2009年8月19日水曜日

監督たちに学ぶマネジメント(最終回) 実績より実力で選手起用

(日経 8月9日)

サッカー日本代表が、2010年ワールドカップ・南アフリカ大会の
アジア最終予選を突破。
順調にハードルを越えてきた岡田武史監督だが、
前任のイビチャ・オシム氏の病気休養による緊急登板。

オシム氏は、1990年ワールドカップ・イタリア大会で、
ユーゴスラビア代表をベスト8に導くなど、名将として知られる。
オシム氏は、日本代表の改革に向け、「走ること」、「考えること」、
「日本人の強みを生かすこと」を強調。

岡田監督は、その基盤を活用し、俊敏性や持久力といった
日本人の特性を生かした「走り勝つサッカー」という
勝ちパターンを築きつつある。
チームのビジョンとして、「ワールドカップでベスト4」を打ち出している。
予期せぬ形ではあったが、スムーズに継承が行われた。

岡田監督で着目すべき点は、選手の起用方法。
チームスポーツでは、選手の起用方法によって
勝敗が左右されることは珍しくない。
企業においても、人材活用はマネジメントの重要要素の一つ。

選手(人材)起用の原則は、実力主義。
これが当たり前のようでいて、なかなか難しい。
チームの柱として活躍してきた選手を外すような意思決定は、
名監督でもためらう場合が少なくない。

選手起用のポイントは、チームの勝ちパターンに従って、
各ポジションに求めるべき人材像を描き、
その時の実力を評価して選定すること。
それまでの実績は関係ない。
岡田監督が提唱する「走り勝つサッカー」という考え方に基づいて
登用された選手は、いずれも予選で大活躍。

チーム内競争の維持も、重要な要素。
企業でも、スポーツチームでも、メンバーを固定した瞬間から
退化が始まる。
岡田監督は、18歳の山田直選手を招集、
チーム内の競争が常に活発になるようにしている点も秀逸。

産業界で同様の例を探すと、ユニクロを運営している
ファーストリテイリングが思い浮かぶ。
同社の柳井正会長兼社長は、経験や実績にとらわれず、
能力があると認めた人材を店長に登用。
全店長の成績を毎月評価して競争を促すなど、
社内競争を活発にする仕組みも整えている。

2010年ワールドカップ・南アフリカ大会の出場を決めた
サッカー日本代表の課題は何か?
グローバル化に成功したと言われる日本の自動車メーカーの事例。

日本代表の現在の実力は、FIFAランキングで世界40位前後。
「ワールドカップでベスト4」から、かなり遠い位置。
日本のベスト4入りの可能性は、かなり低いと言わざるを得ない。

トヨタ自動車やホンダは、なぜグローバルプレーヤーの
仲間入りができたのか?
世界最大の自動車市場だった米国で、
名もないときから経験を積んできたことが大きい。
自動車メーカーにとって、最重要市場は以前から
日本ではなく米国だった。

ゼネラル・モーターズやフォード・モーターなど、
米国メーカーを模倣するのではなく、日本人らしい
細部へのこだわりや品質の高さを勝ちパターン。
供給者優先(プロダクトアウト)の考え方が強い米国勢に対し、
日本勢は消費者と徹底的に対話しながら、製品改良を重ねてきた。

膨大な投資や努力を続けられた背景には、
世界的なプレーヤーになるというビジョンがあった。

「明確かつ確固たるビジョン」、「差別性のある勝ちパターン」、
「最激戦市場でのPDCA(計画・実行・検証・修正)サイクルの継続」
がキーワード。

サッカーの日本代表は、グローバルプレーヤーになり得るか?
ワールドカップベスト4という明確かつ確固たるビジョンはある。
差別性のある勝ちパターンとして、
「俊敏性と持久力を生かした走り勝つサッカー」がある。
これから求められるのは、最激戦市場でのPDCAサイクルの継続。

日本代表の選手の大半が、Jリーグでプレー。
このような状況では、PDCAサイクルを回すのは難しい。
日本代表として、欧米でできるだけ多くの試合をこなし、
厳しい局面を数多く経験することが必要。
Jリーグの各チームが岡田監督のビジョンを共有し、
代表に選ばれた選手をチームから解き放つ勇気が求められる。
周到な準備で臨めば、日本代表の躍進は十分期待。

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/bizskill/biz090806.html

2009年8月18日火曜日

寿命延伸へ期待高まる「カロリーリストリクション仮説」

(日経ヘルス 8月7日)

テクノアソシエーツが、日経ヘルスラボレポート
「アンチエイジング・機能性化粧品の市場・技術動向2009」
(監修:日経ヘルス,日経ヘルスプルミエ)の発行。

今後のアンチエイジング研究のトレンドとして、
(1)カロリーリストリクション(カロリー制限)、
(2)肥満対策、
(3)医農連携、
(4)腸からのアンチエイジング、
の4つの注目が高いことが明らか。
4回に分けて、各トレンドに対する専門家の見方を紹介。

順天堂大学大学院医学研究科加齢制御医学講座の
白澤卓二教授は、カロリーリストリクションによる
寿命延伸効果に期待。

「人間の寿命を延ばすような生活改善は、アルツハイマー病などの
加齢性疾患の発症年齢を遅くし、将来的にはその人生の中で、
発症を防げるのではないか。
アルツハイマー病の最大の予防法は、年をとらないことだという
逆転の発想にたどり着いた」と、白澤教授は指摘。

具体的なアプローチとして、炭水化物、たんぱく質、脂質といった
三大栄養素の機能を補う成分をバランスよく摂取する
「機能ユニット」という考えを提唱。

「糖類や炭水化物など、エネルギーだけを重視した食事にかたよると、
このバランスが崩れ、血管年齢や認知機能に大きく影響。
動物実験で、カロリー制限により加齢現象が抑制されるのは、
食品の機能バランスが改善されている可能性を示唆」

http://nh.nikkeibp.co.jp/article/nhpro/20090807/103671/

画面に向かう時間が小児の血圧を引き上げる

(2009年8月11日 WebMD)

テレビを観たり、コンピュータを使用したり、ビデオゲームをしたり、
「画面に向かう時間」が多すぎると、幼い小児の血圧が上昇する
可能性があることを示している。

肥満、体重超過の小児でなくても、これは本当であると、
『Archives of Pediatrics & Adolescent Medicine』8月号で報告。

研究者らは、3~8歳の小児に、座ったままの行動と血圧上昇が
関連することを見出した。

この知見は、小児のメディア視聴時間の増加が、
以前に考えられていたよりもはるかに小児の健康に悪い
可能性があることを示唆。

Joe Eisenmann博士は、ミシガン州立大学の運動学科の教授、
アイオワ州立大学David Martinez-Gomezのかつての同僚である。

「座ったままの行動が肥満と関連すること、
肥満が高血圧と関連することは、以前の研究でわかっていたが、
それらの行動を血圧上昇と直接関連づけたのは最初」

座ったままの活動を、どのくらい時間行っているかを調べるため、
動きを測定する加速度計を、小児に装着させた。
小児の親は、小児がビデオゲームをしたり、テレビを観たり、
絵を描いたり、座っていたり、ほとんど身体を動かす必要のない
活動をして過ごした平均時間を報告。

小児が座ったままの活動をした時間は、1日に平均5時間、
画面に向かっていた時間は平均1.5時間。
米国小児科学会では、小児が画面に向かう時間を、
1日に最大2時間までに制限するよう、親に勧告。

研究者らは、テレビを観たり、コンピュータを使用したり、
ビデオゲームをした時間が最も少なかった小児は、
画面に向かう時間が最も多かった小児よりも、
血圧レベルがはるかに低かった。
他の形の座ったままの活動は、血圧上昇と有意な関連がない。

Eisenmann博士は、「画面に向かう時間が多過ぎるとき、
発生する他の因子も、小児における座ったままの行動と
血圧上昇の発現との関連を検討する際に考慮すべき」

「テレビを観るとき、健康に悪いスナックをつまむことが多く、
睡眠に悪影響を及ぼすストレス反応につながる」

高血圧が、米国の小児において増加している。
画面に向かう時間を1日2時間以内に制限し、
毎日60分以上の身体活動によってバランスをとることを推奨。

http://www.m3.com/news/SPECIALTY/2009/8/11/105644/

メス不要の最先端がん治療が始まる

(日経 2009-08-07)

メスでは切れない体深部のがんを治す
「重粒子線がん治療装置」の普及型第1号機が、
群馬大学医学部に完成、機能検証試験が始まった。

来年3月末までに初の治療が始まる。
重粒子線がん治療装置は、炭素などのイオンビームを
体の外から患部に当て、健康な細胞をほとんど傷つけることなく、
がん細胞のDNAを破壊する最先端のがん治療法。
全国への普及が期待されるが、克服しなければならない
技術的な課題も多い。

基礎研究と治療を同時に進める世界初の
重粒子線がん治療装置は、15年前に千葉県の
放射線医学総合研究所に完成、既に約5000人が治療を受けた。
群馬大の装置は、その実績を踏まえて作ったがん治療専用機。

群馬大に続けと、既に4つの県が同型機の設置を検討。
今後、全国の10カ所ほどに設置。
10~15年後の完成を目標に、主要都市での設置を目指す
小型の次世代型を開発する研究会も発足。
装置の心臓部である重粒子線加速器をより小型化するため、
高温超電導技術が必要。

重粒子線がん治療装置は、加速器で高速にした炭素などの
細いイオンビームを体の外から患部に当てる。
あらかじめ患部の立体的な位置情報を測定、
その深さにあったエネルギーに設定、ビームは健康な細胞を
ほとんど傷つけずに通過して患部で止まり、がん細胞のDNAを破壊。
がんの増殖は止まり、破壊した細胞は新陳代謝で消える。

「装置の普及に併せ、操作する人材の育成を急ぐ必要がある」、
医用原子力技術研究振興財団の平尾泰男常務理事。
平尾常務理事は、東京大学教授だった1979年に
重粒子線でがんを治療する方法を考案。
放医研に移り、94年に第1号機を完成。
それ以来、ずっと装置普及のための活動を進めてきた。

放医研の装置は、世界に前例の無い第1号機で、
基礎的な研究が必要、様々な機器を組み込んだ。
その結果、全体で長さ140メートル、幅60メートルと広い面積を占有。

群馬大の普及型は、放医研の使用実績から
がん治療専用に機能を絞り込み、長さ65メートル、幅45メートルと
設置面積を3分の1にできた。
電気使用料は、放医研が年間約10億円かかるのに対し、
治療専用にして1けた近く下がると見積もっている。

平尾常務理事が、「15年はかかるだろう」とみつつ
実現に期待するのが次世代型。
放医研と群馬大の装置は、心臓部に銅ケーブルの常電導磁石で
構成する加速器「シンクロトロン」を用いる。
次世代型は、液体窒素で冷やすと電気抵抗がゼロになり、
直径3.2メートルの空間に6テラスの高い磁力を作り出せる
高温超電導磁石を使う。
この磁石で構成する加速器「サイクロトロン」で、
シンクロトロンを置き換える。
その結果、設置面積は20メートル四方まで小さくできる。

液体窒素で使う高温超電導材料は、87年に発見、
現在ようやく送電ケーブルなど、実用化が近づいてきた段階。
これから磁石を作り、加速器を組み立て、
イオンビームを正確にとりだして治療に使うまでには技術的課題が多い。
平尾常務理事が15年かかるとみるのはそのため。

◆イオンビームの流れ(放射線医学総合研究所提供)

次世代型の開発に取りかかるのは、
超電導技術の専門家である早稲田大学の石山敦士教授と
中部電力などの研究チーム。
早大と中電は、経済産業省の予算で
高温超電導電力貯蔵装置(SMES)の開発を進めている。
この技術を使えば、イオンビーム用のサイクロトロンを作れる。

今年5月、早大と中電は、放医研、理化学研究所、
日本原子力研究開発機構と組んで、
「次世代重粒子超伝導加速器開発研究会」を旗揚げ、
既に開発計画はスタート。
「15年と言わず、10年後の完成を目指す」(石山教授)

放医研の装置は、15年かけて約5000人の患者で
大きな治療実績を得た。
年間約700人しか治療を受けられず、多くを断っている。
医用原子力財団の平尾常務理事は、普及型は全国に10台、
次世代型は800台設置。
単純計算では、800台有れば年間56万人と、
多くのがん患者が治療を受けられるようになる。

「重粒子線がん治療装置は万能ではない」(平尾常務理事)。
場所はわかっているが、メスでは切れないがんに向く。
場所を特定しにくい転移したがんの治療は難しい。
重粒子線で治療する放射線科と、外科や内科などとの連携は
ますます重要性を増す。
それを議論する前に、次世代型実現のカギを握る
高温超電導技術の開発を急ぐ必要。

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/techno/tec090805.html

2009年8月17日月曜日

杜仲葉配糖体を配合したサプリに皮下脂肪減少効果

(日経ヘルス 8月11日)

小林製薬は、杜仲茶に含まれる杜仲葉配糖体を配合した
食品の摂取により、内臓脂肪だけでなく、
皮下脂肪も減少させる効果があることを、
成人男性を対象にした臨床試験で確認。
日本杜仲研究会第4回定期大会で発表。

試験は、内臓脂肪型肥満の成人男性27人を2群に分けて実施。
CTスキャンで測定、内臓脂肪断面積が100cm2以上を対象。
試験の実施期間は2カ月。

片方の群には、杜仲葉配糖体を配合したサプリメントを
毎日とってもらい、もう片方の群には杜仲葉配糖体を含まない
偽サプリをとってもらった。
摂取期間前後で、体脂肪率、CTで皮下脂肪断面積と
内臓脂肪断面積の推移を調べ、それぞれ比較。

その結果、杜仲葉群では、体脂肪率、内臓脂肪断面積が
摂取前に比べ、有意に減少。
皮下脂肪断面積は、偽サプリ群では摂取前に比べ、15.5cm2増、
杜仲葉群は25.7cm2と有意に減少。
同社は、試験に用いた杜仲葉配糖体の量を非公表。

同社では、ラットを対象にした実験で、杜仲葉配糖体の主要成分
「アスペルロシド」による内臓脂肪減少効果を確認。
皮下脂肪の減少も、「アスペルロシド」による効果ではないかと考え、
詳しいメカニズムについては現在研究中。

今後も、杜仲葉による生活習慣やメタボリックシンドロームの
改善効果の解明を図っていく。

http://nh.nikkeibp.co.jp/article/nhpro/20090811/103689/

遺伝子解析で水稲開発 本県2研究センター

(岩手日報 8月12日)

岩手生物工学研究センター(北上市)と県農業研究センター(同)は、
遺伝子解析を活用した新たな育種方法「DNAマーカー育種」により、
低温でも発芽しやすいじかまき用の水稲を開発。
同育種方法の活用は県内初で、全国でも珍しい。
従来の手法より、新品種の開発期間が大幅に短縮され、
さまざまな水稲開発への応用が期待。

岩手生物工学研究センターと県農業研究センター、文部科学省の
補助金で設置した研究教育拠点、「岩手大21世紀COE」が連携。

DNAマーカーは、品種などの性質を決める
DNAの塩基配列に目印を付け、判別しやすくしたもの。

じかまき水稲は、コスト軽減や効率化が注目され、
4月下旬から5月上旬の低温期に種まきするため、
発芽や苗立ち率のばらつきが課題。

今回、このDNAマーカーを活用し、県オリジナルの水稲品種
「いわてっこ」に、低温発芽性を持つ外国品種を掛け合わせた。

外国品種は、低温発芽性を持つが、食味は劣る。
この低温発芽性に関連する遺伝子以外は、食味の良い
「いわてっこ」とほぼ同じDNAを持つように交配。

従来の育種方法では、二つの品種を掛け合わせ、
生育後に検定を行っていた。
検定は年1回程度しかできず、特定の性質を取り込むまでには、
数回の交配と検定が必要、
新品種の開発まで4~5年はかかっていた。

DNAマーカー育種方法では、最初に外国品種の中で
低温発芽性の遺伝子を持つDNA領域を特定。
このDNA領域を識別しやすくするため、
目印であるDNAマーカーを利用、交配。

同方法は、苗の時期に特定の性質を持つか否かを、
DNAマーカーを使って選抜するため、
新品種の開発までの期間が2年ほどに縮まった。

低温発芽性を取り込んだ新品種は、「いわてっこ」に比べ、
種まきから31日後の苗立ち率がほぼ倍増。
草丈は3センチほど伸びた。
今後は実用化に向け、栽培特性などの研究を進める。

岩手生物工学研究センターの寺内良平生命科学研究部長は、
「DNAマーカー育種を実用化した先駆け的な研究成果。
耐病性や食味などの基本的性質の向上や特産地化につながる
水稲の開発にも応用できる」と可能性を探る。

◆DNAマーカー

品種間や個体間のDNA塩基配列の違いを目印にして
利用できるようにしたもの。
低温発芽や耐病性など、有用な遺伝子の位置を示す
DNAマーカーがあれば、DNA分析により、
圃場栽培しなくても実験室で早期に特性を把握。

http://www.iwate-np.co.jp/economy/e200908/e0908121.html

お盆休みだから、じっくりビジネス書

(日経 8月4日)

まもなく盆休み。
ビジネスパーソンにとって、新刊本をまとめ読みするチャンス。
ビジネス書の売り場には、会計の入門書や自己啓発本といった
定番商品に加え、金融危機の原因を分析したり、
危機後の世界経済を展望したりする書籍が並んでいる。

◆売れ筋 財務関連▽国際会計基準に備え
       ノウハウ▽脳科学で効率上げ

売れ筋のビジネス書は、大きく2つの系統。
1つは、企業財務などの知識を分かりやすく紹介した入門書。
もう1つは、仕事や勉強の効率を高めるための時間管理や
情報整理の技術を紹介したノウハウ(ビジネススキル)本。

第1の系統で目を引くのは、国際会計基準(IFRS)の関連書籍。
「なるほど図解IFRSのしくみ」(中央経済社)、
「国際会計基準IFRS完全ガイド」(日経BP社)。

会計とはなじみが薄かった人を意識し、イラストや図表を多用。
IFRSは、2010年から上場企業の連結決算への任意適用が始まる。
「企業の経理・財務担当者だけでなく、一般のビジネスパーソンの
間でも関心が高まっている」(八重洲ブックセンター)

企業会計全般を扱った本では、
「財務3表一体理解法」(朝日新聞出版)、
「財務3表一体分析法」(同)に人気。

財務諸表の構造を体系的に紹介するのではなく、
貸借対照表や損益計算書などが、どの項目で相互に
関係しているのかを分析することに的を絞っている。
この手法を用いて、個別企業の決算を分析した事例を多数掲載。
実戦的な財務分析の技術を得られる。

第2の系統であるノウハウ本では、
「整理HACKS!」(東洋経済新報社)が好評。
同書は、デジタルデータの整理方法について、
多くの紙幅を割いている点が特徴。
「SugarSync」、「Twitter」など、最新のITサービスを活用した
業務効率の改善法を紹介。

「超『時間脳』で人生を10倍にする」(宝島社)は、
脳機能学者、苫米地英人氏の効率的な時間管理の方法論。
「一瞬で相手をオトす洗脳術」(マキノ出版)、
「脳にいい勉強法」(アスコム)にも、
苫米地氏の脳科学の知見を対人コミュニケーションや勉強などに
応用するノウハウが載っている。

◆お勧め 金融危機▽もろい現代を知る
       社会起業▽新しい価値観発見

時間に余裕のあるときに、専門書をじっくりと読みたいという人も。
この夏は、金融危機について知見を深められるような本が
書店に並んでいる。「かなり高度な内容も含まれているが、
幅広い年齢層の読者が手に取っている」(日本出版販売)

その象徴が、「ブラック・スワン」(ダイヤモンド社)。
正規分布など、統計学の常識の上に積み上げられた
現代の金融理論の体系のもろさを指摘、
「黒い白鳥」など巧みな比喩を用いて不確実性のリスクに言及。

金融危機関連では、
「資本主義はなぜ自壊したのか」(集英社インターナショナル)、
「資本主義崩壊の首謀者たち」(集英社)、
「完全にヤバイ!韓国経済」(彩図社)など、
刺激的なタイトルの本が書棚の広い面積を占めている。

