2008年12月15日月曜日

30年使用可能な人工関節開発へ ナカシマメディカルと阪大など16機関

(じほう 2008年12月8日)

現在の人工関節よりも耐用年数が長く、生体融合性に優れ、
患者1人1人の関節にフィットした「パーソナライズド人工関節」の
提供に向けて、産学連携の研究が動き出した。

革新的技術の開発を目指し、政府が今年度創設した
「先端医療開発特区」(スーパー特区)の1つに先月、
ナカシマメディカルと大阪大、岡山大、京都大、名古屋大、
産業技術総合研究所(産総研)など16機関42人で取り組む
人工関節のテーマが採択。

2012年度までに、基盤技術の開発、生産技術、臨床研究などを行い、
30年以上の使用に耐え得る人工関節を世に送り出したい考え。

65歳以上高齢者の約5人に1人が、運動器障害を持つといわれる中で、
人工関節の市場は増大傾向に。
関節の悪い部分を削って取り換える治療法で用いられる
人工関節の一般的な耐用年数は約15年。

患者の多くは60歳前後で導入するため、平均寿命が延びた昨今、
より長期にわたって人工関節を使用するとすれば、
導入時期を遅らせるか、入れ替え手術を実施しなければならなくなる。
国内整形外科インプラント市場の約9割は、海外メーカー製品が独占。
シェアは10年前から大きく変わらず、輸入に頼っている。

こうした状況を、日本発の技術で解決しようという取り組みが加速。
ナカシマメディカル(ナカシマプロペラから11月に分社化)と
阪大・岡大・京大・名大・産総研など16機関のチームは共同で、
13年前から「人工関節の機能高度化研究会」を結成。
個々の患者に融合する人工関節を作成し、
耐用年数を現在の15年から30年以上に延ばす研究に取り組んできた。

しかし、研究成果の実用化をめぐり制度面の障害が存在。
基盤技術の治験や承認申請に、多くの時間がかかってしまう点。
実際、重点テーマの1つである人工関節の摩耗を防ぐ技術は、
申請から10年がたつが製造承認待ちの状態で、
昨年、一足先に欧米企業が米国市場で製品化。

政府が、再生医療医薬品・医療機器の研究開発を促進するため、
今年度創設したスーパー特区の公募がスタート。
スーパー特区は、硬直的な研究資金の弾力的な運用を認め、
厚生労働省など規制当局と開発段階から意見交換や相談を行うことで、
革新的技術の開発に弾みをつけることを目指す。
研究期間は、12年度までの5年間。

同研究会の代表者であるナカシマメディカル常務取締役の藏本孝一氏は、
スーパー特区に応募した動機について、
「優先審査といい、治験段階からの相談制度といい、
われわれの研究会が求めているものにぴったりと思った」
同研究会が中心となり9月に応募し、11月18日に採択されたことが発表。

◆5つの基盤技術で耐用年数30年以上に

人工関節には、3つの問題点が存在していると藏本氏は指摘。
<1>人工関節製品の形状の中から、患者の関節形状により近いものを
選んで使用するため、人工関節がフィットしない患者が存在
<2>骨と人工関節がなじまない
<3>人工関節の軟骨部分であるポリエチレンが徐々にすり減る-の3つ。

問題を解決するため、同チームは5つの基盤技術をもとに、
生体融合性に優れた人工関節の開発を行っている。

その1つである「ビタミンE添加UHMWPE」は、
人工関節で避けることのできなかったポリエチレンの摩耗を、
ビタミンEの抗酸化作用を利用して防ぐ技術。
京都大の富田直秀氏とナカシマメディカルで開発。

チタン合金「Ti-15Zr-4Nb-4Ta」(チタン、ジルコニウム、ニオブ、タンタル)は、
産総研の岡崎義光氏らを中心に開発している新技術。
従来の人工関節のチタン合金中には、生体への悪影響が懸念される
アルミニウムやバナジウムが含まれていたが、これを取り除こうとしている。

力学的な知見から、強力な骨が形成されるように人工関節表面の
穴の方向を制御する「異方性孔構造」技術(大阪大・中野貴由氏ら)
骨の形成速度を速めるための人工関節表面構造の処理技術
「GRAPE Technology」(岡山大・尾坂明義氏ら)も。

「Bioactive Bone Cement」と呼ばれる特殊なセメント(名古屋大・大槻主税氏ら)
の開発も行っている。
従来のセメントでは、骨と人工関節部分が5-10年でゆるんでしまっていたが、
これを強力に接着させる新技術。

◆患者にフィットした人工関節の作成技術も開発

プロジェクトは、厚生労働省などと開発段階で相談し、
優先審査制度も利用することによって、5つの基盤技術の確認申請から治験、
製造承認を早期に取得したい考え。

次の段階として、基盤技術をもとに人工関節の生産ラインの開発、
生物学的安全性の評価、機械的特性評価、臨床評価を行って、
生産システムの運用の承認をとるまで5年間のロードマップを作成。

大阪大の村瀬剛らのグループは、患者の関節形状や動きなども加味し、
患者にフィットする人工関節の作成技術を開発。
09年度中をめどに、CTなど医用画像を利用した
「パーソナライズド人工関節」作成技術の開発を目指す。

10年度以降は、開発された人工関節を効率よく製造し、
販売する体制づくりをナカシマメディカルが検討。
人工関節は、千葉大・岡山大・大阪大などの施設で臨床評価される予定。

取締役の土居憲司氏は、「時間もコストもかかるが、
患者さんのことを考えた場合、パーソナライズド人工関節の開発に
取り組むメリットは大きい」

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=84534

医師配置に格差 地域医療の危機 揺れる県立病院再編案/4

(毎日新聞社 2008年12月7日)

県立久慈病院に勤める看護師、小野寺るり子さんは今秋、
腹痛で運ばれてきた20歳代の女性患者を思い出すと、今でも肝を冷やす。
「女性が助かったのは、たまたまだったんです」

小野寺さんが当直の夜、腹痛を訴える女性が運ばれてきた。
子宮外妊娠が判明。
産科医を呼び出し、手術が始まった。麻酔をするのは、当直の外科医。

久慈病院は06年、1人しかいない常勤の麻酔科医が異動して不在に。
県医療局労働組合久慈支部によると、
外科医ら麻酔を行うことができる医師が代役を務め、
全身麻酔を要する手術は行わないようにしている。

子宮外妊娠の女性が手術した夜、もし麻酔のできる医師がいなければ、
救命救急センターがある別の基幹病院に搬送しなければならない可能性も。
最寄りの県立二戸病院に行くにしても、
救急車の手配や手術の準備などで2時間近く必要。
「搬送したら、間に合わなかったかもしれない」。

同支部長で、主任看護師の韮山弘子さんは、
「たった1人の常勤医を、年中無休でこき使っていたようなもの」
当時30歳代だった麻酔科医は、通常の手術に加え、
救急患者が搬送されれば呼び出される。

県立釜石病院にも、定期的に診療応援。
週1回、岩手医大に麻酔科医を派遣してもらったが、
抜本的な解決につながらなかった。

県防災消防年報や久慈病院の調査によると、
久慈地方(久慈市、洋野町、野田村、普代村)の救急出動は、
05年1457件から07年1594件と増える傾向だが、
久慈病院の1日平均救急取り扱い件数は、
05年度37・5件から07年度35・6件に減少。

同支部は、「麻酔科医不在の久慈病院を敬遠し、
重症者は盛岡市や青森県八戸市の病院に搬送しているのかもしれない」

麻酔科医などの専門医の不足は、久慈病院に限った問題ではない。
国は83年以降、「将来の医師過剰」を理由に医学部の定員を削減。
04年現在、人口10万人あたりの医師数は200人で、
経済協力開発機構(OECD)加盟国の平均310人を大きく下回る。
医療が高度になり、診療科が細分化したことも拍車をかけた。

医療法で定められている必要医師数の充足率(08年)で見ると、
県医療局全体の平均は134・0%。
県央・県南部の基幹病院は205・8-141・0%と上回っているのに対し、
県北・沿岸部は98・4~126・9%と下回り、内陸部との格差が際立つ。

こうした現状に県医療局は、新経営計画で、
「各病院の役割・機能を踏まえ、医師の配置を設定する」とうたうが、
県立中央病院の望月泉副院長は、
「計画通り無床化しても、医師は勤務が厳しい基幹病院に戻らず、
(個人)開業するのでは」と首をかしげる。

県医療局の根子忠美・経営改革監は、
「来年度の人員配置は未定。
新経営計画の策定後、来年4月に向けて詰めていく」
新経営計画を進めると、地域の救急、専門医療を担うとされる
基幹病院の役割は果たせるのか、肝心の医師の配置は不透明なまま。
……………………………………………………………………………
◇医療法による医師充足率(研修医除く 県医療局まとめ)
病院名   充足率(%)
中央     205.8
花巻厚生  147.1
北上     163.0
胆沢     141.0
磐井     188.0
大船渡    119.5
釜石      98.4
宮古     126.9
久慈     124.6
二戸     111.6
医療局平均 134.0

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=84515

地域が支える学校(9)班で助け合い 協同学習

(読売 12月12日)

学校再生につながる授業がある。

岡山市立岡輝中学校の理科室で、2年生が男女4人のグループごとに、
水を電気分解する実験。
ある班が、水素に火を近づけた時、水かさが増したことに気づくと、
吉岡真二郎教諭(42)が全員に話しかけた。

「水が増えたと言う班があるけど、みんな見てた?」。
別の班から「確かに増えた」と声が上がる。
「どうしてだろう。みんな考えてみて」。
その言葉を合図に、生徒たちがグループで意見交換する。

1人の女子生徒が発表のために立ち上がると、
教諭は生徒と生徒の間にかがんで姿を隠す。
意見は、教室の全員に伝えてほしいからだ。
吉岡教諭は、「先生は、生徒の意見を別の生徒に橋渡しする役。
生徒が人とのつながりを感じる授業が理想

岡輝中が昨年度から始めた協同学習の授業。
グループ単位で助け合いながら課題をこなす。
生徒も発言しやすいし、友人に教えることで教える本人の理解が深まる。
森谷正孝校長(59)は、生徒が自然に「教えて」と口にできる
「やわらかい人間関係」を、作ることが大切だと考えている。

岡山市には、複数の学校による地域協働学校という独自の制度がある。
地域住民らが学校運営に参画するコミュニティスクールは通常、
個々に指定するが、岡輝中では、小学校2校と幼稚園・保育園3園も
加わった協議会で、学校運営の方針を話し合う。

協同学習の実施は、その協議会の場で森谷校長が提案。
委員からは、「学習面で学校を変えようという話は今までなかった。
地域も応援するので、ぜひ成功させてほしい」と賛同を得た。

地域全体での活動にこだわる背景には、「荒れた学校」の再生がある。
かつて、同中では授業について行けない生徒が机に伏せたり、
教室を出て行ったりする姿があった。
不登校の生徒は、1割を超えていた。
一人親家庭の割合が高いなど、生活環境が厳しい生徒も少なくない。
子供たちの学力保証には、幼少期から、学校、家庭、地域が
連携を密にする体制が不可欠。

導入から1年半。
同中で、授業中に教室を出て行く生徒はいなくなった。
「生徒の居場所が教室の中に出来てきた」と森谷校長は手応えを感じている。
今年度からは、小学校でも協同学習が始まった。

教員の多くが、「生徒の表情が変わった」と口をそろえる。
「友達の考え方は参考になるし、伝えるために一生懸命理解しようとする」と
2年生の女子生徒(13)が協同学習を評価。

同中では地域の人に学校を見てもらうため、
1人の教員が年2回は公開授業を実施。
保護者には、「入試に対応できるのか」という声もあるが、
今後は、保護者が参加する協同学習も企画、学習成果をまとめ、
保護者に説明することも始める。

地域が関心を持ち、地域と共に歩む学校の姿が形になってきた。

◆地域協働学校

中学校区単位で、学校の運営方針を話し合う学校運営協議会を作る
岡山市独自の組織。
協議会の委員には、町内会の役員や民生委員、学校園長らが入る。
岡輝中学校区をモデルに2005年度から始め、
現在は市内37中学校のうち、10中学校で実施。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20081212-OYT8T00195.htm

日本は世界を向いているか

(サイエンスポータル 2008年12月9日)

米科学誌「サイエンス」11月21号の論説欄に、
「世界に向けた日本へ」という黒川清・政策研究大学院大学教授の
記事が載っている。

黒川氏は、「今日のグローバル競争においては、型破りな才能を持つ、
進取の気性に富んだ人材が求められ」、
さらに「いずれの国にとっても、科学、技術、イノベーションへの投資は、
国の経済成長にとって極めて重要」であることを強調。

人材、リーダーの育成に、大学が重要な役割を担うことを指摘し、
政府が科学教育・研究に対する支援を行っても、
「将来を担うべき学生の可能性を十分に伸ばしきれていない」

日本の大学の現状に厳しい目を向けている。
「世界の最も有望な学生を引き寄せるばかりでなく、
トップレベルの人材を教授に、さらには学部長、学長、総長などの
ポストに招聘している」海外の主要大学の動きを挙げて、
大学が世界に門戸を開くことの重要性に言及、
トップに外部から人を招くことが依然として例外的でしかない
日本の大学に警鐘を鳴らした。

「日本とアフリカの大学・研究機関の教員、学生が参加する
二国間共同研究プロジェクト」と、
「主要大学30校を対象に、全学生の少なくとも1割を今後5年以内に
海外へ交換留学させることを目標とする交流プログラム」が
2009年度予算案に盛り込まれていることに期待を表明し、
これらが承認されないと日本が
「150年前、ペリー提督が日本の扉を世界に開いた以前の時代に
戻るのではないかと心配だ」と結んでいる。

黒川氏は、日本学術会議会長、内閣特別顧問を歴任し、
この間、日本が国際化を急ぐ必要性を一貫して主張。

今回の論説の中でも、日本の国立大学約80校中、
女性の学長がお茶の水女子大学だけにしかいないことや、
海外へ留学する学生の数が米国だけを見ても、
ここ数年で46,000人から35,000人に急減しているといったデータを示し、
日本社会にはびこる「島国精神に満ちた、階層的タテ構造の
男性優位な社会システム」を批判。

http://www.scienceportal.jp/news/review/0812/0812091.html

2008年12月14日日曜日

新型インフル瞬時に検出 診断3-5分、重症度も 空港検疫に威力発揮 滋賀の大学とメーカー

(共同通信社 2008年12月9日)

猛毒の新型インフルエンザウイルスなどを瞬時に検出し、
診断時間を従来の20分から3-5分へと大幅に短縮できる検査法を、
長浜バイオ大などの共同研究チームが研究開発し、
バイオ機器メーカーと実用化に乗り出した。

ウイルス表面の抗体に結合し、光を発する特殊なタンパク質を
「標識」として利用。
判定時間が短く、重症度も分かるため、
海外からの旅行客が多数入国する成田空港など
国際空港の検疫チェックでは特に威力を発揮できる。
1年後の実用化を目指す。

厚生労働省結核感染症課は、
「素早くできる高感度の検査法の開発は歓迎だ。
専門的な検証は必要だが、新しい手法で注目できる」

現在の検査法は、試薬を塗った棒にのどの粘液を付け、
試薬が反応して変色、ウイルスの有無を確認できるまで20分ほどかかる。

研究チームによると、新開発の検査法では、レーザー光線を当てると
瞬時に蛍光を発するタンパク質を、ウイルス表面の抗体に結合する形に。
これを入れた溶液に、のどの粘液を混ぜてレーザーを照射すると、
感染していればウイルスに付着したタンパク質が発光し、
3-5分以内にウイルスの有無を診断できる。
ウイルスの数も測定できるため、重症度も分かる。
既に従来型のインフルエンザで臨床試験を実施、効果を確認。

同大の長谷川慎講師は、「ウイルスの抗体があれば、
『標識』は容易に作ることができるし、従来の検査法より感度は100倍。
病原体の種類ごとに『標識』を作り出せば、
はしかや食中毒、ピロリ菌でも応用できる」

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=84626

朝バナナ・ダイエット 過剰な健康志向、市場振り回す 追跡2008

(毎日新聞社 2008年12月7日)

この秋、バナナが全国の店頭から消えた。
スーパーの開店と同時に買い占める客が殺到、
昼前には売り切れる店が相次いだ。
騒ぎは1カ月で収束したが、
納豆やココア、寒天などに減量効果があるとして品薄になったのも最近のこと。
「日本人は、ダイエットに固執して食べ物をえり好みする傾向が強い」。

◇メディアがブーム加速

今回のバナナ騒ぎを振り返ってみよう。
10月初旬、名古屋市「松坂屋ストア」。
開店と同時に、10人以上の女性客がバナナ売り場へと走り出した。
普段は1房しか買わない女性も、3-4房を買い物カゴへと放り込む。
昼までには、売り場からすべてのバナナが消え去り、
果物売り場にぽっかりと穴が開いた。
こんな光景が、1カ月以上も続いた。

同店の林雅道店長は、「毎日食べていたというお客様から、
『買いたいのに買えない。迷惑だ』という苦情も。
納豆ダイエットの時よりすごかった」

ブームの下地は、インターネットにあった。
国内最大級のソーシャルネットワーキングサービス「mixi」に、
朝食を水とバナナだけにする朝バナナダイエットを語り合う
コミュニティが登場したのは、06年7月のこと。

この方法でのダイエット本が出版され、ミクシィでの参加者も増加。
派生したコミュニティは、今でも2万5000人が登録、
朝バナナの実践と、ダイエットの進行を報告し合っている。
朝バナナの関連本4冊は、11月上旬までに計90万部を売り上げる
ベストセラーにもなっている。

9月、テレビが店頭からバナナが消えるほどのブームに押し上げた。
日本テレビの人気情報番組で6-8月に3回、取り上げられたのを機に、
ネット外でも認知度がアップ。

9月中旬には、TBS系情報番組でタレントの体験談として、
「約1カ月半の朝バナナダイエットで、7キロの減量に成功した」と紹介。
スーパーに客が殺到、1、2日でたちまちバナナ不足に。

バナナ輸入量で国内首位のドールは、
テレビで朝バナナダイエットが紹介された6月以降、ブームを予想して、
輸入量を前年比約3割増やして対応。
バナナなど農産物は、年間生産量が限られているため、
日本の輸入量を増やすため、アジア各国から少しずつ融通してもらう必要。
それでも、各小売店で売り切れが続出、市場価格も押し上げた。

愛知県知多市のスーパー「タツミ」では、通常380円で売られていた
約15本のバナナが付いた房が、一時は700円近くまで上がった。
それでも飛ぶように売れ、1週間前から予約を取って対応。
1房に4-5本のバナナが付いた商品は、仕入れることもできなくなった。
同店で働く女性は、「あれほどあったバナナが、こんなに売れるなんてねえ」。

バナナがいつも通りに買えるようになったのは、10月下旬。
ブームは収束したが、値段は一部で高止まりしたまま。
名古屋市消費流通課によると、同市中央卸売市場における11月下旬の
バナナ1キロ当たりの卸売価格は、昨年同期より35円高い174円。
9月のテレビ放送後、一時は200円近くにまで急上昇。
平年なら120-130円台に値が落ちる夏場も、
今年はブームのハシリで150円台後半-160円台を推移。

★さまざまな食品登場

日本では毎年、ダイエット食品ブームが起きていると言っても過言ではない。
その歴史は、30年以上前にさかのぼる。

1975年前後に流行した紅茶キノコ
旧ソ連の家庭で伝統的に飲まれていた飲料、
簡単に台所で栽培できることから大ブレーク。
効能として、▽血庄が下がった、▽胃腸が丈夫になった、
▽肝機能が元に戻った、▽自然にやせた--などがあるともてはやされたが、
医学的には根拠がない。

フィリピンのトロピカルフルーツだった「ナタデココ」が、
ダイエット食品としてもてはやされたのは93年。
翌94年には岐阜県を震源とする「野菜スープ健康法」がブレーク。

バナナダイエットは、85年にもブームになり、今年で2回目。
同様にココア(96年、07年)も2回のブーム。
インターネットでは、過去に流行した粉ミルク(84年)、ゆで卵(88年)、
黒酢(00年)などが依然としてダイエット食品として紹介、
テレビ番組などをきっかけにブームが再燃する可能性がある。

★日本の特殊性指摘

ブームによって、消費者が一斉に特定食品を買い集める構造をどう見るか?
群馬大の高橋久仁子教授(栄養学)は、
「特に最近のブームは、過剰な食料供給と健康志向を背景に、
消費者がテレビの情報に飛びついている」

07年に流行した納豆ダイエットでは、メタボリック症候群への関心が
高まったことで、中年男性までもがスーパーに走った。
情報番組で、バナナを3回も取り上げた日本テレビ総合広報部は、
毎日新聞の取材に書面で、「健康情報については、視聴者の関心も高く、
健康維持と予防を目的として、テーマを選び制作。
『バナナダイエット』に関しても、その観点から選んだテーマ」などと回答。

◆自信のなさ?

