2009年12月24日木曜日

早稲田大学の黒澤教授「トップ主導でISOを生かせ」

(日経 12月12日)

鳩山由紀夫首相が、温暖化ガス削減目標について、
2020年までに1990年比25%減を掲げ、産業界に波紋。
厳しい数値だが、技術革新が促されて日本経済に
活力を与えるという見方も。
企業は、どのような姿勢で挑むべきか?
早稲田大学大学院環境・エネルギー研究科の黒澤正一教授。

——25%削減目標をどうみているのか?

「25%削減の宣言は、企業の環境経営のあり方に一石を投じた。
この数値は、先進国全体で2050年までに80%以上の削減という
目標を踏襲し、妥当性を認めなければならない。
高いハードルを前に、早くも真水による25%削減をあきらめ、
途上国・新興国の削減に対する貢献の代償や排出権取引で
賄おうとする向きが大勢。
環境経営の技術を駆使し、国内のみでの25%削減の具現化を提言したい」

「目標は、必要だからこそ設定される。
現在の力量、慣習、インフラ、技術水準では、
簡単には達成できなくても、不必要になるわけではない。
多くの企業は、『必要な目標』ではなく、『できる目標』として
低水準の数値を勝手に設定し、知らずに現状を追認してしまいがち。
まず現状否認からスタートし、温室効果ガス削減に向けて
業務変革を繰り返すことによってのみ、到達できる。
現状否認を継続させるけん引役として、
環境マネジメントシステム(EMS)の役割が、一段と重要」

——具体的にはまず何をすべきなのか?

「我が国では、EMSが瀕死の状態にある。
今年4~6月、日本適合性認定協会(JAB)による
ISO14001適合組織数が前期に比べ減少に転じ、
7~9月期は2期連続減。
ISO14001やEMSは、『負担の重い看板代』くらいの印象では。
ISO卒業を宣言する例まである。
それは、規格の要求事項についての誤解や曲解によるもの。
システムを正しく構築し、厳格に運用する必要がある」

——どのあたりが間違った理解なのか?

「経営トップの姿勢を例に。
トップは、担当者まかせにしていないか。
ISOでは、トップが継続的改善にかかわるという明文の規定。
消費電力が2%減ったとか、廃棄物処理費用が5%減ったとか、
パフォーマンスに偏重せず、将来への信頼確保が必要。
トップが方針を示して、高い目標を設定する仕組みが必要。
ISOの精神を正しく踏襲した効果的なPDCA(計画・実行・評価・改善)
のサイクルを実現させる必要。
EMSの健全化、“第2世代”EMSにバージョンアップしなければならない。
ISO14001が発行され、これまでは練習期間とも言ってよい。
それなりに市民権を得たものの、今のままではいけない」

——企業が参考にできる事例はあるか?

「大阪の歯ブラシメーカーが、第2世代EMSに向けて果敢に挑戦。
紙や電気の無駄を省くといった第1世代EMSからの卒業を宣言。
目標として、『温室効果ガスの90%削減』を掲げた。
歯ブラシという製品で、90%削減を実現するにはどうすべきか。
試行錯誤して得られた答えの1つが、ブラシの付いた頭の部分だけを
切り離し、交換できる製品を開発。
柄の部分を捨てず、いつまでも使ってもらうため、
指で押さえる部分に、ネコの肉球のような手触りのアクセントを付けた。
これで、70%までの削減につなげた。
トップマネジメントで動いており、社内に良い意味での緊張関係が
できている好例ではないか」

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/interview/int091211.html

電子書籍ブーム もう一つの文脈

(日経 2009-12-17)

今年の米クリスマス商戦最大の注目アイテムは、
電子書籍リーダー。

アマゾン・ドット・コムの「キンドル」、ソニーの「リーダー」、
米書店大手バーンズ・アンド・ノーブルの「ヌック」の、
三つどもえの競争が激しい。
ゴールドマン・サックスの調査では、米国消費者の6%が
今年のクリスマス・プレゼントに電子書籍リーダーを贈る計画。
この冬を境に、電子書籍が大きな市場として離陸するのは確実。

コンテンツを供給する側のメディア企業の動きも激しい。
タイムワーナー、ニューズ・コーポレーション、コンデナスト、
ハースト、メレディスの出版・新聞5社は、新聞・雑誌・書籍の
電子配信に関する共通プラットフォームや標準技術仕様を開発する
共同出資会社の設立を発表。
電子書籍リーダー、多機能携帯端末、携帯型パソコンなど、
端末の形態やメーカーにかかわらずに対応できるプラットフォーム。
アマゾンやアップルなど、特定企業の配信プラットフォームに
支配されず、コンテンツ供給元が自ら課金配信の
“胴元”を運営しようという試み。

これらの動きが示唆しているのは、
単なる印刷媒体の電子シフトだけではない。
ネットの利用端末として、携帯端末がパソコンに代わって
成長の中心になりつつあることを象徴している。

パソコン用にウォールストリート・ジャーナル(WSJ)電子版の
日本語版を開設したダウ・ジョーンズのトッド・ラーセン消費者
メディアグループ最高執行責任者(COO)は、
「多端末対応と世界的なローカライゼーションが、
WSJの成長戦略の両輪」

米国では、アップル製iPhone版で、
パソコン用電子版とは別途課金を開始。
今後も、利用端末ごとに課金の道を探っていく模様。
日本語版でも、来年早期に記事ごとに課金するシステムを導入。

載せるコンテンツ自体は1つで、閲覧可能端末を増やしていくと、
端末ごとに読者や広告を巡って共食いになる恐れも。
ラーセン氏は、「これまでの米国の経験でいうと、
紙と電子版の併存は相乗効果を出している。
電子版によるプロモーション効果で、紙の有料発行部数も伸び、
広告も多メディアでの提供に人気が集まる。
携帯端末を増やしても、より相乗効果が広がるはず」

日本でも、同じような現象はすでに起きている。
パソコン版と携帯電話版が併存するコンテンツサービスで、
有料にもかかわらず携帯版が売れたり、割高にもかかわらず
携帯電話向けの音楽配信「着うたフル」が売れたりといった現象。
日本のメディア・コンテンツ企業にとっても今後、
課金を織り交ぜた新たな成長分野として、
携帯型端末向けの配信サービスは注目が高まる。

モルガン・スタンレーの著名インターネット業界アナリスト、
メアリー・ミーカー氏は、最初の一般向けパソコン用ブラウザー
(閲覧ソフト)であるネットスケープの利用者が、
配布2年後に1100万人だったのに対し、
NTTドコモの「iモード」が2500万人、アイフォーンとiPodタッチを
合わせた利用者が5700万人に達したと指摘。
「携帯ネットは、大方の予想をはるかに上回る規模に成長、
今後も想像を超える規模に成長していく」と予想。

モルガン・スタンレーは、第3世代以上の携帯通信網の
全世界契約者は2010年に年間53%増加、
10億5500万人に達すると予想。
分母が増えても、09年の60%増(見込み)に匹敵する急成長が続く。
中国とインドという2大インターネット市場で、
3Gが普及するのはこれから。
インターネット利用端末は、これから携帯型が主流になっていく。

携帯型ネット端末は、電子書籍リーダーだけでなく、
パソコンでも電話でもない、新たなタイプが増えていく。
メディア・コンテンツ企業だけでなく、ネット上で事業展開する企業は
今後、多様な端末戦略が欠かせなくなりそう。

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/ittrend/itt091216.html

2009年12月23日水曜日

特別支援教育(6)発達障害の学生 後押し

(読売 12月9日)

大学でも、発達障害のある学生が支援を必要。

9学部と大学院に約9200人が通う富山大学。
大勢の学生が教室に吸い込まれ、キャンパスが静かになった午前、
理系学部に入学して4年目の佐野耕平さん(仮名)(21)が、
「アクセシビリティ・コミュニケーション支援室」のドアをノック。
全国の大学でも珍しい、発達障害の学生支援を目的とする機関。

佐野さんは、アスペルガー症候群と注意欠陥・多動性障害(ADHD)。
「講義が急に変更になったり、遅刻しそうになったりすると動揺してしまう」。
その場に座り込み、動けなくなることも。

昨年度の約1年間は休学。
昨年4月に支援室が開設、今年度から復学した。
支援室では、佐野さんの障害を考え、履修科目の選択を一緒に検討。
各教員にも状況を伝え、体調不良による欠席を
リポート提出で代替するなどの配慮。

支援室の吉永崇史・特命准教授(33)は、
「佐野さんは、授業に出たいとの意欲が強い。
どういう形なら単位が取得できるのか、教員も含めて一緒に考えている」

膨大な学生たちの中で、誰が支援を必要としているのか――。
大学の特別支援教育はそこが難しい。

入学時の書類に、障害があることを記載する学生はほとんどいない。
同大では、支援室の開設を機に、新入生や保護者、全教員に
パンフレットを配布。
「発達障害」に限定せず、学業や人間関係で困りごとをもつ
学生の相談機関としてPR。

「発達障害を前面に出すと、障害を自覚していない学生は来ないし、
教員も『行ってみなさい』とは言いづらい」と
支援室長の斎藤清二教授(心療内科医)。
同大は現在、発達障害がある、疑われる学生23人を支援。
そのほとんどは、教職員や保護者の勧めで訪れた学生。

支援につながるもう一つの窓口は、インターネット。
ゼミやサークルの連絡に使ったりするSNSでも、
支援室は困りごとの相談を受け付け、
学生本人や教職員から「要支援」の情報が寄せられている。

「大学での特別支援は、前例が少なく、すべて手探りの状況」
支援室では、特別支援学校の元教諭らコーディネーター4人が
相談に対応し、相談件数は昨年度から3倍強の月平均80件に。

アスペルガー症候群で一時大学を休んでいた男子2年生の
母親(49)は、「支援室の方々はよく連絡をくれるし、熱意を感じる。
支援がなかったら復学できていなかったはずで、感謝している」

青年期の発達障害は、子ども以上に周囲から理解されにくい。
大学での支援が当たり前になれば、
社会全体の理解も広まっていくはずだ。

◆SNS

趣味や仕事などの共通項を持つ人々が、
インターネット上に作った交流の場。多くは匿名で参加。
友達の輪のように、交流のネットワークがどんどん発展するのが特徴。
最近は、企業の社員用コミュニティーや広報・宣伝など、
ビジネスでの活用も増えている。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20091209-OYT8T00282.htm

くま 血行良くして改善 カシス飲料に即効性 入浴、睡眠も重要

(2009年12月18日 毎日新聞社)

疲れがたまると、目元にできる「くま」。
「病気ではない」と軽視され、関心を持つ研究者は少なかった。
女性の社会進出が増え、目を長時間酷使する
コンピューター作業が定着、90年代後半から相談が急増。
化粧品メーカーによる研究も進んでいる。

市橋正光・神戸大名誉教授(皮膚科学)は、
「一口にくまといっても、原因によって『青くま』と『茶くま』の
二つに大別される」

疲れ、ストレスによって、血行が悪くなるとできるのが青くま。
酸素が少なく青黒い静脈血が、目の下に大量に滞ることで起こる。
まぶたや目の周りの皮膚の厚さは0・6ミリ。
顔のほかの部分の皮膚の約3分の1の厚さしかないが、
皮下には多くの血管が走り、血液の色が他の部位より透けやすい。

紫外線や摩擦による刺激で傷んだ細胞でメラニン色素が増え、
皮膚に沈着したのが茶くま。
目の周りは、皮脂腺や汗腺が少なく角質が薄いため、
乾いて傷つきやすいことで起こる。

それぞれの予防や対処法はどうすればいいのか?

市橋さんは、「青くま解消には、血行を良くするのが一番」
入浴やマッサージでも改善、
市橋さんが「即効性がある」と勧めるのがカシス。
カシスに含まれるポリフェノールの一種アントシアニンが
細い血管を拡張し、血液を流れやすくする働き。

市橋さんらが、カシスアントシアニン50ミリグラムを含有した
ドリンクを、女性33人に飲ませて目元の血流を測ったところ、
15-90分で血流量が3-8%増加。
肌の色も、黒みが減って赤みが差し、実験後の聞き取り調査でも
7割が「くまが改善された」と答えた。

資生堂スキンケア研究開発センターの舛田勇二・主任研究員は、
「ビタミンEにも血行促進作用があるので、
普段使っている化粧品に含まれているか確認してほしい」

茶くまでは、色素生成を抑えることと、できてしまった色素を
早く皮膚から排出するのが対処の柱。

舛田さんが、20代と50代の女性を対象、
くまの有無と目元のメラニン量の関係を調べると、
どちらの世代でも、くまのある人の方がメラニン量が多かった。
50代の方が、20代よりメラニン量が多かった。

別の調査でも、年齢が上がるほど茶くまに悩む女性が増え、
舛田さんは「年齢とともにメラニン量が増え、
茶くまができやすくなるようだ」と推測。

舛田さんらによると、ビタミンCに色素生成を抑える働きがあり、
アセロラやレモンなど果物や野菜で摂取。
美白成分入りや保湿効果のある目元用化粧品も市販。

市橋さんは、「沈着が浅ければ、メラニンも古い角質と一緒に
そのうち排出。新陳代謝の改善も心がけてほしい。
入浴や十分な睡眠は、代謝にも良い」

英語でくまを表す言葉すらないほど、
欧米では関心を払っていなかった。
舛田さんによると、「dark eye circles(目元の暗い円)」という
言葉が定着してきた程度。
日本人は、以前からくまを意識していた。
くまの語源は、歌舞伎役者が施す赤や黒の化粧「隈取(くまどり)」に
由来するという説がある。

研究の歴史が浅いこともあり、わからないことも多い。
徹夜明けなど、疲労が蓄積した場合にくまが出るように思われている。
舛田さんが、18歳-50代の女性200人を対象に行った調査でも、
半数以上が「くまが目立つのは朝」
社員に徹夜で過ごしてもらい、目元を観察すると、
宵の口と朝方で変化はなく、徹夜後に仮眠をとって
午後に起きたらくまができた社員が多かった。
舛田さんは、「寝ている時には血管が拡張し、
起きると血管が収縮することと関係があるのかもしれない」と推測。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/12/18/113354/

梅に糖尿病の治療効果成分?

(2009年12月18日 読売新聞)

和歌山県みなべ町は、特産品の梅に糖尿病治療などに
利用されている「α-グルコシダーゼ阻害剤」の効果がある成分が
含まれていることを、県立医科大の研究グループなどとともに
解明、特許を取得。

古くから「梅干しは体によい」などと言われてきたが、
具体的な効果を検証しようと、県立医科大や近畿大などの
8機関が2001年から、研究を重ねてきた。
昨年、胃潰瘍などの原因となるヘリコバクター・ピロリ菌を
抑制する物質があることを解明、特許を取得。

今回の特許では、食後高血糖を改善するために服用されている
α-グルコシダーゼ阻害剤の効果がある成分が、
梅にも含まれていることを突き止めた。
動物実験などでは、糖尿病の予防効果も。

宇都宮洋才・県立医科大講師は、
「研究が続いており、具体的な成分などは公表を控えたいが、
言い伝えられてきたことが、科学的に裏付けられたと思う」
特許の取得を受け、町は梅のこうした効果を積極的にPR。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/12/18/113332/

2009年12月22日火曜日

逆風の中で:第7部・地域プロ/3 2人からの再出発

(毎日 12月17日)

福岡県二丈町にある製パン会社所有の球場から
ユニホーム姿が消えて、1カ月半が過ぎた。
独立リーグの四国・九州アイランドリーグに所属する
福岡レッドワーブラーズのメーン練習場。
球団は9000万円の負債を抱え、10月末、チームは解散。
3年目の来季は、試合に参戦しない「準加盟球団」となり、
23人の選手はリーグの救済ドラフトで、
他の4チームなどに散っていった。

球団に残ったのは、江口信太郎球団代表(40)とスタッフ1人。
1年かけて、負債だけでなく、復帰後最低限必要な運営費
約7000万円も合わせた1億6000万円程度を
かき集めなければならない。

経費節減のため、福岡市内の事務所を引き払った。
スポンサー約10社には増資を依頼し、
新規の企業スポンサーを探している。
ホームページで、1口3000円や1万円の個人、法人会員を募る。
復帰への道は、緒についたばかり。

次の失敗は許されないため、復帰後「人を呼べる球団」
にするための策は練っている。
試合を集中的に開催する地域を選んで本拠地とし、
存在感を出すもくろみ。

「県民球団」を目指すレッドワーブラーズは、
県内各地で試合を行ってきた。
福岡には、プロ野球ソフトバンクを筆頭に、
サッカーやバスケットボールといった人気チームが多く、
互角に戦うのは難しい。
年間80試合の観客動員の1試合平均は、500人未満。
試合を、これまで開催した球場の中から絞って
存在感を出そうというもの。

四国・九州アイランドリーグ、徳島インディゴソックスの
ボランティアスタッフを務めたこともある、
徳島大総合科学部の長積仁・准教授(スポーツ経営学)は、
「うまくいっているチームでも、興行を行わずに
1億6000万円集めるのは相当厳しいと思う」
その上で、「地域特化にシフトする試みに、一定の評価はできる。
試合のプロデュースを、学生に任せるなどして地域に開放し、
派生させるような顧客開拓に結びつくシステムを作り出せばいい」

福岡のスポンサー集めの売り文句は、「地域での実績」。
地域イベントに参加したり、小学校の登下校を見守る
スクールガードなど、地域に溶け込んできたことをアピール。

不況続きの中、企業スポンサーは10万円単位の小口が中心。
「正直、1年での復帰は厳しい。
だが、できると信じて動くしかない」。
江口代表は、オフィス代わりにしている自家用車で、金策に奔走。

http://mainichi.jp/enta/sports/general/news/20091217ddm035050052000c.html

意外に役立つ農商工連携

(日経 2009-12-15)

「農商工連携」。
製造業の技術や流通業のノウハウを農業に活用するため、
昨年施行された国の施策。

独自技術や新商品など、有望な事業シーズを持ちながら
経営体力が弱く、自力で新規分野に挑戦することに
臆病になっている中小モノ作り企業も、農林業者と連携して
新事業や販路開拓に成功するケースも増え、
地域の中小企業の活性化策として成果をあげている。

東京ビッグサイトで開催された「チャンスを活かせ!!中小企業総合展」は
4万6000人が来場、熱気であふれた。
出展した514社は、事業や新製品のPRだけでなく、
連携相手探しにも力を入れていた。

展示会を主催した中小企業基盤整備機構(中小機構)は、
農商工連携を浸透させる場とも位置付け、
参加者同士の“見合い”があちこちで繰り広げられた。
パネルディスカッションのテーマも、ズバリ
「売れる商品作りと販路開拓のポイント・農商工連携活用の現場から」

パプリカ生産農家、Tedy(水戸市)の林俊秀代表は、
「異業種の知恵を借りて、アイスクリームのヒット商品を
誕生させることができた」と成果を披露。

国産パプリカ農家の先駆者であるTedyは、
年間約300トンを生産、国内産の1割以上をまかなう。
首都圏の高級スーパー、外食店向けに出荷。
形はピーマンに似て、赤、黄、ダイダイと色鮮やかなうえ、
肉厚で糖度が高く、煮ても焼いてもおいしいパプリカだが、
農家にとって扱いにくい作物。

温度変化に弱く、日照時間や温度変化に応じて
きめ細かな管理が必要。
見た目が重視され、少しでも傷があると流通業者は買ってくれず、
スーパーなどの店頭に並ぶのは色合いや形の整ったもの。
出荷できない規格外のパプリカは、全生産量の1割、約25トン。
焼却にかかるコストは、年数百万円。