このほかの分野では、社会が抱える問題を、
ビジネスを通じて解決しようとする「社会起業」に関する本。

「『20円』で世界をつなぐ仕事」(日本能率協会マネジメントセンター)
は、途上国で学校給食の普及に取り組んでいる
非営利組織(NPO)法人の活動を紹介。

このNPOは、企業に社員食堂でメニューの一部を
低カロリーの食事にするように促し、浮いたコストを企業から集め、
途上国での給食費に充てている。

「世界を変える人たち」(ダイヤモンド社)は、
公共性と経済性を両立させた海外の様々なビジネスモデルを紹介。

紀伊国屋書店大手町ビル店では、社会起業を扱った書籍の
専門売り場を設けた。
萩原正之店長は、「金融危機後の世界で、新しい価値観を求める
読者の関心に応えるため」と狙い。

経営者本では、スズキの鈴木修会長兼社長が著した
「俺は、中小企業のおやじ」(日本経済新聞出版社)と、
パナソニック創業者の故松下幸之助氏のリーダー論を紹介した
「リーダーになる人に知っておいてほしいこと」(PHP研究所)が人気。
堅実経営で知られる大手製造業トップの言葉に、
関心が集まるところに時代性が表れている。

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/bizskill/biz090804.html

2009年8月16日日曜日

細胞分裂の遺伝子、神経伸ばす役割…広常・大阪市立大教授ら

(2009年8月12日 読売新聞)

細胞の分裂を促す遺伝子が、
神経細胞の軸索が伸びる際、重要な役割を果たしていることを、
大阪市立大医学研究科の広常真治教授らが突き止め、
10日の科学誌ネイチャー・セル・バイオロジー電子版に発表。

広常教授は、「この遺伝子はがん細胞も増やし、
抗がん剤の標的の一つだが、神経細胞もダメージを受ける。
副作用防止のヒントになるだろう」

広常教授らは、「オーロラA」という遺伝子が、
マウスの神経細胞の軸索の付け根で活発に働き、
伸ばす役目を担っていることを確かめた。

軸索は、他の神経細胞に信号を伝えるルートで、
脳のネットワークへの影響は大きい。
神経細胞は、胎児の時を除いて原則として増えないため、
細胞分裂の遺伝子は働かないと考えられてきた。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/8/12/105678/

監督たちに学ぶマネジメント(3) データ分析し勝利の方程式

(日経 8月2日)

掲げたビジョンと戦略を確実に実行させ、
チームを新たな方向に導くには、
「プラン→ドゥー→チェック→アクション(PDCA)」のサイクルを、
地道に回していくことが必要。
大声でしかったり、励ましたりするだけでは、マネジャー失格。

米大リーグのオークランド・アスレチックスは、
1998年シーズンからGMを務めるビリー・ビーン氏が中心となり、
徹底したデータ分析を基に、独自の勝利の方程式を確立。

過去の経験や常識を否定し、データ分析を重んじながら、
選手の発掘、チームの編成、試合での戦術などを再構築。
新たに立てた戦略を、PDCAサイクルで検証し、進化させていった。

新人選手を選択するドラフト会議では、
多くの球団が狙う有名スター選手を避け、
無名でも自分たちが重視している指標(能力)が高い選手を指名。
無名選手の中には、大リーガーとして成功する例も少なくなく、
アスレチックスは2000年代に、5回もプレーオフに進んでいる。

選手の契約金や年俸を安く抑えられるので、
スター軍団のニューヨーク・ヤンキースと比べると、
人件費は3分の1程度で済む。

作戦でも、データ分析を積極的に活用する。
どんな打者でも、カウントが「2—1」よりも「1—2」の方が
ヒットが出る確率が高い。
ボール球を見極めて、「1—2」というカウントにするかが重要。
アスレチックスでは、各打者がどれだけボール球に
手を出しているのかをすべて記録、選手たちにフィードバック。
ボール球は、必ず見送るように徹底して叩きこまれる。

PDCAサイクルは、概念としては古くからあり、
新鮮味は乏しいが、確実に遂行している会社は意外に少ない。
数少ない例が、セブン—イレブン・ジャパン

同社は、POS(販売時点情報管理)システムによる
売れ筋管理で有名だが、これは提案した商品・サービスが
消費者に受け入れられたかどうかを判断する道具。
大切なのは、消費者のニーズを先読みして商品・サービスを提案し、
PDCAサイクルを迅速に回すこと。

チーム力の向上を考えた場合、力のある監督一人に
頼ってばかりでは、最終的にその器を超えることはできない。
チームが軌道に乗ってきたところ、一段のレベルアップを目指すには、
「モチベーションアップ」がキーワード。
コーチや選手一人ひとりが責任感を持ち、自発的に動くことで、
組織は最大限の力を発揮できる。

昨年のプロ野球日本一となった西武ライオンズの原動力は、
徹底したモチベーションアップ。
単にほめるだけではない。
渡辺久信監督は、多面的に取り組んだ。

「徹底的に選手に話しかけること」。
監督は、選手にとって雲の上の存在と見られがちだが、
渡辺監督は選手に積極的に話しかけた。
選手との心理的な距離感が一気に縮まり、
チームとしての一体感が高まった。

続いて、「目線を下げて丁寧に教える」ことを心がけた。
球界で伝統となっている「不親切な言い放し」の指導を、
渡辺監督は極端に嫌った。
選手が分かるまで手を替え品を替え、コーチングの質を高めた。

「コーチに、目標と責任を与えてじっくり見守る」ようにもした。
権限委譲であり、任されたコーチは責任感を持って、
自発的に動くようになる。
レベルの高い「大人のチーム」に変貌していった。

最後は、「結果論でものを言わない」。
結果だけを求めると、選手は萎縮するばかり。
渡辺監督は、「結果は気にせず、やるべきことに集中して
ベストを尽くせ」という姿勢を貫いた。
フルスイングしていれば、結果が三振であろうと意に介さなかった。
選手が伸び伸びとプレーして、好成績をあげた背景には、
渡辺監督のこうした方針があった。

産業界では、日本マクドナルドの例が特筆に値する。
接客を担当する従業員(クルー)に向けて、
多面的なモチベーションアップ施策を施している。
マクドナルドと言えば、マニュアル主義のイメージが強いが、
実は現場での創意工夫がきめ細かく、品質の高いサービスを
成り立たせている。
現場の改善活動、権限委譲はもちろん、
サービススキルの全国コンテストといった様々な工夫。
中心となっているのが、全国で16万人を超える
モチベーションの高いクルーたち。

◆アリックスパートナーズ ディレクター 古谷公

1986年早大理工卒。
ブリヂストンと外資系コンサルティング会社を経て、
2008年企業再生専門のコンサルティング会社である
アリックスパートナーズに入社してディレクターに。
自動車メーカーや消費財メーカーの営業・マーケティング力強化で
実績をあげている。

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/bizskill/biz090730.html

日本発、海洋環境保全の国際ルール

(日経 2009-08-10)

日本の環境保全の取り組みといえば、たいてい受け身。
欧州連合(EU)などが新しい基準を定めた環境規制を打ち出し、
海外発のルールや地球環境保護の世界的な流れに、
日本は従ってきたというのが一般的。
温暖化ガスの排出削減も、化学物資の使用抑制など。

海外主導の流れに、一矢報いようとしている動き。
舞台は、原油タンカー。
原油タンクの底板の腐食防止策をめぐる話。
国際機関が、これ1本でいこうとしたルールに、
日本側が“待った”をかけ、日本側の提案内容と併せ、
国際ルールが2本立てになる方向に。

原油タンカーのタンクは放っておくと、
「孔食」という穴(ピット)のあく腐食が起きる。
原油に強酸性の成分が含まれているため。
航行を安定させるためのバラスト水を排出する際、
原油が一緒に海に流出する恐れ。

1997年、石油メジャーから、この腐食を指摘する声。
99年、腐食した個所のメンテナンス不良によって、
船が実際に強度不足で損傷する事故が起こった。
EU域内で、孔食が問題視。

国連の専門機関、国際海事機関(IMO)が、腐食防止のための
ルール作りに乗り出した。
出てきた対策は、メンテナンス時に塗装し直し、腐食が広がるのを
未然に防ごうというもの。
「塗装強化」が国際的な合意として、ルール化される流れ。

技術力で、まったく新しい対策を打ち出したのが、
日本郵船と新日本製鉄。

提案したのは、腐食に強い「耐食性鋼板」を使う、というもの。
最大の特色は、塗装がまったく不要である点。
タンカーを補修際、塗装がいらないだけでなく、
最初にタンカーを建造する段階でも塗装をする必要がない。
世界の流れになりつつあった「塗装強化」の逆をいく。

新日鉄が、複数のレアメタル(希少金属)を組み合わせるなどして、
耐酸性が強く、腐食のスピードが非常に遅い鋼板を開発。
船舶の構造材として使えるよう、高張力鋼板と同等の強度を備える。

日本郵船は、新しい耐食性鋼板「NSGP—1」を原油タンカーに採用。
「TAKAMINE」という名前の原油タンカーで、
新鋼板を試験的に採用、本採用船として、すでに1隻を建造、
4隻のタンカーを建造中。

「塗装が不要」は、環境保全の面からすると、さまざまな利点。
塗装は、塗料と溶剤を混ぜて吹きつけるので、
塗った後に有機溶剤が大気中に出て環境に影響を与える。
塗料を生産する工程で、CO2が排出される、などの点も考えると、
「塗料不要」の環境保全効果は少なくない。

タンカーは、巨大なだけに塗装をし直すとなると作業が膨大になり、
何度も定期的に繰り返せば、コストは高くつく。
新鋼板の採用により、建造コストは従来のタンカーより上がるが、
日本郵船は、「塗装不要」の方が費用対効果が良い、との判断。

新鋼板を試験採用したタンカー「TAKAMINE」は、
実際にどの程度「孔食」が進むか調査を進めている。
新鋼板の性能は上々。
従来は、4ミリのピットが数百から数千生じる場合があったが、
今年4月の2回目のドック入りのときに調べたところ、
数は10個所程度にぐんとヘリ、問題ないレベルに十分収まった。

IMOは、5月に開いた海上安全委員会で、
新開発の耐食性鋼板の採用を腐食防止策として承認。
塗装をし直さなくとも、耐食性鋼板を使えば、
国際的に認められることが内定。

来年2月、開催予定の設計設備委員会で耐食性鋼板の定義や
性能面の基準を詰め、2011年に腐食防止策が2本立てでルール化。

船舶関係の環境保全規制づくりでは、IMOがリーダーシップを発揮。
バラスト水の排出規制として、2004年に「バラスト水管理条約」を採択、
先日、国際海運の温暖化ガス削減対策の大枠も決めた。

日本としても、国際ルールに沿い、地球環境保全へ
積極的な取り組みが求められるが、
原油タンカーの腐食防止策の例でわかるように、
海外諸国が気づかなかったり、技術力がそこまで及ばなかったりする
アイデアを、日本企業が生みだせることがある。

地球環境保全へ貢献する責任を考えれば、
海外発のルールに漫然と従う「受け身」の姿勢は、
そろそろ改めた方がいい。

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/tanso/tan090804.html

2009年8月15日土曜日

反対側の脳が機能肩代わり 梗塞でも神経回路組み替え

(2009年8月12日 共同通信社)

脳の左右一方が脳梗塞を起こして一部の機能を失っても、
反対側の脳が神経回路を組み替え、機能を肩代わりする例が
あることを、自然科学研究機構生理学研究所の
鍋倉淳一教授(神経生理学)らがマウス実験で突き止め、
12日付の米科学誌に発表。

ヒトの脳は、左右で機能の違いがあるが、
一部損傷しても反対側で代替できる場合の研究を進めれば、
「脳梗塞後のリハビリテーションなどに応用できる」(鍋倉教授)。

鍋倉教授らが、左半身の感覚をつかさどるマウスの右脳部分で、
人工的に脳梗塞を起こしたところ、左前脚は無反応に。
左脳の一部で、神経細胞情報をやりとりするシナプスの組み替えが
1、2週間で活発化。

4週間後に、機能を失った右脳部分と同様の活動パターンが観察、
左前脚も動かせるようになった。

鍋倉教授は、左脳で神経回路の組み替えなどが起こり、
右脳の機能を肩代わりするようになったと分析。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/8/12/105670/

日本を救う?「サイエンス型産業」

(日経 2009-07-31)

新しい産業や強い事業を生み出す際、
最新の科学成果を原動力にする事例は多い。
産学官が連携して、「つくばナノテクノロジー拠点」の
整備に向け動き出した。
ナノテクやバイオテクノロジー、ロボットなど期待が寄せられる
分野は、「サイエンス型産業」とも呼ばれ、
2009年版の科学技術白書はその重要性を唱えている。
果たして日本は、サイエンス型産業で、
世界の大競争を勝ち抜いていけるのだろうか?

緊急経済対策と銘打った補正予算で、
企業の研究開発を支援するプログラムが目白押し。
「つくばナノテクノロジー拠点」の整備はその1つで、
経済産業省と文部科学省で合わせて361億円を計上、
産業技術総合研究所と物質・材料研究機構、筑波大学、
日本経済団体連合会の4機関で構成する「運営最高会議」が、
研究テーマの策定や運営体制などを詰めている。

現時点での構想では、パワーエレクトロニクスや
ナノエレクトロニクスなど、6つのコア領域を決め、
試作ラインや計測サービスの開放、国内外に開かれた共用研究室
などの基盤を整備。
10年度から本格活動に入る予定で、
参加する企業や大学をこれから募る。

産業界の期待は大きい。
「これが、エレクトロニクス再興のラストチャンスかもしれない」
国内メーカーは、事業統合によって減り続け、世界的な不況で
メモリーメーカーが公的支援の受け入れを決めるなど、破綻寸前の状態。
未開拓領域への集中投資で、巻き返しを狙う。

新しいプログラムによって、
世界で競争力のある産業を作り出せるのだろうか?
エレクトロニクス業界の研究開発を支援する経産省のプログラムには、
低消費電力の回路確立を目指す、「半導体MIRAIプロジェクト」
などが進行中。
つくばナノテク拠点のテーマは、それらの継続のように見受けられる。

産業界に、自ら研究開発を負担する体力がなくなり、
国が補完する構図が鮮明。
未来のエレクトロニクスのため、国として保持しなければいけない技術や
ノウハウ、人材を一気に失わないようにする、防衛的な研究開発。

「サイエンス型産業」は、長期にわたって技術の覇権を握り続ける
米国の動向を分析して誕生した考え方。
科学論文に裏打ちされた特許出願や、大学の研究をもとに設立した
ベンチャー企業による産業創出という現実を踏まえ、
半導体をはじめとする先端分野で、日本もこの路線を突き進むべきだ、
という指摘が出始めた。

科学技術の政策から、強化すべきテーマを練り直さなければいけない。
木村英紀・東京大学名誉教授は、
「日本の弱点は、理論・システム・ソフトウエア」と指摘、
もっと横断的な科学技術の振興に力を入れようと唱えている。

電気・電子や機械工学、材料力学、応用化学といった
従来型の科目に縛られるのではなく、
制御工学や設計学、ネットワーク、複雑系など新しい研究の枠組みを例示。
直面する技術的課題の解決に生かせるテーマ。

日本は長く、製造現場の強いものづくりで、
経済成長を遂げていく思いにとらわれていた。
これからも、強いものづくりを実現していくためには、
根幹となる科学技術を、いかに強くしていくかを考えなければいけない。

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/techno/tec090729.html

東大本ブームの裏側にあるものは?

(日経 2009-08-08)

東京大学に関連した、“東大本”がブーム。

この1年で、「東大合格生のノートはかならず美しい」(文芸春秋)、
「東大英単」(東京大学出版会)などヒット作が目白押し。
受験生のみならず、一般の会社員や主婦に読まれている。
なぜ今、東大本ブームなのか?

「『知の技法』以来ほぼ10年ぶりのヒット」
東京大学出版会は、今年3月に発行した「東大英単」の売れ行きに
驚きの表情を隠さない。
発行部数は6月末で7万部、初年度で10万部を突破する勢い。

元々東大出版会は、研究者や東大生向けのお堅い本が主体。
東大英単も、学生向けの教材として当初書かれたものだが、
会社員が次々購入、同出版会は「東大の冠は読者受けを狙い、
あえて入れたのだが、これほど売れるとは予想外」

「東大合格生のノートはかならず美しい」も、
累計で37万部に達するベストセラーに。
続編や類似の出版物も次々売り出され、一大ノートブーム。

「東大教師が新入生にすすめる本」(文芸春秋)も売れ、
早くも続編が書店に並ぶ。
紀伊国屋書店では、同書に関連したブックフェアを開始。

深刻な出版不況の中で、東大の冠がなぜこれほど
一般の読者を引き付けるのか?
初老の東大教授は、「以前は東大に偏見やコンプレックスを
持つ人もいたが、今は好意的に見てくれる人が増えた」

東大受験をテーマにしたコミック「ドラゴン桜」(講談社)
メガヒットとなり、東大出身のタレントがクイズ番組に
続々登場するなど、お茶の間でも身近な存在。

これは、「大学自身がPRを始めるなど、
オープンな姿勢に変わってきたことが背景に」(東京大学新聞)。
東大は、2005年から全国で受験生相手の学校説明会を開始、
一方で各学部に広報を設置、競って研究成果や情報公開に。

オープン化の裏には、「学生の質の劣化がある」
少子化やゆとり教育の導入で、高校生全体の学力が低下。
医学部ブームで理1、理2に理数系トップの秀才が集まらなくなった。
ハーバード大など、欧米の有力大を直接目指す高校生も。

学校説明会に踏み切ったのも、京都大学などに流れていた
地方の秀才を1人でも多く獲得するため。
メディアで、東大のブランドがはんらんするのも
大学側には都合のいい現象。
象牙の塔から脱皮を図ろうとする東大。
一連のブームの裏側では、大学関係者の焦りも見え隠れする。

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/syohi/syo090806.html

2009年8月14日金曜日

「不衛生な観光スポット」の世界ランキング発表

(CNN 7月21日)

米旅行情報サイトのトリップアドバイザーは、
夏の観光シーズンに向け、「不衛生な観光スポット」の
世界ランキングを発表。

キスしていく観光客の多さやハトの多さなどを基準に、
サイトの編集者が独自に5カ所を選んだ。

不衛生スポットのトップに立ったのは、
アイルランドのブラーニー城にある「ブラーニー石」。

キスをすると雄弁になれる、という伝説を信じて、
昨年だけで約40万人が石にキスをした。
昨年ここを訪れた米アリゾナ大学微生物学教授の
チャック・ジェルバ氏は、「私は石にキスしなかったが、
妻がしてしまったので、妻にキスする前に彼女の唇を拭いた」

2位に入った米シアトルのパイクプレース・マーケットにある
「ガム・ウォール」は、噛み捨てられた色とりどりのガムが、
高さ約4.5メートル、幅約50メートルの劇場の壁一面に張り付け。
1993年、劇場前で待っていた学生がガムを付けたのが始まりとされ、
以来、世界中から訪れた観光客が、噛み捨てガムのアートを制作。

イタリア・ベネチアのサンマルコ広場は、ハトの多さで3位に。
ハトは、細菌やウイルスを持っていることも多く、
市当局は2007年から対策に乗り出し、
ハトにエサをやらないよう観光客に呼び掛けている。

4位には、ジョージ・クルーニーやマリリン・モンローといった
映画スターの手形に、年間450万人の観光客が手を触れていく
米ロサンゼルスの「グローマンズ・チャイニーズ・シアター」、
5位には、仏パリにある劇作家オスカー・ワイルドの墓所。

こうした観光スポットを訪れたからといって、
細菌に感染するわけではないが、多くの人が触れれば、
それだけ細菌も増えると専門家は指摘。
旅行者は消毒液を持ち歩き、手をよく洗った方がいい、とアドバイス。

http://www.cnn.co.jp/fringe/CNN200907210012.html

そしゃく可能な歯を再生 東京理科大、マウス実験

(2009年8月4日 共同通信社)

歯のもととなる細胞を、歯が抜けた場所に移植する
マウスの実験で、正常に機能する歯を再生させることに
世界で初めて成功したと、東京理科大の辻孝教授(再生医工学
)らが
米科学アカデミー紀要(電子版)に4日付で発表。
東北大、東京医科歯科大との共同研究。

再生した歯は、ものをそしゃくするのに十分な硬さがあり、
神経がつながって、刺激を与えると脳に痛みが伝わった。

幹細胞から人為的に器官や臓器をつくる再生医療が注目、
器官や臓器が実際に機能するかどうかは分かっていなかったが、
十分に機能する可能性を示す。

辻教授らは、マウスの胎児にあり、歯のもととなる「歯胚」から、
さまざまな器官のもととなる上皮細胞と間葉細胞を取りだし、
2種類の細胞を再び集めて「再生歯胚」を作製。
大人のマウスの上あごから臼歯を抜き、そこに再生歯胚を移植。
約50日後には、歯は通常に近い大きさまで伸びた。