高橋教授は、「欧米では、総合的に体にいい健康食品がブームになるのに対し、
日本ではダイエット一辺倒なブームが発生しやすい」と特殊性を指摘。
日本人は、欧米人ほど肥満は少ないことは、統計的に裏付け。

世界保健機構の05年の統計では、
日本で肥満とされるBMIが25以上の女性の割合が、
アメリカ(72・6%)やイギリス(61・9%)では6割を超え、
日本(18・1%)は極端に少ない。
それでも、ダイエットに対し、特に女性が強いこだわりをみせている。

宮城大の樋口貞三教授(食品産業政策)は、
「美の追究というより、日本女性の自信のなさがブームにつながっているのでは」

◆都合よく解釈

キャベツダイエットを提唱したことがある
吉田俊秀・京都市立病院糖尿病代謝内科部長は、
「情報が独り歩きして、キャベツだけ食べればやせる、と誤解されるのは迷惑」

吉田部長が提唱した正しいキャベツダイエットは、
食前にキャベツを6分の1玉食べることで、胃に満腹感を与え、
全体の食事量を減らす。
キャベツに飽きたら、キュウリやトマトを加える。
繊維質で、ビタミンCが体によく、満腹感も得られるものをとり、
食べ過ぎを防ぐ手法で、そもそもは肥満の人のために考えられた。

吉田部長は、「ダイエットの方法は、太った原因や、減らす必要がある
体重によっても違い、百人百様だ。
特定の食品を食べ続けるだけで、やせるはずがない」

大事なのは、「正しい生活と、バランスの取れた食事や適度な運動」
取材を通じて実感したのは、こんな当たり前のことこそ、
健康的なダイエットにつながるということ。

◇効果不明だが規則正しい生活で体調改善

効果があるのかどうかを実際に試してみよう、ということで、
健康診断で、メタボリックシンドローム
(内臓脂肪症候群、腹囲男性85センチ、女性90センチ以上)に迫る勢いの
木村文彦記者(37)が、脱メタボに向けて、朝バナナダイエットに取り組んだ。

初日のウエストは82センチ、体重70キロ、体脂肪率は25・1%。
起床し、コップに常温の水とバナナ1本を用意。
一口ぐらいのバナナを、よくかんでから飲み込み、水を飲んだ。
食後は、意外と満腹感があり、「これならいけるかも」と思ったが、
空腹感が襲ってきて、ヨーグルトを食べて耐えた。約1時間運動もした。
夕食は、午後8時までに済まそうと心掛けたが難しく、10時までに済ませた。

3、4日経過し、朝1本のバナナとコップ1杯の水も慣れた。
お通じがよくなった気がしてきた。
2週間後、ウエストは83センチ、体重は68・4キロ、体脂肪率は23・8%。
ダイエット効果は不明だが、朝食を取ることで昼、夕食の量が減った気がする。
規則正しい生活をすれば、体調もよくなるということを実感。

◆バナナと日本人

日本に紹介されたのは16世紀、ポルトガルの宣教師が織田信長に
献上したのが最初と言われる。
1903年、台湾から正式に輸入が始まった。
「風邪を引いた時だけ食べられる」と言われる高級滋養食品だったが、
1963年に輸入が自由化され、エクアドル産やフィリピン産の流入が急増。
総務省の家計調査では、04年に1世帯当たりの果物の年間購入数量が
初めてミカンを抜いて1位になった。
今では「日本人が一番口にする果物」に。
……………………………………………………………………………
◇ダイエット効果がある、として流行した主な食品
   (年代はブームのピーク時)
1975年 紅茶キノコ
  85年 バナナ
  88年 ゆで卵
  92年 リンゴ
  99年 唐辛子
  00年 キノコ、おから、黒酢
  02年 低インシュリン食品、ビール酵母
  03年 アミノ酸
  04年 にがり
  05年 寒天
  06年 キャベツ、杜仲茶
  07年 納豆、ココア
  08年 朝バナナ
 (03年以降、コンニャク、豆腐、豆乳、バナナ酢などがはやった)

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=84518

偏る業務量 地域医療の危機 揺れる県立病院再編案/3

(毎日新聞社 2008年12月6日)

県立中央病院のレジデント(後期研修医)の桜庭伸悟さん(30)は、
タクシーに乗り込むなり、眠りに落ちた。
医師が不足している国保葛巻病院(葛巻町)で、
当直を務める診療応援に向かう途中。
中央病院で、診療応援の割り振りを担当する地域医療支援部長の
望月泉副院長は、「居酒屋タクシーならぬ、『毛布』タクシーです」

桜庭さんは、研修医になって5年目。
医師5人のチームで、20-25人程度の入院患者に対応。
平日は、毎朝7時に出勤。
午前8-9時は回診し、看護師らに指示。
同9時半には手術が始まり、終わるのは午後2時ごろ。

2件目の手術があれば、病床が消灯する午後9時を過ぎることも。
カルテ作成や標本整理などを済ませると、帰宅は翌日午前0時近い。

週1回は、中央病院で当直。
月1、2回の診療応援にも行く。
1回あたり、当直と翌日午前の外来診察をこなすのが一般的。
「基幹病院ではないので、救急患者も軽症がほとんど。
中央病院の当直に比べれば楽ですよ」と語るが、
午後中央病院に戻れば、手術が待っている。

診療応援があっても、受け持つ入院患者のカルテ作成など
日常の業務量は変わらない。

達増拓也知事は、県立病院などの無床化を柱にした新経営計画案について、
「医師が辞め、その分残る医師の負担が増している。
病院を集約して、勤務医の負担を減らすのが目的」

しかし、実際は全国平均を下回るとは言え、
人口10万人あたりの医師数は増えている。
県全体では、86年の144・0人(全国157・3人)から
06年の186・8人(同217・5人)に増加。
県立病院も、常勤医は減っているが、97年545人から07年613人増。
研修医の確保に努めた結果だ。

全国自治体病院協議会県支部長の菅野千治・県立宮古病院長は、
「内陸と沿岸部の病院間で、医師の負担が偏っている」と問題点を指摘。

県立の中核・基幹病院に運ばれた救急患者は、07年度延べ13万3047人。
医師1人あたり、県全体の318・3人に対し、
最多の大船渡病院は562・8人。
在籍医師や重症患者が多い中央病院の185・9人は別にしても、
2番目の花巻厚生病院230・7人の約2・4倍。

他の県立病院や市町村立の医療機関に派遣される診療応援も負担に。
沿岸部など常勤医が不足する病院・地域診療センターへの派遣で、
県立病院全体では、06年度5108件から07年度5729件増。

1人しかいない九戸地域診療センターの常勤医は昨年度以降、
体調不良のため入院患者の診療に専念。
外来や夜間・休日の当直は、基幹病院や岩手医大から派遣を求めた。
07年度の二戸病院の診療応援は、前年度比35・1%増の831件増。

中央病院の望月副院長は、県の言う無床診療所化による
中核・基幹病院の医師負担軽減について、
「次々に来る診療応援の依頼を断り続けているのが現状。
仮に無床化しても、業務量は変わらないでしょう」と否定的。
……………………………………………………………………………
◇中核・基幹病院の診療応援回数
     06年度 07年度
中央   2233 2238
大船渡   265  413
釜石    152  301
花巻
厚生    116  131
宮古    365  256
胆沢    326  577
磐井    682  681
久慈     84  102
北上    103   79
二戸    615  831
計    4941 5609

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=84493

16年五輪 東京不利に?

(朝日 2008年12月13日)

五輪招致はテレビマネー次第なのか。
ローザンヌで開かれた国際オリンピック委員会(IOC)理事会で、
そんな議論が持ちあがった。
16年夏季五輪に名乗りを上げている東京に、不利に働く恐れがあるだけに、
日本にとっても、気になる話。

きっかけは、キャリオン財務委員長の発言。
14年冬季、16年夏季五輪の米国向け放送権の契約が、
金融恐慌の余波で難航し、16年大会の開催都市をきめる
来年10月以降になりそうだと明かした。

「経済情勢は厳しく、テレビ局側から交渉を遅らせてほしいと要望がある」
ロゲ会長も呼応する。「景気回復を待てばいい。交渉する時間はたっぷりある」
これが、東京など4都市が争う招致に影をおとしかねない。

カギを握るのが、シカゴ(米)の当落。
米国開催になれば、夜のゴールデンタイムに生中継できる米国のテレビ局は、
CM料アップを見こんで巨額の投資をする価値がある。
リオデジャネイロ(ブラジル)なら時差は少ないが、
東京、マドリード(スペイン)だと条件は悪くなる。

本来、開催都市の選定と放送権交渉は何の関係もないが、
IOCの財源を潤してくれる米国のテレビ局の「威光」が、
シカゴの得票を後押ししないとは言い切れない。

10年バンクーバー(カナダ)冬季、12年ロンドン夏季の2大会の放送権料は、
総額38億ドル(約3534億円)。
米NBCは、約58%に上る22億100万ドル(約2055億円)を負担。
この2大会は、開催都市がきまる前に契約が成立していたが、
今回はその慣例が崩れそう。

14年冬季はソチ(ロシア)に決まり、うまみの少ない米国テレビ局にとって、
16年夏季は、時差の少ない開催都市にこしたことはない。

ロゲ会長は、「IOC委員の仲間は、財政的な理由ではなく、
スポーツの側面で開催都市を選ぶ」と正論を唱えたが、
05~08年期のIOCの最高位のスポンサー12社のうち、
4社が契約更新を見送るなど、五輪ブランドにも陰りが見える。

頼みの綱は、テレビマネー。
それは、開催都市を決める投票権を持つIOC委員の常識。

http://www.asahi.com/sports/spo/TKY200812130099.html

地域が支える学校(8)小中一貫 垣根なく協力

(読売 12月11日)

地域と協力する小中一貫教育が広がる。

児童生徒数約1780人、学級数53、教職員は嘱託を含めて約150人。
東京都三鷹市立にしみたか学園は、いまどき珍しい<大規模校>。
第二中学校、第二小学校、井口小学校で小中一貫教育を行うため、
2006年度からこの名前を名乗っている。

「これだけの規模で、3校が交流を図るとなると、
時間割調整が容易ではありません」と、
学園長でもある二中の大嶺せい子校長(59)。

3校による研究会は04年度から始まっていたが、
当初は互いの職員室に戻ると、「小学校は見た目を追い過ぎる」、
「中学校は相変わらずの詰め込みだ」と言い合っていた。
05年度に赴任した大嶺さんは、
「小学校と中学校の文化は違って当然。しかし……」と説得に努めた。

小中一貫教育の構想が浮上した際、地域からも反対の声が上がった。
「学校が統廃合されてしまう」という誤解も。
学園ができた翌年度、3校は地域住民らが学校運営に参画する
コミュニティスクールの指定を受けた。

学園では、学級担任制から教科担任制に変わるという
環境変化に対応するとともに、特に苦手意識が出やすい数学で
習熟度別授業に力を注ぐ。
中学校の基礎クラスの教室には、小学校の元担任らも入る。

小中のギャップを小さくするため、小学校2校の6年生は、
長野県の自然教室で、2校の児童混合の班を作り、3泊4日を過ごす。
事前に話し合いの場を持ち、イベントも開いている。

6年の2学期には、小中の教員が協力して、
選択制学習と呼ばれる時間を7時間設ける。
発展的な内容を中心に、15コースほどのメニューを用意。
11月に行われた公開授業でも、「世界の気候と日本の気候」、
「科学の世界を広げよう」といったタイトルで、5教科が披露。

小中学校の児童会と生徒会が、夏休みのボランティア活動や
地域での清掃活動について一緒に話し合う。

中学生は、小学校の夏休みのプールでのボランティアや、運動会での受付も。
「中学生になったらお兄さん、お姉さんとしての役割を果たすんだ」と
小学生に自覚させる効果も大きい。

地域も一貫教育を支える。
3校が一つの学園を名乗ることで、学校が小中の別なく、
保護者の協力を得やすくなった。
「中学校で、小学校の保護者に出くわすことも珍しくない」と
他校から赴任してきた教員を驚かす。

学校に協力する地域の「サポート隊」には、約370人が登録。
家庭科でミシンの指導をしてもらったり、同窓会を通して地域の古老に
戦時中の話をしてもらったり。
3校のマンパワーが発揮されるのはこういう時。

大人の姿を見て、ボランティアに取り組む子供たちが増えてきた」と大嶺さん。
地域との関係が、これまで以上に深まることで
「学校がどうやったら地域の役に立てるかを考えている」。
地域が学校を支える例は多いが、逆の発想も必要かもしれない。

◆連携の背景に法改正

小中学校の連携教育や一貫教育を進める自治体が急増。
その背景には、改正教育基本法を受けて、学校教育法に
義務教育9年間の目標が具体的に規定された。
三鷹市では、小中一貫教育を全域に広げようとしており、
2009年秋には、市立小中学校22校すべてが
中学校区ごとに7学園でくくられる。 

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20081211-OYT8T00195.htm

2008年12月13日土曜日

高コスト体質 地域医療の危機 揺れる県立病院再編案/2

(毎日新聞社 2008年12月5日)

「無床化は絶対に行わないこと」。
県医療局の新経営計画案を受け、入院ベッドを廃止する無床診療所化の
対象になった県立病院・地域診療センターがある地元6市町村の
首長、議長らが、達増拓也知事らに提言書を渡し、計画案に強く反対。

首長らは、突然の計画案公表に加え、04年2月に策定された
「県立病院改革プラン」で、県立病院が診療所化されてから、
長くてまだ2年半しか過ぎていないと反発。
06年4月に紫波、花泉を病院から入院ベッド19床の地域診療センターに
移行したのをはじめ、07年4月に大迫、伊保内を、今年4月に住田を
それぞれ診療所化したばかり。
住田町の多田欣一町長は、「4月の病床削減時、県は医療サービスは
維持すると言った。約束をほごにされた思いだ」

こうした批判を覚悟の上、県医療局は非公開で新経営計画案を検討。
来年度からの実施を急ぐ背景には、県立病院の厳しい財政事情がある。

新経営計画案や医療局などによると、国の医療費抑制政策のあおりを受け、
県立病院は02年度に医業収益が急減。
18億円の赤字を計上。
100億円以上確保していた内部留保残高は同年度、90億円台に転落。
翌03年度には、逆に累積欠損金が100億円を突破。
県医療局が立案したのが、改革プランだった。

施設規模の適正化や医療資源の集約化で、
単年度収支の均衡を目指した改革プランだったが、
黒字化できたのは05年度だけ。
相次ぐ診療報酬や薬価基準のマイナス改定などで、
06年度から再び赤字になり、07年度には内部留保残高が
37億6900万円まで落ち込んだ。
県医療局は、「現状のままでは数年後には枯渇する」

県立中央病院の望月泉副院長は、
「地域診療センターは、民間では考えられないほどコストを要している」
改革プランは、5病院の無床診療所化を掲げたが、
地元住民らは「地域から入院ベッドが失われる」と反対運動を展開。
それぞれ19病床を残し地域診療センターに移行することで妥協し、
結局は中途半端な経営形態だけが残った。
県医療局の細川孝夫次長は、「前回(改革プラン策定時)は、
地元の(ベッドを)残してくれという声を踏まえただけ」

この結果、5センターだけで07年度は7億2200万円の赤字を計上。
最大の要因は人件費。
紫波の場合、常勤医3人のほか、3交代で勤務する看護師が18人。
19病床の紫波では入院患者数よりも多い状況。

各地域診療センターの一般会計からの繰り入れを含む医業収益に対して
人件費の割合は、紫波116・1%、大迫115・8%、花泉132・7%、
九戸146・0%(07年度、08年度から診療所化の住田は除く)。
県医療局の根子忠美・経営改革監は、
「一般に自治体病院の場合、6割程度に抑えるのが望ましい」と
高コスト体質を認める。

九戸村の岩部茂村長は、「医師は不足しているのに、
看護師らスタッフはそろっている。
患者が減る分、赤字になるのは見えていたはず。
職員配置など柔軟に対応できなかったのか」と疑問を呈す。

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&articleId=84404

山中教授が米バイオと協力  糖尿病治療の実現狙う

(共同通信社 2008年12月10日)

京都大の山中伸弥教授は、米バイオ企業ノボセル社と協力し、
人の人工多能性幹細胞(iPS細胞)から、
インスリン分泌能力を持つ膵臓の細胞をつくる研究を始めると発表。

安全な細胞を作製して、糖尿病患者に移植することができれば、
画期的な治療法につながると期待。
京大が、iPS細胞研究で海外企業と提携するのは初めて。
山中教授は、「互いの技術を融合し、糖尿病治療の可能性を探りたい」

京大によると、ノボセル社は人の胚性幹細胞(ES細胞)から
インスリンを分泌する膵島細胞をつくるのに成功。
動物への移植実験で、糖尿病の改善効果も確認した。

山中教授は最近、iPS細胞の実用化を促進するため、
積極的に海外と協力する方針を表明。
今回は、両者の狙いが一致。

ノボセル社は、1999年設立。本社は米カリフォルニア州。
幹細胞を使った慢性疾患の治療法開発や創薬事業を手掛ける。

島津製作所が基金を拠出する島津科学技術振興財団は、
科学計測の基礎的研究で成果を挙げた功労者を表彰する
2008年度の島津賞に、人工多能性幹細胞(iPS細胞)を開発した
京都大学の山中伸弥教授を選んだ。

賞金は300万円。
来年2月19日に京都市内で表彰式と、山中教授による記念講演を開催。

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=84749

ホルモン低下が炎症起こす 徳島大、目の難病で解明

(共同通信社 2008年12月8日)

免疫異常で目の組織などに炎症が起きる難病の「シェーグレン症候群」が、
女性ホルモン低下に伴う特定のタンパク質の活性化によって
引き起こされるのを、徳島大の林良夫教授らのチームが解明。

この病気は、ドライアイや関節リウマチ、全身の疲労感などを伴い、
更年期の女性に多いのが特徴。

林教授は、「このタンパク質を薬などで抑えることができれば、
新たな治療法につながる可能性がある」

チームは、網膜のがんに関係する「RbAp」というタンパク質の一種に着目。
マウスを使った実験で、女性ホルモン濃度が低下すると、
RbApをつくる遺伝子が活性化し、過剰に働くとシェーグレン症候群に
似た症状が出るのを確かめた。

RbApは、涙腺などに細胞死を引き起こし、それが炎症反応をさらに
暴走させる悪循環を生んでいた。
林教授は、「更年期の女性が発症しやすいメカニズムがようやく分かった」

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=84545

生きたがんだけ光らせる蛍光物質 治療効果の確認可能に 日米の研究チーム開発

(毎日新聞社 2008年12月8日)

生きたがん細胞だけを光らせる蛍光物質を、日米の研究チームが開発。
1ミリ以下のがんを見つけられるうえ、がん細胞が死ぬと光が消えるため、
治療効果を確認しながら手術や内視鏡治療ができる。