「傷ものを廃棄せず、有効活用できないか」
林氏は、パプリカの売り物である色合いや味・栄養を
そのままにしたペーストを作りたいと考えた。

レストランでは、スープやドレッシングの材料として使われ、
ペーストを作るにはパプリカの表面をバーナーで焼き、
薄皮を取り除くなど手間がかかり、輸入品が市場をほぼ独占。
食の安心・安全に消費者の関心が高まり、
国産品にも需要があると判断した林氏は、水戸市にある
食品加工メーカーのオーピーシートレーディングと組み、
薄皮を除去し、鮮やかな色合いのペーストに加工する設備を
共同開発。

開発は、試行錯誤の連続で、昨年施行された
「農商工等連携促進法」の認定を受け、新商品開発のための補助金
(上限3000万円)などの支援がなければ、あきらめていた。

Tedyは、今春、水戸京成ホテルのレストランと協力、
パプリカペーストを練り込んだアイスクリームを商品化。
「農工」連携による成果に、「商」が加わった。

林氏は、「市場拡大に向け、パプリカの新しい食べ方を提案、
今後も連携の輪を広げていきたい」と意欲。

現在の農商工連携認定は272件。
業種内訳は、食品が218件と最も多い。
認定件数の約6割が売り上げを計上、新規事業として独り立ち。

成功事例を紹介した「農商工連携88選」をみると、
浜松市の自動車部品メーカーが地元の農園、花芽販売業者と組み、
LED(発光ダイオード)を使い、小型で安価な発芽誘導装置を開発、
チンゲンサイの周年栽培が可能になったケースなど。

政府の行政刷新会議の事業仕分けでは、
「農商工等連携促進施設整備支援」は、
来年度概算事業要求額(11億6700万円)の縮減判定。

中小同士の連携は、利害関係の調整など難しい側面があり、
信頼関係が築けず、破談になるケースも多い。
何を作り、どうやって売るか?
連携相手探しなど、入り口の段階から経営指導に携わる
良きメンター(指南役)と出会えるかが成否のカギ。

中小機構は、ビジネス経験豊富な大企業OBが
プロジェクトマネジャーとしてメンターの役割を担い、
中小企業診断士、弁理士など地域の実情に通じた
アシスタントマネジャーの合計120人を全国に配し、
新事業創出の阻害要因を指摘、事業のテークオフ(離陸)を助ける。
補助金の出し放しに終わらせず、認定後の支援にも力を入れ、
新規事業の継続的な発展に当たることにも主眼。

「日本最大級の中小企業マッチングイベント」と銘打った
中小企業総合展の活況をみると、大手の下請けでは生きていけない
中小企業が、中小同士の連携に活路を見いだそうとしている。
生き残りに苦闘するモノ作り中小企業は、
これまであまり関心を示さなかった農林水産市場に目を向け、
技術力を生かして新規事業にチャレンジしてみたらどうか。

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/mono/mon091208.html

小学生の視力低下止まらず 0・3未満が過去最多

(2009年12月18日 共同通信社)

視力が0・3に満たない小学生の割合が、
2008年度より0・2ポイント増えて7・3%に上り、過去最多。

文部科学省が公表した、09年度学校保健統計調査速報。
調査項目に加わった1979年度の2・7倍に増加。
視力低下が止まらない現状。

背景には、幼児期からのテレビゲーム、パソコンの影響があるとみられ、
文科省は、「以前より目を酷使する機会が増えたのではないか」と分析。
「0・3未満」の児童の割合は、6年が14・9%(昨年度比0・9ポイント増)、
4年が8・4%(同0・5ポイント増)。
1年は1・0%、2年は2・7%で、いずれも昨年度と同じ割合。

中学生は0・4ポイント減り、22・0%。
高校生も0・7ポイント減の27・7%、「1・0未満」の割合は、
1・4ポイント増加し、59・4%を占めた。

中1の虫歯の本数は、過去最少の1・4本。
低下を続けており、10年前の2・9本の半数以下になった。

ぜんそくの子どもの割合は、小学校4・0%、高校1・9%、
最高を更新。
粉症などを含む鼻・副鼻腔疾患の児童生徒の割合も
高校9・6%、中学校10・8%、小学校12・6%、幼稚園4・0%。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/12/18/113308/

2009年12月21日月曜日

逆風の中で:第7部・地域プロ/2 BCリーグ6球団

(毎日 12月16日)

苦難の経営を強いられた原因を問うと、関西独立リーグ、
紀州の竹中則行社長は苦渋の表情。
「関西には、地元有力紙と呼べるものがない。
当初から危ぶんではいたが、メディア露出の少なさは
想像以上に痛かった」
創設1年目の今季、世間を騒がせたのは、リーグの金銭問題と、
男子に交じってプレーする吉田えり投手の話題ばかり。
リーグとして、発信力を欠いたのは明らか。

地域密着を掲げる独立リーグにとって、
地元メディアの協力は必要不可欠。
北信越を中心とするBCリーグは、6球団すべてがスポンサーや
パートナーといった形で、地元有力紙の協力を得ている。
08年度決算で、赤字ゼロを達成した石川の端保聡社長は、
「地元のメディア、通信、金融機関の3者の協力なくして、
この事業は成し得ない」と力を込める。

BCリーグの福井は今年7月、福井新聞社が球団経営を引き継いだ。
球団は初年度、約3500万円の赤字を計上、
今季も5月末で1800万円の赤字。
福井新聞社専務の吉田真士球団社長は、
「資本金をほぼ食いつぶした状況で、不安は大きかった」
福井は石川、富山など近隣県から1年遅れる形で、
リーグ創設2年目の08年から参戦。
ようやく誕生した県民球団が、わずか1年余りでつぶれてしまっては、
「プロスポーツ文化で、福井が取り残されてしまう」と吉田社長。
「地域が活性化することが、新聞社の繁栄にもつながる」
という観点から、球団に手を差し伸べた。

7月以降、専従の球団代表と営業スタッフの2人を派遣、
経営の効率化を図り、積極的な紙面展開でサポートを続けている。
吉田社長は、「有力コンテンツというよりは、
郷土愛の象徴ととらえている」
試合の翌日、スポーツ面のトップ記事として扱うだけでなく、
地元開催の前には展望記事や特集面が組まれる。

取材を担当する運動部は、08年のリーグ参入を前に
部員を1人増やした。
「県内のトップチームとして扱う姿勢は、
経営に乗り出す前から変わらない」と近藤修運動部長。
すべての遠征に同行できているわけではないが、
他の5球団を支える地元新聞社と記事や写真の交換で、
協力体制をとり、地元開催時と変わらない紙面展開を実現。

日々の報道や事業を通して築き上げたネットワークを、
スポンサー営業などに生かせるのも強み。
吉田社長は、新聞社が球団経営に関与し続けることには
疑問を持っている。
「球団を、一企業のものにしてはいけない。
地域に密着し、福井を元気にできる球団の土台作りのお手伝い」
今は、すべての県民に支えられる球団として、
独り立ちさせるための過程だととらえている。

http://mainichi.jp/enta/sports/general/news/20091216ddm035050160000c.html

老いを支える制度活用を 包括センターが相談窓口

(2009年12月11日 共同通信社)

一人暮らしの高齢者の大きな支えとなるのが社会保障。
制度をよく知って賢く使いたい。
仕組みのポイントや生活の心構えをまとめた。

▽身なりに乱れ

82歳の男性、2年前に妻が特別養護老人ホームに入って
一人暮らしになってから、身なりが乱れ始めた。
掃除をしないため、部屋はごみが散乱し、
台所には虫が大量発生する状態。

妻を担当する職員が気づき、町の地域包括支援センターに連絡。
担当者が、害虫の駆除の手配などを手助けした。
判断能力も衰え、要介護認定を受け、
ヘルパーが週に数回、家事援助に入ることに。
お金の引き出しにも不安があるため、行政サービスの利用や
手続きなどを助けてくれる社会福祉協議会の
日常生活自立支援事業(地域福祉権利擁護事業)を利用。

▽よろず相談窓口へ

一人暮らしの高齢者が頼りにしたいのが、
高齢者の"よろず相談"を受け付ける地域包括支援センター。
社会福祉士や保健師、ケアマネジャーらが常駐。
全国に3976カ所(2008年度)ある。

介護保険の利用方法や閉じこもり予防、体操教室の案内、
生活に関するさまざまな情報なども得られる。
介護保険制度を利用したい場合、まず地域包括支援センターや
市町村に相談。

制度を使えるのは、原則65歳以上の要介護認定者。
居宅サービスの限度額は、要介護の程度により
月額4万9700~35万8300円。自己負担はこの1割。
介護を受けながら最後まで一人暮らしをしたい場合、
費用を介護保険だけで賄うのは難しいが、
24時間対応のヘルパーや在宅医を確保できれば可能。

近所の訪問看護事業所に聞けば、医師の情報などが分かる。
介護を受けられる施設には、特別養護老人ホームや
老人保健施設、療養型病床、介護型有料老人ホーム、
認知症グループホームなど。

地域にもよるが、費用の目安は月額20万円前後。
有料老人ホームは、一時金が数百万~数千万円程度かかる。
体験入居で確認して、決めた方がいい。

70歳からの医療費の窓口負担は、現役並み所得者を除き1割。
入院などで医療費がかかる場合、所得に応じ上限額がある。
介護費と合算した上限額も設けられた。
市町村によって、独自の低所得者減免もあるため、確認して。

▽遺族年金に違いも

年金は25年の加入が必要で、国民年金の場合、
満額は月約6万6千円。
遺族年金は、夫が厚生年金なら、報酬比例部分の4分の3を妻が受給。
国民年金なら、子どもが18歳になる年度の末日までが支給対象。

生活資金に困った時、自宅を担保にお金を借りられる
「リバースモーゲージ」や、社会福祉協議会の
「生活福祉資金貸付制度」も利用できる。

生活保護を受ける場合、地域で最低生活費の基準額が決まっており、
支給額は年金など収入との差額。
保護対象になると、医療費や介護費が無料。

▽見守りサービス

一人住まいで心配なのが、万が一の対応。
時々様子を見てもらいたい場合、市町村や社会福祉協議会、
特定非営利活動法人(NPO法人)などが行っている
見守りサービスや緊急通報サービス、民生委員に頼む方法も。
配食サービスも、安否確認を兼ねて活用できそう。

東京都千代田区の地域包括支援センター菰田俊樹相談員は、
「日ごろから周りに困っている、助けてほしい、と言えるようにしておく。
自分がどんな暮らしがしたいか、あらかじめイメージしておく
老い支度も必要」とアドバイス。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/12/11/112946/

学力上位県、体力も好成績 第2回テスト、前年横ばい 揺らぐ継続の意義

(2009年12月18日 共同通信社)

文部科学省は、小学5年と中学2年を対象に、
4~7月に実施した第2回全国体力テストの結果を公表。

8種目の数値を得点化した体力合計点の平均は、
前年からほぼ横ばい。
全国学力テストで好成績が続く福井、秋田県などが、
体力でも前年同様に高得点を収め、固定化傾向が見られた。

体力テストは、行政刷新会議の事業仕分けで、
文科省が1964年度以降、毎年実施する抽出調査との重複が指摘、
来年度予算の大幅縮減を求められた。

前年とほぼ同じ結果となったことで、
「毎年、全員」の調査の意義があらためて問われそう。

国公私立全児童生徒の体力合計点(80点満点)の平均値は、
小5男子で54・2(前年度比増減なし)、
同女子54・6(同0・3ポイント減)、
中2男子41・3(同0・1ポイント減)、
同女子47・9(同0・4ポイント減)。

都道府県別(公立)では、男女とも全国学力テストで上位だった
福井が、小5で最も高く、秋田が続いた。
中2は、男子が茨城が最高点で、秋田、福井と続き、
女子は福井、千葉、茨城の順。
前回の上位県が、今回も高い値を示した。

種目別の全国平均は、抽出調査だった85年度と比べ、
下回る種目が多く、中2男子50メートル走は
24年前の7・90秒に対し、8・05秒。
小5女子ソフトボール投げは、17・60メートルから
14・61メートルに落ちた。

1週間の総運動時間でみると、60分未満は
小5男子が11%、女子23%。
中2男子は10%で、中2女子は32%に上り、
文科省は「運動する子としない子の二極化が見られる」

体力テストは国が現状を把握し、学校の指導につなげるのが目的。
全国学力テストと同様、文科省は都道府県教育委員会による
市町村別や学校別の結果公表を禁じている。
秋に体力テストをする学校も多く、
参加率は公立小中が約9割、私立小中は約3割。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/12/18/113306/

2009年12月20日日曜日

逆風の中で:第7部・地域プロ/1 ベースボール北海道、船出へ

(毎日 12月15日)

「プレミアム会員券」の試作品を手に、
「ベースボール北海道」(BB北海道)の統括プロデューサーを
務める中田元茂(46)は、笑みを浮かべた。
「これを、どうプロモーションして売り上げにつなげられるか。
それが成功のカギになる」

野球の独立リーグ、BB北海道の設立が発表。
設立準備委員会は、企業を経営しながらNPO法人で
環境問題に取り組んできたメンバーが中心。
広告代理店を経営する中田は、「野球を通じて道内を活性化したい」
選手給与は月額10万円程度で、初年度は札幌、小樽両市に
計2チームを置き、順次拡大していく予定。

四国・九州、関西などの先行リーグは、観客動員の伸び悩みに加え、
不況がスポンサー収入に影を落とし、経営難が浮き彫り。
道内経済も、昨年度の完全失業率が平均5・1%と
全国平均を大きく上回るなど冷え込みが続く。
その荒波の中で、BB北海道はあえて船出を決断。

光も見える。
少年から大学まで、チーム数が4000を超え、
野球熱は高いにもかかわらず、選手の受け皿は少ない。
「各都市の間に距離があり、四国のようにそれぞれ特色も違う」
札幌市には、04年から日本ハムが本拠地を置くが、
広大な北の大地でそれを生で目にすることができるのは一部。
地域性、プロとの共存の可能性では、勝算は十分と見る。

収入の柱に掲げるのが、「プレミアム会員券」。
観戦チケット5枚に、協賛者の店舗・施設の利用時に
割引を受けられる特典を付け、1口2000円で販売。
初年度は、広告料は無料とする方針、協賛者は元手なしで
集客促進できる上、特典を厚くすることで野球に関心の無い人にも
購入してもらえる可能性が広がる。
すでに30以上の法人・個人が手を挙げ、購入申し込みも
100件近くに上っている。
先行リーグも後援会などを設けているが、個人会員(一般)は
1口1万円前後が主流。
BB北海道の低価格戦略は際立っている。

公益性を高めるため、リーグの財団法人化を目指し、
2球団を一括運営する方針。
運営費は、年間2億~3億円が見込まれるが、
会員券を目標の20万人に売りさばければ、
売り上げは4億円で収益が出る計算。
中田は、「札幌だけでも200万人近い人口がある。
不可能ではない」と自信を見せる。

関西リーグ、紀州の竹中則行社長は、
BB北海道の取り組みについて、
「最初は、スポンサーの助けがなければ苦しいかもしれないが、
方向性は決して間違っていない」と評価。
不況で、広告収入頼みの経営モデルが崩壊しつつある中、
新たな手法はどんな成果を上げるのか?
11年春の開幕に向け、BB北海道は動き始めている。

「地域密着」を掲げて、各地で誕生したプロリーグが苦境に直面。
景気の先行きが見えない中、存続に向けた模索が続く。

http://mainichi.jp/enta/sports/general/news/20091215ddm035050002000c.html

太陽光発電「60億人市場」を照らせ

(日経 2009-12-14)

民主党政権下で、CO2を排出しない太陽光発電の普及が
加速するのが確実となり、パネルメーカーの間で期待は大きい。
日米欧だけでなく、中国など新興国も含めて
パネルメーカーは乱立状態。
先進国で成功した製品やビジネスモデルを、
新興国に移転する従来手法ではいずれ行き詰まる。

太陽光発電の潜在需要は、地球規模。
「60億人市場」を見据えた構想力が問われる。
太陽光発電を切実に必要としているのは、
CO2排出量削減の手段に使おうとする日本などより、
インドやアフリカなどの新興国。

発電所や送電線網の整備が追いつかず、不便な暮らしを
強いられてきた人々にとって、自宅や集落に設置すれば、
電力の恩恵を受けられる太陽光発電は魅力的。
家庭の電源、集落の灌漑用水を引くポンプの電源などとして
急速に普及。

変換効率など、技術力に自信のある日本メーカーは、
主に先進国をターゲットにするなか、
新興国市場の開拓を宣言しているのが昭和シェル石油。
同社は、サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコと組んで、
2012年から中東やアフリカなどで、1000~2000キロワット級の
太陽光の小規模分散型電源を設置、大規模電源のない地方都市や
集落で電力を販売する事業に乗り出す。

このビジネスモデルは、サウジの意向が強く反映。
「サウジは、特にアフリカでの太陽光発電事業に意欲的で、
新産業を国内に育成したい思いが強い」(関係者)。
サウジは、雇用吸収力のある産業を興そうと再三、日本に協力を要請。

過去に日本の自動車メーカーに対し、
工場建設を要請したのも1度ではない。
現業労働者の大半を移民で賄うという同国の労働事情を前に、
各社は大型工場建設を尻込み。

そこで浮上してきたのが、太陽光による分散型発電事業。
サウジは、石油輸出国機構(OPEC)のリーダーで、
アフリカ事情に精通。
昭シェルが、アフリカ市場開拓に乗り出すうえで、
アラムコは頼もしい水先案内人になる。

昭シェル+アラムコによる太陽光発電事業のもうひとつの
大きな可能性は、BOP(ボトム・オブ・ピラミッド)ビジネスへの発展。
アフリカの低所得国でも事業が軌道にのれば、
インドや東南アジアなど世界全域で通用する道が開ける。

60億人強の世界人口のうち、1日2ドル以下で生活するBOPは、
40億人以上。
市場経済から取り残されていた「世界の3分の2」が、
実は市場として十分成立するという認識が強まっている。

インドで、1日分のシャンプーや食品を低価格で販売する
ビジネスで急成長する英ユニリーバ系のヒンダスタン・リーバ、
バングラデシュで低価格栄養食品販売に乗り出した仏ダノン、
農村向けに煙のでない低価格キッチンストーブの
生産・販売を始めたオランダ・フィリップス——。

成功を収めつつあるBOPビジネスは、貧困層の暮らしを
確実に改善し、製品や企業へのロイヤルティーは高い。
経済成長とともに市場のパイが大きくなれば、
企業はもっと大きな果実が得られる。
昭シェルの太陽光発電事業も、BOPビジネスの成功例として
続く可能性はある。

もっともハードルは高い。
先進国での手法を導入しても、まず成功しない。
成功したBOPビジネスは、低所得者が購入できる価格から
逆算して、製品原価を決定していることが大きい。

昭シェルのパネルが、シリコンを使わない金属化合物型で
コストが比較的安いとはいえ、相当のコストダウンが不可欠。
販売・サービス機能を充実させるため、
最適なパートナーを各市場で探す必要。
過剰消費ぎみだった北米市場が尻すぼみとなり、中国では
現地メーカーの猛烈な追い上げを受ける

日本企業のグローバル戦略は視界不良。
ハードルは高くても、60億人市場に挑戦する意義は大きい。

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/tanso/tan091209.html

寿命1・3倍、体はスリム 雄なしで誕生のマウス 免疫も強く、東京農大など

(2009年12月14日 共同通信社)