この歯は硬く、内部には正常の歯と同様に神経線維があった。
外部から刺激を与えると、痛みを感じた際に脳でできる
タンパク質が、このマウスの脳でできていることを確認、
歯から脳に痛みの刺激が伝わっていることが判明。

辻教授は、「原理は同じで、歯だけでなく、ほかの臓器に応用可能」

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/8/4/105307/

「笑いヨガ」で心身健康 うつ症状にも効果期待

(2009年8月3日 共同通信社)

「アーッハッハッハ!オーッホッホッホ!」
大阪市東淀川区にある貸部屋の一室。

笑いヨガ(ラフターヨガ)の同好会「関西ラフタークラブ」
男女が、Tシャツなどの軽装で輪になって床に座り、
大きな笑い声を響かせる。

「ヨガというと、スレンダーな人がするイメージですが、
ふっくらしていても大丈夫。座ったままでもできる」
同クラブのリーダー岩井誠さん(56)。

笑いヨガは1995年、苦痛を緩和させる笑いの効果に着目した
インドの医師が、ヨガの腹式呼吸法と瞑想を取り入れて始めた。
日本で始められたのは、2006年。
わずか3年で全国に広まり、約40の同好会が生まれた。
「笑い好き」な関西では特に活発で、少なくとも七つのクラブが活動。

会では、目を見開き、舌を出しながら笑う「ライオンラフター」や、
メンバーで手をつなぎ輪になって笑う「ハスの花ラフター」など
10種類ほどの笑いヨガをこなし、最後は瞑想で心を穏やかに。
計1時間半ほどだが、顔やおなかが筋肉痛になる人も。

「体は、作り笑いと本物の笑いを区別できない」
理由もなく笑うのは難しそう。
コツは、「アイコンタクト」。
メンバーが笑う目元を見ると、相乗効果でこちらも笑ってしまう。
こうして笑いを増幅させ、本物の笑いにしていく。

笑いには、がん予防や免疫力向上、代謝の改善など医学的な効果も
認められ、笑いヨガは近年医療や福祉の現場で注目。

パニック障害を抱えていた大阪市のパート女性(54)は、
始めて2カ月で症状が消えた。
「最初は全然笑えなかったけれど、少しずつ笑えるようになり、
心が開いた」と生き生きと話す。

大阪府「枚方ラフタークラブ」のリーダー杉永祐子さん(54)は、
今年から軽度うつ病の患者を対象に会を開き始めた。
「最初暗い表情をしていた人でも、終わるころには『楽しかった』と
言ってくれる。笑いはその人の中にある

▽笑いヨガ(ラフターヨガ)

ヨガの腹式呼吸法や瞑想を取り入れた、
ユーモアや冗談に頼らずに笑うエクササイズ。
インド・ムンバイの内科医マダン・カタリア氏が、
ヨガインストラクターである妻マドゥーリさんのアイデアを借りて開発、
近所の公園でたった5人で始めた。
現在、約60カ国30万人以上が行い、6千ほどのグループがある。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/8/3/105253/

2009年8月13日木曜日

環境と命学ぶ20日間 葛巻・森と風のがっこう

(岩手日報 8月2日)

葛巻町江刈の旧小屋瀬小中上外川分校を活用した
森と風のがっこうで、19泊20日という長期日程で
「くずまき子どもESDサマースクール」が開かれている。

県内のほか青森、宮城、東京など7都県の小学4年から中学3年の
20人が、盛りだくさんな体験を通じてエネルギー循環や
命の大切さに、理解を深めながら友情を培っている。

森と風のがっこうは、NPO法人いわて子ども環境研究所
(吉成信夫理事長)が運営。
ESDは、「持続可能な開発のための教育」の意味、
過去3年は自然エネルギーをテーマにエコ生活を体験する
10日間のプログラムだったが、「生活」全般に視野を広げ、
2倍の日数に挑戦。

7月26日に集まった20人は、校庭に太陽光パネルを設置、
ペットボトルで「温水器」を作って屋根に取り付け、
交代で自転車発電するなどし、自然エネルギーだけで過ごす一日も。

1日は、ろうそく作りに取り組んだ。
2日、同町の安孫自然塾で林業に励む。
「森」と「風」の2班に分かれて食事作りや動物の世話、
まきで風呂を沸かす作業などに力を合わせ、
今後は演劇や森の中の基地作りなども予定。

二戸市の石切所小5年の金田一華奈さんは、
「20日間と長いが楽しみがいっぱい」と笑顔を絶やさず、
セントメリーインターナショナルスクール中1年の渥美雄大君は、
「葛巻の空気はおいしい。新しいことにどんどん挑戦したい」

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20090802_7

脳梗塞の仕組み解明 たんぱく質2種、炎症悪化作用

(2009年8月3日 毎日新聞社)

脳梗塞の発症後に起きる脳の炎症で、
神経細胞が死にいたる詳しいメカニズムを、
慶応大の吉村昭彦教授(免疫学)らが明らかに。

後遺症を減らしたり、治療が遅れても効果がある
治療方法の開発が期待。
3日の医学誌ネイチャー・メディシン(電子版)で発表。

脳梗塞は、脳の血管が詰まり、脳組織が損傷する病気。
損傷後、その周囲が数日間炎症を起こして神経細胞が死滅し、
体のまひや言語障害などをもたらす。
炎症のメカニズムが不明で、発症後1日が過ぎると
有効な治療法がなかった。

炎症にかかわるたんぱく質として、インターロイキン(IL)17とIL23が
関係していると仮定。
脳梗塞を再現したマウスの脳で、ILの発現を調べた。

発症1日目、梗塞部分に死んだ細胞を捕食する免疫細胞
「マクロファージ」が集まり、IL23を作っていた。
別の免疫細胞「γδ型T細胞」が集まって、IL17を分泌。
そのピークは発症3日目。
このT細胞は、IL23の刺激でIL17の分泌を始める性質があり、
2種類のILが連鎖的に作られ、
時間差で炎症を悪化させる仕組みが分かった。

二つのILが分泌されない遺伝子欠損マウスを作ると、
通常と比べて梗塞部分の体積が約4割小さくなった。
T細胞が梗塞部分に集まることを防ぐ薬剤を使っても、
ほぼ同じ効果があった。
同様のメカニズムが人間にある可能性は高い。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/8/3/105248/

2009年8月12日水曜日

農業人材の育成策探る 全国高校研究大会が開幕

(岩手日報 8月6日)

全国農業経営者育成高校研究協議大会
(全国農業経営者育成高校研究協議会など主催)が開幕。
全国から約120人が参加、農業教育や寮教育の実践発表を通し、
21世紀をたくましく生きる人材の育成に向けて、
農業教育のあり方を探った。

農業経営者育成高校は、寄宿舎を持ち、
地域の中心的な農業教育をする高校を、文部科学省が指定。
全国に31校、本県は盛岡農、水沢農の2校。

同協議会会長の岡崎正昭岩見沢農高校長(北海道)は、
「生徒が地域産業の担い手として活躍できるよう、
魅力ある学校の実現を目指し、実りある研究協議となるよう期待する」
法貴敬県教育長らが祝辞。

鈴木重男葛巻町長が、「夢しか実現するものはない-山村が持っている
資源を生かした町づくりへの挑戦」と題して講演。

学校教育、農業教育、寮教育の3分科会に分かれて研究協議、
盛岡農高自彊寮などを視察。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20090806_4

ワタミやAOKIがLEDを急ぐ訳

(日経 2009-08-01)

来春、改正省エネ法の施行まで半年あまり。
小売り・サービス業者でも、エネルギー消費を減らす準備は
整いつつある。

省エネの切り札として、コンビニエンスストア、居酒屋やカラオケ店が、
発光ダイオード(LED)を店内照明や看板に使う。

試行を始める時点では、省電力の期待を深めた。
しかし、一様に効果があるわけではない。
営業時間の長さや要求される照度によって、省エネ効果は変わってくる。

小売店では、商品が並ぶ棚に陰影があってはいけないし、
店内が暗い印象を与えないよう配慮。
居酒屋やカラオケ店では、照度を落としても
店内の雰囲気づくりに利用できる。
経費節減の恩恵は大きい。

ワタミは、店内と調理室の照明にLEDを導入。
照明だけで比較すると、電気使用量は95%削減でき、
電気代を年間150万円浮かす。

グループに小売業態とサービス業態を抱える
AOKIホールディングスで、省エネ効果はサービスの方に分がある。
AOKI銀座店は、外観照明に白色LEDを採用。
明るさを従来の3倍に設定したが、消費電力は逆に2割少ない。

ヴァリックが運営するカラオケ店「コート・ダジュール」と
複合カフェ「快活クラブ」では、消費電力を半分以下に削減できる。
ヴァリックは、40店の照明をLEDに切り替える。
5年かけて全店に広げる。
店の電気代は、LED化によって9割減る。
LED化に伴う設備のリース費用を計算に入れても、
電気代の削減効果は50%。

コート・ダジュールの営業は、午前5時まで。
外観照明は、毎日9~11時間、点灯、LED化の効果が大きい。
外食産業、カラオケや複合カフェなどの店舗型サービス業は、
市場が頭打ちとなっても、営業形態を工夫しながら
需要を創出したり、競合他社から需要を奪ったりすることで
成長を続けてきた。

外食は、倹約に努める消費者の「内食」志向に直面し、
カラオケ市場の成熟感は強まる。
売り上げの成長が期待できないなか、
事業モデルの効率性がいよいよ問われる局面に入ってきた。

効率運営の仕組みを確立するのはだれか。
改正省エネ法への取り組みぶりが、試金石となりそう。

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/syohi/syo090731.html

緑黄色野菜のがん抑制解明 埼玉県立がんセンター

(2009年8月3日 共同通信社)

埼玉県立がんセンター・臨床腫瘍研究所(川尻要専門員)らの
グループは、緑黄色野菜に多く含まれるインドール化合物が
大腸がんの発生を抑制する仕組みを解明、
米科学アカデミー紀要電子版に発表。

緑黄色野菜が大腸がんの予防に効果があることは、
以前から知られていたが、どのような仕組みで
効果が生じるのかは分かっていなかった。
今回の研究で、インドールがAhRというタンパク質を活性化させ、
がんを引き起こす物質β-カテニンを分解するメカニズム
初めて明らかに。
大腸がんの予防法の開発への応用が期待。

インドール化合物は、ブロッコリーやキャベツ、カリフラワーなど
アブラナ科の野菜に多く含まれる。

大腸がんは、細胞増殖を進めるβ-カテニンとそれを分解する
タンパク質APCとの割合が遺伝子変異で崩れ、
β-カテニンが過剰に蓄積することで発症する。

今回の研究は、遺伝子操作でAPCとβ-カテニンの割合を崩し、
がんにかかりやすくしたマウスにインドールを添加した飼料を投与。
通常の飼料を与えた個体と比べ、
がんの発生時期が遅れ、発生個数も3分の1程度に抑えられた。

遺伝子操作で、AhRを作れないようにしたマウスはがんを発症し、
APCだけでがんを防ぐことができないことも判明。
APCは、細胞質で働くのに対し、AhRは細胞核で働く。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/8/3/105239/

2009年8月11日火曜日

万引増加率30%全国一 県内今年上半期件数

(岩手日報 8月6日)

県内の今年上半期の万引認知件数は673件、
増加率が約30%と全国ワースト。
検挙者の年代別では、65歳以上の高齢者が32%と最も高かった。

県警によると、認知件数は前年同期の515件より158件増。
増加率は30・7%、全国平均の6・4%を大幅に上回った。

検挙者は512人、年代別では高齢者が164人、
未成年者(14~19歳)120人、50代65人、30代52人、20代49人。

県警は7月以降、制服警察官の店内への立ち入り、
経営者を集めた犯罪抑止のための研修-などを強化。
同月の1カ月間の万引認知件数は115件(前年同期比7件増)、
増加率は6・5%に鈍化。

今年上半期の刑法犯認知件数は4016件(同81件減)、
過去5年間で最少。
殺人、強盗、放火などの重要犯罪は32件(同11件減)。

県警生活安全企画課の菊池有市次長は、
「万引は、高齢者が出来心から小額の食料品を盗むケースも目立つ。
店内の巡回、客への積極的な声掛けなど、
店側とも連携した防止策を強めていく」

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20090806_6

有機食物は非有機食物に比べて栄養が豊富とは言えない?

(2009年8月5日 WebMD)

ある種の重要な栄養素の量について見た場合、
有機栽培された食物は、従来の方法で栽培された食物より
栄養が豊富とは言えない。

「『有機栽培された食物は、従来の方法で栽培された食物より
栄養的に優れている、というエビデンスがあるか』との回答を得たい」
と同研究の筆頭著者、ロンドン大学衛生熱帯医学校の
公衆衛生栄養学者Alan Dangourは、
「答えはノー。有機食物は、従来より栄養的に優れていることはない」

『American Journal of Clinical Nutrition』の結論は、
食品研究者からの強い反対を招いている。

有機食物の世界市場は、年間約480億ドル。
有機食物は、穀物生産は化学物質の使用、
動物生産は医薬品の使用を規制する標準の下で生産。

Dangour博士らは、1958~2008年の有機栽培食物と
従来の方法で栽培された食物を比較した研究を検索。

研究55件を発見、以下の数項目の栄養カテゴリーについて評価。
窒素、ビタミンC、フェノール化合物(ポリフェノール)、マグネシウム、
カルシウム、リン化合物、カリウム、亜鉛、全ての可溶性固形物、
銅、酸性物質(acidity content)

その結果、従来の方法で生産された穀物の方が窒素が多く、
有機栽培された穀物の方がリン、酸性物質の含有量が多い。
他の穀物栄養素カテゴリーは、違いが検出されなかった。
動物性食品のみでは、栄養素量に差は認められなかった。

英国食品基準局が援助した同レビューでは、
2種類の栽培方法の間に、残留農薬の差は認められなかった。

米国有機食品産業の職員は、一部の他の専門家と同様、
同レビューに強く異議。

「有機食物には、ビタミンと重要な微量元素がより多く含まれ、
有毒な残留物がはるかに少ないと、科学的に疑う余地がない」
有機消費者協会ナショナル・ディレクター、Ronnie Cummins氏。
「何百万人もの米国の消費者が、有機産物に割り増しの金額を
支払っている理由である」

1つの問題は、古い研究を用いたという点にあり、
1958年に行われたものもあると
消費者連盟の上級科学者、Michael Hansen。
「栄養素量について言えば、新しい研究では、
有機食物と非有機食物の間に明らかな有意差が認められている」
「1980年以前の研究のほとんどは、方法論上の欠陥など、
多くの理由で不備がある」

食品から供給される栄養素は低下している、
とHansen博士は、別の理由を挙げている。
Dangour博士は、有機栽培された食物と従来の方法の食物との
比較は、個々の研究の中で行われ、反論は全く的外れ。
「研究の大多数は、2000年以降に発表されたもの」

ボールダーに拠点を置く業界グループ、
オーガニック・センターの主任科学者、Charles Benbrookは、
異なる結論が得られている。
「有機栽培された食物は、従来の方法で栽培された食物より
栄養的に優れていることが明確に裏付け」

Benbrook博士は、有機栽培された食物に、ポリフェノールや
抗酸化物質が約25%多く含まれ、
これらの物質に注目していないという点を批判。
ロンドンのチームは、食品間に認められた差を
「軽視している」とBenbrook博士。

http://www.m3.com/news/SPECIALTY/2009/8/5/105385/

多田富雄の落葉隻語 漢方薬 郵送禁止の乱暴

(2009年8月7日 読売新聞)

近年医学界では、「エビデンス・ベイスト・メディシン」という
長たらしい言葉がはやっている。
エビデンス、つまり科学的根拠に基づいた医療という意味。

医学は科学だから、科学的根拠があるのは当然。
昔のような「さじ加減」は通用しない。
薬の投与量は、科学的に決定される。

患者の状態はあらゆる検査によって、正確に把握される。
昔のように、曖昧な聴打診による経験的診断法は排される。

こうして近代医学は発展してきたのだが、それが行き過ぎて、
問題も起こっている。
医者がパソコンばかり眺めていて、患者の顔を見て診察しない。
数値に頼って、患者の訴えを聞かない。

百人百様の病気に、マニュアルどおりの医療しか行わない。
検査結果にばかり依存した最近の医者にありがちな欠陥。
昔のお医者さんは、もっと親身になって一人ひとりを診てくれた、
という苦情が出る。

それを反省し、欧米では患者の愁訴に基づいた医療、
「ナラティブ・ベイスト・メディシン」というのが提唱。
ナラティブ、すなわち物語を基礎にした医療。
患者は、個別の愁訴を持っている。
その物語を聞いて、一人ひとりにオーダーメイドの医療を志す。
現代医療に欠けていた視点。

もともと東洋医学では、それを実践してきた。
漢方医は、患者一人ひとりの症状をよく聞き、
個別の患者に応じて薬を調合してきた。
刻々変化する患者の病状に合わせて調合を変える。
ナラティブ・ベイスト・メディシンは、漢方では何百年も続いた伝統。

難病やがんの末期など、個別性が高い病気の治療には、
エビデンスに基づいた医学だけでは対応しきれない。
一人ひとり個別の対応が必須。
私のような脳卒中後遺症など、一人ひとり症状の程度や質が異なる。
誰一人として、同じリハビリのやり方では通用しない。
異なった病気や障害に対して、医者や療法士は
一人ひとりに対応する治療を施す。

一律に日数で制限するなど論外。
それを厚労省は理解しようとしない。
同じ過ちをまた繰り返そうとしている。

私は二十年来、漢方薬のお世話になっている。
初めは金沢の漢方の名医にかかっていたが、
体が不自由になってからは、茨城の山中の薬草園で
細々と営業している漢方薬局で、仙人みたいな薬剤師に調剤。
個別に相談し、自分に最適の処方をしてもらう。
遠いので、薬は一月分を郵送してもらってきた。
症状の変化は電話で連絡する。

6月から、薬事法が改定、薬を送ってもらうのが禁止。
薬のネット販売を規制したついでに、漢方薬の郵送まで
禁止してしまうという乱暴なお達し。
電話で症状の変化を伝えても、少しでも処方が変わると
もう送ってもらえない。薬がもらえずに泣いている患者も多い。

漢方薬は、患者の症状にあわせて微調整する
ナラティブ・ベイスト・メディシンの典型。
生薬や煎じ薬など、重いものや嵩張るものは郵送してもらうのが
本来の購入法。
それが禁止されてしまった。
遠くに住む高齢者や障害者は、とたんに困ってしまった。

どこででも同じ薬を買うことができるわけではない。
長く同じ薬剤師にお願いし、信頼と経験に基づいて、
自分に合った薬を調剤してもらっていた患者は、途方にくれている。

伝統医薬の価値を再評価することは、世界の医療の潮流。
日本だけ漢方医薬の入手法が、政府によって恣意的に
妨害されてしまうのは許すことができない。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/8/7/105471/

2009年8月10日月曜日

シリコンバレーに学ぶ「雇用」

(日経 2009-08-06)

去年の暮れ、雇用問題が大いにメディアをにぎわした。
電機メーカーや自動車メーカーの「雇い止め」が“糾弾”、
日比谷公園の「年越し派遣村」の映像が、連日お茶の間に。
半年余り、雇用関連の話題はすっかり下火になったが、
問題自体が消えたわけではない。
実情はかなり深刻なようだ。
「平成21年度 経済財政白書」にはこんな数字が。

「雇用保蔵」という概念をご存じだろうか?
企業の雇用人数から、生産量を達成するための
「適正労働者数」を差し引いたもので、
企業がどのくらい過剰雇用を抱えているかを示す数字。
昨年10~12月、日本企業の雇用保蔵は600万人前後に達し、
これは驚くべき事態。

山一証券などが倒産した1997年の金融危機、
上場企業の合算損益が赤字転落した2002年ITバブル崩壊時さえ、
上回る過剰雇用に今の日本企業は耐えている。

「日本企業の過剰雇用は解消した」といわれたが、
世界的な需要減退を受け、日本企業は大量の
「社内失業者」を抱え込んだ。
今後景気が回復し、生産が復調すれば、
「適正労働者数」も増加し、雇用保蔵は低下する。
が、現実はそれほど楽観を許しそうにない。

この問題をどう解決すればいいのか?
1つの方向性は、労働者のモビリティを高め、
成熟産業から成長産業へ人の移動するスムーズに進めること。
人間であるからには、旧来の仕事への愛着もあれば、
会社への愛着もある。
過剰雇用の深刻さを考えれば、流動性を高める方向を
目指さざるをえない。