英科学誌ネイチャー・メディシン電子版に発表。
開発したのは、浦野泰照・東京大准教授(薬学)、
小林久隆・米国立衛生研究所主任研究員ら。

生きた細胞内では、「リソソーム」という小器官が弱酸性、
死んだ細胞では中性になることに着目。
乳がん細胞に結びつきやすく、酸性のときだけ光る物質を開発。

マウスの肺に乳がんが転移したという条件を再現したうえで、
蛍光物質を注射すると、1ミリ以下の肺がんが検出され
内視鏡で切除することに成功。

がんを殺すエタノールをかけたところ、約30分後に光が弱まり、
がん細胞の死を確認。米国で臨床試験の準備に入った。

PET(陽電子放射断層撮影)など現在の画像検査では、
1センチ以下のがんを見つけることや、
抗がん剤投与後の効果をすぐに確認することは難しい。
浦野准教授は、「小さながんを見過ごさず、切除できるので
誰もが名医になれるだろう」

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=84579

「研究開発」誘致に本腰 県が条例拡充を検討

(岩手日報 12月8日)

県は、製造業の研究開発部門の誘致を一層促進するため、
知事が指定する特定区域で工場などを新設・増設する製造業に対して、
優遇措置を施す「特定区域産業活性化条例」を拡充する方向で検討。

景気悪化で、生産現場は縮小する産業界だが、
次世代を見据えた研究開発は不可欠。
首都圏に流出している県内の大学生らの雇用確保、地元定着率の向上にも
つながるだけに、条例拡充により「頭脳部門」の誘致に本腰を入れる。

同条例は、県と市町村が連携し、立地企業に対して不動産取得税免除、
法人事業税免除(3年)、不均一課税(2年)、固定資産税免除(3年)などの
優遇措置を施す制度。

▽投資規模や雇用人数などで決める大型補助(上限なし)
▽最大20億円の融資
▽行政手続きや人材確保、融資関係などのワンストップサービス

なども行い、総合的に企業を支援、地域の雇用確保、
経済活性化に結びつける。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20081208_3

地域が支える学校(7)独自基金 きずな強める

(読売 12月10日)

地域が、学校独自の教育活動を支える基金で奮闘している。

津市の新興住宅地にある市立南が丘小学校を会場にして開かれる
「南が丘ふれあいまつり」は3年目の昨夏、3000人が集まる大盛況に。
校区の世帯数に匹敵する人数。
大雨にたたられた今夏も、参加者は1500人を超えた。

同小には、「南が丘コミュニティ・ファンド」と呼ばれる基金がある。
町のシンボルに育ったまつりには毎年、この基金から10万円が助成。

ファンドは、地域住民が学校運営に参画するコミュニティスクールに
指定された2005年度から本格運用が始まった。
コミュニティスクールの協議機関である南が丘地域教育委員会
(法律では学校運営協議会)の委員長を務める会社員の辻林操さん(50)が、
ファンドの責任者も務めている。

ファンドの予算は、昨年度で128万円余り。
まつりへの助成のほか、70万円余りが、
学校の教育活動支援のために使われた。
5、6年を対象にして、秋に20講座ほど開講する選択教科の
外部講師の資料代などに7万9000円、全学年にほぼ週1コマ行う
英語科の授業の資料代に4万円といった具合。
学校要覧の印刷代、図書ボランティアの事務費、ボランティア保険などの
費用もまかなっている。

収入の7割はPTAから。
会費に上乗せする形で、1人月100円分を徴収。
残りは、寄付と、協力店を利用した場合の還元金。
地元を中心に、美容室、医院、飲食店、スポーツ用品店などが
協力店になっており、利用者がポイントカードや、押印したレシートを
事務局に届けると、売り上げの一部がファンドに入る。

ただ、事業所が点在する住宅街で、PRするスタッフも数人であるため、
今年度の協力店は7か所、寄付先を入れても24か所で、
スタート当初から伸びていない。
寄付の場合、景気にも左右される。
協力店になる利点をどうアピールするかも模索中。

昨年度から校長を務める中山佳之さん(54)は、
「地域のおかげで、教育内容が充実するのはありがたいし、
金額以上に、地域が学校に関心を持ってもらえる精神的な効果が大きい」

「充実させようとすればきりがないが、ソフト面での支援はほぼ満足のいく状態」
ファンドが地域のきずなを強めることに、ひと役買っているのは確かだろう。

◆少ない校長裁量予算

ベネッセコーポレーションによる2006年の調査では、
全国の市区町村教育長895人中、校長裁量予算があると答えたのは17.4%、
金額は50万円までで80%超、うち10万円までが32.1%。
公立小中学校長2345人の86.3%が予算不足と感じ、
学習活動の費用を増やしたいとする声が目立った。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20081210-OYT8T00228.htm

2008年12月12日金曜日

世界遺産の保護に日本も衛星観測で協力

(サイエンスポータル 2008年12月3日)

衛星からの観測データを、世界遺産の監視と保護に活用する
国連教育科学文化機関(ユネスコ)の活動に、
宇宙航空研究開発機構が参加。

衛星データを活用する活動は、ユネスコと欧州宇宙機関(ESA)によって
始められ、現在フランス国立宇宙研究センター(CNES)、
ドイツ航空宇宙センター(DLR)、カナダ宇宙庁(CSA)、
米航空宇宙局(NASA)など、24の宇宙機関が参加。

宇宙航空研究開発機構は、2006年1月に打ち上げた
陸域観測技術衛星「だいち」により、内外の世界遺産を含む
地上の観測を続けている。

今回の取り決めでは、国内の自然遺産として世界遺産に登録されている
白神山地、屋久島、知床、アンコールワット(カンボジア)、
四川ジャイアントパンダ保護区(中国)、サガルマータ国立公園(ネパール)、
マナス野生生物保護地区(インド)などアジアの世界遺産、
ユネスコから要請のあったカラクムル遺跡(メキシコ)、
マチュピチュ遺跡(ペルー)など10カ所程度の世界遺産を
年2回程度観測し、画像をユネスコに提供。

世界遺産は、1972年にユネスコ総会で成立し75年に発効した
「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」により
登録された遺跡や地域で、その数は現在、
文化遺産679件、自然遺産174件、複合遺産25件。

日本の条約加盟は92年と遅れたこともあり、
登録件数は、文化遺産11件、自然遺産3件。

http://www.scienceportal.jp/news/daily/0812/0812031.html

スキージャンプ即時解析へ 県立大グループ

(岩手日報 12月5日)

県立大ソフトウェア情報学部の村田嘉利教授らのグループは、
地磁気・加速度センサーをスキージャンプ選手に装着し、
飛び出す時の動作をデータ化するシステムの開発を進めている。

即時のデータ解析を通じ、踏みだす瞬間のポイントを把握するなど、
競技力向上につなげたい考え。
来年からは、ジャンプ台でのデータ取得を行い、2年以内の実用化を目指す。

研究しているのは、村田教授と佐藤永欣講師、及川正基さん(3年)の3人。
9月から研究を進め、模型などを使って実験。

センサーは、マッチ箱大。
選手のユニホームやヘルメットなどに装着し、回転や強さを計測。
パソコンに取り付けた受信器にデータを送り、三次元の動きをグラフに映し出す。

これまでは、ビデオカメラで撮影した「点」の動きを追うことで
解析する方法などがあったが、即時の解析は難しく、
複数のカメラが必要などの制約があった。

村田教授らが開発を進めるシステムは、
データを即時にパソコン上に表示することが可能。
一人の選手のジャンプを過去のデータと比べることや、
複数の選手との比較ができる。

今後は、実際のジャンプ台での計測を通して選手やコーチらの意見を聞き、
装着位置とデータとの関連を精査する。
将来的には、実際のフォームなどを写した画像とも
連動させたシステムを目指す。

村田教授は、「さまざまなスポーツの分野に広げていきたい」
県スキー連盟の山本進ジャンプ強化委員は、
「飛んだ直後に、アドバイスが可能になる。
よりよい指導ができるようになるのではないか」と歓迎。

アルベールビル冬季五輪複合団体で金メダルを獲得した三ケ田礼一さん
(県体育協会スポーツ特別指導員)は、
「スキージャンプは飛び出すところが勝負。
これまでは感覚的にやっていることが多かったが、
データとして選手にフィードバックできれば、選手強化につながるのではないか」

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20081205_16

地元の反発 地域医療の危機 岩手・揺れる県立病院再編案/1

(毎日新聞社 2008年12月4日)

県立沼宮内病院など、6県立病院・地域診療センターで
入院ベッドがなくなる無床診療所化を柱にした
県医療局の新経営計画案が、地元自治体や住民の反発を招いている。
県は、全体で病床396床を削減する計画だが、
医療サービスの低下を懸念する声は強い。

一方、慢性的な医師不足や病院間の業務量の偏在、
約138億円の累積赤字(07年度末現在)を生み出すコスト高……と、
地域医療を取り巻く環境は厳しい。
一元的なサービスカットしか、道は残されていないのだろうか。
「県下にあまねく医療を」、と掲げる県立病院の理念と経営のはざまで
揺れる住民や現場の医師らの声を伝える。

◇がん対策20年「水の泡」 検診で医療費抑制--沼宮内病院

岩手町は、町民を対象に大腸がんや胃がんの無料検診を実施、
早期発見や医療費削減で成果を収める。
その中核を担うのが、県立沼宮内病院。

今回の突然の無床化案に、厚生労働省がん対策推進協議会委員でもある
町健康福祉課の仁昌寺幸子課長は、
「長年の取り組みが水の泡になる。国や県のがん対策にも反している」

同病院は05年度68・2%、06年度55・9%、07年度48・3%と、
3年連続で病床利用率が70%を下回り、
総務省の「公立病院改革ガイドライン」の基準に達しなかった。
そのため、計画案では現在60床ある病床が10年に無床化。

85年の町の循環器系がん検診受診率は、県平均50・5%に対して28・1%。
町はてこ入れしようと87年4月、沼宮内病院と町内の開業医で構成する
検診推進委員会を設置、89年には、がん検診の無料化を始めた。
90年、全国に先駆けて大腸がんの集団検診を開始。
06年度の受診率は県平均25・0%に対し、町は70・7%と大幅に上回った。

高い1次検診受診率を生かすため、町は病院と連携。町の保健師らが、
2次検査が必要な町民に精密検診を受けるよう個別に促す。
05年度には対象者のうち、精密検査を受けた割合が胃がんで90・3%と
県平均83・5%を超えた。
この結果、最多の03年度は31人、07年度も11人の早期がん患者を発見。

こうした取り組みは、医療費削減にもつながった。
町の03年度調査によると、患者1人あたりの年間医療費は
ポリープ段階だと32万円にとどまるが、早期がんで127万円、
進行がんだと278万円にも膨らむ。
早期発見によって、00年5月は2137万円だった町のがん関連医療費は、
07年5月には1300万円まで減少。

県医療局は、「がん検診は日帰りでも可能だ」と説明するが、
仁昌寺課長は「早期のポリープこそ、腸壁や胃壁を取って検査するため、
数日の入院が必要だ」と反論。
「病床稼働率70%以下という基準だけでなく、果たしている役割を見てほしい」

◇九戸は夜間・休日「無医村」

開業医が不在の九戸村。
現在19床ある九戸地域診療センターは、
計画案が実施されると来年度には無床化。
それに伴って夜間医師が不在になると、
「『午後5時』以降は無医村になる」(岩部茂村長)と危機感を示す。
過疎化を食い止めようと、村は今年9月、県内で初めて中学生までの医療費を
無料化し、従来の小学生から対象を拡大したばかり。

同村の会社員、中村幸男さん(57)の長男夫婦と孫3人は今春、
小学校の統廃合もあって滝沢村に引っ越した。
中村さんはつぶやいた。
「子供を育てるには心配なのだろう。
この村は、暮らすのがどんどん大変になっていく」

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&articleId=84339

地域が支える学校(6)校長補佐役 市が派遣

(読売 12月9日)

校長を補佐する職員の配置を始める自治体が出てきた。

教師たちが翌日の授業準備やテストの採点を続ける
島根県出雲市立第一中学校の放課後の職員室で、
スーツ姿の男性が来客と話し込んでいた。
赤木亮一さん(48)。
名刺には、市教委学校教育課課長補佐と
スクールマネジャー」の二つの肩書。

「昨年より多くの生徒が参加しました。
小学生を助けて積極的に活動してくれました」
「来年度の活動の参考にするため、校長にも伝えます」

赤木さんの話し相手は、地元のコミュニティセンター長の鐘推晴夫さん(64)。
学校と地域が連携して行った清掃活動の報告に来た。

赤木さんの元には、たびたび来客がある。
外部との電話のやりとりも多い。
校長や教頭に代わって、地域との連絡役や交渉役を担う。
各校に1人、事務職員が配置されているが、
マネジャーは事務面での校長の右腕という位置付け。
法的な申請など、重要度の高い事務も請け負う。

普段は教員らと机を並べ、給食も一緒に食べる。
修学旅行にも一緒に出かける。

出雲市が、学校現場の支援を目的にスクールマネジャーの配置を
始めたのは昨年度からだ。
現在、市内の拠点校5校に5人の課長補佐を派遣。

手厚い支援には事情がある。
市は、出雲中央教育審議会の答申を受けて2006年度、
市立の全小中学校49校を、地域住民らが学校運営に参画する
コミュニティスクールに指定。

校長らから異論が出た。
学校運営に口出しされることへの抵抗感や事務的な負担増への懸念から。
地域や学校現場の主導ではないだけに、
指定後の取り組みで、学校間の温度差も招きやすい。

そんな課題を克服しようとしたのが、マネジャー配置という大胆な施策。
旧文部省出身の西尾理弘市長(67)の判断。

第一中の高瀬正博校長(60)は、「最初はスパイかと思ったよ」と言って
笑わせた後、真顔で続けた。「今ではなくてはならない存在だ」

学校と、運営方針を決める理事会(学校運営協議会)の理事との
連絡調整も、スクールマネジャーの業務。
赤木さんの存在で、同中では理事会の月1回開催が可能に。
職員としての経験を生かすことで、コピー用紙代節約など、
コスト削減という二次的効果も出ている。

この仕組みをどこまで広げるか、いつまで続けるのかについて、
市は方針を示していない。
スクールマネジャーが駐在していない大社小学校の松本俊憲校長(60)は、
「正直に言うと、常駐の学校がうらやましい。
ただ、一度慣れてしまうと、いなくなった時の反動も大きい。
市は、持続可能な仕組み作りに取り組んでほしい」と訴える。

学校を支援する自治体の本気度が問われている。

◆出雲中央教育審議会

2005年3月、近隣5市町と合併した新出雲市の誕生を機に、
同年7月、市長の諮問機関として設置。
同12月、第1次答申として全市立小中学校をコミュニティスクールとするよう提言。
07年6月、出雲市教育政策審議会も常設され、
学校運営の在り方や人材育成の議論を続けている。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20081209-OYT8T00224.htm

入浴:全身浴10分、肩こり解消 同時にストレッチで予防効果も

(毎日 12月5日)

寒く、慌ただしい時期を迎えた。
1年の疲れを、心身に感じている人も多いだろう。
だからこそ、ゆったりとお風呂につかりたくなる。
こりや痛みを解消する効果的な入浴法を紹介。

「大学時代は、今以上に頑固な肩こりに悩まされた」と、
自由形やバタフライを専門としていた元鹿屋体育大水泳部主将の
須藤明治・国士舘大准教授(運動処方学)。

激しい運動で、筋肉に過度の疲労が蓄積したのが原因。
逆に、運動不足でも血行不良となって肩こりになる。
最近はパソコンを使う時間が増え、長時間同じ姿勢を強いられる。
その結果、肩の筋肉が緊張して硬くなり血行不良に。

東京ガス都市生活研究所が、インターネットを使って首都圏に暮らす
20~60代の750人に聞いたところ、
女性では20~40代で8割、男性では20~50代の過半数が肩こり。

須藤准教授が、自分の肩こりを緩和したいと考え、
注目したのがお風呂やプール。
水中では、浮力によって体にかかる負荷が3分の1程度に。
筋肉は弛緩し、血管が広がり血行が促進。
静脈は、水圧を受けて心臓に戻る血流量が増え、心臓の負担も軽くなる。

須藤准教授が胸下まで15分間、35度前後のお湯につかった約10人で測定し、
血圧が10~30ミリHg下がった。
肩周辺の血流量が、10~20%増えることも確認。

東京ガスは11人を対象に、入浴の仕方(全身浴か半身浴)、湯温(38~40度)、
入浴時間(10~15分)を変えて、肩の張りを「筋硬度」という指標で測定。
肩こり解消の効果が最も高かった組み合わせは40度、10分間の全身浴で、
風呂を出てから少なくとも30分間、肩の筋肉が柔らかくなっていた。
入浴が難しければ、ひじから指先までを42度の湯に20分間つけても、
筋硬度は6%程度下がった。

須藤准教授は、入浴のついでにストレッチを勧める。
入浴中の筋活動は、リラックスしているため、
少ない負担で関節を動かすことができ、
筋肉や関節の痛みをほとんど感じることがない。
関節の周りを取り巻くように付いている体の内側の筋肉を使うことで、
関節の可動範囲が広がり、腰痛や肩こりの予防になる。
==============
◇入浴効果を高めるコツ

<1>脱衣場と風呂場の気温差をなくす
脱衣場で服を脱いだとき、冷たい空気にさらされると血管が収縮し、
そのまま入浴すると体に負担がかかる。
脱衣場と風呂場の間のドアを開けておく。

<2>入浴前にコップ1杯の水を飲む
入浴中は、200~300ミリリットルの汗をかく。
水分が失われると、血液が濃縮して流れが悪くなり、血栓ができる恐れ。

<3>湯温に注意
42度以上の熱い風呂では血圧が上がるので、
40度以下のややぬるめが好ましい。
ストレッチをするときには、入浴時間がやや延びるので35度前後に。

http://mainichi.jp/life/health/news/20081205ddm013100144000c.html

最も健康な州、2年連続でバーモント 最下位はルイジアナ

(CNN 12月4日)

米国で最も健康な州はバーモント州だったことが、
2008年版の全米健康ランキングで明らかに。
バーモント州のトップは2年連続。最下位は、ルイジアナ州。

全米健康ランキングは19年前から、
ユナイテッド・ヘルス・ファンデーションと米公衆衛生協会(APHA)などが調査。
調査項目は喫煙率や肥満率、保険加入率など。

2008年度版のランキングによると、バーモント州は喫煙率が17.6%まで
低下したほか、肥満率の増加が全米平均を下回り、保険未加入率が低い。
バーモント州のランキングは調査開始時は16位、
過去8年間で順調に順位を上げた。
医療を受けられない貧しい子供たちが少なく、喫煙率は1990年から43%低下し、
新生児の死亡率は37%下がった。

ハワイ州が、前年の3位から2位に上昇。
3位ニューハンプシャー、4位ミネソタ、5位ユタ、6位マサチューセッツ。

ユタ州の喫煙率は全米で最も低く、
マサチューセッツ州は保険未加入率が全米で最低。

最下位はルイジアナ州で、肥満率が高く、保険未加入率が高かった。
昨年の最下位だったミシシッピは、49位にランクをひとつ上げ、
48位サウスカロライナ、47位テネシー、46位テキサス。

全米50州のうち、調査項目が昨年から向上したのは36州で、14州が悪化。
向上率が大きかった州は、アーカンソーやニューメキシコ、ケンタッキーなど。
逆に、昨年からほとんど改善が見られなかったのはテキサスやモンタナ。

http://www.cnn.co.jp/science/CNN200812040027.html

2008年12月11日木曜日

地域が支える学校(5)交流施設が「接着剤」に

(読売 12月6日)

学校作りと地域作りが、新しい学校で同時に進む。

創立4年目の横浜市立東山田中学校で、
250人近い3年生への模擬面接が行われた。
面接官役は、会社役員、元高校教師、ボランティア活動家、
町内会長など、地域住民25人。

生徒たちは教室で個別に、志望理由などの質問を受け、
マナーについて意見を聞き、3段階で評価も受けた。
高校の推薦入試を受ける生徒にとって、面接はまもなく経験する試練。
これまでは、担任や校長らの指導を受けるだけだったが、
本番に近い形での練習の場となった。