雄が全く関与せず、2匹の雌の卵子から誕生させたマウスは、
通常の精子と卵子の受精を経て生まれたマウスより、

1・3倍長生きだとの研究を、河野友宏・東京農業大教授と
川原学・佐賀大准教授がまとめた。

体重は通常マウスの3分の2しかなく、免疫機能が強い傾向。
河野教授らは、「哺乳類で雌の方が長生きなのは、
精子の遺伝情報が寿命にマイナスの影響を与えているため」、
「寿命には多様な側面があり、人間にも当てはまるかは分からない」

哺乳類には、父母のどちらから受け継いだかによって
働いたり働かなかったりする「インプリント遺伝子」がある。

河野教授らは、精子から伝わった場合にだけ働く遺伝子のうち、
胎児の発育に必要な遺伝子を働くようにした「雄型」の卵子を作製、
その核を別の卵子に入れてマウスを誕生させる方法を開発。

これを「二母性マウス」と名付け、
最初のマウス「かぐや」の誕生を2004年に発表。

今回は、二母性と通常の雌各13匹の成長を観察。
二母性の寿命は平均841・5日、通常の同655・5日より長く、
生後1年8カ月時点の体重は、二母性が平均29・4g、
通常マウスの同44・9gより軽かった。

遺伝子を調べると、通常マウスでは、成長ホルモン分泌に関係する
Rasgrf1という遺伝子が父方から受け継がれて働いていたが、
二母性では働いていなかった。
これが、体重差などに影響しているらしい。

河野教授は、「雄は繁殖競争に勝つため、体を大きくすることに
エネルギーを使う結果、寿命は短くなるのではないか」

※インプリント遺伝子

哺乳類が、受精後に発育していく過程で、
両親から伝わったうちの一方だけが働く遺伝子。
河野友宏東京農業大教授らは、インプリント遺伝子の一部が
精子のように働く卵子を作り、別の卵子と合わせた
2個の卵子によって、マウスを誕生。
1個の卵子からコピーの子ができる「単為生殖」とは、厳密には異なる。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/12/14/113036/

岩手県内肥満児、男女ともに全国最高 学校保健統計調査

(2009年12月18日 毎日新聞社)

岩手県は、今年度学校保健統計調査の結果(速報値)を発表。
肥満度20%以上になる肥満傾向児の割合は、
6歳男児が9・16%、10歳女児が15・49%で全国で最も高かった。

他の年代も昨年度と同様に順位が高く、
県教委スポーツ健康課は、「小学校の統廃合が進み、
バスや自家用車での通学が増えたほか、
少子化で外で遊ぶ機会も減っている」と分析。

調査は、5~17歳の県内1万2933人を対象に行い、
全体から7・8%を抽出して結果をまとめた。

男児の肥満傾向は、5歳で全国2位の6・08%(前年度4位、5・53%)、
12歳が全国4位の15・94%(同1位、18・93%)。
女児は、5歳で全国2位の5・05%(同5位、4・66%)、
12歳で3位の13・27%(同4位、14・02%)。

同課が小学生を対象にまとめた地域別では、
二戸が14・52%で最も高く、久慈14・43%、宮古13・85%、
県北・沿岸部で肥満傾向が強かった。
盛岡が、10・26%で最も低かった。

同課の平野晃施設・学校健康担当課長は、
「肥満は、体力や運動能力が低下しがちになり、
生活習慣病につながりかねない」。

昨年度、導入した体育の授業を手伝うアシスタントを活用し、
児童や生徒の運動を習慣づけていく。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/12/18/113364/

2009年12月19日土曜日

選手との一体性必要 岩手国体強化策探る

(岩手日報 12月13日)

「いわてスポーツコンベンション2009」(国体県準備委など主催)は、
スポーツ関係者ら約180人が参加して開かれた。
日本一を経験した指導者によるパネルディスカッションなど、
2016年の2巡目岩手国体に向けた選手強化などに認識を深めた。

「岩手からの日本一を目指して」と題したパネルディスカッションでは、
アルベールビル五輪ノルディック複合団体金メダルの
三ケ田礼一・県体協スポーツ特別指導員を司会に、
富士大ホッケー部の西田範次総監督、盛岡商高サッカー部の
斎藤重信監督、北上翔南高陸上部の本正園子監督が意見交換。

選手を奮い立たせるため、本正監督は、
「目標設定し、どうやるかを具体的に示す。
日本一になるにはどういう練習をし、生活すればいいか、
考え行動させる」と、指導者と選手が一体となった
取り組みの大切さを指摘。

斎藤監督は、「大学生やJリーグサテライトチームなどとの
練習試合などを繰り返した。
自分のプレーに達成感が得られれば、それが自信になる」と、
選手に積極性を植え付ける必要性。

日本一になったときには、「生活などでチームに落ち着きが感じられた」
(斎藤監督)、「選手が指導者の先を読んで行動していた」(本正監督)、
「リーダーを育てた。そこからチャンスが広がる」(西田総監督)。

11年の北東北インターハイや2巡目岩手国体に向け、
西田総監督は、「目的意識を持った選手が中央に流れることなく、
岩手で育てていきたい。
冬季でも、練習できるハード面の整備が必要だ」

「競技力の向上について」と題して講演した日本オリンピック委員会の
福田富昭副会長は、「選手強化には時間がかかる。
今から取り組まないと、国体に間に合わない」と指摘。

http://www.iwate-np.co.jp/sports/2009sports/m12/spo0912134.html

コンセントは? EVに思わぬ難敵

(日経 2009-12-07)

地球温暖化対策の切り札として、電気自動車が注目。
日本エネルギー経済研究所によると、発電の過程で出る
CO2を含めても、1km走行あたりの排出量は57gにとどまり、
ガソリン車の176gやハイブリッド車の94gに比べ、かなり低い水準。

普及に向けた課題も多い。
クルマそのものの課題としては、走行距離の短さと値段の高さがあり、
社会インフラ、すなわち充電設備の普及について考えてみたい。

電気自動車用の高速充電装置を1基装備するのに、
どのくらい費用がかかるか?
充電装置自体の価格は約350万円。
かなり高めだが、いずれ量産化が進めば、急速に安くなる。

装置の値段は、全体のコストの氷山の一角。
高速充電するためには、新たな受電設備が必要になるケースが多く、
大型のトランス(変圧器)などを導入する必要。
設置する場所によって、構内の配電網にも手を加えなければならない。

ネクスコ東日本(東日本高速道路会社)は、
今年度末までに首都圏のパーキングエリア4カ所に
高速充電設備を設置する計画、1カ所あたりの平均費用は
2500万円から3000万円に達する。

大きな企業なら、「CSR(企業の社会的責任)の一環」とみなして
出せない金額ではない。
街のガソリンスタンドが投資するには、相当思い切らなければ。
少なくとも電気自動車が普及する前に、
先行投資と割り切ってポンと出せる額ではなさそう。

普通の家庭はどうか?
夜間に長時間かけて、電気自動車(プラグイン車も同じ)に充電すると
想定すれば、高速充電は必要なく、普通のコンセントがあればいい。
敷地内に駐車場のある一戸建ての場合、
戸外にコンセントを新設すればOK。
手間も工事費も、たいしてかからない。

問題は、マンションのような集合住宅で、
地下に共同の駐車場があるケース、家から少し離れたところに
駐車スペースを借りているようなケース。

これらの場合、充電用のコンセントは設置されていないので、
新たにそこまで電線を引っ張る必要。
マンションなら共用スペースの工事なので、住民の賛成が必要だが、
これが承認される見込みはきわめて低い。
電気自動車やプラグイン車に乗りたい人は、
マンション住人の間でも当初はごく少数派。
その人たちのために、他の多くの住民が配電網敷設の
費用負担を受け入れるとは思えない。

賃貸駐車場でも事情は同じ。
駐車場のオーナーは、できるだけ新たな投資はしたくない。
借り手の1人や2人がコンセントをつけろと言っても、
「それならヨソで借りてくれ」と言われるのがオチ。
日産自動車の担当者が、本社周辺のコインパーキングのオーナーに
「充電のための設備を入れてほしい」と働きかけても、
誰も耳を貸さなかった。

電気自動車やプラグイン車が普及するには、
あちこちにコンセントが存在する電源の「ユビキタス(遍在)性」が前提。
その費用をだれが負担するのか?
電気自動車やプラグイン車の普及をめざす自動車会社と、
電力の需要拡大に取り組む電力会社、
政府や自治体が協力して取り組むべき大きなテーマ。
この問題にしっかりした解答を示すことが、
電気自動車が本格的に普及するための出発点。

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/tanso/tan091201.html

生体リズム乱れ、高血圧に マウスで解明、治療に期待

(2009年12月14日 共同通信社)

24時間周期で働く体内時計遺伝子に異常が起きると、
特定の酵素が副腎で過剰に働いて、高血圧症を引き起こすのを、
京都大の岡村均教授のチームがマウス実験で解明、
13日付の米医学誌ネイチャーメディシン電子版に発表。

この酵素が産生にかかわるホルモンの作用を薬剤で抑えると、
マウスの血圧が下がるのを確認。
人の副腎でも似た酵素が働いており、徹夜など不規則な生活で
生体リズムが乱れて起きるさまざまな体調異常に関係している可能性。

岡村教授は、「高血圧の詳しいメカニズムが分かったのは初めて。
この酵素に、特異的に働く薬が開発できれば治療に役立ちそう」。

体内時計にかかわる遺伝子が働かないようにしたマウスに、
食塩水を飲ませて実験。
その結果、副腎皮質で「Hsd3b6」という酵素が過剰に働く
ようになることで、ホルモンが活性化し、
腎臓から塩分や水分が排出するのを妨げ、血圧が上昇する。

マウスは、薬剤で高血圧が改善したが、
人では同じ薬剤が副作用を起こす可能性があり、別の手法が必要。
岡村教授は、「臨床チームと組んで、酵素の働きを詳しく調べたい」

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/12/14/113035/

ゲレンデは紫外線にご用心 夏のビーチの2・5倍 雪の反射で目に悪影響

(2009年12月8日 共同通信社)

ゲレンデなど、雪山で目が浴びる有害な紫外線量は、
雪面の反射により夏のビーチの約2・5倍に上ることが、
金沢医大の佐々木洋・教授(眼科学)と医薬品メーカーの
ジョンソン・エンド・ジョンソンの共同調査で分かった。

佐々木教授によると、目の角膜は皮膚よりも
紫外線の影響を受けやすい。
雪山などで、強い紫外線を短時間浴びただけで、
角膜や結膜が炎症を起こす「雪眼炎(雪目)」などの
急性障害が生じ、雪眼炎を繰り返すと、水晶体が白く濁る
「白内障」を発症しやすくなる。

佐々木教授は、「サングラスは、顔とのすき間が大きいと
紫外線を防ぐ十分な効果が得られない恐れがあり、
目を完全に覆うゴーグルが有効」

雪山は、石川県白山市のクロスカントリー競技場の新雪で、
ビーチは沖縄県南城市の人工砂浜で調査。
眼部に紫外線センサーを埋め込んだマネキン頭部2体を、
常に太陽に正面を向けた状態と背を向けた状態で配置、
視線は歩行時の標準的な15度下向きに固定、
日の出から日の入りまで紫外線量を計測。

太陽を正面にした場合、1日に浴びる総量は、
ビーチが1平方メートル当たり換算で260キロジュール、
雪山は658キロジュールに上った。

雪山では、太陽に背を向けた状態でも、
多い時で正面を向いた場合の85%以上の紫外線を浴びる。

気象庁によると、紫外線の反射率は砂浜で10~25%、
新雪は80%に達する。
高度が300メートル上がると、紫外線量は4%増加、
標高が高いスキー場では十分な対策が必要。

▽紫外線

太陽光の中にあり、波長が可視光線より短く、
エックス線よりも長い電磁波。
浴びすぎると、皮膚がんになりやすい。
紫外線による目の障害として、「雪眼炎」や「白内障」、
結膜の白目組織が黒目に広がる「翼状片」など。

成層圏に存在する「オゾン層」が、有害な紫外線の多くを吸収、
地上の生物を保護しているが、近年、フロンなどの排出が原因で
オゾン層が破壊されてできる南極上空の「オゾンホール」など、
有害紫外線の増加が問題。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/12/8/112713/

2009年12月18日金曜日

子どもに就学支援の輪を 盛岡でシンポ

(岩手日報 12月13日)

「子どもの貧困」を考えるシンポジウムは、
岩手教育会館で開かれた。
経済的な理由による子どもたちの教育格差が深刻化する中、
教員や市民ら約350人が就学援助制度に理解を深め、
貧困根絶の道筋を考えた。

早稲田大非常勤講師の鳫咲子さんは、
「子どもの貧困と就学援助制度」と題し講演。

鳫さんは、自治体によって就学援助制度の運用に差があること、
情報提供の不十分さなどを指摘し、
「対象者に適切な情報を提供し、すべての子どもに高校卒業を
できる環境づくりを整えたい」と訴えた。

シンポジウムでは、あしなが育英会の学生募金事務局岩手代表の
高橋万里子さん(盛岡大2年)、甲子小の高橋美智子養護教諭、
児童福祉司の佐藤伸一さん、鳫さんの4人が発表。

中学生のころ父親を亡くし、奨学金で進学した高橋万里子さんは、
「夢や進学を、あきらめなければならない人の声を聞いてきた。
これからを生きる子どもたちを救うことを考えた政治をしてほしい」

参加した一関市の小学校教諭は、
「集金滞納などを周りから聞くようになった。
学校としても、保護者負担を軽減しなければならない」
会場からも、「貧しいことは個人の責任じゃない。
社会全体で問題に取り組まなければ」と声が上がった。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20091213_13

筋ジスの遺伝子機能修復 人工染色体で、鳥取大など iPSも作製、治療法に道

(2009年12月9日 共同通信社)

デュシェンヌ型筋ジストロフィーの患者の細胞で、
働かなくなった遺伝子の機能を修復した上で、
それを基に新型万能細胞(iPS細胞)を作製することに成功、
鳥取大と京都大の研究チームが
8日付の米学会誌電子版(MOLECULAR THERAPY )。

この病気の原因は、X染色体にあるジストロフィン遺伝子の
機能不全だが、この遺伝子はサイズが大きく、
既存のウイルスを"運び屋"に使う方法では遺伝子治療は難しい。

押村光雄・鳥取大教授らは、人工的に作った染色体を
遺伝子の運び屋に使った。

筋ジストロフィーの治療法開発につながる。
デュシェンヌ型筋ジストロフィーは、男児の約3500人に1人の
割合で発症する進行性の筋萎縮症。

押村教授らは、人工染色体にジストロフィン遺伝子を搭載し、
筋ジストロフィー患者の線維芽細胞に入れ、
導入したジストロフィン遺伝子が機能。

この細胞からiPS細胞を作ることにも成功。
マウスの精巣に移植する実験で、筋肉細胞に分化することを確認。
こうして作ったiPS細胞を、培養皿などで筋肉細胞に分化させ、
治療に利用できるようにしたい。

人工染色体は、巨大な遺伝子を搭載することができる上、
導入した細胞の染色体には組み込まれず、
染色体を傷付けないなどのメリット。

押村教授は、「いずれも日本発の人工染色体とiPS細胞の技術を
組み合わせて、これまでできなかった筋ジストロフィーの
原因遺伝子の完全修復ができた。
将来の新しい遺伝子治療の第一歩になる」
山中伸弥・京都大教授との共同研究。

▽人工染色体

染色体は、細胞の核の中にあり、生命の遺伝情報が
収められているDNAで構成。
人工的に作製した極小の染色体が、人工染色体。
染色体構造に必要な部品を集めたボトムアップ型と、
元からある染色体を改変したトップダウン型があり、
押村光雄・鳥取大教授らが使ったのはトップダウン型。
どのような遺伝子でも搭載でき、導入した細胞の染色体には
組み込まれず、独立した状態で維持。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/12/9/112765/

道内植物を使った自然療法を体感できる滞在型モニターツアー

(日経ヘルス 12月10日)

北海道新得町観光協会は2010年1月、同町に自生し、
不眠やストレス緩和などに効果があるとされる
セントジョーンズワート(和名:セイヨウオトギリソウ)という
ハーブを使った自然療法、食事療法などを体感できる
2泊3日の滞在型モニターツアーを実施。

このツアーは、セントジョーンズワートを地域資源とする
ヘルスツーリズムを通して、新たな地域おこしに取り組むため、
同観光協会がJTB北海道と連携して企画。

ツアー名は、「スパ&ネイチャー 北海道 2010 冬 in サホロ」
開催日程は2010年1月15日~17日、
料金は3万9800円(札幌発)、6万9800円(羽田発)。

道内のほぼ中央に位置するサホロリゾートを拠点に、
専門家が指導するアロマトリートメントや気功などの
自然療法プログラムを開催、ツアー参加者に旅行中に
体の中から健康になることを実感。

参加者は、都内などで自然療法スクールを主宰する
マザーズオフィスグループ代表の宮川明子氏による
トリートメントセミナー、東邦大学医学部関山タマミ氏による
セロトニン活性講座、響きの杜クリニック西谷雅史医師による
気功・呼吸法セミナー、アイヌ民族に伝わる自然療法セミナー
などのプログラムについて学び、トリートメントや気功などを体験。

食事は、「デトックス」をテーマに、
北海道産食材を活用したディナーが用意。
このツアーの効果を測るため、旅のスタート時と最終日で、
参加者のストレス度合いがどのように変化するかを
測定するプログラムも予定。
この滞在型モニターツアーは、09年夏に続き2回目。

企画を担当しているJTB北海道の横岡実マネジャーは、
「09年は一般の女性など35人が参加、セントジョーンズワートの
効果について実感するコメントが多く寄せられた。
今回は、ツアー参加者だけでなく、同町在住の地元の人たちにも
参加を呼びかけている。
地元の観光資源や自然療法についての理解を深める
きっかけにしてもらいたい」

JTB(http://www.jtb.co.jp/ripple/)

http://nh.nikkeibp.co.jp/article/nhpro/20091210/105206/

2009年12月17日木曜日

箱根山舞台に「観光塾」 振興目指し学習会

(東海新報 12月13日)

いわて沿岸広域観光推進会議が主催する「観光塾」は、
陸前高田市の気仙大工左官伝承館などで開かれた。
気仙三市町をはじめ、釜石、大槌五地域の観光関係者らが
同館や周辺施設を見学し、観光振興に向けた意見交換を行った。

同会議は、沿岸圏域における広域的な観光振興の取り組みを
推進しようと設立。
同塾は、地域の観光振興においてリーダー的役割を担う
「地域コーディネーター」の育成を図ろうと、昨年度から開設。

会場は、5地域の持ち回りとなっており、今年度3回目となった
この日、陸前高田で開催。
各地の地域コーディネーターや観光関係者ら約20人が参加。

一行は、同館に集合後、市観光ガイド・新沼岳志さんの案内で、
箱根山展望台や杉の家「はこね」を見学。
管理者の黄川田巳之助さんによる講話や意見交換会など。

黄川田さんは、昔の家の造りや習わし、しきたりなど解説。
「最近は上下関係がなくなってきているが、
昔は常に上下を大切にして生活していた」、
「子どもたちには、あいさつ、返事、履き物をそろえることが
教えることの三原則だった」