日本の雇用について、いろいろ神話があり、
「転職社会が到来した」といわれるが、実態は変わってない。
日本の大企業システムが絶頂期にあった、
1990年の男性正社員の転職率は3%、2005年は3.5%。
女性やパート・アルバイトを含め、転職率の数字は上昇しておらず、
諸外国に比べても低い水準。

日本社会とは真逆の転職社会といえば、米シリコンバレー。
バレーの地域研究に取り組むアナリー・サクセニアン氏に、
「頻繁に転職をする人は、『継続して何かをやり遂げる達成感』や
『職場への帰属感』が持てなくなって、経済的に成功したとしても、
人生が無味乾燥なものにならないか」と聞いたが、
「彼らは、特定の企業に帰属しないかわりに、
専門が同じ人たちのコミュニティーに帰属し、
そこでの評価や人間関係を大切にしている。
大学時代の友人関係も強固で、強いネットワークを維持

自分の周囲を見渡しても、会社を辞めて転職、独立する人の
性格やその後の職業は様々だが、共通するのは、
ほぼ例外なく社外に大勢友達がいる人。
社外のネットワークがあるからこそ、転職リスクの高い日本で
転職に踏み切ることができる。

シリコンバレーの事例が、日本全体の雇用問題の解消に
役立つかは分からない。
専門技能を持ったバレーの人たちと、派遣で雇い止めされた人を
同列に考えるのは難しいが、
自分の帰属する組織の外にネットワークを持つこと。
友達をたくさんつくれば、それだけ情報も増え、
満足いく転職ができるチャンスも広がるのでは?
転職なんかしなくても、今の組織で一生やっていけると
自信のある人には関係ない話だが、
「雇用保蔵600万人」という衝撃の数字を目に、
いろいろ考えてみた。

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/ittrend/itt090805.html

学びの情報基地(3)展示品通じて市民交流

(読売 8月1日)

ユニークさで人気の美術館も、
新たな存在意義を求めた催しを続ける。

「親指に毛糸をひっかけて、指の間を通して……」
金沢21世紀美術館で、スタッフが編み物を教えていた。
戸惑う人も、「大丈夫」と励まされ、毛糸の花を約20分で完成。
それが、この場の展示作品になる。

スタッフは、「メンバー」と呼ばれる10~30歳代の男女20人。
看護師大橋貴子さん(36)は、「いろんな人に会え、
仕事と違った刺激があります」

この催しは、地域の若者の交流活発化のため、
2007年度に始まった教育プログラムの一環。
04年の開館以来、水を張ったプールの底を人が歩くように見える
作品などで話題を呼び、年間約157万人が訪れる
大人気の同館による地域貢献の次の一手。

1、2年目は、アーティストの日比野克彦さんらと組んだアートや
演劇のプロジェクトを開催。
今回は、「『編む』とは、ゼロから何かを生み出すこと」という
「ニットの貴公子」広瀬光治さんの考えに共感して実現。
公募で集まったメンバーは、合宿でみっちりと編み物指導を受け、
仲間や入場者との交流を通して創造の意味を考えている。

「教科書で見た絵や」、
「ゴッホの『ひまわり』ゆうたら、本物は何十億やろ」
広いロビーに感嘆の声が響く。
大塚国際美術館(鳴門市)には、ピカソ「ゲルニカ」、
ダ・ビンチ「モナ・リザ」、エル・グレコ「受胎告知」など、
世界25か国の名画約1000点がずらりと展示。
これらは、すべて陶板に焼き付けた複製。

同館は1998年、「古代から現代までの名画が実物大で、
触って鑑賞できる」を売りに、陶板名画美術館としてオープン。
昨年度の年間入館者数は約23万人、大人3150円という
入館料の高さも影響し、渦潮観光とセットで訪れる観光客が大半。
教育普及担当の喜井智子さん(36)は、「リピーターを育てたい」

その一つが、鳴門教育大学、鳴門市と共催で、
5年前から行う小学生向け美術鑑賞ワークショップ。
今年2回目のイベントに、市内の小学3~6年生47人が参加。
同大生の指導で、館内の絵画に描かれた人の形をまねたり、
クイズで遊んだりした。

県立城ノ内中学校(徳島市)の3年生18人が訪れ、
ラファエロ作の「アテネの学堂」に描かれたピタゴラスが見つめる図を
教材に、数学の講義を受けた。
同中の斎藤大輔教諭(45)は、
「複製だが、迫力のある作品の前で数学を学び、
子どもたちの見方が広がったようだ」

話題性の裏で、教育普及に向けた地道な努力が続けられている。

金沢21世紀美術館の企画展
「広瀬光治と西山美なコの“ニットカフェ・イン・マイルーム”」は、
公開制作が9月11日まで、展示は来年3月22日まで。
(電)076・220・2800。

大塚国際美術館は、鳴門公園内にあり、
ロボット「アートくん」が名画解説を行う。
(電)088・687・3737。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20090801-OYT8T00317.htm

地球と暮らす:/83 日本スポーツGOMI拾い連盟 楽しみながら環境美化

(毎日 7月27日)

国立競技場で、「第4回スポーツGOMI拾い大会」が開催。

「ごみ拾いをスポーツに」という掛け声の後、
大学や企業などの10チームがごみ袋を手に散っていった。
競技時間は60分。
「たばこの吸い殻が多過ぎる」との声。

決められた区域内のごみを集めて、得点を競う。
社会奉仕の色彩が強いごみ拾いに、楽しんで取り組むのが狙い。
1チーム5~10人、道具は軍手とトングのみ。
配点は、ごみの種類で決まる。
燃えるごみや空き缶・瓶は100グラムで10ポイント、
たばこの吸い殻100グラムで100ポイント、
ペットボトルのキャップは一つ7ポイント--など。

集めたごみの分別まで行うのがルール。
走ったり、ごみ箱からあさると減点。

優勝は、世田谷区の阿部元博さんらで構成する家族チーム
(2025ポイント)、2位が慶応大(1489ポイント)。
10チームで、計約60キロのごみが集まった。
男子学生は、「勝敗がかかると真剣になる。
どの辺にごみが多いのか考えながら行動し、楽しめた」

発起人は、環境関連イベントを手がける馬見塚健一さん(42)。
早朝のジョギング中、公園のごみが気になり、
ストレッチをしながら拾い始めた。
「これはスポーツになるかもしれない」と直感、
環境学専攻の学生らに呼びかけた。

大会を主催する連盟の武蔵野大環境学部3年、杉本仁さん(21)は
「スポーツなので、環境にあまり関心がない人も参加しやすい。
環境への意識を高めるきっかけになってほしい」

豊川市の「豊川手筒まつり」翌日の8月23日、ごみ拾い大会。
馬見塚さんは、「イベント後の開催が理想的。全国に広げたい」
==============
08年4月発足。同6月、渋谷区役所周辺で初の大会を開催。
昨年、社団法人日本イベント産業振興協会の
「日本イベント大賞社会貢献部門賞」を受賞。
問い合わせは、馬見塚さんの勤務先(03・5791・5750)。

http://mainichi.jp/life/ecology/archive/news/2009/07/20090727ddm016040034000c.html

2009年8月9日日曜日

阪神・岩田投手:1型糖尿病の子を甲子園に招待

(毎日 8月2日)

阪神の岩田稔投手(25)が、自身と同じ
「1型糖尿病」の子供たちを甲子園球場に招待。

訪れたのは、1型糖尿病患者を支援する「日本IDDMネットワーク」
(井上龍夫理事長)が、募集した中から選ばれた5~20歳の15人。

岩田は、大阪桐蔭高時代に発症。
現在は1日4回、インスリン注射を打ちながら、プレー。
昨年に引き続いての招待で、今年は計4回を計画。
今年は、1勝につき10万円を研究基金に寄付することも予定。

サインや写真撮影にも応じた岩田投手は、
「悩んでいる子供も多いと思う。
自分の経験を伝えられれば。
安定した成績を残して、子供たちの目標になれれば」

http://mainichi.jp/select/science/news/20090803k0000m050057000c.html

知りたい!:未来照らすソーラー熱 デザインすっきり、住宅に…車に…携帯に

(毎日 7月30日)

住宅向け太陽光発電ビジネスが、熱気を帯びている。

温室効果ガスを出さない究極のクリーンエネルギーとして、
改めて注目、国の住宅向け設置補助も復活。
メーカーは、需要喚起に知恵を絞り、
住宅用のモダンな発電パネルを次々発売。
太陽光を利用したハイブリッド車や携帯電話も登場し、
ソーラーブームの様相。

◇価格下落+補助が後押し

以前は、平らで不格好だった発電パネル。
「景観を損なわないデザイン」をうたい文句に、
最近は、屋根瓦型のパネルが売り出されている。
ベランダのガラス戸やサンルーフの天井に使えるシースルータイプや、
薄さ約1ミリで自在に曲げられるフィルム型など、
使い勝手がよい商品も発売。

パネル設置で、一般家庭の電気代の6~7割
(発電能力3キロワットの場合)をまかなえる。
積水ハウスに、太陽光発電を搭載した住宅の注文が急増。
今年度の目標販売戸数を、4000戸から6000戸に上方修正。
「買う時は少し高いけれど、毎月電気代を支払う度に割安感を楽しめる」

◇いずれは必需品?

「炎天下で駐車しても、車内は暑くなりません」
千葉市の幕張メッセで開かれた展示会。
京セラのブースには、人だかり。

視線の先には、トヨタ自動車のハイブリッド車「新型プリウス」上の、
ソーラーパネル付きムーンルーフ(22万円前後)。
太陽光発電でファンを回して換気、室温の上昇を抑える。
「将来は車の必需品になる可能性もある」(自動車メーカー幹部)。

KDDI(au)は6月、太陽光パネルの付いたシャープ製の
ソーラー携帯電話(オープン価格、4万円台後半)を発売。
「電池が切れても、晴天の太陽光に10分間当てれば、
1分間の通話が可能」で、低迷する携帯市場の活性化を目指す。

◇200万円で導入可能

住宅への太陽光利用は93年ごろ始まった。
照明やエアコン、冷蔵庫など電力消費に必要な3キロワット程度の
発電システム設置に、600万~1000万円もかかり、
導入は一部富裕層などに限られた。

国は今年1月、環境戦略の一環で以前行っていた
太陽光発電設置補助を復活。
技術革新によるコストダウンもあり、
一般住宅向け太陽光発電パネルは200万円以下で導入。
今年1~6月の住宅向け設置補助の申請数は4万件を超え、
過去最多の05年度を上回る勢い。

自治体の補助もブームを支える。
太陽光発電普及拡大センターによると、全国451の自治体が
独自の補助制度を実施または実施予定。
例えば、東京都新宿区で3キロワットの設備を導入する場合、
約200万円から国21万円、都30万円、区54万円の
計105万円が差し引かれ、自己負担は半額以下。
今年4月、補助を始めた埼玉県は年2600件の申請を想定、
4億円の予算を計上。
6月末で2200件超、補正予算で7億円を追加計上する盛況ぶり。

家庭の太陽光発電で生じた余剰電力を、
電力会社に通常の電気代(1キロワット時あたり約24円)の倍額で
買い取ってもらう制度も年内に始まり、市場は当面、熱くなりそう。

http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2009/07/30/20090730dde001040005000c.html

末梢神経:鮮明に撮影 MRI改良、死角なし--オランダと日本チーム、世界初

(毎日 7月30日)

脊髄から手足に延びる末梢神経を鮮明に撮影する装置を、
オランダ・ユトレヒト大の高原太郎准教授(画像診断学)と
東海大の研究チームが世界で初めて開発、
米医学誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」に発表。

全身撮影が可能で、撮影時間は5分程度。
末梢神経がかかわる病気の診断や治療に役立つ可能性がある。

チームは、末梢神経細胞内の水分子が、
中枢神経や他の細胞と異なる振る舞いをすることに着目。

MRI(磁気共鳴画像化装置)を改良、末梢神経の水分子だけに
反応する特殊な電磁波を当てることで、鮮明な画像化に成功。

現在、神経の撮影には超音波が利用され、
骨などが邪魔して死角ができるのを避けられなかった。
この手法は、死角がなく、直径2ミリ程度の細い神経も鮮明に写る。

高原准教授は、「臨床での利用には、画像の解像度を
さらに高める必要がある。
原因不明の神経痛の原因部位や神経断裂の場所を探したり、
神経が細くなっていく筋萎縮性側索硬化症(ALS)の進行状況の
把握に応用できる」

http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2009/07/30/20090730dde041040066000c.html

2009年8月8日土曜日

「世界最大、最速」のソーラー船で世界一周へ 建造進む

(CNN 8月1日)

太陽光からの電力で動く「ソーラーボート」で、
世界を一周する計画に、スイス人エンジニアの率いるチームが挑戦。

太陽光発電のみで動く船としては世界最大、最速となる。
2010年の完成を目指し、建造が進んでいる。

「プラネット・ソーラー」と名付けられたこの船を考案した
エンジニアは、ラファエル・ドミヤン氏。
約11億円の資金を投じ、ドイツ北部キールで作業を進める。
「船が温室効果ガスを一切排出せず、高速で航行できることを証明したい」

船の全長は30メートル。
変換効率23%という高性能のソーラーパネルが表面を覆い、
面積は470平方メートル、テニスコート2面分。
最大時速約26キロと、大西洋を2週間で横断できるスピードを目指す。

ソーラーボートで長時間航行する際の最大の課題は、天候。
プラネット・ソーラーは、曇天が3日間続いても、
動力を充電でまかなうことができる。
フランス気象庁と提携し、航行中に気象情報を入手し、
予報に応じて航路を調整する。

プラネット・ソーラーは、11年春、欧州を回った後、
世界一周の旅に出る予定。
ドミヤン氏とともに、手こぎボートでの太平洋横断記録を持つ
フランス人冒険家、ジェラール・ダボビル氏がかじを取る。

航海の途中で寄港する数十カ所の都市では、
空気で膨らませる即席のパビリオンを設営し、
地球環境への理解を呼び掛ける啓蒙活動を行う計画。

ドミヤン氏は、「エネルギー資源の不足や気候変動により、
われわれは社会全体の見直しを迫られている。
この状況を、新たなチャンスと考えることもできる」

http://www.cnn.co.jp/science/CNN200908010001.html

県内大学進学率40%台に 全国ではなお低位

(岩手日報 8月7日)

学校基本調査速報によると、2009年度の県内の大学進学率は、
前年度比1・1ポイント増の40・6%、初めて40%台。
全国平均53・9%、東北6県平均43・9%を下回り、
全国では、沖縄県(37・1%)に続きワースト2位。

09年度県内の大学進学者は5391人(男2614人、女2777人)、
前年度より68人増えた。
高校卒業者数は1万3280人、進学率は男39・0%、女42・3%。

県教委や各高校は、大学進学率向上を目指し、
さまざまな取り組みをしてきた。
04年度の大学進学率33・7%に比べ、09年度は6・9ポイント増。

県教委の佐藤成人高校教育課長は、
「各校の取り組みのほか、就職難という状況も進学率を引き上げた要因。
東北、全国平均にはまだ届いておらず、
今後も進学率アップを目指し努力したい」

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20090807_7

学びの情報基地(2)美術館「体験型」に活路

(読売 7月30日)

いかに市民に足を運んでもらうか、
西洋美術館の草分けが試行錯誤を続けている。

「スイレンには、温帯スイレンと熱帯スイレンがある」
柳並木の水路沿いに、小粋な飲食店や雑貨店が軒を連ねる
岡山県倉敷市の「美観地区」。
大原美術館で、ワークショップ「倉敷を知る 植物のかたち」開催。

庭園で植物を観察し、パリ郊外にある画家モネの庭の池から
株分けしたというスイレンの池を眺め、館内でモネの「睡蓮」など
絵画に描かれた植物を見る。
近くの市立自然史博物館から講師を招いての、一風変わった試み。

この日の昼過ぎ、小学生向け行事の案内役として今年導入された
「ジュニア・アテンダント」の養成講座が開かれ、
大学生と高校生計27人が、作品の魅力をわかりやすく伝える
練習に取り組んだ。

8月下旬、「チルドレンズ・アート・ミュージアム」も予定。
子どもや市民にダンスを楽しんでもらったり、
彫刻と遊んでもらったりする、全館を挙げた参加体験型イベント。

グレコ、マティス、棟方志功ら、名だたる作品の収蔵・展示で
知られる同美術館で、教育普及活動が盛んに行われている。
理由について、学芸課長の柳沢秀行さん(42)は、
「ここはもともと、素晴らしい作品を集めて、
市民に見せることを前提に始まった」

同美術館は1930年、実業家の故大原孫三郎氏が、
画家の児島虎次郎を支援、その収集作品を市民に公開するため、
国内初の西洋美術館として開設。

高度成長期やバブル経済期には県外客でごった返し、
88年の瀬戸大橋開通時には、有料入場者は年間120万人。
柳沢さんによると、この時に地元の客が離れてしまい、
ブームが去るに従って入場者数が激減。

反省から、小学校を無料で招待する「小学校まるごと美術館」や、
年間約4000人の未就学児無料受け入れなどの教育普及事業を
拡充し、数年前からは10年、20年後の同美術館を
共に支える学生への浸透に力を入れる。

「知識と理屈を持った大人に、どうアプローチしていくか、
試している最中」と柳沢さん。
昨年度の有料入場者数は約34万人、高階秀爾・四代目館長(77)は
「中高生や20、30歳代の若者の利用者が増え始め、手応えを感じる」

大原謙一郎理事長(68)は、「客集めの企画をやれば、
入館者は増えるだろうが、受け継がれてきた
『価値と風格を持ち主張する美術館』の志は譲れない」と強調。

ボランティアの観光ガイド萩原やす代さん(61)は、
「昔の専門的な展示に比べ、かなり分かりやすくなった」

来年は開館80周年。
社会貢献の先頭を切ってきた老舗美術館の奮闘が注目。

チルドレンズ・アート・ミュージアムは、8月22、23日に開かれ、
小中学生は入館料が半額(250円)。
大原美術館((電)086・422・0005)。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20090730-OYT8T00218.htm

マクロファージエラスターゼはマウスのマクロファージ内で細菌を殺菌

(2009年7月30日 Nature)

マクロファージエラスターゼは、マクロファージ内で細菌を殺菌

マクロファージは、肺や腹腔などの多くの臓器で
病原体侵入に対する第一次防衛線として機能するように
適切に配置され、その貪食および微生物を排除する
能力についてはよく研究されている。

マクロファージは、活性酸素種、一酸化窒素や
抗微生物タンパク質などの細菌を殺すことができる数種の物質をもつ。
マクロファージ由来のプロテイナーゼが
マクロファージの抗微生物的性質に寄与しているのではないか。

マクロファージエラスターゼ
(マトリックスメタロプロテイナーゼ12、MMP12)は、
成熟した組織マクロファージにもっぱら発現している酵素、
また肺気腫を含むいくつかの病気の進行に関係があるとされ、
MMP12の生理学的な機能については報告がない。

Mmp12−/−マウスは、腹腔や肺などのマクロファージに富む
侵入路を介して、グラム陰性およびグラム陽性細菌を
攻撃投与した際、両方の菌について細菌排除が低下、
致死率が増大することを明らかにする。

細胞内に貯蔵されたMMP12は、細菌性病原体の取り込み後、
マクロファージのファゴリソソームへと移動。
ファゴリソソーム内に入ったMMP12は、細菌の細胞壁にとりついて、
細胞膜を破壊し、その結果細菌が死滅する。

MMP12の抗微生物性は、その触媒ドメインではなく、
カルボキシ末端ドメイン内に存在する。
このドメインには、独特な4つのアミノ酸配列がタンパク質の外側に
露出しているβループ上に存在し、
これが観察された抗微生物活性に必要。

今回の研究は、マトリックスメタロプロテイナーゼによる
直接的な抗微生物活性についての最初の報告、
配列的にも構造的にも、独自の性質をもつ
新規抗微生物ペプチドについて記述。

http://www.m3.com/news/SPECIALTY/2009/7/30/105257/

2009年8月7日金曜日

アンジェリーナ・ジョリーさん、イラク避難民キャンプを訪問

(CNN 7月24日)

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の親善大使を務める
米女優のアンジェリーナ・ジョリーさんが、
イラクの首都バグダッド郊外に設けられた避難民キャンプを訪問。