「生徒に、いい意味の緊張が見られた。面接官役の皆さんも、
『こういう形で中学生とかかわったのは初めて。
普段とは違う一生懸命な姿を見ることができてよかった』」と斎藤悦子校長(56)。
「地域の人に満足してもらえて、私たちもうれしい」と、
地域住民の交流施設コミュニティハウスの竹原和泉館長(58)。
初めての試みは大成功。

横浜ニュータウンにある東山田中は、開校と同時に、
地域住民が学校運営に参画するコミュニティスクールの指定を受けた。
初代校長は、インターネット商取引大手「楽天」の元副社長、本城慎之介さん。
32歳の校長として当時、注目を集めた本城さんを2年間、
副校長として支えたのが斎藤さん。
地域活動の経験が豊富な竹原館長は現在、コミュニティスクールの
協議機関である学校運営協議会の副会長。
2人の女性が、コミュニティスクールを引っ張っている。

運営協議会では当初から、子供たちに将来を考えさせるキャリア教育を、
学校支援プロジェクトの柱に据えてきた。
子供たちの将来は、地域の将来とも密接な関係がある。
支援してくれる地元の事業所向けに、「10年後の社会人
中学生のために地域の大人ができること」と題したハンドブックも作った。

1年生は自分を見つめ、職業や社会について知る。
2年生で職業体験をさせる。
3年生は自分の進路を決めるために高校や事業所を見学する。
昨年の職業体験後の反省会の場で、
教員が「来年、地域の方に面接をやってもらえればありがたい」と
提案したのが、今回の催しにつながった。
竹原館長らが、ハウスに集う人たちを中心に声をかけた。

学校支援プロジェクトのもう一つの柱が、仲間意識を育むシンボルマークの制作。
公募作品の審査には、イラストレーターの日比野克彦さんも加わり、
地元の名所の山田富士と東山田の「ひ」の字を組み合わせた、
ユーモラスなマークが選ばれ、「やまたろう」と名前もついた。
すでに、マーク入りのバンダナやあめができている。

ハウスには、地域住民だけでなく、保護者や中学生自身も姿を見せる。
習字教室の先生が中学校の卒業証書の文字を書くといったことが、
ごく自然にできる。

ハウスが、学校と地域のつなぎ役になっている。

◆コミュニティハウス

地域住民が、生涯学習的な活動をするための横浜市独自の施設。
中学校区単位で約20年前から整備が始まり、現在108か所ある。
空き教室などを使った学校併設型85か所では、
地域と学校の交流・連携を深めることも目的にし、
以前はコミュニティスクールと呼ばれていた。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20081206-OYT8T00185.htm

ひどい上司を持つと心臓に悪い

(WebMD 11月24日)

自分の上司は不公平だ、気まぐれだ、思いやりがない、
全体的に管理能力に欠けると考えている人は、
心臓発作などの心臓病になるリスクが高いことを、
スウェーデンの新たな研究が明らかにした。

ひどい管理者のせいで、一般社員がストレスを感じている場合、
心臓病の長期リスクがさらに上昇する。
『Occupational and Environmental Medicine』に報告。

1992~1995年、男性一般社員3000人以上の心臓の健康状態を追跡。
2003年までに虚血性心疾患により入院、死亡した患者に関する
全国患者登録データと、この職業的健康記録を照らし合わせてみた。

10年間にわたる調査期間で、心臓発作、不安定狭心症、心停止などの
致死的および非致死的心臓疾患イベントが74例認められた。
部下が管理者を有能と評価すればするほど、重篤な心臓病のリスクは低い。

管理者のリーダーシップに対する認識と部下の重篤な心臓病リスクの関連性は、
部下の勤続年数が長いほど高かった。
ひどい上司によるストレスは、時間とともに増大することが示された。
社員の重篤な心臓病を予防するため、
会社は部下の評価に基づいて、管理者の不足能力を改善する手だてをとるべき。

カロリンスカ研究所、ストックホルム大学ストレス研究所のAnna Nyberg氏は、
「存在感があり意欲的な管理者とは、体制をつくり、情報を提供し、
社員を支えてくれる管理者で、部署が悪い方向にいかないよう対策を講じる。
ストレスによる部下の生理的変化を悪化させるのではなく、
その再生を促すのではないか」

参加者らは、ある評価体系を使って、コミュニケーションやフィードバック能力の高さ、
変化対応時の成果、目標設定能力、部下に任せた仕事の量などに関し、
上級管理者を評価。

その結果、リーダーシップスコアが高ければ高いほど、心臓病のリスクが低下。
この関連性のロバスト性は、「教育、社会的階級、収入、監督的立場、
仕事時に感じる身体的負荷、喫煙、運動、[BMI]、脂質、フィブリノゲン、
糖尿病を補正の上で」確認。
ひどい上司は、その下で働く人の健康や寿命にまでも悪影響を及ぼす可能性が。

別の研究で、身体的・精神的に有害だと思う職場環境にさらされている
社員の心血管疾患リスクは50%も高かった。
「特に職場の心理社会的ストレッサーは比較的多いので、
臨床的意味は大きい」

管理者の行動の質に対する認識が部下の健康に影響するとの
エビデンスは増えている。
部下が意識的にみている点は、上司の「思いやりある行動」、
どれだけ上手く部下に知的刺激を与えられるか、
部下とのコミュニケーション能力であった。

上司の評価に使われた質問には、「私が何か失敗すると、
上司にかなりきついことを言われる」といったものや、
管理者がいかに上手く期待していることを伝えられるかについて聞くものも。

情報伝達に難がある(単に否定的意味でなく)と思われている上司の部下は、
心臓病を発症するリスクが高い。
手始めに、管理者の仕事能力を高める訓練をしてみてはどうか。

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=SPECIALTY&categoryId=580&articleLang=ja&articleId=84203

筋繊維鞘に局在する nNOSは軽度の運動後の活動性維持に必要である

nature 2008年11月27日号Vol.456 No7221 / P.511-515

筋繊維鞘に局在する nNOSは軽度の運動後の活動性維持に必要

多くの神経筋疾患は、運動誘発性疲労応答の増大が特徴であり、
これは活動強度とは比例しない。
この疲労は、患者の中枢性あるいは末梢性のより強い疲労と
必ずしも相関することはなく、
明らかな身体疾患なしに重度の疲労を起こす患者もいる。

特定の代謝障害により起こる筋疾患を除いて、
この種の疲労の原因となる機構はまだ不明である。
有効な治療方法が存在しないため、この型の不活動性は
身体障害の主要な原因となる。

今回我々はマウスモデルを用いて、この激化した疲労応答が
筋肉に特有の力発生の消失とは異なること、
骨格筋での神経型一酸化窒素合成酵素(nNOS)による、
筋繊維鞘局在性のシグナル伝達が軽度の運動後の活動性の維持に
必要であることを示す。

nNOSヌルマウスでは、筋肉の病態はみられず、
筋肉特有の力が消失することもないが、
軽度の運動に対する疲労応答が増大する。
nNOSが筋繊維鞘に局在しないマウスモデルでみられる
長期にわたる不活動性は、cGMPシグナル伝達を薬理学的に
増強することによってのみ軽減できた。

cGMPシグナル伝達は、軽度の運動に反応して起こる
一酸化窒素シグナル伝達中に、筋肉のnNOSが活性化された結果として生じる。

我々の結果は、軽度の運動後の疲労激化の原因となる機構は、
筋繊維鞘に局在するnNOSからの収縮惹起性シグナル伝達の欠損であり、
この欠損は軽度の運動後に活動した筋肉に栄養を補給する
血管のcGMP介在性血管調節の低下をもたらすことを示唆。

さまざまな筋疾患の患者多数からの生検標本で、
筋繊維鞘のnNOS染色が減弱しており、
これは疲労が共通の機構によって起こることを示唆。

我々の結果は、軽度の運動に対して激しい疲労応答を示す患者は、
運動誘発性シグナル伝達を改善する治療戦略に応答して
臨床症状が改善される可能性を示している。

[原文]Sarcolemma-localized nNOS is required to maintain activity after mild exercise

Yvonne M. Kobayashi1,2,3,4, Erik P. Rader1,2,3,4, Robert W. Crawford1,2,3,4, Nikhil K. Iyengar4, Daniel R. Thedens5, John A. Faulkner7, Swapnesh V. Parikh4, Robert M. Weiss4, Jeffrey S. Chamberlain8, Steven A. Moore6 & Kevin P. Campbell1,2,3,41.Howard Hughes Medical Institute,2.Department of Molecular Physiology and Biophysics,3.Department of Neurology,4.Department of Internal Medicine,5.Department of Radiology,6.Department of Pathology, University of Iowa, Roy J. and Lucille A. Carver College of Medicine, 4283 Carver Biomedical Research Building, 285 Newton Road, Iowa City, Iowa 52242-1101, USA 7.Department of Molecular and Integrative Physiology, University of Michigan, 2031 Biomedical Sciences Research Building, Ann Arbor, Michigan 48109-2200, USA 8.Department of Neurology, University of Washington School of Medicine, HSB, Room K243b, Seattle, Washington 98195-7720, USA

Many neuromuscular conditions are characterized by an exaggerated exercise-induced fatigue response that is disproportionate to activity level. This fatigue is not necessarily correlated with greater central or peripheral fatigue in patients1, and some patients experience severe fatigue without any demonstrable somatic disease2. Except in myopathies that are due to specific metabolic defects, the mechanism underlying this type of fatigue remains unknown2. With no treatment available, this form of inactivity is a major determinant of disability3. Here we show, using mouse models, that this exaggerated fatigue response is distinct from a loss in specific force production by muscle, and that sarcolemma-localized signalling by neuronal nitric oxide synthase (nNOS) in skeletal muscle is required to maintain activity after mild exercise. We show that nNOS-null mice do not have muscle pathology and have no loss of muscle-specific force after exercise but do display this exaggerated fatigue response to mild exercise. In mouse models of nNOS mislocalization from the sarcolemma, prolonged inactivity was only relieved by pharmacologically enhancing the cGMP signal that results from muscle nNOS activation during the nitric oxide signalling response to mild exercise. Our findings suggest that the mechanism underlying the exaggerated fatigue response to mild exercise is a lack of contraction-induced signalling from sarcolemma-localized nNOS, which decreases cGMP-mediated vasomodulation in the vessels that supply active muscle after mild exercise. Sarcolemmal nNOS staining was decreased in patient biopsies from a large number of distinct myopathies, suggesting a common mechanism of fatigue. Our results suggest that patients with an exaggerated fatigue response to mild exercise would show clinical improvement in response to treatment strategies aimed at improving exercise-induced signalling.

http://www.m3.com/tools/MedicalLibrary/nature/200811/nature/7221/01.html?Mg=3b7443f9dd2f0a39369f8b184d2478b8&Eml=12b55b931cb52b4152963c77864c5aec&F=h&portalId=mailmag

「家で勉強しない」中学2、3年で9% 県教委調査

(岩手日報 12月8日)

県教委が児童生徒を対象に実施したアンケートで、
「学校の授業以外の勉強時間」を調べたところ、
中学2年、3年で「ほとんどしない」と答えた生徒が9%いた。

学年が進むにつれて、学習内容が理解できなくなり、
意欲が低下する生徒が増えることなどが要因。
県教委は、県PTA連合会に、家庭学習の環境づくりに協力するよう
初めて要請するなど、学校、家庭が一体となった取り組みを進めている。

アンケートは、10月1日に行われた学習定着度状況調査に参加した
市町村立の小中学校の小3から中3までの全児童生徒約8万7000人が対象。

「授業以外で1日どのくらい勉強しますか」という質問に、
1時間以上と答えたのは小3、小4は34%、小5は46%、小6は52%。
中1は60%、中2は47%、中3は最も多く61%。

一方で、「ほとんどしない」と答える児童生徒の割合は、
中2、中3で最も多く9%。
小3、小4は5%、小5は4%、小6、中1は最も少なく3%。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20081208_1

ロンドン五輪の建設コスト、1カ月135億円と

(CNN 12月4日)

世界的に景気が後退する中、2012年のロンドン五輪に向けた
建設コストが、1カ月あたり1億4700万ドル(約135億円)に達していると、
テッサ・ジョウェル五輪担当相が明らかに。

五輪の総予算は、138億ドル(約1兆2696億円)、
このうち64%は政府が負担、11%が納税者の負担。

ジョウェル五輪担当相は、これ以上の公的資金を投入することはないと強調。
建設計画面でも予算面でも、順調に進んでいる。

世界的な景気後退の中で、莫大な資金をかけて開催する五輪は、
ロンドンにとってプラスになると指摘。
「五輪開催は、経済的な金メダル。投資のためのカンフル剤だ」

http://www.cnn.co.jp/sports/CNN200812040012.html

2008年12月10日水曜日

地域が支える学校(4)郷土を愛する心育む

(読売 12月5日)

徹底した郷土学習が、地域住民と子供たちの心をつなぐ。

広島県尾道市立土堂小学校は、瀬戸内海を見下ろす高台にある。
5年生の郷土学習は、卒業生でもある作家、林芙美子の生涯を
調べるために、50人が4班に分かれて街に出た。

ある班は、芙美子の育った家を訪れた。
講師役は小森マリ子さん(59)。
隣接する喫茶店「芙美子」を夫婦で経営し、家屋も管理する。

「この家から、皆さんと同じように学校前の70段の階段を上って通ったんですよ」、
「幼い頃は貧しかった。でも、努力は夢をかなえてくれることを忘れないで」。
メモをとる子供たちの表情が引き締まる。
家は1階が土間で、2階に5畳ほどの和室がある。
「狭い中、親子3人で暮らしていたんだ」と子供たちは驚いた様子。

「子供の姿が地域にあるだけで、住民には大きなエネルギーになります」。
説明の後、小森さんは強調した。

土堂小は県内唯一、地域住民らが学校運営に参画するコミュニティスクール。
3年前に指定され、学校運営の柱となるミッションステートメントに
郷土学習を盛り込んだ。

郷土学習は、全学年で行われている。
低学年は学校周辺の探索から始め、高学年は、映画や文学など、
テーマごとに尾道の歴史を調べる。
学んだ内容で児童が俳句を作り、商店街の空き店舗に展示するなど、
地域住民に見える形で成果も披露。
祭りや敬老会など、毎月、地域住民とかかわる機会もある。

「尾道には小道が多い。すれ違えば、子供も大人も自然とあいさつを交わす。
地域と触れ合う文化を授業の中でも大切にしたい」と松原隆二校長(57)。
コミュニティスクールの協議機関である学校運営協議会が昨年、行った
アンケートでは、「子供が尾道に愛着を持つようになった」
と感じる保護者が96%もいた。
郷土学習担当の藤井浩治教諭(47)は、
「知識を増やすだけでなく、住民から生き方も学んでほしい」と期待。

確かな基礎学力を身に着けることも、協議会が掲げる同小の大きな目標。
2003年度から3年間、校長を務めたのは、
「百ます計算」で知られた陰山英男・立命館大教授。
「読み・書き・計算」の徹底した反復学習の指導は、その後も受け継がれている。

陰山さんが校長になった初年度、同小は特例的に全市から通えるようになり、
翌04年度からは全市で学校選択制を導入。

11月に行われた新入生の保護者向け公開授業。
学区外に住む男性会社員(33)は、
「元気のある子が多く、郷土学習にも好感を持っている。娘をぜひ入学させたい」

同小には、選択制の導入以降、学区外から通える子供の定員を
常に上回る40~50人の入学希望者がある。
その数字は、かつては、廃校のうわさが出た学校の運営方針が
支持されていることの証しと言える。

◆ミッションステートメント

「行動指針」のような意味で使われる。
土堂小では、学校運営協議会が理想の学校像を明文化した。
〈1〉基礎・基本を大切にし、確かな学力を育む学校
〈2〉尾道の魅力を追求する学校
〈3〉コミュニケーション能力を育てる学校
〈4〉学ぶ力と遊ぶ力と生きる力を育む学校
〈5〉児童・保護者・地域がともに学び運営する学校――を掲げている。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20081205-OYT8T00182.htm

五輪東京招致、北島ら選手主導で支援団体設立へ

(読売 12月6日)

2016年夏季五輪の東京招致で、
選手主導の活動支援団体が設立される見通し。

北京五輪競泳金メダリストの北島康介(日本コカ・コーラ)ら
五輪、パラリンピックの選手らが中心となり、
競技団体を横断する形で呼びかけている。

12日に国立代々木第1体育館で計画されている招致イベント
「東京招致サポーター代々木集会」で旗揚げされることに。

開催都市を決める国際オリンピック委員会(IOC)総会を、
来年10月に控える招致レースは、
東京が今夏の候補都市絞り込みで最高の評価を得た。

一方で、東京は国内世論の盛り上がりが欠けるといわれてきた。
この団体は、世論を盛り上げるため、選手たちが
「選手自身の言葉で、東京招致の意味を直接呼びかけよう」と発案。

http://www.yomiuri.co.jp/sports/news/20081205-OYT1T00698.htm

飲み込むだけで患部発見 カプセル内視鏡を開発 「経済ウイークリー」〈この人・この仕事〉オリンパスメディカルシステムズの笹川克義さん

(共同通信社 2008年12月3日)

入社以来、内視鏡の開発を担当してきた。
当初は、「カメラ開発を希望していたこともあって、何の知識も持ってなかった」
2005年、国内メーカーで初めてカプセル型の内視鏡
「エンドカプセル(小腸用)」を海外で発売。
日本では今年10月に発売にこぎ着けた。

内視鏡の形や機能は、日進月歩で開発が進んでいる。
先端にレンズの付いた管をより細くして、
患者の負担が減るよう研究開発が続いてきた。

究極は、飲み込むだけのカプセル型内視鏡だ。
その案自体は、20数年前からあった。当時は実現できる技術がなかった。
開発したカプセル内視鏡は外径11ミリ、長さ26ミリ。
それ自体は動かない。

小腸はぜん動運動があり、小腸の直径がカプセルよりも少し大きいため、
腸壁の隅々まで撮影できると考えた。
リアルタイムで映像が見えて、1秒間に2枚、計約6万枚を撮影して
無線で受信装置に送信する。
「自分の仕事が人の命を救うことに役立っている。やりがいを感じます」

今は、病気になる数や患者数が多い胃や大腸に使えるカプセル内視鏡や、
病変を識別できる特殊な光線を研究。
「苦痛なく検査できる機器が増えている。
早期発見、早期治療のためにも、
内視鏡検査がもっと身近なものになってほしい」

49歳。新潟市出身。

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=84232

カンボジアの小学校に運動場完成 体育教育も指導、有森代表NPO

(山陽新聞 12月6日)

岡山市出身の五輪メダリスト有森裕子さんが代表のNPO法人
「ハート・オブ・ゴールド」(HOG)が、
カンボジアの小学校に整備していた運動場が11月末に完成。

1970年代の内戦で、教育体制の整備が遅れている同国での
本格的な体育の普及に向け、現地教諭らに体育の指導方法を
伝授するため、メンバー約30人が岡山を出発。

HOG発足10周年の記念事業で、
岡山県からの支援や協賛者の寄付などで約150万円を集め、
同国西北部シェムリアップ州のチェイ小に整備。

運動場は、広さ約5000平方メートルで、サッカー、バスケットボール場、
50メートル走のコースなどを備える。

同小で8日、吉備国際大社会学部スポーツ社会学科の小原信幸教授らが、
同州内6小の教諭らに陸上やサッカーなどの指導法を講習。
9日は、児童も参加して体育の授業を行う。

http://www.sanyo.oni.co.jp/sanyonews/2008/12/05/2008120523353852000.html

高塩食で血圧上昇 岡山大が仕組み解明

(共同通信社 2008年11月25日)

食事などで塩分を取りすぎた際に、
「コレクトリン」というタンパク質が腎臓で働いてナトリウムを
体内に取り込み、血圧を上昇させているのを、
岡山大の和田淳講師(代謝内科学)らの研究チームが、
米医学誌サーキュレーションに発表。