石臼と木製のきねを使って、昔ながらのもちつきを体験。
つきたてのもちはあんこやクルミで味付けし、
地元産の食材で作った料理とともに味わった。

意見交換会を開催。
参加者らは、見学した施設の印象などを踏まえ、
箱根山観光について誘客促進のアイデアを出し合い、
有意義な時間としていた。

http://www.tohkaishimpo.com/

肥満率、日本が最小 OECD保健医療調査

(2009年12月9日 共同通信社)

経済協力開発機構(OECD)が公表した
「図表で見る保健医療2009」によると、加盟30カ国中で、
成人の肥満人口の割合が最も低いのは日本。

日本は、平均寿命でも加盟国中、最も長い82・6歳(2007年)
と好成績を示した。

「図表」は、ことし7月にOECDがまとめたヘルスデータなどを基に、
先進国を中心とする加盟国の保健医療状況を分析。
体重(キロ)を身長(メートル)の2乗で割った体格指数(BMI)が
30を超える「肥満人口」の割合は、日本が3・4%と最も少なく、
韓国(3・5%)が続いた。

米国は、日本の10倍に当たる34・3%。
英国(24・0%)などが高かった。平均は15・4%。

日本は、医療機器の普及でも、人口100万人当たり
磁気共鳴画像装置(MRI)が40・1台、
コンピューター断層撮影装置(CT)が92・6台と最も高い。

人口10万人当たりの自殺者数は、韓国、ハンガリーに次いで
3番目(19・1人)に多く、人口千人当たりの臨床医数も
2・1人とOECD平均(3・1人)を下回った。

女性医師の割合は、平均は40%、日本は17%で最低。
喫煙者の割合は、26・0%と平均(23・6%)を上回ったが、
1人当たりの年間アルコール消費量は7・7リットルと
平均(9・7リットル)を下回った。
医療費に占める公的支出の割合は81・3%と、
北欧や英国などと並んで高い比率。平均は73・0%。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/12/9/112766/

べにふうき緑茶にショウガ汁を加えると 、スギ花粉症の症状緩和に相乗効果

(日経ヘルス 12月10日)

鹿児島県を中心に栽培されている「べにふうき」という
品種の緑茶に、抗アレルギー作用があり、
さまざまな研究が進められてきた。

べにふうき緑茶にショウガのしぼり汁を加えると、
抗アレルギー作用が増強されることが明らかに。

JA鹿児島県経済連主催の緑茶研究公開セミナーで、
独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構野菜茶業研究所、
野菜・茶機能性研究チーム長の山本万理さんが、
この臨床試験のデータを含む研究結果を発表。

べにふうきは、もともと紅茶のアッサム種に近い品種、
成熟した葉の部分に抗アレルギー作用のある
メチル化カテキン(EGCG3”MeやEGCG4”Me)を多く含む。

緑茶として価値の高い新芽や茎の部分には、少量しか含まれない。
日本で最も多く流通している緑茶品種の「やぶきた」には、
全く含まれていない。
紅茶系の茶葉を、あえて緑茶に加工するのは、
発酵させて紅茶にすると、メチル化カテキンが消えてしまう。

メチル化カテキンは、
(1)アレルゲンに対して反応するIgE受容体の発現を抑制、
(2)マスト細胞に直接入り、情報伝達たんぱく質の活性を阻害、
(3)アレルギー症状の引き金となるヒスタミンの放出を抑える、
――この3つの作用点で、アレルギー症状を抑える。

スギ花粉症のボランティアを集めて行われた臨床試験では、
被験者を2群に分け、一方にはべにふうきなどの
メチル化カテキンを含む緑茶を、もう一方にはメチル化カテキンを
含まない緑茶を飲んでもらい、症状をスコア化。

その結果、メチル化カテキンを含む緑茶群では、
鼻をかむ回数、目のかゆみ、のどの痛みの3点で、
顕著な症状の改善。
べにふうき緑茶の効果を増強する食品
(ショウガ、カイワレ大根、ブロッコリースプラウトなど)との
組み合わせを調べる試験管レベルの実験も。

マスト細胞で産生され、炎症の原因となるサイトカインTNF-αへの
影響を調べ、べにふうき緑茶が単独でTNF-α産生を40%抑制、
ショウガは単独で70%抑制、べにふうき緑茶とショウガを
組み合わせると、95%抑制する。

この実験結果をもとに、べにふうき緑茶にショウガ汁を
加えたものの飲用試験を行い、べにふうき緑茶だけのグループや
メチル化カテキンを含まない緑茶のグループに比べ、
べにふうき緑茶+ショウガ汁のグループは鼻をかむ回数や
レスキュー用に用意された抗アレルギー薬をのむ回数が減る。

メチル化カテキンの摂取量を変えて効果を調べた試験結果から、
山本さんは「1日にメチル化カテキン34mg以上を目安に摂取したい」。
これは、濃いめのべにふうき緑茶約700mlに相当。
メチル化カテキンを効率良く抽出するには、
沸騰した湯に茶葉を入れて5分以上煮出すのがベスト。
緑茶に加えるショウガのしぼり汁は、耳かき1杯ぐらい。
花粉飛散開始後からのみ始めても、効果は期待できるが、

飛散開始1カ月半前からのみ始めると、より効果が高い。
2010年の飛散開始予想日は、東京で2月10日前後。
効果のほどを試してみたい人は、年末からのみ始めるのがよい。

http://nh.nikkeibp.co.jp/article/nhpro/20091210/105205/

2009年12月16日水曜日

ネット検索で脳イキイキ、米大学研究 認知症予防にも?

(朝日 2009年12月3日)

インターネットになじみのない中高年が、ネット検索を続けると、
意思決定や判断をつかさどる脳の中枢が活性化される。
認知症予防の手段になる可能性がある。
米カリフォルニア大ロサンゼルス校の研究チームが発表。

チームは、インターネットを毎日使う人と、
ほとんど使ったことがない人の計24人(55~78歳)を対象、
脳の活動を機能的磁気共鳴断層撮影(fMRI)で調べた。

その結果、ネットをほとんど使ったことがない人が、
2週間のうち7日、自宅で1時間ほどネット検索をしただけで、
毎日使う人と同じ程度、「中前頭回」など意思決定に
重要な中枢が活性化。

チームは、「ネット検索のとき、大切な情報を一時的に覚えたり、
絵や文から何が重要かをつかんだりすることが効果につながる」

とはいえ、ネット利用は良いことばかりではなさそう。
米オハイオ州立大の研究チームは、日記を書いたり、
コメントをつけたりできる交流サイト「フェースブック」を
利用している大学生は、勉強する時間が減り、
成績も悪くなる傾向があるとの調査結果を発表。

http://www.asahi.com/science/update/1202/TKY200912020153.html

リチウムイオンよ、お前もか

(日経 2009-12-10)

電気自動車やプラグインハイブリッド車への期待が
盛り上がる中、中核部品である電池にも脚光。
将来を見渡せば、リチウム空気電池など様々な次世代技術が
あるが、ここ数年あるいは10年程度はリチウムイオン電池が
「自動車の電動化」の主役。

このリチウムイオンで、日本企業はしっかり稼げるだろうか?
今の市場動向をみると、不安を感じざるを得ない。
リチウムイオン電池メーカーが追求すべき命題は2つ。

第1に、自動車1台あたり軽く100万円を突破する
電池のコストを急速に低減すること。

通常のガソリンエンジンのコストは、1基20万円程度。
エンジンの代替物である電池も、
それと競争できる水準まで下げるのが待ったなしの課題。

もう1つは、第1の課題とも密接に絡むが、
生産能力の急速な引き上げ。

リチウムイオン電池は、携帯電話やパソコンなどの
電子機器向けなどに普及。
車載用に本格普及が進めば、携帯やパソコンとは
けた違いの量の電池が必要。

ジーエス・ユアサコーポレーションの依田誠社長によると、
「世界のリチウムイオン電池の生産能力を全部かき集めても、
電気自動車50万台分にすぎない」
50万台といえば、世界の自動車販売の1%以下。
電池の生産能力の大幅増強が実現しなければ、
電気自動車の時代はいくら待ってもやってこない。

リチウムイオン電池をめぐるこうした状況は、
半導体のメモリーによく似ている。

メモリー事業の本質は、ごく単純。
需要拡大を先取りして大胆に設備を増強し、同時に
量産効果をフルに発揮して製造原価を大幅に引き下げること。

この種の競争で重要なのは、技術的な優劣よりも、
時機を見定めて、思い切った投資に踏み込む経営者の判断
(あるいは勘)と、それを支える資金力。

日本企業がDRAMをめぐる競争で、韓国のサムスン電子に
負けたのも資金力、財務力の差が大きかった。
過剰プレーヤーの問題を引きずった日本の半導体メーカーは、
技術レベルは高くても、個々の企業の財務基盤は弱体で、
投資競争でサムスンに力負け。

リチウムイオン電池でも、同じ展開にならないか?
日本企業でリチウムイオンを手掛けるのは、
三洋電機やソニー、パナソニックなどの電機メーカー、
GSユアサのような従来型の自動車バッテリーの会社、
最近では米ベンチャーと提携したIHIなどの重工メーカーも参入、
10社前後のプレーヤーがひしめいている。

いくら成長分野だからといって、この数は多すぎないか?
市場の成長性と、当該事業の収益性は似て非なるもの。
いくら市場が伸びても、競争が苛烈なら
参入プレーヤーはもうからない。

「全員負け組」になって、韓国メーカーや中国のBYDといった
新興勢力に漁夫の利をさらわれるパターンが
繰り返される心配はないのか。

三洋電機で2次電池事業を統括する本間充副社長は、
「2次電池市場は、かつて日本企業の独断場で、
10年前には世界シェアの90%を握っていた。
今は、40%まで下がった」と危機感を打ち明ける。

技術が粗削りで、いろいろな試行錯誤が必要な初期の段階で、
数多くのプレーヤーが参入するのは悪い話ではない。
「数打てば当たる」ではないが、いろいろ試す中で
ブレークスルーが生まれるかも。
米シリコンバレーが、持続的にイノベーションを生み出せるのも、
数多くのベンチャー企業が日々試行錯誤を繰り返している。

技術がある程度確立し、競争の焦点が量産投資に移った段階では、
「過剰プレーヤー」は業界全体の足を引っ張りかねない。
日本の電機産業は、この教訓を痛いほど学んだはずなのに、
同じ罠にまた陥ろうとしている。

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/ittrend/itt091208.html

インテルの江田マーケティング本部長「IT教育の環境整備を」

(日経 12月10日)

教育現場でのIT活用に注目が集まっている。
児童にパソコンを貸与する授業はどこまで有効なのか、
実効性を問う声も。
2008年度から内田洋行と共同で、首都圏の小学校で
パソコンを使った授業の実証実験を実施している
インテル日本法人の江田麻季子マーケティング本部長。

——実証実験に乗り出した背景は?

「小学校など、早い段階でITになじんでおくことは、
次世代のITリテラシー(活用能力)の高さにつながる。

インテルは、さまざまなプログラムを通じてIT教育普及に
携わってきており、今回の実証実験もその一環。
子どもたちに、ITスキルを身につけてもらうことが目的。

実証実験で利用している『インテル クラスメイトPC』は、
これまでのインテルの取り組みから、
『こんなパソコンがあったら』という要望を吸い上げ、
製品にフィードバックしている」

——実験では教育用パソコンを使い、国語・算数・英語の授業で
児童1人に1台のパソコンを貸与、有効性を検証。
浮かび上がっている問題点は?

「08年度、千葉県で行った実験では、画面が小さい、
バッテリーの駆動時間が短いといったハード面での課題が明らかに。
無線LAN(構内情報通信網)の配備といった環境整備も必要」

「日本では、IT教育に対する理解の度合いが
教育委員会ごとに異なり、運営上のサポートなども
学校によってまちまちである点も、今後の大きな課題。
海外には、教育に適したパソコンの仕様に始まり、
インフラ整備や運営に至るまでを、
国家レベルで一括して管理している国もある」

——日本でも、補正予算などを活用しインフラを整備しようという動き。

「インターネットなどから情報を吸い上げて、
それをさばいてゆく力は、今後ますます必要。
海外では、新興国でもすでに子どものIT教育への動きは
当たり前になり、日本も後れを取ってはならない。

IT教育の環境整備はもちろんのこと、パソコンを活用するに
当たってのノウハウや、既存の教科書との兼ね合いなど、
教える側のスキル向上へ向けた取り組みも、
同時に進める必要がある」

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/interview/int091209.html

2009年12月15日火曜日

切っても頭側が頭に プラナリア再生の仕組み、京大解明

(朝日 2009年12月8日)

体を10個に切れば、10匹に再生する強い生命力を持つ
プラナリアという動物は、もとの体の頭の向きに頭ができ、
尾の向きに尾ができる――。

長年の謎だった頭と尾の方向を決める仕組みを、
京都大の阿形清和教授らが解明。
頭から尾側に運ばれるたんぱく質と、
その受容体が重要な役割を果たしていた。

プラナリアは、水中にすむ体長1~2センチの動物で、
切っても切っても断片が完全な形に再生することから、
再生学のモデル動物。

阿形教授(再生生物学)らは、動物の体の形づくりで
重要な役割を果たす、ヘッジホッグと呼ばれるたんぱく質に注目。
ヘッジホッグは、頭側から尾側に運ばれ、
受容体に結びつくと、信号が伝えられ、そこで尾を作る命令を
出す遺伝子が働き始めることがわかった。

断片にした時も、もとの体の尾の方向にヘッジホッグがたまり、
再生後も尾になっていた。
断片が短いと、ヘッジホッグの量が足りず、
尾の方向に頭ができる。
米科学アカデミー紀要電子版に発表。

人でも、胎児の臓器が形づくられる時には前後、左右などの
位置関係がある。
阿形教授は、「基本的な仕組みは、プラナリアと共通する可能性」

http://www.asahi.com/science/update/1208/OSK200912080012.html

印テクノバ社のヨグラジ会長 「印製薬買収で競争優位に」

(日経 12月8日)

国内外の大手製薬会社が、新興国市場の開拓を急いでいる。
医療費抑制を狙う米国や欧州の市場が、急速に伸び悩んでいる。
インドも急成長が見込まれ、進出を模索する企業が増えてきた。
インド進出を支援する同国最大級のコンサルティング会社
テクノバ・インディアのアブヘイ・ヨグラジ会長兼最高経営責任者に
市場成長の見通しや進出の利点を聞いた。

——市場の見通しは?

「インドの医薬品市場は人口の15%、ヘルスケア分野の支出の
75%を占めるいびつな構造。
ここに来て、構造変化が急速に進んでいる。
貧困層が、安い費用で保険に加入できる仕組みが整い始め、
国民の保険カバー率は今後高まる。
最新鋭の私立病院も相次ぎ設立、患者が先端医療を受けられる
体制も整備。
政府も、ヘルスケア関連の支出を年間予算の5%
(4年前は2.5%)に増やしている」

「医療制度の充実を追い風に、2008年で140億ドルだった
製薬市場は、18年には450億ドルに膨らむと予測。
製薬会社は、大きな恩恵を受けられるだろう」

——同国市場は、急成長が見込まれ魅力が高いとはいえ、
価格の安い後発薬が台頭しており、競争激化は避けられない。
進出の利点は?

「欧米の製薬大手は、主力薬の特許が切れる『2010年問題』を抱え、
後発薬との競争激化は避けられない。
それは、インドに限った話ではなく、グローバルの競争でも同じ。
後発薬の台頭を逆手にとって、現地の後発薬メーカーと
買収などで手を組む戦略があってもいい。
インドの後発薬メーカーは、後発薬の原料を大量生産し、
連携すれば安い原料を調達できる。
世界各地で、後発薬事業の展開を優位に進められる」

「インドの伝統医術『アーユルベーダ』に興味を持つ海外の製薬会社も。
(西洋薬だけでは治療に使える新薬が見つけられず、)
西洋医学とアーユルベーダを融合することで、
新たな治療法を生み出せるかもしれない」

——米食品医薬品局(FDA)が生産管理が十分でないとして、
第一三共傘下の印製薬最大手ランバクシー・ラボラトリーズが、
インドの工場で生産した製品の輸入を差し止めた問題も。

「インドの後発薬メーカー全体の問題ではなく、
ランバクシー固有の問題と理解」

——日本の製薬会社でもインドに熱い視線を向け始めた。

「第一三共が、2008年にランバクシーを買収するまでは、
後発薬や新興国進出など、新薬以外に事業を多角化するという
視点はほとんどなかった。
インドへの直接投資350億ドルのうち、日本分は10億ドル。
投資する企業は自動車などで、製薬会社からの投資はほとんどない。
製薬会社の投資を誘致する余地は、まだまだある」

——創業者一族が経営する企業が多く、買収しても
コーポレート・ガバナンス(企業統治)による経営権掌握が難しい例も。

「インド企業と外資が合弁を設立したうち、9割は失敗。
1つの企業で“王様”が2人いれば、経営がぶれる。
創業者一族が経営権を握るような経営は避け、完全に経営権を
掌握することが、成功がうまくいく秘訣。
日本の大手自動車メーカー、スズキは、国営自動車会社ではあるが
マルチ社と合弁会社を設立。
最終的には出資比率を引き上げ、経営の主導権を握れる。
インド企業との合弁では、株式の過半数を確保し、
経営権をがっちり握ることが重要」

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/interview/int091207.html

大学職員の在り方探る 岩手大で交流会

(岩手日報 12月13日)

岩手大(藤井克己学長)は、学内外の大学職員の交流を図り、
自らの働く意義を考える「第1回大学アドミニストレーターコロキウム
(アドコロ)inいわて」を同大図書館で開いた。

東北で初めて開催、県内外の約50人が参加した。
国立大法人化を機に、大学職員には企画提案など
積極的な大学経営への参画が求められ、
自ら考え行動できるために必要なことは何か、
先進的な取り組みの事例発表や意見交換を通して考えた。

岩手大研究交流部国際課国際企画グループの石沢友紀主任は、
「仕事をするなら楽しくやりたい。
仲間を増やし、いい大学にするきっかけになれば」

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20091213_12

2009年12月14日月曜日

「25%削減」が開くパンドラの箱

(日経 2009-12-08)

「ともに苦労してきた仲間のことを考えると……」、
「できればどこか他のチームに……」
11月4日に発表された、トヨタ自動車のF1撤退。

記者会見で言葉に詰まり、大粒の涙をこぼした
山科忠専務の姿は同社のみならず、
自動車業界全体の苦悩を強烈に印象づけた。

米サブプライムローン問題を引き金にした世界的な
金融危機が、昨年9月のリーマン・ショックで一気にエスカレート。
2009年3月期、トヨタの連結純損益は4369億円の巨額赤字に転落、
10年3月期も2000億円の赤字を予想。

自動車の年間生産台数で、トヨタが米ゼネラル・モーターズ(GM)を
抜いて「世界一」の座を奪ったのは、わずか2年前。
豊田章男社長が、矢継ぎ早に打ち出す体質改善策の背後に
強い危機感が垣間見える。

「“リーマン・ショック”よりも、“鳩山イニシアチブ”」。
自動車産業の動向を注視するアナリストから最近、
こんな声が漏れてくる。
不況の深刻化による需要不振は、景気サイクルに伴って克服できるが、
価値観の変化は容易にフォローできない。
鳩山由紀夫首相が、表明した温暖化ガス25%削減(1990年比)目標が
「長期的に、既存の自動車メーカーの地盤沈下につながる可能性がある」
との観測が、アナリストたちの間に広がっている。