キャンプには、宗派間抗争などで家を追われた
イラク人約2万人が暮らしている。
ジョリーさんが、同国を訪れるのは3度目。

昨年2月に比べ、避難民の環境に多少の改善がみられる一方、
「生活必需品はすべて不足。
水道の供給もようやく始まったばかり。
人々はれんがで手作りした建物の中で、土の上に寝ている。
ここには雇用機会もない」と指摘。

ジョリーさんは、米軍戦闘部隊がイラクの都市部から撤退した
今こそが「最も重要な時期」だと強調。

「ほかにも多くのことがニュースの見出しを飾っているけれど、
『では次へ行こう』という気持ちになってはいけない。
ここでは、今も罪のない家族が避難生活を強いられ、
たくさんの米軍兵が戦いを続け、これまでに多くの国の人々が
犠牲になってきた。
今こそ前向きの変化を起こさなければ」

次に訪れる時までに、避難民がUNHCRの支援で
自分たちの土地に家を建て、そこで暮らしていることを願う、と述べ、
資金不足の問題にも言及。

「今年のUNHCRの資金は、必要な額の半分。
すべての住まいを建設するのに、十分な支援が得られていない」と、
国際社会の協力を求めた。

http://www.cnn.co.jp/showbiz/CNN200907240021.html

三陸地方都市建設協総会 「道路に予算確保を」

(東海新報 8月1日)

岩手と宮城両県の県際五市町で組織する
三陸地域地方都市建設協議会総会が開かれた。

三陸縦貫道をはじめとした整備促進運動の継続を確認、
道路特定財源が一般財源化された中、
計画的な道路整備への必要予算確保などを求める決議。

同協議会は、三陸地域の総合的な開発や環境整備を
推進しようと、昭和37年発足。

大船渡市、陸前高田市、住田町、気仙沼市、本吉町の
首長と議会議長で構成。

総会には、協議会役員のほか国土交通省東北地方整備局、
県大船渡地方振興局土木部の職員ら約30人が出席。

会長を務める甘竹勝郎大船渡市長は、
「三陸縦貫道整備など、目に見える形で大きな成果が生まれている。
さらなる進捗のほか、各地域における諸課題解決に全力を注ぎたい」、
齊藤廣見三陸国道事務所長も祝辞。

議事に入り、20年度事業報告とこれまでの要望活動の経過を報告。
20年度収支決算を認定、21年度の事業計画と収支予算を承認。
道路整備促進に関する決議案を了承。

決議では、今年度からの道路特定財源の一般財源化をふまえ、
「地方が必要とする道路整備を、安定的に推進できるものにしなければ、
地域住民の安全・安心に対する不安の高まりが懸念」

「計画的な道路整備に必要な予算の安定的確保を図るとともに、
三陸縦貫道などの早急な整備を」と求めている。

役員改選では、会長職は、「構成市による2年ごとの持ち回り」、
鈴木昇気仙沼市長が新たに就任。
来月、同市と合併する本吉町議会の高橋清男議長から、
「構成市町に南三陸町も入れるべきでは」との提案、
同町の意向も把握しながら今後協議。

総会後、「三陸の道路に関する最近の話題について」と題し、
齊藤所長が講演。
三陸縦貫道の進捗状況などを取り上げて解説。

http://www.tohkaishimpo.com/

中国奥地の黄砂、13日で地球一周 九州大などの研究

(朝日 2009年8月1日)

中国奥地のタクラマカン砂漠で空高く巻き上げられた黄砂が、
13日ほどで地球を一周することを、
九州大や東京大、国立環境研究所など日米中の研究グループが
初めて突き止めた。

地球温暖化や海の生態系に影響を与えている可能性もある。
英科学誌「ネイチャー・ジオサイエンス」(電子版)に掲載。

九州大の鵜野伊津志教授(環境気象学)らは、
07年5月、中国のタクラマカン砂漠で発生した砂嵐によって、
高度10キロほどに巻き上げられた砂の動きを、
米航空宇宙局(NASA)の人工衛星カリプソの観測データを使って追跡。

アジアから北米、欧州へ吹く偏西風と砂の動きを、
コンピューターシミュレーションで分析、
巻き上げられた砂の一部が地球を13日間かけて一周した。

これまで北米や欧州で黄砂が観測されたことはあったが、
地球一周が確認されたのは初めて。

地球一周の間、高度10キロほどで薄い氷の雲を作るもとになって、
地球を温暖化させる働きをしたり、砂に含まれていた鉄分が
太平洋中央部に落ちて植物プランクトンの栄養になったりする
可能性があることもわかった。

鵜野教授は、「地球温暖化や海洋生態系に影響を与える可能性がある」
春先に日本に飛来する黄砂は、
タクラマカン砂漠とは異なる場所で発生し、
上昇する高度も低いため、地球一周はしない。

http://www.asahi.com/science/update/0801/SEB200908010001.html

学びの情報基地(1)動物園や博物館、教育普及へ連携

(読売 7月29日)

美術館や動物園を含めた、様々な博物館による
教育普及活動が広がりつつある。

樹木の途中に置かれたご飯入りの竹筒をとろうと、
マレーグマが指先からツメをのばして登り始めた。
「うわぁー」、「忍者みたい」、「かわいいね」と歓声。
上野動物園動物解説員の小泉祐里さんが、
「ツメの動かし方を見て下さいね。歩き回っている時、
足の裏や足の運びもよく観察してください」

上野動物園、国立科学博物館、東京国立博物館で、
セミナー「上野の山でクマめぐり」が開かれた。
ライオンめぐり、ゾウめぐりに続き、今年で3回目。

ホッキョクグマ、マレーグマ、ヒグマ、ツキノワグマの生態を観察し、
歩いて数分の科学博物館へ。
クマ7種のあご骨などを見ながら、同館動物研究部研究員の
川田伸一郎さん(36)から、歯やあご、手や足の特徴などの話を聞く。

「ツキノワグマが木の実を食べている時はどうでしたか?」、
「マレーグマの足骨はこんな風に曲がるんでしたね」

東京国立博物館では、神辺知加研究員から説明を受け、
熊毛とみられる材料を用いたよろいかぶとや、
金太郎とクマが描かれた日本の絵、
クマをかたどった中国の皿やツボなどを鑑賞。

動物園の小泉さんが再登場。
「絵の中のツキノワグマに注目して下さい。
描かれている左足の後ろのでっぱりが、本物にはない。
昔の人が、十分クマを見切れていない部分もある」

一般参加者30人に、3館園の動物解説員、研究員らが同行、
自らの専門知識を披露するという連携プレー。

主婦、田中瑞生さん(60)は、「骨格標本の比較も初めてだし、
クマという一つのテーマに沿って、いろんな見方ができ、勉強に」

美術館、動物園、水族館を含む博物館の世界では、
展示、収集・保存、研究が主要な業務。
資料収集の資金が不足し、展示だけでは集客がおぼつかないことや、
博物館の社会貢献を積極的に推し進めてきた欧米の影響により、
教育普及に力を注ぐことで存在意義を高めようとする
ケースが増えている。

科学博物館は、いち早く「開かれた博物館」というテーマを掲げ、
科学を一般人にわかりやすく伝えるサイエンス・コミュニケーターの
養成実践講座をはじめとした、学習支援制度の充実ぶりは有名。

東京国立博物館も、各種講演会、講座、
ボランティアガイドツアーなどを開催。
動物園や水族館は、展示自体に教育的な意味合いがあるが、
上野動物園では2006年から、見ている動物についての
関連情報が得られる「ユビキタス携帯端末」を貸し出すなど工夫。

博物館の垣根を超えた連携も広がり始めた。
国際博物館会議(本部・パリ)が、1977年「国際博物館の日」
(5月18日)に、国内でも7年前から毎年5月、
多くの博物館が常設展入場無料を実施、地域連携イベントを開催。
「上野の山でクマめぐり」もその記念事業の一つ。
国立西洋美術館、東京都美術館など上野地区の9施設で
共同のイベントも行われた。
年間1億数千万人が訪れる大観光スポットながら、
館同士の連携は目立たなかった上野公園に、新しい息吹。

各地の博物館は今、どんな取り組みを進めようとしているのか。

◆展示物の魅力 学習効果期待

「いつでも、だれでも、自由に学べる」博物館。
生き物から標本、歴史資料や芸術作品まで、展示されている
実物の魅力や面白さを学ぶ「実物教育」の場。

博物館教育の活用は、小、中、高校の新学習指導要領にも
改めて位置づけられた。
各自の興味に応じた学習が可能で、カリキュラムに沿って
限られた時間で行われる学校教育とは異なる効果が期待。

財政難で閉館や業務縮小を迫られる館も少なくないが、
業績を利用者数だけで測れば、お楽しみイベントを集めた
テーマパークとなってしまう。
元上野動物園園長でもある中川志郎・日本博物館協会顧問(78)は、
「本来、文化・教育は金もうけの手段ではない。
地域に支えが得られるかがかぎではないか」

中国、韓国などアジア地域の博物館で、
「アジア博物館学会」を設立する動きも。
水嶋英治・常磐大学教授(52)は、
「壊さず保存する『石の文化』の欧米と、腐るためにいったん壊して
作り直す『木の文化』のアジアでは、博物館の在り方も違う。
アジアの視点を持つ学会を拠点に、
博物館教育の質をさらに向上させたい」

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20090729-OYT8T00299.htm

2009年8月6日木曜日

カンボジアの「エイズコロニー」、差別助長とNPOが批判

(CNN 7月28日)

カンボジア政府が、首都プノンペン郊外に
エイズウイルス(HIV)感染者を集めた集落をつくり、
感染者と家族を、それまで住んでいた場所から立ち退かせて
転居させているとして、人権保護団体が政府を批判。

この集落は、プノンペン郊外のトゥオル・サンボにあり、
地元では「エイズコロニー」と呼ばれている。
政府は、6月から感染者を転居、先週だけで20世帯を
それまで住んでいた場所から退去。

住居は、壁が薄く粗末なつくりで、清潔な水が出る水道もなく、
このような場所に感染者を隔離すれば、
偏見を助長するだけだ、とHIV感染者支援団体は指摘。

人権保護団体のヒューマン・ライツ・ウォッチは、
100以上の団体と連名で、カンボジアのフン・セン首相と
保健相あてに書簡を送付。

「カンボジア当局が、事実上の『エイズコロニー』を
形成していることを深く憂慮する。
トゥオル・サンボは仕事からも、医療機関からも、
支援サービスからも遠く離れ、感染者を転居させるのは
差別的かつ生存を脅かす」と批判。

感染者やその家族はこれまで、日雇いやバイクタクシーの運転手、
清掃などの仕事をして生計を立てていたが、
トゥオル・サンボでは仕事が見つかる見通しはほとんどない。

地元自治体の関係者は、英字紙プノンペン・ポストに対し、
トゥオル・サンボの問題については把握し、改善のための措置を
講じているとコメント。

転居させられた人は、家が借りられない不安はなくなったが、
薄い住居の壁を、刃物で切り裂いて泥棒に入られる事件が起き、
不安を感じる。

国連の統計によると、カンボジア国内のHIV感染者は
2008年現在で成人6万7200人、子供3800人。
減少傾向にあるものの、流行が繰り返される状況。

http://www.cnn.co.jp/science/CNN200907280017.html

インフル薬にお茶の力 カテキン加工、タミフルより効果

(朝日 2009年7月31日)

緑茶に含まれるカテキンを加工し、
インフルエンザ治療薬に応用する技術を、
大阪大学と横浜市衛生研究所の共同チームが開発。

季節性インフルエンザや鳥インフルエンザで、効果が確認。
感染を防ぐ作用もあり、鼻やのどに噴霧する予防薬への応用も期待。
製薬会社と実用化を目指す。

開発に利用したのは、緑茶に多く含まれている
エピガロカテキンガレート(EGCG)というカテキンの一種。
カテキンは茶の渋み成分で、EGCGがウイルスの働きを抑えるのは
以前から知られていた。
そのまま飲むと、体内ですぐに分解され、効果がなくなってしまう。

研究チームは、体内での分解、代謝を抑える作用のある
脂肪酸と合成することで、EGCGが分解されず、
ウイルスの感染や増殖を抑える技術を開発。

加工したEGCGを、季節性インフルエンザや鳥インフルエンザの
ウイルスに混ぜ合わせ、イヌの腎臓細胞にふりかけて感染力を調べた。
治療薬タミフルよりも約100倍、感染を抑える効果。

鶏の有精卵を使った増殖実験でも、何もしない卵12個では
中のヒナが70時間で4割、164時間で全数が死亡、
加工したEGCGを投与した卵12個では全数が生き残った。

作用を調べると、ウイルスが細胞に侵入するのを防いだり、
仮に侵入しても、ウイルスの遺伝子が増殖しない。

主任研究者の大阪大学の開発邦宏助教(有機化学)が、
08年に特許を出願。

製薬会社など数社から、治療薬やマスク、スプレーなど
商品化したいとの引き合いが来ており、現在交渉中。
数年内の実現を目指す。

開発さんは、「緑茶を飲んでも効果はないが、
開発した成分は高い効果があった。
作用からみれば、新型インフルエンザにも効果が期待。
茶葉から大量に抽出でき、安価で副作用も少ない」

http://www.asahi.com/science/update/0730/OSK200907300155.html

スポーツ21世紀:新しい波/312 Back Softball/5

(毎日 8月1日)

日本ソフトボール協会に、オランダで予定されていた
「ハーレム大会」が中止になると連絡が入ったのは、5月29日。

当初は、北京五輪の4強にオランダとイタリアを加えた
計6チームが参加し、6月下旬に実施される計画。

ソフトボールが、12年ロンドン五輪の実施競技から除外された
理由の一つは、「国際的な普及度が低い」こと。
16年五輪の実施競技を絞り込む、
8月中旬の国際オリンピック委員会(IOC)理事会を前、
人気や普及度が低いとされる欧州で開かれる国際大会。

関係者は、五輪復帰へ向けたアピールの場になると期待。
参加を呼び掛けられた国で、手を挙げたのは4強のうち日本だけ。
チームは出そろわず、主催者の資金調達も困難になって
中止が決まった。

日本協会の三宅豊総務委員長は、
「中止決定後も、日本代表を欧州に派遣、
欧州のオールスターと試合をやってはどうかと提案。
(IOC委員への)アピールという意味で、
単なる大会ではなかったのだが……」と振り返る。

国内でも、強化費を含めた資金確保は重要な課題。
JOCは、今年度の強化費配分方針を見直し、
競技団体の評価基準にアジア大会の成績も加味した。
五輪の成績を重視する従来の規定では、
非五輪競技は最低ランクに位置づけられるが、
アジア大会の成績も考慮すれば、ソフトボールを救済できる。

見直しの背景には、継続した強化が途切れると、
競技力の維持が困難になるという考え。

野球やサッカーといった人気競技のように、
資金に恵まれているわけではなく、
JOCの強化費に多くを依存しなくてはならないのが
ソフトボール界の実情。

「今年度、予定していた強化事業に影響は出ていない」
とする日本協会も、来年度以降どうなるかは未知数。

ソフトボール界は、手応えをつかめないまま第一の関門である
IOC理事会を待つ。
そこで出される結果は、国際的な競技力そのものに
影響を及ぼす可能性を秘めている。

http://mainichi.jp/enta/sports/21century/

2009年8月5日水曜日

牛糞で発電、年間20万ドルのコスト削減 米酪農家

(CNN 8月2日)

米ペンシルベニア州ピッツバーグ郊外で、
4代にわたって酪農を営むショーン・セイラーさん(36)が、
牛の排泄物「糞」を利用した発電装置を導入して約3年。

年間20万ドルのコスト削減に結びつき、
牛糞の臭いに対する苦情も減り、発電後の廃棄物を
腐葉土として販売できると、効能を力説。

セイラーさんの牧場では、約600頭の乳牛を飼育。
毎日、大量に出る牛糞を巨大なタンクに貯蔵。
バクテリアの力を借り、約2週間ほど「発酵」させてメタンガスを発生。
生じたメタンガスを燃やし、発電タービンを回し、電力を得る。

牛糞の発酵時、熱が発生し、この熱は建物の暖房や給湯器に利用。
発電した電気は、牧場全体で使うほか、近所の建物にも売電。
発電後に残った廃棄物は、肥料として引く手あまた状態。

発電システムの導入前、牛糞の臭いに対する苦情も多かったが、
現在、臭いそのものが98%近く減り、苦情はほとんどなくなった。

牛糞を利用した発電システムは、1970年代の石油ショック期、
米国で知られるようになった。
導入コストが高いため、なかなか手が出ない状態。

セイラーさんの牧場でも、ペンシルベニア州環境保護局が
60万ドルの補助金を出し、2006年に導入。

セイラーさんは今後、廃棄物を出さない、すべてのエネルギーを
自給自足することが目標。
牛糞のほか、使い終わった植物油を利用したバイオ燃料を
使っていきたい。

http://www.cnn.co.jp/business/CNN200908020015.html

インスリン分泌促すたんぱく質、神戸大教授ら発見

(2009年7月31日 読売新聞)

糖尿病治療に有効なインスリンの分泌を促す、
たんぱく質(Epac2)を、神戸大の清野進教授らが見つけた。
新たな糖尿病治療薬開発につながる成果で、
31日の科学誌サイエンスに発表。

これまで、膵臓のβ細胞にあるEpac2が、
インスリン分泌に関与することはわかっていたが、日本で最も多い、
100万人以上が服用する治療薬「スルホニル尿素薬(SU薬)」が
効くのは、Epac2とは関係ない仕組みと考えられていた。

清野教授らは、このSU薬が、従来の仕組み以外にも、
直接Epac2と結合することで、
インスリン分泌が促されることを突き止めた。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/7/31/105170/

市民力を鍛える(8)臓器提供学び 命考える

(読売 7月28日)

臓器提供を行う意味を、授業で教える学校が増えている。

新潟県上越市の市立頸城中学校に、
同県臓器移植コーディネーターの秋山政人さん(43)が出前授業。
2年生14人に、名刺大のカードを配る。
「これは、皆さんの権利を尊重する大切なものです」

臓器提供意思表示カード。
「自分が脳死になったら、臓器を提供したい」との意思を
生前に残す、一種の遺言書。
秋山さんは、病院で脳死になった人がカードを持っていれば
駆け付け、家族に意向を尋ねる。

「脳死というのは、心臓は動いているけど、頭が死んでしまった状態」
授業では、パソコンで図を見せながらやさしく説明。
「世の中にはこんなこともあるんだなって程度でも、
理解してもらえればうれしい」と締めくくった。

秋山さんが働く同県臓器移植推進財団は、
出前授業を2年前に始めた。
現行の臓器移植法では、臓器提供できるのは15歳以上。
「中学生から移植について知ってもらいたい」と、
中学・高校延べ12校に出向いてきた。
同様の講師派遣は、栃木、茨城県などでも行われている。

15歳を迎える中学3年生への啓発のため、
厚生労働省は2004年度、パンフレットを作り、
毎年全国の中学校に送っている。
中学の学習指導要領は、臓器移植の授業まで求めておらず、
どの教科で教えるかも学校任せ。

同省が行ったアンケートによると、パンフを配るだけの学校が約7割。
「生命倫理の話は難しく、学校もどう教えていいか迷っているのでは」と
峰村芳樹・同省臓器移植対策室長。

トキワ松学園中学・高校では、「いのちの教育」の授業の一環として
臓器移植を取り上げている。
2000年から、中1~高2の保健で、人間の誕生、病気、老い、死の
「生老病死」を学び、臓器移植は高2で3か月間勉強。
佐藤毅教諭(35)は、「臓器移植の教育は、
保護者にも賛否両論あるので、いきなり『死』を教えるのは避けた。
まず『生』から学ばせ、いろんな意見を認め合う形にした」

生徒には、家族と話し合うよう指導。
高3の河南華さん(17)は、「母も私も、自分が脳死になったら
臓器提供したいけど、家族の提供には反対という意見だった」

小学4、5年生に、保護者と一緒に臓器移植を学ばせる学校。
長崎県諫早市の市立みはる台小学校の山下泰子教諭(47)は、
移植患者や大学病院の医師らを講師に招き、
親子で「命の大切さ」を考えるきっかけを作っている。

「親も子どもの死など考えたくはない。
でも万が一の時、本人の思いを尊重してあげられるように、
日頃から話し合ってもらいたい」と山下教諭。
命は、自分だけのものではないことを理解させるための教材として、
臓器移植が活用されている。

◆臓器移植法

脳死者から臓器が提供される要件などを定めた法律。
1997年施行の現行法の運用指針は、提供できる年齢を
15歳以上と定めたが、乳幼児が国内で移植を受けられない問題。
今月13日に改正法が成立、年齢制限を撤廃。
改正法は来年7月に施行、15歳未満も家族の同意があれば
臓器提供できるようになる。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20090728-OYT8T00239.htm