食塩に含まれるナトリウムが血圧を上げるのはよく知られているが、
体内調節の詳しい仕組みは分かっていなかった。
和田さんは、「コレクトリンの働きを調節する物質が見つかれば、
新たな高血圧治療法につながりそうだ」

チームはラット実験で、高塩食による代謝の変化を観察。
塩分が乏しい時に、ナトリウムを体内に取り込む仕組みとは別に、
塩分が多いと腎臓の細胞膜の表面にあるコレクトリンが活性化し、
血圧を上げる仕組みがあるのを発見。

高血圧は、脳卒中や心筋梗塞など生活習慣病の一因だが、
発症には個人差がある。
和田さんは、「人によって、コレクトリンの働きが違うのが理由ではないか」

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=83533

2008年12月9日火曜日

地域が支える学校(3)校区統合 深まる交流

(読売 12月4日)

統廃合でできた新しい学校が、新しい地域作りを模索する。

岐阜市立岐阜小学校の校庭に集まった大人のウインドブレーカーの背には
京町小学校、テントの屋根には金華小学校の文字が読めた。
テントの下では、京町地区の藤沢真一さん(76)と
金華地区の西野洋一さん(74)の両自治会連合会長が談笑する姿。

岐阜小は今春、市街地にある両小学校が統合してできたばかり。
旧京町小を使っていて、旧金華小の敷地に新校舎ができる。
統合を機に、地域が学校運営に参画するコミュニティスクールの指定を受け、
その公表会を11月15日に初めて開いた。

午前中は、地域住民らもかかわる授業を公開。
校庭で、昼食のおにぎりと豚汁が振る舞われた。
午後は、グループ単位で全学年が地域に出る「ふれあい学習ウォーク」。
子供たちは戦前からの和菓子店、創業100年を超える酒店などを訪ねて
話を聞き、用意されたクイズにも挑んだ。

この日の催しに参加したのは、児童約400人を含む1000人近く。
「ウォーク」の引率や街頭での交通安全指導にも、
保護者や地域住民がかかわった。
高木満夫校長(60)は、校庭を埋める人を見て、
「岐阜小として最初の大きなイベント。
こうした催しで、地域の人間関係が深まるのが何より大事です」と感慨深げ。

この日は、学校運営の方針を承認する学校運営協議会も開かれ、
席上、「地域に守られている、育てられていることを日々、実感しています」
といった保護者の声が紹介。

ただ、地域の融合はそれほど簡単ではなかった。
旧金華小の校区は、織田信長時代からの城下町で、観光スポットも多い。
旧京町小は下町で、かつては市役所も県庁もあった。
ともに地域が長い歴史を持ち、世帯数も拮抗。
小学校の歴史も、ともに130年を超えていた。

統合前の準備期間を経ても、盆踊りや運動会、お祭りなどの地域行事は、
現在も別々に開く。
現状では、互いの行事に、もう片方の旧校区の子供たちも、
希望すれば受け入れる形を取っている。

公民館もそれぞれにある。
自治会の活動資金の工面の仕方も違う。
下校時の安全確保のための指導も、元々、片方では実施しておらず、
統合を機にスタート、自治会の境で引き継ぐことに。

「伝統は守りながらも、子供を中心に考え、できるだけのことはする」
という点で、両自治会長の思いは一致。

学校運営協議会でも、両自治会の行事の話題が出る。
会長を務める鈴木誠・岐阜経済大教授(コミュニティー政策)は、
「地域社会を再構築するモデル」とみる。

少子化で、全国的にも急激に進む学校の統廃合。
それを機に、コミュニティスクールとして再出発するのは、
新たに地域を作る有効な手段となりそう。

◆減り続ける公立小学校

公立小学校2万2420校の学級規模は、半数が11学級以下。
2001年度以降、毎年200校を超えるペースで小学校が廃校に。
昨年11~12月に実施した読売新聞社の全国調査では、
今後ほぼ5年以内に、統廃合によって小学校が800校以上減る見通し。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20081204-OYT8T00230.htm

野口英世医学賞 HCV増殖「治療薬開発可能に」 感症研・脇田氏喜び

(毎日新聞社 2008年12月2日)

第52回野口英世記念医学賞(野口英世記念会主催)に選ばれた
国立感染症研究所ウイルス第二部長の脇田隆字さん(50)
名古屋市を訪れ、受賞の喜びを語った。

脇田さんは名古屋市出身。
名古屋大学医学部卒業、同大学院修了後、米国に留学。
東京都神経科学総合研究所主任研究員などを経て、06年から現職。

受賞内容は、「培養細胞におけるC型肝炎ウイルス(HCV)増殖に関する研究」。
世界で初めてHCVの培養増殖に成功し、
HCV感染症の研究に貢献したと評価。

脇田さんは、「HCVは、89年に発見されてから15年間も増殖できなかった。
偶然の助けもあったが、増殖の成功で新しい治療薬やワクチンが
開発できるようになった」

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=84088

大船渡市で3首長会談 「気仙は一つ」会議開催合併の認識に依然隔たり

(東海新報 12月5日)

「気仙は一つ・三首長会議」が、大船渡市民文化会館・リアスホールで開かれた。
大船渡市の甘竹勝郎市長、陸前高田市の中里長門市長、
住田町の多田欣一町長の3首長は、広域連携推進などについて会談、
「気仙は一つ」の考え方を再確認し、
規約をつくり、年4回程度のペースで今後開催することで合意。

合併については、大船渡市長が推進、陸前高田市長と住田町長が
当面単独、自立の姿勢をそれぞれ示し、認識の相違が改めて浮き彫り。
今後の具体的な行動事項、課題としても、
合併に関する協議は盛り込まれなかった。

3首長会議は、気仙地区広域行政推進会議以来の開催で、
甘竹市長の呼びかけに中里市長、多田町長が応えた。
「腹を割った形で、喧々諤々の議論をしたい」(甘竹市長)と非公開で行われ、
約1時間会談を行った。

会議組織の会長に選出された甘竹市長が、
「二市一町の広域連携をさらに進めていこうとの結論に達した」
組織を立ち上げて規約を決め、今後年4回開催していくことなどを明らかに。

会議では、「気仙は一つ」を再確認。
県立病院の医療体制充実に向けた県要望や、
世界遺産登録を目指す平泉との連携の中で、
産金地・気仙の広域的観光を推進する点を、
具体的に行動すべき事項として確認。

連携すべき課題には、
▽大船渡港の多目的ターミナル等の利用促進
▽三陸縦貫自動車道、主要幹線道路の整備促進
▽産業振興、企業誘致と雇用の創出
▽県営津付ダムの建設整備促進
▽県立病院の医療体制の充実
▽県立高校の充実強化
▽産金気仙の広域的観光の推進――の七項目を挙げた。

3首長は、現在における合併への考え方についても明らかに。
甘竹市長は、「気仙地区の発展と住民福祉向上のためには、
より強固な行政基盤が重要で、緊密な広域連携を進め、早期の合併が必要」、
平成22年3月の合併新法期限が近づく中で推進姿勢を強調。

中里市長は、「将来にわたって合併を否定するものではないが、
『当面単独市』を掲げて自助努力をしている。
広域連携は、最重要課題にとらえている」、

住田町長は、「もとより合併を否定していない。
『自立・持続』のまちづくりを進めているが、今後、広域連携を進める中で
最も良い行政の形が合併であれば、その方向に進むこともある」とし、
従来の考え方を改めて示した。
両首長とも、合併新法期限内の実現については「考えていない」。

3首長間における合併への認識には、隔たりがあることが浮き彫り。
具体的な行動項目や課題に、合併協議が盛り込まれなかったことについて、
甘竹市長は、「合併を否定はしないという点では一致しているが、
期限内かどうかにはさまざまな意見がある。
必要に応じて話し合う形になるのでは」
期限内合併実現への難しさについては、
「この問題は生き物であり、推進意見が台頭するかもしれない。
今後の動きを見たい」

陸前高田市長、住田町長はともに、
「気仙を割った形での合併はするべきではない」とし、
将来的な合併の姿は気仙2市1町が望ましいとの考えも強調。

「気仙は一つ」の考え方と、両市町が掲げる単独市、自立姿勢の
整合性について、中里市長は「気仙は長い歴史があり、
即合併ということではなく、気仙発展のために頑張る気持ちで一致した」
多田町長は、「『気仙は一つ』ならば、合併に向かわなければならないとの
認識は違う。連携の延長線に合併はあるかもしれないが、
連携、情報交換をする形が誤っているとは思わない」

この時期に会談を開催した点について、甘竹市長は、
「県地方振興局と3市町の担当部長らで集まった気仙広域行政等研究会、
陸前高田市民有志による気仙両市の合併協設置の動きに
影響を与えないよう考慮した」。

次回は、議会定例会の時期に合わせ、来年2月か3月に開催する予定。

http://www.tohkaishimpo.com/

マウスの肺がん消失 酵素働き抑制、新薬期待

(毎日新聞社 2008年11月25日)

肺がん遺伝子が作る酵素の働きを抑える化合物で、
マウスの肺がんを消失
させることに、自治医科大などの研究チームが成功。
肺がんの新たな治療薬として期待。
米科学アカデミー紀要(電子版)に掲載。

チームは、肺がん患者から、がん化にかかわる遺伝子「EML4-ALK」を発見
肺がん患者の約5%が、この遺伝子を持っていることが分かっている。
この遺伝子が肺がんを起こすことを確かめるため、
肺だけで遺伝子が働くようにしたマウスを作ったところ、
生後1-2週間で両肺にがんができた。

この遺伝子が作る酵素の働きを阻害する化合物を作り、
肺がんマウス10匹に1日1回経口投与。
投与開始から25日で、すべてのマウスのがんが消失。
投与しなかった肺がんマウス10匹は、がんが両肺に広がり、
9匹が1カ月以内に死んだ。

肺がんの治療薬としては「イレッサ」があるが、
副作用がある上、効く患者が限られる。
この化合物は、別のタイプの肺がんへ効果が期待できるといい、
既に複数の製薬会社が治療薬開発に着手。
間野博行・自治医科大教授は、「副作用はみられない」

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=83541

インスリン分泌量3倍に マウスの肝臓機能利用 糖尿病治療に応用も

(毎日新聞社 2008年11月23日)

肥満時に肝臓で作られるたんぱく質の働きを利用し、
血糖値を下げるインスリンの分泌細胞を膵臓で増殖させることに、
東北大学の片桐秀樹教授(代謝学)らのチームがマウス実験で成功。
糖尿病の新たな治療法につながる成果と期待。
米科学誌サイエンスに掲載。

インスリンは、膵臓のベータ細胞から分泌される。
チームは、肥満になるとベータ細胞が増えることに注目。
肥満時に、肝臓で作られるたんぱく質を増やす遺伝子を
正常なマウスに導入したところ、膵臓でベータ細胞が急増。
糖尿病を発症させたマウスでもベータ細胞が増殖。
導入しない糖尿病マウスに比べ、インスリン分泌量が約3倍。

肝臓から脳、膵臓へとつながる神経を切断して同じ実験をすると、
ベータ細胞は増えなかった。
チームは、肝臓が肥満状態を感知するとこのたんぱく質が作られ、
信号が脳を経由して膵臓に伝わり、ベータ細胞を増殖させると考えている。

片桐教授は、「臓器間の神経ネットワークを使うことによって、
ベータ細胞を増殖できた。
将来、インスリン注射や移植が不要になるかもしれない」

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=83474

2008年12月8日月曜日

地域が支える学校(2)運営参加 入学前から

(読売 12月3日)

入学前の子供を持つ保護者の発言が、学校の常識を変えた。

きっかけは雑談だった。
「1年生の給食、始まるのが遅いですよね」
長男を東京都世田谷区立城山小学校に、
次男を地元の幼稚園に通わせる川上一美さん(40)がこんな発言をしたのは、
同小が、区内最初のコミュニティスクールの一つとして指定された
3年前の6月の学校運営委員会の場。

コミュニティスクールは、地域住民らが運営に参画することを
法律に規定した学校。
その協議機関は、法律では学校運営協議会だが、
世田谷区では学校運営委員会と呼ぶ。

川上さんの発言は、「幼稚園では、昼に弁当を食べて午後も園で過ごすのに、
1年生の給食が始まるのは、1週間も2週間もたってからなのはなぜ?」
という素朴な疑問から出発。
入学当初の1年生が、学校生活に慣れていないのは確か。
給食の配膳も手際よくできない。
だから、午前中だけで帰宅させる。これが従来の学校の常識だった。

「ふつうなら聞き流していたかもしれない。
指定を受けて何ができるか、考えていたから」と校長の渡辺克元さん(56)。

翌年2月の入学予定者説明会で、渡辺校長が
「入学式の翌日から、新1年生の給食を始めます」と宣言すると、
保護者から拍手がわいた。
その代わり、1年生が落ち着くまで、保護者にお世話係として来校してほしいと依頼。
その結果、児童70人の保護者の半数以上が、
交代で給食時に学校を訪ねることに。

その後の保護者アンケートには、
「友達と話している子供の様子を見ることができて安心した」、
「親同士がすぐに親しくなれてよかった」、
「帰宅してから給食の話をたくさんしてくれてうれしかった」
といった感謝の言葉が並んだ。

学校にも、授業時間が余分に取れる利点が生まれた。
「以前なら、授業時間が多過ぎるのはよくないと言われたかも…」(渡辺校長)。
入学式の翌日からの給食が、その後も続いていることは言うまでもない。

世田谷区のコミュニティスクールでは小学校なら、
その小学校に入学予定の子供の保護者、
中学校ならその中学校に入学予定の小学生の保護者を、
学校運営協議会の委員に入れる規定がある。

各小学校は、近隣の幼稚園や保育園との関係を密にする必要が出てくる。
長男や長女が小学校に在学していて、園児もいる保護者が声をかけやすい。
ただ、任期の2年間続けてもらうには、
幼稚園や保育園の年少組の段階で依頼する必要があり、
候補者探しは容易ではない。

だが、この取り組みは副産物を生んだ。
委員を通して、学校の正確な情報やいい評判が、幼稚園の保護者に伝わる。
委員から、「もっと園児が学校を訪問する機会を作ってほしい」
といった提案も気軽にできる。

入学前の子供の保護者委員を入れる規定は、
一石二鳥以上の効果をもたらしているようだ。

◆学校運営協議会の委員

地域や保護者の代表、教職員のほか、公募委員が加わる場合も。
世田谷区では、卒業生を入れる規定もある。
佐藤晴雄・日大教授が昨秋に実施した調査では、
回答した185校の委員数は11人~15人が6割と最多。
会長など代表者を務めるのは、7割が地域代表。
開催頻度は年3、4回45%、月1回29%、隔月程度23%。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20081203-OYT8T00244.htm

季節感知の仕組み明らかに 名古屋大、マウスで実験

(共同通信社 2008年11月25日)

夜間にだけ脳内で分泌され睡眠を促す「メラトニン」というホルモンが
哺乳類の季節感知に果たす具体的な仕組みを、
名古屋大大学院生命農学研究科の吉村崇教授らのグループが
マウスの実験で突き止め、米科学アカデミー紀要電子版に発表。

ネズミは人間と同様、1年を通じて生殖活動を行うため季節を
感知できないとされていたが、吉村教授らはメラトニンの血中濃度が、
日照時間の長さの違う季節ごとに変化することに着目。
正常なマウスと遺伝的にメラトニンを作れないマウスで比較実験。

その結果、正常なマウスだけが日照時間の差に応じて
脳下垂体からの甲状腺刺激ホルモンの分泌量に変化が生じ、
視床下部にある「DIO2」という生殖を促す遺伝子の活動に差が出た。

吉村教授らは、春に生殖する鳥類では日の長さの感知に
甲状腺刺激ホルモンが作用し、DIO2が活発化することを
ウズラの実験で解明済みだが、
今回の実験で、哺乳類ではメラトニンが甲状腺刺激ホルモンを介して
季節の情報を伝える仕組みが新たに分かった。
「季節によって症状が変わる人間の冬季うつ病などへの理解が進めば」

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=83510

高度な助産師育成、医師の負担軽減 来年4月から年15回講習 岡山大大学院

(毎日新聞社 2008年12月1日)

産科医療の崩壊を食い止めるため、
岡山大大学院保健学研究科が来年4月、助産師、看護師を対象に
知識・技術向上のための講座を開講。
通常出産での産科医の役割を軽減させ、ハイリスクの妊婦に集中させる。

同研究科の中塚幹也教授によると、
医師と助産師には妊婦健診、超音波検査、分べんなどの共通の仕事がある。
現状では、超音波検査などの技術がある助産師は少ないが、
新生児蘇生技術などを身につければ、リスクの少ない出産で
産科医の負担を減らせる。

講習では、産科以外にも子育てや不妊症について学び、
地域で子育てボランティアを立ち上げられるような人材の育成を目指す。

産科医療の現場では、医師同様に助産師も全国で約6700人不足し、
医療機関の約75%で定員割れが続いている。
助産師は、女性の資格のため、出産を機に職場を離れている女性も多く、
高度な能力を身につけて復帰すれば、産科医療の充実を図れる。

講習は年間15回を予定、うち5回程度は通信教育として受講可能。
定員は約20人。募集期間は15日~来年1月16日。
問い合わせは、同大鹿田キャンパス代表(086・223・7151)。

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=84017

タンパク質が細胞膜を修復 筋ジス発症に関与か

(共同通信社 2008年12月1日)

筋肉の細胞膜が炎症などで損傷した際に、
MG53と呼ばれるタンパク質が膜を修復する役目を担っているのを、
京都大の竹島浩教授らのチームが突き止め、
英科学誌ネイチャー・セル・バイオロジー電子版に発表。

MG53をつくる遺伝子が働かないマウスでは、
筋肉が次第に萎縮する筋ジストロフィーに似た症状が起きた。
竹島教授は、「人の筋ジスにも、この遺伝子が関係している可能性がある。
新たな治療法研究につながるかもしれない」

チームは、筋肉の細胞膜近くにあるMG53に着目。
これをつくる遺伝子を欠損したマウスは正常に生まれるが、
次第に筋肉が貧弱になった。
MG53には損傷した膜を修復する能力があり、
欠損マウスは修復力が落ちていた。

竹島教授は、「今後は原因不明の筋ジス患者の遺伝子を解析し、
MG53との関係を調べたい」

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=83969

腹部脂肪は死亡リスクを倍増させる

(WebMD 11月12日)

腹部脂肪は、心疾患および糖尿病のリスク増大との関連が示されている。
腹部脂肪と早死の関連性を示す重要な研究が発表。

この研究は、世界中で最大規模かつ最も長期にわたる健康調査の
ひとつに参加した、欧州人約360,000例を追跡調査。
その結果、腹部脂肪が最も多い群における早死リスクは、
腹部脂肪が最も少ない群の約2倍。
死亡リスクは、過体重であるか否かにかかわらず、
ウエスト周囲径の増加に伴い上昇。

Tobias Pischonは、この研究は、腹部脂肪と早死の関連性について、
これまでで最も強力なエビデンスを提供するものである。
『The New England Journal of Medicine』11月12日号に掲載。

「体重が正常であっても、腹部脂肪が過剰に蓄積している人では、
健康がリスクにさらされている可能性を示している。
喫煙や飲酒と無関係な個人的特性のなかで、
これほど早死のリスクを高める特性は多くない」

腹部脂肪が過剰な人々、洋ナシ型でなくリンゴ型体型の人々は、
心発作および脳卒中のリスクが相対的に高いことが古くから認識。
最近の研究から、腹部脂肪と一連の他の疾患
(糖尿病、一部の癌や、加齢に伴う認知症など)の関連性も示唆。