クリーンかつ低燃費の「環境にやさしい車」といえば、
日本の自動車メーカーの「専売特許」。
麻生太郎前首相時代に導入されたエコカー減税の効果で、
最も恩恵を受けたのは、トヨタ「プリウス」、ホンダ「インサイト」
といったハイブリッド車(HV)で、昨今の好調な売れ行き
(09年4~9月累計販売ランキング、「プリウス」11万6298台で首位、
「インサイト」5万5845台で3位)をみると、
「地盤沈下」というイメージは抱きにくい。

「HVが売れても、浮かれてはいられない」というのが
自動車各社の共通認識。
鳩山首相の「25%削減」表明が、近未来の自動車市場の主役を、
HVから電気自動車(EV)へと、さらに1歩進めてしまった感。

市場に漂う雰囲気の、微妙な移り変わりを如実に示している例。
三菱自動車が、「世界初のEV量産車」として、
個人向け予約を開始した「i−MiEV(アイ・ミーブ)」。
2度のリコール(無償回収・修理)事件とダイムラークライスラーによる
支援打ち切りの後遺症で、いまだにバランスシート(貸借対照表)にも
P/L(損益計算書)にも問題をはらんでいる同社だが、
「世界初」を看板に掲げたアイ・ミーブへの注目が国内外で高まり、
仏プジョーシトロエングループ(PSA)との資本提携への動きなど、
EVがもたらす業界再編の台風の目。

HVで遅れを取った日産自動車も、EVでの巻き返しを
虎視眈々と狙っている。
5人乗り小型車「リーフ」をはじめ、EVを10年には国内で5万台、
12年に米国で15万台を量産する構想を、
カルロス・ゴーン会長兼社長が打ち出している。
アイ・ミーブで先駆けた三菱自動車を一気に抜き去り、
EVのトップメーカーに躍り出る計画。

HVで先行したトヨタやホンダが、近未来市場では振るわず、
主役の座はEVを切り札にした日産や三菱が取って代わるのか——。
「世界の自動車メーカーが警戒しているのは、同業の既存の
ライバルメーカーではなく、異業種やベンチャー企業」。

自動車の基幹部品といえば、ガソリン車はエンジンであり、
EVならばモーター、HVは両方を備えるのだが、
モーターに関して、既存の自動車メーカーは内製化よりも
外部の電機メーカーなどに依存しているケースが多い。
三菱自動車のアイ・ミーブの駆動用モーターを製造しているのは
明電舎で、マツダが今年発売した水素HVのミニバン「プレマシー」の
駆動装置は安川電機が開発。

生産者の立場からみて、ガソリン車(HVを含む)から
EVへの移行で、最も劇的に変わるのは部品の数。
現行のエンジン搭載車の部品数が3万〜10万点に達し、
EVはおおむねその5分の1以下。
EVの普及が進めば、10年後にはエンジン周りを中心にした
既存の自動車部品メーカーの売り上げが激減するとの予測。

部品数の減少は、製造工程の単純化につながる。
明電舎や安川電機のような重電メーカーが、
EVの完成車メーカーに早変わりすることも十分可能で、
証券市場ではそうした銘柄の「自動車産業への新規参入」をにらんだ
思惑買いを囃し立てている向きも。

製造工程の単純化は、ベンチャー企業参入のハードルを下げる。
米国でEV市場の主役として、テスラ・モーターズ(カリフォルニア州)、
フィスカー・オートモーティブ(同)などが頭角。
テスラ社には、米グーグルの2人の共同創業者や独ダイムラーなどが
出資し、2011年に量産車を売り出す予定。
フィスカーは、10月にGMの旧ウィルミントン工場(デラウェア州)を
買収し、2012年に量産を始める。

日本でも、高性能EV「エリーカ」の開発者として知られる
慶大の清水浩教授が、今年8月に新会社「シムドライブ」設立。
ベネッセコーポレーションや丸紅などが出資、
出井伸之・元ソニー社長や福武総一郎ベネッセ会長らが経営に参画。

シムドライブは、駆動モーターの基幹技術を公開。
提携先企業に提供しながら、2013年までをメドに
EV(5人乗りの量産車)の開発を目指す。
「オープンソース」のビジネス形態で、実現すれば、
自動車産業の地図は大きく塗り替えられる。

日本では、半ば「夢物語」に聞こえたEVベンチャーの構想が、
鳩山政権の「25%削減」目標で現実味を帯びる。
パンドラの箱は、徐々に開かれつつある。

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/mono/mon091203.html

目覚め、ストレスと関連…20代は上司左右

(読売 12月5日)

朝の目覚めの良さは、仕事のストレスなどを反映し、
20代は上司との関係、30代は仕事の満足度、
40代はリラックスできる時間の有無が
最も影響していることが、北里大などの調査でわかった。
日本ストレス学会で発表。

北里大は、企業のメンタルヘルスを助言する
日本ヴィクシーと共同で、東京都内の情報通信企業に勤務する
20~40代の社員1500人を対象に、
生活習慣やストレス度、意欲などをアンケート。

〈1〉朝の目覚め、〈2〉仕事中の眠気、〈3〉休日の寝だめ、
の3項目から睡眠の充足度を「高い」、「普通」、「低い」の
3段階に分け、ストレスとの関係を調べた。

その結果、充足度の低い群は、高い群に比べて
ストレスを訴える割合が高く、「会社に行くのがつらい」、
「ぼーっとする」、「集中力が低下する」と答えた人が、
それぞれ11・7、11・4、6・6倍も多かった。

朝の目覚めの良さには、何が一番影響しているか
詳しく分析したところ、20代では「上司との関係」など、
年代によってストレスの原因が違っていた。

http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20091205-OYT1T00591.htm

抗体産み出す遺伝子の作用の仕組み解明…京大

(読売 12月7日)

免疫を担うリンパ球が、異物に対抗する多様な抗体を
作り出すのにかかわる重要な遺伝子が、
細菌感染の影響で、リンパ球以外の細胞のDNAを傷つけてしまう
仕組みを、京都大医学研究科の本庶佑・客員教授や
長岡仁・准教授らのチームが解明。

この遺伝子を制御できれば、ピロリ菌による胃がんなどの
予防につながる可能性がある。
7日の米科学誌ネイチャー・イミュノロジー電子版に発表。

この遺伝子は「AID」。
本来、異物を認識したBリンパ球で働き、DNAの部品を
切り張りして抗体作りに貢献。
細菌に感染すると、免疫細胞以外でもDNAを切ってしまうが、
その理由は謎。

本庶教授らは、マウスのDNAを使い、AID遺伝子を制御する
遺伝子が、AIDの周辺にあるか調べた。
その結果、「細菌など外部の刺激でスイッチを入れる部分」と
「リンパ球内だけでスイッチを入れる部分」、
「スイッチをオフする部分」があることがわかった。
リンパ球以外では、通常、スイッチは入らないが、
大量の細菌感染でAIDのスイッチが入ってしまう。

長岡准教授は、「いろいながん発症に、AID遺伝子が
関与しているのかどうか調べたい」

Nat Immunol. 2009 Dec 6. [Epub ahead of print]
B cell-specific and stimulation-responsive enhancers derepress Aicda by overcoming the effects of silencers.
Tran TH, Nakata M, Suzuki K, Begum NA, Shinkura R, Fagarasan S, Honjo T, Nagaoka H.

http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20091207-OYT1T00134.htm

2009年12月13日日曜日

僧侶に学ぶ業務のヒント

(日経 12月4日)

日々の業務の忙しさが影響し、気持ちにゆとりを失う
ビジネスパースンは多い。
平常心を保って規則正しく生活することが求められる
僧侶の日常から、何か学べるものはないか?
ビジネス経験もある若手僧侶と、法話の経験が豊富な
ベテラン僧侶を取材。

東京・浅草の緑泉寺で副住職を務める青江覚峰さん(32)は、
米国留学で経営学修士(MBA)を取得、現地で起業をした経験。
寺の住職である父を補佐しながら、日常業務をこなしていくうち、
「1日の仕事のほとんどを午後3時までに仕上げる」
習慣を身につけた。
その秘訣は早朝にある。

平日の午前7時。
多くのビジネスパーソンが身支度をしているころ、
青江さんは机に向かい、檀家へのお礼状を書いたり、
寺で開くイベントの企画を考えたりしている。
「誰にも邪魔されずに仕事ができる時間帯を探したら、こうなった」

寺院は訪問客が多い。
檀家だけでなく、観光客や散歩がてらにふらりと立ち寄る
近所の人などが入れ代わり立ち代わりやって来る。
僧侶になったばかりの20代前半のころ、
訪問客への応対に手間取り、仕事のペースをつかめなかった。

どうすればよいのかと対策を考えるうちに、
訪問客が午前10時~午後3時に集中していることに気がついた。
その前に重要な仕事を済ませておけば、
午後は手紙のあて名書きや庭の掃除など、
中断されても再開しやすい仕事だけになり、
訪問客にゆとりを持って接することができる。

気持ちに余裕があるので会話も弾み、
お寺の運営方針を伝えられる。
檀家や参詣客が、お寺のことをどのように考えているのか
意見を聞くこともある。

早朝に実力を発揮するには、工夫が要る。
「起床した直後は、大抵の人は頭がさえていない」
起床から2時間ほど経過する間に、集中力を高めることがコツ。

青江さんをはじめとする僧侶は、午前5時前後に起床し、
「朝のお勤め」として読経、その後に掃除するのが一般的。
15~30分にわたる読経は身体を目覚めさせる効果があり、
短時間で終わらせる掃除には集中力を高める効果がある。
7時に仕事を始めるころ、「エンジン全開」の状態に。

青江さんは、僧侶以外の人にもできる朝の習慣として、
「15分程度、書物を音読してみるとよい」と提案。
掃除など単純作業を短時間はさんで集中力を醸成し、
午前中に2時間ほど頭を使う仕事に臨めばよい。

青江さんは、僧侶らが宗派の枠を超えて、仏教をPRするための
ウェブサイト「彼岸寺」の運営にも携わっている。
本業以外の仕事もこなすうえで、お寺の暮らしで培った
時間配分のノウハウが役立っている。

室町時代の東山文化の象徴である銀閣寺。
その近くの古寺の法然院は、
「法話を毎週聞けるお寺」として知られている。
貫主の梶田真章さん(53)は、コンサートや落語会などの
会場として寺院を提供、イベントの合間に法話することも。
梶田さんは、「わかりやすく」だけでなく、「じっくり」も心がけている。

梶田さんは、「法話は、ある意味でビジネス会話の対極にある」
法話では、語りかける相手に、
「今日教えたことは、今すぐ分からなくてもよい」という態度を貫く。
ビジネスの会話では、「(商談を成立させるため)今すぐにでも
理解してもらいたいという気持ちが先行する」

製品・サービスのプレゼンテーションには、わかりやすさとともに、
スピードも重視。
忙しい顧客に対し、無駄を省いて説明しなければならない。

梶田さんは、「営業ではそれでよいのかもしれないが、
社内で部下などに教え諭す場合は、法話のような態度が必要」
教育の場面では、部下が自分の力で理解できるまで
じっくり待つ「ゆとり」も上司には必要。

梶田さんは、法話の要件として、
(1)すぐに理解することを求めない、
(2)理路整然と具体的に語る、
(3)何度も繰り返す——の3点。

因果(物事の結果と理由)という概念を重視する仏教は、
本来論理的な思想。
理屈ばかりでは、聞いている人に伝わりにくいので、
僧侶は身の回りで起きたできごとなどを話題に取り入れ、
具体的に語ることを心がけてきた。

何度も繰り返すというのは、一言一句同じことを
唱えるということではない。
言葉や話題を変えながら、同じメッセージを毎回伝えるという意味。
すぐに理解してくれないことに腹を立てず、
辛抱強く反復することが、長い目でみると効果を生む。

梶田さんは、法話を終えると、必ず人の質問に答える。
法話の分かりにくかった部分を指摘してもらい、
次回の法話で改善するため。

法話と同様、朝礼やグループミーティングで話す際、
上司は時間の許す限り質問に答えるべきだと、梶田さんは説く。
梶田さんは、法話の中身を考える時、
出てきそうな質問も想定しながら組み立てる。

法話には、修行の世界にこもっている僧侶が
俗世間の人々の考え方や感じ方を布教に取り入れるために
問答したという意味合いも。
1000年近い伝統がある法話の技術に、
ビジネスパースンが学べる要素は多い。

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/bizskill/biz091203_3.html

特別支援教育(5)高専 5年で深く広く

(読売 12月8日)

5年間学ぶ高等専門学校では、息の長い特別支援教育が必要。

「その後、就職活動の方はどう?」
「どこも厳しいですね。資格を取ろうと勉強しています」
佐世保工業高等専門学校を、卒業生の
中林健司さん(仮名)(22)が訪れた。
特別支援教育コーディネーターの松尾秀樹教授(51)に、
就職などの相談をするため。

同校は、発達障害やその疑いがある学生に対し、
「修学」、「就労」、「生活」の観点で支援。
学業不振の学生に対し、個別指導したり、作業療法士ら専門家に
面談してもらうなど、学生一人ひとりに応じた支援を行っている。

「高専は一般の高校より、発達障害のある学生が多い」。
文部科学省によると、発達障害など「困難のある生徒」は
全日制高校に1・8%、同校では4%近く(約30人)。
発達障害がある学生は、理科・数学が得意な場合が多いこと、
高専は寮生活ができ、保護者がコミュニケーション能力の向上を
期待して入学させること――などが理由。

同校を定期的に訪れる長崎大学の岩永竜一郎准教授(41)
(作業療法学)は、「発達障害がある高専の学生は、
非常に優秀な人と、進級が難しい人と、二極化している」
高専の授業についていくのは大変。
各科目で、60点以上取らないと留年に。
実験リポートの提出などをこなせず、中退する学生もいるため、
対策が求められていた。

同校が、特別支援教育に本格的に取り組んだのは、
中林さんへの支援がきっかけ。
アスペルガー症候群の中林さんは、数学は得意で、
知能指数(IQ)も123と高い。
文章をまとめるのが苦手で、リポートを期限までに出せないことも。
会話がかみ合わず、早とちりも多かったため、
同級生にからかわれた。
教室で大声を出し、机を倒すなどの癇癪を起こす二次的障害も。

当時、学生相談室長で、自分も軽い知的障害の子どもを持つ
松尾教授は、「外部機関も含めた支援体制が必要」と
校長らに訴えた。
卒業後も社会に適応できるように、
同県発達障害者支援センターや長崎障害者職業センターとの
連携が実現。
同級生には、中林さんの特性を説明し、
母親とも相談を重ねるなど、周囲にも理解を求めてきた。

中林さんは、途中1年留年したが、昨春に無事卒業。
コミュニケーションもうまくなり、今は「学校で勉強した
電気関係の仕事に就きたい」と求職中。
第3種電気主任技術者の国家試験に合格し、
自動車教習所にも通うなど、自立に向けて努力。

高専は5年間と長く、継続した支援を行うには適している。
今後、全国的にも実践が広まるだろう。

◆アスペルガー症候群

知的障害がない発達障害の一つ、脳の機能障害。
社会性、コミュニケーション、想像力・創造性に障害がある。
一見、障害があるように見えない場合が多く、
周囲から理解されにくい面。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20091208-OYT8T00363.htm

新しい波/326 Fリーグのいま/下

(毎日 12月5日)

国際サッカー連盟(FIFA)傘下で運営されるフットサルにも、
ワールドカップ(W杯)がある。
優勝4回のブラジル、2回のスペインが双へきで、
スペインではプロリーグも盛ん。
そこを経験した日本、外国出身選手がFリーグに複数いる。

名古屋の木暮賢一郎は3年余り、府中の小野大輔が2年、
2部が大半だったがスペインリーグを経験し、08年に帰国。
木暮は、帰国直後に8試合で6得点、
小野も攻撃の中心になった。

Fリーグ関係者は、「受け皿があったからこそ、
『日本でやりたい』と言ってくれた」とリーグ創設の効果を強調。
スペインリーグを見たFリーグの平塚進総務主事は、
「最後まであきらめない、ひたむきさに引かれた。
本場でもまれた選手には、見本になってほしい」

国際経験豊かな選手を交えて、リーグ化により試合数を
増やしたことで、日本代表に実力アップの兆しが見られた。

9月、強豪イタリアとの親善試合で0-0、3-4と善戦。
「攻守の切り替えが速いこの競技で、
重要な高い連係ができていた。
リーグ戦で顔を合わせることが多くなり、
相互理解が深まっていた」と平塚総務主事。

予算面で、制約は大きい。
今年の海外遠征は、国際大会の参加がほとんど。
以前からプロリーグが盛んで、伝統ある欧州に行って
親善試合を組んだり、研修で学んだりする余裕はない。
W杯を目指して、世界各地に出かけるサッカー日本代表と、
待遇は比較にならない。

アジア内で強化を図る。
アジア・サッカー連盟は来年3月、
第1回アジアフットサルクラブ選手権を計画。
アジア・チャンピオンズリーグのフットサル版。
開催地は、代表がアジア選手権で9回優勝し、
プロリーグも盛んなイラン。

日本から、昨季のFリーグ王者・名古屋が参戦。
桜井嘉人ゼネラルマネジャーは、
「アジアを取ることが今季の目標」と意気込み、
Fリーグ側も「結果を出せば、周囲の評価も変わる」。
勝利を、実力と知名度アップにつなげたいともくろむ。

http://mainichi.jp/enta/sports/21century/news/20091205ddm035050037000c.html

脳:決断の検証、前頭極で サルの実験で解明

(毎日 12月7日)

自分の決断が正しかったかどうか考える時に、
脳の最前部にある前頭極皮質が活発に活動していることを、
神戸大大学院の辻本悟史准教授(認知神経科学)らが解明、
6日付の米科学誌ネイチャー・ニューロサイエンス(電子版)。

辻本准教授らは、コンピューター画面に映した図形を使い、
アカゲザルが左右いずれかを向くよう指示するテストを考案。
正解してジュースがもらえるまでの間、
前頭部にある神経細胞(ニューロン)がどのように活動するかを測定。

その結果、ニューロンの活動は、単に見る方向を指示した時は
比較的弱かったのに対し、「前と同じ方向を見ろ」などと
考えさせる指示を出した場合、激しくなった。

http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2009/12/07/20091207ddm012040079000c.html

2009年12月12日土曜日

規則正しい食事やはり健康によい証拠

(サイエンスポータル 2009年12月3日)

規則正しい食事は、筋肉の代謝を促し、血糖の上がりすぎを
防止することを、生理学研究所などの研究チームが
マウスを使った研究で明らか。

自然科学研究機構・生理学研究所の箕越靖彦教授らは、
人工甘味料をマウスに与えたとき、脳内のホルモン
「オレキシン」がどのように働くかを調べた。

人工甘味料を与えられると、まず脳の視床下部にある
オレキシン細胞が活性化、オレキシンを分泌。
オレキシンによって、筋肉での糖の利用が促進。
人工甘味料を3日間、決まった時刻に与えるという訓練を施された
マウスは、オレキシン細胞がより活性化する。

糖を口から与えた時と、直接腹に注入した時の30分後の
血糖値を比較、口から糖を与えられたマウスの方が
血糖値が低く抑えられる。
これらの結果から、オレキシン細胞の活性化には、
味覚も大きな役割を果たし、規則正しい食事によって
肥満防止など健康にもよい結果が得られる。

オレキシンは、1998年に今回の研究の共同研究者でもある
柳沢正史・米テキサス大学教授、桜井武・金沢大学教授らの
研究グループによって発見、これまでの研究で
摂食活動のほか睡眠をコントロールする役割を果たしている。