2009年8月4日火曜日

遠隔診療のキット開発 医師不足や医療格差に対応

(2009年7月28日 共同通信社)

医師不足や医療の地域格差に対応していくため、
東北大の吉沢誠教授(生体制御工学)のグループが、
情報通信技術(ICT)を使った遠隔診療を可能にするキット
「電子診療かばん」を開発。
厚生労働省の認可を待って、2011年度までの製品化を目指す。

キットには、超音波装置、血圧計、心電計などの医療機材と、
ビデオカメラ、パソコン、携帯電話などの通信機器が詰められ、
手軽に持ち運びできる。

看護師が、キットを持って患者宅を訪れ、医師と連絡を取りながら、
(1)心電図や血圧などを測定
(2)医療情報を携帯電話やパソコンで送信
(3)ビデオカメラなどを介して病院の医師が診療-という流れで、
医師が少ない地域などで多くの患者への対応が可能。

救急医療の際、救命士が測定したデータを医師に送ることで
的確で素早い診断を仰ぎ、災害地や高齢者施設、
学校などでの医療に活用できる。
診断に基づき、医薬品処方も実現したいとしている。

患者と接する看護師の行為が、医師法が禁じる
「医師以外の医業」に抵触しないと、
厚労省に認めてもらうことなどが課題。

吉沢教授は、「今後実験によって、キットを用いた遠隔診療の
有効性を証明していきたい」

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/7/28/105013/

市民力を鍛える(7)ゲーム通し世界へ視線

(読売 7月25日)

子どもに世界とのつながりを感じてもらうよう、努力している学校。

大阪市立南高校のゼミナール室で、1年生9人が
「ケニア人生すごろくゲーム」に興じていた。
マラリアや栄養失調、失業などのマス目に止まる度に、1回休みになる。
「また失業した」、「休みがやたら多いな」

ゲームは、地理Aの授業の一部。
「ケニアでは、小学校を中退するのも普通だし、貧しさからスラムで
犯罪に巻き込まれることもある。
未来が断ち切られてしまうことこそが、貧困やねんで」
すごろくを考案した辻良隆教諭(51)が狙いを説明すると、
生徒たちは一変して神妙な顔つきに。

一人一人に、アフリカの国名が書かれたカードが配られ、
それぞれどうやったら幸せになれるのか、3学期にリポートを提出。
徳田鮎美さん(16)は授業後、「日本で当たり前な事も、
家庭環境で左右されてしまう厳しい世界。
もっと深く知りたいと思った」と感想。

辻教諭が授業を始めたのは、2003年度、国際協力機構(JICA)の
研修で、ケニアを視察したことがきっかけ。
以後、持続発展教育(ESD)の考え方を取り込んだ
国際理解教育を実践。
「日本の物差しが通用しない世界があることを知り、
自分の問題として考えられることが大事」

難しいのは、アフリカの国々を身近に感じてもらうこと。
授業では何度も、自分自身の体験を交えるようにしている。
「ゲームをやって、『アフリカは大変だね』で終わらせたくない。
その国の人の気持ちになって、貧困解決に向けて学んでいくことで、
地球市民として生きる力を育みたい」

持続発展教育の実践は、海外事情を知ることだけではない。
三重県伊勢市立五十鈴中学校は、生徒が地元の特産品
「松阪木綿」で作ったきんちゃくやコースターなどを販売し、
利益をカンボジアの地雷除去のために活動しているNPOに寄付。

商品製作から販売までを、架空の企業「株式会社いすず」が
行う設定にしているのが特徴。
良い製品を安い価格で消費者に提供し、利益を寄付することで
企業の社会的責任や持続発展教育の概念を体験。
社長役を務める家庭科の西村朱美教諭は、
「企業はもうけるだけ、と思っていた生徒にとって驚きだったようだ」

昨年は、学校の活動を知った靴メーカーの協力で、
松阪木綿を表地に使ったスニーカーを製作してもらい販売。
今年は、南青山で開かれた「チャリティーアート展覧会」に
出展するなど活動が広がっている。
「自分たちの活動が地域から東京、そして世界に広がっていくことで、
自分が一人で生きていないこと、他人に支えられて生きていることを
感じてほしい」と西村教諭は期待。

◆持続発展教育(ESD)

環境保全や貧困の克服、差別の撤廃など、将来に損失を与えずに
現在の社会づくりを行う考え方を教えること。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20090725-OYT8T00259.htm

古橋広之進さん死去:復興のシンボル 国民勇気づけ

(毎日 8月2日)

競泳自由形で驚異的な世界新記録をマークした、
元水泳選手の古橋広之進さんが2日に急逝。80歳。

男子四百メートル、千五百メートル自由形などで、
33個もの世界新記録を樹立、米国メディアから
「フジヤマのトビウオ」と称賛された古橋さんは、
戦後の復興のシンボルとして、国民を勇気づけた。
現役引退後、JOC会長などを務め、日本スポーツ界の土台を築いた。

戦後の復興期、日本は戦争責任を追及、五輪に参加できなかった。
1948年のロンドン五輪。五輪の競泳決勝と同じ日程で開催された
日本選手権で、古橋さんは四百メートル自由形で4分33秒4、
千五百メートル自由形で18分37秒0をマーク。

ロンドン五輪優勝者や当時の世界記録をも上回る活躍に、
多くの国民は胸のすく思いだった。

国際水泳連盟が日本の復帰を認め、
49年の全米選手権に招待された古橋さんは、
四百メートル、八百メートル、千五百メートルと自由形3種目で
世界新記録を連発。
米国メディアは、尊敬の意を込め「フジヤマのトビウオ」との
ニックネームを贈った。

90~99年まではJOC会長として、92年バルセロナ、
96年アトランタの両五輪で日本選手団団長を担った。
08年10月、五輪経験者では初の文化勲章を受章。
「スポーツの社会的価値を高めたい」と願ってきただけに、
喜びはひとしおだった。

今年6月、日本水泳連盟は競泳日本代表の愛称を
「トビウオジャパン」に決めたと発表。
「躍動感に満ちあふれた泳ぎで、世界に羽ばたいてほしい、
という願いが込められている気がする」とコメントした古橋さんの思いは、
日本競泳界に引き継がれている。

http://mainichi.jp/enta/sports/general/news/20090803k0000m040082000c.html

2009年8月3日月曜日

すべての電力を再生可能エネルギーに ツバル

(CNN 7月21日)

南太平洋に浮かぶ島国のツバルは、2020年までに、
すべての電力を再生可能エネルギーからの発電に切り替える計画。
ツバルは、海抜が最も高い部分で4.5メートルしかなく、
地球温暖化に伴う海面上昇の影響が懸念。

プロジェクトは、地球温暖化防止を目指し、
関西電力など主要8カ国の電力会社10社でつくる
非営利組織(NPO)の「e8」が支援。
ツバル政府は、目標達成にかかる予算として約19億円相当を見込み。
プロジェクト第1弾として、同国最大のサッカー競技場の屋根に、
太陽光発電パネルを設置、首都フナフティで使う電力の5%の供給。

e8の試算では、ソーラースタジアムを1年2カ月稼動させれば、
ニュージーランドから輸入する発電用燃料の消費を
1万7000トン削減、CO2排出量を50トン削減できる計算。
周辺の珊瑚礁の被害も、食い止められる見通し。

次の段階として、国を構成する島の1つ、
バイツプ島の中学校への太陽光発電システムの導入が計画。

http://www.cnn.co.jp/science/CNN200907210020.html

肥満関連支出、年14兆円 米、総医療費の9%超

(2009年7月28日 共同通信社)

肥満が社会問題となっている米国で、
肥満関連の病気で支出される医療費は総医療費の9%を超え、
2008年には年間1470億ドル(約14兆円)になったと推計、
米疾病対策センター(CDC)などの調査で明らかに。

政府支出のほか、保険会社からの支払いも含む金額。
議会で行われている医療保険改革をめぐる論議でも、
肥満への取り組みが焦点の一つ。

米国では、体格指数(BMI)が30以上を「肥満」と定義。
1980-2004年に肥満の割合が倍増、
05-06年のデータでは成人の34%が肥満。

肥満は、心臓病や糖尿病、脳梗塞などのリスクを高める。
CDCによると、総医療費に占める肥満関連の割合は、
98年は6・5%、06年には9・1%に上昇。

標準的な体格の人に比べ、肥満の人は年間1429ドルも
多く医療費を支出している。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/7/28/105012/

トヨタに勝るノキア生産方式の底力

(日経 2009-07-30)

携帯電話機最大手のノキア(フィンランド)が、復活の兆し。
景気悪化による需要縮小と、韓国メーカーの攻勢で昨年以来、
業績が落ち込んでいたが、今年4~6月期決算では、
前の期に比べて大きく改善。

そのエンジンとなったのが、ノキア独自の生産・販売方式の“再点火”。
危機を経て、原点に立ち返ったノキアが、再び攻勢に転じる。

ノキアのオリペッカ・カラスブオ最高経営責任者(CEO)は、
「厳しい状況にもかかわらず、ノキアは底堅い業績を示した。
市場シェアは、わずかながら上昇。
市場回復の兆しもあり、追い風が吹き始めている」

ノキアが発表した業績は、純利益が前年同期比73%減の
2億8700万ユーロ(約380億円)。
大幅な減益には違いない。
今年1~3月期の純利益が、同99.7%減の400万ユーロと
最終赤字転落寸前まで追い込まれたのに比べ、大きく改善。

市場シェアも38%と、08年第2四半期の40%からは落ちたが、
今年の第1四半期の37%からは上昇。

特に、携帯電話機の販売台数は前の期よりも10.7%増の
1億320万台、念願だった1億台の大台を回復する伸び。
多くの点で、前年同期より少ないが、前の期と比較すれば増加傾向。
これらの状況から判断すると、
ノキアの業績は今年第1四半期が底で、第2四半期は回復の過程に。

回復の要因となったのが、「量への回帰」。
英国では、「バイ・ワン・ゲット・ワン・フリー(1台買えば、2台目はタダ)」
という販売キャンペーン開始。

安売りに走れば、泥沼の値引き合戦になる可能性もあったが、
市場の動向を見極め、ある程度単価が下がるのは織り込んだ上で、
一気に攻勢に出た。

販売単価は62ユーロと、1年前から12ユーロ、
前の期に比べても3ユーロ下落。
欧州でライバルとなるソニー・エリクソンが122ユーロと高水準で、
前の期から比べ2ユーロ上昇したのとは対照的。

この1年、人員削減などリストラで体質改善に努め、それも一段落。
好機とみて、年後半にかけて、さらに販売攻勢に出る。

世界最大の携帯電話機メーカー、ノキアの強みはコスト競争力。
「量」を確保すれば、調達や生産で大きなアドバンテージ。
単価が落ちても、それ以上のコスト削減が見込める。
量を増やすだけでなく、基本ソフト(OS)は3種類に集約。
毎年新機種だけで50~60機種、全体で150機種以上もある。
量産効果を発揮するとともに、商品の生産を簡単にした。

最終の組み立て工場は、ほぼ自社所有。
ライバル他社に、付加価値が低いとみて最終組み立て工程を
外部委託する社が多いが、ノキアは
「迅速に、効率よく、無駄なく生産するには、自社生産が不可欠」
(ユハ・プッキランタ上級副社長)として、自社工場にこだわる。
主力ではないCDMA規格の商品や季節要因で、
一時的に増産が必要の際は外注するが、全体の2割程度。

量を生かす「規模の経済」を、より効果的に実現するための司令塔が、
ノキア独自の「ディマンド・サプライ・ネットワーク(DSN)」。
サプライヤーと工場、本社や販売店など、総合的ネットワークで結び、
在庫を圧縮すると同時に、販売店への商品供給を迅速に行う。

アルゼンチンの販売店から注文を受け、中国のサプライヤーに
部品を発注し、メキシコの工場で生産する手はずを整えるのがDSN。
アルゼンチンの販売店に商品が届くまで、約2週間。
これはほぼ最悪のケースで、通常はもっと短い期間で商品を供給。
そのリードタイムは、業界で最も短いと評される。

米調査会社AMRリサーチによると、全業種を対象にした
サプライチェーン・ランキングで、ノキアは2007年、
長くトップに君臨していたパソコン大手のデルを抜いて1位。
08年、アップルにかわされ、2位となったものの、
携帯電話機の専業メーカーでは断トツ。
生産方式で日本を代表するトヨタ自動車や、
スーパー大手の米ウォルマート・ストアーズをしのぐ強さ。

供給(サプライ)面に加え、DSNのもう1つの強みが、
需要(ディマンド)予測。
販売現場と協力し、需要予測を立て、効率的な生産につなげる
「CPFR(協調立案による予測と補充)」という考え方を導入。
小売業界で広まりつつあった先端手法を、携帯電話機業界に
いち早く持ち込み、正確な需要予測と製品供給に役立てた。

POS(販売時点情報管理)などの情報や企業戦略を、
販売店などに積極的に公開して共有、ともに販売戦略を練る手法。
ノキアが2005年、工場を建設し、いち早くインドに進出、
販売網を整備した上で、同国の携帯電話機市場を席巻したのも、
CPFRを活用した需要予測が大きな役割を果たした。

「ノキアの怖さは、需給両面にあるが、特に需要予測はまねできない」
と、ある日系電機メーカーの幹部。
ノキアが需要予測を基に、本格的に動き出したとしたら、
市場シェア40%を握っていた時代以上の力を持つことも。
「巨人」と称されたノキアが、さらに大きくプレゼンスを強めて
復活を遂げる日も近いかもしれない。

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/ittrend/itt090729.html

放射性炭素年代測定法:C14濃度に局所的むら 「箸墓は卑弥呼の墓」説に難題

(毎日 7月28日)

放射性炭素(C14)年代測定法は、どこまで確かな年代を出せるか?
国立歴史民俗博物館の研究グループが、
卑弥呼の墓とする説がある箸墓古墳の築造年代を推定した
科学手法の現状と課題を探った。

炭素原子(C)は、C12、C13、C14という三つの同位体。
C14は、時間とともに窒素に変化するが、
宇宙線の作用で、同じだけのC14が窒素から生成、循環し、
大気中の二酸化炭素やそれを取り込み、生物が持っている炭素の中で、
C14が占める比率(C14濃度)は一定を保つ(約1兆分の1)。

遺物では、新たな炭素の取り込みがなく、C14だけが減少、
C14濃度を測定することにより、死滅後の年数がわかる。

加速器質量分析(AMS)法の導入によって、微量の試料で測定でき、
考古学的な編年の物差しである土器の付着炭化物(こげやすす)を
測定する方法が、90年代に開発。
歴博が、箸墓の年代推定に用いたのもこの方法だが、
何によってできた炭化物かがわかりにくいという難点。

大気中で生成されたC14が、CO2の形で海に溶け、循環するには、
時間がかかり、海洋生物が持つC14濃度は陸上生物より低い。
C14濃度が低く、海産物のC14年代は全海洋の平均で、
年によって最大約400年も古くなり、
海洋深層水が上昇している海域では、さらに古い値に。

名古屋大学の宮田佳樹・研究機関研究員は、
同一の地層から出土した炭化材、貝類、海生動物の骨、
土器付着炭化物を測定。
遺跡の年代を示す炭化材より貝類が古く、
水深約50メートルまで潜り、表層の魚を捕るウミスズメはさらに古く、
水深約200メートルまで潜って深層の魚を食べるニホンアシカは
さらに古いC14年代を示した。
深くなるほど、海水のC14濃度が低くなる。

土器付着炭化物の中には、ニホンアシカよりさらに100年以上
古い年代を示すものがあった。
何らかの化学変化で、土中の古い炭素を吸収したためとみられるが、
詳しい原因は未解明。

大気中のC14濃度も、C14を生成する太陽の活動によって
年ごとに変化している。

C14年代法研究をリードしてきた名古屋大学の中村俊夫教授は、
大気循環の変化により、C14濃度に局所的なむらができる、
という最近の研究を紹介。
樹木年輪と照合して作成した国際標準のデータベースで、
C14年代を実年代に直すと、日本では古墳出現期を含む
1~3世紀に、最大約100年古くずれる。
歴博グループが用いた日本産樹木年輪による
日本版データベースの完成と検証、公開が待たれる。

古墳研究をリードしてきた白石太一郎・大阪府立近つ飛鳥博物館館長は、
C14年代法の実用性を認めつつ、
年代データを利用する考古学の側の問題を指摘。

箸墓の築造年代は、同時期とみられる古墳に副葬された
鏡の年号や型式編年をもとに、240~290年と考えられている。
歴博グループが、周濠から出土した布留0(ふるゼロ)式土器の年代を、
「240~260年」と推定したのはこれと矛盾しない。

同じ型式の土器が、築造の初期段階とみられる土取り穴から出土し、
周濠から出土したから築造直後の年代であるとして、
箸墓は卑弥呼(247年ごろ死亡)の生存中に築かれた
「寿陵」だった可能性がある、
とまで論じているのは全く根拠がないと批判。

土器は、1型式に20~30年の幅があり、
2型式が併存することもある。
C14年代法は、条件がよくても20~30年の測定誤差があり、
正確に実年代に直す方法は研究の途上。
数年刻みの目盛りではないという、それぞれの方法上の限界を
踏まえてこそ、考古学と自然科学の実りある共同作業になる。

http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2009/07/28/20090728dde018040026000c.html

2009年8月2日日曜日

ストレスが子供の喘息を引き起こす可能性

(2009年7月27日 WebMD)

ストレスが多い家庭の子供は、交通による大気汚染、
受動喫煙等の環境的誘因に関連した喘息のリスクが高い
可能性があることが、新しい研究で明らかに。

排気ガス汚染に日常的に曝露されている子供のうち、
ストレスが最高度の家庭の子は、低度の子に比べ、
喘息発症率が50%高かった。

サザンカリフォルニア大学(USC) Keck医学部のRob S. McConnellは、
環境的誘因が存在しない場合、ストレスは喘息リスクに
大きな影響を及ぼさなかった。
「汚染が肺の炎症作用を引き起こし、炎症は喘息の基本的な特徴」
「ストレスにも炎症誘発作用があり、ストレスと大気汚染の影響が重なると、
いずれか一方よりも悪化」

この試験は、大気汚染が呼吸器の健康に及ぼす影響を検討する
大規模試験に参加した、約2,500例の年齢5-9歳の小児を対象。
参加時、喘息または喘鳴の証拠があった小児はなく、
3年間にわたり全例が経過観察。

小児のストレスマーカーとして、親が子供のストレスレベルを調査する
質問表への記入を行った。
受動喫煙、家庭の特徴、親の教育レベル(社会経済的地位の指標)
等の情報も収集。
3年間の試験期間中、120例が喘息を発症。

ストレスのみでは、喘息リスクの上昇は認められなかったが、
ストレスの多い家庭と交通による汚染が高度な居住地の組み合わせが、
居住地が交通渋滞地域のみの場合よりも、
大きい喘息のリスクファクターである。

母親が妊娠中に喫煙していた子供も、
家庭環境にストレスが多い場合、喘息発症率が高かった。
「複数の原因があるこの複雑な疾患に寄与する因子について、
いくつかの新しい手がかりが得られる」

喘息の有病率は、1980~1994年に75%増加し、
年齢5歳未満の小児における喘息有病率は
この数年間で160%以上増加。

全世界では、3億人が喘息であると推定、
2025年まで4億人に増加すると世界保健機関は予測。

喘息研究者であるノースカロライナ大学のDavid B. Pendenは、
排気ガス、たばこ煙等の環境汚染物質への曝露が
喘息患者の喘息症状を誘発する。

汚染物質への曝露が、喘息発症に何らかの役割を果たしている
エビデンスも増加しつつある。
「免疫機能に関連した多くの異なる疾患における
ストレスの役割について、多くのことがわかり始めている」とPenden博士。

ハーバード大学Beth Israel Deaconess Medical Centerの
研究者らによる研究で、ストレスと幼児の喘鳴および
他の喘息リスクファクターの増加との関連が認められた。
「ストレスが疾患に及ぼす影響について、解明されていないことが多いが、
それでもこのデータは説得力のあるもの」とPenden博士。

stress-may-cause-asthma-in-kids

http://www.m3.com/news/SPECIALTY/2009/7/27/104970/

低炭水化物食と低脂肪食がII型糖尿病患者の体重、A1Cに及ぼす効果に差はない

(2009年7月27日 Medscape)

