(52)は、
中国で108人の日本人の臓器移植を仲介したことを明かし、
「確かにビジネスだが、医師もビジネスだろう」などと正当性を主張。
しかし、フィリピンで昨年開始した臓器あっせんについては
「もうやめる」などと、あきらめたような表情を見せた。

--中国に進出した経緯は?

「瀋陽(遼寧省)で光触媒の塗料を扱う会社を経営していた頃、
日本の友人が肝臓移植が必要になり、調べると、
中国では多くの移植手術が行われていた。
1000人を超える臨床経験の医師がいる。
これだけのところなら、日本の患者も移植手術できるという前提で開始」

--これまで移植を仲介した日本人は何人か?

「108人。1年2か月間、拘束されている間、
妻に『非常に感謝している』との連絡があったようだ」

--臓器移植法に違反するとの指摘があるが

「中国には、臓器移植のあっせんをとがめる法律はない。
日本では待っていても移植はできない。
法律で許されている国があれば、そこへ行くのは当然。
私のやっていることは、もちろんビジネスだが、医師だってビジネスだ」

--何百万円もの金を払うから移植を受けられるのではないか

「私は病院の指定する金額を払って、日本人患者を紹介しただけ。
経費は受け取っていたが、経営はぎりぎりだった」

--こういう形で中国から出国したことをどう思う

「ものすごく残念。私にしかできない天職だと思っていた。
たくさんの患者が本当に涙を流して、
喜んでくれるのを見てここまで続けてこられた」

[解説]中国側捜査協力 立件のカギ 

日本臓器移植ネットワークに登録して腎臓移植を待つ患者は1万人超。
しかし手術を受けられるのは、生体移植、心停止後の移植を含め
年間1000例程度で、海外に渡航して移植をする患者は後を絶たない。
中国で長瀬代表が逮捕された後も、長瀬代表と渡航移植を契約した
患者数人が別の渡航移植仲介業を探し、待機している。

臓器移植法を巡っては2006年10月、
「宇和島徳洲会病院」(愛媛県宇和島市)での生体腎移植の際、
臓器提供の見返りに現金30万円などを渡したとして
患者や内縁の妻が逮捕された事件以外、
同法違反で立件されたケースはない。

厚生労働省はこの事件をきっかけに、
親族以外の第三者から生体移植を受ける場合、
移植施設の倫理委員会で承認を受けることを求める指針を策定したが、
海外での「臓器移植ビジネス」に歯止めはかけられていない。

警察当局が中国での臓器仲介の捜査に乗り出すのは、
こうした現実を放置したままでは、「無償」、「善意」を前提にした
国内の臓器移植システムが崩壊しかねないからだ。
患者の救済を名目に高額な仲介料がやり取りされれば、
利益優先の悪質な業者がはびこる可能性もある。

立件には、臓器を提供した中国人を特定し、
移植を受けた日本人の臓器とDNAが一致することや、
仲介料の支払いがどこで行われたのかを確認する必要がある。
このためには中国側との緊密な捜査協力が不可欠で、
日中両国の捜査当局がどのように協力関係を築くのかが注目。

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=82827

「中国で臓器仲介」聴取へ…臓器移植法違反容疑

(読売 2008年11月12日)

警察当局は、中国で日本人への臓器移植仲介事業を手掛けていた
「中国国際臓器移植支援センター」(本部・遼寧省瀋陽市)の
長瀬博之代表(52)について、週内にも
臓器移植法違反容疑で事情聴取する方針を固めた。

同センターの業務が、営利目的での臓器のあっせんを禁じた
同法に違反する疑いが強いと判断。
警察庁も今後、中国公安当局に捜査協力を要請する方針で、
日中両国をまたにかけた臓器提供ビジネスの刑事責任追及に向け、
本格捜査に乗り出す。

同センターは、2004年からインターネット上のホームページ(HP)で、
腎臓の移植希望者の募集を始め、申し込んだ日本人に、
中国人の臓器提供者をあっせん。

移植手術は、提携先の上海や瀋陽の病院で中国人医師が執刀。
HPの説明では、費用は手術代も含め腎移植が780万円以上で、
肝移植は1300万円以上に上る。

この事業を巡って、中国の瀋陽市公安局は昨年9月、
〈1〉法人登記の業務範囲の逸脱
〈2〉臓器売買を禁じる中国衛生省の関連規定違反--の疑いで
長瀬代表を逮捕した。

しかし起訴段階では、罪状が「虚偽広告罪」に切り替わり、
先月30日、瀋陽市中級人民法院(日本の地裁に相当)が懲役1年2か月、
罰金10万元、国外追放の判決を言い渡した。
刑期が今月10日に満了になったため、長瀬代表は11日夕、帰国。
成田空港に到着直後、読売新聞の取材に
「これまで108人の移植の仲介をした」。

警察当局では、中国の裁判で臓器移植の仲介行為が審理されていないことから、
同じ事件を2度裁くことを禁じた「一事不再理」にはあたらないと判断。
厚生労働省と協議のうえ、長瀬代表が中国渡航前に
神奈川県内に住んでいたことから、同県警を中心に捜査を進めることに。