Cell Metab. 2009 Dec;10(6):466-80.
Hypothalamic orexin stimulates feeding-associated glucose utilization in skeletal muscle via sympathetic nervous system.
Shiuchi T, Haque MS, Okamoto S, Inoue T, Kageyama H, Lee S, Toda C, Suzuki A, Bachman ES, Kim YB, Sakurai T, Yanagisawa M, Shioda S, Imoto K, Minokoshi Y.

http://www.scienceportal.jp/news/daily/0912/0912031.html

「高大連携」へ協定 専大北上高と石巻専修大

(岩手日報 12月5日)

専大北上高(高木敬蔵校長、生徒852人)と
石巻専修大(坂田隆学長)は、「高大連携」に関する協定。
専大北上高3年生の希望者に、同大の単位認定となる授業を
2010年度から実施、1、2年時には大学での
特別授業や施設見学も行う。
相互交流を深め、高校生が大学の授業などを
体験することで、学習意欲の向上を図る。

協定調印式は専大北上高で行われ、
高木校長と坂田学長が協定書に署名、調印。

2010年度から実施を予定するのは、
▽同校3年生対象の単位認定型授業、
▽全1年生対象の大学特別見学会・特別授業、
▽自動車科2年生対象の整備実習特別授業、
▽北上市―同大間の通学支援バス運行―など。

単位認定型授業は、同大への進学希望生徒らを対象、
90分15回の授業を行う。
10回程度を同校で、残りを同大で実施し、
同大の教授らが講師を担当。
出席率や試験の結果を踏まえ、同大に進学した際は
「総合科目」の単位として認定。

1年生全員は、同大で施設見学や授業に参加。
自動車科2年生は、同大理工学部の自動車工学センターで
整備実習などを行い、高度な技術に触れる。

同校の小井塚義則教頭は、「高大連携により、
生徒は大学の施設や授業を知ることができる。
狭い知識だけではなく、幅広い職業観や人生観を身に付ける
きっかけとなれば」

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20091205_8

特別支援教育(4)中学から情報、指導充実

(読売 12月5日)

入試という大きな壁を超え、中学から高校へ支援を引き継ぐ。

福島県立川俣高校で、特別支援コーディネーターを務める
高井麗子教諭(53)にとって、3月末の数日間は、
1年で最も多忙を極める時期。
今年は、入試の最終的な合格発表が3月25日、
27日がオリエンテーション。
高井教諭は25、26日の2日間で、
入学する生徒の出身校を駆け回った。

「担任が新年度に異動することもあるから、
3月いっぱいが勝負」と高井教諭。
発達障害のある生徒など、配慮の必要な子に関する情報を
できるだけ収集し、新学期からの授業に備えるのが目的。

「授業のペースについていけず、生徒がパニックになって
しまったこともあった。
事前に中学から情報を得ていれば、防げたのに……」。
高井教諭が苦い表情で振り返る。

発達障害のある生徒が充実した高校生活を送るには、
個別の指導計画など、中学での支援情報を円滑に
高校に引き継ぐ必要。
入試で不利になることを懸念、情報を伝えない中学も少なくない。
公立の場合、市町村立の中学と、都道府県立の高校とでは、
学校設置者が異なることもネック。

同校は2005年、発達障害のある生徒の高校での
指導のあり方など、高校では初の研究開発学校として、
文部科学省から指定を受けた。
幼稚園、小、中学校のコーディネーターが集まる連絡会に
高井教諭も参加、幼児期からの一貫した支援体制の整備に
力を注いでいる。

「英語の単語を区切らずに書く生徒のノートに、
教員が単語ごとに蛍光ペンを引いて色分けするなど、
発達障害の子にも分かる丁寧な指導を、
すべての生徒に対して心がけてきた。
その結果、学校全体としての学力も向上した」。
高井教諭は、特別支援教育に取り組んだ成果。

滋賀県立日野高校は、高校卒業後の支援にも力を注ぐ。
本人と保護者の了解を得た上で、
高校での支援に関する情報を、大学や企業に提供。

特別支援教育コーディネーターの山口比呂美教諭(51)は、
「年に3~4回、大学での様子を担当者に尋ね、
本人にも電話を入れる。
本人が困っている場合は、こちらから大学に連絡することも」
発達障害のある子が自立するには、
「保幼小中高大企(保育園、幼稚園、小、中学校、高校、大学、企業)」
が連携し、早期発見と生涯にわたる支援が欠かせない。

同校が取り組むのは、障害理解教育。
発達障害への偏見をなくし、正しく理解してもらうため、
生徒への啓発や、保護者、地域の人々、企業にも公開した
研修会を重ねている。
「障害をその人の個性や特性と受けとめ、
お互いを認め合えるようになってほしい」と山口教諭。

教諭たちが思い描くのは、「発達障害」や「特別支援教育」という
言葉を、もはや必要としない社会。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20091205-OYT8T00378.htm

流産:妊娠中の授乳と「無関係」 浜松の産科医が論文

(毎日 12月6日)

授乳をすると、子宮が収縮し流産になるとして、
明確な根拠がないまま、国内の産科医療機関で
中止を指導されることの多い妊娠中の授乳について、
浜松市の産科医が、授乳は流産と無関係とする論文を、
日本産科婦人科学会の学会誌に発表。

石井第一産科婦人科クリニックの石井広重院長は、
96~00年に、同院で第2子の妊娠が確認された
20~34歳の女性のカルテをもとに分析。
第1子が満期産(妊娠37週以上42週未満に出産)で
流産の経験がない人で、授乳中だった110人と、
授乳していなかった774人を比較。

授乳群で、流産は全体の7・3%に対し、
授乳しない群は8・4%、有意な差はなかった。
石井院長は、「母乳育児は母子双方にメリットがあり、
禁止はすべきでない」

日本赤十字社医療センターの杉本充弘周産母子・小児
センター長は、「データに基づき、無関係とはっきり示した
論文は、国内では初めて。
中止を指導していた施設は、方針転換した方がよい」

http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2009/12/06/20091206ddm003040130000c.html

2009年12月11日金曜日

IT活用で安全安心なコミュニティづくり実験

(サイエンスポータル 2009年12月2日)

大都市、中小都市を問わず元気がなくなっている
商店街の活力向上や子育て世代の応援を目指す
ユニークな取り組みが、慶應義塾大学、IT企業、
青森市の協力で行われる。

この「コミュニティ形成支援」の試みは、地域に住む人々と
一緒になり、最先端の情報・通信・移動体の技術を
活用しているところが特徴。

慶應義塾大学コ・モビリティ社会研究センターを中心に、
大日本印刷、KDDI、青森市、青森市中心市街地活性化協議会が
協力して実施。

子育て世代を取り巻く生活向上に着目、
「中心市街地の魅力の発信と共有」、
「子を連れた親の移動に対する、物理的、心理的負担の減少」が
重要という観点から、「子育て商店街ツアー」という企画。

青森市の中心街で行われるツアーに参加する母親たちは、
KDDIから貸与される携帯端末を持ち、
3グループに分かれて商店街の探索を楽しむ。
端末には、大日本印刷が開発した「情報クリッピングシステム」と
KDDO開発の「実空間透視ケータイ」が搭載、
現在地に関連する写真やコメントが表示。

ツアーに協力するまちなかマーケティング市民委員会や
子育てサークル「こもも」のメンバーが作成した
「まちなかのお薦めスポット情報」も組み込まれ、
お薦めの場所に来ると携帯が振動し、
お薦め情報があることを伝える機能もついている。

慶應大学「コ・モビリティ社会の創成プロジェクト」
(担当責任者・金子郁容 慶應義塾大学大学院政策・
メディア研究科教授)の研究者たちは、
青森市での取り組みで得た成果をもとに、
「子どもから高齢者までが盛んに交流でき、
自由に移動できる安心安全で活発なコミュニティを作ることを
目指した、社会基盤の構築に取り組んでいきたい」

http://www.scienceportal.jp/news/daily/0912/0912021.html

自殺リスク判別法開発 生活者サポートセンター

(岩手日報 12月7日)

NPO法人いわて生活者サポートセンター(阿部和平理事長)
が開発を進めていた、経済的な理由で自殺に傾きそうな人を
早期発見するスクリーニングツール(判別手法)が完成。

今月から、盛岡市の同センターと県消費者信用生協の相談窓口で
試験的に使い、来年以降は行政機関の窓口での活用も目指す。
消費生活と精神保健分野が連携を強化し、自殺予防につなげる。
一定の基準ができ、相談員の精神的な負担軽減も図られそう。

ツールは、開発検討委員会(委員長・黒沢美枝県精神保健福祉
センター所長、委員5人)で、自殺リスクが高い人を
判別するための項目を決めた。
▽経済的問題への不安度合いと自殺危険度
▽精神健康度
▽自殺の危険因子―の3分野、計18項目。
窓口で用紙を配り、相談者に記入してもらう。

相談員は利用の手引を参考に、項目ごとに点数を合計。
高リスクと判断した人に対しては、
精神科病院や心の健康に関しての相談窓口を紹介。

例えば、「死んでしまいたいという考えが持続している」、
「自殺をする具体的な計画がある」などの項目は、
一つでも当てはまる場合、受診につなげるよう努め、
応じない場合は地域の保健師らへの情報提供も検討。

消費相談に来る人の中には、経済的に行き詰まり、
自殺を口にする人もいる。
従来は、各相談員が経験によって判断していたが、
精神保健の専門家でないため、受診を勧める判断は難しく、
踏み込めないケースも。

相談者が自殺した場合、相談員が受けるショックが大きいため、
判別手法が求められていた。
開発は、厚生労働省の自殺防止対策事業の
全国12先駆事業の一つとして採択。

ツールは、項目などを精査した上で、来年から盛岡市の
県民生活センターや振興局の消費生活相談、
同市消費生活センターなどでも活用する予定。
これらの窓口を合わせると、年間約8千人の相談。

サポートセンターの藤沢俊樹事務局長は、
「判断基準ができることで、相談員も安心して対応できる。
消費生活相談と精神保健の担当者同士が一層連携し、
自殺防止につなげたい」

問い合わせは、いわて生活者サポートセンター(019・604・8610)。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20091207_14

特別支援教育(3)教師の卵 心もサポート

(読売 12月3日)

教員志望の大学生を、学習支援ボランティアとして活用する高校。

「質問をしても、答えが見つかるまで話さない。
長い沈黙に特徴がある子だな、と戸惑いも」
京都教育大学大学院で教職を目指す修士課程2年の
池田純さん(23)は、高杉大輔君(仮名)(20)との出会いを振り返る。

池田さんが、京都府立朱雀高校の高大連携事業の一環として、
同校の学習サポートアシスタントになったのは2007年夏。
放課後に個別指導したのが、当時3年生の高杉君。

高杉君は、考えを頭の中で整理するのが苦手で、
言葉にするまでに時間がかかる。
答えにたどり着かないと、途中経過を話さないので、
どこでつまずいたのか分からない。
市販の問題集は役に立たないと思い、
小さな問いを積み重ねる形式の教材を自作。

粘り強く話しかけた結果、高杉君の沈黙は次第になくなった。
「高杉君は明るくなったねと、養護教諭から声をかけられたのが
うれしかった。授業のポイントを学べ、貴重な体験だった」と池田さん。
高杉君は、「頼れるお兄さんって感じで、気軽に話せた。
勉強も一対一で分かりやすかった」

全日制、定時制、通信制を併設する同校が、
特別支援の取り組みを始めたのは10年前。
学習障害(LD)と疑われる生徒が入学してきたのがきっかけ。
専門家を講師に招いて研修を重ね、
発達障害への理解を深めていった。

「教員がスキルアップした結果、人間関係を築くのが苦手な子など、
それまでは見過ごしていた『気になる子』に気づくように。
なぜできないのかと怒るのではなく、
どうすればできるようになるだろうと、
生徒への意識も大きく変わった」と、滋野哲秀校長(55)。

学習サポートアシスタントは元々、進路指導のために導入。
地方自治体の財政難で、特別支援教育支援員が削減方向だが、
特別支援教育にも応用できると同校は考えた。

「学習面でのつまずきをフォローするだけでなく、
身近な存在としてメンタルな部分でも寄り添ってもらっている」と
進路指導部の高田法彦教諭(48)。

年間30日以上欠席した生徒を対象に、06年度から導入した
長期欠席者特別入学者選抜も、特別支援教育を深化させる契機。
「気になる子」の情報を共有し、複数の目を注ぎながらも、
決して特別扱いはしない。
それが、普通科の中でのあるべき特別支援教育と考えている。

「入試というハードルを越えた以上、特別扱いは自尊心を傷つけ、
障害のレッテル張りにも。
大切なのは、その子を含めて誰にでも分かる授業をすること」と
元養護教諭で、現在は非常勤講師の佐藤友子さん(62)。

そんな実践を、同校は「特別でない特別支援教育」と呼ぶ。

◆特別支援教育支援員

障害のある生徒に対して、介助を行ったり、学習活動上の
サポートを行ったりする。
公立幼稚園、小・中学校では国の地方財政措置があるが、
高校では各自治体の自主財源に頼るしかなく、
財政事情の悪化から、その数は減少。
公立高校の活用状況は、2007年度278人、08年度224人、
今年度219人。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20091203-OYT8T00278.htm

インタビュー・環境戦略を語る:オリックス・梁瀬行雄社長

(毎日 12月7日)

リースや投融資、不動産など事業の多角化を進めるオリックス。
環境面でも、廃棄物の処理・リサイクルや自然エネルギー発電など
多様な展開をし、新規ビジネスの開拓にも意欲的。
梁瀬行雄社長に、これまでの取り組みや環境への思いを聞いた。

--環境ビジネスに取り組んだきっかけは?

◆オリックスは、日本で初めてリース業を始めたが、
リース期間が終わった物品の処理が課題。
90年代、産業廃棄物やリサイクルへの関心が高まる中、
廃棄物の分別回収、焼却、再資源化のシステムを作った。
他社からも廃棄物を受け入れて、手数料収入を得るビジネスに
仕上げ、自社で廃棄物処分場も建設。
原油価格高騰や地球温暖化がテーマになると、
融資先企業などへの省エネ施設の提案などを進めている。

リースは、物を「所有して捨てる」のではなく、
「長く効率的に使う」という環境にフレンドリーな発想。
環境対応は、オリックスのDNAとして染みついている。

--社長自身の環境問題への危機意識も強い。

◆07年、ゴア元米副大統領の映画「不都合な真実」を見て、
温暖化問題は待ったなしだと大きな衝撃。
社内有志にゴア氏の著作も配布し、部長級会議では
必ず環境をテーマにすることをルール付けて、参加意識を醸成。
昨年9月、新規の環境ビジネスの創造に携わる
横断的な組織を設置し、「気候保護責任者」を意味する
“CPO”も設置。

環境活動に熱心な地方自治体との連携も進めている。
企業なので、目に見える成果を毎年出すことが鉄則で、
来年度からは利益に貢献させたい。

--将来の目指す姿は?

◆オリックスは、60万台以上の自動車をリース、レンタル、
マンション事業では傘下の大京も合わせて、販売戸数はトップ。
ハイブリッド車や電気自動車の普及、建物の省エネ化を
促進することができる。
事業を中心に、環境によい製品や技術を消費者・顧客に提供する
環境サービス業「エコサービスインテグレーター」を確立したい。

--産業界はCO2削減などへの取り組みが消極的とも。

◆国際競争上不利益を被ることが問題なのであって、
地球がこれ以上環境負荷に耐えられないという認識は共有。
リーマン・ショック後、世界経済が縮小する中、
環境分野は新たな成長のチャンス。
日本の優れた省エネ技術が世界中に普及すれば、
問題が解決するとの見方すらある。
政府も、企業活動を規制するような環境税の導入より、
エコポイントのように、逆に促進する仕組み作りを進めてほしい。
==============
◇やなせ・ゆきお

早大第一法学部(現法学部)卒、68年旧埼玉銀行
(現りそなホールディングス)入行。旧あさひ銀行(同)頭取などを
経て、03年オリックスに入社、08年1月から現職。
埼玉県出身。65歳。

http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2009/12/07/20091207ddm008020014000c.html

2009年12月10日木曜日

路上生活者に愛の手 県立大の支援チーム

(東海新報 12月6日)

県立大学生有志のホームレス支援チームは、
日本航空から寄付された毛布を、
盛岡市内のホームレスに届け、対話を深めた。
貧困問題や福祉に関心がある高校生も、初めて参加し、
「貧困をなくすため、若い力が欠かせない」と思いを深めた。

同大ボランティアセンター・ホームレス支援プロジェクトの
学生13人が、市内の北上川河川敷付近に集まった8人に、
毛布や手袋を袋に入れた「ぽかぽかパック」を手渡した。
四ツ家教会の関係者が作った食事も配った。

受け取った60代男性は、手袋を着けると、
「とても暖かい。ありがとう」と感謝。

盛岡市内の高校に通う生徒4人も、自主的に参加。
支援活動の中心となるチームREDの触沢陽介代表(4年)らが
「信頼関係を築くことから、支援は始まる」

大学進学が決まり、福祉を学ぶ盛岡白百合学園高3年の
及川智仁佳さんは、「寒空の下で暮らす人がいる状況は社会問題。
解決へ若い力が欠かせない」

高校で、多重債務問題について学んだ盛岡市立高3年の
佐々木悠介君と徳差一樹君は、「大学生と話す人の笑顔を見て、
きずなの大切さを感じた」

日航から、11月28日に毛布100枚が寄贈。
支援の申し出も増え、同プロジェクトの山川裕香代表(3年)は、
「支え合いの輪が着実に広がっている」と笑顔を見せた。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20091206_4

特別支援教育(2)心理学で学ぶ対人関係

(読売 12月2日)

対人関係を上手に築けるよう、心理学を必修で学ぶ高校。

「怒り、落ち込み、不安はどこからくるんだろう?」
教壇から問いかける女性教諭に、生徒の視線が注がれた。

開かれた教科書には、「思考楽々シート」の文字。
「問題の出来事」、「そのときの心のつぶやき」、「感情」、
「楽になるための考え」が、順を追って記入。

「ケータイの待ち受けを見たら、自分のじゃなかった。
だれが私のを持ってるの?ゲキ不安!
さっさと見つけようと行動に移す!!」。
女子生徒が、笑顔で自分の「答え」を発表。

「怒り、落ち込み、不安になったら、心のつぶやきに耳を傾け、
柔らかく考えてみて」
教諭はそう言って、45分間の授業を締めくくった。

茨城県鹿嶋市の県立鹿島灘高校は午前、午後、夜間の
3部制を取る定時制。
不登校など多様な生徒を受け入れ、「フレックススクール」。
小中学校時代の友人関係のトラブルから、
心に問題を抱える子もいる。

発達障害のある子の3割が不登校になり、
不登校の3割に発達障害があると言われる。
同校には、発達障害の診断を持つ子はいないが、
疑いのある子を含め、集団生活で苦戦しやすい子を支援するため、
学校設定科目として「心理学」を設定。1年次に必修。

元々の障害を「一次障害」というのに対し、
周囲の無理解などによって失敗体験が重なり、
自尊心が低下して起きる様々な症状を「二次的障害」。
「高校生の年代に表れる症状は、両方が複雑に絡み合い、
どこまでが発達障害によるものとは言いづらい。
発達障害を見つけて選別するよりも、学校生活で苦戦する
生徒たちとして指導する方が有効」
筑波大学の石隈利紀教授(59)(学校心理学)。