「Diabetes Care」7月号の報告で、
低炭水化物食がII型糖尿病患者の体重、
ヘモグロビンA1C(A1C)値に及ぼす効果は、
低脂肪食とほぼ同じであるが、低炭水化物食摂取の方が、
1年後の高比重リポ蛋白(HDL)コレステロール値が増加。

Albert Einstein College of Medicine of Yeshiva Universityの
Nichola J. Davisらは、
「II型糖尿病患者の最適な減量法に、見解は一致せず、
減量と血糖コントロールを達成の最善の食事法は不明」

「糖尿病のない者の試験では、低炭水化物食による減量結果が
他の食事療法と同等または低炭水化物食が減量に有効で、
American Diabetes Associationの最新のガイドラインに、
短期間減量には、カロリー制限した低炭水化物食、低脂肪食が有効」

目的は、II型糖尿病の肥満成人105例を対象、
減量、血糖コントロールに対する1年間の低炭水化物食、
低脂肪食の効果を比較。
主要評価項目は体重、A1C値、副次評価項目は3ヵ月、6ヵ月、12ヵ月
時点の血圧、脂質プロフィール。

体重減少は、低炭水化物群の方が低脂肪群より早期にみられ、
体重、A1C値が最も低下したのは最初の3ヵ月間。
12ヵ月時点の体重減少率は、両群とも3.4%と差がなく、
両群ともA1C値に有意な変化なし。血圧に影響なし。
低炭水化物群では、低脂肪食群に比して
HDLコレステロール値は大幅に増加。

University of Connecticutの栄養学教授Maria-Luz Fernandezは、
「低炭水化物食で、HDLコレステロールが増加。
これは、低炭水化物療法で非常に一貫した結果。
糖尿病患者では、HDLコレステロール値が非常に低く、
きわめて重要な臨床的意味合いがある」

この試験には、低脂肪群の方が低炭水化物群より
ベースラインの体重が重いこと、ある1日の食事の記憶、
1日の食事記録によって食事摂取を評価したことにより
バイアスが生じた可能性があること、
身体活動を客観的に評価していないこと、といった制約。

「II型糖尿病の肥満患者では、12ヵ月間の低炭水化物食と低脂肪食で
体重、A1C値に有意差は認められなかった。
両群とも、体重は平均3.4%減少したが、A1Cは低下しなかった。
各食事療法の短期的な効果は持続的なものではない」

Dr. Fernandezは、「低炭水化物食を実践するのは、
炭水化物の量が非常に少ない場合には難しいが、
25%炭水化物食は難しくなく、糖尿病患者にはきわめて有用」

Dr. Fernandezは別の研究で、反応に性差があるか、
ベースラインでのHDLコレステロールが低値の場合に反応が異なるを
検討するための試験を実施するよう提言。

Diabetes Care. 2009;32:1147-1152.

http://www.m3.com/news/SPECIALTY/2009/7/27/104972/

子どもの朝読、家読推進 県教委がプラン

(岩手日報 7月27日)

「中2で1カ月4冊の読書」。
国民読書年を来年に控え、県教委はこんな数値目標を掲げた
「いわて子ども読書プラン2009」をまとめた。

活字離れが叫ばれる中、朝読書や全校読書を推進する
「朝読(あさどく)」と、家庭や地域が協力する「家読(いえどく)」で、
中2の月平均読書数を3冊から1冊増やす。

学校現場から、「ゆとり教育の見直しで読書に充てる時間は減っている」
との声も聞かれ、子どもを取り巻く読書環境の改善が求められている。

同プランは、5カ年計画。
08年度で終了した第1次プランでは、08年度の1カ月の平均読書冊数は
小5が9・9冊(03年度8・9冊)、中2が3冊(同2・4冊)、
高2が1・8冊(同1・3冊)と増加。

1カ月間、1冊も本を読まなかった児童生徒(08年度)は、
小5が1%(03年度2%)、中2で22%(同26%)、高2で33%(同49%)。
学年が上がるにつれ、広がる読書する子としない子の二極化は大きな課題。

プラン2009では、「本に親しむ環境づくり」に加え、
読書時間の確保などに取り組む。
学校での朝読書や全校読書を推進し、
子どもが読書の楽しさを感じるようにする。
親子で読書に親しむ家庭の取り組みや、教育振興運動など
地域での活動は「家読」という言葉に託した。

県教委生涯学習文化課の大月光康総括課長は、
「子どもが本に触れる機会を少しでも増やしたい。
そのため、学校、家庭や地域の取り組みが継続して行われるよう、
行政として支援していきたい」

学校現場から、「ゆとり教育からの転換で、授業時間は増えたものの
読書時間はなかなか確保できない。
児童生徒が、本に触れる時間を学校だけで増やすのは難しい」
(30代女性中学教諭)。

新プランでは、08年度を基準年に5年後の数値目標を設定。
月平均読書数は、小5が12・7冊、中2が4冊、高2は2・4冊。
不読者は小中をゼロに、高2は19ポイント減の14%に。

岩教組の菊池智尋書記長は、
「十分な読書時間が取れない学校のカリキュラム。教師の多忙化。
ゆっくりとわが子とかかわれない保護者。
読書推進には、幅広い環境の改善が必要。
良さの押しつけではない支援を期待したい」

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20090727_6

札幌市時計台、「機械遺産」に 128歳、今も現役

(朝日 2009年7月29日)

日本機械学会は、国内に現存し、歴史的に意義のある
「機械遺産」として、北海道の観光名所になっている
札幌市時計台の時計装置など、6件を新たに選んだ。
8月7日「機械の日」、芝浦工業大豊洲キャンパスで認定式を行う。

札幌市時計台は、1878年、札幌農学校の「演武場」として建設。
当初、小さな鐘楼がついていたが、1881年改修され、時計が設置。
同学会は、「設置当初の機構が現在も稼働しているという点で、
時計塔の機構部としては国内現存最古といえる」と評価。

機械遺産の認定制度は07年に始まり、今年が3回目。
文化遺産として大切に保存し、次世代に伝えていくことが目的。
これまで、初代新幹線0系車両、国産旅客機YS11など31件。

今年選ばれたのは、精米などに使われた旧峯岸水車場(三鷹市)、
歯車の歯切り加工をする親歯車ホブ盤HRS―500の
マスターウォームホイール(沼津市)、
国内最古の自家用乗用車「ロコモビル」(北海道北斗市)、
現存最古の国産乗用車「アロー号」(福岡市)、
機関車の向きを変える英国製50フィート転車台(静岡県川根本町)。

http://www.asahi.com/science/update/0728/TKY200907270460.html

2009年8月1日土曜日

自民政権公約案の要旨

(2009年7月29日 読売新聞)

自民党政権公約案の要旨は、次の通り。

【地方分権】
▽国の出先機関の廃止、補助金・税配分の見直しなどの
「新地方分権一括法案」の成立
▽直轄事業負担金制度の抜本見直し
▽全国知事会などの「政権公約に対する要請」について実現に努力
▽「道州制基本法」を早期に制定
▽2017年までに道州制を導入

【国会改革】
▽次々回の総選挙から衆院議員定数を1割以上削減、
10年後に衆参議員定数の3割以上を削減
▽引退する議員の配偶者と3親等内の親族が同じ選挙区で
立候補する場合、次々回の総選挙から公認・推薦せず、
「世襲候補」を制限

【公務員改革】
▽「天下り」、「渡り」は全面的に禁止
▽65歳以上の天下りの常勤役員の禁止
▽国家公務員を2015年までに8万人以上削減

【子育て・教育】
▽今後4年間で3-5歳児への教育を無償化
▽低所得者の授業料無償化
▽就学援助制度の創設
▽新たな給付型奨学金の創設

【雇用】
▽若者の正規雇用援助
▽日雇い派遣の原則禁止
▽働きやすい環境を作るため労働派遣法の改正

【医療・年金】
▽診療報酬のプラス改定
▽今後3年間で介護施設充実
▽無年金・低年金対策の強化
▽在職老齢年金の見直し
▽年金制度の抜本改革について法律による超党派の協議機関を設立
▽日本年金機構の設立など年金記録問題の早期救済

【外交・安全保障】
▽日米同盟堅持が基本
▽集団的自衛権の政府見解の見直しを含め、
必要な安保関係の法律を再構築
▽北方領土問題や竹島問題に毅然と対応
▽拉致問題が解決しない限り、対北朝鮮支援を実施せず
▽自衛隊が素早く平和協力活動に参加するための法律を制定

【憲法改正】
▽憲法審査会を早急に動かし、憲法改正を実現

【税制】
▽今後10年以内に国と地方の基礎的財政収支
(プライマリーバランス)黒字化
▽消費税を含む税制を経済回復後に見直す準備を推進
▽消費税の社会保障・少子化対策への特化
▽社会保障番号・カードの導入

【教育】
▽基礎学力の向上
▽道徳教育や伝統文化教育を強化
▽「スポーツ基本法」制定、スポーツ庁の創設

【農林水産業】
▽食料自給率50%を目標に意欲ある農家の経営をサポートし、
所得を増大
▽国産木材の利用拡大
▽水産業への新たな就業支援

【環境】
▽「低炭素社会づくり推進基本法」制定
▽世界全体の温室効果ガス排出削減を主導

【経済政策】
▽経済成長戦略で10年以内に1人当たり国民所得を
世界トップに引き上げ
▽2010年後半に経済成長率2%を実現

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/7/29/105063/

メタボリックシンドローム、仕組みを解明 免疫細胞が炎症誘発 東大、マウス実験で

(2009年7月27日 毎日新聞社)

メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の原因となる
内臓脂肪の炎症が起きる仕組みを、
永井良三・東京大大学院医学系研究科教授らが、
マウス実験で突き止めた。

免疫細胞の一つ、Tリンパ球が炎症の引き金に。
メタボリックシンドロームの治療薬開発につながる。
26日付の米専門誌「ネイチャーメディスン」(電子版)に掲載。

内臓脂肪が蓄積し、脂肪細胞が大きくなると、
白血球の仲間のマクロファージなど、免疫細胞が集まって
慢性的な炎症が起きる。
炎症により、インスリンの効きが悪くなることなどが
マウス実験で分かっており、動脈硬化や糖尿病などにつながる。
しかし、炎症の起きる仕組みはなぞ。

永井教授らは、高脂肪食を与えた肥満マウスと
通常の食事を与えたマウスを比較。
その結果、肥満マウスは病原菌を撃退する
「CD8陽性Tリンパ球」が、マクロファージより先に増えていた。

このリンパ球を減らしたり、存在しないマウスを作製して調べると、
高脂肪食を与えても、内臓脂肪組織に炎症が起きないことが判明。
一度炎症が起きたマウスから、このリンパ球を取り除くと、
内臓脂肪の炎症が抑えられ、
インスリンの効きが改善されることなども分かった。

真鍋一郎・東京大大学院医学系研究科特任准教授(循環器内科)は、
「このTリンパ球は免疫機能にとって重要で、
すべてを除去するのは難しい。
脂肪組織の肥満化によって、Tリンパ球を活性化させる物質を
見つけられれば、それを制御することで、
メタボリックシンドロームの治療薬開発につながる可能性がある」

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/7/27/104956/

オフィスでエクササイズ すき間時間にチョコチョコ継続

(日経 7月15日)

健康診断の結果を見て、暗い気持ちになったビジネスパーソンは
多いのではないか。
多忙な中、フィットネスクラブに定期的に通うのは難しいし、
食事制限を続けるのも大変。

総合情報サイト「オールアバウト」で、「男のボディケア」のテーマで
記事を書いている森俊憲さんに、オフィスでも手軽にできる
エクササイズを紹介。

運動は、継続してこそ効果を発揮。
高すぎる目標を掲げても、実際には長続きしない。
少しずつでも確実に実践し続けることが大切。

今回紹介するのは、いすに座ったまま短時間で手軽にできる
「オフィスエクササイズ」。
昼休みや会議の合間など、ちょっとしたすき間の時間を活用して、
効果的な運動ができる。代表的なメニューを3つ。

1)指先を鎖骨の近くに置いたまま肩を大きく回す
「ローテートショルダー」。
肩甲骨の周りを大きく動かし、ほぐすことで肩や首筋の緊張を解く。
目の疲れを和らげる効果も。

手順は、指先を鎖骨の近くに置き、そこを支点に指先を付けたまま
ゆっくりと肩を大きく回す。肩甲骨をしっかりと動かし、
ひじで大きな両輪を描く。前後それぞれ5回。
大きく深呼吸しながら行うと、より高い効果。
胸を張って、背筋を伸ばした状態を保つ。

次に「レッグエクステンション」。
たるんだおなかを引き締めるのに最適。
手軽にできるメタボリックシンドローム対策。

いすに浅めに座って背筋をピンと伸ばし、両手を腰に置いて
バランスを取りながら、ゆっくりと片足を伸ばす。
いすの座面と、平行になるぐらいまで足を浮かす。
足を曲げたり伸ばしたりを、左右の足ごとに5回。
浮かしていない足を床につけないと、より効果的。

足の曲げ伸ばしをするとき、背筋を必ず伸ばす。
できるだけふらつかないように頑張る。

最後に、「チェストアイソメトリックス」。
ターゲットは、胸の内側の筋肉と二の腕。
引き締まった胸を作り、二の腕にできがちな「たるみ」を解消。
メタボ対策、気分転換や集中力アップに。

胸の前で手のひらを合わせた状態で、強く押し合う。
手に力を込めたまま、ゆっくりと腕を前方に伸ばす。
ひじを伸ばしきったところで、5秒間静止。5回繰り返し。

常に力を入れたまま、両手でしっかりと押し合うのがポイント。
あせらず、じっくりと腕を伸ばす。

紹介したエクササイズは、体形を管理し、血圧・コレステロールの
調整機能を整え、生活習慣病の予防につながる。
目の疲れや肩こりも解消し、仕事へのやる気や生産性も高まる。

健康でなければ、能力をフルに発揮できない。
オフィスエクササイズを習慣にし、
仕事で十分な成果をあげられるように。

◆メタボリックシンドローム

内臓脂肪症候群とも言われ、心筋梗塞や動脈硬化と密接に
関係している病態。
内臓脂肪型の肥満(腹囲が男性85cm以上、女性が90cm以上)、
高血圧、高血糖、脂質異常のうち、2つ以上が重なった場合にメタボ。
解消には、食事などの生活習慣を改める必要。
特定健診・特定保健指導が、2008年4月から開始。
該当者とその予備軍を合わせ、1900万人に達する。

◆もり・としのり

大学卒業後、京セラや大手携帯電話会社で働き、
独自のフィットネストレーニングのノウハウを確立。
2007年、ボディクエストを設立、「代表取締役ボディデザイナー」就任。
トレーニングプログラムをインターネットで配信する
「オンラインフィットネス」事業。
日本トレーニング指導者協会員。

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/bizskill/biz090715.html

県内NPO法人、認証件数が鈍化 自主財源確保が課題

(岩手日報 7月28日)

県内の特定非営利活動法人(NPO法人)数は、
2008年度320団体に上る。
福祉、環境などさまざまな領域で活動しているが、
08年度の認証件数は15件と、ピーク時の約4分の1に減少。
解散件数は7件と、過去最多。

寄付金や会費、独自事業など、自主財源で活動する団体はわずかで、
大半は自治体などの補助金などでやりくりしているのが実情。
特定非営利活動促進法施行から10年余が経過。
法人の在り方を問い直す時期に来ている。

県NPO・文化国際課によると、本県のNPO法人の認証件数は、
1999年度以降、ほぼ毎年度増加。
05年度の56件をピークに減少に転じ、08年度は15件と、
認証開始当初の水準となった。

解散件数は計19件。
02、04、05年度が各1件、06年度4件、07年度5件、
08年度7件と年々増加。

運営資金は、独自事業で工面したり、行政や民間団体の補助金や
委託金などで賄う方法があるが、補助金などに依存しているケースも多い。
補助金などに依存すると、交付基準などがネックとなって、
自主性の高い事業が難しくなる面。

二戸市のカシオペア連邦地域づくりサポーターズ(湯川秀俊代表)は、
県補助と自己資金を2分の1ずつ用意し、地域づくり団体に
助成金を出す事業を9年間続けてきた。
資金難で、自己資金を用意することが困難になり、
10年度事業の資金の目途は立っていない。
湯川代表は、「来年度以降も何らかの形で支援を続けたい」

「新しい公共の創造」をテーマに掲げる「いわてNPOセンター」(盛岡市)は、
08年度収入の9割弱を補助金や委託金などで占めた。
経営企画室の遠藤勝見マネージャーは、
「活動終了後に、お金が交付される事業もある。
ある程度の資金がないと受けられない」とやり繰りの難しさを口にする。

盛岡市で認知症専門の介護施設を運営する「第二のわが家」
(熊谷由紀子、小野寺アキ子両代表)は、
事業の目的が明確で、地域ニーズとも一致し、
初年度(04年度)から黒字が続く。
職員15人には、ボーナスも支給。

県NPO・文化国際課の岩間隆総括課長は、
「NPO法人は、立ち止まって足元を見つめる時期を迎えた。
独自財源の確保が大きな課題。
助成金獲得方法なども含め、総合的に支援していく」と支援策を模索。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20090728_15

2009年7月31日金曜日

東大の研究グループがメタボ症候群の発症メカニズムを解明

(日経ヘルス 7月27日)

メタボリック症候群の発症過程では、肥大化した内臓脂肪の周囲に
一種の“炎症状態”が起こることが知られてきている。
東京大学の研究チームが、この炎症状態を詳細に顕微鏡で観察、
炎症前の段階に、CD8陽性Tリンパ球が働いていること、
Tリンパ球を抑え込むと、内臓脂肪の“炎症状態”が生じない
ことがわかったと発表。

東京大学大学院医学系研究科の永井良三教授らのチームで、
7月26日付の米科学誌ネイチャー・メディスン(電子版)に掲載。

メタボの過程では、脂質の取りすぎなどにより、
内臓脂肪の細胞一つ一つが、最大で直径3倍くらいになるまで肥大。
肥大すると、そこから出されるたんぱく質のサイトカインが信号となって、
全身の血管内に血栓ができやすくなったり、炎症が起こりやすくなる。
肥大した脂肪細胞の周囲にも、マクロファージが集まって
炎症が起きていると考えられている。

東京大学のチームでは、「実際に何が起きているかを、特殊な顕微鏡
(レーザー共焦点顕微鏡)を使って詳しく観察した」
(同研究チームの真鍋一郎・特任准教授)。
肥大化した脂肪細胞の周囲では、マクロファージがたくさん集まって、
炎症が起きていることが画像でも確かめられた。
「脂肪細胞に周囲に集まっている物質を網羅的に解析したところ、
マクロファージが集まるかなり以前、CD8陽性Tリンパ球が
増えていることがわかった」

CD8陽性Tリンパ球の働きを抑える実験
(Tリンパ球の抗体を投与し、Tリンパ球の働きを8割ほど減らす実験、
CD8陽性Tリンパ球を全く作れないマウスを使った実験)をしたところ、
いずれの場合もマクロファージの増加が大幅に抑制され、
脂肪組織の炎症が抑えられた。
同時に、全身の糖代謝やインスリンの効きも良くなり、
糖尿病の病態が改善。

「CD8陽性Tリンパ球が、メタボリックシンドロームを引き起こす
脂肪組織の炎症に必須であることがわかった」

CD8陽性Tリンパ球は、通常、細菌やウイルスのような
異物が入ったとき、感染してしまった細胞を攻撃して殺すために
絶対に必要な細胞。
脂肪細胞の炎症を抑える目的であっても、
完全に働かなくするわけにはいかない。

「今回の研究を治療に生かす場合、CD8陽性Tリンパ球の
ある働きだけを抑えるような方法が考えられる」(真鍋准教授)。
「何をきっかけに、CD8陽性Tリンパ球が増えるのか、
今後はその物質を特定する必要がある」(永井教授)。
それができれば、メタボになっても糖尿病や動脈硬化の発症を
抑えるような薬を開発できる可能性がある。

http://nh.nikkeibp.co.jp/article/nhpro/20090727/103644/

乙女心を射止めた腕時計のヒミツ

(日経 2009-07-25)

低迷が続く国内腕時計市場。
世界的な景気後退が追い打ちをかけるが、そんな逆風下、
20~30歳代の“女子”向け腕時計で、ヒット作が相次いでいる。
人気の秘密は、手ごろな価格とセンスのいいデザイン。

東京・渋谷のファッションビル「シブヤ109」を発信地とする
「マルキュー系」などのカジュアル系ファッションブランドと同じく、
ちょっぴりすました「等身大」の演出が乙女心をくすぐる。