しかし、腹部肥満に関連する死亡リスク上昇が、
すでに認識されているリスク因子(全身肥満など)と無関係に生じるか否かに
ついては未だ明らかにされていない。

この研究では、早死における腹部脂肪の役割をさらに理解する試みとして、
2種類の腹部肥満の指標(ウエスト周囲径、ウエスト・ヒップ比)を用いた。
大規模な健康調査European Prospective Investigation into Cancer and Nutrition
(EPIC)に参加している欧州の成人359,387例の、
10年近くにわたる追跡調査データを検討。

追跡調査期間中、参加者14,723例が死亡。
過体重および肥満[体格指数(BMI)により評価]に関する補正後、
ウエスト周囲径とウエスト・ヒップ比は、早死のリスク増大との関連性を示した。
男女とも、ウエスト周囲径が最も太い群(男性100 cm超群、女性87.5 cm超群)では、
ウエスト周囲径が最も細い群(男性85 cm未満群、女性70 cm未満群)と比較し、
早死のリスクがほぼ倍増。
ウエスト周囲径が5 cm増加するごとに、死亡率が男性17%、女性13%近く上昇。
ウエスト・ヒップ比も、死亡率の強い予測能を有していた。

「最も重要な結果は、過体重のみならず体脂肪の分布も、
早死のリスクに影響を及ぼすということ」

University of Michiganの心臓病専門医Daniel Eitzmanは、
この結果を当然のことと受け止めている。
マウスを用いた研究において、腹部脂肪(内臓脂肪)が
他の身体部位に存在する脂肪より炎症を引き起こしやすいことを明らかに。
炎症は、心疾患や多くの慢性疾患に重要な役割を果たす。

同博士は、ウエスト周囲径、ウエスト・ヒップ比の測定は、
炎症に起因する疾患のリスク評価に重要である。
「現時点では、診療現場でルーチンに実施されていない内臓脂肪測定の
重要性に関心を集めることができる」

腹部脂肪が、正常より多いかどうかをどのようにすれば知ることができるか?
ウエスト周囲径は、ウエストの最も細い周囲(へそのすぐ上)に
巻尺を当てて測定する。

一般に、男性100 cm、女性87.5 cm以上の場合に健康リスクが高い。
ウエスト・ヒップ比
は、ウエストの最も細い周囲径とヒップの最も太い周囲径
(臀部の最も広い部分)を測定し、ウエスト測定値をヒップ測定値で除することで算出。
一般に、男性0.9超、女性0.8超の場合にリスクが高い。

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=SPECIALTY&categoryId=580&articleLang=ja&articleId=83578

2008年12月7日日曜日

地域が支える学校(1)自然体験・食育 住民が先導

(読売 12月2日)

「地域が支える学校」が増え続けている。

ススキの穂が目立ち始めた10月下旬。
京都市の野外活動施設「花背山の家」(左京区)の坂道を、
双眼鏡を手にした市立新町小学校の66人の5年生が上っていた。
野鳥観察用のスコープと三脚を持って先頭を歩くのは、
観察歴20年を超す沢島哲郎さん(77)。
校区内に住む日本野鳥の会京都支部長。

観察場所にたどり着くと、子供たちは10ほどのグループに分かれて散った。
それぞれのグループの引率役も、地域住民や保護者らが担った。
「山の家」での宿泊自然体験学習は、週末を挟んだ4泊5日。
昨年より2泊も延びた。

食事の用意を一緒にしたり、夜の「お話し会」の講師をしたり、
やることは山ほどある。
市街地から車で1時間以上かかる施設で、
子供たちと過ごした地域住民や保護者は、5日間で32人に達した。

ここまで地域が学校を支えるのは、新町小が3年前、
コミュニティスクールに指定されたことが大きい。
指定でできた学校運営協議会の藤原信生会長(65)は、
「先生がいかに大変な仕事をしているかを身にしみて感じた」。
そう言いながら、子供たちとの交流が楽しくて仕方がない様子。

学校側も、マンパワーとして頼りにするだけでなく、
「地域の思いを聞ける機会になる」と佐渡規雄教頭(54)。
「山の家」での就寝前の反省会は、大人同士のよもやま話で盛り上がる。
交流が互いの信頼関係を増し、パワーの源に。

京都市は、コミュニティスクールの指定が、128校にもなる。
明治初期に町衆が作った「番組小学校」の伝統があるとは言え、
全国的にも突出した数字。

新町小も、番組小の歴史をひく学校の一つ。
3つの学区を統合する形で、1997年に生まれた新しい学校。
新町小が力を入れている教育の一つに、食育がある。
学校運営協議会傘下で実動部隊になる企画推進委員は144人もいるが、
うち30人までが食育担当(教職員を含む)。

契機は、前校長が3年前、自宅近くに畑を借り受けたこと。
「西賀茂農園」と名前の付いた畑の活用は、
学校運営協議会での議論の最初のテーマ。

食育は、学校教育の根幹。
教科の力、学校だけではつかない生きる力をつけることをめざしている」と
今年から就任した多田彦士校長(54)。

畑に子供たちを引率する際も、農作業そのものも、日常的な畑の管理も、
その広さや学校との距離を考えると、地域住民の協力がないと続かない。

一方で、教職員も交代でたびたび足を運ぶ。
地元の幼稚園の園長も、運営協議会の理事を務めていることから、
畑には幼稚園児が世話をするエリアも出来た。
新町小学校の1年生と、収穫したトウモロコシで、
ポップコーンパーティーを一緒に開くなど、幼小連携の取り組みもある。

京都ならではの取り組みとして、老舗料理店の協力を得て、店も見学し、
京料理の伝統についても教わっている。

こんな学校だから、教員は地域の行事に進んで入っていく。
「地域の人に、子供のために色々やってもらっていると
教員が感じているから」(多田校長)。
地域でも、「よう来てくれた」と歓迎。
教員は、「やっぱり行って良かった」と好循環が生まれる。

藤原会長は、学校を訪ねるたびに
「あんたら、はよ(早く)、帰りなはれ」と教職員に言っている。
「我々の活動も、先生方が地域行事に参加するのも、
ボランティアという点では同じ。
がんばった分、先生たちには、異動時の昇進も含めた処遇で評価をしてほしい」

「学校が困っていると言うだけではだめ。校長も教師も変わらないと」と多田校長。
地域が支える学校では、教職員の意識改革も求められている。

◆コミュニティスクール 指定343校地域に偏り

地域住民らが教育活動を支えてきた公立学校は多いが、
コミュニティスクールは、地域住民らが学校運営に「参画」する学校として、
2004年改正の地方教育行政組織法に規定。
保護者や地域住民が一定の権限と責任を持つことで、
そのニーズを学校運営に迅速かつ的確に反映させる狙い。
地域運営学校とも呼ばれている。

教育委員会がコミュニティスクールを指定、非常勤特別職の公務員となる
学校運営協議会の委員を任命。
協議会は、地域によって「理事会」、「学校運営委員会」などとも呼ばれる。
教育内容や予算など学校運営の基本方針に意見を述べ、承認。
教職員の採用でも、任命権者に意見を述べる。
任命権者は、その意見を尊重。

現在、全国に幼稚園、小中高校、特別支援学校を合わせて
65自治体で計343校が指定。
自治体別では、京都市110校、島根県出雲市49校、
岡山市35校などが目立つ。
京都市や東京都内などでは、その後も増えているが、
東北・北海道では10校に満たないなど、地域的には偏りがある。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20081202-OYT8T00227.htm

宗派超え協力 天台宗が主催、あすまで写真パネル展 ハンセン病

(毎日新聞社 2008年11月23日)

ハンセン病差別による被害が、まだ続いていることを知ってもらおうと、
天台宗の主催する元患者らの写真パネル展が
大津市坂の生源寺で始まった。

天台宗が同問題を取り上げるのは初めてで、宗務庁人権啓発課は、
「元患者が高齢化している今こそ、社会で語り伝えていくことが必要。
今後は宗派として取り組むべき柱の一つにしたい」

ハンセン病差別の問題では、96年の「らい予防法」廃止
約90年続いた元患者らの強制隔離は終わった。
だが本名に替えて番号で呼ばれ、断種・中絶を強制されてきた元患者らには
家族が1人もいない人も多く、今も大半は療養所で生活。

今回の企画を進めてきた人権啓発課の福島亮俊課長(39)は10年前、
療養所を訪れたときのことを強烈に覚えている。
出された茶をどうしても飲めず、後ろめたい気持ちで席を辞した。
「『差別はいけない』と強く分かってはいた。
だが宗教者すら、そうなってしまうのが差別の実態。ショックだった」と振り返る。

隔離当時は、宗教者も「前世の悪行の報い」などと
現世でのあきらめを説いていたことから、
01年に国が謝罪した際には反省を表明する宗派も。

今年、天台宗では10月の宗議会で、
濱中光礼・宗務総長が同問題に取り組んでいく方針を表明。
今回は、これまで同問題に取り組んできた真宗大谷派の東本願寺から、
宗派を超えて資料約50点を借りた。
12月3日には、午後1時半から宗務庁で当事者団体の講演なども開く。

福島課長は、「『なぜ今ごろ』という感想もあるだろうが、
元患者は家族もなく、今も孤独に暮らしている。
未だに本名を名乗れない遺骨もたくさんある。明らかに問題は残っている」

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=83481

米の犯罪発生率、最悪はニューオーリンズと 出版社調査

(CNN 11月25日)

全米の都市で最も犯罪発生率が高いのは、
ルイジアナ州ニューオーリンズだと、米出版社CQプレスが発表。
逆に、最も低かったのはニューヨーク州ラマポ

CQプレスは、米連邦捜査局(FBI)がまとめた2007年の統計結果を基に、
人口7万5000人以上の397都市と、356都市圏について、犯罪発生率を調査。

その結果、人口約25万人のニューオーリンズでは、
209件の殺人を含めて、1万9000を超える犯罪が発生。
殺人事件数は、人口10万人あたり94.7件に達し、
全米平均の5.6件を大きく上回った。

ニューオーリンズは2005年夏、大型ハリケーン「カトリーナ」が直撃して
甚大な被害を受け、人口が減少、犯罪率が上昇。

ニューオーリンズに次いで犯罪発生数が多かった都市は、
ニュージャージー州カムデン。
ミシガン州デトロイト、ミズーリ州セントルイス、カリフォルニア州オークランド。

犯罪発生件数が少なかったニューヨーク州ラマポでは、
人口約11万3000人で、年間犯罪発生数が688件。殺人事件はゼロ。
カリフォルニア州ミッション・ビエホ、ミズーリ州オーファロン、
マサチューセッツ州ニュートン、ニュージャージー州ブリック・タウンシップなど、
大都市の郊外都市で、犯罪発生数が少なかった。

都市圏で見ると、犯罪発生数が最も多かったのは
アーカンソー州パイン・グラフ。テネシー州メンフィス、ニューオーリンズ。
少なかった都市圏は、ユタ州ソルトレークシティの北ローガンで、
ペンシルベニア州ステート・カレッジ、ニューヨーク州イサカ。

http://www.cnn.co.jp/usa/CNN200811250024.html

分子モーター:配送のしくみ、東大・広川教授ら解明

(毎日 11月30日)

最長1メートルに及ぶ神経細胞の末端まで、
必要な物質を的確に選別して運ぶ仕組みを、
東京大の広川信隆教授(分子生物学)らが解明。

細胞内の運び屋「分子モーター」に、配送票のようなたんぱく質がくっついて
「積み荷」をより分け、目的地に着くと、
このたんぱく質が分解されて積み荷が降ろされる。

広川教授らは、エネルギーを生み出すミトコンドリアなどが
末端に届く仕組みを調べた。

その結果、これに使われる分子モーターは「KIF1A」、「KIF1Bβ」の2種類、
「アダプター」となるたんぱく質「DENN/MADD」がくっつき、
小胞膜のたんぱく質「Rab3」と選択的に結合することで、
積み荷が選ばれることが分かった。
細胞末端に着くと、Rab3が加水分解されて結合が外れる。

広川教授は、「アルツハイマーなどでは、細胞内の輸送が遅くなる。
輸送機構の解明が、神経機能の活性化や治療法開発につながるはず」
英科学誌「ネイチャーセルバイオロジー」電子版で発表。

http://mainichi.jp/select/science/news/20081130ddm016040018000c.html

認知症:予防に頭と体の「運動」が効果 老人総合研など長期追跡調査

(毎日 11月29日)

有酸素運動と知的活動を続けると、お年寄りの脳機能がアップすることが、
「老人総合研究所」の共同研究で確認。
認知症予防のため、国内で初めて長期的な追跡研究。

調査は05~07年度、世田谷区内の高齢者134人(平均年齢72歳)
を対象に実施。研究所が用意した予防プログラムを続けてもらった後、
脳の認知機能を調べる検査をし、
プログラムに参加しなかった高齢者254人と比較。

プログラムは、認知症の原因とされるたんぱく質を
脳内にためないようにすることなどを目的に、
1日30分程度有酸素運動のウオーキングを続ける。

パソコンを使ってミニコミ誌を作ったり、自ら料理メニューを考案して
調理するなどの知的活動を週1回、続けてもらい、
認知症で低下しがちな脳の機能を刺激した。

その結果を3年前と比べたところ、記憶機能はプログラムに参加しなかった
高齢者が13%の改善だったのに対し、参加者は22%も良くなった。
集中力などの注意機能は、非参加者で3%低下、参加者は7%良くなった。
言語機能は、非参加者の9%に対し参加者は16%、
思考機能は0・2%に対し、4%良くなっていた。

非参加でも改善するのは、同じ問題を複数回解くからで、
参加者の向上が大きかった。

同研究所の矢冨直美主任研究員は、
「認知症予防には、知的活動と運動を習慣化し、長期間続けることが必要」
と分析しており、区は今回のプログラムの内容を冊子にまとめ、
地域での認知症予防に役立てる方針。

http://mainichi.jp/select/science/news/20081129dde041040066000c.html

2008年12月6日土曜日

応援グッズに復興の願い 一関学院高が販売

(岩手日報 12月6日)

一関学院高陸上競技部(小岩光宏総監督)と父母会、OB会、OB父母会は
京都市で21日開催される全国高校駅伝競走大会の応援用品を作り、販売。
益金の一部は、震災復興の義援金にする。
応援用品は、チームカラーのマフラータオルと旗。
一関学院の名前のほか、「がんばろう岩手!」、
「復興に祈りを込めて檄走」などと書かれている。
500セット作り、1セット3000円で販売。

同校陸上競技部は毎年、6月の岩手・宮城内陸地震で被災した
須川高原温泉で夏合宿をしていた。
同部の菅原和幸監督は、
「元気な岩手をアピールするとともに、被災者支援の思いも込めて
都大路を力走したい」と選手の気持ちを代弁。
手ぬぐいと4色ボールペンをセットにした記念品(1000円)も販売。
申し込み、問い合わせは、同校(0191・23・4240)。

縄文人も骨折に添え木 太もも固定し治癒 文化財企画「先人たちのカルテ」「癒やしの足跡」

(共同通信社 2008年11月25日)

古代から人々は、数々の病気やけがに苦しめられた。
本格的な西洋医学が導入されるようになったのは、幕末以降とされるが、
それ以前もひたすら痛みに耐えるだけでなく、
少しでも症状を改善させようと治療を試みた。

1964年、岡山県倉敷市の縄文時代後期の涼松貝塚(約4000年前)で、
太ももを骨折した後、添え木を当てるなどして患部を固定し、
治療したと考えられる人骨が見つかった。

"患者"は、身長約160センチの成人男性。
右大腿骨の上部付近に斜めに亀裂が入り、完全に折れていた。
発掘した大阪市立大の島田武男元講師(人類学)は、
「大腿骨の中でもかなり丈夫な部分。
狩りなどの際によほどのアクシデントに見舞われたのだろう」

折れた骨の上側は、太ももを持ち上げるための筋肉とつながっており、
放置すると、下側の骨より前方に引っ張られ、うまく接合しない。
出土した骨を調べてみると、上側と下側の骨折面がくっついたあとがあった。

島田さんは、「添え木や包帯のような物で患部を固定したためだろう。
狩猟などで山野を駆け巡った縄文人は、骨折も多かったはず。
経験上、彼らなりの治療法があり、『縄文の整骨医』がいたのかもしれない

上下の骨がやや重なったため、大腿骨は約4センチ短くなり、
さらに下部の骨がよじれて外側に開いていた。
現代の医療でも、これほどの重傷だと、完治するのに半年はかかるとされる。
出土した時は、接合していた部分が埋葬後の土圧で外れており、
当時は完治が難しかったようだ。

骨の様子から、男性は治癒から数年後に死亡したらしい。
島田さんは、「治療後も脚は不自由で、思うように走ったりできなかったはず。
それでも数年間生きられたのは、当時も仲間を助け合う社会だったからだろう」

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=83507

ガラガラヘビ毒から「強力」鎮痛物質 富山大

(朝日 2008年11月30日)

南米産のガラガラヘビの毒から、モルヒネの数百倍の鎮痛作用がある
物質を抽出して合成することに、富山大和漢医薬学総合研究所の
紺野勝弘准教授らが成功。

ラットの実験では、効果が3日以上持続し、飲み薬の麻酔に使える可能性がある。
共同研究する製薬会社を探し、新薬の開発をめざす。

ブラジルに生息するガラガラヘビは、
運動神経をまひさせる猛毒で知られるが、
かまれても激しい痛みを感じない。
ブラジルでは30年代に、毒を薄めて痛み止め薬として市販。
紺野さんは、世界的な毒蛇の研究機関として知られる
ブラジルのブタンタン研究所や富山大で、ガラガラヘビの毒を分析。
チームで、アミノ酸が14個つながった化合物が鎮痛物質と突き止めた。

鎮痛効果を確かめるため、ラットの脚に重さをかけ、
どれぐらい我慢できるか調べた。
この物質を飲んだ群は飲まない群に比べ、ほぼ倍の重さの痛みに耐える。
その効果は、1回、飲ませただけで3~5日続いた。
モルヒネで同じ効果を出すには、その数百倍の量が必要。

モルヒネは、使う量を増やさないと効き目が悪くなることがある。
一方、このヘビの毒は量を増やさなくても同じ効果が続いた。
紺野さんは、「飲み薬として使えれば、普及する可能性がある。
痛みを抑える仕組みを解明して、薬作りにつなげたい」

老化:新知識得ないと物忘れが進行 理研チームがマウス実験で解明

(毎日 11月30日)

新しい知識や経験を得ない単調な生活を続けると、
老化による物忘れが進む可能性があることを、
理化学研究所のチームがマウスを使った実験で明らかにした。
好奇心旺盛な高齢者は、認知症になりにくいとされるが、裏付けられた形。

老化に伴って記憶が失われる物忘れは、
「タウたんぱく質」と呼ばれる物質が脳の神経細胞に蓄積することが原因。
理研脳科学総合研究センターの木村哲也・専門職研究員らは、
タウたんぱく質の蓄積を促す酵素に着目。

これを持たないマウスを迷路などに挑戦させ、行動を観察。
このマウスは、酵素を持たなくても道順を覚えたが、
何度も試すうちに忘れてしまった。

この酵素は、新しいことを覚えるプロセスでは働かないものの、
いったん固定した記憶を繰り返し使いながら再固定するのに欠かせない。

この酵素が働きすぎると、タウたんぱく質の蓄積が進んでしまうが、
新しい記憶を獲得することで酵素の働きを適度に抑えれば、
記憶を保ったまま脳の老化を防ぐことができる。

木村さんは、「老化がきっかけになるアルツハイマー病の発症も
遅らせられるのでは」
米オンライン科学誌「プロス・ワン」に発表。

http://mainichi.jp/select/science/news/20081130ddm016040012000c.html

2008年12月5日金曜日

岩手「県民で支える地域医療」設立 「住民も医療の担い手」

(毎日新聞社 2008年11月29日)

医師を確保し、地域医療体制づくりを進めようと、
「県民みんなで支える岩手の地域医療推進会議」の設立全体会が開かれた。

会長の達増拓也知事は、「全国に先駆けた取り組み。
住民も、医療の担い手という意識を持つことが重要だ」と設立の趣旨。

全体会では、全国自治体病院協議会県支部長の
菅野千治・県立宮古病院長が医師の勤務状況を報告。
03年度46人だった同病院の医師数は、今年度34人まで減少。
夜間救急が軽症患者の対応に追われるなど、
医師1人の負担が大きいことが背景だとして、
「地域で医師を守る機運が必要だ」と訴えた。