授業は、ロールプレイング(役割演技)などのゲーム的要素も
取り入れ、楽しみながら社会スキルなどを学べるように構成。
「相手と自分の気持ちが、よく分かるようになった。
社会に出てからも、きっと役立つはず」と男子生徒(16)。
「自分は、なんてマイナス思考なんだろうと気づき、
つらくなるときもある」と、表情を曇らせる女子生徒(15)も。

「自分の内面と向き合う授業だから、心にふたをして
閉ざしてきたつらい出来事をほじくり出されると感じるときも。
心の傷を少しずついやしてほしい」
授業を担当する鴨志田和子教諭(51)。

今年度の中退者数は、2007年度の約1割で推移。
自己を発見し、理解する授業が、実を結びつつある。

ほかの人と同じようにできない自分を責めるのではなく、
ありのままの自分を受け入れ、自尊感情を取り戻せるように
背中を押す。
そこから、本当の特別支援教育が始まる。

◆学校設定科目

学習指導要領により、各学校が地域、学校、生徒の実態、
学科の特色等に応じ、独自に設けることが認められた科目。
文部科学省の私的諮問機関がまとめた報告書では、
発達障害のある生徒の自立にも資する教科・科目を開設し、
通級指導教室のような形態で実施することも考えられる。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20091202-OYT8T00251.htm

縮減の波紋:/下 強化策、政権と距離感 社会への還元、課題に

(毎日 12月6日)

民主党政権下で、選手強化事業費約27億円が縮減される
可能性が出てきたJOCが駆け込んだのは、自民党本部。

同党の文部科学部会には、JOC幹部と
88年ソウル五輪男子レスリング金メダルの
佐藤満・日本レスリング協会男子強化委員長が出席。

佐藤氏は、「レスリングで2番でもいいと考えていたら、
五輪にさえ出られない。
世界には金メダルを取りたい人間がたくさんいる」と
激しい口調で訴えた。

政府の行政刷新会議の事業仕分けで、
蓮舫参院議員(民主)が、文部科学省所管の
スーパーコンピューターの開発予算に関連して、
「世界一になる理由は何ですか。2位じゃダメなんでしょうか」
と迫ったことを意識しての発言。

自民党側は麻生太郎、森喜朗といった歴代首相が
部会に顔をそろえ、スポーツ予算の確保、拡充を求める
決議を採択し、JOCを援護射撃。

JOCの元幹部は、「JOCは、自民党に予算確保で世話になる
代わりに、参院比例代表に集票力のある五輪メダリストを
送り込んできた」と打ち明ける。

民主党政権批判は、政争に巻き込まれる危険もはらむが、
スポーツ界はそこまで切羽詰まっている。

民主党とは、「インパクトのあるパイプがない」
(市原則之JOC専務理事)のが現状。

民主党は、「政策集INDEX2009」で、
地域密着型の拠点づくりや地域スポーツリーダーの育成など
底辺の充実を打ち出し、
「トップを目指した指導者がいるからこそ底辺が広がる」
(福田富昭JOC副会長)と、トップレベルの強化優先を訴える
JOCとは根本理念でも距離感。

五輪メダリストらの共同会見で、08年北京五輪男子
フェンシング銀メダリストの太田雄貴(森永製菓)が、
示唆に富む発言。

「国民の税金で、競技をやらせてもらっていることを認識し、
感謝の気持ちを持ちたい。
競技だけやっていればいいというのでなく、
一人間、一社会人としての責務がある」

スポーツ予算の恩恵を授かったトップアスリートが、
社会に何を還元していくか?
その筋道を、競技団体と選手が一体となって考える時代。

http://mainichi.jp/enta/sports/general/general/archive/news/2009/12/06/20091206ddm035050148000c.html

2009年12月9日水曜日

冬の肌荒れ、寒さも敵 バリアー機能高めるたんぱく質、働かず

(2009年12月4日 毎日新聞社)

皮膚表面で温度を感知するたんぱく質が、
肌の乾燥に深くかかわっていることが、
自然科学研究機構岡崎統合バイオサイエンスセンターと
ポーラ化成工業の研究で分かった。

冬の肌荒れの原因は、空気の乾燥だけでなく、
気温低下にもあることを示す結果で、
日本研究皮膚科学会で発表。

このたんぱく質「TRPV4」は、体内のさまざまな場所にあり、
温度や筋肉の緊張などの刺激を感知する働きがある。

ポーラ化成の木田尚子研究員(皮膚科学)らは、
TRPV4が温度によって活性を変えることに着目。
皮膚でどんな働きをしているかを調べた。

TRPV4が不活発になるセ氏24度で、人の表皮細胞を培養すると、
適温の室内での皮膚温度(33度)で培養した場合と比べ、
細胞同士の接着が緩み、すき間から水分などの物質が
通り抜けやすくなった。
TRPV4を活性化する試薬を加えたところ、物質の透過が抑制。

低温が、TRPV4の活性化を妨げることで、
皮膚のバリアー機能が低下し、
水分が失われて肌の乾燥が進むと推測。

木田さんは、「入浴で肌が潤うことは経験的に知られているが、
これには湿度だけでなく、温度も関係していることが
細胞レベルで分かった。
温めることによって、肌荒れを改善するなど
新しい方法につながるかもしれない」

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/12/4/112565/

松原球場を大規模改修へ 関係予算を市議会に提案

(東海新報 12月5日)


陸前高田市は、平成28年の岩手国体開催を見据え、
高田松原第一球場の大規模改修事業に着手。
スコアボードを電光表示とし、内外野ともラバーフェンスを設置、
公式大会が誘致できる環境を整える。
関係予算の事業費を、市議会に提案。

同球場は、本格的な球場としては気仙地区でいち早く、
昭和43年に総工費約4000万円で建設。
こけら落としを、高松宮殿下をお迎えして
高松宮賜杯第12回全国軟式野球大会を開催。
45年、岩手国体の一般軟式野球の部が開かれた歴史。

63年、ナイター施設が整備、市民スポーツの拠点として
市内外の多くの野球愛好者が利用。
平成16年、1万9666人の利用、
ここ数年は年間1万人前後の利用状況。

建設後40年が経過、老朽化が目立ち、グラウンドの水はけ悪化。
鉄骨むき出しのフェンスやさび付いたスコアボード、
基準に満たないグラウンド内の広さなどの改修について、
10年前から市野球協会(及川邦夫会長)が、市に対し要望。
市は、国の「地域活性化・経済危機対策臨時交付金」を活用、
大規模改修に着手。

▽グラウンド内の土を全面入れ替え、暗きょ排水や給水設備を整える
▽内野を除くグラウンド全体に芝を張る
▽両翼を90・5㍍(現90㍍)、センター120㍍(同113㍍)に拡張
▽内外野ともラバーフェンスを設置
▽内野スタンドにFRP製のベンチシートを設置。
▽バックネットの新設
▽スコアボードを電光表示式にし、バックスクリーンを新設
▽三塁側に高さ15㍍の防球ネットを新設
▽本部席とダッグアウトを改修、管理室や更衣室を新設
▽西側駐車場は雨水対策の側溝を入れて全面舗装とする
―などの内容。
収容人員は、グラウンド拡張などに伴い、
これまでより100人ほど少ない3700人。

設計と工事の期間は、来年1月から23年3月まで。
来年の各種野球大会の開催になるべく配慮。
事業費は、3億8316万4000円、
国からの地域活性化・経済危機対策臨時交付金600万円、
地方債(保健体育施設整備事業債)3億7710万円、
一般財源6万4000円。

岩手国体を控えて大規模改修することについて、
中里長門市長は、「気仙広域としては、岩手国体での
高校軟式野球大会の開催を誘致。
今後も県に強く働きかけるなど、ぜひ実現したい」

及川市野球協会長は、「球場の改修は、待ちに待っていた事業。
建設当初、他市町村の野球関係者からうらやましがられたが、
最近は老朽化し、公式大会も開けないほどの現状だったので、
大変うれしい」

http://www.tohkaishimpo.com/

特別支援教育(1)発達障害の子 普通科で自立

(読売 12月1日)

発達障害のある生徒を、積極的に受け入れる高校がある。

詩のプリントを、生徒たちが食い入るように見つめている。
「好きな詩を朗読し、どこが心に響いたか発表してもらいます」
女性教諭の声が教室に響き、2年生の現代文の授業は始まった。

順番が回ってきたのに席を立たない男子が。
すかさず周りから、「頑張れ」と声がかかる。
「よし!」。自らほおをたたいて気合を入れ、壇上に向かう男子。
時折つっかえながら、しっかりとした声で最後まで詩を読み上げた。

だれの朗読が良かったか、教諭が決を採る。
自分の名を呼ばれた男子が、「はい!」と手を挙げて立ち上がると、
教室は大きな笑いに。

福岡県八女市の西日本短期大学付属高校。
普通科の中に「発達支援クラス」を設け、
学習障害(LD)や注意欠陥・多動性障害(ADHD)、高機能自閉症など、
従来の特殊教育では対象とされなかった発達障害の子を、
全国に先駆けて受け入れてきた。

「前身となる情緒障害クラスを設けたのが、20年前。
計算はトップクラスでも証明問題が解けないなど、
発達のアンバランスさが目立つ生徒が増えてきた。
こうした子を支援し、自立させる教育へのニーズが高まっている」
森田修示校長(58)が、クラス設置の狙い。

発達支援クラスに在籍するのは9人。
詩を読み上げた真也君(仮名)もその一人。
対人関係を築くのが、苦手な高機能自閉症。
学力の遅れが目立つ教科は、発達支援クラスで少人数指導、
その他の教科は通常のクラスで「交流授業」に参加。
発達支援クラスには、問題が起きれば避難所となるような機能も。

「発達障害とそうでない子を分離するのでなく、
なるべく同じクラスで共に学ぶ統合教育を目指す。
トラブルを一つひとつ解決していった経験が、
社会に出てからの自立につながる」。
発達支援クラス担当の福島文吾教諭(56)。

同様の試みは、佐賀県でも。
県立太良高校は、2011年度から、発達障害の子らを
対象にした枠を設ける。

県教委の調査で、発達障害がある生徒の約3割が、
全日制高校に進学していなかった。
「不登校、中途退学者も含め、既存の全日制では
対応できない生徒に、教育機会を拡大する必要」と
県教委学校再編・新太良高準備室の古賀信孝参事(53)。
白水敏光校長(54)は、「発達障害の子を支える指導の
ノウハウを確立し、県下の高校に返していきたい」

真也君は中学時代、特別支援学級に。
母親は、特別支援学校への進学を考えたが、
本人が普通高校を志望。

「一人前の男になりたいんだ、という気持ちが強い。
苦手な集団生活の中に入り、交流授業に参加しているのが
自信になっている」と母親。

授業中に弁当を食べ始めたり、バスの中で大声で歌ったり……。
空気を読むのが不得手な真也君の行動に、
当初はクラスメートも戸惑い。
発達障害の特性を理解していくに従い、
彼を見守っていこうという雰囲気が醸成。
突然大声を出した真也君を、隣の席の子が
口の前に指を立て、優しく諭す姿が印象的。

「真也君が変わっていく姿を見ていると、
自分も頑張らなければという気持ちに」と男子生徒。
「彼と出会って、自分の視野や考え方が広がった」と女子。

真也君は今年2月、米国で開かれた知的障害者の
スポーツの祭典「スペシャルオリンピックス冬季世界大会」の
スピードスケートで、三つの金メダルに。
「北京の北島康介、トリノの荒川静香、そして
スペシャルオリンピックスの真也! 頑張りました!!」。
メダルを首から下げ、大きな拍手を浴びながら報告した
真也君は、発達支援クラスからの“お客様”ではなく、希望の星。

発達障害の子が通常のクラスに入り、
お互いが個性を認め合いながら共に成長していく。
そこに、統合教育の醍醐味がある。

◆取り組み遅れる高校

発達障害の子も、教育ニーズに応じて支援する、
特別支援教育が本格的に始まってから、3年目。
校内委員会の設置や特別支援教育コーディネーターの指名など、
ほぼ体制整備が整った小・中学校に対し、
高校など義務教育後の取り組みは大きく遅れている。

文部科学省が、中学3年生の進路状況を分析した結果、
高校進学者の約2・2%に発達障害等の困難がある。
課程別に見ると、全日制の推計在籍率1・8%に対し、
定時制14・1%、通信制は15・7%。
学科別では、普通科2・0%、専門学科2・6%、総合学科3・6%。

高校で特別支援教育が進まない理由として、
「選抜試験を経て入学してきたのに、できないのはおかしい」とする
教員の意識や、中学との連携不足からそれまでの支援が
途絶えてしまうケースが多い。

文科省の私的諮問機関がまとめた報告書では、
通常の学級に在籍しながら必要に応じて別の場で指導を受ける、
通級による指導の制度化などが提言。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20091201-OYT8T00359.htm

縮減の波紋:/中 くじ収益頼みに懸念 民間資金も厳しく

(毎日 12月5日)

「予算要求の縮減ということで、まとめさせていただきました」
行政刷新会議の「事業仕分け」。
JOCの選手強化事業27億1400万円を含む
文部科学省のスポーツ予算10年度概算要求は、
わずか20分余りの議論の末、
とりまとめ役の蓮舫・参院議員(民主)にそう結論。

スポーツ助成は、国庫補助金のほか、
政府出資250億円と民間寄付44億円を原資に、
90年度に創設された「スポーツ振興基金」の運用益、
「スポーツ振興くじ(toto)」の収益からの助成が3本柱。

予算縮減の背景には、国庫補助金を分配する文科省と、
基金やくじを扱う独立行政法人「日本スポーツ振興センター」
という二つのルートがあり、
無駄が生じているのではないかという指摘。

仕分け人から、「それぞれの事業で重複があるのでは」、
「スポーツ予算を一本化すべきだ」の声。

JOCにすれば、国庫補助金で不十分な部分を、
基金やくじで補ってきただけに、
「予算カットの結論ありきだ」との恨み節。

不況でスポンサーの撤退も相次ぎ、
民間資金だけでは厳しい時代。
totoは、06年9月スタートの「BIG」のヒットで、
昨年度は過去最高の897億円を売り上げたが、
それまでは伸び悩み、廃止も検討されたほど。

仕分け人から、「totoの収益をもっと活用すべき」との案も示され、
JOCの市原則之専務理事は、
「totoの収益は、いい時も悪い時もある。頼るのは危険」

予算編成の過程が公開され、今まで以上に税金の使途に
国民の厳しい目が注がれている。
06年トリノ五輪後、日本スケート連盟の元会長が
大会開催をめぐって裏金を作り、私的に流用していた事件が発覚。
スケート界の不透明なカネの流れが問題に。

原田宗彦・早大スポーツ科学学術院教授は、
「大切なのは、アスリートに必要なおカネが流れること。
各競技団体は、自前のマーケティング力をつけるとともに、
カネの使い道に対する監査をより高いレベルで
行うことが必要」と指摘。

http://mainichi.jp/enta/sports/general/general/archive/news/2009/12/05/20091205ddm035050155000c.html

2009年12月8日火曜日

科学者と軍事研究の微妙な距離感

(日経 2009-11-27)

日本の科学技術戦略を語る際、回避されるテーマがある。
軍事部門とのかかわり。
日本人は、特にこの問題に敏感で、
平和利用に徹する姿勢を貫いてきた。
世界に目を向けると、米国をはじめ軍事研究への投資が
相当部分、大学や企業の基礎研究に回っている。
関係を深めることは推奨しないが、実は100%否定することも難しい。
付き合い方のルールを固める必要がある。

核廃絶を唱えるオバマ政権になって影を潜めているが、
同時多発テロが発生した2001年以降、
米国防総省の研究開発担当者が頻繁に、
日本の大学の研究に食指を動かす時期が続いた。

半導体センサーを研究している西日本の国立大学教授。
学会発表を聞いたという米軍関係者が、
制服姿で研究室を訪問、億円単位の資金提供を申し出た。
危険な化学物質の検出に、高感度なセンサーを応用できないか
という着想、この教授は即座に拒否。

リハビリテーションなどを支援するロボットを研究している
関東の大学教授のもとに、米国から航空券が。
研究内容を聞きたいという話だが、現地を訪れてみると
軍関係者から研究支援を提案。
米国では、軍の研究費がロボット研究に投じられることは普通、
日本ではあり得ない。
自身の研究理念にも反すると、同教授は丁重に断り、無事帰国。

まっとうな科学者や技術者ならだれしも、
自分の成果が戦争や犯罪に利用されることなど望んでいない。
平和利用など極めて当たり前な条件で、
議論の対象にはならないという意見。

先端的な研究は時に、ノーベル賞の創設資金にもなった
ダイナマイトを例に挙げるまでもなく、社会の発展に役立つと
同時に、悪用される恐れも。
高度な情報通信技術は、個人情報の盗み見に利用でき、
ナノテクノロジーを駆使して極微な医療機器を開発する一方、
ひそかに人を傷つける武器の開発も可能。

逆のケースもある。
マラリアの感染予防はその代表例、米軍にとって解決したい課題。
これは、アフリカの途上国なども悩む人類共通のテーマで、
軍が蓄積しているノウハウはワクチン開発などに役立てられる。
四国地方の大学や、4大学の研究者が設立した
バイオ系のベンチャー企業は、米軍傘下の研究機関と協力。

米国には、軍事研究費を受け入れている大学は多く、
学術の公開・公正性との兼ね合いや研究倫理が常に議論。
科学技術政策に詳しい鈴木達治郎・東京大学客員教授は、
「基礎的な研究では、(軍など)外部からの介入を拒否する
意見が必ず通る」
それが許されない特殊な場合にのみ、キャンパス外の施設を使い、
大学の研究と一線を画す工夫を凝らしている。

資源・エネルギーの枯渇や食糧の不足、気候変動など
わたしたち人類に及ぶ地球規模の課題は、
なんら解決策が見いだされていない。
難題に科学技術を総動員すべき時代に、反社会的な利用に対し、
科学者や技術者は強く抗議しなければいけない。
負の側面に目をつぶりながら、研究を進めることも許されない。
日本の研究者はこの点、世界的にも優れた倫理観を
備えているのではないか。
その姿勢は誇るべきものだし、高い理念を保ち続けなければ。

同時に、これまで個々人の対応に委ねられていた
軍事研究との協力について、対応するルールを
明確にしておく必要がある。
組織的な枠組みを設けておけば、透明性を高められ、
誤った判断も減らせる。

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/techno/tec091125.html

うつ病100万人超す…10年で2.4倍に

(2009年12月4日 読売新聞)

抑うつなどの症状が続くうつ病の患者数(躁うつ病を含む)が、
初めて100万人を超えた。
長引く不況などが背景とみられる一方、
新しい抗うつ薬の登場が患者増につながっていると指摘。

患者調査によると、うつ病が大半を占める「気分障害」の患者数は、
1996年に43万3000人、99年は44万1000人と
ほぼ横ばいだったが、2002年調査から71万1000人と急増、
今回の08年調査では、104万1000人に。

10年足らずで2・4倍に急増、
杏林大保健学部の田島治教授(精神科医)は、
「うつ病の啓発が進み、軽症者の受診増も一因」と指摘。

うつ病患者の増加は、新しいタイプの抗うつ薬が
国内でも相次いで発売された時期と重なる。

パナソニック健康保険組合予防医療部の冨高辰一郎部長は、
「軽症のうつは、自然に治るものも多い。
日本ではうつを早く発見し、薬を飲めば治るという流れが続き、
本来必要がない人までが、薬物治療を受けている面があるのでは」

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/12/4/112539/

高田高校の味発信 サンマで「おさかな定食」結カフェ(一戸町)で提供

(東海新報 12月6日)

陸前高田市にある県立高田高校(高橋廣至校長)の
水産技術科が開発、製造したサンマの加工品を使った
「高田高校おさかな定食」が、一戸町の「結カフェ」で提供。

県ふるさと食品コンクール・高等学校の部で優秀賞を受賞した
サンマつみれ缶詰などが用いられ、同カフェで開かれた
お披露目会では、地域住民らから大好評。
〝高高の味〟が広く発信される機会となりそう。

結カフェは、株式会社・結(福祉事業所 奥中山高原 結、
山舘章子代表)が運営。
ハンディキャップがある人の就労支援もし、
定食や菓子などを提供。

定食誕生のきっかけは、10月に行われた同コンクール。
会場で、同校のサンマつみれを試食した山舘代表が
その味に感動し、生徒や教員らの熱意にも心を打たれ、
後日メニューへの使用を打診。

同校では、この依頼を快諾し、つみれ缶詰と合わせて
開発中であるしょう油ベースの特製だれに漬けた
サンマのヅケなども提供。
盛岡農業高校が栽培したあきたこまちの白飯、
地元野菜を使った副菜や漬物が並ぶ
「高田高校おさかな定食」が完成。

販売に先駆けたお披露目会には、地域住民や
二戸地方振興局の職員ら10人が出席。
同校から、生徒代表の佐々木翼くんと水戸保弘教諭が参加。

つみれは、ふわふわの食感、ヅケ焼きは生臭みがなく、
頭と尾以外はすべて食べられるとあって、出席者らからは大好評。
「おいしいから食べられた」と完食も目立った。

メニュー説明にあたった佐々木くんは、
「海のものを食べる機会が少ないところなので、
とてもいい定食だと思う」と笑顔。手応えを感じていた。

カフェでは、お披露目会での反応やスタッフによる検討の末、
「定食を定着させたい」として、500円台の価格で
今週中をメドに提供開始の予定。
100食余りの限定になるが、次は同校の新巻きザケなどを使った
「サケ定食」も考案中。

山舘代表は、「魚メニューが充実していなかったので、
今後も高田高校の協力を得て旬のメニューを提供していきたい。
低価格での提供をきっかけに、人が人を呼ぶ形になれば」

結カフェは日曜、祝日を除く午前10時から午後6時まで営業。
住所は、一戸町中山字大塚116の2、
問い合わせ先は℡0195・35・2882。

http://www.tohkaishimpo.com/

縮減の波紋:/上 「自己負担」選手に重く 「体育」と「文化」の差?