セイコーウオッチが、5月に発売した女性向け腕時計「ワイアード エフ」。
女性誌の表紙をひんぱんに飾る人気モデル、梨花さん(36)が
プロデュースした新機種(1万5750~2万6250円)は、
発売前から予約が殺到、発売とほぼ同時に売り切れ。
発売の際、いつもの新機種と同程度の本数しか用意しなかった。
営業担当者いわく、「すごい爆発力。販売予測が甘過ぎた」

「梨花ちゃんのデザインは、ドレッシーかつ、かわいくて
とっても使いやすそう!」、「梨花さんの時計かわいい!!
欲しいです(*^o^*)」――。
「ワイアード エフ」の携帯サイトには、梨花モデルを試した
20~30歳代女性たちの感想が並ぶ。

デザインは、至って質素。
日本人の肌色に合うといわれる黒や薄茶をベースに、
縦に長い楕円形のケースやサテン調のベルトなど、落ち着いた雰囲気。

実は当初のデザイン案は、文字盤も大ぶりで、
赤やピンクで彩った派手なものだった。
しかし、梨花さんの「(若い女性が求めているものは)
こういう派手なものじゃなくて、全く違うんですよね」
との一言で大きく方針転換。
梨花さんが描いたイメージ画などを基に、打ち合わせを重ね、
シンプルなデザインに落ち着いた。

担当した商品企画2部の河村直美さん(32)は、ヒットの背景を、
「梨花さんの考え方や服装、アクセサリーが若い女性の支持を集めた」

梨花さんのブログの閲覧件数は、1日約80万件に上る。
飾り気なく語られる、ちょっとおしゃれな日々の生活の様子に、
人気が集まる。
ブログにも腕時計にも、共通しているのは「常に自然体で語る、
等身大な梨花さんへの共感」(河村さん)。

梨花モデルを、「かわいい」と評した26歳の女性会社員に聞いた。
時計自体のデザインが優れていたのか、それとも梨花さんのデザイン
だからかわいく見えたのか?
答えは後者。
「梨花モデルと知らなければ、『かわいい』とは思わなかった。
梨花の時計だったからこそ、『かわいい』と共感できた」

オリエント時計が昨年末に発売した、「iO(イオ) シューティングスター」
シリーズ(1万3650~2万4150円)。
10歳代後半から20歳代前半の女性をターゲットに、
流れ星をモチーフにポップなデザインを採用。
旧シリーズの5割増しの初回生産量を準備したにもかかわらず、
予想を上回る売れ行きで欠品となったモデルも。

企画コンセプトは、「私の好きなもの」。
商品企画には、20歳代から30歳代前半の同社の女性社員7人。
「この時計を着ける子ってこんな性格だよね」、
「きっとこんな服を着て、こういうお店に買い物に行くるはず」。
腕時計のターゲット像を、具体的なイメージに掘り下げていく。

その上で「こんな形はどう?」、「流れ星ってかわいいよね」。
自分が理想とするイメージを重ね合わせ、内容をその場で
イラストにしてデザインを決めた。
「おしゃべり」の中で固めていったコンセプトが、
ほぼ同世代のハートを射止めた。

彼女たちの購買意欲を刺激したのが、腕時計としては
手の届きやすい1万~2万円の価格設定。
高級化が進んでいた腕時計のイメージからすれば、
ちょっとしたお得感がうれしい。
腕時計にステータスを求める男性とは違う。

これまでも、同じような価格帯の若い女性向けの腕時計が
なかったわけではない。
まるで抑えた価格を補うかのように、あえて派手な色を使ったり、
ラメを施したりと、意匠と価格のバランスに欠けるものが少なくなかった。
働く20~30歳代の元気はつらつ「女子」にはチープに映ったのか、
支持を集めるには至らなかった。

リクルートの20~30歳代女性向け無料情報誌「L25」の
山本朋恵編集長は、最近の若い女性の消費傾向を
「アラカルト消費」と表現。

気に入った品々をブランドなどは気にせず、一つひとつ単品で購入し、
自分の思いのままにコーディネートする。
購入を決める際のメルクマールとなるのが、
「流行を追いつつも、自らの個性を表現できる」(山本氏)こと。

欧米ブランドの超高級品か、安価な実用品か――。
梨花モデルや「私たちの好きなもの」とのコンセプト商品は、
その間の溝を埋め、「等身大の自分らしさをテーマにした
『アラカルト消費』にあった価値観を提供した」(同)。

「いかにモノに、個性や物語を持たせるか」から、
「顧客の個性をいかに最大限にいかせるか」へ。
商品企画の基点が大きく変わってきたようだ。

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/syohi/syo090724.html

緑化をしのぐヒートアイランド対策

(日経 2009-07-24)

都市のヒートアイランド対策に威力を発揮しそうな、
新タイプの「日よけ」が注目。
京都大学大学院の酒井敏教授が考案した「フラクタル日よけ」。

葉っぱが茂る樹木を模した構造で、木陰のような涼しさを感じられる。
一見ローテクだが、その設計にはヒートアイランド研究の常識を
ひっくり返すような発想が入っている。

日本科学未来館の玄関前、「シェルピンスキーの森」と名付けた
日よけが設置。
8月末までの予定で、気温などのデータをとって、
冷却効果を確かめる実験。

酒井教授らが企画・設計、製作は積水化学工業の関連会社、
積水インテグレーテッドリサーチが担当。

屋根部分は樹脂製で、三角形のとんがり帽子を集めたような形。
構造には、「フラクタル」の一種である「シェルピンスキー四面体」を採用。
フラクタルは、数学者のマンデルブローが導入した幾何学の概念。
全体と部分の形が相似形をなし、海岸線や樹木の枝分かれの構造など、
自然界に広く存在する。

シェルピンスキー四面体は、1つの四面体から同じ形で、
一回り小さい四面体を次々にくりぬいていって作った構造。
酒井教授によると、この構造は自然の樹木の葉の分布の仕方に近い。
日差しは防ぐ一方、風通しが良い。

なぜ、葉に似せた構造を作る必要があるのか?
酒井教授は、「葉の一つひとつが十分に小さいから」
太陽に照らされると、地上の大きな物体は熱くなりやすく、
小さな物体は熱くなりにくい。

炎天下で、自動車の車体は高温になる。
同じ場所に置いたミニカーは、金属製でもそれほど熱くならない。
小さい物体は、大気に熱を逃がしやすい。
同様に、植物の葉のように小さな物体は熱くなりにくい。

樹木の多い郊外では、太陽の光は小さい葉に当たる。
都会では、道路や建物が太陽の光を吸収する。
これらは、数メートル以上の大きな面でできている。
これが、都市と郊外の表面温度の違いに大きく関係。

都市部の気温が、郊外よりも高くなる現象は、
ヒートアイランド現象と呼ばれる。
意外なことに、昼間の気温は都市部も郊外もそれほど変わらない。
それでも都会で熱く感じるのは、大きな面積を持つ道路や建物の
表面温度が高く、そこからの赤外線を受けるため。
都市を冷やすためには、小さな物体が配置された日よけで
街を覆えばいい。

樹木は、小さな葉をあるパターンで分散配置。
酒井教授が複数の種類の樹木で、そのパターンを分析したところ、
フラクタル分布といえるもの。
フラクタルの一種であるシェルピンスキー四面体の形で、
樹木を模倣するアイデアが生まれた。

現在、ヒートアイランド対策として屋上緑化などが推奨。
樹木の蒸散作用による気化熱で、温度を下げることが期待。
メンテナンスに手間がかかり、維持するのに大量の水を必要。

フラクタル日よけは、樹木に近い遮熱効果を持つうえ、
メンテナンスも容易で、なにより水を必要としない。
「屋上緑化の代わりや、壁面への設置で効果が期待できる」(酒井教授)。
緑化にこだわらない新しいヒートアイランド対策として、
性能の検証などが期待。

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/techno/tec090722.html

岩手の海から新産業を 沿岸地域連携組織が発足

(岩手日報 7月29日)

県沿岸の海洋資源を生かし、産業振興を図る
「いわて海洋研究コンソーシアム」が発足。

沿岸に集積する海洋研究機関の「知能」を結集。
石油・天然ガスや風力、海洋深層水、海洋バイオテクノロジーに
つながる深海生物など、本県沿岸の海洋資源を生かす
「海洋版シリコンバレー」の実現を目指す。
国などの大型プロジェクト誘致を進め、
本県主軸のものづくり産業に次ぐ産業として育成。

設立会議は宮古市役所で行われ、
代表に、東大海洋研究所国際沿岸海洋研究センター長の
道田豊教授を選任。

県内外の有識者らで組織する、いわて海洋資源活用研究会によると、
海洋資源は久慈で石油・天然ガス、風力エネルギーが有望視され、
宮古では海洋深層水の実用化が始まっている。
釜石や大船渡では、日本海溝(深度7千メートル)の深海生物、
海洋微生物の存在が想定。

コンソーシアムは、資源を活用し、海洋研究のネットワーク形成や
海洋環境研究、海洋バイオ研究、海洋資源・エネルギー活用を
4本柱に据え事業展開。

具体的には、中国大連市の大連水産学院との技術交流や
海洋微生物資源を生かした創薬などを、企業と共同研究。
海洋資源・エネルギーの活用に向け、調査研究を進め、
国などの大型プロジェクト誘致を目指す。

県商工労働観光部の広田淳部長は、
「国内有数の海洋研究ポテンシャルを最大限活用し、
自動車や半導体のものづくり産業に続く、
新たな産業群の育成につなげたい」と期待。

◆いわて海洋研究コンソーシアムとは

東大海洋研究所国際沿岸海洋研究センター(大槌町)、
北里大海洋生命科学部(大船渡市三陸町)、
同大海洋バイオテクノロジー釜石研究所、
水産総合研究センター宮古栽培漁業センター、
県水産技術センター(釜石市)、
県、宮古、大船渡、久慈、陸前高田、釜石の5市、
財団法人さんりく基金、釜石・大槌地域産業育成センター、
5市の商工団体の計24組織で構成。
沿岸部の海洋資源を生かした、産業活性化を目的とした連合体を目指す。

http://www.iwate-np.co.jp/economy/e200907/e0907291.html

2009年7月30日木曜日

監督たちに学ぶマネジメント(2) 事実に基づきビジョン共有

(日経 7月25日)

マネジメントでは、リーダーが明確なビジョンを、
メンバーに提示できるかが重要な意味を持つ。
チームのあるべき姿を選手たちに明示し、「名門復活」を果たしたのが、
早稲田大学ラグビー部の清宮克幸前監督。

最近でこそ、大学ラグビー界をリードしている早大ラグビー部だが、
1990年代は低迷を続けていた。
状況を打破するべく、清宮氏が監督に就任したのが2001年春。
彼が就任して、真っ先に行ったことが明確なビジョンの提示。

「早稲田ラグビー」といえば、早大や日本代表の監督を歴任した
故・大西鉄之祐氏が提唱した「展開・接近・連続」をコンセプト。
体の大きい相手との密集戦での消耗を避けるため、
素早くボールを展開、相手の体形が崩れたところで接近、
全員でフォロー(連続)する。
この一連のプレーの流れで、トライを狙うという考え方。

清宮氏は、そうした伝統を無批判に受け入れる気質にメスを入れた。
まず、徹底的にファクト(事実)を分析。
ビデオで過去の試合を何度も分析し、攻めのパターンや局面ごとの
ミスの内容を明らかにした。
パスのタイミングや相手にタックルに入る角度など、
勝利の要素を明らかにするため、ミスや攻撃の精度を数値化。

勝つためには何をすべきか、という視点から、
勝利への方程式「ビクトリーチェーン」をまとめた。
この方程式を、「アルティメットクラッシュ(徹底的にたたきのめす)」
という明確なビジョンに落とし込み、
すべての部員に変革意識を芽生えさせた。
その後の早大ラグビー部の復活ぶりは言うまでもない。

ファクト分析を背景にした大胆な戦略転換と、それに基づく明確な
ビジョンの提示によって、選手たちを奮い立たせた清宮氏の手法は、
変革期を迎えている企業にとって大いに参考になる。
特に、ビジョンの提示の重要性は大きい。

米IBMの最高経営責任者(CEO)として、同社を危機の渕から救った
ルイス・ガースナー氏も、ビジョンの提示を重視した経営者の1人。
ガースナー氏は、「顧客志向への転換」を掲げ、大幅なコスト削減に
取り組むと同時に、ソフトやサービス事業を強化。
IBMが今あるのは、ビジョンのおかげ。

メンバーに明確なビジョンを提示するとともに、
行動規範の確立とコミットメントの醸成も、
チーム作りの初期段階で行わなければならない。
いくら良い戦略を実行しようとしても、行動規範やコミットメントを抜きに
安定した実績は残せない。

行動規範とは、心構えや基本動作などを包括的に含む概念。
コミットメントとは、「目標達成に向けた責任意識」

基本動作は、2つにわけられる。
1つは、「あいさつを必ずする」といった人間教育的な部分。
もう1つは、「キャッチボールは必ず相手の胸に寸分違わず投げる」、
「ボール球にはむやみに手を出さない」などの基本技術的な部分。

行動規範とコミットメントは、組織に規律と緊張感をもたらし、
戦うチームの土台となる。
野球でよく言われる「球際の強さ」という表現は、
このような地力が象徴的に表れている部分。

プロ野球、楽天イーグルス監督の野村克也氏は、低迷したチームを
立て直す「再生屋」として大きな実績。
実は、野村氏が選手の指導で最も重視しているのが、行動規範の確立。

野村氏は、ミーティングで選手たちに人間論やプロフェッショナルとしての
心構え、野球の基本理論を説いていく。
話したことを、ノートに取るように選手たちに指導。

ここで見逃してはならないのは、なぜこういったことを
話さなければならないのか、といった背景や理由も一緒に説いている点。
これによって、価値観の押しつけではなく、聞いている選手たちも
自分で考え、判断できるようになる。

野村氏の地道な活動が、自由奔放な気風を善しとした
阪神タイガースの風土改革に貢献したことは明らか。
野村氏が監督時のタイガースは、低迷状態を脱することはできなかった。
後を継いだ星野仙一氏が、鉄拳制裁も辞さないマネジメントスタイルで、
選手のコミットメントを引き出し、チームをリーグ優勝に導いた。
野村時代にまいた改革の種が、星野時代に花開いた。

優れた業績をあげている企業をみると、
組織全体の規律を保ちながら、現場を担う従業員が自律的に改善策を
提案・実行するという組織風土がみられる。

(アリックスパートナーズ ディレクター 古谷公)

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/bizskill/biz090723.html

監督たちに学ぶマネジメント(1) WBC連覇に5つの要素

(日経 7月19日)

野球世界一を決めるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で、
日本代表が連覇を果たし、日本中をわかせた。
金メダルの期待を背負って臨んだ北京五輪では、
日本代表は目を背けたくなるような惨敗を喫した。
対照的な結果の背景には、一体何があったのだろうか?

マネジメントのプロとして、企業の再生や変革を支援してきた
筆者の目には、WBCでの日本代表(サムライジャパン)は
理にかなった運営がなされているように映った。

特筆すべき点は、
(1)明確なビジョンの提示、
(2)行動規範の確立とコミットメント(目標達成に向けた責任意識)の醸成、
(3)戦略実行サイクルの運営、
(4)モチベーションアップ(士気向上)、
(5)実力主義の導入と柔軟な人材登用——の5つ。

これらは、集団で1つの目的を達成するには欠かせない要素。
チームスポーツだけでなく、企業経営にもあてはまる。

まず、明確なビジョンの提示。
原辰徳監督が就任する際、重視したのがチームのネーミング。
それまでの日本代表は、「長嶋ジャパン」、「王ジャパン」など
監督の個人名を冠していた。
原監督は、日本らしさを表現するのにこだわり、「サムライジャパン」とした。

これによって、「胸と胸を付き合わせて正々堂々と勝負する」という
日本チームのあり方が具現化し、プライドの高い一流選手を
束ねられるようになった。
監督個人の魅力やリーダーシップではなく、
目指す姿が求心力となる「ビジョン経営」になった。

次に、行動規範の確立とコミットメントの醸成。
原監督が強調していた、「日本力(にっぽんぢから)イコール侍らしさ」とは、
覚悟と潔さ、気力、粘りを意味する。
これらは日本選手のあり方、つまり行動規範となった。
特に、劇的な勝利を収めた決勝の韓国戦では、
「日本力を発揮して勝つことができた」と原監督は強調。

優勝を目指すことを宿命として選ばれた選手たちのコミットメントは
十分に高く、まったく問題はなかった。
苦しいとき、サムライジャパンらしさを保つため、
行動規範は大きな支えになったと思われる。

WBCでサムライジャパンが連覇を達成できた要素の1つが、
戦略実行サイクルの運営。

「プラン・ドゥー・チェック・アクション(計画・実行・検証・修正、PDCA)」
のマネジメントサイクルは、「言うはやすく行うは難し」の典型。
サムライジャパンを率いた原監督は、見事なまでにPDCAを徹底。

サムライジャパンの基本戦略は、持ち前の投手力を生かして
失点を最小限に抑え、数少ない得点チャンスをものにする「守りの野球」。
試合を重ねるごとに、データに基づきながらPDCAを回し、
基本戦略に磨きをかけていった。

この成果は、決勝戦での勝利の立役者である岩隈久志投手の
投球内容に表れている。
韓国打線が低めに弱い点を突き、投球数の76%が真ん中より低め。
こうした点は、精神論を重視しすぎて失敗した北京五輪からの
最も大きな変化といえる。

次に挙げられる要素が、モチベーションアップ。
原監督は、「技術と気持ちの部分で心配することはまったくない」と述べ、
選手たちを大人の集団として扱う「権限委譲型」のマネジメントを採った。
その象徴が、松坂大輔投手を投手陣のリーダーに指名したこと。

松坂投手は、練習中に話しかけたり、食事に誘ったりするなど、
若手との対話に腐心した。
緊張感の高い国際大会で、彼らが重圧に負けずに全力を尽くし、
伸び伸びとしたプレーができるようにするため、
チームとしての一体感を醸成するのに貢献。

最後の要素が、実力主義の導入と柔軟な人材登用。
チーム編成では、選手の選考への関心が高まったが、
マネジメント的な視点から、コーチ陣の組閣にも着目したい。
特に、作戦面で能力の高い人材をコーチにしたことが目を引く。

原監督は、チームの精神的支柱となり、モチベーションアップに
徹することができた。
作戦面を担当するのは、「コーチ+中心選手」という最適な役割分担。
選手起用でも、本業は先発であるダルビッシュ有投手を抑えで使うなど、
固定観念にとらわれることがなかった。

(アリックスパートナーズ ディレクター 古谷公)

1986年早大理工卒。ブリヂストンと外資系コンサルティング会社を経て、
2008年に企業再生専門のコンサルティング会社である
アリックスパートナーズに入社、ディレクターに。
自動車メーカーや消費財メーカーの営業・マーケティング力強化で実績。

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/bizskill/biz090717_2.html

炭水化物:量で時差ぼけ改善も 減らすと体内時計進む 産業技術総合研究所が発見

(毎日 7月25日)

マウスに、炭水化物を極端に減らし脂肪分を増やした餌を
食べさせると、体内時計が4~8時間程度進むことを、
産業技術総合研究所の大石勝隆・生物時計研究グループ長らが見つけた。

将来は、食事の工夫で時差ぼけを改善したり、
眠りの時刻がずれて夜更かし・朝寝坊になる睡眠障害などの
治療につながる。
米科学誌「動脈硬化、血栓症、血管生物学」電子版に24日、論文が掲載。

炭水化物を極端に減らした食事をとると、
エネルギーを脂肪から作り出すため、
体内の脂肪分解が進むことが知られている。

以前から、脂肪分解と体内時計の関係を調べてきた研究チームは
今回、「炭水化物0・73%、脂肪94・8%」という
特殊な餌(ケトン体食)を作り、マウスに14日間、食べさせた。

その後、体内時計遺伝子の一つで、
24時間弱の周期で働きが変わる遺伝子「ピリオド2」の働きを調べた。

働きが最も強まる時刻が、通常の餌を食べたマウスより
4~8時間早まり、変化の周期も15~20分短くなった。
血液中で血栓を溶かしにくくする成分「PAI-1」の濃度が、
通常の3~4倍に。

大石グループ長は、「体内時計を調節するメニューが
開発できるかもしれないが、血栓による病気の可能性への注意が必要」

http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2009/07/25/20090725ddm012040042000c.html