同会議は、県が主体となって県内83団体・企業が参加。
今後約2年半、リーフレット作成など啓発活動を行い、
症状や医療機関の役割分担に応じた受診などを
県民に求めていく方針が確認。

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=83880

正倉院にアジアの輸入薬 庶民にも使用か 文化財企画「先人たちのカルテ」「癒やしの足跡」

(共同通信社 2008年11月26日)

756年、仏教による鎮護国家を目指し大仏を造った聖武天皇が崩御、
光明皇太后は異国情緒あふれる遺品を正倉院に納めた。
その中に、アジア各地で採取された多くの薬も含まれている。

「種々薬帳」と呼ばれる薬の献納品のリストには60種が掲載され、
1994年からの調査で、現在も38種が残っていることが分かった。

調査した大阪大医学史料室の米田該典さんは、
「すべて唐からの輸入薬で、なくなった分は使い果たしたり、紛失したのだろう」

特徴的なのは、現在でもよく用いられる大黄、甘草、臈密、桂心、人参、芫花が
大量に納められていたこと。
米田さんは、「よく使ったため、多めに確保していたのだろう」と推測。

きらびやかな琵琶や鏡などと同様に、薬も国際色豊かだ。
鎮痛、鎮静作用のあるユリ科の鬼臼は、中国の長江以南、
潰瘍の消炎剤の甘草は、内モンゴル自治区東部から吉林省にかけての地域が
原産地と判明。東南アジア、インド産の薬草も。

奈良県明日香村の飛鳥京苑池跡では、中風治療の漢方薬の処方せん
「西州続命湯」と書かれた7世紀後半の木簡が出土。
唐の医学書の引用とみられ、飛鳥時代から大陸の最新医学が導入。

日本薬史学会評議員の鳥越泰義さんは、
「処方せんのような薬を作るには、正倉院の分だけでは種類が足りない。
日本各地から薬草を納めさせ、調合したのだろう」

種々薬帳には、皇太后の願文が記されている。
「もし病気に苦しむ者があれば、国の僧侶の許可を得て使ってもよい」

続日本紀には、皇太后が施薬院、悲田院の救済施設を設け、
飢えや病気に苦しむ庶民を治療、養ったとある。
米田さんは、「正倉院の薬は、一部の皇族や役人だけでなく、
病気の庶民にも用いられたはず。
日本の福祉医療の原点を見る思いだ

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=83604

宇宙政策「開発から利用へ転換を」 宇宙戦略本部

(朝日 2008年11月27日)

政府の宇宙開発戦略本部(本部長・麻生首相)の専門調査会は、
技術開発中心だった宇宙政策を「利用」重視に転換し、
国家戦略として総合的に取り組むべきだとする
宇宙基本計画の骨子を了承。

副本部長の河村官房長官は、「5年間で宇宙予算を倍増したい」
骨子の具体的な柱には、防衛利用の拡大、宇宙技術協力などを活用した
外交の推進、宇宙産業の競争力強化などをあげた。

官民共同開発が難航している中型のGXロケットは、
開発を継続することを了承。
防衛目的衛星の打ち上げを主に担う「安全保障ロケット」との位置づけや
技術的課題などを検討。

来年5月、策定予定の基本計画に先立つ来年度の重点施策として、
(1)次期気象衛星の着実な整備、
(2)計画中の災害監視衛星の利用目的拡大、
(3)宇宙利用を促進する新たなしくみ作り、なども決めた。

http://www.asahi.com/science/update/1127/TKY200811270227.html

2008年12月4日木曜日

関節軟骨の自然修復に成功 北大、再生促す物質を開発

(共同通信社 2008年11月28日)

一度損傷すると、自然には再生しないと考えられてきた関節の軟骨について、
新開発の物質をウサギの関節損傷部に埋め込んで、
自然修復させることに成功したと、
北海道大大学院医学研究科の安田和則教授らのグループが発表。

今後は、ヒトへの応用可能性や安全性を検証し、
スポーツなどによる軟骨の損傷に対する新しい治療法に結び付けたい。

安田教授らは、「ダブルネットワークゲル」と呼ばれる
軟骨と似た新しい化学物質を開発

これを、損傷させたウサギのひざ関節に埋め込むと、軟骨の再生が確認できた。
ゲルが何らかの刺激を与え再生を促すと考えられるが、
仕組みの解明は今後の課題に。

これまで、軟骨損傷の治療で使われてきた人工軟骨は、
摩耗すると手術で取り換える必要が生じる難点があった。
取り出した細胞を培養して、生体に戻す方法も研究されているが、
成功率が低いなどクリアすべき課題はまだ多い。

安田教授らは、生体内で再生させる今回の方法は、
「治療に革新を起こすだろう」と期待。

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=83794

江戸時代の木製入れ歯 女性用、お歯黒の跡も 文化財企画「先人たちのカルテ」「癒やしの足跡」

(共同通信社 2008年11月26日)

四日市市にある江戸時代の代官所跡で1999年、
18世紀末ごろのほぼ全形をとどめた精巧な木製入れ歯が出土。
当時の人々も、現在と同じような方法で老いを乗り越えようとしたようだ。

入れ歯は、焼き物やげたなど生活用品に交じって堀から見つかった。
上あご用で、奥行き5.5センチ、幅6.2センチ、高さ2センチ。
8本の歯が本物そっくりに削り出されている。
上あごに密着する部分は非常に薄く、わずか0.5ミリの所も。

材質は、ツゲ。
彫刻しやすいが割れにくくて肌触りも良く、入れ歯の材料に用いられた。
既婚の女性が塗ったお歯黒のように歯の部分が黒く、女性用とみられる。
一部がすり減っており、実用品だったよう。
科学分析の結果、お歯黒の成分は検出されなかった。

出来栄えは、これまで見つかった入れ歯の中でも「最高水準」。
江戸時代には既に専門の「入れ歯師」がおり、
木製入れ歯の製作技術は世界の最先端だったとされる。

発掘した三重県文化振興室の伊藤裕之主幹は、
「木を焼いて炭化させ、お歯黒の代わりにしたらしい。
木の性質を熟知した仏師がアルバイトで作ったのだろう」

国学者の本居宣長も入れ歯を作った。
その時の喜びを、短歌にして手紙に書き家族に送ったといい、
なかなか庶民の手が届くものではなかったらしい。

四日市市教委の葛山拓也学芸員は、
「持ち主はおしゃれな女性で、人前に出る時だけ使ったのではないか」と推測。
高価な品物なのに、なぜ堀に捨てられたのかは謎。

鑑定した名古屋市の「歯の博物館」前館長で、
歯科医師の山口晴久さんは、「高級武士か、裕福な商人でないと
作ることはできなかった。
捨てたのではなく、堀端でせき込むか、
くしゃみをして落としてしまったのかもしれない」と想像。

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=83605

初の「藤原氏時代」遺構 奥州・前沢の白鳥舘遺跡

(岩手日報 11月29日)

「平泉の文化遺産」を構成する奥州市前沢区の国史跡白鳥舘遺跡から、
奥州市世界遺産登録推進室の発掘調査で
12世紀後半とみられる建物跡などの遺構が見つかった。

同遺跡から、奥州藤原氏と同時期の遺構が見つかったのは初めて。
世界遺産登録候補地に指定される白鳥舘遺跡の藤原氏との
深いかかわりがあらためて証明。

見つかったのは、2棟の建物跡と溝跡など。
建物跡は、ほぼ同規模(南北約4メートル、東西8・5メートル以上)で、
重なるように位置。

片方の建物南側にはひさし(約1・6メートル)があり、
建物跡を東西に横切るように約5・5メートルの溝跡(幅約40センチ)があった。

同推進室は、かわらけなどの出土品から時代を特定。
平泉町で見つかった遺構と同規模で、ひさしがあることなどの特徴が
合致していることから、「当時の平泉と関係していたことは間違いない」

同推進室の及川真紀主任学芸員は、
「藤原氏以前や以後の遺物は多く見つかっていたが、
この時代の遺構はなかなか確認できなかった。
今後、東側に範囲を広げて調査したい」

第7次発掘調査(9-12月)は、同遺跡の丘陵部分から
約300メートル南西の水田約1・8アールで実施。
建物の柱の穴の跡は、計約50個見つかった。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20081129_6

運動不足や他の不健康な行動によってうつ病とCVDとの関連を説明できる

(Medscape 11月25日)

Mary Whooley博士(VAメディカルセンター)らは、
うつ病と心臓血管疾患(CVD)との関連性に着手し、
複雑な生物学的過程ではなく保健行動が、
うつ病患者における心臓事象リスク上昇の主な原因[1]。
特に身体的不活動が、おそらく大部分のリスクの原因。

Heart and Soul Studyでは、1000例を超える安定した
冠動脈性心疾患の患者を約5年間追跡調査し、
ベースライン時の抑うつ症状と、その後の心不全、MI、脳卒中、
一過性脳虚血発作、死亡との関連を評価。

うつ病が、心疾患リスクを上昇させることは以前から知られていたが、
可能性のあるメカニズムはこれまで明らかになっていなかった。
Whooley博士は、「ノルエピネフリンの増加、コルチゾルの増加、
心拍変動の低下、血小板活性化など、うつ病の生理学的影響には
関心が多いが、行動面のメディエーターについては注目されなかった。
生理学的メディエーターでは関連を説明できず、
すべて保健行動に関するもののように思われた」。

うつ病患者は、処方された通りに薬剤を服用する可能性が低く、
運動する可能性が低く、喫煙する可能性が高い。
「保健行動について調整すると、うつ病とCVDとの関連は消失した。
うつ病と心疾患との関連は、主として保健行動によって説明されると結論

他の研究と同様、Whooley博士らの解析でも、
うつ病と心臓血管事象との間には明らかな関連が認められた。
4876例・年の追跡調査期間中に発生した341件の事象のうち、
年齢を調整した事象発生率は、抑うつ症状のある199例の被験者では10%、
抑うつ症状のない818例の被験者では6.7%。

共存症および疾患重症度について調整後、
うつ病の被験者においては心臓血管事象のリスクが31%上昇。

抗うつ薬の使用、心拍数の変動性、セロトニン、ω-3sレベル、
ノルエピネフリン、コルチゾルの24時間排泄のような
生物学的メディエーターを解析に含めた場合、
CV事象に対する抑うつ症状の効果量は実質的に変化しない。

服薬アドヒアランス、喫煙状態、身体活動度のような行動面の因子を
解析に含めると、抑うつ症状と心臓血管事象との関連は有意でなかった。

「これらの因子は修正可能であり、人々に運動や服薬を奨励することに
費用がかからないという点で、これは良いニュースである。
厄介なニュースは、行動を変えることが非常に難しいということ。
ノルエピネフリン、コルチソルを低下させる薬剤を患者に処方するだけでなく、
行動療法を開始する必要があり、それらは周知の通り困難である」

最初に患者が運動不足のためにうつ病になったのか、
それともうつ病になった時に運動を止めたのかは問題ではない。
「おそらくそれは悪循環であり、関連は双方向性である可能性が非常に高い。
運動量を増やせば、心疾患リスクを低下させるという最終結果は同じで、
鶏が先か卵が先かは重要ではない。
うつ病患者について忘れてはならないのは、
物事を行う意欲が非常に低下し、患者に運動量を増やし、服薬させ、
禁煙させるには、特別な努力が必要だ」

Heart and Soul試験の結果は、うつ病の被験者における抗うつ薬の使用によって、
心臓血管アウトカムを改善することが可能かどうかの多数の試験が
成功しなかった理由を説明するのに役立つ。

Understanding Prognostic Benefits of Exercise and
Antidepressant Therapy (UPBEAT)試験では、
心臓血管リスクファクターの改善について、抗うつ薬と運動療法を比較。
「事象を予防できるかどうかを調べるのではなく、
炎症の変化などを調べるもの。
それは正しい方向への次の一歩である」

1.Whooley MA, de Jonge P, Vittinghoff E, et al.
Depressive symptoms, health behaviors, and risk of cardiovascular events in patients with coronary heart disease.
JAMA 2008; 300:2379-2388.

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=SPECIALTY&categoryId=580&articleLang=ja&articleId=83829

2008年12月3日水曜日

「バイアグラ」がドーピング薬物に? WADAが調査中

(CNN 11月27日)

男性の勃起不全治療薬として広く使われている「バイアグラ」が、
スポーツ選手のドーピング薬物になる可能性があるかどうか、
世界反ドーピング機関(WADA)が現在試験中だと、
米紙ニューヨーク・タイムズが伝えた。

バイアグラの成分「クエン酸シルデナフィル」は、
血流量を調節する酵素活性を抑えて血管を拡張させ、
血流量を増やす作用を持つ。
勃起不全のほか、肺高血圧症などの治療にも使われている。

運動選手にとって血流量が増えれば、運動時に必要な酸素を
より多く取り入れることができ、耐久力が高まる結果。
バイアグラが、運動選手の耐久力にどの程度影響を与えるのかを、
確認している。

http://www.cnn.co.jp/sports/CNN200811270009.html

「体育」を見直す(10)「到達目標」指導も充実

(読売 11月29日)

小学校教師の研究会が、種目や学年ごとの到達目標を作り始めた。

周囲の山々の緑が闇に沈むころ、熊本県菊池市立隈府小学校の体育館に、
ジャージー姿の教師が続々と集まってきた。
周辺4市町の教師で作る菊池郡市小学校体育研究会の研修会。
この日は、両脚を開いて跳び箱を跳ぶ「開脚跳び」の補助の仕方を学ぶ。
教師を目指す熊本大生も含めた20人が参加。

講師役は、同市立迫水小学校の冨永泰寛教諭(40)。
冷え込んだ体育館で太鼓を鳴らし、体を温める準備運動から
適正な人数でのグループ分けまで順序立てて説明。

「必要なのは体重移動だけ」と冨永教諭。
跳び箱の脇に立ち、跳び箱にまたがった教諭の上腕を軽く握って、
前方に軽く放り出す。
「これで、ほぼ100%跳べない子を跳ばせる事が出来ます」。
見事な着地に拍手が起こった。

合志市立西合志中央小学校の石田晴香教諭(28)は、
悲鳴まじりで跳び箱に挑戦した。
小学生の時から恐怖心がぬぐいきれず、体が動かなかった。
苦手な児童の気持ちは、痛いほど分かる。
大学の授業では、自分が跳ぶのに精いっぱい。
理論は習ったが、感覚は分からないまま教師になった。
これまでは、上手な子の実技をお手本にするように呼びかけるだけ。

しかし、研修会で補助の仕方がすとんと胸に落ちた。
「まさに『百聞は一見にしかず』。参加して良かった」

研究会の研究部長、菊池北小学校の佐藤政臣教諭(43)は、
「苦手な教師が得意な教師から学ぶだけでなく、
得意な教師は苦手な教師を通して、苦手な児童の気持ちが分かるようになる」

1994年に始まった研究会は、新たな取り組みに挑戦中。
種目ごとに、各学年の標準的目標となる「スタンダード」と、
目標達成のための最低基準の運動技能「ミニマム」作りだ。
2005年から作業を始め、昨年度にまず水泳を定義した。
今年は器械体操を策定しており、来年初めにも郡市内の小学校に配布。

「段階的な指導目標が分かるようになった」。
山鹿市立岩野小学校の上野元嗣教諭(35)は、
「ミニマム」、「スタンダード」作りを歓迎する。
教師になって4年目。
仕事をしながら、大学の通信教育で教員免許を取得したため、
実技指導を受けた経験がない。
「学習指導要領で、あいまいな部分が明確に書いてある。
成績評価にも役立った」

国は、指導要領で到達目標を示してはいないが、
子供たちに目標を示すことは、教師の教え方の充実にもつながる。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20081129-OYT8T00254.htm

スポーツ21世紀:新しい波/285 武道の必修化/3

(毎日 11月29日)

興味深いアンケート結果がある。
「剣道をやってみたい(続けたい)」と思う人の割合は、
部活動での経験者や全くの未経験者に比べ、
授業で剣道を経験した人が一番低い。
剣道の難しさや厳しさを知ったことで、
剣道に対するマイナスイメージを持ったのが理由。

剣道人口の減少に危機感を抱いた全国教育系大学剣道連盟研究部会は
93年、高校生と大学生を対象にした意識調査を行い、
計1万1846人から回答を得た。

剣道部の顧問を務める研究部会のメンバーにとって、
競技への入り口となるはずの授業が、
子どもたちを競技から遠ざけているのは予想外。

大阪教育大の太田順康准教授は、
「武道特有の礼儀や作法を教えるのは大事だが、
『黙って言うことを聞け』という態度では逆効果。
他のスポーツと同じように、体を動かすことの楽しさや喜びも
子どもたちに伝えなければ、道徳の授業と変わらない」

大教大4年の剣道部員、久保充世さん(21)は今秋、
中学校保健体育の教員試験に合格。
必修化を歓迎しながらも、「新しい学習指導要領には、
剣道の専門用語が使われている。
限られた授業時間の中で、自分たちも子どもたちに
しっかり教えることができるだろうか」。

同様の不安は、大阪府内の高校で保健体育を指導している
教員からも寄せられている。

文部科学省によると、武道の指導経験のある教員は
柔道82%、剣道54%、相撲17%。
12年度からの必修化に向け、指導者の養成は、武道場などの施設や、
用具の整備充実とともに急務。

野球やサッカーなどは経験がなくても、
テレビなどを通じて目に触れる機会が多く、イメージがつかみやすい。
それに対し、勝敗を争うだけではない武道は、
魅力が分かるまでに時間がかかる。

競技人口の拡大につながるのか、
武道嫌いの子どもたちを作り出すことになるのか。
必修化は、もろ刃の剣でもある。

http://mainichi.jp/enta/sports/21century/

カテキンの抗がん作用増強 京大、酵素で安定化

(共同通信社 2008年11月27日)

緑茶に含まれるカテキン成分を酵素の力で安定化し、
がん細胞の増殖を抑える作用を強めることに成功したと、
京都大の松村和明特任助教らのチームが発表。

カテキン成分に、抗がんや抗ウイルス作用があるのは知られているが、
化学的に不安定なため体内で分解されやすく、
医薬品としての応用に課題があった。
正常な細胞に対する毒性がほとんどないのも確認。

松村特任助教は、「将来はカテキンを使って、
副作用が少ない抗がん剤ができるかもしれない」

チームは、カテキンの主成分に酵素を使って脂肪酸をくっつけると、
分解されにくく細胞内に取り込まれやすい構造になることを発見。
がん細胞を移植したマウスに、カテキン成分を投与して1カ月間観察すると、
投与しない場合に比べ、がん組織の大きさが
10分の1程度に抑えられるのを確かめた。

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=83692

2008年12月2日火曜日

精神健康度に影響 長時間勤務や少ない休暇

(岩手日報 11月27日)

仕事以外の自由な時間が短い人ほど、精神健康度は低い―。
独立行政法人労働者健康福祉機構、岩手産業保健推進センター(石川育成所長)
が行った約4000人への調査結果で明らかに。

営業職や現場管理職は、他の業種に比べて精神健康度が低い結果も。
過重労働によるストレスが引き起こす自殺などの問題解決には、
職種による特徴を踏まえた、きめ細かい対策が必要。

「仕事にやる気が出ない。もう辞めたい」。
同センターの鈴木満・産業保健相談員(岩手医大神経精神科学講座准教授)は、
県内の30代の専門職男性から相談を受けた。
男性の1カ月の超過勤務時間は、約160時間。土日も休まず働いていた。

食欲がなく眠れない、悲観的に考えるなど、うつ状態がみられたため、
診断書を書いて職場の環境調整を図った。
残業を減らして休日を増やしたところ、男性は徐々に回復し、
約2カ月で元気を取り戻した。
働きすぎて燃え尽きる、この男性のような相談は、後を絶たない。