国内の臓器移植希望者は1万人を超え、海外での移植を目指す人も多い。
厚労省研究班の2年前の調査によると、
中国では少なくとも106人の日本人が腎臓移植を、
14人が肝臓移植をしていたことが判明。

警察庁は、すでに国際刑事警察機構(ICPO)を通じ
中国側に捜査結果を照会するなど、
長瀬代表の仲介で移植手術を受けた日本人と
中国人臓器提供者の特定を急いでいる。

◆臓器移植法

1997年10月に施行された脳死の判定基準や移植手続きを定めた法律。
第11条で臓器の提供や仲介に伴って利益を受けることなどを禁じ、
20条には海外での同様の行為も対象とする「国外犯規定」がある。
違反すると、5年以下の懲役または500万円以下の罰金。

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=82828

2008年11月15日土曜日

特集:働く女性(その2止) 働く女性の身体と心を考える

(毎日 11月9日)

中林座長
次は「代替要員の確保方法」について。
学校現場は、制度が非常によくできている。
校長先生が、「診断書に1カ月と書いてくれないと代替の教員が雇えない」と言う。
ところが書いてしまうと、1週間後に流産して、すぐに働きたくても
代替の人が来ていて働けないと文句を言う人もいる。

鈴木委員
育児・介護休業を取った場合、届け出た休業期間より早く戻るのは
認められていない。

中林座長
だから我々は、中途復帰はできないと相手に念押し。
実態に見合わない話だが、代替要員をどうやってうまく確保したらいいのか。

鈴木委員
一般の企業は、派遣社員を頼んでいる場合が多い。
初めから、育児休業の代替要員で期間限定と言って来てもらう。

内山委員
ジョブローテーションというのは、職場でのやりくりになるのか?

中林座長
そうでしょうね。

小畑委員
ある製造業の職場では、製造ラインの特定の部分で作業するのではなく、
いろいろなところにローテーションで入って作業できる「多能工」を育成し、
作業負担の軽減と業務のカバー。

内山委員
いろいろな作業に対応できるなら、過重労働の対応にもつながる。

小畑委員
妊娠中は立ち作業だけではなく、座れる作業を組み合わせるなど、
作業態勢も考える必要。

鈴木委員
銀行などは、不正防止のためもあるが、業務を短期間に交代。
誰かが休んでも、他の人に任せられる。
ジョブローテーションというのは、結構重要。

内山委員
企業の現状を見ると、代替要員の確保以前に、
まずは同僚がお互いにカバーし合う職場でのやりくり。
問題は、過重労働にならないような配慮。
やりくりは結局、上司や同僚による残業になる。
特に中小企業は、無駄な仕事をやめるため業務の見直しを行い、
「無駄取り」といって、どれをやめてどれをやるか、社内で検討することも大事。
そうしないと、誰かが過重労働に。

鈴木委員
育児休業中は、企業は給料を払わないところが多い。
社会保険料も労使とも免除に。
その分、休んだ人の給料で代替要員として派遣社員を雇えばいい。
雇う費用は、社会保険料の免除分を足しても、
休んだ人の給料を少し上回る程度。

北浦委員
代替要員を雇っても、必ず周りに業務のしわ寄せはいく。
代替要員が、休んだ人の仕事を完全にカバーできるわけではない。
できない部分は、上司や同僚に回る。
休んだ人の代替ではなく、その職場単位でカバーするために
代替要員を考えるというような発想でないと、過重労働を防ぐのは難しい。

中林座長
育児は数年にわたるので、やはりワークシェアリング。
当院も、子育て中の女性医師が2人で1人分働く曜日ごとの交代制を取る。

小畑委員
私事で恐縮ですが、私は20代後半から約10年間に産業医をしながら
4人の子を出産。育児休業は、ほとんど取っていない。
長女の小学校入学を機に、第3子出産前に実家の裏に家を建てて引っ越した。
両親におんぶに抱っこの毎日だが、4人生まれるとフルタイムはきつく、
第4子出産の1年後フリーに。
30代前半までは夫に合わせて勤務先を変わったり、
留学にもついていったが、今は夫が私に合わせて遠距離通勤。

鈴木委員
いろいろな働き方を考えるべき。

長井委員
職種によって、代替要員がどういう時に本当に必要で、
カバーし切れないのはどんな時か、現実の事例がわかると、
働き方を考える上でイメージがわく。

鈴木委員
専門的な職能で分かれている業務だと、完全な代替は難しい。

中林座長
「制度に関する研修」はどうか?