(毎日 12月4日)

政府の行政刷新会議の「事業仕分け」で、
JOCに対する27億1400万円の選手強化事業費など、
民間スポーツへの補助金32億9200万円は、
「縮減が妥当」と判定。
12年ロンドン五輪への影響を危惧するJOCや、
強化の最前線にいるアスリートたちに広がる波紋を追った。

アーチェリー界の大ベテラン、47歳の山本博(日体大女短大教)
には、若いころの苦い思い出が。
初めての海外遠征で自宅に届いたのは、35万円の振込用紙。
遠征にかかる自己負担金。

04年、アテネ五輪で銀メダルを獲得、
今も「自己負担」がなくなったわけではない。
「団体でメダルを獲得した今年の世界選手権も、
韓国までの5万円の負担金。
21年連れ添っている妻に、五輪選考会に出るたびに
頭を下げて参加しないといけない。
ほかの国の選手たちに話すと、びっくりする」と内情。

全日本アーチェリー連盟によると、以前よりは負担が減ったものの、
選手たちは五輪出場権を得るまでの海外遠征に関しては、
欧米遠征なら15万円程度の自己負担。

島田晴男・事務局長は、「観客動員力がないマイナースポーツは、
スポンサーもつきにくいので、どこも台所事情は苦しい」

事業仕分けでは、仕分け人がボブスレーとリュージュの
名前を挙げ、マイナー競技に補助することを疑問視。
補助しても成果が期待できない、というニュアンス。

日本ボブスレー・リュージュ連盟の担当者によると、
そりの輸送費に多額の費用がかかり、各選手は
年間100万円近い負担。
補助金の有無は、国際舞台への参加に大きく影響。

JOCは、昨年の北京五輪までの1年間に各国が投じた
選手強化費を調べた。
ドイツ274億円、米国165億円、英国120億円、中国120億円。
日本は27億円。

JOC幹部は、「日本では、『体育』という教育の一環として
発展してきたスポーツが、欧米では文化であり、
国民の福利厚生ととらえられている。
健康増進、医療費削減の面からも重視されている」

16年五輪招致で予算拡充を狙ったJOCにとって、
招致失敗に続く予算縮減は悪夢に違いない。
JOCの上村春樹・選手強化本部長は、
「27億は、諸外国と比べてむしろ少ない。
縮減されると、ロンドンまでの強化体制がパーになる」と苦渋。

「国際競技力向上」というアピールでは、理解を得られない日本。
スポーツ文化への認識の違いが、この問題の根底に横たわる。

http://mainichi.jp/enta/sports/general/general/archive/news/2009/12/04/20091204ddm035050057000c.html

2009年12月7日月曜日

乾電池で動く「マイクロ人工筋肉」

(日経 2009-12-04)

コピー用紙より薄いフィルムに乾電池をつなぐと、めくれ上がる。
高分子材料の新機能開拓と応用研究を手掛ける
イーメックス(瀬和信吾社長)は、モーターも歯車も無くても
動く樹脂フィルムを開発。
駆動装置の新しい動力源として、カメラ用オートフォーカスなどへの
利用を目指している。

開発したのは、広さが最大A4サイズ、厚さが最小25マイクロメートルの
一見、何の変哲も無いフィルム。
乾電池2本(3ボルト)から引き出した配線が、
両面に触れると生き物のように動く。
サンプルとして幅5ミリメートル、長さ2センチメートルに切り取った
付せん形のフィルムは、電圧の向きをスイッチで周期的で
切り替えると、魚のヒレのようになる。

「なぜ動くのか」、「何に使うのか」。
動く仕組みはややこしいので後回しにし、
まずは同社が考えている使い道から紹介。

「実は、既に携帯電話の部品メーカーとオートフォーカス(AF)
モジュールを試作した」と、フィルム開発を担当した一人の
伊東謙吾研究員。
現在の携帯電話用デジタルカメラには、AFモジュールに
スピーカーの原理を応用したボイスコイルモーターと呼ぶ
駆動装置が組み込まれている。
磁力でコイルを振動。

コイルに代えて、新開発のフィルムを使ったことで、
AFモジュールの構造をさらに単純に。
同程度の性能が得られた。
「AFモジュールの価格を、3分の1以下にできるのでは」と、
伊東研究員は予想。
「AFより大きく動かすズームレンズにも挑戦したい」(伊東研究員)

では、どうしてこんな薄いフィルムが乾電池で動くのか?
フィルムの断面を見ると、樹脂の上下を厚さが
約10分の1の金の皮膜が覆っている。
皮膜で挟まれた部分に動くミソがある。
ここは、フッ素系イオン交換樹脂の中に、
4級アンモニウム塩とリチウムの陽イオンが溶けた
ポリエチレングリコール(PEG)が染み込んでいる。

両面の金被膜に電極をつなぐ。
電圧を与えると、負極側に陽イオンが移動する。
それに引きずられて、溶媒のPEGも動く。
負極側のPEGの分量が増えて膨張するので、
フィルムは正極側に曲がる仕組み。

電気化学の基本的な原理を利用しているだけなので、
中高生でも作れるように思える。
「専用の電解液の開発、金皮膜の作り方、電気に対する
感度を高めるなど、ここまで足かけ5年かかった」と伊東研究員。

フィルムは量産も可能。
広幅にして、連続生産してロール状にする。
厚さや感度など別に反物のように棚に入れ、
「10尺ちょうだい」といった注文に応じられるようになる。
精密な切断技術を使えば、幅が1ミリメートル以下の糸状や、
複雑な形にも加工できる。
工夫によっていろんなものを動かせる。

伊東研究員らは、このフィルムを「マイクロ人工筋肉」と呼ぶ。
人体に直接埋め込むことは難しいが、手術用機器には使える。
フィルムを積層すれば力は増すので、
介護用のパワーアシストや医療以外への応用も期待。

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/techno/tec091202.html

考えるだけで義手動かす 伊など研究チームが成功

(2009年12月4日 共同通信社)

イタリアのカンプス・ビオメディコ研究所などの
国際研究チームは、前腕が切断された人の残された腕の
神経に手術で電極を差し込み、精巧な機械式の義手と結び、
考えただけで義手を動かすことに成功。

義手の5本の指を自由に動かし物をつかむことに成功、
被験者は物をつかんでいるとの感覚も感じた。
同様の実験はこれまでにも行われたが、
これほど複雑な指の動きを実現できたのは初めて。

被験者のイタリア人男性(26)は、3年前の自動車事故で左腕を切断。
実験は約1カ月間行われ、男性は実験開始数日後にはこつを覚え、
全体の95%で考えた通りに義手を動かせた。

今後2、3年のうちに、電極を差し込んで義手を動かす期間を
長期化し、考えるだけで動かせる義手の実用化にめどを付けたい。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/12/4/112530/

火の玉野球“殿堂入り” 甲子園にユニホーム大高S59センバツ旋風評価

(東海新報 12月2日)

昭和59年春のセンバツ甲子園で初出場ながら
ベスト4進出を果たし、〝火の玉野球〟と称された戦いぶりで
全国に衝撃と感動を与えた大船渡高校。

その活躍が、長い高校野球の歴史の中でも際立っていたと、
当時のユニホームなどが、来年阪神甲子園球場にオープンする
甲子園歴史館の「高校野球の歴史」コーナーで展示。

全国各校を網羅した常設展施設はこれまでになく、
〝高校野球の殿堂〟への仲間入りに、
地元関係者は喜びに沸いている。

同館は、甲子園球場全面改装の一環として、
来年3月にオープン予定。
同球場外野スタンド下に、約1200平方㍍の展示面積を持つ
施設として建設、「高校野球の歴史」、「阪神タイガースの歴史」
などの各コーナーが設けられる。

「高校野球の歴史」コーナーは、
▽甲子園での名勝負、名場面、
▽高校野球の歴史、
▽著名な選手―などのブースで構成、
それぞれを当時の映像や写真、貴重な品々を交えて紹介。

『旋風校コーナー』として、各大会で優勝は果たせなかったものの
大きなインパクトを残したチームの活躍を紹介するブースも設営。
〝火の玉〟旋風を巻き起こした大船渡高の史料も、
ここに展示される予定。

史料は、同館が全国の約150校に寄贈、寄託を呼びかけ、
300点ほど収蔵される予定。

本県では大船渡高と、今年の春夏甲子園で活躍した
花巻東高の二校が提供を依頼。

大船渡高が提供するユニホーム上下、ストッキング、帽子などは、
甲子園出場当時の監督だった佐藤隆衛さん(68)が
保管していた自身のもの。
当時製作された記念誌も提供。

佐藤元監督は、「選ばれたのは光栄で、歴史館にも
ぜひ足を運んでみたい。
大船渡のユニホームは、甲子園出場前からほとんど変わっていない
伝統あるもので、同じユニホームが展示されていることを、
今の選手が名誉に思ってくれたらうれしい」と喜ぶ。

先輩の活躍の殿堂入りに、現役部員も感慨深げ。
金野和希くん(1年)は、「先輩たちが輝かしい歴史を
作ってくれたおかげ。自分たちも引き継いでいきたい」
日頃市中出身の新沼鉄平くん(同)は、
「父も隆衛先生の教え子だし、地元の方のユニホームが
飾られるのは縁を感じる。自分も励みにしたい」

http://www.tohkaishimpo.com/

2009年12月6日日曜日

ネットに潜む20代消費の鉱脈

(日経 2009-11-28)

消費市場で、20代は「沈黙の世代」というレッテルをはられ、
期待感は薄い。
20代の消費行動を追うと、消費の構造変化につながるような
異状が見えてくる。

消費不振は、深刻さを増している。
クレジットカードのショッピング取扱高は、2009年5月以降、
5カ月連続で前年同月の実績を下回った。
決済市場では、一貫してキャッシュレス比率が高まり、
マイナスが続くのはかつてなかった。

不振が目立つのは、百貨店・スーパー。
景況の影響が増幅して出やすい飲食店の落ち込みが顕著。
「その他」とひとくくりにされている利用の中に、
成長分野が隠れている。

「通信販売」と「公共料金」。
この2項目の取扱高を支えているのが、20~30代男女。
クレジットカード業界は最近、この変化に着目。

公共料金は、クレジットカードで決済する習慣が
若い世代に普及したという背景。
携帯電話の利用料の支払いを、コンビニエンスストアや
携帯電話ショップからクレジットカードに切り替えるだけで、
1人当たり10万円以上、取扱高を底上げ。

通信販売は、消費の構造変化の一端につながっている。
20代向け限定のカード発行を始めたJCBによると、
インターネット通販で若年層が他の世代に比べ、
突出して多く利用するのは、ファッション関連と音楽関連。

新カード発行のため、数年かけて20代の消費行動を分析した
同社によると、20代は「興味がある分野にだけは、
案外、カネをつぎ込む」。

アンケート結果とカード利用の場所などを合わせて分析すると、
「店で見て、ネットで買う」という行動がファッション分野で定着。
若者に人気のファッションブランドでは、
ショールームのような店を1、2店構えて、
売り上げ構成は「ZOZOタウン」などネット上のファッションモールに
出した店に依存する、という売り方。

20代は、リアル店舗ではあまり買い物をしないし、
ブランドの知名度にはこだわらない。
「支出意欲が乏しい」というのは誤解かもしれない。
10万円を超える靴や5万円を超える服であっても、
気に入れば買っている。
買いたくて我慢しているものもたくさんある。

消費意識の機微は、主要統計からは漏れがち。
彼らの消費意識を分かりにくくしている要因として、
必ずしも新品にこだわらないこと。
ネット上では、ショップの商品もオークションへの出品も、
それほど分け隔てなく見比べる。

デザインや値段に比べ、新品か中古品かはたいした要素ではない。
リアルの世界でも、「ハンジロー」などの古着専門店が
意外なほど若い男女の関心を呼んでいる。

正社員の若者でさえ、雇用不安を口にする環境だけに、
20代に消費の爆発力があるわけではない。
好奇心や価値観をそれなりに持っていて、消費もしている。
実像が見えにくいのは、供給側が提供し得ていない領域で、
彼らが消費行動をしているせい。

ネット上にみられる多品種少量流通と中古品流通。
この領域を「ゲリラ戦」と見下していたら、
貴重な消費鉱脈を見逃してしまいかねない。

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/syohi/syo091127.html

車いすラグビーで取り戻した自信と希望 脊椎損傷の米青年

(CNN 11月23日)

コートの中をボールが素早く移動し、激しい声が飛び交う。
試合に臨む選手たちの表情は、真剣そのもの。
引き締まった肩が、日ごろの鍛錬の成果を物語っている。

タルボット・ケネディさん(24)は、強豪チーム
「スマッシュ・ラグビー」のリーダーの1人。
チームメートとともに、車いすを鮮やかに操ってボールを追う。

ウィルチェアーラグビー(車いすラグビー)は、手足にまひなどの
障害を持つ選手によるスポーツで、パラリンピックの公式種目。
スマッシュ・ラグビーは、ジョージア州アトランタの
リハビリテーション病院、シェパードセンターで結成されたチーム。
週に数回、夜間に集まって練習し、全米トーナメントにも出場。

ケネディさんが、車いすで生活するようになったのは、
高校卒業を目前にした時期。
男子チアリーディングの競技で活躍し、奨学金で大学へ
進むことも決まっていたケネディさんは、卒業式の直前、
チア練習場のトランポリンで、友人をまねて
慣れない技に挑戦、頭から転落。
脊椎損傷で、胸から下がまひする重傷。
進学の夢は消え、「この先、自立した生活ができるのか。
やりたかったことができるようになるのか」と途方に暮れた。

将来に希望が持てないまま、シェパードセンターで
リハビリに取り組んでいた3年前のある日、
ケネディさんは車いすラグビーの試合を目に。
全力で動き回り、ぶつかり合う選手たちの姿に勇気がわいた。

チームの選手は、それぞれ前向きな生活を送っていた。
一人暮らしや結婚生活、子育てを実現させているメンバーも。
「スポーツはもともと好きだったし、自分と同じ境遇の仲間と
一緒に過ごすだけで、明るい気持ちになれた。
チームは、いまや第二の家族のようなもの」

チームのコーチを務める作業療法士のエミー・ボーンさんは、
「自分がひとりではないと感じ、仲間のたくましさを
見ることによって希望が生まれる。
体が鍛えられることで、自立した日常生活も可能になる」
「車いすラグビーを通し、選手たちは新たな人生に
足を踏み出すことができるようになる」

ケネディさんは現在、一人で生活しながら、
体育教育の学位取得を目指して大学へ通う。
「車いすラグビーと出会わなければ、今の自分はなかった」――
そう語る笑顔は、スポーツマンとしての自信に満ちていた。

http://www.cnn.co.jp/fringe/CNN200911230016.html

沿岸南部クリーンセンター 7億円の負担減へ新制度適用目指す

(東海新報 12月1日)

気仙三市町と釜石市、大槌町の廃棄物処理を担う
岩手沿岸南部広域環境組合議会定例会が開かれ、
20年度決算などが認定。

来年度内の完成を目指す岩手沿岸南部クリーンセンターの
整備状況が示され、建設に伴う各市町負担を
合計7億円程度削減するよう調整を進めている。

議会には構成議員に加え、組合事務局や各市町関係者ら
約30人が出席。
管理者の野田武則釜石市長は、5月から本格着工となっている
クリーンセンターの進捗状況を報告。

クリーンセンターの建設場所は、釜石市平田地内で稼働している
「岩手オートリサイクルセンター」付近の約2万1000平方㍍。
基礎工事が完了、現在は鉄骨の立ち上げと一部外壁の
取り付けに着手し、年内には一部機械も搬入される予定。
野田市長は、「これといった問題もなく、工事は進んでいる」。
従来の予定通り、22年内の工事終了を予定。
試運転を経て、23年3月までの本稼働を目指している。

高効率発電施設を対象に、今年度から新たに国からの
交付税率が引き上げられる制度が設けられた。
制度適用に向け、現在県や環境省と協議を進めている。

センター建設費は約100億円、五市町の負担額は約70億円。
負担割合は、各市町からの処理量などによって算出。
長期的な効率性を目的として進められている事業だが、
整備による各市町の財政負担の影響が建設前から注視。
交付税引き上げが適用となった場合、各市町の
財政負担軽減額は、合わせて約7億円の見込み。

野田市長は、「環境省からは、一部事業の見直しを行えば、
基本的には適用できるのではないか」と報告。
厳しい財政状況の中、構成市町の財政負担軽減に
つながることから、今後は適用に向け、一部設計変更を含めた
見直しを行う方針。

この日提出された議案は、組合条例の一部改正と
20年度決算認定など。
いずれも原案通り可決、承認。

20年度の歳入は、5億4624万円、歳出は5億4471万円、
実質収支額は153万円の黒字。
歳出の大半は工事請負費、監理業務委託料。
組合条例の一部改正は、各市町村と同様、県人事委員会の
勧告に基づき、期末手当などの削減を盛り込み。

http://www.tohkaishimpo.com/