同センターは、自殺が過重労働と密接な関連があることなどから
実態調査を実施。
異なった事業所でも長時間労働や交代制、仮眠所での睡眠のような
過重労働因子は職種によって共通点があり、
職種によって精神健康度に差が出た。

1カ月の平均超過勤務時間は、45時間未満が73・1%、
40―80時間は17・9%、80時間以上は5・7%。
1カ月の休暇が3日未満は6・1%、3、4日11・1%、5、6日24・6%、
7、8日44・4%、9日以上が12・7%、無回答は1・1%。

超過勤務時間の長い人は精神健康度が低く、休暇の少なさも
精神健康度に悪影響を与える結果となった。
同センターは、「超過勤務時間が増えることで、睡眠時間が短くなることも一因

メンタルヘルス上の問題について、
相談機関利用者が9・0%にすぎないことも判明。
鈴木相談員は、「心の病を原因とする休職は長期間にわたる傾向があり、
企業に与える影響も大きい。
職域による特徴を踏まえ、負担に対してきめ細かい対応をしていくことが必要だ」
と相談体制づくりの重要性を訴える。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20081127_4

気仙連携へ新組織要求 大船渡市議有志

(岩手日報 11月28日)

大船渡市議会(佐藤丈夫議長、26人)の議員有志は、12月定例会に
「新たな気仙の広域連携を考える組織『気仙再生協議会(仮称)』の
立ち上げを求める決議」を、議員発議案で提案。
陸前高田市、住田町の両議会にも、同じ決議の提案を呼び掛けている。

陸前高田市議会の合併協議会設置議案の否決で、
一度は「白紙」に戻った気仙合併だが、
3市町による新組織の設立で、機運を再度盛り上げたいとの思惑も。

決議文では、直接的な合併への言及はなく、
「一つのテーブルで、行政課題や今後の地域づくりの議論を行うことが急務」、
「気仙のグランドデザインを議論する場を早急に設置すべき」などと訴えている。

今回の決議提案は、陸前高田市議会で合併協設置議案を否決した
10月末以降、大船渡市議会の旧三陸町議員で構成する会派、
創造会(4人)が中心となって呼び掛け、他会派も賛同。
提出者と賛成者には、20人以上の議員が名前を連ねる予定。

中心となった平田武副議長は、「このまま議論を終わらせるべきでない。
合併する、しないにかかわらず、3首長を含めた気仙の将来を話し合う場が必要だ」

陸前高田市民有志の直接請求で始まった合併議論は、
住田町を除いたことや、一足飛びで法定協議会を設立することへの反発も。
決議は、3市町の行政や議会、民間団体の代表者らによる緩やかな組織を想定。
話し合い次第で、任意の合併協議会などに移行することも視野に入れる。

大船渡市議会は、12月定例会初日の来月5日に提案する予定。
可決されても法的拘束力はないが、3議会で可決し、行政側に強く求める考え。

同市議会内には、「新法期限内(2010年3月末)の合併をあきらめるべきではない」
との声もあり、遅くとも年度内の早い時期の設立を目指す。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20081128_4

赤穂化成、寒い季節の健康づくりをサポートする清涼飲料水「冬の健康対策水」を新発売

(日経ヘルス 11月19日)

無機ミネラルの総合メーカー赤穂化成は、
健康ドリンク「冬の健康対策水」の発売を開始。

冬の冷えや風邪、感染症予防に効果がある。
同商品は、今夏に同社が販売し、好評を博した
「熱中症対策水」に続くシリーズ第2弾。

成分には、深層水ミネラルの主成分であるマグネシウムを配合し、
冷えや風邪予防に良いとされるかりん果汁、ゆず果汁、しょうがエキス、
深層水ミネラル、ビタミンCをプラス。

同社の研究よると、マグネシウム入り飲料の飲用は
唾液中の免疫抗体「S-IgA」を増加させ、感染症予防に効果があり、
「冬の健康対策水」の飲用により、特に冬場における
インフルエンザなどの感染症予防が期待できる。

「冬の健康対策水」はペットボトル型で、価格は350ml、158円。
全国のスーパー、薬局での取り扱いとなる。

http://nh.nikkeibp.co.jp/article/nhpro/20081118/102886/

黄河の水質汚染が深刻化、3分の1は利用不可

(CNN 11月25日)

中国北部を流れる黄河の水の3分の1は、水質汚染が深刻で、
飲料用にも産業用にも適さないとする調査報告を、黄河水利委員会がまとめた。

黄河は、過去数年で工業廃棄物による汚染が深刻化し、
都市開発に伴って水位の低下も進んでいる。
2007年の調査では、西部の青海省から渤海に至る約1万3500キロで、
黄海の水を採取して調査。

その結果、33.8%が国連環境計画の水質基準で「レベル5」以下に該当し、
飲料用にも工業・農業用水にも適さないことが分かった。

家庭用水として利用可能な「レベル1」、「レベル2」の水質と
認定されたのは16.1%のみ。
前年の調査では、レベル5以下は31%、
汚染が深刻化している状況がうかがえる。

黄河の汚染原因は、工業・製造業の廃棄物などが70%を占め、
家庭からの排水や廃棄物は23%。その他が6.4%。

http://www.cnn.co.jp/science/CNN200811250018.html

清原さんが闘病の子ら激励 ファンの男児、直前に死亡

(共同通信社 2008年11月26日)

今季限りで現役引退した元プロ野球オリックス選手の清原和博さん(41)が、
神戸大病院の子どもセンターを訪れ、入院中の子どもら約30人を激励。

昨年夏、同病院で左ひざの手術を受けた清原さんが
「恩返しをしたい」と申し出て訪問が実現。
しかし、来訪を待ちわびながら願いがかなわず、
2日前に亡くなった男児(11)もいた。

引退試合で着たユニホーム姿の清原さんに声を掛けられた子どもたちは、
満面の笑みを浮かべサイン入りボールを大事そうに握り締めた。

治療で髪を短くしている榎本日向君(6)は、
清原さんから「僕と(髪形が)一緒やね」と頭をなでられた。
母親の圭代さん(35)は、「治療の励みになると思う」と目を細めた。

清原さんは、「僕のユニホームを触ったり着たりして、元気になってくれれば」
ユニホームと帽子を病院に寄贈。

病院によると、清原さんの大ファンだった小学6年の男児は、
白血病の治療で入院中だった。
来訪が決まった3週間ほど前から集中治療室(ICU)で、
「いつ来るの?来たらサインをしてもらう」と心待ちにしていたが、23日に死亡。
兵庫県内の男児の自宅には、病院関係者がサイン入り色紙とボールを届ける。

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=83591

「体育」を見直す(9)発達障害への対応模索

(読売 11月28日)

発達障害や不登校経験のある子供たちの授業や生活改善に模索が続く。

体育館に集まった生徒は13人。3人が欠席。
対する教師は3人。手厚い体制に驚く。
横浜市の私立星槎中学・高校で、高校3年生の体育の準備体操が始まった。

「○○君を起点に広がって」と、教師の1人が手を挙げて指示を出す。
ただ「広がって」でないのは、その方が指示行動を理解しやすいからだ。
この日の授業はバドミントン。
教師が模造紙に書いた図を見せて、打ち方の種類を説明する。
耳で聞くだけでは、認知しにくい生徒への配慮。

同校や、通信制高校と連携した教育施設という位置づけの星槎学園など、
星槎グループは長年、発達障害があったり、不登校を経験したりという
生徒も多数受け入れてきた。
神奈川県大磯町で、星槎大学を含む新キャンパス構想を進めている。

学校には、体育に苦手意識を持ったまま進学してきた生徒が多い。
不用意な言葉一つで、やる気がなえてしまう子も珍しくないだけに、
どうすれば、けがをさせずに体育の時間を楽しく過ごし、
達成感を持たせるかが、以前から重視されてきた。

バスケットボールなら、リングに当たっただけで得点という風に、
ルールに工夫を加え、意識的に、競技人口の少ない新スポーツも取り入れる。
過去に体験した、いやな記憶を思い起こさずに済むから。

2年前からは、旧筑波大学付属聾学校などでの教員歴を持つ
東海大学体育学部の内田匡輔講師(38)が、
星槎大学を含むグループ内の教員と共同研究も始めた。
星槎グループの創設者、宮沢保夫会長(59)が、
「体育を魅力的なものにできれば、子供たちはもっと変わるはず」と
依頼したのがきっかけ。

グループでは元々、体育に限らず、生徒の障害の程度や経歴を把握する
個別指導計画を持っているが、内田さんの提案で、
1回ごとに授業カードを作り、生徒自身が、天気や体調とともに、
授業の感想や授業に対する評価を記している。

教室や廊下を使う実技の授業も試みた。
新聞紙を使うストレッチや、ボックスホッケーと呼ばれるミニホッケーなど、
どれも手軽にできる。
生徒たちの評判は上々だったが、「逆に、教室での体育に満足するということは、
生徒たちには、リハビリの授業が必要だということの裏返し」と内田さん。

授業での様子やアンケートの結果を見るうちに、
内田さんが改めて気づいたのは「体調が悪い」、「疲れた」という答えの多さ。

グループの中の4校の高校生を対象に今年7月、生活実態を調査した結果、
朝食を食べているのは47・9%。
ガムやお菓子で「食べた」とする生徒も含んだ数字。
排便が2日や3日に1度、入浴はシャワーだけという子も目立った。

体育の授業の前に生活を見直す――
生涯をできるだけ健康に過ごすためには、家庭の協力が欠かせない。

◆朝食食べる高校生72%

文部科学省の委託を受けた東海大アクティブライフ委員会が、
全国の小中高校生1万4420人を対象に、
今年6~7月に実施した調査によると、
朝食を食べているのは小学生90%、中学生84%、高校生72%。
成長するに連れて欠食率が高くなる。
調査は、「早寝早起き朝ごはん」国民運動の一環。
同委員会では、生活習慣と体力の関係を分析中。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20081128-OYT8T00179.htm

2008年12月1日月曜日

集客拡大へ連絡協 雫石の3スキー場

(岩手日報 11月27日)

雫石町の岩手高原スノーパークと雫石、網張温泉の3スキー場は、
「雫石スキーリゾートエリア連絡協議会(仮称)」を設立。

エリア全体の集客拡大を目的に、当面はシャトルバス運行や
共通記念グッズなどについて検討を進める。
同町のスキー場入り込み数は、右肩下がりと厳しい状況が続いており、
事業展開に注目が集まる。

3スキー場の各支配人が発起人となり、夏前から協議を重ねた。
設立総会では経過を報告し、役員を選出する。

事業は、合同安全祈願祭の開催や共通エリアマップの作製などを予定。
シャトルバスの運行や記念グッズ製作などについても検討する。
2年前から始まった「共通リフト券」も、事業を引き継ぐ方向で進める。

雫石スキー場は、約4・5キロのロングコースが魅力で、
岩手高原スノーパークは3場で唯一のナイター営業を実施。
十和田八幡平国立公園内にある網張温泉スキー場は、
原生林を抜ける名物コースを楽しめる。
それぞれの特徴を生かし、連携して集客拡大を目指す。

国有林レクリエーション事業として整備された雫石、岩手高原スノーパークの
両スキー場は、協議会組織の設置を義務付けられる。
連絡協議会の設立に合わせて、個々の協議会を解散し、
一元化した新体制で事業に取り組む。

町内スキー場の入り込み数は、1998―99シーズンの約57万人から、
2007―08シーズンには27万人台まで落ち込んだ。
岩手高原スノーパークが4年前から営業を再開したが、
全体的な客離れに歯止めがかからない。

設立発起人代表のプリンスホテルの芝田昭博東北総支配人は、
「町内の観光資源を十分に生かせるよう取り組み、
東北でもナンバーワンのエリアにしたい」と意気込み。

雫石町商工観光課の広瀬武課長は、
「共通の目標を持つというのが一番の目的。
訪れるスキー客への安心にもつながる」

各スキー場のオープンに先立ち、12月1日には3スキー場合同の
安全祈願祭を、雫石スキー場で初めて実施。
12月12日の同スキー場を皮切りに、岩手高原スノーパークで13日、
網張温泉スキー場では19日に今季の営業を始める予定。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20081127_12

オバマ氏が新サイト「チェンジ」開設、新政権の職員も募集

(CNN 11月15日)

米次期大統領に選出されたバラク・オバマ氏が、
政権移行に向けた最新情報を提供する新サイト「change.gov」を開設。

最新ニュースやイベント情報を掲載し、
ユーザーが新政府の職員に応募できる就職コーナーもある。

新サイトのコンテンツはまだやや薄いが、ユーザーが自分の体験や
思いを語るコーナーや、政権移行チームによるブログを設けるなど
ユーザー参加型のつくり。

1月20日の宣誓就任式に向けたカウントダウンも設置し、
就職コーナーではホワイトハウスや政府省庁などで働く職員を募っている。

オバマ氏は、選挙運動期間中もインターネットをフル活用。
米大手ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)のマイスペースで作った
「友達」の数は、対立候補ジョン・マケイン氏の約4倍。
もう1つの大手SNSであるフェイスブックでも、300万の支持者を獲得し、
合わせて1000万以上のメールアドレスを集めた。

選挙運動期間中を通じて、大統領候補のネット動静サイト
「TechPresident.com」を運営してきたアンドリュー・ラセイジ氏は、
「毎週土曜のラジオ演説と、時折開く記者会見だけで、
大統領が国民に語りかける時代は終わった。
オバマ氏が毎週(動画投稿サイトの)ユーチューブに登場し、
チャットで国民の質問に答えるようになっても驚かない」。

オバマ氏は、緊急を要しない法案に署名するに当たっては、
ネットで5日間にわたって一般からコメントを募り、
国民に参加してもらえるようにすると表明。
政権の最高技術責任者(CTO)を任命し、
米国全土にブロードバンドを普及させると公約。

http://www.cnn.co.jp/fringe/CNN200811110029.html

スーパー特区にiPS細胞医療応用プロジェクトなど

(サイエンスポータル 2008年11月20日)

「研究資金の統合的かつ効率的な運用」と
「開発段階からの薬事相談、承認審査の迅速化・質の向上」を
推進するための「先端医療開発特区」(スーパー特区)として、
政府は、24件の研究開発課題を採択、公表。

スーパーという名がついているのは、従来の「特区」のように
行政区域を特別扱いするのではなく、重視するのはテーマ、ということ。
先端医療開発という目的から言えば、当然の考え方だろう。

今回の特区選定の考え方や手順については、
「『先端医療開発特区』(スーパー特区)の創設について」の中で説明。
その中で、5つの重点分野が定められている。
「iPS細胞応用」、「再生医療」、「革新的な医療機器の開発」、
「革新的バイオ医薬品の開発」、「その他、国民保健に重要な治療・診断に用いる
医薬品・医療機器の国際的な共同研究開発(がん・循環器疾患・
精神神経疾患・難病等の重大疾病領域、希少疾病領域その他)」

今回スーパー特区として採択された中に、山中伸弥・京都大学教授を
代表者とする「iPS細胞医療応用加速化プロジェクト」が入った。
iPS細胞の特徴を生かした「新薬候補の開発」と、
細胞移植治療の臨床研究システム化を図り、
「臨床研究・治験を実施」という明確な最終目標。

「再生医療」分野で採択された岡野栄之・慶應義塾大学教授を代表者とする
「中枢神経の再生医療のための先端医療開発プロジェクト-脊髄損傷を中心に-」
に対しても、患者をはじめ期待は相当大きい。
交通事故などで脊髄に損傷を受け、下半身あるいは全身麻痺になった患者は多い。
しかし、長年ばく大な研究費を投入してきたといわれる米国なども、
これといった成果は得られていないのが現実。

その他いずれも、国民の健康に直結する研究開発プロジェクトが並んでいる。
なぜ、こうした分野の研究開発を進めるのに、
わざわざ「スーパー特区」といったものを設ける必要があったのか。

政府の文書を読むより、当サイトに掲載された
井村裕夫・先端医療振興財団理事長(元京都大学総長)のインタビューを
見てもらった方が分かりやすい。

臨床試験が、再生医療に限らず薬についても、日本は非常に遅れてしまった」、
「新しい薬についても、他の医療についてみても日本は後進国に」、
「世界でよく使われている薬100のうち、米国で未承認の薬は1つだけ。
欧州では3つくらい。日本は、なんと38の薬が使えない」、
「がん治療で、日本では使えない薬、承認はされているが適応がとれていない
『適応外』の薬が4割ぐらいある。
日本のがん治療は、米国に比べ半分の薬で行われている」、
「がん患者などは、ハワイまで薬を買いに行く、韓国に行くという状況」…。
(3月3日インタビュー【急を要する臨床研究体制の改革】)

「先端医療開発特区」(スーパー特区)は、
日本の医療再生に大きな役割を果たせるだろうか。

http://scienceportal.jp/news/review/0811/0811201.html

「体育」を見直す(8)苦手を減らす新球技

(読売 11月27日)

運動が不得手な児童も、積極的に参加できるチーム球技がある。

静岡市立横内小学校の教室前の廊下には、
数百個のドッジボールが並んでいる。
児童一人ひとりの「マイボール」だ。

そのドッジボールを使う球技「ヨコウチセスト」は、4年生の授業。
アルゼンチン発祥のバスケットボールのような球技「セストボール」を、
同小が約20年前に導入、改良を重ねてきた。

板のないバスケットのゴールが両陣内の中央に一つずつ置かれ、
パスを回してゴールを目指す。

ゴールは360度、どこからでも狙える。
ドリブルは禁止だ。
ゴールは高さ2メートル30、直径70センチで、バスケットより75センチ低く、
25センチ大きいため、シュートが入りやすい。

ドッジボールを使うのは、バスケットボールより軽く、子供が扱い慣れているから。
本来は1チーム5人だが、一人ひとりの役割を増やそうと、
3年前から3人に減らしたり、3対2にしたりと工夫を始めた。

11月初旬の授業は、1チーム3人の男女混合で行われた。
全員がボールを捕ったり、空いているスペースに走り込んだり。
ボールに触れない児童はいない。
勝ったチームは、手をたたいて喜んだ。
「チームワークが一番大切。みんなで作戦を練り、うまくいったら楽しい」と
宮坊昌宗君(10)。

「バスケットだと、上手な子供がドリブルしてゴールを決め、
それだけで勝ててしまう。しかし、セストはパスを回さないと勝てない。
みんながボールに触れる」と授業を指導した高島慎吾教諭(42)が説明。

高島教諭のクラスでは、持久走がいつも最下位で、運動の苦手意識が強い
女児がセストのシュート数がチームで最多になったことがある。
これも、運動能力が向上したというより、自然にボールが回って来た結果。
人数を減らしたゲームを繰り返したことで、5人の試合でも、
一人ひとりの動きが格段に良くなるという効果も出た。

同小では、ほかの集団競技でも、運動の不得意な児童もゲームに
参加できるようルールを変えている。
例えば、サッカーではゴールが四つ。
運動能力の高い児童がドリブルでゴールに前進しても、
もう一つのゴール前の空いたスペースにチームメートを見つけるとパスを選択。
誰にでもボールが行き渡る仕組みだ。

こうした数々の新スポーツを生み出すのが、40年前からの同小の伝統。
球技だけでも、学年ごとに3種目程度、開発したスポーツがあり、
その変形を合わせると100種類近い球技を実践。

現在、中心的に教材開発している金森寛教諭(41)が、
「既存のスポーツは、難しすぎて小学生に合わない場合も多い。
成長に沿った授業をするには、自分たちで新種目を作らないと」と訴える。

10月末の同小の公開授業には、全国から130人以上が訪れた。
先進校の取り組みが広がりを見せようとしている。

◆体育好きの小学生増

ベネッセ教育研究開発センターの調査では、小学5年生約2500人のうち
「体育が好き」と答えたのは、1990年79.4%、96年80.9%、
2001年81.6%、06年84.9%と、年々増加。
「指導の重点が、技能を身につけさせることから、
楽しさを感じさせることに移っているからではないか」

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20081127-OYT8T00188.htm