大久保委員
管理職の研修が一番大事。

中林座長
管理職研修は、まだまだ不十分。

鈴木委員
新入社員研修の時、就業規則について詳しく説明するのも、とても大事。

北浦委員
管理職研修をやっていなかったり、効果がないのは、
そもそも該当者がいない場合が多い。
該当者が出てきた時に、管理職が自分のこととして人事部に聞きに行く。
そういう個別的な対応も、推奨した方が有効。

中林座長
「申請から実施までの流れ」に関して、我々産科医は、
赤ちゃんの心拍が見える妊娠7~8週以降、
安定して流産の可能性が少なくなったいわゆる3カ月に入ってから、
会社に言ったらどうですかと女性に話している。

百枝委員
予防的な観点からは、妊娠がわかった時点で会社に言っておかないと、
切迫流産に対する処置が遅れるという恐れ。
そこは微妙かなと思う。

中林座長
女性の考え方で違う、と。

百枝委員
女性の価値観や考え方によって、ケース・バイ・ケース。
産科の外来では、患者さんの半数が仕事を持ち、
体調が悪くても休めない人が多く、月に2、3人は医学的に問題のある人がいる。
妊娠・出産期の業務軽減が、キャリア形成にマイナスだと考える女性も。
キャリア形成に響かないようにすることが、企業に求められている。

中林座長
次に「男性社員育児参加のための取り組み」。
男性の育児休業取得率10%という国の目標があるが、
企業の風土が変わる必要。
男性は残業ばかり、女性は家事も育児も、となると女性の負担に。
その上介護まで加わると、仕事との両立はとても無理。

鈴木委員
育児休業は、男女五分五分で取ってほしい。
法律で、子供ができたら男性も、女性も半分取るべきだと決めてくれたら一番いい。
企業というより、国として男女五分五分の責任を明確にする。

北浦委員
その条件として、女性の就業率がもっと上がるようにならないといけない。
もう一つ問題が、大企業に「なぜ男性が育児休業を取らないんですか」と聞くと、
「うちは必要がないから」と言われてしまう。
奥さんが専業主婦だから必要ない、と。
この意識も、変えていかないといけない。

鈴木委員
現在育児・介護休業法を変える議論をしていて、女性の産後休業の時、
父親である男性も一緒に育児休業を取ることを促進する話し合いがされる。

北浦委員
労使協定で取れるようにしても、たぶん男性はいやがって取らない傾向が
非常に強いんじゃないか。

中林座長
今の日本は、残業で成立。
残業できないで帰宅する人は要らないよ、と思うこと自体がおかしい。
社会が成熟して、男性が家事、育児をするのも仕事だと、
皆が考えるようになっていかないと。
そういう風土づくりは時間がかかるが、
こういう委員会で意見を言っていくことが必要。

「妊娠中の健康管理」については、妊娠中に2~3割ぐらいの人は、
むくみなどのマイナートラブルに始まりいろいろなトラブルがある。
その場合は、気兼ねなく休むのが大事。

内山委員
「他の企業へのメッセージ」では、母性健康管理をはじめとした取り組みが
社内の業務効率を見直すきっかけになったとか、
さらに広いライフステージへの支援につながっているという点が重要。
女性の働き方を考えることが、全体の働き方を考えることになる。

大久保委員
母性健康管理も大事だが、それをやることによって
働く人すべての環境がよくなるし、雰囲気もよくなるし、
結局それは企業の前進につながる。

中林座長
その点を、これからも大いに議論しましょう。
==============
◆母性健康管理指導事項連絡カード
診断書に代わって、妊産婦の症状ごとに求められる職場での対応と
その期間を、事業主に示す文書。
つわりの症状が著しい場合は勤務時間の短縮、
胎児の発育の軽い遅れには作業の制限、重症の高血圧には休業など、
事業主が取るべき対応の目安が書かれ、指導項目に医師が○を付ける。
発行の料金は、医療機関によって違い、
無料や診断書と同額の場合もあるが、診断書より安価な場合が多い。

医師の指導内容を、事業主に的確に伝達するため、
医療機関、女性労働者と事業主の連携ツールとして作成。
改正男女雇用機会均等法を受けて、事業主が取るべき母性健康管理の
措置を示した97年の労働省(当時)の指針で様式が定められている。
02年度から母子健康手帳の巻末に収録、A4判に拡大して使う。
インターネットからダウンロードもできる。

認知度がまだ低く、ここ1、2年の女性労働協会の調査では、
カードの存在を知っている女性労働者は30%に過ぎない。
http://www2.mhlw.go.jp/topics/seido/josei/hourei/980801-30w.doc
http://www.jaaww.or.jp/about/pdf/document_pdf/card.pdf
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◇長井聡里(ながい・さとり)
すてっぷ産業医事務所長。大阪労災病院産婦人科、
松下電工本社健康管理室長、産業医大産業医実務研修センター講師などを経て、
08年産業医として独立。
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◇小畑泰子(おばた・やすこ)
おばたやすこ労働衛生コンサルタント事務所長。
三菱重工業下関造船所産業医、産業医大産業医実務研修センター助手を経て、
04年7月産業医として独立。
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◇百枝幹雄(ももえだ・みきお)
東京大医学部産科婦人科学教室講師。
焼津市立総合病院、長野赤十字病院などを経て
89年東京大病院産婦人科助手。
92~94年米国立衛生研究所に留学。04年から現職。

http://mainichi.jp/life/health/news/20081109ddm010040039000c.html